JP2019059933A - エチレン重合用触媒およびエチレン系重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン重合用触媒およびエチレン系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】含まれる遷移金属化合物が1種のみであっても、長鎖分岐が多く導入されたエチレン系重合体を高い触媒活性で製造することができるエチレン重合用触媒等を提供する。【解決手段】下記一般式[1]で表される遷移金属化合物[A]と、固体状担体[S]とを含んでなるエチレン重合用触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン重合用触媒およびこれを用いたエチレン系重合体の製造方法に関する。
オレフィン重合体は、様々な成形方法により成形され、多方面の用途に使用されている。例えば、食料品、液体物または日用雑貨などの包装に用いられるフィルムまたはシートには、エチレン系重合体の押出成形体が用いられている。成形方法または用途に応じて、オレフィン重合体に要求される特性は異なってくるが、例えば、Tダイ成形を行う際、高速においても安定的に成形が可能(高速成膜加工性)、ネックインが小さいなどの加工性能を有することが求められている。
高圧法ラジカル重合により製造される低密度ポリエチレン(LDPE)は、複雑な長鎖分岐構造を有しているため溶融張力が大きく、そのためにネックインが小さいなど成形加工性が良いため、さまざまな用途に供されている。しかしながら、成形体の引張強度、引裂強度または耐衝撃強度などの機械的強度は低く、またTダイ成形における高速成膜加工性に劣るといった問題点も残されている。
一方、チーグラー触媒またはメタロセン触媒を使用して製造されるエチレン系重合体は、LDPEとは対照的に、その分子構造に由来して、引張強度、引裂強度または耐衝撃強度が高く、そのため機械的強度が必要とされる用途に供されているが、溶融張力が小さく成形加工性に劣るといった問題点がある。
これらの問題を解決するために、2種の遷移金属化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分の存在下で長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法(特許文献1、2など)が提案されている。
また、1種の遷移金属化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分の存在下で長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法として、遷移金属化合物として架橋ビス(1−インデニル)型化合物を用いる方法(特許文献3など)、架橋シクロペンタジエニル(1−インデニル)型化合物を用いる方法(特許文献4、5など)が報告されている。
一方、特許文献6〜9および非特許文献1では、後述するような2−インデニル基を有する遷移金属化合物を使用したオレフィン重合が報告されている。
特開2006−233208号公報 特開2009−144148号公報 特開2007−119716号公報 国際公開第2015/152268号 特開2014−118550号公報 特開平11−315089号公報 特開平11−292934号公報 特開2001−220404号公報 特開2001−302687号公報
Macromolecules, 2004, 37(7), 2342
特許文献1、2などに記載された2種の遷移金属化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分を用いてエチレン系重合体を製造する場合には、1種の遷移金属化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分に比べ、重合体組成の制御方法が複雑化する。なぜなら、それぞれの単独の遷移金属化合物に由来する重合体組成(分子量、分子量分布、密度など)に加え、それぞれの遷移金属化合物に由来する重合体生成量比も、得られる重合体組成の変動因子となるためである。それぞれの遷移金属化合物に由来する重合体生成量比は、固体状担体に接触させる各遷移金属化合物の接触量比によって制御することが可能であるが、水分など触媒毒となる成分の多寡によっても変動し得る。実際、固体触媒存在下にエチレンを導入し、スラリー重合あるいは気相重合をバッチあるいは連続的に行なう際、得られる重合体の組成が変動し規格外の製品となることがあった。したがって、重合体組成の制御方法の単純化という観点からは、固体触媒成分に使用される遷移金属化合物は1種であることが望まれる。
その一方で、特許文献3〜5などに記載された1種の遷移金属化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分の存在下で長鎖分岐を有するエチレン系重合体を製造する方法では、エチレン系重合体の長鎖分岐量が少ない、または触媒活性が低いなどの課題があった。
本発明は、従来技術における上記の問題点に鑑みてなされたものであって、含まれる遷移金属化合物が1種のみであっても、長鎖分岐が多く導入されたエチレン系重合体を高い触媒活性で製造することができるエチレン重合用触媒、およびこれを用いたエチレン系重合体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、架橋(2−インデニル)(1−インデニル)型化合物と固体状担体とからなる固体触媒成分を使用することによって上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成させた。
2−インデニル基を有する遷移金属化合物を使用したオレフィン重合は、特許文献6−9および非特許文献1で報告されており、例えば、特許文献6には、無定形(共)重合体を製造するために、(2−インデニル)(1−インデニル)ジメチルシリルジルコニウムジクロライド等の存在下でエチレン重合が行われたことが記載されて(実施例11など)、非特許文献1には、[(2−インデニル)(2−フェニル−1−インデニル)ジメチルシリル]ジルコニウムジクロライドの存在下で、エチレンとプロピレンとの共重合およびエチレンと1−ヘキセンとの共重合が行われたことが記載されている。しかし、これらには長鎖分岐を有するエチレン系重合体の製造についての記載ないし示唆はない。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]
下記一般式[1]で表される遷移金属化合物[A]と、固体状担体[S]とを含んでなるエチレン重合用触媒。
Figure 2019059933
(一般式[1]中、Mは、周期表第4族遷移金属原子であり、
nは、遷移金属化合物[A]が電気的に中性となるように選択される1〜4の整数であり、
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、前記アニオン配位子は、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、
Qは、周期表第14族原子であり、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、R1〜R6のうちの隣接した置換基同士は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、R7〜R12のうちの隣接した置換基同士は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、R13およびR14は、互いに結合してQを含む環を形成してもよく、この環は置換基を有していてもよい。)
[2]
前記一般式[1]において、
Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、
Qが、炭素原子またはケイ素原子であり、
1〜R6およびR8〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、
7が、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、または窒素、酸素、硫黄から選ばれる原子を少なくとも1つ含む母骨格を5員環とする、置換基を有していてもよい複素環式芳香族基である前記[1]のエチレン重合用触媒。
[3]
前記一般式[1]において、
Qが、ケイ素原子であり、
1およびR6が、水素原子であり、
2〜R5およびR7〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基である前記[2]のエチレン重合用触媒。
[4]
前記固体状担体(S)が多孔質酸化物である、前記[1]〜[3]のいずれかのエチレン重合用触媒。
[5]
前記[1]〜[4]のいずれかのエチレン重合用触媒の存在下で、エチレンを重合するか、またはエチレンと炭素数3以上20以下のオレフィンとを重合する、エチレン系重合体の製造方法。
[6]
重合温度が60℃以上であることを特徴とする、前記[5]のエチレン系重合体の製造方法。
[7]
前記エチレン系重合体が、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合体であって、下記要件(1)〜(4)を満たす、前記[5]または[6]のエチレン系重合体の製造方法。(1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g
/10分以上30g/10分以下である;
(2)密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC
-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、
η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
(4)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度
検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0
.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4以上1.65×10-4以下である。
本発明に係るエチレン重合用触媒およびエチレン系重合体の製造方法によれば、エチレン重合用触媒が含む遷移金属化合物が1種類のみであっても、長鎖分岐が多く導入されたエチレン系重合体を高い触媒活性で製造することができる。
以下、本発明に係るエチレン重合用触媒等をさらに詳細に説明する。
[エチレン重合用触媒]
本発明に係るエチレン重合用触媒は、遷移金属化合物[A]と固体状担体[S]とを含んでなる。
(遷移金属化合物[A])
本発明に係るエチレン重合用触媒に含まれる遷移金属化合物[A](以下「成分(A)」と記載することもある。)は、下記一般式[1]で表される。
Figure 2019059933
《M、n、X》
一般式[1]において、Mは、周期表第4族遷移金属原子であり、好ましくはジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、さらに好ましくはジルコニウム原子である。
nは、遷移金属化合物[A]が電気的に中性となるように選択される1〜4の整数であり、好ましくは1または2である。
Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、前記アニオン配位子は、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基である。Xは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基または酸素含有基である。
nが2以上の場合は、複数存在するXは互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。また、前記環が複数存在する場合には、前記環は互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる、好ましくは塩素または臭素である。
前記炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基(ブタン−2−イル基)、tert−ブチル基(2−メチルプロパン−2−イル基)、iso−ブチル基(2−メチルプロピル基)、ペンタン−2−イル基、2−メチルブチル基、iso−ペンチル基(3−メチルブチル基)、ネオペンチル基(2,2−ジメチルプロピル基)、シアミル基(1,2−ジメチルプロピル基)、iso−ヘキシル基(4−メチルペンチル基)、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、テキシル基(2,3−ジメチルブタ−2−イル基)、4,4−ジメチルペンチル基などの直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基(プロパ−1−エン−1−イル基)、iso−プロペニル基(プロパ−1−エン−2−イル基)、アレニル基(プロパ−1,2−ジエン−1−イル基)、ブタ−3−エン−1−イル基、クロチル基(ブタ−2−エン−1−イル基)、ブタ−3−エン−2−イル基、メタリル基(2−メチルアリル基)、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、iso−ペンテニル基(3−メチルブタ−3−エン−1−イル基)、2−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、プレニル基(3−メチルブタ−2−エン−1−イル基)などの直鎖状または分岐状のアルケニル基もしくは不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基(プロパ−1−イン−1−イル基)などの直鎖状または分岐状のアルキニル基もしくは不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、クミニル基(4−iso−プロピルベンジル基)、2,4,6−トリ−iso−プロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基、1−フェニルエチル基、ベンズヒドリル基(ジフェニルメチル基)などの芳香族含有直鎖状または分岐状のアルキル基および不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプタトリエニル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基(メチルフェニル基)、キシリル基(ジメチルフェニル基)、メシチル基(2,4,6−トリメチルフェニル基)、クメニル基(iso−プロピルフェニル基)、ジュリル基(2,3,5,6−テトラメチルフェニル基)、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの芳香族置換基が挙げられる。
前記炭化水素基の中でも、メチル基、iso−ブチル基、ネオペンチル基、シアミル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基が好ましい。
前記ハロゲン含有基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、ヘキサクロロアンチモン酸アニオンが挙げられる。
前記ハロゲン含有基の中でも、ペンタフルオロフェニル基が好ましい。
前記ケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、トリメチルシリルメチル基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基の中でも、トリメチルシリルメチル基が好ましい。
前記酸素含有基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシメトキシ基、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジ−iso−プロピルフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェノキシ基、アセトキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、過塩素酸アニオン、過ヨウ素酸アニオンが挙げられる。
前記酸素含有基の中でも、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
前記硫黄含有基としては、例えば、メシル基(メタンスルフォニル基)、フェニルスルホニル基、トシル基(p−トルエンスルホニル基)、トリフリル基(トリフルオロメタンスルホニル基)、ノナフリル基(ノナフルオロブタンスルホニル基)、メシラート基(メタンスルホナート基)、トシラート基(p−トルエンスルホナート基)、トリフラート基(トリフルオロメタンスルホナート基)、ノナフラート基(ノナフルオロブタンスルホナート基)が挙げられる。
前記硫黄含有基の中でも、トリフラート(トリフルオロメタンスルホナート)が好ましい。
前記窒素含有基としては、例えば、アミノ基、シアノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、ピロリル基、ビストリフリルイミド基などが挙げられる。
前記窒素含有基の中でも、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ピロリル基、ビストリフリルイミド基が好ましい。
前記リン含有基としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸アニオンが挙げられる。
前記ホウ素含有基としては、例えば、テトラフルオロホウ酸アニオン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸アニオン、(メチル)(トリス(ペンタフルオロフェニル))ホウ酸アニオン、(ベンジル)(トリス(ペンタフルオロフェニル))ホウ酸アニオン、テトラキス((3,5−ビストリフルオロメチル)フェニル)ホウ酸アニオン、BR4(Rはそれぞれ独立に水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す。)で表される基が挙げられる。
前記アルミニウム含有基としては、例えば、
Figure 2019059933
(Mは、前記一般式(1)中のMを表す。)
を形成可能な、AlR4(Rは水素、アルキル基、置換基を有してもよいアリール基またはハロゲン原子等を示す)で表される基が挙げられる。
前記共役ジエン系誘導体基としては、例えば、1,3−ブタジエニル基、イソプレニル基(2−メチル−1,3−ブタジエニル基)、ピペリレニル基(1,3−ペンタジエニル基)、2,4−ヘキサジエニル基、1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエニル基、シクロペンタジエニル基など、メタロシクロペンテン基が挙げられる。
孤立電子対で配位可能な中性配位子としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、トリエチルアミン、ジエチルアミンなどのアミン類、ピリジン、ピコリン、ルチジン、オキサゾリン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、チオフェンなどの複素環式化合物、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンなどの有機リン化合物が挙げられる。
《Q》
前記一般式[1]において、Qは、周期表第14族原子であり、たとえば炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子であり、好ましくは炭素原子またはケイ素原子であり、より好ましくはケイ素原子である。
《R 1 〜R 14
前記一般式[1]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基である。
1〜R14としての前記炭素数1〜40の炭化水素基としては、炭素数1〜20の炭化水素基が挙げられ、より具体的な例としては、上述したXの例として挙げられた炭化水素基の具体例が挙げられる。
前記炭素数1〜40の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1〜20の炭化水素基(但し、芳香族炭化水素基を除く)または炭素数6〜40の芳香族炭化水素基である。前記の炭素数1〜20の炭化水素基は、好ましくは炭素数1〜20の脂肪族または脂環族の炭化水素基である。炭素数1〜20の炭化水素基には、アリールアルキル基の様な芳香族構造を有する置換基も含まれる。
前記炭素数1〜40の炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、1−ノニル基、1−デカニル基、1−ウンデカニル基、1−ドデカニル基、1−エイコサニル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、ペンタン−2−イル基、2−メチルブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基(1,1−ジメチルプロピル基)、シアミル基、ペンタン−3−イル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、iso−ヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基(2−メチルペンタン−2−イル基)、3−メチルペンタン−2−イル基、4−メチルペンタン−2−イル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、テキシル基、3−メチルペンタン−3−イル基、3,3−ジメチルブタ−2−イル基、ヘキサン−3−イル基、2−メチルペンタン−3−イル基、ヘプタン−4−イル基、2,4−ジメチルペンタン−2−イル基、3−エチルペンタン−3−イル基、4,4−ジメチルペンチル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、4−プロピルヘプタン−4−イル基、2,3,3−トリメチルブタン−2−イル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基などの炭素原子数が1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基;
ビニル基、アリル基、プロペニル基、iso−プロペニル基、アレニル基、ブタ−3−エン−1−イル基、クロチル基、ブタ−3−エン−2−イル基、メタリル基、ブタ−1,3−ジエニル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−2−エン−1−イル基、iso−ペンテニル基、2−メチルブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、プレニル基、2−メチル−ブタ−2−エン−1−イル基、ペンタ−3−エン−2−イル基、2−メチル−ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−3−イル基、ペンタ−2,4−ジエン−1−イル基、ペンタ−1,3−ジエン−1−イル基、ペンタ−1,4−ジエン−3−イル基、iso−プレニル基(2−メチル−ブタ−1,3−ジエン−1−イル基)、ペンタ−2,4−ジエン−2−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘキサ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−3−エン−1−イル基、ヘキサ−2−エン−1−イル基、4−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、3−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、2−メチル−ペンタ−4−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−2−イル基、4−メチル−ペンタ−3−エン−1−イル基、3−メチル−ペンタ−3−エン−1−イル基、2,3−ジメチル−ブタ−2−エン−1−イル基、2−メチルペンタ−4−エン−2−イル基、3−エチルペンタ−1−エン−3−イル基、ヘキサ−3,5−ジエン−1−イル基、ヘキサ−2,4−ジエン−1−イル基、4−メチルペンタ−1,3−ジエン−1−イル基、2,3−ジメチル−ブタ−1,3−ジエン−1−イル基、ヘキサ−1,3,5−トリエン−1−イル基、2−(シクロペンタジエニル)プロパン−2−イル基、2−(シクロペンタジエニル)エチル基などの炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルケニル基もしくは不飽和二重結合含有基;
エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−2−イン−1−イル基、ペンタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、3−メチル−ブタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−3−イン−2−イル基、2−メチル−ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−2−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−1−イル基、2−メチル−ペンタ−3−イン−2−イル基、2,2−ジメチル−ブタ−3−イン−1−イル基、ヘキサ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基などの炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルキニル基もしくは不飽和三重結合含有基;
ベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、クミニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基、1−フェニルエチル基、ベンズヒドリル基、クミル基(2−フェニルプロパン−2−イル基)、2−(4−メチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(3,5−ジメチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−2−イル基、2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)プロパン−2−イル基、3−フェニルペンタン−3−イル基、4−フェニルヘプタ−1,6−ジエン−4−イル基、1,2,3−トリフェニルプロパン−2−イル基、1,1−ジフェニルエチル基、1,1−ジフェニルプロピル基、1,1−ジフェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、1,1,2−トリフェニルエチル基、トリチル基(トリフェニルメチル基)、トリ−(4−メチルフェニル)メチル基、2−フェニルエチル基、スチリル基(2−フェニルビニル基)、2−(2−メチルフェニル)エチル基、2−(4−メチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジメチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル)エチル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル基、2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル基、3−フェニルプロピル基、シンナミル基(3−フェニルアリル基)、ネオフィル基(2−メチル−2−フェニルプロピル基)、3−メチル−3−フェニルブチル基、2−メチル−4−フェニルブタン−2−イル基、シクロペンタジエニルジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)プロパン−2−イル基、(1−インデニル)ジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)エチル基、2−(テトラヒドロ−1−インダセニル)プロパン−2−イル基、(テトラヒドロ−1−インダセニル)ジフェニルメチル基、2−(テトラヒドロ−1−インダセニル)エチル基、2−(1−ベンゾインデニル)プロパン−2−イル基、(1−ベンゾインデニル)ジフェニルメチル基、2−(1−ベンゾインデニル)エチル基、2−(9−フルオレニル)プロパン−2−イル基、(9−フルオレニル)ジフェニルメチル基、2−(9−フルオレニル)エチル基、2−(1−アズレニル)プロパン−2−イル基、(1−アズレニル)ジフェニルメチル基、2−(1−アズレニル)エチル基などの炭素原子数が7〜40の芳香族含有直鎖状または分岐状のアルキル基および不飽和二重結合含有基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、n−ブチル−メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−アリルシクロペンチル基、1−ベンジルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アリルシクロヘキシル基、1−ベンジルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタトリエニル基、1−メチルシクロヘプチル基、1−アリルシクロヘプチル基、1−ベンジルシクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、シクロオクタトリエニル基、1−メチルシクロオクチル基、1−アリルシクロオクチル基、1−ベンジルシクロオクチル基、4−シクロヘキシル−tert−ブチル基、ノルボルニル基、ノルボルネニル基、ノルボルナジエニル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−7−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2−イル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−(2−メチルアダマンチル)、1−(3−メチルアダマンチル)、1−(4−メチルアダマンチル)、1−(2−フェニルアダマンチル)、1−(3−フェニルアダマンチル)、1−(4−フェニルアダマンチル)、1−(3,5−ジメチルアダマンチル)、1−(3,5,7−トリメチルアダマンチル)、1−(3,5,7−トリフェニルアダマンチル)、ペンタレニル基、インデニル基、フルオレニル基、インダセニル基、テトラヒドロインダセニル基、ベンゾインデニル基、アズレニル基などの炭素原子数が3〜40の環状飽和および不飽和炭化水素基;
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、ジュリル基、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、アリルフェニル基、(ブタ−3−エン−1−イル)フェニル基、(ブタ−2−エン−1−イル)フェニル基、メタリルフェニル基、プレニルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、3,5−ジ−アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、アセナフタレニル基、フェナントリル基、アントラセニル基、ピレニル基、フェロセニル基などの炭素原子数が6〜40の芳香族置換基などが挙げられる。
前記炭素原子数が1〜40の直鎖状または分岐状のアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、ペンタン−3−イル基、iso−ヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、テキシル基、3−メチルペンタン−3−イル基、ヘプタン−4−イル基、2,4−ジメチルペンタン−2−イル基、3−エチルペンタン−3−イル基、4,4−ジメチルペンチル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、4−プロピルヘプタン−4−イル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基などが好ましく、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、2,4−ジメチルペンタン−2−イル基、2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル基がより好ましい。
前記炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルケニル基もしくは不飽和二重結合含有基の中でも、ビニル基、アリル基、ブタ−3−エン−1−イル基、クロチル基、メタリル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、プレニル基、ペンタ−1,4−ジエン−3−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、2−メチルペンタ−4−エン−2−イル基、2−(シクロペンタジエニル)プロパン−2−イル基、2−(シクロペンタジエニル)エチル基などが好ましく、ビニル基、アリル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、プレニル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基がより好ましい。
前記炭素原子数が2〜40の直鎖状または分岐状のアルキニル基もしくは不飽和三重結合含有基の中でも、エチニル基、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基、ブタ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、3−メチル−ブタ−1−イン−1−イル基、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基などが好ましく、プロパ−2−イン−1−イル基、プロパルギル基、ブタ−2−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基がより好ましい。
前記炭素原子数が7〜40の芳香族含有直鎖状または分岐状のアルキル基および不飽和二重結合含有基の中でも、ベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,5−ジメチルベンジル基、クミニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、3,5−ジ−tert−ブチルベンジル基、ベンズヒドリル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリチル基、2−フェニルエチル基、2−(4−メチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリメチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジメチルフェニル)エチル基、2−(2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル)エチル基、2−(4−tert−ブチルフェニル)エチル基、2−(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)エチル基、スチリル基、2−メチル−1−フェニルプロパン−2−イル基、3−フェニルプロピル基、シンナミル基、ネオフィル基、シクロペンタジエニルジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)プロパン−2−イル基、(1−インデニル)ジフェニルメチル基、2−(1−インデニル)エチル基、2−(9−フルオレニル)プロパン−2−イル基、(9−フルオレニル)ジフェニルメチル基、2−(9−フルオレニル)エチル基などが好ましく、ベンジル基、ベンズヒドリル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、シンナミル基がより好ましい。
前記炭素原子数が3〜40の環状飽和および不飽和炭化水素基の中でも、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、1−メチルシクロペンチル基、1−アリルシクロペンチル基、1−ベンジルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アリルシクロヘキシル基、1−ベンジルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘプテニル基、シクロヘプタトリエニル基、1−メチルシクロヘプチル基、1−アリルシクロヘプチル基、1−ベンジルシクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、シクロオクタジエニル基、4−シクロヘキシル−tert−ブチル基、ノルボルニル基、2−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ペンタレニル基、インデニル基、フルオレニル基などが好ましく、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、1−メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基がより好ましい。
前記炭素原子数が6〜40の芳香族置換基の中でも、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、アリルフェニル基、プレニルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基、フェロセニル基などが好ましく、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、アリルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基がより好ましい。
前記ハロゲン含有基としては、例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、ドデカフルオロヘキシル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、ジ−tert−ブチル−フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビストリフルオロメトキシフェニル基、トリフルオロメチルチオフェニル基、ビストリフルオロメチルチオフェニル基、フルオロビフェニル基、ジフルオロビフェニル基、トリフルオロビフェニル基、テトラフルオロビフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、ジ−tert−ブチル−フルオロビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ビストリフルオロメチルビフェニル基、トリフルオロメトキシビフェニル基、ビストリフルオロメトキシビフェニル基、トリフルオロメチルジメチルシリル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、フルオロフェノキシ基、ジフルオロフェノキシ基、トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、ジ−tert−ブチル−フルオロフェノキシ基、トリフルオロメチルフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、トリフルオロメトキシフェノキシ基、ビストリフルオロメトキシフェノキシ基、ジフルオロメチレンジオキシフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニルイミノメチル基、トリフルオロメチルチオ基、などが挙げられる。
前記ハロゲン含有基の中でも、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、トリフルオロフェニル基、テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、トリフルオロメチルビフェニル基、ビストリフルオロメチルビフェニル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、ビストリフルオロメチルフェノキシ基、ジフルオロメチレンジオキシフェニル基、トリフルオロメチルチオ基が好ましく、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ビストリフルオロメチルフェニル基、ペンタフルオロビフェニル基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基がより好ましい。
前記ケイ素含有基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基、シクロペンタジエニルジメチルシリル基、ジ−n−ブチル(シクロペンタジエニル)シリル基、シクロペンタジエニルジフェニルシリル基、インデニルジメチルシリル基、ジ−n−ブチル(インデニル)シリル基、インデニルジフェニルシリル基、フルオレニルジメチルシリル基、ジ−n−ブチル(フルオレニル)シリル基、フルオレニルジフェニルシリル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、4−トリ−iso−プロピルシリルフェニル基、4−tert−ブチルジフェニルシリルフェニル基、4−トリフェニルシリルフェニル基、4−トリス(トリメチルシリル)シリルフェニル基、3,5−ビス(トリメチルシリル)フェニル基などが挙げられる。
前記ケイ素含有基の中でも、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−iso−プロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、シクロペンタジエニルジメチルシリル基、シクロペンタジエニルジフェニルシリル基、インデニルジメチルシリル基、インデニルジフェニルシリル基、フルオレニルジメチルシリル基、フルオレニルジフェニルシリル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、4−トリ−iso−プロピルシリルフェニル基、4−トリフェニルシリルフェニル基、3,5−ビス(トリメチルシリル)フェニル基などが好ましく、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、4−トリメチルシリルフェニル基、4−トリエチルシリルフェニル基、4−トリ−iso−プロピルシリルフェニル基、3,5−ビス(トリメチルシリル)フェニル基がより好ましい。
前記酸素含有基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、メタリルオキシ基、プレニルオキシ基、ベンジルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、トルイルオキシ基、iso−プロピルフェノキシ基、アリルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、iso−プロポキシフェノキシ基、アリルオキシフェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ビナフチルオキシ基、メトキシメチル基、アリルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、アリルオキシエチル基、ベンジルオキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシプロピル基、アリルオキシプロピル基、ベンジルオキシプロピル基、フェノキシプロピル基、メトキシビニル基、アリルオキシビニル基、ベンジルオキシビニル基、フェノキシビニル基、メトキシアリル基、アリルオキシアリル基、ベンジルオキシアリル基、フェノキシアリル基、ジメトキシメチル基、ジ−iso−プロポキシメチル基、ジオキソラニル基、テトラメチルジオキソラニル基、ジオキサニル基、メトキシフェニル基、iso−プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、テトラヒドロフリル基、ピラニル基、テトラヒドロピラニル基、フロフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基などが挙げられる。
前記酸素含有基の中でも、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、プレニルオキシ基、ベンジルオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、トルイルオキシ基、iso−プロピルフェノキシ基、アリルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、ビフェニルオキシ基、ビナフチルオキシ基、アリルオキシメチル基、ベンジルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシアリル基、ベンジルオキシアリル基、フェノキシアリル基、ジメトキシメチル基、ジオキソラニル基、テトラメチルジオキソラニル基、ジオキサニル基、ジメチルジオキサニル基、メトキシフェニル基、iso−プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチレンジオキシフェニル基、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、テトラヒドロピラニル基、フロフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基等などが好ましく、メトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基、アリルオキシ基、フェノキシ基、ジメトキシメチル基、ジオキソラニル基、メトキシフェニル基、iso−プロポキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、3,5−ジメチル−4−メトキシフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル基、フリル基、メチルフリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基がより好ましい。
前記窒素含有基としては、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基、ジデシルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モリホリル基、アゼピニル基、ジメチルアミノメチル基、ジベンジルアミノメチル基、ピロリジニルメチル基、ジメチルアミノエチル基、ベンジルアミノメチル基、ベンジルアミノエチル基、ピロリジニルエチル基、ジメチルアミノビニル基、ベンジルアミノビニル基、ピロリジニルビニル基、ジメチルアミノプロピル基、ベンジルアミノプロピル基、ピロリジニルプロピル基、ジメチルアミノアリル基、ベンジルアミノアリル基、ピロリジニルアリル基、アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジメチル−4−ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジ−iso−プロピル−4−ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピロリルフェニル基、ピリジルフェニル基、キノリルフェニル基、イソキノリルフェニル基、インドリニルフェニル基、インドリルフェニル基、カルバゾリルフェニル基、ジ−tert−ブチルカルバゾリルフェニル基、ピロリル基、メチルピロリル基、フェニルピロリル基、ピリジル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、iso−キノリル基、テトラヒドロ−iso−キノリル基、インドリル基、インドリニル基、カルバゾリル基、ジ−tert−ブチルカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジメチルイミダゾリジニル基、ベンゾイミダソリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、ベンゾオキサゾリル基などが挙げられる。
前記窒素含有基の中でも、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アリルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリル基、ジメチルアミノメチル基、ベンジルアミノメチル基、ピロリジニルメチル基、ジメチルアミノエチル基、ピロリジニルエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ピロリジニルプロピル基、ジメチルアミノアリル基、ピロリジニルアリル基、アミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジメチル−4−ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジ−iso−プロピル−4−ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピロリルフェニル基、カルバゾリルフェニル基、ジ−tert−ブチルカルバゾリルフェニル基、ピロリル基、ピリジル基、キノリル基、テトラヒドロキノリル基、iso−キノリル基、テトラヒドロ−iso−キノリル基、インドリル基、インドリニル基、カルバゾリル基、ジ−tert−ブチルカルバゾリル基、イミダゾリル基、ジメチルイミダゾリジニル基、ベンゾイミダソリル基、オキサゾリル基、オキサゾリジニル基、ベンゾオキサゾリル基などが好ましく、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピロリジニル基、ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジメチル−4−ジメチルアミノフェニル基、3,5−ジ−iso−プロピル−4−ジメチルアミノフェニル基、ジュロリジニル基、テトラメチルジュロリジニル基、ピロリジニルフェニル基、ピロリル基、ピリジル基、カルバゾリル基、イミダゾリル基がより好ましい。
前記硫黄含有基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ベンジルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、メチルチオメチル基、ベンジルチオメチル基、フェニルチオメチル基、ナフチルチオメチル基、メチルチオエチル基、ベンジルチオエチル基、フェニルチオエチル基、ナフチルチオエチル基、メチルチオビニル基、ベンジルチオビニル基、フェニルチオビニル基、ナフチルチオビニル基、メチルチオプロピル基、ベンジルチオプロピル基、フェニルチオプロピル基、ナフチルチオプロピル基、メチルチオアリル基、ベンジルチオアリル基、フェニルチオアリル基、ナフチルチオアリル基、メルカプトフェニル基、メチルチオフェニル基、チエニルフェニル基、メチルチエニルフェニル基、ベンゾチエニルフェニル基、ジベンゾチエニルフェニル基、ベンゾジチエニルフェニル基、チエニル基、テトラヒドロチエニル基、メチルチエニル基、チエノフリル基、チエノチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、チエノベンゾフリル基、ベンゾジチエニル基、ジチオラニル基、ジチアニル基、オキサチオラニル基、オキサチアニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、チアゾリジニル基などが挙げられる。
前記硫黄含有基の中でも、チエニル基、メチルチエニル基、チエノフリル基、チエノチエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、チエノベンゾフリル基、ベンゾジチエニル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基が好ましい。
1〜R6のうちの隣接した置換基同士(例:R1とR2、R2とR3、R3とR4、R4とR5、およびR5とR6)は、互いに結合して、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。この場合に形成される環としては、インデニル環部分に縮環する、置換基を有していてもよい、飽和炭化水素(前記インデニル環部分の炭化水素を除く。)または不飽和炭化水素からなる5〜8員環が好ましい。なお、環が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、前記環はより好ましくは5又は6員環であり、この場合、前記環と母核のインデニル環部分とを併せた構造としては、例えば、置換ベンゾインデニル環、置換テトラヒドロインダセン環、置換シクロペンタテトラヒドロナフタレンが挙げられ、置換ベンゾインデニル環、置換テトラヒドロインダセン環が好ましい。
7〜R12のうちの隣接した置換基同士(例:R7とR8、R8とR9、R9とR10、R10とR11、およびR11とR12)は、互いに結合して、置換基を有していてもよい環を形成してもよい。この場合に形成される環としては、インデニル環部分に縮環する、置換基を有していてもよい、飽和炭化水素(前記インデニル環部分の炭化水素を除く。)または不飽和炭化水素からなる5〜8員環が好ましい。なお、環が複数存在する場合には、これらは互いに同一でも異なっていてもよい。本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、前記環はより好ましくは5又は6員環であり、この場合、前記環と母核のインデニル環部分とを併せた構造としては、例えば、置換ベンゾインデニル環、置換テトラヒドロインダセン環、置換シクロペンタテトラヒドロナフタレン、置換テトラヒドロフルオレン環、置換フルオレン環が挙げられ、置換ベンゾインデニル環、置換テトラヒドロインダセン環が好ましい。
13およびR14は、互いに結合してQを含む環を形成してもよい。この場合に形成される環としては、置換基を有していてもよい、3〜8員環の飽和または不飽和環が好ましい。本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、前記環は好ましくは4〜6員環であり、この場合、R13およびR14とQとを併せた構造として、例えば、置換シクロブタン環、置換シクロペンタン環、置換フルオレン環、置換シラシクロブタン(シレタン)環、置換シラシクロペンタン(シロラン)環、置換シラシクロヘキサン(シリナン)、置換シラフルオレン環が挙げられ、置換シクロペンタン環、置換シラシクロブタン環、置換シラシクロペンタン環が好ましい。
1およびR6は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、より好ましくは水素原子である。
2〜R5およびR7〜R14は、それぞれ独立に、好ましくは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基である。なお、R7、R9およびR12の少なくとも1つにおいては、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基が、後述する複素環式芳香族基であってもよい。
《遷移金属化合物[A]の好ましい態様》
前記遷移金属化合物[A]の好ましい態様としては、
前記一般式[1]において、
Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、
Qが、炭素原子またはケイ素原子であり、
1〜R6およびR8〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、
7が、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、または窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる原子を少なくとも1つ含む母骨格を5員環とする、置換基を有していてもよい複素環式芳香族基である
遷移金属化合物[A−1]
が挙げられ、より好ましい態様としては、
前記一般式[1]において、
Qが、ケイ素原子であり、
1およびR6が、水素原子であり、
2〜R5およびR7〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基である
遷移金属化合物[A−2]
が挙げられる。
前記遷移金属化合物[A−1]において、R7、R9およびR12の選択肢の1つである、窒素、酸素および硫黄からなる群から選ばれる原子を少なくとも1つ含む母骨格を5員環(以下「複素5員環」ともいう。)とする、置換基を有していてもよい複素環式芳香族基としては、例えば、下記一般式[4a]〜[4h]で表される基が挙げられる。
Figure 2019059933
前記一般式[4a]〜[4h]中、Chは酸素原子あるいは硫黄原子であり、Rdはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
なお、前記一般式[4a]〜[4h]中の波線はインデニル環との結合部位を示す。
前記炭素数1〜20の炭化水素基の例としては、上述したR1〜R14としての前記炭素数1〜40の炭化水素基の例として挙げたもののうち、炭素数が1〜20のものが挙げられ、好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、1−ペンチル基、1−ヘキシル基、1−ヘプチル基、1−オクチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、アリル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクテニル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ベンジル基、ベンズヒドリル基、クミル基、1,1−ジフェニルエチル基、トリチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、シンナミル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、2,6−ジ−iso−プロピルフェニル基、2,4,6−トリ−iso−プロピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4−アダマンチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基、ビナフチル基、フェナントリル基、アントラセニル基、フェロセニル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基、エチル基、1−プロピル基、1−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ブチル基、アリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、ビフェニル基、terフェニル基が挙げられる。
dはそれぞれ独立に、隣接したRd同士で互いに結合して、複素5員環部分に縮環する、置換基を有していてもよい、複素5員環部分の原子と共に5〜8員環を構成する飽和または不飽和炭化水素基を形成してもよい。前記5〜8員環は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、好ましくは5又は6員環であり、この場合、この環と母核の複素5員環部分とを併せた構造として、例えば、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドール環、カルバゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾピラゾール環などが挙げられる。
前記一般式[4a]〜[4h]で表される複素環式芳香族基の中でも、前記一般式[4a]で表される複素環式芳香族基が好ましい。
前記一般式[4a]で表される複素環式芳香族基の中でも、2−フリル基、5−メチル−2−フリル基、2−チエニル基、5−メチル−2−チエニル基が好ましい。
《遷移金属化合物[A]の例示》
以下に前記遷移金属化合物[A]の具体例を示すが、特にこれによって本発明の範囲が限定されるものではない。
便宜上、前記遷移金属化合物[A]のMXn(金属部分)で表される部分を除いたリガンド構造を、2−インデニル環部分、1−インデニル環部分、インデニル環部分R1、R6およびR8置換基、インデニル環部分R2、R5、R9、およびR12置換基、インデニル環部分R3、R4、R10、およびR11置換基、1−インデニル環部分R7置換基、架橋部分の構造の7つに分ける。2−インデニル環部分の略称をα、1−インデニル環部分の略称をβ、インデニル環部分R1、R6およびR8置換基の略称をγ、インデニル環部分R2、R5、R9、およびR12置換基の略称をδ、インデニル環部分R3、R4、R10、およびR11置換基の略称をε、1−インデニル環部分R7置換基の略称をζ、架橋部分の構造の略称をηとし、各置換基の略称を[表1]〜[表7]に示す。
Figure 2019059933
Figure 2019059933
なお、前記[表1]〜[表2]中の波線は架橋部分との結合部位を示す。
Figure 2019059933
前記[表3]中のR1、R6およびR8置換基は、その組み合わせにおいて互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019059933
前記[表4]中のR2、R5、R9、およびR12置換基は、その組み合わせにおいて互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019059933
前記[表5]中のR3、R4、R10、およびR11置換基は、その組み合わせにおいて互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019059933
Figure 2019059933
金属部分MXnの具体的な例示としては、TiF2、TiCl2、TiBr2、TiI2、Ti(Me)2、Ti(Bn)2、Ti(Allyl)2、Ti(CH2−tBu)2、Ti(1,3−ブタジエニル)、Ti(1,3−ペンタジエニル)、Ti(2,4−ヘキサジエニル)、Ti(1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエニル)、Ti(CH2−Si(Me)32、Ti(ОMe)2、Ti(ОiPr)2、Ti(NMe22、Ti(ОMs)2、Ti(ОTs)2、Ti(ОTf)2、ZrF2、ZrCl2、ZrBr2、ZrI2、Zr(Me)2、Zr(Bn)2、Zr(Allyl)2、Zr(CH2−tBu)2、Zr(1,3−ブタジエニル)、Zr(1,3−ペンタジエニル)、Zr(2,4−ヘキサジエニル)、Zr(1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエニル)、Zr(CH2−Si(Me)32、Zr(ОMe)2、Zr(ОiPr)2、Zr(NMe22、Zr(ОMs)2、Zr(ОTs)2、Zr(ОTf)2、HfF2、HfCl2、HfBr2、HfI2、Hf(Me)2、Hf(Bn)2、Hf(Allyl)2、Hf(CH2−tBu)2、Hf(1,3−ブタジエニル)、Hf(1,3−ペンタジエニル)、Hf(2,4−ヘキサジエニル)、Hf(1,4−ジフェニル−1,3−ペンタジエニル)、Hf(CH2−Si(Me)32、Hf(ОMe)2、Hf(ОiPr)2、Hf(NMe22、Hf(ОMs)2、Hf(ОTs)2、Hf(ОTf)2などが挙げられる。Meはメチル基、Bnはベンジル基、tBuはtert−ブチル基、Si(Me)3はトリメチルシリル基、ОMeはメトキシ基、ОiPrはiso−プロポキシ基、NMe2はジメチルアミノ基、ОMsはメタンスルホナート基、ОTsはp−トルエンスルホナート基、ОTfはトリフルオロメタンスルホナート基である。
上記の表記に従えば、2−インデニル環部分が[表1]中のα−1、1−インデニル環部分が[表2]中のβ−5、インデニル環部分R1、R6およびR8置換基がいずれも[表3]中のγ−1、2−インデニル環部分R2およびR5置換基がいずれも[表4]中のδ−1、2−インデニル環部分R3およびR4置換基がいずれも[表5]中のε−1、1−インデニル環部分R7置換基が[表6]中のζ−30、1−インデニル環部分R9置換基が[表4]中のδ−38、1−インデニル環部分R12置換基が[表4]中のδ−3、架橋部分が[表7]中のη−20の組み合わせで構成され、金属部分のMXnがZrCl2の場合は、下記式[5]で表される化合物を例示している。
Figure 2019059933
また、2−インデニル環部分が[表1]中のα−1、1−インデニル環部分が[表2]中のβ−2、インデニル環部分R1、R6およびR8置換基がいずれも[表3]中のγ−1、2−インデニル環部分R2およびR5置換基がいずれも[表4]中のδ−2、2−インデニル環部分R3およびR4置換基がいずれも[表5]中のε−1、1−インデニル環部分R7置換基が[表6]中のζ−1、架橋部分が[表7]中のη−4の組み合わせで構成され、金属部分のMXnがZr(NMe22の場合は、下記式[6]で表される化合物を例示している。
Figure 2019059933
また、2−インデニル環部分が[表1]中のα−3、1−インデニル環部分が[表2]中のβ−1、2−インデニル環部分R1およびR6置換基がいずれも[表3]中のγ−2、インデニル環部分R2、R5およびR12置換基がいずれも[表4]中のδ−1、1−インデニル環部分R7置換基が[表6]中のζ−12、1−インデニル環部分R8置換基が[表3]中のγ−1、1−インデニル環部分R9置換基が[表4]中のδ−42、1−インデニル環部分R10置換基が[表5]中のε−3、1−インデニル環部分R11置換基が[表5]中のε−12、架橋部分が[表7]中のη−31の組み合わせで構成され、金属部分のMXnがHfMe2の場合は、下記式[7]で表される化合物を例示している。
Figure 2019059933
また、2−インデニル環部分が[表1]中のα−1、1−インデニル環部分が[表2]中のβ−1、2−インデニル環部分R1およびR6置換基がいずれも[表3]中のγ−1、2−インデニル環部分R2置換基が[表4]中のδ−7、2−インデニル環部分R3、R4、R10およびR11置換基がいずれも[表5]中のε−1、2−インデニル環部分R5置換基が[表4]中のδ−2、1−インデニル環部分R7置換基が[表6]中のζ−1、1−インデニル環部分R8置換基が[表3]中のγ−9、1−インデニル環部分R9およびR12置換基がいずれも[表4]中のδ−1、架橋部分が[表7]中のη−29の組み合わせで構成され、金属部分のMXnがTi(1,3−ペンタジエニル)の場合は、下記式[8]で表される化合物を例示している。
Figure 2019059933
また、前記遷移金属化合物[A]は、架橋部分を挟んで中心金属と結合するインデニル環部分の面が2方向存在する(表面と裏面)。故に、2−インデニル環部分に対称面が存在しない場合、一例として下記一般式[9a]あるいは[9b]で示される2種類の構造異性体が存在する。
Figure 2019059933
同様に、架橋部分の置換基R13とR14が同一でない場合にも、一例として下記一般式[10a]あるいは[10b]で示される2種類の構造異性体が存在する。
Figure 2019059933
これら構造異性体混合物の精製、分取、あるいは構造異性体の選択的な製造は、公知の方法によって可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。公知の製造方法としては、前記遷移金属化合物[A]の製造方法として挙げたものの他に、特開平10−109996号公報、「Оrganometallics 1999,18,5347.」、「Оrganometallics 2012,31,4340.」、特表2011−502192号公報などに開示された製造方法が挙げられる。
なお、前記遷移金属化合物[A]の範囲内で、遷移金属化合物を1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよく、構造異性体混合物を用いてもよく、構造異性体を1種単独で用いてもよく、2種以上の構造異性体混合物を用いてもよい。上述のとおり本発明によれば、エチレン重合用触媒を構成する遷移金属化合物として前記遷移金属化合物[A]のみを使用して長鎖分岐が多く導入されたエチレン系重合体を高い触媒活性で製造することができるが、この効果が損なわれない範囲で、前記遷移金属化合物として前記遷移金属化合物[A]とは別の1種以上の遷移金属化合物を併用してもよい。この際、遷移金属化合物[A]は上記のいずれの態様であってもよい。
《遷移金属化合物[A]の製造方法》
前記遷移金属化合物[A]は、従来公知の方法を利用して製造することができ、代表的な合成経路の例を以下に示すが、特に製造法が限定されるわけではない。なお、以下の[式1]〜[式5]において、R1〜R14、Q、M、Xおよびnは、上記一般式[1]に記載されたものと同義である。
出発物質である置換インデン化合物は、公知の方法によって製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。公知の製造方法として例えば、「Оrganometallics 1994,13,954.」、「Оrganometallics 2006,25,1217.」、特表2006−509059号公報、「Bioorg.Med.Chem. 2008,16,7399.」、WО2009/080216号公報、「Оrganometallics 2011,30,5744.」、特表2011−500800号公報、「Оrganometallics 2012,31,4962.」、「Chem.Eur.J. 2012,18,4174.」、特開2012−012307号公報、特開2012−121882号公報、特開2014−196319号公報、特表2014−513735号公報、特開2015−063495号公報、特開2016−501952号公報などに開示された製造方法が挙げられる。
前記置換インデン化合物のうち、2位無置換のものに関しては、以下の様な公知の方法によって2位を臭素化可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。
Figure 2019059933
なお、前記[式1]中、NBSはN−ブロモこはく酸イミドを示し、PTSAはp−トルエンスルホン酸またはその一水和物を示している。インデン化合物には、5員環部分二重結合位置異性体が存在するが、それら異性体の混合物を用いてもよい。公知の製造方法として例えば、前記で示した特開2012−121882号公報、特開2015−063495号公報の他に、特開2014−111568号公報などに開示された製造方法が挙げられる。
前記2位臭素化置換インデン化合物および4位臭素化置換インデン化合物は、以下の様なパラジウム触媒による鈴木−宮浦カップリング反応等の公知の方法によって、対応するカップリング生成物を製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。
Figure 2019059933
前記同様に、インデン化合物5員環部分二重結合位置異性体が存在するが、それら異性体の混合物を用いてもよい。
なお、ボロン酸の代わりに各種ボロン酸エステルやボロキシン等、他のホウ素化合物を用いてもよく、ハロゲン化合物と金属試薬、次いでホウ素化合物との反応混合物を単離精製せずに用いてもよく、パラジウム触媒の代わりにニッケル触媒または鉄触媒を用いてもよい。公知の製造方法として例えば、前記で示したものの他に、特開2014−196274号公報などが挙げられる。
また、カップリング生成物の製造には、ホウ素化合物による鈴木−宮浦カップリングの代わりに、有機亜鉛試薬との根岸カップリング、アルケン化合物との溝呂木−Heck反応、有機ケイ素化合物との檜山カップリング、末端アルキン化合物との薗頭−萩原カップリング、有機スズ化合物との右田−小杉−Stilleカップリング、有機マグネシウム化合物との熊田−玉尾−Corriuカップリング、Buchwald−Hartwigカップリング、Goldbergアミノ化反応またはUllmannエーテル合成反応を用いてもよい。公知の製造方法として例えば、前記で示したものの他に、特開平8−183814号公報、特表2005−529865号公報、特表2006−509046号公報などが挙げられる。
カップリング生成物の製造には、前記2位無置換インデン化合物と芳香族ハロゲン化物を用い、パラジウム触媒による直接カップリング反応等の公知の方法を用いてもよい。
Figure 2019059933
前記[式3]中、Arは芳香族置換基を示し、インデン化合物5員環部分二重結合位置異性体の混合物を用いてもよい。公知の製造方法として例えば、特表2000−512661号公報、特開2014−201519号公報などが挙げられる。
遷移金属化合物[A]および前駆体化合物(配位子)は、前記手法等で製造した各種置換インデン化合物を用いて公知の方法によって製造できる。Qがケイ素原子、ゲルマニウム原子またはスズ原子の場合、以下の様な方法によって製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。
Figure 2019059933
前記[式4]中、前駆体化合物(配位子)合成において、2−臭素化置換インデン化合物より調整される有機マグネシウム試薬、および置換1−インデン化合物より調整される有機リチウム試薬は、段階的にQを含む塩化物と反応することが好ましく、その順序はいずれでもよい。一段階目の有機金属試薬との反応の後、不活性雰囲気化で副生無機化合物を除去してもよく、反応生成物を蒸留、晶析または洗浄等の操作で単離してから使用してもよい。二段階目の有機金属試薬との反応の際、DMI(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、DMPU(N,N'−ジメチルプロピレン尿素)またはHMPA(ヘキサメチルリン酸トリアミド)等を、有機金属試薬に対して0.1〜5.0当量添加することが好ましく、より好ましくはDMIであり、1.0当量である。なお、置換インデン化合物および前駆体化合物(配位子)には、インデン化合物5員環部分二重結合位置異性体が存在するが、それら異性体の混合物を用いてもよい。
遷移金属化合物[A]および前駆体化合物(配位子)の公知の製造方法として例えば、前記で示したものの他に、特開平11−315089号公報、特開2001−302687号公報、特開2001−220404号公報、「高分子論文集 2002,59,243.」、特表2003−522194号公報、「Macromolecules 2004,37,2342.」、特開2007−320935号公報、特開2011−126813号公報などが挙げられる。
Qが炭素原子の場合、以下の様な方法によって製造可能であり、特に製造法が限定されるわけではない。
Figure 2019059933
前記[式5]中、baseは、インデニルアニオンを生成可能な塩基性物質であり、例えば水素化ナトリウム、n−ブチルリチウム、Grignard試薬のような有機金属化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのような無機塩基および、ジエチルアミン、ピロリジンのような有機塩基が挙げられるが、特に限定されるわけではない。塩基性物質存在下、置換1−インデン化合物とカルボニル化合物より、公知の方法によってフルベン化合物が合成でき、2−臭素化置換インデン化合物より調整される有機マグネシウム試薬との反応によって、前駆体化合物(配位子)を製造することが可能である。なお、置換インデン化合物および前駆体化合物(配位子)には、インデン化合物5員環部分二重結合位置異性体が存在するが、それら異性体の混合物を用いてもよい。
遷移金属化合物[A]および前駆体化合物(配位子)の公知の製造方法として例えば、前記で示したものの他に、「Macromolecules 2003,36,9325.」、「Organometallics 2004,23,5332.」、「Eur.J.Inorg.Chem. 2005,1003.」、「Eur.J.Inorg.Chem. 2009,1759.」、などが挙げられる。
(固体状担体[S])
本発明のエチレン重合用触媒は、固体状担体[S](以下「担体[S]」あるいは「成分(S)」と記載することもある。)を含んでいる。
前記固体状担体[S]は、無機化合物または有機化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
前記無機化合物としては、多孔質酸化物、固体状アルミノキサン化合物、無機ハロゲン化物、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物が好ましい。
前記多孔質酸化物として、具体的にはSiO2、Al23、MgO、ZrO、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物を使用することができ、さらに、例えば天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgOなどを使用することができる。これらのうち多孔質酸化物としては、SiO2および/またはAl23を主成分とするものが好ましい。
前記多孔質酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していても差し支えない。
種類および製法により前記多孔質酸化物の性状は異なるが、本発明に好ましく用いられる多孔質酸化物は、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200μmであって、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜700m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.3〜3.0cm3/gの範囲にある。このような多孔質酸化物は、必要に応じて100〜1000℃、好ましくは150〜700℃で焼成して使用される。
前記固体状アルミノキサン化合物としては、下記一般式(S−a)または(S−b)で表される構造のアルミノキサン、および下記一般式(S−c)で表される繰り返し単位と下記一般式(S−d)で表される繰り返し単位とを構造として有するアルミノキサンの少なくとも1種から選ばれるアルミノキサンが挙げられる。
Figure 2019059933
一般式(S−a)〜(S−d)において、Reは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4の炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、フェニル基、トリル基、エチルフェニル基などの炭化水素基を例示することができ、メチル基、エチル基、イソブチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。また、Reの一部が塩素、臭素などのハロゲン原子で置換され、かつハロゲン含有率がReを基準として40重量%以下であってもよい。(S−c)および(S−d)中の、片方が原子と繋がっていない直線は、図示していない別の原子との結合を示す。
前記一般式(S−a)および(S−b)中、rは2〜500の整数を示し、好ましくは6〜300、特に好ましくは10〜100の範囲にある。前記一般式(S−c)および(S−d)中、s、tはそれぞれ1以上の整数を示す。r、sおよびtは、前記アルミノキサンが、用いられる反応環境下において実質的に固体状態を維持できるように、選択される。
前記固体状アルミノキサン化合物は、従来公知のオレフィン重合触媒用担体と異なり、シリカやアルミナなどの無機固体成分やポリエチレン、ポリスチレンなどの有機系ポリマー成分を含まず、アルキルアルミニウム化合物を主たる成分として固体化したものである。「固体状」とは、アルミノキサン成分が、用いられる反応環境下において、実質的に固体状態を維持することである。より具体的には、後述のように前記遷移金属化合物[A]とアルミノキサン成分とを接触させてエチレン重合用触媒を調製する際、および調製されたエチレン重合用触媒を用いてエチレンの重合(たとえば懸濁重合)を行う場合に、アルミノキサン成分が実質的に固体状態を維持することである。
前記アルミノキサン成分が固体状態であるかどうかは、目視による確認が最も簡便な方法であるが、例えば重合時などは目視による確認が困難である場合が多い。その場合は、例えば重合後に得られた重合体パウダーの性状や反応器への付着状態などから判断することが可能である。逆に、重合体パウダーの性状が良好で、反応器への付着が少なければ、重合環境下において前記アルミノキサン成分の一部が多少溶出したとしても本発明の趣旨を逸脱することはない。重合体パウダーの性状を判断する指標としては、嵩密度、粒子形状、表面形状、不定形ポリマーの存在度合いなどが挙げられるが、定量性の観点からポリマー嵩密度が好ましい。前記嵩密度は通常0.01〜0.9であり、好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.1〜0.5の範囲内である。
前記固体状アルミノキサン化合物の、25℃の温度に保持されたn−ヘキサンに対する溶解割合は、通常0〜40モル%、好ましくは0〜20モル%、特に好ましくは0〜10モル%の範囲にある。
前記溶解割合は、25℃に保持された50mlのn−ヘキサンに固体状アルミノキサン化合物担体2gを加えた後2時間の撹拌を行ない、次いでG−4グラス製フイルターを用いて溶液部を分離して、この濾液中のアルミニウム濃度を測定することにより求められる。従って、溶解割合は用いたアルミノキサン2gに相当するアルミニウム原子の量に対する前記濾液中に存在するアルミニウム原子の割合として決定される。
前記固体状アルミノキサン化合物としては、公知の固体状アルミノキサンを際限なく用いることができ、たとえば国際公開第2014/123212号に記載された固体状ポリアルミノキサン組成物を用いることもできる。公知の製造方法として例えば、特公平7−42301号公報、特開平6−220126号公報、特開平6−220128号公報、特開平11−140113号公報、特開平11−310607号公報、特開2000−38410号公報、特開2000−95810号公報、国際公開第2010/55652号などに記載された製造方法が挙げられる。
前記固体状アルミノキサン化合物の平均粒子径は、一般に0.01〜50000μm、好ましくは1〜1000μm、特に好ましくは1〜200μmの範囲にある。固体状アルミノキサン化合物の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡により粒子を観察し、100個以上の粒子の粒径を測定し、重量平均化することにより求められる。まず、各粒子の粒径は、粒子像を水平方向、垂直方向それぞれに2本の平行線ではさんで長さを測り、下式により求められる。
粒径=((水平方向長さ)2+(垂直方向長さ)20.5
次に、固体状アルミノキサン化合物の重量平均粒子径は、上記で求めた粒径を用いて下式により求められる。
平均粒子径=Σnd4/Σnd3
(n;粒子個数、d;粒径)
前記固体状アルミノキサン化合物は、比表面積が50〜1000m2/g、好ましくは100〜800m2/gであり、細孔容積が0.1〜2.5cm3/gであることが望ましい。
前記無機ハロゲン化物としては、MgCl2、MgBr2、MnCl2、MnBr2等が用いられる。無機ハロゲン化物は、入手したものをそのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によって微粒子状に析出させたものを用いることもできる。
前記粘土は、通常粘土鉱物を主成分として構成される。また、上記イオン交換性層状化合物は、イオン結合などによって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造を有する化合物であり、含有するイオンが交換可能なものである。大部分の粘土鉱物はイオン交換性層状化合物である。また、これらの粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物としては、天然産のものに限らず、人工合成物を使用することもできる。
また、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物として、六方細密パッキング型、アンチモン型、CdCl2型、CdI2型などの層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合物などを例示することができる。
さらに、粘土、粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、パイロフィライト、ウンモ群、モンモリロナイト群、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどが挙げられ、
イオン交換性層状化合物としては、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr(HPO42、α−Zr(KPO42・3H2O、α−Ti(HPO42、α−Ti(HAsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H2O、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・H2Oなどの多価金属の結晶性酸性塩などが挙げられる。
このような粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物は、水銀圧入法で測定した半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上であることが好ましく、0.3〜5cc/gであることが特に好ましい。ここで、細孔容積は、水銀ポロシメーターを用いた水銀圧入法により、細孔半径20〜30000Åの範囲について測定される。
半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/gより小さいものを担体として用いた場合には、高い重合活性が得られにくい傾向がある。
前記粘土および粘土鉱物には、化学処理を施すことも好ましい。化学処理としては、表面に付着している不純物を除去する表面処理、粘土の結晶構造に影響を与える処理など、何れも使用できる。化学処理として具体的には、酸処理、アルカリ処理、塩類処理、有機物処理などが挙げられる。酸処理は、表面の不純物を取り除くほか、結晶構造中のAl、Fe、Mgなどの陽イオンを溶出させることによって表面積を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊され、粘土の構造の変化をもたらす。また、塩類処理、有機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体などを形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
前記イオン交換性層状化合物は、イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大きな嵩高いイオンと交換することにより、層間が拡大した状態の層状化合物であってもよい。このような嵩高いイオンは、層状構造を支える支柱的な役割を担っており、通常、ピラーと呼ばれる。また、このように層状化合物の層間に別の物質を導入することをインターカレーションという。インターカレーションするゲスト化合物としては、TiCl4、ZrCl4などの陽イオン性無機化合物、Ti(OR)4、Zr(OR)4、PO(OR)3、B(OR)3などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基など)、[Al134(OH)247+、[Zr4(OH)142+、[Fe3O(OCOCH36+などの金属水酸化物イオンなどが挙げられる。これらの化合物は単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。また、これらの化合物をインターカレーションする際に、Si(OR)4、Al(OR)3、Ge(OR)4などの金属アルコキシド(Rは炭化水素基などを示す)などを加水分解して得た重合物、SiO2などのコロイド状無機化合物などを共存させることもできる。また、ピラーとしては、上記金属水酸化物イオンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水することにより生成する酸化物なども挙げられる。
前記本発明で用いられる粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化合物は、入手したものをそのまま用いてもよく、またボールミル、ふるい分けなどの処理を行った後に用いてもよい。また、新たに水を添加吸着させ、あるいは加熱脱水処理した後に用いてもよい。さらに、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、好ましいものは粘土または粘土鉱物であり、特に好ましいものはモンモリロナイト、バーミキュライト、ペクトライト、テニオライトおよび合成雲母である。
前記担体[S]として用いることのできる有機化合物としては、粒径が1〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体を挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体、およびそれらの変成体を例示することができる。
(化合物[B])
本発明のエチレン重合用触媒は、好ましくは、さらに
[B-1]下記一般式(B-1a)、(B-1b)または(B-1c)で表される有機金属化合物(以下「成分(B-1)」ともいう。)、
a mAl(ORb)n p q … (B-1a)
〔一般式(B-1a)中、Ra およびRb は、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
a AlRa 4 … (B-1b)
〔一般式(B-1b)中、Ma はLi、NaまたはKを示し、Ra は炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示す。〕
a rbb s t … (B-1c)
〔一般式(B-1c)中、Ra およびRb は、炭素原子数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Mb は、Mg、ZnおよびCdから選ばれ、Xはハロゲン原子を示し、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつr+s+t=2である。〕
[B-2]有機アルミニウムオキシ化合物(以下「成分(B-2)」ともいう。)、および
[B-3]遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(以下「成分(B-3)」ともいう。)
からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物[B](以下「成分(B)」と記載することもある。)を含む。
前記有機金属化合物[B-1]としては、本出願人による特開平11−315109号公報やEP0874005A中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
前記有機金属化合物[B-1]としては、一般式(B-1a)で示されるものが好ましく、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウムハライド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアルミニウムジハライド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジヒドロフェニルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ-n-ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジイソヘキシルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ヘプチルアルミニウムハイドライド、ジ-sec-ノニルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジメチルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、ジイソプロピルアルミニウムメトキサイド、ジイソブチルアルミニウムエトキサイドなどのジアルキルアルミニウムアルコキサイドなどが挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
前記有機アルミニウムオキシ化合物[B-2]としては、トリアルキルアルミニウム、トリシクロアルキルアルミニウムから調製されたアルミノキサンが好ましく、トリメチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムから調製された有機アルミニウムオキシ化合物が特に好ましい。このような有機アルミニウムオキシ化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
遷移金属化合物(A)と反応してイオン対を形成する前記化合物[B-3]としては、特開平1−501950号公報、特開平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報、特開平3−207704号公報、米国特許第5321106号明細書などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物や、さらにはヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物を制限無く使用することができる。
本発明に係るエチレン重合用触媒では、助触媒成分としてメチルアルミノキサン等の有機アルミニウムオキシ化合物[B-2]を併用すると、エチレンに対して非常に高い触媒活性を示すだけでなく、固体状担体中の活性水素と反応し助触媒成分を含有した固体担体成分を容易に調製出来るため、前記有機アルミニウムオキシ化合物[B-2]を前記成分(B)として用いることが好適である。
<各成分の使用法および添加順序>
本発明に係るエチレン重合用触媒は、成分(A)および成分(S)、ならびに任意に成分(B)を不活性炭化水素中で混合し接触させることにより、調製することができる。
各成分を接触させる方法としては、接触の順序に着目すると、例えば、
(i) 成分(S)に成分(A)を接触させる方法
(ii) 成分(S)に成分(B)を接触させ、次いで成分(A)を接触させる方法
(iii) 成分(A)に成分(B)を接触させ、次いで成分(S)を接触させる方法
(iv) 成分(S)に成分(B)を接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との混合物を接触させる方法、
(v) 成分(S)に成分(B)を接触させ、さらに成分(B)を接触させ、次いで成分(A)と成分(B)との混合物を接触させる方法
などが挙げられる。成分(B)が複数種用いられる場合は、その成分(B)同士が同一であっても異なっていてもよい。上記の方法のうち(i)、(ii)および(iii)が好ましい。
上記接触順序形態を示した各方法において、成分(S)と成分(B)との接触を含む工程、および成分(S)と成分(A)との接触を含む工程においては、成分(G)を共存させることにより、重合反応中のファウリングが抑制されたり、生成重合体の粒子性状が改善されたりする。成分(G)としては、極性官能基を有する化合物を用いることができ、非イオン性(ノニオン)界面活性剤が好ましく、ポリアルキレンオキサイドブロック、高級脂肪族アミド、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、アルキルジエタノールアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、N−アシルアミノ酸がより好ましい。これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に係るエチレン重合用触媒の調製に用いる溶媒としては、不活性炭化水素溶媒が挙げられ、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができる。
成分(B)と成分(S)との接触においては、成分(B)中の反応部位と成分(S)中の反応部位との反応により化学的に結合され、成分(B)と成分(S)との接触物が形成される。成分(B)と成分(S)との接触時間は、通常1分〜20時間、好ましくは30分〜10時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−20〜120℃で行われる。成分(B)と成分(S)との初期接触を急激に行うと、その反応発熱や反応エネルギーにより成分(S)が崩壊し、得られる固体触媒成分のモルフォロジーが悪化し、これを重合に用いた場合ポリマーモルフォロジー不良により連続運転が困難になることが多い。そのため、成分(B)と成分(S)との接触初期は、反応発熱を抑制する目的で、より低温で接触させる、または、反応発熱を制御し、初期接触温度を維持可能な速度で反応させることが好ましい。また、成分(B)と成分(S)を接触させ、さらに成分(B)を接触させる場合においても同様である。成分(B)と成分(S)との接触重量比(成分(B)の重量/成分(S)の重量)は、任意に選択できるが、接触重量比が高いほうが、より多くの成分(A)を接触させることができ、固体触媒成分の重量当たりの触媒活性を向上させることができる。
成分(B)と成分(S)の接触重量比[=成分(B)の重量/成分(S)の重量]は、好ましくは0.05〜3.0、特に好ましくは、0.1〜2.0である。
成分(B)と成分(S)との接触物と、成分(A)とを接触させる際には、接触時間は、通常1分〜20時間、好ましくは1分〜10時間であり、接触温度は、通常−50〜200℃、好ましくは−50〜100℃の範囲内である。
成分(B-1)は、成分(B-1)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(B-1)/M]が、通常0.01〜100,000、好ましくは0.05〜50,000となるような量で用いられる。
成分(B-2)は、成分(B-2)(アルミニウム原子換算)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(B-2)/M]が、通常10〜500,000、好ましくは20〜100,000となるような量で用いられる。
成分(B-3)は、成分(B-3)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比[(B-3)/M]が、通常1〜10、好ましくは1〜5となるような量で用いられる。
なお、成分(B)と成分(A)中の全遷移金属原子(M)との比は、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP分析法)により求めることができる。
エチレン重合には、本発明に係るエチレン重合用触媒をそのまま用いることができるが、このエチレン重合用触媒にオレフィンを予備重合させて予備重合固体触媒成分を形成してから用いることもできる。
予備重合固体触媒成分は、本発明に係るエチレン重合用触媒の存在下、通常、不活性炭化水素溶媒中、エチレン等を予備重合させることにより調製することができ、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても実施することができ、また減圧、常圧あるいは加圧下、いずれでも行うことができる。さらに、予備重合によって、固体状触媒成分1g当り0.01〜1000g、好ましくは0.1〜800g、さらに好ましくは0.2〜500gの量で予備重合固体触媒成分が生成することが望ましい。
不活性炭化水素溶媒中で生成した予備重合固体触媒成分を懸濁液から分離した後、再び不活性炭化水素中に懸濁させ、得られた懸濁液中にエチレンを導入してもよく、また、乾燥させた後エチレンを導入してもよい。
予備重合温度は、−20〜80℃、好ましくは0〜60℃であり、また予備重合時間は、0.5〜100時間、好ましくは1〜50時間程度である。予備重合には、好ましくはエチレンを主成分とするオレフィンが用いられる。
予備重合に使用する固体触媒成分の形態としては、既に述べたものを制限無く利用できる。また、必要に応じて成分(B)が用いられ、特に一般式(B-1a)で示される有機アルミニウム化合物[B-1a]が好ましく使用される。成分(B)が用いられる場合は、成分(B)は、成分(B)中のアルミニウム原子(Al)と遷移金属化合物[A]中の遷移金属原子(M)とのモル比(Al/M)が、0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000となる量で用いられる。
予備重合系における本発明に係るエチレン重合用触媒の濃度は、エチレン重合用触媒/重合容積比で、通常1〜1000グラム/リットル、さらには10〜500グラム/リットルであることが望ましい。予備重合時には、ファウリング抑制あるいは粒子性状改善を目的として、前記の成分(G)を共存させてもよい。
また、予備重合固体触媒成分の流動性改善や重合時のヒートスポット・シーティングやポリマー塊の発生抑制を目的に、予備重合によって一旦生成させた予備重合固体触媒成分に成分(G)を接触させてもよい。
上記成分(G)を接触させる際の温度は、通常−50〜50℃、好ましくは−20〜50℃であり、接触時間は、通常1分〜20時間、好ましくは5分〜10時間である。
本発明に係るエチレン重合用触媒と成分(G)とを接触させるに際して、成分(G)は、本発明に係るエチレン重合用触媒100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.4〜5重量部の量で用いられる。
本発明に係るエチレン重合用触媒と成分(G)との混合接触は、不活性炭化水素溶媒中で行うことができ、不活性炭化水素溶媒としては、前記と同様のものが挙げられる。
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法において、エチレン重合用触媒として、予備重合固体触媒成分を乾燥させたもの(以下「乾燥予備重合触媒」ともいう。)を用いることができる。予備重合固体触媒成分の乾燥は、通常、得られた予備重合触媒の懸濁液から濾過などにより分散媒である炭化水素を除去した後に行われる。
予備重合固体触媒成分の乾燥は、予備重合固体触媒成分を不活性ガスの流通下、70℃以下、好ましくは20〜50℃の範囲の温度に保持することにより行われる。得られた乾燥予備重合触媒の揮発成分量は2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下であることが望ましい。乾燥予備重合触媒の揮発成分量は、少ないほどよく、特に下限はないが、実用的には0.001重量%である。乾燥時間は、乾燥温度にもよるが通常1〜48時間
である。
前記乾燥予備重合触媒は、流動性に優れているので、重合反応器へ安定的に供給することができる。また、前記乾燥予備重合触媒を使用すると、気相重合系内に懸濁に用いた溶媒を同伴させずに済むため安定的に重合を行うことができる。
[エチレン系重合体の製造方法]
本発明のエチレン系重合体の製造方法は、本発明のエチレン重合用触媒の存在下で、エチレンを重合するか、またはエチレンと炭素数3以上20以下のオレフィンとを重合することを特徴としている。
本発明において、エチレン系重合体中のエチレン含量は好ましくは70モル%以上(モノマー単位の合計を100モル%とする。)である。
重合方法としては、溶液重合、懸濁重合等の液相重合法および気相重合法が挙げられ、懸濁重合法および気相重合法が好ましい。
液相重合法において用いられる不活性炭化水素媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物等を挙げることができる。
本発明に係るエチレン重合用触媒を用いてエチレンの重合を行うに際して、成分(A)は、反応容積1リットル当たり、通常1×10-12〜1×10-1モル、好ましくは1×10-8〜1×10-2モルになるような量で用いられる。また、好ましくは成分(B)が用いられ、さらに好ましくは一般式(B-1a)で示される化合物、または成分(B-2)が用いられる。
エチレンを重合するに際して、重合温度は、下限が0℃、好ましくは40℃、特に好ましくは60℃である。温度が高い方が工業スケールでの生産において除熱等の面で有利である。上限が通常200℃、好ましくは170℃であり、重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2である。
重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。
さらに重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行うことも可能である。
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法により得られるエチレン系重合体の分子量は、重合系に水素を存在させるか、または重合温度を変化させることによって調節することができる。重合時には、ファウリング抑制あるいは粒子性状改善を目的として、前記の成分(G)を共存させることができる。
本発明において重合反応に供給されるモノマーは、エチレン単独であるか、エチレンおよび炭素数3以上20以下のオレフィンである。炭素数3以上20以下のオレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどのα−オレフィンや、シクロペンテン、
シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなどの環状オレフィンを挙げることができる。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で少量のスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンやアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸等;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸等の極性モノマーなどを供給してもよい。
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法によれば、1種の遷移金属化合物を用いて、長鎖分岐を数多く有するエチレン系重合体を高い触媒活性で製造することができる。本発明のエチレン系重合体に長鎖分岐が導入される機構として、本発明者らは、遷移金属化合物(A)が、末端ビニルを有する重合体であるマクロモノマーを生成させる役割と、エチレンおよびα−オレフィンの重合と競争的に該マクロモノマーを共重合させる役割の両方を担っていると推定している。また、遷移金属化合物[A]を担体[S]と接触させて使用することで、遷移金属化合物(A)の反応点近傍のマクロモノマー濃度を高めることができるため、より多くの長鎖分岐が導入されたエチレン系重合体を製造することができると考えられる。
[エチレン系重合体]
本発明に係るエチレン系重合体の製造方法によって製造されるエチレン系重合体は、適度な長さの長鎖分岐を数多く有しており、好ましくは下記要件(1)〜(4)を満たす。
(1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上50g/10分以下、好ましくは0.5g/10分以上30g/10分以下である;
(2)密度が875kg/m3以上965kg/m3以下、好ましくは885kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下、好ましくは0.03×10-30以上5.0×10-30以下である;
(4)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4以上1.65×10-4以下、好ましくは0.90×10-4以上1.55×10-4以下である。
前記メルトフローレート(MFR)の値は、分子量に強く依存しており、メルトフローレート(MFR)が小さいほど分子量は大きく、メルトフローレート(MFR)が大きいほど分子量は小さくなる。また、エチレン系重合体の分子量は、重合系内における水素とエチレンとの組成比(水素/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、曽我和雄他編、「Catalytic Olefin Polymerization」、講談社サイエンティフィク、1990年、p.376)。このため、水素/エチレンを増減させることで、エチレン系重合体(α)のメルトフローレート(MFR)を増減させることが可能である。
前記密度の値は、エチレン系重合体のα−オレフィン含量に依存しており、α−オレフィン含量が少ないほど密度は高く、α−オレフィン含量が多いほど密度は低くなる。また、エチレン系重合体中のα−オレフィン含量は、重合系内におけるα−オレフィンとエチレンとの組成比(α−オレフィン/エチレン)により決定されることが知られている(例えば、Walter Kaminsky, Makromol.Chem. 193, p.606(1992))。このため、α−オレフィン/エチレンを増減させることで、上記範囲の密度を有するエチレン系重合体を製造することができる。
前記要件(3)および(4)は、いずれも長鎖分岐に関する公知の指標であり、これらの意義については、例えば、特開2006−233207号公報、国際公開第2006/080578号、国際公開第2013/099927号等を参照することができる。
本発明により製造されるエチレン系重合体は、ペレット化されてもよい。
本発明により製造されるエチレン系重合体には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて配合してもよい。
本発明により製造されるエチレン系重合体は、一般のフィルム成形やブロー成形、インジェクション成形及び押出成形により加工することができる。
本発明により製造されるエチレン系重合体を加工することにより得られる成形体としては、フィルム、ブロー輸液バック、ブローボトル、ガソリンタンク、押出成形によるチューブ、パイプ、引きちぎりキャップ、日用雑貨品等射出成形物、繊維、回転成形による大型成形品などが挙げられる。
本発明により製造されるエチレン系重合体を加工することにより得られるフィルムは、水物包装袋、液体スープ包袋、液体紙器、ラミ原反、特殊形状液体包装袋(スタンディングパウチ等)、規格袋、重袋、ラップフィルム、砂糖袋、油物包装袋、食品包装用等の各種包装用フィルム、プロテクトフィルム、輸液バック、農業用資材等に好適であり、また、ナイロン、ポリエステル等の基材と貼り合わせて、多層フィルムとして用いることもできる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[各種物性の測定]
エチレン系重合体の物性測定方法を以下に示す。
<メルトフローレート(MFR)>
190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
<密度(D)>
MFR測定時に得られるストランドを100℃で30分間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
<溶融張力(MT)>
190℃における溶融張力(MT)(単位;g)は、一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定した。測定には東洋精機製作所社製キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1Dを用いた。条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmとした。
<せん断粘度(η*)>
200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)は以下の方法により測定した。
せん断粘度(η*)は、測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定した。測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用い、サンプルホルダーとして25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みを約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。
せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kgf/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kgf/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することにより作製した。
<ゼロせん断粘度(η0)>
200℃におけるゼロせん断粘度(η0)(P)は以下の方法により求めた。
測定温度200℃にて、せん断粘度(η*)の角速度ω(rad/秒)分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定した。測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用い、サンプルホルダーとして25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みを約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。
せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kgf/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kgf/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することにより作製した。
ゼロせん断粘度(η0)は、下記式のCarreauモデルを非線形最小自乗法により実測のレオロジー曲線〔せん断粘度(η*)の角速度(ω)分散〕にフィッティングさせることで算出した。
η*=η0〔1+(λω)a(n-1)/a
〔λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小自乗法によるフィッティングは下記式におけるdが最小となるように行った。
Figure 2019059933
〔ηexp(ω)は実測のせん断粘度を表し、ηcalc(ω)はCarreauモデルより算出したせん断粘度を表す。〕
<極限粘度[η]>
測定サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、下記式に示すように濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位;dl/g)として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)>
Agilent社製GPC−粘度検出器(GPC−VISCO)PL−GPC220を用い、以下のように測定した。
分析カラムにはAgilent PLgel Olexisを2本用い、検出器には示差屈折計および3キャピラリー粘度計を用い、カラム温度は145℃とし、移動相としてはo−ジクロロベンゼンを用い、流速を1.0ml/分とし、試料濃度は0.1重量%とした。標準ポリスチレンには、東ソー社製のものを用いた。分子量計算は、粘度計および屈折計から実測粘度を計算し、実測ユニバーサルキャリブレーションより数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)を求めた。
<遷移金属化合物(A)の合成>
〔合成例1〕
ジメチルシリレン(2−インデニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−1)という)は、特開平11−292934号公報記載の方法によって合成した。
Figure 2019059933
〔合成例2−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.95g(80.1mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン25mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン3.90g(20.0mmol)のテトラヒドロフラン20mL希釈溶液をゆっくりと加え、80℃のオイルバス中で3時間加熱還流した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド12.0mL(100mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン20mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.90mL(20.2mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、2−メチルインデン2.60g(20.0mmol)、テトラヒドロフラン30mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液12.2mL(ヘキサン溶液、1.64M、20.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら3時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−2L)で示した目的物(以下、化合物(A−2L)という)が5.24g(収率87%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.45(1H,d,J=7.2Hz,Ar−H),7.40(1H,d,J=7.3Hz,Ar−H),7.32−7.12(5H,m,Ar−H),7.11−6.97(2H,m,Ar−H&C=CH−C),6.51(1H,s,C=CH−C),3.51(1H,s,Si−CH),3.28(2H,dd,J=23.3and14.3Hz,C−CH2−C),2.10(3H,s,C−CH3),0.23(3H,s,Si−CH3),0.16(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例2−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例2−1で得られた化合物(A−2L)0.61g(2.00mmol)、トルエン15mL、テトラヒドロフラン0.3mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.45mL(ヘキサン溶液、1.64M、4.02mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジエチルエーテル20mLを加えた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.02mmol)を加え、室温にて19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−2)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−2)という)を0.61g(収率65%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.71−7.63(2H,m,Ar−H),7.56(1H,d,J=8.5Hz,Ar−H),7.32−7.06(5H,m,Ar−H),6.78(1H,s,Ind−H),6.16(1H,dt,J=2.6and0.8Hz,Ind−H),6.07(1H,dt,J=2.6and0.9Hz,Ind−H),2.33(3H,s,Ind−CH3),1.13(3H,s,Si−CH3),1.00(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 462
Figure 2019059933
〔合成例3−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片0.98g(40.3mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン1.95g(10.0mmol)のテトラヒドロフラン10mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド6.00mL(50.2mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン20mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00mL(10.6mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、WO2012/133717号公報記載の方法によって合成した7−(4−トリメチルシリルフェニル)インデン2.65g(10.0mmol)、テトラヒドロフラン15mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液6.45mL(ヘキサン溶液、1.55M、10.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら3時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−3L)で示した目的物(以下、化合物(A−3L)という)が2.12g(収率48%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.72−7.04(13H,m,Ar−H&C=CH−C),7.00−6.60(1H,m,C=CH−C),3.94−3.10(3H,m,Si−CH&C−CH2−C),0.65−0.10(15H,m,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例3−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例3−1で得られた化合物(A−3L)0.88g(2.01mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジエチルエーテル20mLを加えた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.46g(1.99mmol)を加え、室温にて18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、ジエチルエーテルおよびn−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−3)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−3)という)を0.24g(収率20%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.68−7.57(2H,m,Ar−H),7.54(4H,s,Ar−H),7.43−7.34(2H,m,Ar−H),7.31−7.17(3H,m,Ar−H),7.15(1H,dd,J=3.4and0.9Hz,Ind−H),6.23(1H,d,J=3.4Hz,Ind−H),6.12(2H,s,Ind−H),1.13(3H,s,Si−CH3),0.91(3H,s,Si−CH3),0.26(9H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 596
Figure 2019059933
〔合成例4−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.45g(63.5mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン2.93g(15.0mmol)のテトラヒドロフラン10mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド9.00mL(75.3mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン10mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.50mL(16.0mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、特開2017−145240号公報記載の方法によって合成した7−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−1−インデン5.03g(15.0mmol)、テトラヒドロフラン15mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液9.70mL(ヘキサン溶液、1.55M、15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−4L)で示した目的物(以下、化合物(A−4L)という)が5.08g(収率67%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.50−7.30(5H,m,Ar−H),7.30−7.15(4H,m,Ar−H),7.15−7.03(2H,m,C=CH−C),6.98−6.46(1H,s,C=CH−C),3.90−3.65(4H,s,−OCH3&Si−CH),3.60−2.90(2H,m,Ar−CH2−C),1.44(18H,s,−C(CH33),0.25(3H,s,Si−CH3),0.21(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例4−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例4−1で得られた化合物(A−4L)1.02g(2.01mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.00mmol)を加え、室温にて20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−4)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−4)という)を0.65g(収率48%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.77−7.55(2H,m,Ar−H),7.46−7.32(4H,m,Ar−H),7.30−7.17(3H,m,Ar−H),7.10(1H,d,J=3.3Hz,Ind−H),6.21(1H,d,J=3.4Hz,Ind−H),6.13(1H,t,J=3.3Hz,Ind−H),3.70(3H,s,−OCH3),1.41(18H,s,−C(CH33),1.13(3H,s,Si−CH3),0.90(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 666
Figure 2019059933
〔合成例5−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片0.96g(39.6mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン1.96g(10.0mmol)のテトラヒドロフラン10mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド6.00mL(50.2mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン10mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00mL(10.6mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、特開2017−145240号公報記載の方法によって合成した7−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−2−メチル−1−インデン3.49g(10.0mmol)、テトラヒドロフラン10mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液6.45mL(ヘキサン溶液、1.55M、10.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら17時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−5L)で示した目的物(以下、化合物(A−5L)という)が3.33g(収率64%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.50−7.02(10H,m,Ar−H&C=CH−C),6.68(1H,s,C=CH−C),3.73(3H,s,−OCH3),3.61(1H,s,Si−CH),3.42−3.10(2H,m,Ar−CH2−C),2.12(3H,s,−CH3),1.43(18H,s,−C(CH33),0.31(3H,s,Si−CH3),0.24(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例5−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例5−1で得られた化合物(A−5L)1.04g(2.00mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.02mmol)を加え、室温にて20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−5)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−5)という)を1.01g(収率73%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.73−7.57(2H,m,Ar−H),7.45−7.15(7H,m,Ar−H),6.86(1H,s,Ind−H),6.18(1H,dd,J=2.6and0.9Hz,Ind−H),6.13(1H,dd,J=2.6and0.9Hz,Ind−H),3.71(3H,s,−OCH3),2.33(3H,s,Ind−CH3),1.41(18H,s,−C(CH33),1.15(3H,s,Si−CH3),1.02(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 680
Figure 2019059933
〔合成例6−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、特開2012−206997号公報記載の方法によって合成した2−(5−メチル−2−フリル)−1−インデン2.94g(15.0mmol)、テトラヒドロフラン20mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液9.70mL(ヘキサン溶液、1.55M、15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド9.00mL(75.3mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン20mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.50mL(16.0mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.45g(59.8mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン10mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン2.93g(15.0mmol)のテトラヒドロフラン10mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−6L)で示した目的物(以下、化合物(A−6L)という)が2.55g(収率46%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.70−7.71(3H,m,Ar−H),7.31−7.00(5H,m,Ar−H),7.00−5.80(4H,m,C=CH−C),4.80−2.70(3H,m,C=CH−C&Si−CH),2.44−2.00(3H,m,−CH3),2.50−2.18(6H,m,−CH3),0.60−−0.70(6H,m,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例6−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例6−1で得られた化合物(A−6L)0.75g(2.02mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.3mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.01mmol)を加え、室温にて20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−6)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(2−(5−メチル−2−フリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−6)という)を0.26g(収率24%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.70(1H,dd,J=8.8and1.0Hz,Ar−H),7.59(1H,dd,J=8.5and1.0Hz,Ar−H),7.52(1H,dd,J=8.3and1.0Hz,Ar−H),7.44(1H,dd,J=8.2and1.0Hz,Ar−H),7.34(1H,ddd,J=8.5and6.7and1.0Hz,Ar−H),7.30−7.10(3H,m,Ar−H&Ind−H),7.03(1H,d,J=0.8Hz,Ar−H),6.68(1H,d,J=3.3Hz,Ind−H),6.15(1H,dd,J=3.3and1.0Hz,Ind−H),6.10(1H,dd,J=2.6and0.9Hz,Fur−H),5.81(1H,dd,J=2.6and0.9Hz,Fur−H),2.43(3H,t,J=0.5Hz,Fur−CH3),1.14(3H,s,Si−CH3),0.82(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 528
Figure 2019059933
〔合成例7−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、4,7−ジメチル−1−インデン2.17g(15.0mmol)、テトラヒドロフラン25mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液9.70mL(ヘキサン溶液、1.55M、15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド9.00mL(75.3mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら18時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン20mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.50mL(16.0mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.46g(60.1mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン2.93g(15.0mmol)のテトラヒドロフラン15mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−7L)で示した目的物(以下、化合物(A−7L)という)が1.30g(収率27%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.46(1H,d,J=7.1Hz,Ar−H),7.39(1H,d,J=7.3Hz,Ar−H),7.32−7.11(2H,m,Ar−H),7.11−6.82(4H,m,Ar−H&C=CH−C),6.80−6.15(1H,m,C=CH−C),3.90−3.60(1H,m,Si−CH),3.60−3.20(2H,m,Ar−CH2−C),2.50−2.18(6H,m,−CH3),0.20−−0.45(6H,m,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例7−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例7−1で得られた化合物(A−7L)0.65g(2.00mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.3mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.00mmol)を加え、室温にて19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−7)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−7)という)を0.47g(収率49%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.55(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),7.45(1H,d,J=8.2Hz,Ar−H),7.31−7.14(2H,m,Ar−H),7.10(1H,d,J=3.5Hz,Ind−H),7.00(1H,d,J=6.6Hz,Ar−H),6.90(1H,d,J=6.8Hz,Ar−H),6.41(1H,d,J=3.5Hz,Ind−H),6.12(1H,d,J=2.6Hz,Ind−H),5.99(1H,d,J=2.6Hz,Ind−H),2.57(3H,s,Ind−CH3),2.37(3H,s,Ind−CH3),1.08(3H,s,Si−CH3),0.94(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 476
Figure 2019059933
〔合成例8−1〕
300mLの反応器に、4−ブロモ−7−メトキシ−1−インダノン9.74g(40.4mmol)、テトラヒドロフラン35mL、メタノール15mLを仕込み攪拌した。この溶液を0℃に冷却し、ヒドロホウ酸ナトリウム3.17g(38.2mmol)をゆっくりと少量ずつ加え、室温にて4時間攪拌した。この溶液を0℃に冷却し、1.0M塩酸水溶液をゆっくりと加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣のうち、2.98g(約12.3mmol)を300mLの反応器に取り、トルエン150mL、p−トルエンスルホン酸一水和物0.02g(0.09mmol)を加え、80℃のオイルバス中で6時間加熱した。反応液を室温まで冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、n−ヘキサンと酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−8a)で示した目的物(以下、化合物(A−8a)という)が1.77g(収率64%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.25(1H,d,J=8.7Hz,Ar−H),7.04(1H,dt,J=5.6and1.9Hz,C=CH−C),6.68(1H,d,J=8.6Hz,Ar−H),6.49(1H,dt,J=5.6and1.9Hz,C=CH−C),3.86(3H,s,−OCH3),3.38(2H,t,J=1.6Hz,Ar−CH2−C)ppm
Figure 2019059933
〔合成例8−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した300mLの反応器に、マグネシウム片0.46g(18.8mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン20mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 16486.記載の方法によって合成した1−ブロモ−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシベンゼン5.17g(17.3mmol)のテトラヒドロフラン30mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後80℃のオイルバス中で1時間加熱還流した。この反応液を−78℃に冷却した後、トリメトキシボラン2.20mL(19.8mmol)をゆっくりと加え、ゆっくりと室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。1.0M塩酸水溶液を加え、ジ−isо−プロピルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣に、合成例8−1で得られた化合物(A−8a)3.38g(15.0mmol)、リン酸三カリウム7.34g(34.6mmol)、酢酸パラジウム0.03g(0.15mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)0.10g(0.23mmol)、テトラヒドロフラン35mL、蒸留水7mLを仕込み、オイルバス中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、n−ヘキサンと酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−8b)で示した目的物(以下、化合物(A−8b)という)が5.44g(収率99%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.40(2H,s,Ar−H),7.20(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),7.14−6.98(1H,m,C=CH−C),6.89(1H,d,J=8.3Hz,Ar−H),6.54−6.45(1H,m,C=CH−C),3.93(3H,s,−OCH3),3.75(3H,s,−OCH3),3.51(2H,s,Ar−CH2−C),1.47(18H,s,−C(CH33)ppm
Figure 2019059933
〔合成例8−3〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片0.97g(40.1mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン1.95g(10.0mmol)のテトラヒドロフラン15mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド6.00mL(50.2mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン10mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.00mL(10.6mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例8−2で得られた化合物(A−8b)3.65g(10.0mmol)、テトラヒドロフラン25mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液6.50mL(ヘキサン溶液、1.55M、10.1mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら21時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−8L)で示した目的物(以下、化合物(A−8L)という)が4.32g(収率80%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.48−7.28(4H,m,Ar−H),7.26−7.18(2H,m,Ar−H),7.18−7.08(1H,m,Ar−H),7.08−6.96(2H,m,Ar−H&C=CH−C),6.73(1H,d,J=8.2Hz,Ar−H),6.67(1H,dd,J=5.3and1.8Hz,C=CH−C),3.73(3H,s,−OCH3),3.71(3H,s,−OCH3),3.56−2.90(1H,m,Si−CH),3.27(2H,s,Ar−CH2−C),1.44(18H,s,−C(CH33),0.29(3H,s,Si−CH3),0.17(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例8−4〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例8−3で得られた化合物(A−8L)1.07g(2.00mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.00mmol)を加え、室温にて20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−8)で示される橙色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−7−メトキシ−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−8)という)を1.01g(収率72%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.74−7.63(1H,m,Ar−H),7.40−7.17(6H,m,Ar−H),6.98(1H,d,J=3.3Hz,Ind−H),6.57(1H,d,J=7.8Hz,Ar−H),6.18−6.12(2H,m,Ind−H),5.97(1H,dd,J=2.5and0.9Hz,Ind−H),4.10(3H,s,−OCH3),3.70(3H,s,−OCH3),1.40(18H,s,−C(CH33),1.06(3H,s,Si−CH3),0.83(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 696
Figure 2019059933
〔合成例9−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した300mLの反応器に、マグネシウム片0.62g(25.4mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン20mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 16486.記載の方法によって合成した1−ブロモ−3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシベンゼン6.89g(23.0mmol)のテトラヒドロフラン30mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後80℃のオイルバス中で1時間加熱還流した。この反応液を−78℃に冷却した後、トリメトキシボラン2.90mL(26.1mmol)をゆっくりと加え、ゆっくりと室温まで戻しながら21時間攪拌を続けた。1.0M塩酸水溶液を加え、ジ−isо−プロピルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣に、特開2012−121882号公報記載の方法によって合成した4−ブロモ−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン4.72g(20.1mmol)、リン酸三カリウム9.80g(46.1mmol)、酢酸パラジウム0.05g(0.20mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)0.14g(0.34mmol)、テトラヒドロフラン50mL、蒸留水10mLを仕込み、オイルバス中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−9a)で示した目的物(以下、化合物(A−9a)という)が7.18g(収率96%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.31−7.24(3H,m,Ar−H),6.87(1H,dt,J=5.6and1.8Hz,C=CH−C),6.49(1H,dt,J=5.6and1.8Hz,C=CH−C),3.75(3H,s,−OCH3),3.32(2H,s,Ar−CH2−C),3.00(2H,t,J=7.4Hz,Ar−CH2−CH2),2.85(2H,t,J=7.3Hz,Ar−CH2−CH2),2.07(2H,q,J=7.3Hz,CH2−CH2−CH2),1.45(18H,s,−C(CH33)ppm
Figure 2019059933
〔合成例9−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.45g(59.8mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン15mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン2.93g(15.0mmol)のテトラヒドロフラン15mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド9.00mL(75.3mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン10mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.50mL(16.0mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例9−1で得られた化合物(A−9a)5.62g(15.0mmol)、テトラヒドロフラン15mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液9.70mL(ヘキサン溶液、1.55M、15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら45時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−9L)で示した目的物(以下、化合物(A−9L)という)が7.67g(収率94%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.54−7.04(8H,m,Ar−H&C=CH−C),6.87(1H,dd,J=5.4and1.9Hz,C=CH−C),6.55(1H,dd,J=5.4and1.9Hz,C=CH−C),3.73(3H,s,−OCH3),3.69(1H,s,Si−CH),3.52−3.18(2H,s,Ar−CH2−C),3.14−2.78(4H,m,Ar−CH2−CH2),2.06(2H,q,J=7.3Hz,CH2−CH2−CH2),1.43(18H,s,−C(CH33),0.27(3H,s,Si−CH3),0.16(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例9−3〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例9−2で得られた化合物(A−9L)1.10g(2.01mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.01mmol)を加え、室温にて19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−9)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−1−インダセニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−9)という)を0.51g(収率36%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.66−7.57(1H,m,Ar−H),7.48−7.37(1H,m,Ar−H),7.37−7.28(3H,m,Ar−H),7.27−7.17(2H,m,Ar−H),6.86(1H,d,J=3.3Hz,Ind−H),6.12(1H,dd,J=2.6and0.8Hz,Ind−H),6.10−6.04(2H,m,Ind−H),3.70(3H,s,−OCH3),3.05−2.90(4H,m,Ar−CH2−CH2),2.03(2H,q,J=7.0Hz,CH2−CH2−CH2),1.39(18H,s,−C(CH33),1.11(3H,s,Si−CH3),0.87(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 706
Figure 2019059933
〔合成例10−1〕
充分に乾燥、アルゴン置換した300mLの反応器に、マグネシウム片0.61g(25.0mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン20mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、Eur. J. Org. Chem. 2006,2727.およびWO2007/034975号公報記載の方法によって合成した4−ブロモ−2,6−ジ−iso−プロピル−N,N−ジメチルアニリン6.55g(23.0mmol)のテトラヒドロフラン20mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後80℃のオイルバス中で1時間加熱還流した。この反応液を−78℃に冷却した後、トリメトキシボラン2.90mL(26.1mmol)をゆっくりと加え、ゆっくりと室温まで戻しながら17時間攪拌を続けた。塩化アンモニウム水溶液を加え、ジ−isо−プロピルエーテルで可溶分を抽出し、得られた分画を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣に、特開2012−121882号公報記載の方法によって合成した4−ブロモ−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン4.72g(20.1mmol)、リン酸三カリウム9.80g(46.1mmol)、酢酸パラジウム0.05g(0.20mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(S−Phos)0.14g(0.34mmol)、テトラヒドロフラン50mL、蒸留水10mLを仕込み、オイルバス中で2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−10a)で示した目的物(以下、化合物(A−10a)という)が5.57g(収率77%)得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.26(1H,s,Ar−H),7.10(2H,s,Ar−H),6.87(1H,dt,J=5.6and1.8Hz,C=CH−C),6.48(1H,dt,J=5.6and1.8Hz,C=CH−C),3.38(2H,sep,J=6.9Hz,−CH(CH32),3.33(2H,s,Ar−CH2−C),2.99(2H,t,J=7.3Hz,Ar−CH2−CH2),2.89(6H,s,−NC(CH32),2.86(2H,t,J=7.3Hz,Ar−CH2−CH2),2.06(2H,q,J=7.27Hz,CH2−CH2−CH2),1.23(12H,d,J=6.9Hz,−CH(CH32)ppm
Figure 2019059933
〔合成例10−2〕
充分に乾燥、アルゴン置換した200mLの反応器に、マグネシウム片1.45g(59.8mmol)を仕込み、減圧下加熱しながら30分激しく撹拌した。室温まで冷却した後、還流冷却管を装着し、ヨウ素一片とテトラヒドロフラン10mLを仕込み攪拌した。2−ブロモインデン2.94g(15.1mmol)のテトラヒドロフラン15mL希釈溶液を滴下(1.0mL添加後、ドライヤーにてヨウ素の色が消失するまで加熱還流、反応開始後は残液滴下)し、滴下終了後室温にて2時間撹拌した。この反応液を、ジメチルシリルジクロリド9.00mL(75.3mmol)のn−ヘキサン10mL希釈溶液に、−78℃冷却下ゆっくりと加え、室温まで戻しながら19時間攪拌を続けた。反応液の溶媒および未反応のジメチルシリルジクロリドを留去した後、残渣にテトラヒドロフラン10mL、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン1.50mL(16.0mmol)を加えた。充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例10−1で得られた化合物(A−10a)5.40g(15.0mmol)、テトラヒドロフラン15mLを仕込み、n−ブチルリチウム溶液9.70mL(ヘキサン溶液、1.55M、15.0mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。この溶液を、−78℃に冷却した先程の反応残渣希釈溶液に滴下し、ゆっくりと室温まで戻しながら21時間攪拌を続けた。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで可溶分を抽出し、得られた分画を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ過した後、ろ液を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、下記式(A−10L)で示した目的物(以下、化合物(A−10L)という)が6.95g(収率87%)の異性体混合物として得られた。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.56−7.35(2H,m,Ar−H),7.35−7.00(6H,m,Ar−H&C=CH−C),7.00−6.78(1H,m,C=CH−C),6.70−6.40(1H,m,C=CH−C),3.80−3.58(1H,m,Si−CH),3.52−3.24(4H,m,−CH(CH32&,Ar−CH2−C),3.16−2.70(4H,m,Ar−CH2−CH2),2.88(6H,s,−NC(CH32),2.07(2H,q,J=7.27Hz,CH2−CH2−CH2),1.35−1.15(12H,m,−CH(CH32),0.27(3H,s,Si−CH3),0.16(3H,s,Si−CH3)ppm
Figure 2019059933
〔合成例10−3〕
充分に乾燥、アルゴン置換した100mLの反応器に、合成例10−2で得られた化合物(A−10L)1.07g(2.00mmol)、トルエン20mL、テトラヒドロフラン0.4mLを仕込み攪拌した。この溶液へ、n−ブチルリチウム溶液2.60mL(ヘキサン溶液、1.55M、4.03mmol)を室温下加えた後、40℃のオイルバス中で3時間攪拌を続けた。この溶液を0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.47g(2.01mmol)を加え、室温にて20時間攪拌を続けた。反応液の溶媒を留去した後、得られた固体にジクロロメタンを加え懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルター上のセライトで除去した。得られた溶液を減圧化濃縮した後、n−ヘキサンを加えることで懸濁液を調整し、不溶物をガラスフィルターで濾別し、残渣を減圧乾燥することにより、下記式(A−10)で示される黄色粉末状の化合物ジメチルシリレン(2−インデニル)(4−(3,5−ジ−iso−プロピル−4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−1−インダセニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−10)という)を0.30g(収率22%)得た。
1H NMR(270MHz,CDCl3)δ 7.67−7.56(1H,m,Ar−H),7.48−7.40(1H,m,Ar−H),7.33(1H,br−s,Ar−H),7.30−7.20(3H,m,Ar−H),7.15(1H,br−s,Ar−H),6.90(1H,br−s,Ind−H),6.15−6.07(2H,m,Ind−H),6.06(1H,d,J=2.6Hz,Ind−H),3.31(2H,br−s,−NC(CH32),3.08−2.92(4H,m,Ar−CH2−CH2),2.85(6H,br−s,−CH(CH32),2.13−1.90(2H,m,CH2−CH2−CH2),1.27−1.08(12H,m,−CH(CH32),1.11(3H,s,Si−CH3),0.88(3H,s,Si−CH3)ppm
FD−質量分析(M+): 691
Figure 2019059933
〔合成例11〕
下記式(A−11)で示されるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−11)という)は、Macromolecules 1995,28,3771.記載の方法によって合成した。
Figure 2019059933
〔合成例12〕
下記式(A−12)で示されるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4−(4−トリメチルシリルフェニル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−12)という)は、WO2012/133717号公報記載の方法によって下記の様に合成した。
Figure 2019059933
〔合成例13〕
下記式(A−13)で示されるジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−13)という)は、特開2008−050278号公報記載の方法によって合成した。
Figure 2019059933
〔合成例14〕
下記式(A−14)で示されるジメチルシリレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−14)という)は、和光純薬工業より購入した。
Figure 2019059933
〔合成例15〕
下記式(A−15)で示されるエチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド(以下、化合物(A−15)という)は、和光純薬工業より購入した。
Figure 2019059933
[実施例1]
<固体触媒成分(X−1)の調製>
内容積270Lの攪拌機付き反応器を用い、窒素雰囲気下、固体状担体[S]として、シリカゲル(富士シリシア化学株式会社製、レーザー光回折散乱法の体積分布の累積50%粒径:70μm、比表面積:340m2/g、細孔容積:1.3cm3/g、250℃で10時間乾燥、以下、固体状担体[S−1]という)10kgを77Lのトルエンに懸濁させた後、0〜5℃に冷却した。この懸濁液に成分(B)としてメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mol/L)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内温度を0〜5℃に保った。次いで、これらを0〜5℃で30分間接触させた後、1.5時間かけて系内温度を95℃まで昇温して、引き続き95℃で4時間接触させた。その後、常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄することで、全量115リットルのトルエンスラリーを調製した。得られたスラリーの一部を採取し分析したところ、固体分濃度は122.6g/L、Al濃度は0.612mol/Lであった。
次に充分に窒素置換した内容積200mLの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン30mL、並びに前記で得られたスラリー1.63mL(固体分重量0.2g)を装入した。次いで、合成例1で得られた化合物(A−1)のトルエン溶液をZrとして5.0μmol加え、系内温度20〜25℃で1時間これらを接触させた後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した。これにより、全量40mLの固体触媒成分(X−1)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−1)を固体分として60.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体90.0gを得た。触媒活性は1,500g−PE/g−固体触媒成分であった。
得られたエチレン系重合体に、耐熱安定剤としてIrganoX1076(商品名、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)0.1質量%、Irgafos168(商品名、チバスペシャリティケミカルズ株式会社製)0.1質量%を加え、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)を用い、樹脂温度180℃、回転数50rpmで5分間溶融混練した。さらに、この溶融ポリマーを、プレス成形機(株式会社神藤金属工業所製)を用い、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kg/cm2の条件にて冷却した。得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例2]
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−1)を固体分として60.0mg装入した後、水素を25mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体109.2gを得た。触媒活性は1,820g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例3]
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−1)を固体分として60.0mg装入した後、水素を50mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体103.3gを得た。触媒活性は1,720g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例4]
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−1)を固体分として60.0mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体100.1gを得た。触媒活性は1,670g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例5]
<固体触媒成分(X−2)の調製>
国際公開2010/055652パンフレットに記載の方法(予備実験1および実施例5)に準じて固体状アルミノキサンを合成し、これを固体状担体[S]として用いた(以下、固体状担体[S−2]という)。ただし、トリメチルアルミニウムの発火等の安全性に配慮して、当該文献に開示されている条件の約1/6倍の濃度で実施した。
具体的には、攪拌装置を有するガラス製反応器に0.5mol/Lに調整したトリメチルアルミニウムのトルエン溶液100mLを装入した。この溶液を15℃になるまで冷却し、これに安息香酸2.18gを溶液の温度が25℃以下に保たれるような速度でゆっくりと添加した。その後50℃で加熱熟成を1時間行った。この時、トリメチルアルミニウムと安息香酸の酸素原子のモル比は、1.40であった。反応液を70℃で4時間加熱し、その後60℃で6時間加熱した後、一度室温まで冷却した。次いで100℃で8時間加熱し、固体成分を析出させた。溶液を30℃以下まで冷却した後、洗浄のためにヘキサン100mLを攪拌下に添加した。30分間静置した後、上澄み液150mLを除去し、さらにヘキサン150mLを攪拌下に添加した。15分間静置した後、上澄み液150mLを除去し、さらにヘキサン150mLを攪拌下に添加した。最後に15分間静置した後、上澄み液180mLを除去し、ヘキサンを総量が14.6mLになるように添加し、固体状担体[S−2]のヘキサンスラリーを得た。得られたスラリーの一部を採取し分析したところ、固体分濃度は41.0g/L、Al濃度は0.583mol/Lであった。また、得られた固体状担体[S−2]を走査型電子顕微鏡により粒子を観察したところ平均粒子径は6.8μm、比表面積は18.1m2/mmol―Alであった。
次に充分に窒素置換した内容積200mLの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、トルエン30mL、並びに前記で得られたスラリー2.44mL(固体分重量0.1g)を装入した。次いで、合成例1で得られた化合物(A−1)のトルエン溶液をZrとして5.0μmol加え、系内温度20〜25℃で1時間接触させた後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄した。これにより、全量40mLの固体触媒成分(X−2)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを5mL、トリイソブチルアルミニウムを0.25mmol、アデカプロニックL−71(ADEKA株式会社製)を2.5mgおよびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−2)を固体分として20.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.65MPaGに昇温、昇圧し、60分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体82.8gを得た。触媒活性は4,140g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例6]
<固体触媒成分(X−3)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例2で得られた化合物(A−2)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−3)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−3)を固体分として40.0mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体82.7gを得た。触媒活性は2,070g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例7]
<固体触媒成分(X−4)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例3で得られた化合物(A−3)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−4)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−4)を固体分として30.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体112.7gを得た。触媒活性は3,760g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例8]
<固体触媒成分(X−5)の調製>
実施例1と同様に固体状担体[S−1]と成分(B)としてメチルアルミノキサンとを反応させてトルエンスラリーを得た後、充分に窒素置換した内容積2Lの攪拌機付き反応器に、前記で得られたスラリー500mL(固体分重量61.3g)を装入した。次いで、合成例2で得られた化合物(A−2)のトルエン溶液をZrとして0.31mmol加え、80℃に昇温した。2時間これらを接触させた後、室温まで冷却し、次いで上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにヘキサンを用いて2回洗浄し全量1,230mLのヘキサンスラリーを調製した。
得られた前記スラリーを10℃まで冷却した後、トリイソブチルアルミニウム55mmolを添加した。さらに、常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間、系内温度を10〜15℃に保持した。次いで、1−ヘキセン8.2mLを添加した。1−ヘキセン添加後、系内温度を35℃に昇温し、固体分重量に対して3等量分のエチレンを重合させた。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を1200mLとした。
次に、系内温度を35℃までに昇温した後、成分(G)として、ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテルであるエマルゲン108(花王株式会社製)1.3gを添加し、2時間接触させた。その後、グラスフィルターにスラリーを移し、ろ過および減圧乾燥によりヘキサンを留去させることで、予備重合された固体状触媒成分(X−5)245.2gが得られた。
<エチレン系重合体の製造>
気相流動床重合装置を用い、重合圧力2.0MPa・A、エチレン分圧1.5MPa、ガス線速0.7m/s、固体状触媒成分供給量4.0g/hr、重合温度80℃、気相部水素/エチレン比17molppm/mol%、気相部1−ヘキセン/エチレン比0.0090mol%/mol%の重合条件にて、反応器内に前記固体状触媒成分(X−5)、エチレン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給し、3.0kg/hrでエチレン系重合体の重合体粉体を反応器から連続的に抜出した。触媒活性は3,000g−PE/g−固体触媒成分(予備重合前の重量換算)であった。
得られたエチレン系重合体に、耐熱安定剤として、6−tert−ブチル−4−[3−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ)プロピル]−2−メチルフェノール(商品名:スミライザーGP、住友化学株式会社製)680ppm、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業株式会社製)170ppmを加えた。これを、2軸同方向46mmφ押出機(株式会社池貝製)を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数300rpm、フィーダー回転数30rpmの条件で溶融混練し、ストランド状に押し出しカットしてエチレン系重合体のペレットを得た。得られたペレットを測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例9]
<固体触媒成分(X−6)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例4で得られた化合物(A−4)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−6)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−6)を固体分として20.0mg装入した後、水素を25mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体74.5gを得た。触媒活性は3,720g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例10]
<固体触媒成分(X−7)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例5で得られた化合物(A−5)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−7)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−7)を固体分として24.0mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体85.6gを得た。触媒活性は3,570g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例11]
<固体触媒成分(X−8)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例6で得られた化合物(A−6)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−8)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを20mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−8)を固体分として12.0mg装入した後、水素を25mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体78.3gを得た。触媒活性は6,530g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例12]
<固体触媒成分(X−9)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例7で得られた化合物(A−7)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−9)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−9)を固体分として30.0mg装入した後、水素を50mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体77.2gを得た。触媒活性は2,570g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例13]
<固体触媒成分(X−10)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例8で得られた化合物(A−8)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−10)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを12mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−10)を固体分として20.0mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体73.6gを得た。触媒活性は3,680g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例14]
<固体触媒成分(X−11)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例9で得られた化合物(A−9)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−11)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−11)を固体分として24.0mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体76.9gを得た。触媒活性は3,200g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例15]
<固体触媒成分(X−12)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例10で得られた化合物(A−10)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−12)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを12mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−12)を固体分として24.0mg装入した後、水素を50mL加え、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体88.8gを得た。触媒活性は3,690g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[実施例16]
<固体触媒成分(X−13)の調製>
化合物(A−1)5.0μmolを加える代わりに合成例4で得られた化合物(A−4)2.5μmolと合成例5で得られた化合物(A−5)2.5μmolを加えたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−13)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを12mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−13)を固体分として20.0mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体88.6gを得た。触媒活性は4,430g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[比較例1]
<固体触媒成分(X−14)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例11で得られた化合物(A−11)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−14)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−14)を固体分として250mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体110.0gを得た。触媒活性は440g−PE/g−固体触媒成分であった。結果を表8に示す。
[比較例2]
<固体触媒成分(X−15)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例12で得られた化合物(A−12)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−15)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−15)を固体分として120mg装入した後、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体79.1gを得た。触媒活性は660g−PE/g−固体触媒成分であった。結果を表8に示す。
[比較例3]
<固体触媒成分(X−16)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例13で得られた化合物(A−13)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−16)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−16)を固体分として100mg装入した後、水素濃度0.10vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体73.6gを得た。触媒活性は730g−PE/g−固体触媒成分であった。結果を表8に示す。
[比較例4]
<固体触媒成分(X−17)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例14で得られた化合物(A−14)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−17)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−17)を固体分として50.0mg装入した後、水素濃度0.45vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体55.1gを得た。触媒活性は1,100g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[比較例5]
<固体触媒成分(X−18)の調製>
化合物(A−1)の代わりに合成例15で得られた化合物(A−15)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法にて固体触媒成分(X−18)のスラリーを調製した。
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmol、およびスラリーの状態の前記固体触媒成分(X−18)を固体分として30.0mg装入した後、水素濃度0.20vol%のエチレン・水素混合ガスを用いて、80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧し、90分間重合反応を行った。得られたポリマーをろ過後、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体125.5gを得た。触媒活性は4,180g−PE/g−固体触媒成分であった。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
[比較例6]
<エチレン系重合体の製造>
充分に窒素置換した内容積1リットルのSUS製オートクレーブに、窒素雰囲気下、ヘプタン500ミリリットルを添加した後、エチレンを流通させ反応器内をエチレンで飽和させた。次に、1−ヘキセンを10mL、トリイソブチルアルミニウムを0.375mmolを装入し、エチレンにて80℃、0.8MPaGに昇温、昇圧した後に、合成例2で得られた化合物(A−2)0.23mgとメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で0.1mol/L)1mLとを接触させた液体を圧送して反応を開始した。30分間後、得られたポリマーをろ過し、80℃で10時間真空乾燥することで、エチレン系重合体42.6gを得た。得られたエチレン系重合体を実施例1と同様の方法で溶融混練および冷却し、得られた試料を測定用試料として、物性測定を行った。結果を表8に示す。
Figure 2019059933
架橋(2−インデニル)(1−インデニル)型化合物を用いた実施例は、架橋シクロペンタジエニル(1−インデニル)型化合物を用いた比較例1〜3に比べ、高い触媒活性を示した。また架橋ビス(1−インデニル)型化合物を用いた比較例4、5に比べ、[η]/Mw0.776の値が小さく、これは長鎖分岐導入量が多いことを意味する。固体状担体(S)を用いていない比較例6と比べても[η]/Mw0.776の値が小さく、これは固体状担体(S)の存在が長鎖分岐導入量の増加に寄与していることを示唆するものである。

Claims (7)

  1. 下記一般式[1]で表される遷移金属化合物[A]と、固体状担体[S]とを含んでなるエチレン重合用触媒。
    Figure 2019059933
    (一般式[1]中、Mは、周期表第4族遷移金属原子であり、
    nは、遷移金属化合物[A]が電気的に中性となるように選択される1〜4の整数であり、
    Xは、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子であり、前記アニオン配位子は、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ホウ素含有基、アルミニウム含有基または共役ジエン系誘導体基であり、nが2以上の場合は、複数存在するXで示される基は互いに同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよく、
    Qは、周期表第14族原子であり、
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13およびR14は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜40の炭化水素基、ハロゲン含有基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、R1〜R6のうちの隣接した置換基同士は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、R7〜R12のうちの隣接した置換基同士は、互いに結合して置換基を有していてもよい環を形成してもよく、R13およびR14は、互いに結合してQを含む環を形成してもよく、この環は置換基を有していてもよい。)
  2. 前記一般式[1]において、
    Mが、ジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、
    Xが、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基または酸素含有基であり、
    Qが、炭素原子またはケイ素原子であり、
    1〜R6およびR8〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、窒素含有基または硫黄含有基であり、
    7が、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、または窒素、酸素、硫黄から選ばれる原子を少なくとも1つ含む母骨格を5員環とする、置換基を有していてもよい複素環式芳香族基である請求項1に記載のエチレン重合用触媒。
  3. 前記一般式[1]において、
    Qが、ケイ素原子であり、
    1およびR6が、水素原子であり、
    2〜R5およびR7〜R14が、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のケイ素含有基、炭素数1〜20の酸素含有基または炭素数1〜20の窒素含有基である請求項2に記載のエチレン重合用触媒。
  4. 前記固体状担体(S)が多孔質酸化物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン重合用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のエチレン重合用触媒の存在下で、エチレンを重合するか、またはエチレンと炭素数3以上20以下のオレフィンとを重合する、エチレン系重合体の製造方法。
  6. 重合温度が60℃以上であることを特徴とする、請求項5に記載のエチレン系重合体の製造方法。
  7. 前記エチレン系重合体が、エチレンと炭素数4以上20以下のα−オレフィンとの共重合体であって、下記要件(1)〜(4)を満たす、請求項5または6に記載のエチレン系重合体の製造方法。
    (1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上30g/10分以下である;
    (2)密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
    (3)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
    (4)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4以上1.65×10-4以下である。
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