JP2019051198A - 磁気治療具およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石を収容した軟質性紐状体に対して長手方向や捻り方向に応力が加わっても、磁石の収容部分から軟質性紐状体が破損することを防止できる磁気治療具およびその製造方法を提供する。【解決手段】磁石と、少なくとも前記磁石の一部分を収容する磁石ケースと、前記磁石ケースおよび前記磁石を収容し長手方向に延びる軟質性紐状体と、を有することを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、首や腕などに掛けて使用され、磁気の作用により、血行促進などの効果が期待される磁気治療具およびその製造方法に関する。
磁石を有するネックレスやブレスレットを身に着けると、磁気の作用により、血行促進などの効果が得られることが知られている。例えば、柔軟で折り曲げ可能な軟質性紐状体と、その軟質性紐状体の内部に収容された磁石と、その軟質性紐状体の両端に備えられた連結具とを有する磁気治療具が知られている。
特許文献1には、シリコーンゴムに複数の磁石を収容した可撓性を有する長尺な磁性部(軟質性紐状体)を備えた磁気治療具が開示されている。この特許文献1には、磁気治療具の製造方法として、磁性部に対応する上型と下型とを備えた金型を用い、金型の磁性部に対応する部分にシリコーンゴムをセットし、そのセットしたシリコーンゴムに磁性体を配置した後、プレス成型する方法が開示されている。
特開2009−18060号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来の磁気治療具は、磁性体を直接、シリコーンゴムで被覆する構成であるため、磁性体が配置された部分のシリコーンゴムの厚みが、磁性体が配置されていない部分のシリコーンゴムの厚みよりも大幅に薄くなる。このため、例えば、シリコーンゴムが長手方向に引き延ばされるように応力が加わった場合や、シリコーンゴムが捻じれるように応力が加わった場合などにおいて、磁性体が配置されたシリコーンゴムの厚みが薄い部分に応力が集中し、この部分からシリコーンゴムが裂ける虞があった。
本発明は、前述した状況に鑑みてなされたものであって、磁石を収容した軟質性紐状体に対して長手方向や捻り方向に応力が加わっても、磁石の収容部分から軟質性紐状体が破損することを防止できる磁気治療具およびその製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明の磁気治療具は、磁石と、少なくとも前記磁石の一部分を収容する磁石ケースと、前記磁石ケースおよび前記磁石を収容し長手方向に延びる軟質性紐状体と、を有することを特徴とする。
また、本発明では、前記磁石ケースは、前記軟質性紐状体を構成する軟質性樹脂材料が貫通する貫通孔を備えていることが好ましい。
また、本発明では、前記磁石ケースは、硬質性樹脂材料から形成されていることが好ましい。
本発明の磁気治療具の製造方法は、前記各項記載の磁気治療具の製造方法であって、前記磁石ケースを成形するための第1金型内に前記磁石を予め配置してから前記磁石ケースを構成する樹脂材料を前記第1金型内に導入して、前記磁石を収容した前記磁石ケースを成形する第1インサート成形工程と、前記軟質性紐状体を成形するための第2金型内に前記磁石を収容した前記磁石ケースを予め配置してから前記軟質性紐状体を構成する樹脂材料を前記第2金型内に導入して、前記磁石ケースを収容した前記軟質性紐状体を成形する第2インサート成形工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明によれば、磁石を収容した軟質性紐状体に対して長手方向や捻り方向に応力が加わっても、磁石の収容部分から軟質性紐状体が破損することを防止できる磁気治療具およびその製造方法を提供することが可能になる。
本発明の第1実施形態にかかる磁気治療具(係着状態)を示す外観斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる磁気治療具(開放状態)を示す正面図である。 図2の要部拡大断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる磁気治療具の要部拡大断面図である。 異方性磁石の作用を説明する説明図である。 本発明の磁気治療具の製造方法を段階的に示した要部拡大断面図である。 本発明の磁気治療具の製造方法を段階的に示した要部拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態の磁気治療具およびその製造方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
「磁気治療具:第1実施形態」
図1は、本発明の第1実施形態にかかる磁気治療具(係着状態)を示す外観斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態にかかる磁気治療具(開放状態)を示す正面図である。
本実施形態の磁気治療具1は、軟質性紐状体10と、軟質性紐状体10の内部に収容されている磁石20とを有する。磁気治療具1は、軟質性紐状体10の一端側および他端側にそれぞれ形成され、前記軟質性紐状体の端部どうしを脱着可能に接続するクラスプ部30を有している。
クラスプ部30は、軟質性紐状体10の一端側に形成された第1クラスプ部30Aと、軟質性紐状体10の他端側に形成された第2クラスプ部30Bと、から構成されている。これら第1クラスプ部30Aおよび第2クラスプ部30Bを互いに係着することによって、図1に示すようにリングを形成する。リングを形成している磁気治療具1は、例えば、磁気ネックレス、磁気ブレスレットとして使用される。
軟質性紐状体10の断面形状は本実施形態では円形であるが、折り曲げ可能であれば、その断面形状に、特に制限はなく、例えば、楕円形、多角形としてもよい。軟質性紐状体10の直径は、特に限定されないが、例えば、0.3cm以上2cm以下の範囲である。また、軟質性紐状体10の長さ方向の長さは、特に限定されないが、例えば、ネックレスとして使用されるものは、30cm以上70cm以下の範囲であり、ブレスレットとして使用されるものは、10cm以上30cm以下の範囲である。
図3(a)は、本実施形態の磁気治療具における直方体の磁石の一面に沿った要部拡大断面図である。図3(b)は、図3(a)のA−A’線に沿った要部拡大断面図である。図3(c)は、図3(a)のB−B’線に沿った要部拡大断面図である。
本実施形態の軟質性紐状体10は、長手方向に延びた第1紐状部材11と第2紐状部材15とを接合した接合体である。第1紐状部材11および第2紐状部材15は、軟質樹脂から形成されていることが好ましい。第1紐状部材11および第2紐状部材15を構成する軟質樹脂は、例えば、−60℃以上150℃以下の温度範囲で折り曲げ可能な弾性体であることが好ましい。
第1紐状部材11および第2紐状部材15を構成する軟質樹脂としては、ゴムおよびエラストマーを用いることができる。ゴムの例としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴムが挙げられる。エラストマーの例としては、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマーが挙げられる。第1紐状部材11および第2紐状部材15は、それぞれ異なる軟質樹脂から形成されていてもよいが、接合強度の観点から同一種の軟質樹脂から形成されていることが好ましい。本実施形態では、第1紐状部材11と第2紐状部材15ともにシリコーンゴムを用いている。
なお、軟質性紐状体10は、一端側と他端側を除いた領域と磁石20を保持した磁石ケース22の貫通孔22bの領域は第1紐状部材11だけで形成されている。
また、本実施形態では、軟質性紐状体10を第1紐状部材11と第2紐状部材15とを接合したものから構成しているが、これ以外にも、軟質性紐状体10全体を単一の軟質樹脂で構成することもできる。
軟質性紐状体10の第1紐状部材11と第2紐状部材15との接合部分、即ち、図3(b)における軟質性紐状体10の断面中心付近には、磁石ケース22が収容されている。磁石ケース22は、例えば、硬質性樹脂材料から形成されていることが好ましい。硬質性樹脂材料としては、例えば、耐熱ナイロン樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などが好ましく挙げられる。
磁石ケース22には、内部に磁石20の一部と接してこの磁石20を収容する磁石収容部22aが形成されている。こうした磁石収容部22aは、例えば直方体形状(板状)を成す磁石20の一面と他面及び厚み方向に沿った4つの側面のそれぞれ一部に接して、磁石20を支持(収容)する。
また、磁石ケース22には、軟質性紐状体10を構成する軟質性樹脂材料が貫通する貫通孔22b,22bが形成されている。この貫通孔22b,22bは、本実施形態では第1紐状部材11が貫通孔22b,22bの中央付近まで進入している。これにより軟質性紐状体10を例えば長手方向に引き延ばすような応力が加わった場合でも、磁石ケース22の周りの樹脂の伸びを小さくすることができ、当該部分の裂開を防止することができる。
磁石20は、本実施形態では等方性磁石を用いている。本実施形態の磁石20は、例えば直方体板状に形成されている。磁石20の角および辺は、面取りまたはR加工されていることが好ましい。これによって、例えば、軟質性紐状体10が過剰に折り曲げられたとき、あるいは軟質性紐状体10に過度に圧力が負荷されたときでも磁石20に微細な割れや欠けが生じにくくなる。なお、本実施形態では、磁石20の形状を直方体板状としているが、これ以外にも、立方体状、円柱状、球状など、各種形状の磁石を用いることができ、磁石の形状が限定されるものではない。
磁石20の材料(等方性磁石材)としては、希土類磁石・フェライト磁石・ラバー磁石など磁気治療具用の磁石として通常、使用されているものを利用することができる。本実施形態では、磁石20として、希土類を用いている。
以上のような構成の本発明の磁気治療具1によれば、磁石20を軟質性紐状体10に収容する際に、予め磁石20を樹脂、例えば硬質性樹脂で形成された磁石ケース22に支持された状態で軟質性紐状体10に収容することにより、軟質性紐状体10を成す軟質性樹脂と、磁石ケース22を成す樹脂、例えば硬質性樹脂とが接する。このような樹脂どうしが接することによって、軟質性紐状体10が磁石ケース22に密着する。
これによって、軟質性紐状体10に対して直接、磁石を収容する場合と比較して、磁石ケース22の収容によって軟質性紐状体10の厚みが薄くなった部分に、例えば長手方向に引き伸ばすような応力や捻るような応力が加わっても、同質系の材料どうしによる軟質性紐状体10と磁石ケース22との密着によって、厚みが薄くなった部分が裂開してしまうなど軟質性紐状体10の破損を防止することが可能になる。
さらに磁石ケース22の貫通孔22bに軟質性紐状体10を構成する軟質性樹脂材料が侵入して当該貫通孔22bと軟質性樹脂材料が係合していることにより、例えば長手方向に引き延ばすような応力が加わった場合でも、磁石ケース22の周りの樹脂の伸びを小さくすることができ、当該部分の裂開を防止することができる。
「磁気治療具:第2実施形態」
図4(a)は、本実施形態の磁気治療具における直方体の磁石の一面に沿った要部拡大断面図である。図4(b)は、図4(a)のC−C’線に沿った要部拡大断面図である。図4(c)は、図4(a)のD−D’線に沿った要部拡大断面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の構成には同一の番号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態の磁気治療具2における軟質性紐状体10は、長手方向に延びた第1紐状部材11と第2紐状部材15とを接合した接合体であり、例えば、軟質樹脂から形成されている。
軟質性紐状体10の第1紐状部材11と第2紐状部材15との接合部分、即ち、図4(b)における軟質性紐状体10の断面中心付近には、異方性磁石(磁石)26aと異方性磁石(磁石)26bとを互いに近接して支持する磁石ケース27が収容されている。磁石ケース27は、例えば、硬質性樹脂材料から形成されていることが好ましい。
磁石ケース27には、内部に異方性磁石26a,26bの一部と接してこの異方性磁石26a,26bをそれぞれ収容する2つの磁石収容部27a,27aが形成されている。こうした磁石収容部27a,27aは、例えば直方体形状(板状)を成す異方性磁石26a,26bの一面と他面及び厚み方向に沿った4つの側面のそれぞれ一部に接して、異方性磁石26a,26bを支持(収容)する。
また、磁石ケース27には、軟質性紐状体10を構成する軟質性樹脂材料が貫通する貫通孔27b,27bが形成されている。この貫通孔27b,27bは、本実施形態では第1紐状部材11が貫通孔27b,27bに進入している。
磁石ケース27に支持される磁石として、本実施形態では、2個1組の異方性磁石(磁石)26a,26bを用いている。本実施形態の異方性磁石26a,26bは、例えば直方体板状に形成されている。異方性磁石26a,26bの角および辺は、面取りまたはR加工されていることが好ましい。
異方性磁石26a,26bの材料(異方性磁石材)としては、希土類磁石・異方性フェライト磁石・異方性ラバー磁石など磁気治療具用の磁石として通常、使用されているものを利用することができる。本実施形態では、異方性磁石26a,26bとして、 希土類を用いている。
本実施形態においては、2つの異方性磁石26a,26bで一つの強磁力発生部28(図5参照)を構成している。強磁力発生部21は、単独の異方性磁石と比較して、遠く離れた位置に磁気を届けることが可能な強い磁力を発生させる。この理由を、図5を参照しながら説明する。
図5(a)は、異方性磁石26を単独で配置したときの異方性磁石26の周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図5(a)において波線で表されるように、異方性磁石26を単独で配置した場合、近くに他の磁石が配置されていないため、異方性磁石26の周辺は、異方性磁石26のN極から磁束が出て、同じ異方性磁石26のS極に戻り、異方性磁石26から近い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石26の磁束は、異方性磁石26から遠くへ及ばない。
図5(b)は、異なる磁極が同じ側を向く2つの異方性磁石26a,26bを、互いに隣接するように配置したときの異方性磁石26a,26bの周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図5(b)において波線で表されるように、異なる磁極が同じ側を向く2つの異方性磁石26a,26bを、互いに隣接するように配置した場合、一方の異方性磁石のN極と他方の異方性磁石のS極とが接近して配置されているため、異方性磁石26a,26bのN極から出た磁束は、近接する他の異方性磁石のS極か、又は同じ異方性磁石のS極へ戻る。従って、異方性磁石26a,26bから近い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石26a,26bの磁束は、異方性磁石26a,26bから遠くへ及ばない。
図5(c)は、同じ磁極が同じ側を向く2つの異方性磁石26a,26bを、互いに隣接するすように配置したときの異方性磁石26a,26bの周りに分布する磁束線の状態を表す概念図である。図5(c)において波線で表されるように、同じ磁極が同じ側を向く2つの異方性磁石26a,26bを、互いに隣接するすように配置した場合、一方の異方性磁石のN極(又はS極)と他方の異方性磁石のN極(又はS極)とが接近して配置されているため、異方性磁石26a,26bのN極から出た磁束は、近接する他の異方性磁石のN極の影響により、異方性磁石に近接する領域を通過してS極へ戻ることが阻害される。従って、異方性磁石26a,26bから遠い領域に磁束が集中する磁気回路が形成される。そのため、異方性磁石26a,26b(強磁力発生部28)から遠く離れた位置に磁気を届けることができる。
本実施形態では、1つの強磁力発生部28を構成する2つの異方性磁石26a,26bを揃えて(平行)に並べる必要がある。着磁の際、磁界をかける方向と磁石材の向きが揃っていないと規定の磁界を得られない場合がある。しかしながら、本実施形態では、異方性磁石26a、26bを磁石ケース27に収容することにより、当該異方性磁石26a、26bの向きを揃えることができる。
以上のような構成の本発明の磁気治療具2によれば、異方性磁石(磁石)26a,26bを軟質性紐状体10に収容する際に、予め異方性磁石26a,26bを樹脂、例えば硬質性樹脂で形成された磁石ケース27に支持された状態で軟質性紐状体10に収容することにより、磁石の向きを揃えることができる。また、軟質性紐状体10を成す軟質性樹脂と、磁石ケース27を成す樹脂、例えば硬質性樹脂とが接する。このような樹脂どうしが接することによって、軟質性紐状体10が磁石ケース27に密着する。
これによって、軟質性紐状体10に対して直接、磁石を収容する場合と比較して、磁石ケース27の収容によって軟質性紐状体10の厚みが薄くなった部分に、例えば長手方向に引き伸ばすような応力や捻るような応力が加わっても、同質系の材料どうしによる軟質性紐状体10と磁石ケース27との密着によって、厚みが薄くなった部分が裂開してしまうなど軟質性紐状体10の破損を防止することが可能になる。
さらに磁石ケース27の貫通孔27bに軟質性紐状体10を構成する軟質性樹脂材料が侵入して当該貫通孔27bと軟質性樹脂材料が係合していることにより、例えば長手方向に引き延ばすような応力が加わった場合でも、磁石ケース27の周りの樹脂の伸びを小さくすることができ、当該部分の裂開を防止することができる。
「磁気治療具の製造方法」
次に、本発明の磁気治療具の製造方法の要部について説明する。
図6、図7は、本発明の一実施形態の磁気治療具の製造方法を段階的に示す断面図である。
本発明の磁気治療具の製造方法によって、図1〜3に示す第1実施形態の磁気治療具1を製造する際には、まず、磁石20を支持した磁石ケース22を製造する。内側に磁石ケース22の形状を備えた磁石ケース成形金型(第1金型)101を構成する上金型101aと下金型101bとの間に、インサート成形のインサート部材となる磁石20を配置する(図6(a)参照)。そして、この磁石ケース成形金型(第1金型)101内に磁石ケース22を構成する構成材料、例えば硬質性樹脂の溶融体Q1を導入する(第1インサート成形工程)。これによって、磁石20を支持した磁石ケース22が得られる(図6(b)参照)。
次に、内側に第1紐状部材11の形状を備えた第1紐状部材成形金型(第2金型)102を構成する上金型102aと下金型102bとの間に、第1インサート成形工程で得られた磁石20を支持した磁石ケース22と第1紐状部材11を構成する構成材料(樹脂材料)、例えば未硬化のシリコーンゴムQ2を配置して成形する。(第2インサート成形工程前段:図6(c)参照)。これによって、軟質性紐状体10を構成する第1紐状部材11に磁石ケース22が支持された中間成型体40が得られる(図7(a)参照)。
次に、内側に第2紐状部材12の形状を備えた第2紐状部材成形金型(第2金型)103を構成する上金型103aと下金型103bとの間に、第2インサート成形工程前段で得られた中間成型体40を配置する(図7(b)参照)。そして、この第2紐状部材成形金型(第2金型)103内に第2紐状部材15を構成する構成材料(樹脂材料)、例えば未硬化のシリコーンゴムQ3を配置して成形する(第2インサート成形工程後段)。これによって、軟質性紐状体10を成す第1紐状部材11と第2紐状部材15の内部に磁石20を支持した磁石ケース22が収容された磁気治療具1が得られる(図7(c)参照)。
なお、本実施形態では、軟質性紐状体10を第1紐状部材11と第2紐状部材15とから構成した例を示しているが、軟質性紐状体10全体を単一の軟質樹脂で構成する場合には、第1インサート成形工程で得られた磁石20を支持した磁石ケース22を、内部に軟質性紐状体10の形状を備えた軟質性紐状体成形金型(第2金型)に配置して第2インサート成形工程を行えばよい。
また上述の実施形態では、磁石ケース22に磁石20、26a、26bの一部分を収容した場合について述べたが、磁石ケースに磁石全体を収容するようにしても良い。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…磁気治療具
10…軟質性紐状体
11…第1紐状部材
15…第2紐状部材
20…等方性磁石(磁石)
26a、26b…異方性磁石(磁石)
22…磁石ケース
22b,22b…貫通孔

Claims (4)

  1. 磁石と、少なくとも前記磁石の一部分を収容する磁石ケースと、前記磁石ケースおよび前記磁石を収容し長手方向に延びる軟質性紐状体と、を有することを特徴とする磁気治療具。
  2. 前記磁石ケースは、前記軟質性紐状体を構成する軟質性樹脂材料が貫通する貫通孔を備えていることを特徴とする請求項1記載の磁気治療具。
  3. 前記磁石ケースは、硬質性樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の磁気治療具。
  4. 請求項1ないし3いずれか一項記載の磁気治療具の製造方法であって、
    前記磁石ケースを成形するための第1金型内に前記磁石を予め配置してから前記磁石ケースを構成する樹脂材料を前記第1金型内に導入して、前記磁石を収容した前記磁石ケースを成形する第1インサート成形工程と、
    前記軟質性紐状体を成形するための第2金型内に前記磁石を収容した前記磁石ケースを予め配置してから前記軟質性紐状体を構成する樹脂材料を前記第2金型内に導入して、前記磁石ケースを収容した前記軟質性紐状体を成形する第2インサート成形工程と、を少なくとも備えたことを特徴とする磁気治療具の製造方法。
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