以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(キッティングシステム100およびサーバ1の構成)
図1は、キッティングシステム100およびサーバ1の全体構成を示す図である。
キッティングシステム100は、サーバ1と連携するとともに、複数のスレーブ端末42(本発明の情報端末)に同時にかつ同一の操作入力を行い、複数のスレーブ端末42を同時にキッティングする。キッティングとは、ユーザへの受け渡し前に行うスレーブ端末42のセットアップ作業を指す。キッティングは、スレーブ端末42へアプリケーションプログラムをインストールしたり、スレーブ端末42の各項目の設定を行ったり、各社が提供するサービスのアカウントを各スレーブ端末42から取得したりすることを含む。
サーバ1(本発明のキッティング支援システム、コンピュータ)は、キッティングシステム100と連携し、通信機能を有する各スレーブ端末42と接続される。
サーバ1は、各スレーブ端末42に、同じ設定項目に関して個別の設定情報52(図4)を同時に配信する。これにより、各スレーブ端末42は、同じ設定項目に関して個別の設定情報52を含むwebページ91(図12(A):本発明のキッティング支援画面)を同時に表示する。キッティングシステム100は、webページ91に表示される設定情報52をコピーしてスレーブ端末42が表示する画面82(図12(B):本発明の入力画面)にペーストするキッティング操作入力を、各スレーブ端末42に同時に行う。
これにより、本実施形態では、複数のスレーブ端末42に同時にかつ同一の操作入力を行うキッティングシステム100において、同じ設定項目に対してスレーブ端末42毎に異なる設定情報52を入力させることが可能となる。
キッティングシステム100は、ティーチングユニット2、自動設定ユニット3、マスター端末41、スレーブ端末42、およびPC5(Personal Computer)を備える。ティーチングユニット2および自動設定ユニット3は、サーバ1に有線または無線により通信可能に接続する。サーバ1、マスター端末41、およびスレーブ端末42は、インターネットに接続する。
マスター端末41およびスレーブ端末42は、スマートフォンやタブレット端末であり、同一のものである。ティーチングユニット2に載置される端末をマスター端末41と記載し、自動設定ユニット3に載置される端末をスレーブ端末42と記載する。
マスター端末41は、複数のスレーブ端末42に対して同時にかつ同一の操作入力を行わせるための、オペレータによって操作されるタッチパネル411を備える。
スレーブ端末42は、自動設定ユニット3に例えば10台設置され、それぞれ、自動設定ユニット3によって操作されるタッチパネル421を備える。以降、マスター端末41およびスレーブ端末42を端末41、42と記載することがある。
ティーチングユニット2は、オペレータの操作に応じて三次元移動が可能でありマスター端末41のタッチパネル411に対するタッチペン21、を用いた操作入力情報を記録する。操作入力情報は、タッチパネル411に対するタッチペン21の三次元位置情報を含む。
ティーチングユニット2は、タッチペン21がマスター端末41に対して3軸方向にスライド移動することをガイドするとともに、タッチペン21の操作入力情報(ホームポジションからの時間毎の変位量)を取得する。3軸方向は、互いに直交するX,Y,Z軸方向である。X方向およびY方向は水平方向に沿い、Z軸方向は鉛直方向である。
オペレータは、タッチペン21の近傍に設けられたグリップ282(図17)を把持してタッチペン21を3軸方向に移動させることができる。オペレータは、タッチペン21によりマスター端末41のタッチパネル411をタップしたりロングタップしたりスワイプしたりしてマスター端末41に操作入力を行い、マスター端末41のキッティングを行う。
ここで、PC5は、サーバ1に、複数の設定項目に対して、端末41,42毎に異なる設定情報52が記録された設定ファイル50を送信する。マスター端末41は、オペレータの操作入力を受けて、サーバ1に、順次、各設定項目の設定情報52のリクエスト(本発明の情報取得要求)を行う。サーバ1は、マスター端末41に、設定ファイル50に基づいて各設定項目の設定情報52を順次配信する。
マスター端末41は、webページ91において設定情報52を順次表示する。オペレータは、順次表示される設定情報52を用いて、マスター端末41をキッティングする。例えば、オペレータは、設定情報52(図12(A))をコピーして画面82(図12(B))にペーストする操作入力をマスター端末41に行う。ティーチングユニット2は、オペレータによるタッチペン21を用いた操作入力情報を記録し、サーバ1に送信する。サーバ1は、操作入力情報を自動設定ユニット3に送信する。サーバ1は、ティーチングユニット2から受信する操作入力情報に対し、オペレータの操作時間が空いている部分を除去する補正等、適宜の補正を行ってもよい。
自動設定ユニット3は、複数のスレーブ端末42が載置されるとともに、各スレーブ端末42のタッチパネル421に操作入力を行うための複数のタッチペン31を、サーバ1から受信する操作入力情報に基づいて自動的に三次元移動させる。サーバ1は、自動設定ユニット3に一連の操作入力情報をまとめて送ってもよいし、逐次、操作入力情報を送信してもよい。
自動設定ユニット3は、スレーブ端末42毎に設けられたタッチペン31を備える。自動設定ユニット3は、複数のタッチペン31を三次元方向に移動制御可能であり、複数のタッチペン31を同時に同じ方向に移動させる。サーバ1は、ティーチングユニット2におけるタッチペン21の操作入力を各スレーブ端末42に対して再現させるタッチペン31の操作入力情報を自動設定ユニット3に送信する。
自動設定ユニット3は、受信する操作入力情報に基づき、自動かつ同時に各スレーブ端末42に対し、タッチペン31による操作入力を行う。自動設定ユニット3は、図12(A)(B)に示すように、webページ91中の設定情報52をコピーして画面82にペーストさせるマスター端末41に対する操作入力を、各スレーブ端末42に対してタッチペン31により再現する。
この際、サーバ1は、マスター端末41に対するキッティング時と同様、各スレーブ端末42に、各設定項目の設定情報52を順次配信する。また、サーバ1は、同一の設定項目の設定情報52を、各スレーブ端末42に同時に配信する。これにより、自動設定ユニット3は、各スレーブ端末42において、webページ91の設定情報52を利用しながら設定項目を設定し、各スレーブ端末42のキッティングを同時に完了させることができる。
ここで、webページ91の設定情報52は、設定ファイル50にて各スレーブ端末42に固有のものまたは共通のもののいずれにも設定できる。従って、本実施形態では、各スレーブ端末42に対して自動設定ユニット3によりタッチペン31を用いた共通の操作入力を行っても、各スレーブ端末42の固別設定が可能である。また、本実施形態では、設定情報52を各スレーブ端末42に共通のものに設定することで、自動設定ユニット3による各スレーブ端末42への共通の操作入力により、各スレーブ端末42に共通の設定を行うことが可能である。
図2は、サーバ1の機能を示すブロック図である。
サーバ1は、設定ファイル読込部101、webページ作成部102、記憶部103、URL表示部104、配信制御部105、操作入力情報取得部106、操作入力情報送信部107、入力部108、表示部109、内部設定情報取得部110、第1検証部111、第2検証部112、マスターデータ生成部113を備える。
入力部108は、キーボードやマウス等であり、オペレータの入力を受け付ける。表示部109は、ディスプレイ等であり、画面を表示する。各機能部101〜107、110〜113については後述する。サーバ1は、各機能部101〜107、110〜113が複数のサーバに跨って存在していたり、ある機能部が複数のサーバ1により実現されていたりする分散系であってもよい。各機能部は、記憶部103にあるプログラムをプロセッサが読み込むことにより実現される。
端末41,42は、メモリ、プロセッサ、タッチパネル411,421を備える。後述するキッティングの各工程における端末41,42の処理は、プロセッサがメモリ内のプログラムを読み込むことにより実現される。
以下、マスター端末41のキッティング時の操作入力情報をサーバ1が取得する際のサーバ1およびマスター端末41の処理を、図3のフローチャートを参照して説明する。
オペレータは、複数の設定項目に対して、端末41,42毎に異なる設定情報が記録された設定ファイル50をキッティング開始前に例えばPC5にて作成し、該PC5からサーバ1に送信する。なお、設定ファイル50では、一つの設定項目に対してのみ設定情報が記録されていてもよい。
サーバ1の設定ファイル読込部101がPC5から受信する設定ファイル50を読み込む(ステップS101)。サーバ1の記憶部103(本発明の第1機能)は、メモリであり、設定ファイル50を記憶する(ステップS102)。
図4、5は、設定ファイル50の内容の一部を示す図である。
キッティングでは、各端末41,42にアプリケーションプログラムをインストールしたり、端末41,42の各項目の設定を行ったりするところ、本実施形態では、キッティングとして、端末41,42にアプリケーションプログラム「Zqqq」をインストールする例を説明する。
設定ファイル50では、キッティング対象の端末41、42の個体識別番号51に対し、設定項目ごとに設定情報52が対応付けられる。設定情報52は、テキスト設定情報521、ブランク522、URL523(図5:Uniform Resource Locator)を含む。図4,5にてブランク522は「−」で示される。
設定ファイル50では、設定項目毎に、さらに、設定手順の説明53および該設定項目のタイトル54が対応付けられる。タイトル54は、設定項目によってはブランクとされ、図4,5では「−」で示される。設定ファイル50では、設定項目毎に、設定手順の説明53、タイトル54、および設定情報52から図4,5にて縦一列に並ぶカラムが構成される。
個体識別番号51として、本実施形態ではIMEI(International Mobile Equipment Identifier)を用いる。各設定情報52は、端末42に固有の識別情報に対応付けられていればよい。識別情報は、IMEIのほか、適宜の情報を使用できる。
設定手順の説明53は、オペレータがタッチペン21を操作してマスター端末41をキッティングする際に、該設定項目においてオペレータが行うべき設定手順の説明である。後述する設定情報表示用のwebページ91では、設定手順の説明53の表示の有無を予め設定できる。
図6(A)は、個体識別番号51の入力受付用のwebページ92を示す図である。図6(B)は、IMEIの表示画面81を示す図である。
サーバ1のwebページ作成部102は、設定ファイル50が読み込まれて記憶部103に記憶されると、個体識別番号51の入力を受け付けるwebページ92を作成し、記憶部103に記憶させる。サーバ1のURL表示部104は、webページ92のURLを表示部109に表示する(ステップS103)。本実施形態では、設定情報表示用のwebページ91において設定手順の説明53が表示されるように設定されている場合のURLが発行されるものとする。サーバ1から送信されるwebページ92及び後述するwebページ91は、HTML(HyperText Markup Language)により記述される。
オペレータは、ティーチングユニット2のタッチペン21を操作してマスター端末41のwebブラウザを開くとともに、非同期的にサーバ1と通信するためのスクリプトを有効に設定する。該スクリプトにより、マスター端末41は、設定項目ごとにwebページ91全体を更新するのではなく、設定項目ごとに設定情報52等(設定手順の説明53、タイトル54、プログレスバー55)を順次更新することが可能になる。
オペレータは、タッチペン21を操作して、サーバ1が表示するURLを入力し、該URLが示すサーバ1にマスター端末41をアクセスさせる。マスター端末41は、webブラウザ(およびスクリプト)により、HTTPプロトコルに則ってURLで示されたwebページ92(HTMLファイル)のリクエストをサーバ1に対して行う(ステップS201)。
サーバ1の配信制御部105は、該リクエストを受けて、URLで示された識別番号入力用のwebページ92をマスター端末41に配信(レスポンス)する(ステップS104)。
マスター端末41は、個体識別番号51の入力受付用のwebページ92を受信し、タッチパネル411に表示する(ステップS202)。
webページ92には、個体識別番号51の入力欄921、読み込みボタン922、設定手順の説明923として「個体識別番号を指定して下さい」が表示される。オペレータは、設定手順の説明923を参照して、ティーチングユニット2のタッチペン21によりマスター端末41に操作入力を行い、IMEIである個体識別番号51の表示画面81(図6(B))を開く。
オペレータは、個体識別番号51をタッチペン21にてロングタップする。すると、個体識別番号51が選択バー811,812で囲まれ、コピーボタン813を含むメニュー814が表示される。オペレータは、コピーボタン813をタッチペン21でタップし、タブを個体識別番号51の入力受付用のwebページ92に切り替える。オペレータは、webページ92の入力欄921をタッチペン21にてタップし、表示されるメニュー924のペーストボタン925をタッチペン21にてタップし、個体識別番号51を入力欄921にペーストする。
この際、オペレータが移動させるタッチペン21の三次元方向への時間当たりの変位量、換言するとタッチペン21の操作入力情報は、ティーチングユニット2に記録され、サーバ1に送信されることとなる。オペレータがマスター端末41にURLを入力するステップS201からキッティングが終了する後述のステップS206:YESまでに操作されるタッチペン21の一連の操作入力情報は、ティーチングユニット2に記録され、サーバ1に送信される。
オペレータが読み込みボタン922をタッチペン21にてタップすると、マスター端末41は、設定情報表示用のwebページ91のリクエストとともに、入力された個体識別番号51をサーバ1に送信する(ステップS203)。
図7は、設定情報表示用のwebページ91の例を示す図である。
サーバ1の配信制御部105(本発明の第2機能)は、個体識別番号51および設定情報表示用のwebページ91のリクエストを受信すると、記憶部103に記憶されている設定情報表示用のwebページ91をマスター端末41に配信する。また、配信制御部105は、設定ファイル50から個体識別番号51に対応する最初の設定情報52等(設定手順の説明53、タイトル54)を抽出し、マスター端末41に配信する(ステップS105)。
マスター端末41は、webページ91および設定情報等を受信し、webブラウザおよび設定情報52等を非同期的に表示するためのスクリプトにより、webページ91および設定情報52等を表示する(ステップS204)。
以下、webページ91の内容および設定情報52の表示の仕組みを簡単に説明する。図7では、設定情報52等は、メールアドレスをコピー&ペーストする設定項目(図4の1段目、右端から2番目のカラム参照)に対応するものとなっている。
webページ91は、各端末41,42に予め設けられたwebブラウザ(本発明の画面表示機能)によって表示可能であり、各設定項目に対応する設定情報52等を表示するためのキッティング支援画面である。webページ91は、上下中央部に配置される横長の枠524、該枠524の上方に配置される横長の枠541、枠541の上方に配置されてキッティングの進捗を示すプログレスバー55、プログレスバー55の上方に配置されて「次へ」と記載される次へボタン911(本発明の要求ボタン)、および「戻る」と記載される戻るボタン912を含む。
マスター端末41は、サーバ1から受信する設定情報52を枠524内に表示し、設定手順の説明53を枠524の下方に表示し、タイトル54を枠541内に表示する。図7の例では、設定情報52としてテキスト設定情報521が表示される。テキスト設定情報521は、テキストであり、コピー&ペーストされて設定入力に利用される。
図7の例では、テキスト設定情報521としてマスター端末41に固有のメールアドレス「abcd07014296627@i.xxbank.jp」が表示される。該設定項目では、設定ファイル50において、端末41,42毎に固有のメールアドレスが設定されている(図4の1段目、右端から2番目のカラムにおける各メールアドレス参照)。これにより、スレーブ端末42に対する該設定項目のキッティング時においても、各スレーブ端末42は、固有のメールアドレスを表示することとなる。
マスター端末41は、次へボタン911を選択されることにより、サーバ1に次の設定項目の設定情報52等のリクエストを行う。このように、webページ91は、当該webページ91に含まれる設定情報52の次の設定情報52に対するリクエストをサーバ1に送信するための次へボタン911(本発明の要求ボタン)を含む。
サーバ1の配信制御部105は、キッティングシステム100を通じたwebページ91の次へボタン911に対する操作入力によってマスター端末41から設定情報52等のリクエストを受信する度に、設定ファイル50からマスター端末41の個体識別番号51に対応する設定情報52等(設定手順の説明53、タイトル54)を順に抽出してマスター端末41に配信する。マスター端末41は、該設定項目の設定情報52等を受信する度に、webページ91中の設定情報52等を更新する。
図7の設定項目の次の設定項目は、図4の1段目、右端のカラムおよび図8(B)に参照されるように、パスワードのコピー&ペーストである。該設定項目のテキスト設定情報521は、各端末41,42に共通のパスワード「abcd0088」となる。従って、該設定項目では、各端末41,42は、共通してパスワード「abcd0088」を表示することとなる。このように、各端末41,42が表示するテキスト設定情報521は、設定ファイル50の定義次第で、各端末41,42に個別のものにも共通のものにも設定できる。
図8(B)の設定項目の次の設定項目は、図4の2段目、左端のカラムおよび図8(C)に参照されるように、セキュリティの質問の選択および答えのコピー&ペーストである。該設定項目のテキスト設定情報521も、各端末41,42に共通の答え「xx大学高等学校・中学校」となる。
設定ファイル50にて設定情報52としてブランク522が設定されている場合、枠524内はブランクとされる(図4の1段目、左端のカラムおよび図9参照)。設定ファイル50にて設定情報52としてURL523が設定されている場合、枠524内には、該URL523をリンク先とするハイパーリンクが設定された状態でURL523が表示される(図5の2段目のカラムおよび図14参照)。
図7に戻り、設定手順の説明53は、「アドレスをコピー&ペースト Aleからのニュースとお知らせをOFF ⇒作成をタップ(aCloudの場合)」と表示される。設定手順の説明53は、設定によってはサーバ1から配信されずwebページ91に表示されないが、この場合、オペレータは、タイトル54を見て作業を行うこととなる。
webページ91における図7の例では、タイトル54は、「アドレス入力」と表示される。オペレータは、タイトル54を見ることでも、該設定項目においてマスター端末41にどのような操作入力を行うべきかを把握できる。
サーバ1は、マスター端末41に対し、設定情報52等と共に該設定項目の最初の設定項目からの順番および全体の設定項目数を送信する。マスター端末41は、該情報に基づいて、webページ91中のプログレスバー55を、キッティングの進捗状況を示すように更新する。
図9は、アプリケーションプログラム「Zqqq」をインストールする際に配信される最初の設定項目の設定情報52等を示す図である。
マスター端末41は、サーバ1から最初の設定項目の設定情報52等を受信し、webページ91内に表示する(S204)。設定ファイル50の図4の1段目左側のカラムに参照されるように、最初の設定項目に係る設定情報52はブランク522であり、webページ91の枠524内はブランクとされる。タイトル54も同様にブランクであり、枠541内もブランクとされる。設定手順の説明53は、「「OOstore」を開きZqqqを検索、入手→インストール ポップが表示されたら「Ale IDを新規作成」をタップ」である。
図10、図11は、アプリケーションプログラム「Zqqq」のインストール時にマスター端末41が表示する一連の画面82を示す図である。
オペレータは、webページ91の設定手順の説明53を参照し、図10(1)に示すように、ホーム画面である画面82にてアプリケーションプログラム「OOstore」のアイコンをタッチペン21によりタップしアプリケーションプログラム「OOstore」を開く。オペレータは、図10(2)に示すように、アプリケーションプログラム「Zqqq」のアイコンをタッチペン21によりタップした後、図10(3)に示すように、「Appをインストール」と記載されるボタンをタップする。オペレータは、図10(4)に示すように、表示されるポップ内の「Ale IDを新規作成」と記載されるボタンをタップする。マスター端末41は、新規アカウントを作成するための図10(5)の画面82を表示する(ステップS205)。
オペレータは、設定手順の説明53を参照し、最初の設定項目にてすべき操作入力を完了すると、タブをwebページ91に戻し、次へボタン911をタッチペン21によりタップする。これにより、マスター端末41は、サーバ1に次の設定項目の設定情報52等のリクエストを行う(ステップS206:NO,S207)。
サーバ1の配信制御部105は、リクエストを受信し、次の設定項目の設定情報52等をマスター端末41に配信する(ステップS106)。
マスター端末41は、次の設定項目の設定情報52等を受信しwebページ91内の設定情報52等を更新する(ステップS204)。該設定項目では、図4の1段目左から2番目のカラムに参照されるように、webページ91にて設定情報52はブランク522とされる。設定手順の説明53は、「「日本」にチェックが入っている事を確認し 次へ ⇒ 同意」と表示される。オペレータは、設定手順の説明53を参照し、タブを図10(5)の画面82に切り替え、「次へ」と記載されるボタンをタッチペン21によりタップする。そして、オペレータは、図10(6)の画面82にて「同意」と記載されるボタンをタッチペン21によりタップする。
図12(A)は、メールアドレスをコピー&ペーストする設定項目の設定情報52等を示す図である。図12(B)は、該設定項目時にマスター端末41に表示される画面82である。該画面82は、図10(7)に対応する。
マスター端末41は、メールアドレスおよびパスワードの入力を受け付けるための図12(B)の画面82を表示する(ステップS205)。
オペレータは、タブをwebページ91に戻し、次へボタン911をタッチペン21によりタップする。これにより、マスター端末41は、サーバ1に次の設定情報52等のリクエストを行う(ステップS206:NO,ステップS207)。
サーバ1の配信制御部105は、リクエストを受信し、図12(A)に示すように、メールアドレスをコピー&ペーストするための次の設定情報52等をマスター端末41に配信する(ステップS107:NO、S106)。マスター端末41は、webページ91の設定情報52等を、該次の設定情報52等に更新する(ステップS204)。設定情報52として、メールアドレスであるテキスト設定情報521が表示される。
オペレータは、設定手順の説明53を参照し、メールアドレスであるテキスト設定情報521をタッチペン21にてロングタップする。すると、テキスト設定情報521が選択バー913,914で囲まれ、コピーボタン915を含むメニュー916が表示される。オペレータは、メニュー916内のコピーボタン915をタッチペン21にてタップし、テキスト設定情報521をコピーする。オペレータは、タブを図12(B)の画面82に切り替え、メールアドレスの入力欄821をタッチペン21にてタップする。すると、ペーストボタン822を含むメニュー823が表示されるので、オペレータは、ペーストボタン822をタッチペン21にてタップする。これにより、マスター端末41は、コピーしたメールアドレスであるテキスト設定情報521を入力欄821にペーストする(ステップS205)。
前述したように、メールアドレスであるテキスト設定情報521は、端末41、42に固有のものが設定される。これにより、後述する各スレーブ端末42に対して行われる該設定項目のキッティング時に、マスター端末41に対する該設定項目の操作入力、すなわちテキスト設定情報521をコピー&ペーストする操作入力が再現され、各スレーブ端末42に同時に固有のテキスト設定情報521が設定されることとなる。
オペレータは、タブをwebページ91に切り替え、次へボタン911をタッチペン21にてタップする。これにより、マスター端末41は、サーバ1に次の設定情報52等のリクエストを行う(ステップS206:NO,S207)。
図13(A)は、パスワードをコピー&ペーストする設定項目の設定情報52等を示す図である。図13(B)は、該設定項目時にマスター端末41に表示される画面82を示す図である。
サーバ1の配信制御部105は、リクエストを受信し、次の設定情報52等をマスター端末41に配信する(ステップS107:NO,S106)。マスター端末41は、webページ91の設定情報52等を、該次の設定情報52等に更新する(ステップS204)。設定情報52として、パスワードであるテキスト設定情報521が表示される。
オペレータは、設定手順の説明53を参照し、タッチペン21により、パスワードであるテキスト設定情報521をロングタップした後、メニュー916内のコピーボタン915をタップし、テキスト設定情報521をコピーする。オペレータは、タブを図13(B)の画面82に切り替え、パスワードの入力欄824をタッチペン21によりタップし、次いでペーストボタン822をタッチペン21にてタップする。これにより、マスター端末41は、パスワードであるテキスト設定情報521を入力欄824にペーストする。また、オペレータは、パスワードの確認用の入力欄825をタッチペン21にてタップし、次いでペーストボタン822をタッチペン21にてタップすることにより、パスワードであるテキスト設定情報521を確認用の入力欄825にもペーストする。
パスワードであるテキスト設定情報521は、各端末41、42に共通のものが設定される。これにより、後述する各スレーブ端末42に対して行われる該設定項目のキッティング時に、マスター端末41に対するテキスト設定情報521をコピー&ペーストする操作入力が再現され、各スレーブ端末42に同時に共通のテキスト設定情報521が設定されることとなる。
オペレータは、タッチペン21により画面82を下方にスクロールし、セキュリティ情報を入力するための図10(8)(9)の画面82をマスター端末41に表示させる。なお、図10(9)は、図10(8)を下にスクロールさせた画面である。オペレータは、タブを図13(A)のwebページ91に切り替え、次へボタン911をタッチペン21にてタップし、設定情報52等を更新する(マスター端末41:ステップS205、S206:NO,S207、S204、サーバ1:ステップS107:NO,S106)。
オペレータは、webページ91の設定手順の説明53を参照し、テキスト設定情報521をコピーし、画面82の入力欄(回答欄)にペーストした後、次の設定情報52等に更新する。このようにして、オペレータは、タッチペン21を用いてwebページ91内のテキスト設定情報521をコピーし、図10(8)(9)の画面82の入力欄へペーストする等の設定入力を終えると、設定情報52等を更新することを繰り返す(図4の2段目左端のカラムから6つ目のカラムまでおよび図10(8)(9)参照)。なお、以下では、このようにタッチペン21により設定入力をした後にwebページ91の設定情報52等を更新することを繰り返すので、「ステップSOOO」の記載を省略する。
オペレータは、図10(8)(9)の画面82の各入力欄へのテキスト設定情報521の入力を完了させると、タッチペン21を用いて、図10(9)の画面82の次へと記載されるボタンをタップし、図11(10)(11)に示す画面82に切り替える。図11(11)は、図11(10)を下方にスクロールさせた画面である。オペレータは、タブをwebページ91に切り替え、次へボタン911をタッチペン21にてタップし、設定情報52等を更新する。
オペレータは、webページ91のテキスト設定情報521を図10(11)の画面82の入力欄へコピー&ペーストする度に、webページ91の設定情報52等を更新することを繰り返し、新規アカウントの作成に必要な事項の画面82への入力を完了させる。オペレータは、図11(11)の画面82にて次へと記載されたボタンをタッチペン21にてタップすると、図11(12)の確認メールについての画面82に切り替わるので、終了と記載されたボタンをタッチペン21にてタップする。
オペレータは、webページ91の設定情報52等を更新し(図5の1段目の左端から2番目のカラム参照)、図11(13)に示すように、タッチペン21によりマスター端末41を操作して確認メールを開く。オペレータは、図11(14)に示すように、「メール中の今すぐ確認」をタッチペン21にてタップし、図11(15)に示す画面82を開く。オペレータは、タッチペン21により、webページ91の設定情報52等を更新し(図5の1段目の左端から3番目のカラム参照)、webページ91中のパスワードであるテキスト設定情報521を、画面82内の入力欄へコピー&ペーストする。オペレータがタッチペン21により、メールアドレスの確認と記載されたボタンをタップすると、マスター端末41は、メールアドレスが確認された旨の図11(16)に示す画面82を表示する。これにより、マスター端末41へのアプリケーションプログラム「Zqqq」のインストールは終了する。
このように、オペレータは、webページ91の設定手順の説明53を参照し、タッチペン21を用いて画面82の操作入力を行ったり、画面82の入力欄へ、コピーしたwebページ91のテキスト設定情報521をペーストしたりする。また、オペレータは、図14および図5の2段目のカラムに示すように、webページ91に表示される設定情報52がURL523の場合、タッチペン21によりURL523をタップし、URL523先のwebページなど、URL523先が示すファイルへマスター端末41をアクセスさせる。
オペレータは、webページ91の設定情報52等に対応する設定項目の操作入力を完了させると、設定情報52等を更新して、該設定情報52等に対応する設定項目の操作入力を行うことを繰り返す(ステップS205,S206:NO,S207、S204)。この際、サーバ1は、オペレータによるマスター端末41へのキッティングの進捗状況に合わせて、設定ファイル50中の設定情報52を順次マスター端末41へ配信する(ステップS107:NO,S106)。このようにして、マスター端末41へのキッティングが完了する(マスター端末41:ステップS206:YES、サーバ1:ステップS107:YES)。
サーバ1の操作入力情報取得部106は、マスター端末41へのキッティングに係るタッチペン21の一連の操作入力情報を、ティーチングユニット2から取得する。
以下、キッティングシステム100がサーバ1と連携して複数のスレーブ端末42へ同時にかつ自動でキッティングを行う際のサーバ1およびスレーブ端末42の処理を、図15のフローチャートを参照して説明する。図15の各工程は図3の各工程と同様であるので、図15の各工程については簡略に説明する。
サーバ1の操作入力情報送信部107は、自動設定ユニット3へ、タッチペン31の一連の操作入力情報を送信する。自動設定ユニット3は、スレーブ端末42毎に設けられて各々が同時に同じ動作を行う複数のタッチペン31を用いて、マスター端末41へのキッティングに係るタッチペン21による操作入力を再現する。
各スレーブ端末42は、自動設定ユニット3による各タッチペン31の操作入力を受け付け、webブラウザを起動し、個体識別番号51の入力用のwebページ92のURLの入力を受け付ける。また、各スレーブ端末42は、非同期的にサーバ1と通信するためのスクリプトを有効に設定する。各スレーブ端末42は、個体識別番号51の入力受付用のwebページ92のリクエストをサーバ1に送信する(ステップS401)。
サーバ1の配信制御部105は、各スレーブ端末42から該リクエストを受けて、個体識別番号51の入力用のwebページ92(図6(A))を各スレーブ端末42に配信する(ステップS301)。
各スレーブ端末42は、webページ92(図6(A))を受信し、タッチパネル411に表示する(ステップS402)。各スレーブ端末42は、タッチペン31による操作入力を受け付け、個体識別番号51の表示画面81(図6(B))を表示し、表示画面81から自機の個体識別番号51(IMEI)をコピーし、webページ92の入力欄921にペーストする。各スレーブ端末42は、タッチペン31による操作入力を受け付け、設定情報表示用のwebページ91のリクエストとともに、入力された個体識別番号51をサーバ1に送信する(ステップS403)。
サーバ1の配信制御部105は、各スレーブ端末42に対し、設定情報表示用のwebページ92を配信するとともに、最初の設定項目の設定情報52等を配信する(ステップS302)。
各スレーブ端末42は、webブラウザおよび有効に設定されたスクリプトにより、設定情報表示用のwebページ91をタッチパネル411に表示するとともに、最初の設定項目の設定情報52等を表示する(ステップS404)。
各スレーブ端末42は、該設定項目におけるマスター端末41に対する操作入力を再現するタッチペン31による操作入力を受け付ける。各スレーブ端末42は、webページ91中のテキスト設定情報521(例えば図12(A))をコピーして画面82(例えば図12(B))にペーストする等、該設定項目におけるマスター端末41の動作を再現する動作を行い、該設定項目を完了させる(ステップS405)。
各スレーブ端末42は、タッチペン31による操作入力を受け付け、次の設定項目の設定情報52等のリクエストをサーバ1に送信する(ステップS406:NO,S407)。
サーバ1は、次の設定項目の設定情報52等を各スレーブ端末42に送信する(ステップS303)。
各スレーブ端末42は、webページ91の設定情報52等を更新する(ステップS404)。このようにして、各スレーブ端末42は、各設定項目におけるマスター端末41への操作入力を再現するタッチペン31による操作入力を受け付け、該設定項目を完了させると、webページ91の設定情報52等を更新することを繰り返す(スレーブ端末42:ステップS405,S406:NO,S407、S404、サーバ1:ステップS304:NO,S303)。
この際、設定情報52が各スレーブ端末42に固有のテキスト設定情報521である場合、各スレーブ端末42は、テキスト設定情報521をコピー&ペーストする同一の操作入力を自動設定ユニット3から受け付けても、それぞれ固有のテキスト設定情報521を画面82に入力することとなる。
一方、設定情報52が各スレーブ端末42に共通のテキスト設定情報521である場合、各スレーブ端末42は、テキスト設定情報521をコピー&ペーストする同一の操作入力を自動設定ユニット3から受け付け、それぞれ同一のテキスト設定情報521を画面82に入力することとなる。
サーバ1が、設定ファイル50中の設定情報52を順次各スレーブ端末42へ配信し、各スレーブ端末42が、それぞれ配信される設定情報52を表示し、該設定情報52を用いて設定項目を完了させることで、各スレーブ端末42へのキッティングが完了する(スレーブ端末42:ステップS406:YES、サーバ1:ステップS304:YES)。
(本実施形態によるキッティングの効果)
本実施形態では、複数台のスレーブ端末42を同時にキッティングするので、端末41,42の導入までのリードタイムを短縮できる。
本実施形態では、オペレータが係るキッティング作業はマスター端末41に対するものだけであり、スレーブ端末42に対しては自動設定ユニット3によりキッティングを行うことで、人手による作業を最小化している。そのため、本実施形態では、手作業の操作入力によるミスを抑えることができ、多数のスレーブ端末42に対してキッティングを行う場合でも、効率的かつ正確にキッティングを行うことができる。
本実施形態では、サーバ1がスレーブ端末42に対し固有のテキスト設定情報521を配信することで、各スレーブ端末42に対しタッチペン31によりテキスト設定情報521のコピー&ペーストという同一の操作入力を行っても、同じ設定項目に対してスレーブ端末42毎に異なるテキスト設定情報521の設定入力を行うことができる。
本実施形態では、サーバ1がスレーブ端末42に対し共通のテキスト設定情報521を配信し、各スレーブ端末42に対しタッチペン31によりテキスト設定情報521のコピー&ペーストという同一の操作入力を行うことで、同じ設定項目に対してスレーブ端末42毎に共通のテキスト設定情報521の設定入力を行うことができる。
本実施形態では、設定情報52、設定手順の説明53、タイトル54がwebページ91内の定まった位置に表示される。そのため、オペレータは、キッティング時に、設定情報52をタップすべきことや、設定手順の説明53の説明やタイトル54を参照することを直感的に把握できる。本実施形態では、次へボタン911もwebページ91内の定まった位置に表示される。そのため、本実施形態では、キッティング時に設定情報52へのタップおよび次へボタン911へのタップを繰り返す必要があるところ、該操作入力を容易にできる。
特許文献1のキッティング方法は、キー情報に対応した動作を行うモードを有するスマートフォン等の情報端末が適用対象である。該モードでは、上フリックや下フリックに対応するキー情報やダブルタップに対応するキー情報等、各タッチジェスチャに対応するキー情報が設定されている。特許文献1の方法では、各情報端末をキッティングする際の一連のタッチジェスチャに対応する一連のキー情報を生成し、該一連のキー情報をPCに記憶させる。情報端末は、キッティング開始前に、予め、キー情報に対応した動作を行うモードに設定される。該方法では、PCから各情報端末に一連のキー情報を順次送信し、端末に一連のキー情報に対応した動作を順次行わせることにより、各情報端末にキッティングを行う。しかし、特許文献1の方法は、キー情報に対応した動作を行うモードを有するOSの情報端末を適用対象としており、該モードを有さないOSの情報端末には適用できない。
本実施形態のキッティング方法では、サーバ1が、設定ファイル50中の設定情報52を順次各スレーブ端末42へ配信し、各スレーブ端末42が、それぞれ配信される設定情報52を表示し、該設定情報52を用いて設定項目を完了させていくことを順次行う。そのため、本実施形態のキッティング方法は、端末41、42の機種やOSを問わずに実施でき、汎用性がある。
(ベリファイ方法)
上述したように、本実施形態のキッティングシステム100は、同時にかつ同一の操作入力を受け付ける複数のスレーブ端末42(本発明の情報端末)と、複数のスレーブ端末42に同時にかつ同一の操作入力を行わせるためのオペレータによって操作されるマスター端末41(本発明の代表情報端末)と、を含む。
サーバ1は、複数のスレーブ端末42とは個別にまたは一緒に、マスター端末41に対してwebページ91を通じた固有のテキスト設定情報521の配信制御、および共通のテキスト設定情報521の配信制御を行う。なお、ここでは、マスター端末41用と複数のスレーブ端末42用のサーバ1が同じ場合、一緒に配信制御を行うことを意味し、マスター端末41用と複数のスレーブ端末42用のサーバ1が別個にある場合、個別に配信制御を行うことを意味する。サーバ1は、同様に、複数のスレーブ端末42に対してwebページ91を通じた固有のテキスト設定情報521の配信制御、および共通のテキスト設定情報521の配信制御を行う。
キッティングシステム100は、端末41、42に対し、webページ91を通じて固有のテキスト設定情報521のキッティング操作入力を行う。端末41、42には、該キッティング操作入力を通じて一つまたは複数の固有設定情報(固有の入力済みのテキスト設定情報521)が格納されることとなる。
キッティングシステム100は、端末41、42に対し、上記キッティング操作入力とは異なり各端末41、42間で共通する共通キッティング設定操作、すなわち共通のテキスト設定情報521をコピー&ペーストする共通キッティング設定操作を行う。マスター端末41には、該共通キッティング設定操作を通じた1つ又は複数の第1共通設定情報(端末41、42に共通の入力済みのテキスト設定情報521)が格納されることとなる。また、複数のスレーブ端末42には、それぞれ第1共通設定情報に対応する第2共通設定情報(端末41、42に共通の入力済みのテキスト設定情報521)が格納されることとなる。
このようなキッティング処理の終了後、サーバ1により、スレーブ端末42(およびマスター端末41)へのキッティングが正常に行われたかのベリファイ処理(正規のデータとの照合処理)が行われる。以下、該ベリファイ処理を図16のフローチャートを参照して説明する。
サーバ1の内部設定情報取得部110は、端末41、42から抽出される端末設定情報を取得し、端末設定情報を端末41、42の個体識別番号51毎に記憶部103に記憶させる(S501)。端末設定情報は、固有設定情報および第1、第2共通設定情報を含む。
サーバ1のマスターデータ生成部113は、マスター端末41から抽出された固有設定情報および第1共通設定情報を、設定ファイル50における対応する値とベリファイ(照合)する。この際、マスターデータ生成部113が、設定ファイル50の規定通りにマスター端末41が設定されていないと判定する場合、オペレータは、エラーの固有設定情報または第1共通設定情報に関して手動でマスター端末41に正規の設定を行う。
マスターデータ生成部113は、設定ファイル50の規定通りマスター端末41が設定されていると判定する場合、正規の設定がされたマスター端末41から抽出された端末設定情報に基づいて、スレーブ端末42のベリファイ用のベリファイマスターデータを生成する(ステップS502)。ベリファイマスターデータは、端末41、42の共通の設定に係るマスター端末41の第1共通設定情報を含む。
サーバ1の第1検証部111は、各スレーブ端末42から抽出された固有設定情報と、設定ファイル50中の対応する値とをベリファイする(ステップS503)。第1検証部111が設定ファイル50の値通りにスレーブ端末42の固有設定情報が設定されていないと判定する場合、オペレータは、該固有設定情報に関して手動でスレーブ端末42に正規の設定を行う。
サーバ1の第2検証部112は、各スレーブ端末42から抽出された第2共通設定情報と、マスター端末41の端末設定情報から生成されたベリファイマスターデータ中の対応する値(第1共通設定情報)とをベリファイする(ステップS504)。第2検証部112が設定ファイル50の値(第1共通設定情報)通りにスレーブ端末42の第2共通設定情報が設定されていないと判定する場合、オペレータは、該第2共通設定情報に関して手動でスレーブ端末42に正規の設定を行う。
(ベリファイ方法の効果)
本実施形態では、各スレーブ端末42に格納された固有設定情報を設定ファイル50とベリファイするので、各スレーブ端末42の固有設定情報を自動でチェックできる。本実施形態では、各スレーブ端末42に格納された第2共通設定情報を、マスター端末41に格納された第2共通設定情報(ベリファイマスターデータ中の値)とベリファイするので、各スレーブ端末42の第2共通設定情報も自動でチェックできる。このように、本実施形態では、キッティング済みのマスター端末41の設定内容のチェックを自動化できるので、人手によって設定内容をチェックする場合に比べ、キッティングによる設定内容のチェックをローコストで行うことができる。
(ティーチングユニット2の構成)
図17は、ティーチングユニット2の斜視図である。
ティーチングユニット2のベース201上にはトレイ202が設置される。トレイ202には、滑り止めシート203が敷かれるとともに、ストッパ204が設けられる。マスター端末41は、端部および角部がストッパ204に当接した状態でトレイ202上に設置され、位置決めされる。
ベース201上には、タッチペン21をX軸方向に移動させるためのX軸用直動案内ユニット22、タッチペン21をY軸方向に移動させるためのY軸用直動案内ユニット23、およびタッチペン21をZ軸方向に移動させるためのZ軸用直動案内ユニット24がある。
Y軸用直動案内ユニット23は、Y軸方向に延びるガイド部材231と、Y軸方向にスライド移動することをガイド部材231にガイドされる可動テーブル232とを備える。Y軸用直動案内ユニット23には、Y軸用リニアエンコーダ25が設けられる。
Y軸用リニアエンコーダ25は、可動テーブル232のY軸方向における時間毎の変位量(位置情報)を取得する、換言すると、タッチペン21のY軸方向の操作入力情報を取得する。Y軸用リニアエンコーダ25は、ガイド部材231に設けられY軸方向に沿って目盛が設けられたスケール251と、可動テーブル232に設けられ、スケール251の目盛を読み取って可動テーブル232の変位量を検出するヘッド252とを備える。ヘッド252は、可動テーブル232の変位量(操作入力情報)を示す検出信号を出力する。
X軸用直動案内ユニット22は、可動テーブル232上に固定されるスライダ221と、X軸方向に延びてX軸方向にスライド移動することをスライダ221にガイドされるレール222とを備える。X軸用直動案内ユニット22には、X軸用リニアエンコーダ26が設けられる。
X軸用リニアエンコーダ26は、レール222のX軸方向における時間毎の変位量(位置情報)を取得する、換言すると、タッチペン21のX軸方向の操作入力情報を取得する。X軸用リニアエンコーダ26は、レール222に設けられ、X軸方向に沿って目盛が設けられたスケール261と、可動テーブル232に設けられ、スケール261の目盛を読み取ってレール222の変位量を検出するヘッド262とを備える。ヘッド262は、レール222の変位量を示す検出信号(操作入力情報)を出力する。レール222のX軸方向の端部には、ベース板241が固定される。
Z軸用直動案内ユニット24は、ベース板241に設けられ、Z軸方向に延びる不図示のレールと、Z軸方向にスライド移動することをレールにガイドされるスライダ242とを備える。スライダ242には、タッチペン21を有するタッチユニット28が設けられる。Z軸用直動案内ユニット24には、Z軸用リニアエンコーダ27が設けられる。
Z軸用リニアエンコーダ27は、スライダ242のZ軸方向における時間毎の変位量(位置情報)を取得する、換言すると、タッチペン21のZ軸方向の操作入力情報を取得する。Z軸用リニアエンコーダ27は、スライダ242に設けられ、Z軸方向に沿って目盛が設けられた不図示のスケールと、ベース板241に設けられ、スケールの目盛を読み取ってスライダ242の変位量を検出するヘッド271とを備える。ヘッド271は、スライダ242の変位量を示す検出信号(操作入力情報)を出力する。スライダ242とベース板241との間にはバネ243が設けられる。バネ243は、スライダ242の自重による落下を防ぎ、スライダ242をつり合い点で保持する。
タッチユニット28は、ホルダ281、グリップ282、不図示のスライダ、ボールスプライン軸283、タッチペン21を備える。ホルダ281は、スライダ242に固定される。グリップ282は、ホルダ281を介してスライダ242に対して固定される。不図示のスライダは、ホルダ281の内側に設けられる。
ボールスプライン軸283は、不図示のスライダにZ軸方向にスライド移動可能に保持される。タッチペン21は、ボールスプライン軸283と同軸であり、ボールスプライン軸283の下端に接続する。ホルダ281とボールスプライン軸283との間には不図示のバネが設けられる。バネは、タッチペン21がマスター端末41に強く当接しすぎた際に、タッチペン21の上方への移動を許容する。これにより、タッチパネル411へ当接するタッチペン21の圧力が適切な圧力に調整される。
(自動設定ユニット3の構成)
図18は、自動設定ユニット3の斜視図である。
自動設定ユニット3の機台301上には、位置決めテーブル302が設置される。位置決めテーブル302上には、トレイ303(図19)および滑り止めシート304を介してスレーブ端末42がY軸方向に沿って複数設置される。各スレーブ端末42は、端部および角部がストッパ305(図19)に当接し、位置決めされる。
機台301上には、位置決めテーブル302をX軸方向に移動させるためのX軸用直動案内ユニット32、タッチペン31をY軸方向に移動させるためのY軸用直動案内ユニット33、およびタッチペン31をZ軸方向に移動させるためのZ軸用直動案内ユニット34がある。
X軸用直動案内ユニット32は、Y軸方向に間隔をあけて設置されて位置決めテーブル302の下面に固定される3台のスライダ321を備える。スライダ321は、X軸方向へスライド移動する。スライダ321の移動は、サーボモータ35を用いてサーボ制御される。Y軸方向の中央のスライダ321がサーボモータ35に駆動され、Y軸方向の両端側のスライダ321は、中央のスライダ321に従動する。
Y軸用直動案内ユニット33は、機台301上にY軸方向に沿って設置されるガイド部材331を備える。
図19は、Y軸用直動案内ユニット33のレール332(図19では一つのみ図示)およびスライダ333の拡大斜視図である。
Y軸用直動案内ユニット33は、ガイド部材331にY軸方向に間隔をあけて固定される2つのレール332および2つのスライダ333を備える。スライダ333は、レール332にY軸方向にスライド移動可能にガイドされる。スライダ333には、Y軸方向に延びる位置決めテーブル36がZ軸用直動案内ユニット34を介して設けられる。位置決めテーブル36は、両スライダ333に対して1つ設けられる。スライダ333の移動は、サーボモータ35を介してサーボ制御される。Y軸方向の一方のスライダ333がサーボモータ35に駆動され、Y軸方向の他方のスライダ333は、一方のスライダ333に従動する。
位置決めテーブル36には、各端末42に対応するタッチペン31がY軸方向に間隔を空けて設けられる。タッチペン31は、タッチユニット311を介して位置決めテーブル36に設けられる。タッチユニット311は、ティーチングユニット2のタッチユニット28と比べ、オペレータに動かされることがないためにグリップ282およびホルダ281が無いが、他の点はタッチユニット28と同様の構成である。タッチユニット311は、端末41に当接するタッチペン31の圧力を適切な圧力に調整する。Y軸用直動案内ユニット33は、スライダ333をY軸方向に駆動することで、複数のタッチペン31を同時にY軸方向に駆動する。
Z軸用直動案内ユニット34は、Y軸用直動案内ユニット33のスライダ333に固定されZ軸方向に延びるレール341と、位置決めテーブル36に固定され、レール332にY軸方向にスライド移動可能にガイドされるスライダ342とを備える。レール341およびスライダ342は、Y軸方向に間隔を空けて一対設けられる(図18)。スライダ342は、サーボモータ35を用いてサーボ制御される。
ティーチングユニット2は、タッチペン21を3軸方向に駆動できるところ、自動設定ユニット3は、タッチペン31を端末42に対して相対的に3軸方向に駆動できる。従って、自動設定ユニット3は、ティーチングユニット2によるタッチペン21のマスター端末41に対する動作を、タッチペン31を端末42に対して相対的に駆動することで再現できる。
(変形例)
前記実施形態では、端末41,42が非同期的にサーバ1と通信してwebページ91全体ではなく、webページ91中の設定情報52等を更新する例を説明した。しかし、端末41,42は、同期的にサーバ1と通信し、設定項目ごとにwebページ91全体を更新することで、設定情報52を順次更新するようにしてもよい。この場合、端末41,42に対し、非同期的にサーバ1と通信するためのスクリプトを有効に設定する必要は無い。
以下、サーバ1が設定情報52の配信を端末41,42にwebページ91全体を更新させることで行う場合のキッティング時の処理について図20のフローチャートを参照して簡略に説明する。図21は、一連のwebページ91を示す図である。
本例の場合、webページ作成部102は、設定ファイル50に基づき、端末41,42毎、かつ設定項目ごとに設定情報表示用のwebページ91を作成する(ステップS1021)。記憶部103は、webページ91を記憶する(ステップS1022)。
本例のwebページ91は、webページ91毎に該設定項目の設定情報52、設定手順の説明53、タイトル54、プログレスバー55が含まれる点が前記実施形態のwebページ91とは異なる。
webページ作成部102は、図21に示すように、ある端末41,42に対するある設定項目のwebページ91を作成する際に、次へボタン911のリンク先を、ある端末41,42に対応する前記ある設定項目の次の設定項目のwebページ91のURLに設定する。
webページ作成部102は、webページ91を生成する際に、戻るボタン912のリンク先を、前の設定項目のwebページ91のURLに設定する。以上により、ある端末41,42に対する設定項目毎の一連のwebページ91は、次へボタン911および戻るボタン912により数珠つながりにリンクすることとなる。これにより、マスター端末41のキッティングの際に、オペレータは、設定項目を完了させる毎に次へボタン911を押すことで、端末41,42に、次の設定項目のwebページ91を開かせることができる。
配信制御部105は、マスター端末41から個体識別番号51を受信すると、設定情報表示用の1枚目のwebページ91をマスター端末41に配信する(ステップS105A)。1枚目のwebページ91は、最初の設定項目の設定情報52等(設定手順の説明53、タイトル54、プログレスバー55)を含む。以降、配信制御部105は、マスター端末41が次へボタン911を押されて次の設定項目のwebページ91のリクエスト(本発明の情報取得要求)を送信する度に(ステップS207A)、記憶部103から次の設定項目の設定情報52等を含むwebページ91を抽出し、マスター端末41に送信する(ステップS106A)。
図22は、スレーブ端末42のキッティング時のサーバ1およびスレーブ端末42の処理を示すフローチャートである。
スレーブ端末42のキッティング時においても、同様に、配信制御部105は、各スレーブ端末42から個体識別番号51を受信すると、設定情報表示用の1枚目のwebページ91を各スレーブ端末42に配信する(ステップS302A)。以降、配信制御部105は、各スレーブ端末42が次へボタン911を押されて次の設定項目のwebページ91のリクエスト(本発明の情報取得要求)を送信する度に(ステップS407A)、記憶部103から各スレーブ端末42および次の設定項目に対応する設定情報52等を含むwebページ91を抽出し、各スレーブ端末42に送信する(ステップS303A)。
前記実施形態および変形例では、サーバ1は、設定情報表示用の1枚のwebページ91に1つの設定情報52が表示されるようにしたが、1枚のwebページ91に複数の設定情報52(例えばテキスト設定情報521とURL523や、複数のテキスト設定情報521)が表示されてもよい。この場合、自動設定ユニット3は、スレーブ端末42に対し、1枚のwebページ91中の複数のテキスト設定情報521等を順次コピー&ペーストしたり、テキスト設定情報521をコピー&ペーストした後に、URL523をタップしてスレーブ端末42にURL523が示す宛先のファイルを取得させたりすることとなる。
前記実施形態では、マスター端末41に対するオペレータのキッティング時のタッチパネル411、421へのタッチ操作を各スレーブ端末42で再現することで、各スレーブ端末42に、マスター端末41と同様の操作入力を入った。しかし、端末41,42への操作入力は、タッチパネル411、421へのタッチ操作で行われなくてもよい。端末41,42が、キー情報に対応した動作を行うモードを有するOSを備える場合、操作入力は、端末41,42へキー情報を送ることで行ってもよい。
本明細書において、タッチパネル411,423に対するタッチジェスチャとは、タップ、ダブルタップ、ドラッグ、フリック、ピンチ、スワイプ、ロングタップを含む。また、前記実施形態では、タッチパネル411,423に対する接触点が一本のタッチペンによりタッチパネルに接触した。しかし、自動設定ユニット3は、例えば2つのタッチ部により、タッチパネルの2領域を同時に接触してもよく、タッチジェスチャとしてピンチアウトやピンチインを行ってもよい。