JP2019057415A - 荷電粒子線装置、x線装置および構造物の製造方法 - Google Patents

荷電粒子線装置、x線装置および構造物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】荷電粒子線のスポット径を所望のサイズに制御することができる荷電粒子線装置を提供する。【解決手段】荷電粒子線装置2は、荷電粒子線を第1方向に加速する加速管24と、加速管24の周囲に配置された第1コイル231aと、加速管の周囲に配置され、少なくとも一部が第1コイル231aに対して第1方向に関して異なる位置に備えられた第2コイル231bと、第1コイル231aの電流および第2コイル231bの電流を個別に制御可能な制御部51とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、荷電粒子線装置、X線装置および構造物の製造方法に関する。
従来から、複数に分割されたソレノイドコイルを加速管の周囲に備えた電子線の加速装置が知られている(たとえば特許文献1)。しかしながら、荷電粒子線のスポット径を制御して小さくすることが困難である。
実開平2−101500号公報
第1の態様によると、荷電粒子線装置は、荷電粒子線を第1方向に加速する加速管と、前記加速管の周囲に配置された第1コイルと、前記加速管の周囲に配置され、少なくとも一部が前記第1コイルに対して前記第1方向に関して異なる位置に備えられた第2コイルと、前記第1コイルの電流および前記第2コイルの電流を個別に制御可能な制御部とを有する。
第2の態様によると、X線装置は、第1の態様の記載の荷電粒子線装置と、前記荷電粒子線装置から放射され、被測定物を通過したX線を検出する検出部と、前記被測定物に対して前記荷電粒子線装置および前記検出部を相対的に移動させる移動部とを備える。
第3の態様によると、構造物の製造方法は、構造物の形状に関する設計情報を作成し、前記設計情報に基づいて前記構造物を作成し、作成された前記構造物の形状を、第2の態様のX線装置を用いて計測して形状情報を取得し、前記取得された前記形状情報と前記設計情報とを比較する。
本実施の形態に係るX線装置の要部構成を模式的に示すブロック図である。 第1の実施の形態に係るX線源の要部構成を模式的に示すブロック図である。 部分電子光学部によって生成された磁界を模式的に示す図である。 記憶部に記憶される電流値情報の一例を模式的に示す図である。 第1の実施の形態のX線装置が行う動作を説明するフローチャートである。 第1の実施の形態の変形例に係るX線源の要部構成を模式的に示すブロック図である。 第2の実施の形態に係るX線源の要部構成を模式的に示すブロック図である。 第2の実施の形態のX線装置が行う動作を説明するフローチャートである。 第3の実施の形態に係るX線源の要部構成を模式的に示すブロック図である。 変形例に係る荷電粒子線装置の要部構成を模式的に示すブロック部である。 第4の実施の形態に係る構造物製造システムの要部構成を模式的に示すブロック図である。 第4の実施の形態の構造物製造システムが行う動作を説明するフローチャートである。
−第1の実施の形態−
図面を参照しながら、第1の実施の形態による荷電粒子線装置として、X線を放射するX線源を備えるX線装置を例に挙げて説明を行う。X線装置は、被測定物にX線を照射して、被測定物を透過した透過X線を検出することにより、被測定物の内部情報(たとえば内部構造の画像)等を、被測定物を破壊することなく取得する。機械部品や電子部品等の産業用部品を対象とするX線装置は、産業用X線CT検査装置と呼ばれる。
図1は本実施の形態によるX線装置100の構成の一例を示す図である。なお、説明の都合上、X軸、Y軸、Z軸からなる座標系を図示の通りに設定する。
X線装置100は、筐体1、X線源2、載置部3、検出器4および制御装置5を備えている。筐体1は、その下面が工場等の床面に実質的に平行(水平)となるように配置される。筐体1の内部には、X線源2と、載置部3と、検出器4とが収容される。筐体1は、X線が筐体1の外部に漏洩しないようにするため、X線遮蔽材料を含む。なお、X線遮蔽材料として鉛を含む。
X線源2は、制御装置5による制御に応じて、図1に示す出射点Pを頂点としてZ軸に平行な光軸Zrに沿って、Z軸+方向へ向けて円錐状に広がるX線(いわゆるコーンビーム)を放射する。この出射点Pは後述するX線源2の内部を伝搬する電子線の焦点位置と一致する。すなわち、光軸Zrは、X線源2の電子線の焦点位置である出射点Pと、後述する検出器4の撮像領域の中心とを結ぶ軸である。なお、X線源2は円錐状のX線を放射するものに代えて、扇状のX線(いわゆるファンビーム)や線状のX線(いわゆるペンシルビーム)を放射してもよい。X線源2は、たとえば約50eVの超軟X線、約0.1〜2keVの軟X線、約2〜20keVのX線および約20〜数MeVの硬X線の少なくとも1つを照射する。本実施の形態では、X線源2から放射されるX線は、幅広い波長すなわち光子エネルギーを有する多色線である。なお、X線源2の詳細については説明を後述する。
載置部3は、被測定物Sが載置される載置台31と、回転駆動部32、X軸移動部33、Y軸移動部34およびZ軸移動部35からなるマニピュレータ部36とを備え、X線源2よりもZ軸+側に設けられている。載置台31は、回転駆動部32により回転可能に設けられる。後述するように、回転駆動部32による回転軸YrがX軸、Y軸、Z軸方向に移動する際に、載置台31はともに移動する。回転駆動部32は、たとえば電動モータ等によって構成され、後述する制御装置5により制御されて駆動した電動モータが発生する回転力によって、載置台31を回転させる。載置台31の回転軸Yrは、Y軸に平行、かつ、載置台31の中心を通過する。X軸移動部33、Y軸移動部34およびZ軸移動部35は、制御装置5により制御されて、載置台31をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向にそれぞれ移動させる。Z軸移動部35は、制御装置5により制御されて、X線源2から被測定物Sまでの距離が、撮影される画像における被測定物Sの拡大率に応じた距離となるように載置台31をZ軸方向に移動させる。
図1に示す検出器4は、載置台31よりもZ軸+側に設けられている。すなわち、載置台31は、Z軸方向において、X線源2と検出器4との間に設けられる。検出器4は、XY平面に平行な入射面41を有する。X線源2から放射され、載置台31上に載置された被測定物Sを透過した透過X線を含むX線は入射面41に入射する。検出器4は、公知のシンチレーション物質を含むシンチレータ部と、シンチレータ部から放出された光を受光する受光部等とによって構成される。シンチレータ部の入射面41に入射したX線は光エネルギーに変換され、その光エネルギーは上記の受光部で電気エネルギーに変換されて電気信号となり、制御装置5へ出力される。なお、検出器4は、入射するX線を光エネルギーに変換することなく、電気信号に直接変換して出力するものであってもよい。検出器4は、シンチレータ部と受光部とがそれぞれ複数の画素として分割された構造を有しており、シンチレータ部と受光部との複数の画素は、互いに対応するように2次元的に配列されている。これにより、X線源2から放射され、被測定物Sを通過したX線の強度分布を一括で取得できるので、検出器4の入射面の広さに応じて、1回の撮影で被測定物Sの全体または被測定物Sの検査したい領域の投影像を任意の倍率で取得することができる。
制御装置5は、マイクロプロセッサやその周辺回路等を有しており、不図示の記憶媒体(たとえばフラッシュメモリ等)に予め記憶されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、X線装置100の各部を制御する。制御装置5は、X線源2の動作を制御する電子線制御部51、マニピュレータ部36の駆動動作を制御する載置台制御部52、検出器4から出力された電気信号に基づいて被測定物SのX線投影画像データを生成する画像生成部53、およびマニピュレータ部36を制御する。制御装置5は、被測定物Sに対して異なる方向から投影して得られた複数の投影画像データに基づいて、公知の画像再構成処理方法を用いることで、被測定物Sの再構成画像を生成する画像再構成部54を備える。画像再構成処理により、被測定物Sの内部構造(断面構造)である断面画像データや3次元データが生成される。なお、断面画像データとは、ZX平面と平行な面内における被測定物Sの構造データを含む。画像再構成処理としては、逆投影法、フィルタ補正逆投影法、逐次近似法等がある。制御装置5は、不揮発性の記憶媒体である記憶部55を備える。
図2は、本実施の形態のX線源2の断面構造を模式的に示す図である。X線源2は、電子線発生部21と、ターゲット22と、電子光学部23と、加速管24とを備える。ターゲット22と、電子光学部23と、加速管24とは、たとえば軟鉄や純鉄等の磁性体からなるボディ部25に収容される。
電子線発生部21は、フィラメント210と、ウェネルト電極211と、ウェネルト電源212と、引出電極213と、第1電源214とを備える電子銃である。なお、本実施の形態では、電子線発生部21として熱電子銃を例に挙げて説明するが、電子線発生部21はこれに限定されるものではなく、電界放出電子銃でもよい。ウェネルト電源212は、制御装置5の電子線制御部51からの制御信号に基づいて、フィラメント210に対する負のバイアス電圧をウェネルト電極211に印加する。フィラメント210は、たとえばタングステンを含む材料により形成され、その先端がターゲット22へ向けて先鋭化した円錐形状となるように形成される。フィラメント210には、フィラメント210を加熱するための加熱用電源回路217が接続されている。電子線制御部51は、加熱用電源回路217を制御して、フィラメント210に電流を流すことにより、フィラメント210を加熱する。なお、フィラメント210に電流を流して直接加熱する代わりに、フィラメント210を加熱するためのヒータを設けても良い。
加熱用電源回路217によりフィラメント210に通電してフィラメント210を加熱した状態で、ウェネルト電極211により負の電圧を掛けることで、フィラメント210から放射される電子線の広がりが抑制され、引出電極213にフィラメント210に対して正の電位を与えることでフィラメント210の先端から加速管24に向けて電子線(熱電子)が引き出される。さらに、ウェネルト電極211には、先にも説明したように、フィラメント210に対する負のバイアス電圧が印加されるので、それにより生じる電界によって、フィラメント210の先端から放出される電子線は集束され発散が抑制される。ターゲット22は、たとえばタングステンを含む金属材料により形成され、フィラメント210の先端から放出された電子線の衝突または電子線の進行の変化によりX線を発生するX線発生部として機能する。なお、図2においては、本実施の形態によるX線源2は透過型X線源により構成される場合を示しているが、X線源2は反射型X線源であってもよい。
引出電極213は、電子線の進行方向においてウェネルト電極211の下流側に配置される。第1電源214は、フィラメント210と引出電極213とに電気的に接続され、制御装置5の電子線制御部51からの制御信号に基づいて、フィラメント210に対する正の電圧を引出電極213に印加する。ただし、引出電極213の電位はグランド電位よりは負の電位となるように調整されている。第1電源214が引出電極213に正の高電圧(引出電圧)を印加することにより、フィラメント210の表面には強電界が形成される。
加速管24は、多数の導体筒が電子線の伝搬方向、すなわちZ軸方向に並び、隣り合う導体筒同士が異符号に帯電するように高周波電圧が印加された、たとえばヴィデレー型リニアックや、円盤装荷導波管や、アルバレ型リニアック等の線形加速器である。電子線発生部21から射出された電子線は、加速管24の入射端241から加速管24内部に伝播し、加速管24の内部において隣り合う導体筒の間に電子線が到達した際に電場の作用を受ける。これにより、電子線は、加速管24において隣り合う導体筒の間を通過するたびに加速される。加速管24で加速された電子線は出射端242から出射しターゲット22へ向けて伝搬する。
電子光学部23は、電子線を集束する電磁レンズであり、磁界の作用を利用してフィラメント210から出射された電子線を集束させる。これにより、電子線はターゲット22の微小な領域(X線焦点)に衝突する。電子光学部23は、電子線制御部51からの制御により通電されて磁界を生成する磁界発生部であるソレノイド型コイルにより構成される。電子光学部23は、加速管24の外部にその周囲を囲んで配置される。電子光学部23は、複数の部分電子光学部231を有し、それぞれの部分電子光学部231はZ軸方向、すなわち電子線が伝搬する方向に順次配置される。すなわち、加速管24の外部にその周囲を囲むように、複数のコイルがZ軸方向に関して異なる位置に配置される。図2においては、n個の部分電子光学部231が配置された場合を例示しているが、部分電子光学部231の個数は2個以上であれば良く、3個以上であるとより好ましい。
複数の部分電子光学部231のそれぞれには、電流を供給する複数の電源部232が電気的に接続される。電子線制御部51の制御により、複数の部分電子光学部231のそれぞれに供給する電流は個別に調節(制御)できる。図2に示す例では、部分電子光学部231a、231b、231c、…、231n−1、231nにはそれぞれに対応して設けられた電源部232a、232b、232c、…、232n−1、232nから電流が供給される。電源部232から部分電子光学部231のそれぞれに供給される電流値は、電子線制御部51によって個別に制御される。すなわち、電子線制御部51は、部分電子光学部231aの電流を制御する第1制御、部分電子光学部231bの電流を制御する第2制御、および部分電子光学部231nの電流を制御する第n制御を行う。
電子線制御部51により、電源部232から部分電子光学部231に供給する電流の制御が個別に行われることにより、部分電子光学部231ごとに生成される磁界の状態(たとえば磁束密度)を個別に設定することができる。すなわち、部分電子光学部231に供給する電流の大きさや方向を変化させることで部分電子光学部231により生成される磁界の磁束密度分布を変化させることができる。
図3は、部分電子光学部231aと231bとにより生成されるZ軸方向の磁界の一例を模式的に示す。具体的には、図3(a)におけるL1は、部分電子光学部231aと部分電子光学部231bとで、それぞれに生成される磁界B1と磁界B2とが、方向が互いに逆で異なる強さ(図3(a)では、磁界B1は−方向で大きく、磁界B2は+方向で小さく)の場合を示す。このように磁界B1および磁界B2を発生させた場合、部分電子光学部231aを伝搬するときと、部分電子光学部231bを通過するときとで、電子線には異なる方向に異なる強さの力が作用するので、電子線の集束状態をより高精度に制御することができる。
電子線制御部51は、部分電子光学部231aと231bとに対して供給する電流の方向と大きさの組み合わせを変えることにより、部分電子光学部231aおよび部分電子光学部231bのそれぞれにより生成される磁界の方向や強さを変更する。たとえば、電子線制御部51は、図3(b)に示すL2のように、部分電子光学部231aによる磁界B1は+側方向に中程度、部分電子光学部231bにより磁界B2は−側方向に中程度にそれぞれ生成する。この結果、電子線の集束状態を、図3(a)のL1に示すような磁界の状態の場合とは異なるように制御することができる。すなわち、図3(a)の場合と図3(b)の場合とで、ターゲット22に衝突する際の電子線のスポット径が異なるように制御することが可能となる。
電子線のスポット径を所望の大きさにするために部分電子光学部231のそれぞれに必要な供給電流の方向と大きさは、電子線発生部21から射出される電子線のエネルギーの大きさに依存する。従って、予め試験等を行い、その結果により、電子線のエネルギーの大きさ基づいて、部分電子光学部231のそれぞれに供給する電流の方向と大きさを設定し、記憶部55に記憶する。この場合、記憶部55は、射出される電子線のエネルギーの方向および大きさと、それぞれの部分電子光学部231に対する電流値とを、たとえばテーブル形式によって関連付けされた電流値情報として記憶する。
図4に、記憶部55に記憶される電流値情報の一例を模式的に示す。図4は、電子線のエネルギーに関する情報は、電子線の所望スポット径、ターゲット22に供給する電流、電子線の所望集束角を含む場合を例に挙げる。なお、電子線のエネルギーに関する情報としては、上記の全てが含まれている必要はなく、少なくとも1つが含まれればよい。また、電子エネルギーに関する情報として、たとえばフィラメント210へ供給する電流や、ウェネルト電極211に印加する電圧を含んでも良い。
図4においては、たとえば電子線の所望スポット径をR1、ターゲット22に供給する電流をQ1、所望集束角をφ1にする場合の、それぞれの部分電子光学部231a〜231nに供給する電流値がI11、I12、…、I1nであり、電子線の所望スポット径をR2、ターゲット22に供給する電流をQ2、所望集束角をφ2にする場合の、それぞれの部分電子光学部231a〜231nに供給する電流値がI21、I22、…、I2nである場合を表す。なお、実際には、電子線のエネルギーの大きさ、所望スポット径、所望集束角と電流値との関係についての情報として、図4に示す2組の組み合わせよりも多くの組み合わせが記憶部55に記憶されている。
電子線制御部51は、電子線発生部21に電子線の射出を指示する際に、記憶部55に記憶された電流値情報を参照して、部分電子光学部231のそれぞれに供給する電流の値を決定する。電子線制御部51は、それぞれの電源部232に対して、各電源部232に電気的に接続されている部分電子光学部231に、電子線制御部51が決定した電流値の電流を供給させる。
なお、被測定物Sに対してX線を照射しながら、被測定物Sが所定の角度だけ回転するごとにX線投影画像データを取得する際に、電子線制御部51は、上記の電流値情報に記憶されている部分電子光学部231のそれぞれに供給する電流値の比を保持したまま、電流値を微調整することができる。これにより、電子線の集束状態を微調整することができ、その結果、ターゲット22における電子線の所望スポット径を微調整して、検出器4にて検出される被測定物SのX線投影像の鮮鋭度を調整することが可能となる。
図5に示すフローチャートを参照しながら、第1の実施の形態のX線装置100の動作を説明する。図5に示す各処理は、制御装置5でプログラムを実行して行われる。このプログラムは、メモリ(不図示)に格納されており、制御装置5により起動され、実行される。
ステップS1においては、電子線制御部51は、電子線発生部21から射出する電子線のエネルギーの大きさを決定しステップS2へ進む。ステップS2においては、電子線制御部51は、決定した電子線のエネルギーに基づいて記憶部55に記憶された電流値情報を参照して、部分電子光学部231のそれぞれに対して供給する電流値を決定し、ステップS3へ進む。
ステップS3では、電子線制御部51は、発生させる電子線のエネルギーに基づいて、電子線発生部21のウェネルト電源212および第1電源214に対して電圧の印加を行わせる。電子線制御部51は、それぞれの電源部232に対して、ステップS2において決定された電流値を部分電子光学部231に供給させて、電子線を集束させてターゲット22に衝突させ、ターゲットからX線を射出させてステップS4へ進む。射出されたX線は被測定物Sを透過して検出器4に入射する。ステップS4では、画像生成部53は、検出器4から出力された電子信号に基づいてX線投影画像データを生成してステップS5へ進む。
ステップS5では、所定角度ごとの被測定物SのX線投影画像データが全て生成されたか否かを判定する。被測定物SのX線投影画像データが全て生成された場合には、ステップS5が肯定判定されてステップS6へ進む。生成されていない被測定物SのX線投影画像データが存在する場合には、ステップS5が否定判定されてステップS4へ戻る。ステップS6では、画像再構成部54は、生成された複数の被測定物SのX線投影画像データに対して画像再構成処理を施すことにより、被測定物Sの3次元データを生成して処理を終了する。
なお、電子線のスポット径を小さく絞り込むためには、非点収差や球面収差を小さくすることが有効である。そのために、複数の部分電子光学部231のうち、少なくとも1個を、収差を補正するための補正コイルとして用いる。たとえば、非点収差を補正するための補正コイルは、スティグメータと呼ばれる。
図6にこの場合のX線源2の断面構造を模式的に示す。X線源2においては、加速管24の出射端242側(Z軸方向+側)に部分電子光学部231a(図2参照)に代えて補正コイル233を配置している。X線源2において、補正コイル233以外の構成については、図2に示すX線源2と同様の構成を有する。なお、補正コイル233は、部分電子光学部231b〜231n−1の何れかに代えて配置されていればよい。加速管24の出射端242よりも入射端241に近い側(Z軸方向−側)の部分電子光学部231nに代えて配置されてもよいし、加速管24の入射端241よりも出射端242に近い側(Z軸方向+側)の部分電子光学部231nに代えて配置されてもよい。また、補正コイル233が複数個設けられても良い。
補正コイル233には、電子線制御部51により制御された電源部232aから電流が供給される。補正コイル233に供給する電流値は、試験、シミュレーション等に基づいて、補正コイル233が生成する磁界により補正対象とする収差が減少するように設定される。補正コイル233に供給する電流値は補正情報として、電子線の所望スポット径ごとに関連付けされて、たとえばテーブル形式にて予め記憶部55に記憶される。電子線制御部51は、電子線のスポット径を変更する場合には、補正情報を参照して補正コイル233に供給する電流値を決定し、電源部232aに対して補正コイル233に供給する電流の供給を行わせる。
以上で説明した第1の実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)X線源2には、加速管24の周囲にZ軸方向に順次配置された、部分電子光学部231(231a)および部分電子光学部231(231b)と、部分電子光学部231aの電流および部分電子光学部231bの電流を個別に制御可能な電子線制御部51が設けられる。これにより、複数の部分電子光学部231のそれぞれにより生成される磁界の状態を制御することが可能になり、電子線の集束度合、すなわちスポット径を制御することができる。これにより、所望のエネルギーを有するX線を放射させることが可能になる。
(2)電子線制御部51は、電子線のエネルギーの大きさに基づいて、第1制御と第2制御とを行う。これにより、複数の部分電子光学部231のそれぞれにより生成される磁界を制御して、電子線のスポット径を所望の大きさに制御することが可能になる。
(3)記憶部55は、電子線のエネルギーの大きさと、部分電子光学部231のそれぞれの電流との関係を記憶する。これにより、所望のスポット径を有する電子線を得るのに適した電流を部分電子光学部231に供給することができる。
(4)電子線制御部51は、第1制御と第2制御とによって、部分電子光学部231aと部分電子光学部231bとがそれぞれ生成する磁界の方向を互いに逆向きにし、また、それぞれの磁界を異なる強さとすることができる。これにより、部分電子光学部231ごとに電子線に対して異なる力を作用させられるので、電子線のスポット径を容易に制御することができる。
−第2の実施の形態−
図面を参照して、第2の実施の形態のX線装置について説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、X線源は電子線発生部からの電子線が伝搬する方向を変化させるための偏向用コイル(アライナ)を備える点で、第1の実施の形態とは異なる。
図7は、第2の実施の形態のX線源2の断面構造を模式的に示す図である。本実施の形態では、出射端242側(Z軸方向+側)に配置された2個の部分電子光学部231a、231b(図2参照)に代えて2個の偏向用コイル234a、234bを備える偏向器234を配置している。偏向用コイル234a、234bのそれぞれは、電子線をX方向に偏向するX用コイルと、Y方向に偏向するY用コイルにより構成される。偏向用コイル234aおよび234bは、たとえばトロイダル型コイルや、サドル型コイルであり、電源部232a、232bから電流の供給を受けて磁界を発生し、電子線の伝搬方向、すなわち電子線のXY平面上における電子線の位置を変化させる。
複数の部分電子光学部231c〜231nは、第1の実施の形態の部分電子光学部231c〜231nと同様の構成を有する。部分電子光学部231c〜231nには、電子線制御部51により、第1の実施の形態の場合と同様にして、電源部232c〜232nから供給される電流が制御される。
電子線制御部51は、発生させる電子線のエネルギーの大きさに基づいて偏向用コイル234a、234bに供給する電流を決定する。偏向用コイル234a、234bに供給する電流値は、試験、シミュレーション等に基づいて設定される、なお、電子線制御部51は、X線源2から射出され検出器4に入射したX線に基づいて画像生成部53により生成されたX線投影画像データを用いて、偏向用コイル234a、234bに供給する電流を決定してもよい。この場合、電子線制御部51は、載置台31が所定の角度回転するごとに画像生成部53により生成される複数のX線投影画像データを比較して、比較結果に基づいて、偏向器234に供給する電流の供給の要否を決定する。たとえば、被測定物Sの近傍に、固定された物体である位置基準を配置する。すなわち、位置基準は載置台31とともに回転しない指標である。複数のX線投影画像データ間における位置基準に相当する信号位置が変位した場合には、電子線制御部51は、X線の伝播方向が変動したと判断し、X線投影画像データにおける位置基準に相当する信号位置の変位量に基づいて、偏向器234に供給する供給する電流値を決定する。2個の偏向用コイル234a、234bにそれぞれ供給される電流値は、たとえば電子線の偏向を開始させる位置である偏向支点の位置が加速管24の出射端242となるように、試験、シミュレーション等の結果に基づいて設定され、予め記憶部55に記憶されている。電子線の偏向支点を加速管24の出射端242とすることにより、加速管24から出射した電子線はボディ部25内の他の部材等に衝突することなくターゲット22に到達することができる。
図8に示すフローチャートを参照しながら、第2の実施の形態のX線装置100の動作を説明する。図8に示す各処理は、制御装置5でプログラムを実行して行われる。このプログラムは、メモリ(不図示)に格納されており、制御装置5により起動され、実行される。
ステップS11(電子線のエネルギー決定)からステップS14(X線投影画像データ生成)までの各処理は、図5のフローチャートにおけるステップS1(電子線のエネルギー決定)からステップS4(X線投影画像データ生成)までの各処理と同様である。ステップS15においては、電子線制御部51は、載置台31が所定の角度回転するごとに画像生成部53により生成される複数のX線投影画像データを比較して、ステップS16へ進む。なお、ステップS15において複数のX線投影画像データが生成されていない場合には、載置台31の回転角度を異ならせた状態でステップS14の処理を再度行い、X線投影画像データを生成する。
ステップS16では、電子線制御部51は、ステップS15における比較結果に基づいて、偏向用コイル234a、234bに供給する電流の供給の要否を決定する。偏向用コイル234a、234bに供給する電流の供給が必要な場合、すなわちX線投影画像データに含まれる位置基準に相当する信号位置の変位量が所定の閾値以上である場合には、ステップS16が肯定判定されてステップS17へ進む。なお、変位量は、載置台31の所定の回転角度ごと、すなわち時間的に異なるタイミングで生成された複数のX線投影画像データを比較して得られるので、位置基準に相当する信号位置の時間的な変位を示す量である。また、所定の閾値は、X線投影画像データを取得する際に許容されるアーチファクトによって決定される。すなわち、所定の閾値以上の場合には、生成されるX線投影画像データにおいて、被測定物Sの像がぼけたり、アーチファクトが目立つ等の画質の低下が生じる。ステップS17では、電子線制御部51は、位置基準に相当する信号位置の変位量に基づいて、偏向用コイル234a、234bへ供給する電流値を決定し、ステップS18へ進む。一方、偏向用コイル234a、234bに供給する電流の供給が不要な場合、すなわちX線投影画像データに含まれる位置基準に相当する信号位置の変位量が所定の閾値を下回る場合には、ステップS16が否定判定されてステップS18へ進む。ステップS18(全てのX線投影画像データが生成されたか否かの判定)およびステップS19(被測定物Sの3次元データの生成)の処理は、図5のフローチャートにおけるステップS5およびステップS6の処理とそれぞれ同様である。なお、ステップS18において否定判定された場合には、処理はステップS14に戻る。
以上で説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態により得られる作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
X線源2が偏向器234を備えることにより、ターゲット22上における電子線の位置が変位することを抑制できる。これにより、ターゲット22から発生するX線が検出器4に入射する際の入射位置が変位することを抑制し、高画質のX線投影画像データを生成することができる。
偏向器234は、加速管24の入射端241よりも出射端242に近い側に配置される。これにより、偏向器234により電子線のXY平面上での位置の制御が容易になる。
なお、偏向器234の個数(組数)が、電子線の調整の自由度に相当する。たとえば、本実施の形態のように、X線源2が1個(1組)の偏向器234を備える場合には、ターゲット22上での電子線の位置のみを調整することができる。X線源2が2個(2組)の偏向器234を備える場合には、各偏向コイルに適切な励磁電流比にて電流を供給することにより、電子線の偏向支点も固定することができる。たとえば、偏向支点をターゲット22から離れた位置となるように励磁電流比を制御すると、電子線を急激に曲げることなくターゲット22上の所望の位置に到達させることができる。この結果、電子線が急激に曲がることによる収差の増大を抑制し、ターゲット22上での電子線のスポット径の増大を抑制することができる。
なお、上述した第2の実施の形態では、偏向器234が2個の偏向用コイル234a、234bを有する場合を例に挙げたが、1個の偏向用コイルを有しても良いし、3個以上の偏向用コイルを有しても良い。
また、偏向器234は加速管24の出射端242側に設けられるものに限られず、加速管24の入射端241側、たとえば部分電子光学部231nに代えて偏向器234が設けられて良い。この場合、偏向器234に供給する電流値を小さくし、偏向器234の発熱を抑制することができる。また、加速管24の入射端241と出射端242との間、たとえば部分電子光学部231c〜231n−1の何れかに代えて偏向器234が設けられても良い。
また、図2に示すX線源2が上述した偏向器234を有する場合を例に挙げて説明したが、図6に示すX線源2が偏向器234を有するものであってもよい。この場合にも、電子線制御部51は偏向器234に対して上記と同様の制御を適用することができる。
−第3の実施の形態−
図面を参照して、第3の実施の形態のX線装置について説明する。以下の説明では、第1の実施の形態と同じ構成要素には同じ符号を付して相違点を主に説明する。特に説明しない点については、第1の実施の形態と同じである。本実施の形態では、X線源が備える複数の部分電子光学部は、電子線の伝搬方向に沿って互いに磁性体によって隔離される点で、第1の実施の形態とは異なる。
図9は、第3の実施の形態のX線源2の断面構造を模式的に示す図である。本実施の形態では、X線源2は、図2に示す第1の実施の形態にて説明した構成に加えて、たとえば軟鉄や純鉄等の磁性体からなる隔離部材235を有する。本実施の形態においては、Z軸方向に関して、部分電子光学部231と隔離部材235とが交互に配置される。すなわち、部分電子光学部231aと部分電子光学部231bとは隔離部材235aにより互いに隔離され、部分電子光学部231bと部分電子光学部231cとは隔離部材235bにより互いに隔離され、…、部分電子光学部231n−1と部分電子光学部231nとは隔離部材235n−1により互いに隔離される。
図9に示すように、複数の部分電子光学部231のそれぞれは、隔離部材235に両側から挟まれるか、あるいは部分電子光学部231aや231nのように隔離部材235とボディ部25の一部とに両側から挟まれる。このため、隔離部材235やボディ部25がヨークとして機能し、部分電子光学部231で生成された磁界を、加速管24を伝搬する電子線により効果的に作用させることができる。これにより、部分電子光学部231に供給する電流値をより小さくすることが可能となる。
第3の実施の形態のX線装置100が行う処理は、図5のフローチャートに示す第1の実施の形態のX線装置100が行う処理と同様である。
なお、上記の説明では、第1の実施の形態のX線源2に適用した場合を例に挙げて説明したが、第2の実施の形態のX線源2に適用してよい。この場合、第3の実施の形態のX線装置100は、図8のフローチャートに示す第2の実施の形態のX線装置100が行う処理と同様の処理を行う。
以上で説明した第3の実施の形態によれば、第1や第2の実施の形態により得られる作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
部分電子光学部231は、磁性体である隔離部材235によってZ軸方向に関して互いに隔離される。したがって、部分電子光学部231へ電流値を抑えて、部分電子光学部231に発生する熱量を抑制することができる。これにより、部分電子光学部231で発生した熱により部分電子光学部231のコイルの部材を接着するために用いられている樹脂の劣化を抑制できる。
以上、第1〜第3の実施の形態においては、電子線を発生させる電子線発生部21を例に挙げて説明したが、この例に限定されない。たとえば、イオン等の他の荷電粒子線を発生させる荷電粒子線装置に、第1〜第3の実施の形態において説明した各種の構成を適用することができる。
また、上述した第1〜第3の実施の形態においては、荷電粒子線装置としてのX線源2を備えるX線装置100を例に挙げて説明したが、この例に限定されない。荷電粒子線装置は、たとえば電子ビーム加工機等が備える電子ビームの発生装置であってもよい。図10にこの場合の荷電粒子線装置6の断面構造を模式的に示す。図2に示す第1の実施の形態のX線源2の場合と異なり、荷電粒子線装置6はターゲット22を備えない。他の構成については、荷電粒子線装置6は、図2に示すX線源2と同様の構成を備える。なお、荷電粒子線装置6は、図6に示す補正コイル233や、図7に示す偏向用コイル234や、図9に示す隔壁部材235を備えてよい。
−第4の実施の形態−
図面を参照して、本発明の実施の形態による構造物製造システムを説明する。本実施の形態の構造物製造システムは、たとえば自動車のドア部分、エンジン部分、ギア部分および回路基板を備える電子部品等の成型品を作成する。
図11は本実施の形態による構造物製造システム400の構成の一例を示すブロック図である。構造物製造システム400は、第1〜第3の実施の形態や変形例にて説明したX線装置100と、設計装置410と、成形装置420と、制御システム430と、リペア装置440とを備える。
設計装置410は、構造物の形状に関する設計情報を作成する設計処理を行う。設計情報は、構造物の各位置の座標を示す情報である。設計情報は成形装置420および後述する制御システム430に出力される。成形装置420は設計装置410により作成された設計情報を用いて構造物を作成、成形する成形処理を行う。この場合、成形装置420は、鋳造、鍛造および切削のうち少なくとも1つを行うものについても本発明の一態様に含まれる。
X線装置100は、成形装置420により成形された構造物の形状を測定する測定処理を行う。X線装置100は、構造物を測定した測定結果である構造物の座標を示す情報(以後、形状情報と呼ぶ)を制御システム430に出力する。制御システム430は、座標記憶部431と、検査部432とを備える。座標記憶部431は、上述した設計装置410により作成された設計情報を記憶する。
検査部432は、成形装置420により成形された構造物が設計装置410により作成された設計情報に従って成形されたか否かを判定する。換言すると、検査部432は、成形された構造物が良品か否かを判定する。この場合、検査部432は、座標記憶部431に記憶された設計情報を読み出して、設計情報とX線装置100から入力した形状情報とを比較する検査処理を行う。検査部432は、検査処理としてたとえば設計情報が示す座標と対応する形状情報が示す座標とを比較し、検査処理の結果、設計情報の座標と形状情報の座標とが一致している場合には設計情報に従って成形された良品であると判定する。設計情報の座標と対応する形状情報の座標とが一致していない場合には、検査部432は、座標の差分が所定範囲内であるか否かを判定し、所定範囲内であれば修復可能な不良品と判定する。
修復可能な不良品と判定した場合には、検査部432は、不良部位と修復量とを示すリペア情報をリペア装置440へ出力する。不良部位は設計情報の座標と一致していない形状情報の座標であり、修復量は不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分である。リペア装置440は、入力したリペア情報に基づいて、構造物の不良部位を再加工するリペア処理を行う。リペア装置440は、リペア処理にて成形装置420が行う成形処理と同様の処理を再度行う。
図12に示すフローチャートを参照しながら、構造物製造システム400が行う処理について説明する。
ステップS101では、設計装置410は設計処理により構造物の形状に関する設計情報を作成してステップS102へ進む。ステップS102では、成形装置420は成形処理により、設計情報に基づいて構造物を作成、成形してステップS103へ進む。ステップS103においては、X線装置100は測定処理を行って、構造物の形状を計測し、形状情報を出力してステップS104へ進む。
ステップS104では、検査部432は、設計装置410により作成された設計情報とX線装置100により測定され、出力された形状情報とを比較する検査処理を行って、ステップS105へ進む。ステップS105では、検査処理の結果に基づいて、検査部432は成形装置420により成形された構造物が良品か否かを判定する。構造物が良品である場合、すなわち設計情報の座標と形状情報の座標とが一致する場合には、ステップS105が肯定判定されて処理を終了する。構造物が良品ではない場合、すなわち設計情報の座標と形状情報の座標とが一致しない場合には、ステップS105が否定判定されてステップS106へ進む。
ステップS10では、検査部432は構造物の不良部位が修復可能か否かを判定する。不良部位が修復可能ではない場合、すなわち不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分が所定範囲を超えている場合には、ステップS106が否定判定されて処理を終了する。なお、所定範囲は、構造物の加工精度の範囲であり、設計図および図面に記載の寸法精度から決定される。不良部位が修復可能な場合、すなわち不良部位における設計情報の座標と形状情報の座標との差分が所定範囲内の場合には、ステップS106が肯定判定されてステップS107へ進む。この場合、検査部432はリペア装置440にリペア情報を出力する。ステップS107においては、リペア装置440は、入力したリペア情報に基づいて、構造物に対してリペア処理を行ってステップS103へ戻る。なお、上述したように、リペア装置440は、リペア処理にて成形装置420が行う成形処理と同様の処理を再度行う。
以上で説明した第4の実施の形態による構造物製造システム400においては、以下の作用効果が得られる。
(1)X線装置100は、設計装置410の設計処理に基づいて成形装置420により作成された構造物の形状情報を取得する測定処理を行い、制御システム430の検査部432は、測定処理にて取得された形状情報と設計処理にて作成された設計情報とを比較する検査処理を行う。したがって、構造物の欠陥の検査や構造物の内部の情報を非破壊検査によって取得し、構造物が設計情報の通りに作成された良品であるか否かを判定できるので、構造物の品質管理に寄与する。
(2)リペア装置440は、検査処理の比較結果に基づいて、構造物に対して成形処理を再度行うリペア処理を行うようにした。したがって、構造物の不良部分が修復可能な場合には、再度成形処理と同様の処理を構造物に対して施すことができるので、設計情報に近い高品質の構造物の製造に寄与する。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
2…X線源、3…載置部、4…検出器、
5…制御装置、6…荷電粒子線装置、21…電子線発生部、
22…ターゲット、23…電子光学部、51…電子線制御部、
52…載置台制御部、53…画像生成部、54…画像再構成部、
55…記憶部、100…X線装置、231…部分電子光学部、
232…電源部、233…補正コイル、234…偏向器、
235…隔離部材、400…構造物製造システム、410…設計装置、
420…成形装置、430…制御システム、432…検査部、
440…リペア装置

Claims (14)

  1. 荷電粒子線を第1方向に加速する加速管と、
    前記加速管の周囲に配置された第1コイルと、
    前記加速管の周囲に配置され、少なくとも一部が前記第1コイルに対して前記第1方向に関して異なる位置に備えられた第2コイルと、
    前記第1コイルの電流および前記第2コイルの電流を個別に制御可能な制御部とを有する荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御部は、前記荷電粒子線のエネルギーの大きさに基づいて、前記第1コイルの電流の制御と前記第2コイルの電流の制御とを行う荷電粒子線装置。
  3. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記荷電粒子線のエネルギーの大きさと、前記第1コイルの電流と、前記第2コイルの電流との関係を記憶する記憶部を備える荷電粒子線装置。
  4. 請求項2または3に記載の荷電粒子線装置において、
    前記制御部は、前記第1コイルの電流を制御することによって前記第1コイルが生成する磁界の方向と、前記第2コイルの電流を制御することによって前記第2コイルが生成する磁界の方向とを、互いに逆方向にする荷電粒子線装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1コイルおよび第2コイルの一方は、前記荷電粒子線が伝搬する方向を変化させる偏向用コイルであり、
    前記荷電粒子線は、前記加速管の入射端から前記加速管の内部に入射して前記加速管の出射端から出射し、
    前記偏向用コイルは、前記加速管の前記出射端よりも前記入射端に近い側に配置される荷電粒子線装置。
  6. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1コイルおよび第2コイルの一方は、前記荷電粒子線が伝搬する方向を変化させる偏向用コイルであり、
    前記荷電粒子線は、前記加速管の入射端から前記加速管の内部に入射して前記加速管の出射端から出射し、
    前記偏向用コイルは、前記加速管の前記入射端よりも前記出射端に近い側に配置される荷電粒子線装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1コイルおよび第2コイルの一方は、前記荷電粒子線の非点収差を補正する補正用コイルである荷電粒子線装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加速管は、線形加速管である荷電粒子線装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1コイルと前記第2コイルとは、磁性体によって前記第1方向に関して互いに隔離される荷電粒子線装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の荷電粒子線装置において、
    前記加速管により加速された前記荷電粒子線によって照射されることにより、X線を放射するX線発生部をさらに備える荷電粒子線装置。
  11. 請求項10に記載の荷電粒子線装置と、
    前記荷電粒子線装置から放射され、被測定物を通過したX線を検出する検出部を備えるX線装置。
  12. 構造物の形状に関する設計情報を作成し、
    前記設計情報に基づいて前記構造物を作成し、
    作成された前記構造物の形状を、請求項11に記載のX線装置を用いて計測して形状情報を取得し、
    前記取得された前記形状情報と前記設計情報とを比較する構造物の製造方法。
  13. 請求項12に記載の構造物の製造方法において、
    前記形状情報と前記設計情報との比較結果に基づいて実行され、前記構造物の再加工を行う構造物の製造方法。
  14. 請求項13に記載の構造物の製造方法において、
    前記構造物の再加工は、前記設計情報に基づいて前記構造物の作成を再度行う構造物の製造方法。


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