JP2019058587A - 医療材料又は医療機器用多重袋体及びその製造方法 - Google Patents

医療材料又は医療機器用多重袋体及びその製造方法 Download PDF

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一也 坂田
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Ayako Kadosaka
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Abstract

【課題】医療材料又は医療機器を収納するためのガスバリヤー性に優れる袋体であって、ガス滅菌が可能で、且つ内容物の視認性に優れる袋体及びその製造方法を提供する。【解決手段】可視光透過率80〜100%のシート3により構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材4が配され、医療材料又は医療機器を内包する一次袋体(1)、及び、可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、滅菌ガス透過性部材が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)を有する医療材料又は医療機器用多重袋体。【選択図】図5

Description

本発明は、ガス滅菌が可能で、且つ内容物の視認性及びガスバリヤー性に優れる医療材料又は医療機器用多重袋体及びその製造方法に関する。
骨、軟骨等の硬組織と人工関節との固定用の骨セメント、骨粗しょう症治療用等に用いる骨充填剤、人工骨材料等の様々な硬組織補修用組成物は、一般的には、モノマー、重合体粉末、重合開始剤、造影剤及びその他必要に応じて含まれる成分からなる硬組織補修に用いる全成分を、単独であるいは任意の組合せで分割して3つ以上の部材に収納して硬組織補修用キットとして保存し、使用前に混合して硬組織補修用組成物とする。収納用の部材としては、モノマーや重合開始剤の揮散、飛散を防ぐために、例えば、ガスバリヤー性がある密閉可能な樹脂容器、あるいはガラスアンプル等がある。中でも重合体粉末の収納用部材としては、吸湿を防ぐための密閉性に優れる樹脂フィルムと、エチレンオキサイド(EO)、過酸化水素等のガスによる滅菌を行うための樹脂製不織布や滅菌紙を用いたものが望まれる。
例えば、特許文献1には、生体接着剤塗布用具(注射針、シリンジ、薬液塗布具等)を収納するための包装形態が記載されている。この包装形態の一実施例として、2つの内滅菌袋〔3〕及び〔4〕を更に滅菌袋〔1〕で包装し二重包装とした例が挙げられており、外側の滅菌袋〔1〕の前面は可視光透過率80〜100%の透明フィルムであることが望ましく、背面は全面が白色基調の滅菌紙であることが望ましく、これにより有色の異物の検査を容易にする、と記載されている。
しかしながら、不織布等のガス透過部材の色は一般に白色に近い色である場合が多い。したがって、以上のような包装形態を用いて例えば白色の粉末を収納する場合は、その袋体の背面全面が白色に近い色なので、収納された粉末の視認性が著しく低下してしまい、粉末の残存量や隔たり状態が分かりづらい。なお、その白色の粉末としては、例えば重合体粉末等の白色系の医療材料(硬組織補修用、骨補填材用、骨充填材用、骨接合材用等の重合体粉末等)が挙げられる。
加えて、上記の包装形態は、外側の滅菌袋〔1〕の背面全面に滅菌紙を有し、さらに内滅菌袋〔3〕及び〔4〕の背面にもリボン状の滅菌紙を有するので、ガスに対するバリヤー性がなく、収納されている内容物に水蒸気や酸素が触れてしまう。その結果、内容物の酸化に伴う材質劣化、変性等を防ぐことができず、さらに内容物が粉末等の場合には含有する水分の揮散、吸湿又は乾燥を抑制することができない。一方、上記の包装形態では、滅菌紙を使用しなければ、ガス滅菌をすることができない。
特開2002−238921号公報
本発明は、以上の課題を解決する為になされたものである。すなわち本発明の目的は、医療材料又は医療機器を収納するためのガスバリヤー性に優れる袋体であって、ガス滅菌が可能で、且つ内容物の視認性に優れる袋体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、多重袋体の外側の袋体のガス透過部材を滅菌処理後に除去することにより、ガスバリヤー性を維持しつつ滅菌を可能とし、更に、透明性が高く、内容物の視認性に優れた袋体を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の事項により特定される。
[1]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配され、医療材料又は医療機器を内包する一次袋体(1)、及び、
可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、滅菌ガス透過性部材が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)
を有する医療材料又は医療機器用多重袋体。
[2]一次袋体(1)の少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が帯状に配されている[1]に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
[3]滅菌ガス透過性部材が不織布である[1]又は[2]に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
[4]医療材料が重合体粉末である[1]〜[3]の何れかに記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
[5]重合体粉末が硬組織補修用の重合体粉末である[4]に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
[6]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配され、医療材料又は医療機器を内包する一次袋体(1)、及び、
可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材が配されている二次袋体(2a)
を有する医療材料又は医療機器用多重袋体。
[7]二次袋体(2a)の密封する前の開口部に滅菌ガス透過性部材が配されている[6]に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
[8][1]〜[5]の何れかに記載の医療材料又は医療機器用多重袋体を製造する為の方法であって、
[I]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配された一次袋体(1)に、医療材料又は医療機器を内包させる工程、
[II]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材が配されている二次袋体(2a)に、一次袋体(1)を内包させる工程、
[III]医療材料又は医療機器を内包した一次袋体(1)と該一次袋体(1)を内包した二次袋体(2a)の内部に、滅菌ガス透過性部材を介して滅菌ガスを供給することにより滅菌する工程、
[IV]一次袋体(1)を内包し且つ滅菌された二次袋体(2a)のうち、滅菌ガス透過性部材が配された箇所を除く部分を密封する工程、並びに、
[V]一次袋体(1)を内包し且つ滅菌ガス透過性部材が配された箇所を除く部分が密封された二次袋体(2a)から、滅菌ガス透過性部材を除去することにより、滅菌ガス透過性部材が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)を得る工程
を有する医療材料又は医療機器用多重袋体の製造方法。
本発明によれば、ガス滅菌が可能で、且つ内容物の視認性及びガスバリヤー性に優れる医療材料又は医療機器用多重袋体を提供できる。したがって、視覚的な区別が困難な白色又は白色に近い色の医療材料又は医療機器、例えば硬組織補修用の重合体粉末を収納する袋体及びその製造方法として非常に有用である。
本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の一次袋体(1)において、滅菌ガス透過性部材が配される位置の例を示す模式的平面図である。 本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の一次袋体(1)の内部空間を構成する片面全体の面積を説明する為の模式的平面図である。 本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の二次袋体(2a)において、滅菌ガス透過性部材が配される位置の例を示す模式的平面図である。 二次袋体(2a)の加工部の一例を示す模式的平面図である。 本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の製造方法の一実施形態を説明する為の斜視図である。
<一次袋体(1)>
本発明に用いる一次袋体(1)は、可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配され、医療材料又は医療機器を内包する袋体である。滅菌ガス透過性部材が配される位置は特に限定されず、一次袋体(1)内に滅菌ガスが十分行き渡るような配置であり、且つ内容物の視認性を担保できるような位置であれば良い。
図1は、本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の一次袋体(1)において、滅菌ガス透過性部材4が配される位置の例を示す模式的平面図である。図1(a)に示す一次袋体(1)においては、シート3により構成された袋体の片面中央部に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が縦向きに配されている。図1(b)に示す一次袋体(1)においては、片面左端部に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が縦向きに配されている。図1(c)に示す一次袋体(1)においては、片面中央部やや下側に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が横向きに配されている。図1(d)に示す一次袋体(1)においては、片面に4つの円形の滅菌ガス透過性部材4が等間隔に島状に配されている。
図1(a)〜(d)に示すように、滅菌ガス透過性部材4を片面の一部分のみに配すれば、片面の全面に配する場合と比較して白色系の医療材料又は医療機器の視認性が向上する。なお、図1(a)〜(d)に示す例においては滅菌ガス透過性部材4を片面のみに配しているが、本発明はこれに限定されない。視認性が阻害されない場合は両面に配しても良い。例えば、両面の同じ位置に滅菌ガス透過性部材4を配する場合は、視認性は阻害されない。
一次袋体(1)の滅菌ガス透過性部材4は、内容物の視認性を損なわないような割合で配することが好ましい。具体的には、一次袋体(1)の片面全体の面積を100%とする場合、滅菌ガス透過性部材4が配される部分の面積は、90%以下が好ましく、45%以下がより好ましく、25%以下が特に好ましく、15%以下が最も好ましい。他方、滅菌ガス透過性部材4が配される部分の面積が過少であると、滅菌ガスを袋体の内部に供給しにくくなるので、滅菌が不十分になる恐れがある。そのため、一次袋体(1)の片面全体の面積を100%とする場合、滅菌ガス透過性部材4が配される部分の面積は、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
なお、本発明において、「一次袋体(1)の片面全体の面積」とは、一次袋体(1)の内部空間を構成する内側の片面全体の面積である。したがって、例えば一次袋体(1)の外側の片面全体のうち、袋構造を構築する為のシール部よりも外周端側の外側の面は、「一次袋体(1)の片面全体の面積」には含まれない。図2は、この一次袋体(1)の内部空間を構成する片面全体の面積を説明する為の模式的平面図である。図2に示す例では、一次袋体(1)の下側に融着等の方法によりシール部10が設けられている。この例において、内部空間を構成する領域X(斜線で表される領域)が「一次袋体(1)の片面全体の面積」であり、シール部10よりも外周端側である領域Yは内部空間を構成していないので「一次袋体(1)の片面全体の面積」には含まれない。
図1(a)〜(d)に示す例においては滅菌ガス透過性部材4の形状は帯状又は円形であるが、本発明はこれらに限定されない。例えば、三角形、四角形、ダイヤ形、ハート形であっても良い。中でも、シート3を用いて袋体を製造する工程(折り曲げ、融着等)の容易性の点から、滅菌ガス透過性部材4の形状は帯状が好ましい。
図1(a)〜(c)に示す例においては帯状の滅菌ガス透過性部材4の数は1つであり、図1(d)に示す例においては島状(円形)の滅菌ガス透過性部材4の数は4つであるが、本発明はこれらに限定されない。例えば、帯状の滅菌ガス透過性部材4を2つ以上配しても良いし、島状(円形)の滅菌ガス透過性部材4を5つ以上、又は3つ以下配しても良い。
一次袋体(1)を構成するシート3の可視光透過率は80〜100%であり、好ましくは90〜100%である。このような透明性を有するシート3としては、樹脂シートが好ましい。樹脂シートの具体例としては、ポリエチレンシート、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリスチレンシート、二軸延伸ポリプロピレンシート、ポリ塩化ビニルシート等の透明なシート及びこれらの2つ以上を積層したシートが挙げられる。シート3の厚さは特に限定されないが、通常は10〜100μm、好ましくは40〜70μmである。
本発明において、可視光透過率は紫外可視近赤外分光光度計を用いて測定する。
一次袋体(1)に配される滅菌ガス透過性部材4の種類は特に限定されず、滅菌ガスを透過することにより一次袋体(1)内部に充填できるものであれば良い。滅菌ガス透過性部材4の具体例としては、不織布、滅菌紙が挙げられる。特に、不織布が好ましい。滅菌ガスの具体例としては、エチレンオキサイド(EO)、過酸化水素が挙げられる。
滅菌ガス透過性部材4を一次袋体(1)に配する方法は特に限定されない。例えば一次袋体(1)を構成するシート3に隙間や穴を設け、その上に滅菌ガス透過性部材4を融着する方法がある。
一次袋体(1)に内包される医療材料は特に限定されないが、例えば、重合体粉末(例えば、硬組織補修用、骨補填材用、骨充填材用、骨接合材用等の重合体粉末)、医薬品、生体材料等が挙げられる。一次袋体(1)に内包される医療機器としては、例えばシリンジ、アンプル、注射針、縫合糸等が挙げられる。また、シリンジ、アンプル等の医療材料を収容可能な医療機器に、重合体粉末等の医療材料を収容したものであっても良い。
硬組織補修用の重合体粉末とは、硬組織補修用組成物の一成分である。硬組織補修用組成物は、一般的にモノマー、重合体粉末、重合開始剤、造影剤及びその他必要に応じて含まれる成分を混合して調製される。その組成物は患部に適用することにより使用できる。硬組織補修用組成物の成分は、単独であるいは任意の組合せで分割して3つ以上の部材に収納した硬組織補修用キットとして保存し、使用前に混合して硬組織補修用組成物とすることができる。重合体粉末は単独で一次袋体に収納しても良いし、重合体粉末及びその他必要に応じて含まれる成分の混合物、又は、造影剤が混合された重合体粉末及びその他必要に応じて含まれる成分の混合物の形で一次袋体に収納しても良い。なお、本発明において「硬組織補修用組成物」とは、硬組織同士の接着、硬組織内への充填、硬組織とチタン、セラミックス、ステンレス等の人工物との接着、硬組織と軟組織等の他の組織との接着に用いられるものであって、歯と充填物との接着(即ち、歯科用途)は含まない。
<二次袋体(2)>
本発明に用いる二次袋体(2)は、後述する本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の製造工程において、工程I〜工程IVまでは、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材4が配されている中間製品としての二次袋体(2a)の形態であり、工程Vで滅菌ガス透過性部材4が除去され、滅菌ガス透過性部材4が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された最終製品としての二次袋体(2b)の形態となる。
二次袋体(2a)は、可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材4が配されている。滅菌ガス透過性部材4が配される位置は特に限定されず、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置であれば良い。
図3は、本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の二次袋体(2a)において、滅菌ガス透過性部材4が配される位置の例を示す模式的平面図である。図3(a)に示す二次袋体2aにおいては、シート3により構成された袋体の片面の端部のうち開口部全体に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が横向きに配されている。図3(b)に示す二次袋体(2a)においては、片面の端部のうち開口部のやや下側全体に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が横向きに配されている。図3(c)に示す二次袋体(2a)においては、片面の端部のうち開口部の左側半分に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が横向きに配されている。図3(d)に示す二次袋体(2a)においては、片面の端部のうち右端部全体に、帯状の滅菌ガス透過性部材4が縦向きに配されている。
図3(a)〜(d)に示すように、二次袋体(2a)の端部に滅菌ガス透過性部材4を配することは、滅菌ガス透過性部材4の除去の容易性の点から好ましい。二次袋体(2a)の「端部」とは、一次袋体(1)を内包しない、二次袋体(2a)の周縁を構成する領域をいう。なお、図3(a)〜(d)に示す例においては滅菌ガス透過性部材4を片面のみに配しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、両面の同じ位置に滅菌ガス透過性部材4を配しても良い。
二次袋体(2a)の滅菌ガス透過性部材4の形状は特に限定されないが、除去工程の容易性の点から帯状であることが好ましい。
本発明の多重袋体から内包物を取り出す際は、通常、まず二次袋体(2a)を破って一次袋体(1)を取り出す。この際の破り易さを向上する為の加工部を、二次袋体(2a)に設けても良い。加工部は、通常、二次袋体(2a)の短辺側の端部付近に設ける。図4は、二次袋体(2a)の加工部の一例を示す模式的平面図である。図4に示す例では、加工部11は二次袋体(2a)の下側に設けられている谷形の融着部分である。図4に示すように加工部11を二次袋体(2a)の短辺側(下側)に設けた場合は、もう一方の短辺側(上側)に滅菌ガス透過性部材4を設ける態様[例えば図3(a)〜(c)に示した態様]が好ましい。滅菌ガス透過性部材4を長辺側ではなくもう一方の他の短辺側に設ければ、滅菌ガス透過性部材4を除去する際に加工部11の一部も一緒に除去されることが無いからである。一方、滅菌ガス透過性部材4を長辺側に設ける態様[例えば図3(d)に示した態様]では、滅菌ガス透過性部材4を除去する際に短辺側に設けた加工部11の一部も一緒に除去されてしまう。
<医療材料又は医療機器用多重袋体の製造方法>
図5は、本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の製造方法の一実施形態を説明する為の斜視図である。まず、一次袋体(1)に医療材料又は医療機器を内包させる(工程I)。次に図5(A)に示すように、医療材料又は医療機器を内包させた一次袋体(1)を滅菌ガス透過性部材4が配されている二次袋体(2a)に内包させる(工程II)。そして、滅菌ガス透過性部材4を介して一次袋体(1)と二次袋体(2a)の内部に、滅菌ガスを供給することにより滅菌し(工程III)、図5(B)に示すように、二次袋体(2a)のうち滅菌ガス透過性部材4が配された箇所を除く部分を密封する(工程IV)。最後に図5(C)に示すように、二次袋体(2a)から滅菌ガス透過性部材4を除去することにより、滅菌ガス透過性部材4が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)を得る(工程V)。
工程IIにおいては、一次袋体(1)に医療材料又は医療機器を内包させた後に、一次袋体(1)の開口部は熱融着等の方法により閉じることが好ましい。
工程IIIのガス滅菌処理は、例えば、一次袋体(1)を内包した二次袋体(2a)を気密性を有する容器中に入れて容器内を減圧し、一次袋体(1)及び二次袋体(2a)内部の空気を排出させた後、エチレンオキサイド(EO)ガス等を容器内に満たして一次袋体(1)及び二次袋体(2a)内部にガスを浸透させて滅菌することにより行う。工程IIIの滅菌処理は、1回の処理で、一次袋体(1)と二次袋体(2a)を含む医療材料又は医療機器用多重袋体の全体を滅菌できる点で効率が良い。
滅菌処理後は、二次袋体(2a)の滅菌ガス透過性部材4の下縁部分に近接する部分を熱融着等によりシールし、外気が医療材料又は医療機器用多重袋体内部に入らないように密封する(工程IV)。シールする部分は滅菌ガス透過部材4が配されている位置に応じて決定すれば良い。そして、最後に二次袋体(2a)から滅菌ガス透過性部材4を除去することにより滅菌ガス透過性部材4が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)を得る。滅菌ガス透過性部材4の除去は、例えば、カット器等の除去機能を備えた溶融機を用いれば溶融と除去を同時に行うことができ、熱で溶融すれば除去と同時に除去部が熱融着されるので密閉が可能となる。
本発明の製造方法によれば、一次袋体(1)と二次袋体(2a)に滅菌ガス透過性部材4が配されているので、ガス滅菌が可能であると共に、ガス滅菌後は二次袋体(2a)から滅菌ガス透過性部材4を除去するので、ガスバリヤー性を維持しつつ滅菌を可能とし、更に、透明性が高く、内容物の視認性に優れる医療材料又は医療機器用多重袋体を提供することができる。
<医療材料又は医療機器用多重袋体>
本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体は、一次袋体(1)と二次袋体(2a又は2b)を有する多重袋体である。多重袋体であることにより、ガスバリヤー性が向上する。また、本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体は、中間製品の段階において一次袋体(1)及び二次袋体(2a)が滅菌ガス透過性部材を有するので、内部を滅菌ガスにより滅菌できる。したがって、医療材料又は医療機器を収納する用途に好適である。
本発明の医療材料又は医療機器用多重袋体の最終製品(一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b))は、不織布等からなる滅菌ガス透過性部材が除去されているので、透明性が高く、内容物の視認性に優れる。したがって、視覚的な区別が困難な医療材料又は医療機器、例えば、重合体粉末、中でも硬組織補修用の重合体粉末を収納する用途に好適である。
1 一次袋体(1)
2a 二次袋体(2a)
2b 二次袋体(2b)
3 シ−ト
4 滅菌ガス透過性部材
10 シール部
11 加工部
X 内部空間を構成する領域(一次袋体(1)の片面全体の面積)
Y 領域(一次袋体(1)の片面全体の面積には含まれない)

Claims (8)

  1. 可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配され、医療材料又は医療機器を内包する一次袋体(1)、及び、
    可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、滅菌ガス透過性部材が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)
    を有する医療材料又は医療機器用多重袋体。
  2. 一次袋体(1)の少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が帯状に配されている請求項1に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
  3. 滅菌ガス透過性部材が不織布である請求項1又は2に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
  4. 医療材料が重合体粉末である請求項1〜3の何れかに記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
  5. 重合体粉末が硬組織補修用の重合体粉末である請求項4に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
  6. 可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配され、医療材料又は医療機器を内包する一次袋体(1)、及び、
    可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材が配されている二次袋体(2a)
    を有する医療材料又は医療機器用多重袋体。
  7. 二次袋体(2a)の密封する前の開口部に滅菌ガス透過性部材が配されている請求項6に記載の医療材料又は医療機器用多重袋体。
  8. 請求項1〜5の何れかに記載の医療材料又は医療機器用多重袋体を製造する為の方法であって、
    [I]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、少なくとも片面の一部分に滅菌ガス透過性部材が配された一次袋体(1)に、医療材料又は医療機器を内包させる工程、
    [II]可視光透過率80〜100%のシートにより構成され、一次袋体(1)を内包させて密封した後に除去可能となる位置に滅菌ガス透過性部材が配されている二次袋体(2a)に、一次袋体(1)を内包させる工程、
    [III]医療材料又は医療機器を内包した一次袋体(1)と該一次袋体(1)を内包した二次袋体(2a)の内部に、滅菌ガス透過性部材を介して滅菌ガスを供給することにより滅菌する工程、
    [IV]一次袋体(1)を内包し且つ滅菌された二次袋体(2a)のうち、滅菌ガス透過性部材が配された箇所を除く部分を密封する工程、並びに、
    [V]一次袋体(1)を内包し且つ滅菌ガス透過性部材が配された箇所を除く部分が密封された二次袋体(2a)から、滅菌ガス透過性部材を除去することにより、滅菌ガス透過性部材が配されておらず、一次袋体(1)を内包し且つ密封された二次袋体(2b)を得る工程
    を有する医療材料又は医療機器用多重袋体の製造方法。
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