JP2019063812A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】集光点の位置ずれの原因を特定することを可能とするレーザー加工装置を提供すること。【解決手段】レーザー加工装置1は、揺れ検出ユニット60を備える。揺れ検出ユニット60は、チャックテーブル10の保持面11の高さを測定する一対の測定器61−1,61−2と、揺れ情報記録部と、固有情報記録部と、揺れ判定部とを備える。揺れ情報記録部は、チャックテーブル10をX方向に移動させながら一対の測定器61−1,61−2で測定した高さの情報と、測定位置とから、一対の測定器61−1,61−2が同一のX方向の位置で測定した高さの差を求めて揺れ情報として記録する。固有情報記録部は、外的振動の無い状態で得た揺れ情報を固有揺れ情報として記録する。揺れ判定部は、揺れ情報と固有揺れ情報との差が許容範囲を超えているか否かを判定する。【選択図】図6

Description

本発明は、レーザー加工装置に関する。
半導体ウェーハやサファイアなどの光デバイスウェーハ、樹脂パッケージ基板やガラス基板など、各種板状物の加工にレーザー光線を照射するレーザー加工装置が用いられている。半導体ウェーハでは、チップに分割する際に表面のデバイスを形成するLow−k膜(低誘電率絶縁体被膜)などの剥離を抑制するため、Low−k膜をアブレーション加工で予め分断し、その後に切削ブレードなどで分割する加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線をウェーハ内部に集光点を位置付けて照射し、ウェーハ内部に破断起点となる改質層を形成して破断する加工方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1及び特許文献2の加工方法において、集光点の位置がずれると、所望の加工結果が得られない。特に、内部に改質層を形成する場合、ウェーハの屈折率によって、集光点の位置が機械的に1μmずれると、実際に形成される集光点の位置が4μm以上ずれてしまい、破断出来なくなったりする場合がある。そこで、ウェーハの高さを予め測定した後、測定された高さに応じて集光点の位置を補正しつつレーザー加工を実施する加工装置が、考案された(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−64230号公報 特許第3408805号公報 特開2009−063446号公報
しかしながら、特許文献3等に記載されたレーザー加工装置は、設置されるフロア自体即ち床自体が振動しやすい工場で用いられると、装置全体が振動して、レーザー光線照射ユニットとチャックテーブルとの距離が変わってしまい、集光点の位置が変動してしまう恐れがある。しかしながら、特許文献3に記載されたレーザー加工装置は、ウェーハの高さを測定するだけであるので、集光点の位置ずれの原因が、加工送りユニット特有の揺れ(チャックテーブルを加工送りする際のピッチング方向又はヨーイング方向の揺れ)であるのか、床自体の振動であるのか、原因の特定が困難であった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、集光点の位置ずれの原因を特定することを可能とするレーザー加工装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、ウェーハを保持面で保持するチャックテーブルと、集光レンズで集光したレーザー光線を該チャックテーブルに保持したウェーハに照射するレーザー光線照射ユニットと、該チャックテーブルを該保持面と平行な方向に加工送りさせる加工送りユニットと、装置固有の揺れを検出する揺れ検出ユニットと、を備えるレーザー加工装置であって、該揺れ検出ユニットは、該集光レンズを挟み加工送り方向で前後となる位置に、該集光レンズを含む集光器に固定され、該チャックテーブルの該保持面又は該チャックテーブルに保持されたウェーハの高さを測定する一対の測定器と、該チャックテーブルをX方向に加工送りしながら該一対の測定器で測定した高さの情報と、高さを測定した時の該測定器の該保持面におけるX座標情報とから、該一対の測定器が同一のX座標で測定した該高さの差を求め、該レーザー加工装置の揺れ情報として記録する揺れ情報記録部と、該レーザー加工装置が外的振動の無い状態で得た、該加工送りユニットの個性を含む該揺れ情報を該レーザー加工装置固有の固有揺れ情報として記録する固有情報記録部と、ウェーハを加工する生産現場で測定した該揺れ情報と、該固有情報記録部の該固有揺れ情報との差が許容範囲を超えているか否かを判定する揺れ判定部と、を備えることを特徴とする。
前記レーザー加工装置において、該レーザー光線照射ユニットは、該ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を、ウェーハの内部に集光点を位置付けて照射しても良い。
前記レーザー加工装置において、該測定器は、レーザー変位計でも良い。
本願発明のレーザー加工装置は、集光点の位置ずれの原因を特定することを可能とすることができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の概略の構成例を示す斜視図である。 図2は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザー光線照射ユニットの構成を示す図である。 図3は、図1に示されたレーザー加工装置のチャックテーブルの保持面の座標を示す図である。 図4は、図1に示されたレーザー加工装置のウェーハの加工中の状態を一部断面で示す側面図である。 図5は、図1に示されたレーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法を示すフローチャートである。 図6は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップ及び加工環境下情報記録ステップを示す側面図である。 図7は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける一方の測定器の測定結果を示す図である。 図8は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の一例を示す図である。 図9は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の他の例を示す図である。 図10は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおいて記録した固有揺れ情報を示す図である。 図11は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける一方の測定器の測定結果を示す図である。 図12は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の一例を示す図である。 図13は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の他の例を示す図である。 図14は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおいて記録した揺れ情報を示す図である。 図15は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の算出ステップにおいて算出された揺れ情報と固有揺れ情報との差を示す図である。 図16は、実施形態1の変形例に係る集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップを示す側面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るレーザー加工装置を図面に基づいて説明する。図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の概略の構成例を示す斜視図である。図2は、図1に示されたレーザー加工装置のレーザー光線照射ユニットの構成を示す図である。図3は、図1に示されたレーザー加工装置のチャックテーブルの保持面の座標を示す図である。図4は、図1に示されたレーザー加工装置のウェーハの加工中の状態を一部断面で示す側面図である。
実施形態1に係るレーザー加工装置1は、ウェーハ200をレーザー加工する装置である。実施形態1に係るウェーハの加工方法の加工対象であるウェーハ200は、実施形態1ではシリコン、サファイア、ガリウムヒ素などを基板201とする円板状の半導体ウェーハや光デバイスウェーハである。ウェーハ200は、図1に示すように、交差(実施形態1では、直交)する複数の分割予定ライン202で区画された表面203の各領域にそれぞれデバイス204が形成されている。
ウェーハ200は、デバイス204が複数形成されている表面203に粘着テープ210が貼着され、粘着テープ210の外縁が環状フレーム211に貼着されることで、環状フレーム211の開口に粘着テープ210で支持される。実施形態1において、ウェーハ200は、環状フレーム211の開口に粘着テープ210で支持された状態で、分割予定ライン202に沿ってレーザー加工等が施されて、個々のデバイス204に分割される。
図1に示すレーザー加工装置1は、ウェーハ200に対して透過性を有する波長のレーザー光線220(図2に示す)をウェーハ200の裏面206側から各分割予定ライン202に沿って照射し、ウェーハ200の内部に破断起点となる改質層300を形成する装置である。なお、改質層300とは、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲のそれとは異なる状態になった領域のことを意味し、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域、及びこれらの領域が混在した領域等を例示できる。実施形態1において、改質層300は、ウェーハ200の裏面206から所定の深さ301となる位置に形成される。なお、深さ301は、分割予定ライン202に全長に亘って一定である。
レーザー加工装置1は、図1に示すように、ウェーハ200を保持面11で保持するチャックテーブル10と、レーザー光線照射ユニット20と、チャックテーブル10を保持面11と平行な方向であるX方向に加工送りさせる加工送りユニットであるX軸移動ユニット30と、チャックテーブル10を保持面11と平行でかつX方向と直交する方向であるY方向に割り出し送りさせる割り出し送りユニットであるY軸移動ユニット40と、撮像ユニット50と、揺れ検出ユニット60とを備える。
チャックテーブル10は、粘着テープ210を介してウェーハ200の表面203側を保持面11で保持する。保持面11は、ポーラスセラミック等から形成された円盤形状であり、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続されている。チャックテーブル10は、保持面11上に載置されたウェーハ200を吸引保持する。実施形態1では、保持面11は、水平方向と平行な平面である。チャックテーブル10の周囲には、ウェーハ200の周囲の環状フレーム211を挟持するクランプ部12が複数配置されている。また、チャックテーブル10は、回転ユニット13によりZ方向と平行な中心軸線回りに回転される。回転ユニット13及びチャックテーブル10は、X軸移動ユニット30によりX方向に移動される。
X軸移動ユニット30、及びY軸移動ユニット40は、軸心回りに回転自在に設けられた周知のボールねじ31,41、ボールねじ31,41を軸心回りに回転させる周知のパルスモータ32,42及びチャックテーブル10をX方向、又はY方向に移動自在に支持する周知のガイドレール33,43を備える。
また、レーザー加工装置1は、チャックテーブル10のX方向の位置を検出するため図示しないX方向位置検出ユニットと、チャックテーブル10のY方向の位置を検出するための図示しないY方向位置検出ユニットとを備える。X方向位置検出ユニット及びY方向位置検出ユニットは、X方向、又はY方向と平行に設置されたリニアスケールと、X方向、又はY方向にチャックテーブル10を移動する移動基台に設置されたリニアスケールを読み取る読み取りヘッドとにより構成することができる。X方向位置検出ユニット、及びY方向位置検出ユニットは、チャックテーブル10のX方向又はY方向の位置を揺れ検出ユニット60の制御ユニット100に出力する。
レーザー光線照射ユニット20は、図2に示すように、集光レンズ21で集光したレーザー光線220をチャックテーブル10に保持したウェーハ200に照射するユニットである。また、レーザー光線照射ユニット20は、ウェーハ200に対して透過性を有する波長のレーザー光線220を、ウェーハ200の内部の裏面206から所定の深さ301となる位置に集光点221を位置付けて照射し、ウェーハ200の内部に分割予定ライン202に沿った改質層300を形成するユニットでもある。
レーザー光線照射ユニット20は、図1に示す集光器22と、図2に示す発振器23と、集光点位置調整ユニット24とを備える。集光器22は、レーザー加工装置1の装置本体2から立設した壁部3に連なった支持柱4の先端に取り付けられている。集光器22は、支持柱4の先端に取り付けられた加工ヘッド25と、加工ヘッド25内に収容された集光レンズ21とを含む。集光レンズ21は、チャックテーブル10の保持面11に対向して配置され、レーザー光線220をウェーハ200の内部に集光する。
発振器23は、レーザー光線220を発振し、発振したレーザー光線220をダイクロイックミラー26を介して、集光器22の先端からチャックテーブル10に保持されたウェーハ200に照射する。ダイクロイックミラー26は、発振器23と集光レンズ21との間におけるレーザー光線220の光路上に配置されている。ダイクロイックミラー26は、レーザー光線220を集光レンズ21に向けて反射する。発振器23が発振するレーザー光線220は、例えば、YAGレーザー光線またはYVOレーザー光線である。実施形態1において、レーザー光線220の波長は、例えば、1064nmであるが、これに限定されない。
集光点位置調整ユニット24は、レーザー光線220の集光点221の位置をZ方向に変位させるものである。集光点位置調整ユニット24は、集光レンズ21を保持するレンズホルダ27と、レンズホルダ27をZ方向に移動させる駆動ユニット28とを備える。駆動ユニット28は、周知のボールねじやパルスモータ、ピエゾモータにより構成される。
撮像ユニット50は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200を撮像するものであり、レーザー光線照射ユニット20とX方向に並列する位置に配設されている。実施形態1では、撮像ユニット50は、支持柱4の先端に取り付けられている。撮像ユニット50は、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラや赤外線カメラにより構成される。
揺れ検出ユニット60は、レーザー加工装置1の装置固有の揺れを検出するユニットである。装置固有の揺れとは、X軸移動ユニット30がX方向にチャックテーブル10を移動した際にX軸移動ユニット30のボールねじ31及びガイドレール33の寸法誤差、及びレーザー加工装置1に作用する外的な振動を原因として、保持面11が設計上定められた正規の位置から僅かにZ方向とY方向との少なくとも一方に移動する移動量をいう。X軸移動ユニット30のボールねじ31及びガイドレール33の寸法誤差は、X軸移動ユニット30の個性に相当する。ボールねじ31が軸心回りに回転されてチャックテーブル10がX方向に移動するために、保持面11は、チャックテーブル10がX方向に移動するのにしたがって、多くの場合、Z方向又はY方向の位置が周期的に変化する正弦波上を移動する。なお、実施形態1において、揺れ検出ユニット60は、保持面11のZ方向の移動量、即ち、Z方向の装置固有の揺れを検出する。揺れ検出ユニット60は、一対の測定器61と、制御ユニット100とを備える。
測定器61は、集光レンズ21を挟み加工送り方向であるX方向で前後となる位置に設けられ、集光器22の加工ヘッド25の外周面に固定されている。即ち、一対の測定器61は、X方向に間隔をあけて配置され、互いの間に集光器22の加工ヘッド25を位置付けている。測定器61は、チャックテーブル10の保持面11に対向して配置され、チャックテーブル10の保持面11又はチャックテーブル10に保持されたウェーハ200の裏面206に測定用レーザー光線400を照射する。測定器61は、チャックテーブル10の保持面11又は保持面11に保持されたウェーハ200の裏面206で反射された反射光を受光して、保持面11又はウェーハ200の裏面206の高さを測定する。なお、本発明では、高さは、設計上定められた正規の位置の保持面11を基準(0μm)としたZ方向の位置である。実施形態1において、測定器61は、正規の位置の保持面11を基準とした保持面11又はウェーハ200の裏面206のZ方向の位置を検出するレーザー変位計である。各測定器61は、測定結果を制御ユニット100に出力する。
制御ユニット100は、レーザー加工装置1の上述した構成要素をそれぞれ制御して、ウェーハ200に対する加工動作をレーザー加工装置1に実施させるものである。なお、制御ユニット100は、コンピュータである。制御ユニット100は、加工動作の状態や画像などを表示する液晶表示装置などにより構成される図示しない表示ユニットと、オペレータが加工内容情報などを登録する際に用いる図示しない入力ユニットと、図示しない報知ユニットとが接続されている。入力ユニットは、表示ユニットに設けられたタッチパネルと、キーボード等の外部入力装置とのうち少なくとも一つにより構成される。
制御ユニット100は、各測定器61が保持面11又はウェーハ200の裏面206の高さを測定している間において、X方向位置検出ユニット及びY方向位置検出ユニットの検出結果等に基づいて、各測定器61が高さを測定した保持面11又はウェーハ200の裏面206の位置を算出することができる。なお、各測定器61が高さを測定した保持面11又はウェーハ200の裏面206の位置とは、高さを測定した時に各測定器61がZ方向に対向する位置である。また、制御ユニット100は、保持面11又はウェーハ200の裏面206の各位置を、例えば、図3に示すように、X方向とY方向とで定められる座標で規定している。即ち、図3に示す座標は、予め定められた基準位置からのX方向及びY方向の距離により保持面11又はウェーハ200の裏面206の任意の位置を規定する。なお、図3は、保持面11上のレーザー光線220の集光点221の位置222と、一対の測定器61が高さを測定した測定位置401との一例を示している。このように、実施形態1において、保持面11上のレーザー光線220の集光点221の位置222と、一対の測定器61が高さを測定した測定位置401とは、X方向に並ぶこととなる。なお、測定位置401は、高さを測定した時の測定器61の保持面11におけるX座標情報である。
制御ユニット100は、図1に示すように、固有情報記録部101と、揺れ情報記録部102と、揺れ判定部103とを備える。
固有情報記録部101は、レーザー加工装置1が外的振動の無い状態で、チャックテーブル10をX方向に加工送りしながら一対の測定器61で保持面11の高さを測定して得た揺れ情報500をレーザー加工装置1固有の固有揺れ情報600として記録するものである。揺れ情報500は、チャックテーブル10をX方向に加工送りしながら一対の測定器61で測定した保持面11の高さの情報と、測定器61が測定した時の測定位置401のX方向の位置の情報とから、一対の測定器61が同一のX座標であるX方向の位置で測定した保持面11の高さの差を求めて得られる。固有情報記録部101は、レーザー加工装置1が外的振動の無い状態で得た、揺れ情報500をレーザー加工装置1固有の固有揺れ情報600として記録する。高さの情報は、測定器61と測定対象物(この場合は保持面11)との距離を示している。また、外的振動のない状態とは、例えばレーザー加工装置1の生産工場で、剛性が確保された床面で、外的要因により集光器22とチャックテーブル10との距離に変化が発生しない、または加工不良が発生しない状態である。
なお、揺れ情報500,600は、X方向の各位置と、一対の測定器61で測定して得られた高さの差とを対応付けた情報である。なお、一対の測定器61が保持面11の同じ位置を測定しても、一対の測定器61が同じ位置を測定する間にチャックテーブル10がX軸移動ユニット30によってX方向に移動しているために、ボールねじ31やガイドレール33の寸法誤差を原因として、一対の測定器61で測定した高さ同士に差が生じることがある。チャックテーブル10が軸心回りに回転されてチャックテーブル10が移動するために、一対の測定器61で測定した高さ同士の差は、X方向に対して周期的に変化する正弦波となる。
また、レーザー加工装置固有の固有揺れ情報600は、レーザー加工装置1に外的振動が作用することが規制された状態で得られる情報であるために、主に、X軸移動ユニット30のボールねじ31及びガイドレール33の寸法誤差を含むこととなる。
揺れ情報記録部102は、レーザー加工装置1がウェーハ200をレーザー加工する生産現場に設置された状態で、チャックテーブル10をX方向に加工送りしながら一対の測定器61で保持面11の高さを測定した保持面11の高さの情報と、測定器61が測定した時の測定位置401のX方向の位置の情報とから、一対の測定器61が同一のX座標であるX方向の位置で測定した保持面11の高さの差を求め、レーザー加工装置1の揺れ情報500として、記録するものである。揺れ情報記録部102が記録する揺れ情報500は、レーザー加工装置1がウェーハ200をレーザー加工する生産現場に設置された状態で得られる情報であるために、X軸移動ユニット30のボールねじ31及びガイドレール33の寸法誤差を含むこととなるので、X方向に対して周期的に変化する正弦波となる。
揺れ判定部103は、揺れ情報記録部102が生産現場で測定し、記録した揺れ情報500と、固有情報記録部101が測定し、記録したレーザー加工装置1固有の固有揺れ情報600との差を算出する。揺れ判定部103は、算出した差が許容範囲800(図10等に示す)を超えているか否かを判定する。また、本発明では、揺れ判定部103は、レーザー加工装置1固有の固有揺れ情報600が許容範囲800を超えているか否かを判定しても良い。なお、揺れ情報記録部102が生産現場で測定し、記録した揺れ情報500と、固有情報記録部101が測定し記録したレーザー加工装置1固有の固有揺れ情報600との差は、揺れ情報500,600それぞれが前述した正弦波であるので、X方向に対して周期的に変化する正弦波となる。
また、レーザー加工装置1は、レーザー加工前後のウェーハ200を収容するカセット70が載置されかつカセット70をZ軸方向に移動させるカセットエレベータ71と、レーザー加工後のウェーハ200を洗浄する洗浄ユニット80と、ウェーハ200をカセット70とチャックテーブル10と洗浄ユニット80との間で搬送する搬送ユニット90とを備える。
次に、実施形態1に係るレーザー加工装置1の加工動作について説明する。加工動作では、オペレータが加工内容情報を制御ユニット100に登録し、ウェーハ200を収容したカセット70をカセットエレベータ71に設置し、オペレータから加工動作の開始指示があると、制御ユニット100は、加工動作を開始する。
加工動作では、制御ユニット100は、搬送ユニット90にレーザー加工前のウェーハ200をカセット70から取り出させてチャックテーブル10に載置させ、チャックテーブル10の保持面11にウェーハ200を吸引保持するとともに、クランプ部12に環状フレーム211をクランプさせる。制御ユニット100は、X軸移動ユニット30によりチャックテーブル10をレーザー光線照射ユニット20の下方に向かって移動して、撮像ユニット50の下方にチャックテーブル10に保持されたウェーハ200を位置付け、撮像ユニット50にウェーハ200を撮像させる。制御ユニット100が、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200の分割予定ライン202と、レーザー光線照射ユニット20の集光器22との位置合わせを行なうためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、チャックテーブル10に保持されたウェーハ200と集光器22との相対位置を調整する。
そして、制御ユニット100は、加工内容情報に基づいて、X軸移動ユニット30とY軸移動ユニット40と回転ユニット13により、集光器22とウェーハ200とを分割予定ライン202に沿って相対的に移動させて、ウェーハ200に分割予定ライン202に沿った改質層300を形成する。制御ユニット100は、改質層300を形成する際には、図4に示すように、チャックテーブル10をX軸移動ユニット30にX方向に移動させながらレーザー光線照射ユニット20の集光器22からレーザー光線220を照射する。また、制御ユニット100は、改質層300を形成する際には、一対の測定器61のうちのウェーハ200に対する集光器22の相対的な移動方向の前方側の一方の測定器61の測定結果に基づいて、駆動ユニット28を制御して、集光点221を裏面206から所定の深さ301になる位置に位置付ける。なお、図4は、一対の測定器61の双方が測定用レーザー光線400を照射する例を示しているが、本発明では、ウェーハ200に対する集光器22の相対的な移動方向の前方側の一方の測定器61のみが測定用レーザー光線400を照射しても良い。また、本発明では、制御ユニット100は、一対の測定器61でレーザー加工と同時に測定する以外に、予め、測定器61で分割予定ライン202を走査し、分割予定ライン202に沿ったウェーハ200の高さを測定しておき、その測定結果に応じて集光点221の高さを制御しつつレーザー光線220を照射しても良い。
制御ユニット100は、すべての分割予定ライン202に沿って改質層300を形成すると、チャックテーブル10をレーザー光線照射ユニット20の集光器22の下方から退避させた後、チャックテーブル10の吸引保持を解除させるとともにクランプ部12のクランプを解除させる。制御ユニット100は、搬送ユニット90にレーザー加工後のウェーハ200を洗浄ユニット80に搬送させ、洗浄ユニット80で洗浄した後カセット70に収容する。制御ユニット100は、カセット70に収容されたすべてのウェーハ200に改質層300を形成すると、加工動作を終了する。
次に、実施形態1に係るレーザー加工装置1の集光点のZ方向の位置ずれの原因を特定する集光点の位置ずれ原因特定方法について説明する。図5は、図1に示されたレーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法を示すフローチャートである。
集光点の位置ずれ原因特定方法は、図5に示すように、固有情報記録ステップST1と、加工環境下情報記録ステップST2と、算出ステップST3と、揺れ判定ステップST4とを含む。
(固有情報記録ステップ)
図6は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップ及び加工環境下情報記録ステップを示す側面図である。図7は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける一方の測定器の測定結果を示す図である。図8は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の一例を示す図である。図9は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の他の例を示す図である。図10は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の固有情報記録ステップにおいて記録した固有揺れ情報を示す図である。
固有情報記録ステップST1は、固有揺れ情報600を記録するステップである。固有情報記録ステップST1は、例えば、レーザー加工装置1の製造会社の当該レーザー加工装置1の製造後、ウェーハ200をレーザー加工する生産現場に設置されてウェーハ200のレーザー加工前、又は、生産現場において所定枚数のウェーハ200をレーザー加工する度に実施される。
固有情報記録ステップST1では、まず、オペレータ等がフロア上に振動計を設置し、フロアが振動していないことを確認する。固有情報記録ステップST1は、フロアが振動していないレーザー加工装置1に外的振動が作用することが規制された状態で、オペレータから固有揺れ情報600を記録開始する指示があると、制御ユニット100は、固有の揺れ情報500の記録を開始する。
実施形態1において、固有情報記録ステップST1において、制御ユニット100は、ウェーハ200の非レーザー加工中の保持面11にウェーハ200を保持していない状態で、図6に示すように、レーザー光線照射ユニット20から離間した位置からX軸移動ユニット30にチャックテーブル10をレーザー光線照射ユニット20に近付く方向に所定の加工送り速度でX方向に加工送りしながら一対の測定器61から測定用レーザー光線400を照射させる。なお、所定の加工送り速度は、例えば、100mm/s、200mm/s、又は300mm/s等のウェーハ200をレーザー加工する際の加工送り速度であるのが望ましい。
固有情報記録ステップST1では、制御ユニット100の固有情報記録部101は、一対の測定器61のうちのチャックテーブル10に対する相対的な移動方向の前側の一方の測定器61(以下、符号61−1で記す)が、チャックテーブル10の保持面11の高さの測定を開始すると測定結果の記録を開始する。実施形態1において、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図7に示すように、一方の測定器61−1が測定した保持面11の高さを、所定距離毎記録するとともに、保持面11の測定開始からの経過時間と対応付けて記録する。また、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図7に示すように、一方の測定器61−1が測定した保持面11の高さをX方向位置検出ユニットの検出結果等に基づいて算出した測定位置401のX方向の位置と対応付けて記録する。
固有情報記録ステップST1では、制御ユニット100の固有情報記録部101は、一方の測定器61−1が保持面11の高さの測定を開始すると、一対の測定器61のうちのチャックテーブル10に対する相対的な移動方向の後側の他方の測定器61(以下、符号61−2で記す)の測定結果の記録を開始する。なお、実施形態1において、制御ユニット100の固有情報記録部101は、他方の測定器61−2が保持面11の高さを測定開始するまで測定結果を零と記録する。なお、図8中の範囲900内において、他方の測定器61−2が照射した測定用レーザー光線400は保持面11に照射されていない。
実施形態1において、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図8に示すように、他方の測定器61−2が測定した保持面11の高さを、所定距離毎記録するとともに、一方の測定器61−1の保持面11の高さの測定開始からの経過時間と対応付けて記録する。また、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図9に示すように、他方の測定器61−2が測定した保持面11の高さを、測定位置401のX方向の位置と対応付けて記録する。
固有情報記録ステップST1では、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図7に示す一方の測定器61−1の測定結果の保持面11の高さから図8及び図9に示す他方の測定器61−2の測定結果の保持面11の高さを引く。制御ユニット100の固有情報記録部101は、図7に示す保持面11の高さから図8及び図9に示す保持面11の高さを引く際には、X方向の同一位置の高さを用いる。こうして、固有情報記録ステップST1では、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図7に示す保持面11の高さの情報と図8及び図9に示す保持面11の高さの情報とを用いて、一対の測定器61−1,61−2で測定した高さの情報と、高さを測定した時の測定位置401の情報とから、一対の測定器61−1,61−2が同一のX方向の位置で測定した保持面11の高さの差を求め、図10に示す固有揺れ情報600として記録する。
なお、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図10に示すように、固有揺れ情報600では、保持面11の高さの差をX方向の位置と対応付けて記録する。図10中の直線状の固有揺れ情報600は、X軸移動ユニット30のボールねじ31及びガイドレール33の寸法誤差がない状態の保持面11の高さの差を示している。多くの場合、固有揺れ情報600は、一方の測定器61−1が測定してから他方の測定器61−2が同一位置を測定するまでに、チャックテーブル10が移動しているために、図10の点線で示すように、保持面11の高さの差がX方向の位置に応じて周期的に変化する。制御ユニット100の固有情報記録部101は、図10に示す固有揺れ情報600を記録すると、固有情報記録ステップST1を終了する。
なお、実施形態1において、固有情報記録ステップST1では、制御ユニット100は、揺れ判定部103が、固有揺れ情報600が予め定められる許容範囲800を超えているか否かを判定しても良い。揺れ判定部103は、固有揺れ情報600の最大値が許容最大値801以下であり、かつ最小値が許容最小値802以上であると、固有揺れ情報600が許容範囲800内であると判定する。揺れ判定部103は、固有揺れ情報600の最大値が許容最大値801を超え、又は最小値が許容最小値802を下回ると、固有揺れ情報600が許容範囲800外であると判定して、制御ユニット100に接続した報知ユニットにエラー信号を出力し、報知ユニットが報知する。そして、オペレータ等がレーザー加工装置1の再組み立て、又は整備等を実施する。なお、許容最大値801及び許容最小値802は、レーザー加工装置1の集光点221のZ軸方向の許容される位置ずれ量等により設定される。また、本発明では、チャックテーブル10の保持面11の高さを測定する以外に、チャックテーブル10の保持面11にウェーハ200などの板状物を載置して、ウェーハ200などの板状物の高さを測定しても良い。この場合、ポーラス状のチャックテーブル10の保持面11の凹凸が非常に大きい場合であっても、高さを測定することができる。使用するウェーハ200などの板状物は、面内厚さばらつきがほぼ無いような高精度なウェーハ200にかぎらず、TEG(Test Element Group)などを有して多少の凹凸があるウェーハ200でも良い。本発明のレーザー加工装置1及び集光点の位置ずれ原因特定方法は、一対の測定器61−1,61−2の測定結果の差で判定するため、測定対象物の多少の凹凸が大きな問題にならないからである。
(加工環境下情報記録ステップ)
図11は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける一方の測定器の測定結果を示す図である。図12は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の一例を示す図である。図13は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおける他方の測定器の測定結果の他の例を示す図である。図14は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップにおいて記録した揺れ情報を示す図である。
加工環境下情報記録ステップST2は、揺れ情報500を記録するステップである。加工環境下情報記録ステップST2は、例えば、レーザー加工装置1がウェーハ200を加工する生産現場で、ウェーハ200の加工中に集光点221の位置ずれが発生したことが疑われる時等に実施される。加工環境下情報記録ステップST2では、オペレータから揺れ情報500を記録開始する指示があると、制御ユニット100は、揺れ情報500の記録を開始する。
実施形態1において、加工環境下情報記録ステップST2において、制御ユニット100は、ウェーハ200の非レーザー加工中の保持面11にウェーハ200を保持していない状態で、図6に示すように、レーザー光線照射ユニット20から離間した位置からX軸移動ユニット30にチャックテーブル10をレーザー光線照射ユニット20に近付く方向に所定の加工送り速度でX方向に加工送りしながら一対の測定器61−1,61−2から測定用レーザー光線400を照射させる。なお、所定の加工送り速度は、例えば、100mm/s、200mm/s、又は300mm/s等のウェーハ200をレーザー加工する際の加工送り速度であるのが望ましい。
加工環境下情報記録ステップST2では、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、チャックテーブル10に対する相対的な移動方向の前側の一方の測定器61−1が、チャックテーブル10の保持面11の高さの測定を開始すると測定結果の記録を開始する。実施形態1において、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図11に示すように、一方の測定器61−1が測定した保持面11の高さを、所定距離毎記録するとともに、保持面11の測定開始からの経過時間と対応付けて記録する。また、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図11に示すように、一方の測定器61−1が測定した保持面11の高さを、測定位置401のX方向の位置と対応付けて記録する。
加工環境下情報記録ステップST2では、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、一方の測定器61−1が保持面11の高さの測定を開始すると、チャックテーブル10に対する相対的な移動方向の後側の他方の測定器61−2の測定結果の記録を開始する。なお、実施形態1において、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、他方の測定器61−2が保持面11の高さを測定開始するまで測定結果を零と記録する。なお、図12中の範囲901内において、他方の測定器61−2が照射した測定用レーザー光線400は保持面11に照射されていない。
実施形態1において、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図12に示すように、他方の測定器61が測定した保持面11の高さを、所定距離毎記録するとともに、一方の測定器61−1の保持面11の測定開始からの経過時間と対応付けて記録する。また、制御ユニット100の固有情報記録部101は、図13に示すように、他方の測定器61−2が測定した保持面11の高さを、測定位置401のX方向の位置と対応付けて記録する。
加工環境下情報記録ステップST2では、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図11に示す一方の測定器61−1の測定結果の保持面11の高さから図13に示す他方の測定器61−2の測定結果の保持面11の高さを引く。制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図11に示す保持面11の高さから図13に示す保持面11の高さを引く際には、X方向の同一位置の高さを用いる。こうして、加工環境下情報記録ステップST2では、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図11に示す保持面11の高さの情報と図13に示す保持面11の高さの情報とを用いて、一対の測定器61−1,61−2で測定した高さの情報と、高さを測定した時の測定位置401の情報とから、一対の測定器61−1,61−2が同一のX方向の位置で測定した保持面11の高さの差を求め、図14に示す揺れ情報500として記録する。
なお、制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図14に示すように、揺れ情報500では、保持面11の高さの差をX方向の位置と対応付けて記録する。図14に示す揺れ情報500は、多くの場合、保持面11の高さの差がX方向の位置に応じて周期的に変化する。制御ユニット100の揺れ情報記録部102は、図10に示す揺れ情報500を記録すると、加工環境下情報記録ステップST2を終了する。また、実施形態1において、加工環境下情報記録ステップST2では、制御ユニット100は、揺れ判定部103が、固有情報記録ステップST1の固有揺れ情報600と同様に、揺れ情報500が予め定めされる許容範囲800を超えているか否かを判定しても良い。
(算出ステップ)
図15は、図5に示された集光点の位置ずれ原因特定方法の算出ステップにおいて算出された揺れ情報と固有揺れ情報との差を示す図である。
算出ステップST3は、固有情報記録ステップST1及び加工環境下情報記録ステップST2の実施後に、生産現場で測定した揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700を算出するステップである。算出ステップST3では、制御ユニット100の揺れ判定部103が、図15に示す揺れ情報500の各X方向の位置の高さの差から図10に示す固有揺れ情報600の各X方向の位置の高さの差を引いて、図15に示すように、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700を算出する。図15に示す揺れ情報500の各X方向の位置の高さの差から図10に示す固有揺れ情報600の各X方向の位置の高さの差を引く際には、揺れ情報500,600のX方向の位置が同一である高さの差の値を用いる。制御ユニット100の揺れ判定部103が、図15に示す揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700を算出すると、算出ステップST3を終了する。
(揺れ判定ステップ)
揺れ判定ステップST4は、算出ステップST3で算出した揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800を超えているか否かを判定するステップである。揺れ判定ステップST4では、制御ユニット100の揺れ判定部103が、固有情報記録ステップST1の固有揺れ情報600と同様に、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が予め定めされる許容範囲800を超えているか否かを判定する。なお、図15は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800外である場合を示している。
制御ユニット100の揺れ判定部103は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800内であると判定すると、集光点の位置ずれ原因特定方法を終了する。制御ユニット100の揺れ判定部103は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800外であると判定すると、報知ユニットにエラー信号を出力し、報知ユニットが報知して、集光点の位置ずれ原因特定方法を終了する。そして、オペレータ等がレーザー加工装置1が設置された生産現場の整備等を実施する。
前述したレーザー加工装置1の制御ユニット100は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有する。制御ユニット100の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザー加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してレーザー加工装置1の上述した構成要素に出力する。情報記録部101,102の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行し、揺れ情報500,600等を記憶装置に記録することにより実現される。揺れ判定部103の機能は、演算処理装置が記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
以上説明したように、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、X方向で集光レンズ21の前後となる位置に一対の測定器61−1,61−2を設け、レーザー加工装置1に外的振動が作用することが規制された状態で、チャックテーブル10をX軸移動ユニット30によりX方向に移動させて、一対の測定器61−1,61−2の双方で保持面11の高さを測定して、固有揺れ情報600を記録する。このために、レーザー加工装置1は、レーザー加工装置1固有の揺れである固有揺れ情報600を予め取得することができる。
レーザー加工装置1は、生産現場で、ウェーハ200の加工中に集光点221の位置ずれが発生したことが疑われる時等に固有揺れ情報600と同様に揺れ情報500を取得する。揺れ情報500は、生産現場のフロアの振動などを含む。レーザー加工装置1は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700を算出する。このために、レーザー加工装置1は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800外である場合に、固有揺れ情報600が許容範囲800内であると、集光点221の位置ずれの原因がフロアの振動であると特定できる。このように、レーザー加工装置1は、生産現場の振動が集光点221の位置ずれの原因であることを特定することができる。このように、レーザー加工装置1は、固有揺れ情報600と揺れ情報500とを記録することで、集光点221の位置ずれの原因がレーザー加工装置1固有の揺れであるか生産現場の振動であるかを特定することができる。
また、レーザー加工装置1は、固有揺れ情報600が許容範囲800を超えているか否かを判定することで、レーザー加工装置1固有の揺れが集光点221の位置ずれの原因であることを容易に特定することができる。
また、レーザー加工装置1は、揺れ情報500と固有揺れ情報600との差700が許容範囲800外であると判定した際に、報知ユニットで報知するので、オペレータが集光点221の位置ずれを容易に把握することができる。
また、レーザー加工装置1は、レーザー光線照射ユニット20がウェーハ200に対して透過性を有する波長のレーザー光線220を照射するので、アブレーション加工よりも集光点221が位置ずれが抑制されることが求められる改質層300を形成する装置に対して有効である。
また、レーザー加工装置1は、測定器61−1,61−2がレーザー変位計であるために、正規の保持面11の高さを基準として、保持面11の高さを容易に取得することができる。
また、レーザー加工装置1は、ウェーハ200をレーザー加工する加工送り速度でチャックテーブル10を移動させて、固有揺れ情報600及び揺れ情報500を記録するので、レーザー加工時の加工送り速度で集光点221の位置ずれが許容範囲800を超えているか否かを把握することができる。
なお、前述した実施形態1に係るレーザー加工装置によれば、以下のレーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法が得られる。
(付記1)
ウェーハを保持面で保持するチャックテーブルと、集光レンズで集光したレーザー光線を該チャックテーブルに保持したウェーハに照射するレーザー光線照射ユニットと、該チャックテーブルを該保持面と平行な方向に加工送りさせる加工送りユニットと、を備えるレーザー加工装置のレーザー光線の集光点の位置ずれ原因特定方法であって、
該レーザー加工装置に外的振動が作用することが規制された状態で、該チャックテーブルをX方向に加工送りしながら、該集光レンズを挟み加工送り方向で前後となる位置に設けられた一対の測定器で測定した高さの情報と、高さを測定した時の該測定器の該保持面におけるX座標情報とから、該一対の測定器が同一のX座標で測定した該高さの差を求め、該レーザー加工装置固有の固有揺れ情報として記録する固有情報記録ステップと、
該レーザー加工装置が該ウェーハを加工する生産現場で、該チャックテーブルをX方向に加工送りしながら、該一対の測定器で測定した高さの情報と、高さを測定した時の該測定器の該保持面におけるX座標情報とから、該一対の測定器が同一のX座標で測定した該高さの差を求め、振れ情報として記録する加工環境下情報記録ステップと、
該生産現場で測定した該揺れ情報と該固有揺れ情報との差を算出する算出ステップと、を含むことを特徴とするレーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法。
(付記2)
該生産現場で測定した該揺れ情報と該固有揺れ情報との差が許容範囲を超えているか否かを判定する揺れ判定ステップを含むことを特徴とする付記1に記載のレーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法。
上記レーザー加工装置の集光点の位置ずれ原因特定方法は、実施形態1に係るレーザー加工装置と同様に、揺れ情報と固有揺れ情報とを記録して、差を算出するので、集光点の位置ずれの原因が装置固有の揺れであるか生産現場の振動であるかを特定することができるという効果を奏する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本発明は、例えば、図16に示すように、ウェーハ200のレーザー加工中に一対の測定器61がウェーハ200の裏面206の高さを測定して、測定した高さから粘着テープ210の厚み及びウェーハ200の厚みを除いて、揺れ情報500を記録しても良い。図16は、実施形態1の変形例に係る集光点の位置ずれ原因特定方法の加工環境下情報記録ステップを示す側面図であり、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。なお、図16に示すレーザー加工装置1は、集光点221と測定器61−1,61−2の測定位置401とがY方向にずれた位置となるように、レーザー光線照射ユニット20の加工ヘッド25と一対の測定器61−1,61−2を配置する。また、本発明は、チャックテーブル10の移動速度毎に固有揺れ情報600を記録しても良く、複数の固有揺れ情報600のうち揺れ情報500を記録した時のチャックテーブル10の移動速度に最も近いものを用いても良い。
10 チャックテーブル
11 保持面
20 レーザー光線照射ユニット
21 集光レンズ
22 集光器
30 X軸移動ユニット(加工送りユニット)
60 揺れ検出ユニット
61,61−1,61−2 測定器
101 固有情報記録部
102 揺れ情報記録部
103 揺れ判定部
200 ウェーハ
220 レーザー光線
221 集光点
401 測定位置(高さを測定した時の検出器の保持面におけるX座標情報)
500 揺れ情報
600 固有揺れ情報
700 揺れ情報と固有揺れ情報との差
800 許容範囲
X 保持面と平行な方向、加工送り方向

Claims (3)

  1. ウェーハを保持面で保持するチャックテーブルと、集光レンズで集光したレーザー光線を該チャックテーブルに保持したウェーハに照射するレーザー光線照射ユニットと、該チャックテーブルを該保持面と平行な方向に加工送りさせる加工送りユニットと、装置固有の揺れを検出する揺れ検出ユニットと、を備えるレーザー加工装置であって、
    該揺れ検出ユニットは、
    該集光レンズを挟み加工送り方向で前後となる位置に、該集光レンズを含む集光器に固定され、該チャックテーブルの該保持面又は該チャックテーブルに保持されたウェーハの高さを測定する一対の測定器と、
    該チャックテーブルをX方向に加工送りしながら該一対の測定器で測定した高さの情報と、高さを測定した時の該測定器の該保持面におけるX座標情報とから、該一対の測定器が同一のX座標で測定した該高さの差を求め、該レーザー加工装置の揺れ情報として記録する揺れ情報記録部と、
    該レーザー加工装置が外的振動の無い状態で得た、該加工送りユニットの個性を含む該揺れ情報を該レーザー加工装置固有の固有揺れ情報として記録する固有情報記録部と、
    ウェーハを加工する生産現場で測定した該揺れ情報と、該固有情報記録部の該固有揺れ情報との差が許容範囲を超えているか否かを判定する揺れ判定部と、を備えることを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 該レーザー光線照射ユニットは、該ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザー光線を、ウェーハの内部に集光点を位置付けて照射する請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 該測定器は、レーザー変位計である請求項1又は請求項2に記載のレーザー加工装置。
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