JP2019065190A - 加圧接着型粘着テープ、建築用面構造、及び接着方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]粘着剤層と、前記粘着剤層の少なくとも一方の表面に設けられたマスキング部材とを備え、前記マスキング部材が、前記粘着剤層の表面を部分的に被覆するように設けられる、加圧接着型粘着テープ。
[2]前記マスキング部材が、一方向又は複数方向に配列された繊維を有する上記[1]に記載の加圧接着型粘着テープ。
[3]前記マスキング部材が、引き抜き可能な少なくとも1本の繊維を有する上記[1]又は[2]に記載の加圧接着型粘着テープ。
[4]前記マスキング部材が、引き抜く際のせん断接着力が50N/本以下である繊維を有する上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[5]前記マスキング部材は、太さが15〜1000dtexで、引張弾性率が15〜300GPaである繊維からなる上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[6]前記マスキング部材が、前記粘着剤層の表面全体の5〜50%を被覆している上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[7]前記粘着剤層の厚さが100〜5000μmである上記[1]〜[6]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[8]粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が50万Pa以下である上記[1]〜[7]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[9]両面粘着テープである上記[1]〜[8]のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
[10]構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる、上記[9]に記載の両面粘着テープとを備える建築用面構造
[11]前記構造用面材が、石膏ボードである上記[10]に記載の建築用面構造。
[12]前記両面粘着テープは、前記マスキング部材が設けられた面が構造用面材に接着される上記[10]又は[11]に記載の建築用面構造。
[13]上記[1]〜[9]のいずれか1項に記載の粘着テープを、被着体に接着する接着方法であって、前記粘着テープの前記マスキング部材が設けられた面側を前記被着体に接着する接着方法。
[14]前記マスキング部材が、引き抜き可能な繊維を含み、
前記粘着テープを被着体に貼付した後、前記引き抜き可能な繊維を引き抜く、上記[13]に記載の接着方法。
<加圧接着型粘着テープ>
本発明の加圧接着型粘着テープ(以下、単に「粘着テープ」ということがある)10は、図1〜3に示すように、粘着剤層11と、粘着剤層11の表面11Aの上に設けられたマスキング部材12とを備える。マスキング部材12は、粘着剤層11の表面11Aを部分的に被覆するように設けられたものである。
マスキング部材12は、後述するように、例えば、繊維材料からなり、複数の繊維12Aを有する。マスキング部材12は、粘着剤層11よりも接着力が低い微粘着性であってもよいし、接着力を有しない非粘着性であってもよい。
ただし、粘着テープ10は、図2に示すように、基材13を備え、その基材13の両面に粘着剤層11、11が設けられた両面粘着テープであってもよい。この粘着テープ10では、各粘着剤層11、11の表面11A、11Bが被着体に接着される接着面となり、表面11Aにマスキング部材12が設けられる。
両面粘着テープに使用する基材13としては、不織布、和紙等の紙、天然繊維、合成繊維等からなる織布、ポリエステル、ポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、アセテート等からなる樹脂フィルム、フラットヤーンクロスなどが挙げられる。
片面粘着テープの基材13としては、上記した両面粘着テープに使用する各種基材を使用すればよいが、上記した中では樹脂フィルムを使用することが好ましい。
なお、図1、2に示す両面粘着テープは、接着面の一方の面(表面11A)のみにマスキング部材12が設けられたが、表面11Bにもマスキング部材12が設けられてもよい。
まず、粘着テープ10を被着体に対して仮接着させるとよい。具体的には、粘着テープ10のマスキング部材12が設けられた面を被着体に貼り合わせ、粘着剤層11の表面11Aが部分的に被着体に接触するように粘着テープ10に比較的弱い圧力を付すとよい。このとき、粘着テープ10は、マスキング部材12を有することで、一旦被着体に接着させられても、容易に剥離され、位置調整を自由に行うことが可能である。
その後、貼り合わせ位置が決められると、本接着を行うとよい。本接着は、長期間にわたって粘着テープ10を被着体20に接着させるために、強固に被着体に接着させることである。具体的には、粘着テープ10に、押圧などにより比較的強い圧力を加え、図4に示すように、マスキング部材12が粘着剤層11内部に入り込んだ構造とすればよい。これにより、粘着剤層11は、被着体20に対する接触面積が大きく、かつ被着体20に押さえ付けられるように接着し、粘着テープ10が被着体20に強固に接着されることになる。
なお、図4では、基材レス粘着テープの例が示されるが、他の粘着テープでも同様である。また、図4は、説明の簡略化のために、粘着剤層11のマスキング部材12が設けられない側の表面11Bには被着体が貼り合わされていないが、一般的には別の被着体が貼り合わされている。
[マスキング部材]
本発明のマスキング部材は、上記したように微粘着性、非粘着性を有する材料で構成される。マスキング部材は、粘着剤層の表面を部分的に被覆するものであるが、好ましくは粘着剤層の表面全体の5〜50%を被覆する。5%以上被覆することで、一旦被着体に貼付した粘着テープを、位置調整などのために貼り直ししやすくなる。また、50%以下とすることで、粘着剤層の過半の部分が露出することになるので、粘着テープの接着性が良好になる。また、接着性、貼り直し性などをバランスよく良好にする観点から、マスキング部材は、粘着剤層の表面全体の20〜50%を被覆することがより好ましい。
繊維の形状は、特に限定されず、矩形、方形などの四角形状、その他の多角形状、円形、楕円形、不定形などであってもよい。
このような構成によれば、粘着テープ10を被着体20に貼付した後、マスキング部材12の繊維12Aの少なくとも一本を引き抜き、その後、粘着テープ10が押圧などされて、被着体20に向かう圧力が加えられると、図5に示すように、繊維が引き抜かれないときに比べて、被着体20に対する粘着剤層11の接着面積が大きくなる。また、繊維を引き抜くことで、繊維による反発も抑えられる。そのため、本発明では、繊維を引き抜くことで、本接着における粘着テープ10の被着体20に対する接着力が向上する。
そして、粘着テープ10を被着体20に貼付した後、マスキング部材12の繊維12Aを引き抜くとき、引き抜く繊維の本数は、1本以上であればよいが、より好ましくは2本以上、さらに好ましくは5本以上、よりさらに好ましくは10本以上である。また、引き抜く繊維の本数の上限は、特に限定されず、マスキング部材12の全ての繊維を引き抜いてもよい。
上記せん断接着力は、少ない抵抗で繊維を引き抜けるように、20N/本以下がより好ましい。また、粘着テープ使用前などに、繊維が粘着剤層から抜け落ちたりすることを防止するために、せん断接着力は、0.5N/本以上が好ましく、1.0N/本以上がより好ましい。
なお、繊維の太さ、引張弾性率、及び粘着剤層の貯蔵弾性率の好適な範囲は、後述するとおりであり、これらを好適な範囲内に調整することで、引き抜き時のせん断接着力を上記した範囲内に調整しやすくなる。また、粘着テープ製造時、粘着剤層にマスキング部材を押し付けるときの圧力、温度条件などによっても適宜調整可能である。
さらに、貼り付け後の位置調整をより容易にする観点からは、上記太さは、30dtex以上がより好ましく、150dtex以上がさらに好ましく、300dtex以上がさらに好ましい。また、引張弾性率は、30GPa以上が好ましく、60GPa以上がより好ましい。
また、複数方向に配列された繊維は、通常互いに交差するが、引き抜き性を良好にする観点から、繊維同士は互いに固定や束縛などされなくてもよい。ただし、引き抜き性を阻害しない範囲で、また、引き抜き性を必要としない場合などでは、織り込まれたり、接着されたりして互いに固定などされてもよい。すなわち、繊維材料としては、織布、組布などであってもよい。
繊維材料の素材としては、特に限定されず、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、PBT繊維、レーヨンなどの合成繊維、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維が挙げられる。
本発明の粘着剤層は、例えば、25℃における貯蔵弾性率が15万Pa以上が80万Pa以下となるものであるが、50万Pa以下であることが好ましい。貯蔵弾性率を50万Pa以下とすることで、マスキング部材の繊維が容易に粘着剤層中に入り込み、被着体に接着する際、マスキング部材と粘着剤層の両方を被着体に接触させやすくなる。また、粘着剤層の粘着性が優れたものとなり、初期貼り付け性が良好となるとともに、粘着テープを本接着した後の接着性が十分に維持され、接着保持性が良好となる。さらに、粘着剤層が必要以上に硬くなることが防止され、引き抜き作業性が悪化することが防止される。
貯蔵弾性率をこれら下限値以上とすることで、弾性率が適度に高くなる。そのため、例えば、後述するように、建築用途において粘着テープによって構造用面材を支持体に固定させる場合には、支持体や構造用面材に振動などによる外力が加わっても、構造用面材が支持体から脱落する不具合などが生じにくくなる。
また、貯蔵弾性率を上記下限値以上、及び上限値以下とすることで、粘着テープの曲面や、粗面への貼り付け性も良好となる。さらに、繊維を引き抜いた後、粘着剤層の復元力により、粘着剤が被着体表面に接触しやすくなり、引き抜き後の接着力を、引き抜き前の接着力に比べて大きくしやすくなる。
なお、本発明の粘着剤層は、後述するアクリル系粘着剤を使用することで、貯蔵弾性率を上記した範囲内に調整しやすくなる。
また、厚さを5000μm以下とすることで、マスキング部材が粘着剤層内部に必要以上に入り込んで、繊維の引き抜き作業性が低下したり、マスキング部材の被着体に対する接触面積が少なくなったりすることを防止する。また、粘着剤層の接着保持性も良好にしやすくなる。
また、引き抜き作業性、接着保持性を優れたものにする観点から、粘着剤層の厚さは、3000μm以下がより好ましく、1500μm以下がさらに好ましい。
以下、粘着剤層に使用されるアクリル系粘着剤の一実施形態についてより詳細に説明する。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)を含む重合性モノマーを重合したアクリル系重合体を含有する粘着剤である。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念を指すものであり、他の類似の用語も同様である。また、用語「重合性モノマー」は、繰り返し単位を有しない化合物のみならず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)と共重合する化合物であれば、後述するオレフィン重合体(C)などのモノマー自身が繰り返し単位を有するものも含みうる概念を指す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数が、好ましくは2〜14、より好ましくは4〜10である脂肪族アルコールに由来するアルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数がこの範囲内であると、粘着剤層のガラス転移温度(Tg)を適切な温度範囲にして、貯蔵弾性率を上記した範囲に調整しやすくなる。
これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はこれらの組み合わせがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の含有量は、後述する粘着剤組成物における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量と実質的に同じであるので、置き換えて表すことができる。以下で説明する(B),(C)成分など、(A)成分以外の成分も同様である。
重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)に加えて、極性基含有ビニルモノマー(B)を含有することが好ましい。極性基含有ビニルモノマー(B)は、極性基とビニル基を有するものである。粘着剤層に極性基含有モノマー(B)を用いることで、粘着剤層のTg、凝集力、接着力などを調整しやすくなる。
極性基含有ビニルモノマー(B)としては、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸が更に好ましい。これらの極性基含有ビニルモノマー(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーは、さらに末端に重合性結合を有するオレフィン重合体(C)を含むことが好ましい。このようなオレフィン重合体(C)を使用することで、例えば、上記した貯蔵弾性率を所望の範囲に調整しやすくなる。なお、重合性結合は、重合性モノマーと重合することが可能な不飽和の炭素−炭素結合を意味し、例えば不飽和二重結合が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
オレフィン重合体(C)としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられ、例えば、片末端のみに(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられる。なお、ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、イソプレンなどの二重結合を有する脂肪族炭化水素化合物の重合体、又はその水素添加物である。
なお、オレフィン重合体(C)として、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンなどを使用すると、アクリル系重合体を網目状に重合することが可能となる。そのため、粘着剤の凝集力を高めやすくなり、貯蔵弾性率を上記所望の範囲に調整しやすくなる。
さらに、凝集力、剪断強度、貯蔵弾性率などを良好にする観点から、オレフィン重合体(C)としては、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体と、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体とを併用することが好ましい。
また、粘着剤においてオレフィン重合体(C)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、4〜12質量部がさらに好ましい。
また、重合性モノマーは、さらに多官能モノマーを含有することが好ましい。そして、重合性モノマーは、上記モノマー(A)〜(D)の全てを含有することが好ましい。多官能モノマーとしては、ビニル基を2つ以上有するモノマーが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能モノマーを使用すると、アクリル系重合体に網目構造を形成することが可能になり、貯蔵弾性率を所望の範囲内に調整しやすくなる。
具体的な多官能モノマーとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレート等が挙げられる。
多官能モノマー由来の構成単位の含有量は、粘着剤層の貯蔵弾性率を所望の範囲に調整する観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.01〜12質量部、より好ましくは0.05〜7質量部、さらに好ましくは0.1〜3質量部である。
重合性モノマーは、上記した(A)〜(D)以外のその他のモノマーを含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、スチレン系モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン等が挙げられる。
その他のモノマーを使用する場合、粘着剤において、その他のモノマー由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.5〜15質量部、より好ましくは1〜7質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
アクリル系粘着剤は、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着付与樹脂としては、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好ましい。これらの中でも、粘着付与樹脂が二重結合を多く有していると重合反応を阻害することから、水添系のものが好ましく、中でも水添石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、粘着剤の凝集力及び粘着力を向上させる観点から、95℃以上程度であればよいが、120℃以上のものを含むことが好ましく、例えば、95℃以上120℃未満のものと、120℃以上150℃以下のものとを併用してもよい。なお、軟化点は、JISK2207に規定される環球法により測定すればよい。
アクリル系粘着剤における粘着付与樹脂の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは7〜35質量部、さらに好ましくは10〜25質量部である。
アクリル系粘着剤は、微粒子を含有してもよい。微粒子を含有させることで、粗面である木枠材などの支持体及び構造用面材に対する接着力、並びに、粘着剤の凝集力を向上させることができる。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、及びフェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、及び合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。
アクリル系粘着剤における微粒子の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは0.7〜5質量部である。
本発明において用いるアクリル系粘着剤は、前述した成分以外にも、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、光重合開始剤、難燃剤等の粘着剤に従来使用されている各種の添加剤を含有してもよい。
上記アクリル系粘着剤のゲル分率は、30〜80質量%が好ましい。ゲル分率を下限値以上とすることで、粘着剤の凝集力を高めやすくなる。また、上限値以下とすることで、粘着剤の粘着力を高めやすくなる。また、ゲル分率をこれら範囲内とすることで、貯蔵弾性率を上記した範囲内に調整しやすくなる。これら観点からゲル分率は、40〜70質量%が好ましく、45〜65質量%がより好ましい。
ゲル分率は、例えば、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するオレフィン重合体(C),多官能モノマーの配合の有無、及び配合量を適宜調整することで上記した範囲内に調整することが可能である。なお、ゲル分率は下記式(1)より算出することができる。
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100 式(1)
A:粘着剤層(試験片)の重量
B:40℃のテトラヒドロフランに粘着剤層(試験片)を48時間浸漬し、その後の粘着剤層の不溶解分の乾燥重量
粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤を使用する場合には、上記した重合性モノマーを含む粘着剤組成物に光を照射して、重合性モノマーを重合させることで得ることが可能である。また、粘着剤組成物は、必要に応じて上記した粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分の少なくとも1種を含んでいてもよい。
より具体的に説明すると、まず、重合性モノマー、さらに必要に応じて配合される粘着付与樹脂、微粒子、その他の成分を、ガラス容器等の反応容器に投入して混合して、粘着剤組成物を得る。
次いで、粘着剤組成物中の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。そして、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布するか、又は、樹脂フィルム、織布、不織布等の支持体などに塗布した後、光を照射し重合性モノマーを重合することにより粘着剤層を得ることができる。
前記粘着剤組成物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行うことが好ましい。
なお、本製造方法では、各成分を混合して得た粘着剤組成物は、粘度を高くするために、剥離シート又は支持体などに塗布する前に予備重合をしてもよい。
ゴム系粘着剤は、ゴム成分と、粘着付与樹脂を含有するものであり、ゴム成分としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体を使用することが好ましい。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。ここでジブロックとは、スチレンとイソプレンとからなるジブロックのことをいう。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が25%以上となることで十分な粘着力が発現し、また、70質量%以下とすることで剪断強度を高めやすくなる。なお、スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック以外にも、スチレン、イソプレン、スチレンブロックからなるトリブロックなどブロックを3つ以上有するものも含有する。
スチレン−イソプレンブロック共重合体の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量で100,000〜400,000が好ましく、150,000〜250,000がより好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法によりポリスチレン換算分子量として測定されるものをいう。
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、スチレン−イソプレンブロック共重合体との相溶性の観点から脂肪族系石油樹脂が好ましい。また、石油系樹脂は、軟化点が90〜120℃程度のものを使用することが好ましい。
また、テルペン樹脂としては、軟化点が80〜120℃程度のものが使用可能であるが、粘着力確保の観点から100℃未満のものが好ましい。また、クマロン樹脂としては、凝集力確保のために、軟化点が好ましくは110〜130℃、より好ましくは115〜125℃のものを使用する。
また、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用する場合、石油系樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、60〜150質量部が好ましく、60〜110質量部がより好ましい。一方で、テルペン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましく、30〜50質量部がさらに好ましい。さらに、クマロン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜60質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましく、20〜40質量部がさらに好ましい。
ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤と同様に上記した微粒子を含有してもよく、また、ゴム系粘着剤は、必要に応じて、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
上記したウレタン粘着剤は特に限定されず、例えば、少なくともポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。上記ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのウレタン粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ウレタン粘着剤としては、ポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート系硬化剤とを反応させて得られるウレタン樹脂を使用してもよい。ポリウレタンポリオールは、上記したポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応したもの、又はポリオールとポリイソシアネート化合物とジアミンなどの鎖延長剤とを反応させたものが挙げられる。多官能イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、上記したイソシアネート化合物を使用可能である。
ウレタン系粘着剤は、ウレタン樹脂に加えて、上記した微粒子を含有してもよく、また、ウレタン系粘着剤は、必要に応じて、粘着付与樹脂、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
また、シリコーン系粘着剤としては、例えば、付加反応型、過酸化物硬化型又は縮合反応型のシリコーン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、低温短時間で硬化可能という観点から、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。なお、付加反応型シリコーン系粘着剤は粘着剤層の形成時に硬化するものである。シリコーン系粘着剤として、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いる場合、上記シリコーン系粘着剤は白金触媒等の触媒を含んでいてもよい。
また、シリコーン系粘着剤は、微粒子を含有してもよく、また、架橋剤、粘着力を制御するための各種添加剤を加えたりしてもよい。
本発明の粘着テープは、あらゆる用途に使用可能であるが、建築用途で使用することが好ましい。建築用途で使用する場合、本発明の粘着テープは、両面粘着テープ、特に基材レス粘着テープとして使用することが好ましい。
本発明の粘着テープは、粘着剤層が上記した貯蔵弾性率及び厚さを有することで、両面粘着テープ、特に基材レス粘着テープとして使用すると、被着体同士を強固に接着することが可能になるので、建築材同士を接着する建築用途に使用することが好適である。
また、建築用途で使用する場合、本発明の粘着テープは、建築用面構造において使用することが好ましく、より具体的には、各種の構造用面材を、その面材を支持する支持体に固定させる用途に使用することが好ましい。
<建築用面構造>
本発明の建築用面構造は、支持体と、構造用面材と、構造用面材及び支持体の間に配置される両面粘着テープとを備え、粘着テープにより構造用面材が支持体に固定されるものである。両面粘着テープは、上記で説明した通りであり、基材レス両面粘着テープが好ましい。
なお、石膏ボードは、一般的には、石膏を主体として種々の添加剤を配合した板状の石膏芯と、その両面を被覆する石膏ボード用原紙とを備えるものである。
なお、粘着テープ10は、木枠材32の正面形状に対応した形状に配置されている。具体的には、粘着テープ10は、木枠材32の開口部35を取り囲む矩形環形状に型抜きされたものでもよいし、縦枠材33、横枠材34の形状に合わせて細長状のものとしてもよく、そのような粘着テープ10を複数枚使用すればよい。また、石膏ボード36は、粘着テープ10に加えて、石膏ボード36の表面側から木枠材32に向けて挿入されたビス、釘などによっても固定されてもよい。
一般的に、両面粘着テープである粘着テープ10は、まず、粘着テープ10の一方の面が支持体である木枠材32に貼り付けられ、その後、木枠材32に貼り付けられた粘着テープ10の他方の面に、構造用面材である石膏ボード36が貼り合わされる。そのため、石膏ボード36を貼り合せるとき、石膏ボード36の位置ずれが多く発生し、石膏ボード36を貼り直すことが多い。したがって、図7に示すように、構造用面材である石膏ボード36側に、マスキング部材12が設けられることで、石膏ボード36の木枠材32(すなわち、粘着テープ10)に対する貼り直しを容易に行うことができる。
ただし、マスキング部材12は、構造用面材(石膏ボード36)側に配置される構成に限定されず、支持体(すなわち、木枠材32)側に配置されてもよい。
また、粘着テープ10に設けられるマスキング部材12は、図8に示すように、構造用面材である化粧材42側に設けられるが、支持体である壁面41側に設けられてもよい。
なお、図8では、説明の簡略化のために、マスキング部材12全体が粘着剤層11の上側に位置する構成が示されるが、粘着テープ10によって化粧材42が壁面41に本接着されるとき、マスキング部材12は、通常、粘着剤層11に入り込んだ構造となる。
このように本発明では、支持体として曲面を有するものを使用し、その曲面に粘着テープが貼付されてもよいが、曲面の曲率半径は、例えば、5〜300cm、好ましくは100cm以下である。本発明では、上記粘着テープ10を使用することで、曲率半径が小さい支持体に対しても高い接着性により接着することが可能である。なお、曲面は、上記範囲内の異なる曲率半径の面が複数組み合わされたものでもよい。
また、支持体としては、木枠材、壁面以外も使用可能であり、鉄骨などの金属からなるものでもよい。また、壁面は曲面を有するものに限らず、平面状の壁面でもよい。
[25℃における貯蔵弾性率]
貯蔵弾性率は、例えばをDVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:−100℃〜100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、25℃における粘着剤層の動的粘弾性スペクトルを測定して算出することができる。
[引張弾性率]
各繊維(糸状部材)をJIS R 7606:2000(炭素繊維−単繊維の引張特性)に準拠して島津製作所製 MST-I Type HR試験機を使用して測定し、JISR 7606:2000の8.2.1(A法)に記載の式を用いて算出した。
[せん断接着力]
繊維を引き抜く際のせん断接着力は、繊維により測定した。
[評価方法]
(初期貼り付け性評価)
コンクリートからなり、曲率半径Rが0.5mの曲面からなる壁面に、各実施例、比較例で得られた粘着テープ(サイズ25.4mm×100mm)を23℃、50%RH条件下、2kgローラーにより押し付けて貼付した。その粘着テープの上にさらに可撓性を有する化粧材(商品名OR−146 アイカ工業社製、サイズ100mm×100mm)を2kgローラーにより押し付けて貼り合わせ、仮接着を行った。なお、各実施例において、粘着テープは、マスキング部材が設けられた面が化粧材側となるように貼付した。化粧材を貼り合わせてから5分経過した後、粘着テープの貼り付け性を、初期貼り付け性として以下の評価基準で評価した。
A:表面積の65%以上が貼りついている状態であり、初期貼り付け性が優れていた。
B:表面積の50〜65%が貼りついている状態であり、初期貼り付け性が良好であった。
C: 表面積の20〜50%が貼りついている状態であり、実用上使用できるレベルであった。
D:表面積の80%以上が貼りついてない状態であり、実用上使用できないレベルであった。
初期貼り付け性評価で行った条件で粘着テープに化粧材を貼り合せ、23℃、50%RHで5分経過後、化粧材の両端を持ってボードに対して垂直方向に粘着テープから剥離させた。次いで、化粧材を粘着テープに、再度貼り合わせたときの作業性について以下の評価基準で評価した。
A:貼り合わせた化粧材を剥離するときの抵抗が小さく、位置調整作業性が優れていた。
B:貼り合わせた化粧材を剥離するときの抵抗が中程度であり、位置調整作業性が良好であった。
C:貼り合わせた化粧材を剥離するときの抵抗が大きく位置調整作業性が良好でないものの、実用上使用できるレベルであった。
D:一旦貼り合わせた化粧材を剥離できず、または、剥離できた場合に化粧材を再度貼り合わせすることなかった。
初期貼り付け性評価で行った条件で粘着テープに化粧材を貼り合わせ、23℃、50%RHで5分経過後、マスキング部材の15本の繊維を1本ずつ、人手により引き抜き、以下の評価基準で評価した。
A:繊維を小さな抵抗で引き抜くことが可能であり、引き抜き作業性が優れていた。
B:繊維を引き抜くことが可能であるが、引き抜き時の抵抗が中程度であり、引き抜き作業性が良好であった。
C:繊維を引き抜くことが可能であるが、引き抜き時の抵抗が大きく、引き抜き作業性が良好でなかった。
D:繊維を引き抜くことが不可能であった。
上記のように、マスキング部材の15本の繊維を人手により引き抜いた後、化粧材を壁面に向かって手で強く押さえ付ることで、本接着を行った。その後、23℃、50%RH条件で24時間経過させた後の接着性を接着保持性として以下の評価基準に従って評価した。
A:表面積の90〜100%が貼りついている状態であり、接着保持性が優れていた。
B:表面積の70〜90%が貼りついている状態であり、接着保持性が良好であった。
C:表面積の50〜70%が貼りついている状態であり、接着保持性は実用上使用できるレベルであった。
D:表面積の50%以上が貼りついていない状態であり、接着保持性は実用上使用できないレベルであった。
表1に記載の配合Aに従って、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。次いで、剥離シートの剥離処理面上に厚さ100mmのスペーサーを設置し、粘着剤組成物を剥離シートの剥離処理面上に塗布した。次いで、塗布した粘着剤組成物の上に、剥離処理面が粘着剤組成物に接するように、別の剥離シートを被覆した。なお、剥離シートとしては、シリコーン離型処理されたPETフィルム(厚み50μm)を使用した。
この状態で被覆側の剥離シートにおける紫外線照射強度が5mW/cm2となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、両面に剥離シートが貼付された粘着剤層を得た。粘着剤層の厚さは100μmであり、ゲル分率は55%であった。
その後、一方の剥離シートを剥がして、粘着剤層の上に、表2に記載の太さと引張弾性率を有する、ポリエチレン繊維からなるヤーンを、15本/25.4mmで一方向に配列させ、その後、25℃、50%RH環境下、圧力5MPaで押さえつけて、粘着剤層の上にマスキング部材を形成した。
オレフィン重合体:商品名「L−1253」、株式会社クラレ製、(メタ)アクリロイル基を片末端に有する水素化ポリブタジエン
多官能モノマー:商品名「TEAI−1000」日本曹達株式会社製
粘着付与樹脂1:商品名「アルコンP140」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点140℃
微粒子:商品名「セルスターZ−27」、東海工業株式会社製、ガラスバルーン
重合開始剤:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
スペーサーの厚さをそれぞれ1000μm、5000μmに変更して、粘着剤層の厚さを1000μm、5000μmに変更した点を除いて実施例1と同様に実施した。
[実施例4]
マスキング部材を形成する際に、粘着剤層の上に、表2に記載の太さと引張弾性率を有するポリエチレン繊維からなるヤーンを、15本/25.4mmで一方向に配列させた点を除いて、実施例2と同様に実施した。
[実施例5]
マスキング部材を形成する際に、粘着剤層の上に表2に記載の太さと引張弾性率を有するポリエチレン繊維からなるヤーンを、15本/25.4mmで一方向に配列させた点を除いて、実施例2と同様に実施した。
表1に示す配合Bに従って、粘着剤組成物を調製した点以外は実施例2と同様に実施した。得られた粘着剤層のゲル分率は70%であった。
[実施例7]
マスキング部材を形成する際に、粘着剤層の上に表2に記載の太さと引張弾性率を有するポリエチレン繊維からなるヤーンを、15本/25.4mmで一方向に配列させた点を除いて実施例2と同様に実施した。
[実施例8]
マスキング部材を形成する際に、粘着剤層の上に表2に記載の太さと引張弾性率を有するポリエチレン繊維からなるヤーンを、15本/25.4mmで一方向に配列させた点を除いて実施例2と同様に実施した。
粘着剤層の上にマスキング部材を形成しなかった点を除いて実施例2と同様に実施した。
11 粘着剤層
12 マスキング部材
12A 繊維
13 基材
20 被着体
31 基礎
32 木枠材(支持体)
33 縦枠材
34 横枠材
35 開口部
36 石膏ボード(構造用面材)
41 壁面(支持体)
42 化粧材(構造用面材)
Claims (14)
- 粘着剤層と、前記粘着剤層の少なくとも一方の表面に設けられたマスキング部材とを備え、前記マスキング部材が、前記粘着剤層の表面を部分的に被覆するように設けられる、加圧接着型粘着テープ。
- 前記マスキング部材が、一方向又は複数方向に配列された繊維を有する請求項1に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 前記マスキング部材が、引き抜き可能な少なくとも1本の繊維を有する請求項1又は2に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 前記マスキング部材が、引き抜くときのせん断接着力が50N/本以下である繊維を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 前記マスキング部材は、太さが15〜1000dtexで、引張弾性率が15〜300GPaである繊維からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 前記マスキング部材が、前記粘着剤層の表面全体の5〜50%を被覆している請求項1〜5のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 前記粘着剤層の厚さが100〜5000μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が50万Pa以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 両面粘着テープである請求項1〜8のいずれか1項に記載の加圧接着型粘着テープ。
- 構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる、請求項9に記載の両面粘着テープとを備える建築用面構造。
- 前記構造用面材が、石膏ボードである請求項10に記載の建築用面構造。
- 前記両面粘着テープは、前記マスキング部材が設けられた面が構造用面材に接着される請求項10又は11に記載の建築用面構造。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着テープを被着体に接着する接着方法であって、前記粘着テープの前記マスキング部材が設けられた面側を前記被着体に接着する接着方法。
- 前記マスキング部材が、引き抜き可能な繊維を含み、
前記粘着テープを被着体に貼付した後、前記引き抜き可能な繊維を引き抜く、請求項13に記載の接着方法。
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