JP2019062768A - 微小切片試料採取システム - Google Patents

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神原 秀記
Hideki Kanbara
秀記 神原
浩司 有川
Koji Arikawa
浩司 有川
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Abstract

【課題】微小切片試料を繰り返し自動採取可能な微小切片試料採取システムを提供することを目的とする。【解決手段】デジタルカメラ52で撮影して作成した生体標本4のイメージ画像63を用いて微小切片試料の採取部位を決定し、その採取部位について、採取システム機構部1が備える中空採取針により生体標本4から微小切片試料を自動採取する構成とする。【選択図】図10

Description

本発明は、生命科学・医療などの分野で必要となるたんぱく質、代謝物、遺伝子、遺伝子発現解析などを行うために生体組織(生体標本)から微小切片試料を採取する微小切片試料採取システムに関するものである。
生命科学、医療の分野では生命活動を解明して活用するために生命の構成要素である遺伝子(DNA)、遺伝子発現(mRNA)、たんぱく質、代謝物などの分子の分析が行われる。最近では分析装置の感度および解析能力が飛躍的に向上してきた。この結果、従来では非常に多くの細胞から上記分子群を抽出し、解析していたが、1つの細胞からでも解析が可能になりつつある。生体組織は均一に見えても種々細胞の集まりであり、それらを識別しながら解析することの重要性が指摘され始めている。また、種々異なる細胞が生体のどの位置に存在してそれぞれ相互作用をしながらどのように生体として調和のとれた機能を実現しているかなどにも興味が拡大しつつある。例えば、がん組織はがん幹細胞を中心に様々に変異した細胞群から成り立っているが、がん組織内のどの細胞がどのように変異しているかなどの情報はがん治療を実現するうえで重要な情報といわれている。
さらに最近では蛍光検出などを用いた生体イメージング技術が進歩し、生体組織には様々な微小構造があることも明らかになりつつある。これを行うには特定の分子に結合する蛍光分子プローブを用いて組織などを染色して観察する。しかし、識別できる蛍光プローブには限りがある。このため現状のイメージング技術で解析できる分子種は高々10種にとどまっている。一方で、さらに多くの分子の組織内の挙動について情報を得たいという要求が強まってきている。このためには生体組織の様々な微小領域から微小切片試料を採取して質量分析計を用いてたんぱく質や代謝物を、また、DNAシーケンサを用いてゲノムや遺伝子発現(mRNA)を網羅的に分析して種々分子が組織内にどのように配置しているか示すマップを作製する必要がある。質量分析計やDNAシーケンサの能力は最近格段に進歩し、数十細胞の微小切片試料を用いてこれら生体関連分子の網羅解析が可能である。しかしながら、生体標本から位置を特定して微小切片試料を迅速に効率よく沢山採取するシステムがないのが現状である。
生体組織から微小切片試料を採取するシステムとしてレーザーマイクロダイセクションがある(特許文献1)。これは対象となる生体組織を観察し、採取したいところをマークすると、マークされた線に沿ってレーザを照射して生体組織を切断して微小切片試料を切り抜き採取するシステムである。
一方、組織でなく1細胞を採取するシステムが実用化されている(非特許文献1)。この採取システムは顕微鏡の微小切片試料台の上にまたがるように配置され、先端形状が30〜50μm以下のガラスキャピラリーを用いて対象となる細胞を吸引採取する方式である。標本の載った微小切片試料台を手動で操作して採取しようとする部位をガラスキャピラリーの真下に持ってくる。ついで、ガラスキャピラリーを手動で降下させ、目視によりガラスキャピラリーが生体組織に触れたことを確認し吸引採取する。対象は生体組織中の1細胞である。生体組織の塊を採取するときには採取しようとする領域の周辺を1細胞ずつ取り除いて残った塊を採取する。レーザーマイクロダイセクションに似た手法である。培養細胞を対象として手動で操作する装置に加えて、自動的に細胞を吸引採取し、タイタープレートなどに回収するシステムが報告されている(特許文献2,3)。このシステムの対象は吸引採取できるターゲットに限られ、そのままでは吸引できないときには酵素を含む溶液を吐出して対象を液状にして吸引採取するなどの報告がある。
組織を採取する例として生体標本をビデオカメラで観察し、採取部位を決定して中空採取針を用いて採取する方式が報告されている。第1の報告例では中空採取針として、細いステンレスパイプの先端4面を削り、4尖端状にしたものが用いられている。ビデオカメラで観察しながら採取部位を決定し、その位置が中空採取針の真下に来るようにして打ち抜き採取する。採取された微小切片試料を回収するには中空採取針の内部に採取された微小切片試料をピストン棒で中空採取針から押し出し、反応チャンバーの壁面に付着させ回収している(非特許文献2)。
第2の報告例は、ビデオカメラで生体組織を見て採取部位を決定し、生体組織の採取領域が中空採取針の真下に来るように標本支持台を自動的に動かして採取する例である。この方式では中空採取針としてステンレスパイプの先端を軸にほぼ直角(フラットエッジ)になるように加工した後に先端をナイフ状に加工した採取針を使用している。また、採取した微小切片試料を回収するには中空採取針の内部に溶液を流して反応チャンバーに回収している。これにより微小切片試料の回収と合わせて中空採取針の先端及び内部を洗浄できる利点がある。このために多くの微小切片試料を迅速に短時間で採取できる特徴を持つ(非特許文献3)。
国際公開WO2013/125141号 特開2010−029178号公報 国際公開WO2017/068317号 特開2005−207986号公報
Plos One 7(7)e41564(2012) Plant Cell Physiol(2015)56(7):1320−1328. Scientific Reports 7:4325(2017)
特許文献1に記載の採取システムでは、1つの微小切片試料の採取に10分程度時間がかかり、多くの微小切片試料を採取するには時間がかかりすぎる難点がある。さらに、装置の価格が高いことが難点である。
非特許文献1に記載の手法では、複数の細胞を連続して採取するには細胞を吸引採取したキャピラリーを取り外して細胞を容器に回収し、キャピラリーを洗浄後、再度装置に取り付けて用いる必要がある。このシステムでは多くの1細胞や組織切片を採取するには時間がかかる難点がある。
特許文献2,3に記載の方法では、生体組織については細胞レベルにバラバラにして採取するのでこの間に遺伝子発現などが影響を受けたりするので微小部分に変化を与えずにそのまま採取するには難点がある。
非特許文献2に記載の方式では、回収時に手動で注意深く行う必要がある。また、回収後、ピストン棒を洗浄液中で繰り返し出し入れして中空採取針を洗浄して次の採取・回収に用いる必要がある。そのため、全体を通して採取に時間がかかる難点がある。
非特許文献3に記載の例では、生体組織によっては採取した微小切片試料が溶液で中空採取針から押し出せず、目詰まりして以後の採取ができなくなる難点もある。更に供給する溶液量が時間と共に変化したり、中空採取針から溶液が漏れたりするなど難点もあった。更に生体組織によっては溶液としてのバッファー液を使用したくなかったり、溶液の使用量を少なくしたいなどの要請があり、新たな技術の開発が望まれていた。さらにビデオカメラで観察するシステムでは顕微鏡と異なり画像の解像度が悪く、組織の詳細を観察して採取することに難点があった。
このように、従来の自動採取システムは内蔵されたビデオカメラ画像を基に採取領域を決定して採取を行うが、解像度は顕微鏡ほどではない。そこでより高解像度の顕微鏡で拡大したものを撮影した画像を用いて採取領域を決定することが望まれている。多くの部位からの連続採取には耐久性の面でガラス製ではなく金属製の中空採取針が優れている。これを用いた場合にも問題点として、生体組織によっては採取した微小切片試料が中空採取針内に目詰まりして回収できない点がある。また、凍結生体組織など標本によっては生体組織を載置する保持台を冷却する必要があるが、冷却機構の装着は生体組織を観察する機材に結露が生じて組織の観察に支障をきたしてしまうという問題があった。また、生体組織の観察から採取部位の決定には生体組織を長時間かけて観察したり、あるいはプローブなどで標識された生体組織と見比べたりするので時間を要することが多い。このような場合に生体組織を顕微鏡など撮影装置に載せたままにしておくと生体組織自体が変化してしまい新鮮な微小切片試料を採取することができないという問題があった。
そこで本発明は、発展しつつある生体イメージング技術と微小な微小切片試料を採取する技術を組み合わせ、より多くの生体情報を得て採取領域を決定し、採取を可能にする事、また、従来の微小切片試料採取技術の抱える種々問題点を解決し、簡単に短時間に動物および植物標本から目的とする多くの部位の微小切片試料を迅速に自動的に採取・回収することを目的とする。また、多くの微小切片試料を連続採取するために手動に頼らず自動的に微小切片試料を採取するシステムを提供することを目的とする。さらに、種々タイプの顕微鏡で得られるイメージ画像を用いて採取領域を決定し、凍結生体組織を含むいかなる形態の標本からでも迅速に多くの微小切片試料を自動的に採取できるシステムを提供することを目的とする。
本発明の微小切片試料採取システムは、生体標本から微小切片試料を自動採取するシステムであって、撮影装置で撮影して作成した前記生体標本のイメージ画像を用いて前記微小切片試料の採取部位を決定し、前記採取部位について、前記採取装置が備える中空採取針により前記生体標本から前記微小切片試料を採取する構成を有する。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本を前記撮影装置で撮影後、前記採取装置へ移動し、前記生体標本から前記微小切片試料を採取する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本が隣接する第1の薄片と第2の薄片であって、前記撮影装置で撮影して作成した前記第2の薄片のイメージ画像を用いて前記微小切片試料の採取部位を決定し、決定された採取部位について、前記採取装置が備える中空採取針により前記第1の薄片から前記微小切片試料を採取する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本が生体標本保持台に載置され、前記生体標本保持台には、複数の位置マーカーが付され、前記撮影装置により前記生体標本を前記位置マーカーと共に撮影して前記イメージ画像を作成する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記中空採取針と前記生体標本のいずれか一方又は両方を移動させて前記微小切片試料を採取する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本保持台は前記採取装置と前記撮影装置に着脱可能であり、前記生体標本保持台を前記採取装置と前記撮影装置との間で移動させる移動装置を備える構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記イメージ画像が有する画像座標情報を前記採取装置が有する採取座標情報に変換し、前記微小切片試料の採取部位を決定する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本保持台は、前記採取装置が備える生体標本駆動機構の所定の位置に着脱可能に固定される構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本保持台は、前記中空採取針の初期位置から所定の距離離れた位置に着脱可能に固定される構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記中空採取針の先端部の水平方向における位置座標と前記位置マーカーの位置座標を検知する座標センサーを備える構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記生体標本をプローブで識別可能に可視化し、可視化された範囲を採取領域として自動的に指定する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記イメージ画像を表示する表示部と、前記イメージ画像において採取領域を指定する操作部と、を有する電子計算機を備え、前記採取領域を点で指定した場合には、前記点が前記採取部位として決定され、前記採取領域を線で指定した場合には、前記線に沿って複数の前記採取部位が決定され、前記採取領域を範囲で指定した場合には、前記範囲内において複数の前記採取部位が決定される構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記中空採取針により採取した前記微小切片試料を押し出す押出部材を前記中空採取針内部に備え、前記中空採取針の内部を溶液が流動可能である構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記採取装置は、中空採取針駆動機構と、生体標本保持台駆動機構と、収容容器を移動させる収容容器駆動機構と、を備え、前記中空採取針駆動機構と、前記生体標本保持台駆動機構と、前記収容容器駆動機構が基板上に配設され、前記基板が顕微鏡のステージ上に配設されることにより、又は、前記ステージに代えて前記基板を取り付けることにより、前記採取装置が前記顕微鏡に装着される構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記基板の長手方向の長さが30cm以下である構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記中空採取針により採取した前記微小切片試料を押し出す押出部材を前記中空採取針内部に備え、前記中空採取針の先端部の外側に溶液又は空気を流動可能とした構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、前記中空採取針は予め設定された降下下限まで降下して前記微小切片試料を採取する構成を有する場合がある。
また、本発明の微小切片試料採取システムは、上下方向に弾性変形可能な弾性部材を前記中空採取針に設けた構成を有する場合がある。
本発明によれば、生体標本を最適な環境下で種々方式の顕微鏡で拡大したものを撮影してイメージ画像を作成し、生体標本のイメージ画像を十分時間をかけて観察・検討して採取部位を決定できる。採取部位決定後に生体標本から微小切片を自動的に採取することが可能である。
本発明の実施例1を示す採取システム機構部の斜視図である。 同、採取システム機構部の平面略図である。 同、中空採取針および中空採取針ハウジングの縦断面図である。 同、中空採取針ホルダーおよび中空採取針保持アームの分解図である。 同、中空採取針ハウジングを収容したハウジング収容部の正面図である。 同、中空採取針ハウジングを挟持した中空採取針ホルダーの右側面図である。 同、中空採取針先端位置調整冶具の説明図である。 同、生体標本保持台の平面図である。 同、回収用アクチュエータの一部右側面図である。 同、微小切片試料採取システムの全体図である。 同、座標変換の説明図である。 同、座標変換の説明図である。 同、モニターに表示される初期画面を示す図である。 同、モニターに表示される第2画面を示す図である。 本発明の実施例2を示す採取システム機構部および顕微鏡の右側面図である。 同、採取システム機構部の平面略図である。 本発明の実施例3を示す採取システム機構部の平面略図である。
本明細書において、「生体標本」とは、動物、ヒト、植物、微生物等の生体より、その個体の一部若しくは全部、又は複数生体の集団を観察、分析、解析、疾患の診断、将来発症するリスクのある疾患の予測又は実験等に使用するために分取したものをいう。具体的には、動物、ヒト若しくは植物由来の組織材料、動物、植物などの組織スライス標本若しくは微生物の細胞、これらの細胞群、シート上に分散保持されたこれらの細胞又はシート上に分散保持されたこれらの細胞群あるいはマイクロチャンバーアレーなどに捕獲された細胞群等をいう。生体標本の中には、疾患を有する患者より採取された生検のための材料を含む。
本明細書において、「微小切片試料」とは、「生体標本」の一部を観察、分析、解析、疾患の診断、将来発症するリスクのある疾患の予測又は実験等に使用するために、採取されるものをいう。
また、本明細書における「タイタープレート」とは、一般に、「マイクロタイタープレート」と言われることがある。
本明細書において、「顕微鏡」とは光学顕微鏡、蛍光顕微鏡、ラマン顕微鏡あるいはレーザ顕微鏡、あるいは電子顕微鏡など生体標本を観察するための装置を言う。
本発明において、中空採取針の軸方向を上下方向(Z軸方向)とし、中空採取針の軸方向と直交する面方向を水平方向(X−Y方向)とする。
以下、本発明の実施例について、添付図1〜図17を参照して説明する。以下に説明する実施例は、請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1〜図14は本発明の実施例1を示したものであり、図1〜3は、本実施例の微小切片試料採取システムにおいて使用される採取システム機構部1を示している。採取装置としての採取システム機構部1は、微小切片試料2を採取する中空採取針11を備える中空採取針ユニット3と、生体標本4を載置する生体標本保持台5と、生体標本保持台5を駆動させる生体標本保持台駆動機構としての生体標本保持台用XYアクチュエータ6と、採取した微小切片試料2を収容する収容容器としての反応チャンバー7を駆動させる収容容器駆動機構としての回収用アクチュエータ8を備えている。中空採取針ユニット3、生体標本保持台用XYアクチュエータ6および回収用アクチュエータ8は、採取システム機構部1を構成する基板としての採取システム基板9上に固定されて一体となっている。採取システム基板9は、矩形板状に形成されている。
中空採取針ユニット3は、中空の略円筒状に形成された中空採取針11と、この中空採取針11を上下方向(Z軸方向)に移動させる中空採取針駆動機構としての採取用Zアクチュエータ12を備えている。中空採取針11の基端部11A側はテフロンチューブ13に挿入されている。中空採取針11は金属製で、ニッケル、ステンレスあるいはそれらの表面をチタンや金で覆ったものを用いることができる。素材のパイプ材を長さ7〜15mm(ミリメートル)に切断して先端部11Bをテーパー状に研磨して曲率が10μm(マイクロメートル)以下になるように刃をつけたものである。内径は0.03〜0.5mm、外径は0.1〜0.7mmの中空採取針11が使用可能である。用途に応じて中空採取針11のサイズは幅広く変更することができる。
中空採取針ユニット3は、倒T字状の中空採取針ハウジング14を備えている。図3に示すように、中空採取針ハウジング14は本体部15の上側に延設された上筒部16と、下側に延設された下筒部17と、水平方向(X−Y方向)に延設された中筒部18を有している。中空採取針ハウジング14の内部には、3つの通路である上通路19と、下通路20と、中通路21が形成されており、上通路19、下通路20および中通路21は本体部15の内部で連通している。
下筒部17には、テフロンチューブ13に挿入された中空採取針11が挿入されて保持されている。中空採取針ハウジング14の上筒部16には外側ステンレスパイプ22と内側ステンレスパイプ23が2重となって挿入されている。内側ステンレスパイプ23の内部には、押出部材としての押し出しピストン棒24が配設されており、外側ステンレスパイプ22と内側ステンレスパイプ23と押し出しピストン棒24は上端部で固定されている。外側ステンレスパイプ22と内側ステンレスパイプ23と押し出しピストン棒24は、上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持されており、押し出しピストン棒24が中空採取針11内を往復動可能となっている。押し出しピストン棒24は、中空採取針11の先端部11Bから外部へ突出する位置まで下降可能となっている。押し出しピストン棒24の先端部24Aは中空採取針11の先端部11Bから0.5〜1.0mm(ミリメートル)内部に配置され、採取した微小切片試料2を押し出すときには中空採取針11の先端から0.5〜1.0mm突き出るように設定されている。外側ステンレスパイプ22と内側ステンレスパイプ23と押し出しピストン棒24は、押し出しピストン駆動部25により上下方向(Z軸方向)に移動される。押し出しピストン駆動部25は、ソレノイドバルブ(図示せず)を備えており、ソレノイド(図示せず)に通電すると、外側ステンレスパイプ22、内側ステンレスパイプ23および押し出しピストン棒24が押し下げられる。なお、外側ステンレスパイプ22、内側ステンレスパイプ23および押し出しピストン棒24の往復動は、前記ソレノイドバルブ以外の機構により実現してもよい。
中通路21には、テフロンチューブ26の一端側が挿入されて保持されており、このテフロンチューブ26の他端側は真空式スプレーノズル付き溶液溜27(図1参照)に連結されている。真空式スプレーノズル付き溶液溜27に収容された溶液10は、真空式スプレーノズル付き溶液溜27から吐出され、テフロンチューブ26内を流動して中空採取針ハウジング14および中空採取針11内に供給される。上通路19内であって外側ステンレスパイプ22の外周面には上下2段にOリング28が水密に設けられており、溶液10はOリング28よりも上側に流動しないようになっている。本実施例では溶液10を用いるが、採取した微小切片試料2に溶液10を混合したくないときには空気を用いてもよい。
外側ステンレスパイプ22には、弾性部材としての圧縮コイルばね59が設けられており、中空採取針11に上下方向(Z軸方向)の外力が付加された場合に、圧縮コイルばね59が収縮し、中空採取針11に付加される外力を低減することができるようになっている。
図4〜6に示すように、中空採取針ハウジング14は、2つの部材であるハウジング収容部29と閉塞部30から構成される中空採取針ホルダー31に挟持されている。ハウジング収容部29には、中空採取針ハウジング14を収容する溝部32が形成されている。溝部32は、中空採取針ハウジング14の形状に合わせて倒T字状に形成されている。また、溝部32の幅は、中空採取針ハウジング14の上筒部16、下筒部17および中筒部18の外径よりも僅かに大きく形成されており、中空採取針ハウジング14を溝部32に収容した状態で、僅かに上下左右方向に移動可能となっている。すなわち、中空採取針ハウジング14を溝部32に収容した状態で、溝部32内での中空採取針ハウジング14の位置を上下左右方向に調整可能となっている。中空採取針ハウジング14は、ハウジング収容部29に収容され、閉塞部30をハウジング収容部29に取り付け、螺子止めすることによりハウジング収容部29と閉塞部30とにより挟持されると共に固定される。
中空採取針ホルダー31は中空採取針保持アーム33に固定されている。中空採取針保持アーム33には、ノックピン34が2箇所に設けられており、中空採取針ホルダー31の閉塞部30に形成されたピン挿入孔35にノックピン34が挿入されることにより中空採取針ホルダー31が中空採取針保持アーム33に位置決めされると共に固定される。ノックピン34をピン挿入孔35から引き抜くことにより中空採取針ホルダー31は中空採取針保持アーム33から取り外すことができる。
中空採取針保持アーム33は、採取用Zアクチュエータ12に取り付けられており、採取用Zアクチュエータ12により中空採取針保持アーム33が上下方向(Z軸方向)に移動され、中空採取針11が上下方向(Z軸方向)に移動する構成となっている。採取用Zアクチュエータ12のステップ幅は、0.7μm(マイクロメートル)であり1〜3μmの精度で中空採取針11の降下下限の設定を行うことができる。
ここで、中空採取針11の取り付けについて説明する。最初に、中空採取針11を取り付けた中空採取針ハウジング14をハウジング収容部29の溝部32に収容し、中空採取針11の先端部11Bが中空採取針ホルダー31の下端から5mm位下に来るように位置を調節し、ハウジング収容部29と閉塞部30により固定する。次に、中空採取針ホルダー31を中空採取針保持アーム33にノックピン34を用いて取り付ける。この状態で採取用Zアクチュエータ12により中空採取針11を降下させていき、中空採取針ユニット3のパラメータ(中空採取針11の降下下限など)のセッティングを行う。すなわち中空採取針11の下端を認識してどこまで中空採取針11を下げるかを設定する。一度降下下限を設定すると、中空採取針11を交換しない限り調整は不要である。設定した中空採取針11の降下下限は、後述するコンピュータ53の記憶部(図示せず)に記憶させる。
次に、中空採取針11の交換について説明する。中空採取針11を交換し、中空採取針ハウジング14を中空採取針ホルダー31に挟持すると、中空採取針11の交換の前後で、中空採取針ホルダー31に対する中空採取針11の先端部11Bの位置がずれてしまう虞がある。そのため、交換後の中空採取針11の先端部11Bの位置を交換前の中空採取針11の先端部11Bの位置と合せる必要がある。この中空採取針11の先端部11Bの位置合せは、中空採取針先端位置調整冶具36を用いて行う。図7に示すように、中空採取針先端位置調整冶具36は、基台37と、基台37から上方に立設された縦壁部38と、基台37の上面部に設けられた接触センサー39と、縦壁部38に上下方向(Z軸方向)に移動可能に設けられた手動スライダー40と、を有して構成されている。手動スライダー40には、中空採取針ホルダー31に形成されたピン挿入孔35に挿入可能なノックピン41が設けられている。
先ず、交換する中空採取針11が取り付けられた中空採取針ホルダー31を中空採取針保持アーム33から取り外す。次に、中空採取針ホルダー31の挿入孔35にノックピン41を挿入し、中空採取針ホルダー31を中空採取針先端位置調整冶具36の手動スライダー40に取り付ける。その状態で、手動スライダー40を降下させていき、中空採取針11の先端部11Bが接触センサー39に接触した位置で手動スライダー40を停止させる。なお、中空採取針11の先端部11Bが接触センサー39に接触すると、中空採取針11と接触センサー39との間で電流が流れ、中空採取針先端位置調整冶具36に設けられた報知部(図示せず)が発光し、接触を確認できるようになっている。手動スライダー40は、停止させた位置で縦壁部38に固定する。次に、手動スライダー40から中空採取針ホルダー31を取り外し、中空採取針11を中空採取針ホルダー31から取り外す。新しい中空採取針11をハウジング収容部29に収容し、閉塞部30をハウジング収容部29に仮止めし、中空採取針11を上下方向(Z軸方向)に移動可能な状態にしておく。この中空採取針ホルダー31を手動スライダー40に取り付ける。新しい中空採取針11の先端部11Bが接触センサー39に接触した状態で、閉塞部30をハウジング収容部29に固定する。中空採取針11が中空採取針ホルダー31に挟持され、固定されると、中空採取針11の先端部11Bが中空採取針ホルダー31の下端から突出する長さが、中空採取針11の交換の前後で等しくなる。この中空採取針ホルダー31を手動スライダー40から取り外し、中空採取針保持アーム33に取り付けることにより、中空採取針11の交換が完了する。
中空採取針11内に溶液10を供給する真空式スプレーノズル付き溶液溜27は、採取用Zアクチュエータ12に隣接して配設されている。溶液10の吐出は真空式スプレーノズル付き溶液溜27のノブ(図示せず)をソレノイド(図示せず)で上下することで行う。真空式スプレーノズル付き溶液溜27から出た溶液10はテフロンチューブ26内を流動し、中空採取針ハウジング14に流入する。溶液10は中空採取針11の内部を通り、先端部11Bから排出される。1回あたり吐出される溶液10の量は1〜2μl(マイクロリットル)前後である。
次に、生体標本保持台用XYアクチュエータ6について説明する。生体標本4は、透光性を有するガラスや樹脂で形成された円形のシャーレ42に載置する。このシャーレ42には、PDMS(ポリジメチルシロキサン)やシリコンから形成された薄膜43が敷いてあり、その上に生体標本4が載置される。
図8に示すように、生体標本4を載置するシャーレ42は、生体標本保持台5に形成された矩形凹状の載置溝44に載置され、固定ピン(図示せず)により生体標本保持台5に固定される。生体標本保持台5の底部は、無蛍光石英ガラスや石英ガラスなどの透光性部材により形成されている。生体標本保持台5は外形が矩形状に形成され、ノックピン45(図1参照)を挿入するピン挿入孔46が2箇所に形成されている。
採取システム基板9上には、生体標本保持台用XYアクチュエータ6が中空採取針ユニット3に隣接して配設されている。生体標本保持台用XYアクチュエータ6は、採取システム基板9上を水平方向(X−Y方向)に移動可能な移動部47を備えている。移動部47には、ノックピン45が2箇所に立設されており、生体標本保持台5を移動部47に載置し、ノックピン45を生体標本保持台5のピン挿入孔46に挿入することにより、生体標本保持台5を移動部47に位置決めすると共に固定することができる。そのため、生体標本保持台5の着脱を繰り返しても、生体標本保持台5を移動部47の所定の位置に再現良く固定することができる。
採取システム機構部1に位置マーカーセンサー(図示せず)を設け、中空採取針11の先端部11Bの水平方向(X−Y方向)における位置座標と後述する位置マーカー61,62の位置座標を検知すれば、ノックピン45による生体標本保持台5の位置決めは不要となる。
生体標本保持台駆動XYアクチュエータ6の移動部47が移動する範囲は、本実施例ではX方向、Y方向にそれぞれ20mmある。移動するときのステップ幅は約0.7μmである。ステップ幅が小さいので1μmオーダーでの採取部位の設定が可能である。
次に回収用アクチュエータ8について説明する。微小切片試料2は反応チャンバー7に回収されるが、8連チューブや96穴タイタープレートを用いることができる。もちろん384穴タイタープレートも使用可能である。植物の凍結生体標本4から微小切片試料2を採取してmRNAを抽出して遺伝子発現を網羅解析する場合など、採取から微小切片試料2の調製に至る間にRNaseなどによるmRNA分解が危惧される場合がある。このような場合には8連チューブに微小切片試料2を回収し、回収するごとに微小切片試料2を調製に回すと便利である。この場合、1回の採取に4〜5秒かかった場合であっても、微小切片試料2の採取は約40秒で終了するので微小切片試料2の経時による変化は無視できる程度である。
図9に示すように、回収用アクチュエータ8は、反応チャンバー7を着脱可能に取り付ける反応チャンバー取付部50を備えている。図1および図2は、反応チャンバー7を反応チャンバー取付部50に取り付け、待機位置に静止した状態を示している。採取した微小切片試料2を回収する際には、回収用アクチュエータ8が駆動して反応チャンバー取付部50を移動させ、反応チャンバー7を中空採取針11の下方に移動させる。反応チャンバー取付部50は、生体標本保持台5と比較して移動距離が長いため、生体標本保持台駆動XYアクチュエータ6の移動部47よりも大きなステップ幅で素早く移動させることができるようになっている。
本実施例の微小切片試料採取システムは、採取システム機構部1の他に撮影装置としての顕微鏡51およびデジタルカメラ52を使用する。生体標本保持台5に生体標本4を載置し、顕微鏡51およびデジタルカメラ52で生体標本4のイメージ画像63を得たのち、生体標本4を生体標本保持台5と共に採取システム機構部1に移し、顕微鏡51およびデジタルカメラ52で得た生体標本4のイメージ情報を基に微小切片試料2の採取を行う。顕微鏡51には、撮影装置としての高精細のデジタルカメラ52が取り付けられており、顕微鏡51により拡大された生体標本4を撮影し、イメージ画像63を作成可能となっている。デジタルカメラ52としては現在種々のものが市販されている。例えば、1625万画素の高精細撮像素子を搭載し、最大4908×3264画素のイメージ画像を撮影することができるものがある。撮像素子のサイズが36mm×23.9mmである場合、1画素に撮像される領域は約7μmであり、3.5倍程度の低倍率で生体標本4を撮影すると約2μmの領域が1画素に撮像されることになる。これは通常の微小切片試料2の採取目的には十分である。一回の撮影で取得できる生体標本4の領域は約10mm×6.8mmであり十分広い領域を一回の撮影でカバーできる。
図10は、本実施例の微小切片試料採取システムの全体像を示している。微小切片試料採取システムは、制御および情報処理を行う電子計算機としてのコンピュータ53を使用する。コンピュータ53はデジタルカメラ52で撮影し作成したイメージ画像63を表示する表示部としてのモニター54と、コンピュータ53への指示操作を行う操作部としてのキーボード55およびマウス56を備えている。また、本実施例の微小切片試料採取システムは、採取システム機構部1を駆動する電源制御部57を備える。
ここで、イメージ画像63が有する画像座標情報から採取システム機構部1が有する採取座標情報への変換について説明する。本実施例では顕微鏡51などのイメージ画像座標と、生体標本保持台駆動XYアクチュエータ6の移動方向を軸とした座標である採取システム座標の変換マトリックスを求めておく必要がある。これには複数の位置マーカー61,62が付された生体標本保持台5を利用する。生体標本保持台5に薄膜43を敷き、生体標本保持台用XYアクチュエータ6に載置する。生体標本保持台5はノックピン34で再現良く固定されるので2つの位置マーカー61,62の採取システム座標は生体標本保持台5の脱着により変化しない。これらを(MX1,MY1)および(MX2,MY2)とするが、これらのイメージ画像座標は未知である。この値を求めるには採取システム座標が既知の点を顕微鏡51で観察する必要がある。そこで中空採取針11を降下させ、薄膜43に押し形64を付ける。ここが原点(0,0)である。更にX軸方向、Y軸方向に沿ってPステップだけ移動してそれぞれの位置で中空採取針11を降下させて押し形65,66を付ける。図11に示すこれらの採取システム座標は(P,0)および(0,P)である。
図11において、これら3つの押し形64,65,66の採取システム座標(押し形座標と呼ぶ)は既知である。これらと採取システム座標が未知の生体標本保持台5の位置マーカー61,62を顕微鏡51で観察し、イメージ画像座標を求める。それらの座標を、(mx1,my1),(mx2,my2),(xg,yg),(xp,y0)および(x0,yp)とする。前の2つが位置マーカーのイメージ画像座標、後ろ3つが押し形のイメージ画像座標である。生体標本保持台5を顕微鏡51から採取システム機構部1に移動すると押し形3点{(xg,yg),(xp,y0),(x0,yp)}は採取システム座標{(0,0),(P,0),(0,P)}に移る(図11の右側)。この座標変換{(xg,yg),(xp,y0),(x0,yp)},{(0,0),(P,0),(0,P)}は平行移動と回転および伸縮で記述することができる。
原点の移動を平行移動としてこの座標変換は下記のように書ける。ここで(x,y)はイメージ画像座標、(X,Y)は採取システム座標である。Aは変換マトリックスである。
これに{(xp,y0)=>(P,0),(x0,yp)=>(0,P)}を代入してマトリックスAの各要素を求めることができる。平行移動も含めて簡便に記述するために同時座標で表示すると、下記のようになる。
マトリックスBを用いて2つの位置マーカー61,62のイメージ画像座標(mx1,my1),(mx2,my2)を採取システム座標(MX1,MY1),(MX2,MY2)に変換することができる。
実際に生体標本4から微小切片試料2を採取する際は、デジタルカメラ52によるイメージ画像63の撮影では生体標本保持台5が初期のパラメータ決定のための計測時と同じ配置を取っているわけではない。このために座標変換マトリックスCを用いて、観測された2つの位置マーカー61,62のイメージ画像座標(mxe1,mye1),(mxe2,mye2)を設定時に得た位置マーカー61,62のイメージ画像座標(mx1,my1),(mx2,my2)(マトリックスAを得た時に計測した座標)に重ね合わせる必要がある。図12にその様子を示した。
測定した日時が異なる両者の位置マーカー61,62を重ねるには平行移動により(mxe1,mye1)を(mx1,my1)に重ね、続いて回転を行うことで達成できる。
ここで4つの座標(mx1,my1),(mx2,my2),(mxe1,mye1),(mxe2,mye2)はイメージ画像63で得られるもので既知であり、マトリックスCの各要素は計算できる。変換マトリックスBおよびCを用いて、実際に採取プロセスで観測された生体標本保持台5の位置マーカー61,62のイメージ画像座標(mxe1,mye1),(mxe2,mye2)を採取システム座標(MXi,MYi)(i=1,2)に変換できる。また、この変換マトリックスを用いて任意の採取領域位置の採取システム座標を求めることができる。
この変換Cは生体標本4ごとに変化するので、微小切片試料2を採取する生体標本4ごとに求める必要がある。しかしマトリックスBは不変である。最初に生体標本保持台5の位置マーカー61,62の採取システム座標を求めておけば顕微鏡51が変化しても使用できる。採取システム機構部1を顕微鏡51のステージ58に装着しても、あるいは、アームを介して生体標本保持台5を顕微鏡51に装着しても同じである。
以下、微小切片試料2の採取方法について説明する。まず、生体標本4をシャーレ42に載置し、そのシャーレ42を生体標本保持台5に固定する。次に、生体標本保持台5を顕微鏡51のステージ58に載置し、生体標本4を十分に観察可能な倍率で拡大し、デジタルカメラ52で生体標本4を撮影し、生体標本4のイメージ画像63を作成する。次に、イメージ画像63をコンピュータ53に転送し、モニター54に表示させ、イメージ画像63を観察しながらマウス56を使用してイメージ画像63上での採取部位または採取領域を指定する。採取部位を指定した場合には、その指定した位置が採取部位として決定される。一方、採取領域を指定した場合には、その採取領域においてどのように採取部位を決定するかを指定する。例えば、採取領域を直線状に指定した場合には、その直線に沿って一定の間隔で複数個所の採取部位を決定するなどである。以上で、生体標本4から微小切片試料2を採取する採取部位が決定される。
他の採取領域の指定方法として、プローブにより生体標本4を染色などし、識別可能に可視化し、その可視化された領域を採取領域として指定する方法がある。本発明の微小切片試料採取システムは、デジタルカメラ52で撮影して作成した生体標本4のイメージ画像63を用いて微小切片試料2の採取部位を決定する。この生体標本4は、染色等の処理を行わないと視覚的な形態学的特徴は必ずしも明確に描出又は観察することができない場合が多い。そこで、イメージ画像63の取得にあたり、採取部位の決定を容易にすることを目的に、蛍光プローブなどを用い生体標本4の視覚的な形態学的特徴を明確にするための可視化を行うことができる。このようなプローブは、生体標本4の形態学的特徴又は分析対象とする物質の生体標本中の存在若しくは局在を明確にするものであれば特に限定されない。このようなプローブを用いると生体標本4を構成している分子が変質してしまうことが多い。そのために採取を行う生体標本4を複数の薄片に切断し、そのうちの1枚である第1の薄片に加えて、第1の薄片に隣接する第2の薄片を用意して第2の薄片を蛍光プローブなどで染色して採取部位の決定に用いることができる。この場合には採取部位を決定した後に第1の薄片と第2の薄片を重ね合わせ、第2の薄片において決定した採取部位に相当する第1の薄片の位置を決定する必要がある。
採取部位決定のための標識試薬として、例えば、蛍光やりん光等のフォトルミネッセンスを利用する標識化のための標識剤や放射性標識剤剤等を用い、生体標本4に含まれる物質に特異的に結合するモノクローナル又はポリクローナル抗体を標識してプローブとして使用することができる。このとき、フォトルミネッセンスを利用する場合、その多くは可視光領域で形態学的特徴を明確にすることができる。また、放射性標識剤を使用する場合、オートラジオグラフィにより形態学的特徴等を明確にすることができる。
特に、プローブを用いて可視識別化する場合、測定対象とする化合物に特異的に結合する抗体に標識剤を結合して使用することにより、測定対象とする化合物の局在する部位又は領域を可視識別化して、その画像を取得することができる。また、ヘマトキシリン・エオジン、トルイジン・ブルー又はアルザリン・レッド等の従来より病理学的検査に使用される一般染色剤を使用して、生体標本4の第2の薄片の形態学的特徴を可視化し、この形態学的特徴を基に採取部位を決定することができる。
本発明の微小切片試料採取システムの使用においては、必要に応じて、このようにプローブを用いて可視識別化した画像を用い、生体標本中の試料採取部位を決定することができる。
このような標識剤や、選択的抗体は、各種の種類の物が商業的に利用可能であり、これらを入手して使用できる。また、当業者に周知の方法により、測定対象とする化合物に特異的に結合する抗体を作製して使用することもできる。
図13は、コンピュータのモニター54に表示される初期画面71を示している。コンピュータ53の電源を入れると初期画面71がモニター54に現れる。初期設定をするために「イニシャライズ」ボタン72を押すと中空採取針11の位置を原点としてイメージ画像座標と採取システム座標の変換テーブルが作成される。「試料載置」ボタン73を押すと生体標本保持台5が採取システム機構部1の外側方向に引き出され、シャーレ51に載せた生体標本4を簡単に載置することができる。「載置終了」ボタン74を押すと生体標本保持台は中空採取針11の下方へ移動する。中空採取針11は初期位置にあり、反応チャンバー7は待機位置にある。「Z軸調整」ボタン75を押すと中空採取針11が生体標本4に接するまで降下し、接した点を降下下限位置に設定する。中空採取針11が生体標本4に接したか否かはセンサー(図示せず)あるいは顕微鏡51により生体標本4を目視して行うことができる。採取時には、中空採取針11は降下下限位置から5〜10μm下まで降下する。この値は生体標本4の厚さによるが、必要に応じて変更できる。次いで採取モードの選択を行う。モードには以下の3つのモードがある。1.手動モード;顕微鏡51により生体標本4を目視しながら採取部位をX−Y平面の原点(中空採取針11が降下する点)に移動し、1箇所ずつ採取する。2.マトリックスモード;採取部位の数と採取開始位置をイメージ画像63において指定すると採取システム座標のX軸あるいはY軸に沿って一定間隔で採取を自動的に行う。2次元で採取部位を指定してもよく、この場合X軸およびY軸に沿ってそれぞれ採取部位が何ポイントかを指定する。3.形状指定モード;イメージ画像63を見ながら採取したい直線、曲線あるいは領域を指定し、一定間隔で採取する。採取間隔はデフォルトで0.3mmであるが必要に応じて変更することができる。
3.形状指定モードについて説明する。本実施例1では、採取部位を10個まで指定できるが、採取部位の指定数は適宜変更可能である。初期画面71において「形状指定」ボタン76を押すと、図14に示す第2画面77が現れる。右側にイメージ画像63が現れ、左に採取条件などが表示される。「第1採取領域」ボタン78を押し、イメージ画像63をマウスでなぞるとなぞった領域が採取すべき領域として表示される。また、採取間隔はデフォルトで0.3mmであるが変更したいときには数値を入れて「確定」ボタン79を押す。次に「第2採取領域」ボタン80を押し、2つ目の採取領域の指定を行う。以下採取領域3,4と指定をおこなっていく。指定がおわったら「採取開始」ボタン81を押す。指定された領域を順次採取して反応チャンバー7に自動的に回収する。採取が終了した後、あるいは途中で採取をやり直したくなったときには「再採取」ボタン82を押し設定をして採取をスタートする。この場合、採取した微小切片試料を回収する反応チャンバー群あるいはタイタープレートは交換(チャンバーリセット)してもよく、そのまま続きの反応チャンバー7に回収してもよい。
次に、実際に微小切片試料2を採取する方法について説明する。デジタルカメラ52で撮影した状態の生体標本保持台5を採取システム機構部1の生体標本保持台用XYアクチュエータ6の移動部47に取り付ける。コンピュータ53のモニター54に採取開始ボタンを表示させ、マウスを操作して採取開始を指示すると、生体標本保持台用XYアクチュエータ6が駆動し、移動部47が水平移動し、イメージ画像63上で決定した採取部位に対応する生体標本4の採取部位が中空採取針11の真下(Z軸上)に配置される。その後、採取用Zアクチュエータ12が駆動し、中空採取針11が下降して中空採取針11の先端が生体標本4を切断し、微小切片試料2を採取する。採取が終わると中空採取針11は初期位置まで上昇して停止する。それと同時に回収用アクチュエータ8が駆動し、反応チャンバー取付部50が移動して微小切片試料2を収容する反応チャンバー7の収容部7Aが中空採取針11の真下(Z軸上)に配置される。反応チャンバー取付部50が停止すると、採取用Zアクチュエータ12が駆動し、中空採取針11が降下する。中空採取針11は先端が反応チャンバー7の底面から約5mmの位置で停止する。次いでソレノイドバルブ(図示せず)が駆動し、押し出しピストン棒24を押し下げる。採取された微小切片試料2は押し出しピストン棒24の先端に付着した状態で中空採取針11の先端から押し出される。ほぼ同時にソレノイド(図示せず)が駆動し、溶液10を吐出して押し出しピストン棒24の先端に付着した微小切片試料2を反応チャンバー7の収容部7Aに流し入れる。溶液10を使用する場合には押し出しピストン棒24および中空採取針11の内部の流水洗浄が同時に完了する。空気を用いる場合には採取した微小切片試料2の回収が終わってから洗浄専門のチャンバー(図示せず)を中空採取針11の真下(Z軸上)に移動させ、溶液10を吐出して洗浄プロセスを行う。微小切片試料2が反応チャンバー7に収容されると、回収用アクチュエータ8が駆動し、反応チャンバー取付部50が移動して反応チャンバー7を待機位置に戻して停止する。微小切片試料2の採取部位を複数指定した場合には、次の採取が連続して行われる。
本実施例では、溶液10を中空採取針11内部に流動させているが、押し出しピストン棒24により微小切片試料2を中空採取針11の外部に押し出した状態で、中空採取針11の先端部11Bおよび押し出しピストン棒24の先端部24Aに溶液10がかかるように中空採取針11の外部から溶液10を流動させてもよい。この場合溶液10は、毛細管現象により中空採取針11の内部に流動するため、中空採取針11の内部の洗浄をすることができる。また、溶液10の代わりに、空気を押し出しピストン棒24の先端部24Aに吹き付けて微小切片試料2を反応チャンバー7に回収するようにしてもよい。
生体標本4を複数の薄片に切断し、隣接する第1の薄片(図示せず)と第2の薄片(図示せず)のうち、第2の薄片のイメージ画像63を作成し、そのイメージ画像63に基づいて微小切片試料2の採取部位を決定し、第1の薄片から微小切片試料2を採取することもできる。第1の薄片と第2の薄片の厚さは5〜200μm程度である。採取部位を決定する第2の薄片は蛍光染色などをして採取部位を明確にするためのもので、厚さは5〜10μmとすることが多い。一方、微小切片試料2の採取に用いる第1の薄片は薄片作成時に切断されない細胞を多く含ませるために20μm以上の厚さにすることが多い。第1の薄片と第2の薄片は隣接した薄片であるので略同一のイメージを与えると見なせる。そのため、第2の薄片のイメージ画像63に基づいて採取部位を決定し、その採取部位に基づいて第1の薄片から微小切片試料2を採取した場合であっても、第1の薄片の意図する位置から微小切片試料2を採取することができる。第1の薄片と第2の薄片は、異なる標本保持台5に載置されるため、第1の薄片と第2の薄片の輪郭などを基に両薄片の画像を重ね合わせ、第2の薄片で決定した採取部位が第1の薄片のどこに来るかを決定し、採取部位のイメージ画像座標を得る。このような情報処理の時間中、生体標本4が痛まないように必要に応じて生体標本4が載置された生体標本保持台5ごと冷蔵庫などに保管することもできる。決定された採取部位のイメージ画像座標を採取システム座標に変換するのは既に述べたとおりである。なお、採取に要する時間は短いので(例えば、1採取5秒以下)、採取中の生体標本4の変化はほとんどない。なお、採取対象となる第1の薄片を観察して採取部位が決定できる場合には第2の薄片は必要ない。
以上のように、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4から微小切片試料2を自動採取するシステムであって、撮影装置としての顕微鏡51およびデジタルカメラ52で撮影して作成した生体標本4のイメージ画像63を用いて微小切片試料2の採取部位を決定し、採取部位について、採取装置としての採取システム機構部1が備える中空採取針11により生体標本4から微小切片試料2を採取することにより、生体標本4を変化させることなく微小切片試料2を採取することができる。また、採取システム機構部1と顕微鏡51およびデジタルカメラ52は独立に稼働することができるのでそれぞれに最適の環境下で作業を行うことができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4を顕微鏡51およびデジタルカメラ52で撮影後、採取システム機構部1へ移動し、生体標本4から微小切片試料2を採取することにより、イメージ画像63の作成と微小切片試料2の採取を異なる装置とすることができ、採取システム機構部1の大きさを小さくすることができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4が隣接する第1の薄片と第2の薄片であって、顕微鏡51およびデジタルカメラ52で撮影して作成した第2の薄片の蛍光などのイメージ画像63を用いて微小切片試料2の採取部位を決定し、輪郭などを利用して第1の薄片と第2の薄片の両イメージ画像63を重ね合わせて第1の薄片の採取部位を決定する。決定された採取部位について、採取システム機構部1が備える中空採取針11により第1の薄片から微小切片試料2を採取することにより、実際に微小切片試料2を採取する第1の薄片を変化させることなく微小切片試料2を採取することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4が標本保持台5に載置され、標本保持台5には、複数の位置マーカー61,62が付され、顕微鏡51およびデジタルカメラ52により生体標本4を位置マーカー61,62と共に撮影してイメージ画像63を作成することにより、イメージ画像63が有する画像座標情報から採取システム機構部1が有する採取座標情報への変換が容易となる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、中空採取針11と生体標本4のいずれか一方又は両方を移動させて微小切片試料2を採取することにより、生体標本4の採取部位を正確に中空採取針11の下方に配置し、微小切片試料2を採取することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本保持台5は採取システム機構部1と顕微鏡51およびデジタルカメラ52に着脱可能であり、生体標本保持台5を採取システム機構部1と顕微鏡51およびデジタルカメラ52との間で移動させる移動装置としての移動部47を備えることにより、生体標本保持台5の着脱を手動で行代わりに自動的に行うことも可能である。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4のイメージ画像63が有する画像座標情報を採取システム機構部1が有する採取座標情報に変換し、微小切片試料2の採取部位を決定することにより、生体標本4のイメージ画像63上で指定した採取部位に基づいて生体標本4から微小切片試料2を正確に採取することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本保持台5は、採取システム機構部1が備える生体標本駆動機構としての生体標本保持台用XYアクチュエータ6の所定の位置に着脱可能に固定されることにより、生体標本保持台5を毎回決められた位置に固定することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本保持台5は、中空採取針11の初期位置から所定の距離離れた位置に着脱可能に固定されることにより、生体標本保持台5を毎回決められた位置に固定することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、中空採取針11の先端部11Bの水平方向における位置座標と位置マーカー61,62の位置座標を検知する座標センサーを備えることにより、生体標本保持台5を採取システム機構部1に精度よく固定するためのノックピン45などが不要となる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、生体標本4をプローブで識別可能に可視化し、可視化された範囲を採取領域として自動的に指定することにより、採取領域を容易に指定することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、イメージ画像63を表示する表示部としてのモニター54と、イメージ画像63において採取領域を指定する操作部としてのキーボード55およびマウス56と、を有する電子計算機としてのコンピュータ53を備え、採取領域を点で指定した場合には、前記点が採取部位として決定され、採取領域を線で指定した場合には、前記線に沿って複数の採取部位が決定され、採取領域を範囲で指定した場合には、前記範囲内において複数の採取部位が決定されることにより、コンピュータ53上で採取部位または採取領域を容易に指定することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、中空採取針11により採取した微小切片試料2を押し出す押出部材としての押し出しピストン棒24を中空採取針11内部に備え、中空採取針11の内部を溶液10が流動可能であることにより、溶液10により押し出す押し出しピストン棒24に付着した微小切片試料2を除去すると共に、中空採取針11内部を洗浄することができる。押し出しピストン棒24は微小切片試料2が中空採取針11の先端内部に詰まるのを防止する役目を果たすので安定した繰り返し採取が可能である。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、中空採取針11により採取した微小切片試料2を押し出す押し出しピストン棒24を中空採取針11内部に備え、中空採取針11の先端部11Bの外側に溶液10又は空気を流動可能としたことにより、押し出す押し出しピストン棒24により中空採取針11の外部へ押し出された微小切片試料2を確実に回収することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、採取システム機構部1は、中空採取針駆動機構としての採取用Zアクチュエータ12と、生体標本保持台駆動機構としての生体標本保持台用XYアクチュエータ6と、収容容器としての反応チャンバー7を移動させる収容容器駆動機構としての回収用アクチュエータ8と、を備え、採取用Zアクチュエータ12と、生体標本保持台用XYアクチュエータ6と、回収用アクチュエータ8が基板としての採取システム基板9上に配設され、採取システム基板9が顕微鏡51のステージ58上に配設されることにより、又は、ステージ58に代えて採取システム基板9を取り付けることにより、採取システム機構部1が顕微鏡51に装着されることにより、既存の顕微鏡51に採取システム機構部1を装着するだけで、本発明に係る微小切片試料採取システムを使用することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、採取システム基板9の長手方向の長さが30cm以下であることにより、採取システム機構部1を一般的な大きさの顕微鏡51に装着することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、中空採取針11は予め設定された降下下限まで降下して微小切片試料2を採取することにより、生体標本4が載置されているシャーレ42などに中空採取針11が衝突して中空採取針11が損傷することを防止することができる。
また、本実施例の微小切片試料採取システムは、上下方向に弾性変形可能な弾性部材としての圧縮コイルばね59を中空採取針11に設けたことにより、中空採取針11の上下方向(Z軸方向)に外力が付加された場合であっても、中空採取針11の損傷を防止することができる。
図15及び図16は、本発明の実施例2を示したものである。本実施例の微小切片試料採取システムは採取システム機構部1を顕微鏡51のステージ58上に装着したものである。本実施例では顕微鏡51として倒立顕微鏡を使用するが、倒立顕微鏡でも照明用光源91が大きい場合には、照明用光源91と採取システム基板9との距離が短くて中空採取針保持アーム33を配置できない。また、正立顕微鏡を用いる場合で生体標本4と対物レンズ92との距離が短いなどの制限があり、中空採取針保持アーム33を間に配置できない。また、レーザ顕微鏡など種々の機構が生体標本保持台5の周辺に存在する場合も中空採取針11を配置できないことがある。本実施例は、生体標本4から微小切片試料2を採取する採取部位を、生体標本4を顕微鏡51で観察する観察位置と異なる位置に設定したものである。
採取システム機構部1は顕微鏡51のステージ58に乗るように、採取システム基板9が22cm(センチメートル)×25cmに形成されている。採取システム基板9は、一般的な顕微鏡51のステージ58に載置できるように長手方向の長さが30cm以下となるように形成すればよいが、さらに外形を小さくし、長手方向の長さが25cm以下とすることが好ましい。小型化が可能であれば、採取システム基板9の長手方向の長さはさらに短くてもよい。
本実施例では、生体標本保持台用XYアクチュエータ6に代えて生体標本保持台用XYアクチュエータ93を用いているため、生体標本保持台5を水平方向(X−Y方向)に加えて上下方向(Z軸方向)に一定距離だけ迅速に動かすことができる。生体標本保持台用XYアクチュエータ93としては圧電素子などで駆動するものやステッピングモータで駆動するものを用いることができる。
採取システム機構部1は、顕微鏡51に装着した時に照明用光源91の光が生体標本4に当たるように、中空採取針ユニット3、生体標本保持台5、生体標本保持台用XYアクチュエータ93および回収用アクチュエータ8が照明用光源91に干渉しないように配置されている。採取システム基板9の下方には顕微鏡51の対物レンズ92が配置されているが、開口48,49を通して生体標本4を観察することができる。
本実施例における微小切片試料2の採取方法について説明する。まず、生体標本保持台5を対物レンズ92の上方(観察位置)に配置する。デジタルカメラ52により生体標本4を撮影し、イメージ画像63を作成する。イメージ画像63をコンピュータ53のモニター54に表示し、上記実施例1の場合と同様に採取部位を決定する。次に、生体標本保持台用XYアクチュエータ93を駆動し、移動部47を移動させて、生体標本保持台5を中空採取針11の下方(採取部位)に配置する。モニター54に表示された「採取開始」ボタン81を押して、微小切片試料2の採取を開始する。指定した全ての採取部位から微小切片試料2を採取し、反応チャンバー7に収容すると、採取が終了する。
本実施例では、生体標本保持台用XYアクチュエータ93は移動部47を水平方向(X−Y方向)に移動可能である。すなわち、生体標本保持台5を2次元的に移動させることが可能となっている。
本発明の微小切片試料採取システムを用いて反応チャンバー7に回収された微小切片試料2中の核酸、タンパク質、その他の生体成分を定性若しくは定量分析又はこれらの成分の被験微小切片試料中の遺伝子発現などを種々分析装置により解析できる。これらの分析又は解析のために、例えば、反応チャンバー7中の微小切片試料2を破砕し、被験物質を抽出し、各種の分析方法又は解析方法を用いることにより実施することができる。また、これらの分析又は解析のために自動分析又は自動解析装置を組み合わせることにより、自動的に分析又は解析できる。自動分析又は自動解析を行うことにより、多数の被験微小切片試料2を迅速に分析又は解析可能である。
微小切片試料2の破砕は、例えば、反応チャンバー7に採取した微小切片試料2を収容後、酵素や界面活性剤等を利用して細胞を破砕する。または直ちに凍結し保管することも出来る。植物などの細胞壁をもつ微小切片試料2については凍結した状態でペッスル等を用いてホモジナイズし、破砕してもよく、又は、採取後の微小切片試料2の変性を抑制する薬剤等を含む溶液10中に採取した微小切片試料2を収容し、直ちにペッスル超音波照射によりホモジナイズし、採取した微小切片試料2を破砕してもよい。これらのホモジナイズされた採取した微小切片試料2より、被験化合物、核酸、ペプチド若しくはタンパク質又はそれらの断片等を抽出して、分析又は解析に使用できる。
採取した微小切片試料2中の成分の定量又は定性分析等の分析又を採取した微小切片試料2中の核酸やタンパク質の発現の解析を行う方法としては、クロマトグラフィー分析、抗原抗体反応、RT−PCR、cDNAマイクロアレイ、全ゲノムシーケンシング、エクソームシーケンシング、ターゲットリシーケンシング、メチル化シーケンシング、ChIP・Seq、全cDNAシーケンシングによる遺伝子発現解析、Small RNA解析、DNA配列解析、ウェスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、サザンブロッティング及びタンパク質チップ解析、質量分析等の方法が利用できる。
クロマトグラフィー分析としては、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガス液体クロマトグラフィー(GLC)、高性能薄層クロマトグラフィー(HPTLC)、高速液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)及びガスクロマトグラフィー−マススペクトロメトリー(GC−MS)等が挙げられる。
抗原抗体反応を利用する分析又は解析方法としては、例えば、免疫組織染色(蛍光染色含む)、FACS(フローサイトメトリー)、イムノブロット法、ドットブロット法、ELISA及びRIA等を用いることができる。
また、RT−PCRを用いることにより、採取した微小切片試料2中の核酸を分析又はその発現を解析できる。分析又は解析される核酸としては、ゲノムDNA、メッセンジャーRNA(mRNA)、非コードRNA(ncRNA)、マイクロRNA、並びにそれらの断片などが含まれるが、これらに限定されない。RT−PCRとしては、通常のRT−PCR又はリアルタイムRT−PCRでもよく、反応チャンバー7中の採取した微小切片試料2を破砕し核酸を分離し、分離された核酸又は該核酸と同じ若しくは相補的な配列を有する、例えばcDNA等の核酸をレジンやビーズ等の固相担体に固定化することにより、核酸ライブラリを作製することができる。この核酸ライブラリの核酸をリアルタイムRT−PCRにより分析することによって、採取した微小切片試料2における1種以上の遺伝子発現状況を分析することが可能である。より詳細な情報を得る方法としてゲノム全シーケンシングあるいは全トランスクリプトーム(mRNA)シーケンシングを大容量DNAシーケンサで網羅的に行うこともできる。
また、cDNAマイクロアレイ、エクソームシーケンシング、ターゲットリシーケンシング、メチル化シーケンシング、ウェスタンブロッティング、ノーザンブロッティング、サザンブロッティング及びプロテインチップ解析等を用いることにより、例えば、疾患の診断に関連するタンパク質や遺伝子の発現量やSNPs等のバイオマーカー等を解析することができる。
これらの操作は、反応チャンバー7に採取した微小切片試料2を、微小切片試料調製システムに搬送し、この微小切片試料調製システムで行うこともできる。
なお、これらの微小切片試料2の抽出又は分離方法、分析方法、解析方法、cDNAライブラリの作製方法等は、当業者に周知の方法を使用して実施できる(国際公開WO2006/112400号、同WO2007/139224号、同WO2013/125141号、同WO2015/008320号、特開2007−312098号公報)。
さらに、本発明のシステムを用いて反応チャンバー7に採取した微小切片試料2を用い、例えば、細胞膜上に存在する特定の受容体に対するアゴニスト又はアンタゴニストのスクリーニング、ペプチドのスクリーニング、レセプタースクリーニング及び癌細胞のスクリーニング等に使用できる。これらのスクリーニング方法を自動化することにより、ハイスループットスクリーニングが可能となる。これらのスクリーニングへの応用は、当業者に周知の方法を使用して実施できる(特開2010−29178号公報)。
上記の分析又は解析により、例えば、微小切片試料2を採取したヒト又は動物が罹患する疾患の診断、将来罹患又は発症する可能性のある疾患又はその確率の予測、各種疾患に対する予防又は治療薬のスクリーニング、動物及び植物標本中の1細胞毎の発現遺伝子の解析等に活用できるが、これらに限定されない。
図17は、本発明の実施例3を示したものである。本実施例は、上記実施例2の採取用Zアクチュエータ12に代えて、中空採取針11を上下方向(Z軸方向)だけでなく、水平方向(X−Y方向)にも移動させることが可能な中空採取針駆動XYZアクチュエータ94を備えたものである。
本実施例では、生体標本4を載置した生体標本保持台5を対物レンズ92の上方(観察位置)に配置し、デジタルカメラ52により生体標本4を撮影し、イメージ画像63を作成する。イメージ画像63をコンピュータ53のモニター54に表示し、上記実施例1の場合と同様に採取部位を決定する。次に、標本台高速駆動Xアクチュエータ94を駆動し、移動部47を移動させて、生体標本保持台5を中空採取針11の下方(採取部位)に配置する。モニター54に表示された「採取開始」ボタン81を押して、微小切片試料2の採取を開始する。指定した全ての採取部位から微小切片試料2を採取し、反応チャンバー7に収容すると、採取が終了する。
本実施例では、移動部47は水平方向(X−Y方向)に直線的にのみ移動可能であるため、観察位置と採取部位は、同一平面上に設定されている。標本台高速駆動Xアクチュエータ93は、移動オブ47を観察位置と採取部位との間で往復動させるだけでよいため、ステップ幅を大きく設定し、移動速度を速くすることができる。一方、中空採取針駆動XYZアクチュエータ94のステップ幅は小さく設定され、生体標本4の採取部位に正確に中空採取針11を移動させることができる。
実施例2及び実施例3において、採取システム機構部1を顕微鏡51のステージ58上に照明用光源91に干渉しないように装着することができる場合には、観察位置と採取部位が同位置となるため、生体標本保持台5を観察位置と採取部位との間で移動させる必要がなくなる。そのため、生体標本保持台用XYアクチュエータ6や、標本台高速駆動Xアクチュエータ93が不要となる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、押し出しピストン棒に付着した微小切片試料を除去する際に、微小切片試料に溶液を混合したくないときには中空採取針内に空気を流動させ、中空採取針の先端部から吹き出し、風力により微小切片試料を押し出しピストン棒から除去してもよい。
1 採取システム機構部
2 微小切片試料
3 中空採取針ユニット
4 生体標本
5 生体標本保持台
6 生体標本保持台用XYアクチュエータ(生体標本保持台駆動機構)
7 反応チャンバー(収容容器)
7A 収容部
8 回収用アクチュエータ(収容容器駆動機構)
9 採取システム基板(基板)
10 溶液
11 中空採取針
11A 基端部
11B 先端部
12 採取用Zアクチュエータ(中空採取針駆動機構)
13 テフロンチューブ
14 中空採取針ハウジング
15 本体部
16 上筒部
17 下筒部
18 中筒部
19 上通路
20 下通路
21 中通路
22 外側ステンレスパイプ
23 内側ステンレスパイプ
24 押し出しピストン棒(押出部材)
24A 先端部
25 押し出しピストン棒駆動部
26 テフロンチューブ
27 真空式スプレーノズル付き溶液溜
28 Oリング
29 ハウジング収容部
30 閉塞部
31 中空採取針ホルダー
32 溝部
33 中空採取針保持アーム
34 ノックピン
35 ピン挿入部
36 中空採取針先端位置調整冶具
37 基台
38 縦壁部
39 手動スライダー
40 接触センサー
41 ノックピン
42 シャーレ
43 薄膜
44 載置溝
45 ノックピン
46 ピン挿入孔
47 移動部(移動装置)
50 反応チャンバー取付部
51 顕微鏡(撮影装置)
52 デジタルカメラ(撮影装置)
53 コンピュータ(電子計算機)
54 モニター(表示部)
55 キーボード(操作部)
56 マウス(操作部)
57 電源制御部
58 ステージ
59 圧縮コイルばね(弾性部材)
61 位置マーカー
62 位置マーカー
63 イメージ画像
71 初期画面
72 イニシャライズボタン
73 試料載置ボタン
74 載置終了ボタン
75 Z軸調整ボタン
76 形状指定ボタン
77 第2画面
78 第1採取領域ボタン
79 確定ボタン
80 第2採取領域ボタン
81 採取開始ボタン
82 再採取ボタン
91 照明用光源
92 対物レンズ
93 標本台高速駆動Xアクチュエータ(生体標本保持台駆動機構)
94 中空採取針駆動XYZアクチュエータ(中空採取針駆動機構)

Claims (18)

  1. 生体標本から微小切片試料を自動採取するシステムであって、
    撮影装置で撮影して作成した前記生体標本のイメージ画像を用いて前記微小切片試料の採取部位を決定し、
    前記採取部位について、採取装置が備える中空採取針により前記生体標本から前記微小切片試料を採取することを特徴とする微小切片試料採取システム。
  2. 前記生体標本を前記撮影装置で撮影後、前記採取装置へ移動し、前記生体標本から前記微小切片試料を採取することを特徴とする請求項1に記載の微小切片試料採取システム。
  3. 前記生体標本が隣接する第1の薄片と第2の薄片であって、
    前記撮影装置で撮影して作成した前記第2の薄片のイメージ画像を用いて前記微小切片試料の採取部位を決定し、
    決定された採取部位について、前記採取装置が備える中空採取針により前記第1の薄片から前記微小切片試料を採取することを特徴とする請求項1に記載の微小切片試料採取システム。
  4. 前記生体標本が生体標本保持台に載置され、
    前記生体標本保持台には、複数の位置マーカーが付され、
    前記撮影装置により前記生体標本を前記位置マーカーと共に撮影して前記イメージ画像を作成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  5. 前記中空採取針と前記生体標本のいずれか一方又は両方を移動させて前記微小切片試料を採取することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  6. 前記生体標本保持台は前記採取装置と前記撮影装置に着脱可能であり、
    前記生体標本保持台を前記採取装置と前記撮影装置との間で移動させる移動装置を備えることを特徴とする請求項2に記載の微小切片試料採取システム。
  7. 前記イメージ画像が有する画像座標情報を前記採取装置が有する採取座標情報に変換し、前記微小切片試料の採取部位を決定することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  8. 前記生体標本保持台は、前記採取装置が備える生体標本駆動機構の所定の位置に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  9. 前記生体標本保持台は、前記中空採取針の初期位置から所定の距離離れた位置に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  10. 前記中空採取針の先端部の水平方向における位置座標と前記位置マーカーの位置座標を検知する座標センサーを備えることを特徴とする請求項4に記載の微小切片試料採取システム。
  11. 前記生体標本をプローブで識別可能に可視化し、可視化された範囲を採取領域として自動的に指定することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  12. 前記イメージ画像を表示する表示部と、前記イメージ画像において採取領域を指定する操作部と、を有する電子計算機を備え、
    前記採取領域を点で指定した場合には、前記点が前記採取部位として決定され、
    前記採取領域を線で指定した場合には、前記線に沿って複数の前記採取部位が決定され、
    前記採取領域を範囲で指定した場合には、前記範囲内において複数の前記採取部位が決定されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  13. 前記中空採取針により採取した前記微小切片試料を押し出す押出部材を前記中空採取針内部に備え、前記中空採取針の内部を溶液が流動可能であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  14. 前記中空採取針により採取した前記微小切片試料を押し出す押出部材を前記中空採取針内部に備え、
    前記中空採取針の先端部の外側に溶液又は空気を流動可能としたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  15. 前記採取装置は、中空採取針駆動機構と、生体標本保持台駆動機構と、収容容器を移動させる収容容器駆動機構と、を備え、
    前記中空採取針駆動機構と、前記生体標本保持台駆動機構と、前記収容容器駆動機構が基板上に配設され、
    前記基板が顕微鏡のステージ上に配設されることにより、又は、前記ステージに代えて前記基板を取り付けることにより、前記採取装置が前記顕微鏡に装着されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  16. 前記基板の長手方向の長さが30cm以下であることを特徴とする請求項15に記載の微小切片試料採取システム。
  17. 前記中空採取針は予め設定された降下下限まで降下して前記微小切片試料を採取することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
  18. 上下方向に弾性変形可能な弾性部材を前記中空採取針に設けたことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の微小切片試料採取システム。
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