JP2019051074A - 荷物収納ボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に水が入り難い荷物収納ボックスを提供する。【解決手段】本発明の荷物収納ボックス10では、ボックス本体11の内面の上端寄り位置には、蓋体30の外縁部全体に下方から対向する環状段差面16Aが設けられ、その環状段差面16Aの全体から内側環状壁17が起立しているので、外側嵌合壁18と蓋体30との間の隙間から水が浸入しても内側環状壁17で堰き止められて、外側嵌合壁18と内側環状壁17との間の受水溝24に受け入れられる。これにより、荷物が収容されるボックス本体11の内部への浸水が抑えられる。【選択図】図1

Description

本発明は、ボックス本体の上面開口が蓋体によって閉塞される荷物収納ボックスに関する。
従来、この種の荷物収納ボックスには、蓋体が、ボックス本体の上部の外側に嵌合されるものと内側に嵌合されるものとがある(例えば、特許文献1参照)。
登録実用新案第3210572号公報(図3)
しかしながら、蓋体がボックス本体の内側に嵌合される荷物収納ボックスは、内部に水が入り易いことが問題になることがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、内部に水が入り難い荷物収納ボックスの提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、上面開口を有するボックス本体と、前記ボックス本体のうち前記上面開口を包囲する外側嵌合壁の内側に嵌合され、前記上面開口を閉塞する蓋体と、前記ボックス本体の内部の上端寄り位置に設けられ、前記蓋体の外縁部全体に下方から対向する環状段差面と、環状構造をなして前記環状段差面から起立し、前記外側嵌合壁に対して受水溝を挟んで内側から対向する内側環状壁と、を備える荷物収納ボックスである。
請求項2の発明は、前記受水溝の下端部には、水を排出するための排水孔が形成されている請求項1に記載の荷物収納ボックスである。
請求項3の発明は、前記ボックス本体の上端寄り位置には、それより上側部分を側方に拡張する拡張壁が設けられ、前記拡張壁の上面が前記環状段差面をなし、前記拡張壁の下面から前記ボックス本体の下端部まで延びて、内側が前記排水孔となった樋部を備える請求項2に記載の荷物収納ボックスである。
請求項4の発明は、前記環状段差面から起立し、前記内側環状壁に外側から対向する起立対向壁を備え、前記蓋体には、前記内側環状壁及び前記起立対向壁に当接する本体当接部が備えられている請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の荷物収納ボックスである。
[請求項1の発明]
請求項1の荷物収納ボックスでは、ボックス本体のうち上面開口を包囲する外側嵌合壁の内側に蓋体が嵌合されるため、外側嵌合壁と蓋体との間の隙間に上方から水が浸入し得る。しかしながら、ボックス本体の内面の上端寄り位置には、蓋体の外縁部に下方から対向する環状段差面が設けられ、その環状段差面の全体から内側環状壁が起立しているので、外側嵌合壁と蓋体との間の隙間から浸入した水が内側環状壁で堰き止められて、外側嵌合壁と内側環状壁との間の受水溝に受け入れられる。これにより、荷物が収容されるボックス本体の内部への浸水が抑えられる。
[請求項2の発明]
請求項2の荷物収納ボックスでは、受水溝内の水は排水孔を通って外部に排出されるので、受水溝からボックス本体の内部へと水が溢れることが防がれる。
[請求項3の発明]
請求項3の荷物収納ボックスでは、受水溝内の水を樋部を通してボックス本体の下方にスムーズに排出することができる。
[請求項4の発明]
請求項4の荷物収納ボックスでは、内側環状壁と起立対向壁の両壁にて蓋体に係る荷重を受け止めることができ、強度を高くすることができる。
本発明の一実施形態に係る荷物収納ボックスの斜視図 荷物収納ボックスの上面開口を閉じた状態の斜視図 ボックス本体の上面側の斜視図 荷物収納ボックスの上端部の一部を拡大した斜視図 荷物収納ボックスの上端部の一部を拡大した側断面図 荷物収納ボックスの上端部の一部を拡大した斜視図 コーナートレイの斜視図 荷物収納ボックスの下面側の斜視図 蓋体の下面側の斜視図 断熱シートの上面側の斜視図 蓋体の上面側の斜視図 荷物収納ボックスの使用例を示した斜視図 セメント枠が装着された荷物収納ボックスの斜視図 荷物収納ボックスを地面に埋設する途中の段階の側断面図 荷物収納ボックスを地面に埋設する最終の段階の側断面図
以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の荷物収納ボックス10は、樹脂製のボックス本体11と蓋体30とを備える。ボックス本体11は、上面が開放した直方体状をなし、その上面開口11Kは、短辺と長辺との差が僅かな長方形になっている。また、ボックス本体11の下端部からは四方に下端フランジ13が張り出している。下端フランジ13は、ボックス本体11の底壁12と同一平面内に配置され、下端フランジ13と底壁12とが一体になって上面開口11Kに相似した長方形のベースプレート14が構成されている。また、下端フランジ13の張り出し量は、後述する拡張壁16より大きくなっている。
ボックス本体11の側壁15は、ベースプレート14から略直角に起立している(詳細には、ボックス本体11を成形する金型の抜き勾配としての傾斜は有する)。図3に示すように、側壁15の上端寄り位置から全側方に拡張壁16が張り出し、側壁15のうち拡張壁16より上方に突出している部分が本発明に係る内側環状壁17になっている。また、拡張壁16の上面は、本発明に係る環状段差面16Aになっている。そして、環状段差面16Aのうち内側環状壁17から離れた先端寄り位置の全体から外側嵌合壁18が起立している。図5に示すように、外側嵌合壁18は、内側環状壁17より高くなっていて、外側嵌合壁18の内側が上面開口11Kになっている。また、内側環状壁17と外側嵌合壁18との間は、本発明に係る受水溝24になっている。
外側嵌合壁18全体の上端部からは、上端フランジ18Fが外側に張り出し、その上端フランジ18Fの上面が外側嵌合壁18の上面18Aになっている。また、外側嵌合壁18全体の枠形状のうち一方の長辺と両短辺とにおいては、外側嵌合壁18の上面18Aと内側面との間の角部をクランク状に屈曲させて段差部20が形成されている。さらには、図3に示すように、外側嵌合壁18の外面には、上端フランジ18Fと拡張壁16との間を連絡する複数の縦リブ18Lが間隔を空けて設けられている。なお、図5に示すように、上端フランジ18Fの側面と拡張壁16の先端と縦リブ18Lの側面は、略面一になっている。
図3に示すように、内側環状壁17のうち四隅のコーナー部を除く直線部分には、環状段差面16Aから起立した起立対向壁19が対向している。起立対向壁19は、環状段差面16Aのうち内側環状壁17寄り位置に配置され、内側環状壁17と同じ高さをなしている。また、起立対向壁19の長手方向のうち両端部を含む複数位置は、リブ17Lにて内側環状壁17に連結されている。
図1に示すように、ボックス本体11の4つのコーナー部には、上下方向に延びる樋部21がそれぞれ備えられて、拡張壁16と下端フランジ13との間を連絡している。樋部21は、角筒状をなし、その角筒の一角部に側壁15のコーナー部15Cが食い込んでいる。具体的には、図4に示すように、側壁15のコーナー部15Cは円弧状をなし、外側嵌合壁18のコーナー部18Cも同様に円弧状をなしている。そして、樋部21を構成する1対の平板状の樋側壁21B,21Bが、1対の側壁15,15の平板部分とコーナー部15Cとの両境界線からそれぞれ側方に張り出し、残りの1対の樋側壁21A,21Aが、外側嵌合壁18の平板部分の下方に連続し、さらに、樋側壁21A,21Aの間の円弧状のコーナー部21Cが外側嵌合壁18のコーナー部18Cの下方に連続している。また、隣り合う樋側壁21A,21Bの間にも円弧状のコーナー部21Cが備えられている。
樋部21の内側は本発明に係る排水孔22をなし、その上端が環状段差面16Aに開口する一方、下端が下端フランジ13の下面に開口している。また、排水孔22の内面は、上端及び下端から長手方向の中央部に向かってそれぞれ徐々に縮径するように抜き勾配が備えられている。これにより樋部21の内面を成形する金型を樋部21の長手方向の中間部で分割することができ、樹脂圧による金型の変形を抑えられる。なお、樋部21の外面も内面に対応して、上端と下端とから長手方向の中央部に向かってそれぞれ徐々に縮径するように勾配している。
樋部21の上端寄り位置には、段差面21Dが形成され、その段差面21Dより上側が拡げられた拡張部21Mになっている。なお、図5に示すように、拡張部21Mは、樋部21の外面において段付き状に膨出している。
図6に示すように、拡張部21Mにはコーナートレイ23が嵌合されている。図7(B)に示すように、コーナートレイ23は、拡張部21Mの断面形状と同様に、一角部が内側に円弧状に抉られた四角形の底壁23Aと、その底壁23Aの外縁全体から起立する側壁23Bとを有し、底壁23Aがメッシュ構造をなしている。また、側壁23Bの上端部のうち前記一角部以外の全体からは側方にフランジ23Cが突出している。さらに、図7(A)に示すように、コーナートレイ23の上面の略中心部からは、摘まみ部23Dが突出している。そして、コーナートレイ23は、拡張部21M内に嵌合され、フランジ23Cが樋部21の段差面21D(図4参照)に重ねられている。
図1に示すように、側壁15の外面には、複数の縦リブ15Lと複数の横リブ15Mとが備えられて格子状になっている。また、それら縦リブ15L及び横リブ15Mの側壁15の外面からの突出量は、樋部21及び拡張壁16より小さくなっている。
図8に示すように、ベースプレート14の下面には、補強リブ14Lが張り巡らされている。また、補強リブ14Lの一部は、側壁15及び樋部21をベースプレート14の下方に延長した状態に形成されている。
図3に示すように、外側嵌合壁18のうち段差部20を有していない一辺には、複数の蝶番固定部25が形成されている。各蝶番固定部25は、外側嵌合壁18の長手方向の複数位置において、外側嵌合壁18の上端から上端寄り位置に亘る横長の四角形の領域を内面側では段付き状に陥没させかつ、外面側では段付き状に突出させた構造をなしている。また、蝶番固定部25内には、複数の取付孔25Aが貫通形成されている。そして、蝶番26(図2参照)の一方の図示しない平板部が外側嵌合壁18の内面側から蝶番固定部25に重ねられ、前記取付孔に通したリベットにて固定されている。また、蝶番26の他方の平板部は、後述するように蓋体30に固定されている。
図3に示すように、外側嵌合壁18のうち複数の蝶番固定部25を有する直線部分とは反対側の直線には、横長矩形の貫通孔18Kが形成されている。そして、その貫通孔18Kに施錠用の金属キャップ60が嵌合されている。金属キャップ60は、断面が横長矩形で、一端有底、他端開放の角筒状をなし、その開放端から側方に図示しないフランジが張り出している。そして、金属キャップ60は、外側嵌合壁18の内側から貫通孔18Kに嵌合されて接着剤にて固定されかつ、貫通孔18Kとの隙間がシールされている。
なお、図14に示すように、ボックス本体11の底壁12上には、万が一、ボックス本体11の荷物収容空間に水が入り込んだ場合に備えて簀の子29が敷かれている。
次に、蓋体30の構造について説明する。図9に示すように、蓋体30は、長方形の天板33の下面に第1及び第2の環状壁31,32を備えている。第1環状壁31は、矩形の枠状をなして天板33の外面外縁部から垂下し、第2環状壁32は、その第1環状壁31より小さい矩形の枠状をなして天板33の下面における第1環状壁31より内側部分から垂下している。また、図5に示すように、第2環状壁32の下面は、第1環状壁31の下面より下方に位置している。さらに、図9に示すように、第1及び第2の環状壁31,32の間は、複数の外縁リブ34(本発明の「本体当接部」に相当する)によって連絡され、第2環状壁32の内側には、内部リブ35が格子状に張り巡らされている。また、外縁リブ34及び内部リブ35の下面は、共に第1環状壁31と下面と面一になっている。
天板33の外縁部の一長辺においては、第1環状壁31の外面と天板33の側面とは面一になっているのに対し、それ以外の各辺においては、図5に示すように、第1環状壁31が天板33の側面より内側に僅かにずれ、天板33の一部が第1環状壁31から外側に突出して鍔部33Aになっている。
図9に示すように、鍔部33Aを有しない一長辺の第1環状壁31には、ボックス本体11の複数の蝶番固定部25と同様の複数の蝶番固定部36が形成されている。また、それら蝶番固定部36によって第1環状壁31の外面及び天板33の側面が部分的に陥没し、第1環状壁31の内面が部分的に突出している。また、蝶番固定部36内には、複数の取付孔36Aが貫通形成されている。そして、前述したように蝶番26の他方の平板部が蓋体30の複数の蝶番固定部36にリベットにて固定されている。
図2に示すように、蓋体30は、回動範囲の一端において上面開口11Kの内側に嵌合されて、上面開口11Kが閉塞される。すると、図5に示すように、蓋体30の第1環状壁31がボックス本体11の外側嵌合壁18内に嵌合すると共に、第2環状壁32が内側環状壁17の内側に嵌合される。そして、鍔部33Aが、外側嵌合壁18の段差部20の底面20A上に重なり、複数の外縁リブ34が内側環状壁17及び起立対向壁19の上面17A,19Aに重なる。
図1に示すように、蓋体30とボックス本体11との間には、1対のダンパー50,50が取り付けられている。図6に示すように、各ダンパー50は、先端が開口しかつ基端部に連結リング部51Bを有するシリンダ51と、シリンダ51内に基端側が挿入されかつ先端部に連結リング部52Bを有するロッド52とからなる。また、ロッド52の基端部は、シリンダ51内に抜け止めされている。
ダンパー50,50を取り付けるために、第2環状壁32のうち蓋体30の回動半径方向に延びた1対の直線部分の回動中心側端部の内側面には、支持金具53がリベットにて固定されている。また、それら第2環状壁32の1対の直線部分と隣り合うボックス本体11の内側環状壁17の1対の直線部分には、その長手方向の中間部の内側面に、支持金具54がリベットにて固定されている。そして、シリンダ51の連結リング部51Bが蓋体30の支持金具53に回転可能に連結される一方、ロッド52の連結リング部52Bがボックス本体11の支持金具54に回転可能に連結されている。これにより、閉塞位置から100度程度の範囲に蓋体30の回動範囲が規制されている。また、シリンダ51内をロッド52が直動する際に隙間を空気が通過することでダンパー効果を奏し、蓋体30の開閉時の衝撃が緩和される。なお、リベットが通される第2環状壁32及び内側環状壁17の貫通孔とリベットとの間には、シール剤が塗布されている。
図9に示すように、蓋体30には、開操作を容易に行うためにハンドルユニット44が取り付けられている。具体的には、天板33のうち第2環状壁32の内側で回動中心から離れた端部には、矩形孔33Wが形成され、内部リブ35の一部の上部が矩形孔33Wと重なる範囲で四角形に切除され、その矩形孔33Wにハンドルユニット44が嵌め込まれている。図11に示すように、ハンドルユニット44は、厚板状のベース部44Aの上面に門形溝44Bを備え、その門形溝44Bの内部に門形レバー45を収容してなる。また、門形レバー45の1対の脚部の先端部が、ヒンジピン44P(図9参照)にてベース部44Aに回動可能に連結されている。そして、門形溝44Bの中央部に備えた窪み部44Cから門形レバー45の中央部に指を掛けて引き起こすことができる。なお、矩形孔33Wの開口縁とハンドルユニット44との隙間はシール剤によって防水処理され、ヒンジピン44Pとベース部44Aの支持孔との間は、図示しないOリング又はパッキンにて防水処理されている。
図1に示すように、蓋体30の第1環状壁31には、閉塞した状態でボックス本体11の金属キャップ60と対向する位置にロッド挿通孔31Aが形成されている。また、図9に示すように、蓋体30には、第2環状壁32のうち第1環状壁31との対向部分を含んだ一部と内部リブ35の一部を切除してユニット収容部屋37が形成され、そのユニット収容部屋37内に施錠ユニット43が備えられている。施錠ユニット43は、扁平形状の本体43Aに、帯板の図示しない錠ロッドが直動可能に支持された構造をなしている。また、本体43A内には、無線回路と錠ロッドを直動させる駆動源とが収容されている。施錠ユニット43は、ユニット収容部屋37内に接着剤等により固定され、施錠ユニット43の一端面が第1環状壁31に宛がわれて、ロッド挿通孔31Aから錠ロッドが出没するようになっている。
図11に示すように、蓋体30の上面には、装飾と滑り止めを兼ねた格子溝38と外縁溝39とが形成されている。外縁溝39は、蝶番固定部36を有する辺を除く3辺の外縁部に形成され、外縁溝39内は複数のリブ39Lによって区画されている。また、格子溝38より外縁溝39の溝幅の方が大きくなっている。さらには、格子溝38の下方には、内部リブ35又は外縁リブ34が位置している(図5参照)。
図1に示すように、蓋体30の下面のうち第2環状壁32の内側部分は、断熱シート40で覆われている。断熱シート40は、独立発泡構造の発泡成形品であって、全体が第2環状壁32の内側に嵌合される矩形状をなし、図5に示すように第2環状壁32の高さと同じ厚さをなしている。また、蓋体30の回動中心側に位置する断熱シート40の両角部には、ダンパー50,50との干渉を避けるための切欠部40B,40Bが形成されている。
図10に示すように、断熱シート40の上面には、内部リブ35に対応した格子溝41と、ハンドルユニット44に対応した第1凹部40Aと、施錠ユニット43に対応した第2凹部40Cとが形成されている。また、第2凹部40Cの内面構造が断熱シート40の側方に延長されてカバー片42になっている。具体的には、カバー片42から第2凹部40C内に亘った上面は、角溝形状をなし、1対の土手部42B,42Bに挟まれた角溝42Aを有する。そして、図14に示すように、格子溝41に内部リブ35が収まった状態で断熱シート40が第2環状壁32内に嵌合され、断熱シート40の上面が天板33の下面に重ね合わされている。また、図1に示すように、カバー片42がユニット収容部屋37に収まって施錠ユニット43を下方から覆い、施錠ユニット43の両側の隙間に土手部42B,42B(図10参照)が嵌合されている。
本実施形態の荷物収納ボックス10の構成に関する説明は以上である。この荷物収納ボックス10は、例えば、図12に示すように住居の玄関先等の地面に埋設されて、宅配物の受け取りに使用される。その埋設の施工方法の一例を以下説明する。
図14に示すように、荷物収納ボックス10全体を収容することができるボックス設置孔92を掘り、その底面に水はけを良好にするための小石を敷き詰めて小石層93を形成する。そして、小石層93の上に図示しない平板を載置して水平だしを行い、平板を取り除く。
次いで、図13に示すように、荷物収納ボックス10のベースプレート14の外側に嵌合可能なセメント枠90を用意する。そのセメント枠90は、例えば、4枚の帯板材91を枠状に接合してなる。なお、段ボールブラスチックを帯板材91として使用して溶着にて接合してもよいし、木板を帯板材91として使用して釘等で接合してもよい。そして、ベースプレート14の外側にセメント枠90を嵌合した状態で荷物収納ボックス10を小石層93の上に載置するか、セメント枠90無しの状態で荷物収納ボックス10を小石層93の上に載置してからベースプレート14の外側にセメント枠90を嵌合する。また、帯板材91として段ボールブラスチックを使用した場合には、段ボールプラスチックをベースプレート14に対して溶着してもよい。
そして、図14に示すように、ボックス設置孔92の内面とセメント枠90の外面との間に土89を詰めて荷物収納ボックス10をボックス設置孔92内に固定する。次いで、セメント枠90の内側にセメント95を流し込む。そして、セメント95が固化(半乾きでもよい)したら、図15に示すように、荷物収納ボックス10の回りに土88を詰め込む。
次いで、例えば、地面の表層を荷物収納ボックス10の拡張壁16より低い位置まで取り除いて水平だしを行う。次いで、その上に鉄筋97を格子状に重ねて敷き詰める。そして、鉄筋97が埋設されるようにセメント層98を形成し、セメント層98の上面を荷物収納ボックス10の上面より僅かに低い位置で水平にならしてから、その上にタイル99を敷き詰める。以上により、荷物収納ボックス10が、図12(A)に示すように住居の玄関先等の地面に埋設される。
次に、本実施形態の荷物収納ボックス10の作用効果について説明する。荷物収納ボックス10は、例えば、宅配物を居住者の不在時に収納しておくために使用される。そのためには、居住者と宅配業者とが、荷物収納ボックス10の施錠ユニット43の無線リモコンをそれぞれ所持した状態にしておく。そして、居住者が不在の場合に、宅配業者が荷物収納ボックス10を解錠して蓋体30を開き、荷物収納ボックス10内に荷物を収容してから施錠し、例えば、ポスト等に荷物を届けた旨のメモを入れておく。居住者は、帰宅してメモに基づき、荷物収納ボックス10を解錠して蓋体30を開き、宅配物を取り出してから蓋体30を閉じて施錠しておく。このようにして、留守宅への宅配物の配送をスムーズに行うことができ、再配送の手間を省いて宅配業者の人手不足の対策とすることができる。なお、荷物収納ボックス10から宅配物を容易に取り出せるようにするために、宅配物を、持手部付きの袋か内箱に収容して荷物収納ボックス10内に収納することが好ましい。
ところで、荷物収納ボックス10は住居の玄関先等に埋設されるので外観が重要になる。これに対し、本実施形態の荷物収納ボックス10は、蓋体30がボックス本体11の内側に嵌合されるため、図12に示すように、蓋体30を閉じても開いても荷物収納ボックス10の上端部の周囲が簡素の状態になってタイル99等にマッチし、外観を美しい状態にすることができる。その一方、蓋体30がボックス本体11の内側に嵌合する構造としたために、蓋体30とボックス本体11との間の隙間に上方から水が浸入する懸念がある。
しかしながら、図5に示すように、蓋体30の鍔部33Aの下面は、ボックス本体11の開口縁に備えた段差部20の底面20Aに面当接するので、雨水が大量に蓋体30とボックス本体11との隙間から荷物収納ボックス10内に流れ込むことが防がれる。
また、ボックス本体11の内面の上端寄り位置には、蓋体30の外縁部全体に下方から対向する環状段差面16Aが設けられ、その環状段差面16Aの全体から内側環状壁17が起立しているので、外側嵌合壁18と蓋体30との間の隙間から水が浸入しても内側環状壁17で堰き止められて、外側嵌合壁18と内側環状壁17との間の受水溝24に受け入れられる。これにより、荷物が収容されるボックス本体11の内部への浸水が抑えられる。また、受水溝24内の水は、図4に示した排水孔22を通って外部に排出されるので、受水溝24からボックス本体11の内部へと水が流れ込むことが防がれる。なお、排水孔22の上端部は、コーナートレイ23(図6参照)にて閉塞されているので、例えば家の鍵等が排水孔22内に落ちることが防がれる。また、蓋体30の下面に断熱シート40を備えているので、外気温による荷物収納ボックス10内への影響を抑えることができる。
また、蓋体30に上から係る荷重は、蓋体30の外縁の鍔部33Aとボックス本体11の段差部20の底面20Aとの当接だけではなく、蓋体30の下面の外縁部に環状に並べられた複数の外縁リブ34と、ボックス本体11の内側環状壁17及び起立対向壁19との当接によっても受け止められるので蓋体30に係る荷重が分散され、蓋体30の変形が抑えられる。このことにより、蓋体30の鍔部33Aとボックス本体11の底面20Aとの当接も安定し、荷物収納ボックス10内への防水機能も安定する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、荷物収納ボックス10を地中に埋設して使用する例を示したが、例えば、荷物収納ボックスを地面の上に載置してアンカー等により固定してもよい。また、荷物収納ボックスに収容する荷物は、宅配物に限定されるものではなく、例えば、日曜大工用品を荷物として収納してもよい。さらには、荷物収納ボックスは、固定せずに荷物を搬送するために使用してもよい。
(2)前記実施形態の荷物収納ボックス10の樋部21を拡張壁16より上方に延長して蓋体30に当接されてもよい。その場合、受水溝24から排水孔22へと水を流すための孔を樋部21の側面に形成すればよい。
(3)また、前記実施形態の荷物収納ボックス10では、起立対向壁19が4辺に分断されていたが、排水孔22を若干小さくして隣り合う両辺の起立対向壁19,19同士を内側環状壁17と同様に繋げてもよい。
(4)前記実施形態の荷物収納ボックス10において、ボックス本体11の底部に水抜き孔を設けて栓をしておき、荷物収納ボックス10内に水が入った場合に栓を抜いて水抜きができるようにしてもよい。
(5)前記実施形態の荷物収納ボックス10において、内側環状壁17と起立対向壁19との間の隙間を排水孔22に連通させてもよいし、その隙間をシール材で埋めてもよい。
(6)前記実施形態の荷物収納ボックス10では、樋部21の内側が排水孔22になっていたが、受水溝24から外部に水を排水するために、例えば、樋部21を備えず、拡張壁16を上下に貫通するか、又は、外側嵌合壁18を側方から貫通するように排水孔22を設けてもよい。
10 荷物収納ボックス
11 ボックス本体
11K 上面開口
16 拡張壁
16A 環状段差面
17 内側環状壁
18 外側嵌合壁
19 起立対向壁
21 樋部
22 排水孔
24 受水溝
30 蓋体
34 外縁リブ(本体当接部)

Claims (4)

  1. 上面開口を有するボックス本体と、
    前記ボックス本体のうち前記上面開口を包囲する外側嵌合壁の内側に嵌合され、前記上面開口を閉塞する蓋体と、
    前記ボックス本体の内部の上端寄り位置に設けられ、前記蓋体の外縁部全体に下方から対向する環状段差面と、
    環状構造をなして前記環状段差面から起立し、前記外側嵌合壁に対して受水溝を挟んで内側から対向する内側環状壁と、を備える荷物収納ボックス。
  2. 前記受水溝の下端部には、水を排出するための排水孔が形成されている請求項1に記載の荷物収納ボックス。
  3. 前記ボックス本体の上端寄り位置には、それより上側部分を側方に拡張する拡張壁が設けられ、前記拡張壁の上面が前記環状段差面をなし、前記拡張壁の下面から前記ボックス本体の下端部まで延びて、内側が前記排水孔となった樋部を備える請求項2に記載の荷物収納ボックス。
  4. 前記環状段差面から起立し、前記内側環状壁に外側から対向する起立対向壁を備え、
    前記蓋体には、前記内側環状壁及び前記起立対向壁に当接する本体当接部が備えられている請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の荷物収納ボックス。
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