JP2019053470A - 作業車両用の自律走行システム - Google Patents

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Abstract

【課題】目標操舵角の演算に要する演算負荷を軽減しながら、舵角誤差に起因した走行オフセットによる作業精度の低下を抑制する。【解決手段】作業車両用の自律走行システムは、目標操舵角θsを設定する操舵角設定部16Eと、操舵角を検出する舵角センサ18とを有し、操舵角設定部16Eは、方位角偏差を演算する方位角偏差演算手段16Eaと、舵角誤差を検出する舵角誤差検出手段16Ebと、方位角偏差と舵角誤差とから目標操舵角θsを演算する操舵角演算手段16Ecとを有し、方位角偏差演算手段16Eaは、自律走行中に現在位置から進行方向側に所定距離をあけた目標経路上に目標地点を設定し、現在位置から目標地点にわたる目標方位ラインを生成し、現在方位と目標方位ラインとがなす角度を方位角偏差として演算する。【選択図】図2

Description

本発明は、トラクタ、乗用田植機、コンバイン、乗用草刈機、ホイールローダ、除雪車、などの乗用作業車両、および、無人草刈機などの無人作業車両に利用可能な作業車両用の自律走行システムに関し、詳しくは、予め生成された目標経路を記憶する記憶部と、自車の現在位置および現在方位を測定する測位ユニットと、前記自車が前記目標経路を自律走行するように操舵輪を自動操舵する自動操舵ユニットとを備えた作業車両用の自律走行システムに関する。
上記のような作業車両用の自律走行システムにおいては、自車の方位を検出する地磁気方位センサ、自車の現在位置を認識するGPS受信機、および、前輪の操舵角を検出する舵角センサ、などを備え、直線目標経路での作業車両の自律走行中に、車体前側の前輪間中央位置である中心部、および、車体後側のGPS受信機のアンテナ設置位置であるGPS位置計測点が、直線目標経路から横方向に第1距離または第2距離だけ離れている状態で、かつ、前輪が任意の操舵角で操舵された状態にあるときには、車体前側の中心部からの直線目標経路に対する垂線と直線目標経路との交点から第3距離だけ前方の直線目標経路上に目標点を設定して、中心部と目標点を結ぶ直線と、中心部を通る直線目標経路と平行な直線との間の前目標方位(前目標方位=Arctan(第1距離/第3距離))を算出し、直線目標経路に対する車体の方位と操舵角と目標方位とで目標操舵角(目標操舵角=方位+操舵角+目標方位)を算出する。また、GPS位置計測点からの直線目標経路に対する垂線と直線目標経路との交点から第4距離だけ前方の直線目標経路上に後目標点を設定し、GPS位置計測点と後目標点を結ぶ直線と、GPS位置計測点を通る直線目標経路と平行な直線との間の目標方位(目標方位=Arctan(第2距離/第4距離))を算出する。そして、前輪の目標操舵角に基づく操舵制御値と、GPS位置計測点の目標方位に基づくPI制御の比例及び積分値とから、地磁気方位センサの誤差を含まない前輪操舵用の指令値を演算し、この指令値に前輪の操舵角が合致するように指令値と舵角センサの出力とに基づいて前輪の操舵角を制御することにより、自車を目標経路に沿って自律走行させるように構成されたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2002−358122号公報
特許文献1に記載の構成では、前輪の目標操舵角に基づく操舵制御値と、GPS位置計測点の目標方位に基づくPI制御の比例及び積分値とから、前輪操舵用の指令値を演算することにより、その演算が複雑になって演算に要する負荷が大きくなる。
その上、特許文献1に記載の構成では、前述した目標点設定用の第3距離を、GPS位置計測点の直線目標経路からの横方向の第1距離(左右離間距離)の大小変化によって切り換えることから、目標操舵角を設定する上においては方位角偏差に加えて横方向偏差も考慮する必要があり、これにより、演算に要する負荷が更に大きくなる。
また、特許文献1に記載の構成では、前輪の自動操舵を行う上において、舵角センサの個体差などに起因した舵角誤差が考慮されていないことから、図8に示すように、作業車両1が目標経路Pの直進作業経路部P1を自律走行しているときに、操舵輪の目標操舵角が直進用の目標操舵角に設定されていても、舵角誤差によって操舵輪の実操舵角が直進用の目標操舵角からずれてしまい、このときのずれ量に応じて作業車両1が直進作業経路部P1から徐々に斜め方向にオフセットする。その後、このときのオフセットに基づいて、操舵輪の目標操舵角が、作業車両1を直進経路部P1に戻すための目標操舵角に変更されても、このときの目標操舵角の変更量が舵角誤差と相殺されてしまい、作業車両1が直進作業経路部P1に対する一定の走行オフセット量Soを残した状態で走行することになる。その結果、走行オフセットに起因した作業精度の低下を招くことになる。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、目標操舵角の演算に要する演算負荷を軽減しながら、舵角誤差に起因した走行オフセットによる作業精度の低下を抑制することができる作業車両用の自律走行システムを提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、
予め生成された目標経路を記憶する記憶部と、自車の現在位置および現在方位を測定する測位ユニットと、前記自車が前記目標経路を自律走行するように操舵輪を自動操舵する自動操舵ユニットとを備え、
前記自動操舵ユニットは、前記操舵輪の目標操舵角を設定する操舵角設定部と、前記操舵輪の操舵角を検出する舵角センサとを有し、
前記操舵角設定部は、方位角偏差を演算する方位角偏差演算手段と、自律走行時の舵角誤差を検出する舵角誤差検出手段と、前記方位角偏差と前記舵角誤差とから前記目標操舵角を演算する操舵角演算手段とを有し、
前記方位角偏差演算手段は、自律走行中に前記現在位置から進行方向側に所定距離をあけた前記目標経路上に目標地点を設定する目標地点設定処理と、前記現在位置から前記目標地点にわたる目標方位ラインを生成するライン生成処理と、前記現在方位と前記目標方位ラインとがなす角度を前記方位角偏差として演算する方位角偏差演算処理とを行う点にある。
本構成によれば、方位角偏差演算手段が、前述した目標地点設定処理とライン生成処理と方位角偏差演算処理とを行うことにより、目標方位ラインの方位と自車の現在方位との方位角偏差を簡単に演算することができる。そして、操舵角演算手段が、その方位角偏差に舵角誤差検出手段により検出された舵角誤差を加味することにより、舵角誤差が考慮された好適な目標操舵角を演算することができる。
これにより、この目標操舵角に基づいて操舵輪の自動操舵を行うことにより、舵角誤差に起因した自律走行時における自車の目標経路に対する走行オフセット量を低下させることができる。
その結果、目標操舵角の演算に要する演算負荷を軽減しながら、舵角誤差に起因した走行オフセットによる作業精度の低下を抑制することができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記目標経路は、前記自車の走行形態に応じて複数種類の経路部に区画され、
前記記憶部には、前記経路部の種類に応じて異なる長さに設定された複数の前記所定距離が記憶され、
前記方位角偏差演算手段は、前記自車が自律走行する前記経路部の種類に応じて前記所定距離を自動的に変更する点にある。
本構成によれば、作業車両が自律走行する経路部の種類に応じてユーザが所定距離を手動で変更する手間を無くすことができる。また、ユーザが所定距離を間違えることや所定距離を変更し忘れることに起因した方位角偏差の演算精度の低下を防止することができる。
本発明の第3特徴構成は、
前記目標経路は、前記自車の走行形態に応じて複数種類の経路部に区画され、
前記方位角偏差演算手段は、前記現在位置が現在の経路部から種類の異なる次の経路部に切り替わるまでの間は、前記現在の経路部の延長線上に前記目標地点を設定する点にある。
本構成によれば、例えば、自車が直進経路部を自律走行している間は、直進経路部での自律走行に適した目標地点を設定することができ、この目標地点から直進経路部での自律走行に適した目標操舵角を演算することができる。また、例えば、自車が旋回経路部を自律走行している間は、旋回経路部での自律走行に適した目標地点を設定することができ、この目標地点から旋回経路部での自律走行に適した目標操舵角を演算することができる。その結果、自車が目標経路を自律走行するときの走行精度を高めることができる。
作業車両用の自律走行システムの概略構成を示す図 作業車両用の自律走行システムの概略構成を示すブロック図 圃場にて作業車両が自律走行するために生成された目標経路の一例を示す図 作業車両が直進作業経路部を自律走行している状態での方位角偏差の演算に関する説明図 作業車両が後進直進経路部を自律走行している状態での方位角偏差の演算に関する説明図 作業車両が旋回経路部を自律走行している状態での方位角偏差の演算に関する説明図 作業車両が旋回経路部を自律走行している状態での方位角偏差の演算に関する詳細説明図 作業車両の自律走行時に作業車両が舵角誤差で目標経路に対して走行オフセットした状態を示す説明図 舵角誤差の検出に関する説明図 舵角誤差の検出に関するフローチャート 目標地点の設定に関する説明図
本発明に係る作業車両用の自律走行システムを、作業車両の一例であるトラクタに適用した実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本発明に係る作業車両用の自律走行システムは、トラクタ以外の、乗用田植機、コンバイン、乗用草刈機、ホイールローダ、除雪車、などの乗用作業車両、および、無人草刈機などの無人作業車両に適用することができる。
図1〜2に示すように、本実施形態に例示する作業車両用の自律走行システムは、トラクタ1に搭載された自律走行ユニット2、および、自律走行ユニット2と通信可能に通信設定された携帯通信端末3、などを備えている。携帯通信端末3には、タッチ操作可能な液晶パネル4などを有するタブレット型のパーソナルコンピュータやスマートフォンなどを採用することができる。
図1に示すように、トラクタ1は、その後部に3点リンク機構5を介して、作業装置の一例であるロータリ耕耘装置6が昇降可能かつローリング可能に連結されることにより、ロータリ耕耘仕様に構成されている。
なお、トラクタ1の後部には、ロータリ耕耘装置6に代えて、プラウ、播種装置、散布装置、などの作業装置を連結することができる。
図1〜2に示すように、トラクタ1には、駆動可能な操舵輪として機能する左右の前輪7、駆動可能な左右の後輪8、搭乗式の運転部を形成するキャビン9、コモンレールシステムを備えた電子制御式のディーゼルエンジン(以下、エンジンと称する)10、エンジン10からの動力を変速する電子制御式の変速装置11、左右の前輪7を操舵する全油圧式のパワーステアリング機構12、左右の後輪8を制動する左右のサイドブレーキ(図示せず)、左右のサイドブレーキの油圧操作を可能にする電子制御式のブレーキ操作機構13、ロータリ耕耘装置6への伝動を断続する作業クラッチ(図示せず)、作業クラッチの油圧操作を可能にする電子制御式のクラッチ操作機構14、ロータリ耕耘装置6を昇降駆動する電子油圧制御式の昇降駆動機構15、自車(トラクタ)1の自律走行などに関する各種の制御プログラムなどを有する車載電子制御ユニット(以下、車載ECUと称する)16、自車1の車速を検出する車速センサ17、前輪7の操舵角を検出する舵角センサ18、および、自車1の現在位置および現在方位を測定する測位ユニット19、などが備えられている。
なお、エンジン10には、電子ガバナを備えた電子制御式のガソリンエンジンを採用してもよい。変速装置11には、油圧機械式無段変速装置(HMT)、静油圧式無段変速装置(HST)、または、ベルト式無段変速装置、などを採用することができる。パワーステアリング機構12には、電動モータを備えた電動式のパワーステアリング機構12などを採用してもよい。
図1に示すように、キャビン9の内部には、パワーステアリング機構12を介した左右の前輪7の手動操舵を可能にするステアリングホイール20およびユーザ用の座席21が備えられている。また、図示は省略するが、変速装置11の手動操作を可能にする変速レバー、左右のサイドブレーキの人為操作を可能にする左右のブレーキペダル、および、ロータリ耕耘装置6の手動昇降操作を可能にする昇降レバー、などが備えられている。
図2に示すように、車載ECU16は、変速装置11の作動を制御する変速制御部16A、左右のサイドブレーキの作動を制御する制動制御部16B、ロータリ耕耘装置6の作動を制御する作業装置制御部16C、予め生成された自律走行用の目標経路Pなどを記憶する不揮発性の車載記憶部16D、および、自律走行時に左右の前輪7の目標操舵角θsを設定してパワーステアリング機構12に出力する操舵角設定部16E、などを有している。
図1〜3に示すように、測位ユニット19には、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の一例であるGPS(Global Positioning System)を利用して自車1の現在位置p1と現在方位θ1とを測定する衛星航法装置22、および、3軸のジャイロスコープおよび3方向の加速度センサなどを有して自車1の姿勢や方位などを測定する慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)23、などが備えられている。GPSを利用した測位方法には、DGPS(Differential GPS:相対測位方式)やRTK−GPS(Real Time Kinematic GPS:干渉測位方式)などがあり、本実施形態においては、移動体の測位に適したRTK−GPSが採用されている。そのため、圃場周辺の既知位置には、RTK−GPSによる測位を可能にする基準局24が設置されている。
トラクタ1と基準局24とのそれぞれには、GPS衛星25から送信された電波を受信するGPSアンテナ26,27、および、トラクタ1と基準局24との間における測位データを含む各種データの無線通信を可能にする通信モジュール28,29、などが備えられている。これにより、衛星航法装置22は、トラクタ側のGPSアンテナ26がGPS衛星25からの電波を受信して得た測位データと、基地局側のGPSアンテナ27がGPS衛星25からの電波を受信して得た測位データとに基づいて、自車1の現在位置p1および現在方位θ1を高い精度で測定することができる。また、測位ユニット19は、衛星航法装置22と慣性計測装置23とを備えることにより、自車1の現在位置p1、現在方位θ1、姿勢角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を高精度に測定することができる。
図2〜3に示すように、携帯通信端末3には、液晶パネル4などの作動を制御する各種の制御プログラムなどを有する端末電子制御ユニット(以下、端末ECUと称する)30、および、トラクタ側の通信モジュール28との間における測位データを含む各種データの無線通信を可能にする通信モジュール31、などが備えられている。端末ECU30は、自律走行用の目標経路Pを生成する目標経路生成部30A、および、ユーザが入力した各種の入力データや目標経路生成部30Aが生成した目標経路Pなどを記憶する不揮発性の端末記憶部30B、などを有している。
図1〜3に示すように、目標経路生成部30Aは、液晶パネル4に表示された目標経路生成用の入力案内に従って、作業車両や作業装置の種類や機種のなどの車体データ、および、作業対象の圃場位置、などがユーザによって入力された場合に、入力された車体データおよび圃場位置などに基づいて、該当する目標経路Pが端末記憶部30Bに記憶されているか否かを判別する。該当する目標経路Pが記憶されている場合は、その目標経路Pを端末記憶部30Bから読み出して液晶パネル4に表示させる。該当する目標経路Pが記憶されていない場合は、目標経路Pの生成に必要な測位データを得るための測位データ取得走行の実行案内を液晶パネル4に表示させてユーザに測位データ取得走行を行わせる。そして、この測位データ取得走行中にトラクタ1との無線通信によって得られた測位データなどに基づいて、作業対象圃場の区画や形状などの圃場データを取得し、取得した圃場データ、および、車体データに含まれた最小旋回半径や作業幅、などに基づいて、このトラクタ1で作業対象の圃場を作業するのに適した目標経路Pを生成する。そして、生成した目標経路Pを、液晶パネル4に表示させるとともに、車体データおよび圃場データなどと関連付けた経路データとして端末記憶部30Bに記憶させる。経路データには、目標経路Pの方位角θp、および、目標経路Pでのトラクタ1の走行形態などに応じて設定された目標エンジン回転数や目標車速、などが含まれている。
図3に示すように、本実施形態では、作業対象の圃場として矩形状に区画された圃場が例示されている。また、この矩形状の圃場に適した目標経路Pとして、同じ直進距離を有して作業幅に対応する一定距離をあけて平行に配置設定された複数の直進作業経路部P1と、隣接する直進作業経路部P1の終端地点P1eと始端地点P1sとにわたる複数の方向転換経路部P2とを備えて、トラクタ1を目標経路Pの始端地点Psから終端地点Peにわたって往復走行させる往復走行経路が例示されている。複数の直進作業経路部P1のうち、奇数列が往路部であり、偶数列が復路部である。複数の方向転換経路部P2は、直進作業経路部P1の終端地点P1eから次の直進作業経路部側に向けてトラクタ1を90度旋回させる第1旋回経路部P3と、第1旋回経路部P3の旋回終了地点P3eから前回の直進作業経路部側に向けてトラクタ1を後方に直進させる後方直進経路部P4と、後方直進経路部P4の後進終了地点P4eから次の直進作業経路部P1の始端地点P1sに向けてトラクタ1を90度旋回させる第2旋回経路部P5とに区画されている。
つまり、目標経路Pは、自車1の走行形態に応じて複数種類の経路部P1〜P5に区画されている。
なお、図3に示す目標経路Pはあくまでも一例であり、目標経路Pは、例えば、複数の方向転換経路部P2として、直進作業経路部P1の終端地点P1eから次の直進作業経路部P1の始端地点P1sに向けてトラクタ1を180度旋回させるUターン経路部を備えるように生成されていてもよい。
図2〜3に示すように、端末ECU30は、液晶パネル4にて目標経路Pが確認表示されている状態において、ユーザによる液晶パネル4の操作によって自律走行の実行が指令された場合に、その実行指令とともに表示中の目標経路Pを、通信モジュール31,28を介して車載ECU16に送信する。
なお、目標経路Pの送信に関しては、トラクタ1が自律走行を開始する前の段階において、目標経路Pの全体が端末ECU30から車載ECU16に一挙に送信されるようにしてもよい。また、例えば、目標経路Pがデータ量の少ない所定距離ごとの複数の経路部分に分割されて、トラクタ1が自律走行を開始する前の段階においては、目標経路Pの初期経路部分のみが端末ECU30から車載ECU16に送信され、自律走行の開始後は、トラクタ1がデータ量などに応じて設定された経路取得地点に達するごとに、その地点に対応する以後の経路部分のみが端末ECU30から車載ECU16に送信されるようにしてもよい。
車載ECU16は、端末ECU30からの自律走行の実行指令および目標経路Pを受け取った場合に、受け取った目標経路Pを車載記憶部16Dに記憶してデータ量を確認し、その確認後に、自車1を車載記憶部16Dに記憶した目標経路Pなどに基づいて自律走行させる自律走行制御を開始する。
自律走行制御には、変速装置11の作動を自動制御する自動変速制御、ブレーキ操作機構13の作動を自動制御する自動制動制御、左右の前輪7を自動操舵する自動操舵制御、および、ロータリ耕耘装置6の作動を自動制御する作業用自動制御、などが含まれている。
自動変速制御においては、変速制御部16Aが、前述した目標車速を含む目標経路Pと測位ユニット19の出力と車速センサ17の出力とに基づいて、目標経路Pでのトラクタ1の走行形態などに応じて設定された目標車速が自車1の車速として得られるように変速装置11の作動を自動制御する。
自動制動制御においては、制動制御部16Bが、目標経路Pと測位ユニット19の出力とに基づいて、目標経路Pに含まれている制動領域において左右のサイドブレーキが左右の後輪8を適正に制動するようにブレーキ操作機構13の作動を自動制御する。
自動操舵制御においては、自車1が目標経路Pを自律走行するように、操舵角設定部16Eが、目標経路Pと測位ユニット19の出力とに基づいて左右の前輪7の目標操舵角θsを求めて設定し、設定した目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力する。すると、パワーステアリング機構12が、目標操舵角θsと舵角センサ18の出力とに基づいて、目標操舵角θsが左右の前輪7の操舵角として得られるように左右の前輪7を自動操舵する。
作業用自動制御においては、作業装置制御部16Cが、目標経路Pと測位ユニット19の出力とに基づいて、自車1が直進作業経路部P1の始端地点P1sに達するのに伴ってロータリ耕耘装置6による耕耘が開始され、かつ、自車1が直進作業経路部P1の終端地点P1eに達するのに伴ってロータリ耕耘装置6による耕耘が停止されるように、クラッチ操作機構14および昇降駆動機構15の作動を自動制御する。
つまり、このトラクタ1においては、変速装置11、パワーステアリング機構12、ブレーキ操作機構13、クラッチ操作機構14、昇降駆動機構15、車載ECU16、車速センサ17、舵角センサ18、測位ユニット19、および、通信モジュール28、などによって自律走行ユニット2が構成されている。また、パワーステアリング機構12、車載ECU16、および、舵角センサ18により、自車1が目標経路Pを自律走行するように左右の前輪7を自動操舵する自動操舵ユニット32が構成されている。
目標操舵角θsの設定について詳述すると、図2〜7に示すように、操舵角設定部16Eは、方位角偏差θdを演算する方位角偏差演算手段16Eaと、自律走行時の舵角誤差θeを検出する舵角誤差検出手段16Ebと、方位角偏差θdと舵角誤差θeとから目標操舵角θsを演算する操舵角演算手段16Ecとを有している。
方位角偏差演算手段16Eaは、自律走行中に自車1の現在位置p1から進行方向側に所定距離D1をあけた目標経路上に目標地点p2を設定する目標地点設定処理と、自車1の現在位置p1から目標地点p2にわたる目標方位ラインL1を生成するライン生成処理と、自車1の現在方位θ1と目標方位ラインL1とがなす角度を方位角偏差θdとして演算する方位角偏差演算処理とを行う。
方位角偏差演算処理について詳述すると、方位角偏差演算処理においては、図4〜5に示すように、現在の自車1の走行経路が直進作業経路部P1または後方直進経路部P4であれば、自車1の現在位置p1から目標地点p2への向き(目標方位ラインL1の方位)を目標方位角θ2とし、目標経路Pと目標方位ラインL1とがなす角度を走行補正角θcとすれば、直進作業経路部P1での目標方位角θ2は、
目標方位角θ2=直進作業経路部P1の方位角θp1+走行補正角θc
となり、後方直進経路部P4での目標方位角θ2は、
目標方位角θ2=後方直進経路部P4の方位角θp4+走行補正角θc
となる。
ここで、直進作業経路部P1の方位角θp1および後方直進経路部P4の方位角θp4は、目標経路Pを生成する段階において既知であるが、これらを演算する場合は、直進作業経路部P1の始端地点P1sから終端地点P1eへのベクトルV1のE成分(x成分)をV1eとし、ベクトルV1のN成分(y成分)をV1nとすれば、
直進作業経路部P1の方位角θp1=atan2(V1e,V1n)
となる。また、後方直進経路部P4の始端位置から終端位置へのベクトルV4のE成分(x成分)をV4eとし、ベクトルV4のN成分(y成分)をV4nとすれば、
後方直進経路部P4の方位角θp4=atan2(V4e,V4n)
となる。そして、走行補正角θcは、NED座標上での自車1の走行経路からの横方向偏差をD2とすれば、目標地点設定用の所定距離がD1であることから、
走行補正角θc=asin(横方向偏差D2/所定距離D1)
となり、これらにより、目標方位角θ2を求めることができ、求めた目標方位角θ2と測位ユニット19が測定した自車1の現在方位θ1との差から方位角偏差θdを得ることができる。
一方、図6〜7に示すように、現在の自車1の走行経路が第1旋回経路部P3または第2旋回経路部P5であれば、それらの各旋回経路部P3,P5の旋回中心ptから自車1へのベクトルVvとN軸とがなす角度をθvとすれば、方位角偏差θdは、前述した角度θvと自車1の現在方位θ1と走行補正角θcとから、
方位角偏差θd=角度θv+SignTrn×90−現在方位θ1+SignTrn×(90−走行補正角θc)
によって求めることができる。
ここで、この式中の単位には全てに度が用いられており、式中の「90」は90度を示している。また、「SignTrn」に関しては、旋回方向が時計周りの方向であれば「1」となり、旋回方向が反時計周りの方向であれば「−1」となる。そして、上記の式における走行補正角θcは、目標地点設定用の所定距離D1と、旋回経路部P3,P5の旋回中心ptから自車1までの距離D3と、旋回経路部P3,P5の旋回半径Rとから、
走行補正角θc=acos((D3^2+D1^2−R^2)/(2×D3×D1)
によって求めることができ、この式における旋回経路部P3,P5の旋回中心ptから自車1までの距離D3は、旋回経路部P3,P5の旋回半径Rと、NED座標上での自車1の旋回経路部P3,P5からの横方向偏差D2とから、
距離D3=旋回半径R+横方向偏差D2
によって求めることができる。
ところで、方位角偏差演算手段16Eaが演算する方位角偏差θdは、上記のように目標方位角θ2と自車1の現在方位θ1との差であることから、目標操舵角θsとして使用することも考えられるが、この場合、トラクタ1などの作業車両においては、舵角センサ18の個体差などに起因した舵角誤差θeがステアリング系に含まれていることから、自律走行時には、その舵角誤差θeに起因して、図8に示すように、作業車両が目標経路Pに対する一定の走行オフセット量Soを残した状態で走行することになる。その結果、走行オフセットに起因した作業精度の低下を招くことになる。
そこで、その走行オフセットに起因した作業精度の低下を抑制するために、操舵角設定部16Eは、前述したように舵角誤差検出手段16Ebと操舵角演算手段16Ecとを有している。
図9〜10に示すように、舵角誤差検出手段16Ebは、目標経路Pの直進作業経路部P1での自車1の自律走行による直進走行時に、自車1の現在位置p1から進行方向側(前方側)に一定距離D4をあけた目標経路上に注視点p3を設定する注視点設定処理(ステップ#3)と、自車1の現在位置から注視点p3にわたる線分L2を生成する線分生成処理(ステップ#4)と、目標経路Pと線分L2とがなす角度を舵角誤差θeとして演算する舵角誤差演算処理(ステップ#5)とを行う。そして、舵角誤差演算処理においては、NED座標上での自車1の直進作業経路部P1からの横方向偏差をD5とすれば、注視点設定用の一定距離がD4であることから、舵角誤差θeを、
舵角誤差θe=asin(横方向偏差D5/一定距離D4)
によって求めることができる。
操舵角演算手段16Ecは、上記の舵角誤差演算処理で得た舵角誤差θeを前述した方位角偏差演算処理で得た方位角偏差θdに足し合わて目標操舵角θsを演算する操舵角演算処理を行う。
これにより、目標操舵角θsを舵角誤差θeが考慮された好適な値に演算することができ、この目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することにより、自律走行時における自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soを低下させることができる。その結果、走行オフセットによる作業精度の低下を抑制することができる。
つまり、目標操舵角θsを演算する上において操舵角設定部16Eにかかる演算負荷を軽減しながら、目標操舵角θsを舵角誤差θeが考慮された好適な値に演算することができる。
図4〜7に示すように、車載記憶部16Dには、目標経路Pにおける各経路部P1〜P5の種類に応じて異なる長さに設定された目標地点設定用の複数の所定距離D1a〜D1cが記憶されている。方位角偏差演算手段16Eaは、目標経路Pにおいて自車1が自律走行する各経路部P1〜P5の種類に応じて目標地点設定処理における目標地点設定用の所定距離D1を自動的に変更する。
これにより、トラクタ1が自律走行する経路部P1〜P5の種類に応じてユーザが所定距離D1を手動で変更する手間を無くすことができる。また、ユーザが所定距離D1を間違えることや所定距離D1を変更し忘れることに起因した方位角偏差θdの演算精度の低下を防止することができる。
目標地点設定用の所定距離D1に関して、方位角偏差演算手段16Eaは、図4に示すように自車1の現在位置p1が直進作業経路部P1である場合は、所定距離D1を、自車1が直進作業経路部P1で自律走行するのに適した第1所定距離D1aに変更する。
方位角偏差演算手段16Eaは、図5に示すように自車1の現在位置p1が後方直進経路部P4である場合は、所定距離D1を、自車1が後方直進経路部P4で自律走行するのに適した第2所定距離D1bに変更する。第2所定距離D1bは、自車1が後方直進経路部P4での自律走行において進行方向を修正する場合は、進行方向後ろ側の左右の前輪7を操舵する後方ステアリングになって車体横方向の振れ量が大きくなることを考慮して、第1所定距離D1aよりも長い距離に設定されている。
方位角偏差演算手段16Eaは、図6〜7に示すように自車1の現在位置p1が第1旋回経路部P3または第2旋回経路部P5である場合は、所定距離D1を、自車1が第1旋回経路部P3または第2旋回経路部P5で自律走行するのに適した第3所定距離D1cに変更する。第3所定距離D1cは、第1旋回経路部P3または第2旋回経路部P5での自律走行では、それらの旋回経路部P3,P5から自車1が離れ易くなることを考慮して、第1所定距離D1aおよび第2所定距離D1bよりも短い距離に設定されている。
図11に示すように、方位角偏差演算手段16Eaは、自車1の現在位置p1が現在の経路部(例えば直進作業経路部P1)から種類の異なる次の経路部(例えば第1旋回経路部P3)に切り替わるまでの間は、現在の経路部の延長線上に目標地点p2を設定する。
これにより、例えば、自車1が直進作業経路部P1を自律走行している間は、直進作業経路部P1での自律走行に適した目標地点p2を設定することができ、この目標地点p2から直進作業経路部P1での自律走行に適した目標操舵角θsを演算することができる。また、例えば、自車1が第1旋回経路部P3を自律走行している間は、第1旋回経路部P3での自律走行に適した目標地点p2を設定することができ、この目標地点p2から第1旋回経路部P3での自律走行に適した目標操舵角θsを演算することができる。その結果、自車1が目標経路Pを自律走行するときの走行精度を高めることができる。
図3、図9〜10に示すように、舵角誤差検出手段16Ebは、舵角誤差θeの検出を許容する所定条件が成立しているか否かを判別する検出条件判別処理(ステップ#1)と、その所定条件が成立するまでの間は舵角誤差θeの検出を禁止する検出禁止処理(ステップ#2)とを行う。
本実施形態においては、所定条件として、自車1が直進作業経路部P1での自律走行を開始してから自律走行が整定するまでに要する一定距離Laを走破したか否かが設定されている。そして、舵角誤差検出手段16Ebは、検出条件判別処理においては、自車1が直進作業経路部P1での自律走行を開始してから一定距離Laを走破した場合に、所定条件が成立したと判断するように構成されており、これにより、自車1が直進作業経路部P1での自律走行を開始してから一定距離Laを走破するまでの間は、検出禁止処理によって舵角誤差θeの検出が禁止される。
その結果、自車1が直進作業経路部P1での自律走行を開始してから自律走行が整定するまでの間においても、舵角誤差θeの検出と、検出した舵角誤差θeに基づく目標操舵角θsの演算が行われることにより、舵角誤差θeの検出確度が低下し、この検出確度の低い舵角誤差θeに基づいて目標操舵角θsが演算されてパワーステアリング機構12に出力されることに起因して、自律走行時における自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soが低下し難くなる不都合の発生を回避することができる。
図3、図10に示すように、舵角誤差検出手段16Ebは、自車1が一定距離Laの走破後に舵角誤差検出用の第1設定距離Lbを走破したか否かを判別する第1走破判別処理(ステップ#6)を行い、自車1が舵角誤差検出用の第1設定距離Lbを走破するまでの間は舵角誤差θeの検出を設定時間ごとに行い、自車1が第1設定距離Lbを走破するのに伴って、設定時間ごとに検出した複数回分の舵角誤差θeの平均値を求めて、この平均値を操舵角演算処理用の舵角誤差θeとする平均化処理(ステップ#7)を行う。
これにより、舵角誤差検出手段16Ebによる舵角誤差θeの検出確度を高めることができる。そして、操舵角演算手段16Ecが、確度の高い舵角誤差θeに基づいて演算した目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することにより、自律走行時における自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soをより確実に低下させることができる。その結果、走行オフセットによる作業精度の低下をより効果的に抑制することができる。
舵角誤差検出手段16Ebは、自車1が第1設定距離Lbよりも長い舵角誤差再検出用の第2設定距離Lcを走破したか否かを判別する第2走破判別処理(ステップ#9)を行い、自車1が第2設定距離Lcを走破するごとに、前述した処理手順に基づいて舵角誤差θeの平均値を再検出して舵角誤差θeを更新する。
これにより、舵角誤差検出手段16Ebは、更新処理によって舵角誤差θeを更新するごとに舵角誤差θeの検出確度を高めることができ、操舵角演算手段16Ecは、更新ごとに確度が高められた舵角誤差θeに基づいて演算した目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することができる。その結果、自車1の直進作業経路部P1での自律走行距離が長くなるほど、自律走行時における自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soを低下させることができ、走行オフセットによる作業精度の低下をより効果的に抑制することができる。
なお、舵角誤差検出用の第1設定距離Lbと舵角誤差再検出用の第2設定距離Lcとの差は、第1設定距離Lbの走行で得た舵角誤差θeに基づいて目標操舵角θsが補正された後の自動操舵による自律走行において、自律走行が整定するまでの走行距離を考慮して設定されている。
図10に示すように、舵角誤差検出手段16Ebは、前述した平均化処理の実行中に自車1が直進作業経路部P1から方向転換経路部P2に移行したか否かを判別する経路部移行判別処理(ステップ#8)を行い、移行した場合は、このときの平均化処理を終了して舵角誤差θeの平均値を求めない平均化中止処理(ステップ#10)を行う。
これにより、舵角誤差θeの平均化処理において、直進走行時の舵角誤差θeとは異なる成分を有する方向転換時の舵角誤差θeが直進走行時の舵角誤差θeと混在することによる舵角誤差θeの検出確度の低下を防止することができる。
図示は省略するが、舵角誤差検出手段16Ebは、自車1が各直進作業経路部P1での自律走行を開始するごとに今回の直進作業経路部P1が奇数列か偶数列かを判別する数列判別処理を行い、今回の直進作業経路部P1が奇数列(往路部)であれば、今回の直進作業経路部P1での自律走行中に検出する舵角誤差θeを往路用の舵角誤差θeとし、前述した更新処理においては、往路用の舵角誤差θeを検出するごとに往路用の舵角誤差θeを更新する。また、今回の直進作業経路部P1が偶数列(復路部)であれば、今回の直進作業経路部P1での自律走行中に検出する舵角誤差θeを復路用の舵角誤差θeとし、前述した更新処理においては、復路用の舵角誤差θeを検出するごとに復路用の舵角誤差θeを更新する。
操舵角演算手段16Ecは、前述した数列判別処理で得た判別結果に基づいて、今回の直進作業経路部P1が奇数列であれば、往路用の舵角誤差θeを前述した方位角偏差演算処理で得た方位角偏差θdに足し合わせる往路用の操舵角演算処理を行う。また、今回の直進作業経路部P1が偶数列であれば、復路用の舵角誤差θeを前述した方位角偏差演算処理で得た方位角偏差θdに足し合わせる復路用の操舵角演算処理を行う。
これにより、測位ユニット19が測定する自車1のヨー角に誤差がのることなどに起因して、自車1が奇数列の直進作業経路部(往路部)P1を自律走行する場合と偶数列の直進作業経路部(復路部)P1を自律走行する場合とで舵角誤差θeに差異が生じている場合に、往路用の舵角誤差θeが復路用の舵角誤差θeによって更新される、または、復路用の舵角誤差θeが往路用の舵角誤差θeによって更新されることによる舵角誤差θeの検出確度の低下を防止することができる。
具体的には、例えば、奇数列の直進作業経路部(往路部)P1の方位が真北になり、偶数列の直進作業経路部(復路部)P1の方位が真南になる圃場において、自車1が奇数列の直進作業経路部(往路部)P1を自律走行している場合には、測位ユニット19が測定する自車1の方位が0度になり、かつ、自車1が偶数列の直進作業経路部(復路部)P1を自律走行している場合には、測位ユニット19が測定する自車1の方位が180度になることが理想的であるが、実際には、測位ユニット19が測定する自車1のヨー角に誤差がのることなどに起因して、自車1が奇数列の直進作業経路部(往路部)P1を自律走行しているにもかかわらず、測位ユニット19が測定する自車1の方位が0度から少しずれることがあり、また、自車1が偶数列の直進作業経路部(復路部)P1を自律走行しているにもかかわらず、測位ユニット19が測定する自車1の方位が180度から少しずれることがある。
これにより、本来は、自車1が奇数列の直進作業経路部(往路部)P1を自律走行しているときの自車1の方位と、自車1が偶数列の直進作業経路部(復路部)P1を自律走行しているときの自車1の方位との角度差が180度になるはずが、測位誤差のために180度にならない不都合が生じることがある。
しかしながら、自車1が同じ奇数列または同じ偶数列の直進作業経路部P1を自律走行しているときは、測位誤差による方位のずれ方向が一定なる傾向があることから、この点を考慮して、奇数列用(往路用)の舵角誤差θeと偶数列用(復路用)の舵角誤差θeとを個別に検出して個別に更新するようにしている。
その結果、検出確度の高い往路用の舵角誤差θeと復路用の舵角誤差θeとを得ることができる。
そして、自車1が自律走行する直進作業経路部P1が往路部であれば、このときの目標操舵角θsを往路用の舵角誤差θeが考慮された好適な値に演算することができ、この目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することにより、往路用の直進作業経路部P1での自律走行時における自車1の直進作業経路部P1に対する走行オフセット量Soをより好適に低下させることができる。また、自車1が自律走行する直進作業経路部P1が復路部であれば、このときの目標操舵角θsを復路用の舵角誤差θeが考慮された好適な値に演算することができ、この目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することにより、復路用の直進作業経路部P1での自律走行時における自車1の直進作業経路部P1に対する走行オフセット量Soをより好適に低下させることができる。
舵角誤差検出手段16Ebは、舵角誤差θeを検出または更新するごとに最新の舵角誤差θeを車載記憶部16Dに記憶する記憶処理を行い、操舵角演算手段16Ecは、前述した検出禁止処理によって舵角誤差θeの検出が禁止されている間は、車載記憶部16Dに記憶された舵角誤差θeを方位角偏差演算処理で得た方位角偏差θdに足し合わせて目標操舵角θsを演算する。
これにより、検出禁止処理によって舵角誤差θeの検出が禁止された自律走行時においても、目標操舵角θsを舵角誤差θeが考慮された好適な値に演算することができ、この目標操舵角θsをパワーステアリング機構12に出力することにより、自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soを低下させることができる。
また、前述したように車載記憶部16Dは不揮発性であることから、自車1のキーオフ操作によって電源が落された後に、キーオン操作が行われて自律走行が開始された場合であっても、車載記憶部16Dに記憶された舵角誤差θeを方位角偏差演算処理で得た方位角偏差θdに足し合わせることにより、舵角誤差θeが考慮された目標操舵角θsを演算することができ、自車1の目標経路Pに対する走行オフセット量Soを低下させることができる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。
尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)作業車両の構成は種々の変更が可能である。
例えば、作業車両は、エンジン10と走行用の電動モータとを備えるハイブリット仕様に構成されていてもよく、また、エンジン10に代えて走行用の電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、左右の後輪8に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
例えば、作業車両は、左右の後輪8が操舵輪として機能する後輪ステアリング仕様に構成されていてもよい。
(2)舵角センサ18は、自動操舵ユニット32がステアリングホイール20と左右の前輪(操舵輪)7とを機械連係によって連動させる構成であれば、ステアリングホイール20の回転操作方向および回転操作量に基づいて前輪(操舵輪)7の操舵角を検出するように構成されていてもよい。
(3)方位角偏差演算手段16Eaは、各経路部P1〜P5の種類などに応じて異なる長さに設定された目標地点設定処理における目標地点設定用の所定距離D1a〜D1cを、ユーザの手動操作に基づいて変更するように構成されていてもよい。
(4)方位角偏差演算手段16Eaは、測位ユニット19により測定される自車1の姿勢角(ロール角およびピッチ角)に基づいて圃場の荒れ具合を判定し、判定した圃場の荒れ具合に応じて、目標地点設定処理における目標地点設定用の所定距離D1を自動的に変更するように構成されていてもよい。
(5)方位角偏差演算手段16Eaは、自車1の自律走行において、目標地点設定処理によって目標経路上に設定される目標地点p2が、自車1が現在走行中の経路部P1〜P5の終端地点に達したときに、目標地点p2を、自車1が現在走行中の経路部上から次の経路部上に設定変更するように構成されていてもよい。
(6)方位角偏差演算手段16Eaは、自車1が自律走行する各経路部P1〜P5の種類に応じて目標地点設定処理における目標地点設定用の所定距離D1a〜D1cを自動的に変更するように構成された場合においては、自車1の現在位置p1が現在の経路部P1〜P5から次の経路部P1〜P5に移行するのに伴って、現在の経路部P1〜P5に対応する目標地点設定用の所定距離D1a〜D1cから次の経路部P1〜P5に対応する目標地点設定用の所定距離D1a〜D1cに変更するように構成されていてもよい。
(7)舵角誤差検出手段は、作業走行前における自車1の目標経路上でのティーチング走行によって舵角誤差を検出するように構成されていてもよい。
1 自車
7 操舵輪
16D 記憶部
16E 操舵角設定部
16Ea 方位角偏差演算手段
16Eb 舵角誤差検出手段
16Ec 操舵角演算手段
18 舵角センサ
19 測位ユニット
32 自動操舵ユニット
L1 目標方位ライン
D1 所定距離
D1a 所定距離(第1所定距離)
D1b 所定距離(第2所定距離)
D1c 所定距離(第3所定距離)
P 目標経路
P1 経路部(直進作業経路部)
P2 経路部(方向転換経路部)
P3 経路部(第1旋回経路部)
P4 経路部(後方直進経路部)
P5 経路部(第2旋回経路部)
p1 現在位置
p2 目標地点
θ1 現在方位
θd 方位角偏差
θe 舵角誤差
θs 目標操舵角

Claims (3)

  1. 予め生成された目標経路を記憶する記憶部と、自車の現在位置および現在方位を測定する測位ユニットと、前記自車が前記目標経路を自律走行するように操舵輪を自動操舵する自動操舵ユニットとを備え、
    前記自動操舵ユニットは、前記操舵輪の目標操舵角を設定する操舵角設定部と、前記操舵輪の操舵角を検出する舵角センサとを有し、
    前記操舵角設定部は、方位角偏差を演算する方位角偏差演算手段と、自律走行時の舵角誤差を検出する舵角誤差検出手段と、前記方位角偏差と前記舵角誤差とから前記目標操舵角を演算する操舵角演算手段とを有し、
    前記方位角偏差演算手段は、自律走行中に前記現在位置から進行方向側に所定距離をあけた前記目標経路上に目標地点を設定する目標地点設定処理と、前記現在位置から前記目標地点にわたる目標方位ラインを生成するライン生成処理と、前記現在方位と前記目標方位ラインとがなす角度を前記方位角偏差として演算する方位角偏差演算処理とを行うことを特徴とする作業車両用の自律走行システム。
  2. 前記目標経路は、前記自車の走行形態に応じて複数種類の経路部に区画され、
    前記記憶部には、前記経路部の種類に応じて異なる長さに設定された複数の前記所定距離が記憶され、
    前記方位角偏差演算手段は、前記自車が自律走行する前記経路部の種類に応じて前記所定距離を自動的に変更する請求項1に記載の作業車両用の自律走行システム。
  3. 前記目標経路は、前記自車の走行形態に応じて複数種類の経路部に区画され、
    前記方位角偏差演算手段は、前記現在位置が現在の経路部から種類の異なる次の経路部に切り替わるまでの間は、前記現在の経路部の延長線上に前記目標地点を設定する請求項1又は2に記載の作業車両用の自律走行システム。
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