JP7308401B2 - 既存建築物の固定資産税のクラウド対応型予測支援システム - Google Patents
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Description
すなわち、この特許文献1には、コンサルタント会社が、相続人の煩雑な手続を軽減して相続税還付請求処理を支援するシステムが開示、提案されている。
また、特許文献2には、コンサルタント会社がビル本体の耐用年数と付帯設備の耐用年数の相違等を考慮して固定資産関連納税額や償却資産関連納税額を予測計算するシミュレーション装置が開示、提案されている。
本発明は、このような現状に鑑み、既存の建築物に含まれている設備等を取替えた後に、固定資産税がどのようになるかの予測算出サービスを、専門家の支援のもとで、インターネットのクラウド技術を使って簡単かつ迅速に利用できるようにしたもので、このようなサービスを提供することで、企業経営における税務管理、キャッシュフローの適正化改善を計画的に指南する支援ツールを提供することを目的としている。
クラウド型サーバを通じて行う、既存建築物の固定資産税予測支援システムであって、
前記クラウド型サーバは、基礎データ橋渡し手段と、更新後の固定資産課税予測レポート橋渡し手段とを備えており、
前記基礎データ橋渡し手段は、
依頼主側の第一の通信端末から送信されて来た前記既存建築物の税額算出のために必要な情報を基礎データとして受付けて保存する一方で、前記第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許容する処理をなし、
前記固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、
前記第二の通信端末に対しては、この第二の通信端末から送信されて来た前記基礎データに基づいて作成された更新後の固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼主側の前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記更新後の固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容させる処理を行い、
前記更新後の固定資産課税予測レポートは、建築物の設備更新後における固定資産税の残余の予想総額と、建築物の設備更新によって新設される償却資産税の予想総額とを含んでいる。
この本発明システムによって提供される更新後の固定資産課税予測レポートは、設備の取替、修繕、滅失によって既存の建築物から償却資産となる設備等を除去した場合における、固定資産税の残余の予想総額と、更新によって新設される償却資産税の予想総額とを含んだものになっている。
また、本発明でいう固定資産税には、市町村などの課税庁が課税する都市計画税も含まれている。
事業資産となる建築物としては、ホテル、事務所、店舗、各種の商業テナントビル、住宅・アパート、マンション、倉庫が含まれ、設備等を更新する前の建築物の固定資産税は、家屋とされる建物躯体部分と、設備機器とが一体として家屋として評価され、設備の価格や建築・工事費などを積算した価格に基づいて課税額が定められている。
図例では、第一の通信端末11は携帯端末、第二の通信端末12は固定端末を想定しているが、これらの種別は問わない。また、これらの通信機器はインターネットなどの通信ネットワークを介して相互に通信可能である。なお13はコンサルタント会社に設置されたメンテナンス、保守用の通信端末である。
第一の通信端末11は、ノートパソコン、タブレット、あるいはスマートフォンが代表的であるが、写真や図面を撮影して伝送するためにカメラを搭載していることが望ましい。また、第二の通信端末12は、図例では事務所に設置される一般的なパーソナルコンピュータを想定しているが、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンであってもよい。
ここに、基礎データ橋渡し手段10aは、依頼主側の第一の通信端末から依頼を受け、送信されて来た固定資産課税の算出のための基礎データを受付けて保存する一方で、第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許可する処理をなす。
一方の固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、第一の通信端末の前記依頼に応じて更新後の固定資産課税予測レポートの作成を受諾した第二の通信端末に対しては、前記基礎データに基づいて作成された、更新後の固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼主側の前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容させる処理をなす。
ここに、更新後の固定資産課税予測レポートは、建築物から設備等を除却した後の固定資産税の残余の予想総額と、更新によって新に生じた設備等の償却資産税の予想総額とを区分し、全体の合計税額を明示したフォームになっている。
このような構成において、クラウド型サーバはファイル共有プログラムを稼働して実現され、そのプログラムにおいて、第一の通信端末11、第二の通信端末12は予めユーザー登録がなされ、第一の通信端末11、第二の通信端末12間では、ファイル共有アプリケーションが使用されている。このファイル共有アプリケーションは例えばエバーノート社のEvernote(登録商標)等が使用される。
この固定資産課税予測レポートは、図5の(c)に示したように、建築物から設備等を除却したときの残余の固定資産税の予想総額と、新設した設備等に対する償却資産税の予想総額とが記載され、更に、これらの税額の合計額が記載されている。
図2(a)に示すグラフは、建築物に課税される固定資産税の時間経過による変化を示している。建築物の固定資産税は、建物躯体部分(A)と建築設備(B)とを一体として家屋として評価された評価額を基準として、法律的には経年減点の規則に従って定められている。したがって、時間経過につれて100%から順次減額され、法定耐用年数に到達したときに残価率20%になり、それ以降は20%のまま維持され、建物解体、滅失で0になる。また、法定耐用年数は建物の種別によって異なっている。
しかしながら、現状の固定資産税は、建築物の再建築価格の上昇によって相殺され、新築時の評価額ベースにとどまっている場合が多い。
建築物は新築した後15年目T1に設備等を取替えることによって、建築物の固定資産税は、除却された設備等に対応した税額(B)はなくなるので、斜線で示した残余の固定資産税(A)となり、代わりに新設した設備等については、15年の耐用年数で償却資産税(D)が課税されるが、この場合は、物価上昇率などによる調整はないので、順次低下し、残価率5%まで低下する。つまり、新設されたタイミングで100%になるが、時間経過に従って低下し、法定耐用年数になると5%になる。また、更に15年後T2に更新しても同じような課税となる。なお、(E)は、設備等の2度の取替T1,T2を考慮した場合における平均値を示したものである。
すなわち、建築設備等は法人税の課税基準では15年で終了するものが、建物に組み込まれると、建物の構造によって定められている耐用年数が適用される。
したがって、耐用年数が15年の建築設備は、耐用年数45年のRC構造の建物に組み込まれている場合には、45年まで延長され、この状態を放置しておけば、建築設備を取替えても、そのまま残ってしまう。
そこで、通常の非分離申告方式とは異なる分離申告方式で申告を行えばよい。この分離申告方式を採用する場合、建築設備等の所有者は、その分の償却資産税を支払い、建築物の所有者は、建築設備等を除去した分の固定資産税を支払うことで、トータルすれば、かなりの税額が軽減されることになる。
本発明によれば、建築物に含まれる建築設備等の一部を更新する場合に、更新後の固定資産税の残余の予想総額と、新設した設備等の償却資産税の予想総額とが固定資産課税予測レポートとして、まとめられ税額が見える化されることになる。
まず依頼主側は、第一の通信端末11によって建築物の建築費の資料や取替えるべき償却資産を特定し、資料をカメラで撮影するなどして、その電子ファイルを生成する。
そしてクラウド型サーバ10にログインして、予測レポートの作成を依頼し、作成した電子ファイルをアップロード伝送する。
クラウド型サーバ10は、第一の通信端末11から予測レポートの依頼を受けると、第二の通信端末に通知する。第二の通信端末が複数ある場合には、一斉に依頼を受けていることを通知する。第二の通信端末のうち、この依頼に応じた第二の通信端末12は、クラウド型サーバ10にログインして、依頼者が送って来た前記電子ファイルをダウンロード伝送する。
電子ファイルをダウンロードした第二の通信端末12は、電子ファイルに基づいて、固定資産税の軽減予想総額と、償却資産税の予想総額とを算出して課税予測レポートを作成する。このとき固定資産税の予想総額、償却資産税の予想総額は、例えば建築物の法定耐用年数が到達するまでの総額としてもよい。
かくして制作された課税予測レポートは、第二の通信端末12からクラウド型サーバ10にアップロード伝送されると、クラウド型サーバ10は、課税予測レポートの作成依頼をした第一の通信端末11に通知する。
その後第一の通信端末11の依頼主側は、前記課税予測レポートをクラウド型サーバ10から第一の通信端末11にダウンロードし、それを画面又は印刷表示して、その課税予測レポートに含まれている固定資産税の軽減予想総額、償却資産税の予想総額を把握できる。
図中、(1)、(2)は固定資産課税予測算出のための基礎データの伝送を示している。また(3)は課税予測レポートの作成工程、(4)、(5)は固定資産課税予測レポートの伝送を示している。
依頼主側の第一の通信端末11からクラウド型サーバ10に固定資産課税予測レポートの作成を依頼し、固定資産課税予測算出のため基礎データが基礎データ橋渡し手段に伝送されると、クラウド型サーバ10は、第二の通信端末12に対して、一斉に依頼があったことを通知する。そして、いずれかの第二の通信端末12から、この依頼に応じることの通知を受けると、クラウド型サーバ10は、その第二の通信端末12のアクセスを許容して、基礎データをダウンロードさせる。
かくして、基礎データをダウンロードした第二の通信端末12では、専門家の共同作業によって、固定資産課税予測レポートが作成され、これをクラウド型サーバ10の固定資産課税予測レポート橋渡し手段10bにアップロードすれば、クラウド型サーバ10は、課税予測レポートの作成を依頼した第一の通信端末11に通知して、第一の通信端末11がクラウド型サーバ10にアクセスして来れば、作成された課税予測レポートをダウンロードさせる。
本発明では、依頼者には、図5(c)に示した更新後の固定資産課税予測レポートが提供されるが、その際に図5(b)に示した新旧比較表や、図5(d)に示した非分離申告方式による税額計算と分離申告方式による税額とを比較した税額比較表を付加資料として提供することで、依頼者には、十分な満足を与え、付加価値の高いサービスが提供できる。
10a 第一の手段
10b 第二の手段
11 第一の通信端末
12 第二の通信端末
Claims (4)
- クラウド型サーバを通じて行う、既存建築物の固定資産税予測支援システムであって、
前記クラウド型サーバは、
基礎データ橋渡し手段と、更新後の固定資産課税予測レポート橋渡し手段とを備えており、
前記基礎データ橋渡し手段は、
依頼主側の第一の通信端末から送信されて来た固定資産課税予測算出のための情報を基礎データとして受付けて保存する一方で、前記第一の通信端末の依頼に応じた第二の通信端末に対しては、保存している前記基礎データのダウンロードを許容する処理をなし、
前記固定資産課税予測レポート橋渡し手段は、
前記第二の通信端末に対しては、この第二の通信端末から送信されて来た前記基礎データに基づいて作成された更新後の固定資産課税予測レポートを受付けて保存する一方で、依頼主側の前記第一の通信端末に対しては、そのアクセスを許容して、前記更新後の固定資産課税予測レポートのダウンロードを許容させる処理を行い、
前記更新後の固定資産課税予測レポートは、建築物の設備更新後における固定資産税の残余の予想総額と、建築物の設備更新によって新設される償却資産税の予想総額とを含んでいる、ことを特徴とする、既存建築物の固定資産税のクラウド対応型予測支援システム。 - 請求項1において、前記建築物の設備更新は、設備の取替、修繕、滅失に基づいてなされるものである、既存建築物の固定資産税のクラウド対応型予測支援システム。
- 請求項1または2において、前記基礎データは、建築物の主体構造部の価格、更新時に除去、新設される設備の価格、建築・工事費を含んでいる、既存建築物の固定資産税のクラウド対応型予測支援システム。
- 請求項1~3のいずれか1項において、前記固定資産課税予測レポートは、非分離申告方式と分離申告方式における税額を表示した税額比較表を含んでいる、既存建築物の固定資産税のクラウド対応型予測支援システム。
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