JP2020105990A - 排気システム - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子状物質(PM)を効率よく除去でき、省エネルギー化を図ることができる排気システムを提供する。【解決手段】ガソリンエンジン101から排気するための排気システム1に、電極パネル7を備えるプラズマリアクター3と、プラズマリアクター3に電力を供給して、電極パネル7にパルス波状に電圧を印加する電源装置4と、電極パネル7に印加される電流を検出する電流センサ5と、電源装置4を制御する制御装置6とを備える。電極パネル7に、複数の穴8Aを有するパターン形状を有する導体層8と、導体層8を覆う誘電体層9と、を備える。制御装置6は、電流センサ5により検出された電流に基づく特性値が、予め設定された閾値未満であるときに、電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させる電源制御部32を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、排気システムに関する。
ディーゼルエンジンなどの排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置として、複数の電極パネルを備えるプラズマリアクターが知られている。そして、プラズマリアクターでは、各電極パネルに電圧が印加されることにより、電極間に放電が生じて電極間の気体がプラズマ状態となり、排気ガス中の有害物質、とりわけ粒子状物質(PM)が分解される。
より詳しくは、排気ガス中の粒子状物質は、電極間の放電により電極パネルの表面に静電吸着された後、プラズマにより酸化されて分解される。
しかし、粒子状物質の電極パネルに対する付着量が増加すると、電極パネル間における特定箇所での放電が強くなったり、電極パネルの表面に沿う沿面放電が生じたりして、粒子状物質の分解効率が低下するおそれがある。
そこで、電極パネル間における特定箇所での放電が強くなると、電極パネルに印加される電流値が、通常放電時(つまり電極パネルに粒子状物質が付着していないとき)よりも大きくなることを利用して、電極パネルに対する粒子状物質の付着量を判定することが検討されている。
例えば、電極に印加される電流に応じて変化する特性値が、所定の付着判定値以上である場合、プラズマリアクターに粒子状物質が異常付着していると判定する、プラズマリアクター用制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかるに、特許文献1に記載のプラズマリアクター用制御装置において、プラズマリアクターに粒子状物質が異常付着していると判定された場合、異常付着した粒子状物質を除去する必要があるが、異常付着した粒子状物質を効率的に除去するには限度がある。
本発明は、粒子状物質(PM)を効率よく除去でき、省エネルギー化を図ることができる排気システムを提供する。
本発明[1]は、ガソリンエンジンから排気するための排気システムであって、電極パネルを備えるプラズマリアクターと、前記プラズマリアクターに電力を供給して、前記電極パネルにパルス波状に電圧を印加する電源装置と、前記電極パネルに印加される電流を検出する電流センサと、前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、前記電極パネルは、複数の穴を有するパターン形状を有する導体層と、前記導体層を覆う誘電体層と、を備え、前記制御装置は、前記電流センサにより検出された電流に基づく特性値が、予め設定された閾値未満であるときに、前記電極パネルに付着する粒子状物質を分解するように、前記電源装置から前記電極パネルに電圧を印加させる電源制御手段を備える、排気システムを含む。
上記したように、従来、プラズマリアクターにおいて、電極パネルに対する粒子状物質の付着量が増加すると、電極パネル間における特定箇所での放電が強くなり、電極パネルに流れる電流値が通常放電時よりも大きくなることが知られていた。
これに対して、本発明者らは、プラズマリアクターが複数の穴を有するパターン形状を有する導体層を備える場合、プラズマリアクターをガソリンエンジンからの排気ガスの浄化に用いると、電極パネルに対する粒子状物質の付着量増加の初期段階において、電極パネルに流れる電流値が低下する知見を見出し、本発明を完成した。
上記の構成によれば、電源制御手段が、電流センサにより検出された電流に基づく特性値が予め設定された閾値未満となったときに、電極パネルに付着する粒子状物質を分解するように、電源装置から電極パネルに電圧を印加させる。
そのため、電極パネルに対する粒子状物質の付着量増加の初期段階において、粒子状物質を効率よく除去することができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、本発明[2]は、前記制御装置は、前記電源装置が前記プラズマリアクターに供給可能な電力値と、前記電力値に応じて設定される閾値との関係が格納されている格納領域と、前記電源装置が前記プラズマリアクターに実際に供給した電力値に対応する閾値を前記格納領域から抽出して、前記電流センサにより検出された電流に基づく特性値が、前記閾値未満であるか否かを判断する判断手段をさらに備える、上記[1]の排気システムを含む。
このような構成によれば、判断手段が、電源装置がプラズマリアクターに実際に供給した電力値に対応する閾値を格納領域から抽出して、検出された電流に基づく特性値が閾値未満であるか否かを判断する。
そのため、電源装置がプラズマリアクターに実際に供給した電力値に基づいて、適切な閾値を設定することができるので、粒子状物質をより効率よく除去することができ、省エネルギー化を確実に図ることができる。
本発明によれば、粒子状物質(PM)を効率よく除去でき、省エネルギー化を図ることができる。
1.排気システムの構成
図1に示すように、排気システム1は、例えば、車両100に搭載される。
図1に示すように、排気システム1は、例えば、車両100に搭載される。
車両100は、ガソリンエンジン101と、バッテリー102を含む電気システムと、ガソリンエンジン101に吸気するための図示しない吸気システムと、ガソリンエンジン101に燃料を供給するための図示しない燃料噴射システムと、ガソリンエンジン101から排気するための排気システム1とを備える。
排気システム1は、排気管2と、プラズマリアクター3と、電源装置4と、電流センサ5と、制御装置6とを備える。
(1)排気管
排気管2は、ガソリンエンジン101に接続される。ガソリンエンジン101から排出される排気ガスは、排気管2を通って車外に排出される。
排気管2は、ガソリンエンジン101に接続される。ガソリンエンジン101から排出される排気ガスは、排気管2を通って車外に排出される。
なお、排気管2には、好ましくは、プラズマリアクター3に対して排気方向上流側に、排ガス浄化触媒18が配置される。排ガス浄化触媒18は、排気ガスに含まれる有害成分(炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、粒子状物質(PM))、とりわけ、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)および一酸化炭素(CO)を分解する。
(2)プラズマリアクター
プラズマリアクター3は、排気管2の途中に介在され、排ガス浄化触媒18に対して排気方向下流側に配置される。プラズマリアクター3は、排気ガスに含まれる上記した有害成分、とりわけ粒子状物質(以下、PMとする。)を分解する。
プラズマリアクター3は、排気管2の途中に介在され、排ガス浄化触媒18に対して排気方向下流側に配置される。プラズマリアクター3は、排気ガスに含まれる上記した有害成分、とりわけ粒子状物質(以下、PMとする。)を分解する。
プラズマリアクター3は、入口3Aと、出口3Bとを有する。ガソリンエンジン101から排出された排気ガスは、排気管2を通って、入口3Aから、プラズマリアクター3の内部に流入する。プラズマリアクター3の内部を通過した排気ガスは、出口3Bから流出する。
プラズマリアクター3は、複数の電極パネル7を備える。複数の電極パネル7は、プラズマリアクター3の内部に設けられる。各電極パネル7は、入口3Aから出口3Bに向かって延びる。各電極パネル7は、平板形状を有する。複数の電極パネル7は、入口3Aから出口3Bに向かう方向と直交する方向において、互いに間隔を隔てて並ぶ。
各電極パネル7に電圧が印加されると、複数の電極パネル7のうち互いに隣り合う電極パネル7の間で放電が生じる。これにより、互いに隣り合う電極パネル7の間の気体が、プラズマ状態となる。すなわち、プラズマリアクター3内にプラズマが発生する。すると、プラズマリアクター3に流入した排気ガスに含まれる有害成分は、プラズマリアクター3内のプラズマにより、分解される。プラズマリアクター3を通過した排気ガスは、排気管2を介して、車外に排出される。
より具体的には、図2Aおよび図2Bに示すように、電極パネル7は、導体層8と、導体層8を覆う誘電体層9とを備える。
導体層8は、複数の穴8Aを有するパターン形状を有する。各穴8Aは、導体層8を厚み方向に貫通する。各穴8Aは、例えば、導体層8の厚み方向から見て、複数の角部を有する多角形状を有し、好ましくは、矩形状を有する。各穴8Aが矩形状である場合、導体層8は、格子状を有する。各穴8Aが多角形状を有すれば、複数の角部のそれぞれが放電の起点となり、互いに隣り合う電極パネル7間にプラズマを確実に発生させることができる。導体層8の材料として、例えば、タングステンなどの金属(導体)が挙げられる。
誘電体層9は、導体層8を内蔵している。誘電体層9の材料として、例えば、酸化アルミニウムなどのセラミックス(誘電体)が挙げられる。
(3)電源装置
図1に示すように、電源装置4は、バッテリー102からの電力をプラズマリアクター3に供給可能であり、各電極パネル7にパルス波状に電圧を印加可能である。電源装置4は、電源配線10を介して、バッテリー102に電気的に接続される。また、電源装置4は、第1配線11または第2配線12を介して、各電極パネル7に電気的に接続される。
図1に示すように、電源装置4は、バッテリー102からの電力をプラズマリアクター3に供給可能であり、各電極パネル7にパルス波状に電圧を印加可能である。電源装置4は、電源配線10を介して、バッテリー102に電気的に接続される。また、電源装置4は、第1配線11または第2配線12を介して、各電極パネル7に電気的に接続される。
より具体的には、図3に示すように、電源装置4は、フライバックコンバータの構成を有しており、バッテリー19と、昇圧トランス(フライバック型昇圧トランス)20と、スイッチング素子21と、ゲートドライブ回路22とを備える。
バッテリー19は、例えば、12Vの直流電圧を出力可能である。
昇圧トランス20は、一次コイル23および二次コイル24を備える。一次コイル23の一端は、配線13Aを介して、バッテリー19のプラス端子に電気的に接続される。一次コイル23の他端は、配線13Bを介して、スイッチング素子21に電気的に接続される。二次コイル24の一端は、第1配線11を介して、複数の電極パネル7のうち、互いに隣り合う電極パネル7の一方に電気的に接続され、二次コイル24の他端は、第2配線12を介して、互いに隣り合う電極パネル7の他方に電気的に接続される。
スイッチング素子21は、例えば、エンハンスメント型のnMOSFETであり、そのドレインが一次コイル23の他端に電気的に接続され、ソースがグランドに接続されている。
ゲートドライブ回路22は、スイッチング素子21をオン/オフするための信号(ゲート信号)を出力可能である。ゲートドライブ回路22は、信号配線16を介して、制御装置6(詳しくは、後述する)に電気的に接続される(図1参照)。
(4)電力センサ
図1に示すように、電流センサ5は、電極パネル7に印加される電流を検出する。電流センサ5は、例えば、電源装置4からパルス波状の電圧が1パルス出力される毎に電流を検出して、その電流に応じた信号を出力する。電流センサ5は、信号配線16を介して、制御装置6(詳しくは、後述するピーク検出部30)に電気的に接続される。
図1に示すように、電流センサ5は、電極パネル7に印加される電流を検出する。電流センサ5は、例えば、電源装置4からパルス波状の電圧が1パルス出力される毎に電流を検出して、その電流に応じた信号を出力する。電流センサ5は、信号配線16を介して、制御装置6(詳しくは、後述するピーク検出部30)に電気的に接続される。
(5)制御装置
制御装置6は、車両100における電気的な制御を実行するECU(Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備える。制御装置6は、電源配線15を介して、バッテリー102に電気的に接続される。制御装置6は、車両100のイグニッションスイッチがオンされたときに、バッテリー102から電源配線15を介して電力が供給されることにより起動する。
制御装置6は、車両100における電気的な制御を実行するECU(Electronic Control Unit)であり、CPU、ROMおよびRAMなどを備える。制御装置6は、電源配線15を介して、バッテリー102に電気的に接続される。制御装置6は、車両100のイグニッションスイッチがオンされたときに、バッテリー102から電源配線15を介して電力が供給されることにより起動する。
より具体的には、図4に示すように、制御装置6は、ピーク検出部30と、判断手段の一例としての判断部31と、電源制御手段の一例としての電源制御部32と、格納領域の一例としてのメモリ33とを備える。
ピーク検出部30は、電流センサ5からの信号に基づいて、電流センサ5が検出した電流に基づく特性値として、電流のピーク値を出力する。ピーク検出部30は、例えば、電流センサ5からの信号を受信する毎に電流のピーク値を出力して、その電流のピーク値をメモリ33に順次格納する。
判断部31は、メモリ33から閾値(後述)と電流のピーク値とを抽出して、電流のピーク値が閾値未満であるか否かを判断する。詳しくは後述するが、本実施形態では、判断部31は、所定期間(後述)内にメモリ33に順次格納された複数の電流のピーク値からなるピーク値セットに、閾値未満の電流のピーク値が含まれるか否かを判断する。そして、判断部31は、その判断結果に応じた信号を出力する。
電源制御部32は、判断部31からの信号が入力され、その信号に基づいて電源装置4を制御する。詳しくは後述するが、電源制御部32は、電流のピーク値が閾値未満である場合、電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させるように、電源装置4を制御する。
メモリ33は、電源装置4がプラズマリアクター3に供給可能な電力値と、その電力値に応じて予め設定される閾値とが格納されている。なお、本実施形態において、閾値は、電流値に関する。電源装置4がプラズマリアクター3に供給可能な電力値が変更可能である場合、メモリ33は、複数の電力値と、複数の電力値に応じて設定される複数の閾値とが、2次元マップの形態で格納されている。
なお、図3に示すように、電源装置4がフライバックコンバータの構成を有している場合、プラズマリアクター3に供給される電力値は、一次コイル23に一次電圧(後述)が印加されている時間(一次印加時間)に相関がある。そのため、メモリ33には、複数の一次印加時間と、複数の閾値との関係が2次元マップの形態で格納されていてもよい。
さらに、電流値はプラズマリアクター3に流入した排気ガスの温度にも影響を受けるため、メモリ33には、複数の一次印加時間と、複数の排気ガスの温度と、複数の閾値との関係が3次元マップの形態で格納されていてもよい。
また、メモリ33は、ピーク検出部30、判断部31および電源制御部32から書き込まれる情報を一時的に格納することができる。
2.排気システムの制御
次に、図3〜図5を参照して、排気システム1の制御について説明する。
次に、図3〜図5を参照して、排気システム1の制御について説明する。
図5に示すように、排気システム1の制御は、例えば、ガソリンエンジン101が始動されたときに開始される。そして、排気システム1の制御は、プラズマリアクター3に供給する電力値および電圧の周波数を決定するステップ1と、プラズマリアクター3に電力を供給するステップ2と、電流のピーク値が閾値未満であるか否かを判断するステップ3と、周波数を増加させたか否かを判断するステップ4と、電流のピーク値が閾値未満である場合に電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させるステップ5と、電流のピーク値が閾値未満でない場合にガソリンエンジン101が停止したか否かを判断するステップ6と、増加させた周波数をリセットするステップ7と、を含む。
ステップ1では、図3〜図5に示すように、電源制御部32が、例えば、排気ガスの流量および排気ガスの温度などに基づいて、電源装置4からプラズマリアクター3に供給する電力値、および、電極パネル7に印加する電圧の周波数(単位:Hz)を決定する。そして、電源制御部32は、決定した電力値(以下、特定電力値とする。)および電圧の周波数(以下、特定周波数とする。)をメモリ33に格納する。
次いで、ステップ2に進行し、電源制御部32は、ゲートドライブ回路22を制御して、スイッチング素子21をオンにする。すると、昇圧トランス20の一次コイル23にバッテリー19の電圧が一次電圧として印加され、一次コイル23にエネルギーが蓄積される。そして、特定電力値に対応するエネルギーが蓄積されるまで、スイッチング素子21のオン状態を維持する。なお、スイッチング素子21がオン状態に維持される時間が、一次コイル23に一次電圧が印加されている一次印加時間である。
その後、電源制御部32は、ゲートドライブ回路22を制御して、スイッチング素子21をオフにする。すると、一次コイル23に蓄積されたエネルギーが開放されて、一次コイル23に起電力が生じ、二次コイル24に二次電圧が発生する。
そして、電源制御部32は、発生する二次電圧がステップ1で設定した特定周波数となるように、スイッチング素子21のオン/オフを繰り返す。
これによって、電源装置4は、複数の電極パネル7にパルス波状に電圧を印加する(通常モード)。すると、複数の電極パネル7のうち互いに隣り合う電極パネル7の間にパルス放電が生じ、排気ガス中のPMが分解される。
このとき、電流センサ5は、電源装置4からパルス波状の電圧が1パルス出力される毎に、電極パネル7に印加される電流を検出して、その電流に応じた信号を、ピーク検出部30に出力する。
そして、ピーク検出部30は、電流センサ5からの信号を受信する毎に電流のピーク値を出力して、所定期間(例えば、ECUの計算間隔32msecまたは1パルス毎100Hzなら1msec)が経過するまで、電流のピーク値をメモリ33に順次格納する。
これによって、メモリ33には、所定期間内に順次格納された複数の電流のピーク値からなるピーク値セットが一時的に記憶される。
その後、所定期間が経過すると、ステップ3に進行する。ステップ3では、まず、判断部31が、メモリ33から、電源装置4がプラズマリアクター3に実際に供給した特定電力値(一次印加時間)に対応する閾値を抽出するとともに、上記したピーク値セットを抽出する。
次いで、判断部31は、ピーク値セットに閾値未満である電流のピーク値が含まれるか否かを判断する。つまり、判断部31は、電流センサ5により検出された電流のピーク値が閾値未満であるか否かを判断する。その後、判断部31は、判断結果に基づく信号を電源制御部32に出力した後、ピーク値セットをメモリ33から消去する。
ピーク値セットが閾値未満の電流のピーク値を含む場合(ステップ3のYes)、電極パネル7の表面にPMが過度に吸着して、電極パネル7のパルス放電が阻害されていると推定される。そのため、ステップ4に進行して、電極パネル7の表面に過度に吸着するPM分解促進のために、周波数が増加されているか否かを判断する(ステップ4)。
なお、ステップ4の判断が排気システム1の制御において1回目(最初)である場合、詳しくは後述するが、特定周波数に所定の周波数が追加されていないので、ステップ4の判断はNoとなる。
電極パネル7の表面に過度に吸着するPM分解促進のために周波数が増加されていない場合(ステップ4のNo)、ステップ5に進行して、ステップ5にて特定周波数に増加する所定の周波数(例えば、500Hz)を決定する。
その後、電源制御部32は、上記したステップ1に進行して、特定電力値、および、特定周波数に所定の周波数を増加した値をメモリ33に格納する。
これによって、ステップ2に進行すると、電源制御部32は、発生する二次電圧が、特定周波数に所定の周波数を増加した値となるように、スイッチング素子21のオン/オフを繰り返す。
すると、電源装置4は、電極パネル7の表面に過度に吸着するPMが分解するように、複数の電極パネル7にパルス波状に電圧を印加する(異常付着除去モード)。
これによって、電極パネル7の表面に過度に吸着するPMが分解されて、電極パネル7のパルス放電の阻害が解消される。すると、電流センサ5により検出される電流のピーク値が増加する。
その後、所定期間が経過すると上記したステップ3に進行して、判断部31が、メモリ33から閾値およびピーク値セットを抽出し、ピーク値セットに閾値未満である電流のピーク値が含まれるか否かを判断する。
ピーク値セットが閾値未満の電流のピーク値を含む場合(ステップ3のYes)、ステップ4に進行し、周波数が増加されているか否かを判断して、周波数が既に増加されている場合(ステップ4のYes)、増加した周波数(つまり特定周波数に所定の周波数を増加した値)は、そのままで上記したステップ1に進行する。
そして、判断部31が、ピーク値セットが閾値未満の電流のピーク値を含まないと判断すると(ステップ3のNo)、ステップ6に進行して、ガソリンエンジン101が停止しているか否かを判断する。
ガソリンエンジン101が停止していない場合(つまり、ガソリンエンジン101が駆動している場合、ステップ6のNo)、ステップ7に進行し、周波数が増加されている場合、増加した周波数をリセットする。その後、上記したステップ1に進行する。そのため、プラズマリアクター3は、通常モードとして動作する。一方、ガソリンエンジン101が停止している場合(ステップ6のYes)、排気システム1の制御が完了する。
3.作用効果
本発明者らは、プラズマリアクター3が複数の穴8Aを有するパターン形状を有する導体層8を備える場合、プラズマリアクター3をガソリンエンジン101からの排気ガスの浄化に用いると、電極パネル7に対するPMの付着量増加の初期段階において、電極パネル7に流れる電流値が低下する知見を見出した。
本発明者らは、プラズマリアクター3が複数の穴8Aを有するパターン形状を有する導体層8を備える場合、プラズマリアクター3をガソリンエンジン101からの排気ガスの浄化に用いると、電極パネル7に対するPMの付着量増加の初期段階において、電極パネル7に流れる電流値が低下する知見を見出した。
これは、電極パネル7の厚み方向から見て、PMが導体層8の複数の穴8Aを埋めるように電極パネル7に付着し、穴8Aの周縁部(特に、角部)からの放電が阻害されるためであると考えられる。
その後、電極パネル7に対するPMの付着が進行すると、電極パネル7の表面にPMが堆積し、互いに隣り合う電極パネル7のギャップが小さくなって、電極パネル7間における特定箇所での放電が強くなり、電極パネル7に印加される電流値が、電極パネル7にPMが付着していないときよりも大きくなる。
上記した排気システム1では、電源制御部32が、電流センサ5により検出された電流のピーク値が予め設定された閾値未満となったときに、電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させる。つまり、電極パネル7に対するPMの付着量増加の初期段階において、電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させる。
そのため、PMの付着量増加の初期段階において、PMを効率よく除去することができ、省エネルギー化を図ることができる。
また、判断部31は、電源装置4がプラズマリアクター3に実際に供給した電力値に対応する閾値をメモリ33から抽出して、検出された電流のピーク値が閾値未満であるか否かを判断する。
そのため、電源装置4がプラズマリアクター3に実際に供給した電力値に基づいて、適切な閾値を設定することができ、PMをより効率よく除去することができ、省エネルギー化を確実に図ることができる。
なお、上記した実施形態において、通常モードから異常付着除去モードへの変更が、請求項1における「電極パネルに付着する粒子状物質を除去するように、電源装置から電極パネルに電圧を印加させる」に相当する。
4.変形例
上記した実施形態では、電流の特性値の一例としての電流のピーク値が閾値未満であるときに、電源制御部32が電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させるが、電流の特性値は、これに限定されない。
上記した実施形態では、電流の特性値の一例としての電流のピーク値が閾値未満であるときに、電源制御部32が電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させるが、電流の特性値は、これに限定されない。
例えば、電流の特性値は、積算電流値であってもよい。この場合、制御装置6は、ピーク検出部30に代えて、電流積算部(図示せず)を備える。
電流積算部は、電流センサ5からの電気信号に基づいて、電流センサ5が検出した電流の電流値を時間積分して、積算電流値を出力する。電流積算部は、例えば、電流センサ5からの電気信号を受信する毎に積算電流値を出力して、その積算電流値をメモリ33に順次格納する。本変形例では、メモリ33に格納される閾値は、積算電流値に関する。
そして、排気システム1の制御では、ステップ2において、電流積算部が、電流センサ5からの信号を受信する毎に積算電流値を出力して、所定期間が経過するまで、積算電流値をメモリ33に順次格納する。これによって、メモリ33には、所定期間内に順次格納された複数の積算電流値からなる積算電流値セットが一時的に記憶される。
その後、ステップ3において、判断部31が、積算電流値セットに閾値未満である積算電流値が含まれるか否かを判断する。その後、判断部31は、判断結果に基づく信号を電源制御部32に出力した後、積算電流値セットをメモリ33から消去する。
そして、積算電流値セットが閾値未満の積算電流値を含む場合、電源制御部32は、ステップ5において、特定周波数に増加する所定の周波数(例えば、500Hz)を決定する。その後、電源制御部32は、上記したステップ1に進行して、特定電力値および特定周波数に所定の周波数を増加した値をメモリ33に格納する。
また、上記した実施形態では、ガソリンエンジン101が始動されたときに、ステップ1に進行し、排気ガス中のPMが分解可能な特定電力値および特定周波数が決定され、その特定電力値および特定周波数に基づいて、電源装置4が複数の電極パネル7に電圧を印加するが(通常モード)、本発明はこれに限定されない。
例えば、ガソリンエンジン101が始動されたときに、ステップ1において決定される特定電力値および特定周波数は、排気ガス中のPMを分解できない値であってもよい。この場合、プラズマリアクター3は、検知モードとして動作する。
そして、ステップ3において、電流のピーク値が閾値未満であると判断されたときに(ステップ3のYes)、排気ガス中のPMが分解可能となるように、特定周波数に所定の周波数を増加させてもよく、特定電力値に所定の電力値を増加させてもよい。これによって、プラズマリアクター3は、通常モードとして動作する。
これによっても、電極パネル7に対するPMの付着量増加の初期段階において、PMを効率よく除去することができる。
そして、電極パネル7の表面に吸着するPMが分解されて電流センサ5により検出される電流のピーク値が増加して、ステップ3において電流のピーク値が閾値以上であると判断されると(ステップ3のYes)、電源制御部32は、電極パネル7に対する電力の供給を完全に停止するように、電源装置4を制御することができる。
その後、車両100が所定の走行距離を走行するか、所定時間が経過したときに、プラズマリアクター3は、検知モードとして動作を再開する。
このように、電極パネル7に対する電力の供給を一時的に完全に停止すれば、さらなる省エネルギー化を図ることができる。
なお、上記した変形例において、検知モードから通常モードへの変更が、請求項1における「電極パネルに付着する粒子状物質を除去するように、電源装置から電極パネルに電圧を印加させる」に相当する。
このような変形例によっても、上記した実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、電流のピーク値が閾値未満であるときに、電源制御部32が電極パネル7に印加する電圧の周波数を増加させるが、周波数を増加させず、電極パネル7に対するPMの付着が除去されたかどうかを判定するだけでもよい。
1 排気システム
3 プラズマリアクター
4 電源装置
5 電流センサ
6 制御装置
7 電極パネル
8 導体層
9 誘電体層
31 判断部
32 電源制御部
33 メモリ
3 プラズマリアクター
4 電源装置
5 電流センサ
6 制御装置
7 電極パネル
8 導体層
9 誘電体層
31 判断部
32 電源制御部
33 メモリ
Claims (2)
- ガソリンエンジンから排気するための排気システムであって、
電極パネルを備えるプラズマリアクターと、
前記プラズマリアクターに電力を供給して、前記電極パネルにパルス波状に電圧を印加する電源装置と、
前記電極パネルに印加される電流を検出する電流センサと、
前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、
前記電極パネルは、
複数の穴を有するパターン形状を有する導体層と、
前記導体層を覆う誘電体層と、を備え、
前記制御装置は、前記電流センサにより検出された電流に基づく特性値が、予め設定された閾値未満であるときに、前記電極パネルに付着する粒子状物質を除去するように、前記電源装置から前記電極パネルに電圧を印加させる電源制御手段を備えることを特徴とする、排気システム。 - 前記制御装置は、
前記電源装置が前記プラズマリアクターに供給可能な電力値と、前記電力値に応じて設定される閾値との関係が格納されている格納領域と、
前記電源装置が前記プラズマリアクターに実際に供給した電力値に対応する閾値を前記格納領域から抽出して、前記電流センサにより検出された電流に基づく特性値が、前記閾値未満であるか否かを判断する判断手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の排気システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018246469A JP2020105990A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 排気システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018246469A JP2020105990A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 排気システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020105990A true JP2020105990A (ja) | 2020-07-09 |
Family
ID=71448640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018246469A Pending JP2020105990A (ja) | 2018-12-28 | 2018-12-28 | 排気システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020105990A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022000107A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
JP2022000108A (ja) * | 2020-06-19 | 2022-01-04 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
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-
2018
- 2018-12-28 JP JP2018246469A patent/JP2020105990A/ja active Pending
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