JP2019063939A - 眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工プログラム - Google Patents

眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 眼鏡レンズ前面の突出部分が削れることを抑制し、面取り加工を適切に行うことができる眼鏡レンズ加工装置、及び眼鏡レンズ加工プログラムを提供する。【解決手段】 眼鏡レンズを挟持して回転させるための第1回転シャフトと、眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具と、面取り加工具が取り付けられた第2回転シャフトと、を有する眼鏡レンズ加工装置であって、第1回転シャフトの回転中心軸と、面取り加工具の加工具面と、が成す角度である面取り角度を設定する面取り角度設定手段と、面取り角度に基づいて、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する調整手段と、眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジを、調整手段により調整された面取り加工具によって面取り加工する制御手段と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、眼鏡レンズの周縁を加工するための眼鏡レンズ加工装置及び眼鏡レンズ加工プログラムに関する。
眼鏡レンズ加工装置としては、研削加工具や切除加工具を備え、回転シャフトに挟持された眼鏡レンズと、各加工具の回転軸と、の位置関係を調整することにより、眼鏡レンズを加工するものが知られている(特許文献1及び2参照)。例えば、眼鏡レンズの加工としては、眼鏡レンズの後面に段差部分を形成することで眼鏡レンズの前面を突出させる段落ち加工等がある。
特開2006−095684号公報 特開2015−066650号公報
段落ち加工を施した眼鏡レンズには段差部分のコバ面側と後屈折面側とにエッジができるが、後屈折面側のエッジは鋭利になることがわかったため、後屈折面側のエッジに対して面取り加工を行うことを検討した。しかし、このような面取り加工時には、加工具が後屈折面側のエッジとともに突出部分に接触してしまい、突出部分が削れてしまう問題が生じることがわかった。
本開示は、上記従来技術に鑑み、眼鏡レンズ前面の突出部分が削れることを抑制し、面取り加工を適切に行うことができる眼鏡レンズ加工装置、及び眼鏡レンズ加工プログラムを提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するため、本開示は以下の構成を備えることを特徴とする。
(1) 本開示の第1態様に係る眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズを挟持して回転させるための第1回転シャフトと、前記眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具と、前記面取り加工具が取り付けられた第2回転シャフトと、を有する眼鏡レンズ加工装置であって、前記第1回転シャフトの回転中心軸と、前記面取り加工具の加工具面と、が成す角度である面取り角度を設定する面取り角度設定手段と、前記面取り角度に基づいて、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する調整手段と、前記眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジを、前記調整手段により調整された前記面取り加工具によって面取り加工する制御手段と、を備えることを特徴とする。
(2) 本開示の第2態様に係る眼鏡レンズ加工プログラムは、眼鏡レンズを挟持して回転させるための第1回転シャフトと、前記眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具と、前記面取り加工具が取り付けられた第2回転シャフトと、を有する眼鏡レンズ加工装置において実行される眼鏡レンズ加工プログラムであって、前記眼鏡レンズ加工装置のプロセッサに実行されることで、前記第1回転シャフトの回転中心軸と、前記面取り加工具の加工具面と、が成す角度である面取り角度を設定する面取り角度設定ステップと、前記面取り角度に基づいて、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する調整ステップと、前記眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジを、前記調整手段により調整された前記面取り加工具によって面取り加工する制御ステップと、を前記眼鏡レンズ加工装置に実行させることを特徴とする。
眼鏡レンズ加工装置の概略構成図である。 レンズ加工部の概略構成図である。 レンズチャックユニットの概略構成図である。 レンズチャックユニットのX軸方向及びZ軸方向の駆動機構について説明する図である。 スピンドル保持ユニットのY軸方向の駆動機構について説明する図である。 眼鏡レンズ加工装置の制御ブロック図である。 制御動作を説明するフローチャートである。 段落ち加工を行った場合におけるレンズの側面図である。 面取り加工時における加工具とレンズの位置関係を示す図である。 面取り加工後のレンズを示す図である。 玉型形状が小さなレンズを挟持する第1回転シャフトと加工具との位置関係を説明する図である。 面取り角度の変容例を示す図である。
<概要>
以下、本開示における実施形態の一例について、図面を参照して説明する。図1〜図12は、本実施形態に係る眼鏡レンズ加工装置を説明する図である。本実施形態においては、眼鏡レンズ加工装置を正面からみたときの前後方向をX軸方向、上下方向をY軸方向、左右方向をZ軸方向として説明する。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立または関連して利用され得る。
なお、本開示は、本実施形態に記載する装置に限定されない。例えば、下記実施形態の機能を行う端末制御ソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記憶媒体等を介してシステムあるいは装置に供給し、システムあるいは装置の制御装置(例えば、CPU等)がプログラムを読み出して実行することも可能である。
例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置(例えば、眼鏡レンズ加工装置1)は、第1回転シャフト(例えば、第1回転シャフト22)と、第2回転シャフト(例えば、回転シャフト45c1)と、面取り加工具(例えば、加工具65c)と、を備える。例えば、第1回転シャフトは、眼鏡レンズを挟持(保持)して回転させるために用いられる。例えば、第2回転シャフトには、面取り加工具が取り付けられている。例えば、面取り加工具は、眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すために用いられる。
なお、例えば、本実施例における面取り加工具は、眼鏡レンズに段落ち加工を施すための段落ち加工具(例えば、加工具65c)であってもよい。例えば、段落ち加工具は、眼鏡レンズに段落ち加工を施すとともに、眼鏡レンズの後屈折面側のエッジを面取り加工する。これによって、面取り加工用の加工具を別途設ける必要がなく、眼鏡レンズの加工を効率的に進めることができる。もちろん、本実施例における面取り加工具は、段落ち加工具とは異なる加工具であってもよい。例えば、この場合には、仕上げ加工具(例えば、加工具65b)を用いて面取り加工を行うことができる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、面取り角度設定手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、調整手段(例えば、軸角度変更機構25、X軸駆動機構80、Y軸駆動機構90、Z軸駆動機構85)を備えていてもよい。また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、制御手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。
例えば、面取り角度設定手段は、面取り角度(例えば、面取り角度β)を設定する。例えば、本実施例における面取り角度設定手段は、第1回転シャフトの回転中心軸(例えば、回転中心軸L2)と、面取り加工具の加工具面と、が成す角度を面取り角度として設定する。なお、面取り角度は、眼鏡レンズと面取り加工具との相対的な傾斜関係を取得できればよい。すなわち、面取り角度は、第1回転シャフトの回転中心軸と、面取り加工具の回転中心軸(例えば、回転中心軸L2)と、が成す角度として設定されてもよい。
例えば、調整手段は、面取り角度に基づいて、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する。第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係は、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの少なくともいずれか一方の位置を移動させることによって調整されてもよい。例えば、本実施例においては、第2回転シャフトに対して第1回転シャフトが移動される。また、例えば、本実施例においては、第2回転シャフトに対して第1回転シャフトが回転される。これにより、眼鏡レンズと面取り加工具の三次元位置が相対的に調整される。
例えば、制御手段は、眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジ(例えば、後屈折面側のエッジEb)を、調整手段により調整された面取り加工具によって面取り加工する。もちろん、例えば、制御手段は、眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された突出部分の角部を、調整手段により調整された面取り加工具によって面取り加工するようにしてもよい。
例えば、制御手段は、面取り加工具が段差部分における後屈折面側のエッジ以外の部分(例えば、眼鏡レンズに形成された突出部分と、後屈折面と、前屈折面と、の少なくともいずれか)に接触しないように、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する。例えば、本実施例では、面取り加工時において、面取り加工具と、段差部分におけるコバ面側のエッジ(例えば、コバ面側のエッジEc)と、が接触しないように、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整される。これによって、段落ち加工により形成された突出部分を変形させることなく、段差部分における後屈折面側のエッジを面取り加工することができる。
例えば、面取り加工具とコバ面側のエッジが接触しないように位置関係を調整する方法として、調整手段は、面取り加工具の端部が、段差部分に形成される第1面(例えば、第1面P1)よりもコバ面側であり、かつ段差部分に形成される第2面(例えば、第2面P2)よりも後屈折面側の範囲(例えば、範囲R)内に配置された状態となるように制御してもよい。例えば、このような範囲は、段落ち加工により形成された第1面と第2面とが成す角度の範囲内としてもよい。
例えば、このような制御を行うことによって、後屈折面側のエッジを面取り加工する際に、面取り加工具がコバ面側のエッジに接触して、コバ面側のエッジが削れてしまうことを抑制することができる。なお、加工具の端部とは、加工面の端部であってもよい。また、加工具の端部とは、加工具の角部であってもよい。加工具の角部は、所定の範囲を含んでいてもよい。
例えば、面取り加工具の端部が根本側の端部(例えば、端部t1)である場合、調整手段は、面取り加工具の加工具回転軸(例えば、第2回転シャフト45c1)が、第1回転シャフトから遠ざかる方向に伸びた状態となるように制御してもよい。例えば、加工具回転軸が第1回転シャフトから遠ざかる方向に伸びた状態とは、面取り加工具の加工具面が第1回転シャフト22に近く、面取り加工具の加工具回転軸が第1回転シャフト22から遠い方向に伸びた状態である。これによって、後屈折面側のエッジを面取り加工する際にコバ面側のエッジが削れてしまうことを抑制できるとともに、第1回転シャフトと第2回転シャフトが互いに干渉することをより抑制することができる。
例えば、制御手段は、第1面と第2面とが成す交点と、面取り加工具の端部と、が一致する方向に、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整することで、面取り加工を行う。なお、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの干渉をさらに抑制するため、面取り加工具の第2回転シャフトは、直線状とは異なる形状としてもよい。例えば、この場合、面取り加工具の第2回転シャフトはL字状であってもよい。また、例えば、面取り加工具の第2回転シャフトは曲線状であってもよい。
なお、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズのコバ面の形状に関する情報を取得するためのコバ情報取得手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、眼鏡レンズのコバ面の形状に関する情報とは、眼鏡レンズのコバ面の傾斜角度であってもよい。また、例えば、眼鏡レンズのコバ面の形状に関する情報とは、眼鏡レンズのコバ面の厚みであってもよい。なお、眼鏡レンズにおけるコバ面の傾斜角度及びコバ面の厚みは動径角毎に異なっており、一定とはならない。このため、例えば、面取り角度設定手段は、コバ情報取得手段が取得したコバ面の形状に関する情報に基づいて、面取り角度を設定するようにしてもよい。これによって、玉型形状の動径角毎に適切な面取り角度を設定して、後屈折面側のエッジを面取り加工することができる。
また、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、第1回転シャフトに面取り加工具が接触するか否かを判定する判定手段(例えば、制御部70)を備えていてもよい。例えば、面取り角度設定手段は、判定手段による判定結果に基づいて、面取り角度と面取り量との少なくともいずれかを補正するようにしてもよい。例えば、この場合、面取り角度設定手段は、第1回転シャフトに面取り加工具が接触しない面取り角度を演算により求め、これに基づいて面取り角度を補正してもよい。また、例えば、この場合、面取り角度設定手段は、第1回転シャフトに面取り加工具が接触しない面取り量を演算により求め、これに基づいて面取り量を補正してもよい。もちろん、第1回転シャフトに面取り加工具が接触しない面取り角度と面取り量の双方を演算により求め、これに基づいて面取り角度と面取り量とを補正するようにしてもよい。これによって、第1回転シャフトと面取り加工具との接触を抑制するとともに、後屈折面側のエッジに対して好適な面取り加工を施すことができる。
<実施例>
以下、本開示の実施例について図面を用いて説明する。図1は、本実施例に係る眼鏡レンズ加工装置1(以下、加工装置1と略す)の概略構成図である。図1(a)は加工装置1を正面からみたときの概略構成図である。図1(b)は加工装置1を側面からみたときの概略構成図である。加工装置の上部には、レンズの加工を行うためのレンズ加工部10が設けられている。また、加工装置1の側面には、タッチパネル機能をもつディスプレイ5、加工開始スイッチ等が設けられたスイッチ部7、等が設けられている。
図2はレンズ加工部10の概略構成図である。レンズ加工部10には、レンズチャックユニット20、スピンドル保持ユニット30が備えられている。
<レンズチャックユニット>
レンズチャックユニット20は、眼鏡レンズLE(以下、レンズLEと略す)を狭持し、スピンドル保持ユニット30に対してレンズLEを移動させるためのものである。レンズチャックユニット20には、キャリッジ21、ベース24が備えられている。キャリッジ21は、レンズLEを挟持して回転させるための一対の第1回転シャフト22(22F、22R)を備える。第1回転シャフト22は、後述する回転中心軸L2(図8参照)を中心に回転される。
図3はレンズチャックユニット20の概略構成図である。キャリッジ21の表側には、第1回転シャフト22Fを回転可能に保持する保持アーム29Lが固定されている。キャリッジ21の裏面には、図示なき左右に延びる2本のガイドレール上を移動可能なチャックテーブル23が設けられている。チャックテーブル23には、第1回転シャフト22Rを回転可能に保持する保持アーム29Rが固定されている。また、チャックテーブル23には、チャックテーブル23を第1回転シャフト22に対して平行移動するための図示なき圧力駆動源が設けられている。圧力駆動源は、エアポンプ、バルブ、ピストン等で構成される。エアポンプは、空気を圧送するために用いられる。ピストンは、チャックテーブル23に固定されている。バルブは、ピストンが配置された密閉空間に設けられている。そして、密閉空間への空気の導入がバルブの開閉によって調整される。圧力駆動源は、密閉空間において空気の導入を調整することによって、回転中心軸L2(図8参照)に対してピストンを平行移動させる。これにより、チャックテーブル23とともに、保持アーム29R及び第1回転シャフト22Rがキャリッジ21に設けられた第1回転シャフト22F側へ平行移動される。そして、第1回転シャフト22Fと第1回転シャフト22RとでレンズLEが挟持される。なお、第1回転シャフト22Fと第1回転シャフト22Rとは、同軸の関係に配置されている。
レンズチャックユニット20には、駆動源(例えば、モータ)110が設けられている。モータ110は、第1回転シャフト22Rをその軸を中心に回転させるために用いられる。モータ110の回転駆動によって、タイミングベルト、プーリー等の回転伝達機構を介して、第1回転シャフト22Rが回転される。
また、レンズチャックユニット20には、駆動源(例えば、モータ)120が設けられている。モータ120は、第1回転シャフト22Fをその軸を中心に回転させるために用いられる。モータ120の回転駆動によって、タイミングベルト、プーリー等の回転伝達機構を介して、第1回転シャフト22Fが回転される。モータ110、120の回転軸には、第1回転シャフト22F、22Rの回転角を検知するエンコーダが取り付けられている。なお、モータ110、120は、同期して駆動される。すなわち、第1回転シャフト22F及び22Rは、同期して回転駆動をする。これらによりレンズ回転ユニットが構成される。
<キャリッジ回転駆動機構>
レンズチャックユニット20には、軸角度変更機構25が設けられている。軸角度変更機構25は、加工具の切り換えやレンズLEを加工する際の第1回転シャフト22と加工具との相対的な位置関係を調整するために用いられる。なお、軸角度変更手段25は、第1回転シャフト22と、後述する第2回転シャフト45c1と、の相対的な位置関係を調整するために用いられてもよい。
軸角度変更機構25は、駆動源(例えば、モータ等)26、プーリー27、タイミングベルト28で構成されている。プーリー27には、キャリッジ21が固定されている。モータ26が回転駆動されると、モータ26の回転がタイミングベルト28を介して、プーリー27へ伝達される。キャリッジ21は、プーリー27が回転されることによって、ベース24に対してキャリッジ21の中心軸(A軸)を回転中心に回転駆動する。これによって、キャリッジ21の回転駆動とともに、第1回転シャフト22の軸角度がA軸を中心に変更(回転)される。なお、本実施例において、キャリッジ21の回転開始時の初期位置としては、第1回転シャフト22F、22RによってレンズLEを挟持した際に、第1回転シャフト22F、22Rの軸方向がY軸方向と平行軸となる位置に設定されている(図11(a)参照)。このとき、第1回転シャフト22F、22Rにおいては、第1回転シャフト22Rが上側となり、第1回転シャフト22Fが下側となるように位置される。すなわち、レンズLEの凹面(後面)が上側、レンズLEの凸面(前面)が下側となる。第1回転シャフト22FがレンズLEの前面側となり、第1回転シャフト22RがレンズLEの後面側となる。
<X軸駆動機構及びZ軸駆動機構>
図4はレンズチャックユニット20のX軸方向及びZ軸方向の駆動機構について説明する図である。レンズチャックユニット20には、レンズチャックユニット20をスピンドル保持ユニット30に対してX軸方向及びZ軸方向にそれぞれ移動させる各駆動機構(X軸駆動機構80、Z軸駆動機構85)が設けられている。X軸駆動機構80とZ軸駆動機構85は、第1回転シャフト22と、後述する第2回転シャフト45c1と、の相対的な位置関係を調整するために用いられてもよい。
X軸駆動機構80は、駆動源(モータ)81を備える。モータ81には、X軸方向に向かって延びるシャフト82が直結されている。また、モータ81の回転軸には、レンズチャックユニット20のX軸方向の移動位置を検知するエンコーダが取り付けられている。シャフト82の外周には、ネジ溝が形成されている。シャフト82の先には、軸受けとして移動部材(例えば、ナット)83が嵌まりあっている。移動部材83は、レンズチャックユニット20に固定されている。モータ81が回転駆動すると、レンズチャックユニット20がX軸方向に延びるシャフト82に沿って移動する。これによって、キャリッジ21とともに、第1回転シャフト22F、22RがX軸方向に直線移動される。
Z軸駆動機構85は、駆動源(モータ)86を備える。モータ86には、Z軸方向に向かって延びる図示なきシャフトが直結されている。また、モータ86の回転軸には、レンズチャックユニット20のZ軸方向の移動位置を検知するエンコーダが取り付けられている。シャフトの外周には、ネジ溝が形成されている。シャフトの先には、軸受けとして移動部材(例えば、ナット)87が嵌まりあっている。移動部材87は、レンズチャックユニット20に固定されている。モータ86が回転駆動すると、レンズチャックユニット20がZ軸方向に延びるシャフトに沿って移動する。これによって、キャリッジ21とともに、第1回転シャフト22F、22RがZ軸方向に直線移動される。
<スピンドル保持ユニット>
図2において、スピンドル保持ユニット30は、移動支基31、第1加工具ユニット40、第2加工具ユニット45、レンズ形状測定ユニット50(以下、測定ユニット50と略す)を備える。移動支基31の左右側面には、第1加工具ユニット40及び第2加工具ユニット45が配置される。
<加工ユニット>
図2に示すように、第1加工具ユニット40は移動支基31の左側面に配置されており、3つのスピンドル40a、40b、40cを備えている。また、第2加工具ユニット45は移動支基31の右側面に配置されており、3つのスピンドル45a、45b、45cを備えている。第1加工具ユニット40のスピンドル40a、40b、40cは、それぞれの加工具を回転させるための回転シャフト(加工具回転軸)40a1、40b1、40c1を有し、その各回転シャフトと同軸に各加工具60a、60b、60cが取り付けられている。また、第2加工具ユニット45のスピンドル45a、45b、45cは、それぞれの加工具を回転させるための回転シャフト(加工具回転軸)45a1、45b1、45c1を有し、その各回転シャフトと同軸に各加工具65a、65b、65cが取り付けられている。各加工具は、レンズLEを加工するための加工具として用いられる。各スピンドルの回転シャフトは、各スピンドルの内部に配置された回転伝達機構を介し、各スピンドルの後方にそれぞれ配置された駆動源(例えば、モータ)により回転される。
例えば、本実施例において、加工具60aには、粗加工具としてのエンドミル又はカッターが配置されている。加工具60aは、仕上げ加工前の未加工のレンズLEを切削するために用いられる。加工具60bには、溝掘り加工具(溝加工具)としてカッターが配置される。加工具60cには、レンズLEの屈折面に穴を開けるための穴加工具としてのエンドミルが配置されている。
また、本実施例において、加工具65aには、鏡面加工具として鏡面砥石が配置される。鏡面加工具は、水を用いてレンズLEの鏡面を磨くために用いられる。加工具65bには、仕上げ加工具として円錐形状を持つカッターが配置される。加工具65bには、レンズLEのコバにヤゲンを形成するためのヤゲン溝(V溝)と、レンズLEの周縁を平加工するための平加工面と、が形成されており、粗加工されたレンズLEの周縁をヤゲン加工及び平加工するために用いられる。つまり、加工具65bは、レンズLEの周縁を玉型形状に仕上げ加工するための平仕上げ加工具として用いられてもよいし、レンズLEのコバにヤゲンを形成するためのヤゲン仕上げ加工具として用いられてもよい。また、加工具65bは、レンズLEの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具を兼ねることもできる。加工具65cには、段落ち加工具としてカッターが配置される。段落ち加工具は、平仕上げ加工またはヤゲン仕上げ加工されたレンズLEの後面に段差部分を形成するために用いられる。また、加工具65cは、加工具65bと同様に、レンズLEの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具を兼ねることもできる。
なお、本実施例においては、加工具65cを面取り加工具として用い、加工具65cが取り付けられた回転シャフト45c1(加工具回転軸45c1)を第2回転シャフトとして説明する。もちろん、加工具65bを面取り加工具として用い、加工具65bが取り付けられた回転シャフト45b1を第2回転シャフトとしても、同様に説明することができる。
各スピンドルの近傍には、それぞれ、空気や水を送るためのホース41a、41b、41c、46a、46b、46cが設けられている。ホース41a、41b、41c、46b、46cは、レンズLEの加工後の切削片を空気によって除去するために用いられる。また、ホース46aは、レンズLEを加工する際に用いる水を供給するために用いられる。
各スピンドルは、スピンドルの先端が下方(重力方向)に向かって傾斜して配置されている。本実施例においては、各スピンドルの傾斜角度度がZ軸方向(水平方向)から下方に45°傾斜するように配置されている。
<Y軸駆動機構>
図5はスピンドル保持ユニット30のY軸方向の駆動機構について説明する図である。スピンドル保持ユニット30には、スピンドル保持ユニット30をレンズチャックユニット20に対してY軸方向に移動させる各駆動機構(Y軸駆動機構90)が設けられている。Y軸駆動機構90は、第1回転シャフト22と、第2回転シャフト45c1と、の相対的な位置関係を調整するために用いられてもよい。
Y軸駆動機構90は、駆動源(モータ)91を備える。モータ91の回転軸には、Y軸方向に向かって延びるシャフト92が直結されている。また、モータ91には、スピンドル保持ユニット30のY軸方向の移動位置を検知するエンコーダが取り付けられている。シャフト92の外周には、ネジ溝が形成されている。シャフト92の先には、軸受けとして移動部材(例えば、ナット)94が嵌まりあっている。移動部材94は、移動支基31に固定されている。モータ91が回転駆動すると、移動支基31がY軸方向に延びるシャフトに沿って移動する。これによって、スピンドル保持ユニット30がY軸方向に直線移動される。なお、移動支基31には、図示なきバネが掛けられており、移動支基31の下方への荷重をキャンセルしてその移動が容易になるようにしている。
以上のような加工ユニットの構成において、X軸移動機構80、Y軸駆動機構90、及びZ軸駆動機構85は、回転シャフト(40a1、40b1、40c1、45a1、45b1、45c1)に対する第1回転シャフト22の相対的な位置関係を変化させるための移動機構を構成し、さらに、その移動機構として、各回転シャフトと第1回転シャフト22との軸間距離を変動する機構と、第1回転シャフト22の軸方向に第1回転シャフト22を移動する機構と、を構成する。
<レンズ形状測定ユニット>
図2において、キャリッジ21の上方には、測定ユニット50(50F、50R)と、測定ユニット50の駆動機構55が設けられている。測定ユニット50F、50Rは、Z軸方向にスライド可能に保持されている。測定ユニット50Fは、レンズLEの前面位置(玉型上のレンズ前面側の位置)を検知する。測定ユニット50Fの先端部には測定子51Fが固定されており、測定子51FはレンズLEの前面に接触される。測定ユニット50Rは、レンズLEの後面位置(玉型上のレンズ後面側の位置)を検知する。測定ユニット50Rの先端部には測定子51Rが固定されており、測定子51RはレンズLEの後面に接触される。
駆動機構55は、測定ユニット50F、50RをZ軸方向に移動させるために用いる。例えば、駆動機構55における図示なきモータの回転駆動が、ギヤ等の回転伝達機構を介して測定ユニット50F、50Rに伝えられる。これによって、退避位置に置かれた測定子51F、51RがレンズLE側に移動されるとともに、測定子51F、51RをレンズLEに押し当てる測定圧が掛けられる。なお、測定子51F、51Rを押し当てる構成としてはこれに限定されない。例えば、バネを用いることによって、測定子51F、51Rを押し当てる構成が挙げられる。
レンズLEの前面位置の検知時には、軸角度変更機構25によってレンズチャック軸22F、22RがZ軸方向に配置された後、玉型形状に基づいてレンズLEが回転されながらスピンドル保持ユニット30をY軸方向に移動させ、測定ユニット50Fに設けられた図示なきエンコーダにより、レンズLEの前面のレンズチャック軸方向の位置(玉型上のレンズ前面側の位置)が検知される。また、レンズLEの後面位置においても、レンズLEの前面位置の検知時と同様にして、測定ユニット50Fに設けられた図示なきエンコーダにより、レンズLEの後面のレンズチャック軸方向の位置(玉型上のレンズ後面側の位置)が検知される。
レンズLEのコバ位置を測定する際には、軸角度変更機構25によってレンズチャック軸22F、22RがZ軸方向に配置される。その後、測定子51FがレンズLEの前面に接触し、測定子51RがレンズLEの後面に接触する。この状態において、玉型データに基づいてスピンドル保持ユニット30がY軸方向に移動し、レンズLEが回転されることにより、レンズ加工のためのレンズLEの前面及び後面のコバ位置(レンズチャック軸方向の位置)が同時に測定される。なお、測定子51F及び測定子51Rは、一体的にZ軸方向に移動可能に構成されてもよい。この場合、レンズLEの前面と後面において、コバ位置が別々に測定される。また、上記の測定ユニット50F、50Rでは、レンズチャック軸22F、22RをY軸方向に移動するものとしたが、測定子51F及び測定子51Rを相対的にY軸方向に移動する機構とすることもできる。
<制御手段>
図6は、加工装置1の制御ブロック図である。制御部70は、加工装置1の各部を制御する。制御部70は、CPU(プロセッサ)、RAM、ROM等を含んで構成されてもよい。例えば、CPUは、加工装置1における各部材の駆動を制御する。例えば、RAMは、各種の情報を一時的に記憶する。例えば、ROMには、CPUが実行するプログラム等が記憶されている。なお、制御部70は、複数の制御部(つまり、複数のプロセッサ)によって構成されてもよい。
制御部70には、ディスプレイ5、スイッチ部7、モータ26、モータ81、モータ86、モータ91、モータ110、モータ120、各スピンドルの内部に配置された図示なきモータ、図示なき圧力駆動源、測定ユニット50F、50R、が接続されている。また、制御部70には、記憶部(メモリ)3とホストコンピュータ1000が接続されている。メモリ3は、電源の供給が遮断されても記憶内容を保持できる非一過性の記憶媒体であってもよい。例えば、メモリ3としては、ハードディスクドライブ、フラッシュROM、及び加工装置1に着脱可能なUSBメモリ、等を使用することができる。ホストコンピュータ1000は、レンズLEの加工に必要な加工条件データを入力するためのデータ入力ユニットとして機能する。
<制御動作>
以下、図7に示すフローチャートを用いて、上記の構成を備える加工装置1が、レンズLEの後面に段差部分を形成する段落ち加工と、レンズLEの後屈折面側のエッジを面取りする面取り加工と、を行う際の制御動作を順に説明する。
まず、操作者は第1回転シャフト22Fの上にレンズLEをセットし、図示なき加工開始スイッチを選択する。制御部70は、加工開始スイッチの操作指示に応じて、チャックテーブル23とともに、保持アーム29及び第1回転シャフト22Rを第1回転シャフト22F側へ平行移動させる。これによって、第1回転シャフト22Fと第1回転シャフト22RはレンズLEを狭持する。
<眼鏡データの取得(S1)>
操作者はレンズLEをセットすると、操作部(ディスプレイ5、スイッチ部7、及びホストコンピュータ1000等)を操作して眼鏡データを入力する。例えば、眼鏡データとは、玉型形状データ、後述する段落ち加工において段差部分LSを形成するための段差形成データ、玉型形状とレンズLEの光学中心との位置関係を示すレイアウトデータ、等である。例えば、段差形成データは、図8に示す突出部分LS1の厚みLSWや切込み距離LSD等であってもよい。制御部70は、操作者が入力したこれらの眼鏡データを読み込むことで、玉型形状データと段差形成データとを取得する。また、制御部70は、取得した眼鏡データをメモリ3に記憶させる。
なお、例えば、玉型形状データは、特開2015−007536号公報に記載の装置等を用いて取得した眼鏡フレームにおけるリムの形状データとしてもよいし、特開2012−185490号公報に記載の方法等により取得したデモレンズの外形形状データとしてもよい。また、例えば、レンズLEにおける突出部分の厚みLSWは、デモレンズにおける突出部分の厚みを計測することで取得してもよい。また、例えば、レンズLEにおける突出部分の切込み距離LSDは、眼鏡フレームにおけるリムの溝深さを測定することで取得してもよい。
<面取りデータの取得(S2)>
次に、操作者は、操作部を操作して、レンズLEに面取り加工を施す際に必要となる面取りデータを入力する。例えば、面取りデータとは、第1回転シャフト22の回転中心軸L2と、面取り加工具(本実施例においては、加工具65c)の加工具面と、が成す角度である面取り角度β(図9参照)や、面取り加工後のレンズLEにおける加工面の長さである面取り量M(図10参照)等であってもよい。なお、例えば、面取り角度βは、後述する面取り加工においてレンズLEに形成される面取りの角度でなくてもよい。すなわち、面取り角度βは、後述する段差部分LSの第1面P1と、加工具65cの加工具面と、が成す角度と同一でなくてもよい。
例えば、面取りデータは、操作者が任意の値を入力する構成でもよいし、操作者が複数の選択肢の中から1つの値を選択する構成でもよい。また、面取りデータは、予めメモリ3に記憶されたものを自動で読み出す構成であってもよい。また、面取りデータは、後述するコバ面の形状に関する情報に基づいて設定されるものであってもよい。制御部70は、このような面取りデータを読み込んで取得することで、面取り角度β及び面取り量Mを設定する。
<レンズ形状データの取得(S3)>
上記のようにしてレンズLEの加工に必要な情報(すなわち、玉型形状データ、段差形成データ、レイアウトデータ、面取りデータ等)が取得されると、制御部70は、玉型形状データに基づいてレンズLEのレンズ形状を測定し、レンズ形状データを取得する。例えば、レンズ形状データは、レンズLEの前屈折面及び後屈折面において玉型形状に対応した位置情報や、レンズLEの前屈折面におけるカーブ情報(傾斜情報)等である。
制御部70は、スピンドル保持ユニット30における各駆動機構(すなわち、X軸駆動機構80、Y軸駆動機構90、及びZ軸駆動機構85)を制御することによって、キャリッジ21を移動させ、測定ユニット50の位置にレンズLEを配置する。また、制御部70は、軸角度変更機構25を制御することによって、第1回転シャフト22の軸角度を調整する。さらに、制御部70は、測定ユニット50の駆動機構55を制御することによって、測定子51Fと51Rとを移動させ、レンズLEの前屈折面及び後屈折面における回転中心軸L2方向のレンズ形状を測定する。このように測定されたレンズ形状データは、制御部70によってメモリ3に記憶される。
<コバ面の形状に関する情報の取得(S4)>
制御部70は、レンズLEのコバ面の形状に関する情報を取得する。例えば、レンズLEのコバ面の形状に関する情報とは、コバ面の傾斜角度や、コバ面の厚さ等である。例えば、制御部70は、レンズLEの回転中心軸L2に対するコバ面の傾斜角度を、玉型形状データの各動径角の位置において取得してもよい。なお、各動径角の位置とは、玉型形状データにおける動径角0度の位置から所定の角度の間隔(例えば、0.18度毎の間隔、0.36度毎の間隔、1度毎の間隔、等)を空けた位置であってもよい。もちろん、連続的に繋がった位置であってもよい。また、例えば、制御部70は、測定子51Fと51Rとが検出した検出信号に基づいて、コバ面の厚さを取得してもよい。
<粗加工(S5)>
レンズ形状データが取得されると、未加工のレンズLEの不要な部分を切除するために、レンズLEの周縁が粗加工される。粗加工では、玉型形状に対して所定の距離(例えば、1mm等)だけ外側までが切除され、後に行う仕上げ加工時のための仕上げ代が確保される。例えば、制御部70は、このような粗加工によって形成されるレンズLEの形状を予測し、これを粗加工形状データとして算出する。粗加工形状データは、玉型形状データやレイアウトデータに基づいて求められる。また、例えば、制御部70は、レンズLEを粗加工形状データ通りに加工するため、スピンドル保持ユニット30の各駆動機構、及び軸角度変更機構25を制御する粗加工制御データを算出する。
制御部70は、粗加工制御データに基づいて、レンズLEが加工具60aの位置に配置されるようにキャリッジ21を移動させ、レンズLEの前面が加工具60a側を向くように第1回転シャフト22を所定角度回転させる。さらに、制御部70は、粗加工制御データに基づいて、加工具60a(加工具60aの回転軸)に対する第1回転シャフト22の相対的な位置関係を調整する。例えば、粗加工はこのようにして行われ、レンズLEの不要な部分が切除される。
<平仕上げ加工(S6)>
粗加工が完了すると、粗加工されたレンズLEの周縁を滑らかにするために、平仕上げ加工が行われる。制御部70は、平仕上げ加工によって形成されるレンズLEの形状を予測し、これを平仕上げ加工形状データとして算出する。例えば、平仕上げ加工形状データは、玉型形状データ、レイアウトデータ、及びコバ面の形状に関する情報に基づいて算出される。また、例えば、制御部70は、レンズLEを平仕上げ加工形状データ通りに加工するため、スピンドル保持ユニット30の各駆動機構、及び軸角度変更機構25を制御する平仕上げ加工制御データを算出する。
制御部70は、平仕上げ加工制御データに基づいて、レンズLEが加工具65bの位置に配置されるようにキャリッジ21を移動させ、レンズLEの前面が加工具65b側を向くように、第1回転シャフト22を所定角度回転させる。また、制御部70は、平仕上げ加工制御データに基づいて、加工具65b(加工具65bの回転軸)に対する第1回転シャフト22の相対的な位置関係を調整する。例えば、平仕上げ加工はこのようにして行われ、レンズLEのコバ面を滑らかにすることができる。
<段落ち加工(S7)>
平仕上げ加工が完了すると、レンズLEに段差部分LSを形成するために、レンズLEの後面が段落ち加工される。図8は段落ち加工を行った場合におけるレンズLEの側面図である。段落ち加工では、加工具65cによってレンズLEの後面が削られ、段差部分LSが形成される。段差部分LSの壁面には、レンズLEの後屈折面Lbに接する第1面P1と、レンズLEのコバ面Lcに接する第2面P2とが形成される。これによって、レンズLEの前面は突出し、突出部分LS1が形成される。
例えば、制御部70は、段落ち加工によって形成されるレンズLEの形状を予測し、これを段落ち加工形状データとして算出する。例えば、段落ち加工形状データは、前述の玉型形状データや段差形成データ等に基づいて算出される。また、例えば、制御部70は、レンズLEを段落ち加工形状データ通りに加工するため、スピンドル保持ユニット30の各駆動機構、及び軸角度変更機構25を制御する段落ち加工制御データを算出する。
制御部70は、段落ち加工制御データに基づいて、レンズLEが加工具65cの位置に配置されるようにキャリッジ21を移動させ、加工具65cの加工具面とレンズLEのコバ面とが平行(略平行)となるように第1回転シャフト22を所定角度回転させる。さらに、制御部70は、段落ち加工データに基づいて、加工具65c(加工具65cの回転中心軸L1)と、第1回転シャフト22F及び22Rと、の相対的な位置関係を調整する。
例えば、本実施例においては、レンズLEの玉型形状に対応した前屈折面Laの位置から、突出部分LS1の厚みLSWを隔てた位置に、加工具65cの根本側の端部t1が位置するように調整される。なお、加工具65cの根本側には端部が2箇所あるが、本実施例ではレンズLEに近い方を根本側の端部t1とする。制御部70は、レンズLEの玉型形状及び切込み距離LSDに基づいて、加工具65aの回転中心軸L1に対する第1回転シャフト22の間隔を調整する。これによって、図8において斜線で示す部分が加工具65cにより削られ、レンズLEの後面に段落ち加工が施される。段落ち加工後のレンズLEには、その段差部分LSに、コバ面側のエッジEaと後屈折面側のエッジEbとが形成される。
なお、例えば、本実施例における加工具65cは円筒形の加工面をもつため、段差部分LSの第1面P1と第2面P2とが成す角度γは90度となる。もちろん、角度γは90度より大きくしてもよいし、小さくしてもよい。例えば、角度γを90度よりも大きくする場合には、加工具の根本側の端部t1に、第1面P1と第2面P2との交点Kを一致させた後に、交点Kを基点として第1回転シャフト22を所定の角度だけ傾斜させてもよい。また、例えば、この場合には、第1回転シャフト22の回転中心軸L2を予め傾斜させた状態で、加工具の根本側の端部t1と、第1面P1と第2面P2との交点Kと、を一致させてもよい。例えば、角度γを90度よりも小さくする場合には、テーパ形状の加工面をもつ加工具を用いて段落ち加工を行ってもよい。
また、本実施例においては、レンズLEに加工具65cを1度当てることで、レンズLEの後面に角度γの段差部分を形成しているがこれに限定されない。例えば、レンズLEに加工具65cを複数回に分けて当てることで、レンズLEの後面に角度γの段差部分を形成するようにしてもよい。
<面取り加工(S8)>
段落ち加工が完了すると、段差部分LSにおける後屈折面側のエッジEbを削るために、面取り加工が開始される。例えば、本実施例においては、加工具65c(すなわち、段落ち加工具)を用いることによって、レンズLEに対する面取り加工が行われる。つまり、加工具65cは、レンズLEに段落ち加工を施すとともに、レンズLEの後屈折面側のエッジを面取り加工する。
例えば、制御部70は、面取り加工によって形成されるレンズLEの形状を予測し、これを面取り加工形状データとして算出する。例えば、面取り加工形状データは、前述の面取りデータや段落ち加工形状データ等に基づいて算出される。例えば、これによって、面取り角度β、面取り量M、段差部分LSにおけるコバ面側のエッジEaと後屈折面側のエッジEbの位置、第1面P1と第2面P2との交点Kの位置、等が取得される。また、例えば、制御部70は、レンズLEを面取り加工形状データ通りに加工するため、スピンドル保持ユニット30の各駆動機構、及び軸角度変更機構25を制御する面取り加工制御データを算出する。
例えば、制御部70は、面取り加工データに基づいて、レンズLEにおける後屈折面側のエッジEb以外の部分に加工具65cが接触しないように、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整して面取り加工を行う。例えば、本実施例においては、加工具65cと段差部分LSにおけるコバ面側のエッジEcとが接触しないように、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係が調整されてもよい。図9は面取り加工時における加工具65cとレンズLEの位置関係を示している。例えば、制御部70は、加工具65cの端部tが、段差部分LSに形成される第1面P1よりもコバ面Lc側であり、かつ段差部分LSに形成される第1面P1よりも後屈折面Lb側の範囲内(図9において斜線で示す範囲R内)に配置された状態となるように制御してもよい。言い換えると、制御部70は、加工具65cの端部tが、段差部分LSに形成される第1面P1と第2面P2とが成す角度γの範囲R内に配置された状態となるように制御してもよい。
なお、本実施例における加工部65cの端部tは、レンズLEに近い方に位置する根本側の端部t1と、上面側(先端側)の端部t2である。例えば、制御部70は、段差部分LSの第1面P1と第2面P2との交点Kと、加工部65cの端部tと、が一致する方向に、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整する。
例えば、加工部65cの根本側の端部t1と、第1面P1と第2面P2との交点Kと、が一致する方向に相対的な位置関係が調整される場合には、加工具65cの回転シャフト(加工具回転軸)45c1が、第1回転シャフト22(第1回シャフト22の回転中心軸L2)から遠ざかる方向に伸びた状態となるように制御されることが好ましい。第1回転シャフト22から遠ざかる方向に伸びた状態とは、加工具65cの加工具面が第1回転シャフト22に近く、加工具65cの第2回転シャフト45c1が第1回転シャフト22から遠い方向に伸びた状態である。
また、例えば、加工部65cの上面側の端部t2と、第1面P1と第2面P2との交点Kと、が一致する方向に相対的な位置関係が調整される場合には、加工具65cの回転シャフト(加工具回転軸)45c1が、第1回転シャフト22(第1回シャフト22の回転中心軸L2)に近づく方向に伸びた状態となるように制御されることが好ましい。第1回転シャフト22に近づく方向に伸びた状態とは、加工具65cの加工具面が第1回転シャフト22から遠く、加工具65cの第2回転シャフト45c1が第1回転シャフト22に遠い方向に伸びた状態である。
以下、加工具65cの根本側の端部t1が範囲内Rに配置された状態となるように制御され、この端部t1と、第1面P1と第2面P2との交点Kと、が一致する方向に第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係が調整される場合を例に挙げて、面取り加工についてより詳細に説明する。なお、本実施例においては説明を省略するが、加工具65cの上面側の端部t2が範囲内Rに配置された状態となるように制御する場合であっても、同様に考えることができる。
例えば、制御部70は、第1回転シャフト22を設定された面取り角度βだけ傾斜させると、前述の範囲R内に加工具65cの根本側の端部t1が位置するように、第1回転シャフト22を移動させる。例えば、このとき、制御部70は、加工具65cの根本側の端部t1が初期位置に来るように、第1回転シャフト22を移動させてもよい。例えば、この場合、根本側の端部t1の初期位置は、範囲R内において予め設定された位置であってもよいし、面取り加工形状データから算出した範囲R内の最適な位置(例えば、第1回転シャフト22の移動が最少となる位置等)であってもよい。すなわち、根本側の端部t1の初期位置は、範囲R内であればいずれの位置に配置されてもよい。
なお、加工具の根本側の端部t2は、面取り加工中において、上記の範囲R内に位置していればよい。例えば、面取り加工中とは、面取り加工のシークエンスが開始されている状態である。すなわち、面取り加工中とは、初期位置に配置された加工具65cを用いて、面取り加工を行うためにシャフト等の位置を調整することを含む。
続いて、制御部70は、レンズLEにおける第1面P1と第2面P2との交点Kが、加工具65cの根本側の端部t1へと向かうように、第1回転シャフト22を移動させる。例えば、この場合、制御部70は、第1面P1と第2面P2との交点Kと、加工具65cの根本側の端部t1と、の距離が最短となるように、第1回転シャフト22を移動させてもよい。すなわち、例えば、制御部70は、加工具65cの根本側の端部t1と、第1面P1と第2面P2との交点Kと、を結ぶ直線(図9に示す点線d)に沿って交点Kが移動するように、第1回転シャフト22を制御してもよい。これによって、加工具65cがレンズLEにおけるコバ面側のエッジEcに接触することなく、加工具65cの加工具面をレンズLEにおける後屈折面側のエッジEbに当てることができる。
図10は面取り加工後のレンズLEを示す図である。例えば、制御部70は、第1回転シャフト22を移動させ、設定された面取り量Mとなる位置まで、レンズLEにおける第1面P1と第2面P2との交点Kを加工具65cの根本側の端部t1へと向かわせる。これによって、図10において斜線で示す部分が加工具65cにより削られ、段落ち加工により形成された後屈折面側のエッジEbに面取り加工が施される。なお、例えば、制御部70は、第1回転シャフト22を移動させる際に、第1面P1と第2面P2とが成す交点Kと、加工具65cの根本側の端部t1と、が一致する位置を、移動時の限界位置としてもよい。
以上説明したように、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、設定された面取り角度に基づいて、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する。これによって、段落ち加工を施すことで形成される段差部分において、その後屈折面側のエッジを精度よく面取り加工することができる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズの後屈折面側のエッジを、段落ち加工具を用いて面取り加工する。これによって、面取り加工用の加工具を別途設ける必要がなく、眼鏡レンズの加工を効率的に進めることができる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、面取り加工具と、段差部分におけるコバ面側のエッジと、が接触しないように、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する。これによって、段落ち加工で形成した突出部分を変形させることなく、段差部分における後屈折面側のエッジを面取り加工することができる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、面取り加工時において、面取り加工具の端部が、段差部分に形成される第1面よりもコバ面側であり、かつ段差部分に形成される第2面よりも後屈折面側の範囲内に配置された状態となるように制御する。これによって、後屈折面側のエッジを面取り加工する際に、面取り加工具がコバ面側のエッジに接触して、コバ面側のエッジが削れてしまうことを抑制できる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、段差部分に形成される第1面よりもコバ面側であり、かつ段差部分に形成される第2面よりも後屈折面側の範囲内に面取り加工具の根本側の端部を配置する場合に、取り加工具の加工具回転軸が第1回転シャフトから遠ざかる方向に伸びた状態となるように制御する。これによって、後屈折面側のエッジを面取り加工する際にコバ面側のエッジが削れてしまうことを抑制できるとともに、第1回転シャフトと第2回転シャフトが互いに干渉することをより抑制できる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、第1面と第2面とが成す交点と、面取り加工具の端部と、が一致する方向に、第1回転シャフトと第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する。例えば、このような調整に、第1面と第2面とが成す交点と、面取り加工具の端部と、の位置を用いることによって、加工具の加工位置等を演算により新たに求め、その位置を利用して眼鏡レンズを加工する等といった複雑な制御をすることなく後屈折面側のエッジを面取り加工することができる。
また、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、眼鏡レンズのコバ面の形状に関する情報を取得し、これに基づいて面取り角度を設定する。これによって、玉型形状の動径角毎に適切な面取り角度を設定して、後屈折面側のエッジを面取り加工することができる。
<変容例>
なお、本実施例においては、平仕上げ加工後のレンズLEの形状(すなわち、玉型形状)が所定の形状よりも小さいと、レンズLEを挟持する第1回転シャフト22と加工具65cとが、面取り加工時に干渉することがある。図11は玉型形状が小さなレンズLEを挟持する第1回転シャフト22と加工具65cとの位置関係を説明する図である。例えば、制御部70は、設定された面取り角度βだけ傾斜させた加工具65cの根本側の端部t1が範囲R内に位置するように第1回転シャフト22を移動させた後、交点Kと端部t1とを結ぶ直線dに沿って、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整する。例えば、このとき、加工具65cの上面側の端部t2に第1回転シャフト22が干渉すると、設定された面取り量で後屈折面側のエッジEbを面取り加工できなくなってしまう。
このため、本実施例においては、面取り加工の開始前に、制御部70が第1回転シャフト22に加工具65cが接触するか否かを判定する構成としてもよい。例えば、判定処理は、面取り加工形状データ及び面取り加工制御データに基づいて行われる。また、例えば、本実施例においては、制御部70がこのような判定結果に基づいて、面取り角度βと面取り量Mとの少なくともいずれかを補正する構成としてもよい。例えば、面取り角度βを補正する場合、制御部70は、設定された面取り量Mで面取り加工ができ、かつ第1回転シャフト22に加工具65cが接触しない角度を演算によって求め、この角度に従って面取り角度βを補正してもよい。また、例えば、面取り量Mを補正する場合、制御部70は、設定された面取り角度βで面取り加工でき、かつ第1回転シャフト22に加工具65cが接触しない面取り量を演算によって求め、この角度に従って面取り量Mを補正してもよい。もちろん、制御部70は、第1回転シャフト22に加工具65cが接触しない角度及び面取り量を演算により求め、これに従って面取り角度βと面取り量Mとの双方を補正してもよい。
このように、例えば、本実施例における眼鏡レンズ加工装置は、第1回転シャフトに面取り加工具が接触するか否かを判定し、その判定結果に基づいて面取り角度と面取り量との少なくともいずれかを補正する。これによって、第1回転シャフトと面取り加工具との接触を抑制するとともに、後屈折面側のエッジに対して好適な面取り加工を施すことができる。
なお、本実施例では、面取り角度βをレンズLEにおける玉型形状の動径角毎に設定する構成としたがこれに限定されない。例えば、面取り角度βは、レンズLEにおける玉型形状に対して一律に設定する構成としてもよい。
また、本実施例では、面取り角度βを第1回転シャフト22の回転中心軸L2と加工具65cの加工具面とが成す角度としたがこれに限定されない。面取り角度は、レンズLEと加工具65cとの相対的な傾斜関係を取得できればよい。図12は面取り角度の変容例を示す図である。例えば、この場合、面取り角度βは、第1回転シャフト22の回転中心軸L2と加工具65cの回転中心軸L1とが成す角度β´であってもよい。なお、本実施例において、加工具65cは円筒形状であり、加工具65cの加工具面と、加工具65cの回転中心軸L1と、は平行となる。すなわち、面取り角度βと面取り角度β´とは等しくなる。
なお、本実施例では、加工具65cの第2回転シャフト(加工具回転軸)45c1がスピンドル保持ユニット30から直線状に伸びているがこれに限定されない。例えば、加工具65cの根本側の端部t1を範囲R内に配置させ、第1面P1と第2面P2との交点Kを端部t1に一致させる方向に調整する際には、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との干渉(保持アーム29とスピンドル45cとの干渉)をより抑制できるような第2回転シャフトの形状であることが好ましい。同様に、例えば、加工具65cの上面側の端部t2を範囲R内に配置させ、第1面P1と第2面P2との交点Kを端部t2に一致させる方向に調整する際にも、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との干渉をより抑制できるような第2回転シャフトの形状であることが好ましい。
例えば、このような第2回転シャフト45c1の形状としては、スピンドル保持ユニット30から第2回転シャフト45c1(あるいはスピンドル45c)が曲線状に伸びた形状や、L字状に伸びた形状であってもよい。もちろん、加工具65cの第2回転シャフト45c1に限らず、各加工具の回転シャフト(加工具回転軸)が上述のような形状であってもよい。
なお、本実施例では、段落ち加工や面取り加工等の各加工ステップにおいて、第1回転シャフト22を移動させることで、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、第2回転シャフト45c1が移動可能に配置され、これを移動させることで、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整する構成であってもよい。もちろん、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との双方が移動することで、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整する構成であってもよい。
なお、本実施例においては、加工具65c(段落ち加工具)を面取り加工具として兼用する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。面取り加工具は、他の加工具を兼用する構成であってもよい。例えば、この場合には、加工具45b(仕上げ加工具)を兼用する構成であってもよい。もちろん、面取り加工具を段落ち加工具や仕上げ加工具とは兼用せず、別途設ける構成としてもよい。
なお、本実施例における眼鏡レンズ加工装置1は、第1回転シャフト22と第2回転シャフト45c1との相対的な位置関係を調整することによって、後屈折面側のエッジEbに面取り加工を施すことが可能であればよい。例えば、このような場合、制御部70は、加工具65cのいずれかの加工具面を、後屈折面側のエッジEbに向けて移動させてもよい。また、例えば、このような場合、制御部70は、本実施例において説明したように、段落ち加工によりレンズLEに形成された第1面と第2面とが成す角度γの範囲R内から、加工具65cの端部tを、第1面P1と第2面P2とが成す交点Kに一致させる方向に移動させてもよい。
なお、本実施例においては、段落ち加工により形成される後屈折面側のエッジEbを面取り加工する構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、粗加工の後にヤゲン仕上げ加工を行い、コバ面にヤゲンを立てたレンズLEに対しても、第1回転シャフト22と回転シャフト45b1との相対的な位置関係を調整することによって、後屈折面側のエッジに面取り加工を施してもよい。
なお、本開示の技術は、本実施例の構成を備える眼鏡レンズ加工装置への適用に限定されない。例えば、特開2015−131374号公報に記載されたような、レンズLEに段差部分を形成させるための砥石を備えた構成の装置においても適用することが可能である。
1 眼鏡レンズ加工装置
3 メモリ
5 ディスプレイ
7 スイッチ部
10 レンズ加工部
21 回転ベース(キャリッジ)
20 レンズチャックユニット
22 第1回転シャフト
25 軸角度変更機構
30 スピンドル保持ユニット
40 第1加工具ユニット
45 第2加工具ユニット
45c スピンドル
45c1 第2回転シャフト
50 レンズ形状測定ユニット
60c 段落ち加工具、面取り加工具
70 制御部
80 X軸駆動機構
85 Z軸駆動機構
90 Y軸駆動機構

Claims (9)

  1. 眼鏡レンズを挟持して回転させるための第1回転シャフトと、
    前記眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具と、
    前記面取り加工具が取り付けられた第2回転シャフトと、
    を有する眼鏡レンズ加工装置であって、
    前記第1回転シャフトの回転中心軸と、前記面取り加工具の加工具面と、が成す角度である面取り角度を設定する面取り角度設定手段と、
    前記面取り角度に基づいて、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する調整手段と、
    前記眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジを、前記調整手段により調整された前記面取り加工具によって面取り加工する制御手段と、
    を備えることを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  2. 請求項1の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記面取り加工具は、前記眼鏡レンズに前記段落ち加工を施すための段落ち加工具であって、
    前記段落ち加工具は、前記眼鏡レンズに前記段落ち加工を施すとともに、前記眼鏡レンズの後屈折面側のエッジを面取り加工することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  3. 請求項1または2の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記制御手段は、前記面取り加工具と、前記段差部分におけるコバ面側のエッジと、が接触しないように、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  4. 請求項3の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記制御手段は、面取り加工時において、前記面取り加工具の端部が、前記段差部分に形成される第1面よりもコバ面側であり、かつ前記段差部分に形成される第2面よりも後屈折面側の範囲内に配置された状態となるように制御することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  5. 請求項4の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記面取り加工具の端部は根本側の端部であって、
    前記制御手段は、面取り加工時において、前記面取り加工具の加工具回転軸が前記第1回転シャフトから遠ざかる方向に伸びた状態となるように制御することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  6. 請求項4または5の眼鏡レンズ加工装置において、
    前記制御手段は、面取り加工時において、前記第1面と前記第2面とが成す交点と、前記面取り加工具の端部と、が一致する方向に、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項の眼鏡レンズ加工装置は、
    前記眼鏡レンズのコバ面の形状に関する情報を取得するためのコバ情報取得手段をさらに備え、
    前記面取り角度設定手段は、前記コバ情報取得手段が取得した前記コバ面の形状に関する情報に基づいて、前記面取り角度を設定することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項の眼鏡レンズ加工装置は、
    前記第1回転シャフトに前記面取り加工具が接触するか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記面取り角度設定手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記面取り角度と、面取り加工面の長さである面取り量と、の少なくともいずれかを補正することを特徴とする眼鏡レンズ加工装置。
  9. 眼鏡レンズを挟持して回転させるための第1回転シャフトと、
    前記眼鏡レンズの周縁に面取り加工を施すための面取り加工具と、
    前記面取り加工具が取り付けられた第2回転シャフトと、
    を有する眼鏡レンズ加工装置において実行される眼鏡レンズ加工プログラムであって、
    前記眼鏡レンズ加工装置のプロセッサに実行されることで、
    前記第1回転シャフトの回転中心軸と、前記面取り加工具の加工具面と、が成す角度である面取り角度を設定する面取り角度設定ステップと、
    前記面取り角度に基づいて、前記第1回転シャフトと前記第2回転シャフトとの相対的な位置関係を調整する調整ステップと、
    前記眼鏡レンズの後面に段落ち加工を施すことにより形成された段差部分における後屈折面側のエッジを、前記調整手段により調整された前記面取り加工具によって面取り加工する制御ステップと、
    を前記眼鏡レンズ加工装置に実行させることを特徴とする眼鏡レンズ加工プログラム。
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