JP2019056465A - ダンパ装置 - Google Patents

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Masaki Wajima
雅樹 輪嶋
一能 伊藤
Kazuyoshi Ito
一能 伊藤
大樹 長井
Hiroki Nagai
大樹 長井
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【課題】良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置の回転数領域を拡大する。【解決手段】第1,第2,第3,第4,第5弾性体のうちの少なくとも1つを、周方向の両端部が入力要素と出力要素と第1中間要素と第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共にダンパ装置の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングとする。【選択図】図3

Description

本開示は、ダンパ装置に関する。
従来、この種のダンパ装置としては、入力要素と、出力要素と、第1中間要素と、第2中間要素と、入力要素と第1中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、第1中間要素と出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体と、入力要素と第2中間要素との間でトルクを伝達する第3弾性体と、第2中間要素と出力要素との間でトルクを伝達する第4弾性体と、第1中間要素と第2中間要素との間でトルクを伝達する第5弾性体と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このダンパ装置では、第1〜第5弾性体の全ての撓みが許容されている状態で、装置全体で2つの固有振動数を設定することができる。また、互いに異なる2つの固有振動数の間で、第2弾性体から出力要素に伝達される振動と第4弾性体から出力要素に伝達される振動とが互いに打ち消し合う(出力要素の振動振幅を理論上ゼロにし得る)反共振点を設定することができる。
国際公開第2016/039483号
上述のダンパ装置では、ダンパ装置(エンジン)の回転数(振動周波数)が反共振点の回転数を超えて増加すると、出力要素の振動が大きくなる場合がある。このため、良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置の回転数領域が比較的狭くなる場合がある。
本開示のダンパ装置は、良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置の回転数領域を拡大することを主目的とする。
本開示のダンパ装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本開示のダンパ装置は、
エンジンからのトルクが伝達される入力要素と、出力要素と、第1中間要素と、第2中間要素と、前記入力要素と前記第1中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記第1中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体と、前記入力要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第3弾性体と、前記第2中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第4弾性体と、前記第1中間要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第5弾性体と、を備えるダンパ装置であって、
前記第1,第2,第3,第4,第5弾性体のうちの少なくとも1つは、周方向の両端部が前記入力要素と前記出力要素と前記第1中間要素と前記第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共に前記ダンパ装置の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングである、
ことを要旨とする。
この本開示のダンパ装置では、装置全体で2つの固有振動数を設定することができる。これにより、ダンパ装置の回転数の増加に従って、2つの固有振動数のうち小さい側の固有振動数で共振が発生すると、第2弾性体から出力要素に伝達される振動と第4弾性体から出力要素に伝達される振動とのうちの一方が他方の少なくとも一部を打ち消すようになり、出力要素における振動が小さくなっていく。そして、ダンパ装置の回転数が或る回転数のときに、出力要素における振動が十分に小さくなる。また、第1,第2,第3,第4,第5弾性体のうちの少なくとも1つは、周方向の両端部が入力要素と出力要素と第1中間要素と第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共にダンパ装置の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングである。したがって、ダンパ装置の回転数が大きいほど、不等ピッチコイルスプリングの有効巻数が減少し、不等ピッチコイルスプリングの剛性(ばね定数)が大きくなる。これにより、ダンパ装置の回転数が上述の或る回転数を超えて増加するときに、出力要素における振動が十分に小さくなる状態を継続させる(追従させる)ことができる。この結果、良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置の回転数領域を拡大することができる。
本開示のダンパ装置10を有する発進装置1を示す概略構成図である。 中間スプリングSPmを示す概略構成図である。 第1中間部材12および中間スプリングSPmを示す概略構成図である。 ダンパ装置10の回転数が小さいときの中間スプリングSPmの様子を示す説明図である。 ダンパ装置10の回転数が大きいときの中間スプリングSPmの様子を示す説明図である。 ダンパ装置10の回転数と本実施形態のダンパ装置10および比較形態のダンパ装置のドリブン部材における振動振幅(トルク変動)との関係を模式的に示す説明図である。 2つの固有振動数f21,f22および反共振の振動数faの合成ばね定数k5に対する特性を示す説明図である。 本開示の他のダンパ装置10Bを備える発進装置1Bを示す概略構成図である。 本開示の他のダンパ装置10Cを備える発進装置1Cを示す概略構成図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のダンパ装置10を有する発進装置1を示す概略構成図である。同図に示す発進装置1は、原動機としてのエンジン(本実施形態では、内燃機関)EGを備える車両に搭載されるものであり、ダンパ装置10に加えて、エンジンEGのクランクシャフトに連結されるフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5、ダンパ装置10に連結されると共に変速機(動力伝達装置)TMの入力軸ISに固定されるダンパハブ(動力出力部材)7、ロックアップクラッチ8等を備える。ここで、変速機TMとしては、自動変速機(AT)や、無段変速機(CVT)、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)、ハイブリッドトランスミッション、減速機を挙げることができる。
なお、以下の説明において、「軸方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10の中心軸(軸心)の延在方向を示す。また、「径方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、ダンパ装置10等の回転要素の径方向、すなわち発進装置1やダンパ装置10の中心軸から中心軸と直交する方向(半径方向)に延びる直線の延在方向を示す。さらに、「周方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、ダンパ装置10等の回転要素の周方向、すなわち回転要素の回転方向に沿った方向を示す。
ポンプインペラ4は、フロントカバー3に密に固定される図示しないポンプシェルと、ポンプシェルの内面に配設された複数のポンプブレード(図示省略)とを有する。タービンランナ5は、タービンシェル(図示省略)と、タービンシェルの内面に配設された複数のタービンブレード(図示省略)とを有する。タービンシェルの内周部は、複数のリベットを介してドリブン部材16に固定される。
ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6が同軸に配置される。ステータ6は、複数のステータブレード(図示省略)を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5、ステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ61を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させるものとしてもよい。
ロックアップクラッチ8は、ダンパ装置10を介してフロントカバー3とダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共にロックアップを解除するものである。ロックアップクラッチ8は、単板油圧式クラッチでもよいし、少なくとも1枚の摩擦係合プレート(複数の摩擦材)を有する多板油圧式クラッチでもよい。
ダンパ装置10は、エンジンEGと変速機TMとの間で振動を減衰するものであり、図1に示すように、同軸に相対回転する回転要素(回転部材すなわち回転質量体)として、ドライブ部材(入力要素)11、第1中間部材(第1中間要素)12、第2中間部材(第2中間要素)14、ドリブン部材(出力要素)16を備える。さらに、ダンパ装置10は、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ドライブ部材11と第1中間部材12との間に配置されて回転トルク(回転方向のトルク)を伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第1外側スプリング(第1弾性体)SP11、第1中間部材12とドリブン部材16との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第2外側スプリング(第2弾性体)SP12、ドライブ部材11と第2中間部材14との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第1内側スプリング(第3弾性体)SP21、第2中間部材14とドリブン部材16との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の第2内側スプリング(第4弾性体)SP22、第1中間部材12と第2中間部材14との間に配置されて回転トルクを伝達する複数(本実施形態では、例えば3個)の中間スプリング(第5弾性体)SPmを備える。
本実施形態では、第1,第2外側スプリングSP11,SP12および第1,第2内側スプリングSP21,SP22として、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなり、且つ、有効巻部(座を除く部分)のピッチが等ピッチである等ピッチストレートコイルスプリングが採用される。なお、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22のうちの少なくとも1つは、等ピッチアークコイルスプリングとしてもよい。
また、本実施形態では、中間スプリングSPmとして、図2に示すように、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなり、且つ、有効巻部(座を除く部分)のピッチが不等ピッチである不等ピッチストレートコイルスプリングが採用される。この中間スプリングSPmの有効巻部のピッチは、詳細には、中間スプリングSPmの延在方向における両端部SPma(両端からそれぞれ略1/3程度の範囲)では長さp1であり、中央部SPmb(中央の略1/3程度の範囲)では長さp1よりも短い長さp2である。
さらに、本実施形態では、第1,第2外側スプリングSP11,SP12は、ダンパ装置10(第1中間部材12)の周方向に沿って交互に並んで1個ずつ対をなす(直列に作用する)ように流体伝動室9内の外周側領域に配設される。また、第1,第2内側スプリングSP21,SP22は、ダンパ装置10(第2中間部材14)の周方向に沿って交互に並んで1個ずつ対をなす(直列に作用する)ように第1,第2外側スプリングSP11,SP12の径方向内側に配設され、第1,第2外側スプリングSP11,SP12により包囲される。
ダンパ装置10のドライブ部材11は、ロックアップクラッチ8のロックアップピストンあるいはクラッチドラムまたはクラッチハブに固定され、ロックアップピストン等と一体に回転可能である。従って、ロックアップクラッチ8の係合により、フロントカバー3(エンジンEG)とダンパ装置10のドライブ部材11とが連結されることになる。
また、ドライブ部材11は、環状部材であり、周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部(弾性体当接部)と、複数の内側スプリング当接部よりも径方向外側に位置するように周方向に間隔をおいて形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング当接部(弾性体当接部)とを有する(何れも図示省略)。
第1中間部材12は、図3に示すように、環状部材であり、周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の第1スプリング当接部(弾性体当接部、図示省略)と、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング収容窓12wとを有する。各スプリング収容窓12wは、第1中間部材12の周方向に沿って延びる円弧状に形成されており、円弧状の内周縁12aおよび外周縁12bと、内周縁12aおよび外周縁12bの両端をそれぞれ繋ぐ一対の第2スプリング当接部(弾性体当接部)12dとを有する。
第2中間部材14は、環状部材であり、周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の第1スプリング当接部(弾性体当接部、図示省略)と、図3に示すように、周方向に間隔をおいて(等間隔に)配設された複数対(本実施形態では、例えば3対)の第2スプリング当接部(弾性体当接部)14dとを有する。
ドリブン部材16は、リベットを介して若しくは溶接によりダンパハブ7に固定される。また、ドリブン部材16は、その内周縁に近接するように周方向に間隔をおいて形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部(弾性体当接部)と、複数の内側スプリング当接部よりも径方向外側に位置するように周方向に間隔をおいて形成された複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング当接部(弾性体当接部)とを有する(何れも図示省略)。
ダンパ装置10の取付状態(組み立て完了後であってダンパ装置10が作動していない静止状態)において、ドライブ部材11の各外側スプリング当接部は、対をなさない(直列に作用しない)第1,第2外側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部と当接する。同様に、ドリブン部材16の各外側スプリング当接部も、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1,第2外側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部と当接する。また、ドライブ部材11の各内側スプリング当接部は、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1,第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部と当接する。同様に、ドリブン部材16の各内側スプリング当接部は、ダンパ装置10の取付状態において、対をなさない(直列に作用しない)第1,第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部と当接する。
第1中間部材12の各第1スプリング当接部(図示省略)は、互いに対をなす第1,第2外側スプリングSP11,SP12の間で両者の端部と当接する。さらに、第2中間部材14は、本実施形態において、ドライブ部材11およびドリブン部材16よりもタービンランナ5に近接するように第1中間部材12の径方向内側に配置される。そして、第2中間部材14の各第1スプリング当接部(図示省略)は、互いに対をなす第1,第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部と当接する。
これにより、ダンパ装置10の取付状態において、各第1外側スプリングSP11の一端は、ドライブ部材11の対応する外側スプリング当接部およびドリブン部材16の対応する外側スプリング当接部と当接し、各第1外側スプリングSP11の他端は、第1中間部材12の対応する第1スプリング当接部と当接する。また、ダンパ装置10の取付状態において、各第2外側スプリングSP12の一端は、第1中間部材12の対応する第1スプリング当接部と当接し、各第2外側スプリングSP12の他端は、ドライブ部材11の対応する外側スプリング当接部およびドリブン部材16の対応する外側スプリング当接部と当接する。
さらに、各第1内側スプリングSP21の一端は、ドライブ部材11の対応する内側スプリング当接部およびドリブン部材16の対応する内側スプリング当接部と当接し、各第1内側スプリングSP21の他端は、第2中間部材14の対応する第1スプリング当接部と当接する。また、ダンパ装置10の取付状態において、各第2内側スプリングSP22の一端は、第2中間部材14の対応する第1スプリング当接部と当接し、各第2内側スプリングSP22の他端は、ドライブ部材11の対応する内側スプリング当接部およびドリブン部材16の対応する内側スプリング当接部と当接する。
この結果、ドリブン部材16は、複数の第1外側スプリングSP11、第1中間部材12、複数の第2外側スプリングSP12を介してドライブ部材11に連結されると共に、複数の第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、複数の第2内側スプリングSP22を介してドライブ部材11に連結されることになる。
各中間スプリングSPmは、第1中間部材12の対応するスプリング収容窓12wに収容される。ダンパ装置10の取付状態において、第1中間部材12の各対(各スプリング収容窓12wの両側)の第2スプリング当接部12dは、それぞれ中間スプリングSPmの対応する端部に当接し、第2中間部材14の各対の第2スプリング当接部14dも、それぞれ中間スプリングSPmの対応する端部に当接する。これにより、ダンパ装置10の取付状態において、各中間スプリングSPmの両端は、第1,第2中間部材12,14の対応する対の第2スプリング当接部12d,14dと当接する。すなわち、ダンパ装置10の取付状態において、各中間スプリングSPmは、第1中間部材12の対応する対の第2スプリング当接部12dにより周方向における両側から支持されると共に、第2中間部材14の対応する対の第2スプリング当接部14dにより周方向における両側から支持される。この結果、第1中間部材12と第2中間部材14とは、複数の中間スプリングSPmを介して互いに連結されることになる。
また、上述したように、中間スプリングSPmとしてストレートコイルスプリング(第1中間部材12のスプリング収容窓12wの曲率半径よりも曲率半径の大きいコイルスプリング)が用いられるから、中間スプリングSPmがスプリング収容窓12wに収容されると、中間スプリングSPmは、その両端部が外周縁12bにより径方向に支持されると共に、その延在方向において端部から中央に向かうにつれて、内周縁12aに接近する(図3では、延在方向における中央付近で内周縁12aに略当接している)。
また、ダンパ装置10は、図1に示すように、第1外側スプリングSP11の撓みを規制する第1ストッパ21と、第2外側スプリングSP12の撓みを規制する第2ストッパ22と、第1内側スプリングSP21の撓みを規制する第3ストッパ23と、第2内側スプリングSP22の撓みを規制する第4ストッパ24と、中間スプリングSPmの撓みを規制する第5ストッパ25とを備える。第1〜第5ストッパ21〜25は、エンジンからドライブ部材11に伝達される入力トルクがダンパ装置10の最大捩れ角θmaxに対応したトルクT2(第2の閾値)よりも小さい予め定められたトルク(第1の閾値)T1に達した以降に対応するスプリングの撓みを規制するように構成される。これら第1〜第5ストッパ21〜25の作動タイミングを適宜設定することにより、ダンパ装置10に複数段階(2ステージ以上)の減衰特性をもたせることができる。
次に、ダンパ装置10の動作について説明する。発進装置1において、ロックアップクラッチ8によるロックアップが解除されている際には、例えば、エンジンEGからフロントカバー3に伝達された回転トルク(動力)が、ポンプインペラ4、タービンランナ5、ドリブン部材16、ダンパハブ7という経路を介して変速機TMの入力軸ISに伝達される。これに対して、発進装置1のロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されると、エンジンEGからフロントカバー3およびロックアップクラッチ8を介してドライブ部材11に伝達された回転トルク(入力トルク)は、ドライブ部材11への入力トルクがトルクT1に達するまで、つまり、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmのすべての撓みが許容されている間、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmの全てを介してドリブン部材16およびダンパハブ7に伝達される。
すなわち、ロックアップの実行中に入力トルクがトルクT1に達するまでの間、ドライブ部材11に伝達されたトルクは、第1外側スプリングSP11、第1中間部材12、第2外側スプリングSP12を含む第1トルク伝達経路P1と、第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、第2内側スプリングSP22を含む第2トルク伝達経路P2と、を介してドリブン部材16に伝達される。また、ダンパ装置10では、ドライブ部材11に伝達されたトルクは、第1外側スプリングSP11、第1中間部材12、中間スプリングSPm、第2中間部材14、第2内側スプリングSP22を含む第3トルク伝達経路P3と、第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、中間スプリングSPm、第1中間部材12、第2外側スプリングSP12を含む第4トルク伝達経路P4と、も介してドリブン部材16に伝達される。
また、ロックアップの実行中に入力トルクがトルクT1に達するまでの間、中間スプリングSPmは、ダンパ装置10の回転数が小さいときには、中間スプリングSPmに作用する遠心力が小さいために、図4のようになる。一方、ダンパ装置10の回転数が大きいときには、中間スプリングSPmに作用する遠心力が大きくなることによって、図5に示すように、第1中間部材12のスプリング収容窓12w内で中間スプリングSPmの延在方向における中央付近が径方向外側に膨らむことにより、中間スプリングSPmの曲率半径が小さくなり、中間スプリングSPmのその延在方向における中央部SPmb(ピッチが長さp2の部分)の径方向内側の部分が密着する。ダンパ装置10の回転数が大きいほど、中間スプリングSPmの曲率半径が小さくなるから、中間スプリングSPmの密着範囲が広くなる(密着巻数が増加する)。中間スプリングSPmの密着巻数が増加すると、中間スプリングSPmの有効巻数が減少するから、中間スプリングSPmの剛性(ばね定数)が大きくなる。すなわち、ダンパ装置10の回転数が大きいほど、中間スプリングSPmの密着巻数が増加することによって有効巻数が減少し、中間スプリングSPmの剛性(ばね定数)が大きくなるのである。
図6は、ダンパ装置10の回転数と本実施形態のダンパ装置10および比較形態のダンパ装置のドリブン部材における振動振幅(トルク変動)との関係を模式的に示す説明図である。図中、実線は本実施形態示のダンパ装置10の場合を示し、破線は比較形態のダンパ装置の場合を示す。比較形態としては、中間スプリングSPmとして第1,第2外側スプリングSP11,SP12および第1,第2内側スプリングSP21,SP22と同様の等ピッチストレートコイルスプリングが用いられるダンパ装置を考えるものとした。
実施形態および比較形態では、ロックアップの実行中に入力トルクがトルクT1に達していないとき、すなわちスプリングSP11〜SPmのすべての撓みが許容されている状態では、装置全体で、2つの固有振動数を設定することができる。このため、ダンパ装置10の回転数(ダンパ装置10に入力される振動の周波数)の増加に従って、2つの固有振動数のうち小さい側の固有振動数で共振が発生すると、第2外側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動の位相と、第2内側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の位相と、がずれていく。したがって、図6の本実施形態(実線)および比較形態(破線)に示すように、ダンパ装置10の回転数の増加に従って、2つの固有振動数のうち小さい側の固有振動数で共振が発生すると、第2外側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動と第2内側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動とのうちの一方が他方の少なくとも一部を打ち消すようになり、ドリブン部材16における振動が小さくなっていく。そして、ダンパ装置10の回転数が或る回転数N1に至ったときに、ドリブン部材16における振動が十分に小さくなる(比較形態の場合には極小となる)。以下、ドリブン部材16における振動が十分に小さくなる(比較形態の場合には極小となる)ダンパ装置10の回転数(振動数)を反共振の回転数(振動数)という。この反共振の回転数は、理想的な条件において、ドリブン部材16に接続される第2外側スプリングSP12および第2内側スプリングSP22のトルク振動が同振幅かつ逆位相となり、結果としてドリブン部材16におけるトルク変動がゼロになるダンパ装置10の回転数(振動数)を意味する。
本発明者らは、種々の解析により、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmを備えるダンパ装置10における反共振の振動数faが式(1)により得られることを見出した。式(1)中、「J21」は第1中間部材12の慣性モーメントであり、「J22」は第2中間部材14の慣性モーメントであり、「k1」はドライブ部材11と第1中間部材12との間で並列に作用する複数の第1外側スプリングSP11の合成ばね定数(剛性)であり、「k2」は、第1中間部材12とドリブン部材16との間で並列に作用する複数の第2外側スプリングSP12の合成ばね定数(剛性)であり、「k3」はドライブ部材11と第2中間部材14との間で並列に作用する複数の第1内側スプリングSP21の合成ばね定数(剛性)であり、「k4」は第2中間部材14とドリブン部材16との間で並列に作用する複数の第2内側スプリングSP22の合成ばね定数(剛性)であり、「k5」は第1中間部材12と第2中間部材14との間で並列に作用する複数の中間スプリングSPmの合成ばね定数(剛性)である。また、本発明者らは、合成ばね定数k1,k2,k3,k4および慣性モーメントJ21,J22を一定値として合成ばね定数k5を変数としたときに、ダンパ装置10全体の2つの固有振動数のうち小さい側および大きい側の固有振動数f21,f22および反共振の振動数faの合成ばね定数k5に対する特性が図7のように得られることを見出した。図7から分かるように、固有振動数f21,反共振の振動数fa,固有振動数f22は、周波数の小さい側からこの順となり、且つ、いずれも合成ばね定数k5が大きくなるのに従って大きくなっている。
Figure 2019056465
図6の説明に戻る。比較形態では、ダンパ装置10の回転数が回転数N1よりも大きくなると、回転数の増加に従って、反共振の回転数(振動数faに対応する回転数)から離れると共にダンパ装置10全体の2つの固有振動数のうち大きい側の固有振動数(図7の固有振動数f22)に対応する回転数(大側共振回転数)に近づき、第2外側スプリングSP12からドリブン部材16に伝達される振動の位相と第2内側スプリングSP22からドリブン部材16に伝達される振動の位相とのずれが小さくなっていき、ドリブン部材16における振動が大きくなっていく。一方、本実施形態では、ダンパ装置10の回転数が増加するのに従って、中間スプリングSPmの剛性(式(1)における合成ばね定数k5)が大きくなるから、式(1)および図7から分かるように、反共振の振動数faが大きくなる。したがって、ダンパ装置10の回転数が回転数N1を超えて増加するのに従って、反共振の回転数(振動数faに対応する回転数)および大側共振回転数を大きい側に移動させる(反共振の回転数から離れるのを抑制すると共に大側共振回転数に近づくのを抑制する)ことができる。この結果、良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置10の回転数領域を拡大することができる。特に、ダンパ装置10のその時々の回転数が反共振の回転数(振動数faに対応する回転数)となるように合成ばね定数k5が変化するように中間スプリングSPmを設計すれば、ダンパ装置10の時々の回転数に応じてドリブン部材16における振動が図6の比較形態における回転数N1での振動と同程度の振動となるから、より良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置10の回転数領域を拡大することができる。
実施形態のダンパ装置10では、中間スプリングSPm(不等ピッチコイルスプリング)の有効巻部のピッチは、中間スプリングSPmの延在方向における両端部(両端からそれぞれ略1/3程度の範囲)では長さp1であり、中央部SPmb(中央の略1/3程度の範囲)では長さp1よりも小さい長さp2であるものとした。しかし、中間スプリングSPmの有効巻部のピッチは、中間スプリングSPmの延在方向における両端から中央に向かうにつれて徐々に(3段階以上で)小さくなるものとしてもよい。また、中間スプリングSPmの有効巻部のピッチは、中間スプリングSPmの延在方向における両端から中央に向かうにつれて徐々に小さくなって極小となってから徐々に大きくなるものとしてもよい。後者の場合、中間スプリングSPmの有効巻部のピッチが、中間スプリングSPmの延在方向における中央から両端側に向かって対称となるようにするのが好ましい。
実施形態のダンパ装置10では、中間スプリングSPmとして、不等ピッチストレートコイルスプリングが用いられるものとしたが、第1中間部材12のスプリング収容窓12wの曲率半径よりも曲率半径の大きい不等ピッチアークコイルスプリングが用いられるものとしてもよい。この場合でも、ダンパ装置の回転数が大きいほど、中間スプリングSPmの密着巻数が増加することによって有効巻数が減少し、中間スプリングSPmの剛性(ばね定数)が大きくなることにより、上述のダンパ装置10と同様の作用効果を得ることができる。
実施形態のダンパ装置10では、中間スプリングSPmは、第1中間部材12のスプリング収容窓12wに収容されるものとしたが、第2中間部材14に形成されたスプリング収容窓に収容されるものとしてもよいし、第1,第2中間部材12,14に形成されたスプリング収容窓に収容されるものとしてもよい。
実施形態のダンパ装置10では、中間スプリングSPmは、内周縁12aと外周縁12bと第2スプリング当接部14dとを有する円弧状の収容窓12wに収容されるものとしたが、これに限定されるものではなく、周方向の両端部が第1,第2中間部材のうちの何れかまたは両方により径方向に支持されるものであればよい。
実施形態のダンパ装置10では、中間スプリングSPmが、第1中間部材12の円弧状のスプリング収容窓12wに収容され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共にダンパ装置10の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングであるものとした。しかし、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22のうちの何れか1つ、または、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmのうちの複数が、周方向の端部がドライブ部材11、第1中間部材12、第2中間部材14、ドリブン部材16のうち対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され(例えば、対応する2つの何れかまたは両方に形成された円弧状のスプリング収容窓に収容され)、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共にダンパ装置10の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングであるものとしてもよい。これらの場合、不等ピッチコイルスプリングは、ストレートコイルスプリングであるものとしてもよいし、対応するスプリング収容窓の曲率半径よりも曲率半径の大きいアークコイルスプリングであるものとしてもよい。
実施形態のダンパ装置10では、ドリブン部材16がトルクコンバータ(流体伝動装置)のタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、図1において二点鎖線で示すように、ドライブ部材11がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第1中間部材12がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第2中間部材14がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよい。
図8は、本開示のさらに他のダンパ装置10Bを有する発進装置1Bを示す概略構成図である。なお、ダンパ装置10Bの構成要素のうち、上述のダンパ装置10と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図8に示すダンパ装置10Bは、ドライブ部材11、第1,第2中間部材12,14、ドリブン部材16に加えて、第3中間部材(第3中間要素)13を回転要素として有すると共に、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmに加えて、第3外側スプリングSP13をトルク伝達要素として有する。ダンパ装置10Bの第3中間部材13には、第2外側スプリングSP12からトルクが伝達され、第3外側スプリングSP13は、第3中間部材13とドリブン部材16との間に配置されて両者の間で回転トルクを伝達する。すなわち、ダンパ装置10Bの第1トルク伝達経路P1は、第1外側スプリングSP11、第1中間部材12、第2外側スプリングSP12、第3中間部材13、第3外側スプリングSP13を有する。
このダンパ装置10Bでは、上述のダンパ装置10と同様の作用効果を得ることができる。また、第3外側スプリングSP13を有するダンパ装置10Bでは、ダンパ装置10B全体の剛性すなわち等価剛性をより低下させることが可能となるから、振動減衰性能をより一層向上させることができる。
図8に示すダンパ装置10Bでは、ドリブン部材16がトルクコンバータ(流体伝動装置)のタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、図8において二点鎖線で示すように、ドライブ部材11がタービンランナ5に一体回転するように連結されてもよく、第1中間部材12がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第3中間部材13がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第2中間部材14がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよい。
図9は、本開示のさらに他のダンパ装置10Cを有する発進装置1Cを示す概略構成図である。なお、ダンパ装置10Cの構成要素のうち、上述のダンパ装置10,10Bと同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9に示すダンパ装置10Cは、図8に示すダンパ装置10Bと同様に、ドライブ部材11、第1,第2中間部材12,14、ドリブン部材16に加えて、第3中間部材(第3中間要素)13を回転要素として有すると共に、第1,第2外側スプリングSP11,SP12、第1,第2内側スプリングSP21,SP22、中間スプリングSPmに加えて、第3外側スプリングSP13をトルク伝達要素として有する。ダンパ装置10Cの第3中間部材13には、第1外側スプリングSP11からトルクが伝達され、第3外側スプリングSP13は、第3中間部材13と第1中間部材12との間に配置されて両者の間で回転トルクを伝達する。すなわち、ダンパ装置10Cの第1トルク伝達経路P1は、第1外側スプリングSP11、第3中間部材13、第3外側スプリングSP13、第1中間部材12、第2外側スプリングSP12を有する。このダンパ装置10Cでも、上述のダンパ装置10と同様の作用効果を得ることができる。
図9に示すダンパ装置10Cでは、ドリブン部材16がトルクコンバータ(流体伝動装置)のタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしたが、これに限られるものではない。すなわち、図9において二点鎖線で示すように、ドライブ部材11がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第3中間部材13がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよいし、第1中間部材12がタービンランナ5に一体回転するように連結されてもよく、第2中間部材14がタービンランナ5に一体回転するように連結されるものとしてもよい。
以上説明したように、本開示のダンパ装置は、エンジン(EG)からのトルクが伝達される入力要素(11)と、出力要素(16)と、第1中間要素(12)と、第2中間要素(14)と、前記入力要素(11)と前記第1中間要素(12)との間でトルクを伝達する第1弾性体(SP11)と、前記第1中間要素(12)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する第2弾性体(SP12)と、前記入力要素(11)と前記第2中間要素(14)との間でトルクを伝達する第3弾性体(SP21)と、前記第2中間要素(14)と前記出力要素(16)との間でトルクを伝達する第4弾性体(SP22)と、前記第1中間要素(12)と前記第2中間要素(14)との間でトルクを伝達する第5弾性体(SPm)と、を備えるダンパ装置(10,10B,10C)であって、前記第1,第2,第3,第4,第5弾性体(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)のうちの少なくとも1つは、周方向の両端部が前記入力要素(11)と前記出力要素(16)と前記第1中間要素(12)と前記第2中間要素(14)とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共に前記ダンパ装置(10,10B,10C)の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングである、ことを要旨とする。
この本開示のダンパ装置では、装置全体で2つの固有振動数を設定することができる。これにより、ダンパ装置の回転数の増加に従って、2つの固有振動数のうち小さい側の固有振動数で共振が発生すると、第2弾性体から出力要素に伝達される振動と第4弾性体から出力要素に伝達される振動とのうちの一方が他方の少なくとも一部を打ち消すようになり、出力要素における振動が小さくなっていく。そして、ダンパ装置の回転数が或る回転数のときに、出力要素における振動が十分に小さくなる。また、第1,第2,第3,第4,第5弾性体のうちの少なくとも1つは、周方向の両端部が入力要素と出力要素と第1中間要素と第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共にダンパ装置の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングである。したがって、ダンパ装置の回転数が大きいほど、不等ピッチコイルスプリングの有効巻数が減少し、不等ピッチコイルスプリングの剛性(ばね定数)が大きくなる。これにより、ダンパ装置の回転数が上述の或る回転数を超えて増加するときに、出力要素における振動が十分に小さくなる状態を継続させる(追従させる)ことができる。この結果、良好な振動減衰性能を発揮できるダンパ装置の回転数領域を拡大することができる。
本開示のダンパ装置において、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)の有効巻部のピッチは、前記不等ピッチコイルスプリングの延在方向における中央部で両端部よりも小さいものとしてもよい。また、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)の有効巻部のピッチは、前記不等ピッチコイルスプリングの延在方向における両端から中央に向かうにつれて徐々に小さくなるものとしてもよい。
これらの態様の本開示のダンパ装置において、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)の有効巻数は、前記ダンパ装置(10,10B,10C)の回転数が大きいほど密着巻数が増加することにより減少するものとしてもよい。また、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)の曲率半径は、前記ダンパ装置(10,10B,10C)の回転数が大きいほど小さくなるものとしてもよい。
本開示のダンパ装置において、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)は、直線状のストレートコイルスプリングであるものとしてもよい。また、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)は、前記入力要素(11)と前記出力要素(16)と前記第1中間要素(12)と前記第2中間要素(14)とのうちの対応する2つの何れかまたは両方に形成された円弧状の収容部(12w)に収容され、更に、前記不等ピッチコイルスプリング(SP11,SP12,SP21,SP22,SPm)は、前記収容部(12w)の曲率半径よりも曲率半径の大きいアークコイルスプリングであるものとしてもよい。
以上、本開示を実施するための形態について説明したが、本開示はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本開示は、ダンパ装置の製造産業などに利用可能である。
1,1B,1C 発進装置、3 フロントカバー、4 ポンプインペラ、5 タービンランナ、6 ステータ、7 ダンパハブ、8 ロックアップクラッチ、9 流体伝動室、10,10B,10C ダンパ装置、11 ドライブ部材、12 第1中間部材、12a 内周縁、12b 外周縁、12d,14d 第2スプリング当接部、12w スプリング収容窓、13 第3中間部材、14 第2中間部材、16 ドリブン部材、21 第1ストッパ、22 第2ストッパ、23 第3ストッパ、24 第4ストッパ、25 第5ストッパ、26 ストッパ、61 ワンウェイクラッチ、EG エンジン、IS 入力軸、SP11 第1外側スプリング、SP12 第2外側スプリング、SP13 第3外側スプリング、SP21 第1内側スプリング、SP22 第2内側スプリング、SPm 中間スプリング、SPma 端部、SPmb 中央部、TM 変速機。

Claims (7)

  1. エンジンからのトルクが伝達される入力要素と、出力要素と、第1中間要素と、第2中間要素と、前記入力要素と前記第1中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記第1中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体と、前記入力要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第3弾性体と、前記第2中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第4弾性体と、前記第1中間要素と前記第2中間要素との間でトルクを伝達する第5弾性体と、を備えるダンパ装置であって、
    前記第1,第2,第3,第4,第5弾性体のうちの少なくとも1つは、周方向の両端部が前記入力要素と前記出力要素と前記第1中間要素と前記第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方により径方向に支持され、且つ、有効巻部のピッチが不等ピッチであると共に前記ダンパ装置の回転数が大きいほど有効巻数が減少するように形成された不等ピッチコイルスプリングである、
    ダンパ装置。
  2. 請求項1記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングの有効巻部のピッチは、前記不等ピッチコイルスプリングの延在方向における中央部で両端部よりも小さい、
    ダンパ装置。
  3. 請求項1記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングの有効巻部のピッチは、前記不等ピッチコイルスプリングの延在方向における両端から中央に向かうにつれて徐々に小さくなる、
    ダンパ装置。
  4. 請求項2または3記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングの有効巻数は、前記ダンパ装置の回転数が大きいほど密着巻数が増加することにより減少する、
    ダンパ装置。
  5. 請求項2ないし4のうちの何れか1つの請求項に記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングの曲率半径は、前記ダンパ装置の回転数が大きいほど小さくなる、
    ダンパ装置。
  6. 請求項1ないし5のうちの何れか1つの請求項に記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングは、直線状のストレートコイルスプリングである、
    ダンパ装置。
  7. 請求項1ないし5のうちの何れか1つの請求項に記載のダンパ装置であって、
    前記不等ピッチコイルスプリングは、前記入力要素と前記出力要素と前記第1中間要素と前記第2中間要素とのうちの対応する2つの何れかまたは両方に形成された円弧状の収容部に収容され、
    更に、前記不等ピッチコイルスプリングは、前記収容部の曲率半径よりも曲率半径の大きいアークコイルスプリングである、
    ダンパ装置。
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