JP2019062661A - 同期電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同期電動機1の電流及び端子電圧の静止座標系変換値と巻線抵抗値とから静止座標系誘起電圧を演算する手段と、同期電動機1の電流及び端子電圧の回転座標系変換値と巻線抵抗値とから回転座標系磁束を演算する手段と、回転座標系磁束を初期値として、静止座標系誘起電圧を積分または不完全積分することにより静止座標系磁束を演算する手段と、静止座標系磁束と同期電動機1の電流の静止座標系変換値とq軸インダクタンスとから、回転子磁極に対して平行な静止座標系拡張磁束を演算する手段と、静止座標系拡張磁束から磁極位置及び速度を推定する手段と、を備える。
【選択図】図1
Description
特許文献1では、インバータ等の電力変換部の出力電圧と電動機の巻線抵抗による電圧降下との差分(電動機の誘起電圧に相当)をローパスフィルタ処理し、その出力位相を位相調整器により遅らせて得た磁束ベクトルから位相及び速度を推定している。これにより、積分器を用いる方法に比べて磁束推定値のオフセットを低減し、磁束推定精度の向上を目指している。
すなわち、請求項1に係る発明は、同期電動機の磁極位置及び速度を推定して電力変換器により前記同期電動機を駆動するための制御装置において、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の静止座標系演算値を生成する手段と、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の回転座標系演算値を生成する手段と、
前記静止座標系演算値と前記同期電動機の巻線抵抗値とから、前記同期電動機の静止座標系誘起電圧を演算する手段と、
前記回転座標系演算値と前記巻線抵抗値とから、前記同期電動機の回転座標系磁束を演算する手段と、
前記回転座標系磁束を初期値として、前記静止座標系誘起電圧を積分して静止座標系磁束を演算する手段と、
前記静止座標系磁束と、前記同期電動機の電流の静止座標系演算値と、前記同期電動機の回転子磁極に対して直交方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスとから、前記回転子磁極に対して平行方向に発生する静止座標系拡張磁束を演算する手段と、
前記静止座標系拡張磁束から、前記同期電動機の磁極位置及び速度を推定する手段と、
を備えたものである。
前記同期電動機の電流及び端子電圧の静止座標系演算値を生成する手段と、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の回転座標系演算値を生成する手段と、
前記静止座標系演算値と前記同期電動機の巻線抵抗値とから、前記同期電動機の静止座標系誘起電圧を演算する手段と、
前記回転座標系演算値と前記巻線抵抗値とから、前記同期電動機の回転座標系磁束を演算する手段と、
前記回転座標系磁束を初期値として、前記静止座標系誘起電圧を不完全積分して静止座標系磁束を演算する手段と、
前記静止座標系磁束と、前記同期電動機の電流の静止座標系演算値と、前記同期電動機の回転子磁極に対して直交方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスとから、前記回転子磁極に対して平行方向に発生する静止座標系拡張磁束を演算する手段と、
前記静止座標系拡張磁束から、前記同期電動機の磁極位置及び速度を推定する手段と、
を備えたものである。
なお、各図において、同一の構成要素については同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、本発明は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施することができる。
まず、図2は本明細書において使用する座標系の説明図である。以下、この図2に基づいて各座標系を説明する。
d−q座標系は、同期電動機の実際の磁極位置と同期して回転する回転座標系であり、同期電動機の実際の速度ωrで回転する。本実施形態における位置・速度センサレス制御は、このd−q座標系を推定して表現することができる。ここでは、d軸を同期電動機の磁極位置方向と定める。
α−β座標系は上述したd−q座標系,γ―δ座標系とは異なり、一定の位置を示す静止座標系である。ここでは、α軸を同期電動機の固定子巻線のu相方向と定める。
以下では、α−β座標とd−q座標との位相差をθr、α−β座標とγ−δ座標との位相差をθγ、d−q座標とγ―δ座標との位相差をθerrと呼称する。
図3〜図5は、本実施形態で使用する二つの制御モード(引込みモード,センサレスベクトルモード)についての説明図である。以下、各制御モードについて説明する。
引込みモードでは、ωγにはωr *がセットされ、実際のモータ速度ωrによらずγ―δ座標はωr *で回転する。一方、センサレスベクトルモードでは、ωγにはωrの推定値であるωrestがセットされ、γ―δ座標はd−q座標に追従して回転する。
以上の速度選択機能は、後述する図1の速度選択器14に実装される。
一方、ベクトルモードでは、iγδ *にはトルク指令を出力するためのiγδvect *がセットされるが、iγδvect *は、同期電動機の出力トルクがトルク指令となる範囲であれば自由に設定してよい。以上の電流指令選択機能は、図1の電流指令選択器8に実装される。
(1)引込みモード
始めに、図1に基づいて、引込みモードにおける動作を制御装置の構成と共に説明する。
引込みモードでは、速度選択器14によりωγには速度指令値ωr *がセットされる。このため、速度制御器7の入力は0となり、出力のトルク指令τ*も0となる。このとき、電流指令選択器8では、トルク指令τ*によらずに所定のiγδvect *がiγδ *にセットされる。
3相/2相変換器17bは、u相電流検出器5u及びW相電流検出器5wにより検出したu,w相電流検出値iu,iw、及び演算により求めたv相電流ivを、α−β座標系の電流値iα,iβに変換する。
γ軸電流指令値iγ *とγ軸電流値iγとの偏差を減算器6bにて演算し、この偏差がなくなるようにγ軸電流制御器9aがγ軸電圧指令値vγ *を演算する。同様に、δ軸電流指令値iδ *とδ軸電流値iδとの偏差を減算器6cにて演算し、この偏差がなくなるようにδ軸電流制御器9bがδ軸電圧指令値vδ *を演算する。
これらのγ−δ座標系電圧指令値vγ *,vδ *は、座標回転器16aにより、θγに基づいてα−β座標系の電圧指令値vα *,vβ *に変換される。
次に、センサレスベクトルモードの動作を説明する。
センサレスベクトルモードでは、速度選択器14により、ωγに速度推定器13からの推定速度ωrestがセットされる。減算器6aはωr *とωγとの偏差を演算し、この偏差をなくすように速度制御器7がトルク指令値τ*を演算する。
電流指令選択器8は、トルク指令値τ*から、同期電動機1が所望のトルクを出力するためのγ,δ軸電流指令値iγ *,iδ *を選択する。これ以降の同期電動機1の端子電圧制御までの動作は、前述した引込みモードと同様である。
位相演算器12は、Ψexα,Ψexβから同期電動機1の磁極位置θrの推定値であるθrestを演算し、減算器6dはθrestとθγとの偏差θerrを演算する。
次いで、図1,図6,図7を用いて、引込みモードからセンサレスベクトルモードへの切替え時におけるα−β座標系の拡張磁束推定動作を説明する。なお、図6は図1における磁束初期値推定器10及び拡張磁束推定器11の実施例1を示し、図7は同じく実施例2を示している。
この磁束初期値推定器10は、vγ *,vδ *,iγ,iδ,ωr *,θγより、α−β座標系磁束の初期値であるΨα0,Ψβ0を演算し、これらのΨα0,Ψβ0は拡張磁束推定器11に入力される。ただし、引込みモードでは拡張磁束推定器11の内部の積分器は動作せず、積分器の初期値のみがプリセットされる。
<実施例1>
図6は、請求項1に記載された制御装置の主要部に相当する磁束初期値推定器10a及び拡張磁束推定器11aのブロック図である。
始めに、磁束初期値推定器10aについて説明する。γδ座標磁束演算器19aは、iγ,iδ,vγ *,vδ *,ωr *を用いて、数式1によりγ−δ座標系の磁束Ψγ,Ψδを演算する。
αβ座標誘起電圧演算器21aは、iα,iβ,vα *,vβ *を用いて、数式2によりα−β座標系の誘起電圧Eα,Eβを演算する。
[数2]
Eα=vα *−iαRa
Eβ=vβ *−iβRa
初期値付積分器22は、前述の座標回転器16cから入力されたΨα0,Ψβ0を初期値としてEα,Eβを積分演算し、α−β座標系の磁束Ψα,Ψβを出力する。
[数3]
Ψexα=Ψα−iαLq
Ψexβ=Ψβ−iβLq
Lq:電動機磁極に対して直交する方向のq軸インダクタンス
以上により、拡張磁束推定器11aは、積分初期値の誤差による直流オフセットを発生させることなく、α−β座標系の拡張磁束Ψexα,Ψexβを演算して速度及び磁極位置の推定に用いることができる。
図7は、磁束推定に不完全積分器を用いた場合の磁束初期値推定器10b及び拡張磁束推定器11bのブロック図であり、請求項2に記載された制御装置の主要部に相当する。なお、図中のθcmpは、不完全積分器による位相誤差を補償するための位相補償量であり、任意の値である。
磁束初期値推定器10bでは、座標回転器16dに入力される位相を、加算器24によって演算された(θγ+θcmp)の反転値としており、この点が図6の磁束初期値推定器10aと異なっている。それ以外の構成は、図6と同様である。
2 電力変換器
3 整流回路
4 三相交流電源
5u u相電流検出器
5w w相電流検出器
6a〜6d 減算器
7 速度制御器
8 電流指令選択器
9a γ軸電流制御器
9b δ軸電流制御器
10,10a,10b 磁束初期値推定器
11,11a,11b 拡張磁束推定器
12 位相演算器
13 速度推定器
14 速度選択器
15 積分器
16a,16b,16c,16d,16e 座標回転器
17a 2相/3相変換器
17b 3相/2相変換器
18 PWM回路
19a,19b γδ座標磁束演算器
20a,20b 符号反転器
21a,21b αβ座標誘起電圧演算器
22 初期値付積分器
23a,23b 拡張磁束演算器
24 加算器
25 初期値付不完全積分器
Claims (3)
- 同期電動機の磁極位置及び速度を推定して電力変換器により前記同期電動機を駆動するための制御装置において、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の静止座標系演算値を生成する手段と、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の回転座標系演算値を生成する手段と、
前記静止座標系演算値と前記同期電動機の巻線抵抗値とから、前記同期電動機の静止座標系誘起電圧を演算する手段と、
前記回転座標系演算値と前記巻線抵抗値とから、前記同期電動機の回転座標系磁束を演算する手段と、
前記回転座標系磁束を初期値として、前記静止座標系誘起電圧を積分して静止座標系磁束を演算する手段と、
前記静止座標系磁束と、前記同期電動機の電流の静止座標系演算値と、前記同期電動機の回転子磁極に対して直交方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスとから、前記回転子磁極に対して平行方向に発生する静止座標系拡張磁束を演算する手段と、
前記静止座標系拡張磁束から、前記同期電動機の磁極位置及び速度を推定する手段と、
を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。 - 同期電動機の磁極位置及び速度を推定して電力変換器により前記同期電動機を駆動するための制御装置において、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の静止座標系演算値を生成する手段と、
前記同期電動機の電流及び端子電圧の回転座標系演算値を生成する手段と、
前記静止座標系演算値と前記同期電動機の巻線抵抗値とから、前記同期電動機の静止座標系誘起電圧を演算する手段と、
前記回転座標系変換値と前記巻線抵抗値とから、前記同期電動機の回転座標系磁束を演算する手段と、
前記回転座標系磁束を初期値として、前記静止座標系誘起電圧を不完全積分して静止座標系磁束を演算する手段と、
前記静止座標系磁束と、前記同期電動機の電流の静止座標系演算値と、前記同期電動機の回転子磁極に対して直交方向のインダクタンスであるq軸インダクタンスとから、前記回転子磁極に対して平行方向に発生する静止座標系拡張磁束を演算する手段と、
前記静止座標系拡張磁束から、前記同期電動機の磁極位置及び速度を推定する手段と、
を備えたことを特徴とする同期電動機の制御装置。 - 請求項2に記載した同期電動機の制御装置において、
前記静止座標系拡張磁束を演算する手段は、前記静止座標系誘起電圧の不完全積分による位相誤差を補償した静止座標系磁束を演算に用いることを特徴とする同期電動機の制御装置。
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JP7095760B1 (ja) * | 2021-01-14 | 2022-07-05 | 株式会社安川電機 | 制御装置、磁束推定装置及び磁束推定方法 |
JP7358277B2 (ja) | 2020-03-03 | 2023-10-10 | 株式会社東芝 | 駆動装置、駆動システム、及び、電動機の駆動方法 |
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