JP2002256851A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2002256851A
JP2002256851A JP2001056796A JP2001056796A JP2002256851A JP 2002256851 A JP2002256851 A JP 2002256851A JP 2001056796 A JP2001056796 A JP 2001056796A JP 2001056796 A JP2001056796 A JP 2001056796A JP 2002256851 A JP2002256851 A JP 2002256851A
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exhaust gas
electron energy
average electron
internal combustion
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Miyao Arakawa
宮男 荒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に放電部へ電力を供給して排ガスの浄
化効率を高めることが可能となる内燃機関の排気浄化装
置1を提供する。 【解決手段】 放電場における各構成要素e(電子
量)、V(対向する各放電部の表面部間に印加する電圧
値)、λ(電子の自由行程)、Gap(対向する各放電
部の表面部間距離)から求まる平均電子エネルギを考慮
し、かつこの平均電子エネルギを排ガスの浄化に必要と
なるOラジカルを含む複数種のラジカルの生成に足りる
反応エネルギとして平均電子エネルギを6eVに設定す
る制御部8を有する。例えば、制御部8は予め第1メモ
リ部8aに格納した平均電子エネルギ6eVを満足する
放電場7における温度、圧力、およびVとのマップデー
タと、温度検知部9および圧力検知部10からの各信号
とから平均電子エネルギ6eVとなるVを求め、プラズ
マ発生装置2にこのVを印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関より排出
される排ガス中の有害成分を浄化する内燃機関の排気浄
化装置に関し、特にプラズマ発生装置を利用した内燃機
関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、放電エネルギを利用して排ガスを
浄化する新たな排ガス浄化技術が研究されている。この
技術は、例えば特開平5−59934号公報に記載され
ているように、内燃機関の排ガスが流れる流路を挟んで
複数の放電部を対向配置させたプラズマ発生装置を設
け、流路内で放電を発生させることで排ガスを浄化する
ものである。そして、内燃機関の負荷変動に対応して放
電による排ガスの浄化性能を最適化するようにプラズマ
発生装置への電力量を制御する制御手段を備えたことが
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平5−5
9934号公報においては、電力量を最適化するように
制御する制御手段を備えるとの記載があるものの、この
制御手段の具体的手法が開示されていない。また、プラ
ズマ発生装置への電力量の制御手段によっては、排ガス
を浄化するのに必要となる電子のエネルギが不足する事
態、または逆に電子のエネルギが過剰となる事態となっ
て、消費電力の増加や排ガス浄化性能が発揮されない状
況が生じるので問題である。
【0004】本発明の目的は上記の点に鑑み、効率的に
放電部へ電力を供給して排ガスの浄化効率を高めること
が可能となる内燃機関の排気浄化装置を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1に記載の内燃機関の排気浄化
装置によると、排ガスの浄化に必要な化学反応を発生さ
せる加速電子のエネルギ値に対応して、発生させる加速
電子の平均電子エネルギを所定値に設定することを特徴
とする。
【0006】つまり、排ガスの浄化に必要な化学反応を
発生させる加速電子のエネルギ値に対応するように、放
電部にて発生させる加速電子の平均電子エネルギを所定
値に設定することに、発明者は着目したのである。ここ
で、上述した平均電子エネルギ=e×V×(λ/Ga
p)として表わされ、公知である。なお、eは放電場
(対向配置させた放電部間における空間)における電子
量、Vは対向配置させた放電部間(対向する各放電部の
表面部間)における電圧値、λは電子(e)の平均自由
行程、Gapは対向配置させた放電部表面部間の距離を
示す。
【0007】このように、放電場における各構成要素
e、V、λ、Gapから求まる平均電子エネルギを考慮
し、かつこの平均電子エネルギを所定値に設定すれば、
効率的に放電部へ電力を供給して排ガスの浄化効率を高
めることが可能となる内燃機関の排気浄化装置を提供で
きる。
【0008】本発明の請求項2記載によると、排ガスの
浄化に必要な化学反応として、Oラジカルを含む複数種
のラジカルの生成に足りる反応エネルギを所定値の平均
電子エネルギとなるように設定したことを特徴とする。
【0009】排ガスの浄化は、放電部に電力を加えるこ
とで発生するOラジカルを含む複数種のラジカルが排ガ
ス中の有害成分の酸化反応を促進させるように働くこと
で無害なガス成分に浄化される。つまり、排ガスの浄化
に必要となるOラジカルを含む複数種のラジカルの生成
に足りる反応エネルギを所定値の平均電子エネルギとな
るように設定すれば、排ガスを浄化するのに必要となる
Oラジカルを含む複数種のラジカルを生成させる電子の
エネルギが不足する事態、または逆にOラジカルを含む
複数種のラジカルを生成させる電子のエネルギが過剰と
なる事態が発生することが無くなる。よって、効率的に
電力を供給して排ガスの浄化効率を高めることが可能と
なる内燃機関の排気浄化装置を提供できる。
【0010】本発明の請求項3記載によると、放電部間
の隙間寸法および放電部間に加える電圧値が設定される
ことで平均電子エネルギを所定値に設定したこと特徴と
する。
【0011】平均電子エネルギ=e×V×(λ/Ga
p)として表わされるので、放電部間の隙間寸法(Ga
p:対向配置させた放電部表面部間の距離)、および放
電部間に加える電圧値(V)を調整すれば、排ガスを浄
化するのに必要となるOラジカルを含む複数種のラジカ
ルを生成させる電子のエネルギとなる平均電子エネルギ
の設定を容易に所定値にできる。
【0012】本発明の請求項4記載によると、放電部の
放電環境状態を示す少なくとも1つの環境情報を検知す
る検知手段と、所定値の平均電子エネルギとなる放電部
の環境情報と放電部間に加える電圧値との関係データを
予め記憶する記憶手段と、放電部間に加える電圧値を制
御する制御手段とを備え、制御手段は、検知手段よりの
信号に基づき放電部間に加える電圧値を可変して所定値
の平均電子エネルギに合せることを特徴とする。
【0013】このように、放電部の放電環境状態を示す
少なくとも1つの環境情報を検知する検知手段よりの信
号に基づき放電部間に加える電圧値を可変して所定値の
平均電子エネルギに合せれば、放電部の放電環境状態に
対応して平均電子エネルギを所定値に合せることができ
る。
【0014】本発明の請求項5記載によると、検知手段
の一部である放電部の温度を検知する温度検知手段と、
所定値の平均電子エネルギとなる放電部の温度と放電部
間に加える電圧値との関係データを予め記憶する第1記
憶手段と、放電部間に加える電圧値を制御する制御手段
とを備え、制御手段は、温度検知手段よりの信号に基づ
き放電部間に加える電圧値を可変して所定値の平均電子
エネルギに合せることを特徴とする。
【0015】ここで、電子(e)の平均自由行程λは、
放電部の温度の変化に応じて変化し、既定の相関関係が
あることが知られている。そこで、予め放電部の温度と
放電部間に加える電圧値との関係データを第1記憶手段
に記憶しておき、制御手段が放電部の温度を検知する温
度検知手段よりの信号に基づき放電部間に加える電圧値
を可変すれば、放電部の温度の変化に対応して所定値の
平均電子エネルギに合せることができる。
【0016】本発明の請求項6記載によると、検知手段
の一部である放電部の圧力を検知する圧力検知手段と、
所定値の平均電子エネルギとなる放電部の圧力と放電部
間に加える電圧値との関係データを予め記憶する第2記
憶手段と、放電部間に加える電圧値を制御する制御手段
とを備え、制御手段は、前記圧力検知手段よりの信号に
基づき放電部間に加える電圧値を可変して所定値の平均
電子エネルギに合せることを特徴とする。
【0017】ここで、電子(e)の平均自由行程(λ)
は、放電部の圧力の変化に応じて変化し、既定の相関関
係があることが知られている。そこで、予め放電部の圧
力と放電部間に加える電圧値との関係データを第2記憶
手段に記憶しておき、制御手段が放電部の圧力を検知す
る圧力検知手段よりの信号に基づき放電部間に加える電
圧値を可変すれば、放電部の圧力の変化に対応して所定
値の平均電子エネルギに合せることができる。
【0018】本発明の請求項7記載によると、所定値の
平均電子エネルギは、5eV(5エレクトロン・ボル
ト)から7eV(7エレクトロン・ボルト)の間に設定
されることを特徴とする。
【0019】排ガスの浄化に必要となるOラジカルを含
む複数種のラジカルの生成に足りる反応エネルギとして
平均電子エネルギを5eVから7eVの間に設定すれ
ば、過不足なく排ガスを浄化するのに必要となるOラジ
カルを含む複数種のラジカルを生成させる電力の設定が
可能となる。
【0020】本発明の請求項8記載によると、所定値の
平均電子エネルギは、6eV(6エレクトロン・ボル
ト)に設定されることを特徴とする。
【0021】排ガスの浄化に必要となるOラジカルを含
む複数種のラジカルの生成に足りる反応エネルギとして
平均電子エネルギを6eVに設定すれば、最も過不足な
く排ガスを浄化するのに必要となるOラジカルを含む複
数種のラジカルを生成させる電力の設定が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
内燃機関の排気浄化装置を、図面を参照して詳細に説明
する。なお、本発明の内燃機関の排気浄化装置は、内燃
機関の一例としてのディーゼルエンジンを搭載した車両
に備えられる。そして、排ガスの浄化に必要な化学反応
を発生させる加速電子のエネルギ値に対応するように、
放電部にて発生させる加速電子の平均電子エネルギを所
定値に設定することに発明者は着目し、この平均電子エ
ネルギを所定値に設定するすることで、効率的に放電部
へ電力を供給して排ガスの浄化効率を高める内燃機関の
排気浄化装置である。
【0023】先ず、図6および図7を用いて、排気浄化
装置の構成を説明する。図6は、本発明の一実施形態の
排気浄化装置1全体を示す概略構成図である。図7は、
図6中に示すプラズマ発生装置の概略構成図である。
【0024】図6に示すように排気浄化装置1は、内燃
機関であるエンジン50の排気管51の途中に配置され
るプラズマ発生装置2と、このプラズマ発生装置2に高
周波の交流高電圧を印加する高圧電源発生部4と、プラ
ズマ発生装置2内の放電部の温度を検知する圧力検知部
10と、プラズマ発生装置2内の放電部の温度を検知す
る温度検知部9と、温度検知部9および圧力検知部10
よりの信号に基づいて放電部への通電を制御する制御部
8と、プラズマ発生装置2の排ガス下流側位置に配置し
た触媒付きDPF(Diesel Particula
te Filter)52等により構成される。
【0025】なお、上記した温度検知部9および圧力検
知部10は、放電部の放電環境状態を示す環境情報を検
知する検知手段の一部であり、例えば放電部に通電した
際に発生するプラズマの影響を受けずに放電部での圧力
および温度を測定可能な位置に固定される。そして、高
圧電源発生部4および制御部8を動作させるための電源
供給は、車両のキースイッチ(IGスイッチ)11のオ
ンによって車載バッテリー12より電源供給される構成
である。なお、制御部8内には、メモリ部8aを備えて
おり、このメモリ部8aが請求項4および請求項5に記
載の第1、第2記憶手段を構成している。なお、メモリ
部8aの詳細は後述する。
【0026】次に図7を用いてプラズマ発生装置2の構
成を説明する。プラズマ発生装置2内には、複数の絶縁
基板5が所定間隔で平行に配置され、各絶縁基板5間に
排ガスが通過する偏平な流路6が形成されている。各絶
縁基板5は、耐熱性絶縁体(例えばアルミナ等のセラミ
ック、ガラス等)で形成されている。そして、各絶縁基
板5内には、それぞれ印刷導体又は導電板によって形成
された放電用の電極3が埋め込まれている。この各電極
3の一方に形成された接続端子部3aは、高周波の高圧
交流電圧を発生する高圧電源発生装置4に接続され、他
方は、グランド(アース電位)側に接続されている。な
お、7は、対向配置させた放電部間における空間、つま
り電極3間で挟まれる放電場を示す。
【0027】このように、排ガスが流れる流路6を挟ん
で各電極3を対向させて配置し、これら複数の電極3に
高圧電源発生部4からの高周波の交流高電圧を印加しプ
ラズマを発生させており、電極3および絶縁基板5が一
体となって請求項1記載の放電部を構成している。そし
て、図7中に示すGapは、対向配置させた放電部表面
部間の距離を示しており、本形態では絶縁基板5表面部
間の距離を示す。
【0028】次に、温度検知部9および圧力検知部10
よりの信号に基づいて放電部への通電を制御する制御部
8の構成について説明する。制御部8内には、所定値の
平均電子エネルギとなる放電部の温度と放電部間に加え
る電圧値との関係データを予め記憶する第1記憶手段と
しての第1メモリ部8a、および所定値の平均電子エネ
ルギとなる放電部の圧力と放電部間に加える電圧値との
関係データを予め記憶する第2記憶手段としての第2メ
モリ部8bとを備えている。
【0029】そして、制御部8は、記憶した第1メモリ
部8aおよび第2メモリ部8bのデータと、温度検知部
9および圧力検知部10よりの信号とから放電部間に加
える電圧値を算出し、この算出結果に基づき放電部間に
加える電圧値を可変して所定値の平均電子エネルギに合
せるように高圧電源発生部4に信号を発信する構成であ
る。なお、上述した所定値の平均電子エネルギについて
は、後述する。また、放電部間に加える電圧値とは、対
向する放電部表面部間における電圧値を示し、本形態で
は対向する絶縁基板5表面部間における電圧値である。
【0030】図8は、図7中の放電部に加える電圧波形
の一例を示す特性図であり、放電部表面部間に加える電
圧は、Gndレベルを境に交流印加される電圧における
Gndレベルを境とした片側電圧値である。
【0031】次に、触媒付きDPF52の構成について
概略説明する。触媒付きDPF52は、行止まりの入側
室と、この入側室と隣合う出側室とを有し、両室の隔壁
を多孔質セラミック材として排ガスを通過可能とさせる
とともに、隔壁に触媒を担持させている。なお、隔壁に
担持する触媒は、排ガス組成状況にあわせてNOxを吸
蔵、排出するNOx吸蔵触媒、NOxを排ガス中のH
C、CO、H2などの還元性成分によってN2とO2に分
離する選択還元触媒、HC、CO、NOxの3つの有害
成分を同時に浄化処理する3元触媒、およびHC、CO
の有害成分を浄化処理する酸化触媒のいずれの触媒を選
択するか、あるいは複数の触媒を組合わせて使用され
る。
【0032】次に、排ガスの浄化に必要な化学反応を発
生させる加速電子のエネルギ値に対応するように、放電
部にて発生させる加速電子の平均電子エネルギを所定値
に設定する考え方、方法等について以下説明する。
【0033】先ず、平均電子エネルギについて、図1、
図2を用いて、説明する。図1は、平均電子エネルギを
説明する説明図である。図2は、放電場7における電子
エネルギ分布を示す説明図である。図1に示すように、
対向する放電部(本形態では、各絶縁基板5)の表面部
間の距離としてGapが設定され、両放電部間に電圧値
Vの電圧が印加されている。そして、この時、両放電部
間に挟まれた放電場7における複数のe(電子)20
a、20bは、バラツキをもった各々の自由行程λ1、
λ2を有してガス分子21a、21bに衝突する。
【0034】この放電場7における平均電子エネルギ
は、e×V×(λ/Gap)として表わされ、公知であ
る。なお、前式におけるeは放電場(対向配置させた放
電部間における空間)における電子量、Vは対向配置さ
せた放電部間(対向する各放電部の表面部間)に印加さ
れる電圧値、λは電子(e)の平均自由行程、Gapは
対向配置させた放電部表面部間の距離を示す。
【0035】このように、放電場7における各構成要素
e、V、λ、Gapから求まる平均電子エネルギを考慮
し、かつこの平均電子エネルギを所定値に設定すれば、
効率的に放電部へ電力を供給して排ガスの浄化効率を高
めることが可能となる内燃機関の排気浄化装置1とな
る。また、この平均電子エネルギを5eVから7eVの
間に設定することで、過不足なく排ガスを浄化するのに
必要となるOラジカルを含む複数種のラジカルを生成さ
せる電力の設定が可能となる。本実施形態では、上述し
た5eVから7eVの中間値である6eV(6エレクト
ロン・ボルト)に設定することで最も効率よく電力を設
定し、Oラジカルを含む複数種のラジカルを生成させ
る。
【0036】また、電子(e)はバラツキをもった各々
の自由行程λ1、λ2を有していることから、図2に示
すような電子エネルギ分布を示す。ここで、図2のグラ
フ横軸は、電子(e)の自由行程(λ)長さ違いによる
電子エネルギ値の指数化表示値であり、グラフ縦軸は、
横軸に対応した複数の電子(e)の自由行程長さ分布を
示す度数値である。つまり、図2中の横軸1Aの箇所が
平均自由行程(λ)を示し、この平均自由行程(λ)を
基に算出した電子エネルギ、つまり平均電子エネルギと
して6eVに設定するのである。
【0037】ここで、平均電子エネルギを上述した所定
値の6eVとするには、図3に示すように放電部表面部
間の距離(Gap)と対向する各放電部の表面部間に印
加する電圧値(V)との適合により設定できる。図3
は、放電Gapと印加電圧との関係を示す特性図であ
る。図3中の特性線(ロ)は、放電場7における所定の
温度および圧力条件下での平均電子エネルギとして6e
Vを満足する放電部表面部間の距離(Gap)と対向す
る各放電部の表面部間に印加する電圧値(V)との関係
を示す。
【0038】なお、電子(e)の自由行程(λ)は、放
電場7におけるガス種、温度、および圧力等によって変
化することが知られている。そこで、平均電子エネルギ
を所定値の6eVとするには、図4に示すように放電場
7における温度と対向する各放電部の表面部間に印加す
る電圧値(V)との適合により設定できる。図4は、所
定値の平均電子エネルギを満足する放電場7における温
度と印加電圧との関係を示す特性図である。図4中の特
性線(ハ)は、放電場7における放電部表面部間の距離
(Gap)設定条件下での平均電子エネルギとして6e
Vを満足する放電場7における温度と対向する各放電部
の表面部間に印加する電圧値(V)との関係を示す。
【0039】また、図5に示すように平均電子エネルギ
を所定値の6eVとするには、放電場7における圧力と
対向する各放電部の表面部間に印加する電圧値(V)と
の適合により設定できる。図5は、所定値の平均電子エ
ネルギを満足する放電場における圧力と印加電圧との関
係を示す特性図である。図5中の特性線(ニ)は、放電
場7における温度設定条件下での平均電子エネルギとし
て6eVを満足する放電場7における圧力と対向する各
放電部の表面部間に印加する電圧値(V)との関係を示
す。
【0040】上述した平均電子エネルギ6eVを満足す
る放電場7における温度、放電場7における圧力、およ
び対向する各放電部の表面部間に印加する電圧値(V)
との関係データを、予め制御部8内の第1メモリ部8a
に3元マップデータとして格納しておく。そして、温度
検知部9および圧力検知部10から制御部8へ各々信号
が出力されると、制御部8内で第1メモリ部8aに格納
された3元マップデータを用いて、対向する各放電部の
表面部間に印加する電圧値(V)を算出する。
【0041】以上のように構成した排気浄化装置1の作
用について、以下説明する。エンジン50が始動され
て、NOx等のガス状汚染物質、および粒子状汚染物質
(PM)等の有害成分を含んだ排ガスが排気管51を介
してプラズマ発生装置2に導かれる時には、制御部8か
らの指令に従い高圧電源発生装置4は各流路6を挟んで
対向する複数の電極3に高周波の高圧交流電圧を印加す
る。
【0042】この高周波の高圧交流電圧の電圧値(V)
は、温度検知部9および圧力検知部10から制御部8へ
各々出力される信号に基づき、制御部8内で第1メモリ
部8aに格納された3元マップデータを用いて算出され
る。そして、制御部8は対向する各放電部の表面部間に
算出された電圧値(V)となるように高圧電源発生装置
4に指令して、高周波の高圧交流電圧が電極3に印加さ
れる。
【0043】この高周波の高圧交流電圧が電極3に印加
され、放電部間に放電が発生することにより、排ガス中
の酸素分子と放電による加速電子eとが反応し、Oラジ
カル(O*)を含む複数種のラジカルが生成される。そ
して、このOラジカル(O*)等と排ガス中の一酸化窒
素(NO)とが結合し、二酸化窒素(NO2)が生成さ
れる。
【0044】ここで、有害成分である排ガス中の粒子状
汚染物質(PM)の浄化は、炭素(C)を主成分とする
煤(SOOT)、および炭化水素(HC)を主成分とす
る未燃焼体(S.O.F.)に大別される。この炭素
(C)、および炭化水素(HC)と、放電により生成さ
れる二酸化窒素(NO2)とは、次式に示すように反応
する。
【0045】煤(SOOT)の場合は、C+NO2→C
2+NOとなり、未燃焼体(S.O.F.)の場合
は、HC+NO2→CO2+H2O+NOのように反応す
る。なお、粒子状汚染物質(PM)と放電により生成さ
れる二酸化窒素(NO2)とは、低温環境下でも反応す
るので、排ガス温度の低いディーゼルエンジンにおいて
有効である。このような反応は、プラズマ発生装置2と
プラズマ発生装置2の排ガス下流側位置に配置した触媒
付きDPF32の隔壁で発生する。
【0046】次に、有害成分であるガス状汚染物の窒素
酸化物(NOx)の浄化作用を説明する。窒素酸化物
(NOx)は、二酸化窒素(NO2)と一酸化窒素(N
O)の複合化合物であり、この窒素酸化物(NOx)中
の一酸化窒素(NO)、および粒子状汚染物質(PM)
の反応過程で発生した一酸化窒素(NO)を放電により
生成されるOラジカル(O*)により酸化させて二酸化
窒素(NO2)を生成させる。そして、二酸化窒素(N
2)は、次式に示すように還元反応し、無害なガス
(CO2、N2)、および水となって排出される。なお、
還元剤である炭化水素(HC)は未燃焼成分として排ガ
ス中に含まれている。二酸化窒素(NO2)の還元反応
式は、NO2+HC→N2+CO2+H2Oとなり、無害な
ガスに浄化される。
【0047】このように、排ガスの浄化は、放電部に電
力を加えることで発生するOラジカルを含む複数種のラ
ジカルが排ガス中の有害成分の酸化反応を促進させるよ
うに働くことで無害なガス成分に浄化される。つまり、
排ガスの浄化に必要となるOラジカルを含む複数種のラ
ジカルの生成に足りる反応エネルギを所定値の平均電子
エネルギとなるように設定する制御部8を備えた排気浄
化装置1とすることで、排ガスを浄化するのに必要とな
るOラジカルを含む複数種のラジカルを生成させる電子
のエネルギが不足する事態、または逆にOラジカルを含
む複数種のラジカルを生成させる電子のエネルギが過剰
となる事態が発生することが無くなる。よって、効率的
に電力を供給して排ガスの浄化効率を高めることが可能
となる内燃機関の排気浄化装置1を提供できる。
【0048】次に、制御部8が実行する放電部への通電
制御の処理手順を図9に示すフローチャートに基づいて
説明する。先ずS10(Sはステップを表す)にて車両
のキースイッチ(IGスイッチ)11のオンによりエン
ジン50が始動されると、制御部8が温度検知部9およ
び圧力検知部10からの信号(温度データおよび圧力デ
ータ)を受信する(S20)。次いで、S30では、制
御部8が温度検知部9および圧力検知部10から各々信
号を受信し、制御部8内の第1メモリ部8aに予め記憶
した3元マップデータを用いて、対向する各放電部の表
面部間に印加する電圧値(V)を算出する。そして、S
40では、制御部8は算出された電圧値(V)となるよ
うに高圧電源発生装置4に指令し、高圧電源発生装置4
は各流路6を挟んで対向する複数の電極3に高周波の高
圧交流電圧を印加し、当該処理を一端終了する。
【0049】なお、本実施形態では、電極3および絶縁
基板5が一体となった放電部を示したが、電極3のみで
放電部を構成される場合においては、対向する各電極3
の表面部間の距離(Gap)に印加する電圧値(V)を
考慮して平均電子エネルギが求められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】平均電子エネルギを説明する説明図である。
【図2】放電場7における電子エネルギ分布を示す説明
図である。
【図3】放電Gapと印加電圧との関係を示す特性図で
ある。
【図4】所定値の平均電子エネルギを満足する放電場7
における温度と印加電圧との関係を示す特性図である。
【図5】所定値の平均電子エネルギを満足する放電場7
における圧力と印加電圧との関係を示す特性図である。
【図6】本発明の一実施形態の排気浄化装置1全体を示
す概略構成図である。
【図7】図6中に示すプラズマ発生装置2の概略構成図
である。
【図8】図7中の放電部に加える電圧波形の一例を示す
特性図である。
【図9】制御部8が実行する放電部への通電制御を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 排気浄化装置 2 プラズマ発生装置 3 電極(放電部の一部を構成) 5 絶縁基板(放電部の一部を構成) 6 流路 8 制御部(制御手段) 8a メモリ部(第1記憶手段および第2記憶手段:記
憶手段の一部を構成) 9 温度検知部(温度検知手段:検知手段の一部を構
成) 10 圧力検知部(圧力検知手段:検知手段の一部を構
成)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G091 AA02 AA18 AB02 AB03 AB05 AB06 AB13 AB14 BA14 DB10 EA15 EA32 HA36 4D002 AA12 AC10 BA07 BA14 CA20 EA05 GA02 GB02 GB03 GB04 4G075 AA03 AA37 AA62 AA63 AA65 BA01 BA05 BA06 CA15 CA47 DA01 DA02 EB42 EC21 FC15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排ガスが流れる流路を挟んで
    複数の放電部を対向配置させ、前記流路内で放電を発生
    させることで排ガスを浄化する内燃機関の排気浄化装置
    において、 排ガスの浄化に必要な化学反応を発生させる加速電子の
    エネルギ値に対応して、前記放電部にて発生させる加速
    電子の平均電子エネルギを所定値に設定することを特徴
    とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 排ガスの浄化に必要な化学反応として、
    Oラジカルを含む複数種のラジカルの生成に足りる反応
    エネルギを前記所定値の平均電子エネルギとなるように
    設定したことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の
    排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記放電部間の隙間寸法および前記放電
    部間に加える電圧値が設定されることで平均電子エネル
    ギを前記所定値に設定したこと特徴とする請求項1ない
    し請求項2のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化
    装置。
  4. 【請求項4】 前記放電部の放電環境状態を示す少なく
    とも1つの環境情報を検知する検知手段と、 前記所定値の平均電子エネルギとなる前記放電部の前記
    環境情報と前記放電部間に加える電圧値との関係データ
    を予め記憶する記憶手段と、 前記放電部間に加える電圧値を制御する制御手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記検知手段よりの信号に基づき前記
    放電部間に加える電圧値を可変して前記所定値の平均電
    子エネルギに合せることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  5. 【請求項5】 前記検知手段の一部である前記放電部の
    温度を検知する温度検知手段と、 前記所定値の平均電子エネルギとなる前記放電部の温度
    と前記放電部間に加える電圧値との関係データを予め記
    憶する第1記憶手段と、 前記放電部間に加える電圧値を制御する制御手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記温度検知手段よりの信号に基づき
    前記放電部間に加える電圧値を可変して前記所定値の平
    均電子エネルギに合せることを特徴とする請求項4に記
    載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記検知手段の一部である前記放電部の
    圧力を検知する圧力検知手段と、 前記所定値の平均電子エネルギとなる前記放電部の圧力
    と前記放電部間に加える電圧値との関係データを予め記
    憶する第2記憶手段と、 前記放電部間に加える電圧値を制御する制御手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記圧力検知手段よりの信号に基づき
    前記放電部間に加える電圧値を可変して前記所定値の平
    均電子エネルギに合せることを特徴とする請求項4また
    は請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記所定値の平均電子エネルギは、5e
    Vから7eVの間に設定されることを特徴とする請求項
    1ないし請求項6のいずれか1項に記載の排気浄化装
    置。
  8. 【請求項8】 前記所定値の平均電子エネルギは、6e
    Vに設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項
    6のいずれか1項に記載の排気浄化装置。
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