JP2019064319A - 車両の対象物情報提供装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、近年、自動車の運行安全性を高めるために、各種の情報を運転者へ提供するようになっている。たとえば、特許文献1では、ヘッドアップディスプレイに、視認が困難な衝突対象についての注意喚起を表示する。
また、近年、車両においては自動運転の開発が始まっている。
たとえば、自動運転中の場合、降雪や豪雨などの気象条件により十分な視野が確保できない場合、または積雪や土砂崩れなどにより道路環境が変化している場合には、乗員は、車両が正しく移動しているかを自ら確認したいと考える可能性が高い。
しかも、降雪や豪雨などにより周辺の景色を確認すること自体が難しい状況もあり得る。
これらの場合、車両が正しく移動しているかを確認するためには、乗員は長い時間をかけて車外を観察することになる。または、長い時間をかけて車外を観察しても、確認し切れない場合も考えられる。
たとえば、視野内の対象物が有視界で視認可能となるタイミングに基づいて、視野内の対象物の情報の出力を開始する。
これにより、乗員は、車両から遮蔽物により遮られることなく視認可能な視野内の対象物について認識することができる。
また、その後に実際に視野内の対象物が有視界で視認できる場合には、その情報を予め得た状態で容易に確認できる。
視野内の対象物の情報と実際に視認したものとが一致する確認することにより、車両が正しく移動していることを容易に確認できる。
特に、乗員に情報を出力して視認させる対象物を、車両から遮蔽物により遮られることなく視認可能なものとすることにより、乗員が視線を大きくずらすことなく確認し易い対象物を確認対象とすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る自動車1および走行する道路の一例の模式的な説明図である。
図1の道路沿いには、制限速度や車道の番号などを表示する複数の道路標識が離散的に並べて設けられる。また、他の道路が分岐する交差点の手前には、進路ごとの行き先を表示する道路標識が設けられる。また、道路の路面には、横断歩道のゼブラマーク、制限速度のマーク、停止線のマークなどの道路標識が描画されてもよい。図1には、複数の速度標識41と、行き先標識42とが図示されている。この中、自動車1から離れた速度標識41は、車道にはみ出た積雪61により遮られて、車内から直接的に視認することができない。
そして、自動車1は、乗員室に乗員を乗せた状態で道路を走行する。自動車1は、自動運転による制御または乗員の操作により加速し、減速し、左右へ操舵される。これにより、自動車1は、制限速度で道路を走行し、停止線において停車し、交差点で所望の方向へ進行し、乗員の目的地などへ向けて移動できる。
たとえば、自動運転中の場合、降雪や豪雨などの気象条件により十分な視野が確保できない場合、または積雪61や土砂崩れなどにより道路環境が変化している場合には、乗員は、自動車1が正しく移動しているかを自ら確認したいと考える可能性が高い。
しかも、降雪や豪雨などにより周辺の景色を確認すること自体が難しい状況もあり得る。
したがって、自動車1が正しく移動しているかを確認しようとする場合、乗員は長い時間をかけて車外を観察することが必要になる。しかも、長い時間をかけて車外を観察したとしても、十分に確認できないこともあり得る。
図2の対象物情報提供装置10は、GPS(Global Positioning System)受信装置11、無線通信装置12、車外カメラ13、車内カメラ14、記憶部15、タイマ16、表示装置17、およびこれらが接続されるマイクロコンピュータ18、を有する。
マイクロコンピュータ18は、たとえばECU(Electric Control Unit)として自動車1に設けられるものでよい。マイクロコンピュータ18は、たとえば記憶部15に記憶されたプログラムを読み込んで実行する。これにより、マイクロコンピュータ18に、対象物情報取得部21、出力制御部22、が実現される。
なお、視認可能な状態にある対象物とは、車内の乗員から、他の物体により遮られることなく視認可能な状態にあるものをいう。そして、悪天候や積雪などの変化する走行環境によりたとえば一時的に視認がし難くなった状態にあるものは、視認可能な状態にある対象物に含まれる。
基本的には、既に視認可能な状態にあるはずの視野内の対象物が有視界で視認可能な状態にない場合に、視野内の対象物が有視界で視認可能となるタイミングに基づいて、該視野内の対象物に対応する画像を、表示装置17に視認可能に表示させる。視野内の対象物に対応する画像は、たとえば乗員の視野において視野内の対象物が視認される方向または位置に沿った位置に、表示させる。
また、表示されている視野内の対象物が有視界で視認可能な状態になった場合、その後に直ちに視野内の対象物の画像の表示を終了する。
図3は、図2の対象物情報取得部21による処理の一例を示すフローチャートである。
対象物情報取得部21は、図3の処理を繰り返し実行する。
たとえば、対象物情報取得部21は、GPS受信装置11から、自動車1の位置および進行方向を取得する。
そして、対象物情報取得部21は、取得した自動車1の位置および進行方向に基づいて、自動車1の進路前方において自動車1から遮蔽物により遮られることなく視認可能な所定の抽出範囲(たとえば1分程度で移動する範囲)を特定し、その抽出範囲内に存在する対象物の情報を記憶部15から取得する。
これにより、対象物情報取得部21は、自動車1が走行する道路に存在する対象物や該道路の周囲に存在する1乃至複数の対象物であって、自動車1から遮蔽物により遮られることなく視認可能なものを特定できる。
ここで、遮蔽物は、道路またはその周囲に固定的に設置された家などの構造物をいう。これにより、たとえば家の陰に隠れて道路から視認することができない側道の標識などは抽出対象物から除くことができる。
たとえば、対象物情報取得部21は、車内カメラ14による車内の撮像画像に基づいて乗員の視線および視野範囲を認定する。なお、対象物情報取得部21は、予め設定された乗員の視野の情報を取得してもよい。
そして、対象物情報取得部21は、認定した乗員の視線および視野範囲に基づいて、既に抽出した1乃至複数の対象物の中で、該視野の範囲内のものを特定する。自動車1が進行する道路または周囲に存在する1乃至複数の対象物から、認識または推定された視野内のものを特定する。
複数の視野内の対象物が特定されている場合、対象物情報取得部21は、最も自動車1の近くのものを選択する(ステップST6)。現在の自動車1の位置に最も近いものを選択する。
出力制御部22は、図4の出力処理を、繰り返し実行する。出力制御部22は、対象物情報取得部21から出力指示があった場合に図4の出力処理を実行してもよい。
ここで、通常のクリアな有視界で視認可能な距離とは、たとえば100メートル程度の距離でよい。
そして、通常のクリアな有視界で視認可能な距離になりそうである場合、有視界で視認される前に、出力制御部22は、出力指示に係る視野内の対象物の情報を、表示装置17に表示させる(ステップST13)。出力制御部22は、たとえば記憶部15から、出力指示に係る視野内の対象物に対応する表示マークを読み込み、それを乗員の視野において、視野内の対象物が視認される方向となる位置に表示させる。
これにより、表示装置17は、乗員の視野において視野内の対象物が視認される方向の位置に、出力指示に係る視野内の対象物に対応する表示マークが表示される。表示マークの表示が開始される。
そして、実際に有視界で視認可能になった場合、出力指示に係る視野内の対象物の情報の表示を終了させる(ステップST15)。表示装置17は、表示していた視野内の対象物に対応する表示マークの表示を終了する。
そして、自動車1が道路に沿って前へ進行すると、図5(B)に示すように、図中に破線で示した視野において速度標識41が視認される位置に、視野内の速度標識の画像51が表示される。
その後、速度標識の画像51を有視界で視認可能な距離まで自動車1が進むと、図5(C)に示すように、実際の速度標識41が車内から視認可能となる。そして、速度標識の画像51は消去される。
この場合、乗員は、速度標識41が視認可能となる前に、図5(B)の視野内に表示された速度標識の画像51を視認できる。その後、図5(C)に示すように実際に速度標識41が視認可能な状態なると、乗員はその実際の速度標識41を視認できる。
乗員は、画像として表示された速度標識41と、その直後に実際に視認した速度標識41とを、それらの位置を重ねて連続的に視認することにより、自動車1が正しく進行していることを容易に確認できる。
特に、乗員に情報を出力して視認させる対象物を、自動車1から遮蔽物により遮られることなく視認可能なものとすることにより、乗員が視線を大きくずらすことなく確認し易い対象物を確認対象とすることができる。
また、複数の視野内の対象物を連続的に出力することが可能になる。その結果、乗員は、連続的に出力される複数の視野内の対象物に基づいてそれぞれを有視界で確認できる。乗員は、複数の連続的な確認をすることにより、自動車1が正しく移動していることについて確証を得ることが可能になる。
次に、第2実施形態に係る自動車1の対象物情報提供装置10について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の符号を使用し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図6のステップST3において車内カメラ14の車内の撮像画像に基づいて乗員の視野を取得した後、対象物情報取得部21は、車外カメラ13による車外の撮像画像を取得し(ステップST21)、それらの双方に基づいて、撮像されていない視野内の対象物を特定する(ステップST22)。
たとえば、対象物情報取得部21は、車外カメラ13から、可視光による車外の撮像画像を取得する。可視光による車外の撮像画像は、実際に乗員が有視界で視認可能な車外を撮像した画像に好適に対応し得る。
そして、対象物情報取得部21は、特定した乗員の視野に基づいて、視野内の対象物を特定する。
また、対象物情報取得部21は、取得した可視光による車外の撮像画像に基づいて、撮像画像に実際に撮像されている対象物を特定する。
その後、予め特定していた視野内の対象物から、撮像されている対象物を除いて、視認可能な状態にない視野内の対象物を特定する。
複数の視野内の対象物が特定されている場合、対象物情報取得部21は、最も自動車1の近くのものを選択する(ステップST6)。現在の自動車1の位置に最も近いものを選択する。
1つの視野内の対象物を特定または選択した後、対象物情報取得部21は、該1つの視野内の対象物の表示を出力制御部22に指示する(ステップST7)。
この状態から自動車1が道路に沿って前へ進行すると、図7(B)に示すように、図中に破線で示した視野において、積雪61の上に、奥側の速度標識の画像51が表示される。積雪61の後側には、視野内の奥側の速度標識41が存在している。
さらに自動車1が道路に沿って前へ進行すると、図7(C)に示すように、積雪61の後ろに隠れていた視野内の奥側の速度標識41が有視界で視認可能になる。奥側の速度標識の画像51は消去され、新たに視野内の行き先標識の画像52が、行き先標識42が視認される方向の位置に表示される。
その後さらに自動車1が道路に沿って前へ進行すると、図7(D)に示すように、行き先標識42が視認可能になる。そして、行き先標識の画像52は消去される。
この場合、乗員は、視界不良であるにもかかわらず、視野内の奥側の速度標識41と、視野内の行き先標識42とを、視野において視認される方向の位置に表示された画像として認識できる。そして、それぞれの画像の認識後に実際にそれぞれの視野内の標識を視認することができる。
乗員は、画像として表示された標識と、その直後に実際に視認した標識とにより、自動車1が正しく進行していることを容易に確認できる。特に、複数の標識について連続的に確認できるので、自動車1が正しく進行していることについて確証を得ることができる。
しかも、撮像装置による可視光の撮像画像において視認可能に撮像されているもの特定するようにしているので、降雪や豪雨などの気象条件により十分な視野が確保できない場合には、その実際の視野に基づいて、視野内の対象物を特定できる。これにより、気象条件などの実際の環境下において十分な視野が得られない場合でも、その環境下において有視界で視認可能な視野内の対象物を特定することができる。
次に、第3実施形態に係る自動車1の対象物情報提供装置10について説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の符号を使用し、主に第1実施形態との相違点について説明する。
出力制御部22は、図8の出力処理を、繰り返し実行する。出力制御部22は、対象物情報取得部21から出力指示があった場合に図8の出力処理を実行してもよい。
出力制御部22は、車外カメラ13の車外の撮像画像を用いて、視界の良否を判断する。
たとえば、画像の全体が白味かかっている場合、降雪などにより視界が不良であると判断する。それ以外の場合は、視界が良好であると判断する。視界が良好である場合、出力制御部22は、図8の処理を終了する。
視界が不良である場合、図9(A)に示すように、積雪61の上に、速度標識の画像51が表示される。
これに対して、視界が良好である場合、図9(B)に示すように、速度標識の画像51は、表示されなくなる。
また、乗員の視野が他の移動体または積雪61以外のもの、たとえば道路沿いの建物のような固有の視界遮蔽物により視認できないようになっている場合においては、その対象物の情報を出力しないようにできる。
この他にもたとえば、視界内に他の自動車1などの移動体が存在して、他の移動体の後側について直接的に視認することができない場合においても、視界が不良であると判断してよい。この場合、他の自動車1の後側に存在する道路標識に対応する画像を、他の自動車1と重ねて表示することができる。
Claims (10)
- 車両が進行する道路または周囲に存在する対象物であって前記車両の乗員により視認可能な状態にある視野内の対象物についての情報を取得する対象物情報取得部と、
前記車両から遮蔽物により遮られることなく視認可能な視野内の前記対象物が、実際には有視界で視認されない場合に、前記対象物の情報を出力する出力装置と、
を有する、
車両の対象物情報提供装置。 - 前記出力装置は、
前記車両の乗員の視野に表示する表示装置であり、
乗員の視野において視野内の前記対象物が視認される方向または位置に沿った位置に、視野内の前記対象物の情報を視認可能に表示する、
請求項1記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記出力装置は、視野内の前記対象物が有視界で視認可能となるタイミングに基づいて、視野内の前記対象物の情報の出力を開始する、
請求項1または2記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記出力装置は、出力していた視野内の前記対象物が有視界で視認可能な状態になった場合、視野内の前記対象物の情報の出力を終了する、
請求項1から3のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記出力装置は、前記車両の乗員の視野が他の移動体または積雪により遮られている視界不良の場合、実際には有視界で視認されていない視野内の前記対象物の情報を出力する、
請求項1から4のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記車両の位置および進行方向を取得する位置取得装置、を有し、
前記対象物情報取得部は、前記車両の位置および進行方向に基づいて、前記車両が進行する道路または周囲に存在する対象物を特定する、
請求項1から5のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記車両の乗員の視野を認識または推定する可視認識装置、を有し、
前記対象物情報取得部は、前記車両が進行する道路または周囲に存在する対象物から、前記可視認識装置により認識または推定された視野により前記車両から遮蔽物により遮られることなく視認可能なものを選択して、視野内の前記対象物を特定する、
請求項1から6のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記車両の車外を可視光により撮像する撮像装置、を有し、
前記対象物情報取得部は、前記車両が進行する道路または周囲に存在する対象物から、視野内のものであって、前記撮像装置による可視光の撮像画像に撮像されていないものを、実際には有視界で視認されていない視野内の前記対象物として特定する、
請求項1から6のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記対象物情報取得部は、
視野内の前記対象物として複数がある場合、前記車両の近くのものを優先して特定する、
請求項1から8のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。 - 前記対象物情報取得部は、
視野内の前記対象物として、前記車両が進行する道路に設けられた標識若しくは信号、または前記車両が進行する道路の近くのランドマークを特定する、
請求項1から9のいずれか一項記載の車両の対象物情報提供装置。
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