JP2019064623A - 断熱容器 - Google Patents

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智文 片島
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Abstract

【課題】積み重ねて搬送するのに好適な断熱容器を提供する。【解決手段】断熱性部材を用いた断熱容器1であって、断熱容器1の天面及び底面にはそれぞれ滑り止め機構であるプラスチックシート2(2A、2B)が設けられ、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとは、水平面上で重なる位置に設けられ、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bには、先細り形状となる凸部6が設けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、積み重ねるのに好適な断熱容器に関する。
従来から、温度管理が必要な荷物を収容するための断熱性が高い容器が知られている。このような容器として、発泡スチロール等で成型される発泡スチロール箱や遮熱シート等を用いた断熱容器などが用いられている。特許文献1には、真空断熱材を用いた断熱容器により荷物を収容し、当該断熱容器を配送車両の荷台に積むことで荷物の配送を行うシステムが開示されている。
特開2017−040466号公報
特許文献1に記載のように複数の断熱容器を搬送する際には、配送車両の荷台の大きさの制限などから、断熱容器を複数段に積み上げて搬送する場合がある。この場合、断熱容器には、搬送時の安定性の観点から、断熱容器を積み重ねた際に互いが固定し合う構造を有することが好ましい。一方、真空断熱材や遮熱シートなどを用いる断熱容器では、発泡スチロールのように成型時に凹凸を作ることはコストや耐久性等の観点から難しい。また、断熱容器の外装にずれ防止用の粘着性のあるシートを用いた場合には、汚れなどが付着して粘着力がすぐに無くなるという問題が生じ、クッション性があるシートを用いた場合には、耐久性能が低いといった問題が生じる。また、断熱容器に固定機構を特に設けずにラップ等で巻いて固定する場合には、作業負荷が増大するといった問題が生じる。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、積み重ねて搬送するのに好適な断熱容器を提供することを主な目的とする。
本発明の一つの側面は、断熱性部材を用いた断熱容器であって、断熱容器は、前記断熱容器の天面及び底面の少なくとも一方には滑り止め機構が設けられ、前記滑り止め機構は、先細り形状となる凸部を有する。なお、先細り形状には、先端の角を丸める加工がなされた形状も含まれる。
断熱容器は、持ち運び自在であってもよい。
断熱容器は、複数の断熱パネルを有し、前記断熱パネルが折り畳み自在であってもよい。
断熱容器は、真空断熱材を用いた複数の断熱パネルを有してもよい。
前記滑り止め機構は、配列された複数の凸部を有し、複数の前記断熱容器を積み重ねたときに対向する前記滑り止め機構が噛み合い自在であってもよい。
前記対向する滑り止め機構は、水平面上で所定の角度差が生じているときに噛み合わないとよい。
前記凸部は、ハニカム状に配列されているとよい。
前記対向する滑り止め機構は、噛み合った状態において、前記凸部の側面同士が接触し、かつ、前記凸部の先端に空間が形成されるとよい。
前記凸部は、中空構造を有するとよい。
前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、前記凸部が形成され、前記天面又は底面の他方には、前記凸部と嵌合自在な凹部が形成されるとよい。
積み重ねられた前記断熱容器の向きが揃えられた場合に、一方の前記断熱容器の前記凸部と他方の前記断熱容器の前記凹部とが嵌合自在となるとよい。
前記凹部は、前記底面に形成されるとよい。
前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、前記凸部と凹部とがそれぞれ形成され、前記天面又は底面の他方には、前記滑り止め機構として、前記一方の凹部と嵌合自在な凸部と、前記一方の凸部と嵌合自在な凹部と、が形成されるとよい。
前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、複数の前記凸部が形成され、前記天面又は底面の他方には、前記複数の凸部が嵌め込まれる凹部が形成されるとよい。
前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、凹部又は凸部である第1凹凸部と、前記第1凹凸部よりも前記滑り止め機構の高さ方向において大きい凹部又は凸部である第2凹凸部とが形成され、前記天面又は底面の他方には、前記滑り止め機構として、前記第1凹凸部と噛み合い又は嵌合自在な凹部又は凸部である第3凹凸部と、前記第2凹凸部と噛み合い又は嵌合自在な凹部又は凸部である第4凹凸部とが形成されるとよい。
前記滑り止め機構は、前記断熱容器の天面及び底面の少なくとも一方に貼り付けられた硬質の板状部材であるとよい。
前記滑り止め機構は、前記断熱容器が積み重ねられる場合に、上段の断熱容器の底面に少なくとも設けられ、かつ、下段の断熱容器の天面に少なくとも設けられているとよい。
本発明に係る断熱容器を積み重ねた際に、天面及び底面の少なくとも一方に設けられた滑り止め機構が重なることで好適に上段の断熱容器の水平方向のずれが抑制される。また、滑り止め機構には、先細り形状となる凸部が設けられていることで、上段の断熱容器を運ぶ際に上段の断熱容器を下段の断熱容器から取り外す作業等が容易になる。
断熱容器の閉じた状態を示した斜視図である。 断熱容器の開いた状態を示した斜視図である。 天面パネルの内壁面を示した図である。 断熱容器の折り畳み自在な構成例を示す。 プラスチックシートの一部を拡大した図である。 プラスチックシートの俯瞰図である。 断熱容器を積み重ねた状態を表す斜視図である。 噛み合った状態の天面プラスチックシート及び底面プラスチックシートを示した斜視図である。 噛み合った状態の天面プラスチックシート及び底面プラスチックシートを示した断面図である。 上段の断熱容器を転回してスライドさせる様子を示した図である。 第2構成例に係る断熱容器を示す。 第3構成例に係る断熱容器を示す。 第3構成例に係る断熱容器を積み重ねた際に噛み合った状態のプラスチックシートの断面図を示す。 第4構成例に係る断熱容器を示す。 第5構成例に係る断熱容器を示す。 第6構成例に係る断熱容器を示す。 第7構成例に係る断熱容器を示す。 第8構成例に係る断熱容器を示す。 第9構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第10構成例に係る断熱容器を示す。(B)第11構成例に係る断熱容器を示す。(C)第12構成例に係る断熱容器を示す。 第13構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第14構成例に係る断熱容器を示す。(B)第15構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第16構成例に係る断熱容器を示す。(B)第17構成例に係る断熱容器を示す。 第18構成例に係る断熱容器を示す。 第19構成例に係る断熱容器を示す。 第20構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第21構成例に係る断熱容器を示す。(B)第22構成例に係る断熱容器を示す。 第23構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第24構成例に係る断熱容器を示す。(B)第25構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第26構成例に係る断熱容器を示す。(B)第27構成例に係る断熱容器を示す。 第28構成例に係る断熱容器を示す。 第29構成例に係る断熱容器を示す。 (A)第30構成例に係る断熱容器を示す。(B)第31構成例に係る断熱容器を示す。 変形例に係る断熱容器を示す。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る実施形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。下記の実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[断熱容器の概略構成]
図1は、本実施形態に係る断熱容器1の閉じた状態を示した斜視図である。また、図2は、本実施形態に係る断熱容器1の開いた状態を示した斜視図である。断熱容器1には、プラスチックシート2(2A、2B)と、複数の面ファスナー21〜24と、取手紐4とが設けられている。図1では、説明便宜上、断熱容器1の本体により隠れた取手紐4の一部及び断熱容器1の底面に設けられたプラスチックシート2の位置が破線又は一点鎖線により示されている。以後では、断熱容器1の横方向(長手方向)を「X方向」、断熱容器1の奥行き方向(短手方向)を「Y方向」、断熱容器1の高さ方向を「Z方向」とし、X、Y、Z方向の各正方向を図示のように定める。
断熱容器1は、遮熱シート等を表面に用いた軟質(ソフトタイプ)の断熱容器であり、図2に示すように、天面パネル11、左側面パネル13、背面パネル14、右側面パネル15などの仕切りとなる各パネルと、各パネルを覆う遮熱性の外装袋30とを有する。各パネルは、内部に断熱性部材である真空断熱材を含んでいる。天面パネル11を含む断熱容器1の天面は、図2に示されるように取り外し自在となっている。具体的には、図1の状態において、断熱容器1の側面に設けられた面ファスナー21、22を断熱容器1の天面から引き離し、かつ、断熱容器1の天面に設けられた面ファスナー23、24を断熱容器1の本体を覆う外装袋30から引き離すことで、図2に示されるように、天面パネル11を含む断熱容器1の天面が取り外される。
プラスチックシート2は、ポリプロピレンなどの硬質の材質により生成された板状部材であり、断熱容器1の天面に設けられた矩形状の2つの天面プラスチックシート2Aと、断熱容器1の底面に設けられた矩形状の2つの底面プラスチックシート2Bとを含む。プラスチックシート2には、後述するように、突起物が2次元配列されている。プラスチックシート2は、「板状部材」の一例である。
ここで、矩形状の2つの底面プラスチックシート2Bは、断熱容器1の底面の中心に対して対称となる位置に設けられる。これにより、底面プラスチックシート2Bは、断熱容器1が地面や荷台の床面等(「載置面」とも呼ぶ。)に載置された場合に、載置面に対して底面プラスチックシート2B以外の断熱容器1が当接することなく安定的に断熱容器1を支持する。また、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとは、XY平面(即ち水平面)上において重なる位置に配置されている。これにより、2つの断熱容器1が上下に積み重ねられた場合に、上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bと下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aとが重なる。また、後述するように、プラスチックシート2は、突起物を有することにより、他のプラスチックシート2と噛み合う構造を有する。従って、2つの断熱容器1が上下に積み重ねられた場合、上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bと下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aとが噛み合うことで、2つの断熱容器1のXY方向における位置ずれが好適に抑制される。プラスチックシート2の具体的な構成については後述する。
ここで、プラスチックシート2が設けられる理由について補足説明する。本実施形態に係る断熱容器1は、ソフトタイプの断熱ボックスであり、真空断熱材(VIP:Vacuum Insulation Panel)、押出発泡ポリスチレン(XPS:Extruded Poly−Styrene)のような断熱材表面を遮熱シートで覆う構造を有する。このようなソフトタイプの断熱ボックスにおいては、複雑な立体形状を形成しにくく、ズレ防止の凹凸機構を設けるのが困難である。また、断熱容器1は、人により持ち運びが可能であり、断熱容器1自体は軽量である。さらに、断熱容器1ごとに異なる温度帯の品を収容し、後述する温度調整材により、輸送中の温度帯を断熱容器1ごとに分けることができるようになっている。さらに、各家庭やお店などの納品先に合わせて個々の断熱容器1に品を収容し、断熱容器1ごとに納品先に届けることが可能となっている。このような目的に対し、車両や船などの移動体により複数の断熱容器1を輸送するために断熱容器1を積み重ねた場合であっても、これらのずれを好適に抑制するため、軽量性を損なわない程度に軽量であるプラスチックシート2を各断熱容器1に設けている。そして、このようなプラスチックシート2を断熱容器1に設けることで、後述するように、断熱容器1の軽量性を損なうことなく、断熱容器1の底面、天面の外装の保護、断熱容器1内の断熱材(真空断熱材を含む)の保護が好適に実現される。
取手紐4は、両端部分を把持することが可能なループ状の紐であり、両端以外の部分が断熱容器1の底面から断熱容器1の両側面に沿って固定されている。
また、断熱容器1は、保冷材などの温度調整材を収容可能に構成される。図3は、天面パネル11の内壁面を示した図である。図3に示すように、天面パネル11の内壁面には、温度調整材5を収容可能なポケットである保持部25が複数設けられている。保持部25は、特定の方向(図3では側面方向)からのみ温度調整材5を投入可能となっている。また、天面パネル11以外の各パネルの内壁面にも同様に、温度調整材5を保持可能な保持部が設けられている。
また、断熱容器1は、折り畳み自在に構成され、不使用時に折り畳まれた状態で管理される。図4(A)は、使用時における正面パネル12、左側面パネル13、背面パネル14、右側面パネル15、及び底面パネル16の配置を示す。なお、図4(A)の例では、天面パネル11と左側面パネル13と背面パネル14と右側面パネル15と底面パネル16とを覆うように外装袋30が配置されている。また、図4(B)は、不使用時に天面パネル11、正面パネル12、左側面パネル13、背面パネル14、右側面パネル15、及び底面パネル16を折り畳んだ状態の断熱容器1を示す。例えば、作業者は、まず、天面パネル11を外した後、底面パネル16を背面パネル14に接触するように立て、その後、左側面パネル13及び右側面パネル15を底面パネル16に重ねるように断熱容器1の背面側に畳む。その後、作業者は、天面パネル11を正面パネル12と右側面パネル15との間に挿入し、正面パネル12を断熱容器1の背面方向に押すことで、外装袋30を潰すように畳む。これにより、断熱容器1は、折り畳まれた状態となる。その後、好適には、作業者は、面ファスナーや紐などにより図4(B)の折り畳み状態が保たれるように断熱容器1を固定するとよい。なお、断熱容器1が折り畳まれる形態は、上述した形態に限定されない。例えば、断熱容器1の壁面を構成する各パネルは回動自在に接続されており、これらのパネルを回動させることで折り畳まれた状態となる形態であってもよい。
[滑り止め機構]
次に、滑り止め機構として機能するプラスチックシート2の構成例について説明する。
図5(A)は、天面プラスチックシート2Aの一部を拡大した図であり、図5(B)は、底面プラスチックシート2Bの一部を拡大した図である。
図5(A)、(B)に示すように、プラスチックシート2(2A、2B)は、共に、複数の凸部(突起部)6(6A、6B)が所定の規則により配列された構成を有する。なお、天面プラスチックシート2Aの凸部6を「天面凸部6A」とも表記し、底面プラスチックシート2Bの凸部6を「底面凸部6B」とも表記する。
ここで、凸部6(6A、6B)は、円錐の先端が面取りされた形状を有し、先細りとなるように傾斜(所謂テーパー)が付けられた側面61と、天面プラスチックシート2Aと略平行に設けられた先端面62とを有する。ここで、側面61の傾斜角度(即ちテーパーの角度)が大きすぎると、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとが噛み合った場合の保持力が弱くなる。一方、側面61の傾斜角度が小さすぎる(立ちすぎる)と、上段の断熱容器1を積んだ際の天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとが噛み合い難くなる。よって、これらを勘案し、側面61の傾斜角度は、例えば実験等に基づき適切な角度に設定される。また、好適には、凸部6は、中が空洞となる中空構造を有するとよい。なお、凸部6は、側面61が先端面62にかけて所定の傾斜角度を有する代わりに、又はこれに加えて、先端面62の角を丸める加工(R面取り加工)がなされることにより先細りとなっていてもよい。
そして、天面プラスチックシート2Aの凸部6である天面凸部6Aと底面プラスチックシート2Bの凸部6である底面凸部6Bとは、いずれも、断熱容器1の外側に向けて突起している。具体的には、天面凸部6Aは、Z軸正方向に突き出ており、底面凸部6Bは、Z軸負方向に突き出ている。このように、天面凸部6Aと底面凸部6Bとは、反対方向に凸形状となることで、2つの断熱容器1が重ねられたときに、天面プラスチックシート2Aの各天面凸部6Aと底面プラスチックシート2Bの各底面凸部6Bとが好適に噛み合う。プラスチックシート2(2A、2B)に形成される凸部6(6A、6B)は、本発明における「滑り止め機構」の一例である。
次に、プラスチックシート2における凸部6の配列について図6を参照して説明する。
図6は、プラスチックシート2(2A、2B)の俯瞰図を示す。図6に示すように、各凸部6は、ハニカム状の配列となっている。具体的には、X軸に沿った破線枠50内の凸部6を1列分の凸部6とみなした場合、各列内の凸部6は、X方向に沿って等しい間隔「Px」により配列されており、各列の凸部6の配置は、隣接する列の凸部6の配置と「Px/2」だけX方向にずれている。同様に、Y軸に沿った破線枠51内の凸部6を1列分の凸部6とみなした場合、各列内の凸部6は、Y方向に沿って等しい間隔「Py」により配列されており、各列の凸部6の配置は、隣接する列の凸部6の配置と「Py/2」だけY方向にずれている。ここで、間隔Px、Pyは、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとが噛み合わせられたときに水平方向の応力によりずれが生じないように適切な間隔(例えば数mmから15mm程度)に設定される。なお、間隔Px、Pyは、同じ長さであってもよく、異なる長さであってもよい。
そして、プラスチックシート2は、図6に示すように配列された凸部6を有することにより、2つの断熱容器1が積み重ねられたときに、下段の断熱容器1の各天面凸部6Aと上段の断熱容器1の各底面凸部6Bとが好適に噛み合う。
図7は、ある断熱容器1に他の断熱容器1が積み重ねられた状態(「積重状態」とも呼ぶ。)を表す斜視図である。図7では、説明便宜上、天面プラスチックシート2Aを実線により示し、底面プラスチックシート2Bを一点鎖線により示している。
図7に示すように、所定の載置面に載置された断熱容器1の真上に他の断熱容器1が積み重ねられた場合、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bとが重なり合うことで天面凸部6Aと底面凸部6Bとが噛み合う。この場合、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向(即ちXY方向)における移動が規制される。このように、本実施形態では、断熱容器1を他の断熱容器1に積み上げる作業を行うだけで、下段の断熱容器1の天面と上段の断熱容器1の底面とが固定される構造となっており、これらを固定するための特別な作業を必要としない。
また、図7に示す積重状態では、下段の断熱容器1と上段の断熱容器1とは、共に硬質である天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとを介して接触している。これにより、断熱容器1間での摩擦等に起因した断熱容器1の破損等が生じにくくなり、耐久性が向上する。これにより、外装袋30及び断熱容器1内の断熱材や真空断熱材が好適に保護される。さらに、この場合、下段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bは、載置面に対して下段及び上段の断熱容器1を支持しており、載置面には底面プラスチックシート2Bのみが接触している。このように、載置面に対し、硬質の底面プラスチックシート2B以外の断熱容器1の外装やパネルが接触しないため、載置面との摩擦や接触等に起因した断熱容器1の破損等が生じにくく、底面プラスチックシート2Bの設置により耐久性が向上している。これにより、外装袋30及び断熱容器1内の断熱材や真空断熱材が好適に保護される。さらに、断熱容器1の底面パネル16は、底面凸部6Bの存在により、少なくとも底面凸部6Bの高さ分だけ載置面と離れるため、底面プラスチックシート2Bの設置により、載置面から断熱容器1が受ける熱量を好適に低減することもできる。また、凸部6は、中が空洞となる中空構造を有する。これにより、空気層形成による断熱効果も期待できる。
図8(A)は、積重状態において天面凸部6Aと底面凸部6Bとが噛み合った天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bを示した斜視図である。また、図8(B)は、積重状態において、ある天面凸部6Aと当該天面凸部6Aに接触する2つの底面凸部6Bとを拡大した図である。
図8(A)、(B)に示すように、上段の断熱容器1の底面凸部6Bと下段の断熱容器1の各天面凸部6Aとは、噛み合った状態において、それぞれの側面61の傾斜に沿って接触している。一方、図8(B)の矢印により示されるように、各天面凸部6Aの先端面62は、底面プラスチックシート6Bと接触せず、底面プラスチックシート6Bの基板との間で所定距離分の空間が形成される。同様に、各底面凸部6Bの先端面62は、天面プラスチックシート6Aと接触せず、天面プラスチックシート6Aの基板との間で所定距離分の空間が形成される。そして、天面凸部6A及び底面凸部6Bの側面61同士の接触により摩擦が発生し、一方の断熱容器1に対してXY方向に対する応力が発生した場合であっても、天面凸部6Aと底面凸部6Bとが噛み合った状態が好適に保たれ、上段と下段の断熱容器1の相対位置が変化しない。
図9(A)は、図8(A)の矢印A1、A2に沿った切断面による天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bの断面図を示す。図9(B)は、1つの天面凸部6Aとこれに接触する底面凸部6Bとを拡大した図である。図9(C)は、1つの底面凸部6Bとこれに接触する天面凸部6Aとを拡大した図である。ここでは、説明便宜上、天面凸部6Aを斜線のハッチングにより表し、底面凸部6Bを網かけのハッチングにより表している。
図9(A)、(B)に示されるように、各天面凸部6Aは、端に存在する一部の天面凸部6Aを除き、3つの底面凸部6Bと接触しており、天面凸部6Aを中心として約120度の間隔により各底面凸部6Bが配置されている。そして、天面凸部6Aは、この3つの底面凸部6Bに対して嵌め込まれている。同様に、図9(A)、(C)に示されるように、各底面凸部6Bは、端に存在する一部の底面凸部6Bを除き、3つの天面凸部6Aと接触しており、底面凸部6Bを中心として約120度の間隔により各天面凸部6Aが配置されている。そして、底面凸部6Bは、この3つの天面凸部6Aに対して嵌め込まれている。
また、図7に示す積重状態において、上段の断熱容器1の少なくとも一端を持ち上げて水平方向に5度〜55度程度の範囲で転回させた場合、重なった天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとは凸部6同士が噛み合わなくなる。この場合、上段の断熱容器1の水平方向への移動が規制されなくなり、上段の断熱容器1を下段の断熱容器1に対して摺動(スライド)させることが容易となる。これについて、図10を参照して説明する。
図10(A)は、2段に積み重ねられた断熱容器1を示し、図10(B)は、図10(A)の積重状態から上段の断熱容器1の一端を持ち上げた状態を示す。図10(C)は、XY平面上で角度「θ」だけ上段の断熱容器1を転回させた場合の下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2BとのXY平面上の位置関係を示した図である。なお、見やすさのため、天面プラスチックシート2Aを実線、底面プラスチックシート2Bを一点鎖線により囲んでいる。
図10(B)では、図10(A)の積重状態で噛み合っていた天面凸部6Aと底面凸部6Bとの側面61での接触がなくなる程度に、上段の断熱容器1の一端を持ち上げている。この状態では、天面凸部6Aと底面凸部6Bとの噛み合いが解除されているため、上段の断熱容器1の水平方向への移動の規制が生じていない。
そして、図10(C)では、上段の断熱容器1は、図10(B)の状態から、XY平面上において角度「θ」だけ転回している。ここで、角度θは、5度から55度の範囲に設定される。そして、角度θだけ上段の断熱容器1を転回した後、一端を持ち上げていた上段の断熱容器1を下ろした場合であっても、天面凸部6Aと底面凸部6Bとは噛み合わず、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対してXY方向に摺動自在となる。この場合、角度θを保ったまま上段の断熱容器1を水平方向にスライドさせても、凸部6同士が再度噛み合うことがないため、上段の断熱容器1を下段の断熱容器1に対してスライドさせることが容易である。なお、角度θを60度に設定して上段の断熱容器1を下ろした場合には、天面凸部6Aと底面凸部6Bとが再び噛み合い、上段の断熱容器1の水平方向への移動が規制される。図10(C)に示される角度θは、本発明における「角度差」の一例である。
このように、凸部6がハニカム状に配列された天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bを用いることで、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2BとがXY平面上において特定の角度差(θ=0度、60度等)となる場合に限り、これらの凸部6が噛み合って上段の断熱容器1が固定される。よって、作業者は、上段の断熱容器1を所定角度だけ転回させた後にスライドさせることができるため、上段の断熱容器1の移動作業等が容易となる。
[他の構成例]
次に、図1〜図10に示した断熱容器1の構成例(「代表構成例」とも呼ぶ。)とは異なる断熱容器1の他の構成例について説明する。
(1)プラスチックシートの配置個数が異なる構成例
代表構成例では、プラスチックシート2は、断熱容器1の天面と底面にそれぞれ2つずつ設けられたが、これに限らず、2個以外の任意の個数だけ設けられてもよい。この場合であっても、断熱容器1が載置面に載置された場合に安定的に底面プラスチックシート2Bが断熱容器1を支持し、かつ、積重状態において下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aが上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bと噛み合うように、天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bが配置されればよい。
図11は、天面に1つの天面プラスチックシート2Aが設けられ、底面に1つの底面プラスチックシート2Bが設けられた第2構成例に係る断熱容器1の斜視図を示す。図11に示す第2構成例では、矩形領域の天面プラスチックシート2Aが面ファスナー21、22との重複部分を除く断熱容器1の天面の略全面に敷かれている。また、底面プラスチックシート2Bについても、天面プラスチックシート2Aと水平面上において同一の範囲となるように、断熱容器1の底面の略全面に敷かれている。
この態様であっても、断熱容器1が載置面に置かれた場合に硬質の底面プラスチックシート2Bが載置面から断熱容器1を支持することで断熱容器1の底面部分を保護し、かつ、積重状態において下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bとが係り合って上段の断熱容器1が水平方向に固定される。また、断熱容器1の天面及び底面に対して可能な限り大きな面積のプラスチックシート2が配置されることで、上段に配置する断熱容器1を下段の断熱容器1に対してX方向又はY方向にずらして積んでもプラスチックシート2同士が重なり合い、上段の断熱容器1が好適に下段の断熱容器1に対して固定される。また、断熱容器1の天面及び底面の大部分と重なるように硬質の天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bが設けられることにより、断熱容器1の天面及び底面の反りが好適に低減される。
同様に、断熱容器1の天面と底面にそれぞれ3つ以上のプラスチックシート2が設けられる態様であってもよい。
(2)凸部の形状が異なる構成例
代表構成例では、凸部6は円錐の先を面取りした形状を有していたが、凸部6の形状はこれに限定されない。以下では、実施形態と同様の効果を奏する凸部6の他の構成例について説明する。
図12(A)は、第3構成例に係る断熱容器1の凸部6の斜視図を示す。図12(A)に示すように、凸部6は、6角錐の先を面取りした形状を有し、先細り(テーパー)形状となる6つの側面61と、正六角形の先端面62とを有する。図12(B)は、凸部6により構成されたプラスチックシート2(2A、2B)の俯瞰図を示す。図12(B)に示すように、各凸部6は、図6等に示される実施形態の凸部6と同様、ハニカム状の2次元配列となっている。具体的には、X方向に並んだ凸部6を1列分の凸部6とみなした場合、各列内の凸部6は、X方向に沿って等しい間隔「Px」により配列されており、各列の凸部6の配置は、隣接する列の凸部6の配置と「Px/2」だけX方向にずれている。同様に、Y方向に並んだ凸部6を1列分の凸部6とみなした場合、各列内の凸部6は、Y方向に沿って等しい間隔「Py」により配列されており、各列の凸部6の配置は、隣接する列の凸部6の配置と「Py/2」だけY方向にずれている。
図13は、図12に示される凸部6を有する天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bを重ねた場合のXY平面の断面図を示す。
図13に示されるように、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bとが重なった積重状態では、各天面凸部6Aは、端に存在する一部の天面凸部6Aを除き、3つの底面凸部6Bと接触しており、天面凸部6Aを中心として約120度の間隔により各底面凸部6Bが配置されている。そして、天面凸部6Aは、この3つの底面凸部6Bに対して嵌め込まれている。同様に、各底面凸部6Bは、端に存在する一部の底面凸部6Bを除き、3つの天面凸部6Aと接触しており、底面凸部6Bを中心として約120度の間隔により各天面凸部6Aが配置されている。そして、底面凸部6Bは、この3つの天面凸部6Aに対して嵌め込まれている。そして、この状態では、天面凸部6A及び底面凸部6Bの側面61同士の接触により摩擦が発生し、XY方向における天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとの相対位置の変化が好適に抑制される。なお、凸部6は、底面から先端面にかけて所定の傾斜角度を有する代わりに、又はこれに加えて、先端面の角を丸める加工(R面取り加工)がなされることにより先細りとなっていてもよい。以後に示される各構成例の凸部6についても同様とする。
図14(A)は、第4構成例に係る断熱容器1の凸部6の斜視図を示す。図14(A)に示すように、第4構成例に係る凸部6は、12角錐の先を面取りした形状を有し、先細り形状となる12個の側面61と、正十二角形となる先端面62とを有する。図14(B)は、図14(A)に示す凸部6が配列されたプラスチックシート2(2A、2B)の俯瞰図を示す。図14(B)に示すように、各凸部6は、他の構成例と同様、ハニカム状に配列されている。図14(C)は、第4構成例において天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bの凸部6同士を噛み合わせた場合のXY平面の断面図の拡大図を示す。
図14(C)に示されるように、上段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと下段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bとの凸部6同士が噛み合った積重状態では、各底面凸部6Bは、端に存在する一部の底面凸部6Bを除き、3つの天面凸部6Aと接触しており、底面凸部6Bを中心として約120度の間隔により各天面凸部6Aが配置されている。そして、底面凸部6Bは、この3つの天面凸部6Aに対して嵌め込まれている。同様に、各天面凸部6Aについても、端に存在する一部の天面凸部6Aを除き、3つの底面凸部6Bと接触しており、天面凸部6Aを中心として約120度の間隔により各底面凸部6Bが配置されている。そして、天面凸部6Aは、この3つの底面凸部6Bに対して嵌め込まれている。この状態では、天面凸部6A及び底面凸部6Bの側面61同士の接触により摩擦が発生し、XY方向における天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとの相対位置の変化が好適に抑制される。
(3)凸部の形状及び配列が異なる構成例
図15(A)は、第5構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのXY平面の断面図であり、図15(B)は、第5構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのYZ平面の断面図である。以後において、図中の矢印は、対となる断面図の切断方向を示す。
第5構成例に係る凸部6は、図12(A)に示す第3構成例に係る凸部6と形状が同一であって、天面プラスチックシート2A、底面プラスチックシート2B内での配列が異なっている。具体的には、第5構成例では、天面凸部6Aは、天面プラスチックシート2A内において2次元配列されており、X方向におけるピッチ幅は、Y方向におけるピッチ幅よりも大きくなっている。同様に、底面凸部6Bは、底面プラスチックシート2B内において2次元配列されており、X方向におけるピッチ幅は、Y方向におけるピッチ幅よりも大きくなっている。そして、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとが噛み合わされた状態において、2行2列の底面凸部6Bの中心の隙間に天面凸部6Aが嵌め込まれると共に、2行2列の天面凸部6Aの中心の隙間に底面凸部6Bが嵌め込まれる。この状態においても、天面凸部6A及び底面凸部6Bの側面61同士の接触により摩擦が発生するため、XY方向に対する応力が発生した場合であっても、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとの相対位置の変化が好適に抑制される。このように、凸部6の配列は、図6等に示される代表構成例の配列に限定されない。なお、第5構成例に係る凸部6は、図15(C)に示されるように、中空構造を有してもよい。以下に説明する他の構成例に係る凸部6も同様に中空構造を有してもよい。
図16(A)は、第6構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのXY平面の断面図であり、図16(B)は、第6構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのYZ平面の断面図である。
第6構成例では、凸部6は、先端面及び底面が十字型の多角形であり、底面から先端面にかけて先細り形状となっている。そして、天面凸部6Aは、天面プラスチックシート2A内において2次元配列されており、X方向におけるピッチ幅は、Y方向におけるピッチ幅よりも小さくなっている。同様に、底面凸部6Bは、底面プラスチックシート2B内において、XY平面上で2次元配列されており、X方向におけるピッチ幅は、Y方向におけるピッチ幅よりも小さくなっている。そして、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bとが噛み合わされた状態において、2行2列の底面凸部6Bの中心の隙間に天面凸部6Aが嵌め込まれると共に、2行2列の天面凸部6Aの中心の隙間に底面凸部6Bが嵌め込まれる。従って、第6構成例においても、積重状態において、天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2BとのXY方向の相対位置の変化が好適に抑制される。
図17(A)は、第7構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのXY平面の断面図であり、図17(B)は、図17(A)に対応するYZ平面の断面図である。
図17(A)、(B)に示すように、第7構成例では、天面プラスチックシート2Aには、波形を描いてX方向に延在する複数の天面凸部6Aが所定間隔ごとに設けられ、底面プラスチックシート2Bにも同様に、波形を描いてX方向に延在する複数の底面凸部6Bが所定間隔ごとに設けられている。そして、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2A及び上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bが噛み合わされた積重状態において、隣接する2つの天面凸部6Aの間の溝に沿って底面凸部6Bが嵌め込まれると共に、隣接する2つの底面凸部6Bの間の溝に沿って天面凸部6Aが嵌め込まれる。また、図17(B)に示すように、天面凸部6A及び底面凸部6Bは、他の構成例と同様、先端に向かって先細り形状となっている。これにより、断熱容器1を複数段に積み上げたときに重なり合う天面プラスチックシート2Aと底面プラスチックシート2Bとの噛み合わせが容易となる。
図18(A)は、第8構成例に係る断熱容器1において、凸部6同士が噛み合わされた天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2BのXY平面の断面図であり、図18(B)は、図18(A)に対応するYZ平面の断面図である。第8構成例では、天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bには、所定の規則により左右交互に折れ曲がってX方向に延在する複数の天面凸部6A及び底面凸部6Bがそれぞれ所定間隔ごとに設けられている。また、図18(B)に示すように、天面凸部6A及び底面凸部6Bは、他の構成例と同様、先端に向かって先細り形状となっている。このような構成であっても、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2A及び上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bが噛み合わされた積重状態では、隣接する2つの天面凸部6Aの間の溝に沿って底面凸部6Bが嵌め込まれると共に、隣接する2つの底面凸部6Bの間の溝に沿って天面凸部6Aが嵌め込まれることにより、上段の断熱容器1が下段の断熱容器1に対して好適に固定される。
(4)凹凸の組合せを有する構成例
天面プラスチックシート2A及び底面プラスチックシート2Bのうち、いずれか一方に凸部が形成され、他方に当該凸部と嵌合する凹部が形成されてもよい。以後において、上段の断熱容器1の断面を網かけのハッチング、下段の断熱容器1の断面を斜線のハッチングにより表すものとする。
(4−1)凹凸が1組の場合
図19(A)、(B)は、第9構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示した断面図である。なお、図19(A)は、2つの断熱容器1の重なり部分を図19(B)に示す矢印に沿ったXY平面により切断した断面図であり、図19(B)は、2つの断熱容器1の重なり部分を図19(A)に示す矢印に沿ったYZ平面により切断した断面図である。
図19(A)、(B)に示すように、第9構成例に係る断熱容器1の底面には、周縁部分以外が隆起した凸部9Bが形成されており、断熱容器1の天面には、凸部9Bを嵌め込み可能な溝である凹部9Aが形成される。ここで、凸部9Bは、嵌め込み作業や嵌め込みを外す作業が容易となるように、角を丸める加工がなされている。なお、凸部9Bは、中空構造を有してもよい。ここで、凹部9Aと凸部9Bは、断熱容器1の本体に対して一体に成形されていてもよく、代表構成例等と同様、断熱容器1の外装等に対して貼り付けられたプラスチックシートなどであってもよい。
第9構成例によれば、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、下段の断熱容器1の凹部9Aと上段の断熱容器1の凸部9Bとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向(即ちXY方向)において固定される。凹部9A及び凸部9Bは、本発明における「滑り止め機構」の一例である。
なお、断熱容器1の天面に凹部9A、断熱容器1の底面に凸部9Bがそれぞれ形成される代わりに、断熱容器1の天面に凸部9B、断熱容器1の底面に凹部9Aがそれぞれ形成されてもよい。図19(C)は、天面に凸部9B、底面に凹部9Aがそれぞれ形成された断熱容器1が積み重ねられた場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したYZ平面の断面図である。図19(C)に示すように、断熱容器1の天面に凸部9B、断熱容器1の底面に凹部9Aがそれぞれ形成された場合であっても、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の凸部9Bと下段の断熱容器1の凹部9Aとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。このように、断熱容器1の底面に凹部9Aを形成した場合、断熱容器1を載置する面に多少の凹凸が生じていた場合であっても、断熱容器1を載置面に対して安定的に載置することが可能である。以後に説明する構造例においても同様に、断熱容器1の天面に凹部9A、断熱容器1の底面に凸部9Bがそれぞれ形成される場合に代えて、断熱容器1の天面に凸部9B、断熱容器1の底面に凹部9Aがそれぞれ形成されてもよい。
図20(A)は、第10構成例に係る断熱容器1が上下に積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図であり、図20(B)は、第11構成例に係る断熱容器1が上下に積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。なお、図20(A)の矢印に沿ったYZ平面の切断面に基づく断面は、図19(B)に示す断面図に相当する。第10及び第11構成例に係る凸部9Bは、第9構成例と同様、嵌め込み作業や嵌め込みを外す作業が容易となるように、角を丸める加工がなされている。
ここで、第10構成例では、水平方向において楕円形の断面を有する凸部9Bが断熱容器1の天面に設けられ、凸部9Bを嵌め込み可能な凹部9Aが断熱容器1の底面に設けられている。また、第11構成例では、水平方向において星型の断面を有する凸部9Bが断熱容器1の天面に設けられ、凸部9Bを嵌め込み可能な凹部9Aが断熱容器1の底面に設けられている。このような構成であっても、第9構成例と同様に、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、凸部9Bと凹部9Aとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図20(C)は、第12構成例に係る断熱容器1が上下に積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。ここで、第12構成例では、水平方向において、四角枠内にバツ印が形成された断面を有する凸部9Bが断熱容器1の天面に設けられ、凸部9Bを嵌め込み可能な凹部9Aが断熱容器1の底面に設けられている。なお、凸部9Bは、角を丸める加工がなされている。このような構成であっても、第9〜第11構成例と同様に、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、凸部9Bと凹部9Aとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。また、この構成のように、断熱容器1の底面の長手方向に対して異なる方向に凹部9A又は凸部9Bのパターンが形成されている場合には、断熱容器1の反りを好適に抑制することができる。
(4−2)凹凸が2組以上の場合
図21(A)、(B)は、第13構成例に係る断熱容器1が上下に積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。なお、図21(A)は、2つの断熱容器1の重なり部分を図21(B)に示す矢印に沿ったXY平面により切断した断面図であり、図21(B)は、2つの断熱容器1の重なり部分を図21(A)に示す矢印に沿ったYZ平面により切断した断面図である。
図21(B)に示す第13構成例では、断熱容器1の底面には、X方向に沿って平行に形成された2つの凸部9Bが形成されている。この場合、2つの凸部9Bは、断熱容器1を安定的に平面に載置できるように、XY平面上における断熱容器1の重心位置に対して点対称となる位置に設けられている。凸部9Bは、それぞれ、嵌め込み作業や嵌め込みを外す作業が容易となるように、角を丸める加工がなされている。また、断熱容器1の天面には、他の断熱容器1が積み重ねられた場合に当該断熱容器1の凸部9Bが嵌め込まれる凹部9Aが形成されている。そして、図21(A)、(B)に示すように、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の2つの凸部9Bと下段の断熱容器1の2つの凹部9Aがそれぞれ嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図22(A)は、第14構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図であり、図22(B)は、第15構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。
第14構成例では、水平方向において正方形の断面を有する凸部9Bが断熱容器1の天面の四隅近傍に設けられ、凸部9Bと嵌合可能な溝が断熱容器1の底面の四隅近傍に設けられている。なお、各凸部9Bは、R面取り加工又は傾斜角度を設けることにより先細りとなっている。また、第15構成例では、断熱容器1の底面には、L字の断面を有する凸部9Bが四隅近傍に設けられると共に、十字の断面を有する凸部9Bが中心に設けられている。凸部9Bは、R面取り加工又は傾斜角度を設けることにより先細りとなっている。そして、断熱容器1の天面には、L字の断面を有する凹部9Aが四隅近傍に設けられると共に、十字の断面を有する凹部9Aが中心に設けられている。第14及び第15構成例であっても、第13構成例と同様に、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の凸部9Bと下段の断熱容器1の凹部9Aとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図23(A)は、第16構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図であり、図23(B)は、第17構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。
第16構成例では、水平方向において円形の断面を有する5つの凸部9Bが断熱容器1の底面の四隅及び中心にそれぞれ設けられ、断熱容器1を積み重ねた状態でそれぞれの凸部9Bと嵌合可能な5つの凹部9Aが断熱容器1の天面の四隅及び中心に設けられている。また、第17構成例では、断熱容器1の底面には、正方形の断面を有する複数の凸部9BがXY方向に2次元配列されており、断熱容器1の天面には、断熱容器1を積み重ねた状態でそれぞれの凸部9Bと嵌合可能な凹部9AがXY方向に2次元配列されている。これらの各凸部9Bは、R面取り加工又は傾斜角度を設けることにより先細りとなっている。第16及び第17構成例であっても、第13〜第15構成例と同様に、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の凸部9Bと下段の断熱容器1の凹部9Aとが嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。なお、第17構成例では、上段の断熱容器1を持ち上げた後、X方向又はY方向に凸部9Bのピッチ間隔の倍数だけずらした場合には、再び上段の断熱容器1の凸部9Bと下段の断熱容器1の凹部9Aとが嵌合する。
(4−3)天面と底面にそれぞれ凹凸が形成される場合
図24(A)、(B)は、第18構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面とYZ平面の各断面図である。第18構成例では、断熱容器1の天面及び底面のそれぞれに、凸部及び凹部が形成されている。具体的には、断熱容器1の天面には、凹部9Aaと、凸部9Bbとが形成され、断熱容器1の底面には、凸部9Baと、凹部9Abとが形成される。ここで、凸部9Bbは、断熱容器1の天面の中心部分に形成された楕円形状の突起であり、凸部9Bbの周りに凹部9Aaが形成されている。各凸部9Ba、9Bbは、角を丸める加工がなされている。そして、図24(B)に示すように、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、下段の断熱容器1の凹部9Aaと上段の断熱容器1の凸部9Ba、及び、下段の断熱容器1の凸部9Bbと上段の断熱容器1の凹部9Abがそれぞれ嵌合することにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図25(A)、(B)は、第19構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面とYZ平面の各断面図である。第19構成例においても、断熱容器1の天面及び底面のそれぞれに、凸部及び凹部が形成されている。具体的には、断熱容器1の天面には、凹部9Axと、凸部9Byとが形成され、断熱容器1の底面には、凸部9Bxと、凹部9Ayとが形成される。各凸部9Bx、9Byは、角を丸める加工がなされている。ここで、凸部9Bx及び凸部9Byは底面が略正方形となる突起部であり、2つの断熱容器1が積み重ねられた場合に、凸部9Bxは凹部9Axに嵌め込まれ、凸部9Byは凹部9Ayに嵌め込まれ、下段の断熱容器1に対する上段の断熱容器1の水平方向の移動が好適に規制される。なお、図25(A)、(B)の状態から上段の断熱容器1をXY平面上で180度回転させた場合であっても、上段の断熱容器1の底面は、下段の断熱容器1の上面と好適に嵌合した状態となる。
第18構成例及び第19構成例に示されるように、断熱容器1の天面及び底面のそれぞれに、凸部及び凹部が形成されていてもよい。
(4−4)凹凸の組合せが1対複数である場合
次に、1つの凹部9Aに対して複数の凸部9Bが嵌め込まれる構成例について説明する。
図26(A)、(B)は、第20構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面とYZ平面の各断面図である。第20構成例では、断熱容器1の天面には、図19に示される第9構成例と同様、外周を除く略全面に1つの凹部9Aが形成されている。一方、断熱容器1の底面には、図22(A)に示される第14構成例と同様、水平方向において正方形の断面を有する4つの凸部9Bが四隅近傍に設けられている。各凸部9Bは、角を丸める加工がなされている。そして、図26(A)、(B)に示すように、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の4つの凸部9Bが下段の断熱容器1の凹部9Aの四隅にそれぞれ配置される。これにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図27(A)は、第21構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。図27(A)に示すように、第21構成例では、断熱容器1の底面には、平行な2つの凸部9BがX方向に延在しており、断熱容器1の天面には、XY平面視において上述の2つの凸部9Bを包含する四角形状の1つの凹部9Aが設けられている。各凸部9Bは、角を丸める加工がなされている。この場合であっても、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の2つの凸部9Bが下段の断熱容器1の凹部9AのY方向の両端にそれぞれ配置されることにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。
図27(B)は、第22構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。この例では、断熱容器1の天面には、図19に示される第9構成例と同様、外周を除く略全面に1つの凹部9Aが形成されている。また、断熱容器1の底面には、図20(C)に示される第12構成例と同様の凸部9Bが形成されている。そして、2つの断熱容器1を積み重ねた場合に、上段の断熱容器1の凸部9Bの外周部分が下段の断熱容器1の凹部9Aに嵌め込まれることにより、上段の断熱容器1は、下段の断熱容器1に対し、水平方向において好適に固定される。このように、凸部9Bが複雑な構造を有し、凹部9Aが凸部9Bの外周を包含可能な大きさの溝であってもよい。
(4−5)積み上げるときの前後の向きが規制される場合
図28(A)、(B)は、第23構成例に係る断熱容器1が積重された場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面及びYZ平面の各断面図である。図28(A)、(B)に示されるように、断熱容器1の底面には、XY平面上において点対称ではない形状を有する凸部9Bが形成され、断熱容器1の天面には、所定の向きで積重された他の断熱容器1の凸部9Bを嵌め込むことが可能な凹部9Aが形成されている。そして、第23構成例では、図28(A)、(B)に示す状態から上段の断熱容器1を持ち上げて180度回転させて断熱容器1の正面と背面との向きを逆にした場合、凸部9Bが凹部9Aに嵌らない。このように、第23構成例では、断熱容器1の正面の向きを揃えた状態で積み重ねた場合に限り、上段の断熱容器1が下段の断熱容器1に対して嵌め込まれ、水平方向に固定される。
図29(A)は、第24構成例に係る断熱容器1を積み重ねて天面及び底面の境界に沿ってXY平面により切断した断面図を示し、図29(B)は、第25構成例に係る断熱容器1を積み重ねて天面及び底面の境界に沿ってXY平面により切断した断面図を示す。第24構成例では、断熱容器1の底面において、略正方形の断面形状を有する3つの凸部9Bが点対称とならない位置に配置されており、天面には、これらの凸部9Bに対応する位置に3つの凹部9Aが配置されている。各凸部9Bは、角を丸める加工がなされている。また、第25構成例では、断熱容器1の底面において、略正方形の断面形状を有する3つの凸部9Bと略円形の断面形状を有する1つの凸部9Bが四隅に配置されており、天面には、これらの凸部9Bに対応する位置に、それぞれの形状に対応した凹部9Aが配置されている。各凸部9Bは、角を丸める加工がなされている。
第24構成例及び第25構成例においても、図示の状態から180度回転させて上段の断熱容器1の正面と背面との向きを逆にした場合には、凸部9Bが凹部9Aに嵌らない。このように、第24構成例及び第25構成例においても、断熱容器1の向きを揃えた状態で積み重ねた場合に限り、上段の断熱容器1が下段の断熱容器1に対して水平方向に固定される。
図30(A)は、第26構成例に係る断熱容器1を積み重ねて天面及び底面の境界に沿ってXY平面により切断した断面図を示し、図30(B)は、第27構成例に係る断熱容器1を積み重ねて天面及び底面の境界に沿ってXY平面により切断した断面図を示す。第26構成例及び第27構成例においても、断熱容器1の天面上に設けられた凸部9Bの断面形状が全体として点対称となっておらず、図示の状態から180度回転させて上段の断熱容器1の正面と背面との向きを逆にした場合には、凸部9Bが凹部9Aに嵌らない。このように、第26構成例及び第27構成例においても、断熱容器1の正面の向きを揃えた状態で積み重ねた場合に限り、上段の断熱容器1が下段の断熱容器1に対して水平方向に固定される。
(4−6)位置合わせ精度が異なる複数組の凹凸を設ける場合
図31(A)は、第28構成例に係る断熱容器1を積み重ねて天面及び底面の境界に沿ってXY平面により切断した断面図を示す。第28構成例では、断熱容器1の底面には、四隅にそれぞれ凸部9Bcが設けられ、中心付近には2次元配列された複数の凸部9Bdが設けられている。また、断熱容器1の天面には、凸部9Bcを嵌め込み可能な凹部9Acと、凸部9Bdを嵌め込み可能な凹部9Adとがそれぞれ凹部9Ac及び凹部9Adに対応する位置に設けられている。図31(A)に示すように、凸部9Bcと凸部9Bdとは共に正方形の断面形状を有し、凸部9Bcは、凸部9Bdよりも断面積が大きい。
図31(B)は、凸部9Bcを凹部9Acに嵌め込む直前の凸部9Bc及び凹部9Acの拡大図であり、図31(C)は、凸部9Bdを凹部9Adに嵌め込む直前の凸部9Bd及び凹部9Adの拡大図である。図31(B)〜(C)に示すように、凸部9Bcは、凸部9Bdよりも先端面が高く、Z方向における幅が長い。また、図31(A)に示すように、凹部9Acは、凸部9Bcよりも大きな空間の溝を形成する。これにより、凸部9Bcは凹部9Acに対して遊嵌され、凸部9Bcが凹部9Acに挿入された状態で凸部9Bcと凹部9Acとの間に隙間が形成される。一方、凹部9Adは、凸部9Bdと同等の大きさの空間の溝を形成し、凸部9Bdが凹部9Adに嵌め込まれた状態では凸部9Bcと凹部9Adとの間に隙間が殆ど生じない。
このように、第28構成例によれば、断熱容器1を他の断熱容器1に積み上げて固定する場合に、外側に形成された凸部9Bc及び凹部9Acを緩く嵌合させることで精度が低い位置調整を行った後、内側に形成された凸部9Bd及び凸部9Bcを密接的に嵌合させることで精度が高い位置調整を行う。これにより、作業者は、断熱容器1を他の断熱容器1に積み上げて固定する場合に、下段の断熱容器1の天面に対して断熱容器1の底面を嵌め込む作業を円滑に実行することができる。
図32(A)、(B)は、第29構成例に係る断熱容器1が上下に積み重ねられた場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示した断面図である。ここで、図32(A)は、XY平面の断面図を示し、図32(B)は、YZ平面の断面図を示す。
図32(A)、(B)に示すように、断熱容器1の底面には、第28構成例と同様、四隅にそれぞれ凸部9Bcが設けられ、断熱容器1の天面には、凸部9Bcを嵌め込み可能な凹部9Acが設けられている。また、断熱容器1の底面の中心部分には、二次元配列された凸部9Beが設けられており、断熱容器1の天面の中心部分には、二次元配列された凸部9Bfが設けられている。凸部9Be及び凸部9Bfは、Y方向に隙間なく配列され、X方向に所定の隙間を形成するように配列されている。そして、凸部9Beと凸部9Bfは同一形状となっており、凸部9Bcの先端面は、凸部9Be及び凸部9Bfの先端面よりも高い。2つの断熱容器1を積み重ねた場合、凸部9Bcが凹部9Acに対して遊嵌されると共に、凸部9Beと凸部9Bfとがほぼ隙間なく噛み合う。これにより、第29構成例によっても、第28構成例と同様に、断熱容器1を他の断熱容器1に積み上げて固定する場合に、外側に形成された凸部9Bc及び凹部9Acを緩く嵌め込むことで精度が低い位置調整を行った後、内側に形成された凸部9Be及び凸部9Bfを正確に噛み合わせることで精度が高い位置調整を行うことが可能となる。
なお、位置合わせ精度が異なる複数組の凹凸を設ける場合において、断熱容器1を積み上げるときの前後の向きが規制されるように構成してもよい。図33(A)は、第30構成例に係る断熱容器1が上下に積み重ねられた場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。第30構成例は、第29構成例において四隅に設けた凹部9Ac及び凸部9Bcの1組の形状を、XY平面において円形の断面形状となる凹部9Ag及び凸部9Bgに置き換えた構成となっている。この構成によれば、断熱容器1を積み上げるときの断熱容器1の向きが一致する場合に限り、下段の断熱容器1に上段の断熱容器1が嵌り込むため、積み上げる断熱容器1の向きを第23〜第27構成例と同様に好適に規制することができる。
また、断熱容器1の底面及び天面に複数種類の凸形状を設けることで、第28〜第30構成例と同様の積重作業が可能なように、断熱容器1を構成してもよい。
図33(B)は、第31構成例に係る2つの断熱容器1が上下に積み重ねられた場合の上段の断熱容器1の底面部分及び下段の断熱容器1の天面部分の構造を示したXY平面の断面図である。第31構成例では、断熱容器1の天面の外周部分には、図17に示した第7構成例と同様、波形を描いてX方向に延在する複数の天面凸部6Aが所定間隔ごとに設けられ、断熱容器1の底面の外周部分には、波形を描いてX方向に延在する複数の底面凸部6Bが所定間隔ごとに設けられている。また、断熱容器1の天面の中心部分には、天面凸部6Aよりも横幅及びZ方向の幅が小さい天面凸部6Asが所定間隔ごとに設けられ、断熱容器1の底面の中心部分には、底面凸部6Bよりも横幅及びZ方向の幅が小さい底面凸部6Bsが所定間隔ごとに設けられている。そして、第31構成例によっても、第29及び第30構成例と同様に、断熱容器1を他の断熱容器1に積み上げて固定する場合に、外側に形成された天面凸部6A及び底面凸部6Bを噛み合わせることで精度が低い位置調整を行った後、内側に形成された天面凸部6As及び底面凸部6Bsを噛み合わせることで精度が高い位置調整を行うことが可能となる。
なお、第28〜第31構成例において、凸部9Bd、凸部9Be、凸部6Bsは、本発明における「第1凹凸部」の一例であり、凸部9Bc、凸部9Bg、凸部6Bは、本発明における「第2凹凸部」の一例であり、凹部9Ad,凸部9Bf、凸部6Asは、本発明における「第3凹凸部」の一例であり、凹部9Ac、凹部9Ag、凸部6Aは、本発明における「第4凹凸部」の一例である。
[実施形態の作用・効果]
本実施形態によれば、断熱容器1は、積み重ねた場合に上段の断熱容器1の底面に設けられた凹凸構造と下段の断熱容器1の天面に設けられた凹凸構造とが噛み合う又は嵌り合うことで、上段の断熱容器1のXY方向の移動が好適に規制される。これにより、配送車両の荷台などに複数の断熱容器1を積み込む場合であっても、上段に積み上げられた断熱容器1の安定性が好適に保たれ、運搬中の振動等による断熱容器1間のずれが生じにくくなる。また、上述の凹凸構造により、断熱容器1の反りや衝撃に対する耐久性や保温保冷効果などが好適に向上する。また、代表構成例のように凹凸が所定の規則性により底面及び天面に配列されている場合には、上段の断熱容器1を持ち上げて所定角度または所定距離だけずらすことで上段の断熱容器1の底面と下段の断熱容器1の天面との係り合いが解除されて上段の断熱容器1がXY方向にスライド自在となるため、断熱容器1の搬送作業が容易となる。また、軽量であるプラスチックシート2などの滑り止め機構をソフトタイプの断熱容器1に設けることで、断熱容器1の軽量性を失うことなく、ソフトタイプの断熱容器1の底面、天面の外装の保護、断熱容器1内の断熱材(真空断熱材を含む)の保護が好適に実現される。
[変形例]
(変形例1)
プラスチックシート2などの滑り止め機構は、断熱容器1の天面又は底面の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。この場合、断熱容器1を積み重ねる場合、天面に滑り止め機構が設けられた断熱容器1を下段に配置し、底面に滑り止め機構が設けられた断熱容器1を上段に配置するとよい。
図34は、図1〜図10に示した代表構成例に係る断熱容器1において、天面又は底面の一方にのみプラスチックシート2を設けた例を示す。この場合、天面プラスチックシート2Aが設けられた断熱容器1を下段に配置し、底面プラスチックシート2Bが設けられた断熱容器1を上段に配置する。この態様であっても、下段の断熱容器1の天面プラスチックシート2Aの各天面凸部6Aと上段の断熱容器1の底面プラスチックシート2Bの各底面凸部6Bとが好適に噛み合い、水平方向において上段の断熱容器1が下段の断熱容器1に対して好適に固定される。
(変形例2)
実施形態で説明したソフトタイプの断熱容器1に代えて、発泡スチロール容器などの硬質部材から構成されたハードタイプの容器に実施形態と同様にプラスチックシート2などの滑り止め機構を設けてもよい。この態様によっても、これらの容器を積み重ねた場合に、上段の容器が下段の容器に対して水平方向に好適に固定される。
1 断熱容器
2、2A、2B プラスチックシート
4 取手紐
5 温度調整材
6、6A、6B、9B 凸部
9A 凹部
11 天面パネル
12 正面パネル
13 左側面パネル
14 背面パネル
15 右側面パネル
16 底面パネル
21〜24 面ファスナー
30 外装袋

Claims (17)

  1. 断熱性部材を用いた断熱容器であって、
    前記断熱容器の天面及び底面の少なくとも一方には滑り止め機構が設けられ、
    前記滑り止め機構は、先細り形状となる凸部を有する、断熱容器。
  2. 持ち運び自在であることを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
  3. 複数の断熱パネルを有し、前記断熱パネルが折り畳み自在であることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱容器。
  4. 真空断熱材を用いた複数の断熱パネルを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の断熱容器。
  5. 前記滑り止め機構は、配列された複数の凸部を有し、
    複数の前記断熱容器を積み重ねたときに対向する前記滑り止め機構が噛み合い自在であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱容器。
  6. 前記対向する滑り止め機構は、水平面上で所定の角度差が生じているときに噛み合わないことを特徴とする請求項5に記載の断熱容器。
  7. 前記凸部は、ハニカム状に配列されていることを特徴とする請求項5または6に記載の断熱容器。
  8. 前記対向する滑り止め機構は、噛み合った状態において、前記凸部の側面同士が接触し、かつ、前記凸部の先端に空間が形成されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の断熱容器。
  9. 前記凸部は、中空構造を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の断熱容器。
  10. 前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、前記凸部が形成され、
    前記天面又は底面の他方には、前記凸部と嵌合自在な凹部が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の断熱容器。
  11. 積み重ねられた前記断熱容器の向きが揃えられた場合に、一方の前記断熱容器の前記凸部と他方の前記断熱容器の前記凹部とが嵌合自在となることを特徴とする請求項10に記載の断熱容器。
  12. 前記凹部は、前記底面に形成されることを特徴とする請求項10または11に記載の断熱容器。
  13. 前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、前記凸部と凹部とがそれぞれ形成され、前記天面又は底面の他方には、前記滑り止め機構として、前記一方の凹部と嵌合自在な凸部と、前記一方の凸部と嵌合自在な凹部と、が形成されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の断熱容器。
  14. 前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、複数の前記凸部が形成され、
    前記天面又は底面の他方には、前記複数の凸部が嵌め込まれる凹部が形成されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の断熱容器。
  15. 前記天面又は底面の一方には、前記滑り止め機構として、凹部又は凸部である第1凹凸部と、前記第1凹凸部よりも前記滑り止め機構の高さ方向において大きい凹部又は凸部である第2凹凸部とが形成され、
    前記天面又は底面の他方には、前記滑り止め機構として、前記第1凹凸部と噛み合い又は嵌合自在な凹部又は凸部である第3凹凸部と、前記第2凹凸部と噛み合い又は嵌合自在な凹部又は凸部である第4凹凸部とが形成されることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の断熱容器。
  16. 前記滑り止め機構は、前記断熱容器の天面及び底面の少なくとも一方に貼り付けられた硬質の板状部材であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の断熱容器。
  17. 前記滑り止め機構は、前記断熱容器が積み重ねられる場合に、上段の断熱容器の底面に少なくとも設けられ、かつ、下段の断熱容器の天面に少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の断熱容器。
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