JP2019058255A - 磁気治療具 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して磁力をより遠くに届けることができる磁気治療具を提供する。【解決手段】長手方向に延びた軟質性紐状体と、前記軟質性紐状体の内部に収容されている磁力発生部材とを有し、前記磁力発生部材が、2個以上の磁石と、前記2個以上の磁石を互いに反発する位置関係で支持固定する収納ケースとを含むことを特徴とする磁気治療具。【選択図】図1

Description

本発明は、首や腕などに掛けて使用され、磁気の作用により、血行促進などの効果が期待される磁気治療具に関する。
磁石を有するネックレスやブレスレットを身に着けると、磁気の作用により、血行促進などの効果が得られることが知られている。例えば、柔軟で折り曲げ可能な軟質性紐状体と、その軟質性紐状体の内部に収容された磁石と、その軟質性紐状体の両端に備えられた連結具とを有する磁気治療具が知られている。
特許文献1には、シリコーンゴムに複数の磁石を収容した可撓性を有する長尺な磁性部(軟質性紐状体)を備えた磁気治療具が開示されている。この特許文献1には、磁気治療具の製造方法として、磁性部に対応する上型と下型とを備えた金型を用い、金型の磁性部に対応する部分にシリコーンゴムをセットし、そのセットしたシリコーンゴムに磁性体を配置した後、プレス成型する方法が開示されている。
特開2009−18060号公報
磁気治療具による磁気の作用を安定して得るためには、磁力を安定してより遠く(すなわち、人体の内部に深く)に届くようにすることが望ましい。磁気治療具の磁力を安定してより遠くに届けるためには、磁石の向きや間隔が不均一とならないように、磁石を軟質性紐状体の内部に精度よく配置することが必要となる。
しかしながら、特許文献1に開示されているプレス成型では、金型にセットした硬化前のシリコーンゴムに磁性体を配置しているため、磁石を精度よく配置することが煩雑である。また、磁石を配置した後、プレス成型するため、磁石の位置ずれが生じるおそれもある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、安定して磁力をより遠くに届けることができる磁気治療具を提供することにある。
本発明の発明者は、2個以上の磁石を、それぞれが互いに反発する位置関係で配置することによって、磁石を1個単独で使用するよりも磁力をより遠くに届けることが可能となることを見出した。そして、2個以上の磁石を、収納ケースを用いて互いに反発する位置関係で支持固定した磁力発生部材として、軟質性紐状体の内部に収容することによって、2個以上の磁石を精度よく配置することができ、安定して磁力をより遠くに届けることが可能となることを確認して、本発明を完成させた。
従って、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様にかかる磁気治療具は、長手方向に延びた軟質性紐状体と、前記軟質性紐状体の内部に収容されている磁力発生部材とを有し、前記磁力発生部材が、2個以上の磁石と、前記2個以上の磁石を互いに反発する位置関係で支持固定する収納ケースとを含むことを特徴としている。
(2)上記(1)に記載の磁気治療具において、前記2個以上の磁石は、前記軟質性紐状体の前記長手方向に沿って隣り合うように配置されていてもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の磁気治療具において、前記磁石は異方性磁石であってもよい。
(4)上記(1)〜(3)のうちいずれか1つに記載の磁気治療具において、さらに、前記軟質性紐状体の一端側に形成された第1クラスプ部および他端側に形成された第2クラスプ部を有し、前記第1クラスプ部および前記第2クラスプ部のうち、少なくともいずれか一方には、前記第1クラスプ部と前記第2クラスプ部とを脱着自在に係着させる係着手段が形成されていてもよい。
本発明によれば、安定して磁力をより遠くに届けることができる磁気治療具を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の平面図である。 図1の磁気治療具の第1クラスプ部と第2クラスプ部を外した状態を示す平面図である。 図2のA部分の長手方向に沿った断面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具において用いられている磁力発生部材を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)−(b)線断面図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具において用いられる磁石周辺の磁束線を説明する概念図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の製造方法を説明するフロー図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の製造方法における磁石材固定部材作製工程で用いる磁石材固定部材作製用金型を説明する図であって、(a)は磁石材固定部材作製用金型の縦断面図であり、(b)は(a)の(b)−(b)線断面図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の製造方法における第1紐状部材形成工程で用いる第1紐状部材形成用金型を説明する図であって、(a)は第1紐状部材形成用金型の縦断面図であり、(b)は(a)の(b)−(b)線断面図である。 本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の製造方法における接合体成形工程で用いる軟質性紐状体形成用金型を説明する図であって、(a)は軟質性紐状体形成用金型の縦断面図であり、(b)は(a)の(b)−(b)線断面図である。
以下、本発明について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。
図1は、本発明の一実施形態にかかる磁気治療具の平面図である。図2は、図1の磁気治療具の第1クラスプ部30aと第2クラスプ部30bを外した状態を示す平面図である。図3は、図2のA部分の長手方向に沿った断面図であり、図4は、図3のIV−IV線断面図である。図5は、本発明の一実施形態にかかる磁気治療具で用いられている磁力発生部材の外観図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(b)−(b)線断面図である。
図1〜5に示すように、本実施形態の磁気治療具1は、長手方向に延びた軟質性紐状体10と、軟質性紐状体10の内部に収容されている磁力発生部材24とを有する。磁力発生部材24は、軟質性紐状体10の長手方向に沿って隣り合うように、複数個収容されている。磁力発生部材24は、2個の異方性磁石20a、20bと、異方性磁石20a、20bを互いに反発する位置関係で支持固定する収納ケース21とを含む。
磁気治療具1は、軟質性紐状体10の一端側に形成された第1クラスプ部30aおよび他端側に形成された第2クラスプ部30bを有する。第1クラスプ部30aと第2クラスプ部30bを係着させることによって、磁気治療具1は、図1に示すようにリングを形成する。リングを形成している磁気治療具1は、例えば、磁気ネックレス、磁気ブレスレットとして使用される。
(軟質性紐状体)
軟質性紐状体10は、−60℃以上60℃以下の温度範囲で、折り曲げ可能な弾性体であることが好ましい。
軟質性紐状体10の断面形状は、本実施形態では円形であるが、折り曲げ可能であれば、特に制限はなく、例えば、楕円形、多角形としてもよい。軟質性紐状体10の径(図3、4においてφ)は、特に限定されないが、例えば、0.3cm以上2cm以下の範囲である。また、軟質性紐状体10の長さ方向の長さは、特に限定されないが、例えば、ネックレスとして使用されるものは、30cm以上70cm以下の範囲であり、ブレスレットとして使用されるものは、10cm以上30cm以下の範囲である。
軟質性紐状体10は、長手方向に延びた第1紐状部材11と第2紐状部材15とを接合した接合体とされている。第1紐状部材11および第2紐状部材15は、軟質樹脂から形成されていることが好ましい。軟質樹脂としては、ゴムおよびエラストマーを用いることができる。ゴムの例としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴムが挙げられる。エラストマーの例としては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマーが挙げられる。第1紐状部材11および第2紐状部材15は、それぞれ異なる軟質樹脂から形成されていてもよいが、接合強度の観点から同一種の軟質樹脂によって形成されていることが好ましい。本実施形態では、第1紐状部材11と第2紐状部材15はともにシリコーンゴムを用いている。シリコーンゴムを用いることによって、軟質性紐状体10は、軽量で柔軟性が高くなるとともに、生体親和性に優れたものとなる。
第1紐状部材11は、第2紐状部材15と接合する面に凹状に形成された凹状磁力発生部材支持部12を有し、磁力発生部材24の少なくとも一部が凹状磁力発生部材支持部12に挿入されている。本実施形態では、磁力発生部材24の50体積%以上の部分が、凹状磁力発生部材支持部12に挿入されている。磁力発生部材24が凹状磁力発生部材支持部12に挿入されて、支持されることによって、磁力発生部材24の配置位置が凹状磁力発生部材支持部12で決まるため、磁力発生部材24の配置位置をより精度よく保持することができる。
凹状磁力発生部材支持部12の開口サイズは、磁力発生部材24の底面(凹状磁力発生部材支持部12に挿入される側の下面)のサイズと同じもしくはわずかに狭い方が好ましい。この場合、凹状磁力発生部材支持部12と磁力発生部材24の保持力が高くなるので、磁力発生部材24の配置位置がずれにくくなり、磁力発生部材24の配置位置を精度よく保持できる。ただし、凹状磁力発生部材支持部12の開口サイズが狭くなり過ぎると、凹状磁力発生部材支持部12に磁力発生部材24を挿入しにくくなるおそれがある。このため、凹状磁力発生部材支持部12の開口サイズは、磁力発生部材24の底面のサイズに対して95%以上であることが好ましい。
本実施形態において、第1紐状部材11は、長手方向に沿った中央部に、長手方向に沿った両側部よりも盛り上がった凸部13を有し、凸部13に凹状磁力発生部材支持部12が設けられている。本実施形態では、凸部13の断面形状は、上底が下底よりも短い台形状とされている。凸部13を設けることによって、凹状磁力発生部材支持部12が深くなり、第1紐状部材11と磁力発生部材24の保持力が向上する。このため、磁力発生部材24の配置位置がよりずれにくくなり、磁力発生部材24の配置位置をより精度よく保持できる。また、凸部13を設けることによって、第1紐状部材11と第2紐状部材との接合面積が広くなるので、第1紐状部材11と第2紐状部材15との接合力が強くなる。
第2紐状部材15は、第1紐状部材11と接合する面に凹状に形成された凹状磁力発生部材収容部16を有し、磁力発生部材24の少なくとも一部が凹状磁力発生部材収容部16に収容されている。磁力発生部材24が凹状磁力発生部材収容部16に収容されることによって、第2紐状部材15と磁力発生部材24との密着力が向上する。このため、磁力発生部材24の配置位置がさらにずれにくくなり、磁力発生部材24の向きや間隔をさらに精度よく調整できる。また、第1紐状部材11と第2紐状部材15との接合力が強くなる。
(磁力発生部材)
磁力発生部材24は、2個の異方性磁石20a、20bと、異方性磁石20a、20bを支持固定する収納ケース21とを含む。収納ケース21は、異方性磁石20aと異方性磁石20bとを互いに反発する位置関係で支持固定している。具体的には、収納ケースは、異方性磁石20aと異方性磁石20bとを、互いに磁極が同じ側を向き、かつ互いに隣接するように支持固定している。
(収納ケース)
収納ケース21は、図5に示すように、異方性磁石20a、20bのそれぞれの幅方向(Y方向)と高さ方向(Z方向)の周囲を覆う縦部22a、22bと、異方性磁石20a、20bの長手方向(X方向)に連結する長手部23とが一体的に成形された成形体である。
収納ケース21は、軟質性紐状体10の材料よりも硬く、形状安定性が高い硬質樹脂で形成されていることが好ましい。硬質樹脂としては、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂の例としては、ポリフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂の例としては、耐熱ポリアミド樹脂、ポロフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が挙げられる。
(異方性磁石)
異方性磁石20a、20bは、図5に示すように、磁化方向が目視で判別できるように長方体または断面楕円状の円柱体にすることが望ましい。本実施形態では、幅方向(Y方向)の長さW、高さ方向(Z方向)の長さH、長手方向(X方向)の長さLが、1:2:4とされている。また、異方性磁石20aと異方性磁石20bの間の長さLは、異方性磁石20aと異方性磁石20bとが互いに反発する長さとされている。
また、異方性磁石20a、20bの高さ方向の長さHは、軟質性紐状体10の径φに対して、50%以上80%以下の範囲にあることが好ましい。Hがこの範囲にあると、異方性磁石20a、20bを凹状磁力発生部材収容部16で安定に支持することができ、異方性磁石20a、20bの配置位置がずれにくくなるとともに、高さ方向の軟質性紐状体10の厚さが薄くなり過ぎず、折り曲げなどによる軟質性紐状体10の割れや破損が生じにくくなる。
さらに、異方性磁石20a、20bの角および辺は、面取りまたはR加工されていることが好ましい。これによって、例えば、軟質性紐状体10が過剰に折り曲げられたとき、あるいは軟質性紐状体10に過度に圧力が負荷されたときでも異方性磁石20a、20bに微細な割れや欠けが生じにくくなる。
異方性磁石20a、20bの材料としては、希土類磁石、異方性フェライト磁石、異方性ラバー磁石など磁気治療具用の磁石として通常、使用されているものを利用することができる。本実施形態では、異方性磁石20a、20bとして希土類磁石を用いている。
上述のとおり、異方性磁石20aと異方性磁石20bとは互いに反発する位置関係で支持固定されている。これによって、磁力発生部材24は、単独の異方性磁石と比較して、遠く離れた位置に磁気を届けることが可能な強い磁力を発生させることができる。この理由を、図6を参照しながら説明する。
図6(a)は、異方性磁石20を単独で配置したときの異方性磁石20の周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図6(a)において破線で表されるように、異方性磁石20を単独で配置した場合、近くに他の磁石が配置されていないため、異方性磁石20の周辺は、異方性磁石20のN極から磁束が出て、同じ異方性磁石20のS極に戻り、異方性磁石20から近い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石20の磁束は、異方性磁石20から遠くへ及ばない。
図6(b)は、異なる磁極が同じ側を向く2個の異方性磁石20a、20bを、互いに隣接するように配置したときの異方性磁石20a、20bの周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図6(b)において破線で表されるように、異なる磁極が同じ側を向く2個の異方性磁石20a、20bを、互いに隣接するように配置した場合、一方の異方性磁石のN極と他方の異方性磁石のS極とが接近して配置されているため、異方性磁石20a、20bのN極から出た磁束は、近接する他の異方性磁石のS極か、又は同じ異方性磁石のS極へ戻る。従って、異方性磁石20a、20bから近い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石20a、20bの磁束は、異方性磁石20a、20bから遠くへ及ばない。
図6(c)は、同じ磁極が同じ側を向く2個の異方性磁石20a、20bを、互いに隣接するように配置したときの異方性磁石20a、20bの周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図6(c)において破線で表されるように、同じ磁極が同じ側を向く2個の異方性磁石20a、20bを、互いに隣接するように配置した場合、一方の異方性磁石のN極(又はS極)と他方の異方性磁石のN極(又はS極)とが接近して配置されているため、異方性磁石20a、20bのN極から出た磁束は、近接する他の異方性磁石のN極の影響により、異方性磁石に近接する領域を通過してS極へ戻ることが阻害される。従って、異方性磁石20a、20bから遠い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石20a、20bから遠く離れた位置に磁気を届けることができる。
本実施形態では、磁力発生部材24を構成する2個の異方性磁石20a、20bを揃えて(平行)に並べる必要がある。着磁の際、磁界を印加する方向は一定のため、磁石材の向きが揃っていないと規定の磁界を得られない場合がある。従って、着磁をさせる前の磁石材を軟質性紐状体の内部に精度よく配置することが必要となる。
(第1クラスプ部、第2クラスプ部)
第1クラスプ部30aおよび第2クラスプ部30bは、その少なくとも一方に、第1クラスプ部30aと第2クラスプ部30bとを脱着自在に係着させる係着手段が形成されている。係着手段としては、例えば、永久磁石を用いることができる。
(磁気治療具の製造方法)
次に、本実施形態の磁気治療具1の製造方法について、図7〜図10を参照して説明する。
本実施形態の磁気治療具1の製造方法は、図7に示すように、磁石材固定部材作製工程S01と、第1紐状部材形成工程S02と、接合体成形工程S03と、着磁工程S04とを有する。
(磁石材固定部材作製工程)
磁石材固定部材作製工程S01では、異方性磁石材25a、25bを収納ケース21で固定した磁石材固定部材26を作製する。
異方性磁石材25a、25bは、着磁によって、異方性磁石20a、20bを生成する部材である。異方性磁石材25a、25bは長方体であり、角および辺は面取りまたはR加工されている。これによって、収納ケース21で支持固定する際の作業を円滑に行うことが可能となる。異方性磁石材25a、25bは、例えば、磁界を印加しながら、磁石材料の粉体を固めることにより作製することができる。これにより磁化容易軸が揃った異方性磁石材25a、25bを得ることができる。
磁石材固定部材26は、異方性磁石材25a、25bをインサートした磁石材固定部材作製用金型40に硬質性樹脂材料を流し込み、次いで硬質性樹脂材料を硬化させて、収納ケース21を形成させることによって作製することができる。
具体的には、図8に示すように、第1金型41(下型)と第2金型42(上型)を組み合わせることによって、内部に磁石材固定部材26の形状を形成する磁石材固定部材作製用金型40を用意する。先ず、この磁石材固定部材作製用金型40の第1金型41(下型)と第2金型42の間に、異方性磁石材25a、25bを配置する。次いで、磁石材固定部材作製用金型40の内部に、収納ケース21を構成する硬質性樹脂材料、例えば硬質性樹脂の溶融体を導入し、硬質性樹脂の溶融体を硬化させることによって、異方性磁石材25a、25bを収納ケース21で固定した磁石材固定部材26を得ることができる。異方性磁石材25a、25bはそれぞれ磁性を有していないので、第1金型41に配置する際には互いに反発しない。このため、異方性磁石材25a、25bは第1金型41に精度よく配置することができる。
(第1紐状部材形成工程)
第1紐状部材形成工程S02では、上記磁石材固定部材作製工程S01で作製した磁石材固定部材26を支持固定した第1紐状部材11を形成する。第1紐状部材11は、例えば、インサート成型によって形成することができる。
具体的には、図9に示すように、第1金型51(下型)と第2金型52(上型)を組み合わせることによって、内部に第1紐状部材11の形状を形成する第1紐状部材形成用金型50を用意する。先ず、この第1紐状部材形成用金型50の第1金型41(下型)と第2金型42の間に、上記磁石材固定部材作製工程S01で作製した磁石材固定部材26と、第1紐状部材11を構成する軟質樹脂材料、例えば、未硬化のシリコーンゴムとを配置する。次いで、第1紐状部材形成用金型50を加熱して、未硬化のシリコーンゴムを硬化させることによって、磁石材固定部材26を支持固定した第1紐状部材11を得ることができる。
(接合体成形工程)
接合体成形工程S03では、上記第1紐状部材形成工程S02で形成した第1紐状部材11の磁石材固定部材26が支持固定されている側の表面に、第2紐状部材15を接合させて、接合体(磁石材固定部材26が内部に収容されている軟質性紐状体10)を得る。接合体は、例えば、インサート成型によって形成することができる。
具体的には、図10に示すように、第1金型61(下型)と第2金型62(上型)を組み合わせることによって、内部に軟質性紐状体10の形状を形成する軟質性紐状体形成用金型60を用意する。先ず、この軟質性紐状体形成用金型60の第1金型61(下型)と第2金型62の間に、上記第1紐状部材形成工程S02で作製した磁石材固定部材26と、軟質樹脂材料、例えば、軟質樹脂としてシリコーンゴムを用いる場合は、未硬化のシリコーンゴムとを配置する。次いで、軟質性紐状体形成用金型60を加熱して、硬化させることによって、第2紐状部材15を生成させるとともに第1紐状部材11と第2紐状部材15とを接合させて接合体(磁石材固定部材26が内部に収容されている軟質性紐状体10)を得る。
(着磁工程)
着磁工程S04では、上記接合体成形工程S03で得られた接合体の異方性磁石材25a、25bを着磁させる。異方性磁石材25a、25bを着磁させる方法としては、一般に磁石材を着磁させるために使用されている着磁器を用いることができる。このとき、着磁の磁界方向と異方性磁石材25a、25bの向きを揃えて着磁を行う。特に異方性磁石材の場合には、磁化容易軸が揃っているので異方性磁石材の向きが揃っていないと、一定方向の磁界を印加して着磁を行った時に、それぞれの磁石において十分な磁力が発現しないおそれがある。本実施形態の場合には、異方性磁石材25a、25bの向きや間隔が不均一とならないように、異方性磁石材25a、25bを精度よく配置することができるので、着磁工程S04により十分な磁力を得ることができる。
以上のようにして、長手方向に延びた軟質性紐状体10と、軟質性紐状体10の内部に収容されている磁力発生部材24とを有する磁気治療具が得られる。この磁気治療具の軟質性紐状体10に、第1クラスプ部30aと第2クラスプ部30bを形成することによって、本実施形態の磁気治療具1が完成する。第1クラスプ部30aと第2クラスプ部30bは、例えば、接合体成形工程S03で得られた接合体の両端に取り付ければよい。
以上のように構成された本実施形態の磁気治療具1においては、2個の異方性磁石20a、20bがそれぞれ互いに反発する位置関係で配置されているので、磁石を1個単独で使用するよりも磁力をより遠くに届けることが可能となる。
また、本実施形態の磁気治療具1においては、2個の異方性磁石20a、20bが、収納ケース21を用いて互いに反発する位置関係で支持固定した磁力発生部材24として、軟質性紐状体10の内部に収容されているので、2個の異方性磁石20a、20bを精度よく配置することができ、安定して磁力をより遠くに届けることが可能となる。
本実施形態の磁気治療具1の製造方法においては、磁石材固定部材作製工程S01で用いる異方性磁石材25a、25bは磁性を有しないため、異方性磁石材25a、25bを第1金型41に精度よく配置することができる。また、異方性磁石材25a、25bを収納ケース21で支持固定した磁石材固定部材26とした後で、第1紐状部材形成工程S02と接合体成形工程S03により、磁石材固定部材26を軟質性紐状体10の内部に収容するので、異方性磁石材25a、25bの向きや間隔が不均一となりにくい。そして、着磁工程S04で、収納ケース21で固定された異方性磁石材25a、25bを着磁させるので、互いに反発する位置関係であっても異方性磁石材25a、25bを確実に、かつ安定に着磁させることができる。従って、本実施形態の製造方法によれば、安定して磁力をより遠くに届けることができる磁気治療具1を、工業的に有利に製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
例えば、本実施形態の磁気治療具1では、磁力発生部材24は、2個の異方性磁石20a、20bを含む構成とされているが、異方性磁石を3個以上含む構成であってもよい。具体的には、異方性磁石20aまたは異方性磁石20bの隣に別の異方性磁石を配置してもよい。この場合、別の異方性磁石と異方性磁石20aまたは異方性磁石20bとは互いに反発する位置関係で支持固定されていることが必要である。
また、本実施形態の磁気治療具1では、磁石として長方体の異方性磁石20a、20bを用いているが、これに限定されるものではない。具体的には、磁石として等方性磁石を用いてもよい。また磁石の形状は、楕円柱状、多角柱状などの柱状とすることができる。
また、本実施形態の磁気治療具1では、第1紐状部材11の凸部13は上底が下底よりも短い台形状とされているが、これに限定されるものではない。具体的には、凸部13は半円状、半楕円状とすることができる。また、凸部13を設けなくてもよい。
さらに、本実施形態の磁気治療具1では、複数個の磁力発生部材24が、軟質性紐状体10の長手方向に沿って隣り合うように、分離した状態で軟質性紐状体10の内部に収容されているが、軟質性紐状体10は、内部に複数個の磁力発生部材24を連結する硬質性紐状体を備えていてもよい。硬質性紐状体としては、耐熱ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等で形成された紐状部材を用いることができる。複数個の磁力発生部材24を、硬質性紐状体を用いて連結することによって、磁気治療具1を長手方向に引っ張ったときに、軟質性紐状体10が伸びにくくなる。
1…磁気治療具、10…軟質性紐状体、11…第1紐状部材、12…凹状磁力発生部材支持部、13…凸部、15…第2紐状部材、16…凹状磁力発生部材収容部、20、20a、20b…異方性磁石、21…収納ケース、22a、22b…縦部、23…長手部、24…磁力発生部材、25a、25b…異方性磁石材、26…磁石材固定部材、30a…第1クラスプ部、30b…第2クラスプ部、40…磁石材固定部材作製用金型、41…第1金型、42…第2金型、50…第1紐状部材形成用金型、51…第1金型、52…第2金型、60…軟質性紐状体形成用金型、61…第1金型、62…第2金型

Claims (4)

  1. 長手方向に延びた軟質性紐状体と、前記軟質性紐状体の内部に収容されている磁力発生部材とを有し、
    前記磁力発生部材が、2個以上の磁石と、前記2個以上の磁石を互いに反発する位置関係で支持固定する収納ケースとを含むことを特徴とする磁気治療具。
  2. 前記2個以上の磁石が、前記軟質性紐状体の前記長手方向に沿って隣り合うように配置されている請求項1に記載の磁気治療具。
  3. 前記磁石が異方性磁石である請求項1又は2に記載の磁気治療具。
  4. さらに、前記軟質性紐状体の一端側に形成された第1クラスプ部および他端側に形成された第2クラスプ部を有し、前記第1クラスプ部および前記第2クラスプ部のうち、少なくともいずれか一方には、前記第1クラスプ部と前記第2クラスプ部とを脱着自在に係着させる係着手段が形成されている請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の磁気治療具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7448266B1 (ja) 2023-08-01 2024-03-12 株式会社コラントッテ 紐状磁石とその着磁方法、磁気治療具及び着磁器

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