以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.制御システムの構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る制御システム1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る制御システム1の概略構成の一例を示す模式図である。具体的には、図1では、制御システム1が搭載される車両(以下、自車両とも称する。)の内部の様子が、制御システム1の各構成要素と合せて示されている。
なお、本明細書では、自車両の走行方向を前方向とし、走行方向に対して逆方向を後方向とし、走行方向を向いた状態における左側及び右側をそれぞれ左方向及び右方向とし、鉛直上側及び鉛直下側をそれぞれ上方向及び下方向として、説明する。
制御システム1は、例えば、図1に示されるように、ナビゲーション装置20と、通信装置30と、上方カメラ41と、側方カメラ42と、サーモカメラ43と、重量センサ44と、車速センサ45と、加速度センサ46と、制御装置100とを備える。このように、制御システム1に含まれる上記の各構成要素は、車両に設けられる。制御システム1において、上方カメラ41、側方カメラ42、サーモカメラ43及び重量センサ44は、車両内の飲食物に関する飲食物情報を検出する検出装置の一例に相当する。
ナビゲーション装置20は、運転手による入力操作に応じて車両の現在位置から運転手が所望する目的地までのルートを案内する装置である。また、ナビゲーション装置20は、情報を視覚的に表示する機能を有し、ルート案内に関する情報を表示する。例えば、ナビゲーション装置20は、ルート案内に関する情報として、地図上における車両の現在位置、案内の対象となる案内対象ルート、目的地までの距離及び目的地までの到達時間等を表示する。ナビゲーション装置20による表示は制御装置100によって制御される。ナビゲーション装置20は、本発明に係る表示装置の一例に相当する。
また、ナビゲーション装置20は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信すること等によって車両の現在位置を算出し得る。また、ナビゲーション装置20は、運転手により入力される入力情報を制御装置100へ出力する。入力情報は、具体的には、案内対象ルートの条件として優先される優先条件を示す優先条件情報及び目的地を示す目的地情報を含む。
なお、経路案内に関する情報は、情報を視覚的に表示する機能を有する他の表示装置によって表示されてもよい。その場合、当該他の表示装置が本発明に係る表示装置の一例に相当し得る。例えば、他の表示装置として、ダッシュボード上に設けられフロントガラスに種々の画像を投射するプロジェクタが用いられてもよい。プロジェクタから投射された画像はフロントガラスを反射して搭乗者へ虚像として視認される。このようなプロジェクタは、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)と称される技術を利用して種々の画像を表示し得る。また、例えば、他の表示装置として、フロントガラスに重ねて設けられる透過型ディスプレイが用いられてもよい。
通信装置30は、車両の外部の外部装置と通信を行う。具体的には、通信装置30は、制御装置100が行う処理において用いられる情報を記憶する外部装置と通信する。また、通信装置30は、受信した情報を制御装置100へ出力する。
上方カメラ41は、車両内の飲食物の容器を上方から撮像することにより飲食物の容器が映る画像を飲食物情報として取得するカメラである。なお、上方カメラ41により得られる画像は、可視光画像であってもよく、赤外画像であってもよい。例えば、上方カメラ41は、車両の天井におけるカップホルダH10の上方の部分に設けられ、カップホルダH10に収容される飲料容器C10を上方から撮像する。カップホルダH10は、飲料容器C10が収容される凹部であり、例えば、運転席と助手席との間に設けられる。飲料容器C10には、飲食物としての飲料D10が入っている。
また、上方カメラ41は、撮像により得られる上方から見た飲食物の容器が映る画像を制御装置100へ出力し得る。ここで、上方カメラ41は、撮像により得られる画像に対して画像処理を行うことにより、画像に映る飲食物の容器の種類等の飲食物情報を検出する図示しない画像処理装置を内部又は外部に備えてもよい。その場合、上方カメラ41は、上方カメラ41の画像処理装置による画像処理によって得られる飲食物情報を制御装置100へ出力してもよい。
側方カメラ42は、車両内の飲食物の容器を鉛直方向と交差する方向から撮像することにより飲食物の容器が映る画像を飲食物情報として取得するカメラである。なお、側方カメラ42により得られる画像は、可視光画像であってもよく、赤外画像であってもよい。例えば、側方カメラ42は、カップホルダH10の内側部に設けられ、カップホルダH10に収容される飲料容器C10を側方から撮像する。なお、側方カメラ42は、カップホルダH10の内側部において周方向に間隔を空けて複数設けられてもよい。
また、側方カメラ42は、撮像により得られる鉛直方向と交差する方向から見た飲食物の容器が映る画像を制御装置100へ出力し得る。ここで、側方カメラ42は、撮像により得られる画像に対して画像処理を行うことにより、画像に映る飲食物の容器の種類等の飲食物情報を検出する図示しない画像処理装置を内部又は外部に備えてもよい。その場合、側方カメラ42は、側方カメラ42の画像処理装置による画像処理によって得られる飲食物情報を制御装置100へ出力してもよい。
サーモカメラ43は、車両内の飲食物の温度を検出するために用いられる飲食物の容器を含む領域の温度分布を示す赤外画像を飲食物情報として撮像により取得するカメラである。例えば、サーモカメラ43は、車両の天井におけるカップホルダH10の上方の部分に設けられ、カップホルダH10に収容される飲料容器C10を上方から撮像する。
また、サーモカメラ43は、撮像により得られる飲食物の容器を含む領域の温度分布を示す赤外画像を制御装置100へ出力し得る。ここで、サーモカメラ43は、撮像により得られる赤外画像に対して画像処理を行うことにより、赤外画像に映る飲食物の温度を飲食物情報として検出する図示しない画像処理装置を内部又は外部に備えてもよい。その場合、サーモカメラ43は、サーモカメラ43の画像処理装置による飲食物の温度の検出結果を制御装置100へ出力してもよい。サーモカメラ43の画像処理装置は、例えば、赤外画像において飲料容器C10が映る領域における平均温度又は最大温度を飲料D10の温度として検出し得る。
なお、制御システム1における各カメラの画像処理装置により行われる上述した画像処理は、例えば、機械学習等の手法を用いることにより、対象物が映る領域の抽出や対象物の種類の認識を行うことによって実現され得る。具体的には、各カメラの画像処理装置は、周知のアルゴリズムに従って学習された統計モデルを用いることによって、対象物が映る領域の抽出や対象物の種類の認識を行い得る。このような画像処理に用いられる統計モデルは、例えば、各画像処理装置の記憶素子に記憶され得る。
重量センサ44は、カップホルダH10に収容されている飲料容器C10等の物体の重量を飲食物情報として検出するセンサである。また、重量センサ44は、検出結果を制御装置100へ出力する。
車速センサ45は、車両の速度である車速を検出する。また、車速センサ45は、検出結果を制御装置100へ出力する。
加速度センサ46は、車両に生じる加速度を検出する。例えば、加速度センサ46は、車両に生じる加速度の前後方向、左右方向及び上下方向の成分をそれぞれ検出する。また、加速度センサ46は、検出結果を制御装置100へ出力する。
なお、図1では、運転席と助手席との間に設けられる1つのカップホルダH10が示されているが、車両におけるカップホルダH10の設置位置及び数は、このような例に限定されない。例えば、カップホルダH10は座席に対してドア側に設けられてもよい。また、例えば、各座席についてカップホルダH10が設けられてもよい。その場合、各カップホルダH10と対応する位置にそれぞれ上方カメラ41、側方カメラ42、サーモカメラ43及び重量センサ44が設けられてもよい。なお、カップホルダH10は車両に対して取り外し可能であってもよい。
制御装置100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
また、制御装置100は、制御システム1における各装置と通信を行う。制御装置100と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。具体的には、制御装置100は、ナビゲーション装置20、通信装置30、上方カメラ41、側方カメラ42、サーモカメラ43、重量センサ44、車速センサ45及び加速度センサ46と通信を行う。本実施形態に係る制御装置100が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
図2は、本実施形態に係る制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
制御装置100は、例えば、取得部110と、予測部120と、決定部130と、制御部140とを備える。
取得部110は、制御装置100が行う処理において用いられる各種情報を取得する。また、取得部110は、取得した情報を予測部120及び決定部130へ出力する。
例えば、取得部110は、制御システム1における各装置と通信することによって、各装置から出力される情報を取得する。
また、例えば、取得部110は、制御システム1における各装置から取得した情報に対してさらに処理を行うことによって情報を取得してもよい。具体的には、取得部110は、制御システム1における各カメラの画像処理装置により行われる上述した画像処理と同様の画像処理を各カメラから出力される画像に対して行うことにより、各カメラの画像処理装置により得られる情報と同様の情報を取得し得る。その場合、画像処理において用いられる統計モデルは、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
予測部120は、各ルート候補を走行した場合に車両に生じる加速度の予測値である加速度予測値Gを車両挙動予測情報として予測する。また、予測部120は、予測した加速度予測値Gを決定部130へ出力する。なお、ルート候補は、後述されるように、例えば、決定部130のルート決定部133によって運転手からの入力情報に基づいて探索される。
決定部130は、複数のルート候補の中から目的地までの推奨ルートを決定する。また、決定部130は、推奨ルートを含む複数のルート候補を示す情報を制御部140へ出力する。具体的には、決定部130は、車両内の飲食物に関する飲食物情報及び複数のルート候補の各々についての車両の挙動に関する車両挙動予測情報に基づいて、複数のルート候補の中から目的地までの推奨ルートを決定し得る。車両挙動予測情報は、換言すると、将来において予測される車両の挙動に関する情報である。また、推奨ルートは、ナビゲーション装置20により案内される対象の案内対象ルートとして推奨されるルートを意味する。
例えば、決定部130は、特定部131と、設定部132と、ルート決定部133とを備える。
特定部131は、飲食の際における飲食物の固有の飛散しやすさを示す飛散指標を飲食物情報に基づいて特定する。
例えば、特定部131は、第1推定部131aと、第2推定部131bと、指標値特定部131cとを備える。
第1推定部131aは、飲食物のこぼれやすさを飲食物情報に基づいて推定する。
第2推定部131bは、飲食物の飲食しやすさを飲食物情報に基づいて推定する。
指標値特定部131cは、第1推定部131a又は第2推定部131bによる推定結果の少なくとも一方に応じて飛散指標としての指標値を特定する。
設定部132は、飛散指標に応じて車両挙動予測情報についての閾値を設定する。
ルート決定部133は、運転手からの入力情報に基づいて複数のルート候補を探索し、当該複数のルート候補の中から推奨ルートを決定する。具体的には、ルート決定部133は、各ルート候補についての車両挙動予測情報と閾値との比較結果に基づいて推奨ルートを決定し得る。なお、探索されるルート候補の一部又は全部において車線が指定されていてもよく、決定される推奨ルートの一部又は全部において車線が指定されていてもよい。その場合、ナビゲーション装置20によって車線単位でのルート案内が実行される。
制御部140は、ナビゲーション装置20の動作を制御する。具体的には、制御部140は、ナビゲーション装置20によるルート案内に関する情報の表示を制御する。例えば、制御部140は、決定された推奨ルートを含む複数のルート候補をナビゲーション装置20に表示させる。なお、ルート案内に関する情報がナビゲーション装置20と異なる他の表示装置により表示される場合、制御部140は、当該他の表示装置に決定された推奨ルートを含む複数のルート候補を表示させる。
<2.制御装置の動作>
続いて、図3〜図20を参照して、本実施形態に係る制御装置100の動作について説明する。
なお、以下では、理解を容易にするために、制御装置100による推奨ルートの決定において用いられる飲食物情報が飲料D10に関する飲食物情報である例について主に説明するが、制御装置100による推奨ルートの決定において用いられる飲食物情報に食物(具体的には、固形物が液体に浸されている食物のように液体を比較的多く含む食物)に関する飲食物情報が含まれてもよい。
図3は、本実施形態に係る制御装置100が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、図3に示される処理フローは、常時繰り返される。
図3に示される処理フローが開始されると、まず、ステップS501において、特定部131は、カップホルダH10に飲料容器C10が収容されているか否かを判定する。カップホルダH10に飲料容器C10が収容されていると判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS503へ進む。一方、カップホルダH10に飲料容器C10が収容されていないと判定された場合(ステップS501/NO)、ステップS511へ進む。
例えば、特定部131は、上方カメラ41又は側方カメラ42により得られる画像の少なくとも一方について飲料容器C10が映る領域が抽出された場合、カップホルダH10に飲料容器C10が収容されていると判定し得る。
なお、特定部131は、重量センサ44の検出結果に基づいて、カップホルダH10に物体が収容されているか否かを判定し得る。ゆえに、カップホルダH10に物体が収容されていないと判定された場合、飲料容器C10が映る領域を抽出する画像処理の実行は省略されてもよい。それにより、飲料容器C10が映る領域を抽出する画像処理が取得部110により行われ得る場合において、制御装置100の計算負荷を低減することができる。
ステップS503において、第1推定部131aは、飲料D10のこぼれやすさを飲料D10に関する飲食物情報に基づいて推定する。
例えば、第1推定部131aは、飲食物の容器に関する容器情報に基づいて、飲料D10のこぼれやすさを推定する。具体的には、第1推定部131aは、飲料容器C10の種類又は飲料容器C10の飲み口の広さの少なくとも1つに基づいて、飲料D10のこぼれやすさを推定する。また、例えば、第1推定部131aは、飲料D10の粘度又は飲料D10の残量の少なくとも1つに基づいて、飲料D10のこぼれやすさを推定する。
具体的には、第1推定部131aは、まず、飲料容器C10の種類、飲料容器C10の飲み口の広さ、飲料D10の粘度及び飲料D10の残量の各パラメータについて、各パラメータが飲料D10のこぼれやすさに与える影響の度合いを示すスコアを算出する。そして、第1推定部131aは、各パラメータについてのスコアの合計値を飲料D10のこぼれやすさを示すこぼれやすさスコアKとして算出する。そして、第1推定部131aは、こぼれやすさスコアKと基準値K_h,K_lとを比較することによって飲料D10のこぼれやすさを推定する。なお、飲料D10のこぼれやすさの推定処理において算出される各スコアは、例えば、大きい値をとるほど、飲料D10がこぼれやすいことを示す。また、基準値K_hは、基準値K_lと比較して大きな値をとる。
第1推定部131aは、飲料容器C10の種類についてのスコアYとして、例えば、飲料容器C10の種類がペットボトル又はビンである場合に「1」を、紙パックである場合に「2」を、缶である場合に「3」を、紙コップ又はプラスチックコップである場合に「4」を、その他(例えば、水筒等)である場合に「0」を算出する。
飲料容器C10の種類は、例えば、上方カメラ41又は側方カメラ42により得られる画像の少なくとも一方に対して行われる画像処理によって検出され得る。このような画像処理では、具体的には、飲料容器C10が映る領域が抽出され、当該領域の形状及び寸法に基づいて飲料容器C10の種類が検出され得る。なお、第1推定部131aは、重量センサ44の検出結果に基づいて、飲料容器C10の種類を決定してもよい。
図4は、上方カメラ41により撮像された紙コップE11が映る画像Im11の一例を示す説明図である。図5は、側方カメラ42により撮像された紙コップE11が映る画像Im12の一例を示す説明図である。例えば、図4及び図5に示されるように、上方カメラ41により得られる画像Im11又は側方カメラ42により得られる画像Im12において紙コップE11が映っている場合、飲料容器C10の種類が紙コップであることが検出され得る。その場合、第1推定部131aは、飲料容器C10の種類についてのスコアYとして、「4」を算出する。
また、第1推定部131aは、飲料容器C10の飲み口の広さについてのスコアSとして、例えば、飲料容器C10の大径部の横断面積に対する飲み口の面積の割合が基準割合以上である場合に「2」を、基準値より小さい場合に「1」を算出する。基準割合は、具体的には、飲料D10が比較的こぼれやすくなると想定される程度に上記の割合が大きいか否かを判定し得る値に適宜設定される。基準割合を示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
飲料容器C10の大径部の横断面積に対する飲み口の面積の割合は、例えば、上方カメラ41により得られる画像に対して行われる画像処理によって検出され得る。このような画像処理では、具体的には、二値化処理により飲み口が映る領域が抽出され、当該領域の形状及び寸法と飲料容器C10が映る領域の形状及び寸法とに基づいて上記の割合が検出され得る。なお、大径部は、例えば、飲料容器C10において最も大きな外径を有する部分であってもよい。
図6は、上方カメラ41により撮像された缶E21が映る画像Im13の一例を示す説明図である。図7は、上方カメラ41により撮像された缶E22が映る他の画像Im14の一例を示す説明図である。例えば、図6に示される画像Im13に映るプルトップ方式の缶E21と、図7に示される画像Im14に映るネジ式キャップにより飲み口が覆われる方式の缶E22との間で、大径部の横断面積に対する飲み口の面積の割合は異なり得る。具体的には、各缶の大径部の横断面積が同一である場合において、図6に示される缶E21の飲み口E25は、図7に示される缶E22の飲み口E26と比較して小さい面積を有する。ゆえに、第1推定部131aは、飲料容器C10の飲み口の広さについてのスコアSとして、例えば、図6に示される例では「1」を算出する一方で、図7に示される例では「2」を算出する場合がある。
また、第1推定部131aは、飲料D10の粘度についてのスコアMとして、例えば、飲料D10の種類が比較的粘度の高い飲料として設定されている種類と一致する場合に「1」を、一致しない場合に「2」を算出する。比較的粘度の高い飲料として設定されている種類を示す情報は、例えば、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。なお、第1推定部131aは、飲料D10の種類が検出されなかった場合、スコアMとして「2」を算出する。
飲料D10の種類は、例えば、側方カメラ42により得られる画像に対して行われる画像処理によって検出され得る。このような画像処理では、具体的には、飲料容器C10に印字されている文字列を認識する処理が行われることによって、飲料D10の種類が検出され得る。
例えば、図5に示されるように、側方カメラ42により得られる画像Im12において紙コップE11に印字されている文字列E12が映っている場合、飲料容器C10内の飲料D10の種類が検出され得る。その場合、第1推定部131aは、飲料D10の粘度についてのスコアMを飲料D10の種類についての検出結果に応じて算出する。
また、第1推定部131aは、飲料D10の残量についてのスコアCとして、例えば、飲料D10の残量が飲料容器C10の容量の半分以上である場合に「2」を、飲料容器C10の容量の半分未満である場合に「1」を算出する。なお、第1推定部131aは、飲料D10の残量が検出されなかった場合、スコアCとして「2」を算出する。
飲料D10の残量は、例えば、上方カメラ41により得られる画像に対して行われる画像処理によって検出され得る。このような画像処理では、具体的には、エッジ検出処理により飲料D10の表面が映る領域が抽出され、当該領域の位置と飲料容器C10が映る領域の位置との関係性に基づいて飲料D10の残量が検出され得る。なお、第1推定部131aは、重量センサ44の検出結果に基づいて、飲料D10の残量を決定してもよい。
例えば、図4に示されるように、上方カメラ41により得られる画像Im11において紙コップE11内の飲料D10の表面の縁部が映っている場合、当該縁部がエッジ検出処理により検出されることによって飲料D10の表面が映る領域が抽出され得るので、飲料D10の残量が検出され得る。
第1推定部131aは、飲料D10のこぼれやすさを示すこぼれやすさスコアKとして、例えば、スコアY、スコアS、スコアM及びスコアCの合計値を算出する。
第1推定部131aは、例えば、こぼれやすさスコアKが基準値K_hより大きい場合、飲料D10のこぼれやすさを「こぼれやすい」と推定する。また、第1推定部131aは、例えば、こぼれやすさスコアKが基準値K_h以下であり、かつ、基準値K_l以上である場合、飲料D10のこぼれやすさを「普通」と推定する。また、第1推定部131aは、こぼれやすさスコアKが基準値K_lより小さい場合、飲料D10のこぼれやすさを「こぼれにくい」と推定する。こぼれやすさの推定についての基準値K_h,K_lは、具体的には、上記のように算出されるこぼれやすさスコアKに応じて飲料D10のこぼれやすさを適切に推定し得る値に適宜設定される。なお、基準値K_h,K_lを示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
次に、ステップS505において、第2推定部131bは、飲料D10の飲みやすさを飲料D10に関する飲食物情報に基づいて推定する。
例えば、第2推定部131bは、飲料D10の温度又は飲料D10の飲食用の補助具の有無の少なくとも1つに基づいて飲料D10の飲みやすさを推定する
具体的には、第2推定部131bは、まず、飲料D10の温度、補助具としてのストローの有無及び補助具としてのトラベラーリッドの有無の各パラメータについて、各パラメータが飲料D10の飲みやすさに与える影響の度合いを示すスコアを算出する。そして、第2推定部131bは、各パラメータについてのスコアの合計値を飲料D10の飲みやすさを示す飲みやすさスコアNとして算出する。そして、第2推定部131bは、飲みやすさスコアNと基準値N_h,N_lとを比較することによって飲料D10の飲みやすさを推定する。なお、飲料D10の飲みやすさの推定処理において算出される各スコアは、例えば、大きい値をとるほど、飲料D10が飲みにくいことを示す。また、基準値N_hは、基準値N_lと比較して大きな値をとる。
第2推定部131bは、飲料D10の温度についてのスコアTとして、例えば、飲料D10の温度が基準温度以上である場合に「2」を、基準温度より低い場合に「1」を算出する。基準温度は、具体的には、飲料D10が比較的飲みにくくなると想定される程度に飲料D10の温度が高いか否かを判定し得る値に適宜設定される。基準温度を示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。なお、第2推定部131bは、飲料D10の温度を示す情報が制御装置100により取得されなかった場合、スコアTとして「2」を算出する。
また、第2推定部131bは、ストローの有無についてのスコアPとして、例えば、飲料容器C10にストローが挿入されている場合に「1」を、挿入されていない場合に「2」を算出する。
飲料容器C10にストローが挿入されているか否かは、例えば、上方カメラ41又は側方カメラ42により得られる画像の少なくとも一方に対してストローが映る領域を抽出する画像処理が行われることによって検出され得る。
図8は、上方カメラ41により撮像されストローE31が挿入された紙コップE11が映る画像Im15の一例を示す説明図である。例えば、図8に示されるように、上方カメラ41により得られる紙コップE11が映る画像Im15においてストローE31が映っている場合、飲料容器C10にストローが挿入されていることが検出され得る。その場合、第2推定部131bは、ストローの有無についてのスコアPとして、「1」を算出する。
また、第2推定部131bは、トラベラーリッドの有無についてのスコアQとして、例えば、飲料容器C10にトラベラーリッドが装着されている場合に「1」を、装着されていない場合に「2」を算出する。
飲料容器C10にトラベラーリッドが装着されているか否かは、例えば、上方カメラ41又は側方カメラ42により得られる画像の少なくとも一方に対してトラベラーリッドが映る領域を抽出する画像処理が行われることによって検出され得る。
図9は、上方カメラ41により撮像されトラベラーリッドE32が装着された紙コップE11が映る画像Im16の一例を示す説明図である。例えば、図9に示されるように、上方カメラ41により得られる紙コップE11が映る画像Im16においてトラベラーリッドE32が映っている場合、飲料容器C10にトラベラーリッドが装着されていることが検出され得る。その場合、第2推定部131bは、トラベラーリッドの有無についてのスコアQとして、「1」を算出する。
また、第2推定部131bは、飲料D10の飲みやすさを示す飲みやすさスコアNとして、例えば、スコアT、スコアP及びスコアQの合計値を算出する。
第2推定部131bは、例えば、飲みやすさスコアNが基準値N_hより大きい場合、飲料D10の飲みやすさを「飲みにくい」と推定する。また、第2推定部131bは、例えば、飲みやすさスコアNが基準値N_h以下であり、かつ、基準値N_l以上である場合、飲料D10の飲みやすさを「普通」と推定する。また、第2推定部131bは、飲みやすさスコアNが基準値N_lより小さい場合、飲料D10の飲みやすさを「飲みやすい」と推定する。飲みやすさの推定についての基準値N_h,N_lは、具体的には、上記のように算出される飲みやすさスコアNに応じて飲料D10の飲みやすさを適切に推定し得る値に適宜設定される。なお、基準値N_h,N_lを示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
次に、ステップS507において、指標値特定部131cは、飲食の際における飲料D10の固有の飛散しやすさを示す飛散指標としての指標値を特定する。
例えば、指標値特定部131cは、第1推定部131a又は第2推定部131bによる推定結果の少なくとも1つに応じて指標値を特定する。
具体的には、指標値特定部131cは、第1推定部131aによる飲料D10のこぼれやすさの推定結果及び第2推定部131bによる飲料D10の飲みやすさの推定結果に応じて指標値を特定する。
指標値特定部131cは、例えば、飲料D10のこぼれやすさの推定結果及び飲料D10の飲みやすさの推定結果と指標値との間の予め設定されている関係性に基づいて、指標値を特定する。こぼれやすさの推定結果及び飲みやすさの推定結果と指標値との関係性は、具体的には、こぼれやすさの推定結果及び飲みやすさの推定結果に応じて飲料D10の固有の飛散しやすさを示す飛散指標としての指標値を適切に特定し得るように適宜設定される。なお、こぼれやすさの推定結果及び飲みやすさの推定結果と指標値との関係性を示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
図10は、飲料D10のこぼれやすさの推定結果及び飲料D10の飲みやすさの推定結果と指標値との関係性の一例を示す説明図である。指標値特定部131cは、例えば、図10に示されるこぼれやすさの推定結果及びの飲みやすさの推定結果と指標値との関係性に基づいて、指標値を特定する。なお、図10に示される例では、指標値は、大きい値をとるほど、飲料D10が飛散しやすいことを示す。
具体的には、指標値特定部131cは、飲料D10のこぼれやすさが「こぼれにくい」と推定され、かつ、飲料D10の飲みやすさが「飲みやすい」と推定された場合、指標値として「1」を特定する。また、指標値特定部131cは、飲料D10のこぼれやすさが「こぼれやすい」と推定され、かつ、飲料D10の飲みやすさが「飲みにくい」と推定された場合、指標値として「5」を特定する。このように、指標値特定部131cは、飲料D10がこぼれやすいほど、指標値として大きな値を特定する。また、指標値特定部131cは、飲料D10が飲みにくいほど、指標値として大きな値を特定する。
このように、特定部131は、飲食の際における飲料D10の固有の飛散しやすさを示す飛散指標を飲料D10に関する飲食物情報に基づいて特定する。
次に、ステップS509において、設定部132は、特定された指標値に応じて車両挙動予測情報についての閾値を設定する。具体的には、設定部132は、このような閾値として、各ルート候補を走行した場合に車両に生じる加速度の予測値である加速度予測値Gについての閾値を設定する。例えば、加速度予測値Gとして、加速度の前後方向、左右方向及び上下方向の成分を合成して得られる加速度に相当する合成加速度の予測値が用いられる。なお、加速度予測値Gとして、加速度の左右方向の成分に相当する横加速度の予測値が用いられてもよい。
後述するように、制御装置100が行う処理では、具体的には、車両挙動予測情報として各ルート候補についての加速度予測値Gが予測され、各ルート候補についての加速度予測値Gと閾値との比較結果に基づいて推奨ルートが決定され得る。このように、ステップS509において設定される閾値は、後述する推奨ルートの決定処理において用いられ得る。
設定部132は、閾値として、飲料D10が飲食の際に飛散する可能性である飛散可能性を各ルート候補の各地点について適切に評価し得る値を設定する。具体的には、設定部132は、指標値が大きいほど小さい値を閾値として設定する。例えば、ある地点についての加速度予測値Gが閾値以下である場合、飲料D10の飛散可能性は当該地点の走行時には比較的低いと評価することができる。ゆえに、当該地点の走行時には、飲食物を飛散させることなく飲食を行うことが可能であると予想される。一方、ある地点についての加速度予測値Gが閾値を超える場合、飲料D10の飛散可能性は当該地点の走行時には比較的高いと評価することができる。ゆえに、当該地点の走行時には、飲食を注意して行うことが望ましい、又は、飲食を禁止することが望ましいと予想される。なお、ある地点についての加速度予測値Gが閾値を超える場合において、加速度予測値Gの閾値に対する大きさが大きいほど、飲料D10の飛散可能性の程度が大きいと評価することができる。
なお、設定部132は、指標値と異なる他のパラメータに基づいて閾値を設定してもよい。例えば、設定部132は、車両内の搭乗者の服、車両内の搭乗者の人数、現時刻が属する時間帯又は車両の行先の少なくとも1つに基づいて閾値を設定してもよい。なお、車両内の搭乗者の服及び人数を示す情報は、例えば、車内を撮像するカメラにより得られる画像に画像処理を行うことによって取得され得る。また、車両の行先を示す情報は、例えば、ナビゲーション装置20への入力情報に基づいて取得され得る。
具体的には、設定部132は、車両内の搭乗者の服の色が白等の汚れが目立ちやすい色である場合に、黒等の汚れが目立ちにくい色である場合と比較して小さい値を閾値として設定してもよい。また、設定部132は、車両内の搭乗者が運転手1名のみである場合に、搭乗者が複数名である場合と比較して大きい値を閾値として設定してもよい。また、設定部132は、現時刻が平日の夕方等の帰宅時間の可能性の高い時間帯に属する場合、他の時間帯に属する場合と比較して大きい値を閾値として設定してもよい。また、設定部132は、車両の行先が自宅である場合、他の行先である場合と比較して大きい値を閾値として設定してもよい。
このように、設定部132は、飲食物が飲食の際に飛散することがより好ましくない場合に閾値がより小さな値になるように、指標値と異なる他のパラメータに基づいて閾値を設定してもよい。
次に、ステップS511において、取得部110は、案内対象ルートの条件として優先される優先条件を示す優先条件情報及び目的地を示す目的地情報を含む運転手による入力情報を取得する。
次に、ステップS513において、ルート決定部133は、運転手からの入力情報が取得されたか否かを判定する。入力情報が取得されたと判定された場合(ステップS513/YES)、ステップS515へ進む。一方、入力情報が取得されたと判定されなかった場合(ステップS513/NO)、ステップS529へ進む。
ステップS515において、ルート決定部133は、運転手からの入力情報に基づいてルート候補を探索する。
例えば、ルート決定部133は、現在位置と目的地とを結ぶルートの中から、優先条件との適合度が高いルートを優先して所定の数(例えば、3〜5個)のルートをルート候補として探索する。運転手により入力可能な優先条件としては、例えば、所要時間優先、距離優先、燃費優先、一般道優先等の条件が挙げられる。具体的には、優先条件として所要時間優先との条件が運転手により入力された場合、ルート決定部133は、現在位置と目的地とを結ぶルートの中から現在位置から目的地までの所要時間が短い順に所定の数のルートをルート候補として探索する。なお、当該所定の数の設定値は、例えばナビゲーション装置20を操作することによって、変更可能であってもよい。
次に、ステップS517において、ルート決定部133は、閾値が前回設定された時点から基準時間経過したか否かを判定する。閾値が前回設定された時点から基準時間経過したと判定された場合(ステップS517/YES)、ステップS521へ進む。一方、閾値が前回設定された時点から基準時間経過したと判定されなかった場合(ステップS517/NO)、ステップS519へ進む。
基準時間は、具体的には、ステップS501でNOと判定されることに伴い閾値の更新が行われない状態が継続されることによって、飲食の際における飲料D10の固有の飛散しやすさが変化した可能性が比較的高くなったか否かを判定し得る時間に適宜設定される。基準時間を示す情報は、制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよく、車両の外部装置に記憶されていてもよい。
ステップS519において、予測部120は、各ルート候補について加速度予測値Gを予測する。具体的には、予測部120は、各ルート候補の各地点について加速度予測値Gを算出する。換言すると、予測部120は、各ルート候補を走行した場合に各ルート候補における各地点の走行時に車両に生じる加速度の予測値をそれぞれ加速度予測値Gとして算出する。なお、以下では加速度予測値Gとして合成加速度の予測値が予測される例を主に説明するが、加速度予測値Gとして横加速度の予測値が予測されてもよい。
例えば、予測部120は、各ルート候補について所定の間隔(例えば、30m)を空けて加速度予測値Gの予測対象となる複数の地点を設定し、設定された各地点について加速度予測値Gを予測する。予測部120は、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶され得る地図情報を用いることによって、各ルート候補について加速度予測値Gの予測対象となる地点を設定し得る。なお、上記所定の間隔は、例えば、制御装置100の計算速度等に応じて適宜設定され得る。
図11は、各ルート候補についての加速度予測値Gの予測結果の一例を示す説明図である。図11では、加速度予測値Gとして合成加速度の予測値が予測された例が示されている。なお、図11における加速度予測値Gの単位は[m/s2]である。また、図11では、現在位置P1から目的地P2までの間のルート候補として、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3が探索された場合における各ルート候補についての加速度予測値Gの予測結果が示されている。
例えば、図11に示されるように、予測部120は、第1ルートR1について、加速度予測値Gの予測対象となる地点として、地点P101,P102,P103,P104,P105,P106,P107,P108,P109を設定する。
また、例えば、予測部120は、第2ルートR2について、加速度予測値Gの予測対象となる地点として、地点P101,P102,P203,P204,P205,P206,P107,P108,P109を設定する。なお、第1ルートR1と第2ルートR2との間で、地点P101,P102,P107,P108,P109を含む一部のルートは共通している。
また、例えば、予測部120は、第3ルートR3について、加速度予測値Gの予測対象となる地点として、地点P301,P302,P303,P304,P305,P306,P307,P308,P309を設定する。
そして、予測部120は、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3の各々について、加速度予測値Gの予測対象として設定された地点の各々について加速度予測値Gを予測する。
例えば、図11に示される例では、第1ルートR1について、地点P101,P102,P103,P104,P105,P106,P107,P108,P109の加速度予測値Gとして、13[m/s2]、5[m/s2]、4[m/s2]、12[m/s2]、25[m/s2]、4[m/s2]、3[m/s2]、4[m/s2]、4[m/s2]がそれぞれ予測されている。
また、第2ルートR2について、地点P101,P102,P203,P204,P205,P206,P107,P108,P109の加速度予測値Gとして、13[m/s2]、5[m/s2]、11[m/s2]、8[m/s2]、12[m/s2]、13[m/s2]、3[m/s2]、4[m/s2]、4[m/s2]がそれぞれ予測されている。
また、第3ルートR3について、地点P301,P302,P303,P304,P305,P306,P307,P308,P309の加速度予測値Gとして、5[m/s2]、22[m/s2]、3[m/s2]、25[m/s2]、7[m/s2]、13[m/s2]、18[m/s2]、2[m/s2]、5[m/s2]がそれぞれ予測されている。
予測部120は、具体的には、加速度予測値Gの候補が各車速と紐付けられている各地点についてのデータベースを参照することによって、各地点についての加速度予測値Gを予測し得る。
図12は、加速度予測値Gの候補が各車速と紐付けられているデータベースの一例を示す説明図である。具体的には、図12に示されるデータベースでは、50〜60[km/h]の車速に対して加速度予測値Gの候補として13[m/s2]が紐付けられている。また、60〜75[km/h]の車速に対して加速度予測値Gの候補として18[m/s2]が紐付けられている。また、75〜85[km/h]の車速に対して加速度予測値Gの候補として23[m/s2]が紐付けられている。
予測部120は、例えば、データベースにおいて現在の車速と紐付けられている加速度予測値Gの候補を当該データベースと対応する地点における加速度予測値Gとして予測する。具体的には、このようなデータベースが各地点についてそれぞれ用意されている。
なお、加速度予測値Gの候補が各車速と紐付けられている各地点についてのデータベースとして、種々のデータベースが利用され得る。
例えば、制御装置100は、自車両が各地点を実際に走行した際の車速センサ45及び加速度センサ46の検出結果である自車両の走行実績に基づいてこのようなデータベースを構築して記憶し、加速度予測値Gの予測処理において利用してもよい。この場合、データベースは、制御装置100の記憶素子に記憶され得る。
また、例えば、制御装置100は、他車両の走行実績に基づいて構築されたデータベースを参照して、加速度予測値Gの予測処理において利用してもよい。この場合、データベースは車両の外部装置に記憶され、制御装置100は通信装置30を介して当該外部装置と通信することによって当該データベースを参照し得る。
他車両の走行実績に基づいて構築されたデータベースを参照可能である場合、予測部120は、例えば、自車両と車種が一致又は近い他車両の走行実績に基づいて構築されたデータベースを優先して参照し、加速度予測値Gを予測してもよい。具体的には、車種と参照先のデータベース(以下、参照先データベースとも呼ぶ)との対応関係が予め規定されており、予測部120は、当該対応関係に応じて参照先データベースを参照する。図13は、車種と参照先データベースの対応関係の一例を示す説明図である。例えば、図13に示される例では、車種CM1,CM2,CM3に対して参照先データベースDB11,DB12,DB13がそれぞれ対応している。具体的には、自車両の車種がCM1である場合、予測部120は、参照先データベースDB11を参照して加速度予測値Gを予測する。
また、他車両の走行実績に基づいて構築されたデータベースを参照可能である場合、予測部120は、例えば、自車両と振動特性等が一致又は近い他車両の走行実績に基づいて構築されたデータベースを優先して参照し、加速度予測値Gを予測してもよい。具体的には、振動特性と参照先データベースとの対応関係が予め規定されており、予測部120は、当該対応関係に応じて参照先データベースを参照する。図14は、振動特性と参照先データベースの対応関係の一例を示す説明図である。例えば、図14に示される例では、振動特性VC1,VC2,VC3に対して参照先データベースDB21,DB22,DB23がそれぞれ対応している。具体的には、自車両の振動特性がVC1である場合、予測部120は、参照先データベースDB21を参照して加速度予測値Gを予測する。
なお、車両の振動特性は、例えば、走行路の凹凸の程度を示す指標である国際ラフネス指数IRI(International Roughness Index)及び車速の組み合わせに対する合成加速度の特性として表される。図15では、振動特性VC1,VC2,VC3の各々について、国際ラフネス指数IRI及び車速の組み合わせに対する合成加速度の特性の一例が示されている。具体的には、図15に示される例では、振動特性VC1は、国際ラフネス指数IRIが0〜5[mm/m]である走行路を0〜20[km/h]の車速で走行した場合に0〜10[m/s2]の合成加速度が発生するような特性である。
また、予測部120は、加速度予測値Gの予測対象である地点の走行路に関する情報に基づいて加速度予測値Gを予測してもよい。具体的には、予測部120は、加速度予測値Gの候補が各車速と紐付けられているデータベースが用意されていない地点について、当該地点の走行路に関する情報に基づいて加速度予測値Gを予測してもよい。例えば、予測部120は、そのような地点の走行路の曲率及び現在の車速に応じて加速度予測値Gを予測してもよい。また、例えば、予測部120は、そのような地点の走行路の勾配及び現在の車速に応じて加速度予測値Gを予測してもよい。また、例えば、予測部120は、そのような地点の走行路における信号機の有無、踏切の設置数、渋滞の発生状況又は路面状態等に基づいて、加速度予測値Gを予測してもよい。走行路に関するこれらの情報は、例えば、制御装置100の記憶素子に記憶される地図情報に含まれ得る。
次に、ステップS600において、ルート決定部133は、加速度予測値Gと閾値との比較結果に基づく推奨ルートの決定を行う。
以下、このような加速度予測値Gと閾値との比較結果に基づく推奨ルートの決定処理の例として第1の例及び第2の例について説明する。
図16は、本実施形態に係る制御装置100が行う加速度予測値Gと閾値との比較結果に基づく推奨ルートの決定処理の第1の例の流れの一例を示すフローチャートである。図16に示される処理フローは、図3に示される処理フローのステップS600において実行される。
図16に示される処理フローが開始されると、まず、ステップS611において、ルート決定部133は、各ルート候補について加速度予測値Gが閾値を超える地点の数である超過地点数を算出する。
以下、一例として、加速度予測値Gの予測結果が図11に示される予測結果であり閾値として10[m/s2]が設定されている場合における超過地点数の算出について説明する。
この場合、図11に示される例では、第1ルートR1について、地点P101,P104,P105の加速度予測値Gが閾値を越えている。ゆえに、ルート決定部133は、第1ルートR1についての超過地点数として「3」を算出する。
また、第2ルートR2について、地点P101,P203,P205,P206の加速度予測値Gが閾値を越えている。ゆえに、ルート決定部133は、第2ルートR2についての超過地点数として「4」を算出する。
また、第3ルートR3について、地点P302,P304,P306,P307の加速度予測値Gが閾値を越えている。ゆえに、ルート決定部133は、第3ルートR3についての超過地点数として「4」を算出する。
次に、ステップS613において、ルート決定部133は、超過地点数が最も少ないルート候補を推奨ルートとして決定する。
例えば、上記のように、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3の各々についての超過地点数として「3」、「4」及び「4」がそれぞれ算出された場合、ルート決定部133は、第1ルートR1を推奨ルートとして決定する。
このように、ルート決定部133は、複数のルート候補の各々についての加速度予測値Gが閾値を超える地点の数に基づいて推奨ルートを決定してもよい。ここで、加速度予測値Gが閾値を超える地点は、飲料D10の飛散可能性が比較的高いと評価される地点に相当する。ゆえに、加速度予測値Gが閾値を超える地点の数が走行するルートにおいて多いほど、車両内において飲料D10が飛散しやすい。よって、加速度予測値Gが閾値を超える地点の数がルートにおいて少ないほど、車両内における飲料D10の飛散が抑制されやすい。
なお、推奨ルートの決定処理の第1の例において、ルート決定部133は、超過地点数に加えて運転手により入力された優先条件に基づいて推奨ルートを決定してもよい。例えば、優先条件として所要時間優先との条件が運転手により入力された場合、ルート決定部133は、超過地点数が最も少ないルート候補についての所要時間が過剰に長い場合に、超過地点数が二番目に少ないルート候補を推奨ルートとして決定してもよい。
次に、図16に示される処理フローは、終了する。
図17は、本実施形態に係る制御装置100が行う加速度予測値Gと閾値との比較結果に基づく推奨ルートの決定処理の第2の例の流れの一例を示すフローチャートである。図17に示される処理フローは、図3に示される処理フローのステップS600において実行される。
図17に示される処理フローが開始されると、まず、ステップS621において、ルート決定部133は、各ルート候補について各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさに応じた評価値SCOREを算出する。
例えば、ルート決定部133は、下記の式(1)を用いて各ルート候補についての評価値SCOREを算出する。
式(1)において、n_lowは、加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である地点の数である。また、n_middleは、加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である地点の数である。また、n_highは、加速度予測値Gが第2基準加速度を越える地点の数である。また、第1基準加速度及び第2基準加速度は、具体的には、閾値に対する加速度予測値Gの大きさの程度を適切に判定し得る値に適宜設定される。第1基準加速度は、閾値より大きい値に設定され、例えば、閾値より5[m/s2]大きい値に設定される。第2基準加速度は、第2基準加速度より大きい値に設定され、例えば、第2基準加速度より5[m/s2]大きい値に設定される。また、α1、α2及びα3は、対応する地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさの程度に応じてそれぞれ適宜設定される係数である。α1、α2及びα3は、この順に大きくなるように設定され、例えば、10、20及び30にそれぞれ設定される。
ここで、ルート決定部133は、各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさに加えて運転手により入力された優先条件に基づいて評価値SCOREを算出してもよい。例えば、優先条件として所要時間優先との条件が運転手により入力された場合、ルート決定部133は、下記の式(2)を用いて各ルート候補についての評価値SCOREを算出する。
式(2)において、TIMEは、現在位置から目的地までの所要時間である。なお、TIMEの単位は、例えば、[分]である。また、α4は、適宜設定される係数であり、例えば、0.8に設定される。
以下、一例として、加速度予測値Gの予測結果が図11に示される予測結果であり閾値として10[m/s2]が設定されている場合における式(2)を用いた評価値SCOREの算出について説明する。なお、第1基準加速度、第2基準加速度、α1、α2、α3及びα4は、15[m/s2]、20[m/s2]、10、20、30及び0.8にそれぞれ設定されるものとする。
この場合、図11に示される例では、第1ルートR1について、地点P101,P104の加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である。また、地点P105の加速度予測値Gが第2基準加速度を越えている。よって、n_low、n_middle及びn_highは、それぞれ「2」、「0」及び「1」になる。ここで、第1ルートR1の所要時間が20[分]である場合、TIMEは「20」となる。ゆえに、ルート決定部133は、式(2)のn_low、n_middle、n_high及びTIMEにこれらの値を代入することによって、第1ルートR1についての評価値SCOREとして「66」を算出する。
また、第2ルートR2について、地点P101,P203,P205,P206の加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である。よって、n_low、n_middle及びn_highは、それぞれ「4」、「0」及び「0」になる。ここで、第2ルートR2の所要時間が24[分]である場合、TIMEは「24」となる。ゆえに、ルート決定部133は、式(2)のn_low、n_middle、n_high及びTIMEにこれらの値を代入することによって、第2ルートR2についての評価値SCOREとして「59.2」を算出する。
また、第3ルートR3について、地点P306の加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である。また、地点P307の加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である。また、地点P302,P304の加速度予測値Gが第2基準加速度を越えている。よって、n_low、n_middle及びn_highは、それぞれ「1」、「1」及び「2」になる。ここで、第3ルートR3の所要時間が22[分]である場合、TIMEは「22」となる。ゆえに、ルート決定部133は、式(2)のn_low、n_middle、n_high及びTIMEにこれらの値を代入することによって、第3ルートR3についての評価値SCOREとして「107.6」を算出する。
次に、ステップS623において、ルート決定部133は、評価値SCOREが最も低いルート候補を推奨ルートとして決定する。
例えば、上記のように、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3の各々についての評価値SCOREとしてそれぞれ「66」、「59.2」及び「107.6」が算出された場合、ルート決定部133は、第2ルートR2を推奨ルートとして決定する。
このように、ルート決定部133は、複数のルート候補の各々についての各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさに基づいて推奨ルートを決定してもよい。ここで、各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさは、各地点についての飲料D10の飛散可能性の程度に相当する。ゆえに、走行するルートの各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさに相当する値(例えば、式(1)及び式(2)における係数α1,α2,α3)の合計が大きいほど、車両内において飲料D10が飛散しやすい。よって、走行するルートの各地点における閾値に対する加速度予測値Gの大きさに相当する値の合計が小さいほど、車両内における飲料D10の飛散が抑制されやすい。
なお、上記では、閾値に対する加速度予測値Gの大きさを第1基準加速度及び第2基準加速度を用いて3段階で評価して評価値SCOREを算出する例を説明したが、評価値SCOREの算出方法はこのような例に特に限定されない。例えば、ルート決定部133は、閾値に対する加速度予測値Gの大きさを2段階で評価し、又は4段階以上の段階で評価して評価値SCOREを算出してもよい。その場合、閾値に対する加速度予測値Gの大きさを評価するための基準加速度の数は、適宜変化し得る。また、ルート決定部133は、上記の基準加速度を用いずに評価値SCOREを算出してもよい。例えば、ルート決定部133は、加速度予測値Gが閾値を超える地点についての加速度予測値Gをルート候補の全体で合計して得られる値又はそのような値に相当する値を評価値SCOREとして算出してもよい。
次に、図17に示される処理フローは、終了する。
ステップS517の判定処理でYESと判定された場合、ステップS521において、ルート決定部133は、運転手により入力された優先条件に応じた推奨ルートの決定を行う。
例えば、ルート決定部133は、複数のルート候補の中から優先条件との適合度が高いルートを優先して推奨ルートとして決定する。具体的には、優先条件として所要時間優先との条件が運転手により入力された場合、ルート決定部133は、複数のルート候補の中から現在位置から目的地までの所要時間が最も短いルート候補を推奨ルートとして決定する。
ステップS600又はステップS521の後に、ステップS523において、制御部140は、推奨ルートを含むルート候補をナビゲーション装置20に表示させる。
図18は、第1ルートR1が推奨ルートとして決定された場合におけるルート候補の表示例を示す説明図である。
例えば、ステップS600において、図16を参照して説明した推奨ルートの決定処理の第1の例が実行された場合、上述したように、第1ルートR1が推奨ルートとして決定される。その場合、制御部140は、例えば、図18に示されるように、推奨ルートとして決定された第1ルートR1を他のルート候補と比較して色を異ならせること等によりナビゲーション装置20に強調表示させる。
また、制御部140は、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3において加速度予測値Gが閾値を超える地点を示すオブジェクトを表示装置に表示させてもよい。例えば、制御部140は、図18に示されるように、加速度予測値Gが閾値を超える地点である地点P101,P104,P105,P203,P205,P206,P302,P304,P306,P307の近傍にそのようなオブジェクトとして飲料D10のマークを表すオブジェクトOJ1をナビゲーション装置20に表示させてもよい。
ここで、制御部140は、オブジェクトOJ1の表示態様を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ1をナビゲーション装置20に表示させてもよい。例えば、制御部140は、図18に示されるように、オブジェクトOJ1の寸法を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ1をナビゲーション装置20に表示させてもよい。具体的には、図18に示される例では、加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である地点P307を示すオブジェクトOJ1の寸法は、加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である地点P101,P104,P203,P205,P206,P306を示すオブジェクトOJ1の寸法と比較して大きい。そして、加速度予測値Gが第2基準加速度を越える地点P105,P302,P304を示すオブジェクトOJ1の寸法は、加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である地点P307を示すオブジェクトOJ1の寸法と比較してさらに大きい。
なお、制御部140は、オブジェクトOJ1の色を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ1をナビゲーション装置20に表示させてもよく、オブジェクトOJ1の形状を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ1をナビゲーション装置20に表示させてもよい。
図19は、第1ルートR1が推奨ルートとして決定された場合における図18に示した例と異なるルート候補の表示例を示す説明図である。
図19に示される例では、図18と同様に、推奨ルートとして決定された第1ルートR1が他のルート候補と比較して色を異ならせること等によりナビゲーション装置20により強調表示されている。一方、図19に示される例では、加速度予測値Gが閾値を超える地点の近傍に、第1ルートR1、第2ルートR2及び第3ルートR3において加速度予測値Gが閾値を超える地点を示すオブジェクトとして、図18と異なり、ルートに沿った線状のオブジェクトOJ2がナビゲーション装置20により表示されている。このように、加速度予測値Gが閾値を超える地点を示すオブジェクトの種類は、図面に例示された例に特に限定されない。なお、オブジェクトOJ2は、ルート上に重畳されて表示されてもよく、ルートに対して側方に並設して表示されてもよい。
また、図19に示される例では、オブジェクトOJ2の寸法としての幅を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせて、オブジェクトOJ2が表示されている。具体的には、図19に示される例では、加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である地点P307を示すオブジェクトOJ2の幅は、加速度予測値Gが閾値を越え第1基準加速度以下である地点P101,P104,P203,P205,P206,P306を示すオブジェクトOJ2の幅と比較して太い。そして、加速度予測値Gが第2基準加速度を越える地点P105,P302,P304を示すオブジェクトOJ2の幅は、加速度予測値Gが第1基準加速度を越え第2基準加速度以下である地点P307を示すオブジェクトOJ2の幅と比較してさらに太い。
なお、制御部140は、オブジェクトOJ1と同様に、オブジェクトOJ2の色を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ2をナビゲーション装置20に表示させてもよく、オブジェクトOJ2の形状(例えば、線種)を加速度予測値Gの大きさに応じて異ならせてオブジェクトOJ2をナビゲーション装置20に表示させてもよい。
図20は、第2ルートR2が推奨ルートとして決定された場合におけるルート候補の表示例を示す説明図である。
例えば、ステップS600において、図17を参照して説明した推奨ルートの決定処理の第2の例が実行された場合、上述したように、第2ルートR2が推奨ルートとして決定される。その場合、制御部140は、例えば、図20に示されるように、推奨ルートとして決定された第2ルートR2を他のルート候補と比較して色を異ならせること等によりナビゲーション装置20に強調表示させる。
このように、制御部140は、推奨ルートを含むルート候補を表示装置に表示させる。また、制御部140は、推奨ルートを含む複数のルート候補において車両挙動予測情報が閾値を超える地点を示すオブジェクトを表示装置に表示させてもよい。例えば、制御部140は、オブジェクトの表示態様を車両挙動予測情報の大きさに応じて異ならせてオブジェクトを表示装置に表示させてもよい。具体的には、制御部140は、オブジェクトの寸法、色又は形状のうち少なくとも1つを車両挙動予測情報の大きさに応じて異ならせてオブジェクトを表示装置に表示させてもよい。
次に、ステップS525において、制御部140は、案内対象ルートを決定する。
例えば、制御部140は、運転手による入力情報に基づいて案内対象ルートを決定する。具体的には、運転手が第1ルートR1を案内対象ルートとして選択する入力操作を行った場合、制御部140は、第1ルートR1を案内対象ルートとして決定する。
次に、ステップS527において、制御部140は、ナビゲーション装置20にルート案内を開始させる。
ステップS527の後に、図3に示される処理フローは終了する。
ステップS513の判定処理でNOと判定された場合、ステップS529において、制御装置100は、ナビゲーション装置20によるルート案内が実行中であり、かつ、閾値が更新されたか否かを判定する。ルート案内が実行中であり、かつ、閾値が更新されたと判定された場合(ステップS529/YES)、ステップS519へ進む。一方、ルート案内が実行中であり、かつ、閾値が更新されたと判定されなかった場合(ステップS529/NO)、図3に示される処理フローは終了する。
上述したように、例えば、カップホルダH10に飲料容器C10が置かれている間には、ステップS503〜ステップS509の処理が行われることによって、閾値が更新された後にステップS511以降の処理が行われる。ゆえに、ステップS529の判定処理でYESと判定された場合は、ルート案内の開始後において閾値が更新された場合に相当する。このような場合に、ステップS519以降の処理が行われるので、推奨ルートが更新後の閾値に基づいて再度決定される。それにより、車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補としての推奨ルートを適正化することができる。
一方、例えば、カップホルダH10から飲料容器C10が取り出されている間には、閾値が維持された状態でステップS511以降の処理が行われる。ゆえに、ステップS517の判定処理でYESと判定された場合は、閾値の更新が行われずに閾値が維持された状態が基準時間経過した場合に相当する。このような場合に、ステップS521の処理が行われるので、推奨ルートが優先条件に応じて決定される。閾値の更新が行われずに閾値が維持された状態が基準時間経過した場合には、閾値の信頼度が低下することによって、車両内における飲食物の飛散が抑制されやすいルート候補を推奨ルートとして適切に決定することが困難となり得る。そのような場合に推奨ルートを優先条件に応じて決定することによって、車両内の快適性が低下することを抑制することができる。
なお、上記では、案内対象ルートが運転手による入力情報に基づいて決定される例を説明したが、案内対象ルートは運転手による入力情報によらずに制御部140により決定されてもよい。例えば、制御部140は、運転手による入力情報によらずにルート決定部133により決定された推奨ルートを案内対象ルートとして決定してもよい。
また、上記では、車両内に飲食物が複数ある場合について特に言及していないが、そのような場合において、決定部130は、特定の飲食物と対応する閾値を優先して用いて推奨ルートを決定してもよい。
例えば、制御部140は、車両内に飲食物が複数ある場合、各飲食物と対応する閾値のうち小さい閾値を優先して用いて推奨ルートを決定してもよい。具体的には、制御部140は、各飲食物と対応する閾値のうち最も小さい閾値を用いて推奨ルートを決定してもよい。
また、例えば、制御部140は、車両内に飲食物が複数ある場合、運転手に飲食される飲食物と対応する閾値を優先して用いて推奨ルートを決定してもよい。具体的には、制御部140は、運転手以外の搭乗者に飲食される飲食物と対応する閾値が運転手に飲食される飲食物と対応する閾値と比較して小さい場合であっても、運転手に飲食される飲食物と対応する閾値を用いて推奨ルートを決定してもよい。
なお、決定部130は、車両挙動予測情報と閾値との比較結果と飲食物の実際の挙動との関係性に基づいて、閾値を調整してもよい。制御装置100は、例えば、上方カメラ41により得られる画像に対する画像処理によって、飲食物中の液体の表面に生じる振動の大きさを飲食物の実際の挙動に関する情報として検出し得る。例えば、決定部130は、加速度予測値Gが閾値以下である地点を実際に走行した場合において飲食物中の液体の表面に生じた振動の大きさが過剰に大きい場合、ストローの有無等の飲食物の状態が維持されている場合であっても、閾値を小さくしてもよい。
<3.制御装置の効果>
続いて、本実施形態に係る制御装置100の効果について説明する。
本実施形態に係る制御装置100では、車両内の飲食物に関する飲食物情報及び複数のルート候補の各々についての車両の挙動に関する車両挙動予測情報に基づいて、複数のルート候補の中から目的地までの推奨ルートが決定される。それにより、各ルート候補についての飲食物の飛散可能性を、飲食物の固有の性質や状態に応じて適切に評価することができる。ゆえに、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補を推奨ルートとして決定することができる。よって、車両内において飲食物が飛散することを抑制可能な推奨ルートの提示を実現することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食の際における飲食物の固有の飛散しやすさを示す飛散指標が飲食物情報に基づいて特定され得る。また、飛散指標に応じて車両挙動予測情報についての閾値が設定され得る。また、複数のルート候補の各々についての車両挙動予測情報と閾値との比較結果に基づいて推奨ルートが決定され得る。このように、飛散指標と車両挙動予測情報との関係性に基づいて推奨ルートが決定されることによって、飲食物の飛散可能性を各ルート候補の各地点について適切に評価することができる。ゆえに、各ルート候補についての飲食物の飛散可能性を適切に評価することが効果的に実現されるので、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補を推奨ルートとして決定することが効果的に実現される。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物のこぼれやすさが飲食物情報に基づいて推定され、飲食物のこぼれやすさの推定結果に応じて飛散指標が特定され得る。それにより、飲食物のこぼれやすさに応じて適切に飛散指標を特定することができる。ゆえに、飲食物の飛散可能性を飲食物のこぼれやすさに応じて各ルート候補の各地点についてより適切に評価することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物の容器に関する容器情報に基づいて、飲食物のこぼれやすさが推定され得る。それにより、容器情報に応じて適切に飲食物のこぼれやすさを推定することができる。ゆえに、飛散指標をより適切に特定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物の容器の種類又は飲食物の容器の飲み口の広さの各パラメータの少なくとも1つに基づいて、飲食物のこぼれやすさが推定され得る。それにより、上記の各パラメータが飲食物のこぼれやすさに与える影響の度合いに応じて適切に飲食物のこぼれやすさを推定することができる。ゆえに、飛散指標をより適切に特定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物の粘度又は飲食物の残量の各パラメータの少なくとも1つに基づいて、飲食物のこぼれやすさが推定され得る。それにより、上記の各パラメータが飲食物のこぼれやすさに与える影響の度合いに応じて適切に飲食物のこぼれやすさを推定することができる。ゆえに、飛散指標をより適切に特定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物の飲食しやすさが飲食物情報に基づいて推定され、飲食物の飲食しやすさの推定結果に応じて飛散指標が特定され得る。それにより、飲食物の飲食しやすさに応じて適切に飛散指標を特定することができる。ゆえに、飲食物の飛散可能性を飲食物の飲食しやすさに応じて各ルート候補の各地点についてより適切に評価することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、飲食物の温度又は飲食物の飲食用の補助具の有無の各パラメータの少なくとも1つに基づいて飲食物の飲食しやすさが推定され得る。それにより、上記の各パラメータが飲食物の飲食しやすさに与える影響の度合いに応じて適切に飲食物の飲食しやすさを推定することができる。ゆえに、飛散指標をより適切に特定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両内の搭乗者の服、車両内の搭乗者の人数、現時刻が属する時間帯又は車両の行先の各パラメータの少なくとも1つに基づいて車両挙動予測情報についての閾値が設定され得る。それにより、上記の各パラメータに応じて適切に閾値を設定することができる。具体的には、上記の各パラメータに起因して飲食物が飲食の際に飛散することがより好ましくない場合に、閾値を適切に設定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両挙動予測情報と車両挙動予測情報についての閾値との比較結果と飲食物の実際の挙動との関係性に基づいて、閾値が調整され得る。それにより、閾値を飲食物の実際の挙動に即して適切に調整することができる。ゆえに、各ルート候補の各地点についての飲食物の飛散可能性の評価精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、複数のルート候補の各々についての車両挙動予測情報が閾値を超える地点の数に基づいて推奨ルートが決定され得る。それにより、各ルート候補についての飲食物の飛散可能性を、飲食物の飛散可能性が比較的高いと評価される地点の数に応じて適切に評価することができる。ゆえに、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補を推奨ルートとして決定することがより効果的に実現される。
また、本実施形態に係る制御装置100では、複数のルート候補の各々についての各地点における閾値に対する車両挙動予測情報の大きさに基づいて推奨ルートが決定され得る。それにより、各ルート候補についての飲食物の飛散可能性を、各ルート候補における各地点についての飲食物の飛散可能性の程度に応じて適切に評価することができる。ゆえに、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補を推奨ルートとして決定することがより効果的に実現される。
また、本実施形態に係る制御装置100では、決定された推奨ルートを含む複数のルート候補が表示装置により表示され得る。それにより、決定された推奨ルートを運転手に対して効果的に提示することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、推奨ルートを含む複数のルート候補において、車両挙動予測情報が閾値を超える地点を示すオブジェクトが表示装置により表示され得る。それにより、飲食物の飛散可能性が比較的高いと評価される地点の位置を運転手に提示することができる。ゆえに、走行時に車両内において飲食物が飛散することを適切に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両挙動予測情報が閾値を超える地点を示すオブジェクトの表示態様を車両挙動予測情報の大きさに応じて異ならせて当該オブジェクトが表示装置により表示され得る。それにより、飲食物の飛散可能性が比較的高いと評価される地点の位置に加えて、そのような地点についての飛散可能性の程度を運転手に提示することができる。ゆえに、走行時に車両内において飲食物が飛散することをより適切に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両挙動予測情報が閾値を超える地点を示すオブジェクトの寸法、色又は形状のうち少なくとも1つを車両挙動予測情報の大きさに応じて異ならせて当該オブジェクトが表示装置により表示され得る。それにより、飲食物の飛散可能性が比較的高いと評価される地点の位置に加えて、そのような地点についての飛散可能性の程度を運転手に提示することが効果的に実現される。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両内に飲食物が複数ある場合、複数の飲食物の各々と対応する閾値のうち小さい閾値を優先して用いて推奨ルートが決定され得る。それにより、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することをより効果的に抑制可能なルート候補を推奨ルートとして決定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、車両内に飲食物が複数ある場合、運転手に飲食される飲食物と対応する閾値を優先して用いて推奨ルートが決定され得る。ここで、運転手は、他の搭乗者と比べて飲食物を安定的に把持することが困難であると考えられる。ゆえに、運転手に飲食される飲食物と対応する閾値を優先して用いて推奨ルートが決定されることによって、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能であり、かつ、優先条件との適合性が比較的高いルート候補を推奨ルートとして決定することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、複数のルート候補の各々における各地点において車両に生じる加速度の予測値が車両挙動予測情報として予測され得る。それにより、飲食物の飛散可能性を各ルート候補の各地点について適切に評価することが効果的に実現される。
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置100では、車両内の飲食物に関する飲食物情報及び複数のルート候補の各々についての車両の挙動に関する車両挙動予測情報に基づいて、複数のルート候補の中から目的地までの推奨ルートが決定される。それにより、複数のルート候補の中から車両内において飲食物が飛散することを抑制可能なルート候補を、飲食物の固有の性質や状態に応じて適切に推奨ルートとして決定することができる。よって、車両内において飲食物が飛散することを抑制可能な推奨ルートの提示を実現することができる。
なお、上記では、制御システム1において、上方カメラ41、側方カメラ42、サーモカメラ43及び重量センサ44が飲食物情報を検出する検出装置として設けられる例について説明したが、制御システム1に設けられる検出装置の数及び種類はこのような例に限定されない。例えば、一部の検出装置が制御システム1の構成から省略されてもよく、制御システム1に設けられる各検出装置の数が上述した例と異なってもよく、一部の検出装置の有する機能が他の装置によって実現されてもよい。
また、上記では、制御システム1に設けられる検出装置がカップホルダH10に収容される飲料容器C10内の飲料D10についての飲食物情報を検出する例を主に説明したが、検出装置により飲食物情報が検出される飲食物の車両内における位置はこのような例に限定されない。例えば、制御システム1に設けられる検出装置はカップホルダH10と異なる車両内における他の場所に位置する飲食物についての飲食物情報を検出可能であってもよい。それにより、カップホルダH10と異なる車両内における他の場所に位置する飲食物に関する飲食物情報に基づいて推奨ルートを決定することが可能となる。
また、上記で説明した制御システム1が搭載される車両や制御装置100が行う処理が実行される際の車両の走行状態は特に限定されない。例えば、運転手の操作によらずに自動で走行する自動運転モードを実行可能な車両に制御システム1が搭載される場合、上記で説明した制御装置100が行う処理は、自動運転モードの実行中において実行されてもよい。
なお、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。