JP2019059186A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高速記録した場合であっても、ムラの発生が抑制され、均一性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】反応液及び水性インクを用いて画像を記録するインクジェット記録方法である。第1記録媒体101に反応液を付与した後、水性インクを付与してインク像を形成する像形成工程を有し、反応液が第1樹脂粒子を含有するとともに、水性インクが第2樹脂粒子を含有し、かつ、反応液及び前記水性インクの少なくとも一方が第3樹脂粒子を含有し、第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方であり、第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基の占める割合が3.0質量%以上20.0質量%以下であるとともに、表面電荷量が2.0μmol/m2以下の樹脂粒子である。【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インク及びインクと反応する反応剤を含有する反応液を用いて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法が検討されている。例えば、顔料及びメタクリル酸誘導体由来の構成単位を含む樹脂粒子を含有するインクと、有機酸を含有する反応液とを用いるインクジェット記録方法が提案されている(特許文献1)。
本発明者らは、特許文献1で提案されたインクジェット記録方法について検討した。その結果、記録される画像のベタ部には色ムラが発生しやすく、画像の均一性が低下しやすいことが判明した。このような画像の均一性の低下は、画像を高速記録する場合に生じやすい。
したがって、本発明の目的は、高速記録した場合であっても、ムラの発生が抑制され、均一性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することにある。
すなわち、本発明によれば、反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録するインクジェット記録方法であって、第1記録媒体に前記反応液を付与した後、前記第1記録媒体の前記反応液が付与された領域の少なくとも一部に前記水性インクを付与してインク像を形成する像形成工程を有し、前記反応液が第1樹脂粒子を含有するとともに、前記水性インクが第2樹脂粒子を含有し、かつ、前記反応液及び前記水性インクの少なくとも一方が第3樹脂粒子を含有し、前記第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が前記第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方であり、前記第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基の占める割合が3.0質量%以上20.0質量%以下であるとともに、表面電荷量が2.0μmol/m2以下である、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子(ただし、前記第2樹脂粒子を除く)であることを特徴とするインクジェット記録方法が提供される。
本発明によれば、高速記録した場合であっても、ムラの発生が抑制され、均一性に優れた画像を記録することが可能なインクジェット記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、このインクジェット記録方法に用いるインクジェット記録装置を提供することができる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)、常圧(1気圧)における値である。「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」と記載した場合は、それぞれ「アクリル酸、メタクリル酸」、「アクリレート、メタクリレート」を意味する。
本発明者らは、インクと反応液を利用する従来のインクジェット記録方法によって高速記録した画像の画質が低下する理由について検討した。従来のインクジェット記録方法では、滲みやブリーディングを効果的に抑制すべく、相互の反応性を高めるように設計されたインク(クリアインクを含む)と反応液が用いられている。例えば、色材及びアニオン性基を有する樹脂粒子を含有するインクと、反応液とが接触した際に、記録媒体上で色材や樹脂粒子が速やかに凝集するように、インク及び反応液の組成が調整されている。画像を高速記録する場合、インクの付与タイミングと、反応液の付与タイミングとが非常に近くなるため、インクと反応液がいずれも流動性を保った状態で接触する場合がある。ここで、インクと反応液との反応性が高すぎると、色材やアニオン性基を有する樹脂粒子が過密な状態で凝集する。このため、インクと反応液が接触して混合した液体中で、色材が疎な領域と密な領域の分布が生じてしまい、画像のベタ部に色ムラが発生することがわかった。
本発明者らは、記録される画像のベタ部における色ムラの発生を抑制する方法について検討した結果、本発明の構成を見出した。具体的には、(i)インク;及び(ii)カチオン性基を有する樹脂粒子又はカルボン酸基を有する樹脂粒子のいずれか一方を含有する反応液;の少なくともいずれかに、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子を含有させる。このような構成を採用することで、高速記録した場合であっても高画質な画像を記録することが可能となる理由について、本発明者らは以下のように推測している。
アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基を構成する酸素原子は、カチオン性基を有する樹脂粒子中の水素原子(例えば、アミノ基の水素原子)や、カルボン酸基を有する樹脂粒子中の水素原子と水素結合を形成しうる。また、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基を構成する酸素原子は電気陰性度が高いため、カチオン性基を有する樹脂粒子と静電的に相互作用する。このため、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子と、カチオン性基を有する樹脂粒子又はカルボン酸基を有する樹脂粒子が接触すると、2種類の樹脂粒子が水素結合又は静電的に結合した状態で相互作用する。ただし、水素結合や静電的な相互作用による樹脂粒子の凝集力は、インクと反応液との反応によって生ずる凝集力よりも弱い。このため、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子によって過度な凝集が緩和され、色ムラの発生が抑制されると考えられる。
第1樹脂粒子として用いるカチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の最低造膜温度は、第1記録媒体の温度よりも高いことを要する。第1記録媒体の温度とは、インクと反応液が第1記録媒体の表面で混合する際の温度を意味する。反応液中の第1樹脂粒子の最低造膜温度が第1記録媒体の温度以下であると、反応液が第1記録媒体に付与された時点から第1樹脂粒子の溶融が始まり、インクと接触する前に第1樹脂粒子が溶融してしまう。すると、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子との水素結合や静電的な結合などの相互作用が生じない場合がある。このため、樹脂粒子の凝集が阻害されてしまい、色ムラの抑制効果が不十分になる。
<インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」とも記す)は、反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録する方法である。本発明の記録方法は、第1記録媒体に反応液を付与した後、第1記録媒体の反応液が付与された領域の少なくとも一部に水性インクを付与してインク像を形成する像形成工程を有する。本発明の記録方法は、以下の(1)及び(2)のいずれの方法であっても高画質な画像を記録することができる。
(1)反応液及びインクを第1記録媒体に付与して形成したインク像を第2記録媒体に転写して画像を記録する方法
(2)反応液及びインクを記録媒体に直接付与して画像を記録する方法
本発明のインクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」とも記す)は、反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録する方法である。本発明の記録方法は、第1記録媒体に反応液を付与した後、第1記録媒体の反応液が付与された領域の少なくとも一部に水性インクを付与してインク像を形成する像形成工程を有する。本発明の記録方法は、以下の(1)及び(2)のいずれの方法であっても高画質な画像を記録することができる。
(1)反応液及びインクを第1記録媒体に付与して形成したインク像を第2記録媒体に転写して画像を記録する方法
(2)反応液及びインクを記録媒体に直接付与して画像を記録する方法
(1)の方法の場合、第1記録媒体が転写体である。(1)の方法は、転写体に形成したインク像(中間画像)から液体成分を吸収する液吸収工程と、転写体に形成したインク像(中間画像)を第2記録媒体に転写する転写工程と、をこの順に有することが好ましい。
また、本発明のインクジェット記録装置(以下、単に「記録装置」とも記す)は、反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録するために用いる装置である。本発明の記録装置は、第1記録媒体に反応液を付与する反応液付与手段と、第1記録媒体の反応液が付与された領域の少なくとも一部に水性インクを付与してインク像を形成するインク付与手段と、を備える。本発明の記録装置は、さらに、形成したインク像を第2記録媒体に接触させて転写する転写手段を備えていてもよい。すなわち、本発明の記録装置は、いわゆる直接記録型のインクジェット記録装置であってもよく、転写型のインクジェット記録装置であってもよい。本発明の記録装置は、さらに、必要に応じて、転写体に形成した中間画像から液体成分を吸収する液吸収手段、及び転写後の転写体を洗浄する洗浄手段、などを備えてもよい。
以下、(1)及び(2)の方法で使用可能なインクジェット記録装置の構成をそれぞれ説明する。便宜上、(1)の方法で使用可能なインクジェット記録装置を「転写型インクジェット記録装置」とし;(2)の方法で使用可能なインクジェット記録装置を「直接記録型インクジェット記録装置」とする。
<転写型インクジェット記録装置>
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を示す模式図である。転写型インクジェット記録装置を使用して画像を記録する際に用いる第1記録媒体は、転写体である。また、転写型インクジェット記録装置を使用して第1記録媒体である転写体に形成されるインク像は、中間画像である。図1に示す転写型インクジェット記録装置100は、転写体101を介して記録媒体108に中間画像を転写して記録物を製造する、枚葉式のインクジェット記録装置である。X方向、Y方向、及びZ方向が、それぞれ、転写型インクジェット記録装置100の幅方向(全長方向)、奥行き方向、及び高さ方向を示す。記録媒体は、X方向に搬送される。
図1は、本発明のインクジェット記録装置の一実施形態を示す模式図である。転写型インクジェット記録装置を使用して画像を記録する際に用いる第1記録媒体は、転写体である。また、転写型インクジェット記録装置を使用して第1記録媒体である転写体に形成されるインク像は、中間画像である。図1に示す転写型インクジェット記録装置100は、転写体101を介して記録媒体108に中間画像を転写して記録物を製造する、枚葉式のインクジェット記録装置である。X方向、Y方向、及びZ方向が、それぞれ、転写型インクジェット記録装置100の幅方向(全長方向)、奥行き方向、及び高さ方向を示す。記録媒体は、X方向に搬送される。
転写型インクジェット記録装置100は、転写体101、反応液付与装置103、インク付与装置104、液吸収装置105、及び押圧部材106を有する。転写体101は、支持部材102によって支持されている。反応液付与装置103は、インクと反応する反応剤を含有する反応液を転写体101に付与する装置である。インク付与装置104は、反応液が付与された転写体101にインクを付与してインク像(中間画像)を形成する記録ヘッドを備える。液吸収装置105は、中間画像から液体成分を吸収する装置である。押圧部材106は、液体成分を除去した中間画像を紙などのシート状の記録媒体108に転写するための部材である。さらに、転写型インクジェット記録装置100は、転写後の転写体101の表面をクリーニングする転写体クリーニング部材109を有する。転写体101、反応液付与装置103、インク付与装置104の記録ヘッド、液吸収装置105、及び転写体クリーニング部材109は、それぞれ、Y方向において用いられる記録媒体108に対応するだけの長さを有する。
転写体101は、支持部材102の回転軸102aを中心として矢印Aの方向に回転する。回転する転写体101に反応液付与装置103から反応液が付与された後、インク付与装置104からインクが付与されることで、転写体101に中間画像が形成される。転写体101に形成された中間画像は、転写体101の回転により、液吸収装置105の液吸収部材105aと接触する位置まで移動する。
液吸収装置105を構成する液吸収部材105aは、転写体101の回転に同期して矢印Bの方向に移動(回転)する。転写体101に形成された中間画像は、移動する液吸収部材105aと接触する。その間に、液吸収部材105aは中間画像から液体成分を吸収して除去する。中間画像の液体成分を効率よく吸収する観点から、液吸収部材105aは、所定の押圧力をもって転写体101に押圧されることが好ましい。中間画像は、インク及び反応液で形成されている。このため、中間画像の液体成分を吸収することは、インク及び反応液中の液体成分を吸収することを意味する。中間画像から液体成分を吸収することは、インクなどを濃縮することであるとも言える。インクなどの濃縮により、色材や樹脂などの固形分の液体成分に対する比率が上昇する。
液体成分が除去され、インクが濃縮された状態となった中間画像は、転写体101の回転により、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108と接触する転写部111へと移動する。中間画像と記録媒体108は、転写体101と押圧部材106とに挟まれた状態で、押圧部材106側から押圧されて接触する。ローラ状の転写体101と円柱状の押圧部材106とを用いる場合、中間画像と記録媒体108はY方向に沿って線状に接触する。弾性材料で構成された転写体101を用いると、押圧により転写体101が凹むため、中間画像と記録媒体108が面で接触する。このため、中間画像と記録媒体108が接触する線又は面を「領域」とし、この領域を含む部分を転写部111とする。中間画像が記録媒体108と接触している間に、押圧部材106が転写体101を押圧することによって記録媒体108に中間画像が転写され、所望とする画像が記録媒体108に記録される。転写後の画像は、転写前の中間画像の反転画像である。
ローラ状の反応液付与部材103cを用いて転写体に反応液を付与すると、転写体の全体にわたって反応液が付与される。反応液が付与された転写体にインクを付与して中間画像を形成するため、転写体におけるインクが付与されていない領域には、インクと反応していない反応液が残っている。液吸収部材105aは中間画像からだけでなく、未反応の反応液の液体成分も併せて除去することが可能である。インクや反応液に含まれる液体成分は一定の形を持たずに流動性を有するとともに、ほぼ一定の体積で存在する。インクや反応液に含まれる液体成分は、具体的には水性媒体などである。
以下、転写型インクジェット記録装置の主要な部分について説明する。具体的には、[1]転写体、[2]支持部材、[3]反応液付与装置、[4]インク付与装置、[5]液吸収装置、[6]押圧部材、[7]記録媒体、[8]記録媒体搬送装置、及び[9]洗浄装置について説明する。
[1]転写体
転写体101は、中間画像が形成される面を含む表面層を有する。表面層を構成する材料は、例えば、シロキシフルオロカーボンを含む。シロキシフルオロカーボンを含む材料で構成された表面層は疎水性及び疎油性に優れる。このため、シロキシフルオロカーボンを含む材料で構成された表面層を有する転写体を用いると、中間画像の転写性を向上させることができる。シロキシフルオロカーボンとしては、シロキサン構造(Si−O)、及びフルオロカーボン(フッ素原子が置換した炭素原子)を持つものであれば特に限定されない。シロキシフルオロカーボンを含む材料としては、具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素系樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を含む材料を縮合して得られる縮合物などを挙げることができる。反応液の濡れ性や中間画像の転写性などを向上させるために、表面処理を施してもよい。
転写体101は、中間画像が形成される面を含む表面層を有する。表面層を構成する材料は、例えば、シロキシフルオロカーボンを含む。シロキシフルオロカーボンを含む材料で構成された表面層は疎水性及び疎油性に優れる。このため、シロキシフルオロカーボンを含む材料で構成された表面層を有する転写体を用いると、中間画像の転写性を向上させることができる。シロキシフルオロカーボンとしては、シロキサン構造(Si−O)、及びフルオロカーボン(フッ素原子が置換した炭素原子)を持つものであれば特に限定されない。シロキシフルオロカーボンを含む材料としては、具体的には、アクリル樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素系樹脂、加水分解性有機ケイ素化合物を含む材料を縮合して得られる縮合物などを挙げることができる。反応液の濡れ性や中間画像の転写性などを向上させるために、表面処理を施してもよい。
転写体は、表面層と支持部材との間に、圧力変動を吸収する機能を有する圧縮層を有することが好ましい。圧縮層は、局所的な圧力変動を分散し、表面層の変形を吸収する。このため、圧縮層を設けることで、高速記録する場合であっても良好な転写性を維持することができる。圧縮層を構成する材料としては、ゴム材料などの弾性材料を挙げることができる。なかでも、加硫剤及び加硫促進剤とともに、発泡剤、中空微粒子、及び塩などの充填剤を原料ゴムに配合して成形した多孔質構造を有するゴム材料が好ましい。このような弾性材料は、圧力が変動すると空隙部分が体積変化を伴って圧縮されるため、圧縮方向以外への変形が小さい。このため、転写性及び耐久性を向上させることができる。多孔質構造としては、空隙が相互に連結した連続空隙構造や、空隙が各々独立した独立空隙構造などを挙げることができる。
転写体は、表面層と圧縮層との間に、さらに弾性層を有することが好ましい。弾性層を構成する材料としては、樹脂材料、セラミック材料などを挙げることができる。なかでも、加工しやすいとともに、温度による弾性率の変化が小さく、転写性に優れるため、ゴム材料などの弾性材料が好ましい。
転写体を構成する各層(表面層、弾性層、圧縮層)は、接着剤や両面テープを用いて相互に接着することができる。装置に装着する際の横伸びを抑制してコシを保つために、圧縮弾性率の高い補強層を設けてもよい。補強層としては、織布などを用いることができる。転写体を構成する層のうち、表面層以外の層については、弾性層や圧縮層を任意に組み合わせることができる。転写体の大きさは、記録速度や画像のサイズに合わせて自由に選択することができる。転写体の形状としては、例えば、シート状、ローラ状、ベルト状、無端ウェブ状などを挙げることができる。
[2]支持部材
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体は、例えば、接着剤や両面テープなどを用いて支持体上に配設することができる。金属、セラミック、樹脂などの材料で構成される設置用部材を用いて転写体101を支持部材102に配設してもよい。支持部材102は、搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の構造強度を有することが要求される。支持部材の材質としては、金属、セラミック、樹脂などを挙げることができる。なかでも、アルミニウムなどの金属材料を用いることが好ましい。金属材料を用いることで、転写時の応力に耐えうる剛性及び寸法精度の他、動作時の慣性を軽減して制御の応答性を向上させることができる。
転写体101は、支持部材102上に支持されている。転写体は、例えば、接着剤や両面テープなどを用いて支持体上に配設することができる。金属、セラミック、樹脂などの材料で構成される設置用部材を用いて転写体101を支持部材102に配設してもよい。支持部材102は、搬送精度や耐久性の観点から、ある程度の構造強度を有することが要求される。支持部材の材質としては、金属、セラミック、樹脂などを挙げることができる。なかでも、アルミニウムなどの金属材料を用いることが好ましい。金属材料を用いることで、転写時の応力に耐えうる剛性及び寸法精度の他、動作時の慣性を軽減して制御の応答性を向上させることができる。
[3]反応液付与装置
本発明の記録方法は、中間画像形成工程の前に、反応液を転写体に付与する反応液付与工程を有する。反応液は、インクと接触することでインクと反応し、インク中の樹脂や自己分散顔料などのアニオン性基を有する成分を凝集させる反応剤を含有する。インクの付与後、インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように反応液をさらに付与してもよい。
本発明の記録方法は、中間画像形成工程の前に、反応液を転写体に付与する反応液付与工程を有する。反応液は、インクと接触することでインクと反応し、インク中の樹脂や自己分散顔料などのアニオン性基を有する成分を凝集させる反応剤を含有する。インクの付与後、インクを付与した領域と少なくとも一部が重なるように反応液をさらに付与してもよい。
図1に示す転写型インクジェット記録装置100は、転写体101に反応液を付与する反応液付与手段である反応液付与装置103を有する。この反応液付与装置103は、反応液を収容する反応液収容部103aと、反応液収容部103a中の反応液を転写体101に付与する反応液付与部材103b、103cを有するグラビアオフセットローラである。反応液付与装置としては、グラビアオフセットローラ、インクジェット方式の記録ヘッドなどを挙げることができる。なかでも、ローラを使用して転写体に反応液を付与することが好ましい。
転写体への反応液の付与量は、0.3g/m2以上10.0g/m2以下であることが好ましく、0.6g/m2以上5.0g/m2以下であることがさらに好ましい。転写体の一部分のみに反応液を付与する場合であっても、転写体の全面に付与したと仮定して反応液の付与量の値(g/m2)を求め、求めた付与量の値が上記の範囲内であることが好ましい。
[4]インク付与装置
図1に示す転写型インクジェット記録装置100は、転写体101にインクを付与するインク付与手段であるインク付与装置104を有する。インク付与装置としてインクジェット方式の記録ヘッドを用い、インクを吐出して付与することが好ましい。記録ヘッドとしては、例えば、電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態;電気−機械変換体によってインクを吐出する形態;静電気を利用してインクを吐出する形態などを挙げることができる。なかでも、電気−熱変換体を利用する形態の記録ヘッドが、より高速で高密度の画像を記録することができるために好ましい。
図1に示す転写型インクジェット記録装置100は、転写体101にインクを付与するインク付与手段であるインク付与装置104を有する。インク付与装置としてインクジェット方式の記録ヘッドを用い、インクを吐出して付与することが好ましい。記録ヘッドとしては、例えば、電気−熱変換体によりインクに膜沸騰を生じさせ気泡を形成することでインクを吐出する形態;電気−機械変換体によってインクを吐出する形態;静電気を利用してインクを吐出する形態などを挙げることができる。なかでも、電気−熱変換体を利用する形態の記録ヘッドが、より高速で高密度の画像を記録することができるために好ましい。
記録ヘッドは、Y方向に延設されたフルラインヘッドであり、使用可能な最大サイズの記録媒体の画像記録領域の幅分をカバーする範囲に吐出口が配列されている。記録ヘッドは、その下面(転写体101側)に吐出口が開口した吐出口面を有する。吐出口面は、微小な隙間(数ミリ程度)を空けて転写体101の表面と対向している。インク付与装置104は、シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック(CMYK)などの各色のインクを転写体101に付与するために、複数の記録ヘッドを有してもよい。例えば、CMYKの4種のインクを用いて中間画像を形成する場合、インク付与装置は、CMYKの4種のインクをそれぞれ吐出する4つの記録ヘッドを有する。これらの記録ヘッドは、X方向に沿って配置される。
[5]液吸収装置
液吸収装置105は、液吸収部材105aと、液吸収部材105aを転写体101の中間画像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bとを有する。円柱状の押圧部材105bと、ベルト状の液吸収部材105aで構成する場合、押圧部材105bで液吸収部材105aを転写体101に押し当てることで、中間画像から液体成分を吸収することができる。また、その外周表面に液吸収部材を貼りつけた円柱状の押圧部材を転写体に押し当てることでも、中間画像から液体成分を吸収することができる。記録装置内でのスペースなどを考慮すると、液吸収部材105aの形状はベルト状であることが好ましい。ベルト状の液吸収部材105aを有する液吸収装置105は、液吸収部材105aを張架する、張架ローラ105cなどの張架部材を有していてもよい。
液吸収装置105は、液吸収部材105aと、液吸収部材105aを転写体101の中間画像に押し当てる液吸収用の押圧部材105bとを有する。円柱状の押圧部材105bと、ベルト状の液吸収部材105aで構成する場合、押圧部材105bで液吸収部材105aを転写体101に押し当てることで、中間画像から液体成分を吸収することができる。また、その外周表面に液吸収部材を貼りつけた円柱状の押圧部材を転写体に押し当てることでも、中間画像から液体成分を吸収することができる。記録装置内でのスペースなどを考慮すると、液吸収部材105aの形状はベルト状であることが好ましい。ベルト状の液吸収部材105aを有する液吸収装置105は、液吸収部材105aを張架する、張架ローラ105cなどの張架部材を有していてもよい。
押圧部材105bを用いて多孔質層を含む液吸収部材105aを中間画像に接触させることで、中間画像に含まれる液体成分を液吸収部材105aに吸収させることができる。中間画像に含まれる液体成分を吸収する方法として、液吸収部材を接触させる方法に加えて、加熱する方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法などを組み合わせてもよい。また、液体成分を吸収させる前後の中間画像にこれらの方法を適用してもよい。
液吸収部材105aは、転写体101の回転と連動して回転する。このため、液吸収部材105aの形状は、繰り返し液吸収できる形状であることが好ましく、具体的には無端ベルト状やドラム状などの形状を挙げることができる。多孔質層を含む液吸収部材105aに吸収された液体成分は、多孔質層の裏面から吸収する方法や、多孔質部材を扱く部材を利用する方法などにより、液吸収部材105aから除去することができる。液体成分を除去した後、液吸収部材105aを回転させて新たな中間画像に接触させることで、中間画像に含まれる液体成分を効率よく吸収することができる。
[6]押圧部材
本発明の記録装置は、中間画像を記録媒体に接触させて転写する転写手段を備える。具体的には、図1に示すように、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108に、転写体101上の液除去後の中間画像を押圧部材106により転写部111において接触させて転写する。液体成分を除去後の中間画像を記録媒体108に転写することで、記録媒体108のカールやコックリングなどを抑制することができる。
本発明の記録装置は、中間画像を記録媒体に接触させて転写する転写手段を備える。具体的には、図1に示すように、記録媒体搬送装置107によって搬送される記録媒体108に、転写体101上の液除去後の中間画像を押圧部材106により転写部111において接触させて転写する。液体成分を除去後の中間画像を記録媒体108に転写することで、記録媒体108のカールやコックリングなどを抑制することができる。
押圧部材106は、記録媒体108の搬送精度や耐久性の観点から、適度な構造強度を有することが好ましい。押圧部材106の材質としては、金属、セラミック、樹脂などを挙げることができる。なかでも、転写の際の応力に耐えうる剛性や寸法精度を有するだけでなく、動作時の慣性を軽減して制御の応答性を向上させる観点から、アルミニウムなどの金属が好ましい。
中間画像を記録媒体108に転写する際に、押圧部材106が転写体101を押圧する時間(押圧時間)は、5ミリ秒以上100ミリ秒以下とすることが好ましい。上記の押圧時間とすることで、良好に転写できるとともに、転写体101の損傷を抑制することができる。押圧時間は、記録媒体108と転写体101が接触している時間である。押圧時間は、圧力分布測定システムを使用して面圧を測定し、加圧領域の搬送方向長さを搬送速度で割ることで算出することができる。具体的には、面圧分布測定システム(商品名「I−SCAN」、ニッタ製)などを使用することができる。
中間画像を記録媒体108に転写する際に、押圧部材106が転写体101を押圧する圧力(押圧力)は、9.8N/cm2(1kg/cm2)以上294.2N/cm2(30kg/cm2)以下とすることが好ましい。上記の押圧力とすることで、良好に転写できるとともに、転写体101の損傷を抑制することができる。押圧力は、記録媒体108と転写体101のニップ圧である。押圧力は、圧力分布測定システムを用いて面圧を測定し、加圧領域における加重を面積で割ることで算出することができる。具体的には、面圧分布測定システム(商品名「I−SCAN」、ニッタ製)などを使用することができる。
第1樹脂粒子の最低造膜温度は、第1記録媒体である転写体101の温度よりも高いことを要する。なかでも、第1記録媒体である転写体101の温度は、25℃以上200℃以下であることが好ましい。第1樹脂粒子の特性にもよるが、温度を制御するために、記録装置は、転写体101のインク像、転写体101、及び記録媒体108を加熱する加熱手段を備えることが好ましい。押圧部材106の形状としては、例えば、ローラ状などの形状を挙げることができる。
[7]記録媒体
記録媒体108としては、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物;所定の寸法に裁断された枚葉のものなどを挙げることができる。記録媒体の構成材料としては、コート紙や普通紙などの紙;プラスチックや金属などのフィルム;木板;段ボールなどを挙げることができる。
記録媒体108としては、公知の記録媒体をいずれも用いることができる。記録媒体としては、ロール状に巻回された長尺物;所定の寸法に裁断された枚葉のものなどを挙げることができる。記録媒体の構成材料としては、コート紙や普通紙などの紙;プラスチックや金属などのフィルム;木板;段ボールなどを挙げることができる。
[8]記録媒体搬送装置
記録媒体108を搬送する記録媒体搬送装置107は、記録媒体108を矢印Cの方向に搬送する。記録媒体搬送装置107は、記録媒体繰り出しローラ107a及び記録媒体巻き取りローラ107bによって構成されている。記録媒体108の搬送速度は、各工程において要する速度を考慮して決定することが好ましい。
記録媒体108を搬送する記録媒体搬送装置107は、記録媒体108を矢印Cの方向に搬送する。記録媒体搬送装置107は、記録媒体繰り出しローラ107a及び記録媒体巻き取りローラ107bによって構成されている。記録媒体108の搬送速度は、各工程において要する速度を考慮して決定することが好ましい。
[9]洗浄装置
本発明の記録装置は、図1に示すように、転写体101に水性の洗浄液を付与して洗浄する洗浄手段である洗浄装置をさらに備えることが好ましい。洗浄装置は、例えば、転写体101に洗浄液を付与して洗浄する転写体クリーニング部材109を備える。転写体クリーニング部材109により転写体101をクリーニングすることで、画像品位の低下を抑制することができる。クリーニング部材109としては、ローラ、ウェブなどの形状を有するものを用いることができる。洗浄装置には、転写体クリーニング部材109に洗浄液を供給する洗浄液供給ユニットを設けることができる。
本発明の記録装置は、図1に示すように、転写体101に水性の洗浄液を付与して洗浄する洗浄手段である洗浄装置をさらに備えることが好ましい。洗浄装置は、例えば、転写体101に洗浄液を付与して洗浄する転写体クリーニング部材109を備える。転写体クリーニング部材109により転写体101をクリーニングすることで、画像品位の低下を抑制することができる。クリーニング部材109としては、ローラ、ウェブなどの形状を有するものを用いることができる。洗浄装置には、転写体クリーニング部材109に洗浄液を供給する洗浄液供給ユニットを設けることができる。
さらに、洗浄装置は、クリーニング後の転写体101に残った洗浄液や残留物を除去する洗浄液除去部材110を備えることが好ましい。洗浄液除去部材110によって転写体101に残った洗浄液などを除去することで、画像品位の低下をより有効に抑制することができる。転写体101に残った洗浄液を除去する方法としては、ブレード除去、ブラシ除去、吸収体による液吸収などを挙げることができる。なかでも、吸収体による液吸収によって転写体101に残った洗浄液を除去することが好ましい。洗浄液吸収部材110としては、液吸収部材として用いられる多孔質体などを用いることができる。
<直接記録型インクジェット記録装置>
図2は、本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態を示す模式図である。直接記録型インクジェット記録装置を使用して画像を記録する際に用いる第1記録媒体は、転写体ではない一般的な記録媒体である。すなわち、転写型インクジェット記録装置を使用して記録媒体に形成されるインク像は、目的とする画像である。図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200は、図1に示す転写体101、支持部材102、押圧部材106、及びクリーニング部材109を有しない。記録媒体208に画像を直接記録すること以外は、図1に示す転写型インクジェット記録装置100と同様の構成を有する。このため、反応液付与装置203、インク付与装置204、及び液吸収部材205aによりインク像(画像)に含まれる液体成分を吸収する液吸収装置205は、図1に示す転写型インクジェット記録装置100のものと同様の構成を有する。したがって、これらの装置については説明を省略する。図2中、符号203aは反応液収容部であり、符号203b、203cは反応液付与部材である。
図2は、本発明のインクジェット記録装置の他の実施形態を示す模式図である。直接記録型インクジェット記録装置を使用して画像を記録する際に用いる第1記録媒体は、転写体ではない一般的な記録媒体である。すなわち、転写型インクジェット記録装置を使用して記録媒体に形成されるインク像は、目的とする画像である。図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200は、図1に示す転写体101、支持部材102、押圧部材106、及びクリーニング部材109を有しない。記録媒体208に画像を直接記録すること以外は、図1に示す転写型インクジェット記録装置100と同様の構成を有する。このため、反応液付与装置203、インク付与装置204、及び液吸収部材205aによりインク像(画像)に含まれる液体成分を吸収する液吸収装置205は、図1に示す転写型インクジェット記録装置100のものと同様の構成を有する。したがって、これらの装置については説明を省略する。図2中、符号203aは反応液収容部であり、符号203b、203cは反応液付与部材である。
液吸収装置205は、液吸収部材205aと、液吸収部材205aを記録媒体208のインク像(画像)に押し当てる押圧部材205bとを有する。液吸収部材205a及び押圧部材205bの形状については特に制限がなく、転写型インクジェット記録装置100で使用可能な液吸収部材及び押圧部材と同様の形状のものを用いることができる。図2中、符号205c、205d、205e、205f、205gは、張架部材としての張架ローラである。インク付与装置204によって記録媒体208にインクを付与するインク付与部には、記録媒体を下方から支持する支持部材(不図示)が設けられていてもよい。また、液吸収部材205aを記録媒体のインク像に接触させて液体成分を除去する液体成分除去部にも、記録媒体を下方から支持する支持部材(不図示)が設けられていてもよい。
記録媒体搬送装置207の構成は特に限定されず、公知の直接記録型インクジェット記録装置における搬送手段を用いることができる。具体的には、図2に示すような、記録媒体繰り出しローラ207a、記録媒体巻き取りローラ207b、及び記録媒体搬送ローラ207c、207d、207e、207fを有する記録媒体搬送装置207を挙げることができる。
(反応液)
本発明の記録方法で用いる反応液は、水性インクと接触することでインクと反応し、インク中の成分(樹脂、自己分散顔料などのアニオン性基を有する成分)を凝集させるものであり、反応剤を含有する水性の液体である。
本発明の記録方法で用いる反応液は、水性インクと接触することでインクと反応し、インク中の成分(樹脂、自己分散顔料などのアニオン性基を有する成分)を凝集させるものであり、反応剤を含有する水性の液体である。
[反応剤]
反応剤としては、例えば、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。なかでも、反応剤は有機酸であることが好ましい。
反応剤としては、例えば、多価金属イオン、カチオン性樹脂などのカチオン性成分や、有機酸など挙げることができる。なかでも、反応剤は有機酸であることが好ましい。
多価金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+、Sr2+、Ba2+、及びZn2+などの2価の金属イオンや、Fe3+、Cr3+、Y3+、及びAl3+などの3価の金属イオンを挙げることができる。反応液に多価金属イオンを含有させるためには、多価金属イオンとアニオンとが結合して構成される多価金属塩(水和物であってもよい)を用いることができる。アニオンとしては、例えば、Cl-、Br-、I-、ClO-、ClO2 -、ClO3 -、ClO4 -、NO2 -、NO3 -、SO4 2-、CO3 2-、HCO3 -、PO4 3-、HPO4 2-、及びH2PO4 -などの無機アニオン;HCOO-、(COO-)2、COOH(COO-)、CH3COO-、C2H4(COO-)2、C6H5COO-、C6H4(COO-)2、及びCH3SO3 -などの有機アニオンを挙げることができる。反応剤として多価金属イオンを用いる場合、反応液中の多価金属塩換算の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましい。
有機酸を含有する反応液は、酸性領域(pH7.0未満、好ましくはpH2.0〜5.0)に緩衝能を有することによって、インク中に存在する成分のアニオン性基を効率よく酸型にして凝集させるものである。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピコリン酸、ニコチン酸、チオフェンカルボン酸、レブリン酸、クマリン酸などのモノカルボン酸及びその塩;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、セバシン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸などのジカルボン酸、及びその塩や水素塩;クエン酸、トリメリット酸などのトリカルボン酸及びその塩や水素塩;ピロメリット酸などのテトラカルボン酸及びその塩や水素塩などを挙げることができる。反応液中の有機酸の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
カチオン性樹脂としては、例えば、無置換又は置換アミノ基を有する樹脂、第4級アンモニウム塩の構造を有する樹脂などを挙げることができる。具体的には、ビニルアミン、アリルアミン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、エチレンイミン、グアニジンなどの構造を有する樹脂を挙げることができる。反応液中での溶解性を高めるために、カチオン性樹脂と酸性化合物とを併用したり、カチオン性樹脂の4級化処理を施したりすることもできる。反応剤としてカチオン性樹脂を用いる場合、反応液中のカチオン性樹脂の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、1.0質量%以上10.0質量%以下であることが好ましい。
[第1樹脂粒子]
反応液は、第1樹脂粒子を含有する。この第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方である。
反応液は、第1樹脂粒子を含有する。この第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方である。
反応液中の第1樹脂粒子の含有量(質量%)は、反応液全質量を基準として、5.0質量%以上であることが好ましく、30.0質量%以下であることが好ましく、8.0質量%以上30.0質量%以下であることがさらに好ましい。第1樹脂粒子の含有量が5.0質量%未満であると、量が少ないため、色ムラの抑制効果がやや低下する場合がある。一方、第1樹脂粒子の含有量が30.0質量%超であると、反応液の粘度が高くなり、記録媒体や転写体に安定して付与しにくくなる場合がある。
第1樹脂粒子は、インク中の色材やアニオン性基を有する樹脂粒子などの第2樹脂粒子の分散状態を不安定化させるとともに、アルキレンオキサイド基を有する第3樹脂粒子と水素結合又は静電的に結合して凝集する。第3樹脂粒子を含有するインクと反応液が接触すると、第3樹脂粒子のアルキレンオキサイド基が、反応液中の第1樹脂粒子と水素結合又は静電的に結合する。これにより、第1樹脂粒子と第3樹脂粒子が凝集し、色ムラの発生を抑制することができる。
記録媒体や転写体に付与する第1樹脂粒子の量は、インク中の第3樹脂粒子の量に対する質量比率で、0.1倍以上とすることが好ましい。上記の質量比率が0.1倍未満であると、第3樹脂粒子に対する第1樹脂粒子の量が相対的に少ないため、色ムラを抑制する効果が低下する場合がある。上記の質量比率は、50.0倍以下であることが好ましく、10.0倍以下であることがさらに好ましい。
反応液が第3樹脂粒子を含有する場合、すなわち、第1樹脂粒子と第3樹脂粒子が反応液中で共存する場合には、樹脂粒子同士は反応液中で予め相互作用し、水素結合又は静電的に結合している。ただし、反応液中の第1樹脂粒子の含有量と第3樹脂粒子の含有量を所定の比とすることで、これらの樹脂粒子の凝集状態をインクと混合しうる程度の比較的弱い凝集状態に制御することができる。そして、インクと反応液が接触すると、色材やアニオン性基を有する樹脂粒子が第3樹脂粒子と水素結合又は静電的に結合して凝集が進行し、色ムラの発生をさらに抑制することができる。
〔カチオン性基を有する樹脂粒子〕
第1樹脂粒子は、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方である。カチオン性基を有する樹脂粒子は、粒子表面にカチオン性基を有する樹脂粒子である。カチオン性基としては、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びホスホニウムカチオンなどを生成しうる官能基を挙げることができる。カチオン性基は、これらの官能基の複数種を組み合わせたものでもよい。カチオン性基を有する樹脂粒子は水中で解離して正のゼータ電位を示し、その静電気的反発力によって凝集しにくく、分散状態を安定に保っている。
第1樹脂粒子は、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方である。カチオン性基を有する樹脂粒子は、粒子表面にカチオン性基を有する樹脂粒子である。カチオン性基としては、アンモニウムカチオン、ピリジニウムカチオン、及びホスホニウムカチオンなどを生成しうる官能基を挙げることができる。カチオン性基は、これらの官能基の複数種を組み合わせたものでもよい。カチオン性基を有する樹脂粒子は水中で解離して正のゼータ電位を示し、その静電気的反発力によって凝集しにくく、分散状態を安定に保っている。
カチオン性基は、無置換若しくは置換アミノ基、又は第4級アンモニウム塩であることが好ましい。これらの官能基は第3樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基と水素結合しやすい。さらに、アンモニウムカチオンの窒素原子とアルキレンオキサイド基を構成する酸素原子との静電的な結合による相互作用も期待される。このため、樹脂粒子同士の凝集がより効果的に進行し、色ムラの発生をさらに抑制することができる。
〔カルボン酸基を有する樹脂粒子〕
カルボン酸基を有する樹脂粒子は、粒子表面にカルボン酸基を有する樹脂粒子である。カルボン酸基を有する樹脂粒子は、インク中の色材やアニオン性基を有する樹脂粒子の分散状態を不安定化させるとともに、第3樹脂粒子と水素結合して凝集する性質を有する。
カルボン酸基を有する樹脂粒子は、粒子表面にカルボン酸基を有する樹脂粒子である。カルボン酸基を有する樹脂粒子は、インク中の色材やアニオン性基を有する樹脂粒子の分散状態を不安定化させるとともに、第3樹脂粒子と水素結合して凝集する性質を有する。
[第3樹脂粒子]
反応液及び水性インクの少なくとも一方は、第3樹脂粒子(ただし、後述する第2樹脂粒子を除く)を含有する。第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子である。アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子としては、インクに含有させることができる後述のアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子(第3樹脂粒子)と同様のものを用いることができる。
反応液及び水性インクの少なくとも一方は、第3樹脂粒子(ただし、後述する第2樹脂粒子を除く)を含有する。第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子である。アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子としては、インクに含有させることができる後述のアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子(第3樹脂粒子)と同様のものを用いることができる。
反応液に含有させる第3樹脂粒子の最低造膜温度は、第1記録媒体の温度よりも高いことが好ましい。反応液中の第3樹脂粒子の最低造膜温度が第1記録媒体の温度以下であると、インクと接触する以前の段階で第3樹脂粒子が溶融することがある。このため、第3樹脂粒子との水素結合や静電的な結合による相互作用が生じない場合があり、樹脂粒子同士の凝集が阻害されて画質の向上効果がやや低下する場合がある。
反応液中の第3樹脂粒子の含有量(質量%)は、第1樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.40倍以上10.00倍以下であることが好ましく、0.60倍以上4.00倍以下であることがさらに好ましい。上記の質量比率が0.40倍未満であると、第1樹脂粒子と第3樹脂粒子の水素結合や静電的な結合が強くなりすぎることがある。このため、インクと反応液を十分に混合させることが困難になることがあり、画質の向上効果がやや低下する場合がある。一方、上記の質量比率が10.00倍超であると、第3樹脂粒子の量が相対的に多くなるために凝集が阻害されることがあり、画質の向上効果がやや低下する場合がある。
[その他の成分]
反応液は、必要に応じて、各種その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、インクに含有させることが可能な後述の水性媒体やその他添加剤などと同様のものを挙げることができる。
反応液は、必要に応じて、各種その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、インクに含有させることが可能な後述の水性媒体やその他添加剤などと同様のものを挙げることができる。
(インク)
本発明の記録方法で用いるインクは、インクジェット用の水性インクである。インクは、色材を含有するインクであってもよく、色材を含有しない、いわゆるクリアインクであってもよい。以下、インクに用いる各成分などについて詳細に説明する。
本発明の記録方法で用いるインクは、インクジェット用の水性インクである。インクは、色材を含有するインクであってもよく、色材を含有しない、いわゆるクリアインクであってもよい。以下、インクに用いる各成分などについて詳細に説明する。
[色材]
インクに含有させる色材としては、顔料や染料を用いることができる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクに含有させる色材としては、顔料や染料を用いることができる。インク中の色材の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.5質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。
顔料の具体例としては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料;アゾ、フタロシアニン、キナクリドン、イソインドリノン、イミダゾロン、ジケトピロロピロール、ジオキサジンなどの有機顔料を挙げることができる。
顔料の分散方式としては、分散剤として樹脂を用いた樹脂分散顔料や、顔料の粒子表面に親水性基が結合している自己分散顔料などを用いることができる。また、顔料の粒子表面に樹脂を含む有機基を化学的に結合させた樹脂結合型顔料や、顔料の粒子の表面を樹脂などで被覆したマイクロカプセル顔料などを用いることができる。
顔料を水性媒体中に分散させるための樹脂分散剤としては、アニオン性基の作用によって顔料を水性媒体中に分散させうるものを用いることが好ましい。樹脂分散剤としては、後述するような樹脂、なかでも水溶性樹脂を用いることができる。インク中の顔料の含有量(質量%)は、樹脂分散剤の含有量に対する質量比率で、0.3倍以上10.0倍以下であることが好ましい。
自己分散顔料としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基などのアニオン性基が、顔料の粒子表面に直接又は他の原子団(−R−)を介して結合しているものを用いることができる。アニオン性基は、酸型及び塩型のいずれであってもよく、塩型である場合は、その一部が解離した状態及び全てが解離した状態のいずれであってもよい。アニオン性基が塩型である場合において、カウンターイオンとなるカチオンとしては、アルカリ金属カチオン、アンモニウム、有機アンモニウムなどを挙げることができる。他の原子団(−R−)の具体例としては、炭素原子数1乃至12の直鎖又は分岐のアルキレン基;フェニレン基やナフチレン基などのアリーレン基;カルボニル基;イミノ基;アミド基;スルホニル基;エステル基;エーテル基などを挙げることができる。また、これらの基を組み合わせた基であってもよい。
染料としては、アニオン性基を有するものを用いることが好ましい。染料の具体例としては、アゾ、トリフェニルメタン、(アザ)フタロシアニン、キサンテン、アントラピリドンなどの染料を挙げることができる。本発明の記録方法で用いるインクに含有させる色材は、顔料であることが好ましく、樹脂分散顔料であることがさらに好ましい。
[樹脂]
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。
インクには、樹脂を含有させることができる。インク中の樹脂の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15.0質量%以下であることがさらに好ましい。
樹脂は、(i)顔料の分散状態を安定化させるため、すなわち、樹脂分散剤やその補助としてインクに添加することができる。また、(ii)記録される画像の各種特性を向上させるためにインクに添加することができる。樹脂の形態としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。また、樹脂は、水性媒体に溶解しうる水溶性樹脂であってもよく、水性媒体中に分散する樹脂粒子であってもよい。樹脂粒子は、色材を内包する必要はない。
本明細書において「樹脂が水溶性である」とは、その樹脂を酸価と当量のアルカリで中和した場合に、動的光散乱法により粒子径を測定しうる粒子を形成しない状態で水性媒体中に存在することを意味する。樹脂が水溶性であるか否かについては、以下に示す方法にしたがって判断することができる。まず、酸価相当のアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)により中和された樹脂を含む液体(樹脂固形分:10質量%)を用意する。次いで、用意した液体を純水で10倍(体積基準)に希釈して試料溶液を調製する。そして、試料溶液中の樹脂の粒子径を動的光散乱法により測定した場合に、粒子径を有する粒子が測定されない場合に、その樹脂は水溶性であると判断することができる。この際の測定条件は、例えば、以下のようにすることができる。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒
粒度分布測定装置としては、動的光散乱法による粒度分析計(例えば、商品名「UPA−EX150」、日機装製)などを使用することができる。勿論、使用する粒度分布測定装置や測定条件などは上記に限られるものではない。
水溶性樹脂の酸価は、100mgKOH/g以上250mgKOH/g以下であることが好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の酸価は、5mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましい。水溶性樹脂の重量平均分子量は、3,000以上15,000以下であることが好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は、1,000以上2,000,000以下であることが好ましい。動的光散乱法により測定される樹脂粒子の平均粒子径(体積基準の累積50%粒子径(D50))は、50nm以上500nm以下であることが好ましい。
樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などを挙げることができる。なかでも、アクリル系樹脂やウレタン系樹脂が好ましい。
アクリル系樹脂としては、親水性ユニット及び疎水性ユニットを構成ユニットとして有するものが好ましい。なかでも、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、芳香環を有するモノマー及び(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの少なくとも一方に由来する疎水性ユニットと、を有する樹脂が好ましい。特に、(メタ)アクリル酸に由来する親水性ユニットと、スチレン及びα−メチルスチレンの少なくとも一方のモノマーに由来する疎水性ユニットとを有する樹脂が好ましい。これらの樹脂は、顔料との相互作用が生じやすいため、顔料を分散させるための樹脂分散剤として好適に利用することができる。
親水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有するユニットである。親水性ユニットは、例えば、親水性基を有する親水性モノマーを重合することで形成することができる。親水性基を有する親水性モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボン酸基を有する酸性モノマー、これらの酸性モノマーの無水物や塩などのアニオン性モノマーなどを挙げることができる。酸性モノマーの塩を構成するカチオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンを挙げることができる。疎水性ユニットは、アニオン性基などの親水性基を有しないユニットである。疎水性ユニットは、例えば、アニオン性基などの親水性基を有しない、疎水性モノマーを重合することで形成することができる。疎水性モノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジルなどの芳香環を有するモノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸エステル系モノマーなどを挙げることができる。
ウレタン系樹脂は、例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得ることができる。また、鎖延長剤をさらに反応させたものであってもよい。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。
[第2樹脂粒子]
本発明の記録方法で用いるインクは、第2樹脂粒子を含有する。第2樹脂粒子としては、アニオン性基を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。アニオン性基を有する樹脂は、粒子表面にカルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩などのアニオン性の官能基を有する樹脂粒子である。アニオン性基は、これらの官能基の複数種を組み合わせたものでもよい。アニオン性基を有する樹脂粒子は水中で解離して負のゼータ電位を示し、その静電気的反発力によって凝集しにくく、分散状態を安定に保っている。
本発明の記録方法で用いるインクは、第2樹脂粒子を含有する。第2樹脂粒子としては、アニオン性基を有する樹脂粒子を用いることが好ましい。アニオン性基を有する樹脂は、粒子表面にカルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩などのアニオン性の官能基を有する樹脂粒子である。アニオン性基は、これらの官能基の複数種を組み合わせたものでもよい。アニオン性基を有する樹脂粒子は水中で解離して負のゼータ電位を示し、その静電気的反発力によって凝集しにくく、分散状態を安定に保っている。
アニオン性基を有する樹脂粒子を含有するインクが、カルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩などの有機酸を反応剤として含有する反応液と接触すると、有機酸の解離塩は酸型になって静電気的反発力を失う。これにより、アニオン性基を有する樹脂粒子が凝集するとともに、カルボン酸基などの水素原子がアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子と水素結合により相互作用し、色ムラの発生をより効果的に抑制することができる。
アニオン性基を有する樹脂粒子の表面電荷量は、2.4μmol/m2以上であることが好ましく、50μmol/m2以下であることがさらに好ましい。アニオン性基を有する樹脂粒子の表面電荷量が2.4μmol/m2未満であると、第1樹脂粒子とアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子との水素結合が不足し、色ムラの発生を抑制する効果がやや低下する場合がある。一方、アニオン性基を有する樹脂粒子の表面電荷量が50μmol/m2超であると、インクと反応液との反応性が低下しやすく、高速記録した場合に滲みやブリーディングが発生しやすくなる場合がある。
アニオン性基を有する樹脂粒子の最低造膜温度は、第1記録媒体の温度より低くてもよい。第1記録媒体の温度が、アニオン性基を有する樹脂粒子の最低造膜温度以上であっても、第1記録媒体に接触したインク中のアニオン性基を有する樹脂粒子が瞬時に溶融することはない。このため、反応液中の樹脂粒子との水素結合や静電的な結合に大きく影響しないと考えられる。
[第3樹脂粒子]
反応液及び水性インクの少なくとも一方は、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子である、第2樹脂粒子以外の第3樹脂粒子を含有する。アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子は、その構造中にアルキレンオキサイド基を含有する樹脂によって形成された樹脂粒子である。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、メチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基などを挙げることができる。アルキレンオキサイド基は、複数種のアルキレンオキサイド基を組み合わせたものでもよい。樹脂粒子の分散安定性及び水素結合の形成しやすさなどの観点から、アルキレンオキサイド基はエチレンオキサイド基であることが好ましい。樹脂粒子の分散安定性の観点から、アルキレンオキサイド基全体に占めるエチレンオキサイド基の質量比率は、50.0質量%以上であることが好ましく、前記質量比率は100.0質量%であってもよい。
反応液及び水性インクの少なくとも一方は、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子である、第2樹脂粒子以外の第3樹脂粒子を含有する。アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子は、その構造中にアルキレンオキサイド基を含有する樹脂によって形成された樹脂粒子である。アルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、メチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基などを挙げることができる。アルキレンオキサイド基は、複数種のアルキレンオキサイド基を組み合わせたものでもよい。樹脂粒子の分散安定性及び水素結合の形成しやすさなどの観点から、アルキレンオキサイド基はエチレンオキサイド基であることが好ましい。樹脂粒子の分散安定性の観点から、アルキレンオキサイド基全体に占めるエチレンオキサイド基の質量比率は、50.0質量%以上であることが好ましく、前記質量比率は100.0質量%であってもよい。
第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基を形成しうるモノマーを用いて調製することができる。アルキレンオキサイド基を形成しうるモノマーとしては、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
また、アルキレンオキサイド基を形成しうるモノマーとして、反応性界面活性剤を用いることもできる。反応性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエ−テル硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。
アルキレンオキサイド基を形成しうるモノマーは、アルキレンオキサイド基を樹脂粒子の表層部に存在させるために、コアシェル構造などの複層構造を有する樹脂粒子の表層部(シェル部)を形成するためのモノマーとして用いることが好ましい。
第3樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基の占める割合は、第3樹脂粒子の全質量を基準として、3.0質量%以上20.0質量%以下である。第3樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基の占める割合(アルキレンオキサイド基の含有量)は、第3樹脂粒子を構成する材料の全質量に対する、アルキレンオキサイド基の質量の割合である。第3樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基の含有量が3.0質量%未満であると、第1樹脂粒子との水素結合や静電的な結合による相互作用が不十分になり、色ムラの発生を抑制する効果が不十分となる。一方、樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基の含有量が20.0質量%超であると、アルキレンオキサイド基の量が相対的に多くなりすぎて凝集が阻害されやすくなるため、画質の向上効果が不十分となる。
例えば、第3樹脂粒子が、ブチルメタクリレート16.1質量部、商品名「ブレンマーPME1000」1.6質量部、商品名「アクアロンKH−05」0.3質量部、及び過硫酸カリウム0.2質量部で構成される場合を想定する。商品名「ブレンマーPME1000」は、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(エチレンオキサイド数:約23)(日油製)である。商品名「アクアロンKH−05」は、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸アンモニウム(エチレンオキサイド数:約5)(第一工業製薬製)である。この場合の第3樹脂粒子の全質量は、18.2質量部となる。上記の材料のうち、アルキレンオキサイド基を含有する材料は、ブレンマーPME1000とアクアロンKH−05である。ブレンマーPME1000(分子量約1,112)は、その分子構造中にエチレンオキサイド基(−CH2CH2O−)を約23ユニット含有する。そして、エチレンオキサイド基23ユニット分の分子量は、約1,012である。このため、ブレンマーPME1000を1.6質量部含有する場合には、アルキレンオキサイド基を1.6×(1,012/1,112)≒1.5質量部含有することに相当する。同様に、アクアロンKH−05を0.3質量部含有する場合には、アルキレンオキサイド基を0.1質量部含有することに相当する。以上より、第3樹脂粒子中のアルキレンオキサイド基の含有量(質量%)は、(1.5+0.1)/18.2≒9.0質量%となる。
アルキレンオキサイド基の繰り返し数は、2以上100以下であることが好ましく、4以上40以下であることがさらに好ましい。アルキレンオキサイド基の繰り返し数が2未満であると、第1樹脂粒子との水素結合や静電的な結合による相互作用が不十分になり、色ムラの発生を抑制する効果がやや低下することがある。一方、アルキレンオキサイド基の繰り返し数が100超であると、インクや反応液の粘度が上昇しやすく、記録ヘッドからの吐出性にやや影響が及ぶ場合がある。
第3樹脂粒子の表面電荷量は、2.0μmol/m2以下である。アルキレンオキサイド基を形成しうるモノマーとして反応性界面活性剤を用いた場合、反応性界面活性剤には電荷を有するものもあるため、得られる樹脂粒子は電荷を有することがある。第3樹脂粒子の表面電荷量が2.0μmol/m2超であると、粒子内で水素結合が形成されやすくなる。このため、第1樹脂粒子との水素結合や静電的な結合による相互作用が不十分になり、色ムラの発生を抑制する効果が不十分となる。第3樹脂粒子の表面電荷量は、0.0μmol/m2であってもよく、好ましくは0.1μmol/m2以上である。
第1記録媒体に予め反応液が付与されている場合における、第3樹脂粒子の最低造膜温度は、第1記録媒体の温度より低くてもよい。第1記録媒体の温度が第3樹脂粒子の最低造膜温度以上であっても、第1記録媒体に接触したインク中の第3樹脂粒子が瞬時に溶融することはない。このため、反応液中の樹脂粒子との水素結合や静電的な結合に大きく影響しないと考えられる。
インク中の第3樹脂粒子の含有量(質量%)は、第2樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.05倍以上1.70倍以下であることが好ましい。上記の質量比率が0.05倍未満であると、第2樹脂粒子に対する第3樹脂粒子の量が相対的に少なくなりすぎるため、第2樹脂粒子と第3樹脂粒子との水素結合も少なくなり、色ムラを抑制する効果がやや低下する場合がある。一方、上記の質量比率が1.70倍超であると、第2樹脂粒子に対する第3樹脂粒子の量が相対的に多くなりすぎるために凝集が阻害されることがあり、画質の向上効果が不十分になる場合がある。
[水性媒体]
本発明の記録方法で用いるインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
本発明の記録方法で用いるインクは、水性媒体として少なくとも水を含有する水性のインクである。インクには、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有させることができる。水としては、脱イオン水やイオン交換水を用いることが好ましい。水性インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、50.0質量%以上95.0質量%以下であることが好ましい。また、水性インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤としては、アルコール類、(ポリ)アルキレングリコール類、グリコールエーテル類、含窒素化合物類、含硫黄化合物類などのインクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。
[その他添加剤]
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有させてもよい。
インクには、上記成分以外にも必要に応じて、消泡剤、界面活性剤、pH調整剤、粘度調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤など種々の添加剤を含有させてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
<物性の測定条件>
(最低造膜温度)
樹脂粒子の最低造膜温度は、JIS K 6828−2の「最低造膜温度の求め方」に準じて測定する。具体的には、樹脂粒子を適切な温度勾配の存在下で加熱し、造膜により透明となっている部分と、造膜せずに不透明である部分との境界の温度を測定する。最低造膜温度計(商品名「MFFTB90」、RHOPOINT INSTRUMENTS製)を使用して樹脂粒子の最低造膜温度を測定した。
(最低造膜温度)
樹脂粒子の最低造膜温度は、JIS K 6828−2の「最低造膜温度の求め方」に準じて測定する。具体的には、樹脂粒子を適切な温度勾配の存在下で加熱し、造膜により透明となっている部分と、造膜せずに不透明である部分との境界の温度を測定する。最低造膜温度計(商品名「MFFTB90」、RHOPOINT INSTRUMENTS製)を使用して樹脂粒子の最低造膜温度を測定した。
(表面電荷量)
測定対象の材料を含む液体に塩酸を添加してpHを2に調整し、24時間撹拌した。遠心分離して沈殿した固形物を分取し、乾燥させた後、粉砕して試料を調製した。調製した試料1gに0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30gを添加して15時間撹拌した後、遠心分離して上澄みを分取した。上澄み1gに純水を添加して15gに希釈した液体を、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用して0.1mol/L塩酸で滴定し、樹脂粒子の電荷量を測定した。測定した電荷量を、後述する方法で測定した体積分布基準の50%粒子径(D50)から算出した樹脂粒子の表面積で除して、樹脂粒子の表面電荷量を算出した。
測定対象の材料を含む液体に塩酸を添加してpHを2に調整し、24時間撹拌した。遠心分離して沈殿した固形物を分取し、乾燥させた後、粉砕して試料を調製した。調製した試料1gに0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30gを添加して15時間撹拌した後、遠心分離して上澄みを分取した。上澄み1gに純水を添加して15gに希釈した液体を、電位差自動滴定装置(商品名「AT510」、京都電子工業製)を使用して0.1mol/L塩酸で滴定し、樹脂粒子の電荷量を測定した。測定した電荷量を、後述する方法で測定した体積分布基準の50%粒子径(D50)から算出した樹脂粒子の表面積で除して、樹脂粒子の表面電荷量を算出した。
(体積分布基準の50%粒子径)
測定対象の材料を含む液体にイオン交換水を添加して、固形分の含有量が約1.0%である試料を調製した。調製した試料について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を使用し、以下に示す測定条件にしたがって樹脂粒子の体積分布基準の50%粒子径(D50)を測定した。なお、この方法で粒子径が測定されなかった樹脂は、「水溶性」の樹脂であると判断する。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒、屈折率:1.5
測定対象の材料を含む液体にイオン交換水を添加して、固形分の含有量が約1.0%である試料を調製した。調製した試料について、動的光散乱法による粒度分析計(商品名「UPA−EX150」、日機装製)を使用し、以下に示す測定条件にしたがって樹脂粒子の体積分布基準の50%粒子径(D50)を測定した。なお、この方法で粒子径が測定されなかった樹脂は、「水溶性」の樹脂であると判断する。
[測定条件]
SetZero:30秒
測定回数:3回
測定時間:180秒、屈折率:1.5
<顔料分散液の調製>
C.I.ピグメントブルー15:3 10部、樹脂水溶液15部、及び純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込んだ。樹脂水溶液としては、20.0%スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(酸価150mgKOH/g、重量平均分子量8,000)水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したものを用いた。0.3mm径のジルコニアビーズ200部をサンドミルに充填し、水冷しながら5時間分散処理して分散液を得た。得られた分散液を遠心分離して粗大粒子を除去し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液を得た。
C.I.ピグメントブルー15:3 10部、樹脂水溶液15部、及び純水75部を混合し、バッチ式縦型サンドミル(アイメックス製)に仕込んだ。樹脂水溶液としては、20.0%スチレン−アクリル酸エチル−アクリル酸共重合体(酸価150mgKOH/g、重量平均分子量8,000)水溶液を水酸化カリウム水溶液で中和したものを用いた。0.3mm径のジルコニアビーズ200部をサンドミルに充填し、水冷しながら5時間分散処理して分散液を得た。得られた分散液を遠心分離して粗大粒子を除去し、顔料の含有量が10.0%である顔料分散液を得た。
<樹脂粒子の調製>
(樹脂粒子1〜4)
以下に示す手順でカチオン性基を有する樹脂粒子1〜4を調製した。表1の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表1の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アデカリアソープER−20」(アデカ製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が40.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
(樹脂粒子1〜4)
以下に示す手順でカチオン性基を有する樹脂粒子1〜4を調製した。表1の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表1の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アデカリアソープER−20」(アデカ製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が40.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
(樹脂粒子5〜10)
以下に示す手順でカルボン酸基を有する樹脂粒子5〜10を調製した。表2の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表2の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アデカリアソープER−20」(アデカ製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が40.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
以下に示す手順でカルボン酸基を有する樹脂粒子5〜10を調製した。表2の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表2の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アデカリアソープER−20」(アデカ製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が40.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
(樹脂粒子11〜13)
以下に示す手順でアニオン性基を有する樹脂粒子11〜13を調製した。表3の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表3の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アクアロンKH−05」(第一工業製薬製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂の酸価と等モル量の水酸化カリウム、及びイオン交換水を添加し、樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が15.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
以下に示す手順でアニオン性基を有する樹脂粒子11〜13を調製した。表3の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表3の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アクアロンKH−05」(第一工業製薬製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂の酸価と等モル量の水酸化カリウム、及びイオン交換水を添加し、樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が15.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。
(樹脂粒子14〜24)
以下に示す手順でアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子14〜24を調製した。表4の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表4の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アクアロンKH−05」(第一工業製薬製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂の酸価と等モル量の水酸化カリウム、及びイオン交換水を添加し、樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が15.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。表4中の各成分の詳細を以下に示す。
・商品名「ライトエステル041MA」(共栄社化学製、エチレンオキサイド基:30〔平均値〕)
・商品名「ブレンマーPME1000」(日油製、エチレンオキサイド基:23〔平均値〕)
・商品名「ブレンマーPME400」(日油製、エチレンオキサイド基:9〔平均値〕)
・商品名「ブレンマー70PEP−350B」(日油製、エチレンオキサイド基:5、プロピレンオキサイド基:2、ブロック共重合体)
以下に示す手順でアルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子14〜24を調製した。表4の上段に示す使用量(部)の過硫酸カリウム及びイオン交換水を混合して液体を調製した。一方、表4の中段に示す各成分(単位:部)を混合して乳化物を調製した。反応性界面活性剤としては、商品名「アクアロンKH−05」(第一工業製薬製)を用いた。窒素雰囲気下、調製した液体に1時間かけて乳化物を滴下した。その後、撹拌下、80℃で2時間撹拌した。樹脂の酸価と等モル量の水酸化カリウム、及びイオン交換水を添加し、樹脂(固形分)の含有量を調整して、樹脂粒子の含有量が15.0%である各樹脂粒子の水分散液を得た。表4中の各成分の詳細を以下に示す。
・商品名「ライトエステル041MA」(共栄社化学製、エチレンオキサイド基:30〔平均値〕)
・商品名「ブレンマーPME1000」(日油製、エチレンオキサイド基:23〔平均値〕)
・商品名「ブレンマーPME400」(日油製、エチレンオキサイド基:9〔平均値〕)
・商品名「ブレンマー70PEP−350B」(日油製、エチレンオキサイド基:5、プロピレンオキサイド基:2、ブロック共重合体)
<反応液の調製>
表5−1〜5−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、反応液を調製した。表5−1〜5−3中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名であり、「メガファックF444」は、DIC製の界面活性剤の商品名である。表5−1〜5−3の下段には反応液の各種特性を示した。
表5−1〜5−3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、反応液を調製した。表5−1〜5−3中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名であり、「メガファックF444」は、DIC製の界面活性剤の商品名である。表5−1〜5−3の下段には反応液の各種特性を示した。
<顔料インクの調製>
表6−1及び6−2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、顔料インクを調製した。表6−1及び6−2中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。表6−1及び6−2の下段には顔料インクの各種特性を示した。
表6−1及び6−2の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、顔料インクを調製した。表6−1及び6−2中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。表6−1及び6−2の下段には顔料インクの各種特性を示した。
<クリアインクの調製>
表7の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、クリアインクを調製した。表7中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。表7の下段にはクリアインクの各種特性を示した。
表7の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分撹拌した後、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、クリアインクを調製した。表7中、「アセチレノールE100」は、川研ファインケミカル製の界面活性剤の商品名である。表7の下段にはクリアインクの各種特性を示した。
<評価>
反応液、顔料インク、及びクリアインクを以下に示す表8−1及び8−2に示す組み合わせのセットとし、直接記録型インクジェット又は転写型インクジェット記録装置を使用して以下に示す評価を行った。結果を表8−1及び8−2に示す。本実施例では、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に3.0ngのインク滴を付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。
反応液、顔料インク、及びクリアインクを以下に示す表8−1及び8−2に示す組み合わせのセットとし、直接記録型インクジェット又は転写型インクジェット記録装置を使用して以下に示す評価を行った。結果を表8−1及び8−2に示す。本実施例では、解像度1,200dpi×1,200dpiで1/1,200インチ×1/1,200インチの単位領域に3.0ngのインク滴を付与する条件で記録した画像を、記録デューティが100%であると定義する。本発明においては、以下に示す各項目の評価基準で、「AA」、「A」及び「B」を許容できるレベルとし、「C」を許容できないレベルとした。
(1)直接記録型インクジェット記録装置を使用した評価
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を用いた。反応液付与装置203、インク付与装置204、及び液吸収装置205は、後述する転写型インクジェット記録装置100(図1)と同様とした。記録媒体の搬送速度は0.4m/秒とした。
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を用いた。反応液付与装置203、インク付与装置204、及び液吸収装置205は、後述する転写型インクジェット記録装置100(図1)と同様とした。記録媒体の搬送速度は0.4m/秒とした。
(色ムラ)
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、記録デューティが200%である、2cm×2cmのベタ画像を記録した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録したベタ画像を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像の色ムラを評価した。
AA:ベタ画像の色が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色ムラがあった。
B:ベタ画像に色ムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡が顕著にあった。
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、記録デューティが200%である、2cm×2cmのベタ画像を記録した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録したベタ画像を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像の色ムラを評価した。
AA:ベタ画像の色が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色ムラがあった。
B:ベタ画像に色ムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡が顕著にあった。
(鮮鋭性)
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、顔料インクを1ドット分付与して罫線を記録した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録した罫線を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって鮮鋭性を評価した。
A:罫線が乱れていなかった。
B:罫線が乱れていたが、連続した罫線だった。
C:罫線が顕著に乱れ、一部不連続だった。
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、顔料インクを1ドット分付与して罫線を記録した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録した罫線を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって鮮鋭性を評価した。
A:罫線が乱れていなかった。
B:罫線が乱れていたが、連続した罫線だった。
C:罫線が顕著に乱れ、一部不連続だった。
(ムラ)
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。次いで、顔料インクの記録デューティが100%であり、クリアインクの記録デューティが100%である、2cm×2cmのベタ画像を記録した。顔料インクとクリアインクはこの順序で付与した。記録したベタ画像を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像のムラを評価した。クリアインクの凝集が不十分であると、色ムラだけでなく光沢ムラが生ずる。
AA:ベタ画像の色や光沢が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色や光沢のムラがあった。
B:ベタ画像に色や光沢のムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡や光沢の顕著なムラがあった。
図2に示す直接記録型インクジェット記録装置200を使用し、50℃に加熱した記録媒体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した。記録媒体としては、コート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。次いで、顔料インクの記録デューティが100%であり、クリアインクの記録デューティが100%である、2cm×2cmのベタ画像を記録した。顔料インクとクリアインクはこの順序で付与した。記録したベタ画像を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって画像のムラを評価した。クリアインクの凝集が不十分であると、色ムラだけでなく光沢ムラが生ずる。
AA:ベタ画像の色や光沢が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色や光沢のムラがあった。
B:ベタ画像に色や光沢のムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡や光沢の顕著なムラがあった。
(2)転写型インクジェット記録装置を使用した評価
図1に示す転写型インクジェット記録装置100を用いた。また、以下に示す手順で転写体を製造した。加水分解性の有機シラン化合物(グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業製)50モル%、及び有機シラン化合物(ジエチルジエトキシシラン、信越化学工業製)50モル%を混合して混合物を得た。得られた混合物に塩酸(触媒)を加えた後、24時間以上加熱還流して、有機シラン化合物が脱水縮合して形成された縮合化合物aを含有する溶液を得た。得られた溶液にメチルイソブチルケトンを添加して20%程度に希釈した後、光カチオン重合開始剤(商品名「SP150」、アデカ製)を、固形分を基準として5%添加してコーティング液を調製した。コーティング液の塗布性を高めるため、支持部材(アルミニウム合金からなる円筒形のドラム)の表面をプラズマ処理した。調製したコーティング液を支持部材にスピンコートにより塗布し、薄膜状の表面層を支持部材に設けた。130℃で3時間加熱して表面層を硬化させ、厚さ0.3μmの表面層を有する転写体を得た。得られた転写体を図1に示す転写型インクジェット記録装置100にセットした。
図1に示す転写型インクジェット記録装置100を用いた。また、以下に示す手順で転写体を製造した。加水分解性の有機シラン化合物(グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業製)50モル%、及び有機シラン化合物(ジエチルジエトキシシラン、信越化学工業製)50モル%を混合して混合物を得た。得られた混合物に塩酸(触媒)を加えた後、24時間以上加熱還流して、有機シラン化合物が脱水縮合して形成された縮合化合物aを含有する溶液を得た。得られた溶液にメチルイソブチルケトンを添加して20%程度に希釈した後、光カチオン重合開始剤(商品名「SP150」、アデカ製)を、固形分を基準として5%添加してコーティング液を調製した。コーティング液の塗布性を高めるため、支持部材(アルミニウム合金からなる円筒形のドラム)の表面をプラズマ処理した。調製したコーティング液を支持部材にスピンコートにより塗布し、薄膜状の表面層を支持部材に設けた。130℃で3時間加熱して表面層を硬化させ、厚さ0.3μmの表面層を有する転写体を得た。得られた転写体を図1に示す転写型インクジェット記録装置100にセットした。
(色ムラ)
上記の転写型インクジェット記録装置100、及び記録媒体108としてコート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録媒体の搬送速度が0.4m/秒となるように、転写体の回転速度を調整した。50℃に加熱した転写体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、記録デューティが200%である、2cm×2cmのベタ画像(中間画像)を記録した。次いで、記録したベタ画像を記録媒体に転写した。転写したベタ画像を顕微鏡で観察、以下に示す評価基準にしたがって画像の色ムラを評価した。
AA:ベタ画像の色が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色ムラがあった。
B:ベタ画像に色ムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡が顕著にあった。
上記の転写型インクジェット記録装置100、及び記録媒体108としてコート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。記録媒体の搬送速度が0.4m/秒となるように、転写体の回転速度を調整した。50℃に加熱した転写体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、記録デューティが200%である、2cm×2cmのベタ画像(中間画像)を記録した。次いで、記録したベタ画像を記録媒体に転写した。転写したベタ画像を顕微鏡で観察、以下に示す評価基準にしたがって画像の色ムラを評価した。
AA:ベタ画像の色が均一であった。
A:ベタ画像にごく僅かに色ムラがあった。
B:ベタ画像に色ムラがあった。
C:ベタ画像に色の濃淡が顕著にあった。
(鮮鋭性)
上記の転写型インクジェット記録装置100、及び記録媒体108としてコート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。50℃に加熱した転写体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、顔料インクを1ドット分付与して罫線を記録した。次いで、記録した罫線を記録媒体に転写した。転写した罫線を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって鮮鋭性を評価した。
A:罫線が乱れていなかった。
B:罫線が乱れていたが、連続した罫線だった。
C:罫線が顕著に乱れ、一部不連続だった。
上記の転写型インクジェット記録装置100、及び記録媒体108としてコート紙(商品名「パールコート」、三菱製紙製)を用いた。50℃に加熱した転写体に付与量が1.0g/m2となるように反応液を付与した後、顔料インクを1ドット分付与して罫線を記録した。次いで、記録した罫線を記録媒体に転写した。転写した罫線を顕微鏡で観察し、以下に示す評価基準にしたがって鮮鋭性を評価した。
A:罫線が乱れていなかった。
B:罫線が乱れていたが、連続した罫線だった。
C:罫線が顕著に乱れ、一部不連続だった。
Claims (11)
- 反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録するインクジェット記録方法であって、
第1記録媒体に前記反応液を付与した後、前記第1記録媒体の前記反応液が付与された領域の少なくとも一部に前記水性インクを付与してインク像を形成する像形成工程を有し、
前記反応液が第1樹脂粒子を含有するとともに、前記水性インクが第2樹脂粒子を含有し、かつ、前記反応液及び前記水性インクの少なくとも一方が第3樹脂粒子を含有し、
前記第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が前記第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方であり、
前記第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基の占める割合が3.0質量%以上20.0質量%以下であるとともに、表面電荷量が2.0μmol/m2以下である、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子(ただし、前記第2樹脂粒子を除く)であることを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記第1記録媒体が転写体であり、
さらに、前記転写体に形成した前記インク像を第2記録媒体に転写する転写工程を有する請求項1に記載のインクジェット記録方法。 - 前記第2樹脂粒子が、アニオン性基を有する樹脂粒子である請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記水性インクが前記第3樹脂粒子を含有するとともに、
前記水性インク中の前記第3樹脂粒子の含有量(質量%)が、前記第2樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.05倍以上1.70倍以下である請求項3に記載のインクジェット記録方法。 - 前記水性インク中の前記第2樹脂粒子の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.0質量%以上である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記反応液中の前記第1樹脂粒子の含有量(質量%)が、反応液全質量を基準として、5.0質量%以上である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記反応液が、前記第3樹脂粒子を含有し、
前記第3樹脂粒子の最低造膜温度が前記第1記録媒体の温度よりも高く、
前記反応液中の前記第3樹脂粒子の含有量(質量%)が、前記第1樹脂粒子の含有量(質量%)に対する質量比率で、0.40倍以上10.00倍以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記反応剤が、有機酸である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記第1樹脂粒子が、カチオン性基を有する樹脂粒子であり、
前記カチオン性基が、無置換若しくは置換アミノ基、又は第4級アンモニウム塩である請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。 - 前記水性インクが、さらに色材を含有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
- 反応剤を含有する水性の反応液及び水性インクを用いて画像を記録するために用いるインクジェット記録装置であって、
第1記録媒体に前記反応液を付与する反応液付与手段と、
前記第1記録媒体の前記反応液が付与された領域の少なくとも一部に前記水性インクを付与してインク像を形成するインク付与手段と、を備え、
前記反応液が第1樹脂粒子を含有するとともに、前記水性インクが第2樹脂粒子を含有し、かつ、前記反応液及び前記水性インクの少なくとも一方が第3樹脂粒子を含有し、
前記第1樹脂粒子は、その最低造膜温度が前記第1記録媒体の温度よりも高い、カチオン性基を有する樹脂粒子及びカルボン酸基を有する樹脂粒子の少なくとも一方であり、
前記第3樹脂粒子は、アルキレンオキサイド基の占める割合が3.0質量%以上20.0質量%以下であるとともに、表面電荷量が2.0μmol/m2以下である、アルキレンオキサイド基を有する樹脂粒子(ただし、前記第2樹脂粒子を除く)であることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017187508A JP2019059186A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017187508A JP2019059186A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019059186A true JP2019059186A (ja) | 2019-04-18 |
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ID=66177999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017187508A Pending JP2019059186A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2019059186A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019104136A (ja) * | 2017-12-11 | 2019-06-27 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 凝集剤を含む水性プライマー用微粒子分散体及びそれを用いた水性プライマー。 |
-
2017
- 2017-09-28 JP JP2017187508A patent/JP2019059186A/ja active Pending
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