JP2019059896A - 高摺動性樹脂成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、表面の摺動性に優れ、大きく伸縮や変形しても、水洗いしても、表面の摺動性が維持され、べたつき感が無く、滑性が良く、触り心地の良い、高摺動性の樹脂成形体を提供することを課題とする。【解決手段】樹脂成形部品と摺動層とを有する、摺動性樹脂成形体であって、該樹脂成形部品は、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーからなる群から選択される1種または2種以上を含有し、該摺動層は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなって、該摺動性樹脂成形体の最表面であり、該摺動層の厚みは、50nm以上、2μm以下である、摺動性樹脂成形体。【選択図】図1

Description

本発明は、摺動性に優れた摺動性樹脂成形体に関する。
従来、樹脂成形体の摺動性を高める為には、樹脂成形体にブリード性の添加物を含有させたり、成形体の表面に無機系のコーティング膜或いは蒸着膜からなる層を設けていた。
しかしながら、樹脂成形体にブリード性の添加物を含有させる手法では、樹脂成形体表面にベタ付きがあるために、用途が限定されていた。
また、樹脂成形体の表面に無機系のコーティング膜或いは蒸着膜からなる層を設ける手法では、樹脂成形体が変形した場合に、無機系のコーティング膜或いは蒸着膜からなる層が割れたり剥がれたりしてしまい、成型品が変形可能なエラストマー製であることを活用した用途には不向きであった。
基材層の表面に、エラストマー部分と芳香族ビニル化合物に由来する構成単位を含有する樹脂部分)と含んでなるエラストマー強化芳香族ビニル系樹脂、及び、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性樹脂組成物からなる表皮層を備えた積層体が知られているが、該表皮層は塗布によって形成されるものであることから、表皮層自体がある程度の厚みを必要とするものであって、積層体全体としての物性にも影響を与えてしまうものであった(特許文献1)。
医療用材料等において、各種樹脂フィルムや、シリンジ用ガスケット等の成形品、シリコーンチューブ等の基材表面に、ポリパラキシリレン被膜を積層したものが知られているが、これはポリパラキシリレン被膜によって生体適合性を高めることのみが目的であり、更には、ポリパラキシリレン被膜の基材への密着が悪く、剥離し易いという問題があり、使用に耐え得る十分な密着性が得られにくい。(特許文献2)
特開2017−109312 特表2001−522652号公報
本発明は、表面の摺動性に優れ、大きく伸縮や変形しても、水洗いしても、表面の摺動性が維持され、べたつき感が無く、滑性が良く、触り心地の良い、高摺動性の樹脂成形体を提供することを課題とする。
本発明者らは、種々研究の結果、樹脂成形体の最表面に、パリレン系化合物の重合体蒸着膜からなる摺動層が積層された構造を有する樹脂成形体が、上記課題を解決し得ることを見出したものである。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.樹脂成形部品と摺動層とを有する、摺動性樹脂成形体であって、
該樹脂成形部品は、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーからなる群から選択される1種ま
たは2種以上を含有し、
該摺動層は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなって、該摺動性樹脂成形体の最表面であり、
該摺動層の厚みは、50nm以上、2μm以下である、
摺動性樹脂成形体。
2.前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、上記1に記載の摺動性樹脂成形体。
Figure 2019059896
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子であり、Xはハロゲン原子であり、nは平均値が0〜4の数である。)
3.前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、上記1に記載の摺動性樹脂成形体。
Figure 2019059896
4.前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、上記1に記載の摺動性樹脂成形体。
Figure 2019059896
5.前記重合体蒸着膜が、下記の工程A〜Cを含む方法によって作製されたものである、上記1〜4の何れかに記載の摺動性樹脂成形体。
工程A)前記パラキシリレン系化合物を気化室内に導入し、100〜160℃で気化する工程、
工程B)気化した前記パラキシリレン系化合物を、熱分解室内で、600〜690℃でラジカル化する工程、
工程C)5〜15μbarに減圧された蒸着室内に、ラジカル化した前記パラキシリレン系化合物を10〜400μbarで導入し、前記蒸着室内に別途導入された積層体前駆体の表面に、前記パラキシリレン系化合物を蒸着させると共に重合させて、前記重合体蒸着膜を形成する工程。
6.上記1〜5の何れかに記載の摺動性樹脂成形体から作製された、文字入力用キーボード。
7.上記1〜5の何れかに記載の摺動性樹脂成形体から作製された、マウスパッド。
本発明によれば、元が摺動性の低い樹脂成形品であっても、成型品表面に設けられた摺動層によって、摺動性の高い樹脂成形体が得られる。
特に、表面が、べたつきが生じ易かったり、滑性が悪い樹脂成型品であっても、べたつき感が解消され、滑性が良く、触り心地の良い、高摺動性の樹脂成形体が得られる。
本発明における摺動層は厚みが薄く伸縮性に優れる為、樹脂成型品の弾性や伸縮性を損なわず、且つ摺動層自身も剥離や亀裂を生じない為に、樹脂成形体を折り畳んで収納した場合であっても、高摺動性を保持することが可能である。
また更には、本発明の摺動性樹脂成形体は、摺動層が耐水性を有する為、水洗いすることも可能である。
本発明の摺動性樹脂成形体の一例を示す簡略化断面図である。 本発明の摺動性樹脂成形体の別態様の一例を示す簡略化断面図である。 静止摩擦係数と動摩擦係数を測定するための治具(滑り片)を示す図である。 静止摩擦係数と動摩擦係数を測定するための治具(滑り片)へ表面処理基材フィルムの固定方法を示す図である。 静止摩擦係数と動摩擦係数を測定するため測定装置を示す図である。
各図においては、解り易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見易さの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
更に、各図において、凹凸部は明確な角を有するパターンとして例示されているが、角が丸まった形状でもよい。
図1において、摺動性樹脂成形体は、樹脂成形部品の表面に摺動層を有した構成である。
図2において、エラストマー成型部品は凹凸が有り、摺動層はエラストマー成型部品の凹凸に沿った形状で積層されている。
本発明について以下に詳しく説明する。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や各種具体的に記載された構造に限定されるものではない。
本発明の摺動性樹脂成形体は、樹脂成形部品と摺動層とを有する。
該樹脂成形部品は、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂からなる群から選択される1種または2種以上を含有する。
該摺動層は、摺動性樹脂成形体の最表面であって、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなる。
<樹脂成形部品>
本発明の摺動性樹脂成形体における樹脂成形部品は、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーからなる群から選択される1種または2種以上を含有するものである。
樹脂成形部品は、単一の樹脂成型品であっても、2つ以上の樹脂成型品を組み立てたものであってもよく、或いは、樹脂成型品以外の部品を含むこともできる。
例えば、樹脂成形部品は、成形品部内部または表面部に、電子部品や回路部品、或いは絵柄層等を含むことも可能であり、電気接点等を設けた入力装置であることも可能である。
ここで、上記の樹脂成型品は、好ましくは、ブチル系エラストマー原料、シリコーン系エラストマー原料、ポリエチレン系樹脂原料、スチレン系エラストマー原料、ニトリル系エラストマー原料、クロロプレン系エラストマー原料、アクリル系エラストマー原料、ウレタン系エラストマー原料、フッ素系エラストマー原料からなる群から選択される1種または2種以上を含有する樹脂組成物から作製される。
ここで、エラストマーとは、樹脂の中でもゴムとしての挙動を示すものであり、例えば、高弾性限界、低弾性率を示すものであって、3次元架橋したゴムと、非3次元架橋の熱可塑性エラストマーを包含するものである。
各樹脂とエラストマーには、共重合体、水素添加品、加硫品も含まれる。
ブチル系エラストマーとは、主にイソブチレンを重合原料として用いたエラストマーであり、他の重合原料を併用した共重合体も含まれる。具体的には、少量のイソプレンとの共重合体や、イソプレンとの共重合体に加硫したものが挙げられるが、これらに限定されない。
シリコーン系エラストマーとは、シリコーン系樹脂とは、シロキサン結合を主骨格に有し、ケイ素原子上に有機基や官能基を多数備えているエラストマーである。
ポリエチレン系樹脂とは、主にエチレンを重合原料として用いた樹脂であり、他の重合原料を併用した共重合体も含まれる。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密
度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等及びこれらの樹脂の混合物が挙げられるが、これらには限定されない。
スチレン系エラストマーとは、スチレンと他の重合原料を併用したブロック共重合体のエラストマー及びそれらの水素添加品であり、一般的には、SBC(Styrenic Block Copolymer)と呼ばれるエラストマーである。
ニトリル系エラストマーとは、アクリロニトリルと1,3−ブタジエンとの共重合体であり、更に他の重合原料を併用した共重合体も含まれる。
クロロプレン系エラストマーとは、主にクロロプレンを重合原料として用いたエラストマーであり、他の重合原料を併用した共重合体も含まれる。
アクリル系エラストマーとは、主に(メタ)アクリル酸エステルを重合原料として用いたエラストマーであり、他の重合原料を併用した共重合体も含まれる。具体的には、(メタ)アクリル酸エステルと2−クロロエチルビニルエーテルとの共重合体(ACM)、(メタ)アクリル酸エステルとアクリロニトリルとの共重合体(ANM)等が挙げられるが、これらには限定されない。
ウレタン系エラストマーとは、ウレタン結合(−NHCOO−)を主骨格に有するエラストマーである。
本発明における樹脂組成物は、上記の樹脂原料やエラストマー原料を含有し、更には、摺動性樹脂成形体の用途に応じて、通常、樹脂組成物に配合される、有機充填剤、無機充填剤、ラジカル重合開始剤、加硫剤、加硫活性剤、離型剤、老化防止、その他各種添加剤を含むことも出来る。
そして、本発明における樹脂組成物は、射出成形、圧縮成型、トランスファー成型等の公知の成型方式によって成形され得るものであり、必要に応じて後硬化処理等も可能である。
<摺動層>
本発明において、高摺動性とは、べたつき感が無く、滑性が良いことを指す。
本発明において、摺動層は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなる層であり、摺動性樹脂成形体の最表面に設けられていて、樹脂成形体に摺動性を付与する層である。
摺動層の厚みは、好ましくは50nm以上、2μm以下であり、更に好ましくは、65nm以上、500nm以下である。
摺動層は、厚みが上記範囲であることによって樹脂成形部品に強固に接着することができ、且つ、十分な摺動性を発揮することが出来る。
上記範囲よりもよりも薄いと摺動効果が発揮され難く、上記範囲よりも厚いと摺動層自体が硬くなるため扱い難く、また摺動層形成に長時間を要する為に生産コストも増大する。
本発明における摺動層は、伸縮性に優れており、樹脂成型品部が伸縮や折り曲げによって変形された場合であっても、伸縮や折り曲げに追随して、剥離や亀裂を生じること無く変形することが可能であり、成形体の高摺動性を維持できる。
[摺動層の形成]
摺動層は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなる層である。
パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜は、例えば、下記の工程A〜Cを含む方法によって形成することができる。
工程A)前記パラキシリレン系化合物を気化室内に導入し、100〜160℃で気化する工程。
工程B)気化した前記パラキシリレン系化合物を、熱分解室内で、600〜690℃でラジカル化する工程。
工程C)5〜15μbarに減圧された蒸着室内に、ラジカル化した前記パラキシリレン系化合物を10〜400μbarで導入し、前記蒸着室内に別途導入された前記積層体前駆体の表面に、前記パラキシリレン系化合物を蒸着させると共に重合させて、前記重合体蒸着膜を形成する工程。
パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜は、先ず、パラキシリレン系化合物を気化し、次いでラジカル化して、樹脂成形部品に接触させることによって、形成される。
工程Aにおいて、気化室、蒸着室の容積に応じた適切な量のパラキシリレン系化合物が気化される。パラキシリレン系化合物の量が少な過ぎると、蒸着室内の気圧が低く、ラジカルモノマーの密度が小さくなり、蒸着膜の形成速度が遅くなるため好ましくない。
パラキシリレン系化合物の量が多過ぎると、ラジカルモノマーの密度が高くなりすぎて、樹脂成形部品表面に到達する前にポリマー化が進行し易く、形成される蒸着膜の膜質が低下し、樹脂成形部品と蒸着膜との密着性が低下するため好ましくない。
パラキシリレン系化合物を気化室内で気化する際の温度は、100〜160℃が好ましい。100℃よりも低温の場合には気化が不十分になり易い。160℃よりも高温の場合には、気化したパラキシリレン系化合物が化学的不安定になり易く、炭化し易い。
工程Bにおいて、気化したパラキシリレン系化合物を熱分解室内でラジカル化する際の温度は、600〜690℃が好ましい。600℃よりも低温の場合には、ラジカル化が不十分になり易い。690℃よりも高温の場合には、気化したパラキシリレン系化合物が炭化し易く、ラジカル化したパラキシリレン系化合物が化学的不安定になり易い。
工程Cにおいて、ラジカル化したパラキシリレン系化合物を導入する前の蒸着室内は、良質で高密着な蒸着膜を得るためには、気圧が5〜15μbarの範囲に保たれていることが好ましい。
気圧が5μbarよりも低い場合には、ラジカルモノマーの密度が小さくなることで、蒸着膜形成速度が遅くなり、生産効率が低下する。15μbarよりも高い場合には、ラジカルモノマーの密度が高くなりすぎて、樹脂成形部品表面に到達する前にポリマー化が進行し易く、形成される蒸着膜の膜質が低下し、樹脂成形部品と蒸着膜との密着性が低下するため、好ましくない。
蒸着室内に導入される際のラジカル化した前記パラキシリレン系化合物の気圧は10〜400μbarが好ましい。10μbarよりも低い場合には、ラジカルモノマーの密度が小さくなり、蒸着膜の形成速度が遅くなり、生産効率が低下する。気圧が400μbarよりも高い場合には、ラジカルモノマーの密度が高くなりすぎて、樹脂成形部品表面に到達する前にポリマー化が進行し易く、形成される蒸着膜の膜質が低下し、積層体前駆体と蒸着膜との密着性が低下するため好ましくない。
ここで、樹脂成形部品は、バッチ処理することが可能である。
樹脂成形部品は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜が表面に形成される前に、溶剤で蒸着する表面を洗浄して、重合体蒸着膜との接着性を向上させることが好ましい。
洗浄に用いる溶剤としては、樹脂成形部品を溶解、膨潤、劣化させない、汎用的なものを選ぶことができる。具体的な溶剤としては、IPA(イソプロピルアルコール)、酢酸エチル、トルエン、アセトン、MEK(メチルエチルケトン)等が挙げられ、これらの1種または2種以上含む溶剤で洗浄することができるが、これらに限定されない。
樹脂成形部品は、溶剤で洗浄後に、更にプラズマで表面処理することもできる。これによって、表面の添加剤や汚染が更に除去されたり、極性が付与されたり、適切な表面粗さが得られ、重合体蒸着膜との接着性を向上させることができる。
また更には、上記のプラズマ処理の後に、炭素−炭素2重結合含有官能基とシラノール基とを有したシラン化合物によって、樹脂成形部品の表面を処理してもよい。
樹脂成形部品は、プラズマで表面処理されることによって、表面の添加剤や汚染が除去されたり、極性が付与されたり、適切な表面粗さが得られ、重合体蒸着膜との接着性を向上させることができる。
具体的なプラズマによる表面処理としては、リアクティブイオンエッチング方式又はダイレクトプラズマ方式のプラズマ処理が挙げられる。処理条件としては、アルゴンガス又は酸素ガス雰囲気1〜100Paの気圧下、プラズマ出力10〜500W、処理時間5〜500秒間が好ましい。
気圧が1Paよりも低いと、樹脂成形部品が劣化し易く、100Paより高いと、蒸着膜との密着性向上効果が得られ難いため好ましくない。また、プラズマ出力が10W未満であると、蒸着膜との密着性向上効果が得られ難く、500Wより大きいと、樹脂成形部品が劣化し易いため好ましくない。さらに、処理時間が5秒未満であると、蒸着膜との密着性向上効果が得られ難く、500秒より長いと、樹脂成形部品が劣化し易いため好ましくない。
上記のプラズマ処理の後に、炭素−炭素2重結合含有官能基とシラノール基とを有したシラン化合物によって、樹脂成形部品の表面を処理してもよい。この処理よって、樹脂成形部品は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜との更に強固な接着性が得られる。
プラズマ処理によって樹脂成形部品の表面に生成しているOH基と、シラン化合物のOHとが脱水縮合して、樹脂成形部品とシラン化合物は結合し、更に、シラン化合物の炭素−炭素2重結合とパラキシリレン系化合物のラジカルとが反応して、シラン化合物と重合体蒸着膜は結合し、結果、重合体蒸着膜は樹脂成形部品に強固に接着する。
このようなシラン化合物の具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等の加水分解物が挙げられる。加水分解によって、メトキシ基やエトキシ基がシラノール基に変化する。
また、プラズマ処理、シラン処理、工程Cの間において、樹脂成形部品を外気に触れさせずに、装置内で連続的に処理した場合は、樹脂成形部品の再汚染を防止出来る為、樹脂成形部品は、重合体蒸着膜と更に強固な接着性を得ることができる。
<パラキシリレン系化合物>
本発明において、摺動層形成に用いられるパラキシリレン系化合物は、好ましくは、下記式(1)、(2)、(3)で示されるパラキシリレン系化合物である。これらのパラキシリレン系化合物は、1種又は2種以上の混合物を用いることができる。
これらパラキシリレン系化合物の市販品としては、非置換パラキシリレンダイマー(SCS(株)製、パリレンN)、モノクロロパラキシリレンダイマー(SCS(株)製、パリレンC)、ジクロロパラキシリレンダイマー(SCS(株)製、パリレンD)、テトラフルオロパラキシリレンダイマー(SCS(株)製、パリレンFVT4)、α,α,α’,α’−テトラフルオロパラキシリレンダイマー(SCS(株)製、パリレンAF4)等が挙げられる。
これらパラキシリレン系化合物は、重合して、パリレンと呼ばれるパラキシリレン系ポ
リマーを生成する。
Figure 2019059896
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子であり、Xはハロゲン原子であり、nは平均値が0〜4の数である。)
Figure 2019059896
Figure 2019059896
<摺動性樹脂成形体の用途>
本発明の摺動性樹脂成形体の用途としては、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーを用いた成形体が用いられている用途が挙げられ、特に、折り畳み収納可能な、携行用の機器や器材や器財が適している。
具体的には、パソコンやタブレット向けの、文字入力用キーボード、マウスパット等が挙げられる。
実施例で用いられた各原材料は下記の通りである。
パラキシリレン系化合物1:SCS(株)社製パリレンC。モノクロロパラキシリレンダイマー。粉末状。
パラキシリレン系化合物2:SCS(株)社製パリレンN。非置換パラキシリレンダイマー。粉末状。
ブチル系エラストマー1、シリコーン系エラストマー1、ポリエチレン系樹脂1を準備し、それぞれを用いて、腕時計用バンドと、シート(100mm×100mm×300μm)を成型した。
[実施例1]
シリコーン系エラストマー1の腕時計用バンドとシートの表面をIPAで洗浄し、表面の汚れ等を除去した。
洗浄したシートを用いて静止摩擦係数と動摩擦係数を測定し、得られた腕時計用バンドを用いて手触り感を評価した。
次いで、洗浄済みの腕時計用バンドとシートを、真空状態の蒸着室(高さ:260mm、φ:250mm、蒸着室内の圧力50μbar)内に置いて固定した。
2gのパラキシリレン系化合物1を気化室に導入し、160℃にて加熱し、気化させ、次いで、気化したパラキシリレン系化合物1を熱分解室に導入し、660℃で加熱し、ラジカル化させた。
さらに、上記ラジカルを、40μbarで蒸着室内に導入して、蒸着室内の腕時計用バンドとシートに衝突させ、重合し、堆積させて、厚さ1μmの重合体蒸着膜からなる摺動層を形成し、最表面に摺動層を有する腕時計用バンドと蒸着シートを得た。
蒸着後のシートを用いて静止摩擦係数と動摩擦係数を測定し、蒸着後の腕時計用バンドを用いて手触り感を評価した。更に、腕時計用バンドを100回折り曲げて水洗い後に蒸着膜の異常有無を評価した。
[実施例2、3]
表1の記載に従って、各原材料を用いてシートと腕時計用バンドを作製し、実施例1と同様に操作して、最表面に摺動層を形成して、同様に評価した。各種条件と評価結果を表1に記載した。
[比較例1、2]
表1の記載に従って、各原材料を用いてシートと腕時計用バンドを作製し、摺動層を形成せずに、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に記載した。
<評価>
[摺動層の厚み]
浜松ホトニクス社製の膜厚測定器Optical NanoGauge膜厚計C10178−02を用いて、得られた樹脂成形体の表面の摺動層の厚みを測定した。
[摺動性]
JIS K 7125に準拠して、樹脂成形体の鏡面ステンレスに対する静止摩擦係数と動摩擦係数を測定した。
図3、4のように、滑り片のSUS製摩擦係数測定冶具(11)を、試験片シート(12)の摺動層の無い面上に乗せて、試験片シート(12)の端を上に折って前記治具(11)の上部で両面テープによりシートを固定した。そして、試験片シート(12)を貼り付けた前記治具(11)を、試験台(21)に固定された鏡面ステンレス板(23)上に置き、更に前記治具(11)の上に錘(13)を置いた。
そして、図5に記載のように、試験片シート(12)を貼り付けた前記治具(11)を、摩擦測定機(20)の可動及びフォースゲージ部(22)を用いて一定速度で引っ張り、荷重の変化を記録し、静止摩擦係数と動摩擦係数を算出した。測定は個々に5回行い、その平均値を求めた。静止摩擦係数と動摩擦係数がともに0.20未満の場合を合格とした。詳細条件は下記の通り。
摩擦測定機:株式会社東洋精機製作所製摩擦測定機TR−2
錘重量:1000gf
引張りスピード:50mm/分
[手触り感]
腕時計用バンドを腕に装着して、手触り感の官能試験を行った。べたつき感が無く、滑り性があれば良好とした。表中には下記基準で記入した。
良好:○
通常:△
悪い:×
Figure 2019059896
[評価結果まとめ]
実施例1〜3のシートは、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなる摺動層が5
0nm〜2μmの範囲内であることによって、静止摩擦係数と動摩擦係数が大きく低下して、高い摺動性を示し、腕時計型バンドは手触り感が大きく向上し、折り曲げ・水洗い後も摺動層に異常は見られなかった。
しかし、摺動層が50nm未満の比較例1は不十分な静止摩擦係数と動摩擦係数と手触り感を示し、摺動層が2μmより厚い比較例2は、折り曲げ・水洗い時にバンドの柔軟性の低下(硬化)を感じ、折り曲げ・水洗い後に摺動層が白化してしまった。
1.摺動性樹脂成形体
2.樹脂成形部品
3.摺動層
11.滑り片のSUS製摩擦係数測定冶具
12.試験片シート
13.錘
20.摩擦測定機
21.試験台
22.可動及びフォースゲージ部
23.鏡面ステンレス板

Claims (7)

  1. 樹脂成形部品と摺動層とを有する、摺動性樹脂成形体であって、
    該樹脂成形部品は、ブチル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、ポリエチレン系樹脂、スチレン系エラストマー、ニトリル系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマーからなる群から選択される1種または2種以上を含有し、
    該摺動層は、パラキシリレン系化合物の重合体蒸着膜からなって、該摺動性樹脂成形体の最表面であり、
    該摺動層の厚みは、50nm以上、2μm以下である、
    摺動性樹脂成形体。
  2. 前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、請求項1に記載の摺動性樹脂成形体。
    Figure 2019059896
    (式中、Rは水素原子またはフッ素原子であり、Xはハロゲン原子であり、nは平均値が0〜4の数である。)
  3. 前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、請求項1に記載の摺動性樹脂成形体。
    Figure 2019059896
  4. 前記パラキシリレン系化合物が下記式で表される化合物を含む、請求項1に記載の摺動性樹脂成形体。
    Figure 2019059896
  5. 前記重合体蒸着膜が、下記の工程A〜Cを含む方法によって作製されたものである、請求項1〜4の何れか1項に記載の摺動性樹脂成形体。
    工程A)前記パラキシリレン系化合物を気化室内に導入し、100〜160℃で気化する工程、
    工程B)気化した前記パラキシリレン系化合物を、熱分解室内で、600〜690℃でラジカル化する工程、
    工程C)5〜15μbarに減圧された蒸着室内に、ラジカル化した前記パラキシリレン系化合物を10〜400μbarで導入し、前記蒸着室内に別途導入された積層体前駆体の表面に、前記パラキシリレン系化合物を蒸着させると共に重合させて、前記重合体蒸着膜を形成する工程。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の摺動性樹脂成形体から作製された、文字入力用キーボード。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載の摺動性樹脂成形体から作製された、マウスパッド。
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