JP2019054556A - 通信システム - Google Patents

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満 望月
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美保 前田
晋介 宇賀
Shinsuke Uga
晋介 宇賀
福井 範行
Noriyuki Fukui
範行 福井
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Abstract

【課題】多数のスモールセルが設置される構成において、通信端末装置の移動に対応可能なモビリティ性能を有する通信システムを提供する。【解決手段】通信端末装置は、待受け状態である場合、自装置が在圏しているセルの属するグループ、および自装置が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定を行う。通信端末装置は、接続状態である場合、自装置が接続しているセルの属するグループ、および自装置が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定を行う。通信端末装置は、測定対象のグループを、複数のグループの優先順位に基づいて選択する。【選択図】図19

Description

本発明は、通信端末装置と基地局装置との間で無線通信を行う通信システムに関する。
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、無線区間についてはロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)と称し、コアネットワークおよび無線アクセスネットワーク(以下、まとめて、ネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については、システムアーキテクチャエボリューション(System Architecture Evolution:SAE)と称される新たな通信方式が検討されている(例えば、非特許文献1〜12参照)。この通信方式は3.9G(3.9 Generation)システムとも呼ばれる。
LTEのアクセス方式としては、下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。また、LTEは、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)とは異なり、回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
非特許文献1(5章)に記載される、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する決定事項について、図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図1において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Subframe)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目および6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)が含まれる。同期信号には、第一同期信号(Primary Synchronization Signal:P−SS)と、第二同期信号(Secondary Synchronization Signal:S−SS)とがある。
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。
物理報知チャネル(Physical Broadcast channel:PBCH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は、40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。
物理制御フォーマットインジケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel:PCFICH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルの数について基地局から移動端末へ通知する。PCFICHは、サブフレーム毎に送信される。
物理下り制御チャネル(Physical Downlink Control Channel:PDCCH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。PDCCHは、後述のトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)のリソース割り当て(allocation)情報、後述のトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル(Paging Channel:PCH)のリソース割り当て(allocation)情報、DL−SCHに関するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)情報を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるAck(Acknowledgement)/Nack(Negative Acknowledgement)を運ぶ。PDCCHは、L1/L2制御信号とも呼ばれる。
物理下り共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel:PDSCH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。PDSCHには、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)、およびトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。
物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel:PMCH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。PMCHには、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)がマッピングされている。
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel:PUCCH)は、移動端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUCCHは、下り送信に対する応答信号(response signal)であるAck/Nackを運ぶ。PUCCHは、CQI(Channel Quality Indicator)レポートを運ぶ。CQIとは、受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request:SR)を運ぶ。
物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel:PUSCH)は、移動端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PUSCHには、トランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)がマッピングされている。
物理HARQインジケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel:PHICH)は、基地局から移動端末への下り送信用のチャネルである。PHICHは、上り送信に対する応答信号であるAck/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel:PRACH)は、移動端末から基地局への上り送信用のチャネルである。PRACHは、ランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
下り参照信号(リファレンスシグナル(Reference Signal):RS)は、LTE方式の通信システムとして既知のシンボルである。以下の5種類の下りリファレンスシグナルが定義されている。セル固有参照信号(Cell-specific Reference Signals:CRS)、MBSFN参照信号(MBSFN reference signals)、UE固有参照信号(UE-specific reference signals)であるデータ復調用参照信号(Demodulation Reference Signal:DM−RS)、位置決定参照信号(Positioning Reference Signals:PRS)、チャネル情報参照信号(Channel-State Information Reference Signals:CSI−RS)。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシグナルの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)測定がある。
非特許文献1(5章)に記載されるトランスポートチャネル(Transport channel)について、説明する。下りトランスポートチャネルのうち、報知チャネル(Broadcast Channel:BCH)は、その基地局(セル)のカバレッジ全体に報知される。BCHは、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
下り共有チャネル(Downlink Shared Channel:DL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。DL−SCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が可能である。DL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては、パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)ともいわれる。DL−SCHは、移動端末の低消費電力化のために移動端末の間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。DL−SCHは、物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。
ページングチャネル(Paging Channel:PCH)は、移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。PCHは、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知が要求される。PCHは、動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソースへマッピングされる。
マルチキャストチャネル(Multicast Channel:MCH)は、基地局(セル)のカバレッジ全体への報知に使用される。MCHは、マルチセル送信におけるMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)サービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。MCHは、準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHは、PMCHへマッピングされる。
上りトランスポートチャネルのうち、上り共有チャネル(Uplink Shared Channel:UL−SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。UL−SCHは、ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは、物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(Random Access Channel:RACH)は、制御情報に限られている。RACHは、衝突のリスクがある。RACHは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。
HARQについて説明する。HARQとは、自動再送要求(Automatic Repeat reQuest:ARQ)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組合せにより、伝送路の通信品質を向上させる技術である。HARQには、通信品質が変化する伝送路に対しても、再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に、再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果との合成をすることで、更なる品質向上を得ることも可能である。
再送の方法の一例を説明する。受信側にて、受信データが正しくデコードできなかった場合、換言すればCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが発生した場合(CRC=NG)、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側は、データを再送する。受信側にて、受信データが正しくデコードできた場合、換言すればCRCエラーが発生しない場合(CRC=OK)、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。
非特許文献1(6章)に記載される論理チャネル(ロジカルチャネル:Logical channel)について、説明する。報知制御チャネル(Broadcast Control Channel:BCCH)は、報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHは、トランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
ページング制御チャネル(Paging Control Channel:PCCH)は、ページング情報(Paging Information)およびシステム情報(System Information)の変更を送信するための下りチャネルである。PCCHは、移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHは、トランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。
共有制御チャネル(Common Control Channel:CCCH)は、移動端末と基地局との間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは、移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を有していない場合に用いられる。下り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHは、トランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(Multicast Control Channel:MCCH)は、1対多の送信のための下りチャネルである。MCCHは、ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられる。MCCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられる。MCCHは、トランスポートチャネルであるマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
個別制御チャネル(Dedicated Control Channel:DCCH)は、1対1にて、移動端末とネットワークとの間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは、移動端末がRRC接続(connection)である場合に用いられる。DCCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
個別トラフィックチャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)は、ユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは、上りおよび下りともに存在する。DTCHは、上りでは上り共有チャネル(UL−SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。
マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel:MTCH)は、ネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHは、MBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは、マルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
CGIとは、セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)のことである。ECGIとは、E−UTRANセルグローバル識別子(E-UTRAN Cell Global Identifier)のことである。LTE、後述のLTE−A(Long Term Evolution Advanced)およびUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)において、CSG(Closed Subscriber Group)セルが導入される。
CSG(Closed Subscriber Group)セルとは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセル(以下「特定加入者用セル」という場合がある)である。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)の1つ以上のセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のセルを「CSGセル(CSG cell(s))」と呼ぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。
CSGセルは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity:CSG ID;CSG−ID)を報知し、CSGインジケーション(CSG Indication)にて「TRUE」を報知するPLMNの一部である。予め利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
CSG−IDは、CSGセルまたはセルによって報知される。LTE方式の通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために、移動端末(UE)によって使用される。
移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、移動端末を呼び出す、換言すれば移動端末が着呼することを可能にするために行われる。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアと呼ぶ。
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home−NB;HNB)、Home−eNodeB(Home−eNB;HeNB)と称される基地局が検討されている。UTRANにおけるHNB、およびE−UTRANにおけるHeNBは、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献3には、HeNBおよびHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。具体的には、オープンアクセスモード(Open access mode)と、クローズドアクセスモード(Closed access mode)と、ハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)とが開示されている。
各々のモードは、以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、CSGセルとして操作される。このCSGセルは、CSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、HeNBおよびHNBは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルとして操作される。言い換えれば、ハイブリッドアクセスモードのセル(ハイブリッドセルとも称する)は、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードとの両方をサポートするセルである。
3GPPでは、全ての物理セル識別子(Physical Cell Identity:PCI)のうち、CSGセルで使用するためにネットワークによって予約されたPCI範囲がある(非特許文献1 10.5.1.1章参照)。PCI範囲を分割することをPCIスプリットと称することがある。PCIスプリットに関する情報(PCIスプリット情報とも称する)は、システム情報によって基地局から傘下の移動端末に対して報知される。基地局の傘下とは、該基地局をサービングセルとすることを意味する。
非特許文献4は、PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有していない移動端末は、全PCIを用いて、例えば504コード全てを用いて、セルサーチを行う必要がある。これに対して、PCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
また3GPPでは、リリース10として、ロングタームエボリューションアドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE−A)の規格策定が進められている(非特許文献5、非特許文献6参照)。LTE−Aは、LTEの無線区間通信方式を基本とし、それにいくつかの新技術を加えて構成される。
LTE−Aシステムでは、100MHzまでのより広い周波数帯域幅(transmission bandwidths)をサポートするために、二つ以上のコンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)を集約する(「アグリゲーション(aggregation)する」とも称する)、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation:CA)が検討されている。
CAが構成される場合、UEはネットワーク(Network:NW)と唯一つのRRC接続(RRC connection)を有する。RRC接続において、一つのサービングセルがNASモビリティ情報とセキュリティ入力を与える。このセルをプライマリセル(Primary Cell:PCell)と呼ぶ。下りリンクで、PCellに対応するキャリアは、下りプライマリコンポーネントキャリア(Downlink Primary Component Carrier:DL PCC)である。上りリンクで、PCellに対応するキャリアは、上りプライマリコンポーネントキャリア(Uplink Primary Component Carrier:UL PCC)である。
UEの能力(ケーパビリティ(capability))に応じて、セカンダリセル(Secondary Cell:SCell)が、PCellとサービングセルとの組を形成するために構成される。下りリンクで、SCellに対応するキャリアは、下りセカンダリコンポーネントキャリア(Downlink Secondary Component Carrier:DL SCC)である。上りリンクで、SCellに対応するキャリアは、上りセカンダリコンポーネントキャリア(Uplink Secondary Component Carrier:UL SCC)である。
一つのUEに対して、一つのPCellと、一つ以上のSCellからなるサービングセルとの組が構成される。
また、LTE−Aでの新技術としては、より広い帯域をサポートする技術(Wider bandwidth extension)、および多地点協調送受信(Coordinated Multiple Point transmission and reception:CoMP)技術などがある。3GPPでLTE−Aのために検討されているCoMPについては、非特許文献7に記載されている。
また、3GPPにおいて、リリース12版の規格書の策定が進められている。この中で、将来の膨大なトラフィックに対応するために、スモールセルを構成するスモールeNBを用いることが検討されている。例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを構成することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。
モバイルネットワークのトラフィック量は、増加傾向にあり、通信速度も高速化が進んでいる。LTEおよびLTE−Aが本格的に運用を開始されると、更に通信速度が高速化され、トラフィック量が増加することが見込まれる。
3GPP TS36.300 V11.5.0 3GPP TS36.304 V11.1.0 3GPP S1−083461 3GPP R2−082899 3GPP TR 36.814 V9.0.0 3GPP TR 36.912 V10.0.0 3GPP TR 36.819 V11.1.0 3GPP TS 36.141 V11.1.0 3GPP R1−131530 3GPP TS36.331 V11.3.0 3GPP TR36.842 V0.2.0 3GPP TS37.320 V11.3.0
多数のスモールセルを設置した場合、UEは、セル再選択のためのメジャメント、またはハンドオーバのためのメジャメントにおいて、多くのセルを測定しなければならないので、メジャメントに多大な時間を要する。
その反面、スモールセルは、マクロセルに比べて、セル半径が小さく、カバレッジ範囲が小さいので、UEが移動する場合、UEがマクロセルに滞留する時間に比べて、UEがスモールセルに滞留する時間は短くなる。
したがって、セル再選択先としての最適なセル、またはハンドオーバ先としての最適なセルを検出することができず、セル再選択およびハンドオーバが正常に行われずに失敗するおそれが高くなる。
セル再選択およびハンドオーバを正常に行わせるためには、多数のスモールセルが設置される構成において、UEの移動に対応可能なモビリティ(mobility)性能を有する通信システムが求められる。前述の非特許文献1〜12には、このような通信システムについては開示されていない。
本発明の目的は、多数のスモールセルが設置される構成において、通信端末装置の移動に対応可能なモビリティ性能を有する通信システムを提供することである。
本発明の通信システムは、1つまたは複数の基地局装置を含むネットワーク側装置によって構成されるネットワークを介して、複数の通信端末装置が無線通信を行う通信システムであって、前記1つまたは複数の基地局装置によって構成され、前記複数の通信端末装置と接続されて前記複数の通信端末装置と無線通信を行う複数のセルを備え、前記複数のセルは、複数のグループにグループ化されており、前記複数の通信端末装置のうちの一の通信端末装置は、(a)待受け状態である場合、自装置が在圏しているセルの属するグループ、および自装置が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定を行い、(b)接続状態である場合、自装置が接続しているセルの属するグループ、および自装置が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定を行い、前記一の通信端末装置は、測定対象の前記グループを、前記複数のグループの優先順位に基づいて選択することを特徴とする。
また、本発明の通信システムは、1つまたは複数の基地局装置を含むネットワーク側装置によって構成されるネットワークを介して、複数の通信端末装置が無線通信を行う通信システムであって、前記1つまたは複数の基地局装置によって構成され、前記複数の通信端末装置と接続されて前記複数の通信端末装置と無線通信を行う複数のセルを備え、前記複数のセルは、複数のグループにグループ化されており、前記複数の通信端末装置のうちの一の通信端末装置は、(a)待受け状態である場合、自装置が在圏しているセルの属するグループ、および自装置が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定を行い、(b)接続状態である場合、自装置が接続しているセルの属するグループ、および自装置が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定を行い、前記一の通信端末装置は、測定対象の前記グループを、前記複数のグループの負荷情報または前記複数のグループの規制情報に基づいて選択することを特徴とする。
本発明の通信システムによれば、通信端末装置が待受け状態である場合、通信端末装置が在圏しているセルの属するグループ、およびそのグループとは異なるグループのいずれかが選択され、選択されたグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定が行われる。通信端末装置が接続状態である場合、通信端末装置が接続しているセルの属するグループ、およびそのグループとは異なるグループのいずれかが選択され、選択されたグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定が行われる。
このように、通信端末装置が測定を行うセルは、通信端末装置が選択したグループに属するセルに限定される。これによって、複数のセルとして、比較的小さいカバレッジを有するスモールセルが多数設置される構成において、通信端末装置が比較的高速で移動する場合でも、再選択またはハンドオーバに適したセルを検出することが可能となる。したがって、多数のスモールセルが設置される構成において、通信端末装置の移動に対応可能なモビリティ性能を有する通信システムを提供することができる。
本発明の目的、特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。 3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム700の全体的な構成を示すブロック図である。 本発明に係る移動端末である図2に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。 本発明に係る基地局である図2に示す基地局72の構成を示すブロック図である。 本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。 LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。 セルをグループ化した場合における在圏すべきセルグループ間の移行の概念を示す図である。 システムとして固定してセルのグループ化を行う場合の概念を示す図である。 システムとして準静的に決定してセルのグループ化を行う場合の概念を示す図である。 実施の形態1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 移行判定閾値の具体例の概念を示すグラフである。 実施の形態1の変形例1におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例1におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例1におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 移行判定閾値の具体例の概念を示すグラフである。 実施の形態1の変形例2におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例2におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1の変形例3におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。 仮想マクロセルを構成するSCGの概念を説明するための図である。 スモールセルで使用される物理リソースの一例を示す図である。 仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。 個別セルモードの運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。 仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの他の例を示す図である。 実施の形態1の通信システムにおけるHO処理のシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態1の通信システムにおけるHO処理のシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態1の通信システムにおけるHO処理のシーケンスの一例を示す図である。 SCG端のスモールセル配置をオーバラップさせない場合のSCG端におけるオーバラップエリアの概念を説明するための図である。 SCG端のスモールセル配置をオーバラップさせた場合のSCG端におけるオーバラップエリアの概念を説明するための図である。 実施の形態2の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態2の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態2の変形例2における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。 SCG内の各セルが4つのアンテナを有する場合の構成を説明するための図である。 従来の緊急情報通知システムを、デュアルコネクティビティを行っているUEに適用した場合のシーケンスを示す図である。 実施の形態3における緊急情報通知システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態3における緊急情報通知システムのシーケンスの他の例を示す図である。 実施の形態3の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態3の変形例1における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。 実施の形態4における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態4の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 MBMSについて説明するための図である。 実施の形態5における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。 実施の形態5における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。 従来のUEが行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。 実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図2は、3GPPにおいて議論されているLTE方式の通信システム700の全体的な構成を示すブロック図である。図2について説明する。無線アクセスネットワークは、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)70と称される。通信端末装置である移動端末装置(以下「移動端末(User Equipment:UE)」という)71は、基地局装置(以下「基地局(E-UTRAN NodeB:eNB)」という)72と無線通信可能であり、無線通信で信号の送受信を行う。
移動端末71に対する制御プロトコル、例えばRRC(Radio Resource Control)と、ユーザプレイン、例えばPDCP(Packet Data Convergence Protocol)、RLC(Radio Link Control)、MAC(Medium Access Control)、PHY(Physical layer)とが基地局72で終端するならば、E−UTRANは1つあるいは複数の基地局72によって構成される。
移動端末71と基地局72との間の制御プロトコルRRC(Radio Resource Control)は、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。RRCにおける基地局72と移動端末71との状態として、RRC_IDLEと、RRC_CONNECTEDとがある。
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System Information:SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティなどが行われる。RRC_CONNECTEDでは、移動端末はRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができる。またRRC_CONNECTEDでは、ハンドオーバ(Handover:HO)、隣接セル(Neighbour cell)の測定(メジャメント(measurement))などが行われる。
基地局72は、eNB76と、Home−eNB75とに分類される。通信システム700は、複数のeNB76を含むeNB群72−1と、複数のHome−eNB75を含むHome−eNB群72−2とを備える。またコアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)と、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN70とで構成されるシステムは、EPS(Evolved Packet System)と称される。コアネットワークであるEPCと、無線アクセスネットワークであるE−UTRAN70とを合わせて、「ネットワーク」という場合がある。
eNB76は、移動管理エンティティ(Mobility Management Entity:MME)、あるいはS−GW(Serving Gateway)、あるいはMMEおよびS−GWを含むMME/S−GW部(以下「MME部」という場合がある)73とS1インタフェースにより接続され、eNB76とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのeNB76に対して、複数のMME部73が接続されてもよい。eNB76間は、X2インタフェースにより接続され、eNB76間で制御情報が通信される。
Home−eNB75は、MME部73とS1インタフェースにより接続され、Home−eNB75とMME部73との間で制御情報が通信される。一つのMME部73に対して、複数のHome−eNB75が接続される。あるいは、Home−eNB75は、HeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME部73と接続される。Home−eNB75とHeNBGW74とは、S1インタフェースにより接続され、HeNBGW74とMME部73とはS1インタフェースを介して接続される。
一つまたは複数のHome−eNB75が一つのHeNBGW74と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。HeNBGW74は、一つまたは複数のMME部73と接続され、S1インタフェースを通して情報が通信される。
MME部73およびHeNBGW74は、上位装置、具体的には上位ノードであり、基地局であるeNB76およびHome−eNB75と、移動端末(UE)71との接続を制御する。MME部73は、コアネットワークであるEPCを構成する。基地局72およびHeNBGW74は、E−UTRAN70を構成する。
さらに3GPPでは、以下のような構成が検討されている。Home−eNB75間のX2インタフェースはサポートされる。すなわち、Home−eNB75間は、X2インタフェースにより接続され、Home−eNB75間で制御情報が通信される。MME部73からは、HeNBGW74はHome−eNB75として見える。Home−eNB75からは、HeNBGW74はMME部73として見える。
Home−eNB75が、HeNBGW74を介してMME部73に接続される場合および直接MME部73に接続される場合のいずれの場合も、Home−eNB75とMME部73との間のインタフェースは、S1インタフェースで同じである。
基地局装置72は、1つのセルを構成してもよいし、複数のセルを構成してもよい。各セルは、通信端末装置と通信可能な範囲であるカバレッジとして予め定める範囲を有し、カバレッジ内で通信端末装置と無線通信を行う。1つの基地局装置が複数のセルを構成する場合、1つ1つのセルが、移動端末と通信可能に構成される。
図3は、本発明に係る移動端末である図2に示す移動端末71の構成を示すブロック図である。図3に示す移動端末71の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、およびアプリケーション部802からのユーザデータが、送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータは、エンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは、変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局72に送信信号が送信される。
また、移動端末71の受信処理は、以下のように実行される。基地局72からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータは、デコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末71の一連の処理は、制御部810によって制御される。よって制御部810は、図3では省略しているが、各部801〜809と接続している。
図4は、本発明に係る基地局である図2に示す基地局72の構成を示すブロック図である。図4に示す基地局72の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME部73など)、HeNBGW74などとの間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901および他基地局通信部902は、それぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、ならびにEPC通信部901および他基地局通信部902からのユーザデータおよび制御データは、送信データバッファ部904へ保存される。
送信データバッファ部904に保存されたデータは、エンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに、送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在してもよい。エンコードされたデータは、変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータは、ベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。
また、基地局72の受信処理は以下のように実行される。一つもしくは複数の移動端末71からの無線信号が、アンテナ908により受信される。受信信号は、周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータは、デコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901および他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は、制御部911によって制御される。よって制御部911は、図4では省略しているが、各部901〜910と接続している。
図5は、本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。図5では、前述の図2に示すMME部73に含まれるMME73aの構成を示す。PDN GW通信部1001は、MME73aとPDN GWとの間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002は、MME73aと基地局72との間のS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、PDN GW通信部1001から、ユーザプレイン通信部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは、基地局通信部1002から、ユーザプレイン通信部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データは、PDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは、基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。
HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73aとHeNBGW74との間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データは、HeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005−3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005−1は、NAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005−2は、SAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005−3は、待受け状態(アイドルステート(Idle State);LTE−IDLE状態、または、単にアイドルとも称される)のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成および制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリアの追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト管理などを行う。
MME73aは、1つまたは複数の基地局72に対して、ページング信号の分配を行う。また、MME73aは、待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME73aは、移動端末が待ち受け状態のとき、および、アクティブ状態(Active State)のときに、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。MME73aは、UEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:Tracking Area)に属するセルへ、ページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MME73aに接続されるHome−eNB75のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理は、アイドルステートモビリティ管理部1005−3で行ってもよい。
次に通信システムにおけるセルサーチ方法の一例を示す。図6は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末は、セルサーチを開始すると、ステップST1201で、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。
P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCIに1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号(リファレンスシグナル:RS)であるセル固有参照信号(Cell-specific Reference Signal:CRS)を検出し、RSの受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定を行う。参照信号(RS)には、PCIと1対1に対応したコードが用いられている。そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ステップST1201で特定したPCIから、該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RSの受信電力を測定することが可能となる。
次にステップST1203で、ステップST1202までで検出された一つ以上のセルの中から、RSの受信品質が最もよいセル、例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセルを選択する。
次にステップST1204で、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。したがってPBCHを受信してBCCHを得ることで、MIBが得られる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次にステップST1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には、該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1には、トラッキングエリアコード(Tracking Area Code:TAC)が含まれる。
次にステップST1206で、移動端末は、ステップST1205で受信したSIB1のTACと、移動端末が既に保有しているトラッキングエリアリスト内のトラッキングエリア識別子(Tracking Area Identity:TAI)のTAC部分とを比較する。トラッキングエリアリストは、TAIリスト(TAI list)とも称される。TAIはトラッキングエリアを識別するための識別情報であり、MCC(Mobile Country Code)と、MNC(Mobile Network Code)と、TAC(Tracking Area Code)とによって構成される。MCCは国コードである。MNCはネットワークコードである。TACはトラッキングエリアのコード番号である。
移動端末は、ステップST1206で比較した結果、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれるTACと同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して、ステップST1205で受信したTACがトラッキングエリアリスト内に含まれなければ、移動端末は、該セルを通して、MMEなどが含まれるコアネットワーク(Core Network,EPC)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためにトラッキングエリアの変更を要求する。
コアネットワークを構成する装置(以下「コアネットワーク側装置」という場合がある)は、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、トラッキングエリアリストの更新を行う。コアネットワーク側装置は、移動端末に更新後のトラッキングエリアリストを送信する。移動端末は、受信したトラッキングエリアリストに基づいて、移動端末が保有するTACリストを書き換える(更新する)。その後、移動端末は、該セルで待ち受け動作に入る。
スマートフォンおよびタブレット端末の普及によって、セルラー系無線通信によるトラフィックが爆発的に増大しており、世界中で無線リソースの不足が懸念されている。これに対応して周波数利用効率を高めるために、小セル化し、空間分離を進めることが検討されている。
従来のセルの構成では、eNBによって構成されるセルは、比較的広い範囲のカバレッジを有する。従来は、複数のeNBによって構成される複数のセルの比較的広い範囲のカバレッジによって、あるエリアを覆うように、セルが構成されている。
小セル化された場合、eNBによって構成されるセルは、従来のeNBによって構成されるセルのカバレッジに比べて範囲が狭いカバレッジを有する。したがって、従来と同様に、あるエリアを覆うためには、従来のeNBに比べて、多数の小セル化されたeNBが必要となる。
以下の説明では、従来のeNBによって構成されるセルのように、比較的広い範囲のカバレッジを構成するセル、すなわちカバレッジエリアが比較的広いセルを「マクロセル」といい、マクロセルを構成するeNBを「マクロeNB」という。また、小セル化されたセルのように、比較的狭い範囲のカバレッジを構成するセル、すなわちカバレッジエリアが比較的狭いセルを「スモールセル」といい、スモールセルを構成するeNBを「スモールeNB」という。
マクロeNBは、例えば、非特許文献8に記載される「ワイドエリア基地局(Wide Area Base Station)」であってもよい。
スモールeNBは、例えば、ローパワーノード、ローカルエリアノード、ホットスポットなどであってもよい。また、スモールeNBは、ピコセルを構成するピコeNB、フェムトセルを構成するフェムトeNB、HeNB、RRH(Remote Radio Head)、RRU(Remote Radio Unit)、RRE(Remote Radio Equipment)またはRN(Relay Node)であってもよい。また、スモールeNBは、非特許文献8に記載される「ローカルエリア基地局(Local Area Base Station)」または「ホーム基地局(Home Base Station)」であってもよい。
図7は、マクロeNBとスモールeNBとが混在する場合のセルの構成の概念を示す図である。マクロeNBによって構成されるマクロセルは、比較的広い範囲のカバレッジ1301を有する。スモールeNBによって構成されるスモールセルは、マクロeNB(マクロセル)のカバレッジ1301に比べて範囲が狭いカバレッジ1302を有する。
複数のeNBが混在する場合、あるeNBによって構成されるセルのカバレッジが、他のeNBによって構成されるセルのカバレッジ内に含まれる場合がある。図7に示すセルの構成では、参照符号「1304」または「1305」で示されるように、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ1302が、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ1301内に含まれる場合がある。
また、参照符号「1305」で示されるように、複数、例えば2つのスモールセルのカバレッジ1302が、1つのマクロセルのカバレッジ1301内に含まれる場合もある。移動端末(UE)1303は、例えばスモールセルのカバレッジ1302内に含まれ、スモールセルを介して通信を行う。
また図7に示すセルの構成では、参照符号「1306」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ1301と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ1302とが複雑に重複する場合が生じる。
また、参照符号「1307」で示されるように、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ1301と、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジ1302とが重複しない場合も生じる。
さらには、参照符号「1308」で示されるように、多数のスモールeNBによって構成される多数のスモールセルのカバレッジ1302が、一つのマクロeNBによって構成される1つのマクロセルのカバレッジ1301内に構成される場合も生じる。
実施の形態1で解決する課題、およびその解決策について、以下に示す。本実施の形態では、マクロeNBによって構成されるマクロセルのカバレッジ内に、スモールeNBによって構成されるスモールセルのカバレッジが含まれる構成を考える。
前述のように、将来の膨大なトラフィックに対応するために、例えば、多数のスモールeNBを設置して、多数のスモールセルを設置することによって、周波数利用効率を高めて、通信容量の増大を図る技術などが検討されている。
多数のスモールセルを設置した場合、UEが、セル再選択のためのメジャメント、またはハンドオーバのためのメジャメントにおいて、多くのセルを測定しなければならないので、メジャメントに多大な時間を要する。したがって、メジャメント時間が限定された場合は、セル再選択先としての最適なセル、あるいはハンドオーバ先としての最適なセルを検出できないおそれがある。最適なセルを検出できない場合は、セル再選択を繰り返すことがあり、またハンドオーバが正常に完了せずに、ハンドオーバが失敗することがある。このように、多数のスモールセルを設置する場合、UEのメジャメント性能の改善が課題となる。
実施の形態1における解決策を以下に示す。セルをグループ化し、在圏すべきセルグループへの移行判定を、UEが行う。
在圏セルとは、待受け状態のUEの場合、キャンプオンしているセルのことであり、アクティブ状態(接続状態)のUEの場合、接続しているセルのことである。
セルグループへの移行判定において、待受け状態(以下「Idleモード」という場合がある)のUEは、現在キャンプオンしているセルが属するグループ(以下「セルグループ」という場合がある)と異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきか、または現在キャンプオンしているセルが属するグループと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきかの判定を行う。
接続状態(以下「Connectedモード」という場合がある)のUEは、現在接続しているセルが属するグループと異なるグループに属するセルへのハンドオーバを行うか、または現在接続しているセルが属するグループと同じグループに属するセルへのハンドオーバを行うかの判定を行う。すなわち、接続状態(Connectedモード)のUEは、現在接続しているセルが属するグループと異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきか、または現在接続しているセルが属するグループと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきかの判定を行う。
図8は、セルをグループ化した場合における在圏すべきセルグループ間の移行の概念を示す図である。セルグループAに、セル2101〜セル2109が属するとする。セルグループBに、セル2110〜セル2112が属するとする。
UE2113がIdleモード(待受け状態)であるとする。
UE2113は、セルグループAに属するセル2109にキャンプオンしているとする。UE2113は、現在キャンプオンしているセル2109が属するグループと異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきか、または現在キャンプオンしているセル2109が属するグループと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきかの判定を行う。
例えば、現在キャンプオンしているセル2109が属するグループであるセルグループAと異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきと判断した場合、UE2113は、セルグループBに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定(メジャメント)を行い、セルグループBに属するセル、例えばセル2111をセル再選択先として選択する。
また、例えば、現在キャンプオンしているセル2109が属するグループであるセルグループAと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきと判断した場合、UE2113は、セルグループAに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定(メジャメント)を行い、セルグループAに属する他のセル、例えばセル2108をセル再選択先として選択する。
このようにUE2113は、Idleモード(待受け状態)である場合、自UE2113が在圏しているセルの属するグループ、および自UE2113が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定(メジャメント)、すなわちセル再選択のためのメジャメントを行う。そして、UE2113は、測定結果に基づいて、セル再選択先を選択する。セル再選択のためのメジャメントとしては、セルからの受信電力の測定、具体的には参照信号(リファレンスシグナル:RS)の受信電力(Reference Signal Received Power:RSRP)の測定がある。
UE2114がConnectedモード(接続状態)であるとする。
UE2114は、セルグループBに属するセル2111に接続しているとする。UE2114は、現在接続しているセル2111が属するグループと異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきか、現在接続しているセル2111が属するグループと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきかの判定を行う。
例えば、現在接続しているセル2111が属するグループであるセルグループBと異なるグループに属するセルへ在圏を移行すべきと判断した場合、UE2114は、セルグループAに属するセル2101〜2109について、ハンドオーバのための測定(メジャメント)を行い、メジャメント報告を行う。
また、例えば、現在接続しているセル2111が属するグループであるセルグループBと同じグループに属するセルへの在圏を維持すべきと判断した場合、UE2114は、セルグループBに属する他のセル2110,2112について、ハンドオーバのための測定(メジャメント)を行い、メジャメント報告を行う。
このようにUE2114は、Connectedモード(接続状態)である場合、自UE2114が接続しているセルの属するグループ、および自UE2114が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定(メジャメント)を行う。そして、UE2114は、測定結果を報告するメジャメント報告を行う。ハンドオーバのためのメジャメントとしては、セルからの受信電力の測定、具体的には参照信号(リファレンスシグナル:RS)の受信電力(RSRP)の測定がある。
セルのグループ化の具体例としては、所定の特徴に基づいて、セルをグループ化する。所定の特徴の具体例として、以下の(1)〜(12)の12個を開示する。
(1)セルサイズによってグループ化する。セルサイズの判断基準の具体例として、以下の(1−1)〜(1−5)の5つを開示する。
(1−1)セルの送信電力に応じて、セルサイズを判断する。送信電力が大きい程、該セルからの下り信号が到達する範囲が広くなる。したがって、送信電力が大きい程、セルサイズが大きくなる。
(1−2)セルのセル範囲に応じて、セルサイズを判断する。
(1−3)セルのカバレッジ半径に応じて、セルサイズを判断する。
(1−4)セルの種別に応じて、セルサイズを判断する。複数の種別を1つのグループとしてもよい。例えば、スモールセル、ピコセル、フェムトセル、ホットスポットは、セルサイズが小さいグループとし、マクロセルは、セルサイズが大きいグループとする。
(1−5)前記(1−1)〜(1−4)の組合せ。
(2)周波数レイヤによってグループ化する。例えば、セルが用いるキャリア周波数の属する周波数レイヤによってグループ化する。または、例えば、セルが用いるキャリア周波数の属する周波数バンドによってグループ化する。
(3)セルのサポートする無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)によってグループ化する。無線アクセス技術の具体例として、以下の(3−1)〜(3−4)の4つを開示する。
(3−1)UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)。
(3−2)GERAN(GSM(登録商標)/EDGE Radio Access Network)。
(3−3)CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)。
(3−4)E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)。
(4)セルのロケーションによってグループ化する。ロケーションによってグループ化する具体例として、以下の(4−1),(4−2)の2つを開示する。
(4−1)サービングセルとは無関係にセルの設置ロケーションによってグループ化する。例えば、1丁目に設置されるセルをグループAとし、2丁目に設置されるセルをグループBとする。
(4−2)サービングセルを基準としたセルの設置ロケーションによってグループ化する。例えば、サービングセルから該セルまでの距離によってグループ化する。または、例えば、サービングセルから見た、該セルの設置方位によってグループ化する。具体的には、「West area cell group」、「East area cell group」などのようにグループ化する。
(5)セルの負荷によってグループ化する。例えば、セル内のスケジューラの処理負荷によってグループ化する。例えば、セルが有する無線リソースの使用量、あるいは空量によってグループ化する。
(6)セルの無線リソース量によってグループ化する。例えば、セルの帯域幅によってグループ化する。
(7)セルの対応サービスの種別によってグループ化する。対応サービスの具体例として、以下の(7−1)〜(7−3)の3つを開示する。
(7−1)音声対応、非対応。
(7−2)データ通信対応、非対応。
(7−3)MBMSサービス対応、非対応。
(8)セルの遅延レベルによってグループ化する。例えば、セルのバックホールリンクが遅延多(non-ideal)、あるいは遅延少(Ideal)である。バックホールの種別によってグループ化してもよい。
(9)セルの対応サービス品質(Quality of Service(QoS))によってグループ化する。
(10)セルが接続されるGWによってグループ化する。同じGWに接続されるセルを同じグループに属するセルとする。
(11)セルが接続されるコンセントレータによってグループ化する。同じコンセントレータに接続されるセルを同じグループに属するセルとする。
(12)前記(1)〜(11)の組合せ。
セルのグループ化の決定方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)システムとして固定して決定する。または静的に決定する。図9は、システムとして固定してセルのグループ化を行う場合の概念を示す図である。セル2201〜セル2215が存在したとする。例えば、セルグループA(2218)に属するセルとしては、セル2201、セル2202、セル2203、セル2204、セル2205、セル2206、セル2207がある。セルグループB(2219)に属するセルとしては、セル2209、セル2210、セル2211、セル2212、セル2213、セル2214、セル2215がある。本具体例(1)は、システムとして固定的にグループに属するセルを決定可能な、前述のグループ化の所定の特徴の具体例(1),(2),(3),(4−1),(6),(7),(8)と親和性が高い。
(2)準静的に決定する。サービングセル毎にグループ化し、サービングセル毎に、該グループに属するセルを異ならせる。図10は、システムとして準静的に決定してセルのグループ化を行う場合の概念を示す図である。セル2201〜セル2215が存在したとする。サービングセルがセル2204である場合のセルグループA(2216)に属するセルとしては、セル2201、セル2202、セル2203、セル2204、セル2205、セル2206、セル2207がある。サービングセルがセル2207である場合のセルグループA(2217)に属するセルとしては、セル2204、セル2205、セル2206、セル2207、セル2208、セル2209、セル2210がある。本具体例(2)は、システムとしてサービングセル毎のグループ化に適する、前述のグループ化の所定の特徴の具体例(4−2)と親和性が高い。
(3)動的に決定する。時間経過毎にグループ化し、時間毎に、該グループに属するセルを異ならせる。本具体例(3)は、時間経過毎に変化する特徴である、前述のグループ化の所定の特徴の具体例(5)と親和性が高い。
セルのグループを決定する主体の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)O&M(Operation and Maintenance)が決定する。O&Mは、該セルに、決定したグループを通知する。
(2)セルが決定する。セルがスモールセルなどである場合、カバレッジマクロセルが決定してもよい。スモールセルが他のセルのカバレッジ内に設置された場合、該他のセルを「カバレッジマクロセル」という。決定する主体のセルと、該セルとが異なる場合は、決定する主体のセルは、該セルに、決定したグループを通知する。このとき、X2インタフェース、またはS1インタフェースを用いて通知すればよい。
UEへのセルグループの通知方法としては、以下の方法がある。サービングセルは、傘下のUEに対して、複数のセルグループを通知する。また、サービングセルは、グループの識別情報を通知する。サービングセルは、グループの識別情報とともに、グループを構成するセルのリスト、あるいはセルの識別情報を通知してもよい。UEへのセルグループの通知方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)報知情報を用いてセルグループを通知する。SIBを用いてセルグループを通知するようにしてもよい。
(2)個別信号を用いてセルグループを通知する。個別信号の具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)RRCシグナリングで通知する。例えば、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を用いて通知する。
(2−2)メジャメント設定(measurement configuration)を用いて通知する。
(3)セルグループ、およびグループ化の際の所定の特徴が予め決められており、各セルから自セルの所定の特徴を別の方法で通知していれば、特別にセルグループの通知を不要とすることができる。例えば、グループ化の所定の特徴が前述の具体例(1)のセルサイズとした場合に、別の方法でUEが該セルのセルサイズを認識することが可能であれば、セルグループおよびグループを構成するセルの通知を不要とすることが可能である。別の方法の具体例として、以下の(3−1),(3−2)の2つを開示する。
(3−1)下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)を用いる。第一同期信号と第二同期信号との両方を用いてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。自セルが例えば、スモールセルであるか否かのインジケータ、あるいは自セルが属する集合を示すインジケータをマッピングしてもよい。下り同期信号が持つシーケンスを用いて、例えば、自セルがスモールセルであるか否か、あるいは自セルが属する集合を示すインジケータを示してもよい。
(3−2)ディスカバリーシグナル(discovery reference signal)。ディスカバリーシグナルは、非特許文献9に開示されている。ディスカバリーシグナルは、インフラ(infrastructure)の消費電力低減(Energy Saving)のためにスイッチオフされたスモールセル、および通常動作(スイッチオン)されたスモールセルの発見(discovery)に用いることが開示されている。また、非特許文献9には、他セルへの干渉低減と、スモールセルの送信電力削減のために、ディスカバリーシグナルの送信周期を長くすることが開示されている。自セルが例えば、スモールセルであるか否かのインジケータ、あるいは自セルが属する集合を示すインジケータをマッピングしてもよい。ディスカバリーシグナルが持つシーケンスを用いて、例えば、自セルがスモールセルであるか否か、あるいは自セルが属する集合を示すインジケータを示してもよい。
UEのセルグループへの移行判定の具体例について、以下に説明する。UEは、サービングセルから通知された複数のセルグループから、在圏すべきセルグループを選択する。以下の説明では、サービングセルから通知された複数のセルグループから、在圏すべきセルグループを選択することを、「セルグループへの移行判定」という場合がある。
また、メジャメントするか否かの判定を行ってもよい。測定の実行の有無判定を設けてもよい。測定実行条件を満足するか否かを判断してもよい。これらを、以下の説明では、「メジャメント判定」という場合がある。セルグループへの移行判定の前に、「メジャメント判定」を行ってもよい。これによって、移行することを決定した後に、改めてメジャメントを開始する必要がないので、制御遅延を防止することができる。
例えば、IdleモードのUEは、セル再選択のためのメジャメント判定を行う。メジャメントすると判定された場合、セル再選択のためのメジャメントを実行する。UEは、セル再選択するセルグループを選択する。すなわち、セルグループへの移行判定を行う。
また、ConnectedモードのUEは、ハンドオーバのためのメジャメント判定を行う。メジャメントすると判定された場合、ハンドオーバのためのメジャメントを実行する。UEは、ハンドオーバするセルグループを選択する。すなわち、セルグループへの移行判定を行う。
セルグループへの移行判定の後に、IdleモードのUEは、在圏すべきセルグループに属するセルから、在圏すべきセルを選択する。ConnectedモードのUEは、在圏すべきセルグループに属するセルにおいて、メジャメントイベントが発生した場合に、メジャメント報告を行う(ハンドオーバ先セル候補を選択し、メジャメント報告を行う)。以下の説明では、在圏すべきセルグループに属するセルから、在圏すべきセルを選択すること、およびメジャメントイベントが発生した場合にメジャメント報告を行うことを、「セルへの移行判定」という場合がある。
例えば、IdleモードのUEは、在圏すべきセルグループに属するセルをメジャメントする。例えば、在圏すべきセルグループに属するセルのうち、最も受信電力の高いセル、あるいは最も受信品質のよいセル、あるいはベストセル、あるいは通常のセルセレクションのクライテリアに従って、セル再選択先のセルを選択する。
また、ConnectedモードのUEは、在圏すべきセルグループに属するセルをメジャメントする。例えば、在圏すべきセルグループに属するセルにおいて、メジャメントイベントが発生する場合に、該セルのメジャメント報告をサービングセルに通知する。メジャメントイベントが発生する場合とは、UEにおけるメジャメント結果が、メジャメント報告の条件を満たした場合である。サービングセルは、UEから通知されたメジャメント報告を用いて、該UEを在圏させるセルを選択し、UEに通知する。ハンドオーバ先(ターゲットセル)を選択し、UEに通知する。その後、UE、サービングセル、ターゲットセルなどの間で、ハンドオーバ処理が行われる。
UEが行う、セルグループへの移行判定の閾値(指標)の具体例として、以下の(1)〜(8)の8つを開示する。移行判定の閾値は、IdleモードのUE用と、ConnectedモードのUE用とに別個に設けてもよい。
(1)UEの移動速度。UEは、自UEの移動速度を用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行い、在圏すべきセルグループを選択する。移動速度は、測定対象セルの半径に依存して異ならせてもよい。例えば、移動速度は、測定対象セルの半径の関数としてもよい。
(2)UEの位置、UEの移動方向。UEは、自UEの位置および自UEの移動方向の少なくとも一方を用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行い、在圏すべきセルグループを選択する。
(3)UEのアクセスクラス。アクセスクラスの具体例としては、非特許文献10に記載のAC(Access Class)、EAC(Extended Access Class)がある。UEは、ACにおける自UEのカテゴリを用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行い、在圏すべきセルグループを選択する。また、UEは、EACにおける自UEのカテゴリを用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行い、在圏すべきセルグループを選択する。
(4)UEの能力(capability)。UEは、UEの能力を用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行い、在圏すべきセルグループを選択する。UEの能力の具体例として、以下の(4−1)〜(4−3)の3つを開示する。
(4−1)高速、大容量通信端末であるか、低速、小容量通信端末であるか。
(4−2)遅延許容端末であるか、遅延許容端末でないか。遅延にレベルがあってもよい。
(4−3)ノーマルUEであるか、MTC(Machine Type Communication)であるか。
(5)サービスの種別。ConnectedモードのUEであれば、現在接続中のサービスの種別を用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行う。すなわち、在圏すべきセルグループを選択する。サービスの種別の具体例として、以下の(5−1),(5−2)の2つを開示する。
(5−1)リアルタイム性の要求度。
(5−2)音声サービスであるか、音声サービス以外であるか。
(6)サービス品質(Quality of Service(QoS))。ConnectedモードのUEであれば、現在接続中のサービスの品質を用いて、在圏すべきセルグループへの移行判定を行う。すなわち、在圏すべきセルグループを選択する。
(7)UEでメジャメントした各セルの受信品質。サービングセルの受信品質。周辺セルの受信品質。
(8)前記(1)〜(7)の組合せ。
セルグループへの移行判定の閾値(以下「移行判定閾値」という場合がある)のUEへの通知方法としては、以下の方法がある。サービングセルは、傘下のUEに対して、セルグループへの移行判定の閾値を通知する。サービングセルは、セルグループへの移行判定の閾値を、セルグループとともに通知してもよい。サービングセルは、セルグループへの移行判定の閾値とセルグループとを対応付けて通知してもよい。セルグループへの移行判定の閾値のUEへの通知方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)報知情報を用いて移行判定閾値を通知する。SIBを用いて移行判定閾値を通知するようにしてもよい。
(2)個別信号を用いて移行判定閾値を通知する。個別信号の具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)RRCシグナリングで通知する。例えば、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を用いて通知する。
(2−2)メジャメント設定(measurement configuration)を用いて通知する。
(3)予め静的に決定する。
次に、図11を用いて、実施の形態1の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの具体例を説明する。図11は、実施の形態1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。
ステップST2301において、O&Mは、セルグループを決定する。
ステップST2302において、O&Mは、サービングセルに、セルグループを通知する。O&Mは、サービングセルに、グループを構成するセルのリストを併せて通知してもよい。
ステップST2303において、サービングセルは、傘下のUEに、セルグループを通知する。サービングセルは、傘下のUEに、グループを構成するセルのリストを併せて通知してもよい。
ステップST2304において、サービングセルは、傘下のUEに、移行判定閾値を通知する。移行判定閾値の通知は、ステップST2303におけるセルグループの通知と併せて行ってもよい。
ステップST2305において、UEは、ステップST2303で受信したセルグループ、グループを構成するセルのリスト、およびステップST2304で受信した移行判定閾値に基づいて、在圏すべきセルグループを選択する。
ステップST2306において、UEは、ステップST2305で選択したセルグループに移行することを決定する(以下、単に「移行する」という場合がある)。
実施の形態1によって、以下の効果を得ることができる。セル再選択先のセルを選択するためのメジャメント、あるいはハンドオーバ先を選択するためのメジャメントを、UEが選択したセルグループ内のセルに限定することができる。したがって、多数のスモールセルを設置した場合でも、対象のセルを、UEのセルグループへの移行判定に沿ったセルグループに属するセルに限定することが可能となる。これによって、最適なセルを検出し易くなり、UEのメジャメント性能を向上することができる。
実施の形態1 変形例1.
実施の形態1の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。多数のスモールセルを設置した場合、セルサイズが異なるセルが重なる場合がある。UEが移動する場合、移動速度に応じて、またセルサイズに応じて、該UEがセルに滞留する時間が異なる。滞留時間の短いセルへのセル再選択およびハンドオーバは、再度のセル再選択およびハンドオーバを引き起こし、通信システムの処理負荷が高くなるという課題が発生する。
また、例えば、高速移動するUEが測定によって、ハンドオーバ先としてのスモールセル(以下「ハンドオーバ先スモールセル」という場合がある)を検出したとしても、ハンドオーバ関連処理を行っている間に、ハンドオーバ先スモールセルを通過してしまうことがある。このとき、ハンドオーバ先スモールセルとの通信品質が劣化するので、ハンドオーバが正常に行われずに失敗する場合が生じる。したがって、多数のスモールセルを設置した場合、モビリティ性能の向上が課題となる。
実施の形態1の変形例1における解決策を以下に示す。本変形例では、実施の形態1の解決策を用いる。具体的には、セルを、セルサイズに基づいてグループ化し、UEが在圏すべきセルグループへの移行判定を自UEの移動速度を用いて行う。
本変形例では、前述の実施の形態1の解決策のうち、本変形例の特徴部分のみを説明する。
セルグループの具体例について、以下に開示する。例えば、セルサイズに応じたグループとして、セルサイズグループ1(CellSizeGroup1)およびセルサイズグループ2(CellSizeGroup2)を設ける。
セルサイズグループ1には、大きいセルサイズのセル、例えばマクロセルなどが属するとする。セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)としてもよい。
セルサイズグループ2には、小さいセルサイズのセル、例えばスモールセルなどが属するとする。セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)としてもよい。
セルサイズの判断基準の具体例は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。UEへのセルグループの通知方法の具体例は、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
UEへのセルグループの通知内容の具体例について、以下に開示する。グループの識別情報、およびグループを構成するセルのリストをともに通知する場合について開示する。
グループの識別情報は、セルサイズグループ1とし、セルサイズグループを構成するセルとしては、PCI#1、PCI#2、PCI#3、PCI#4がある場合、「CellSizeGroup1(PCI#1,PCI#2,PCI#3,PCI#4)」として通知する。
グループの識別情報は、セルサイズグループ2とし、セルサイズグループを構成するセルとしては、PCI#21、PCI#22、PCI#23、PCI#24、PCI#25、PCI#26、PCI#27、PCI#28がある場合、「CellSizeGroup2(PCI#21,PCI#22,PCI#23,PCI#24,PCI#25,PCI#26,PCI#27,PCI#28)」として通知する。
グループを構成するセルのリストは、自セルを含んでもよく、例えば自セルの識別情報を含んでもよい。これによって、UEが、サービングセルの属するセルグループを認識することができる。
サービングセルの属するセルグループを、別途、傘下のUEに通知してもよい。通知方法の具体例としては、セルが、自セルの属するセルグループを示す情報を、RRCシグナリングあるいは報知情報によって、傘下のUEに通知する方法がある。これによって、グループを構成するセルのリストがサービングセルを含まない場合に、別途通知されたサービングセルの属するセルグループを用いることができる。
UEのセルグループへの移行判定の具体例について、以下に開示する。UEは、自UEの移動速度を用いて、現在在圏するセルのセルサイズグループと異なるセルサイズ(inter-size)グループに在圏を移行すべきか、または同じセルサイズ(intra-size)グループの在圏を維持すべきかの移行判定を行う。このような移行判定は、現在在圏するセルのセルサイズグループ(セルサイズ)を認識することから、「相対的移行判定」という場合がある。
UEが行う、セルグループへの移行判定の閾値(指標)の設け方の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)同セルグループ(intra cell group)への移行判定の閾値と、異セルグループ(inter cell group)への移行判定の閾値とを別個に設ける。移行判定の閾値に代えて、判定条件であってもよい。また、測定の実行の有無判定を別途設けてもよい。移行判定の閾値、測定の実行の有無判定は、セル再選択用と、ハンドオーバ用とに別個設けてもよい。
(2)同セルグループ(intra cell group)への移行判定の閾値を設けず、異セルグループ(inter cell group)への移行判定の閾値を設ける。移行判定の閾値に代えて、判定条件であってもよい。また、測定の実行の有無判定を別途設けてもよい。移行判定の閾値、測定の実行の有無判定は、セル再選択用と、ハンドオーバ用とに別個設けてもよい。
同セルグループ(intra cell group)への移行判定の閾値を設けない代わりに、以下のようにしてもよい。異セルグループ(inter cell group)への移行判定を満足しない場合は、セルグループ間の移行を行わない。つまり、同セルグループに属するセルへの在圏を維持し、同セルグループに属するセルの測定、セル選択、メジャメントイベントが発生した場合にメジャメント報告を行う(ハンドオーバ先セル候補を選択し、メジャメント報告を行う)。
異セルグループ(inter cell group)への移行判定のための測定の実行の有無判定のみ満足している場合は、セルグループ間の移行を行わない。異セルグループに移行しないことを決定する。つまり、同セルグループに属するセルへの在圏を維持し、同セルグループに属するセルの測定、セル選択、メジャメントイベントが発生した場合にメジャメント報告を行う。
異セルグループ(inter cell group)への移行判定のための測定の実行の有無判定を満足していない場合は、セルグループ間の移行を行わない。異セルグループに移行しないことを決定する。つまり、同セルグループに属するセルへの在圏を維持し、同セルグループに属するセルの測定、セル選択、メジャメントイベントが発生した場合にメジャメント報告を行う。
異セルグループ(inter cell group)への移行判定を満足、あるいは異セルグループ(inter cell group)への移行判定のための測定の実行の有無判定を満足している場合は、同セルグループに属するセルの測定、セル選択、メジャメントイベントが発生した場合のメジャメント報告を行ってもよいし、行わなくてもよい。
UEが行う、セルグループへの移行判定の閾値(指標)の設け方の具体例(2)の場合であって、移行判定のための測定の実行の有無判定を別途設け、セル選択用とハンドオーバ用とを別個に設ける場合における移行判定閾値の具体例について、以下に開示する。セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループとし、セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループとする。
セル再選択用(IdleモードのUE用)として、以下の(1)〜(4)の4つの閾値を設ける。
(1)セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2)の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速30km以下とする。「S1_inter_cell_size_group1:移動速度≦30km/h」。
(2)セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2)への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速20km未満とする。「S2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」。
(3)セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1)の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速30kmよりも高いとする。「S1_inter_cell_size_group2:移動速度>30km/h」。
(4)セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1)への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速50kmよりも高いとする。「S2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」。
ハンドオーバ用(ConnectedモードのUE用)として、以下の(1)〜(4)の4つの閾値を設ける。
(1)セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ2)の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速30km以下とする。「T1_inter_cell_size_group1:移動速度≦30km/h」。
(2)セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ2)への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速20km未満とする。「T2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」。
(3)セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ1)の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速30kmよりも高いとする。「T1_inter_cell_size_group2:移動速度>30km/h」。
(4)セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ1)への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速50kmよりも高いとする。「T2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」。
図12は、移行判定閾値の具体例の概念を示すグラフである。図12の縦軸は移動速度v(km/h)を表し、横軸は時間tを表す。セルサイズグループ1(CG1)は、大きいサイズのセルグループであり、セルサイズグループ2(CG2)は、小さいサイズのセルグループである。
セルサイズグループ1に在圏しているUEについて、参照符号「50」で示されるように、移動速度vを範囲R1、範囲R2および範囲R3に分類して説明する。
範囲R1は、移動速度vが時速30km以下とする。範囲R1では、「S1_inter_cell_size_group1:移動速度≦30km/h」、「T1_inter_cell_size_group1:移動速度≦30km/h」を満たす。
したがって、範囲R1において、UEは、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。また、範囲R1において、UEは、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。
つまり、範囲R1において、UEは、異セルサイズグループ(Inter cell size group(Small size cell group))の測定を実行する。
範囲R2は、移動速度vが時速20km未満とする。範囲R2では、「S2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」、「T2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」を満たす。
したがって、範囲R2において、UEは、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を行う。別途セルサイズグループ2に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R2において、UEは、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を行う。別途セルサイズグループ2に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R2において、UEは、異セルサイズグループ(Inter cell size group(Small size cell group))の移行を実行する。
範囲R3は、移動速度vが時速20km以上とする。範囲R3では、「S2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」、「T2_inter_cell_size_group1:移動速度<20km/h」を満たさない。
異セルグループ(inter cell group)への移行判定を満足しないので、セルグループ間の移行は行わない。つまり、リセレクション用同セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。別途セルサイズグループ1に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R3において、UEは、ハンドオーバ用同セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。別途セルサイズグループ1に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R3において、UEは、同セルサイズグループ(Intra cell size group(Big size cell group))の測定、移行を実行する。
セルサイズグループ2に在圏しているUEについて、参照符号「51」で示されるように、移動速度vを範囲R4、範囲R5、範囲R6に分類して説明する。
範囲R4は、移動速度vが時速30kmよりも高いとする。範囲R4では、「S1_inter_cell_size_group2:移動速度>30km/h」、「T1_inter_cell_size_group2:移動速度>30km/h」を満たす。
したがって、範囲R4において、UEは、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。また、範囲R4において、UEは、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。
つまり、範囲R4において、UEは、異セルサイズグループ(Inter cell size group(Big size cell group))の測定を実行する。
範囲R5は、移動速度vが時速50kmよりも高いとする。範囲R5では、「S2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」、「T2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」を満たす。
したがって、範囲R5において、UEは、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を行う。別途セルサイズグループ1に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R5において、UEは、ハンドオーバ用異セルグループ(セルサイズグループ1:大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を行う。別途セルサイズグループ1に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R5において、UEは、異セルサイズグループ(Inter cell size group(Big size cell group))の移行を実行する。
範囲R6は、移動速度vが時速50km以下とする。範囲R6では、「S2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」、「T2_inter_cell_size_group2:移動速度>50km/h」を満たさない。
異セルグループ(inter cell group)への移行判定を満足しないので、セルグループ間の移行は行わない。つまり、リセレクション用同セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。別途セルサイズグループ2に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R6において、UEは、ハンドオーバ用同セルグループ(セルサイズグループ2:小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。別途セルサイズグループ2に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R6において、UEは、同セルサイズグループ(Intra cell size group(Small size cell group))の測定、移行を実行する。
UEによる、自UEの移動速度の測定(推定)は、セルとの通信状態によらず、実行する。具体例としては、RRC_Idle状態か、RRC_Connected状態かにかかわらず、移動速度を測定する。また、ECM_Idle状態か、ECM_Connected状態かにかかわらず、移動速度を測定する。
UEによる、自UEの移動速度の測定タイミングの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)UEは定期的に移動速度を測定する。サービングセルからUEに、移動速度の測定時間を通知する。
(2)UEは周期的に移動速度を測定する。周期は、直近の移動速度の測定結果に依存して異ならせてもよい。直近の移動速度の関数としてもよい。サービングセルからUEに、移動速度の測定周期を通知する。
UEによる、自UEの移動速度の測定タイミングは、セルグループの情報とともに通知してもよい。移行判定閾値、移行判定条件とともに通知してもよい。
UEへの移動速度の測定タイミングの通知方法の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)報知情報を用いて測定タイミングを通知する。SIBを用いて通知するようにしてもよい。
(2)個別信号を用いて測定タイミングを通知する。個別信号の具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)RRCシグナリングで通知する。例えば、ハンドオーバコマンド(Handover Command)を用いて通知する。
(2−2)メジャメント設定(measurement configuration)を用いて通知する。
(3)予め決められていてもよい。これによって、サービングセルからの通知が不要となり、通信システムの処理負荷を軽減することができ、無線リソースを有効に活用することができる。
UEの移行判定に用いる移動速度の測定結果の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)UEによる直近の移動速度の測定結果を用いる。
(2)UEによる移動速度の測定値の移動平均を用いる。N(Nは自然数)回の測定値の移動平均とする。測定回数Nは、サービングセルからUEに通知する。測定回数Nの通知方法は、前述のUEへの移動速度の測定タイミングの通知方法の具体例と同様であるので、説明を省略する。
図13〜図15は、実施の形態1の変形例1におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。図13〜図15では、セルグループへの移行判定の閾値の設け方の具体例(2)を用いた場合のUEの処理手順を示している。
ステップST2401において、UEは、在圏セルの属するグループを確認する。ステップST2402において、UEは、自UEの移動速度を測定する。
ステップST2403において、UEは、ステップST2401で確認した在圏セルの属するグループが、セルサイズグループ2(Small size cell group)であるか否かを判断する。ステップST2403において、在圏セルの属するグループが、セルサイズグループ2であると判断された場合は、図14のステップST2404に移行し、在圏セルの属するグループが、セルサイズグループ2でないと判断された場合は、図15のステップST2414に移行する。
図14のステップST2404において、UEは、セルサイズグループ2(Small size cell group)に在圏しているUEのための閾値(以下「第2グループ用閾値」という場合がある)を用いることを決定する。
ステップST2405において、UEは、セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1)の測定の実行の有無判定閾値「S1_inter_cell_size_group2」(第2グループ用のセル選択用の測定実行有無判定閾値)を超えるか否か(異セルグループの測定実行条件を満足するか否か)を判断する。すなわち、第1グループの測定実行条件を満足するか否かを判断する。具体的には、移動速度が時速30kmよりも高いか否かを判断する。
ステップST2405において、第1グループの測定実行条件を満足すると判断された場合、すなわち移動速度が時速30kmよりも高いと判断された場合は、ステップST2410に移行し、第1グループの測定実行条件を満足しないと判断された場合、すなわち移動速度が時速30km以下と判断された場合は、ステップST2406に移行する。
ステップST2406において、UEは、異セルグループ(Inter Cell size group(Big size cell group))、すなわち第1グループに属する周辺セルの測定を実行しないで、ステップST2407に移行する。
ステップST2405において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2407において、UEは、セルグループ間の移行を行わない。つまり、異セルグループ(Inter Cell size group(Big size cell group))に移行せず、同セルグループ(Intra Cell size group(Small size cell group))への在圏を維持する。換言すれば、第1グループに移行せず、第2グループへの在圏を維持する。
ステップST2405において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2408において、UEは、同セルグループに属するセルの測定を実行する。つまり、同セルグループ(Intra Cell size group(Small size cell group))である第2グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2405において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2409において、UEは、ステップST2408における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、同セルグループ(Intra Cell size group(Small size cell group))に属するセルへの再選択処理を実行する。同セルグループ内、すなわち第2グループ内のセルを再選択する。ステップST2409の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
ステップST2410において、UEは、異セルグループ(Inter Cell size group(Big size cell group))である第1グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2411において、UEは、セルサイズグループ2に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ1)への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group2」(異セルグループへの移行条件)を満足するか否かを判断する。すなわち、第1グループへの移行条件を満足するか否かを判断する。具体的には、移動速度が時速50kmよりも高いか否かを判断する。
ステップST2411において、第1グループへの移行条件を満足すると判断された場合、すなわち移動速度が時速50kmよりも高いと判断された場合は、ステップST2412に移行し、第1グループへの移行条件を満足しないと判断された場合、すなわち移動速度が時速50km以下と判断された場合は、ステップST2407に移行する。
ステップST2412において、UEは、セルグループ間の移行を行う。つまり、異セルグループ(Inter Cell size group(Big size cell group))である第1グループに移行する。
ステップST2413において、UEは、ステップST2410における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、異セルグループ(Inter Cell size group(Big size cell group))に属するセルへの再選択処理を実行する。異セルグループ内、すなわち第1グループ内のセルを再選択する。再選択完了の際、自UEの在圏するセルグループを、セルサイズグループ1(Big size cell group)に変更してもよい。ステップST2413の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
図15のステップST2414において、UEは、セルサイズグループ1(Big size cell group)に在圏しているUEのための閾値(以下「第1グループ用閾値」という場合がある)を用いることを決定する。
ステップST2415において、UEは、セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2)の測定の実行の有無判定閾値「S1_inter_cell_size_group1」(第1グループ用のセル選択用の測定実行有無判定閾値)を超えるか否か(異セルグループの測定実行条件を満足するか否か)を判断する。すなわち、第2グループの測定実行条件を満足するか否かを判断する。具体的には、移動速度が時速30km以下か否かを判断する。
ステップST2415において、第2グループの測定実行条件を満足すると判断された場合、すなわち移動速度が30km以下と判断された場合は、ステップST2420に移行し、第2グループの測定実行条件を満足しないと判断された場合、すなわち移動速度が30kmよりも高いと判断された場合は、ステップST2416に移行する。
ステップST2416において、UEは、異セルグループ(Inter Cell size group(Small size cell group))、すなわち第2グループに属する周辺セルの測定を実行しないで、ステップST2417に移行する。
ステップST2415において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2417において、UEは、セルグループ間の移行を行わない。つまり、異セルグループ(Inter Cell size group(Small size cell group))に移行せず、同セルグループ(Intra Cell size group(Big size cell group))への在圏を維持する。換言すれば、第2グループに移行せず、第1グループへの在圏を維持する。
ステップST2415において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2418において、UEは、同セルグループに属するセルの測定を実行する。つまり、同セルグループ(Intra Cell size group(Big size cell group))である第1グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2415において異セルグループ(inter cell group)の測定の実行の有無判定閾値(異セルグループの測定実行条件)を満足していないと判断されているので、ステップST2419において、UEは、ステップST2418における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、同セルグループ(Intra Cell size group(Big size cell group))に属するセルへの再選択処理を実行する。同セルグループ内、すなわち第1グループ内のセルを再選択する。ステップST2419の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
ステップST2420において、UEは、異セルグループ(Inter Cell size group(Small size cell group))である第2グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2421において、UEは、セルサイズグループ1に在圏しているUEのための、リセレクション用異セルグループ(セルサイズグループ2)への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group1」(異セルグループへの移行条件)を漢族するか否かを判断する。すなわち、第2グループへの移行条件を満足するか否かを判断する。具体的には、移動速度が時速20km未満か否かを判断する。
ステップST2421において、第2グループへの移行条件を満足すると判断された場合、すなわち移動速度が時速20km未満と判断された場合は、ステップST2422に移行し、第2グループへの移行条件を満足しないと判断された場合、すなわち移動速度が時速20kmよりも高いと判断された場合は、ステップST2417に移行する。
ステップST2422において、UEは、セルグループ間の移行を行う。つまり、異セルグループ(Inter Cell size group(Small size cell group))である第2グループに移行する。
ステップST2423において、UEは、ステップST2420における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、異セルグループ(Inter Cell size group(Small size cell group))に属するセルへの再選択処理を実行する。異セルグループ内、すなわち第2グループ内のセルを再選択する。再選択完了の際、自UEの在圏するセルグループを、セルサイズグループ2(Small size cell group)に変更してもよい。ステップST2423の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
実施の形態1の変形例1によって、実施の形態1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。セルサイズに基づくセルグループを設けて、UEの移動速度に応じたセルグループへの移行判定を行うことによって、UEの移動速度に適したセルサイズのセルに移行することが可能となる。
これによって、滞留時間の短いセルへのセル再選択およびハンドオーバを抑制し、再度のセル再選択およびハンドオーバを抑制することができるので、通信システムの処理負荷を軽減することができる。またハンドオーバ関連処理を行っている間に、ハンドオーバ先スモールセルを通過して、ハンドオーバ先スモールセルとの通信品質の劣化が生じることを抑制することができるので、ハンドオーバが失敗することを抑制し、モビリティ性能の向上を図ることができる。
実施の形態1 変形例2.
実施の形態1の変形例2では、実施の形態1の変形例1と同様の課題を解決する。実施の形態1の変形例2における解決策を以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態1および実施の形態1の変形例1の解決策のうち、本変形例の特徴部分のみを説明する。
本変形例では、実施の形態1の変形例1と同様に、実施の形態1の解決策を用いる。具体的には、セルを、セルサイズに基づいてグループ化し、UEが在圏すべきセルグループへの移行判定を自UEの移動速度を用いて行う。
セルグループの具体例は、実施の形態1の変形例1と同様である。例えば、セルサイズグループ1には、大きいセルサイズのセル、例えばマクロセルなどが属するとする。セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)としてもよい。セルサイズグループ2には、小さいセルサイズのセル、例えばスモールセルなどが属するとする。セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)としてもよい。
UEへのセルグループの通知内容の具体例は、実施の形態1の変形例1と同様であり、グループの識別情報、およびグループを構成するセルのリストをともに通知する場合について開示する。
グループの識別情報は、セルサイズグループ1とし、セルサイズグループを構成するセルとしては、PCI#1、PCI#2、PCI#3、PCI#4がある場合、「CellSizeGroup1(PCI#1,PCI#2,PCI#3,PCI#4)」として通知する。
グループの識別情報は、セルサイズグループ2とし、セルサイズグループを構成するセルとしては、PCI#21、PCI#22、PCI#23、PCI#24、PCI#25、PCI#26、PCI#27、PCI#28がある場合、「CellSizeGroup2(PCI#21,PCI#22,PCI#23,PCI#24,PCI#25,PCI#26,PCI#27,PCI#28)」として通知する。
グループを構成するセルのリストには、自セルを含んでもよいし、自セルの識別情報を含んでもよい。グループを構成するセルのリストにサービングセルを含まない場合は、サービングセルが属するセルグループを、別途、傘下のUEに通知すればよい。
UEのセルグループへの移行判定の具体例について、以下に開示する。UEは、自UEの移動速度を用いて、いずれのセルサイズグループに在圏すべきかの移行判定を行う。このような移行判定は、現在在圏するセルのセルサイズグループ(セルサイズ)によらず、対象セルの属するグループのみで判定することから、「絶対的移行判定」という場合がある。
UEが行う、セルグループへの移行判定の閾値(指標)の設け方の具体例を以下に開示する。移行判定の閾値に代えて、判定条件であってもよい。また、移行判定のための測定の実行の有無判定を別途設けてもよい。移行判定のための測定の実行の有無判定は、セル再選択用と、ハンドオーバ用とに別個設けてもよい。この場合、セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループとし、セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループとする。
セル選択用(IdleモードのUE用)として、以下の(1)〜(4)の4つの閾値を設ける。
(1)リセレクション用セルサイズグループ1の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度に無関係とする。「S1_inter_cell_size_group1:移動速度<∞」。
(2)リセレクション用セルサイズグループ1への移行判定閾値。例えば、移動速度に無関係とする。「S2_inter_cell_size_group1:移動速度<∞」。
(3)リセレクション用セルサイズグループ2の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速50km未満とする。「S1_inter_cell_size_group2:移動速度<50km/h」。
(4)リセレクション用セルサイズグループ2への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速50km未満とする。「S2_inter_cell_size_group2:移動速度<50km/h」。
ハンドオーバ用(ConnectedモードのUE用)として、以下の(1)〜(4)の4つの閾値を設ける。
(1)ハンドオーバ用セルサイズグループ1の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度に無関係とする。「T1_inter_cell_size_group1:移動速度<∞」。
(2)ハンドオーバ用セルサイズグループ1への移行判定閾値。例えば、移動速度に無関係とする。「T2_inter_cell_size_group1:移動速度<∞」。
(3)ハンドオーバ用セルサイズグループ2の測定の実行の有無判定閾値。例えば、移動速度が時速50km未満とする。「T1_inter_cell_size_group2:移動速度<50km/h」。
(4)ハンドオーバ用セルサイズグループ2への移行判定閾値。例えば、移動速度が時速50km未満とする。「T2_inter_cell_size_group2:移動速度<50km/h」。
図16は、移行判定閾値の具体例の概念を示すグラフである。図16の縦軸は移動速度vを表し、横軸は時間tを表す。セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループであり、セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループである。図16に示す周期Pは、例えばUEが移動速度vを測定(推定)する周期とする。周期の設定がなくてもよい。移動速度vを範囲R11および範囲R12に分類して説明する。
範囲R11は、移動速度vが時速50km未満とする。範囲R11では、「S1_cell_size_group2:移動速度<50km/h」、「S2_cell_size_group2:移動速度<50km/h」、「T1_cell_size_group2:移動速度<50km/h」、「T2_cell_size_group2:移動速度<50km/h」を満たす。
したがって、範囲R11において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。UEは、リセレクション用セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を可能とする。別途セルサイズグループ2に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R11において、UEは、ハンドオーバ用セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。UEは、ハンドオーバ用セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を可能とする。別途セルサイズグループ2に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R11において、UEは、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を可能とする。
範囲R12は、移動速度vによらない範囲とする。すなわち、移動速度vが∞未満とする。範囲R12では、「S1_cell_size_group1:移動速度<∞」、「S2_cell_size_group1:移動速度<∞」、「T1_cell_size_group1:移動速度<∞」、「T2_cell_size_group1:移動速度<∞」を満たす。
したがって、範囲R12において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。UEは、リセレクション用セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能とする。別途セルサイズグループ1に属するセルが、再選択基準を満たしている場合は、再選択処理を実行する。
また、範囲R12において、UEは、ハンドオーバ用セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。UEは、ハンドオーバ用セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能とする。別途セルサイズグループ1に属するセルが、メジャメント報告の条件を満たしている場合は、測定報告を行う。
つまり、範囲R12において、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能とする。
図16において、白丸「○」で示されるポイント2501、ポイント2502、ポイント2504、ポイント2505およびポイント2506は、範囲R11および範囲R12の両方に含まれる。
したがって、UEは、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))とセルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))との測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))およびセルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能とする。
図16において、黒丸「●」で示されるポイント2503、ポイント2507、ポイント2508、ポイント2509およびポイント2510は、範囲R12に含まれる。したがって、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ1グループ(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能する。
図17および図18は、実施の形態1の変形例2におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。また、図16を用いて概念を説明した閾値では、測定の実行の有無判定閾値と移行判定閾値とは、同じ値である。したがって、図17および図18では、測定の実行の有無判定閾値を用いた判断を省略して説明する。
ステップST2601において、UEは、自UEの移動速度を測定する。ステップST2602において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ1への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group1」を満たすか否か(第1グループへの移行条件を満足するか否か)を判断する。具体的には、移動速度が、無限大(∞)未満か否かを判断する。
ステップST2602において、第1グループへの移行条件を満足すると判断された場合は、ステップST2603に移行し、第1グループへの移行条件を満足しないと判断された場合は、図18のステップST2608に移行する。本フローチャートにおいて、移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group1」は、「移動速度<∞」であるので、この条件を満たさないと判断されることはないが、満たさないと判断された場合、ステップST2608へ移行する。
ステップST2603において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ2への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group2」を満たすか否か(第2グループへの移行条件を満足するか否か)を判断する。具体的には、移動速度が、時速50km/h未満か否かを判断する。ステップST2603において、第2グループへの移行条件を満足しないと判断された場合は、ステップST2604に移行し、第2グループへの移行条件を満足すると判断された場合は、ステップST2606に移行する。
ステップST2604において、UEは、セルサイズグループ1に属するセルの測定を行う。つまり、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)に属する周辺セルの測定を実行する。換言すれば、第1グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2605において、UEは、ステップST2604における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)に属するセルへの再選択処理を実行する。すなわち、第1グループ内のセルを再選択する。ステップST2605の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
ステップST2606において、UEは、セルサイズグループ1に属するセル、およびセルサイズグループ2に属するセルの測定を行う。つまり、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)に属する周辺セル、および小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属する周辺セルの測定を実行する。換言すれば、第1グループに属する周辺セル、および第2グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2607において、UEは、ステップST2606における測定の結果が再選択基準を満たしている場合は、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)に属するセル、あるいは小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属するセルへの再選択処理を実行する。換言すれば、第1グループ内のセル、または第2グループ内のセルを再選択する。セルサイズグループ1に属するセル、およびセルサイズグループ2に属するセルの測定におけるベストセルを選択し、再選択処理を実行してもよい。ステップST2607の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
図18に示すステップST2608において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ2への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group2」を満たすか否か(第2グループへの移行条件を満足するか否か)を判断する。具体的には、移動速度が、時速50km/h未満か否かを判断する。
ステップST2608において、第2グループへの移行条件を満足しないと判断された場合は、他の処理に移行するが、本発明の特徴的な部分ではないので、説明を省略する。ステップST2608において、第2グループへの移行条件を満足すると判断された場合は、ステップST2609に移行する。
ステップST2609において、UEは、セルサイズグループ2に属するセルの測定を行う。つまり、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属する周辺セルの測定を実行する。換言すれば、第2グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2610において、UEは、ステップST2609における測定の結果が再選択条件を満足している場合は、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属するセルへの再選択処理を実行する。すなわち、第2グループ内のセルを再選択する。ステップST2610の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
実施の形態1の変形例2によって、実施の形態1および実施の形態1の変形例1の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
実施の形態1の変形例1は、UEの移行判定が、相対的移行判定である。したがって、UEが現在在圏するセルのセルサイズグループ(セルサイズ)を認識する必要がある。
これに対し、実施の形態1の変形例2は、UEの移行判定が、絶対的移行判定である。したがって、UEが現在在圏するセルのセルサイズグループ(セルサイズ)を認識する必要がないので、セルは、自セルが属するセルサイズグループを傘下のUEに通知する必要がなくなる。これによって、無線リソースを有効に活用することができる。また、UEは、サービングセルが属するセルグループを認識する必要がないので、UEの処理負荷を軽減することができる。
実施の形態1 変形例3.
実施の形態1の変形例2の解決策では、複数のセルグループの測定の実行の有無判定閾値を満足する場合、UEは、閾値を満足したセルグループに属する周辺セルの測定を実行する。したがって、測定の実行の有無判定閾値によっては、UEは多くのセルを測定しなければならないので、メジャメントのために多大な時間を要するという課題が再度発生する。
実施の形態1の変形例3では、実施の形態1の変形例2と同様の課題を解決する。実施の形態1の変形例3における解決策を以下に示す。本変形例では、前述の実施の形態1、実施の形態1の変形例1および実施の形態1の変形例2の解決策のうち、本変形例の特徴部分のみ説明する。
本変形例では、実施の形態1の変形例1および実施の形態1の変形例2と同様に、実施の形態1の解決策を用いる。具体的には、セルを、セルサイズに基づいてグループ化し、UEが在圏すべきセルグループへの移行判定を自UEの移動速度を用いて行う。セルグループへの移行判定において、セルグループの優先順位を考慮する。
複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たす場合、優先順位の高いセルグループに属するセルの測定を実行する。優先順位の低いセルグループに属するセルの測定は実行しない、あるいは優先順位を落として実行する。
複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たす場合、優先順位の高いセルグループに属するセルへの移行を実行する。優先順位の低いセルグループに属するセルへの移行は実行しない、あるいは優先順位を落として実行する。
優先順位を決定する主体の具体例として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)O&M(Operation and Maintenance)が決定する。O&Mは、各セルグループに属するセルに、決定した優先順位を通知する。
(2)セルが決定する。セルがスモールセルなどである場合、カバレッジマクロセルが決定してもよい。スモールセルが他のセルのカバレッジ内に設置された場合、該他のセルを「カバレッジマクロセル」という。決定する主体のセルと、該セルとが異なる場合は、決定する主体のセルは、該セルに、決定した優先順位を通知する。このとき、X2インタフェース、またはS1インタフェースを用いて通知すればよい。
(3)UEが決定する。具体的には、UEが、優先順位を決定する所定の閾値に基づいて、優先順位を決定する。所定の閾値は、ネットワーク側からUEに通知する。
UEへの優先順位の通知方法としては、サービングセルは、傘下のUEに対して、優先順位を通知する。サービングセルは、優先順位を、セルグループとともに通知する。セルサイズに応じたグループを設け、優先順位を付加する。優先順位の通知方法の具体例は、実施の形態1のセルグループの通知方法の具体例と同様であるので、説明を省略する。
優先順位について、実施の形態1の変形例2で開示したセルグループへの移行判定の閾値(指標)の設け方の具体例を用いて説明する。セルサイズグループ1は、大きいサイズのセルグループとし、セルサイズグループ2は、小さいサイズのセルグループとする。セルサイズグループ1の優先順位を「2」、セルサイズグループ2の優先順位を「1」とする。優先順位の番号が小さいほど、優先順位が高いとする。
前述の図16を用いて、移行判定閾値の具体例の概念を説明する。範囲R11および範囲R12の説明は、実施の形態1の変形例2と同様であるので、説明を省略する。
図16において、白丸「○」で示されるポイント2501、ポイント2502、ポイント2504、ポイント2505およびポイント2506は、範囲R11および範囲R12の両方に含まれる。つまり、複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たし、複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たす。
セルサイズグループ2の優先順位が「1」であり、セルサイズグループ1の優先順位が「2」である。つまり、優先順位は、セルサイズグループ1と比較してセルサイズグループ2が高くなる。
したがって、UEは、優先して、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ2(小さいサイズのセルグループ(Small size cell group))への移行を可能する。UEは、優先順位を落として、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能する。
図16において、黒丸「●」で示されるポイント2503、ポイント2507、ポイント2508、ポイント2509およびポイント2510は、範囲R12に含まれる。つまり、複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たさず、複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たさない。
したがって、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))の測定を実行する。また、UEは、セルサイズグループ1(大きいサイズのセルグループ(Big size cell group))への移行を可能する。
図19は、実施の形態1の変形例3におけるIdleモードのUEの処理手順を示すフローチャートである。前述の図16を用いて概念を説明した閾値では、測定の実行の有無判定閾値と移行判定閾値とは、同じ値である。したがって、図19では、測定の実行の有無判定閾値を用いた判断を省略して説明する。
ステップST2701において、UEは、自UEの移動速度を測定する。ステップST2702において、UEは、各セルグループの優先順位を確認する。
ステップST2703において、UEは、ステップST2702で確認した優先順位において最も高い優先順位のセルグループから、移行判定を行う。本具体例では、セルグループ2の優先順位が最も高い。
したがって、ステップST2703において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ2への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group2」を満たすか否か(最も高い優先順位のセルグループ(以下「最高優先順位グループ」という場合がある。)への移行条件を満足するか否か)を判断する。具体的には、移動速度が時速50km/h未満か否かを判断する。
ステップST2703において、最高優先順位グループへの移行条件を満足すると判断された場合は、ステップST2704に移行し、最高優先順位グループへの移行条件を満足しないと判断された場合は、ステップST2707に移行する。
ステップST2704において、UEは、セルサイズグループ2に属する周辺セルの測定を実行する。つまり、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属する周辺セルの測定を実行する。換言すれば、最高優先順位グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2705において、UEは、ステップST2704における測定の結果で再選択条件を満足するセルが存在するか否かを判断する。換言すれば、最高優先順位グループ内に再選択条件を満足するセルが存在するか否かを判断する。ステップST2705において、最高優先順位グループ内に再選択条件を満足するセルが存在すると判断された場合は、ステップST2706に移行し、最高優先順位グループ内に再選択条件を満足するセルが存在しないと判断された場合は、ステップST2707に移行する。
ステップST2706において、UEは、小さいサイズのセルグループ(Small size cell group)に属し、再選択条件を満足するセルへの再選択処理を実行する。すなわち、最高優先順位グループ内のセルを再選択する。
ステップST2707において、UEは、ステップST2702で確認した優先順位において次に高い優先順位のセルグループ(以下「第2優先順位グループ」という場合がある)から、移行判定を行う。本具体例では、セルグループ1の優先順位が次に高い。したがって、ステップST2707において、UEは、リセレクション用セルサイズグループ1への移行判定閾値「S2_inter_cell_size_group1」を満たすか否か(第2優先順位グループへの移行条件を満足するか否か)を判断する。具体的には、移動速度が時速無限大(∞)未満か否かを判断する。
ステップST2707において、第2優先順位グループへの移行条件を満足すると判断された場合は、ステップST2708に移行する。本変形例では、第2優先順位グループへの移行条件を満足しないと判断されることはないが、満たさないと判断された場合は、全ての処理手順を終了する。
ステップST2708において、UEは、セルサイズグループ1に属するセルの測定を行う。つまり、大きいサイズのセルグループ(Big size cell group)に属する周辺セルの測定を実行する。換言すれば、第2優先順位グループに属する周辺セルの測定を実行する。
ステップST2709において、UEは、ステップST2708における測定の結果が再選択条件を満足するセルへの再選択処理を実行する。すなわち、第2優先順位グループ内のセルを再選択する。
実施の形態1の変形例3によって、実施の形態1、実施の形態1の変形例1および実施の形態1の変形例2の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。実施の形態1の変形例2と比較して、測定対象のセルを限定することが可能となるので、メジャメント性能の改善を図ることができる。メジャメント対象のセルを限定することによって、短時間で再選択処理および測定報告が可能になる。したがって、通信システムの制御遅延を防止することができる。また、ネットワーク側が優先順位を設定する場合、ネットワーク側が指定した優先順位で、UEがメジャメントを実行するので、通信システムの負荷調整が可能となる。
実施の形態1 変形例4.
実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3の解決策では、UEが選択したセルグループあるいはセルグループ内セルの負荷が大きい場合がある。このような場合、たとえそのセルグループに属するセル再選択、あるいはハンドオーバしたとしても、UEのユーザスループットの低く、高速大容量通信を行なうことはできないという課題が発生する。
実施の形態1の変形例4における解決策を以下に示す。実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、および実施の形態1の変形例3の解決策のうち、本変形例の特徴部分のみ説明する。
本変形例では、セルグループへの移行判定において、セルグループの負荷情報を考慮する。セルグループの規制情報であってもよい。セルグループの規制情報は、ACB(Access Class Barring)情報であってもよいし、EAB(Extended Access Barring)情報であってもよい。
複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たす場合、負荷が低いセルグループに属するセルの測定を実行する。負荷が高いセルグループに属するセルの測定は実行しない、あるいは優先順位を落として実行する。
複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たす場合、負荷が低いセルグループに属するセルへの移行を実行する。負荷が高いセルグループに属するセルへの移行は実行しない、あるいは優先順位を落として実行する。
例えば、負荷レベルは「1」〜「3」とし、負荷レベル「3」は、UEのセル再選択禁止、ハンドオーバ禁止とする。負荷レベルの番号が大きいほど、負荷が高いとする。
UEへの負荷情報の通知方法としては、サービングセルは、傘下のUEに対して、負荷情報を通知する。サービングセルは、負荷情報を、セルグループとともに通知する。セルサイズに応じたグループを設け、負荷情報を付加する。負荷情報の通知方法の具体例は、実施の形態1のセルグループの通知方法の具体例と同様であるので、説明を省略する。セル毎に負荷情報を付加してもよい。
実施の形態1の変形例4を用いるシチュエーションの具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)セルのサポートする無線アクセス技術(Radio Access Technology:RAT)によってグループ化する。例えば、セルグループ1は、LTEシステムとし、セルグループ2は、無線LANシステム(Wireless LAN)とする。例えば、LTEシステムの負荷が高い場合は、セルグループ1の負荷を高く設定し、セルグループ2の負荷を低く設定する。
これによって、複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たす場合、負荷が低い無線LANシステムのグループに属するセルの測定を実行し、負荷が高いLTEシステムのグループに属するセルの測定は実行しない、あるいは優先順位を落として実行することが可能となる。また、複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たす場合、負荷が低い無線LANシステムのグループに属するセルへの移行を実行し、負荷が高いLTEシステムのセルグループに属するセルへの移行は実行しない、あるいは優先順位を落として実行することが可能となる。
(2)セルのバックホールリンクの種別によってグループ化する。例えば、セルグループ1は、バックホールが光ネットワークとし、セルグループ2は、バックホールが無線とする。例えば、光ネットワークの負荷が高い場合は、セルグループ1の負荷を高く設定し、セルグループ2の負荷を低く設定する。
これによって、複数のセルグループにおいて、移行判定のための測定の実行の有無判定を満たす場合、負荷が低いバックホールが無線のグループに属するセルの測定を実行し、負荷が高いバックホールが光ネットワークのグループに属するセルの測定は実行しない、あるいは優先順位を落として実行することが可能となる。また、複数のセルグループにおいて、移行判定の閾値を満たす場合、負荷が低いバックホールが無線のグループに属するセルへの移行を実行し、負荷が高いバックホールが光ネットワークのセルグループに属するセルへの移行は実行しない、あるいは優先順位を落として実行することが可能となる。
実施の形態1の変形例4によって、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2および実施の形態1の変形例3の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。負荷が低いセルグループに属するセルを測定対象とすることが可能となる。これによって、ユーザスループットの改善を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態2で解決する課題について、以下に説明する。マクロセルに比べて、スモールセルのセル半径、すなわちカバレッジ範囲は小さい。UEが移動する場合、マクロセルに比べて、スモールセルにおけるUEの滞留時間は短くなる。したがって、スモールセル間を高速で移動するUEは、HO元のスモールセルにおいてHO関連処理を行っている間に、HO元スモールセルとの通信品質が劣化して、HOが正常に行われずに失敗する場合がある。
また、UEが、仮に、測定によって適切なHO先スモールセルを検出したとしても、HO関連処理を行っている間に、HO先スモールセルをUEが通過してしまうような場合も生じる。この場合も、既に、HO先スモールセルとの通信品質は劣化しているので、HOが正常に行われずに失敗する場合が生じる。
したがって、多数のスモールセルが設置される場合、UEが高速に移動するときのモビリティ性能の向上が課題となる。
前述のような問題の解決策として、3GPPにおいて、デュアルコネクティビティ(Dual connectivity)という方法が提案されている(非特許文献11参照)。デュアルコネクティビティでは、UEが、非理想バックホールで接続された少なくとも2つの異なるネットワークポイントによって与えられた無線リソースを用いる。
デュアルコネクティビティとして、次の2つの方法が提案されている。1つは、ノード間無線リソースアグリゲーションである。もう1つは、RRCダイバーシチである。
ノード間無線リソースアグリゲーションでは、ユーザプレインデータ用に2つ以上のeNBの無線リソースがアグリゲートされる。2つ以上のeNBとして、そのカバレッジが位置的にオーバレイしているマクロeNBとスモールeNBとが検討されている。また、この場合に、マクロセルにおいてモビリティアンカーを維持することが検討されている。この方法では、マクロセルにおいてモビリティ制御が行われるので、前述のUEのスモールセルにおける滞留時間が短いことに起因するHOの失敗を低減することが可能となる。
しかし、ノード間無線リソースアグリゲーションでは、マクロセルを用いるので、スモールセルにマクロセルがオーバレイしている所で無ければ実現できない。スモールセルのみが密に配置されているような所では、前述の問題が生じる。また、新たにスモールセルとオーバレイするマクロセルを設置することも考えられるが、マクロセルの設置に莫大なコストがかかる。
RRCダイバーシチでは、HO関連のRRCシグナリングが、HO先となる可能性のあるセルから、あるいはセルに送信される。この方法では、UEは、HO元セルとHO先となる可能性のあるセルの少なくともいずれか一方のセルから、HO関連のRRCシグナリングを受信することが可能となる。
しかし、RRCダイバーシチでは、HO先となる可能性のあるセルを用いるので、該セルが実際のHOにおけるHO先セルと異なる場合が生じる。したがって、必ずしもUEがHO関連のRRCシグナリングをHO先のセルから受信できるとは限らない。
また、HO先セルを用いてRRCダイバーシチが行われるには、HO関連処理と同様に、HO先が特定された上で、UEがHO先セルとRRC接続されなければならない。したがって、セルにおける滞留時間が短いことに起因するHOの失敗を低減することは難しい。
本実施の形態では、これらとは異なる方法で、前述の問題を解決することを目的とする。
複数のスモールセルを用いて、1つのスモールセルのカバレッジよりも大きいカバレッジを構成するセル(以下「仮想マクロセル」という)を構成する。
仮想マクロセルを構成する複数のスモールセルを、「スモールセルグループ」(以下「SCG」という)という。
SCG内のスモールセルは、UEとの間で、同一のデータおよび信号を送受信する。SCG内のスモールセルは、同一の通信を行う。
SCG内の各スモールセルが同一の通信を行うための構成および機能を開示する。SCG内のスモールセルのセル識別子は同一とし、SCGとして1つ有する。すなわち、SCG内の各スモールセルは、同一のセルとして識別され、同一の通信を行う。上位エンティティとの間において、SCGを該セル識別子で認識可能としてもよい。また、セル識別子として、従来のセルに与えられるものとするとよい。セル識別子としては、CGI、ECGI、PCIなどがある。
複数のスモールセルを用いて、よりカバレッジを大きくする方法として、従来のRRH運用がある(非特許文献7参照)。しかし、従来のRRHは、マクロセルに接続されており、また、各RRHが異なるPCIを有している。本実施の形態では、スモールセルは同じPCIを有する。したがって、この点で、従来の方法とは異なる。
また、RRHを用いた技術としては、他にもCoMPシナリオ4運用におけるRRHが提案されている(非特許文献7参照)。これは、マクロセルとRRHをオーバレイするように配置し、RRHがマクロセルと同じPCIを有するように構成する。本実施の形態では、マクロセルとスモールセルとがオーバレイしていない場合の方法であり、この点で従来の方法とは異なる。
SCG内のスモールセルは、同期(synchronization)がとられる。同期の精度としては、CP(cyclic prefix)の範囲内にするとよい。
下りに関しては、SCGの傘下のUEで、SCG内のスモールセルからの受信信号がCPの範囲内にするとよい。これによって、複数のスモールセルからの送信が、1つのマクロセルからの送信とみなされる。したがって、UEは、1つのマクロセルからのマルチパスと同様に扱うことが可能となる。
上りに関しては、各スモールセルで、UEからの受信信号がCPの範囲内にするとよい。これによって、各スモールセルは、SCGの傘下のUEからの送信を、従来のスモールセルの傘下のUEからの送信と同様に扱うことが可能となる。
複数のスモールセル間の同期は、GPS(Global Positioning System)などを用いて達成すればよい。
SCG内の各スモールセルの物理リソースの構成を同一にする。周波数領域および時間領域の物理リソースの構成を同一とする。キャリア周波数、周波数帯域、サブキャリア数、サブフレーム構成、サブフレーム内シンボル数およびCP長などの物理リソースの構成を同一とする。
SCG内の各スモールセルのプロトコルを同一にする。レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の処理を同一とし、同一の物理リソースにマッピングする。例えば、レイヤ1におけるSS、CRS、PBCH、PDCCH、PDSCH、PUCCH、PUSCHなどの物理チャネルおよび信号を同一の物理リソースにマッピングする。また、レイヤ2のスケジューリングにおいては、各スモールセルで、SCGの傘下の全てのUEに対するスケジューリングを行い、各UEへのリソースの割当ておよびMCS(Modulation and Coding Scheme)は、各スモールセルで同一とする。
SCG内のスモールセルが、このような構成および機能を有することによって、SCG内のスモールセルが同一の通信を行うことが可能となる。SCGの傘下のUEにとって、各スモールセルを判別する必要は無く、1つのセルとみなすことが可能となる。すなわち、SCG内のスモールセルによって、1つのスモールセルよりも広いカバレッジを有する1つの仮想的なマクロセルが構成される。
仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルは、PCIが同一であり、UEは、各スモールセルを識別不可能であるので、「ノード」と称してもよいが、本実施の形態およびその変形例では、「セル」と称することにする。
SCG毎に集中制御エンティティ(以下「コンセントレータ」という)を設けてもよい。コンセントレータが、SCG内のスモールセルを制御する。コンセントレータは、SCG内の各スモールセルと接続される。
前述のように、SCG内のスモールセルは、上位レイヤから物理リソースへのマッピングまで同一の動作をする。したがって、コンセントレータが、該動作の一部または全部を行うように制御することによって、各スモールセルの構成を簡略化することが可能となる。
コンセントレータは、SCG内のスモールセルのいずれかに設けられてもよいし、スモールセルとは別に設けられてもよい。
また、例えば、コンセントレータは変復調部までを有するように構成し、各スモールセルは周波数変換部からアンテナまでを有するように構成してもよい。機能分担は、これに限らず、各スモールセルが同一の通信を行なうことができればよい。
UEが、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルと通信を行うことは、1つのスモールセルよりも広いカバレッジを有する1つの仮想的なマクロセルと通信を行うことに相当する。したがって、UEの、セルにおける滞留時間が短いことに起因するHOの失敗を低減することが可能となる。これによって、UEのモビリティ性能を改善することが可能となる。
また、さらに、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルの一部あるいは全部に、各々個別のセル、つまり個別のeNBによって構成されるセルとしての機能を設けて、各々個別のセルとして動作するように構成してもよい。すなわち、該スモールセルは、通常のeNBによって構成されるセルとして動作する。
個別のセルとして動作するスモールセルは、仮想マクロセルとして動作する場合のキャリア周波数と異なるキャリア周波数を有してもよい。個別のセルとして動作するスモールセルは、同一のキャリア周波数を有するようにしてもよい。また、仮想マクロセルとして動作する場合のキャリア周波数を、マクロセルのキャリア周波数と同じにしてもよい。個別のセルとして動作するスモールセルの周波数レイヤと、仮想マクロセルとして動作する場合の周波数レイヤとを異ならせてもよい。このようにすることによって、仮想マクロセルとしての動作と個別のセルとしての動作との間で生じる干渉を無くすことができる。
個別のセルとして動作する場合の周波数バンドと、仮想マクロセルとして動作する場合の周波数バンドとを異ならせてもよい。また、仮想マクロセルとして動作する場合の周波数バンドを、マクロセルの周波数バンドと同じにしてもよい。
個別のセルとして動作するスモールセルは、個別のセルとして動作する場合のセル識別子と仮想マクロセルとして動作する場合のセル識別子とを各々有する。スモールセルは、個別のセルとしての動作では、個別のセルとして動作する場合のセル識別子を用い、仮想マクロセルとしての動作では、仮想マクロセルとして動作する場合のセル識別子を用いる。これによって、スモールセルは、SCG内スモールセルが構成する仮想マクロセルの動作と、スモールセルのみの個別のセルとしての動作との両方を行うことが可能となる。
スモールセルにおける各々のセル識別子は、O&Mが設定してもよい。コンセントレータを介して設定されてもよい。
また、スモールセルにおける各々のPCIの設定に、PCI選択機能(非特許文献1参照)が別々に用いられてもよい。仮想マクロセルとして動作する場合のPCIは、仮想マクロセルとして動作する場合の周波数レイヤにおいてPCI選択機能を用いて決定され、個別のセルとして動作する場合のPCIは、個別のセルとして動作する場合の周波数レイヤにおいてPCI選択機能を用いて決定されるようにしてもよい。
図20は、仮想マクロセルを構成するSCGの概念を説明するための図である。図20では、スモールセルを参照符号「4109」〜「4136」で示す。また、スモールセルグループ(SCG)を参照符号「4105」〜「4108」で示す。各SCGは、7つのスモールセルから構成される。例えば、SCG4105は、スモールセル4109〜4115で構成される。コンセントレータ4101〜4104は、各々SCG4105〜4108に接続される。
各々のSCG4105〜4108が、各々1つの仮想マクロセルを構成する。前述のように、各SCG内のスモールセルが同一の通信を行うことによって、SCGの傘下のUEにとって、各スモールセルを判別する必要は無く、1つのセルとみなすことが可能となる。例えば、SCG4105では、スモールセル4109〜4115が同一の通信を行う。したがって、1つのスモールセル、例えばスモールセル4109よりも広いカバレッジを有する1つの仮想的なマクロセル4105が構成される。
UE4137は、SCG4108が仮想マクロセルを構成する場合、SCG4108の傘下のUE、すなわち仮想マクロセルの傘下のUEとなる。UE4137が、矢印で示す方向に移動する場合、スモールセル4136,4131,4113,4112などにおけるUEの滞留時間よりも、SCG4108,4105によって構成される仮想マクロセルにおけるUEの滞留時間の方が長くなる。
仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルは、仮想マクロセルとして動作するとともに、個別のセルとしても動作する。
図21は、スモールセルで使用される物理リソースの一例を示す図である。図21では、仮想マクロセルとして動作する場合のキャリア周波数および帯域幅からなる物理リソースを参照符号「4138」で示しており、個別のセルとして動作する場合のキャリア周波数および帯域幅からなる物理リソースを参照符号「4139」で示している。
仮想マクロセルとして動作する場合の物理リソース4138は、SCG内の各スモールセルで同一である。また、SCG内の各スモールセルは、物理リソース4138を用いて同一の通信を行う。
個別のセルとして動作する場合の物理リソース4139は、SCG内の各スモールセルで同じであってもよいし、物理リソースのうち一部あるいは全部が異なってもよい。また、物理リソース4139を用いてスモールセル毎に通信が行われる。
SCG内のスモールセルのうち、個別のセルとして動作するスモールセルは、仮想マクロセルとしての動作(以下「仮想マクロセルモード」という)と、個別のセルとしての動作(以下「個別セルモード」という)の両運用を行う。
このようにすることによって、SCG内のスモールセルを用いて、仮想マクロセルとスモールセルとのオーバレイ構造ができる。
したがって、SCG内のスモールセルを用いてデュアルコネクティビティを行うことが可能となる。従来、スモールセルのみでできなかったノード間無線リソースアグリゲーションが、本実施の形態で開示した方法を用いることによって、スモールセルのみで行うことが可能となる。
仮想マクロセルを用いてモビリティアンカーを維持するとよい。例えば、HO関連のRRCシグナリングは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG内のスモールセルとUEとの間で行われるようにするとよい。その他のシグナリングおよびデータに関しては、個別セルモードで運用しているスモールセルを用いて行うようにすればよい。このようにすることによって、スモールセルよりも広いカバレッジを有する仮想マクロセルにおいてモビリティ制御が行われるので、UEのスモールセルにおける滞留時間が短いことに起因するHOの失敗を低減することが可能となる。
また、仮想マクロセルモードで運用しているSCG内のスモールセルを用いて制御プレイン(C-plane)接続を行い、個別セルモードで運用しているスモールセルを用いてユーザプレイン(U-plane)接続を行うようにしてもよい。これによって、HOの失敗を低減することが可能となり、モビリティ性能の改善を図ることができる。
仮想マクロセルとUEとの間の通信を、所定のシグナリングおよび制御プレイン(C-plane)接続、あるいは所定のシグナリングと一部のデータ通信などに限定することによって、仮想マクロセルに必要となる物理リソースを低減することが可能となる。例えば、仮想マクロセルモードを運用するための周波数帯域幅を、狭帯域にすることが可能となる。
仮想マクロセルモードを運用するための周波数帯域幅を、個別セルモードを運用するための周波数帯域幅よりも狭帯域にしてもよい。これによって、仮想マクロセルモードの運用における周波数利用効率の低下を抑えることが可能となる。
前記一部のデータ通信としては、例えば、音声などの低遅延が要求されるものとする。これによって、HOによる失敗を低減できるので、音声データの欠落を低減することが可能となる。
図22は、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。図22に示す通信システムは、P−GW4201、S−GW4202、MME4203、コンセントレータ4204、第1のスモールセル(SC1)4205、第2のスモールセル(SC2)4206、第3のスモールセル(SC3)4207、およびUE4208を備えて構成される。
P−GW4201とS−GW4202とは、例えばS5インタフェースなどのインタフェース4209によって接続される。S−GW4202とMME4203とは、例えばS11インタフェースなどのインタフェース4210によって接続される。
MME4203とコンセントレータ4204とは、インタフェース4211によって接続される。MME4203と第1のスモールセル(SC1)4205とは、インタフェース4212によって接続される。MME4203と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4213によって接続される。MME4203と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4214によって接続される。
MME4203とコンセントレータ4204またはスモールセル4205〜4207とを接続するインタフェース4211〜4214は、例えばS1インタフェース、具体的にはS1−MMEインタフェースである。
S−GW4202とコンセントレータ4204とは、インタフェース4215によって接続される。S−GW4202と第1のスモールセル(SC1)4205とは、インタフェース4216によって接続される。S−GW4202と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4217によって接続される。S−GW4202と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4218によって接続される。
S−GW4202とコンセントレータ4204またはスモールセル4205〜4207とを接続するインタフェース4215〜4218は、例えばS1インタフェース、具体的にはS1−Uインタフェースである。
コンセントレータ4204と第1のスモールセル(SC1)4205とは、インタフェース4219、例えばX2インタフェースによって接続される。コンセントレータ4204と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4220、例えばX2インタフェースによって接続される。コンセントレータ4204と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4221、例えばX2インタフェースによって接続される。
コンセントレータ4204と第1のスモールセル(SC1)4205とは、インタフェース4222によって接続されてもよい。コンセントレータ4204と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4223によって接続されてもよい。コンセントレータ4204と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4224によって接続されてもよい。
第1のスモールセル(SC1)4205と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4225、例えばX2インタフェースによって接続される。第2のスモールセル(SC2)4206と第3のスモールセル(SC2)4207とは、インタフェース4226、例えばX2インタフェースによって接続される。第1のスモールセル(SC1)4205と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4227、例えばX2インタフェースによって接続される。
UE4208と第1のスモールセル(SC1)4205とは、インタフェース4228、例えばエアインタフェースであるUuインタフェースによって接続される。UE4208と第2のスモールセル(SC2)4206とは、インタフェース4229、例えばエアインタフェースであるUuインタフェースによって接続される。UE4208と第3のスモールセル(SC3)4207とは、インタフェース4230、例えばエアインタフェースであるUuインタフェースによって接続される。
インタフェース4219〜4221と、インタフェース4222〜4224とを同じインタフェースとしてもよい。例えば、X2インタフェースに新たな機能を追加してもよいし、新たなインタフェースとしてもよい。同じインタフェースを用いることによって、コンセントレータ4204と各スモールセル4205〜4207との間の制御を簡単化することができる。
図22を用いて、各スモールセル4205〜4207が仮想マクロセルモードで運用される場合について説明する。
図22において、ハッチングで示されている各スモールセル4205〜4207とコンセントレータ4204とによって、仮想マクロセルが構成される。各スモールセル4205〜4207で1つのSCGを構成する。SCGには、コンセントレータ4204が設けられ、インタフェース4222〜4224を用いて、SCG内の各スモールセル4205〜4207と接続される。SCG内のスモールセルは、同一の動作をするように、コンセントレータ4204によって制御される。
図22において、太線のインタフェースで接続されることによって仮想マクロセルが構成される。P−GW4201とS−GW4202との間、およびMME4203とS−GW4202との間は、従来のマクロセルの運用と同じ運用がなされる。
仮想マクロセルモードにおけるSCG内のスモールセルとMME4203とは、コンセントレータ4204を介して接続される。また、SCG内のスモールセルと、S−GW4202とは、コンセントレータ4204を介して接続される。
コンセントレータ4204は、SCG内のスモールセルが仮想マクロセルとして動作する場合の機能のうち、特に上位レイヤ部を有するとよい。これによって、各スモールセルがMME4203およびS−GW4202と接続する必要が無く、コンセントレータ4204がMME4203およびS−GW4202と接続すればよくなる。
仮想マクロセルモードでは、SCG内の各スモールセル4205〜4207がUE4208と通信を行う。図22に示すようなアーキテクチャを構成することによって、複数のスモールセルを用いた仮想マクロセルが構成される。これによって、複数のスモールセルの傘下のUEに対して、仮想マクロセルを構成することが可能となる。
図23を用いて、スモールセル4205〜4207が個別セルモードで運用される場合について説明する。図23は、個別セルモードの運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。図23は、図22と類似しているので、同一の部分に同一の参照符号を付して説明を省略する。図23では、第2のスモールセル(SC2)4206が個別セルモードで運用される場合について示している。
以下に、第2のスモールセル(SC2)4206が個別セルモードで運用される場合について説明する。図23において、ハッチングで示されている第2のスモールセル(SC2)4206は、個別セルとして動作する。図23において、太線のインタフェースで接続されることによって個別セルが構成される。P−GW4201とS−GW4202との間、およびMME4203とS−GW4202との間は、従来のマクロセルの運用と同じ運用がなされる。
MME4203は、第2のスモールセル(SC2)4206と直接接続され、また、S−GW4202は、第2のスモールセル(SC2)4206と直接接続される。スモールセルが個別セルモードで動作する場合、スモールセルは、従来のセルとしての機能を有する。したがって、各スモールセル4205〜4207がMME4203およびS−GW4202と直接接続される。個別セルモードでは、第2のスモールセル(SC2)4206とUE4208との間で通信が行われる。
図23に示すようなアーキテクチャを構成することによって、スモールセルを個別セルモードで動作させることが可能となる。
図22および図23に示す通信システムのアーキテクチャを用いて、スモールセルで仮想マクロセルモードと個別セルモードとの両運用を行うようにすることによって、仮想マクロセルとスモールセルとのオーバレイ構造を可能とする。
したがって、SCG内のスモールセルを用いてデュアルコネクティビティを行うことが可能となる。従来、スモールセルのみでできなかったノード間無線リソースアグリゲーションが、本実施の形態で開示した方法を用いることによって、スモールセルのみで行うことが可能となる。
図24は、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う場合の通信システムのアーキテクチャの他の例を示す図である。図24は、図22と類似しているので、同一の部分に同一の参照符号を付して説明を省略する。図24では、図22および図23と比べて、MME4203あるいはS−GW4202からSCG内のスモールセル4205〜4207へのインタフェースが無く、SCG内のスモールセル4205〜4207は、コンセントレータ4204を介してMME4203およびS−GW4202と接続される。
仮想マクロセルモードで運用される場合は、図22と同一であるので、説明を省略する。個別セルモードで運用される場合として、第2のスモールセル(SC2)4206が個別セルとして動作する場合について説明する。
図24において、太線のインタフェース4209,4210,4211,4215,4220,4401で接続されることによって個別セルが構成される。P−GW4201とS−GW4202との間、およびMME4203とS−GW4202との間は、従来のマクロセルの運用と同じ運用がなされる。コンセントレータ4204は、個別セルモードのための機能として、ルーティング機能を有するとよい。
第2のスモールセル(SC2)4206とMME4203とは、コンセントレータ4204を介して接続される。コンセントレータ4204は、下りリンクでは、MME4203から、通信対象となるUE4208と接続しているスモールセルへのルーティングを行う。下りリンクでは、UE4208と接続しているスモールセルの選択と、該スモールセルへのシグナリングの転送とを行う。上りリンクでは、UE4208と接続するスモールセルからMME4203へのシグナリングの転送を行う。MME4203の選択を行ってもよい。
これらのシグナリングに、宛先となるスモールセル識別子、UE識別子、およびMME識別子の少なくともいずれか1つを付随あるいは含ませて、コンセントレータ4204が認識可能としておくとよい。これによって、コンセントレータ4204においてルーティングが可能となる。
同様に、第2のスモールセル(SC2)4206とS−GW4202とは、コンセントレータ4204を介して接続される。コンセントレータ4204は、下りリンクでは、S−GW4202から、通信対象となるUE4208と接続しているスモールセルへのルーティングを行う。下りリンクでは、UE4208と接続しているスモールセルの選択と、該スモールセルへのデータの転送を行う。上りリンクでは、UE4208と接続するスモールセルからS−GW4202へのデータの転送を行う。S−GW4202の選択を行ってもよい。
これらのデータに、宛先となるスモールセル識別子、UE識別子、およびMME識別子の少なくともいずれか1つを付随させて、コンセントレータ4204が認識可能としておくとよい。これによって、コンセントレータ4204においてルーティングが可能となる。
コンセントレータ4204と各スモールセル4205〜4207との間のインタフェースのうち、個別セルモードの運用に用いられるインタフェース4219〜4221は、高遅延の非理想バックホール(non-ideal backhaul)で構成され、仮想マクロセルモードの運用に用いられるインタフェース4222〜4224は、低遅延あるいは無視できる遅延を有する理想バックホール(ideal backhaul)で構成されるようにしてもよい。これによって、仮想マクロセルモードの運用におけるコンセントレータ4204と各スモールセル4205〜4207との間の制御遅延が該運用に与える影響を無くすことができる。
図24に示す通信システムのアーキテクチャにすることによって、SCG内の各スモールセルからMME4203、S−GW4202に直接接続されるインタフェースを不要とすることができる。したがって、実際の物理的インタフェースを敷設する必要が無くなるので、通信システムを構築するコストを抑えることが可能となる。
図25〜図27は、実施の形態1の通信システムにおけるHO処理のシーケンスの一例を示す図である。図25と図26とは、境界線BL1の位置で、つながっている。図26と図27とは、境界線BL2の位置で、つながっている。
SCG#A内のスモールセルによって仮想マクロセルが構成される。SCG#A内のスモールセルによって構成される仮想マクロセルは、コンセントレータ#Aによって制御される。SCG#B内のスモールセルによって仮想マクロセルが構成される。SCG#B内のスモールセルによって構成される仮想マクロセルは、コンセントレータ#Bによって制御される。
SCG#A内のスモールセルは、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う。SCG#B内のスモールセルは、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行う。
ステップST4501においてSCG#Aの傘下のRRC_Idle状態のUEは、ステップST4503において、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、コンセントレータ#A、MMEおよびS−GWとの間で、サービスリクエスト処理(Service Request Procedure)を行う。
このとき、UEは、ステップST4502において、まず仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、コンセントレータ#AとRRC接続を行うために、RRC接続設立処理(RRC connection establishment)を行う。
ステップST4504において、UEはRRC接続(RRC_Connected)状態に移行する。
ステップST4505において、UE、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセル、コンセントレータ#AおよびS−GWとの間で、データ送信が行われる。
これによって、シグナリングに関しては、UE、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、コンセントレータ#Aと、MMEとの間で通信が行われる。データに関しては、UE、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、コンセントレータ#Aと、S−GWとの間で通信が行われる。いわゆる、仮想マクロセルを用いて通信が行われる。
次にデュアルコネクティビティを行う方法について説明する。ステップST4506において、コンセントレータ#Aは、UEに対してデュアルコネクティビティを行うために、UEと接続する第2のセル、具体的には第2のセルを構成するeNB(以下「第2のeNB(Secondary eNB)」という場合がある)を決定する。デュアルコネクティビティを行うセルは、UEが接続している仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルから選択するとよい。ここでは、第2のセルは、SCG#A内のスモールセルから選択するとよい。第2のセルは、個別セルモードで運用可能なスモールセルとするとよい。
ステップST4507において、コンセントレータ#Aは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、UEに対して、ステップST4506で決定した第2のセル(Secondary eNB)の構成(Secondary eNB configuration)とともに、該第2のセル(Secondary eNB)を無線リソースとして追加することを通知する。
この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。例えば、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)を用いて行ってもよい。無線リソースの再構成として通知してもよい。この通知に、第2のセルとする個別セルモードで運用されるスモールセルのセル識別子を含ませる。セル識別子としては、PCI、EGCIおよびGCIなどとするとよい。
ステップST4507で該第2のセルの追加の通知を受信したUEは、ステップST4508において、受信した第2のセルの構成を用いて、無線リソースとして第2のセル(Secondary eNB)の追加を行う。
ステップST4509において、UEは、第2のセルとして追加された個別セルモードで運用されるスモールセルの検出(Detection)と、同期(Synchronization)処理とを行う。検出(Detection)、同期(Synchronization)処理には、通知されたセル識別子を用いるとよい。
他方、コンセントレータ#Aは、ステップST4510において、第2のセルに対して、第2のセル(Secondary eNB)の構成(Secondary eNB configuration)を用いた第2のセル(Secondary eNB)の追加(add)を通知するシグナリング(signaling)を行う。これによって、コンセントレータ#Aは、第2のセルに対して、その第2のセルをUEに無線リソースとして追加したことを通知し、該UEへのスケジューリングを行うように要求する。この通知に、UEの識別子を含ませる。
このようにすることによって、ステップST4511において、UEと、第2のセルとして追加された個別セルモードで運用しているSCG#A内の1つのスモールセルとの間で、データ送信が行われる。
したがって、UEは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルと、個別セルモードで運用しているSCG#A内の1つのスモールセルとの両方に接続されることになる。
次にHOの方法について説明する。ステップST4512において、コンセントレータ#Aは、メジャメント構成(measurement configuration)を通知する。メジャメント構成を通知するとき、測定周波数とともに、隣接するSCGの、仮想マクロセルとして運用している場合のセル識別子を通知してもよい。また、同一周波数レイヤ上のマクロセルのセル識別子を通知してもよい。
これによって、仮想マクロセルあるいはマクロセルをターゲットセルとしたHOを可能にすることができる。すなわち、仮想マクロセルを含むマクロセル間のHOを可能にすることができる。また、個別セルモードで運用されているスモールセルのメジャメントを行わないようにできるので、UEの測定時間の短縮、UEの消費電力の低減を図ることができる。
ここでは、例えば、仮想マクロセルとして運用しているSCG#B内のスモールセルの1つのセル識別子を通知する。UEは、ステップST4512で通知されたメジャメント構成を用いて、メジャメントを行う。
メジャメント構成で通知された所定のイベント条件を満足した場合、UEは、ステップST4513において、コンセントレータ#Aにメジャメント報告(measurement report)を行う。例えば、SCG#Aによって構成される仮想マクロセルの受信電力、あるいは受信品質が所定の期間に所定の閾値を下回り、SCG#Bによって構成される仮想マクロセルの受信電力、あるいは受信品質が所定の期間に所定の閾値を上回った場合などである。
UEは、SCG#A内のスモールセルを介して、コンセントレータ#Aに通知する。この通知に、受信品質あるいは受信電力のメジャメント結果、測定した仮想マクロセルのセル識別子を含ませてもよい。コンセントレータ#Aは、メジャメント報告を用いて、HOを行うか否かを決定する。
ステップST4514において、HOを行うことを決定したコンセントレータ#Aは、UEに対してデュアルコネクティビティを行うことを終了する処理を行う。
ステップST4515において、コンセントレータ#Aは、仮想マクロセルモードとして運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、UEに対して、デュアルコネクティビティを行っているセルの無線リソースを削除することを通知する。
この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。例えば、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)を用いて行ってもよい。無線リソースの再構成として通知してもよい。この通知に、削除する個別セルモードで運用されるスモールセルのセル識別子を含ませる。セル識別子としては、PCI、EGCIおよびGCIなどとするとよい。
他方、コンセントレータ#Aは、ステップST4517において、削除するセルに対して、そのセルをUEから無線リソースとして削除したことを通知し、該UEへのスケジューリングを終了するように要求する。この通知に、UEの識別子を含ませる。
ステップST4515でセルの無線リソースを削除することの通知を受信したUEは、ステップST4516において、デュアルコネクティビティを行っているセルを削除する処理を行う。
これによって、UEと、削除するセルである個別セルモードで運用しているSCG#A内の1つのスモールセルとの間のデータ送信が終了する。
したがって、UEは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルとのみの接続に戻ることになる。
ステップST4514において、HOを行うことを決定したコンセントレータ#Aは、ステップST4518において、HO先として決定した仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルを制御するコンセントレータ#Bに対して、HO要求(HO request)メッセージを通知する。この通知に、自仮想マクロセルのセル識別子、HO対象のUEの識別子を含ませるとよい。
コンセントレータ#Bは、UEの受入れを許可し、ステップST4519において、コンセントレータ#Aに対して、HO要求メッセージに対する応答(HO request ack)を通知する。この通知に、SCG#B内のスモールセルが仮想マクロセルモードで運用する場合の無線リソースの構成を含ませる。ハンドオーバコマンド(Handover command)を含ませてもよい。
ステップST4520において、コンセントレータ#Aは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#A内のスモールセルを介して、HO対象のUEに対して、モビリティ制御情報(mobility control information)を通知し、HO指示を行う。該通知に、HO先の仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルの1つのセル識別子と、その無線リソースの構成を通知する。
ステップST4520でモビリティ制御情報を受信したUEは、ステップST4521において、HOを行う。ステップST4520で受信したHO先の仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルの情報を用いて、ステップST4523において、検出、同期処理を行う。
同期処理を行ったUEは、図27のステップST4524において、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルを介して、コンセントレータ#Bに対して、RRC接続の再構成完了(RRC connection reconfiguration complete)の通知を行う。
ステップST4524でUEからの通知を受信したコンセントレータ#Bは、ステップST4525において、MMEと、S−GWとの間で、パススイッチ処理を行う。データパスを、コンセントレータ#Aからコンセントレータ#Bに変更する。これによって、ステップST4527で、UE、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルを介して、コンセントレータ#Bと、S−GWとの間でデータ送信が行われる。
また、ステップST4526において、コンセントレータ#Bは、コンセントレータ#Aに対して、HO対象のUEのUEコンテキストリリース(UE context release)メッセージを通知する。これによって、HO対象UEに対して、コンセントレータ#Aが保持していた無線リソース設定をリリースすることができる。他のUEにその無線リソースを使用することが可能となる。
コンセントレータ#Aは、該通知をSCG#A内のスモールセルに通知してもよい。SCG#A内のスモールセルにおいて、該無線リソース設定を保持しているような場合、該通知を行うことによって、SCG#A内のスモールセルの無線リソースをリリースすることが可能となる。このようにして、HO処理が完了する。
次に、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルを介してコンセントレータ#Bと接続しているUEが、再度デュアルコネクティビティを行う方法について説明する。
ステップST4528において、コンセントレータ#Bは、UEに対してデュアルコネクティビティを行うために、第2のセル(Secondary eNB)を決定する。第2のセルは、SCG#B内のスモールセルから選択するとよい。個別セルモードで運用されるスモールセルとするとよい。
ステップST4529において、コンセントレータ#Bは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルを介して、UEに対して、ステップST4528で決定した第2のセルの構成(Secondary eNB configuration)とともに、該セルを無線リソースとして追加することを通知する。
この通知は、RRCシグナリングを用いて行ってもよい。例えば、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)を用いて行ってもよい。無線リソースの再構成として通知してもよい。この通知に、第2のセルとする個別セルモードで運用されるスモールセルのセル識別子を含ませる。セル識別子としては、PCI、EGCIおよびGCIなどとするとよい。
ステップST4529で該第2のセルの追加を受信したUEは、ステップST4530において、受信した第2のセルの構成を用いて、無線リソースの追加を行う。
ステップST4531において、UEは、第2のセルとして追加された個別セルモードで運用されるスモールセルを検出し、同期処理を行う。検出、同期処理には、通知されたセル識別子を用いるとよい。
他方、コンセントレータ#Bは、ステップST4532において、第2のセルに対して、その第2のセルをUEに無線リソースとして追加したことを通知し、該UEへのスケジューリングを行うように要求する。この通知に、UEの識別子を含ませる。
これによって、ステップST4533において、UEと、第2のセルとして追加された個別セルモードで運用しているSCG#B内の1つのスモールセルとの間で、データ送信が行われる。
したがって、UEは、仮想マクロセルモードで運用しているSCG#B内のスモールセルと、個別セルモードで運用しているSCG#B内の1つのスモールセルとの両方に接続されることになる。
図25〜図27に示すようなシーケンスにすることによって、仮想マクロセルモードで運用するSCG内のスモールセルと、個別セルモードで運用するSCG内のスモールセルとで、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。多数のスモールセルの運用によって、ユーザスループットの向上を実現することが可能となる。
また、仮想マクロセルモードで運用を行うSCG間でHOを行うことによって、多数のスモールセルの運用においても、各スモールセルにおけるUEの滞留時間が短いことに起因するHOの失敗を低減することが可能となる。これによって、UEのモビリティ性能を改善することが可能となる。
これらを合わせて行うことで、多数のスモールセルの運用においても、ユーザスループットの向上と、モビリティ性能の向上とをともに図ることが可能となる。
また、HO実行前に、デュアルコネクティビティを行っている第2のセルをリムーブ処理することによって、第2のセルの無線リソースを他のUEに割当てることが可能となる。したがって、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。また、通信システムの容量の増大を図ることができる。
また、HO実行後、HO先のSCGに属するスモールセルを用いてデュアルコネクティビティを行うようにすることによって、HO実行後のデュアルコネクティビティ用セルとの接続失敗を低減させることが可能となる。したがって、接続失敗後の再接続などを行わなくて済むので、制御遅延の低減を図ることができる。また、シグナリング量の削減、およびスループットの向上を図ることができる。
本実施の形態で開示した方法によって、複数のスモールセルを用いて仮想マクロセルを構成することが可能となる。また、複数のスモールセルを用いて、仮想マクロモードおよび個別セルモードの両運用を行うことによって、オーバレイ構造を可能とする。これによって、スモールセルのみで、複数のスモールセルの傘下のUEに対してデュアルコネクティビティを行うことが可能となる。
したがって、仮想マクロセルを用いてモビリティアンカーを維持することができ、スモールセル間におけるモビリティ性能の劣化を低減させることが可能となる。
また、UEとの高容量データ通信は、スモールセル単独モードで行うことができ、UE毎のスループットの向上を図ることができる。
また、新たにスモールセルとオーバレイするマクロセルを設置する必要がないので、通信システムの運用のためのコストを大きく削減することが可能となる。
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。前述の図20では、実施の形態2で開示するスモールセルグループ(SCG)の概念を示した。仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルは、スモールセルよりも広いカバレッジを構成することができる。
しかし、2つのSCGが隣接するSCG端においては、1つのSCG内のスモールセルと他のSCG内のスモールセル、例えばSCG4105内のスモールセル4111と、SCG4106内のスモールセル4122とが隣接している。結局、SCG端はスモールセル同士が隣接することになる。
マクロセルよりもスモールセルの方が、送信電力は低い。したがって、マクロセルが隣接する場合のマクロセル端における信号電力よりも、スモールセルが隣接する場合のスモールセル端における信号電力の方が低くなる場合が生じる。
この場合、スモールセル端では、隣接するスモールセル内に信号電力が届く距離が短くなってしまう。すなわち、スモールセル端におけるカバレッジのオーバラップエリアが小さくなる。換言すれば、SCG端では、通常のマクロセル端に比べて、カバレッジのオーバラップエリアが小さくなる。
図28は、SCG端のスモールセル配置をオーバラップさせない場合のSCG端におけるオーバラップエリアの概念を説明するための図である。
図28(a)では、SCG#Aのスモールセルを参照符号「5001」、「5002」で示す。スモールセル5001,5002によって、カバレッジ5003,5004が構成される。SCG#Aのスモールセルは、実線で示している。また、SCG#Bのスモールセルを参照符号「5005」、「5006」で示す。スモールセル5005,5006によって、カバレッジ5007,5008が構成される。SCG#Bのスモールセルは、破線で示している。
図28(b)では、スモールセル5001からの受信電力を参照符号「5009」で示す。図28(b)の横軸は位置を示し、縦軸は受信電力(RSRP)を示している。スモールセル5001の位置から離れるにつれて、受信電力は低下する。SCG#Aのスモールセルからの受信電力は、実線で示している。
図28(b)では、スモールセル5005からの受信電力を参照符号「5010」で示す。スモールセル5005の位置から離れるにつれて、受信電力は低下する。SCG#Bのスモールセルからの受信電力は、破線で示している。
図28(b)では、UEが信号を受信可能な所定の受信電力を参照符号「5011」で示す。UEが信号を受信可能な所定の受信電力は、UEの受信感度点としてもよい。UEは、前記所定の受信電力5011よりも大きい場合に、信号を受信可能となる。
したがって、図28(b)では、スモールセル5001からの受信電力5009およびスモールセル5005からの受信電力5010の両方とも前記所定の受信電力5011よりも大きくなる範囲において、UEがスモールセル5001およびスモールセル5005の両方から受信可能となり、その範囲がオーバラップエリア(OA)となる。
このように、SCG端のオーバラップエリアは、スモールセル端のオーバラップエリアと同様に狭くなる。したがって、UEの移動時のオーバラップエリアにおける滞留時間が短くなり、HO関連処理を行う時間が十分に得られない場合が生じる。仮想マクロセルモードにおいてモビリティを行っていた場合、SCG間、すなわち、仮想マクロセル間でモビリティ性能が劣化してしまう。本変形例では、これらの問題を解決することを目的とする。
複数のSCG内のスモールセルの配置をオーバラップさせる。SCG端では、隣接するSCGのスモールセルの配置をオーバラップさせる。
このようにすることによって、SCG端における信号電力が、所定の電力よりも大きくなる領域を広げることができ、オーバラップ領域でUEが隣接するSCGどちらの通信品質も確保することができるようになる。このようなSCGで仮想マクロセルモードを運用するとよい。
図29は、SCG端のスモールセル配置をオーバラップさせた場合のSCG端におけるオーバラップエリアの概念を説明するための図である。
図29(a)では、SCG#Aのスモールセルを参照符号「5101」で示す。スモールセル5101によって、カバレッジ5103が構成される。SCG#Aのスモールセルは、実線で示している。また、SCG#Bのスモールセルを参照符号「5102」で示す。スモールセル5102によって、カバレッジ5104が構成される。SCG#Bのスモールセルは、破線で示している。
図29(b)では、スモールセル5101からの受信電力を参照符号「5105」で示す。図29(b)の横軸は、位置を示し、縦軸は受信電力(RSRP)を示している。スモールセル5101の位置から離れるにつれて、受信電力は低下する。SCG#Aのスモールセルからの受信電力は、実線で示している。
図29(b)では、スモールセル5102からの受信電力を参照符号「5106」で示す。スモールセル5102の位置から離れるにつれて、受信電力は低下する。SCG#Bのスモールセルからの受信電力は、破線で示している。
図29(b)では、UEが信号を受信可能な所定の受信電力を参照符号「5107」で示す。UEが信号を受信可能な所定の受信電力は、UEの受信感度点としてもよい。UEは、前記所定の受信電力5107よりも大きい場合に、信号を受信可能となる。
したがって、図29(b)では、スモールセル5101からの受信電力5105を含むSCG#Aのスモールセルからの受信電力、およびスモール5102からの受信電力5106を含むSCG#Bのスモールセルからの受信電力の両方とも前記所定の受信電力5107よりも大きくなる範囲において、UEがSCG#AのスモールセルおよびSCG#Bのスモールセルの両方から受信可能となり、その範囲がオーバラップエリア(OA)となる。
図29に示すように、SCG端で隣接するSCGのスモールセルの配置をオーバラップさせることで、隣接するSCGによって構成される仮想マクロセルのカバレッジ内に信号電力が届く距離を長くすることが可能となる。したがって、隣接するSCGのオーバラップエリアを広くすることが可能となる。これによって、UEの移動時のオーバラップエリアにおける滞留時間を長く保つことが可能となり、HO関連処理を行う時間を十分に確保することが可能となる。
また、仮想マクロセルモード運用時におけるSCG間のHOの失敗を低減させることが可能となり、スモールセル間をUEが移動するときのモビリティ性能を向上させることが可能となる。
本変形例で示した課題を解決する他の方法を、以下に開示する。SCG内の各スモールセルの送信電力を異なるように構成してもよい。SCG端に配置されるスモールセルの送信電力を増大させるとよい。
例えば、SCG端のスモールセルの送信電力を、SCG端における信号電力が通常のマクロセル端における信号電力と同程度になるように調整するとよい。
このようにすることによって、送信電力を増大した隣接する複数のスモールセルにおけるカバレッジのオーバラップエリアを大きくすることができる。すなわち、該スモールセルが配置されたSCG端では、通常のマクロセル端と同等の信号電力あるいはそれよりも大きい信号電力を得ることが可能となる。したがって、端末の受信感度あるいは所定の受信電力までの領域であるオーバラップエリアを広くすることが可能となる。
このようなSCGで仮想マクロセルモードを運用することによって、仮想マクロセルモード運用時におけるSCG間のHOの失敗を低減させることが可能となり、スモールセル間をUEが移動するときのモビリティ性能を向上させることが可能となる。
隣接するSCGにおいて、一方のSCG内の各スモールセルの送信電力を異なるように構成してもよい。一方のSCG端に配置されるスモールセルの送信電力を増大させるとよい。SCG端において配置されるスモールセルの密度は、SCG毎に異なることになるが、隣接するSCGのオーバラップエリアは広くなる。したがって、前述の方法と同様の効果が得られる。
実施の形態2 変形例2.
実施の形態2の変形例1で示した課題を解決する他の方法として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)HO対象UEのシグナリングの送信電力を増大させる。
(2)HO対象UEのシグナリングのMCS(Modulation and Coding Scheme)を低く設定する。
(3)前記(1),(2)の組合せ。
前記の方法(1)において、HO対象UEのシグナリングとして、所定の期間のシグナリングとしてもよい。また、所定の期間のシグナリングとして、HO対象UEおよびHO元セルの少なくとも一方とHO先セルとの間で、HO関連処理の一部あるいは全部が行われている期間としてもよい。
これによって、HO対象UEのHO関連処理に関する一部または全部のシグナリングの送信電力を増大させることができる。したがって、HO対象UEは、HO関連処理の際、HO元セルあるいはHO先セルから、より離れた地点でHO関連処理に関するシグナリングを受信することが可能となる。
また、HO対象UEにとっては、HO元セルとHO先セルとのカバレッジが見かけ上増大することになり、オーバラップエリアが広がることになる。したがって、UEの移動時のオーバラップエリアにおける滞留時間を長く保つことが可能となり、HO関連処理を行う時間を十分に確保することが可能となる。
HO関連処理に関するシグナリングとして、メジャメント設定(measurement configuration)、メジャメント報告(measurement report)のためのシグナリング、モビリティ制御情報(mobility control information)を含むRRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)、RRC接続再設定完了(RRC connection reconfiguration complete)などがある。該シグナリング用スケジューリング情報送信のためのシグナリングも含めてもよい。また、これらシグナリングに対する応答(Ack/Nack)のためのシグナリングも含めてもよい。
特に、モビリティ制御情報(mobility control information)を含むRRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)のシグナリングの送信電力を増大させるようにしてもよい。これは、HO関連処理において該シグナリングが、HO元セルとUE間で行われる最後の処理となる場合が多いからである。
該シグナリングの送信電力を増大させることによって、HO元セルのカバレッジを見かけ上増大させ、モビリティ制御情報(mobility control information)の受信品質を高めることができ、HO関連処理の失敗を低減させることができる。
仮想マクロセルモード運用時におけるSCG間のHOにおいて、前述の方法を適用することによって、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。HO元のSCGのコンセントレータおよびHO先のSCGのコンセントレータの少なくとも一方が、HO対象UEのHO関連処理に関するシグナリングの送信電力を増大させるように制御する。
図30および図31は、実施の形態2の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図30および図31では、前記(1)の方法のシーケンス例を示している。図30と図31とは、境界線BL3の位置で、つながっている。
ステップST5201において、UEは、HO元SCGによって構成される仮想マクロセルとRRC接続(RRC_Connected)状態にある。
ステップST5202において、HO元SCGのコンセントレータは、UEとの間の通信品質をモニタするRLM(Radio Link Monitor)処理を行う。
ステップST5203において、該通信品質が所定の期間、所定の値よりも低下して劣化した場合、HO元SCGのコンセントレータは、該UEとHO関連処理を開始するか否かを判断する。ステップST5203において、HO関連処理を開始すると判断された場合は、ステップST5204に移行し、HO関連処理を開始しないと判断された場合は、ステップST5202のRLM処理に戻る。
ステップST5204において、HO元SCGのコンセントレータは、HO対象となったUEに対するシグナリングの送信電力を増大させることを決定する。送信電力増加量として、所定の量を増加させることを決定する。所定の量は、予め静的に決められていてもよいし、状況に応じて動的に決定されてもよい。図30および図31に示す例では、Aデシベル[dB]増加させることを決定する。
HO元SCGのコンセントレータは、以降の、HO対象UEに対するHO関連処理のシグナリングの送信電力をAデシベル[dB]増加させる。また、HO対象UEからのHO関連処理のシグナリングの送信電力をAデシベル[dB]増加させてもよい。
HO対象UEからのHO関連処理のシグナリングの送信電力を増加させる方法として、該シグナリングのための上り(UL)スケジューリング情報に、送信電力の増大を指示する情報を含めるとよい。例えば、UCI(Uplink Control Information)に、送信電力増加量を示す情報を設けてもよい。本例では、該送信電力増加量を示す情報に、Aデシベル[dB]を設定する。
送信電力の増大を指示する情報を含むULスケジューリング情報を受信したUEは、送信電力をAデシベル[dB]増加させて上りシグナリングを送信する。
図30および図31に示す例では、HO関連処理のシグナリングとして、ステップST5205におけるメジャメントコンフィグレーション(Measurement configuration)メッセージを通知するシグナリング、ステップST5207におけるメジャメント報告用の上り(UL)スケジューリングのためのシグナリング、ステップST5208におけるメジャメント報告(Measurement report)のためのシグナリング、ステップST5214におけるモビリティ制御情報(Mobility control information)メッセージを通知するシグナリングがある。
ステップST5208で、HO対象UEからメジャメント報告(Measurement report)を受信したHO元SCGのコンセントレータは、ステップST5209において、該UEに対してHOを決定する。
ステップST5209でHOを決定した後は、HO元SCGのコンセントレータは、ステップST5210において、HO先SCGのコンセントレータに対して、HO要求(HO request)メッセージを通知する。そのとき、送信電力増大要求を通知してもよい。
HO要求メッセージを受信したHO先SCGのコンセントレータは、ステップST5211において、HO受入を決定する。
ステップST5211でHO受入を決定したHO先SCGのコンセントレータは、図31のステップST5212において、HO対象となったUEに対するシグナリングの送信電力を増大させることを決定する。送信電力増加量として、所定の量を増加させることを決定する。所定の量は、予め静的に決められていてもよいし、状況に応じて動的に決定されてもよい。図30および図31に示す例では、Bデシベル[dB]増加させることを決定する。
HO先SCGのコンセントレータは、以降の、HO対象UEに対するHO関連処理のシグナリングの送信電力をBデシベル[dB]増加させる。また、HO対象UEからのHO関連処理のシグナリングの送信電力をBデシベル[dB]増加させてもよい。
HO対象UEからのHO関連処理のシグナリングの送信電力をBデシベル[dB]増加させる方法は、HO対象UEからHO元SCGのコンセントレータへのシグナリングの送信電力を増加させる方法を適用することができる。
送信電力を増加させるHO関連処理のシグナリングは、HO先SCGのコンセントレータが、HO先SCG内のスモールセルを介して、RRC接続再設定完了(RRC connection reconfiguration complete)を受信するまで、あるいはRRC接続再設定完了(RRC connection reconfiguration complete)を正しく受信したとUEが認識するまでとする。
図30および図31に示す例では、HO関連処理のシグナリングとして、ステップST5216におけるULスケジューリング、ステップST5217におけるRRC接続再設定完了(RRC connection reconfiguration complete)のためのシグナリングがある。
HO受入を決定したHO先SCGのコンセントレータは、ステップST5213において、HO要求応答(HO request ack)を、HO元SCGのコンセントレータに通知する。
HO元SCGのコンセントレータは、ステップST5214において、HO元SCG内のスモールセルを介して、モビリティ制御情報(Mobility control information)を、HO対象UEに対して通知する。
UEは、ステップST5215において、HO先SCG内のスモールセルの検出および同期処理を行う。
ステップST5216において、HO先SCGのコンセントレータは、HO先SCG内スモールセルを介して、ULスケジューリングを、UEに対して送信する。
ULスケジューリングを受信したUEは、該スケジューリング情報を用いて、ステップST5217において、HO先SCG内のスモールセルを介して、コンセントレータとRRC接続が完了したことを表すRRC接続再設定完了(RRC connection reconfiguration complete)メッセージを、HO先SCGのコンセントレータに通知する。
ステップST5218において、HO先SCGのコンセントレータは、パススイッチなど、MME、HO元SCGのコンセントレータとHO完了処理を行う。
HO先SCGのコンセントレータ、HO元SCGのコンセントレータは、ステップST5218のHO完了処理が終了すると、ステップST5219およびステップST5220において、HO対象UEに対するシグナリングの送信電力の増大を停止する。
このように、HO元のSCGのコンセントレータとHO先のSCGのコンセントレータとが、HO対象UEに対して、HO関連処理開始からHO完了処理までの、HO元SCG内のスモールセルあるいはHO先SCG内のスモールセルとUEとの間のシグナリングの送信電力を増大させるように制御することによって、HO対象UEのHO関連処理に関するシグナリングの送信電力を増大させることができる。これによって、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。
HO元SCGのコンセントレータにおいてHOを決定するプロトコロルは、RRCである。実際、送信電力を増大させるのは、下位レイヤのプロトコル、例えばPHYあるいはPHY/MACプロトコルである。したがって、PHYあるいはPHY/MACプロトコルは、どのUEに送信電力を増大させるか、また、どれだけ送信電力を増大させるかを認識する必要がある。
以上のことから、RRCは、PHYあるいはPHY/MACに対して、HO対象UEの送信電力増加量とともに、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子を通知するとよい。これによって、PHYあるいはPHY/MACプロトコルが、送信電力増大量、および、送信電力を増大させるHO対象UEを認識することが可能となる。
したがって、PHYプロトコルにおいて、HO対象UEのHO関連処理のシグナリングに用いられる物理チャネル、例えば、PDSCH、PDCCH、PUSCH、PUCCHなどの送信電力を増大させることが可能となる。
RRCは、PHYあるいはPHY/MACに対して、HO対象UEに対するHO関連処理を開始したとき、図30および図31では、ステップST5204の処理が行われたとき、あるいはHO対象UEに対してHO受入を決定したとき、図30および図31では、ステップST5212の処理が行われたときに、HO対象UEの送信電力増大要求を通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子と、送信電力増加量とを含めるとよい。該通知を受信したPHY/MACは、HO対象UEのシグナリングの送信電力を増大させる。
また、RRCは、PHYあるいはPHY/MACに対して、HO対象UEに対するHO完了処理が行われたとき、図30および図31では、ステップST5219およびステップST5220の処理が行われたときに、HO対象UEの送信電力増大停止要求を通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子を通知するとよい。該通知を受信したPHY/MACは、HO対象UEのシグナリングの送信電力の増大を停止する。
このようにすることによって、仮にPHY/MACが、HO関連処理のシグナリングであることを認識できなかったとしても、PHY/MACは、HO対象となるUEのHO関連処理のシグナリングの送信電力を増大させることが可能となる。これらの方法は、UEに対しても適用することができる。
図32は、実施の形態2の変形例2における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。図32では、前記(1)の方法の他のシーケンス例を示している。図32は、前述の図30および図31と類似しているので、図30および図31に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。図32では、送信電力を増大させるHO関連処理のシグナリングを、HO元SCGのコンセントレータがHO元SCG内のスモールセルからHO対象のUEに対して通知する、モビリティ制御情報メッセージとした場合を示している。
ステップST5301において、HO元SCGのコンセントレータは、メジャメントコンフィグレーション(Measurement configuration)メッセージをUEに通知する。
ステップST5302において、HO元SCGのコンセントレータは、ULスケジューリングをUEに通知する。ステップST5303において、UEは、メジャメント報告(Measurement report)メッセージをHO元SCGのコンセントレータに通知する。
ステップST5303でUEからメジャメント報告メッセージを受信したHO元SCGのコンセントレータは、ステップST5209において、該UEに対してHOを決定する。
ステップST5209でHOを決定した後は、ステップST5304において、HO元SCGのコンセントレータは、HO対象となったUEに対するシグナリングの送信電力を増大させることを決定する。図32に示す例では、Aデシベル[dB]増加させることを決定する。送信電力を増大させるHO関連処理に関するシグナリングとして、ステップST5307におけるモビリティ制御情報(Mobility control information)を含むRRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)とする。該シグナリング用スケジューリング情報送信のためのシグナリングも含めてもよい。また、これらシグナリングに対する応答(Ack/Nack)のためのシグナリングも含めてもよい。
HO元SCGのコンセントレータは、HOを決定した後、ステップST53505において、HO先SCGのコンセントレータに対して、HO要求(HO request)メッセージを通知する。そのとき、送信電力増大要求は通知しない。
ステップST5305でHO要求メッセージを受信したHO先SCGのコンセントレータは、ステップST5211において、HO受入を決定する。
ステップST5211でHO受入を決定したHO先SCGのコンセントレータは、ステップST5306において、HO要求応答(HO request ack)メッセージをHO元SCGのコンセントレータに通知する。
HO元SCGのコンセントレータは、ステップST5307において、HO元SCG内のスモールセルを介して、モビリティ制御情報(Mobility control information)メッセージをHO対象UEに対して通知する。
HO元SCGのコンセントレータは、ステップST5207の処理が正常に終了すると、ステップST5308において、HO対象UEに対するシグナリングの送信電力の増大を停止する。
その後、ステップST5215、ステップST5309、ステップST5310およびステップST5218において、UEは、HO先SCG内のスモールセルを介して、HO先SCGのコンセントレータとMMEとでHO処理を行う。
このように、HO元のSCGのコンセントレータが、HO対象UEに対するHO元SCG内のスモールセルと該UEとの間のモビリティ制御情報メッセージ、すなわちHO指示メッセージのシグナリングの送信電力を増大させるように制御することによって、HO対象UEのモビリティ制御情報メッセージのシグナリングの送信電力を増大させることができる。これによって、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。
また、このようにすることによって、送信電力を増大させるシグナリングを限定することが可能となる。したがって、UEあるいはHO元SCG内のスモールセルの消費電力を低減することができる。
また、HO元あるいはHO先スモールセルの送信電力増大、あるいはUEの送信電力増大による、他セルへの干渉を低減することが可能となる。これによって、通信システムとしてのスループットを増大させることができる。
RRCは、PHYあるいはPHY/MACに対して、HO対象UEに対するHOを決定したとき、図32では、ステップST5304の処理が行われたときに、HO対象UEの送信電力増大要求を通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子と、送信電力増加量とを含めるとよい。該通知を受信したPHY/MACは、HO対象UEのシグナリングの送信電力を増大させる。
また、RRCは、PHYあるいはPHY/MACに対して、HO対象UEに対するモビリティ制御情報メッセージの通知が正常に行われたとき、図32では、ステップST5308の処理が行われたときに、HO対象UEの送信電力増大停止要求を通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子を通知するとよい。該通知を受信したPHY/MACは、HO対象UEのシグナリングの送信電力の増大を停止する。
このようにすることによって、仮にPHY/MACが、HO関連処理のシグナリングであることを認識できなかったとしても、PHY/MACは、HO対象となるUEのモビリティ制御情報メッセージ、すなわちHO指示メッセージのシグナリングの送信電力を増大させることが可能となる。これらの方法は、UEに対しても適用することができる。
前記(2)の方法において、HO対象UEのシグナリングとして、所定の期間のシグナリングとしてもよい。また、所定の期間のシグナリングとして、HO対象UEおよびHO元セルの少なくとも一方とHO先セルとの間で、HO関連処理の一部あるいは全部が行われている期間としてもよい。これによって、HO対象UEのHO関連処理に関する一部または全部のシグナリングのMCSを低く設定することができる。
前記(2)の方法を用いることによって、HO対象UEにおけるHO関連処理に関するシグナリングの受信品質が向上する。これによって、HO対象UEは、HO関連処理の際、HO元セルあるいはHO先セルから、より離れた地点でHO関連処理に関するシグナリングを受信することが可能となる。また、HO対象UEにとっては、HO元セルとHO先セルとのカバレッジが見かけ上増大することになり、オーバラップエリアが広がることになる。したがって、UEの移動時のオーバラップエリアにおける滞留時間を長く保つことが可能となり、HO関連処理を行う時間を十分に確保することが可能となる。
HO関連処理に関するシグナリングとしては、前記(1)の方法と同様である。特に、モビリティ制御情報(mobility control information)を含むRRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)のシグナリングのMCSを低く設定するようにしてもよい。これによって、HO元セルのカバレッジを見かけ上増大させ、モビリティ制御情報(mobility control information)の受信品質を高めることができ、HO関連処理の失敗を低減させることができる。
仮想マクロセルモード運用時におけるSCG間のHOにおいて、前述の方法を適用することによって、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。HO元のSCGのコンセントレータおよびHO先のSCGのコンセントレータの少なくとも一方が、HO対象UEのHO関連処理に関するシグナリングのMCSを低く設定するように制御する。低いMCSとは、低次の変調方式および低レートのコーディングレートの少なくとも一方である。
前述の図32に示す前記(2)の方法のシーケンス例は、前述の図30および図31に示す前記(1)の方法のシーケンス例において、「送信電力増大」を、「MCSを低く設定」に置き換えればよい。MCSを低く設定する方法としては、低いMCSを予め静的に設定しておいてもよい。あるいは、状況に応じてMCSを低く設定するようにしてもよい。
例えば、下りシグナリングは、UEからのCQIで通知されたMCS設定よりもnランク低く設定する、などである。あるいは、従来の方法を用いて設定されたMCSよりもnランク低く設定するようにしてもよい。nランクは、オフセット値として予め静的に決められていてもよいし、シグナリングの種類に応じて、あるいは通信品質状況に応じて、適宜動的に決定されてもよい。SCGのコンセントレータが決定するとよい。
HO対象UEからの上りシグナリングに関しては、前記(1)の方法と同様に、上りシグナリングのための上りスケジューリング情報に、低いMCSの設定を指示する情報を含ませるとよい。例えば、UCIに、MCSオフセット量を示す情報を設けてもよい。例えば、該MCSオフセット量を示す情報に、nランクを設定する。低いMCS設定を指示する情報を含むULスケジューリング情報を受信したUEは、低いMCS設定として上りシグナリングを送信する。
このように、HO元のSCGのコンセントレータおよびHO先のSCGのコンセントレータの少なくとも一方が、HO対象UEに対して、HO関連処理に関するHO元SCG内のスモールセルあるいはHO先SCG内のスモールセルとUE間のシグナリングのMCSを低く設定するように制御する。これによって、HO対象UEのHO関連処理に関するシグナリングのMCSを低く設定することができる。したがって、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。
前述の(1)または(2)の方法で、HO対象UEからの上りシグナリングの送信電力の増大または低いMCSの設定については、該上りシグナリングのための、上りスケジューリング情報を用いてHO対象UEに通知する方法を開示した。他の方法について、以下に開示する。
HO元SCGのコンセントレータおよびHO先SCGのコンセントレータの少なくとも一方から、HO対象のUEに対して、RRCシグナリングを用いて、上りシグナリングの送信電力の増大または低いMCSの設定の指示メッセージを通知する。RRCシグナリングを用いることによって、送信電力の増大指示または低MCSの設定指示を、より確実にUEに通知することが可能となる。
RRCシグナリングとしては、新たなメッセージを設けてもよいし、メジャメント設定(measurement configuration)を用いてもよい。また、モビリティ制御情報メッセージを用いてもよい。
例えば、新たなメッセージを設ける場合、HO元SCGのコンセントレータおよびHO先SCGのコンセントレータの少なくとも一方は、HO対象UEに対して、HO関連処理を開始したとき、前述の図30および図31では、ステップST5204の処理が行われたとき、あるいはHO対象UEに対してHO受入を決定したとき、図30および図31では、ステップST5212の処理が行われときに、送信電力増大指示メッセージまたは低MCS設定指示メッセージを通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子と、送信電力増加量あるいはMCS低減量(オフセット量)とを含めるとよい。該通知を受信したHO対象UEは、上りシグナリングの送信電力を増大させる。
また、HO元SCGのコンセントレータおよびHO先SCGのコンセントレータの少なくとも一方は、HO対象UEに対して、HO対象UEに対するHO完了処理が行われたとき、図30および図31では、ステップST5219およびステップST5220の処理が行われたときに、HO対象UEの送信電力増大停止指示または低MCS設定指示を通知する。該通知に、HO対象UEを特定するためのHO対象UEの識別子を通知するとよい。該通知を受信したUEは、上りシグナリングの送信電力の増大または低MCSの設定を停止する。
このほか、メジャメント設定(measurement configuration)またはモビリティ制御情報メッセージを用いて、上りシグナリングの送信電力の増加または低MCSの設定を指示するようにしてもよい。既存のメッセージに、新たに、送信電力増加量あるいはMCS低減量(オフセット量)のパラメータ、該設定を要求するパラメータを設けるとよい。既存のメッセージを用いることによって、他の情報と併せて通知することが可能となるので、シグナリング量の低減を図ることが可能となる。
従来、HO対象UEのHO関連処理のシグナリングのスケジューリングには、PDCCHが用いられる。PDCCHは、セルの傘下の全てのUEのスケジューリング情報が含まれる。したがって、前述の方法を、HO対象UEのHO関連処理のシグナリングのスケジューリングに適用した場合、SCGの傘下の全てのUEのスケジューリング情報のためのPDCCHの送信電力が大きくなる。この場合、SCGの傘下の他のUEに対しては、無駄な設定となる。
この問題を解決するために、HO対象UEのHO関連処理のシグナリングのスケジューリングには、EPDCCHを用いるとよい。
EPDCCHは、PDSCH領域を用いてUEに通知される物理制御チャネルである。HO対象UEに対してのEPDCCHを構成し、HO関連処理のシグナリングのスケジューリングに用いるとよい。該EPDCCHの送信電力を増大する、あるいは、MCSを低く設定するようにすればよい。
このようにすることによって、HO対象UEに対するHO関連処理のシグナリングのスケジューリング情報の受信品質を高めることが可能となり、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。
また、HO関連処理のシグナリングのスケジューリングの通信品質が劣化した場合に、EPDCCHに切替えるようにしてもよい。該EPDCCHの送信電力を増大する、あるいは、MCSを低く設定することによって、HO対象UEに対するHO関連処理のシグナリングのスケジューリング情報の受信品質を高めることが可能となり、SCG間のHOの失敗を低減させることが可能となる。
他方、HO関連処理のシグナリングのスケジューリングの通信品質が良好である場合は、PDCCHを用いてスケジューリングする。この場合、通信品質が良好であるので、PDCCHの送信電力の増大、あるいはMCSを低く設定する必要はない。PDCCHを用いてスケジューリングすることによって、EPDCCHを設ける必要が無く、EPDCCH設定に必要となる物理リソースを削減することができる。
EPDCCHに切替えられるようにすることによって、UEの移動による時間的および空間的に変動する電波環境に応じて、使用する物理リソースの最適化を図ることができる。これによって、物理リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
本変形例で開示した方法は、仮想マクロセルモード運用時におけるSCG間のHOだけでなく、通常のスモールセル間のHOにも適用することが可能である。通常のスモールセル間のHOに適用した場合でも、本変形例と同様に、スモールセル間のHO失敗を低減させることが可能となる。
実施の形態2 変形例3.
SCG内のスモールセルが仮想マクロセルを構成する場合、SCG内の各スモールセルが同一の通信を行う。したがって、上りリンクにおいて、UEは、各スモールセルを認識せずに、1つのセルとして上り送信を行う。換言すれば、仮想マクロセルに対して、上り送信を行う。この場合、UEの送信電力制御方法が問題となる。
従来の送信電力制御方法では、UEの送信電力は、UEと通信を行う1つのセルの上りリンクの通信品質によって決定される。しかし、仮想マクロセルの場合、仮想マクロセルは複数のセルで構成されるので、単純に従来の方法を適用することができないという問題がある。本変形例では、この問題を解決することを目的とする。
SCG内のスモールセルが仮想マクロセルを構成して、SCGの傘下のUEと通信を行う場合におけるUEの送信電力制御方法として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)SCG内の各スモールセルにおけるUEからの受信電力あるいは受信品質を選択合成。
(2)SCG内の各スモールセルにおけるUEからの受信電力あるいは受信品質を等価合成。
(3)SCG内の各スモールセルにおけるUEからの受信電力あるいは受信品質を最大比合成。
前記(1)、(2)または(3)の方法で合成した結果に基づいて、UEの送信電力を設定する。受信品質の具体例としては、SINR(Signal to Interference and Noise power Ratio)などがある。受信電力あるいは受信品質の合成、およびそれに基づいた送信電力の設定は、SCGを制御するコンセントレータが行うとよい。すなわち、上り送信電力制御は、SCGを制御するコンセントレータの機能とするとよい。
各スモールセルは、UEからの受信電力あるいは受信品質を測定し、測定結果をコンセントレータに通知する。コンセントレータは、対象となるUEの、各スモールセルからの受信電力あるいは受信品質測定結果を取得し、該測定結果を前記(1)〜(3)のいずれかの方法で合成する。
コンセントレータは、合成結果に基づいて、対象となるUEの送信電力を設定する。コンセントレータは、UEに対して、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルを介して、設定した送信電力を通知する。設定した送信電力は、上りのスケジューリング情報として通知するとよい。
このようにすることによって、UEとしては、SCG内の各スモールセルを認識する必要がなく、1つのセル(仮想マクロセル)として送信電力を設定することができ、上り送信を行うことが可能となる。
また、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルを利用することによって、UEからの上り受信電力あるいは受信品質を最適になるように制御することが可能となる。
実施の形態2 変形例4.
実施の形態2の変形例2において、仮想マクロセルを構成するSCG間のHO失敗を低減させるために、HO対象UEのHO関連処理に関するシグナリングのMCSを低く設定する方法を開示した。
他方、UEは、SCG間の移動だけでなく、SCG内のスモールセル間の移動においても、受信電力の急激な変化が生じる可能性がある。この場合、MCSの選択が追従できなくなってしまい、通信品質の劣化あるいは無線リソースの使用効率の低下につながる。このような場合、SCGは仮想マクロセルを構成しているので、UEは、SCG内の各スモールセル間の移動を認識しない。したがって、実施の形態2の変形例2の方法を適用することができないという問題がある。本変形例では、この問題を解決することを目的とする。
仮想マクロセルモード運用時のシグナリングは、予め所定のMCSに設定する。該シグナリングは、Uuインタフェース上のシグナリングである。所定のMCSは、予め規格などで静的に決められてもよいし、コンセントレータによって準静的に設定されてもよい。
所定のMCSは、想定される最低の受信電力でも受信可能なMCSとするとよい。例えば、MCSは、低レートに設定する。MCSは、最低レートに設定してもよい。あるいは、MCSは、制御チャネルまたは制御信号に使用されるMCS設定の中で、最低のMCS設定と同じに設定にしてもよい。
このようにすることによって、SCG内のスモールセル間の移動においても、受信電力の急激な変化による通信品質の劣化、あるいは無線リソースの使用効率の低下を抑制することができる。
低いMCSに設定することによって、無線リソースの使用量は増大するが、仮想マクロセルとUEとの間の通信を、所定のシグナリングおよび制御プレイン(C-plane)接続、あるいは所定のシグナリングと一部のデータ通信などに限定することによって、無線リソースの使用量の増大を抑えることが可能となる。
実施の形態2 変形例5.
実施の形態2において、個別のセルとして動作するスモールセルは、仮想マクロセルとして動作する場合のキャリア周波数と異なるキャリア周波数を有してもよいことを開示した。しかし、オペレータに与えられた周波数割当状況として、複数のキャリア周波数を持てない場合も考えられる。
本変形例では、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの運用を同一のキャリア周波数で行う方法について開示する。
仮想マクロモードおよび個別スモールセルモードを、同一周波数キャリアを用いて、時分割で行う。仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルは、同期がとられているので、この方法が可能である。
時分割の方法として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)無線フレーム単位とする。
(2)サブフレーム単位とする。
前記(1)の無線フレーム単位とする場合、仮想マクロセルモードで運用する無線フレームと個別セルモードで運用する無線フレームとを異ならせる。仮想マクロセルモードで運用する無線フレームと個別セルモードで運用する無線フレームとでは、PCIの設定が異なる。仮想マクロセル用のPCIと個別セル用のPCIとが用いられる。
どの無線フレームを仮想マクロセルモードで運用するか、どの無線フレームを個別セルモードで運用するか、というモード間無線フレーム構成は、仮想マクロセルからUEに通知するとよい。仮想マクロセルがマスタセルとなる場合に適している。デュアルコネクティビティに用いる第2セルの構成をUEに通知するとともに、モード間無線フレーム構成を通知するとよい。
モード間無線フレーム構成として、所定の無線フレーム内で、各無線フレームで運用されるモードが示されるようにするとよい。該所定の無線フレームの構成が繰り返し設定される。所定の無線フレーム内の各無線フレームの運用モードは、各無線フレームに対応するビットマップで通知されてもよい。例えば、所定の無線フレームが20無線フレームで決定され、20ビットを用いて該20無線フレーム内の各無線フレームで運用されるモードが示される。例えば、「0」が仮想マクロセルモード運用、「1」が個別セルモード運用、などである。該20無線フレームが繰り返し設定される。
無線フレーム毎にモード設定を行うことによって、サブフレームの構成に関係なく、柔軟にモード設定を行うことが可能となる。
前記(2)のサブフレーム単位とする場合、仮想マクロセルモードで運用するサブフレームと個別セルモードで運用するサブフレームとを異ならせる。仮想マクロセルモードで運用するサブフレームと個別セルモードで運用するサブフレームとでは、PCIの設定が異なる。仮想マクロセル用のPCIと個別セル用のPCIとが用いられる。
この場合、SSおよびPBCHなど、マッピングされるサブフレームナンバが静的に決められているものがある。これに関しては、各モードで、SSおよびPBCHを、マッピングするサブフレームナンバを異ならせるようにするとよい。あるいは他の方法として、SSおよびPBCHのマッピングが不要なNCT(New carrier type)を用いてもよい。
モード間サブフレーム構成として、所定のサブフレーム内で、各サブフレームで運用されるモードが示されるようにするとよい。該所定のサブフレームの構成が繰り返し設定される。
所定のサブフレーム内の各サブフレームの運用モードは、各サブフレームに対応するビットマップで通知されてもよい。例えば、所定のサブフレームが10サブフレームで決定され、10ビットを用いて該10サブフレーム内の各サブフレームで運用されるモードが示される。例えば、「0」が仮想マクロセルモード運用、「1」が個別セルモード運用、などである。該10サブフレームが繰り返し設定される。また、SSおよびPBCHなどがマッピングされるサブフレームナンバも設定される。
前記(1)の方法と同様に、モード間サブフレーム構成は、仮想マクロセルからUEに通知するとよい。仮想マクロセルがマスタセルとなる場合に適している。デュアルコネクティビティに用いる第2セルの構成をUEに通知するとともに、モード間サブフレーム構成を通知するとよい。
サブフレーム毎にモード設定を行うことによって、時間的に細かい単位でモード設定を行うことが可能となる。したがって、無線リソースの使用効率を向上させることが可能となる。
実施の形態2 変形例6.
実施の形態2において、仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルは同一の通信を行うので、SCG内の各スモールセルの物理リソースの構成を同一にすることを示した。また、レイヤ1における物理チャネルおよび信号を同一の物理リソースにマッピングすることなどを示した。
しかし、SCG内で、あるスモールセルのカバレッジ内にはUEが存在するが、他のスモールセルのカバレッジ内にはUEが存在しないような場合がある。この場合、SCG内のスモールセルが同一の通信を行うことは、消費電力の無駄となる場合がある。本変形例では、この問題を解決することを目的とする。
仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルは、個別に送信をオン/オフする。
仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルは、物理チャネルおよび信号を同一の物理リソースにマッピングするが、各スモールセル個別に該物理リソースの送信をオン/オフする。
送信のオン/オフは、コンセントレータから通知されるとよい。例えば、UEの位置情報をコンセントレータが取得し、SCG内の傘下のUEが存在しないスモールセルの送信をオフする。この場合、該スモールセルに送信をオフする送信オフの指示を通知するとよい。また、送信をオフしているスモールセルにUEが近づいた場合、該スモールセルの送信をオンする。この場合、該スモールセルに送信をオンする送信オンの指示を通知するとよい。
このように、仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルは、個別に送信をオン/オフすることによって、多数のスモールセル運用時におけるスモールセル全体の消費電力を低減することが可能となる。
また、SCG端に配置されるスモールセルは送信をオフしない、としてもよい。これによって、該SCGに隣接するSCG内に位置するUEが、該SCGによって構成される仮想マクロセルのメジャメントを行うことを可能にすることができる。したがって、該SCGによって構成される仮想マクロセルへのHOなどのモビリティを可能にすることができる。
また、各スモールセル個別に全ての物理リソースの送信をオン/オフするのではなく、各スモールセル個別に、特定の物理リソース、例えば、特定のRB(Resource Block)、およびPBCHがマッピングされる物理リソースなどの送信をオン/オフするようにしてもよい。また、特定のUEに割当てられる物理リソースの送信をオン/オフするようにしてもよい。
これによって、例えば、SCG内の傘下のスモールセルに存在しないUEにスケジューリングされているPDSCHがマッピングされる物理リソースの送信をオフすることなどが可能となる。また、不要なUEへの送信をオフすることが可能となる。また、スモールセルの傘下にUEが全く存在しない場合だけでなく、消費電力を低減することが可能となる。
また、送信をオン/オフするのではなく、送受信をオン/オフするようにしてもよい。これによって、送信側だけでなく、受信側の消費電力も低減することができる。
個別セルモードで運用しているスモールセルのカバレッジ内に、該スモールセルと接続状態にあるUEが存在するような場合は、他の個別セルモードで運用しているスモールセルにそれらのUEをハンドオーバさせてから送信をオフするようにしてもよい。あるいは、仮想マクロセルにそれらのUEをハンドオーバさせてから送信をオフするようにしてもよい。
送信をオフしない個別セルモードで運用しているスモールセル、あるいは、仮想マクロセルに、それらのUEをハンドオーバさせることによって、それらのUEは通信を継続することが可能となる。
ハンドオーバさせてから送信をオフすると説明したが、その詳細なタイミングについて開示する。送信をオフする個別セルモードで運用しているスモールセルの送信オフのタイミングとしては、該スモールセルと接続状態にあるUEに対してモビリティ制御情報を送信した後に行うとよい。
例えば、ターゲットとなる個別セルモードで運用しているスモールセルあるいは仮想マクロセルからのハンドオーバコマンドを、それらのUEに対して送信した後に行うとよい。これは、ハンドオーバのシグナリングのうち、モビリティ制御情報の送信が、ハンドオーバ元のセルからUEに対して送信する最後のシグナリングだからである。
このようにすることによって、ハンドーバ元のセルの送信をオフしたとしても、ハンドオーバさせるUEに対する影響を最小限に抑えることが可能となる。したがって、送信をオフする該スモールセルと接続状態にあるUEが、HOFあるいはRLFとなって接続状態を維持できなくなることを低減することが可能となる。
実施の形態2 変形例7.
実施の形態2では、仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルは同一の通信を行うので、SCG内の各スモールセルのセルスペシフィックなRSを同一の物理リソースにマッピングするようにしている。したがって、各セルの各アンテナに対応するRSは、同一のリソースにマッピングされて送信される。また、送信ダイバーシチおよびMIMO(Multiple Input Multiple Output)で各セルの各アンテナが用いられる場合、各セルの各アンテナからのデータは、同一のデータが同一の物理リソースにマッピングされて送信される。
図33は、SCG内の各セルが4つのアンテナを有する場合の構成を説明するための図である。図33では、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルを参照符号「5401」、「5403」、「5405」、「5407」で示す。
各スモールセル5401,5403,5405,5407によって、カバレッジ5402,5404,5406,5408が構成される。各セルは、4つのアンテナを有する。スモールセル5401は、4つのアンテナ5401−1〜5401−4を有する。スモールセル5403は、4つのアンテナ5403−1〜5403−4を有する。スモールセル5405は、4つのアンテナ5405−1〜5405−4を有する。スモールセル5407は、4つのアンテナ5407−1〜5407−4を有する。
このような場合、アンテナ5401−1,5403−1,5405−1,5407−1に対応するRSは、同一のリソースにマッピングされて送信される。また、これらのアンテナ5401−1,5403−1,5405−1,5407−1から同一のデータが同一の物理リソースにマッピングされて送信される。
同様に、アンテナ5401−2,5403−2,5405−2,5407−2からの送信、アンテナ5401−3,5403−3,5405−3,5407−3からの送信、アンテナ5401−4,5403−4,5405−4,5407−4からの送信も同一となる。
これによって、スモールセルが複数のアンテナを有する場合も、複数のアンテナを有する1つの仮想的なマクロセルとして構成される。UEは、複数のアンテナを有する仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルを各々判別する必要がなく、1つのセルとしてみなすことができる。
アンテナの組合せ方法は、これに限らず、仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルの各アンテナを任意に組合せてもよい。
図33を用いて、仮想マクロセルを構成するSCG内の各スモールセルの各アンテナの組合せの例を説明する。アンテナ5401−1,5401−2,5401−3,5401−4に対応するRSは、同一のリソースにマッピングされて送信される。また、これらのアンテナ5401−1,5401−2,5401−3,5401−4から同一のデータが同一の物理リソースにマッピングされて送信されるように、アンテナの組合せを構成する。
同様に、アンテナ5403−1,5403−2,5403−3,5403−4からの送信、アンテナ5405−1,5405−2,5405−3,5405−4からの送信、アンテナ5407−1,5407−2,5407−3,5407−4からの送信も同一となるようにする。このようにすることによって、異なる送信を行うアンテナ間の距離を離すことが可能となる。
アンテナの組合せ方法を柔軟に行うことによって、仮想マクロセルは、複数のアンテナを構成することができ、送信ダイバーシチおよびMIMOなどによる利得を最適にすることが可能となる。
本実施の形態およびその変形例では、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両方で運用されるスモールセルを「セル」と称しているが、仮想マクロセルモードで運用されるスモールセル(以下「仮想マクロセルモード運用セル」という場合がある)、および個別セルモードで運用されるスモールセル(以下「個別セルモード運用セル」という場合がある)をそれぞれ、「セル」と称してもよい。スモールeNBは、仮想マクロセルモード運用セルと個別セルモード運用セルとの2つのセルを構成するように構成されてもよい。
本実施の形態およびその変形例で開示した方法は、実施の形態1およびその変形例で開示した方法と適宜組合せて使用してもよい。
例えば、仮想マクロセルモードおよび個別セルモードの両運用を行うスモールセルと、デュアルコネクティビティを行わないUEとが通信を行う場合に、実施の形態1およびその変形例で開示した方法を適用することができる。デュアルコネクティビティを行わないUEは、仮想マクロセルを構成するSCG内のスモールセルとの間で、仮想マクロセルモードあるいは個別セルモードのいずれか一方で通信する。
換言すると、デュアルコネクティビティを行わないUEは、仮想マクロセルあるいは個別スモールセルのいずれかで通信する。このような場合、実施の形態1およびその変形例で開示した方法を組合せて使用してもよい。例えば、仮想マクロセルまたはマクロセルのグループと、個別スモールセルのグループとを設けておき、UEが、在圏すべきグループへの移行判定を行う。在圏すべきセルの判定は、RRC_Idleの場合、例えばセル選択、セル再選択のときはUEが行い、RRC_Connectedの場合、例えば、HOのときは、セルが行う。
このようにすることによって、多数のスモールセルのみが運用されている状況でも、仮想マクロセルを含むグループへのモビリティを可能にし、さらに、モビリティのためのメジャメント期間を短縮することが可能となる。したがって、モビリティ性能を向上することが可能となる。
デュアルコネクティビティを行わないUEとしては、デュアルコネクティビティのケーパビリティの無いUE、およびデュアルコネクティビティをサポートする規格より前の規格に対応のレガシーUEも含まれる。
実施の形態3.
実施の形態2で述べたように、多数のスモールセルが設置される場合の運用方法として、デュアルコネクティビティが検討されている。デュアルコネクティビティを行っているUEに対するページングは、マスタセルからUEに通知されることが検討されている。マスタセルは、マスタeNBによって構成されるセルである。マスタeNBによって構成されるセルは、1つであってもよいし、複数であってもよい。マスタeNBは、デュアルコネクティビティにおいて、S1−MMEインタフェースを終端するeNBである。
他方、3GPPでは、緊急地震速報(Earthquake and Tsunami Warning System:ETWS)およびCMAS(Commercial Mobile Alert System)など、緊急情報をUEに報知するシステム(Public Warning System:PWS)が規格化されている(非特許文献1および非特許文献10参照)。PWSにおいて、緊急情報の存在は、ページングを用いてUEに通知される。また、緊急情報自体は、システム情報としてSIBに含められて報知される。ページングによって緊急情報の存在情報を受信したUEは、所定の緊急情報がのるSIBを受信する。このようにすることによって、UEは、緊急情報を受信することが可能となる。
実施の形態3で解決する課題について、以下に説明する。例えば、マクロセルの傘下のUEは、該マクロセルからのページングによって緊急情報の存在情報を受信した場合、該マクロセルからの緊急情報がのるSIBを受信する。このとき、マクロセルとUEとの間の急激な電波環境の変化によって、マクロセルからの下りリンクの通信品質が急激に劣化する場合が生じる。例えば、UEがページングを受信した後、UEとマクロセルとの間に大型バスが停止する場合などである。この場合、UEは、マクロセルからの緊急情報がのるSIBを受信することが不可能となる。本実施の形態では、この問題を解決することを目的とする。
デュアルコネクティビティを行っているUEは、ページングによって緊急情報の存在情報を受信し、ページングを通知したセルの緊急情報が含まれるSIBを受信できなかった場合、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報を受信する。
具体的には、UEは、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報が含まれるSIBを受信するとよい。ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報が含まれるSIBは、例えば、3GPPの規格(非特許文献10参照)では、SIB10、SIB11、SIB12である。SIB10およびSIB11には、ETWSの緊急情報が含まれる。SIB12には、CMASの緊急情報が含まれる。UEは、ページングに含まれる緊急情報の存在情報に応じて、どのSIBを受信するかを決定する。ページングに含まれる緊急情報の存在情報としては、「etws-indication」、「cmas-indication」がある。
また、UEは、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報が含まれるSIBを受信するため、そのSIBを受信するために必要なSIBを受信する。具体的には、UEは、SIB1を受信する。SIB1には、各SIBのスケジューリング情報が存在する。UEは、SIB1を受信して、緊急情報が含まれるSIBのスケジューリング情報を取得する。
これによって、デュアルコネクティビティを行っているUEは、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報を受信することが可能となる。
デュアルコネクティビティを行っているUEは、ページングによって緊急情報の存在を受信したとき、直ちに、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報を受信してもよい。
また、ページングを通知したセルの緊急情報の受信処理と、ページングを通知したセルとは異なるセルの緊急情報の受信処理とを同時に行ってもよい。
このようにすることによって、UEは、可及的速やかに緊急情報を受信することが可能となる。
緊急情報は、MMEからeNBに通知される。従来、例えば、MMEは、所定のマクロeNBにのみ緊急情報を通知する。この場合、該マクロeNBが、所定のスモールeNBとデュアルコネクティビティが可能であったとしても、MMEは、スモールeNBに緊急情報を通知しない。したがって、このままだと、UEは、スモールセルから緊急情報を受信することは不可能である。
したがって、MMEは、所定のeNBに緊急情報を通知するとき、該eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBにも緊急情報を通知するとよい。これによって、デュアルコネクティビティを行う複数のeNBの全てから緊急情報が通知されることが可能になる。したがって、デュアルコネクティビティを行っているUEは、ページングを通知したセルとは異なるセルから緊急情報を受信することが可能となる。
この方法は、MMEがデュアルコネクティビティを行うeNBの情報を認識している場合に有効である。
MMEは、予め、傘下のeNBから、デュアルコネクティビティが可能な他のeNBの情報を取得しておくとよい。例えば、eNBは、セットアップおよびアップデートのときに、S1シグナリングでMMEに通知してもよい。S1シグナリングとしては、例えばeNB設定アップデート(eNB configuration update)メッセージを用いてもよい。該メッセージに、デュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を含めてMMEに通知する。これによって、新たなメッセージを設ける必要が無く、他のeNBの構成のアップデート情報とともに通知できるので、シグナリング量を低減することが可能となる。
また、MMEは、予め、OAM(operation administration and maintenance)から、デュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を取得しておくようにしてもよい。デュアルコネクティビティが可能なeNBの情報としては、任意のeNBと、該eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBのリストでもよい。OAMに、デュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を管理させるような場合に有効である。
MMEは、傘下のeNBに対して、デュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を通知してもよい。eNBの情報は、S1シグナリングで通知してもよい。eNBの情報としては、MMEが認識可能なeNB識別子などとするとよい。eNB識別子としては、例えば、「Global eNB ID」がある。
図34は、従来の緊急情報通知システムを、デュアルコネクティビティを行っているUEに適用した場合のシーケンスを示す図である。
ステップST5601〜ステップST5604において、UEは、マクロセルおよびスモールセルとデュアルコネクティビティを行っている。マクロセルを構成するマクロeNBがマスタ(Master)eNBであり、スモールセルを構成するスモールeNBがセカンダリ(Secondary)eNBである場合を示している。セカンダリeNBは、デュアルコネクティビティを行うためにUEと接続する第2のセルである。図34において、UEは、マクロセルからページングを受信している。
緊急情報が発生した場合、ステップST5605において、セルブロードキャストセンター(Cell Broadcast Center:CBC)から、MMEに緊急情報が通知される。緊急情報としては、ETWSとする。
ステップST5605で緊急情報を受信したMMEは、ステップST5606において、傘下の所定のeNB、ここではマクロセルを構成するマクロeNBであるマスタeNBに緊急情報を通知する。緊急情報の通知には、書き込み−置換え警報処理(Write-Replace Warning procedure)が用いられる。S1シグナリングとしては、書き込み−置換え警報要求(WRITE-REPLACE WARNING REQUEST)メッセージが用いられる。
ステップST5606で緊急情報を受信したマスタeNBは、ステップST5607において、該eNBが構成するマクロセルから傘下のUEに対して、ページングにETWSの存在を示す情報(以下「ETWS存在情報」という場合がある)を含めて通知する。
また、マスタeNBは、ステップST5610において、マスタeNBが構成するマクロセルから傘下のUEに対して、緊急情報(ETWS)を、SIB10およびSIB11の少なくとも一方にのせて通知する。
また、ステップST5609において、マスタeNBは、該eNBが構成するマクロセルから傘下のUEに対して、SIB10およびSIB11の少なくとも一方のスケジューリング情報を、SIB1に含めて通知する。
ステップST5608において、UEは、ステップST5607で受信したページングに含まれるETWS存在情報によって、ETWSが存在しているか否かを判断する。ステップST5608において、ETWSが存在しないと判断された場合は、通常のデュアルコネクティビティの状態に戻る。ステップST5608において、ETWSが存在していると判断された場合は、ステップST5609のSIB1を受信して、SIB10、SIB11のスケジューリング情報を得る。そして、ステップST5610において、SIB10、SIB11を受信して、緊急情報(ETWS)を取得する。
緊急情報(ETWS)を所定の周期で所定の期間通知したマスタeNBは、ステップST5611において、緊急情報終了メッセージとして、警報応答(Warning response)メッセージをMMEに通知する。
このようにすることによって、デュアルコネクティビティを行っているUEは、マクロセルから緊急情報を受信することが可能となる。
しかし、前述のように、例えば、UEがページングを受信した後、UEとマクロセルとの間に大型バスが停止するなどして、マクロセルからの下りリンクの通信品質が急激に劣化した場合、UEは、ステップST5609およびステップST5610におけるマクロセルからの緊急情報がのるSIB、およびそのスケジューリング情報であるSIBを受信することが不可能となる。したがって、マクロセルのみから緊急情報を受信するUEは、緊急情報を受信できなくなってしまう。
図35は、実施の形態3における緊急情報通知システムのシーケンスの一例を示す図である。図35は、前述の図34と類似しているので、図34に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5605で緊急情報を受信したMMEは、ステップST5606において、傘下の所定のeNB、ここではマクロセルを構成するマクロeNBであるマスタeNBに緊急情報を通知する。これに加えて、ステップST5701において、MMEは、所定のeNBとデュアルコネクティビティが可能なeNB、ここではスモールeNBであるセカンダリeNBに対して、緊急情報を通知する。この緊急情報の通知にも、書き込み−置換え警報処理(Write-Replace Warning procedure)を用いてもよい。S1シグナリングとしては、書き込み−置換え警報要求(WRITE-REPLACE WARNING REQUEST)メッセージを用いてもよい。
ステップST5701で緊急情報を受信したセカンダリeNBは、ステップST5703において、該eNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、ページングにETWS存在情報を含めて通知する。
また、セカンダリeNBは、ステップST5704において、該eNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、緊急情報(ETWS)を、SIB10およびSIB11の少なくとも一方にのせて通知する。
また、ステップST5703において、セカンダリeNBは、該eNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、SIB10およびSIB11の少なくとも一方のスケジューリング情報を、SIB1に含めて通知する。
ステップST5608において、緊急情報(ETWS)が存在すると判断された場合、UEは、ステップST5609およびステップST5610において、ステップST5607のページングを送信したマクロセルからの緊急情報の受信を試みる。
ステップST5702において、UEは、マクロセルから緊急情報(ETWS)を受信できたか否かを判断する。ステップST5702において、緊急情報(ETWS)を受信できたと判断された場合は、従来の緊急情報受信時の処理に移行する。ステップST5702において、マクロセルから緊急情報を受信できなかったと判断された場合は、ステップST5703においてスモールセルからのSIB1を受信して、SIB10、SIB11のスケジューリング情報を得る。そして、ステップST5704において、スモールセルからのSIB10、SIB11を受信して、緊急情報(ETWS)を取得する。
緊急情報(ETWS)を所定の周期で所定の期間通知したセカンダリeNBは、ステップST5705において、緊急情報終了メッセージとして、警報応答(Warning response)メッセージをMMEに通知する。
このようにすることによって、デュアルコネクティビティを行っているUEが、マクロセルから緊急情報を受信できなかった場合に、スモールセルから緊急情報を受信することが可能となる。
デュアルコネクティビティを行う複数のeNBの全てが、MMEから緊急情報を受信する他の方法を開示する。
MMEは、所定のeNBに緊急情報を通知する。MMEから緊急情報を受信したeNBは、自eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBに緊急情報を通知するとよい。これによって、デュアルコネクティビティを行う複数のeNBの全てから緊急情報が通知されることが可能になり、デュアルコネクティビティを行っているUEは、ページングを通知したセルとは異なるセルから緊急情報を受信することが可能となる。
この方法は、eNBが自eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を認識している場合に有効である。また、MMEがデュアルコネクティビティを行うeNBの情報を認識していない場合に有効である。
eNBは、予め、MMEからデュアルコネクティビティが可能な他のeNBの情報を取得しておいてもよい。
例えば、MMEは、eNBに通知する緊急情報とともに、該eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を通知する。これによって、eNBは、デュアルコネクティビティが可能な自eNBに緊急情報を通知することが可能となる。また他の例として、MMEは、eNBのセットアップおよびアップデートのときに、S1シグナリングでeNBに通知してもよい。
eNBは、予め、OAMからデュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を取得しておくようにしてもよい。MMEを介さずに、直接OAMから該情報を取得する。OAMにデュアルコネクティビティが可能なeNBの情報を管理させるような場合に有効である。
eNBの情報としては、MMEが認識可能なeNB識別子などとするとよい。eNB識別子としては、例えば、「Global eNB ID」がある。
緊急情報がeNBに通知された場合、該eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNBにも緊急情報が通知される。緊急情報が通知されたデュアルコネクティビティが可能なeNBは、傘下のUEに対して緊急情報を通知する。
具体的には、緊急情報を、システム情報としてSIBで報知する。例えば、ETWSの緊急情報は、SIB10、SIB11に含ませ、CMASの緊急情報は、SIB12に含ませるとよい。
また、緊急情報が通知されたデュアルコネクティビティが可能なeNBは、緊急情報が含まれるSIBのスケジューリング情報を、傘下のUEに対して通知してもよい。具体的には、緊急情報が含まれるSIBのスケジューリング情報を、システム情報としてSIBで報知する。例えば、SIB1に含ませるとよい。
図36は、実施の形態3における緊急情報通知システムのシーケンスの他の例を示す図である。図36は、前述の図34および図35と類似しているので、図34および図35に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5606で緊急情報を受信したマスタeNBは、ステップST5801において、自eNBとデュアルコネクティビティが可能なeNB、例えばセカンダリeNBに対して、緊急情報を通知する。この通知には、X2シグナリングを用いてもよいし、他の新たなインタフェースを設けてもよい。
ステップST5801で緊急情報を受信したセカンダリeNBは、ステップST5703において、該eNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、ページングにETWS存在情報を含めて通知する。
また、セカンダリeNBは、ステップST5704において、セカンダリeNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、緊急情報(ETWS)を、SIB10およびSIB11の少なくとも一方にのせて通知する。
また、ステップST5703において、セカンダリeNBは、該eNBが構成するスモールセルから傘下のUEに対して、SIB10およびSIB11の少なくとも一方のスケジューリング情報を、SIB1に含めて通知する。
緊急情報(ETWS)を所定の周期で所定の期間通知したセカンダリeNBは、ステップST5802において、緊急情報終了メッセージとして、警報応答(Warning response)メッセージをマスタeNBに通知する。
ステップST5607、ステップST5609およびステップST5610で緊急情報(ETWS)を所定の周期で所定の期間通知し、かつ、ステップST5802で緊急情報終了メッセージを受信したマスタeNBは、ステップST5611において、緊急情報終了メッセージとして、警報応答(Warning response)メッセージをMMEに通知する。
このようにすることによって、デュアルコネクティビティを行っているUEが、マクロセルから緊急情報を受信できなかった場合に、スモールセルから緊急情報を受信することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法によって、デュアルコネクティビティを行っているUEが、マスタeNBが構成するセルからページングで緊急情報の存在情報を受信した後、該セルからの受信品質が急激に劣化したような場合でも、UEは、セカンダリeNBが構成するセルから緊急情報を受信することが可能となる。したがって、UEに、可及的速やかに緊急情報を通知することが可能となる。
また、UEがページングで緊急情報の存在情報を受信した後、災害などによってマスタeNBとなるマクロeNBが構成するマクロセルが動作を停止した場合でも、UEは、セカンダリeNBであるスモールeNBが構成するスモールセルから緊急情報を受信することが可能となる。UEは、動作が停止したマクロセルを回避して、スモールセルから緊急情報を受信することが可能となる。したがって、災害時にも対応可能なシステムを構成することが可能となる。
実施の形態3 変形例1.
実施の形態3の変形例1で解決する課題について、以下に説明する。多数のスモールセルが設置される場合の運用方法としてデュアルコネクティビティが行われているときに、デュアルコネクティビティが行われる複数のeNBが同じ周波数レイヤで運用されると、相互のeNB間で干渉が生じることがある。
これらのeNBにおいて緊急情報が発生した場合、干渉によって、UEは緊急情報を受信できなくなってしまう。例えば、マスタeNBが構成するマクロセルと、セカンダリeNBが構成するスモールセルとの間でRRCダイバーシチが行われる場合、マクロセルの傘下のUEは、マクロセルから緊急情報を受信するとき、デュアルコネクティビティが行われるスモールセルからの干渉を受けてしまうので、マクロセルからの受信品質が劣化し、緊急情報を受信することが不可能となってしまう。本変形例は、この問題を解決することを目的とする。
マスタeNBが構成するセルから緊急情報を報知している間、該マスタeNBとデュアルコネクティビティを行うセカンダリeNBが構成するセルの送受信動作を停止する。送受信動作としては、Uuインタフェースの送受信動作とするとよい。また、該セカンダリeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティ専用のセルとする。
あるいは、デュアルコネクティビティを行うセカンダリeNBが構成するセルのデュアルコネクティビティ専用のキャリア周波数における送受信動作を停止するようにしてもよい。
このようにすることによって、セカンダリeNBが構成するセルからの干渉が無くなる。したがって、UEは、マスタeNBが構成するセルからの受信品質が向上し、緊急情報を受信することが可能となる。デュアルコネクティビティを行っているUEは、マスタeNBが構成するセルからの緊急情報を受信するとよい。これによって、UEは、良好な受信品質で緊急情報を受信することが可能となる。
セカンダリeNBが構成するセルは、送受信を停止するのではなく、送信を停止するとしてもよい。受信は停止せずに動作していてもよい。また、セカンダリeNBが構成するセルは、送受信を停止するのではなく、ドーマント(dormant)モードに移行するようにしてもよい。ドーマントモードの例として、特定の信号だけを長周期で送信する方法などがある。
セカンダリeNBが送受信を停止する契機として、以下の(1)〜(3)の3つを開示する。
(1)MMEから、あるいは、マスタeNBから緊急情報の存在を示すページングメッセージを受信した場合。
(2)マスタeNBがMMEから緊急情報を受信した場合に、マスタeNBがセカンダリeNBに対して送受信を停止するメッセージを通知する。セカンダリeNBが、マスタeNBから送受信を停止するメッセージを受信した場合。
(3)MMEは、緊急情報をマクロeNBに通知した場合に、セカンダリeNBに対して送受信を停止するメッセージを通知する。セカンダリeNBが、マスタeNBから送受信を停止するメッセージを受信した場合。
セカンダリeNBが送受信を再開する契機として、以下の(1)〜(4)の4つを開示する。
(1)MMEに、あるいは、マスタeNBに緊急情報通知終了メッセージを送信した場合。
(2)マスタeNBがMMEに緊急情報通知終了メッセージを送信した場合に、マスタeNBがセカンダリeNBに対して送受信を再開するメッセージを通知する。セカンダリeNBが、マスタeNBから送受信を再開するメッセージを受信した場合。
(3)MMEは、緊急情報通知終了メッセージをマクロeNBから受信した場合に、セカンダリeNBに対して送受信を再開するメッセージを通知する。セカンダリeNBが、MMEから送受信を再開するメッセージを受信した場合。
(4)セカンダリeNBが、MMEあるいはマスタeNBから送受信を停止するメッセージを受信した後、所定の期間を経過した後。
図37は、実施の形態3の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図37は、前述の図34と類似しているので、図34に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5606でMMEから緊急情報を受信したマスタeNBは、ステップST5901において、傘下のデュアルコネクティビティを行っているUEに対して、デュアルコネクティビティを解除する処理、具体的には第2のセル(Secondary eNB)の再構成を削除(remove(リムーブ))する処理(Secondary eNB reconfiguration (remove) Procedure)を行う。
例えば、マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行っているセルに対して、該UEに対するデュアルコネクティビティ処理の解除を通知する。また、この通知を行うとともに、該セルに対する、該UEに送信すべきデータの転送を中止する。デュアルコネクティビティ処理の解除を通知されたセルは、該UEとの接続終了の処理を行い、該UEへの送信を終了する。
他方、マスタeNBは、該UEに対して、デュアルコネクティビティを行うセルのリムーブ(remove)を通知する。このリムーブは、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージで行われてもよい。リムーブを通知されたUEは、デュアルコネクティビティを行うセルの送受信を終了する。このようにすることによって、セカンダリeNBは、デュアルコネクティビティを終了するので、デュアルコネクティビティを行っていたUEは、マスタeNBが構成するセルのみと接続することになる。
セカンダリeNBのデュアルコネクティビティ処理の解除を行った後、ステップST5902において、マスタeNBは、セカンダリeNBに対して、送受信動作の停止を要求する。ステップST5903において、セカンダリeNBは、送受信動作の停止を行う。このようにすることによって、セカンダリeNBからの送受信は行われなくなるので、マスタeNBへの干渉を無くすことが可能となる。
マスタeNBは、緊急情報を所定の期間、所定の周期で報知した後、ステップST5611において、MMEに緊急情報通知終了メッセージを通知し、ステップST5904において、セカンダリeNBに対して、送受信動作の開始を要求する。送受信動作の開始要求を受信したセカンダリeNBは、ステップST5905において、送受信を開始する。
その後、ステップST5906において、マスタeNBは、必要に応じて、セカンダリeNBが構成するセルを用いて、傘下のUEに対してデュアルコネクティビティを行う。例えば、マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うセルに対して、所望のUEに対するデュアルコネクティビティ追加処理を通知する。また、マスタeNBは、デュアルコネクティビティ追加処理の通知後、デュアルコネクティビティを行うセルへの該UEへのデータの転送を開始する。デュアルコネクティビティ追加処理を通知されたセルは、該UEとの接続開始の処理を行い、該UEへの送信を開始する。
他方、マスタeNBは、該UEに対して、デュアルコネクティビティを行うセルの追加を通知する。デュアルコネクティビティを行うセルの追加は、RRC接続再設定(RRC connection reconfiguration)メッセージで行われてもよい。追加を通知されたUEは、デュアルコネクティビティを行うセルの送受信を開始する。このようにすることによって、セカンダリeNBは、所望のUEに対して、デュアルコネクティビティを再開することが可能となる。
このようにすることによって、マスタeNBが構成するセルの傘下のUEが、該セルから緊急情報を受信するとき、デュアルコネクティビティが行われるセカンダリeNBが構成するセルからの干渉を無くすことができる。したがって、該セルからの受信品質を劣化させることなく、緊急情報を受信することができる。
また、デュアルコネクティビティが行われているUEに対して、一旦、セカンダリeNBのデュアルコネクティビティ処理を解除するので、セカンダリeNBの送受信動作を停止している間に、UEとの間でパケットロスなどが発生することを防ぐことが可能となる。
図38は、実施の形態3の変形例1における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。図38は、前述の図34と類似しているので、図34に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5606でMMEから緊急情報を受信したマスタeNBは、ステップST6001において、デュアルコネクティビティを行っているセカンダリeNBに対して、送信動作の停止を要求する。ステップST6002において、セカンダリeNBは、送信動作の停止を行う。このようにすることによって、セカンダリeNBからの送信は行われなくなるので、マスタeNBへの干渉を無くすことが可能となる。
また、ステップST6002で送信動作を停止したセカンダリeNBは、停止期間のタイマを開始する。停止期間の値は、予め静的に決められていてもよいし、マスタeNBが通知してもよい。マスタeNBが緊急情報を通知する所定の期間を考慮して、停止期間の値を設定して、セカンダリeNBに通知してもよい。
ステップST6003において、セカンダリeNBは、停止期間のタイマが終了したか否かを判断する。ステップST6003において、停止期間のタイマが終了したと判断された場合は、ステップST6004に移行し、停止期間のタイマが終了していないと判断された場合は、停止期間のタイマが終了するまで待機する。ステップST6003で停止期間のタイマが終了したと判断したセカンダリeNBは、ステップST6004において、送信動作を再開する。このようにすることによって、セカンダリeNBは、所望のUEに対して、デュアルコネクティビティを再開することが可能となる。
このようにすることによって、マスタeNBが構成するセルの傘下のUEが、該セルから緊急情報を受信するとき、デュアルコネクティビティが行われるセカンダリeNBが構成するセルからの干渉を無くすことができる。したがって、該セルからの受信品質を劣化させることなく、緊急情報を受信することができる。
また、前述の図37に示すシーケンスと比べて、デュアルコネクティビティが行われているUEに対して、一旦セカンダリeNBのデュアルコネクティビティ解除の処理を行わないので、マスタeNBは、可及的速やかに緊急情報を傘下のUEに通知することが可能となる。これによって、UEは、可及的速やかに緊急情報を受信することが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態2で述べたように、多数のスモールセルが設置される場合の運用方法として、デュアルコネクティビティが検討されている。
他方、3GPPでは、セルの負荷が増大したときなど、アクセス制限を行う機能が規格化されている。アクセス制限を行う情報は、ACB(Acess Class Barring)情報、EAB(Extended Access Barring)情報である。UEは、アクセスクラスが設定される。アクセスクラスは、SIMなどに保存される。セルは、アクセス制限に関する情報をシステム情報として、傘下のUEに報知する。UEは、受信したアクセス制限情報に従って、セルへのアクセス制限を行う。
実施の形態4で解決する課題について、以下に説明する。デュアルコネクティビティを行う既存の方法として、マクロセルとそれに接続されるRRHを用いたCAがある。そのようなCAでは、マクロセルとRRHは同一のeNB内で構成され、各ノードのスケジューリングは集中して行われる。また、ノード間は、遅延を無視できる理想的バックホールで構成される。このようなCAの場合、eNBが各ノードの負荷を調整できるので、各ノードのアクセス制限は同じでよい。このような場合、UEは、キャンプオン(camp on)したセルのアクセス制限のみを認識していればよい。
他方、異なるeNBの無線リソースを使用するデュアルコネクティビティの場合、eNB間の遅延は無視できず、非理想的バックホールで構成されるので、各eNBのスケジューリングは集中して行うことができなくなる。通常、各eNBにおける負荷状態は異なるので、各eNBで同一のアクセス制限とした場合、無線リソースの使用効率が低下してしまうという問題がある。本実施の形態は、この問題を解決することを目的とする。
デュアルコネクティビティを行うUEに対して、マスタeNBが構成するセルは、自セルと同じACB/EAB情報を有するセルを、デュアルコネクティビティ用のセルとして設定する。
図39は、実施の形態4における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図39は、前述の図34と類似しているので、図34に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5601〜ステップST5603でRRC接続状態に移行したUEは、ステップST5604において、マスタeNBが構成するセルとの間で、他のセルとデュアルコネクティビティを構成する処理として、セカンダリeNB構成処理(Secondary eNB Configuration Procedure)が行われる。該セルを構成するeNBは、該UEのセカンダリeNBとなる。
ステップST5604の処理が行われる前に、マスタeNBが構成するセルは、予め自セルと同じACB/EAB情報を有するeNB(セル)を認識する必要がある。したがって、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティの可能なeNBが構成するセルのACB/EAB情報を予め取得する。
ステップST6101において、マスタeNBは、デュアルコネクティビティが可能なeNBに対して、セルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定状況を要求するメッセージを通知する。このメッセージのために、新たなインタフェースを設けてもよい。あるいは、X2インタフェースを用いてもよい。例えば、リソース状態要求(resource status request)メッセージを用いてもよい。この場合、新たなインタフェースを設ける必要が無くなるので、制御を簡略化することができる。また、他の方法として、S1インタフェースを用いてもよい。マスタeNBから、MMEを介して、デュアルコネクティビティが可能なeNBに通知するとよい。
ステップST6101でACB/EAB設定状況の要求を受信したセカンダリeNBは、ステップST6102において、セルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定情報をマスタeNBに通知する。これによって、マスタeNBは、デュアルコネクティビティの可能なeNBが構成するセルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定状況を取得することができる。
このメッセージのために、新たなインタフェースを設けてもよい。あるいは、X2インタフェースを用いてもよい。例えば、リソース状態応答(resource status response)メッセージを用いてもよい。この場合、新たなインタフェースを設ける必要が無くなるので、制御を簡略化することができる。また、他の方法として、S1インタフェースを用いてもよい。セカンダリeNBは、MMEを介してマスタeNBに通知するとよい。
ステップST6103において、マスタeNBは、自eNBが構成するセルと同じACB/EABのeNB、具体的には、このeNBが構成するセルを選択する。
このセルを、ステップST5604における、デュアルコネクティビティを行うUEに対するセカンダリeNB構成処理(Secondary eNB Configuration Procedure)に用いる。
このようにすることによって、UEは、マスタeNBが構成するセルのACB/EAB情報だけを認識しておけばよく、セカンダリeNBが構成するセルのACB/EAB情報を認識しなくてもよい。マスタeNBが構成するセルも、セカンダリeNBが構成するセルのACB/EAB情報をUEに対して通知しなくてもよい。
前述の方法では、各eNBにおいて異なる負荷状態を考慮することができるが、各eNBにおける負荷状態の時間的変動を考慮することができない。したがって、各eNBの負荷状態の変動によって、ACB/EAB設定が変更された場合を考慮した仕組みを設ける。
ステップST6104において、デュアルコネクティビティの可能なeNBが構成するセルのACB/EAB設定が変更された場合、セカンダリeNBは、ステップST6105において、マスタeNB(が構成するセル)に対して、変更後のACB/EAB設定情報を通知する。
このメッセージのために、新たなインタフェースを設けてもよい。あるいは、X2インタフェースを用いてもよい。例えば、リソース状態アップデート(resource status update)メッセージ、あるいはeNB設定アップデート(eNB configuration update)メッセージでもよい。この場合、新たなインタフェースを設ける必要が無くなるので、制御を簡略化することができる。また、他の方法として、S1インタフェースを用いてもよい。セカンダリeNBは、MMEを介して、マスタeNBに通知するとよい。
このようにすることによって、仮に、デュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定が変更されたとしても、マスタeNBは、その変更後のACB/EAB設定情報を得ることが可能となる。
ステップST6106において、マスタeNBは、自eNBが構成するセルと同じACB/EABのeNB(が構成するセル)を選択する。そして、ステップST6107において、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、セカンダリeNBの変更処理(Secondary eNB reconfiguration (remove,add) Procedure)を行う。マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、マスタeNBが構成するセルと異なるACB/EABのeNB(が構成するセル)をリムーブし、マスタeNBが構成するセルと同じACB/EABのeNB(が構成するセル)を加えるように構成する。
このようにすることによって、仮に、デュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定が変更されたとしても、マスタeNBは、その変更後のACB/EAB設定情報を考慮して、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、適切なeNBをデュアルコネクティビティ用のeNB(が構成するセル)として構成することができる。
したがって、各eNBにおける負荷状態が時間的に変動する場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。
前述の方法では、ステップST6104において、セカンダリeNBがACB/EAB設定を変更した後に、ステップST6105において、マスタeNBに対して変更後のACB/EAB設定状況を通知する。
この場合、セカンダリeNBのACB/EABの変更後も、ステップST6107でUEとデュアルコネクティビティを行うセカンダリeNBの変更処理が行われるまでは、例えUEのACおよびEABの条件設定が、セカンダリeNBの変更後のACB/EAB設定と異なっていたとしても、UEはセカンダリeNBと接続したままになってしまう。ステップST6105およびステップST6106の処理遅延が大きい場合、UEの設定とセカンダリeNBの設定とで不整合が生じる状態が長く続いてしまう。
このような状態を低減するために、セカンダリeNBは、ステップST6104では、ACB/EAB設定を変更する代わりに、ACB/EAB設定の変更を決定するだけにとどめ、ACB/EAB設定の変更を決定した場合に、ステップST6105において、決定したACB/EAB設定をマスタeNBに通知するようにしてもよい。
セカンダリeNBは、ACB/EAB設定の変更を決定した後、所定の期間経過後にACB/EAB設定を変更する。前記所定の期間は、静的に予め決定されていてもよいし、準静的に変更されてもよい。前記所定の期間が静的に決定される場合は、システムとして制御を簡単化することができる。前記所定の期間が準静的に変更される場合は、セカンダリeNBとマスタeNBとの間のインタフェースの混雑状況、およびマスタeNBにおける制御遅延の時間変動を考慮することが可能となる。
また、前記所定の期間は、セル毎に異なっていてもよいし、全てのセルで同一の値であってもよい。前記所定の期間がセル毎に異なる場合、各セルにおける制御遅延を考慮することが可能となる。前記所定の期間が全てのセルで同一の値である場合は、システムとして制御を簡略化することができる。
前記所定の期間経過後に、ACB/EAB設定を変更することによって、ACB/EAB設定の変更から、ステップST6107の処理までの時間を低減することが可能となる。あるいは、ステップST6107の処理後に、ACB/EAB設定変更が行われるようにすることも可能となる。
このようにすることによって、UEのACおよびEABの条件設定とセカンダリeNBのACB/EAB設定とで不整合が生じる状態を低減することが可能となる。
本実施の形態で開示した方法によって、各eNBにおける負荷状態が異なり、時間的に変動する場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。したがって、システムの容量の増大を図ることができる。
また、負荷状態が過大になり、サーバがダウンしてしまうような状況を回避することが可能となるので、安定した通信システムを構築することができる。
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4で示した課題を解決する他の方法を開示する。マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、該UEがアクセス可能なセルを、デュアルコネクティビティ用セルとして設定する。
図40は、実施の形態4の変形例1における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図40は、前述の図34および図39と類似しているので、図34および図39に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5601〜ステップST5603でRRC接続状態に移行したUEは、ステップST5604において、マスタeNBが構成するセルとの間で、他のセルとデュアルコネクティビティを構成する処理として、セカンダリeNB構成処理(Secondary eNB Configuration Procedure)が行われる。該他のセルを構成するeNBは、該UEのセカンダリeNBとなる。
ステップST5604の処理が行われる前に、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティを行うUEがアクセス可能なセルを認識する必要がある。したがって、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティの可能なeNBが構成するセルのACB/EAB情報を予め取得するとともに、UEのAC設定情報を取得する。
ステップST6201において、マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、AC設定情報を要求するメッセージを通知する。AC設定情報を要求するメッセージの通知には、RRCシグナリングを用いるとよい。また、個別シグナリングを用いて通知するとよい。例えば、既存のUE能力照会(UE Capability Enquiry)メッセージを用いてもよい。
ステップST6201でAC設定情報の要求を受信したUEは、ステップST6202において、自UEのAC設定情報を、マスタeNB(が構成するセル)に通知する。AC設定情報の通知には、RRCシグナリングを用いるとよい。また、個別シグナリングを用いて通知するとよい。例えば、既存のUE能力情報(UE Capability Information)メッセージを用いてもよい。これによって、マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うUEのAC設定情報を取得することができる。
ステップST6201におけるAC設定状況要求の処理を省略してもよい。その場合、UEは、マスタeNBが構成するセルとのRRC接続設立時に、ステップST6202におけるAC設定情報を、マスタeNBが構成するセルに通知するようにしてもよい。
ステップST6203において、マスタeNBは、ステップST6202で取得したデュアルコネクティビティを行うUEのAC設定情報と、ステップST6102で取得したデュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定情報を用いて、UEがアクセス可能なACB/EAB設定のeNB(が構成するセル)を選択する。
このセルを、ステップST5604における、デュアルコネクティビティを行うUEに対するセカンダリeNB構成処理(Secondary eNB Configuration Procedure)に用いる。
このようにすることによって、UEは、マスタeNBが構成するセルのACB/EAB情報だけを認識しておけばよく、セカンダリeNBが構成するセルのACB/EAB情報を認識しなくてもよい。マスタeNBが構成するセルも、セカンダリeNBが構成するセルのACB/EAB情報をUEに対して通知しなくてもよい。
各eNBにおける負荷状態の時間的変動を考慮するために、実施の形態4で開示した各eNBの負荷状態の変動によってACB/EAB設定が変更された場合を考慮した仕組みを設けるとよい。ステップST6104およびステップST6105において、マスタeNBは、ACB/EAB設定が変更されたデュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定情報を取得する。
ステップST6204において、ステップST6202で取得したデュアルコネクティビティを行うUEのAC設定情報、ステップST6102で取得したデュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定情報、ステップST6105で取得したACB/EAB設定が変更されたデュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定情報を用いて、UEがアクセス可能なACB/EAB設定のeNB(が構成するセル)を選択する。
そして、ステップST6107において、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、セカンダリeNBの変更処理を行う。マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、マスタeNBが構成するセルと異なるACB/EABのeNB(が構成するセル)をリムーブし、マスタeNBが構成するセルと同じACB/EABのeNB(が構成するセル)を加えるように構成する。
このようにすることによって、仮に、デュアルコネクティビティが可能なeNBのACB/EAB設定が変更されたとしても、マスタeNBは、その変更後のACB/EAB設定情報を考慮して、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、適切なeNBをデュアルコネクティビティ用のeNB(が構成するセル)として構成することができる。
したがって、各eNBにおける負荷状態が時間的に変動する場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。
本変形例で開示した方法によって、実施の形態4と同様の効果を得ることができるとともに、マスタeNBは、デュアルコネクティビティを行うUEのAC設定を認識することが可能となる。これによって、より多くのeNBをデュアルコネクティビティ用のセカンダリeNB候補とすることが可能となる。したがって、デュアルコネクティビティを行うUEによって最適な通信品質を有するセルで、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4で示した課題を解決する他の方法を開示する。マスタeNBがデュアルコネクティビティ用セルを構成するときに、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、デュアルコネクティビティ用セルのACB/EAB情報を通知する。
図41は、実施の形態4の変形例2における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図41は、前述の図34および図39と類似しているので、図34および図39に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST5601〜ステップST5603において、UEは、RRC接続状態に移行する。
マスタeNBは、デュアルコネクティビティ用セルを構成するときに、該セルのACB/EAB情報を通知するために、それに先立ち、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティの可能なeNBが構成するセルのACB/EAB情報を予め取得する。
したがって、ステップST6101において、マスタeNBは、デュアルコネクティビティが可能なeNBに対して、セルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定状況を要求するメッセージを通知する。
ステップST6101でACB/EAB設定状況の要求を受信したデュアルコネクティビティが可能なeNBは、ステップST6102において、セルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定情報をマスタeNBに通知する。これによって、マスタeNBは、デュアルコネクティビティが可能なeNBが構成するセルのACBおよびEABの少なくとも一方の設定状況を取得することができる。
マスタeNBが構成するセルは、ステップST6301におけるUEからのメジャメント報告(Measurement report)メッセージを用いて、ステップST6302において、デュアルコネクティビティを行うセルを選択する。
ステップST6303において、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティを行うUEに対して、デュアルコネクティビティを行うセルの構成を通知する。デュアルコネクティビティを行うセルの構成に含める情報としては、該セルの識別子、該セルを構成するeNB識別子、該セルのACB/EAB設定情報などある。
ステップST6303で、デュアルコネクティビティを行うセルの構成を受信し、該セルのACB/EAB情報を受信したUEは、ステップST6304において、該セルにアクセス可能か否かを判断する。ステップST6304において、アクセス可能でないと判断された場合は、ステップST6305に移行する。ステップST6305において、UEは、該セルにアクセス不可能であることを、マスタeNBが構成するセルに通知して、通常のRRC_CONNECTED状態に戻る。再度メジャメントを行ってもよい。
他方、ステップST6304において、アクセス可能と判断された場合は、ステップST6306に移行する。ステップST6306において、該セルにアクセス可能であることを、マスタeNBが構成するセルに通知する。
ステップST6307において、マスタeNB(が構成するセル)は、デュアルコネクティビティを行うUEが、デュアルコネクティビティ用に設定したセルにアクセス可能であるか否かを判断する。ステップST6307において、アクセス不可能と判断された場合は、ステップST6302に戻り、再度デュアルコネクティビティを行うセルを選択する処理を実行する。再度、ステップST6301でUEからのメジャメント報告を受けた場合に、ステップST6302におけるデュアルコネクティビティを行うセル選択を実行するようにしてもよい。
ステップST6307において、アクセス可能と判断された場合は、ステップST6308に移行する。ステップST6308において、マスタeNBが構成するセルは、デュアルコネクティビティ用のeNBに対して、データ転送を開始する。
ステップST6306で、デュアルコネクティビティ用に設定されたセルにアクセス可能であることをマスタeNBに通知したUEは、ステップST6309において、該セルに対して、検出および同期処理を行い、ステップST6310において、データ通信を開始する。
このようにすることによって、デュアルコネクティビティを行うUEは、セカンダリeNBが構成するセルのACB/EAB情報を認識することが可能となる。UEは、マスタeNBが構成するセルとは別に、セカンダリeNBが構成するセルにアクセス可能か否かを判断することが可能となる。
したがって、各eNBにおける負荷状態が異なる場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となり、システムの容量の増大を図ることができる。
また、負荷状態が過大になり、サーバがダウンしてしまうような状況を回避することが可能となるので、安定した通信システムを構築することができる。
各eNBにおける負荷状態の時間的変動を考慮するので、実施の形態4で開示した各eNBの負荷状態の変動によってACB/EAB設定が変更された場合を考慮した仕組みを設けるとよい。図41に示すシーケンスの処理を行った後、前述の図39のステップST6104およびステップST6105の処理を行い、その結果を用いて、再度ステップST6302あるいはステップST6303からの処理を行うようにしてもよい。
これによって、各eNBにおける負荷状態が時間的に変動する場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。
実施の形態4および実施の形態4の変形例2で開示した方法は、セルのバード(barred)情報にも適用することができる。セルのACB/EAB設定情報を、セルのバード情報に置き換えればよい。実施の形態4の変形例2では、図41のステップST6303において、デュアルコネクティビティ用のセルの構成情報としてセルのバード情報を含ませて、UEに通知するとよい。UEは、ステップST6304において、該バード情報を用いて、アクセス可能か否かを判断する。
これによって、各eNBにおけるバード情報が異なる場合でも、無線リソースの使用効率の低下を抑制しつつ、デュアルコネクティビティを行うことが可能となる。したがって、システムの容量の増大を図ることができる。
実施の形態5.
実施の形態5で解決する課題について、以下に説明する。スモールセルを集合化(グループ化)して取り扱う場合、何の工夫もなければ、同じ集合に含まれるスモールセルであっても、スモールセルのパラメータは個々で異なる。スモールセルは、カバレッジが狭いことから、数多く設置されることが考えられる。したがって、スモールセルの最適なパラメータの設定方法について開示する。
実施の形態5における解決策を以下に示す。同じ集合に含まれるスモールセルでは、一部のパラメータを同じ値にする。すなわち、一部のパラメータを共通の値とする。同じ集合に含まれるスモールセルの一部のパラメータを同じ値にすることによって、効率が良い通信システムを構築できるからである。
集合の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)スモールセルクラスタ。つまり、同じスモールセルクラスタに含まれるスモールセルでは、一部のパラメータを同じ値にする。
(2)スモールセルが他のセルのカバレッジ内に設置された場合、同じ該他のセルのカバレッジ内に設置されたスモールセル。該他のセルを「カバレッジマクロセル」という。つまり、同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されたスモールセルでは、一部のパラメータを同じ値にする。
同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(1)〜(17)の17個を開示する。
(1)下り伝送帯域幅(dl-Bandwidth)。本パラメータは、MIBに含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。同じ集合に含まれるスモールセルにおいて、下り伝送帯域幅を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。UEが同じ場所から測定可能なセルの数を考えると、マクロセルの数と、スモールセルの数とを比較すれば、スモールセルの数が多くなることが考えられる。異なる下り伝送帯域幅のセルを測定する場合、UEの受信設定に変更が必要な場合がある。例えば、アンテナによって受信された受信信号をベースバンド信号に変換する場合の周波数変換部の設定を、下り伝送帯域幅に応じて変更することなどが考えられる。
本具体例(1)によって、同じ集合に含まれるスモールセルの下り伝送帯域幅(dl-Bandwidth)を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセルの測定においては、UEの受信設定を変更する必要がなく、一定とすることが可能となる。例えば、アンテナによって受信された受信信号をベースバンド信号に変換する場合の周波数変換部の設定を、下り伝送帯域幅に応じて変更する必要がなく、一定にすることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
さらに、同じ集合に含まれるスモールセルの下りキャリア周波数が同じ周波数バンドに含まれるようにしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルの下りキャリア周波数を同じ値にしてもよい。これによって、以下の効果を得ることができる。異なる周波数バンドに含まれる下りキャリア周波数、あるいは異なる下りキャリア周波数のセルを測定する場合、UEの受信設定に変更が必要な場合がある。例えば、アンテナによって受信された受信信号をベースバンド信号に変換する場合の周波数変換部の設定を、下りキャリア周波数が含まれる周波数バンドに応じて、あるいは下りキャリア周波数に応じて、変更することなどが考えられる。
本具体例(1)によって、同じ集合に含まれるスモールセルの下りキャリア周波数が同じ周波数バンドに含まれるとする、あるいは下りキャリア周波数を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセルの測定においては、UEの受信設定を変更する必要がなく、一定とすることが可能となる。例えば、アンテナによって受信された受信信号をベースバンド信号に変換する場合の周波数変換部の設定を、下りキャリア周波数が含まれる周波数バンドに応じて、あるいは下りキャリア周波数に応じて、変更する必要がなく、一定にすることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(2)TAC。本パラメータは、SIB1に含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。同じ集合に含まれるスモールセルでTACを同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。異なるTACのスモールセル間をUEが移動する度に、TAUの処理が発生する。
本具体例(2)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのTACを同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、TAUの処理が発生しないようにすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。また、TAUの処理が削減されるので、システム全体の処理負荷を軽減することができる。また、TAUのための無線信号が削減されるので、無線リソースを有効に活用することができる。
(3)CSGアイデンティティ(csg identity)。本パラメータは、SIB1に含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。同じ集合に含まれるスモールセルは、同じCSG(Closed Subscriber Group)に属するとしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルでCSGアイデンティティを同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。異なるCSGに属するスモールセル、異なるCSGアイデンティティのスモールセルをUEが選択(cell re-selection)する度に、キャンプオン可能なCSGセルであるか否か、適切なCSGセル(suitable CSG cells)であるか否かを確認する必要がある(非特許文献2参照)。キャンプオン可能なCSGセルの条件は、そのCSGセルが属するCSGに、UEが属することが条件である。
同じ集合に含まれるスモールセルでCSGアイデンティティを同じ値にすることで、同じ集合に含まれるCSGセルであるスモールセル間の移動においては、UEは、キャンプオン可能なCSGセルであるか否か、適切なCSGセル(suitable CSG cells)であるか否かの確認を不要とすることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(4)上り伝送帯域幅(UL-Bandwidth)。本パラメータは、SIB2に含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。同じ集合に含まれるスモールセルで上り伝送帯域幅を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。異なる上り伝送帯域幅の送信に対応する場合、UEの送信設定に変更が必要な場合がある。例えば、周波数変換部の設定を、上り伝送帯域幅に応じて変更することなどが考えられる。
本具体例(4)によって、同じ集合に含まれるスモールセルの上り伝送帯域幅(UL-Bandwidth)を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセルへの送信においては、UEの送信設定を変更する必要がなく、一定とすることが可能となる。例えば、周波数変換部の設定を、上り伝送帯域幅に応じて変更する必要がなく、一定にすることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
さらに、同じ集合に含まれるスモールセルの上りキャリア周波数が同じ周波数バンドに含まれるようにしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルの上りキャリア周波数を同じ値にしてもよい。これによって、以下の効果を得ることができる。
異なる周波数バンドに含まれる上りキャリア周波数、あるいは異なる上りキャリア周波数のセルに送信する場合、UEの送信設定に変更が必要な場合がある。例えば、周波数変換部の設定を、上りキャリア周波数が含まれる周波数バンドに応じて、あるいは上りキャリア周波数に応じて、変更することなどが考えられる。
本具体例(4)によって、同じ集合に含まれるスモールセルの上りキャリア周波数が同じ周波数バンドに含まれるとする、あるいは上りキャリア周波数を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセルへの送信においては、UEの送信設定を変更する必要がなく、一定とすることが可能となる。例えば、周波数変換部の設定を、上りキャリア周波数が含まれる周波数バンドに応じて、あるいは上りキャリア周波数に応じて、変更する必要がなく、一定にすることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(5)SIB4。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB4を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルの同周波数セル再選択(intra-frequency cell re-selection)に用いる近隣セル関連情報を同じにする。SIB4の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB4の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルでSIB4を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、同周波数セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理が発生する。
本具体例(5)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB4を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、同周波数セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB4を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB4を受信する必要がない。これによってUEは、SIB4がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB4に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(5−1)〜(5−4)の4つを開示する。ただし、SIB4に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(5−1)同周波数周辺セルリスト(intraFreqNeighCellList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の同周波数セル再選択に関する測定においては、同じ周辺セルリストを用いて測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。従来の同周波数周辺セルリストとは異なり、リスト中にサービングセルの情報が含まれる。サービングセルの情報は、同周波数セル再選択に関する測定では用いないようにすればよい。
(5−2)周辺セルのPCI。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の同周波数セル再選択に関する測定においては、同じPCIを用いてセルを測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(5−3)同周波数ブラックリスト(intraFreqBlackCellList)。ブラックリストに含まれるセルは、セル再選択の候補にならない。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の同周波数セル再選択に関する測定においては、同じ条件を満たすセルをセル再選択の候補から除外することが可能となる。同じ条件の具体例としては、同周波数ブラックリストに含まれるPCIレンジに含まれるセルなどがある。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(5−4)前記(5−1)〜(5−3)の組合せ。
(6)SIB5。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB5を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルの異周波数セル再選択(inter-frequency cell re-selection)に用いる近隣セル関連情報を同じにする。SIB5の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB5の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB5を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、異周波数セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理が発生する。
本具体例(6)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB5を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、異周波数セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB5を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB5を受信する必要がない。これによってUEは、SIB5がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB5に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(6−1)〜(6−7)の7つを開示する。ただし、SIB5に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(6−1)異周波数キャリア周波数リスト(interFreqCarrierFreqList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じ異周波数キャリア周波数リストを用いて測定することが可能となる。これによって、異周波数測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−2)下りキャリア周波数(dl-CarrierFreq)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じ下りキャリア周波数を用いてセルを測定することが可能となる。これによって、異周波数測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−3)異周波数周辺セルリスト(interFreqNeighCellList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じ周辺セルリストを用いて測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−4)異周波数ブラックリスト(interFreqBlackCellList)。ブラックリストに含まれるセルは、セル再選択の候補にならない。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じ条件を満たすセルをセル再選択の候補から除外することが可能となる。同じ条件の具体例としては、異周波数ブラックリストに含まれるPCIレンジに含まれるセルなどがある。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−5)異周波数周辺セル情報(InterFreqNeighCellInfo)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じ周辺セル情報を用いて測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−6)周辺セルのPCI。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異周波数セル再選択に関する測定においては、同じPCIを用いてセルを測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(6−7)前記(6−1)〜(6−6)の組合せ。
(7)SIB6。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB6を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルの異システム(UTRA)セル再選択(inter-RAT cell re-selection)に用いる近隣セル関連情報を同じにする。SIB6の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB6の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB6を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、異なる異システム(UTRA)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理が発生する。
本具体例(7)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB6を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、異システム(UTRA)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB6を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB6を受信する必要がない。これによってUEは、SIB6がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB6に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(7−1)〜(7−5)の5つを開示する。ただし、SIB6に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(7−1)UTRA(FDD)キャリア周波数リスト(carrierFreqListUTRA-FDD)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(UTRA)セル再選択に関する測定においては、同じUTRA(FDD)キャリア周波数リストを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(UTRA)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(7−2)UTRA(TDD)キャリア周波数リスト(carrierFreqListUTRA-TDD)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(UTRA)セル再選択に関する測定においては、同じUTRA(TDD)キャリア周波数リストを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(UTRA)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(7−3)キャリア周波数(carrierFreq)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(UTRA)セル再選択に関する測定においては、同じキャリア周波数を用いてセルを測定することが可能となる。これによって、異システム(UTRA)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(7−4)UTRA(FDD)周波数バンドインジケータ(FreqBandIndicator-UTRA-FDD)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(UTRA)セル再選択に関する測定においては、同じUTRA(FDD)周波数バンドを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(UTRA)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(7−5)前記(7−1)〜(7−4)の組合せ。
(8)SIB7。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB7を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルの異システム(GERAN)セル再選択(inter-RAT cell re-selection)に用いる近隣セル関連情報を同じにする。SIB7の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB7の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB7を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、異なる異システム(GERAN)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理が発生する。
本具体例(8)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB7を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、異システム(GERAN)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB7を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB7を受信する必要がない。これによってUEは、SIB7がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB7に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(8−1)〜(8−3)の3つを開示する。ただし、SIB7に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(8−1)キャリア周波数情報リスト(carrierFreqsInfoList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(GERAN)セル再選択に関する測定においては、同じキャリア周波数情報リストを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(GERAN)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(8−2)キャリア周波数(carrierFreq)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(GERAN)セル再選択に関する測定においては、同じキャリア周波数を用いてセルを測定することが可能となる。これによって、異システム(GERAN)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(8−3)前記(8−1),(8−2)の組合せ。
(9)SIB8。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB8を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルの異システム(CDMA2000)セル再選択(inter-RAT cell re-selection)に用いる近隣セル関連情報を同じにする。SIB8の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB8の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB8を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、異なる異システム(CDMA2000)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理が発生する。
本具体例(9)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB8を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、異システム(CDMA2000)セル再選択に用いる近隣セル関連情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB8を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB8を受信する必要がない。これによってUEは、SIB8がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB8に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(9−1)〜(9−5)の5つを開示する。ただし、SIB8に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(9−1)検索ウィンドウサイズ(searchWindowSize)。近隣のパイロットを探すために用いられるCDMA2000のパラメータである。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(CDMA2000)セル再選択に関する測定においては、同検索ウィンドウサイズを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(CDMA2000)測定のための検索ウィンドウサイズ設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(9−2)バンドクラスリスト(bandClassList)。周波数バンドの識別リストである。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(CDMA2000)セル再選択に関する測定においては、同じバンドクラスリストを用いて測定することが可能となる。これによって、異システム(CDMA2000)測定のための周波数設定などが不要となり、UEの処理負荷を軽減することができる。
(9−3)PCIリスト(physCellIdList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(CDMA2000)セル再選択に関する測定においては、同じPCIを用いてセルを測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(9−4)アクセスクラスバーリング設定(AC-BarringConfig)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合の異システム(CDMA2000)セル再選択に関する測定においては、同じアクセスクラスバーリング設定を用いてセルを測定することが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(9−5)前記(9−1)〜(9−4)の組合せ。
(10)SIB13。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB13を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルから送信される、MBMS制御情報の受信に必要な情報を同じにする。SIB13の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB13の送信を不要とすればよい。
MBMSの一般的な事項について、図42を用いて説明する(非特許文献1 15章参照)。図42は、MBMSについて説明するための図である。MBSFN同期エリア(MBSFN Synchronization Area)とは、基地局(eNB、セル)が全て同期しており、MBSFN送信を行うことができるネットワークのエリアである。
MBSFN同期エリアは、1つ以上のMBSFNエリア(MBSFN Area)、例えば図42に示すMBSFNエリア7102,7103,7104をサポートすることができる。1つの周波数レイヤでは、基地局は、1つのMBSFN同期エリアに属する。
MBSFN同期エリアと、MBSFNサービスエリア(MBMS Service Area)、例えば図42に示すMBSFNサービスエリア7101とは、独立に定義される。MBSFNエリアは、MBSFN同期エリア内の一群のセルから構成される。MBSFNエリア内の全ての基地局、例えば図42に示す基地局7105〜7111は、MBSFN送信に寄与する。
同じ集合に含まれるスモールセルは、同じMBSFN同期エリアに属するとしてもよい。さらに、同じ集合に含まれるスモールセルは、同じMBSFNエリアに属するとしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB13を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。スモールセル間をUEが移動する度に、MBMS制御情報の受信に必要な情報の再設定処理が発生する。
本具体例(10)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB13を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、MBMS制御情報の受信に必要な情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB13を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB13を受信する必要がない。これによってUEは、SIB13がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB13に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(10−1)〜(10−3)の3つを開示する。ただし、SIB13に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(10−1)MBSFNエリア情報リスト(mbsfn-AreaInfoList)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合のMBMS受信においては、同じMBSFNエリア情報リストを用いることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(10−2)通知設定(notificationConfig)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合のMBMS受信においては、同じ通知設定を用いることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(10−3)前記(10−1),(10−2)の組合せ。
また、以下の3つの理由から、スモールセルは、MBMSサービスの提供に適していると考えられる。したがって、スモールセルを用いたMBMSサービスが実行された場合に、本具体例(10)を用いてUEの消費電力を低減する効果を得ることは、通信システム全体を通して有効なことである。
第1の理由は、スモールセルは、カバレッジが狭いことから、マクロセルと比較して、接続するUEの数が少ないことが考えられる。このことから、スモールセルでは、マクロセルと比較して、無線リソースに余裕が出ると考えられる。したがって、MBSFN送信のためにMBSFNサブフレームを多く取れる可能性がある。
第2の理由は、スモールセルは、カバレッジが狭いことから、エリア限定のサービスへの要求があるMBMSに適している。
第3の理由は、スモールセルと、マクロセルのキャリア周波数を異ならせることが考えられている。
(11)SIB15。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB15を同じ値にする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルから送信される、MBMSサービスエリア識別情報と周辺キャリア周波数とを同じにする。SIB15の送信(設定)が不要の場合は、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB15の送信を不要とすればよい。同じ集合に含まれるスモールセルは、同じMBMSサービスエリアに属するとしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルのSIB15を同じ値にすることによって、以下の効果を得ることができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。このことからUEが、スモールセル間を頻繁に移動することが考えられる。異なるMBMSサービスエリア識別情報のスモールセル間をUEが移動する度に、受けているMBMSサービスの継続が可能であるか否かを確認する必要がある。また、異なる周辺キャリア周波数情報のスモールセル間をUEが移動する度に、周辺キャリア周波数情報の再設定処理が発生する。
本具体例(11)によって、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB15を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、UEは、受けているMBMSサービスの継続が可能であるか否かの確認が不要となる。また、同じ集合に含まれるスモールセルのSIB15を同じ値にすることで、同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、周辺キャリア周波数情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルからSIB15を受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてSIB15を受信する必要がない。これによってUEは、SIB15がスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
SIB15に含まれるパラメータの一部を同じ値にしてもよい。同じ値にするパラメータの具体例として、以下の(11−1)〜(11−4)の4つを開示する。ただし、SIB15に含まれる他のパラメータを同じにすることを排除するものではない。
(11−1)MBMSサービスエリア識別情報異周波数リスト(mbms-SAI-InterFreqList)。MBMSサービスを提供する周波数と、対応するMBMSサービスエリア識別情報のリストである。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合のMBMS受信においては、同じMBMSサービスエリア識別情報異周波数リストを用いることが可能となる。同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、MBMS受信のためのキャリア周波数情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(11−2)下りキャリア周波数(dl-CarrierFreq)。同じ集合に含まれるスモールセル間のUEの移動においては、MBMS受信のためのキャリア周波数情報の再設定処理を不要とすることを可能にする。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(11−3)MBMSサービスエリア識別情報リスト(mbms-SAI-List-r11)。同じ集合に含まれるスモールセルにキャンプオンする場合のMBMS受信においては、同じMBMSサービスエリア識別情報同周波数リストを用いることが可能となる。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
(11−4)前記(11−1)〜(11−3)の組合せ。
(12)PDSCHのスタートシンボルを同じにする。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルにおいてPDSCHスタートシンボルを同じにする。
PDSCHのスタートシンボルについて説明する(非特許文献1参照)。PDCCHは、各サブフレームの先頭のnOFDMシンボルを用いて送信される。nは、4より小さい値である。PDSCHは、PDCCHで用いるOFDMシンボルより後ろのOFDMシンボルを用いて送信される。PDCCHのために用いるOFDMシンボルの数は、基地局から移動端末に、PCFICHを用いて通知する。つまり、PDSCHのスタートOFDMシンボルは、PDCCHで用いるOFDMシンボル数によって変化する。
同じ集合に含まれるスモールセルのPDCCHのOFDMシンボル数を同じにするとしてもよい。同じ集合に含まれるスモールセルは、同じPDCCHのOFDMシンボル数にすることによって、同じ集合に含まれるスモールセルのPDCCH受信、PDSCH受信において、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えばPDCHHのOFDMシンボル数の設定を同じにし、PDSCHのスタートOFDMシンボルを同じにして受信すればよい。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
またUEは、同じ集合に含まれるスモールセルから、PCFICHを受信する必要がない。つまりUEは、同じ集合に含まれるスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、改めてPCFICHを受信する必要がない。これによってUEは、PCFICHがスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
スモールセルは、カバレッジが狭いことから、マクロセルと比較して、サーブするUEの数が少ないことが考えられる。したがって、本実施の形態では、スモールセルで用いるPDCCHのOFDMシンボル数を、マクロセルで用いるPDCCHのOFDMシンボル数と比較して少なくしてもよいとする。
また、1つのスモールセルのPDCCHのOFDMシンボル数を時間的に変更せず、一定としてもよい。つまり、1つのスモールセルのPDSCHスタートOFDMシンボル数を時間的に変更せず、一定としてもよい。
これによって、UEは、同じスモールセルのPDCCH受信、PDSCH受信において、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えばPDCHHのOFDMシンボル数の設定を同じにし、PDSCHのスタートOFDMシンボルを同じにして受信すればよい。
また1つのスモールセルにサーブされている間、改めてPCFICHを受信する必要がない。これによってUEは、PCFICHがスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
さらに、スモールセルのPDCCHのOFDMシンボル数を時間的に一定としてもよい。つまり、さらにスモールセルのPDSCHスタートOFDMシンボル数を一定にしてもよい。
これによってUEは、スモールセルからスモールセルにセル再選択(ハンドオーバであってもよい)した場合、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えばPDCHHのOFDMシンボル数の設定を同じにし、PDSCHのスタートOFDMシンボルを同じにして受信すればよい。
また改めてPCFICHを受信する必要がない。これによってUEは、PCFICHがスケジューリングされるタイミングであっても、受信処理をする必要がない。したがって、UEの消費電力を低減することができる。
(13)MBSFNサブフレーム設定(MBSFN-SubframeConfigList)。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルにおけるMBSFNサブフレーム設定を同じにする。本パラメータは、SIB2に含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。
MBSFNサブフレームについて説明する。サブフレーム単位で、MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用のチャネルと、MBSFN以外用のチャネルとの多重が行われる。MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、同時に複数のセルから同じ波形の送信により実現される同時放送送信技術(simulcast transmission technique)である。
UEでは、MBSFNエリア(MBSFN Area)の複数のセルからのMBSFN送信は、1つの送信と認識される。MBSFN送信用のサブフレームは、MBSFNサブフレーム(MBSFN subframe)と称される。MBSFNサブフレームでは、PDSCHの送信は行われない。
同じ集合に含まれるスモールセルは、MBSFNサブフレーム設定を同じにすることによって、同じ集合に含まれるスモールセルのPDSCH受信において、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えば同じサブフレームをMBSFNサブフレームと認識し、該MBSFNサブフレーム以外のサブフレームでPDSCHの受信をすればよい。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
また、集合の具体例が前記の具体例(2)「同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されたスモールセル」である場合、更に以下の効果を得ることができる。
MBSFNサブフレームは、時間領域セル間干渉調整(Time Domain - Inter Cell Interference Coordination:TD−ICIC)に用いることができる。サブフレーム単位で、PDSCHの有り、あるいは無しを設定できるからである。具体的には、PDSCHの送信を無くしたいサブフレームを、MBSFNサブフレームとして設定すればよい。
本実施の形態を用いることによって、同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されたスモールセルのMBSFNサブフレーム設定は同一である。したがって、カバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置された全てのスモールセルから、該MBSFNサブフレームでPDSCHが送信されないこととなる。つまり、該MBSFNサブフレームで、カバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置された全てのスモールセルから、PDSCHによる干渉が発生しないこととなる。これによって、マクロセルと、マクロセルのカバレッジ内に設置されるスモールセルとにおけるTD−ICICが実現できる。
同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されたスモールセルのMBSFNサブフレーム設定が同一であるので、各々のスモールセルとマクロセルとの干渉回避を実行する必要がない。マクロセルとスモールセルとが同周波数で運用される場合は、本実施の形態を用いて、TD−ICICを実現することは、特に顕著な干渉問題の解決方法となる。
(14)ページングの受信のためのPF(Paging Frame)。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルにおけるページングの受信のためのPFを同じにする。
ページングの受信タイミングについて説明する(非特許文献2参照)。待受け状態のUEは、低消費電力のために、間欠受信(Discontinuous reception:DRX)をサポートする。UEは、ページングの受信のために、DRXサイクルあたり1無線フレーム存在するページングフレーム(Paging Frame:PF)をモニタし、ページングフレーム中にサブフレーム単位で存在するページングオケージョン(Paging Occasion(s):PO)を受信する。
PFは、以下に示す式(1)によって求めることができる。
SFN mod T=(T div N)×(UE_ID mod N) …(1)
式(1)において、SFNとは、システムフレームナンバー(System Frame Number)である。Tは、UEにおけるDRX周期(cycle)を示す。Tは、上位レイヤから割当てられるUE固有のDRX(UE specific DRX)値のうち、最短値とSIB2中で報知される初期DRX値(default DRX value)とによって決定される。上位レイヤからUE固有のDRXの設定が無い場合は、初期DRX値が適用される。Nは、min(T,nB)を示す。つまり、Nは、TとnBとのうち、小さい方の値である。nBは、4T,2T,T,T/2,T/4,T/8,T/16,T/32である。
本実施の形態では、同じ集合に含まれるスモールセルにおけるページングの受信のためのPFを同じにするために、同じ集合に含まれるスモールセルにおける初期DRX値と、SFNとを同じにする。初期DRX値は、SIB2に含まれるパラメータである。SFNは、MIBに含まれるパラメータである(非特許文献10参照)。
同じ集合に含まれるスモールセルは、ページングの受信のためのPFを同じにすることによって、同じ集合に含まれるスモールセルのページングの受信においては、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えば同じタイミング(PF)でページング受信処理を実行すればよい。PDSCHの受信において、同じ条件で受信すればよい。同じ条件とは、例えば同じタイミング(PF)でページング受信処理を実行すればよい。これによって、UEの処理負荷を軽減することができる。
また、集合の具体例が前記の具体例(2)「同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されたスモールセル」である場合、さらに、カバレッジマクロセルと、該カバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されるスモールセルとの前記パラメータを同じ値にしてもよい。これによって、UEが、カバレッジマクロセルと該カバレッジマクロセルのカバレッジ内に設置されるスモールセルとの双方からのページングを受信する場合に、以下の効果を得ることができる。
1つの同じタイミング(PF)で、UEはページング受信処理を行えばよい。これによって、UEの消費電力を低減することができる。
(15)ETWS通知(Earthquake and Tsunami Warning System notification)。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルからのETWSの通知を同じにする。本通知は、SIB10、SIB11に含まれる(非特許文献10参照)。スモールセルは、カバレッジが狭い。したがって、マクロセルと比較してUEがカバレッジ端に位置する確率が高くなる。カバレッジ端に位置するUEにおけるETWSの通知の受信を失敗することが考えられる。同じ集合に含まれるスモールセルからのETWSの通知を同じにすることによって、UEにおけるETWSの通知の受信の失敗を削減することが可能となる。
(16)CMAS通知(Commercial Mobile Alert Service notification)。つまり、同じ集合に含まれるスモールセルからのCMASの通知を同じにする。本通知は、SIB12に含まれる(非特許文献10参照)。スモールセルは、カバレッジが狭い。したがって、マクロセルと比較してUEがカバレッジ端に位置する確率が高くなる。カバレッジ端に位置するUEにおけるCMASの通知の受信を失敗することが考えられる。同じ集合に含まれるスモールセルからのCMASの通知を同じにすることによって、UEにおけるCMASの通知の受信の失敗を削減することが可能となる。
(17)前記(1)〜(16)の組合せ。
スモールセルが、自セルが属する集合をUEに通知する方法としては、スモールセルが、自セルが属する集合のインジケータを傘下のUEに通知する。通知方法の具体例として以下の(1)〜(5)の5つを開示する。
(1)下り同期信号(Downlink Synchronization Signal:SS)を用いる。第一同期信号と第二同期信号とを用いてもよいし、いずれか一方を用いてもよい。集合のインジケータをマッピングしてもよい。下り同期信号が持つシーケンスを用いて、自セルが属する集合を示してもよい。
(2)ディスカバリーシグナル(discovery reference signal)。ディスカバリーシグナルは、非特許文献9に開示されている。ディスカバリーシグナルは、インフラ(infrastructure)の消費電力低減(Energy Saving)のためにスイッチオフされたスモールセル、および通常動作(スイッチオン)されたスモールセルの発見(discovery)に用いることが開示されている。また、非特許文献9には、他セルへの干渉低減、およびスモールセルの送信電力削減のために、ディスカバリーシグナルの送信周期を長くすることが開示されている。集合のインジケータをマッピングしてもよい。ディスカバリーシグナルが持つシーケンスを用いて、自セルが属する集合を示してもよい。
(3)MIB。MIBに集合のインジケータをマッピングする。
(4)SIB1。SIB1に集合のインジケータをマッピングする。
(5)前記(1)〜(4)の組合せ。
同じ集合に含まれるスモールセルで、どのパラメータが同じ値であるかを通知する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)同じ集合に含まれるスモールセルで、どのパラメータが同じ値であるかは、予め静的に決定する。UEに、その都度通知する必要がない点において、以下の方法(2)とは異なり、通信システムが複雑化することを回避することができ、無線リソースを有効に活用することができる。
(2)同じ集合に含まれるスモールセルで、どのパラメータが同じ値であるかは、準静的に決定する。パラメータに、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータを付随させて、UEに通知する。インジケータを付随させるのは、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値となる可能性のあるパラメータのみでもよい。また、同じSIBに含まれる全てのパラメータを同じにする場合、SIB1に含まれるSIB2以降のスケジューリング情報に、インジケータを付随させればよい。SIB2以降の各SIBに付随させる場合と比較して、以下の効果を得ることができる。
SIB2以降の各SIBをスケジューリング情報に従って受信する前に、SIB2以降の各SIBを受信するか否かを判断することができるので、受信しないと判断する場合、UEの消費電力を低減することができる。
スモールセルが、どの集合に属するかの決定を決定する方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)O&M(Operation and Maintenance)が決定する。決定の際の判断基準として、以下の(1−1)〜(1−4)の4つを開示する。
(1−1)設置されたスモールセルの位置情報に応じて決定する。スモールセルが、位置情報をO&Mに報告すればよい。
(1−2)設置されたスモールセルの周辺セル測定結果に応じて決定する。スモールセルが、周辺セル測定結果をO&Mに報告すればよい。
(1−3)オペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、O&Mに設定する。
(1−4)前記(1−1)〜(1−3)の組合せ。
(2)スモールセルが決定する。決定の際の判断基準として、以下の(2−1)〜(2−3)の3つを開示する。
(2−1)設置されたスモールセルの周辺セル測定結果に応じて決定する。
(2−2)オペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、スモールセルに設定する。
(2−3)前記(2−1),(2−2)の組合せ。
同じ集合に含まれるスモールセルにおいて、一部のパラメータを同じ値にする方法の具体例として、以下の(1),(2)の2つを開示する。
(1)O&Mが調整する。O&Mが、同じ集合に含まれるスモールセルの一部のパラメータを同じ値に設定する。図43を用いて、実施の形態5の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの具体例を説明する。図43は、実施の形態5における通信システムのシーケンスの一例を示す図である。図43では、O&Mが同じ集合に含まれるスモールセルの一部のパラメータを同じ値に設定する場合のシーケンスを示している。
ステップST7201において、スモールセルが設置される。ステップST7202において、スモールセルは、スモールセルが設置されたことをO&Mに通知する。設置場所の位置情報を合せて通知してもよい。また、周辺セル測定結果を併せて通知してもよい。さらに、オペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、スモールセルに設定した、該スモールセルがいずれの集合に属するかの情報を併せて通知してもよい。
ステップST7203において、O&Mは、ステップST7202で設置されたことを通知してきたスモールセルをいずれの集合に属するとするか決定する。O&Mは、ステップST7202で受信した設置場所の位置情報に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。また、O&Mは、ステップST7202で受信した周辺セル測定結果に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。さらに、O&Mは、ステップST7202で受信したオペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、スモールセルへ設定した、該スモールセルがいずれの集合に属するかの情報に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。
ステップST7204において、O&Mは、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値とするパラメータを決定する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみを同じ値とすると決定してもよい。
ステップST7205において、O&Mは、スモールセルに各パラメータを設定する。その際、ステップST7204において同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値とすると決定したパラメータには、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値を設定する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみを同じ値とする場合など、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータを、パラメータに付随させて通知するとよい。
ステップST7206において、スモールセルは、ステップST7205でO&Mから受信した各パラメータを設定し、動作を開始する。
ステップST7207において、スモールセルは、ステップST7205でO&Mから受信した各パラメータのうち、必要なパラメータを傘下のUEに通知する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみが同じ値とされる場合など、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータを、パラメータに付随させて通知するとよい。
(2)コンセントレータが調整する。コンセントレータが、同じ集合に含まれるスモールセルの一部のパラメータを同じ値に設定する。O&Mがスモールセルに設定したパラメータのうち、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にするパラメータの値を上書きするとしてもよい。
コンセントレータの具体例として、以下の(2−1),(2−2)の2つを開示する。
(2−1)スモールセルコンセントレータ。スモールセルクラスタ毎にコンセントレータを設けてもよい。
(2−2)マクロセル。該スモールセルのカバレッジマクロセルとしてもよい。
図44を用いて、実施の形態5の解決策を用いた場合の通信システムのシーケンスの具体例を説明する。図44は、実施の形態5における通信システムのシーケンスの他の例を示す図である。図44では、コンセントレータが同じ集合に含まれるスモールセルの一部のパラメータを同じ値に設定する場合のシーケンスを示している。
ステップST7301において、スモールセルが設置される。ステップST7302において、スモールセルは、スモールセルが設置されたことをO&Mに通知する。このとき、スモールセルが、どの集合に属するかの決定を決定するかをO&Mが決定する場合、設置場所の位置情報を併せて通知してもよい。また、周辺セル測定結果を併せて通知してもよい。さらに、オペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、スモールセルへ設定した、該スモールセルがいずれの集合に属するかの情報を併せて通知してもよい。
ステップST7303において、スモールセルがどの集合に属するかの決定を決定するかをO&Mが決定する場合、O&Mは、ステップST7302で設置されたことを通知してきたスモールセルをいずれの集合に属するとするか決定する。
O&Mは、ステップST7302で受信した設置場所の位置情報に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。また、O&Mは、ステップST7302で受信した周辺セル測定結果に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。さらに、O&Mは、ステップST7302で受信したオペレータ、あるいはスモールセルのオーナーが決定し、スモールセルへ設定した、該スモールセルがいずれの集合に属するかの情報に応じて、該スモールセルをいずれの集合に属するとするか決定してもよい。
ステップST7304において、O&Mは、スモールセルに各パラメータを設定する。スモールセルがどの集合に属するかをO&Mが決定する場合、ステップST7303で決定した集合の情報を併せて通知すればよい。集合の具体例が、スモールセルクラスタである場合、該スモールセルクラスタに対応するコンセントレータ、つまりスモールセルコンセントレータの情報を併せて通知してもよい。集合の具体例が、カバレッジマクロセルである場合、コンセントレータ、つまり該カバレッジマクロセルの情報を併せて通知してもよい。
ステップST7305において、スモールセルは、スモールセルが設置されたことをコンセントレータに通知する。いずれのコンセントレータに通知するかは、設置された位置情報に応じて決定してもよいし、周辺セル測定結果に応じて決定してもよい。あるいは、ステップST7304において、コンセントレータの情報を受信している場合、該コンセントレータに、スモールセルが設置されたことを通知すればよい。スモールセルがどの集合に属するかをO&Mが決定する場合、ステップST7304で受信した集合の情報を併せて通知する。スモールセルがどの集合に属するかをスモールセルが決定する場合、決定した集合の情報を併せて通知する。
ステップST7306において、コンセントレータは、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値とするパラメータを決定する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみを同じ値とすると決定してもよい。
ステップST7307において、コンセントレータは、スモールセルに、ステップST7306において同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値とすると決定したパラメータの設定を行う。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値を設定する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみを同じ値とする場合など、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータを、パラメータに付随させて通知するとよい。
ステップST7308において、スモールセルは、ステップST7304でO&Mから受信した各パラメータに、ステップST7307でコンセントレータから受信した各パラメータの値を上書設定し、動作を開始する。
ステップST7309において、スモールセルは、O&Mに、ステップST7304でO&Mから受信したパラメータのうち、異なる値を設定したパラメータを通知する。パラメータ値を併せて通知してもよい。つまり、ステップST7307でコンセントレータから受信した各パラメータと、各パラメータ値とを通知する。
ステップST7310において、スモールセルは、各パラメータのうち、必要なパラメータを傘下のUEに通知する。同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値にできるパラメータの一部のみが同じ値とされる場合など、同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータを、パラメータに付随させて通知するとよい。
次に実施の形態5の解決策におけるUEの動作例について説明する。図45は、従来のUEが行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。図45は、前述の図6と類似しているので、図6に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
ステップST7401において、ステップST1204で取得したDLシステム帯域幅などの情報を用いて、PCFICHを受信する。PCFICHによって、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数が判明する。したがって、PDSCHのスタートシンボルを認識する。
ステップST1205において、ステップST1204で取得したMIBのセル構成情報と、ステップST7401で認識したPDSCHのスタートシンボルとに基づいて、該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。
ステップST7402において、ステップST1205で取得したSIB1に他のSIBのスケジューリング情報が含まれるか否かを判断する。ステップST7402において、他のSIBのスケジューリング情報が含まれていると判断された場合は、ステップST7403に移行し、他のSIBのスケジューリング情報が含まれていないと判断された場合は、ステップST7404に移行する。
ステップST7403において、ステップST1205で取得した他のSIB(SIBk;kは2以上(k≧2)の整数)のスケジューリング情報に従い、他のSIBを受信する。
ステップST7404において、PDCCH上にSI−RNTI(System Information RNTI)がマッピングされているか否かを判断する。SI−RNTIとは、SIBに変更が生じた場合に、傘下のUEへの該変更の通知に用いられる。ステップST7404において、PDCCH上にSI−RNTIがマッピングされていると判断された場合は、ステップST1205に戻り、前述の処理を繰り返す。ステップST7404において、PDCCH上にSI−RNTIがマッピングされていないと判断された場合は、ステップST7404の処理を繰り返す。
図46〜図48は、実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の一例を示すフローチャートである。図46〜図48では、自セルが属する集合をUEに通知する方法として、前記の具体例(1)の下り同期信号を用いる場合のUEの動作例について示している。図46〜図48は、前述の図6および図45に類似しているので、図6および図45に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図46のステップST7501において、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、および第二同期信号(S−SS)を用いて、スロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSとを合わせて、同期信号(SS)という。同期信号(SS)には、セル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1に対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は504通りが検討されている。この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。
第一同期信号と第二同期信号とを用いて、あるいはいずれか一方を用いて、スモールセルが属する集合を認識する。第一同期信号と第二同期信号とを用いて、あるいはいずれか一方から、集合が属するインジケータを検出してもよい。あるいはシンクロナイゼーションコードが持つシーケンスから、スモールセルが属する集合を認識する。
ステップST7502において、サービングセルが属する集合のインジケータを確認する。
ステップST7503において、ステップST1203で選択したベストセル(検出セル)が属する集合と、サービングセルが属する集合とが同じ集合に属するか否かを判断する。ステップST7503において、ベストセルが属する集合とサービングセルが属する集合とが同じ集合に属すると判断された場合は、図48のステップST7504に移行し、ベストセルが属する集合とサービングセルが属する集合とが同じ集合に属さないと判断された場合は、図47のステップST1204に移行する。
図48のステップST7504において、ベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がマッピングされる。
MIBにマッピングされるパラメータのうち、静的に同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になると決定されているパラメータが存在すれば、該パラメータをデコードしない。
MIBにマッピングされるパラメータのうち、同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値となる可能性のあるパラメータが存在し、該パラメータに付随する同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値となっているか、否かのインジケータが同じ値となっていることを示す場合、該パラメータをデコードしない。他方、同じ値となっているか、否かのインジケータが同じ値となっていることを示さない場合、該パラメータを通常通りデコードする。
ステップST7505において、ステップST7504で取得したDLシステム帯域幅などの情報を用いて、PCFICHを受信する。同じ集合に含まれるスモールセルではPDSCHのスタートシンボルが同じになると静的に決定されていれば、PCFICHの受信は不要である。
ステップST7506において、ステップST7504で取得したMIBのセル構成情報と、ステップST7505で認識したPDSCHのスタートシンボルとに基づいて、該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。
SIB1にマッピングされるパラメータのうち、静的に同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になると決定されているパラメータが存在すれば、該パラメータをデコードしない。
SIB1にマッピングされるパラメータのうち、同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になる可能性のあるパラメータが存在し、該パラメータに付随する同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示す場合、該パラメータをデコードしない。他方、同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示さない場合、該パラメータを通常通りデコードする。
ステップST7507において、ステップST7506で取得した他のSIB(SIBk;kは2以上(k≧2)の整数)のスケジューリング情報に従い、他のSIBを受信する。
スケジューリングがされた他のSIBのうち、静的に同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になると決定されている他のSIBが存在すれば、スケジューリング情報の有無とは無関係に、該他のSIBを受信しない。
スケジューリングがされた他のSIBのうち、同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になる可能性のある他のSIBが存在し、該他のSIBに付随する同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示す場合、スケジューリング情報の有無とは無関係に、該他のSIBを受信しない。他方、同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示さない場合、該他のSIBを通常通りで受信する。
また、他のSIBに静的に同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になると決定されているパラメータが存在すれば、該パラメータをデコードしない。
他のSIBにマッピングされるパラメータのうち、同じ集合に含まれるスモールセルでは同じ値になる可能性のあるパラメータが存在し、該パラメータに付随する同じ集合に含まれるスモールセルで同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示す場合、該パラメータをデコードしない。他方、同じ値になっているか否かのインジケータが同じ値になっていることを示さない場合、該パラメータを通常通りデコードする。
自セルが属する集合をUEに通知する方法として、前記の具体例(2)のディスカバリーシグナルを用いる場合の実施の形態5の解決策におけるUEの動作例は、前記の具体例(1)の下り同期信号を用いる場合の実施の形態5の解決策におけるUEの動作例と類似しているので、詳細な説明を省略する。
ステップST7501において、ディスカバリーシグナルから、集合が属するインジケータを検出する。あるいはディスカバリーシグナルが持つシーケンスから、スモールセルが属する集合を認識してもよい。
図49〜図51は、実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。図49〜図51では、自セルが属する集合をUEに通知する方法として、前記の具体例(3)のMIBを用いる場合のUEの動作例について示している。図49〜図51は、前述の図6、図45および図46〜図48に類似しているので、図6、図45および図46〜図48に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図49のステップST7601において、MIBから、集合が属するインジケータを検出する。
図52および図53は、実施の形態5におけるUEの動作の処理手順の他の例を示すフローチャートである。図52および図53では、自セルが属する集合をUEに通知する方法として、前記の具体例(4)のSIB1を用いる場合のUEの動作例について示している。図52および図53は、前述の図6、図45および図46〜図48に類似しているので、図6、図45および図46〜図48に対応するステップについては、同一のステップ番号を付して、共通する説明を省略する。
図53のステップST7701において、SIB1から、集合が属するインジケータを検出する。
実施の形態5によって、以下の効果を得ることができる。同じ集合に含まれるスモールセルのパラメータを同じ値にすることによって、効率が良い通信システムを構築することができる。また、UEの消費電力を低減することができる。
本実施の形態では、スモールセルについて説明したが、同じ集合に含まれるセルであれば、本実施の形態を適用することによって、同様の効果を得ることができる。
実施の形態6.
3GPPでは、測定記録(Logged Measurement)について議論されている(非特許文献12参照)。測定記録では、待受け状態のUEが下り参照信号強度の測定結果のみを記録する。測定記録では、周期的に該測定結果を記録する。該周期は、設定可能である。測定記録エリアは、設定可能である。E−UTRANからUEに通知される測定記録設定(Logged Measurement configuration)によって、測定記録エリアが設定されると、そのエリアに存在するUEは、測定記録をする。
測定記録エリアとは、(1)32種類までのGCI(Global Cell Identity)、(2)8種類までのTA(Tracking Areas )、(3)8種類までのLA(Location Areas)、(4)8種類までのRA(Routing Areas)である。また、UEは、UE内の最小運転テスト(Minimization of Drive Tests:MDT)用のメモリに保存される情報量が、メモリの最大記憶容量に達するまで、測定記録設定に従って、測定記録を継続する。
実施の形態6で解決する課題について、以下に説明する。スモールセルは、カバレッジが狭いことから数多く設置されることが考えられる。UEが同じ場所から測定可能なセルの数を考えると、マクロセルの数と、スモールセルの数とを比較すれば、スモールセルの数が多くなることが考えられる。したがって、スモールセルが多く設置されている場所で、測定記録(Logged Measurement)の周期となったUEは、数多くのスモールセルからの下り参照信号の強度を測定し、MDT用のメモリに保存することとなる。
このことから、スモールセルが数多く設置されていない場所と比較して、スモールセルが数多く設置されている場所では、MDT用のメモリに保存される情報量が、比較的短時間でメモリの最大記憶容量に達することが考えられる。これによって、ネットワーク側が、予定するUEの測定記録(Logged Measurement)を取得することが不可能となるおそれがある。ネットワーク側が、UEの測定記録(Logged Measurement)を効率的な通信システムの構築に用いる場合、効率的な通信システムの構築が不可能となるという課題が発生する。
実施の形態6における解決策として、以下の(1)〜(4)の4つを示す。
(1)測定記録(Logged Measurement)の対象セルを決定する。これによって、ネットワーク側が予定するUEの測定記録を取得することが可能となる。測定記録対象セルの具体例として、以下の(1−1)〜(1−2)の2つを開示する。
(1−1)測定記録対象セルをマクロセルとする。
(1−2)測定記録対象セルをスモールセルとする。
(2)測定記録(Logged Measurement)をマクロセル用とスモールセル用とで別個に設ける。測定記録設定(Logged Measurement configuration)、測定報告(Logged Measurement Reporting)をマクロセル用とスモールセル用とで別個に設ける。マクロセル用とスモールセル用とにせずに、複数種類設けて、ネットワーク側がその都度使い分けてもよい。
(3)1周期における測定結果をMDT用のメモリに保存する対象セルの最大数を決定する。1周期で測定記録(Logged Measurement)の対象となるセルの最大数を決定する。その際、測定結果の下り参照信号強度が高いセルから順に、該最大数分、該測定結果をMDT用のメモリに保存してもよい。対象となるセルの最大数は、マクロセル用とスモールセル用とで別個に設けてもよい。また、マクロセル用とスモールセル用とにせずに、複数種類設けて、ネットワーク側がその都度使い分けてもよい。
同じ集合に含まれるスモールセルの測定結果をMDT用のメモリに保存する場合、同じ集合に含まれるスモールセルにおいて、MDT用のメモリに保存する対象セルの最大数を決定するようにしてもよい。この場合も、測定結果の下り参照信号強度が高いセルから順に、該最大数分、該測定結果をMDT用のメモリに保存してもよい。集合の具体例としては、実施の形態5と同様に、同じスモールセルクラスタ、同じカバレッジマクロセルがある。
同じスモールセルクラスタに属するスモールセルにおいて、MDT用のメモリに保存する対象セルの最大数が決定された場合、UEは、メジャメントレポートによって、スモールセルクラスタのインジケータを併せて通知してもよい。また、同じカバレッジマクロセルのカバレッジ内のスモールセルにおいて、MDT用のメモリに保存する対象セルの最大数が決定された場合、UEは、メジャメントレポートによって、カバレッジマクロの識別子を併せて通知してもよい。スモールセルが、自セルが属する集合をUEに通知する方法は、実施の形態5と同様であるので、説明を省略する。
(4)1周期で測定する測定期間を決定する。該測定期間を経過した場合、測定記録(Logged Measurement)を行わない。1周期で測定する測定期間は、マクロセル用とスモールセル用とで別個に設けてもよい。また、マクロセル用とスモールセル用とにせずに、複数種類設けて、ネットワーク側がその都度使い分けてもよい。
また、インフラの消費電力低減(Energy Saving)のために、スモールセルは、比較的頻繁にスイッチオフされることが検討されている。スイッチオフされたスモールセルの発見(discovery)にディスカバリーシグナルを用いることが検討されている。実施の形態6における解決策の(1)〜(4)のマクロセルとスモールセルとの分類を、ドーマントモードのセル(スイッチオフされたセル)と通常動作(アクティブモード)のセルとの分類として適用してもよい。またUEが、対象セルがドーマントモードであるかアクティブモードであるかを識別するための情報をセルから通知するとよい。
また、実施の形態6における解決策の(1)〜(4)のマクロセルとスモールセルとの分類を、NCTを用いているセルとNCTを用いていないセルとの分類として適用してもよい。またUEが、対象セルがNCTを用いているか、あるいはNCTを用いていないかを識別するための情報をセルから通知するとよい。
1周期における測定結果をMDT用のメモリに保存する対象セルの最大数、あるいは1周期で測定する測定期間、測定記録の対象セルのUEへの通知方法の具体例として、以下の(1)、(2)の2つを示す。
(1)予め静的に決定する。UEに、その都度通知する必要がない点において、以下の方法(2)とは異なり、通信システムが複雑化することを回避することができ、無線リソースを有効に活用することができる。
(2)準静的に決定する。前記最大数、あるいは測定期間を、測定記録設定(Logged Measurement configuration)を用いて通知する。
実施の形態6によって、以下の効果を得ることができる。スモールセルが数多く設置されている場所であっても、ネットワーク側の設定によって、MDT用のメモリに保存する測定結果の対象セル数を制御することが可能となる。これによって、ネットワーク側が、予定するUEの測定記録(Logged Measurement)を取得することが可能となる。また、ネットワーク側が、UEの測定記録(Logged Measurement)を効率的な通信システムの構築に用いる場合、効率的な通信システムの構築が可能となる。
本発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての態様において、例示であって、本発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、本発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
2101〜2112,2201〜2215 セル、2113,2114,4137,4208 UE、2216〜2219 セルグループ、4109〜4136,4140,5001,5002,5005,5006,5101,5102,5401,5403,5405,5407 スモールセル、4101〜4104,4204 コンセントレータ、4105〜4108 スモールセルグループ(SCG)、4141,5003,5004,5007,5008,5103,5104,5402,5404,5406,5408 カバレッジ、4201 P−GW、4202 S−GW、4203 MME、4205 第1のスモールセル(SC1)、4206 第2のスモールセル(SC2)、4207 第3のスモールセル(SC3)。

Claims (2)

  1. 1つまたは複数の基地局装置を含むネットワーク側装置によって構成されるネットワークを介して、複数の通信端末装置が無線通信を行う通信システムであって、
    前記1つまたは複数の基地局装置によって構成され、前記複数の通信端末装置と接続されて前記複数の通信端末装置と無線通信を行う複数のセルを備え、
    前記複数のセルは、複数のグループにグループ化されており、
    前記複数の通信端末装置のうちの一の通信端末装置は、
    (a)待受け状態である場合、自装置が在圏しているセルの属するグループ、および自装置が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定を行い、
    (b)接続状態である場合、自装置が接続しているセルの属するグループ、および自装置が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定を行い、
    前記一の通信端末装置は、測定対象の前記グループを、前記複数のグループの優先順位に基づいて選択することを特徴とする通信システム。
  2. 1つまたは複数の基地局装置を含むネットワーク側装置によって構成されるネットワークを介して、複数の通信端末装置が無線通信を行う通信システムであって、
    前記1つまたは複数の基地局装置によって構成され、前記複数の通信端末装置と接続されて前記複数の通信端末装置と無線通信を行う複数のセルを備え、
    前記複数のセルは、複数のグループにグループ化されており、
    前記複数の通信端末装置のうちの一の通信端末装置は、
    (a)待受け状態である場合、自装置が在圏しているセルの属するグループ、および自装置が在圏しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、再選択先のセルを選択するための測定を行い、
    (b)接続状態である場合、自装置が接続しているセルの属するグループ、および自装置が接続しているセルの属するグループと異なるグループのいずれかを選択し、選択したグループに属するセルに対して、ハンドオーバのための測定を行い、
    前記一の通信端末装置は、測定対象の前記グループを、前記複数のグループの負荷情報または前記複数のグループの規制情報に基づいて選択することを特徴とする通信システム。
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