JP2019064659A - 紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容物に紙の切りくずが混入することがなく、内容物の漏出や気体の透過を防止することが可能となる紙容器を提供する。【解決手段】本発明を適用した紙容器1は、底板に設けられる積層筒体2を備え、積層筒体2は、互いに貼り合わされた2つのシート材20を筒状にすることで形成され、2つのシート材20のうち少なくとも1つのシート材の基材28が紙を主体とし、各々のシート材20の両側端部21、22が周方向で互いに対向されるとともに、隣接するシート材20の一方の側端部21同士が互いに離間されることで内側のシート材20の外面に形成される貼着外面3と、隣接するシート材20の他方の側端部22同士が互いに離間されることで外側のシート材20の内面に形成される貼着内面4とを有し、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされることを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、飲料、食品等を収容可能な紙容器に関する。
従来、紙を主体とする基材シートの一方の側端部側の内面と他方の側端部側の外面を重ね合わせた重ね合わせ部が形成された筒状の筒状部と、筒状部の底部に底板が取り付けられて、筒状部の内部に飲料、食品等を収容する紙容器が広く知られている。
従来の紙容器91は、図20(a)に示すように、両面に熱可塑性樹脂等が塗布された紙基材シートを筒状に丸めて、側端部同士を重ね合わせた重ね合わせ部93が熱圧着された筒状部92を備えて構成される。さらに、従来の紙容器91は、図20(b)に示すように、筒状部92の下部に底板98を嵌め込み、筒状部92の下部を内側に折り曲げて底板98を固定するとともに、紙容器91の筒状部92の上端を外側に丸め込むことでトップカール9aが形成される。
しかしながら、従来の紙容器91は、筒状部92の内側では紙基材シートの端面が露出していることから、この端面から内容物が浸透して漏出したり、気体が透過するという問題点があった。また、従来の紙容器91は、重ね合わせ部93においては、紙基材シートの側端部同士が重ね合わされることで紙基材シート2枚分の厚みを有することになり、段差が生じるものとなる。このため、従来の紙容器91は、筒状部92の底板98を嵌め込んだ際に、筒状部92の内面と底板98との間に隙間Kが生じ、その隙間Kから内容物が漏れ出てしまうという問題点や、筒上部92の下部を内側に折り曲げて底板98を固定する際、重ね合わせ部93に局所的に力がかかってしまうので、重ね合わせ部93や底板98の紙基材が切れてしまい、切れた箇所から内容物が漏れ出てしまうという問題点があった。また、従来の紙容器91は、筒状部92の上端に形成されるトップカール9aにおいても、重ね合わせ部93では紙基材シート2枚分の厚みを有することになり、段差が生じるものとなる。このため、従来の紙容器91は、筒状部92の上端に形成されたトップカール9aに蓋を嵌め込む際においても、トップカール9aと蓋との間に隙間が生じ、その隙間から内容物が漏出したり、気体が透過してしまうという問題点があった。更に、トップカール9aにシール材を熱接着させたとしても、重ね合わせ部93において、トップカール9aとシール材との間に隙間が生じ、その隙間から内容物が漏出したり、気体が透過してしまうという問題点や、シール材を熱接着するとき、段差部に局所的に圧力がかかってしまうので、段差部とシール材との接着強度が高くなってしまい、開封強度が高く、開けにくいという問題点もあった。
紙容器の従来例としては、例えば特許文献1、2に示す開示技術が提案されている。特許文献1には、容器形成用ブランクスの対向する両端縁に、基材シート上に積層された熱可塑性樹脂層を、端縁に沿って所定幅延設してなる端縁延設片が設けられており、基材シートの紙部分が重ならないように、かつ一方の端縁延設片が紙容器の内側に、他方の端縁延設片が外側にくるように両端部を重ね合わせ、各々の端縁延設片どうしを熱圧着して構成される紙容器が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された紙容器は、各々の端縁延設片どうしを熱圧着しているため、基材シートの紙部分の隙間が熱圧着により埋まらない虞があり、その結果、内容物が漏出したり、気体が透過してしまうという問題点があった。また、端縁延設片どうしを熱圧着する際に気泡を巻き込んでしまい、接着強度が低下する虞や、端縁延設片どうしを熱圧着させた箇所は紙部材が無いため、挟圧強度が低下してしまう問題点、胴部が真円にならず楕円形状になりやすい問題点などもあった。
特許文献2には、紙を基材として熱可塑性合成樹脂層を備えた複合シートの一方の端縁をもう一方の端縁に重ね合わせて胴部材が形成され、胴部材の側部貼り合わせ部が、複合シートの一方の端縁の紙端面と、もう一方の端縁の紙端面とに、保護テープが貼り合わせられて構成される紙容器が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示された紙容器は、側部貼り合わせ部に保護テープが貼り合わせられているため、胴部材と保護テープとで段差が生じることになり、胴部材に蓋を嵌め込んだ際に、胴部材と蓋との間に隙間が生じ、その結果、内容物が漏出したり、気体が透過してしまうという問題点があった。
また、従来の紙容器では、スナック菓子等の長期間保存が必要となる内容物が収容される場合、紙容器内面で紙端面が露出していると、紙端面から空気等が浸透し、内容物の密閉性が低下する。このため、上述したような紙容器のほかに、あらかじめ紙の一方の端面を先端から所定の長さだけ、紙の厚みの半分を削除し、削除した残りの部分の削除面が内側となるように折り返して構成される紙容器が提案されている。しかしながら、この紙容器は、紙の厚みの半分を削除する際に切りくずが発生してしまい、この発生した切りくずが内容物に混入してしまうという問題点があった。
特開2005−14975号公報 特開2006−273396号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、内容物に紙の切りくずが混入することがなく、内容物の漏出や気体の透過を防止することが可能となる紙容器を提供することにある。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、各々のシート材の両側端部が周方向で互いに対向されるとともに、隣接するシート材の一方の側端部同士が互いに離間されることで内側のシート材の外面に形成される貼着外面と、隣接するシート材の他方の側端部同士が互いに離間されることで外側のシート材の内面に形成される貼着内面とを有し、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされる積層筒体を備えて構成される紙容器を発明した。
第1発明に係る紙容器は、底板に設けられる積層筒体を備え、前記積層筒体は、互いに貼り合わされた複数のシート材を筒状にすることで形成され、複数のシート材のうち少なくとも1つのシート材の基材が紙を主体とし、各々のシート材の両側端部が周方向で互いに対向されるとともに、隣接するシート材の一方の側端部同士が互いに離間されることで内側のシート材の外面に形成される貼着外面と、隣接するシート材の他方の側端部同士が互いに離間されることで外側のシート材の内面に形成される貼着内面とを有し、前記貼着外面と前記貼着内面とが貼り合わされることを特徴とする。
第2発明に係る紙容器は、第1発明において、前記積層筒体は、2つのシート材が貼り合わされて形成されることを特徴とする。
第3発明に係る紙容器は、第1発明又は第2発明において、前記積層筒体は、少なくとも2つのシート材の基材が紙を主体とし、複数のシート材における紙の繊維方向が互いに異なる方向に配置されることを特徴とする。
第4発明に係る紙容器は、第1発明〜第3発明の何れかにおいて、前記積層筒体は、全てのシート材の基材が紙を主体とし、当該基材に熱可塑性樹脂が被覆され、前記貼着外面と前記貼着内面とが熱圧着により貼り合わされることを特徴とする。
第5発明に係る紙容器は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記積層筒体は、シート材の両側端部が周方向で互いに当接されることを特徴とする。
第6発明に係る紙容器は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記積層筒体は、シート材の両側端部が周方向で隙間が形成されるように対向され、前記隙間に熱可塑性樹脂が埋設されることを特徴とする。
第7発明に係る紙容器は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記積層筒体は、シート材の一方の側端部と他方の側端部とが互いに嵌合される形状に形成されることを特徴とする。
第8発明に係る紙容器は、第7発明において、前記積層筒体は、シート材の一方の側端部から側方に向けて凸部又は凹部が形成され、当該シート材の他方の側端部が前記凸部又は前記凹部に嵌合されることを特徴とする。
第9発明に係る紙容器は、第8発明において、前記積層筒体は、最も内側に配置されるシート材に前記凸部又は前記凹部が形成されることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされているため、積層筒体の厚みを周方向で略一定にすることができる。その結果、本発明によれば、積層筒体と底板との間で隙間が生じることなく、内部に収容された飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
また、本発明によれば、積層筒体の貼着外面と貼着内面が貼り合わされているため、内側のシート材の側端部同士の継目と、外側のシート材の側端部同士の継目とが周方向で離間して配置されるものとなる。これにより、本発明によれば、内部に飲料や食品等を収容したとき、貼着外面と貼着内面との間から飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
また、本発明によれば、積層筒体の貼着外面と貼着内面が貼り合わされたとき、内側のシート材の継目と外側のシート材の継目とが周方向で離間して配置される。このため、本発明によれば、内側のシート材の継目には外側のシート材が隣接されて設けられ、外側のシート材の継目には内側のシート材が隣接されて設けられることとなり、挟圧強度を付与することが可能となり、積層筒体が楕円形状になりにくいものとなる。
また、本発明によれば、積層筒体の厚みを周方向で略一定にすることにより、折り返し部と底板の突出部とを熱圧着等により貼り合わせる際の圧力が均一になるので、折り返し部や突出部の紙基材が切れてしまう虞がない。
また、本発明によれば、積層筒体のトップカールに蓋が設けられる場合であっても、積層筒体と蓋との間に隙間が生じることがないため、飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。また、トップカールにシール材を接着した場合であっても、トップカールとシール材との間に隙間が生じることがないため、飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。更に、局所的に接着強度が上昇してしまうことも無いため、開封強度を下げることも可能となる。
本発明によれば、気泡を巻き込むことなく貼着外面と貼着内面とを貼り合わせることができるため、貼着外面と貼着内面との貼り合わせ強度が低下するのを防止することが可能となる。
また、本発明によれば、従来の紙容器のような紙の厚みの半分を削除して削り取った残りの部分を削除面が内側となるように折り返して紙端面の保護を行うことがないため、紙の切りくずが発生しないものとなり、その結果、内容物に紙の切りくずが混入することを防止することが可能となる。
本発明の実施形態に係る紙容器を一部破断して示す斜視図である。 (a)は、図1の紙容器を側断面図であり、(b)は、(a)の2A−2A断面図である。 (a)は、シート材の展開図を示し、(b)は、(a)の3A−3A断面図を示す。 (a)は、積層筒体の展開図を示し、(b)は、(a)の4A−4A断面図を示す。 (a)は、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされる前の状態の積層筒体を拡大して示す断面図であり、(b)は、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされた状態の積層筒体を拡大して示す断面図である。 (a)は、シート材の側端部同士を当接させた積層筒体を拡大して示す断面図であり、(b)は、シート材の側端部同士を離間させた積層筒体を拡大して示す断面図である。 積層筒体のトップカール近傍を拡大して示す図である。 積層筒体の折り返し部近傍を拡大して示す図である。 複数のシート材を貼り合わせる手順を説明するための図である。 互いに貼り合わせた複数のシート材を切り出す手順を説明するための図である。 切り出した複数のシート材を筒状にして、積層筒体を形成する手順を説明するための図である。 積層筒体の下端部側に底板を取り付ける手順を説明するための図である。 積層筒体の上端部から外側に丸め込んでトップカールを形成する手順を説明するための図である。 (a)は、1つのシート材の一方の側端部と他方の側端部とが互いに嵌合される積層筒体を示す断面図であり、(b)は、複数のシート材の一方の側端部と他方の側端部とが互いに嵌合される積層筒体を示す断面図である。 一方のシート材の上端部を他方のシート材の上端部よりも上方に突出させて貼り合わされた積層筒体のトップカール近傍を示す図である。 一方のシート材の下端部を他方のシート材の下端部よりも下方に突出させて貼り合わされた積層筒体の折り返し部近傍を示す図である。 一方のシート材の基材が紙を主体とし、他方のシート材の基材が熱可塑性樹脂を主体として形成される積層筒体を示す断面図であり、(a)は、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされる前の状態の積層筒体を拡大して示す断面図であり、(b)は、貼着外面と貼着内面とが貼り合わされた状態の積層筒体を拡大して示す断面図である。 3つのシート材を貼り合わせた積層筒体を拡大して示す断面図である。 3つのシート材を貼り合わせた積層筒体の他の形態を拡大して示す断面図である。 (a)は、従来の紙容器の平面図であり、(b)は、(a)のB−B断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る紙容器について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る紙容器1を一部破断して示す斜視図である。図2(a)は、図1の紙容器1を側断面図であり、図2(b)は、図2(a)の2A−2A断面図である。
紙容器1は、飲料や、スナック菓子等の食品等が収容される容器であって、筒状に形成される積層筒体2と、積層筒体2の下端部側に設けられる底板7とを備える。底板7は、平面視円形状に形成され、周縁から下方に向けて突出された突出部71を有する。
積層筒体2は、互いに貼り合わされた複数のシート材20を筒状にすることで形成される。積層筒体2は、上方に向かうにつれて拡径されて形成されるが、これに限らず、上下方向に拡径されることなく、円筒状等の筒状に形成されてもよい。
図3(a)は、シート材20の展開図を示し、図3(b)は、図3(a)の3A−3A断面図を示す。
シート材20は、図3(a)に示すように、外径が扇形状に形成され、一方の側端部21と他方の側端部22とが、直線状に形成され、上端部23と下端部24とが円弧状に形成される。なお、シート材20は、これに限らず、外形が矩形状等に形成されるものであってもよい。シート材20は、例えば、100g/m2〜400g/m2程度の坪量のものが用いられるが、これに限らず、如何なる坪量のものが用いられてもよい。なお、シート材20の四隅には、必要に応じて、円弧状等に形成する面取り加工が施されてもよい。
シート材20は、図3(b)に示すように、紙を主体とする基材28の両面に、ポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂29が被覆されている。なお、シート材20は、紙を主体とする基材28の何れか一方の面に、熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられてもよい。シート材20の側端部21、22は、基材28の側端面となる。熱可塑性樹脂29は単層から形成されても良く、複数の層から形成されていても良い。熱可塑性樹脂29は、ポリエチレン、ポリプロプレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)等のバリア性樹脂等から種々選択することができる。
図1に示す形態において、積層筒体2は、2つのシート材20が貼り合わされ、2つのシート材20のうち、内側に配置されるシート材20をシート材20−1とし、シート材20−1の外側に配置されるシート材20をシート材20−2とする。
なお、積層筒体2は、2つのシート材20が貼り合わされるものに限らず、3つ以上のシート材20が貼り合わされるものであってもよい。また、積層筒体2は、複数のシート材20のうち少なくとも1つのシート材20の基材28が紙を主体とする。即ち、積層筒体2は、複数のシート材20のうち少なくとも1つのシート材20の基材28が紙を主体としていれば、他のシート材20の基材28が熱可塑性樹脂を主体とするものであってもよい。また、積層筒体2は、全てのシート材20の基材28が紙を主体とするものであってもよい。
図4(a)は、積層筒体2の展開図を示し、図4(b)は、図4(a)の4A−4A断面図を示す。
積層筒体2は、シート材20−1と、シート材20−2とが貼り合わされる。シート材20−1と、シート材20−2とは、シート材20−1の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、シート材20−2の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、が超音波等の熱圧着により貼り合わされるが、これに限らず、接着剤等により貼り合わされてもよく、如何なる手段で貼り合わされてもよい。
シート材20−1と、シート材20−2とは、シート材20−1の上端部23−1と、シート材20−2の上端部23−2とが略一致されて貼り合わされるとともに、シート材20−1の下端部24−1と、シート材20−2の下端部24−2とが略一致されるように貼り合わされる。
また、シート材20−1と、シート材20−2とは、互いが側方でずれるように貼り合わされている。即ち、シート材20−1と、シート材20−2とは、一方の側端部21−1、21−2同士が側方で離間されるように貼り合わされるとともに、他方の側端部22−1、22−2同士が側方で離間されるように貼り合わされる。
図4(b)に示すように、シート材20−1の一方の側端部21−1と、シート材20−1に隣接するシート材20−2の一方の側端部21−2とが側方で離間されることで、シート材20−1の外面に貼着外面3が形成される。貼着外面3は、図4(a)に示すように、シート材20−1において、一方の側端部21−1と、上端部23−1と、下端部24−1と、シート材20−2の一方の側端部21−2とに囲われる領域となる。貼着外面3は、扇形状に形成されるが、これに限らず、矩形状等に形成されてもよい。貼着外面3は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
また、図4(b)に示すように、シート材20−1の他方の側端部22−1と、シート材20−1に隣接するシート材20−2の他方の側端部22−2が離間されることで、シート材20−2の内面に貼着内面4が形成される。貼着内面4は、図4(a)に示すように、シート材20−2において、他方の側端部22−2と、上端部23−2と、下端部24−2と、シート材20−1の他方の側端部22−1とに囲われる領域となる。貼着内面4は、扇形状に形成されるが、これに限らず、矩形状等に形成されてもよい。貼着内面4は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
図4(b)に示すように、シート材20−1と、シート材20−2とは、シート材20−1の基材28と、シート材20−1の基材28との間の熱可塑性樹脂29が、シート材20−1の側端部21−1からシート材20−2の側端部21−2まで略一定の厚さとなるように貼り合わせてもよい。
シート材20−1と、シート材20−2とは、ともに基材28が紙を主体とし、シート材20−1における紙の繊維方向と、シート材20−1における紙の繊維方向とが互いに異なる方向に配置されていてもよい。例えば、シート材20−1の紙の繊維方向が図中矢印T方向に沿って配置され、シート材20−2の紙の繊維方向が図中矢印T方向に直交する図中矢印S方向に沿って配置される。
このような互いに貼り合わされた複数のシート材20−1、20−2を筒状にすることで、積層筒体2が形成される。
なお、図4に示す形態において、シート材20−1と、シート材20−2とは、ともに基材28の両面に、熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられるが、これに限定されない。例えば、シート材20−1は、基材28の両面に熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられ、シート材20−2は、基材28の片面に熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられてもよい。このシート材20−1と、このシート材20−2とを貼り合わせる際には、例えば、シート材20−1の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、シート材20−2の基材28と、を熱圧着等により貼り合わせる。このとき、積層筒体2の内面は、熱可塑性樹脂29で構成され、貼着外面3は、熱可塑性樹脂29で構成され、貼着内面4は、基材28で構成されるものとなる。
また、例えば、シート材20−1は、基材28の片面に熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられ、シート材20−2は、基材28の両面に熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられてもよい。このシート材20−1と、このシート材20−2とを貼り合わせる際には、例えば、シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、を熱圧着等により貼り合わせる。このとき、積層筒体2の内側は、熱可塑性樹脂29で構成され、貼着外面3は、基材28で構成され、貼着内面4は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
また、例えば、シート材20−1と、シート材20−2とは、ともに、基材28の片面に熱可塑性樹脂29が被覆されているものが用いられてもよい。このシート材20−1と、このシート材20−2とを貼り合わせる際には、例えば、シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、を熱圧着等により貼り合わせる。このとき、積層筒体2の内面は、熱可塑性樹脂29で構成され、貼着外面3は、基材28で構成され、貼着内面4は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
このように、シート材20−1と、シート材20−2とを貼り合わせる際には、積層筒体2の内面が熱可塑性樹脂29で構成されるようにすることが好ましい。
図5(a)は、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされる前の状態の積層筒体2を拡大して示す断面図であり、図5(b)は、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされた状態の積層筒体2を拡大して示す断面図である。
積層筒体2は、図5(a)に示すように、各々のシート材20の一方の側端部21と、他方の側端部22とが周方向Wで互いに対向される。即ち、シート材20−1の一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが周方向Wで互いに対向され、シート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが周方向Wで互いに対向される。このとき、積層筒体2は、各々のシート材20において、一方の側端部21と、他方の側端部22とが重なり合っていないものとなる。また、図5(a)に示す状態において、積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とが当接された状態となっている。
シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28との間の熱可塑性樹脂29が周方向Wで略一定の厚さとなることにより、シート材20−2の側端部22−2側が積層筒体2の外側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面3と貼着内面4とが当接されてもよい。また図示は省略するが、シート材20−1の基材28と、シート材20−1の基材28との間の熱可塑性樹脂29が略一定の厚さとなることにより、貼着外面3と貼着内面4とが当接された状態において、シート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の内側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面3と貼着内面4とが当接されてもよい。また、シート材20−2の側端部22−2側及びシート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の外側又は内側に向けて突出されることなく、貼着外面3と貼着内面4とが当接されてもよい。
また、積層筒体2は、シート材20−1において、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが周方向Wで対向させることで継目G−1が形成される。この継目G−1は、周方向Wで離間された一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1との間の隙間である。積層筒体2は、シート材20−2において、一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とがで対向させることで継目G−2が形成される。この継目G−2は、周方向Wで離間された一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1との間の隙間である。
また、継目G−1における周方向Wの離間距離と、継目G−2における周方向Wの離間距離とは、それぞれ高さ方向で略一定となっている。
なお、シート材20−1と、シート材20−2とは、大きさが略等しいものが用いられるが、継目G−1における周方向Wの離間距離と、継目G−2における周方向Wの離間距離とを等しくするために、厳密には、外側に配置されるシート材20−2を、内側のシート材20−1よりもわずかに大きくしたものが用いられてもよい。
そして、当接された貼着外面3と貼着内面4とを超音波等により熱圧着することで、積層筒体2は、図5(b)に示すように、貼着外面3と、貼着内面4とが貼り合わされるものとなる。積層筒体2は、貼着外面3と、貼着内面4とが貼り合わされたとき、継目G−1と、継目G−2とが、周方向Wで互いに離間して配置されるものとなる。
また、貼着外面3と貼着内面4とが熱圧着により貼り合わされることで、それぞれ熱可塑性樹脂29で構成される貼着外面3と貼着内面4とが一体化される。そして、積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とが熱圧着により貼り合わされることで、基材28に被覆された熱可塑性樹脂29が溶出して、シート材20−1の継目G−1及びシート材20−2の継目G−2に、それぞれ溶出した熱可塑性樹脂29が埋設されることとなる。このため、積層筒体2は、周方向Wで段差が形成されることなく、周方向Wで略一定の厚みを有するものとなる。
なお、貼着外面3と貼着内面4とが当接された状態においてシート材20−2の側端部22−2側が積層筒体2の外側に向けて僅かに突出されていたとしても、基材28に被覆された熱可塑性樹脂29が溶出することで、シート材20−1の継目G−1及びシート材20−2の継目G−2に、それぞれ溶出した熱可塑性樹脂29が埋設されることで、周方向Wで略一定の厚みを有するものとなってもよい。
図6(a)は、シート材20の側端部21、22同士を当接させた積層筒体2を拡大して示す断面図である。図6(a)に示すように、継目G−1は、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1との間に隙間を生じることなく、互いが周方向Wで当接されて形成されることとなる。また、継目G−2も同様に、一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2との間に隙間を生じることなく、互いが周方向Wで当接されて形成されることとなる。図6(a)に示す形態においても、積層筒体2は、貼着外面3と、貼着内面4とが貼り合わされたとき、継目G−1と、継目G−2とが、周方向Wで離間して配置されるものとなる。また、積層筒体2は、周方向Wで段差が形成されることなく、周方向Wで略一定の厚みを有するものとなる。
図6(b)は、シート材20の側端部21、22同士を離間させた積層筒体2を拡大して示す断面図である。図6(b)に示すように、継目G−1は、周方向Wで離間された一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1との間の隙間である。また、継目G−2も同様に、周方向Wで離間された一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2との間の隙間である。積層筒体2は、貼着外面3と、貼着内面4とが貼り合わされたとき、継目G−1と、継目G−2とが、周方向Wで離間して配置されるものとなる。この積層筒体2は、継目G−1と継目G−2とに熱可塑性樹脂29が埋設されることなく、単にシート材20−1の一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが互いに隙間が形成されるように離間されて周方向Wで対向され、シート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが互いに隙間が形成されるように離間されて周方向Wで対向されるものとなる。このとき、積層筒体2は、継目G−1と継目G−2とにおいて、隙間が形成されるものの、継目G−1と継目G−2との周方向Wの離間距離が積層筒体2の全周に対して占める割合がわずかであるため、周方向Wで略一定の厚みを有するものとなる。また、継目G−1と継目G−2とに形成された隙間を、熱可塑性樹脂29以外の部材で埋めても良い。
図7は、積層筒体2のトップカール2a近傍を示す図である。積層筒体2は、シート材20−1の上端部23−1とシート材20−2の上端部23−2とを外側に丸め込むことで、トップカール2aが形成される。このトップカール2aは、シート材20−1及びシート材20−2の2つ分の厚みを有するものとなる。このとき、積層筒体2は、シート材20−1の上端部23−1とシート材20−2の上端部23−2とが略一致するように貼り合わされているため、トップカール2aは、周方向Wで略一定の厚みを有するものとなる。積層筒体2は、図示しない蓋をトップカール2aに係止させることができる。なお、積層筒体2は、蓋の周囲から内側に突出された係止部を有する蓋をトップカール2aに係止させることもできる。また、トップカール2aにシール材を接着させてもよい。
図8は、積層筒体2の折り返し部2b近傍を示す図である。積層筒体2は、シート材20−1の下端部24−1とシート材20−2の下端部24−2とを内側に折り込むことで折り返し部2bが形成され、折り返し部2bに底板7の突出部71が挟み込まれることで、底板7が取り付けられる。なお、底板7は、シート材20と同様に、例えば、基材が紙を主体とし、当該基材の両面又は片面にポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂が被覆されるものが用いられてもよい。このとき、積層筒体2は、例えば、折り返し部2bと突出部71とが熱圧着等により貼り合わせられることで、底板7が取り付けられてもよい。積層筒体2は、周方向Wで略一定の厚みを有するため、積層筒体2と底板7との間で隙間が生じないものとなる。また、積層筒体2は周方向Wで略一定の厚みを有するため、折り返し部2bと突出部71とを熱圧着等により貼り合わせる際の圧力が均一になるので、折り返し部2bや突出部71の紙基材が切れてしまう虞がない。
次に、紙容器1の製造方法について、説明する。
紙容器1の製造方法は、図9に示すように、先ず、それぞれ開口部80が形成されたシート材20−1、20−2を用いて、シート材20−1の開口部80とシート材20−2の開口部80とを離間させ、シート材20−1とシート材20−2とを熱圧着等により貼り合わせる。この開口部80は、例えば、矩形状に形成されるが、これに限らず、如何なる形状であってもよい。また、シート材20−1と、シート材20−2とを貼り合わせる際には、一方のシート材20−1における紙の繊維方向を図中矢印T方向に向けて配置し、シート材20−1における紙の繊維方向を図中矢印S方向に向けて配置し、シート材20−1、20−2における紙の繊維方向が互いに異なる方向に配置されるように、互いを貼り合わせる。
次に、紙容器1の製造方法は、図10に示すように、互いに貼り合わせた複数のシート材20−1、20−2を、各々の開口部80が側端となるように切り出す。このとき、図10(a)に示すように、図中の一点鎖線で示した形状に沿って、互いに貼り合わせたシート材20−1と、シート材20−2とを扇形状に切り出す。
互いに貼り合わせたシート材20−1と、シート材20−2とを切り出すことで、図10(b)に示すように、シート材20−1と、シート材20−2とは、互いが側方でずれるように貼り合わされた状態となる。即ち、シート材20−1と、シート材20−2とは、一方の側端部21−1、21−2同士が離間されることで、シート材20−1の外面に貼着外面3が形成され、シート材20−1の他方の側端部22−1と、シート材20−2の他方の側端部22−2が離間されることで、外側のシート材20−2の内面に貼着内面4が形成される。
なお、これに限らず、予め扇形状等に形成されたシート材20−1と、シート材20−2とを、互いが側方でずれるように貼り合わされてもよい。このときであっても、シート材20−1と、シート材20−2とは、一方の側端部21−1、21−2同士が離間されることで、シート材20−1の外面に貼着外面3が形成され、シート材20−1の他方の側端部22−1と、シート材20−2の他方の側端部22−2が離間されることで、外側のシート材20−2の内面に貼着内面4が形成されることとなる。
次に、紙容器1の製造方法は、図11に示すように、各々のシート材20における両側端部21、22を互いに周方向Wで対向させ、切り出した複数のシート材20を筒状にして、積層筒体2を形成する。
詳細には、紙容器1の製造方法は、図11(a)に示すように、シート材20−1の一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とを図中矢印U方向に向けて互いに近づけるとともに、シート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とを図中矢印U方向に向けて互いに近づける。
そして、紙容器1の製造方法は、図11(b)に示すように、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1と周方向Wで互いに対向させ、シート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが周方向Wで互いに対向させ、切り出したシート材20−1、20−2を筒状にして、積層筒体2を形成する。このとき、貼着外面3と貼着内面4とを互いに当接させる。
また、紙容器1の製造方法では、シート材20−1において、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とを周方向Wで互いに離間された継目G−1が形成され、シート材20−2において、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とを周方向Wで離間された継目G−2が形成される。
また、シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28との間の熱可塑性樹脂29が略一定の厚さとなる場合には、シート材20−2の側端部22−2側が積層筒体2の外側に向けて僅かに突出されるように、又は、シート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の内側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面3と貼着内面4とを当接させていてもよい。
次に、紙容器1の製造方法は、図11(c)に示すように、互いに当接させた貼着外面3と、貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせる。このとき、紙容器1の製造方法は、貼着外面3と貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせることで、それぞれ熱可塑性樹脂29で構成される貼着外面3と貼着内面4とを一体化させる。また、紙容器1の製造方法は、貼着外面3と貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせることで、基材28に被覆された熱可塑性樹脂29を溶出させ、シート材20−1の継目G−1及びシート材20−2の継目G−2に、熱可塑性樹脂29を埋設させて積層筒体2が周方向Wで略一定の厚みを有するものとなる。
特に、貼着外面3と貼着内面4とを当接させた状態において、シート材20−2の側端部22−2側が積層筒体2の外側に向けて、又は、シート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の内側に向けて、僅かに突出されていたとしても、基材28に被覆された熱可塑性樹脂29が溶出することで、シート材20−1の継目G−1及びシート材20−2の継目G−2に、それぞれ溶出した熱可塑性樹脂29が埋設されることとなり、積層筒体2が周方向Wで略一定の厚みを有するものとなってもよい。
次に、紙容器1の製造方法は、図12に示すように、積層筒体2の下端部側に底板7を取り付ける。積層筒体2に底板7を取り付ける際には、図12(a)に示すように、積層筒体2の下端部側に底板7を配置し、底板7の突出部71を積層筒体2の内面に当接させる。そして、紙容器1の製造方法は、図12(b)に示すように、底板7の突出部71を挟み込むように、積層筒体2の下端部側を折り返して折り返し部2bを形成し、底板7を取り付ける。このとき、例えば、折り返し部2bと突出部71とを熱圧着等により取り付けてもよい。
次に、紙容器1の製造方法は、図13に示すように、積層筒体2の上端部を外側に丸め込んでトップカール2aを形成して、完了する。
本発明を適用した紙容器1は、図5及び図6に示すように、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされているため、積層筒体2の厚みを周方向Wで略一定にすることができる。その結果、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2と底板7との間で隙間が生じることなく、内部に収容された飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の内面側に配置される継目G−1から継目G−2に向けて、内部に収容された飲料や食品等の内容物が漏出したり、又は、継目G−1から継目G−2に向けて、若しくは、継目G−2から継目G−1に向けて、気体が透過したりしようとする。このとき、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の貼着外面3と貼着内面4が貼り合わされたとき、継目G−1と、継目G−2とが周方向Wで離間して配置されるものとなる。このため、本発明を適用した紙容器1は、貼り合わされた貼着外面3と貼着内面4から、内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の貼着外面3と貼着内面4が貼り合わされたとき、継目G−1と継目G−2とが周方向Wで離間して配置される。このため、本発明を適用した紙容器1は、継目G−1には外側のシート材20−2が隣接されて設けられ、継目G−2には内側のシート材20−1が隣接されて設けられるものとなり、挟圧強度を付与することが可能となる。また、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の貼着外面3と貼着内面4が貼り合わされたとき、継目G−1と継目G−2とが周方向Wで離間して配置されるため、積層筒体2が楕円形状になりにくいものとなる。
さらに、本発明を適用した紙容器1は、継目G−1と、継目G−2とに熱可塑性樹脂が埋設されているため、継目G−1及び継目G−2から内容物が漏出したり、気体が透過するのを強固に防止することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、継目G−1と、継目G−2とに熱可塑性樹脂29が埋設されることなく隙間が形成されていたとしても、貼着外面3と貼着内面4が貼り合わされているため、内部に収容された飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、側端部21−1、22−1同士を当接させることで継目G−1が形成され、側端部21−2、22−2同士を当接させることで継目G−2が形成される場合には、この継目G−1及び継目G−2から内容物が漏出しにくくなるとともに、気体が透過しにくいものとなるため、内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止する効果をさらに高めることが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、気泡を巻き込むことなく貼着外面3と貼着内面4とを貼り合わせることができるため、貼着外面3と貼着内面4との貼り合わせ強度が低下するのを防止することが可能となる。本発明を適用した紙容器1は、貼着外面3と貼着内面4とが熱圧着により貼り合わされることにより、貼着外面3と貼着内面4とを一体化させることができ、その結果、内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止する効果をさらに高めることが可能となる。
本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の厚みが周方向Wで略一定となることから、折り返し部2b自体も周方向Wで厚みが略一定となる。このため、本発明を適用した紙容器1は、折り返し部2bを形成するとき、積層筒体2の下端部側を一定の力で折り返すだけでよく、厚みに応じて折り返す力を調整する必要がないため、折り返し部2bを形成する作業を容易に行うことができる。
また、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2は周方向Wで略一定の厚みを有するため、折り返し部2bと突出部71とを熱圧着等により貼り合わせる際の圧力が均一になるので、折り返し部2bや突出部71の紙基材が切れてしまう虞がない。その結果、本発明を適用した紙容器1は、内容物の漏出や気体等の透過を防止することが可能となる。
本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の厚みが周方向Wで略一定となるため、積層筒体2のトップカール2aに蓋が設けられる場合であっても、積層筒体2と蓋との間に隙間が生じることがないため、飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の厚みが周方向Wで略一定となることから、トップカール2a自体も周方向Wで厚みが略一定となる。このため、本発明を適用した紙容器1は、トップカール2aを形成するとき、積層筒体2の上端部を一定の力で外側に丸め込むだけでよく、厚みに応じて丸め込む力を調整する必要がないため、トップカール2aを形成する作業を容易に行うことができる。
また、本発明を適用した紙容器1は、トップカール2a自体も周方向Wで厚みが略一定となることにより、トップカール2aにシール材を接着した場合であっても、積層筒体2のトップカール2aとシール材との間に隙間が生じることがないため、飲料や食品等の内容物が漏出したり、気体が透過するのを防止することが可能となる。更に、本発明を適用した紙容器1は、トップカール2aとシール材との接着強度が局所的に上昇してしまうことも無いため、シール材をトップカール2aから開封するために必要な開封強度を下げることも可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、従来の紙容器のような紙の厚みの半分を削除し、削除した残りの部分の削除面が内側となるように折り返して紙端面の保護を行うことがないため、紙の切りくずが発生しないものとなる。したがって、本発明を適用した紙容器1は、内容物に紙の切りくずが混入することを防止することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、複数のシート材20の基材28が紙を主体とし、各々のシート材20の紙の繊維方向が互いに異なる方向に配置される。これにより、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2に外力が作用したとき、繊維方向が異なる方向に配置された紙同士がそれぞれ外力に抵抗するものとなり、複数のシート材20における紙の繊維方向が互いに同一方向に配置されるよりも、外力に抵抗させ易くすることができ、その結果、強度を向上させることが可能となる。
図14(a)は、1つのシート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される積層筒体2を示す断面図である。
積層筒体2は、1つのシート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される形状に形成されてもよい。図14(a)に示す形態において、積層筒体2は、シート材20−1の一方の側端部21−1に側方に向けて突出された凸部25が形成され、他方の側端部22−2に側方に向けて凹ませた凹部26が形成される。なお、積層筒体2は、シート材20の一方の側端部21を側方に向けて凹ませた凹部26が形成され、他方の側端部22を側方に向けて突出させた凸部25が形成されてもよい。そして、積層筒体2は、凸部25と凹部26とが嵌合されるものとなる。
また、積層筒体2は、凸部25及び凹部26がそれぞれ三角形状に形成されるが、これに限らず、例えば、矩形状等に形成されてもよく、いかなる形状に形成されてもよい。積層筒体2は、最も内側に配置されるシート材20−1の一方の側端部21−1に凸部25が形成され、シート材20−1の他方の側端部22−2に凹部26が形成される。なお、積層筒体2は、シート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される形状であれば、いかなる形状であってもよく、例えば、波形状に形成されてもよい。
図14(b)は、複数のシート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される積層筒体2を示す断面図である。
積層筒体2は、複数のシート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される形状に形成される。図14(b)に示す形態において、積層筒体2は、シート材20−1の一方の側端部21−1を側方に向けて突出された凸部25が形成され、他方の側端部22を側方に向けて凹ませた凹部26が形成され、さらに、シート材20−2の一方の側端部21−2に側方に向けて突出された凸部25が形成され、他方の側端部22−2に側方に向けて凹ませた凹部26が形成される。
積層筒体2は、最も内側に配置されるシート材20−1の一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが互いに嵌合される形状に形成されるものに限らず、外側に配置されるシート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが互いに嵌合される形状に形成されてもよいし、全てのシート材20の両側端部21、22同士が互いに嵌合される形状に形成されてもよい。
本発明を適用した紙容器1は、シート材20の一方の側端部21と他方の側端部22とが互いに嵌合される形状に形成されることで、互いに貼り合わされた複数のシート材20を筒状に形成するとき、一方の側端部21に嵌合される他方の側端部22を嵌合させればよいため、互いに貼り合わされた複数のシート材20を筒状にして積層筒体2を形成し易くすることができ、その結果、容易に製造することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、積層筒体2の最も内側に配置されるシート材20−1に、凸部25と凹部26とが形成されることにより、凸部25と凹部26とが積層筒体2の内部から視認されるものとなる。このため、本発明を適用した紙容器1は、凸部25と凹部26とをいわば目印として機能させることができ、例えば、内部に飲料等を収容するとき、内部に収容する飲料等の量を容易に調整することが可能となる。
図15(a)は、内側のシート材20−1の上端部23−1を外側のシート材20−2の上端部23−2よりも上方に突出させて貼り合わせた積層筒体2のトップカール2a近傍を示す図である。図15(a)に示す形態において、積層筒体2は、内側のシート材20−1の上端部23−1を外側のシート材20−2の上端部23−2よりも上方に突出させて貼り合わせることで、積層筒体2のトップカール2aが内側のシート材20−1のみの厚みを有するものとなる。
図15(b)は、外側のシート材20−2の上端部23−2を内側のシート材20−1の上端部23−1よりも上方に突出させて貼り合わせた積層筒体2のトップカール2a近傍を示す図である。図15(b)に示す形態において、積層筒体2は、外側のシート材20−2の上端部23−2を内側のシート材20−1の上端部23−1よりも上方に突出させて貼り合わせることで、積層筒体2のトップカール2aが外側のシート材20−2のみの厚みを有するものとなる。
本発明を適用した紙容器1は、一方のシート材20の上端部23を他方のシート材20の上端部23よりも上方に突出させることで、トップカール2aを形成するとき、一方のシート材20の上端部23のみを外側に丸め込むだけでよく、外側に丸め込む際に作用させる力をより小さくすることができるため、容易にトップカール2aを形成することが可能となる。
また、本発明を適用した紙容器1は、内側のシート材20−1の上端部23−1を外側のシート材20−2の上端部23−2よりも上方に突出させることにより、内側のシート材20−1を外側に丸め込むだけでよく、外側に丸め込む際に作用させる力を小さくすることができるので、加工しやすく、より小さいトップカール2aを形成することが可能となる。また、外側のシート材20−2の上端部分の紙が必要無くなるので、材料費用を抑えることもできる。
図16(a)は、内側のシート材20−1の下端部24−1を外側のシート材20−2の下端部24−2よりも下方に突出させて貼り合わせた積層筒体2の折り返し部2b近傍を示す図である。図16(a)に示す形態において、積層筒体2は、内側のシート材20−1の下端部24−1を外側のシート材20−2の下端部24−2よりも下方に突出させて貼り合わせることで、積層筒体2の折り返し部2bが内側のシート材20−1のみの厚み分を有するものとなる。
図16(b)は、外側のシート材20−2の下端部24−2を内側のシート材20−1の下端部24−1よりも下方に突出させて貼り合わせた積層筒体2の折り返し部2b近傍を示す図である。図16(b)に示す形態において、積層筒体2は、外側のシート材20−2の下端部24−2を内側のシート材20−1の下端部24−1よりも下方に突出させて貼り合わせることで、積層筒体2の折り返し部2bが外側のシート材20−2のみの厚み分を有するものとなる。
本発明を適用した紙容器1は、一方のシート材20の下端部24を他方のシート材20の下端部24よりも下方に突出させることで、折り返し部2bを形成するとき、一方のシート材20のみを内側に折り返して底板7を取り付けることができるため、1つ分のシート材20を折り返すだけでよく、内側に折り返す際に作用させる力をより小さくすることができるため、シート材20を内側に折り返して折り返し部2bを形成する作業を容易に実施することが可能となる。
図17は、一方のシート材20の基材28が紙を主体とし、他方のシート材20−2の基材28´が熱可塑性樹脂を主体として形成される積層筒体2を示す断面図であり、図17(a)は、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされる前の状態の積層筒体2を拡大して示す断面図であり、図17(b)は、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされた状態の積層筒体2を拡大して示す断面図であるる
図17に示す形態において、積層筒体2は、内側のシート材20−1の基材28が紙を主体とし、外側のシート材20−2の基材28´が熱可塑性樹脂を主体としている。このとき、図17(a)に示すように、積層筒体2は、シート材20−1において、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが周方向Wで互いに対向され、一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが周方向Wで離間された継目G−1が形成される。また、積層筒体2は、シート材20−2において、一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが周方向Wで互いに対向され、一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが周方向Wで離間された継目G−2が形成される。このとき、積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とを互いに当接されている。なお、基材28´は、単層から形成されても良く、複数の層から形成されていても良い。基材28´は、ポリエチレン、ポリプロプレン等のポリオレフィンや、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ナイロン等のポリアミド、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)等のバリア性樹脂等から種々選択することができる。
そして、図17(b)に示すように、互いに当接させた貼着外面3と、貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせる。積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせることで、それぞれ熱可塑性樹脂29で構成される貼着外面3と貼着内面4とを一体化させる。また、積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とを熱圧着により貼り合わせることで、シート材20−1の基材28に被覆された熱可塑性樹脂29と、シート材20−2の熱可塑性樹脂で構成された基材28´とを溶出させ、シート材20−1の継目G−1及びシート材20−2の継目G−2に、溶出した基材28´と熱可塑性樹脂29を埋設させるようにしてもよい。
本発明を適用した紙容器1は、一方のシート材20の基材28が紙を主体とし、他方のシート材20の基材28´が熱可塑性樹脂を主体として形成されることで、熱可塑性樹脂で構成される基材28´に、例えば、遮光性や彩色性を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。このため、本発明を適用した紙容器1は、紙を主体とした一方のシート材20で所定の強度を付与させながら、熱可塑性樹脂を主体とした他方のシート材20で遮光性や彩色性を付与させることができる。
なお、図17に示す形態において、積層筒体2は、内側のシート材20−1の基材28が紙を主体とし、外側のシート材20−2の基材28´が熱可塑性樹脂を主体としているが、本発明においては、外側のシート材の基材が紙を主体とし、内側のシート材の基材が熱可塑性樹脂を主体としてもよい。
図18は、3つのシート材20を貼り合わせた積層筒体2を拡大して示す断面図である。図18に示す形態において、積層筒体2は、互いに貼り合わされたシート材20−1と、シート材20−2と、シート材20−3とを筒状にすることで形成される。また、シート材20−1と、シート材20−2とは、互いが側方でずれるように貼り合わされており、シート材20−1と、シート材20−2との貼り合わせについては、上述したものと同一であるので説明を省略する。
シート材20−2と、シート材20−3とは、一方の側端部21−2、21−3同士が側方で離間されるように貼り合わされるとともに、他方の側端部22−2、22−3同士が側方で離間されるように貼り合わされる。
シート材20−2の一方の側端部21−2と、シート材20−3の一方の側端部21−3とが側方で離間されることで、シート材20−2の外面に貼着外面5が形成される。貼着外面5は、扇形状に形成されるが、これに限らず、矩形状等に形成されてもよい。貼着外面5は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
また、シート材20−2の他方の側端部22−2と、シート材20−3の他方の側端部22−3が離間されることで、シート材20−3の内面に貼着内面6が形成される。貼着内面6は、扇形状に形成されるが、これに限らず、矩形状等に形成されてもよい。貼着内面6は、熱可塑性樹脂29で構成されるものとなる。
そして、シート材20−1と、シート材20−2と、シート材20−3とを貼り合わせて積層筒体2を構成する場合には、先ず図18(a)に示すように、各々のシート材20の一方の側端部21と、他方の側端部22とを周方向Wで互いに対向させて筒状に形成する。積層筒体2は、シート材20−1の一方の側端部21−1と、他方の側端部22−1とが周方向Wで互いに対向され、シート材20−2の一方の側端部21−2と、他方の側端部22−2とが周方向Wで互いに対向され、シート材20−3の一方の側端部21−3と、他方の側端部22−3とが周方向Wで互いに対向される。換言すれば、積層筒体2は、シート材20−1の他方の側端部22−1よりもシート材20−2の他方の側端部22−2を周方向Wに突出させ、シート材20−2の他方の側端部22−2の突出方向にシート材20−3の他方の側端部22−3をさらに周方向Wに突出させた形態となっている。また、積層筒体2は、各々のシート材20において、一方の側端部21と、他方の側端部22とが重なり合っていないものとなる。また、図18(a)に示す状態において、積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とが当接されており、貼着外面5と貼着内面6とが当接されている。
このとき、シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28との間の熱可塑性樹脂29が周方向Wで略一定の厚さとなる場合には、シート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の内側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面3と貼着内面4とを当接させてもよい。また、シート材20−2の基材28と、シート材20−3の基材28との間の熱可塑性樹脂29が周方向Wで略一定の厚さとなる場合には、シート材20−3の側端部22−3側が積層筒体2の外側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面5と貼着内面6とを当接させてもよい。
また、積層筒体2は、シート材20−1、シート材20−2と同様に、シート材20−3においても、一方の側端部21−3と、他方の側端部22−3とが周方向Wで互いに対向され、一方の側端部21−3と、他方の側端部22−3とが周方向Wで離間された継目G−3が形成される。
そして、当接された貼着外面3と貼着内面4と、貼着外面5と貼着内面6とを熱圧着することで、積層筒体2は、図18(b)に示すように、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされるとともに、貼着外面5と貼着内面6とが貼り合わされるものとなる。貼着外面5と貼着内面6とが熱圧着により貼り合わされることで、それぞれ熱可塑性樹脂29で構成される貼着外面5と貼着内面6とが一体化されるものとなる。また、積層筒体2は、貼着外面5と貼着内面6とが熱圧着により貼り合わされることで、基材28に被覆された熱可塑性樹脂29が溶出して、シート材20−2の継目G−2及びシート材20−3の継目G−3に、それぞれ熱可塑性樹脂29が埋設されることとなる。このため、積層筒体2は、周方向Wで段差が形成されることなく、厚さが略一定となる。
図19は、3つのシート材20を貼り合わせた積層筒体2の他の形態を示す図である。図19に示す形態において、積層筒体2は、シート材20−2の他方の側端部22−2と、シート材20−3の他方の側端部22−3とが側方で離間されることで、シート材20−2の外面に貼着外面5が形成される。
また、積層筒体2は、シート材20−2の一方の側端部21−2と、シート材20−3の一方の側端部21−3が離間されることで、シート材20−3の内面に貼着内面6が形成される。
シート材20−1と、シート材20−2と、シート材20−3とを貼り合わせて積層筒体2を構成する場合には、先ず図19(a)に示すように、各々のシート材20の一方の側端部21と、他方の側端部22とを周方向Wで互いに対向させて筒状に形成する。このとき、積層筒体2は、シート材20−1の他方の側端部22−1、及び、シート材20−3の他方の側端部22−3よりもシート材20−2の他方の側端部22−2を周方向Wに突出させた形態となっている。また、積層筒体2は、シート材20−1の一方の側端部21−1、及び、シート材20−3の一方の側端部21−3よりもシート材20−2の一方の側端部21−2を周方向Wに凹ませた形態となっている。積層筒体2は、貼着外面3と貼着内面4とが当接されており、貼着外面5と貼着内面6とが当接されている。
このとき、シート材20−1の基材28と、シート材20−2の基材28との間の熱可塑性樹脂29が周方向Wで略一定の厚さとなる場合には、シート材20−1の側端部21−1側が積層筒体2の内側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面3と貼着内面4とを当接させていてもよい。また、シート材20−2の基材28と、シート材20−3の基材28との間の熱可塑性樹脂29が周方向Wで略一定の厚さとなる場合には、シート材20−3の側端部21−3側が積層筒体2の外側に向けて僅かに突出されるように、貼着外面5と貼着内面6とを当接させていてもよい。
そして、当接された貼着外面3と貼着内面4と、貼着外面5と貼着内面6とを熱圧着することで、積層筒体2は、図19(b)に示すように、貼着外面3と貼着内面4とが貼り合わされ、貼着外面5と貼着内面6とが貼り合わされるものとなる。
図19に示す形態において、本発明を適用した紙容器1は、周方向Wで凹ませた部分となるシート材20−2の一方の側端部21−2に、周方向Wで突出させた部分となるシート材20−2の他方の側端部22−2を挿入すればよいため、互いに貼り合わされた複数のシート材20を筒状にし易くすることができ、その結果、容易に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :紙容器
2 :積層筒体
2a :トップカール
2b :折り返し部
20 :シート材
20−1 :シート材
20−2 :シート材
20−3 :シート材
21 :側端部
21−1 :側端部
21−2 :側端部
21−3 :側端部
22 :側端部
22−1 :側端部
22−2 :側端部
22−3 :側端部
23 :上端部
23−1 :上端部
23−2 :上端部
24 :下端部
24−1 :下端部
24−2 :下端部
25 :凸部
26 :凹部
28 :基材
28´ :基材
29 :熱可塑性樹脂
3 :貼着外面
4 :貼着内面
5 :貼着外面
6 :貼着内面
7 :底板
71 :突出部
80 :開口部
G−1 :継目
G−2 :継目
G−3 :継目
W :周方向

Claims (9)

  1. 底板に設けられる積層筒体を備え、
    前記積層筒体は、互いに貼り合わされた複数のシート材を筒状にすることで形成され、複数のシート材のうち少なくとも1つのシート材の基材が紙を主体とし、各々のシート材の両側端部が周方向で互いに対向されるとともに、隣接するシート材の一方の側端部同士が互いに離間されることで内側のシート材の外面に形成される貼着外面と、隣接するシート材の他方の側端部同士が互いに離間されることで外側のシート材の内面に形成される貼着内面とを有し、前記貼着外面と前記貼着内面とが貼り合わされること
    を特徴とする紙容器。
  2. 前記積層筒体は、2つのシート材が貼り合わされて形成されること
    を特徴とする請求項1記載の紙容器。
  3. 前記積層筒体は、少なくとも2つのシート材の基材が紙を主体とし、複数のシート材における紙の繊維方向が互いに異なる方向に配置されること
    を特徴とする請求項1又は2記載の紙容器。
  4. 前記積層筒体は、全てのシート材の基材が紙を主体とし、当該基材に熱可塑性樹脂が被覆され、前記貼着外面と前記貼着内面とが熱圧着により貼り合わされること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の紙容器。
  5. 前記積層筒体は、シート材の両側端部が周方向で互いに当接されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の紙容器。
  6. 前記積層筒体は、シート材の両側端部が周方向で隙間が形成されるように対向され、前記隙間に熱可塑性樹脂が埋設されること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の紙容器。
  7. 前記積層筒体は、シート材の一方の側端部と他方の側端部とが互いに嵌合される形状に形成されること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の紙容器。
  8. 前記積層筒体は、シート材の一方の側端部から側方に向けて凸部又は凹部が形成され、当該シート材の他方の側端部が前記凸部又は前記凹部に嵌合されること
    を特徴とする請求項7記載の紙容器。
  9. 前記積層筒体は、最も内側に配置されるシート材に前記凸部又は前記凹部が形成されること
    を特徴とする請求項8記載の紙容器。
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