JP2019050036A - 建物の価値を評価するための方法およびコンピュータシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】リフォームされた場合の建物の価値を評価するための方法を提供する。【解決手段】建物の価値を評価するための方法において、建物がリフォームされた場合に、保険会社によって算定される保険価額に基づいたリフォーム後の建物の価値の評価は、リフォーム前の建物の価値を表すように算定された第1の保険価額と、リフォームによって建物に新たに生じた価値を表すように算定された第2の保険価額とに基づき算出する。【選択図】図1
Description
本発明は、建物の価値を評価するための方法およびコンピュータシステムに関する。
従来から、中古住宅市場およびリフォーム市場の規模拡大が鈍化していることが知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
株式会社みんかぶ、"住宅"再生"関連にスポットライト、中古市場活性化で関心<株探トップ特集>"、[online]、[平成29年7月28日検索]、インターネット<URL:https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n201703020526>
中古住宅市場やリフォーム市場を活性化するための有効な施策が実現されていないのが現状である。この原因の1つは、従来、中古の住宅やリフォーム後の住宅の価値を客観的に評価するための手法が確立されていなかったことにある。これらを客観的に評価するための手法を確立することは、長年、求められてきたが実現されていなかった課題であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法およびコンピュータシステムを提供することを目的とする。
本発明の方法は、建物の価値を評価するための方法であって、前記方法は、建物がリフォームされた場合に、保険会社によって算定される保険価額に基づいてリフォーム後の建物の価値を評価することを含む。これにより、上記目的が達成される。
前記リフォーム後の前記建物の価値を評価することは、前記リフォーム前の前記建物の価値を表すように算定された第1の保険価額と、前記リフォームによって前記建物に新たに生じた価値を表すように算定された第2の保険価額とに基づいて行われてもよい。
前記リフォーム後の前記建物の価値を評価することは、前記リフォーム前の前記建物の価値を表すように算定された第1の保険価額と前記リフォームによって前記建物に新たに生じた価値を表すように算定された第2の保険価額とに基づいて算定された第3の保険価額に基づいて行われてもよい。
前記保険価額は、新価によって表されてもよい。
前記保険価額は、前記リフォームの1つ以上の証拠に基づいて算定されてもよい。
本発明のコンピュータシステムは、建物の価値を評価するためのコンピュータシステムであって、前記コンピュータシステムは、建物がリフォームされた場合に、保険会社によって算定される保険価額に基づいてリフォーム後の建物の価値を評価する手段を含む。これにより、上記目的が達成される。
前記コンピュータシステムには、データベース部が接続されており、前記データベース部には、前記リフォームの1つ以上の証拠を示すデータが格納されており、前記コンピュータシステムは、前記データベース部に格納されている前記リフォームの内容を示す1つ以上の証拠に基づいて、前記保険価額を算定する手段をさらに含んでいてもよい。
本発明によれば、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法およびコンピュータシステムを提供することが可能である。
以下、本明細書において用いられる用語の定義を説明する。
「建物」とは、土地に定着するように建てられた物をいう。「建物」は、例えば、一戸建て住宅、マンションを含む。
「リフォーム」とは、建物の内部または外部(例えば、建物がマンションである場合、そのマンションの専有部分または共用部分)を現在の状態から他の状態に変更する任意の行為をいう。本明細書における「リフォーム」には、例えば、壁の再塗装、設備の取り換えまたは修繕、建物の増築、間取りを変える改築、補強工事(例えば、耐震性の強化)、バリアフリー対応化(例えば、手すりの設置、床の段差の解消)、オール電化などが含まれる。
「新価」とは、既存の建物と同一の建物を現在新たに建てると仮定したときにかかる額のことをいう。新価は、再調達価格とも呼ばれる。新価は、実際に建築に要した額(建築価額)と、建築資材等の価格変動(価格変動率)とに基づいて、以下のように表される。
新価 = 建築価額 × 価格変動率
新価 = 建築価額 × 価格変動率
「時価」とは、建物の経年劣化・使用劣化等を新価と併せて考慮した額である。時価は、新価と、経年劣化・使用劣化による減価とに基づいて、以下のように表される。
時価 = 新価 − 経年劣化・使用劣化による減価
時価 = 新価 − 経年劣化・使用劣化による減価
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
1.リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法
図1は、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法を模式的に示す。以下、方法の各ステップを説明する。
図1は、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法を模式的に示す。以下、方法の各ステップを説明する。
ステップS101:保険会社は、リフォーム前の建物の価値を評価する。リフォーム前の建物の価値は、第1の保険価額として算定される。ここで、「リフォーム前」とは、今回のリフォームよりも前の任意の時点をいう。「リフォーム前」は、例えば、新築時であってもよいし、前回のリフォーム時であってもよいし、今回のリフォームの直前であってもよい。
ステップS102:建物がリフォームされた場合に、保険会社は、リフォームによって建物に新たに生じた価値を評価する。リフォームによって建物に新たに生じた価値は、第2の保険価額として算定される。ここで、「リフォームによって建物に新たに生じた価値」の一例は、壁の再塗装によって増加した価値、設備の取り換えまたは修繕によって増加した価値、建物の増築によって増加した価値、間取りを変える改築によって増加した価値、補強工事(例えば、耐震性の強化)によって増加した価値、バリアフリー対応化(例えば、手すりの設置、床の段差の解消)によって増加した価値、オール電化によって増加した価値などであるが、これらに限定されない。
ステップS103:保険会社は、リフォーム後の建物の価値を評価する。
リフォーム後の建物の価値は、例えば、ステップS101において算定された第1の保険価額とステップS102において算定された第2の保険価額とに基づいて評価される。これは、例えば、リフォーム後の建物の価値が、リフォーム前の建物の保険証書(第1の保険価額の保険証書)とリフォームによって建物に新たに生じた価値の保険証書(第2の保険価額の保険証書)とによって担保される場合に相当する。
あるいは、リフォーム後の建物の価値は、ステップS101において算定された第1の保険価額とステップS102において算定された第2の保険価額とに基づいて算定された第3の保険価額に基づいて評価されてもよい。これは、例えば、リフォーム後の建物の価値が、リフォーム後の建物の保険証書(第3の保険価額の保険証書)によって担保される場合に相当する。
このように、保険会社によって算定される保険価額に基づいてリフォーム後の建物の価値を評価することにより、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価することが可能である。保険会社によって算定される保険価額は、損害発生時に保険会社が実際に支払うことを義務付けられた金額である。従って、保険会社によって算定される保険価額に基づく評価は、信頼性が高く、かつ、客観的な評価であるといえる。
なお、保険会社によって算定される保険価額は、新価によって表されることが好ましい。なぜなら、保険価額が新価によって表される場合には、リフォーム後の建物が評価されるタイミングに左右されることなくリフォームによって建物に新たに生じた価値を表すことができるからである。これとは対照的に、保険価額が時価によって表される場合には、リフォームによって建物に新たに生じた価値をその建物の所有者が実感することは困難であるといえる。なぜなら、時間が経過するにつれて建物の経年劣化・使用劣化によって建物の価値が減少することに加えて、建物をリフォームした場合であっても損害発生時に支払われる金額がリフォーム済みの建物とリフォーム未の建物との間で異ならないからである。
図2は、建物の価値の変化を模式的に示す。より詳細には、図2(a)は、図1に示される方法によって新価を用いて建物の価値を評価した場合における建物の価値の変化を示し、図2(b)は、時価を用いて建物を評価した場合における建物の価値の変化を示す。
図2において、横軸は、時間を示す。時間t1、t2、t3は、建物のリフォームが行われたタイミングを示す。時間t0は、時間t1より前のあるタイミングである。図2に示される例では、時間t1において、その建物の1回目のリフォームが行われ、時間t2において、その建物の2回目のリフォームが行われ、時間t3において、その建物の3回目のリフォームが行われたものとする。図2において、縦軸は、建物の価値を示す。
図2(a)において、V1は、図1に示されるステップS101において評価された1回目のリフォーム前の建物の価値(保険会社によって算定された第1の保険価額)を示し、ΔVは、図1に示されるステップS102において評価された1回目のリフォームによって建物に新たに生じた価値(保険会社によって算定された第2の保険価額)を示し、V2は、図1に示されるステップS103において評価された1回目のリフォーム後の建物の価値(保険会社によって算定された第3の保険価額)を示す。
このように、図2(a)に示される例では、1回目のリフォームによって、建物の価値が、V1からV2までΔVだけ増加したことが分かる。なお、図2(a)に示される例では、V2とV1との関係は、V2=V1+ΔVという式によって表されるが、V2とV1との関係はこれに限定されない。V2とV1との関係は、所与の任意の関数をFとするとき、V2=F(V1+ΔV)という式によって表されることが可能である。2回目のリフォーム、3回目のリフォームについても同様である。図2(a)に示される例では、リフォームのたびに、建物の価値が減少することなく右肩上がりに増加していることが分かる。
図2(b)に示されるV1は、図2(a)に示されるV1と同一である。
図2(b)に示される例では、時間が経過するにつれて建物の価値が減少することが分かる。これは、建物の経年劣化・使用劣化によるものである。それ故、建物の価値は、時間が経過して時間t1に近づくにつれて、建物の経年劣化・使用劣化によって、右肩下がりにV1より減少する。加えて、従来の手法では、リフォームによって建物に新たに生じた価値を評価するという考え方が存在しなかった。従って、建物の所有者は、時間t1、t2、t3において建物をリフォームしたとしても、そのリフォームによって建物の価値が増大したことを認識することは困難である。なぜなら、このようなリフォームは、まず建物の価値の減少を補填するように(すなわち、V1を基準(ゼロ)としてマイナスをゼロに戻すように)建物の価値を増加させるからである。
このように、図1を参照して上述した方法によれば、保険会社によって算定される保険価額に基づいてリフォーム後の建物の価値を評価することにより、リフォーム後の建物の価値を適正に評価することが可能である。また、リフォームによって建物に新たに生じた価値を表すように保険価額を算定することにより、リフォームによって建物の価値が増加していることを適正に評価することが可能である。このように、リフォーム後の建物の価値および/またはリフォームによって建物に新たに生じた価値を適正に評価することが可能である。
リフォーム後の建物の価値および/またはリフォームによって建物に新たに生じた価値を適正に評価するための手法が確立されることにより、中古住宅市場およびリフォーム市場をさらに発展させることが可能である。
2.リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するためのデータフロー
図3Aは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するためのデータフローの一例を示す。以下、図3Aに示される各ステップを説明する。
図3Aは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するためのデータフローの一例を示す。以下、図3Aに示される各ステップを説明する。
ステップS301:建物の所有者は、自身が所有する建物の評価依頼を、その建物を管理している建物管理会社に行う。この依頼の態様は問わない。建物の所有者は、例えば、電話を使用して依頼を行ってもよいし、FAXを使用して依頼を行ってもよいし、メールを使用して依頼を行ってもよいし、建物管理会社の社員に直接会って依頼を行ってもよい。
ステップS302:建物管理会社は、建物の所有者から建物の評価依頼を受けると、保険会社にその建物の評価依頼を行う。このとき、建物管理会社は、その建物に関する情報を保険会社に提供する。建物に関する情報は、例えば、建物の所在地、築年数、構造/階建て、リフォームに関する情報(例えば、リフォーム済みか否か、リフォームを行った箇所、リフォームを行った年月日など)、設備情報などを含む。このような建物に関する情報は、例えば、建物管理会社が管理・運営しているコンピュータシステムに接続されたデータベース内に格納されている。
ステップS303:保険会社は、建物管理会社から建物の評価依頼と建物に関する情報とを受けると、建物に関する情報に基づいて、建物の価値を第1の保険価額として算定する。
ステップS304:保険会社は、第1の保険価額に基づいて、建物の価値を評価する。このとき、保険会社は、第1の保険価額を記載した第1の保険証書を作成する。
ステップS305:保険会社は、建物の評価結果(すなわち、第1の保険価額)を建物管理会社に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。この通知に加えて、または、この通知に代えて、保険会社は、第1の保険証書を建物管理会社に交付するようにしてもよい。
ステップS306:建物管理会社は、建物の評価結果(すなわち、第1の保険価額)を建物の所有者に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。建物管理会社は、保険会社から第1の保険証書を交付された場合、この通知に加えて、または、この通知に代えて、第1の保険証書を建物の所有者に交付するようにしてもよい。
ステップS307:建物の所有者は、リフォーム依頼を建物管理会社に行う。この依頼の態様は問わない。建物の所有者は、例えば、電話を使用して依頼を行ってもよいし、FAXを使用して依頼を行ってもよいし、メールを使用して依頼を行ってもよいし、建物管理会社の社員に直接会って依頼を行ってもよい。
ステップS308:建物管理会社は、建物の所有者からリフォーム依頼を受けると、その建物の一部または全部のリフォームを行う。あるいは、建物管理会社は、建物の所有者からリフォーム依頼を受けると、建物管理会社の下請け会社にその建物のリフォームを行わせてもよい。このように、建物管理会社は、建物のリフォームを行うリフォーム会社として機能することが可能である。
あるいは、建物管理会社は、建物の所有者からリフォーム依頼を受けると、その建物のリフォームを工務店に斡旋するようにしてもよい。このように、建物管理会社は、そのリフォームの斡旋業者として機能することが可能である。
ステップS309:建物の所有者は、その建物のリフォームが完了すると、そのリフォーム部分の価値(そのリフォームによって建物に新たに生じた価値)の評価依頼を行う。この依頼の態様は問わない。建物の所有者は、例えば、電話を使用して依頼を行ってもよいし、FAXを使用して依頼を行ってもよいし、メールを使用して依頼を行ってもよいし、建物管理会社の社員に直接会って依頼を行ってもよい。
ステップS310:建物管理会社は、建物の所有者からリフォーム部分(リフォームによって建物に新たに生じた価値)の評価依頼を受けると、保険会社にそのリフォーム部分の評価依頼を行う。このとき、建物管理会社は、そのリフォームに関する情報を保険会社に提供する。このようなリフォームに関する情報は、上述したように、例えば、建物管理会社が管理・運営しているコンピュータシステムに接続されたデータベース内に格納されている。
ステップS311:保険会社は、建物管理会社からリフォーム部分の評価依頼とリフォームに関する情報とを受けると、リフォームに関する情報に基づいて、リフォーム部分の価値を第2の保険価額として算定する。
ステップS312:保険会社は、第2の保険価額に基づいて、リフォーム部分の価値を評価する。このとき、保険会社は、第2の保険価額を記載した第2の保険証書を作成する。
ステップS313:保険会社は、第1の保険価額と第2の保険価額とに基づいて、リフォーム後の建物の価値を第3の保険価額として算定する。
ステップS314:保険会社は、第3の保険価額に基づいて、リフォーム後の建物の価値を評価する。このとき、保険会社は、第3の保険価額を記載した第3の保険証書(例えば、第1の保険証書の記載内容と第2の保険証書の記載内容とを統合した記載内容を示す保険証書)を作成してもよい。
ステップS315:保険会社は、リフォーム部分の評価結果(第2の保険価額)および/またはリフォーム後の建物の評価結果(第3の保険価額)を建物管理会社に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。この通知に加えて、または、この通知に代えて、保険会社は、第2の保険証書および/または第3の保険証書を建物管理会社に交付するようにしてもよい。
ステップS316:建物管理会社は、リフォーム部分の評価結果(第2の保険価額)および/またはリフォーム後の建物の評価結果(第3の保険価額)を建物の所有者に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。建物管理会社は、保険会社から第2の保険証書を交付された場合、この通知に加えて、または、この通知に代えて、第2の保険証書を建物の所有者に交付するようにしてもよい。建物管理会社は、保険会社から第3の保険証書を交付された場合、この通知に加えて、または、この通知に代えて、第3の保険証書を建物の所有者に交付するようにしてもよい。
なお、図3Aを参照して上述した例では、保険会社は、建物管理会社から提供された建物に関する情報およびリフォームに関する情報に基づいて第1の保険価額および第2の保険価額を算定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。保険会社は、建物管理会社から提供された建物に関する情報およびリフォームに関する情報に基づくことなく、保険価額の独自の算定方法を利用して、第1の保険価額および第2の保険価額を算定するようにしてもよい。
また、図3Aに示される例では、保険会社と建物の所有者とが、建物管理会社を仲介してやり取りすることにより、リフォーム後の建物の価値を評価しているが、本発明はこれに限定されない。保険会社と建物の所有者とは、後述されるように、相互に直接やり取りすることにより、リフォーム後の建物の価値を評価してもよい。
図3Bは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するためのデータフローの他の一例を示す。以下、図3Bに示される各ステップを説明する。
ステップS301’:建物の所有者は、自身が所有する建物の評価依頼を保険会社に行う。このとき、建物の所有者は、その建物に関する情報を保険会社に提供する。この依頼の態様は問わない。建物の所有者は、例えば、電話を使用して依頼を行ってもよいし、FAXを使用して依頼を行ってもよいし、メールを使用して依頼を行ってもよいし、保険会社の社員に直接会って依頼を行ってもよい。また、建物に関する情報は、例えば、建物の所在地、築年数、構造/階建て、リフォームに関する情報(例えば、リフォーム済みか否か、リフォームを行った箇所、リフォームを行った年月日など)、設備情報などを含む。このような建物に関する情報は、例えば、その建物を管理している建物管理会社から取得されたものであってもよいし、建物の所有者が自力で独自に管理しているものであってもよい。
ステップS302’:保険会社は、建物管理会社から建物の評価依頼と建物に関する情報とを受けると、建物に関する情報に基づいて、建物の価値を第1の保険価額として算定する。
ステップS303’:保険会社は、第1の保険価額に基づいて、建物の価値を評価する。このとき、保険会社は、第1の保険価額を記載した第1の保険証書を作成する。
ステップS304’:保険会社は、建物の評価結果(すなわち、第1の保険価額)を建物の所有者に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。この通知に加えて、または、この通知に代えて、保険会社は、第1の保険証書を建物の所有者に交付するようにしてもよい。
ステップS305’:建物の所有者は、その建物のリフォーム後、そのリフォーム部分の価値(そのリフォームによって建物に新たに生じた価値)の評価依頼を行う。このとき、建物の所有者は、そのリフォームに関する情報を保険会社に提供する。この依頼の態様は問わない。建物の所有者は、例えば、電話を使用して依頼を行ってもよいし、FAXを使用して依頼を行ってもよいし、メールを使用して依頼を行ってもよいし、保険会社の社員に直接会って依頼を行ってもよい。また、このようなリフォームに関する情報は、例えば、その建物を管理している建物管理会社から取得されたものであってもよいし、建物の所有者が自力で独自に管理しているものであってもよい。さらに、その建物のリフォームは、建物の所有者がリフォーム実施会社(例えば、工務店、建物管理会社など)にリフォーム依頼することによって達成されてもよいし、建物の所有者が自力でリフォームを行うこと(いわゆるDIY(Do It Yourself))によって達成されてもよい。
ステップS306’:保険会社は、建物の所有者からリフォーム部分の評価依頼とリフォームに関する情報とを受けると、リフォームに関する情報に基づいて、リフォーム部分の価値を第2の保険価額として算定する。
ステップS307’:保険会社は、第2の保険価額に基づいて、リフォーム部分の価値を評価する。このとき、保険会社は、第2の保険価額を記載した第2の保険証書を作成する。
ステップS308’:保険会社は、第1の保険価額と第2の保険価額とに基づいて、リフォーム後の建物の価値を第3の保険価額として算定する。
ステップS309’:保険会社は、第3の保険価額に基づいて、リフォーム後の建物の価値を評価する。このとき、保険会社は、第3の保険価額を記載した第3の保険証書(例えば、第1の保険証書の記載内容と第2の保険証書の記載内容とを統合した記載内容を示す保険証書)を作成してもよい。
ステップS310’:保険会社は、リフォーム部分の評価結果(第2の保険価額)および/またはリフォーム後の建物の評価結果(第3の保険価額)を建物の所有者に通知する。この通知の態様は任意である。例えば、インターネットを介して通知してもよいし、インターネットを介することなく通知してもよい。この通知に加えて、または、この通知に代えて、保険会社は、第2の保険証書および/または第3の保険証書を建物の所有者に交付するようにしてもよい。
なお、図3Aを参照して上述した例と同様に、図3Bを参照して上述した例では、保険会社は、建物の所有者から提供された建物に関する情報およびリフォームに関する情報に基づいて第1の保険価額および第2の保険価額を算定する場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。保険会社は、建物の所有者から提供された建物に関する情報およびリフォームに関する情報に基づくことなく、保険価額の独自の算定方法を利用して、第1の保険価額および第2の保険価額を算定するようにしてもよい。
3.システムの構成
図4Aは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価することを実現するためのシステム400の構成の一例を示す。
図4Aは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価することを実現するためのシステム400の構成の一例を示す。
図4Aに示される例では、システム400は、建物管理会社が管理・運営するコンピュータシステム401と、保険会社が管理・運営するコンピュータシステム402と、建物管理会社のコンピュータシステム401に接続されたデータベース403とを備える。データベース403には、例えば、建物に関する情報、建物の所有者に関する情報などが格納されている。
コンピュータシステム401は、例えば、図3Aに示されるステップS302、S306、S310、S316における処理を実行することが可能なように構成されている。コンピュータシステム401は、これらのステップを実行することが可能な限り、任意の構成を有し得る。例えば、コンピュータシステム401は、コンピュータシステム402との通信を制御するインターフェース部と、コンピュータシステム401全体の動作を制御するプロセッサ部と、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されているメモリ部と、データベース403へのアクセスを制御するインターフェース部とを備えていてもよい。
また、コンピュータシステム402は、例えば、図3Aに示されるステップS303〜S305、S311〜S315における処理、または、図3Bに示されるステップS302’〜S304’、S306’〜S310’における処理を実行することが可能なように構成されている。コンピュータシステム402は、これらのステップを実行することが可能な限り、任意の構成を有し得る。例えば、コンピュータシステム402は、コンピュータシステム401との通信を制御するインターフェース部と、コンピュータシステム402全体の動作を制御するプロセッサ部と、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されているメモリ部とを備えていてもよい。
システム400では、データベース403は、建物管理会社のコンピュータシステム401に接続されているため、建物管理会社によって管理されている。データベース403は、建物管理会社のコンピュータシステム401に接続されていれば足り、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
図4Bは、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価することを実現するためのシステム410の構成の他の一例を示す。
図4Bに示される例では、システム410は、建物管理会社が管理・運営するコンピュータシステム401’と、保険会社が管理・運営するコンピュータシステム402’と、建物管理会社のコンピュータシステム401および保険会社のコンピュータシステム402に接続されたデータベース403’とを備える。データベース403’には、例えば、建物に関する情報、建物の所有者に関する情報などが格納されている。
コンピュータシステム401’は、例えば、図3Aに示されるステップS302、S306、S310、S316における処理を実行することが可能なように構成されている。コンピュータシステム401’は、これらのステップを実行することが可能な限り、任意の構成を有し得る。例えば、コンピュータシステム401’は、コンピュータシステム402’との通信を制御するインターフェース部と、コンピュータシステム401’全体の動作を制御するプロセッサ部と、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されているメモリ部と、データベース403’へのアクセスを制御するインターフェース部とを備えていてもよい。
また、コンピュータシステム402’は、例えば、図3Aに示されるステップS303〜S305、S311〜S315における処理、または、図3Bに示されるステップS302’〜S304’、S306’〜S310’における処理を実行することが可能なように構成されている。コンピュータシステム402’は、これらのステップを実行することが可能な限り、任意の構成を有し得る。例えば、コンピュータシステム402’は、コンピュータシステム401’との通信を制御するインターフェース部と、コンピュータシステム402’全体の動作を制御するプロセッサ部と、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されているメモリ部と、データベース403’へのアクセスを制御するインターフェース部とを備えていてもよい。
システム410では、データベース403’は、建物管理会社のコンピュータシステム401’と保険会社のコンピュータシステム402’との両方に接続されているため、建物管理会社および保険会社に共有された状態で、建物管理会社および保険会社によって管理されている。従って、データベース403’は、建物管理会社のコンピュータシステム401’および保険会社のコンピュータシステム402’の双方からアクセス可能なように構成されている。データベース403’は、建物管理会社のコンピュータシステム401’および保険会社のコンピュータシステム402’に接続されていれば足り、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
なお、図3A、図3B、図4A、図4Bを参照して説明された実施形態では、建物の所有者からの依頼(すなわち、建物の評価依頼、リフォームの依頼、リフォーム部分の評価依頼)を契機にして評価またはリフォームが実行される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。建物の所有者からの依頼以外を契機にして評価またはリフォームが実行されることもまた、本発明の範囲内である。例えば、建物が火災被害に遭った場合、その火災被害に遭ったということを契機にして、その建物の火災保険を提供している保険会社が、火災保険の保険金を建物の所有者に支払う代わりに、リフォームサービスを提供するようにしてもよい。このリフォームサービスは、例えば、保険会社がリフォーム実施会社に建物のリフォームの見積り依頼を行い、リフォーム実施会社がそのリフォームの見積りを保険会社に提示し、保険会社がリフォーム実施会社に建物のリフォーム依頼を行い、リフォーム実施会社がそのリフォーム依頼を受けて建物の火災部分のリフォームを行うことによって達成され得る。このリフォームサービスにおけるリフォームは、建物の原状回復を目的としたリフォーム、または、災害復旧を目的としたリフォームであってもよい。加えて、保険会社がそのリフォーム部分の評価を行うことにより、建物の所有者は、客観的に評価されたそのリフォーム部分の価値を知ることができるため、保険会社は、建物の所有者に対してそのリフォーム部分の火災保険への加入を効率的に促すことが可能である。
また、図3A、図4A、図4Bを参照して説明された実施形態では、建物管理会社が保険会社に建物の評価依頼を行っているが、本発明はこれに限定されない。保険会社に建物の評価依頼を行う会社は、任意である。保険会社に建物の評価依頼を行う会社は、例えば、工務店などであってもよい。より具体的には、保険会社に建物の評価依頼を行う会社は、例えば、新築住宅分譲会社、リフォーム会社、保険代理店、不動産会社、建設業者、鑑定会社、設計事務所などであってもよい。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、リフォーム後の建物の価値を客観的に評価するための方法およびコンピュータシステム等を提供するものとして有用である。
401、401’ 建物管理会社のコンピュータシステム
402、402’ 保険会社のコンピュータシステム
403、403’ データベース
402、402’ 保険会社のコンピュータシステム
403、403’ データベース
Claims (1)
- 本願明細書に記載の発明。
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