JP2019058048A - 永久磁石及びそれを備えた回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】渦電流により生じる回転電機用の永久磁石の熱を適切に放熱させる。【解決手段】回転電機用の永久磁石1は、一対の磁極面10と、一対の磁極面10に交差する非磁極面13と、磁石本体を貫通して冷媒の流路となる貫通孔2と、を備え、貫通孔2の両端の開口部3が非磁極面13に形成されている。【選択図】図3
Description
本発明は、回転電機及び回転電機用の永久磁石に関する。
永久磁石を用いた回転電機の損失として、渦電流損が知られている。渦電流は、エアギャップにおける高調波磁束の影響によって磁石の表面に流れる。近年、利用が拡大している希土類磁石は、フェライト磁石に比べて導電率が高いために、渦電流も流れ易い。渦電流が流れることによって磁石が発熱すると、磁石の減磁を招く可能性がある。このため、磁石の温度上昇を抑制することが求められる。例えば、特開2004−260951号公報には、永久磁石の表面に、軸方向に延びる複数本の溝を設けて永久磁石の表面を区切り、永久磁石の表面を流れる渦電流の大きな電流ループを遮断して渦電流を減少させることによって永久磁石の温度上昇を抑制することが開示されている。
渦電流を減少させることによって、発熱量を減少させることはできる。但し、渦電流を完全になくすことはできないので、渦電流による発熱は生じる。特に、永久磁石の端部では、発熱密度が高いので温度が上昇し易く、また、反磁界による減磁を生じ易い。このため、発熱の抑制に留まらず、永久磁石からの放熱も行うことが望ましい。
上記背景に鑑みて、渦電流により生じる回転電機用の永久磁石の熱を適切に放熱させることが望まれる。
上記に鑑みた回転電機用の永久磁石は、一対の磁極面と、前記一対の磁極面に交差する非磁極面と、前記磁石本体を貫通して冷媒の流路となる貫通孔と、を備え、前記貫通孔の両端の開口部が前記非磁極面に形成されている。
この構成によれば、磁石本体を貫通して冷媒が流通する貫通孔を備えることにより、永久磁石から熱を奪い、放熱させることができる。貫通孔の開口部は非磁極面に形成されるため、磁極面の表面積を減少させることはなく、磁極面への加工が施されるような場合に比べて磁力の低下は抑制される。即ち、本構成によれば、渦電流により生じる回転電機用の永久磁石の熱を適切に放熱させることができる。
回転電機用の永久磁石のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
以下、ロータに永久磁石が埋め込まれた埋込磁石型回転電機を例として、回転電機用の永久磁石の実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、永久磁石型の回転電機8の一例を示す軸直交部分断面図である。ここでは、ロータ81に用いられる永久磁石1を例として説明するが、永久磁石1はステータ83に用いられるものであってもよい。以下、回転軸に沿った方向を軸方向L、回転方向に沿った方向を周方向C、回転軸を中心とした径に沿った方向を径方向Rと称して説明する。
ここでは、ステータ83の径方向内側に間隙88(エアギャップ)を介してロータ81が配置されたインナーロータ型の回転電機8を例示する。永久磁石1は、例えば図1に示すように、一方の磁極面10が周方向Cに沿うように、周方向Cに並べて配置される。また、永久磁石1は、例えば図2に示すように、2つの永久磁石1が間隙88の側に開いたV字型となるように配置される形態であってもよい。この場合、当該2つの永久磁石1によって1つの磁極が形成される。
詳細については、図3以下を参照して後述するが、永久磁石1は、一対の磁極面10と、一対の磁極面10に交差する非磁極面13と、磁石本体を貫通して冷媒の流路となる貫通孔2とを備えている。尚、交差するとは、直角に交わる形態には限らない。例えば、非磁極面13は、磁極面10と平行でなければよく、例えば非磁極面13と磁極面10とのなす角度が30度程度であってもよい。図3に示すように、貫通孔2の両端の開口部3は、非磁極面13に形成されている。貫通孔2は、冷媒を流通させることによって、渦電流によって発熱する永久磁石1を冷却するために形成されている。渦電流は、間隙88付近において多く発生する高調波磁束の影響によって磁石の表面に多く流れる。渦電流が多く流れることによって磁石が発熱すると、磁石の減磁を招く可能性がある。冷媒が流通する貫通孔2を設けることによって、永久磁石1を冷却して減磁を生じる可能性を低減することができる。
回転電機8の模式的な軸方向断面図である図4に示すように、回転電機8は、開口部3に冷媒を供給する冷媒供給路7を備えている。回転電機8のロータ81に連結された回転軸80には、軸方向Lに沿って冷媒(例えばオイル)が流通する主流路70が形成されている。ロータコア82の軸方向Lの端部には、エンドプレート85が備えられている。回転軸80には、主流路70に接続されて、エンドプレート85の方向へ径方向Rに沿って冷媒が流通する回転軸内径方向流路71が形成されている。ロータコア82とエンドプレート85との間、又はエンドプレート85の内部には、回転軸内径方向流路71に接続され、径方向Rに沿って冷媒が流通するロータ側径方向流路75が形成されている。ロータ側径方向流路75は、貫通孔2の一方の開口部3に接続されている。貫通孔2の他方の開口部3には、エンドプレート85を軸方向Lに沿って貫通する排出流路76が接続されている。
冷媒は、主流路70から、回転軸内径方向流路71及びロータ側径方向流路75を経て一方の開口部3に達し、貫通孔2を通って他方の開口部3に流通し、排出流路76から排出される。排出流路76から排出された冷媒は、ロータ81の回転による遠心力でステータ83の方向へ飛散して、ステータコア84やステータコア84に巻き回されたコイルのコイルエンド部86を冷却する。尚、図4では、排出流路76が軸方向Lに沿って形成されている形態を例示したが、径方向Rに沿って形成されていてもよい。主流路70、回転軸内径方向流路71及びロータ側径方向流路75は、開口部3に冷媒を供給する冷媒供給路7に相当する。
このように、貫通孔2が、回転電機8に設置された状態において回転電機8の軸方向Lに沿うように形成されていると、貫通孔2に対して簡潔な構造で冷媒を供給することができる。また、貫通孔2を通過した冷媒を、回転電機8のステータ83に容易に導くことができ、ステータ83も適切に冷却することができる。
ところで、図1から図3には、1つの永久磁石1に2つの貫通孔2が形成されている形態を例示した。しかし、発熱量や永久磁石1の配置に応じて、1つの永久磁石1に対して1つの貫通孔2が形成されることを妨げるものではない。例えば、図5に例示するように、1つの永久磁石1に貫通孔2が1つ形成される形態であってもよい。
貫通孔2は、磁極面10に直交する方向視で、磁極面10の端部の側を通るように形成されていると好適である。貫通孔2が2つの場合には、それぞれが異なる端部の側を通るように形成されていると好適である。渦電流と発熱量との関係を模式的に表す図15に示すように、永久磁石1の形状が、磁極面10が広い平板状(平たい直方体状)である場合、長方形状の磁極面10の長辺LSの側(第1発熱領域H1)の方が短辺SSの側(第2発熱領域H2)よりも発熱量が多くなり易い。つまり、長辺LSに平行な方向に沿って渦電流が流れる場合には、短辺SSに平行な方向に沿って渦電流が流れる場合に比べて導体断面積が狭くなるため、長辺LSに沿った方向に電流が流れる場合には、単位面積当たりの電流が増えて発熱量も大きくなり易い。従って、より発熱量の多くなり易い長辺LSに沿って貫通孔2が形成されることによって、効果的に永久磁石1を冷却することができる。例えば、図1から図3に例示するように、それぞれの長辺LSの側に、それぞれの長辺LSに沿って貫通孔2を形成することによって、2箇所の第1発熱領域H1を効果的に冷却することができる。
また、図15にも示したように、磁極面10の重心に近い中央部に比べて、重心から離れた磁極面10の端部の方が発熱し易い。従って、貫通孔2は、磁極面10に直交する方向に沿う磁極面直交方向視で、磁極面10の重心から貫通孔2の重心までの距離d1の方が、貫通孔2の重心から非磁極面13までの最短距離d2よりも長くなる位置に形成されることが好ましい(図3参照)。このように、貫通孔2が配置されていると、貫通孔2は磁極面10の端部の側に位置するので、発熱量の大きい磁極面10の端部の側を効果的に冷却することができる。
図3に示すように、永久磁石1が直方体状である場合、非磁極面13は4面存在する。つまり、非磁極面13は、互いに反対側を向く二対の非磁極面部(14,15)を有する。ここでは、貫通孔2の開口部3が形成される一方の非磁極面部の対を第1非磁極面部14と称し、他方の非磁極面部の対を第2非磁極面部15と称する。図3に示す例では、永久磁石1は平たい直方体状であり、一対の磁極面10の間隔(磁極面間隔T1)は、第1非磁極面部14の間隔(第1非磁極面部間隔T3)及び第2非磁極面部15の間隔(第2非磁極面部間隔T2)よりも短い。貫通孔2は、一対の第2非磁極面部15のそれぞれに沿って一対の貫通孔対2pとして形成されている。貫通孔対2pにより、発熱量の多い第2非磁極面部15に近い磁極面10の2箇所の端部を効果的に冷却することができる。
永久磁石1がこのような平たい直方体ではなくても、磁極面10の面積が広く、概ね平たい形状(平板状、曲面板状など)の場合には同様のことが言える。図6は、曲面板状、具体的には第1非磁極面部14に平行な方向の断面形状が円弧型の永久磁石1を例示している。また、図7は一方の磁極面10が凸形状で他方の磁極面10が平面状、具体的には第1非磁極面部14に平行な方向の断面形状がD字型となる平板状の永久磁石1を例示している。
図6に示す曲面板状の永久磁石1でも、一対の磁極面10の間隔(磁極面間隔T1)は、第1非磁極面部14の間隔(第1非磁極面部間隔T3)及び第2非磁極面部15の間隔(第2非磁極面部間隔T2)よりも短い。尚、図6では、第2非磁極面部間隔T2を曲面(磁極面10)に沿った曲線距離で例示しているが、最短距離(直線距離)であってもよい。貫通孔2は、一対の第2非磁極面部15のそれぞれに沿って形成されている。また、図7に示す永久磁石1でも、一対の磁極面10の間隔(磁極面間隔T1(第1磁極面間隔T11及び第2磁極面間隔T12の双方))は、第1非磁極面部14の間隔(第1非磁極面部間隔T3)及び第2非磁極面部15の間隔(第2非磁極面部間隔T2)よりも短い。また、貫通孔2は、一対の第2非磁極面部15のそれぞれに沿って形成されている。
図6及び図7に例示する永久磁石1においても、磁極面10に直交する方向に沿う磁極面直交方向視で、磁極面10の重心から貫通孔2の重心までの距離d1の方が、貫通孔2の重心から非磁極面13までの最短距離d2よりも長くなる位置に貫通孔2が形成されている。これにより、磁極面10の端部を効果的に冷却することができる。
ところで、永久磁石1には、磁性体材料の粉末を樹脂等のバインダと混ぜ合わせて、成型固化して製造されるボンド磁石や、磁性体材料の粉末を高温で焼き固めた焼結磁石や熱間押し出し加工磁石等がある。ボンド磁石や熱間押し出し加工磁石の場合には、成形後の後加工や、押し出し成形時に貫通孔2を形成することができる。焼結磁石の場合には、後加工によって貫通孔2が形成される。
また、永久磁石1は複数に分割された磁石を組み合わせて構成されてもよい。図8は、貫通孔2の延伸方向に沿うと共に磁極面10に平行な方向に永久磁石1を2つのパーツ(第1パーツ1a,第2パーツ1b)分割する形態を例示している。それぞれのパーツには、溝部20が形成される。第1パーツ1a及び第2パーツ1bの溝部20同士が対向するように接合することで、第1パーツ1aに形成される第1溝部2aと第2パーツに形成される第2溝部2bとにより貫通孔2が形成された永久磁石1を形成することができる。
図3、図6、図7等に示したように、貫通孔2が比較的長尺となるような場合には、図9に例示するように、貫通孔2の延伸方向及び磁極面10に直交する方向に永久磁石1を分割してもよい。ここでは、2つの分割磁石(第1磁石1c,第2磁石1d)に分割する形態を例示しているが、3つ以上に分割する形態であってもよい。回転電機8に設置された状態での永久磁石1における貫通孔2の全長に比べて、分割磁石(第1磁石1c,第2磁石1d)の貫通孔2(第1分割貫通孔2c,第2分割貫通孔2d)の長さは短いため、加工の難易度が低くなる。第1分割貫通孔2cと第2分割貫通孔2dとが対向するように第1磁石1cと第2磁石1dとを接合し、或いは、回転電機8に設置された状態で第1分割貫通孔2cと第2分割貫通孔2dとが対向するように第1磁石1cと第2磁石1dとを配置することで、連続した貫通孔2を有する永久磁石1を形成することができる。
ところで、貫通孔2を設けると磁極面間隔T1における磁石の厚みが薄くなり磁気抵抗が高くなって磁石本体から出力される磁束が減少すると共に、磁性の保持力も低下する。つまり、貫通孔2を設けない場合と比べて永久磁石1は不可逆減磁を起こし易くなる。永久磁石1が図3に例示するような直方体状の場合、角部へ近づくほど不可逆減磁が発生し易くなる。一方、永久磁石1の温度が低ければ減磁を生じにくいため、貫通孔2を通る冷媒によって磁石温度が低下すると減磁の発生は低減される。また、貫通孔2が存在することによって、渦電流の流れが妨げられるため、貫通孔2は渦電流によって生じる発熱を低減させる効果も有する。以上のことから、磁束の減少、磁性の保持力の低下、冷却効果、渦電流の低減効果等のバランスを考慮して、貫通孔2の位置及び大きさが設定されることが好ましい。
図10から図12は、磁極面10及び非磁極面13(第2非磁極面部15)から貫通孔2までの寸法例(貫通孔2を囲む壁の厚さの寸法例)及び貫通孔2の開口部3の形状例を、開口部3が開口する非磁極面13(第1非磁極面部14)に直交する方向視で示したものである。図10は、正方形状の開口部3が、第1非磁極面部14における磁極面10の側の端部及び第2非磁極面部15の側の端部からほぼ等しい位置に形成されている形態を例示している。つまり、図10に示す形態では、貫通孔2を囲む壁の厚さに関して“磁極面側厚さd3=非磁極面側厚さd4”の形態を例示している。尚、開口部3の形状については、正方形状に限らず長方形状であってもよい。当然ながら、正方形状及び長方形状の角部を直線又は曲線にて面取りした多角形状或いはトラック形状、又は、円形状や楕円形状等であってもよい。
図11は、第1非磁極面部14における磁極面10の側の端部からの厚み(磁極面側厚さd4)の方が、第2非磁極面部15の側の端部からの厚み(非磁極面側厚さd3)よりも長くなる位置に、長方形状の開口部3が形成されている形態を例示している。つまり、図11に示す形態では、貫通孔2を囲む壁の厚さに関して“磁極面側厚さd4>非磁極面側厚さd3”の形態を例示している。図11では、開口部3の形状が長方形状である形態を例示しているが、開口部3の形状は、図10のような正方形状であってもよい。当然ながら、長方形状及び正方形状の角部を直線又は曲線にて面取りした多角形状或いはトラック形状、又は、円形状や楕円形状等であってもよい。
図12は、第1非磁極面部14における第2非磁極面部15の側の端部からの厚み(非磁極面側厚さd3)の方が、磁極面10の側の端部からの厚み(磁極面側厚さd4)よりも長くなる位置に、長方形状の開口部3が形成されている形態を例示している。つまり、図12に示す形態では、貫通孔2を囲む壁の厚さに関して“非磁極面側厚さd3>磁極面側厚さd4”の形態を例示している。図11と同様に、ここでは開口部3の形状が長方形状である形態を例示しているが、開口部3の形状は、図10のような正方形状であってもよい。当然ながら、長方形状及び正方形状の角部を直線又は曲線にて面取りした多角形状或いはトラック形状、又は、円形状や楕円形状等であってもよい。
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)図5を参照して上述したように、貫通孔2は、1つの永久磁石1に対して1つであってもよい。例えば、図13に例示すように、一対の開口部3を結ぶ方向に延びると共に当該方向に直交する方向であって磁極面10に平行な方向にも広がった形状の貫通孔2を形成すれば、1つの貫通孔2によって磁極面10の両端部を冷却することができる。尚、図13では、開口部3が長方形状である形態を例示しているが、第2非磁極面部15の側で開口面積が大きく(磁極面10に直交する方向に開口部3の長さが長く)、中央部では開口面積が小さく(磁極面10に直交する方向に開口部3の長さが短く)なるような形状(例えば鉄アレイ型)であってもよい。
(2)上記においては、永久磁石1が、非磁極面13として2つ以上の異なる面を有する形態を例示した。つまり、第1非磁極面部14と第2非磁極面部15が、第1磁極面11及び第2磁極面12に交差して磁石本体を囲む形態を例示した。しかし、非磁極面13は単一の面であってもよい。例えば、図14に示すように永久磁石1が円柱状であり、底面及び天面が磁極面10である場合、底面及び天面に交差し、磁石本体を囲む曲面である側面が非磁極面13となる。また、非磁極面13に貫通孔2の両端の開口部3が形成されるように貫通孔2を設けることも可能である。
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した永久磁石(1)及び回転電機(8)の概要について簡単に説明する。
以下、上記において説明した永久磁石(1)及び回転電機(8)の概要について簡単に説明する。
1つの態様として、回転電機用の永久磁石(1)は、一対の磁極面(10)と、前記一対の磁極面(10)に交差する非磁極面(13)と、前記磁石本体を貫通して冷媒の流路となる貫通孔(2)と、を備え、前記貫通孔(2)の両端の開口部(3)が前記非磁極面(13)に形成されている。
この構成によれば、磁石本体を貫通して冷媒が流通する貫通孔(2)を備えることにより、永久磁石(1)から熱を奪い、放熱させることができる。貫通孔(2)の開口部(3)は非磁極面(13)に形成されるため、磁極面(10)の表面積を減少させることはなく、磁極面(10)への加工が施されるような場合に比べて磁力の低下は抑制される。即ち、本構成によれば、渦電流により生じる回転電機用の永久磁石(1)の熱を適切に放熱させることができる。
ここで、前記貫通孔(2)は、前記回転電機(8)に設置された状態において前記回転電機(8)の軸方向(L)に沿うように形成されていると好適である。
貫通孔(2)が軸方向(L)に沿うことで、貫通孔(2)に対して簡潔な構造で冷媒を供給することが容易となる。また、貫通孔(2)を通過した冷媒を、回転電機(8)のロータ(81)やステータ(83)に容易に導き、ロータ(81)やステータ(83)を冷却する構成も比較的容易に実現することができる。
また、前記磁極面(10)に直交する方向に沿う磁極面直交方向視で、前記磁極面(10)の重心から前記貫通孔(2)の重心までの距離(d1)の方が、前記貫通孔(2)の重心から前記非磁極面(13)までの最短距離(d2)よりも長いと好適である。
一般的に、磁極面(10)の重心に比べて、重心から離れた磁極面(10)の端部の方が発熱し易い。上記のように、貫通孔(2)が配置されていると、貫通孔(2)は磁極面(10)の端部の側に位置することになる。従って、発熱量の大きい磁極面(10)の端部を効果的に冷却することができる。
また、前記非磁極面(13)は、互いに反対側を向く一対の非磁極面部(15)を備え、前記一対の磁極面(10)の間隔(T1)は、前記一対の非磁極面部(15)の間隔(T2)よりも短く、前記貫通孔(2)が、前記一対の磁極面部(15)のそれぞれに沿って一対形成されていると好適である。
このように、磁極面(10)の面積が広く、概ね平たい形状(平板状、曲面板状など)の永久磁石(1)では、磁極面(10)の中で非磁極面(13)に近い端部の方がより発熱し易い。互いに反対側を向く一対の非磁極面部(15)のそれぞれに沿って、一対の貫通孔(2)が形成されると、非磁極面部(15)に近い磁極面(10)の2箇所の端部を効果的に冷却することができる。
また、前記磁極面(10)が、長方形状である場合、前記貫通孔(2)は、長辺(LS)に沿って延びるように形成されていると好適である。
上述したように、一般的には、磁極面(10)の重心に近い中央部に比べて、重心から離れた磁極面(10)の端部の方が発熱し易い。そして、磁極面(10)が長方形状である場合には、渦電流が流れる密度が高くなり易い長辺(LS)の側の方が、短辺(SS)の側に比べて発熱量が多くなり易い。つまり、長辺(LS)に平行な方向に沿って渦電流が流れる場合には、短辺(SS)に平行な方向に沿って渦電流が流れる場合に比べて導体断面積が狭くなるため、長辺(LS)に沿った方向に電流が流れる場合には、単位面積当たりの電流が増えて発熱量も大きくなり易い。従って、より発熱量の多くなり易い長辺(LS)に沿って貫通孔(2)が形成されることによって、効果的に永久磁石(1)を冷却することができる。
また、上述した永久磁石(1)がロータ(81)又はステータ(83)に配置され、前記開口部(3)に冷媒を供給する冷媒供給路(7)を備えて回転電機(8)が構成されると好適である。
回転電機(8)が開口部(3)に冷媒を供給する冷媒供給路(7)を備えることによって、適切に貫通孔(2)に冷媒を供給して、永久磁石(1)を放熱させることができる。
1 :永久磁石
2 :貫通孔
3 :開口部
7 :冷媒供給路
8 :回転電機
10 :磁極面
13 :非磁極面
15 :第2非磁極面部(貫通孔が沿う非磁極面部)
70 :主流路(冷媒供給路)
71 :回転軸内径方向流路(冷媒供給路)
75 :ロータ側径方向流路(冷媒供給路)
81 :ロータ
83 :ステータ
L :軸方向
LS :長辺
T1 :磁極面間隔(一対の磁極面の間隔)
T2 :第2非磁極面部間隔(一対の非磁極面部の間隔)
d1 :磁極面の重心から貫通孔の重心までの距離
d2 :貫通孔の重心から非磁極面までの最短距離
2 :貫通孔
3 :開口部
7 :冷媒供給路
8 :回転電機
10 :磁極面
13 :非磁極面
15 :第2非磁極面部(貫通孔が沿う非磁極面部)
70 :主流路(冷媒供給路)
71 :回転軸内径方向流路(冷媒供給路)
75 :ロータ側径方向流路(冷媒供給路)
81 :ロータ
83 :ステータ
L :軸方向
LS :長辺
T1 :磁極面間隔(一対の磁極面の間隔)
T2 :第2非磁極面部間隔(一対の非磁極面部の間隔)
d1 :磁極面の重心から貫通孔の重心までの距離
d2 :貫通孔の重心から非磁極面までの最短距離
Claims (6)
- 回転電機用の永久磁石であって、
一対の磁極面と、
前記一対の磁極面に交差する非磁極面と、
前記磁石本体を貫通して冷媒の流路となる貫通孔と、を備え、
前記貫通孔の両端の開口部が前記非磁極面に形成されている永久磁石。 - 前記貫通孔は、前記回転電機に設置された状態において前記回転電機の軸方向に沿うように形成されている請求項1に記載の永久磁石。
- 前記磁極面に直交する方向に沿う磁極面直交方向視で、前記磁極面の重心から前記貫通孔の重心までの距離の方が、前記貫通孔の重心から前記非磁極面までの最短距離よりも長い請求項1又は2に記載の永久磁石。
- 前記非磁極面は、互いに反対側を向く一対の非磁極面部を備え、
前記一対の磁極面の間隔は、前記一対の非磁極面部の間隔よりも短く、前記貫通孔が、前記一対の磁極面部のそれぞれに沿って一対形成されている請求項1から3の何れか一項に記載の永久磁石。 - 前記磁極面は、長方形状であり、前記貫通孔は、長辺に沿って延びるように形成されている請求項1から4の何れか一項に記載の永久磁石。
- 請求項1から5の何れか一項に記載の永久磁石がロータ又はステータに配置され、
前記開口部に冷媒を供給する冷媒供給路を備える回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017182863A JP2019058048A (ja) | 2017-09-22 | 2017-09-22 | 永久磁石及びそれを備えた回転電機 |
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---|---|---|---|---|
JP2019149859A (ja) * | 2018-02-26 | 2019-09-05 | 本田技研工業株式会社 | 磁石冷却構造および回転電機 |
JP2020039251A (ja) * | 2019-10-29 | 2020-03-12 | 日立金属株式会社 | モータ用焼結磁石およびその製造方法、ならびに永久磁石型同期モータ |
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