JP2019055808A - コンテナへの鋼材の積載方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋼材をコンテナ輸送する際に、コンテナ内の鋼材に生じる結露を、安価に容易かつ確実に防止することができる、コンテナへの鋼材の積載方法を提供する。【解決手段】予めコンテナ内に樹脂製シート5を入れておき、次いで、シート5上に載置板6を置き、次いで、載置板6上に鋼材4を乗せ、次いで、鋼材4をシート5により包み、次いで、シート5の合せ部を貼り合せ手段により貼り合せて密閉し、そして、シート5内の空気を吸引する。【選択図】図9
Description
この発明は、コンテナへの鋼材の積載方法、特に、鋼材をコンテナ輸送する際に、コンテナ内の鋼材に生じる結露を、安価に容易かつ確実に防止することができる、コンテナへの鋼材の積載方法に関するものである。
貨物をコンテナ輸送する場合において、例えば、寒冷地で荷積みをし、暖かい地域へ輸送する際、貨物の種類によっては貨物に結露が発生することがあった。結露は、外気の露点温度よりコンテナ内の貨物温度が低い場合に発生する。
コンテナの壁面には、外気に通じる通気孔が国際規格にしたがった2箇所設けられている。このために、輸送中において、気圧の変化や気温の上昇により、通気孔を通じてコンテナ内への空気の出入りは自由である。この結果、露点温度が高い空気がコンテナ内に流入すると、これが原因で貨物に結露が発生する。
貨物が棒鋼等の鋼材である場合、結露が生じると、鋼材に錆が発生して、製品価値を著しく損ない、場合によっては荷主からのクレームの対象になる。
従って、コンテナ内の鋼材に発生する結露の防止は、鋼材をコンテナ輸送する上で極めて重要な要件である。
結露防止技術の一例が特許文献1に開示されている。以下、この技術を従来技術1という。
従来技術1は、コンテナに設けられた通気孔に送風機を設置して、コンテナ内の空気の換気を行う際に、常時、送風機を作動させるのではなく、風量検出器および制御器によって、コンテナ外部の風圧が大きい場合には、送風機の作動を停止して自然換気を行い、風圧が小さい場合にのみ送風機を作動させて換気を行うものである。
別の結露防止技術が特許文献2に開示されている。以下、この技術を従来技術2という。
従来技術2は、コンテナ内に高吸水繊維を設け、コンテナ内の水分を高吸水繊維に吸水させるものである。
上述した従来技術1によれば、送風機によりコンテナ内の空気の換気を行って結露を防止する際に、必要時にのみ送風機が作動するので、電力消費量を低減することはできるが、送風機、風量検出器および制御器等の各種電気機器を必要とするので、電力を必要とし、しかも、設備費用がかかる。
上述した従来技術2によれば、コンテナ内の水分を高吸水繊維に吸水させることによって、結露を防止することができるので、従来技術1のように、各種電気機器は不要であるが、高吸水繊維の有する吸水能力を超えた場合には、結露防止効果がなくなるので、吸水能力を超えるたびに、高吸水繊維を新たに交換する必要がある。
従って、この発明の目的は、鋼材をコンテナ輸送する際に、コンテナ内の鋼材に生じる結露を、送風機、風量検出器、制御器等の各種電気機器や結露防止部材を使用することなく、安価に容易かつ確実に防止することができる、コンテナへの鋼材の積載方法を提供することにある。
本願発明者等は、上記目的を達成すべく、鋭意、検討を重ねた。この結果、結露は、空気中の蒸気が凝縮することによって発生することから、鋼材をシートにより包んで密閉し、シート内の空気を吸引して減圧し、さらに必要に応じて、シート内に窒素ガスを充填すれば、上記目的を達成することができるといった知見を得た。
この発明は、上記知見に基づきなされたものであって、下記を特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、予めコンテナ内に樹脂製シートを入れておき、次いで、前記シート上に載置板を置き、次いで、前記載置板上に鋼材を乗せ、次いで、前記鋼材を前記シートにより包み、次いで、前記シートの合せ部を貼り合せ手段により貼り合せて密閉し、そして、前記シート内の空気を吸引することに特徴を有するものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記シートは、無蓋の箱状のシート本体部と、前記シート本体部に被せられるシート蓋部とからなることに特徴を有するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記シートは、前記鋼材の積載側が開放された箱状をなしていることに特徴を有するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1つに記載の発明において、前記シート内の空気を吸引した後、前記シート内に窒素ガスを充填することに特徴を有するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1つに記載の発明において、前記シートは、ポリエチレンシートからなっていることに特徴を有するものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1つに記載の発明において、前記載置板は、発泡スチロール板からなっていることに特徴を有するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6の何れか1つに記載の発明において、前記貼り合せ手段は、熱融着、両面テープまたは面ファスナーからなっていることに特徴を有するものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか1つに記載の発明において、前記鋼材は、棒鋼からなっていることに特徴を有するものである。
この発明によれば、予めコンテナ内にポリエチレンシート等の樹脂製シートを入れておき、次いで、このシートによりコンテナに積載した鋼材を包んで密閉し、シート内の空気を吸引して減圧することにより、棒鋼等の鋼材に生じる結露を、安価に容易かつ確実に防止することができる。
この発明によれば、予めコンテナ内に樹脂製シートを入れておき、鋼材を包むことによって、コンテナ外でシートにより包んだ鋼材を、コンテナに重機を使用して積載する場合に比べて、シートの破れを確実に防止することができる。
また、この発明によれば、予めコンテナ内に入れられたシート上に載置板を置き、この載置板上に鋼材を乗せることによって、鋼材の自重によるシートの破れを確実に防止することができる。
また、この発明によれば、密閉されたシート内の空気を吸引した後、シート内に窒素ガスを充填することによって、鋼材に生じる結露をより確実に防止することができる。
この発明の、コンテナへの鋼材の積載方法の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。
図1は、この発明の、コンテナへの鋼材の積載方法によって、予めコンテナ内にシートを入れたコンテナを示す概略斜視図、図2は、シート本体部を示す展開図、図3は、シート蓋部を示す平面図である。
図1から図3において、1は、コンテナ、2は、予めコンテナ1内に入れられたシート本体部、3は、シート本体部2に蓋をするシート蓋部である。棒鋼等の鋼材4(図5から図9参照)を包むシート5(図7から図9参照)は、シート本体部2とシート蓋部3とからなっている。
シート5は、ポリエチレンシート等の樹脂製であり、厚さは、約0.08mmである。シート本体部2は、コンテナ1の床形状に合わせて箱状をなし、蓋を有さず、その展開形状は、図2に示すような形状をしている。シート蓋部3は、図3に示すように、シート本体部2に合わせて長方形状をしている。
シート5に形成するには、シート5の合せ部を貼り合せ手段により貼り合せる。すなわち、シート本体部2を箱状に貼り合せ手段により貼り合せ、シート本体部2の上部にシート蓋部3を貼り合せ手段により貼り合せる。貼り合せ手段としては、熱融着、両面テープまたは面ファスナー等を用いる。
6は、シート本体部2に乗せられる載置板であり、発泡スチロール板からなっている。載置板6上に鋼材4を乗せることによって、鋼材4が直接、シート本体部2に接しないので、鋼材4の自重によるシート5の破れを確実に防止することができる。
7は、一段目の鋼材4上に乗せられる棒状の中間敷材、8は、二段目の鋼材4上に乗せられる板状の上部敷材である。
9は、鋼材4を包んだシート5内の空気を吸引する空気吸引機、10は、シート内に窒素ガスを充填する窒素ガス充填機である。
このように構成されている。この発明の、コンテナへの鋼材の積載方法によれば、以下のようにして、コンテナに鋼材が積載される。
先ず、図1に示すように、シート本体部2を展開した状態でコンテナ1の床に敷く。
次いで、図4に示すように、シート本体部2上に載置板6を並べて置く。
次いで、図5に示すように、一段目の鋼材4をコンテナ1の搬入口1a(図1参照)からコンテナ1内に搬入して、載置板6上に並べて乗せ、鋼材4上に中間敷材7を置く。このように、鋼材4を載置板6上に乗せることによって、鋼材4が直接、載置板6に接することはないので、鋼材4の自重によるシート5の破れを確実に防止することができる。
次いで、図6に示すように、中間敷材7上に二段目の鋼材4を並べて乗せる。
次いで、シート本体部2を箱状に、熱融着、両面テープまたは面ファスナー等の貼り合せ手段により貼り合せた後、シート蓋部3をシート本体部2に貼り合せ手段により貼り合せる。
このようにして、鋼材4を包んだシート5を密閉したら、図7に示すように、シート5内の空気を空気吸引機9によって吸引して減圧する。これによって、コンテナ1に積載された鋼材4に生じる結露を防止することができる。
次いで、さらに確実に結露を防止するために、図8に示すように、シート5内に窒素ガスを窒素ガス充填機10によって充填する。
これによって、図9に示すように、鋼材4は、シート5によって窒素ガスが充填された状態で包まれるので、鋼材4に生じる結露を確実に防止することができる。
図10に別のシート5を示す。このシート5は、鋼材4の積載側(図1の1a側)が開放された箱状をなしている。
この箱状シート5によりコンテナ1に鋼材4を積載するには、図10に示すように、シート5上面5aをコンテナ1の天井(図示せず)に予めフック12を介して線材11により吊るして、シート5を箱状に形成し、この状態でコンテナ1に上記例と同様にして鋼材4を搬入し、この後、シート5の開放口5bを上下方向(図10の矢印参照)から潰し、合せ部を貼り合せ手段により貼り合せる。
なお、シート5の開放口5bを潰して貼り合せる以外に、開放口5bに別のシートを貼り合せてもよい。
以上説明したように、この発明によれば、予めコンテナ1内にポリエチレンシート等の樹脂製シート5を入れておき、次いで、このシート5によりコンテナ1に積載した鋼材4を包んで密閉し、シート5内の空気を吸引して減圧することにより、棒鋼等の鋼材4に生じる結露を、安価に容易かつ確実に防止することができる。
この発明によれば、予めコンテナ1内に樹脂製シート5を入れておき、鋼材4を包むことによって、コンテナ1外でシート5により包んだ鋼材4を、コンテナ1に重機を使用して積載する場合に比べて、シート5の破れを確実に防止することができる。シート5が破れた場合、シート5の破れを補修しないと、シート5内の空気の減圧や窒素ガスの充填が行なえない。
また、この発明によれば、コンテナ1内に入れられたシート5上に載置板6を置き、この載置板6上に鋼材4を乗せることによって、鋼材4の自重によるシート5の破れを確実に防止することができる。
また、この発明によれば、シート5内の空気を吸引した後、シート5内に窒素ガスを充填することによって、鋼材4に生じる結露をより確実に防止することができる。
1:コンテナ
1a:搬入口
2:シート本体部
3:シート蓋部
4:鋼材
5:シート
5a:上面
5b:開放口
6:載置板
7:中間敷材
8:上部敷材
9:空気吸引機
10:窒素ガス充填機
11:線材
12:フック
1a:搬入口
2:シート本体部
3:シート蓋部
4:鋼材
5:シート
5a:上面
5b:開放口
6:載置板
7:中間敷材
8:上部敷材
9:空気吸引機
10:窒素ガス充填機
11:線材
12:フック
Claims (8)
- 予めコンテナ内に樹脂製シートを入れておき、次いで、前記シート上に載置板を置き、次いで、前記載置板上に鋼材を乗せ、次いで、前記鋼材を前記シートにより包み、次いで、前記シートの合せ部を貼り合せ手段により貼り合せて密閉し、そして、前記シート内の空気を吸引することを特徴とする、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記シートは、無蓋の箱状のシート本体部と、前記シート本体部に被せられるシート蓋部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記シートは、前記鋼材の積載側が開放された箱状をなしていることを特徴とする、請求項1に記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記シート内の空気を吸引した後、前記シート内に窒素ガスを充填することを特徴とする、請求項1から3の何れか1つに記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記シートは、ポリエチレンシートからなっていることを特徴とする、請求項1から4の何れか1つに記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記載置板は、発泡スチロール板からなっていることを特徴とする、請求項1から5の何れか1つに記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記貼り合せ手段は、熱融着、両面テープまたは面ファスナーからなっていることを特徴とする、請求項1から6の何れか1つに記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
- 前記鋼材は、棒鋼からなっていることを特徴とする、請求項1から7の何れか1つに記載の、コンテナへの鋼材の積載方法。
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