JP2019060106A - デッキプレート用インサート、デッキプレート用インサートの施工方法及び配管支持具の取り付け方法 - Google Patents

デッキプレート用インサート、デッキプレート用インサートの施工方法及び配管支持具の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インサートと吊り金具との螺合部分の強度が高く、多種多様な吊り金具の形状に対応することができ、更に、インサート取付後におけるデッキプレート下面の美感をも考慮したデッキプレート用インサートの提供。【解決手段】デッキプレートの貫通孔に上方から挿通取付されるインサートであって、鍔状の頭部23と、貫通孔に挿通される軸部21と、軸部に形成された雌ネジ部とからなるインサート本体2と、ワッシャー部材4と、ワッシャー部材をデッキプレート上面に押し付けるスプリング部材3と、デッキプレート挿通取付時に、デッキプレート下側にて外周方向に張出し可能な張出し片部が設けられた筒状部材5を有するデッキプレート用インサートにおいて、筒状部材が、有頭の雄ネジ体からなる仮止め部材の外周に装着され、仮止め部材の雄ネジ部と、インサート本体の雌ネジ部とを螺合することにより、筒状部材がインサート本体に取り付けられる構成である。【選択図】図1

Description

本発明はデッキプレート用インサートに関し、詳しくはデッキプレート等の天井プレート材に吊り天井・空調機器・配管類等の吊り構造物を吊り下げるための吊りボルトを吊下げ固定するためのインサートに関する。
波形プレート構造のデッキプレートへのインサートの取付けは、デッキプレートに貫通孔を穿ち、該貫通孔に上方からインサートを打ち込み挿通することで取付固定している。この取付固定後、上階の床面等を施工するためにデッキプレートの上面にはコンクリートが打設され、インサートはコンクリート内に埋設されるので、デッキプレートとインサートとは強く固定される。
従来のインサートは、例えば特許文献1に記載のように、デッキプレートの貫通孔に上方から挿通したインサート本体はその下部がデッキプレートの下方にまで突出した状態となっており、このデッキプレートより下方に位置するインサート本体の下部に形成された雌ネジ部に吊りボルトが挿通される構成となっている。
しかし、特許文献1の技術では、吊りボルトが螺合固定する部分は、デッキプレートより上方の打設コンクリート内に埋設されるのではなく、打設コンクリートの無いデッキプレートより下方に突出状態で位置することになる。これにより、この吊りボルトが螺合固定する部分の強度は、インサート本体の雌ネジ部の強度のみに依存することになるので、打設コンクリート内にインサート本体の略全部が埋設される一般的なインサートに比して、剪断力の点で低くならざるをえないという問題点を有している。
一方で、上記のような問題点を解消すべく、特許文献2又は3に記載の技術が提案されている。
これらの技術によれば、最も強度が要求される部分であるインサート本体の吊りボルトが螺合された部分が、デッキプレートより上方位置の打設コンクリート内に埋設された状態となる。これにより、インサート本体の雌ネジ部が形成された部分の強度に加えて、この雌ネジ部が形成された部分の外周を埋める打設コンクリートの強度も加わるため、剪断力を高くすることができるものとなった。
しかし、本発明者らの研究によれば、インサートに吊り下げられる配管支持具等の構造は多様化しており、例えば、1つの配管支持バンドを吊り下げるために複数の吊りボルトを用いることがあり、この場合は、インサートから垂直に吊り下げる他、斜め方向に向かって吊り下げることもある。このように、吊りボルトを斜め方向へ取り付ける場合は、インサートと吊りボルトの取付において特殊な金具を介在させることがあり、この特殊な金具を取り付けるためには、デッキプレートの下方に位置する外筒部等が妨げとなるという問題点があることを突き止めた。
また、デッキプレートの下面を、下階の天井としてそのまま利用する場合は、インサートの外筒部等がデッキプレート下面に表れることが、美感の上で好ましくないという問題点もあることを知った。
実公平01−019694 登録実用新案第3190516号 特開2016−050399
そこで、本発明の課題は、インサートと吊り金具との螺合部分の強度が高く、多種多様な吊り金具の形状に対応することができ、更に、インサート取付後におけるデッキプレート下面の美感をも考慮したデッキプレート用インサートを提供することにある。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.デッキプレートに穿かれた貫通孔に上方から挿通取付されるデッキプレート用インサートであって、
鍔状の頭部と、前記貫通孔に挿通される軸部と、該軸部に形成された雌ネジ部とからなるインサート本体と、
前記軸部の外周に装着され、前記デッキプレート挿通取付時に該デッキプレート上面に当接するワッシャー部材と、
前記ワッシャー部材と前記頭部との間において前記軸部の外周に装着され、前記ワッシャー部材を前記デッキプレート上面に押し付けるスプリング部材と、
前記デッキプレート挿通取付時に、該デッキプレート下側にて外周方向に張出し可能な張出し片部が設けられた筒状部材を有するデッキプレート用インサートにおいて、
前記筒状部材が、有頭の雄ネジ体からなる仮止め部材の外周に装着され、
前記仮止め部材の雄ネジ部と、前記インサート本体の雌ネジ部とを螺合することにより、前記筒状部材がインサート本体に取り付けられる構成であることを特徴とするデッキプレート用インサート。
2.筒状部材と仮止め部材の間に、スペーサー部材が設けられた構成であることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート用インサート。
3.スペーサー部材が設けられることにより、筒状部材の上端面が、インサート本体の下端面より上方に位置することを防ぐ構成であることを特徴とする請求項2に記載のデッキプレート用インサート。
4.デッキプレートに挿通取付された後、筒状部材、仮止め部材及びスペーサー部材をインサート本体から取り外した状態で、デッキプレート下面から突出する箇所が無いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
5.筒状部材の張出し片部の下方に筒部が設けられ、この筒部の内筒に係止部が設けられ、筒状部材の下方からスペーサー部材が脱落するのを防止する構成であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
6.仮止め部材が、ボルトであることであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
7.請求項1〜6のいずれかに記載のデッキプレート用インサートが用いられ、
前記デッキプレート用インサートを、デッキプレートに穿かれた貫通孔に上方から挿通して取付け、該デッキプレートの上面にコンクリートを打設した後、
インサート本体との螺合を解除することによって仮止め部材を取り外すと同時に、仮止め部材に挿入取付された筒状部材又は筒状部材及びスペーサー部材をも取り外すことで、
前記デッキプレートの下側に突出した箇所がすべて取り外されることを特徴とするデッキプレート用インサートの施工方法。
8.デッキプレート用インサートの仮止め部材はボルトであり、
該仮止め部材を電動工具によって取り外すことを特徴とする請求項7に記載のデッキプレート用インサートの施工方法。
9.請求項7又は8に記載の施工方法によって取り付けられたインサート本体から、筒状部材、スペーサー部材及び仮止め部材を取り外した後、
前記インサート本体の雌ネジ部に、吊りボルトが吊り下げられることを特徴とする配管支持具の取り付け方法。
上記1に示す発明によれば、施工対象であるデッキプレートにインサートを挿入取付し、デッキプレート上面にコンクリートを打設した後、インサート本体から仮止め部材を取り外すことにより、筒状部材も同時に取り外されるので、インサート本体の下方には、インサートに係る部材は何ら存在しないことになる。インサート本体の下端面は、デッキプレート下面と同じ平面上に位置するので、デッキプレートの下面からインサートの部材は突出しない。
これにより、インサート全体が、デッキプレート上に打設されたコンクリート内に埋設された状態で、吊りボルト等の吊り金具と接続されるので、インサートと吊り金具との螺合部分の強度が高く、剪断力の高いデッキプレート用インサートを提供することができる。
なお、ここでいう剪断力(剪断応力)とは、部材の平行な2面に沿って等しい大きさで反対方向に力を作用させた状態、或いはその力の事をいい、即ち、インサートが破壊されず、吊りボルト等の吊り金具との結合を維持する力をいう。
また、デッキプレートの下面からインサートの部材は突出又は露出しない構成であるため、形状等を問わず、多種多様の吊り金具を取り付けることができる。
更にまた、デッキプレートの下面からインサートの部材は突出又は露出しない構成であるため、例えば、下階の天井に仕上げ材が使用されず、デッキプレート下面をそのまま天井として利用する場合においても、インサートの部材が視野に入ることは無く、仕上がり後の美感向上に貢献することもできる。
上記2〜3に示す発明によれば、筒状部材と仮止め部材の間にスペーサー部材を設けることにより、仮止め部材の雄ネジ部が、インサート本体の雌ネジ部に必要以上に螺合挿入されることを防ぐことができる。即ち、螺合位置をインサート本体の下端面と、筒状部材の上端面が対面する位置に保持することができる。
これにより、デッキプレートの貫通孔にインサートを挿通取付する際に、インサート本体の下端面とデッキプレート下面とが、略同一の面上に位置するので、筒状部材、スペーサー部材及び仮止め部材を取り外した後は、デッキプレート下面にインサートの部材が突出又は露出することがない。
上記4に示す発明によれば、デッキプレートに挿通取付された後、筒状部材、仮止め部材及びスペーサー部材をインサート本体から取り外した状態で、デッキプレート下面から突出する箇所が無い構成であるため、多種多様の形状の吊り金具を取り付けることができると共に、デッキプレート下面の美感をも考慮したデッキプレート用インサートを提供することができる。
上記5に示す発明によれば、筒状部材の張出し片部の下方に筒部が設けられ、この筒部の内筒に係止部が設けられた構成であるため、スペーサー部材がこの係止部に係止されることによって、筒状部材の下方からスペーサー部材が脱落するのを防止することができる。
上記6に示す発明によれば、仮止め部材としてボルトを用いれば、入手が容易かつ安価である上、インパクトレンジ等の電動工具によって取り外しが容易かつ敏速であり、作業効率を高めることができる。
上記7に示す発明によれば、この施工方法を用いることによって、デッキプレートの下側に突出したインサートの部材がすべて取り外されるので、インサートに多種多様の形状の吊り金具を取り付けることができると共に、デッキプレート下面の美感をも向上させることができる。
上記8に示す発明によれば、仮止め部材としてボルトを用いれば、入手が容易かつ安価である上、インパクトレンジ等の電動工具によって取り外しが容易かつ敏速であり、作業効率を高めることができる。
上記9に示す発明によれば、この配管支持具の取り付け方法を用いることによって、インサートと吊り金具との螺合部分の強度が高いことから、耐久性・耐震性の高い施工が可能であり、多種多様な吊り金具の形状に対応することができ、更に、インサート取付後におけるデッキプレート下面の美感をも向上させることができる。
本発明に係るデッキプレート用インサートの一実施例を表す分解正面図(a)及び組立て正面図(b) インサート本体の4面図(正面図(a)、平面図(b)、底面図(c)及びA−A断面図(d)) 筒状部材の6面図(正面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)、平面図(d)、底面図(e)及びB−B断面図(f)) 筒状部材、スペーサー部材及び仮止め部材が装着された状態を表す正面図(a)、平面図(b)及びC−C断面図(c) 筒状部材の係止部とスペーサー部材の位置関係を説明する要部拡大端面図 デッキプレート用インサートの施工方法を表す概略断面図(インサートをデッキプレートに取り付け、デッキプレートにコンクリートが打設された状態) デッキプレート用インサートの施工方法を表す概略断面図(図6の状態から、インサートの筒状部材、スペーサー部材及び仮止め部材が取り外された状態) デッキプレート用インサートの施工方法及びこれを用いた配管支持具の取り付け方法を示す概略部分断面図
添付の図面に従って、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明に係るデッキプレート用インサート(以下、単に「デッキプレート用インサート」又は「インサート」ともいう。)1は、インサート本体2、スプリング部材3、ワッシャー部材4、筒状部材5、スペーサー部材6及び仮止め部材7から構成される。
インサート本体2は、図1及び図2に示されるように、円筒の形状からなる軸部21と、この軸部21の内筒に形成された雌ネジ部22と、軸部21の上端に形成された鍔状の頭部23から構成される。
雌ネジ部22は、軸部21の内筒の全部又は一部に形成され、その形成される長さに限定はない。
インサート本体2は、少なくとも上記構成を有すればよく、この種のデッキプレート用インサートのインサート本体として公知公用の技術を特別の制限無く採用することができる。また、強度や耐久性を考慮し、金属製であることが好ましい。
スプリング部材3は、図1に示されるように、インサート本体2の頭部23とワッシャー部材4との間において軸部21の外周に装着される。
インサート1をデッキプレートの貫通孔D1に挿通取付すると、このスプリング部材3は収縮変形し、その復元力によってワッシャー部材4をデッキプレート上面D2に押圧するよう作用する。よって、スプリング部材3の長さは、外力が加わらない状態において軸部21の長さと略同一又は軸部21より長く形成される。
スプリング部材3の具体的な形態に限定はなく、公知公用のスプリング(弾性ばね)を特別の制限無く採用することができる。また、強度や耐久性を考慮し、金属製であることが好ましい。
ワッシャー部材4は、インサート1がデッキプレートDに挿通取り付けされた状態において、デッキプレート上面D2に接地して、スプリング部材3によって押圧される部材である。また、インサート本体2が、デッキプレートDの下方に脱落するのを防止する部材でもある。
ワッシャー部材4の具体的な形態に限定はなく、公知公用のワッシャー(座金)を特別の制限無く採用することができる。また、材質について限定はないが、軽量化やコストの面から考慮して合成樹脂を用いることが好ましく、例えば、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等を挙げることができる。
筒状部材5は、図1又は図3に示されるように、張出し片部51及び筒部52から構成され、係止部53が設けられることが好ましい。
張出し片部51は、少なくともこの部分が可撓性を有する材質から形成され、図3に示されるように、インサート1がデッキプレートDに挿通取付される方向に対して下方から上方に向かって拡開し、一部が切欠した形態である。この形態により、筒状部材5がデッキプレートの貫通孔D1を通過するときは、張出し片部51が内側に狭まり、通過(挿通)した後は外周方向に拡開する。
これらの作用によって、インサート1がデッキプレートDに打ち込まれ、筒状部材5が貫通孔D1を通過すると張出し片部51は外周方向へ張出し、その張出した径は貫通孔D1より大きくなるので、デッキプレートDの上方への抜けを防止することができる。また、インサート1をデッキプレートDに固定することができる。
係止部53は、図3に示されるように、筒部52の内筒の下端において内側に突出して設けられる。図では、内筒内周の全周に及んで突出した形状であるが、一部の箇所において突出した形状であっても良いし、この突出した箇所が複数有り、連続的又は断続的に形成されても良い。
係止部53について、図4及び図5に従って詳述する。図4は、筒状部材5、スペーサー部材6及び仮止め部材7が装着された位置関係を示す説明図である。図5は、係止部53とスペーサー部材6の位置関係と作用を示す説明図である。
係止部53は、図5に示されるように、後述するスペーサー部材6と接触し、筒状部材5の下方に脱落することを防止するために設けられる。特にインサート1の製造組立て段階において、筒状部材5の下方からスペーサー部材6が脱落することを防止できれば、生産効率を向上させることができる。
筒状部材5は、この種のデッキプレート用インサートの筒状部材として公知公用の材料である合成樹脂製から形成され、張出し片部51を含めて全体が射出成形等の公知公用の樹脂成形法によって一体成形により形成されることが好ましい。用いられる合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ABS、ポリカーボネート等が挙げられ、好ましくは可撓性を有する合成樹脂であり、最も好ましくはポリプロピレン又はABSである。筒状部材5を可撓性を有する樹脂、特にポリプロピレン製又はABS製とすることにより、張出し片部51が、デッキプレートの貫通孔D1を通過するときは内側に狭まり、通過(挿通)した後は外周方向に拡開するという動作を行う上で適する。
スペーサー部材6は、図4に示されるように、筒状部材5の内側であって、仮止め部材7の外周に装着される。
スペーサー部材6が設けられることにより、筒状部材の上端面54が、インサート本体の下端面24より上方に位置することを防ぐ構成である。このスペーサー部材6の上端は、インサート本体2の下端面24と当接するので、このスペーサー部材6があることにより、筒状部材5の上端面54が、インサート本体2の下端面24より上方に移動することを防ぐことができる。
また、このスペーサー部材6が装着された状態で、インサート本体2の下端面24と、筒状部材5の上端面54とが対面する構成であることが好ましい。ここでいう対面とは、インサート本体2の下端面24と筒状部材5の上端面54とが、略同一面上に位置する意であり、両面が接している必要はない。
よって、筒状部材5の長さと略同一の長さを有する筒状体である。ただし、筒状部材5に係止部53が設けられる場合は、この係止部53が形成される範囲を考慮して、スペーサー部材6の長さが決定される。
スペーサー部材6の具体的態様については限定はない。上記調整が可能な態様であればよく、図4等に例示されるような筒状体であってもよく、同じく筒状の形態を有する弦巻バネのような形態であってもよい。
仮止め部材7は、筒状部材5又は筒状部材5及びスペーサー部材6が装着された状態で、インサート本体2の雌ネジ部22に螺合されることによって仮止めされる部材である。
仮止め部材7は、図1に示されるように、少なくとも雄ネジ部71と鍔状の頭部72から構成される。仮止め部材7の具体的形態に限定はないが、例えば、公知公用のボルトを挙げることができる。仮止め部材7としてボルトを使用した場合は、その脱着にインパクトレンチやインパクトドライバーといった電動工具を使用することができるので、作業が容易且つ敏速で、作業効率を高めることができる。
次に、本発明に係るデッキプレート用インサート1を用いた、デッキプレート用インサートの施工方法について、図6〜8に従って説明する。
図6は、インサート1がデッキプレートの貫通孔D1に挿通され、その後、デッキプレートの上面D2にコンクリートCが打設された状態である。
インサート1は、公知公用のインサートと同様に、デッキプレートDに穿設された貫通孔D1に、筒状部材5、スペーサー部材6及び仮止め部材7から構成される下方部分を挿入する。そして、筒状部材5の筒部52が貫通孔D1に挿通し、張出し片部51は相通していない状態で、インサート本体2の頭部23の上方から下方に向けて力を加え、張出し片部51を貫通孔D1に挿通させる。この状態で、張出し片部51は、デッキプレート下面D3の下方にて外周方向に張出すので、貫通孔D1の上方へ移動することはできない。一方、デッキプレート上面D2には、ワッシャー部材4がスプリング部材3によって押圧されているので、インサート1は、このワッシャー部材4と張出し部材51とでデッキプ
レートDを挟持する格好となり、ここに仮固定される。
続いて、デッキプレート上面D2には、上階の床面を形成するためコンクリートCが打設され、インサート1はコンクリートCに埋没し、これによりインサート1とデッキプレートDは確実に固定される(図6に示される状態)。
図6に示される状態から、仮止め部材7の螺合を解除し、インサート本体1から取り外す。この際に、インパクトレンチ等の電動工具を用いれば、作業が容易且つ敏速に行えるので、作業効率を向上させることができる。これに伴い、仮止め部材7に装着されている筒状部材5及びスペーサー部材6もインサート本体1から取り外されるので、デッキプレート下面D3には、インサート1に係る部材が突出又は露出しない状態となる。この状態を、図7として示す。
図7に示される状態では、デッキプレート下面D3にインサート1に係る部材が突出又は露出しない状態なので、多種多様の形状の吊り金具(例えば、吊りボルトB)を取り付けることができると共に、デッキプレート下面の美感をも向上させることができる。
図7に示される状態で、インサート1に配管支持具等を取り付けることができる。具体的には、インサート本体2の雌ネジ部22に、吊りボルトBの雄ネジを螺合し、この吊りボルトBに配管支持バンド等の配管支持具を取り付けることができる。
図8は、デッキプレート用インサート1の施工方法及びこれを用いた配管支持具の取り付け方法を示す概略部分断面図である。
図8(a)は、デッキプレートDに、穿孔器具Xを使用して貫通孔D1を穿つ工程を示す
概略部分断面図である。
図8(b)は、デッキプレートDに穿設された貫通孔D1に、インサート1を挿通取付す
る工程を示す概略部分断面図である。
図8(c)は、デッキプレートDに挿通取付されたインサート1から、電動工具Yを使用
して筒状部材5、スペーサー部材6及び仮止め部材7を取り外す工程を示す概略部分断面図である。この工程では、デッキプレートDの上面D2にコンクリートCが打設されている(図示しない)。
図8(d)は、デッキプレートDに挿通取付されたインサート1から、筒状部材5、スペ
ーサー部材6及び仮止め部材7が取り外され、デッキプレートDにはインサート本体2、スプリング部材3及びワッシャー部材4が取り付けられた状態を示す概略部分断面図である。
図8(e)は、インサート本体2の雌ネジ部22と吊りボルト8の雄ネジを螺合すること
によって、インサート1に配管支持具が取り付けられる工程を示す概略部分断面図である。
1 デッキプレート用インサート
2 インサート本体
21 軸部
22 雌ネジ部
23 頭部
24 下端面
3 スプリング部材
4 ワッシャー部材
5 筒状部材
51 張出し片部
52 筒部
53 係止部
54 上端面
6 スペーサー部材
7 仮止め部材
71 雄ネジ部
72 頭部
D デッキプレート
D1 貫通孔
D2 上面
D3 下面
C 打設コンクリート
B 吊りボルト
X 穿孔器具
Y 電動工具
Z 配管支持具

Claims (9)

  1. デッキプレートに穿かれた貫通孔に上方から挿通取付されるデッキプレート用インサートであって、
    鍔状の頭部と、前記貫通孔に挿通される軸部と、該軸部に形成された雌ネジ部とからなるインサート本体と、
    前記軸部の外周に装着され、前記デッキプレート挿通取付時に該デッキプレート上面に当接するワッシャー部材と、
    前記ワッシャー部材と前記頭部との間において前記軸部の外周に装着され、前記ワッシャー部材を前記デッキプレート上面に押し付けるスプリング部材と、
    前記デッキプレート挿通取付時に、該デッキプレート下側にて外周方向に張出し可能な張出し片部が設けられた筒状部材を有するデッキプレート用インサートにおいて、
    前記筒状部材が、有頭の雄ネジ体からなる仮止め部材の外周に装着され、
    前記仮止め部材の雄ネジ部と、前記インサート本体の雌ネジ部とを螺合することにより、前記筒状部材がインサート本体に取り付けられる構成であることを特徴とするデッキプレート用インサート。
  2. 筒状部材と仮止め部材の間に、スペーサー部材が設けられた構成であることを特徴とする請求項1に記載のデッキプレート用インサート。
  3. スペーサー部材が設けられることにより、筒状部材の上端面が、インサート本体の下端面より上方に位置することを防ぐ構成であることを特徴とする請求項2に記載のデッキプレート用インサート。
  4. デッキプレートに挿通取付された後、筒状部材、仮止め部材及びスペーサー部材をインサート本体から取り外した状態で、デッキプレート下面から突出する箇所が無いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
  5. 筒状部材の張出し片部の下方に筒部が設けられ、この筒部の内筒に係止部が設けられ、筒状部材の下方からスペーサー部材が脱落するのを防止する構成であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
  6. 仮止め部材が、ボルトであることであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のデッキプレート用インサート。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のデッキプレート用インサートが用いられ、
    前記デッキプレート用インサートを、デッキプレートに穿かれた貫通孔に上方から挿通して取付け、該デッキプレートの上面にコンクリートを打設した後、
    インサート本体との螺合を解除することによって仮止め部材を取り外すと同時に、仮止め部材に挿入取付された筒状部材又は筒状部材及びスペーサー部材をも取り外すことで、前記デッキプレートの下側に突出した箇所がすべて取り外されることを特徴とするデッキプレート用インサートの施工方法。
  8. デッキプレート用インサートの仮止め部材はボルトであり、
    該仮止め部材を電動工具によって取り外すことを特徴とする請求項7に記載のデッキプレート用インサートの施工方法。
  9. 請求項7又は8に記載の施工方法によって取り付けられたインサート本体から、筒状部材、スペーサー部材及び仮止め部材を取り外した後、
    前記インサート本体の雌ネジ部に、吊りボルトが吊り下げられることを特徴とする配管
    支持具の取り付け方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021533293A (ja) * 2018-08-10 2021-12-02 ニル,ランス 角度付ベースプレートを有するアンカープラットフォームアセンブリ

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