JP2019055885A - オゾン発生システム - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾンの発生効率をより向上できるオゾン発生システムを提供すること。【解決手段】オゾンを生成するオゾナイザ2と、交流電源3と、ガスポンプ4と、NOx検知部5と、制御部6とを備える。オゾナイザ2は、放電Pが発生する部位が固定されている。制御部6は、NOx検知部5によるNOxの検出値から、必要となるオゾンの量を算出する。そして、算出された量のオゾンがオゾナイザ2から生成されるように、交流電源3の電圧Vと、交流電源3の周波数fと、ガスポンプ4から供給されるガスgの流速vとの、複数のオゾン発生パラメータのうち、少なくとも一つを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガスに添加するオゾンを発生するためのオゾン発生システムに関する。
近年、排ガス中のNOx濃度を低減するため、LNT(Lean Nox Trap)触媒を用いてNOxを吸着し、その後でN2に還元する技術の開発が進められている。NOxにはNOとNO2が含まれており、NO2は低温でもLNT触媒に吸着されやすいが、NOは吸着されにくい。そのため、排ガスにオゾンを添加し、NOをNO2に酸化してから、LNT触媒に吸着させる試みがなされている。このオゾンを適切な量だけ発生させるための、オゾン発生システム(下記特許文献1参照)が知られている。
上記オゾン発生システムは、放電を用いてオゾンを発生するオゾナイザと、オゾンの発生量を制御する制御部とを備える。オゾナイザは、大気等のガスが流れる流路と、該流路を挟んで互いに対向する一対の電極とを備える。この一対の電極間に交流電圧を加えることにより、流路に放電を発生させ、上記ガスに含まれる酸素をオゾンに変化させている。
オゾナイザは、放電が発生する部位(放電部)を複数個、備える。これら複数の放電部は、ガスの流れ方向に配列している。オゾンは、放電部において発生した後、再び放電に曝されると分解しやすい。そのため、上記オゾン発生システムでは、上流側の放電部において発生したオゾンが、ガスの流れに伴って移動し、下流側の放電部を通過する際に、再び放電に曝されないように、ガスの流速や交流電圧の周波数等を定めている。これにより、下流側の放電部においてオゾンが分解されることを抑制している。
特開2015−137216号公報
しかしながら、上記オゾン発生システムは、オゾンの生成効率に改善の余地があった。すなわち、上記オゾン発生シテムでは、オゾナイザに用いられる電極が比較的大きいため、この電極の表面の任意の位置で放電が生じ得る。つまり、放電が発生する部位(放電部)が固定されておらず、一対の電極の上流側の放電部から、同じ一対の電極の下流側の放電部までの距離が定まっていない。そのため、一対の電極の上流側の放電部で発生したオゾンが、ガスの流れに伴って移動し、同じ一対の電極の下流側の放電部に到達するまでの時間が一定でなく、オゾンが発生する毎に異なる。したがって、上記流速や周波数を調整しても、上流側の放電部において発生したオゾンが、下流側の放電部を通過する瞬間に、次の放電が発生し、このオゾンが分解する可能性がある。したがって、オゾンの発生効率が低下する可能性が考えられる。
また、複数の電極を配置した場合においても、電極の配置位置が規定されていないため、上記流速や周波数を調整しても、上流側の電極の放電部において発生したオゾンが、下流側の電極の放電部を通過する瞬間に、次の放電が発生し、このオゾンが分解する可能性がある。
したがって、上記2つの影響によりオゾンの発生効率が低下する可能性が考えられる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、オゾンの発生効率をより向上できるオゾン発生システムを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、排ガス中のNOを酸化してNO2にするためのオゾンを発生するオゾン発生システム(1)であって、
酸素を含むガス(g)が流れる流路(20)と、該流路を挟んで互いに対向する一対の電極(21)とを有し、該一対の電極間に発生した放電を用いて上記酸素を上記オゾンに変化させるオゾナイザ(2)と、
上記一対の電極に電気接続した交流電源(3)と、
上記流路に上記ガスを供給するガスポンプ(4)と、
上記排ガスに含まれるNOxを検知するNOx検知部(5)と、
上記オゾナイザから発生する上記オゾンの量を制御する制御部(6)とを備え、
上記オゾナイザは、上記放電が発生する部位である放電部(22)を複数個有し、個々の該放電部は、上記ガスの流れ方向における位置が固定されており、上記複数の放電部が上記流れ方向に配され、
上記制御部は、上記NOx検知部による上記NOxの検出値から、必要となる上記オゾンの量を算出し、当該量の上記オゾンが上記オゾナイザから生成されるように、上記交流電源の電圧(V)と、上記交流電源の周波数(f)と、供給される上記ガスの流速(v)との、複数のオゾン発生パラメータのうち、少なくとも一つを制御するよう構成されている、オゾン発生システムにある。
上記オゾン発生システムでは、上記放電部の、上記流れ方向における位置を固定してある。つまり、流れ方向における複数の放電部の間隔を固定してある。
そのため、上流側の放電部においてオゾンが発生してから、このオゾンが流れて下流側の放電部に至るまでの時間を正確に算出することができる。したがって、上流側の放電部において発生したオゾンが、下流側の放電部を通過する瞬間に、次の放電が発生しないように、ガスの流速や周波数を制御することができる。そのため、発生したオゾンが、下流側の放電部において放電に曝され、分解する不具合を抑制できる。したがって、オゾンの生成効率を高めることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、オゾンの発生効率をより向上できるオゾン発生システムを提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、オゾン発生システムの概念図。 実施形態1における、オゾナイザの一部の分解斜視図。 実施形態1における、オゾナイザの全体斜視図。 実施形態1における、オゾナイザの断面図。 実施形態1における、第1電極及び絶縁基板の平面図。 実施形態1における、第2電極及び絶縁基板の平面図。 実施形態1における、一対の電極を重ね合わせた透視図。 実施形態1における、オゾナイザの要部拡大断面図。 実施形態1における、放電が発生する期間を説明するための図。 実施形態1における、制御部のフローチャート。 実施形態1における、ガスの流速の時間変化を表したグラフ。 実施形態1における、第1の実験に用いたオゾナイザの断面図。 実施形態1における、第1の実験の結果を表したグラフ。 実施形態1における、第2の実験の概要を説明するための図。 実施形態1における、第2の実験の結果を表したグラフ。 実施形態2における、制御部のフローチャート。 実施形態3における、制御部のフローチャート。 実施形態4における、制御部のフローチャート。 実施形態5における、オゾナイザの一部の分解斜視図。 実施形態5における、オゾナイザの要部拡大断面図。 実施形態6における、オゾナイザの要部拡大断面図。
(実施形態1)
上記オゾン発生システムに係る実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。本形態のオゾン発生システム1は、排ガスG中のNOを酸化してNO2にするためのオゾンを発生する。オゾン発生システム1は、オゾナイザ2を備える。このオゾナイザ2は、図2、図8に示すごとく、流路20と、一対の電極21(21a,21b)とを備える。流路20には、酸素を含むガスgが流れる。本形態では、ガスgとして大気を用いている。一対の電極21は、流路20を挟んで互いに対向している。オゾナイザ2は、一対の電極21間に発生した放電Pを用いて、ガスgに含まれる酸素をオゾンに変化させる。
また、図1に示すごとく、本形態のオゾン発生システム1は、交流電源3と、ガスポンプ4と、NOx検知部5と、制御部6とを備える。交流電源3は、上記一対の電極21a,21bに電気接続している。ガスポンプ4は、流路20にガスgを供給する。NOx検知部5は、排ガスGに含まれるNOxを検知する。制御部6は、オゾナイザ2から発生するオゾンの量を制御する。
図8に示すごとく、オゾナイザ2は、放電Pが発生する部位である放電部22を複数個、有する。個々の放電部22は、ガスgの流れ方向(X方向)における位置が固定されている。複数の放電部22は、X方向に配されている。
制御部6(図1参照)は、NOx検知部5によるNOxの検出値から、必要となるオゾンの量を算出する。そして、算出された量のオゾンがオゾナイザ2から生成されるように、交流電源3の電圧Vと、交流電源3の周波数fと、ガスポンプ4から供給されるガスgの流速vとの、複数のオゾン発生パラメータのうち、少なくとも一つを制御するよう構成されている。
本形態のオゾン発生システム1は、車両に搭載される。図1に示すごとく、車両のエンジン7には排管70が取り付けられている。排ガスGは、この排管70内を流れる。排管70には、上記NOx検知部5(NOxセンサ5S)が取り付けられている。また、排管70には、NOx検知部5の他に、LNT71、DPF72、A/Fセンサ73、下流側NOxセンサ74、添加ノズル79、差圧センサ80等を取り付けてある。
また、オゾナイザ2へ繋がる配管には、エアフィルタ78、AFM77、圧力センサ76、逆止弁75等を設けてある。ガスポンプ4から送られ、オゾナイザ2を通過したガスgは、逆止弁75および添加ノズル79を通って、排管70に供給される。これにより、排ガスにオゾンを添加し、排ガス中のNOをNO2に酸化する。発生したNO2は、LNT71に吸着され、還元実施時にN2に還元される。これによって、排ガス中のNOxを除去している。
交流電源3は、直流電源30に接続している。交流電源3は、直流電源30から供給される直流電力を交流電力に変換する。そして、得られた交流電力を、オゾナイザ2に供給する。上記交流電源3、ガスポンプ4、NOx検知部5は、制御部6に接続している。
制御部6は、交流電源3およびガスポンプ4の動作制御を行う。これにより、電圧V、周波数f、ガスgの流速vを制御している。なお、電圧Vを制御する際には、電圧Vの波高値や実効値を制御する。
図2〜図4に示すごとく、本形態のオゾナイザ2は、複数枚の絶縁板23を備える。この絶縁板23の表面に、電極21が形成されている。また、電極21の表面を、誘電体からなるバリア層24によって被覆してある。本形態では、いわゆる誘電体バリア放電によって放電Pを発生させている。
図3、図4に示すごとく、複数の絶縁板23は、該絶縁板23の厚さ方向(Z方向)に所定間隔をおいて配されている。2枚の絶縁板23の間に、上記流路20が形成されている。また、オゾナイザ2は、絶縁板23を収容するケース25を備える。このケース25から端子26が突出している。端子26は、電極21に電気接続している。この端子26を、交流電源3に接続するよう構成されている。
図2、図5、図6に示すごとく、オゾナイザ2の電極21は、互いに平行な複数の線状部211と、これらの線状部211を連結する連結部210とを備える。互いに対向する一対の電極21のうち、一方の電極21(第1電極21a)では、上記線状部211が、X方向に直交する方向(Y方向)に延出している。他方の電極21(第2電極21b)では、線状部211がX方向に延出している。上記線状部211の幅は、0.5から2mmとされている。
図7に示すごとく、第1電極21aと第2電極21bとは、Z方向から見ると、格子状に重なり合う。これら2つの電極21a,21bの線状部211が交差する部位において、電界が最も高くなり、放電Pが発生する。すなわち、Z方向から見たときに、2つの電極21a,21bの線状部211が交差する部位が、放電部22とされている。
図8に示すごとく、X方向において、複数の放電部22が、一定の間隔をおいて配されている。制御部6は、放電部22において発生しガスgの流れに伴って下流に移動するオゾンが、当該オゾンが発生した放電部22よりも下流側に存在する他の全ての放電部22のうち、少なくとも一つの放電部22において、再び放電Pに曝されないように、オゾン発生パラメータを制御する。
より詳しくは、本形態の制御部6は、上流側の放電部22aにおいて発生したオゾンが、すぐ下流の放電部22bにおいて再び放電Pに曝されないように、オゾン発生パラメータを制御する。例えば、制御部6は、X方向に隣り合う複数の放電部22のピッチpと、流速vと、周波数fとから、下記式(1)、(2)を用いて、t1及びt2を算出する。そして、t1≠t2となるように、周波数f及び流速vを制御する。
1=p/v ・・・(1)
2=1/2f ・・・(2)
1は、放電部22のピッチpを流速vで除した値である。そのため、t1は、X方向に隣り合う2つの放電部22の間をオゾンが移動する時間に相当する。また、t2は、放電が発生する周期t2である。すなわち、図9に示すごとく、電極22間の電圧Vが変化する1周期に、放電が発生する期間(T1,T2)が2回現れる。T1は、電圧Vが0である時点taから、電圧Vが極大値Vmaxとなる時点tmaxまでの期間である。また、T2は、電圧Vが0となる時点tbから、電圧Vが極小値Vminとなる時点tminまでの期間である。このように、電圧Vが変化する1周期に2回、放電が発生する期間が現れる。そのため、放電が発生する周期t2は、1/2fと表される。
したがって、仮に、t1=t2となったとすると、ある放電部22a(図8参照)において放電Pが生じ、オゾンが発生した後、時間t1だけ経過してオゾンが次の放電部22bを通過する瞬間に、次の放電Pが発生することになる。そのため、発生したオゾンが再び放電Pに曝され、分解する可能性がある。しかしながら、本形態のように、t1≠t2となるように、ガスgの流速v及び周波数fを制御すれば、このような不具合を抑制できる。すなわち、ある放電部22aにおいて放電Pが生じ、オゾンが発生した後、このオゾンが次の放電部22bに達するまでの時間t1と、放電Pの発生周期t2とが異なっているため、発生したオゾンが次の放電部22bにおいて放電Pに曝されなくなる。そのため、オゾンが分解されにくくなり、オゾンの生成効率を高めることができる。
また、本形態では、ガスgが一つの放電部22を通過する間に、複数回、放電Pが発生するようにしてある。このようにすると、オゾンの発生効率を高めることができる。すなわち、放電Pが発生すると、この放電Pによってガスg中の酸素が酸素ラジカルに変化する。この酸素ラジカルは、暫く経過すると、酸素と反応してオゾンになる。酸素ラジカルは、再び放電Pに曝されても分解しない。そのため、ガスgが一つの放電部22において複数回、放電Pに曝されても、酸素ラジカルが放電Pに曝されるだけなので、オゾンの発生量は低下しない。むしろ、酸素ラジカルの発生量が増加するため、オゾンの発生量を増やすことができる。
なお、ガスgが一つの放電部22を通過する間に、放電Pを複数回、発生させるためには、例えば、交流電源3の電圧Vを高くしたり、ガスgの流速vを遅くしたり、周波数fを低くしたりする方法を採用できる。
次に、制御部6のフローチャートの説明をする。図10に示すごとく、制御部6は、まずステップS1を行う。ここでは、NOx検知部5を用いて、NOxの量を測定する。その後、ステップS2に移る。ステップS2では、NOxの測定値を用いて、必要なオゾンの量を算出する。NOxにはNOとNO2とが含まれるが、殆どNOであるため、NOxの測定値を、NOの測定値と近似することができる。ステップS2では、このNOを全て酸化するために必要なオゾンの量を算出する。
ステップS2の後、ステップS3に移る。ここでは、オゾナイザ2によって目標のオゾン量を生成でき、かつt1≠t2となるように、ガスgの流速v、交流電源3の電圧V、周波数fを制御する。
次に、オゾン発生パラメータの具体的な値について説明する。流路20内におけるガスgの流速vは、例えば、5〜50m/sとすることが好ましい。ガスgの流速vは、図11に示すごとく、段階的に変化させることが好ましい。このようにすると、ガスポンプ20の制御を簡素にすることができるため、制御部6の負担を低減できる。また、周波数fは、20〜60kHzの範囲で制御することが好ましい。電圧Vの波高値は、2〜8kVの範囲で制御することが好ましい。
本発明の効果を確認するため、2つの実験を行った。まず、第1の実験について説明する。この実験では、図12に示すごとく、2個の放電部22を有するオゾナイザ2を作成した。このオゾナイザ2では、一対の電極21を、それぞれY方向に延びるように線状に形成した。また、一対の電極21のピッチp、すなわち放電部22のピッチpを、0.5mmとした。電極21のX方向長さdは0.1mmにした。そして、電極21a,21b間に交流電圧を加えて放電Pを発生させ、オゾンを生成した。交流電圧の周波数fは45kHzとし、電圧の波高値は±10kVとした。
また、流路20にガスgを供給し、排出されるガスgに含まれるオゾンの量を測定した。ガスgの流速vを、30、37.5、45、58.3m/sに条件振りした。流速vが45m/sの場合は、上流側の放電部22aにおいて発生したオゾンが、下流側の放電部22bを通過する瞬間に、次の放電Pが発生する。すなわち、オゾンが再び放電Pに曝される。また、流速vがその他の場合は、上流側の放電部22aにおいて発生したオゾンが、下流側の放電部22bを通過する瞬間に、次の放電Pが発生しない。すなわち、オゾンが再び放電Pに曝されない。
各条件についてオゾンの発生量を測定し、グラフにした。その結果を図13に示す。同図に示すごとく、流速vが45m/sの条件、すなわち生成したオゾンが再び放電Pに曝される条件では、オゾンの発生量が低く、他の条件よりも20%程度少ない。これから、本発明のように、生成したオゾンが再び放電Pに曝されないように、上記オゾン発生パラメータを制御すれば、オゾンの生成効率を向上できることが分かる。
次に、第2の実験について説明する。まず、図14に示すごとく、市販のオゾン発生装置9と、オゾナイザ2とを接続した。オゾナイザ2としては、図2〜図8に示すごとく、一対の電極21a,21bの線状部211が、互いに直交するものを用いた。また、線状部211のピッチpは、2.0mmにした。電極21に加える電圧Vの波高値は±6kVとし、周波数fは4.5kHzにした。
オゾナイザ2の、ガスgの入口と出口に、それぞれオゾンセンサ91IN,91OUTを取り付けた。そして、オゾン発生装置9から発生するオゾンの量を変化させ、入口側のオゾンセンサ91INと、出口側のオゾンセンサ91OUTを用いて、ガスg中のオゾン濃度を測定した。
オゾナイザ2の入口側のオゾン濃度と、オゾナイザ2によって発生するオゾンの濃度(すなわち、出口側のオゾン濃度から入口側のオゾン濃度を減算した濃度)との関係を、図15に示す。同図に示すごとく、入口側のオゾン濃度が低いほど、オゾナイザ2から発生するオゾンの濃度は高くなることが分かる。また、入口側のオゾン濃度が高くなるほど、オゾナイザ2から発生するオゾンの濃度は低減することが分かる。これから、オゾン発生装置9から発生したオゾンが、再びオゾナイザ2の放電に曝されると、オゾナイザ2においてオゾンが分解されてしまい、発生するオゾンの量が低減することが分かる。したがって、本形態のように、上流側の放電部22aにおいて発生したオゾンが、下流側の放電部22bにおいて再び放電Pに曝されないようにすることによって、オゾンの生成効率を向上できることが分かる。
本形態の作用効果について説明する。図8に示すごとく、本形態では、放電部22の、X方向における位置を固定してある。つまり、X方向における複数の放電部22の間隔を固定してある。
そのため、上流側の放電部22aにおいてオゾンが発生してから、このオゾンが流れて下流側の放電部22bに至るまでの時間を正確に算出することができる。したがって、上流側の放電部22aにおいて発生したオゾンが、下流側の放電部22bを通過する瞬間に、次の放電Pが発生しないように、ガスgの流速vや周波数fを制御することができる。そのため、発生したオゾンが、下流側の放電部22bにおいて放電Pに曝され、分解する不具合を抑制できる。したがって、オゾンの生成効率を高めることができる。
すなわち、従来のオゾン発生システム1では、オゾナイザ2の電極21が比較的大きく、この電極21の表面の任意の位置から放電Pが発生していた。つまり、X方向における、複数の放電部22の間隔が固定されていなかった。そのため、上流側の放電部22aから発生したオゾンが、下流側の放電部22bに達するまでの時間が一定でなく、オゾンが発生する毎に異なっていた。したがって、オゾンの再被曝を抑制するために、流速vや周波数fを制御しても、発生したオゾンが下流側の放電部22bを通過する際に、次の放電Pが発生する可能性があった。したがって、オゾンが分解してしまい、オゾンの発生効率が低下する可能性があった。これに対して、本形態のように、X方向における複数の放電部22の間隔を固定すれば、流速v等を制御して、発生したオゾンが下流側の放電Pに再び曝されないようにすることができる。そのため、オゾンの発生効率を向上できる。
また、本形態の制御部6は、放電部22において発生しガスgの流れに伴って下流に移動するオゾンが、当該オゾンが発生した放電部22よりも下流側に存在する他の全ての放電部22のうち、少なくとも一つの放電部22において、再び放電Pに曝されないように、オゾン発生パラメータを制御している。すなわち、ある放電部22において発生したオゾンが、その放電部22よりも下流側に存在する全ての放電部22において、再び放電Pに曝されないようにしてある。そのため、オゾンの分解を抑制でき、オゾンの発生効率を向上できる。
また、本形態の制御部6は、上記式(1)、(2)を用いてt1,t2を算出し、t1≠t2となるように、周波数f及び上記流速vを制御する。
そのため、上流側の放電部22a(図8参照)において発生したオゾンが、次の放電部22bを通過する際に、再び放電Pに曝されることを確実に防止できる。したがって、オゾンの発生効率をより向上できる。
また、本形態の制御部6は、ガスgが一つの放電部22を通過する間に、放電Pが複数回、発生するように、オゾン発生パラメータを制御する。
このようにすると、ガスgが一つの放電部22を通過する間に、複数回、放電Pに曝されるため、酸素ラジカルの発生量を多くすることができる。そのため、オゾンの発生量を増やすことができる。
また、本形態の制御部6は、周波数fと、電圧Vと、流速vとを全て制御するよう構成されている。
このようにすると、3個のオゾン発生パラメータを全て制御するため、オゾンの発生量を微調整しやすくなる。
以上のごとく、本形態によれば、オゾンの発生効率をより向上できるオゾン発生システムを提供することができる。
なお、本形態では、NOx検知部5として、NOxセンサ5Sを用いたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、マイコン等を用いて、エンジン7の稼働状態から、NOxの排出量を算出するように構成しても良い。
以下の実施形態においては、図面に用いた符号のうち、実施形態1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施形態1と同様の構成要素等を表す。
(実施形態2)
本形態は、制御部6による、オゾン発生パラメータの制御方法を変更した例である。図16に示すごとく、本形態では、ステップS1,S2,S4を行う。ステップS1,S2については、実施形態1と同様なので、説明を省略する。ステップS4では、オゾナイザ2によって目標のオゾン量を生成でき、かつt1≠t2となるように、ガスgの流速vと、交流電源3の電圧Vとを制御する。この際、周波数fは固定する。
このようにすると、流速vと電圧Vとの、2つのオゾン発生パラメータしか制御しないため、制御部6の負担を低減できる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態3)
本形態は、制御部6による、オゾン発生パラメータの制御方法を変更した例である。図17に示すごとく、本形態の制御部6は、ステップS1,S2,S5を行う。ステップS1,S2は実施形態1と同様なので、説明を省略する。ステップS5では、オゾナイザ2によって目標のオゾン量を生成でき、かつt1≠t2となるように、交流電源3の電圧Vを制御する。この際、流速v及び周波数fは固定する。
このようにすると、1個のオゾン発生パラメータ(電圧V)しか制御しないため、制御部6の負担をより低減できる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態4)
本形態は、制御部6による、オゾン発生パラメータの制御方法を変更した例である。図18に示すごとく、本形態の制御部6は、ステップS1,S2,S6を行う。ステップS1,S2は実施形態1と同様なので、説明を省略する。ステップS6では、オゾナイザ2によって目標のオゾン量を生成でき、かつt1≠t2となるように、周波数fと電圧Vを制御する。この際、ガスgの流速vは固定する。
ガスgの流速vを変更しようとすると、ガスポンプ4の稼働状態を変更する必要がある。そのため、流速vは、短時間で変更しにくい。これに対して、周波数fと電圧Vは、短時間で変更できる。そのため、流速vを一定値に固定し、周波数fと電圧Vを制御すれば、オゾンの発生量を短時間で変化させることができる。したがって、オゾンの発生量を短時間で目標値に近づけることができる。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態5)
本形態は、オゾナイザ2の構造を変更した例である。図19、図20に示すごとく、本形態のオゾナイザ2は、実施形態1と同様に、ガスgが流れる流路20と、該流路20を挟んで互いに対向する一対の電極21(21a,21b)とを備える。個々の電極21は、複数の線状部211と、連結部210とを有する。一対の電極21a,21bの線状部211は、それぞれY方向に延出している。また、図20に示すごとく、Z方向から見たときに、一対の線状部211は、互いに重なり合う。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
(実施形態6)
本形態は、オゾナイザ2の構造を変更した例である。図21に示すごとく、本形態のオゾナイザ2は、実施形態1と同様に、ガスgが流れる流路20と、該流路20を挟んで互いに対向する一対の電極21(21a,21b)とを備える。個々の電極21は、絶縁基板23の表面全体を覆うように形成された板状部212と、該板状部212から流路20側へ突出する突出部213とを備える。突起部213は、柱状にしたり、錐形状にしたり、線状にしたりすることができる。Z方向から見たときに、一方の電極21aの突出部213と、他方の電極21bの突出部213とは、互いに重なり合う。これら一対の突出部213が互いに対向する部位が、放電部22とされている。
その他、実施形態1と同様の構成および作用効果を備える。
1 オゾン発生システム
2 オゾナイザ
20 流路
3 交流電源
4 ガスポンプ
5 NOx検知部
6 制御部
V 電圧
v 流速
f 周波数

Claims (8)

  1. 排ガス中のNOを酸化してNO2にするためのオゾンを発生するオゾン発生システム(1)であって、
    酸素を含むガス(g)が流れる流路(20)と、該流路を挟んで互いに対向する一対の電極(21)とを有し、該一対の電極間に発生した放電を用いて上記酸素を上記オゾンに変化させるオゾナイザ(2)と、
    上記一対の電極に電気接続した交流電源(3)と、
    上記流路に上記ガスを供給するガスポンプ(4)と、
    上記排ガスに含まれるNOxを検知するNOx検知部(5)と、
    上記オゾナイザから発生する上記オゾンの量を制御する制御部(6)とを備え、
    上記オゾナイザは、上記放電が発生する部位である放電部(22)を複数個有し、個々の該放電部は、上記ガスの流れ方向における位置が固定されており、上記複数の放電部が上記流れ方向に配され、
    上記制御部は、上記NOx検知部による上記NOxの検出値から、必要となる上記オゾンの量を算出し、当該量の上記オゾンが上記オゾナイザから生成されるように、上記交流電源の電圧(V)と、上記交流電源の周波数(f)と、供給される上記ガスの流速(v)との、複数のオゾン発生パラメータのうち、少なくとも一つを制御するよう構成されている、オゾン発生システム。
  2. 上記制御部は、上記放電部において発生し上記ガスの流れに伴って下流に移動する上記オゾンが、当該オゾンが発生した上記放電部よりも下流側に存在する他の全ての上記放電部のうち、少なくとも一つの該放電部において、再び上記放電に曝されないように、上記オゾン発生パラメータを制御するよう構成されている、請求項1に記載のオゾン発生システム。
  3. 上記制御部は、上記ガスが一つの上記放電部を通過する間に、上記放電が複数回、発生するように、上記オゾン発生パラメータを制御するよう構成されている、請求項1又は2に記載のオゾン発生システム。
  4. 上記制御部は、上記流れ方向に隣り合う複数の上記放電部のピッチpと、上記流速vと、上記周波数fとから、下記の式を用いて、上記流れ方向に隣り合う2つの上記放電部の間を上記オゾンが移動する時間t1と、上記放電が発生する周期t2とを算出し、t1≠t2となるように、上記周波数f及び上記流速vを制御するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン発生システム。
    1=p/v
    2=1/2f
  5. 上記制御部は、上記周波数と、上記電圧と、上記流速とを全て制御するよう構成されている、請求項1〜4に記載のオゾン発生システム。
  6. 上記制御部は、上記周波数を固定し、上記電圧と上記流速とを制御するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン発生システム。
  7. 上記制御部は、上記流速を段階的に変化させるよう構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオゾン発生システム。
  8. 上記制御部は、上記流速を固定し、上記周波数及び上記電圧を制御するよう構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオゾン発生システム。
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