(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態であるPOSレジスタ(商品販売データ処理装置)が適用されたPOSシステムのネットワーク構成図である。図1に示すように、POSシステム1は、3台のPOSレジスタ3と、ストアコントローラ4と、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network;LAN)5とを含む。3台のPOSレジスタ3とストアコントローラ4とは、LAN5を介してそれぞれ接続されている。なお、図1には、3台のPOSレジスタ3の例を示すが、POSレジスタ3の台数は3台に限られるものではない。
POSシステム1において、POSレジスタ3は、免税店の店舗内に設置される。免税店とは、例えば、輸出物品販売場や輸出酒類販売場(以下、「輸出物品販売場等」と称する場合がある)である。なお、以下の説明において、特に断りが無い限り、「店舗」とは、「免税店の店舗」である。ストアコントローラ4は店舗のバックヤード(事務所等)に設置される。
POSレジスタ3は、客(買物客)の買上対象の商品の商品登録処理を実行する商品登録処理部と、商品登録処理部で登録された商品販売データに基づいて会計処理(精算処理)を実行する会計処理部とを備えるキャッシュレジスタ端末である。客は、非居住者を含む(本実施形態では主に非居住者を想定している)。非居住者とは、日本国に一時的に滞在している、旅券(パスポート)等を所持した外国人旅行客等である。
よって、POSレジスタ3は、所定の条件において免税対象物品の商品登録処理と会計処理とを実行する。免税対象物品は、例えば、一般物品および消耗品に区分される。一般物品は、例えば、家電製品、着物、服、鞄等である。同一の非居住者に対する同一店舗における一日の一般物品の販売合計額が所定金額(例えば5千円)を超える場合に免税となる。消耗品は、例えば、食品類、飲料類(酒類含む)、薬品類、化粧品類等である。同一の非居住者に対する同一店舗における一日の消耗品の販売合計額が所定範囲内(例えば5千円を超え50万円までの範囲内)である場合に免税となる。
POSレジスタ3は、税に関するモードとして、通常に税率を適用して処理を行うモード(「通常モード」とも称する)と、免税を適用して処理を行うモード(「免税処理モード」とも称する)とを有する。モードの設定変更は、基本的には、店舗の店員の操作に基づいて行われる。例えば、店舗において、非居住者が、旅券等を提示し、免税を適用して免税対象物品を購入する旨を示した場合、店員は、免税指定キー(後述)を操作することにより、POSレジスタ3を免税処理モードに設定する。
免税処理モードに設定されたPOSレジスタ3は、購入記録票に貼付するための商品の明細書と、購入者誓約書に貼付するための商品の明細書と、梱包リストのための商品の明細書と、非居住者の控えのための商品の明細書とを印刷する。その他、店舗の控えのための商品の明細書を印刷してもよい。
購入記録票は、店舗により作成される帳票である。購入記録票には、例えば、以下の(1)〜(6)の項目が記載される。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号
(3)輸出物品販売場等を経営する事業者の氏名または名称
(4)輸出物品販売場等を経営する事業者の納税地および所轄税務署名、輸出物品販売場等の所在地
(5)購入年月日
(6)品名、品名ごとの数量、および価額、物品の価額の合計額、販売価額の合計額
上記の(6)として、POSレジスタ3が印刷した商品の明細書が用いられる。つまり、購入記録票の貼付用明細書を購入記録票に貼付し割印することによって、項目(6)の購入記録票への記載が省略できる。
購入者誓約書は、非居住者により署名され、店舗に少なくとも7年間保存される帳票である。購入者誓約書には、例えば、以下の(1)〜(6)の項目が記載される。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号
(3)輸出物品販売場等を経営する事業者の氏名または名称
(4)購入年月日
(5)品名、品名ごとの数量、および価額、物品の価額の合計額、販売価額の合計額
(6)購入後において輸出することを誓約する旨(消耗品の場合、購入した日から30日以内に輸出することを誓約する旨)および購入者の署名
上記の(5)として、POSレジスタ3が印刷した商品の明細書が用いられる。つまり、購入者誓約書の貼付用明細書を購入者誓約書に貼付し割印することによって、項目(5)の購入者誓約書への記載が省略できる。
梱包リストは、例えば、消耗品が箱で梱包されることによって内容物やその個数が確認できない場合に、その梱包箱に添付または貼付される帳票である。梱包リストには、少なくとも、内容物の品名および品名ごとの数量が記載される。梱包リストとしてPOSレジスタ3が印刷した商品の明細書、またはこの明細書から品名および品名ごとの数量を抽出して印刷したリストが用いられる。
ストアコントローラ4は、商品データ、仕入データ、販売データ(取引情報)、顧客データの管理等を行う管理装置である。ストアコントローラ4は、例えば、各商品の商品データを格納した商品テーブル(商品マスタファイル)を記憶する。本実施形態では、商品データは、各商品の名称(品名)、価格などの他、免税の適用に関する商品の種別に関する情報(具体的には、免税対象物品であるか非免税対象物品であるか、免税対象物品である場合に一般物品であるか消耗品であるかを示した情報。以下、「免税種別」と称する場合がある)を含む。
LAN5は、店舗内に敷設されたコンピュータネットワークである。LAN5は、外部のネットワーク(例えばインターネット等)と接続されていてもよい。
図2は、POSレジスタ3の構成例を表すブロック図である。図3は、POSレジスタ3の外観を示した斜視図である。具体的には、図3(A)は店員側から見た斜視図であり、図3(B)は客側から見た斜視図である。
POSレジスタ3は、図2に示すように、CPU101と、ROM102と、RAM103と、スキャナ部104と、店員用表示部105と、客用表示部106と、ハードディスク107と、キー操作部108と、計量部109と、印字部110と、通信部111と、ドロア113とを備える。これらは、バス119を介して互いに接続されている。
通信部111は、LAN5を介して外部の装置(例えばストアコントローラ4等)と通信を行う。ROM102は、CPU101に実行させるプログラムや、プログラムによって参照されるデータ(例えば、店員用表示部105や客用表示部106に表示する画面情報、印字部110にて発行物(例えば、レシート等)の印字フォーマット等の印字情報等)を記憶する。また、ROM102は、自装置の装置番号(装置識別情報)を記憶する。RAM103は、ROM102から読み出されたプログラムやワークエリアを展開するメモリである。また、RAM103には、ストアコントローラ4から取り込んだ商品テーブルが展開される。
CPU101は、上記プログラムを実行することにより、POSレジスタ3全体を制御する。つまり、POSレジスタ3は、CPU101がプログラムを実行することにより、各種の処理(商品登録処理、免税指定受付処理、免税種別特定処理、エラー情報出力処理、印刷制御処理、分割処理等)を実行する。また、処理に応じて、各種の操作キー(免税指定キー、領収書印刷キー、梱包リスト印刷キー、追加印刷キー、言語選択キー、集計レポートキー等)が配置された画面(商品登録画面、小計画面等)が、店員用表示部105等に表示され、印字部110から発行物が発行される。
なお、以下の説明において、POSレジスタ3(CPU101)において、商品登録処理に係る機能を実現する部分を商品登録処理部(又は商品登録部)と称する場合がある。また、POSレジスタ3(CPU101)において、免税指定受付処理に係る機能を実現する部分を免税指定受付処理部(又は免税指定受付部)と称する場合がある。免税種別特定処理、エラー情報出力処理、印刷制御処理、分割処理等についても同様である。
免税指定受付部は、当該取引を免税対象の取引(「免税対象取引」とも称する)とする指定を受け付ける(換言すれば、免税処理モードとする設定を受け付ける)。具体的には、免税指定受付部は、店員による免税指定キーの操作(「免税宣言操作」とも称する)を受け付ける。なお、店員は、例えば、非居住者から旅券を提示された場合に、免税指定キーの操作を行う。また、免税指定受付部は、旅券のICチップに記憶された国籍情報を読取可能な読取装置であり、読み取った国籍情報が日本国の国籍情報でない場合に、日本国以外の国籍情報を読み取ったことを以って、当該取引を免税対象取引とする指定として受け付けるようにしてもよい。
免税種別特定部は、免税対象取引(免税処理モード)において、買上対象の商品の免税種別(一般物品、消耗品、非免税対象物品の別)を特定する。
商品登録処理部は、買上対象の商品を登録する。免税対象取引(免税処理モード)では、商品登録処理部は、免税種別に応じて買上対象の商品を登録する。一例として、商品登録処理部は、一般物品の同日における販売合計額が5千円を超える場合や消耗品の同日における販売合計額が5千円を超え50万円までの範囲内である場合には、消費税額を免税して商品を登録する。
エラー情報出力部は、種々のエラー情報やメッセージを出力する。例えば、免税対象取引(免税処理モード)では、エラー情報出力部は、一般物品の同日における販売合計額が5千円を超えていないときには「免税額に達していません」というメッセージを店員用表示部105に表示し、買上対象の商品が非免税対象物品であるときには「免税対象の商品ではありません」というメッセージを店員用表示部105に表示する。なお、表示方法は、ポップアップ表示であってもよい。また、表示先は、客用表示部106であってもよい。また、表示ではなく、スピーカ(非図示)による音声出力であってもよい。
印刷制御部は、印字部110による発行物の印刷を制御する。例えば、免税対象取引(免税処理モード)では、印刷制御部は、購入記録票の貼付用明細書(図6等)、購入者誓約書の貼付用明細書(図7等)、お客控え(図8等)等)を印字部110に印刷させる。
なお、印刷制御部は、商品登録処理部が登録した商品のうち消耗品に該当する商品の取引番号(取引情報に含まれる該取引を特定する番号)を印刷させてもよい。取引番号は、バーコードや二次元コードにコード化して印刷させてもよい。これにより、一取引では免税対象額に達していない場合であっても同日の同一店舗における複数回の取引の合算金額に基づいて免税を適用する作業が簡便になる。つまり、次回以降の取引において、今回の取引の発行物から今回の取引の取引番号を容易に確認することができるので、POSレジスタ3やストアコントローラ4に記憶されている今回の取引の取引情報を容易に照会し、今回及び次回の取引の合算金額を容易に確認することができる。
なお、同日の同一店舗における複数回の取引により合算額が免税対象額に達する場合の会計としては、以下のような処理によって行われてもよい。即ち、同日の同一店舗における複数回の取引のうち、免税対象額に達していないことで免税対象とならなかった取引については、「返品」、「訂正」、「取り消し」などにより一旦キャンセルされた状態とする。その上で、同日の同一店舗におけるこれまでの各取引をまとめて会計するようにしてもよい。なお、客の要求に応じて、所定のキーを押下することにより、印刷制御部は、後の合算精算の意思があることを示す文章またはマーキングを、消耗品に該当する商品の明細書と取引番号とともに、発行物に印刷させてもよい。
分割部は、免税種別に応じて商品の明細を分割する。例えば、分割部は、一般物品、消耗品、および非免税対象物品別に、商品の明細を分割する。分割部は、商品の種類(分類)毎に、商品の明細を分割してもよい。分割部は、商品登録順の所定数の商品毎に、商品の明細を分割してもよい。
なお、印刷制御部は、分割部が分割した商品毎に区分して一の発行物を印刷させるようにしてもよい。区分の方法は、空欄、区分線でもよいし、広告情報や店舗情報等の情報であってもよい。また、印字制御部は、分割部が分割した商品毎の発行物を印刷させるようにしてもよい。
スキャナ部104は、コード化された情報を光学的に読み取って、読み取った情報をRAM103に記憶させる。客用表示部106は、液晶パネルであり、客に種々の情報(例えば、買上商品に関する情報)を表示する。なお、客用表示部106は、タッチによる入力(例えば、確認の意思表示のための入力)を受け付けるタッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。ハードディスク107は、例えば、磁気記録装置であり、各種ファイル等を記憶する。ハードディスク107は、プログラムを記憶してもよい。また、ハードディスク107は、プログラムが実行されることによって生成される種々の情報(例えば取引情報等)を記憶してもよい。
キー操作部108は、店員からの種々の操作を受け付けるための各種の操作キー(置数キー、取消キー、風袋キー、追加キー、品番キー、実行キー等)を備える。なお、CPU101は、操作(操作キーの押下)に応じた処理を実行する。なお、キー操作部108は、店員用表示部105に表示される各種の操作キーと同様の各種の操作キーを備えていてもよい。
計量部109は、秤台109aに置かれた商品等(商品及び該商品を入れた風袋)の重量(重さ)を計量し、計量値を示したデータをCPU101に出力する。なお、計量部109から計量値を取得したCPU101は、計量値から所定の重量(風袋の重量)を減算して、秤台109aに置かれた商品の重量を算出する。また、CPU101は、上述の如く算出した商品の重量をRAM103に一時記憶するとともに、表示部(店員用表示部105、客用表示部106)に表示させる。
印字部110は、紙媒体に印字し、発行口110aから発行(出力)する。
ドロア113は、客から受け取った紙幣及び貨幣を収納する収納部を有し、店員の操作に応じて収納部が前面に引き出されるようになっている。なお、本実施形態においてドロア113と例示したが、客から預かった貨幣(紙幣及び硬貨)を入金する入金口と、客から預かった預り金と支払い代金とに差額(釣銭)がある場合に貨幣(紙幣及び硬貨)を出金する出金口を備えた自動釣銭釣札機(自動釣銭釣釣札装置)であってもよい。
免税指定キーは、当該取引を免税対象取引に指定(免税処理モードに設定)するための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。例えば、店員は、客から旅券の提示を受けた後、1商品目の商品登録操作前〜小計キーの操作の間において、免税指定キーを操作する。
領収書印刷キーは、領収書を印刷させるための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。免税対象取引(免税処理モード)において領収書印刷キーが操作された場合には、印刷制御部は、免税である旨を認識可能な領収書(図13)を印字部110に印刷させる。
梱包リスト印刷キーは、梱包リストを印刷させるための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。免税対象取引(免税処理モード)において梱包リスト印刷キーが操作された場合には、印刷制御部は、梱包リストを印字部110に印刷させる。
追加印刷キーは、梱包リストを追加印刷させるための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。免税対象取引(免税処理モード)において追加印刷キーが操作された場合には、印刷制御部は、商品の明細と頁数情報とを、追加梱包リストとして印字部110に印刷させる。頁数情報は、例えば、“1”から始まる頁番号と総頁数とを、“頁番号/総頁数”として含む。印字制御部は、頁数情報を、例えば、紙媒体の下端部付近または上端部付近に印字部110により印字させる。なお、例えば、商品名の左側に“□”マークを印刷するようにしてもよい。これにより、梱包の内容物のチェックを行う場合に、“□”マークに印を記入して用いる等の利用が可能である。
言語選択キーは、印字される言語を選択するための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。言語選択キーは、各言語のキー(例えば、日本語キー、英語キー、中国語キー、韓国語キー)を店員用表示部105に並べて表示させてもよいし、言語選択キーが押下(タップ)された場合に、各言語の選択キーを店員用表示部105の画面にポップアップ表示させてもよい。免税対象取引(免税処理モード)では、印刷制御部は、言語選択キーの操作によって選択された言語で印字部110に印刷させる。なお、店舗の控えは、常に日本語で印字部110に印刷させてもよい。
なお、印刷制御部は、外国語および日本語を併記して印字部110に印刷させてもよい。例えば、消耗品である場合に、印刷制御部は、外国語および日本語を併記して印字部110に印刷させてもよい。併記の方法は、例えば、2行にわたって併記してもよいし、日本語の後に外国語、または外国語の後に日本語を印刷してもよい。
また、免税指定受付部が、旅券の当該ICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取装置である場合、印刷制御部は、読み取られた国籍情報に応じた言語で印字部110に印刷させてもよい。
集計レポートキーは、例えば、日締め等、締めた後の集計レポートを印刷させるための操作キーであり、店員用表示部105に表示される。会計処理を締めた後、集計レポートキーが押下された場合、印刷制御部は、所定期間分(例えば、1日分)の商品の売上合計額、免税対象額、免税額等を含む集計レポートを、印字部110に印刷させる。
図4は、商品テーブル等の一例である。具体的には、具体的には、図4(A)は、商品テーブルの一例である。より詳細には、図4(A)は、商品が酒類である場合の商品テーブルを示している。図4(B)は、POSレジスタ3の商品登録処理によって生成される商品登録ファイルの一例である。より詳細には、図4(B)は、酒類が商品登録された場合の商品登録ファイルを示している。なお、図4は、清酒も芋焼酎も販売する販売場を例としているが、説明の便宜上である。
図4(A)に示すように、商品テーブル(商品マスタファイル)は、商品コード、酒類コード、品名、単価、アルコール度数、酒税率、比重などの情報を記憶する。なお、図4(A)の例では省略しているが、上述したように、商品テーブルには免税種別が記憶されているものとする。
酒類コードは、酒類を分類したコードである。単価は、単位数量(単位体積)当たり(1リットル当たり)の本体価格(税抜価格)である。アルコール度数は、当該商品(酒類)のアルコール度数である。なお、酒類コード「250」の焼酎は、アルコール度数に応じて酒税率が異なる。酒税率は、当該商品(酒類)の単位数量当たり(1リットル当たり)の税額である。比重は、当該商品(酒類)の比重である。なお、計量部109にて計量した重量(重さ)から酒税額の算出に必要となる体積を得るために比重が必要となる。なお、商品コードは、キー情報である。
例えば、図4(A)の商品テーブルの「a」は、商品コードが「1234」、酒類コードが「110」、品名が「AA正宗」、単価が「3472」、アルコール度数が「15」、酒税率が「120」、比重が「1.003」である商品(AA正宗)の商品データを示している。また、「b」は、商品コードが「2345」、酒類コードが「250」、品名が「BB芋焼酎」、単価が「800」、アルコール度数が「20」、酒税率が「200」、比重が「0.971」である商品(BB芋焼酎)の商品データを示している。
なお、商品テーブル(商品マスタファイル)は、上記の構成に限定されない。例えば、商品テーブルは、上記の情報に加えて、各言語の品名を記憶してもよい。例えば、商品テーブルに、品名1として日本語名を記憶し、品名2として英語名を記憶し、品名3として中国語名を記憶するなどしてもよい。また、消費税率(本実施形態では8%)を記憶してもよい。また、商品のカテゴリ(階層)に関する情報(大分類、中分類、小分類)を記憶してもよいし、内税/外税区分(内税か外税かの区分情報)、消費税率(本実施形態では8%)を記憶してもよい。また、商品デーブルは、最終更新日、割引に関する情報(割引率、割引額、割引期間)、原価に関する情報のうち少なくとも1つを記憶してもよい。
また、図4(A)の商品テーブルは商品が酒類である場合の商品テーブルを示していると説明したが、図4(A)の商品テーブルを酒類以外の商品に用いてもよい。図4(A)の商品テーブルを酒類以外の商品に用いる場合には、酒類に関係する項目(アルコール度数、酒税率等)の値は例えばNULLとしてもよい。なお、図4(A)の商品テーブルを酒類専用とし、酒類以外の商品については酒類に関係する項目を有しない商品テーブルを用いてもよい。
図4(B)に示すように、商品登録ファイルは、商品コード、酒類コード、品名、アルコール度数、販売数量、酒税率(図4(B)では酒税欄中の税率として図示)、酒税額(図4(B)では酒税欄中の金額として図示)、消費税率(図4(B)では消費税欄中の税率として図示)、消費税額(図4(B)では消費税欄中の金額として図示)、合計税額、本体価格(免税価格)、税込価格などの情報を記憶する。販売数量は、当該酒類を販売した数量(リットル)である。酒税額は、販売数量に酒税率を乗じて得られる酒税の金額である。消費税額は、本体価格と酒税額の合計金額に消費税率を乗じて得られる消費税の金額である。合計税額は、酒税額と消費税額とを合計した金額である。本体価格は、単価に販売数量を乗じて得られる本体価格(免税価格)である。税込価格は、本体価格と合計税額とを合計した価格である。
例えば、図4(B)の商品登録ファイルの「a」は、商品コードが「1234」、酒類コードが「110」、品名が「AA正宗」、アルコール度数が「15」、販売数量が「0.72」、酒税率が「120」、酒税額が「86」、消費税率が「8」、消費税額が「207」、合計税額が「293」、本体価格が「2500」、税込価格が「2793」である、商品登録データを示している。また、「b」は、商品コードが「2345」、酒類コードが「250」、品名が「BB芋焼酎」、アルコール度数が「20」、販売数量が「1.50」、酒税率が「200」、酒税額が「300」、消費税率が「8」、消費税額が「120」、合計税額が「420」、本体価格が「1200」、税込価格が「1620」である、商品登録データを示している。なお、商品登録データには、通常モードに対応する商品登録データと、免税処理モードに対応する商品登録データとがある。
なお、「AA正宗」の本体価格「2500」は、単価「3472」×販売数量「0.72」により算出される。「AA正宗」の酒税額「86」は、酒税率「120」×販売数量「0.72」により算出される。「AA正宗」の消費税額「207」は、(本体価格「2500」+酒税額「86」)×消費税「0.08」により算出される。「AA正宗」の合計税額「293」は、酒税額「86」+消費税額「207」により算出される。「AA正宗」の税込価格「2793」は、本体価格「2500」+合計税額「293」により算出される。「BB芋焼酎」の本体価格「1200」は、単価「800」×販売数量「1.50」により算出される。「BB芋焼酎」の酒税額「300」は、酒税率「200」×販売数量「1.50」により算出される。「BB芋焼酎」の消費税額「120」は、(本体価格「1200」+酒税額「300」)×消費税「0.08」により算出される。「BB芋焼酎」の合計税額「420」は、酒税額「300」+消費税額「120」により算出される。「BB芋焼酎」の税込価格「1620」は、本体価格「1200」+合計税額「420」により算出される。
なお、商品登録ファイルは、上記の構成に限定されない。例えば、商品登録ファイルは、上記の情報に加えて、単価、比重、選択言語、商品のカテゴリに関する情報、免税種類、内税/外税区分のうちの少なくとも1つを記憶してもよい。また、商品登録ファイルは、処理日時、処理を行ったPOSレジスタ3を識別する情報(装置番号)、処理を行った店員を識別する情報のうち少なくとも1つを記憶してもよい。また、商品登録ファイルは、酒類コード、品名、アルコール度数、酒税率、消費税率のうちの少なくとも1つを記憶していなくてもよい。
また、図4(B)の商品登録ファイルは商品が酒類である場合の商品登録ファイルを示していると説明したが、図4(B)の商品登録ファイルを酒類以外の商品に用いてもよい。図4(B)の商品登録ファイルを酒類以外の商品に用いる場合には、酒類に関係する項目(アルコール度数、酒税率、酒税額等)の値は例えばNULLとしてもよい。なお、図4(B)の商品登録ファイルを酒類専用とし、酒類以外の商品については酒類に関係する項目を有しない商品登録ファイルを用いてもよい。
図5は、POSレジスタ3の店員用表示部105に表示される画面(商品登録画面)の一例である。図5は、客が、図4(A)の「a」に示した「AA正宗」を720ミリリットル購入する場合の商品登録画面における表示例を示している。
免税指定キー(免税キー)51が押下されることにより、税込価格「2793(円)」に含まれている内税額である合計税金「293(円)」が免税欄に表示され、内税額を控除した本体価格(免税価格)「2500(円)」が請求金額欄(不足欄)に表示される。
なお、商品登録画面には、言語選択キー(英語キー52、中国語キー53、韓国語キー54)が表示される。英語キー52が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は英語表記となる。同様に、中国語キー53が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は中国語表記となる。同様に、韓国語キー54が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は韓国語表記となる。
また、商品登録画面には、明細書を再発行するための再発行キー55が表示される。免税取引後に、再発行キー55が押下されると、例えば、お客様控え用明細書、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、および貼付リスト用明細書が選択可能な選択画面が表示される。この選択画面において、所望の明細書が選択されることにより、POSレジスタ3は、印字部110によって選択された明細書を印刷させて再発行する。なお、再発行される明細書には、当該明細書が再発行されたものであることが分かる表記(例えば“再発行”)があってもよい。
図6は、印字部110が印刷する購入記録票の貼付用明細書の一例である。図6(a)は内税の場合の例であり、図6(b)は外税の場合の例である。図6(a)や図6(b)に示すように、購入記録票の貼付用明細書には、例えば“購入記録票(添付用)”というタイトルが印刷される。なお、図6〜図13では、図5(A)の「a」に示したAA正宗(720ミリリットル)を販売する例である。
図6(a)に示した内税の場合の購入記録票の貼付用明細書には、品名が「AA正宗」、税込価格が「2793(円)」、買上点数が「1」、小計が「2793(円)」、小計「2993(円)」内の酒税額が「86(円)」、酒税率が「120(円/リットル)」、小計「2993(円)」内の消費税額が「207(円)」、消費税率が「8(%)」、合計(税込価格)が「2793(円)」、免税(合計税額)が「293(円)」、免税「293(円)」内の酒税額が「86(円)」、免税「293(円)」内の消費税額が「207(円)」、現計(預り金)が「2500(円)」、お釣りが「0(円)」であることが印刷されている。
なお、内税の場合の購入記録票の貼付用明細書には、単価(図6の例では「3472(円)」)、販売数量(図6の例では「720(ミリリットル)」)、本体価格(図6の例では「2500(円)」)なども印刷してもよい。図6〜図13の内税の場合の媒体においても同様である。
図6(b)に示した外税の場合の購入記録票の貼付用明細書には、品名が「AA正宗」、本体価格が「2500(円)」、買上点数が「1」、小計が「2500(円)」、課税対象が「2500(円)」、合計税金が「293(円)」、合計税金「293(円)」内の酒税額が「86(円)」、酒税率が「120(円/リットル)」、合計税金「293(円)」内の消費税額が「207(円)」、消費税率が「8(%)」、合計(税込価格)が「2793(円)」、免税(合計税額)が「293(円)」、免税「293(円)」内の酒税額が「86(円)」、免税「293(円)」内の消費税額が「207(円)」、現計(預り金)が「2500(円)」、お釣りが「0(円)」であることが印刷されている。
なお、外税の場合の購入記録票の貼付用明細書には、単価(図6の例では「3472(円)」)、販売数量(図6の例では「720(ミリリットル)」)なども印刷してもよい。図6〜図13の外税の場合の媒体においても同様である。
図6(a)や図6(b)の購入記録票の貼付用明細書において、買上点数「1」は720ミリリットルのAA正宗が「1」であるという意味であるが、買上点数が「1」であるときは、買上点数の印刷を省略してもよい。図7〜図13の媒体においても同様である。
図7は、印字部110が印刷する購入者誓約書の貼付用明細書の一例である。図7(a)は内税の場合の例であり、図7(b)は外税の場合の例である。図7(a)や図7(b)に示すように、購入者誓約書の貼付用明細書には、例えば“購入者誓約書(添付用)”というタイトルが印刷される点、サインのための署名欄が印刷されている点を除いて、図6に示した購入記録票の貼付用明細書と印字内容は同様である。
図8は、印字部110が印刷するお客様控え用明細書(レシート)の一例である。図8(a)は内税の場合の例であり、図8(b)は外税の場合の例である。図8(a)や図8(b)に示すように、お客様控え用明細書には、例えば“お客様控”というタイトルが印刷される点を除いて、図6に示した購入記録票の貼付用明細書と印字内容は同様である。
図9は、印字部110が印刷する英語の購入記録票の貼付用明細書の一例である。図9(a)は内税の場合の例であり、図9(b)は外税の場合の例である。図9(a)、図9(b)に示すように、英語の購入記録票の貼付用明細書には、例えば“Record of Purchase Card”(購入記録票)というタイトルが印刷される。
図9(a)、図9(b)に示すように、英語の購入記録票の貼付用明細書には、図6(a)、図6(b)に示した購入記録票の貼付用明細書の内容(項目名等)が、英語表記で印刷される。例えば、図9(a)、図9(b)に示す例では、「小計」を「Subtotal」、「内税」を「Tax included」、「買上点数」を「Number of Item」、「合計」を「Total」、「免税」を「Tax−Exempt」、「内酒税額」を「Liquor Tax included」、「内消費税額」を「Consumption Tax included」、「現計」を「Amount Paid」、「お釣り」を「Change」、「課税対象」を「Taxable」、「合計税額」を「Total Tax」と表記している。
図10は、印字部110が印刷する英語の購入者誓約書の貼付用明細書の一例である。図10(a)は内税の場合の例であり、図10(b)は外税の場合の例である。図10(a)や図10(b)に示すように、英語の購入者誓約書の貼付用明細書には、例えば“Covenant of Purchaser”(購入者誓約書)というタイトルが印刷される。
図10(a)、図10(b)に示すように、英語の購入者誓約書の貼付用明細書には、図7(a)、図7(b)に示した購入者誓約書の貼付用明細書の内容(項目名等)が、英語表記で印刷される。なお、図10(a)、図10(b)に示した例は、署名欄(Signature)があるが、省略してもよい。
図11は、印字部110が印刷する英語のお客様控え用明細書の一例である。図11(a)は内税の場合の例であり、図11(b)は外税の場合の例である。図11(a)や図11(b)に示すように、英語のお客様控え用明細書には、例えば“Customer's Copy”(お客様控)というタイトルが印刷される。
図11(a)、図11(b)に示すように、英語のお客様控え用明細書には、図8(a)、図8(b)に示したお客様控え用明細書の内容(項目名等)が、英語表記で印刷される。
図12は、印字部110が印刷する梱包リスト用明細書の一例である。図12(a)は内税の場合の例であり、図12(b)は外税の場合の例である。図12(a)や図12(b)に示すように、梱包リスト用明細書には、例えば“梱包リスト”というタイトルが印刷される点、商品名に対応付けてチェック欄(図12の例では、□マークの筆記具によるチェック欄)が印刷されている点、商品名が日本語表記と英語表記で併記されている点を除いて、図6に示した購入記録票の貼付用明細書と印字内容は同様である。なお、梱包リストには、内容物の品名および品名ごとの数量が記載されていればよいため、図12(a)や図12(b)において梱包リスト用明細書の小計以下の欄を省略してもよい。
図13は、印字部110が印刷する領収書の一例である。図13の領収書には、現計の金額が2500円、消費税額および酒税が0円であること(共に免税されていること)が印刷されている。
本実施形態においては、上述したように、免税対象取引において、小計操作後(小計キー操作後)の小計金額が下限免税対象額に満たない場合には、小計金額が下限免税対象額に満たないことを報知するように構成される。具体的には、POSレジスタ3の店員用表示部105に、小計金額が下限免税対象額に満たないことを報知するエラー画面(免税対象額不足通知画面)を表示する。
図14は、POSレジスタ3の店員用表示部105に表示される画面(商品登録画面、免税対象額不足通知画面)の一例である。図14において、符号GM1は、免税対象額不足通知画面である。POSレジスタ3は、小計操作後の小計金額が下限免税対象額に満たなかった場合、例えば、図14に示すように、他の画面に重畳させて、免税対象額不足通知画面GM1を表示する。免税対象額不足通知画面GM1には、小計金額が下限免税対象額未満であることを店員に通知するメッセージ(同図では「免税額に達していません」なるメッセージ)が表示され、また、各種ボタン(商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2、免税有効ボタンBT3)が表示(配置)されている。商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2及び免税有効ボタンBT3は、小計金額が下限免税対象額未満であった場合に、会計方法を選択するためのボタンである。
なお、POSレジスタ3は、小計操作時の小計金額が下限免税対象額未満であるときは、商品登録画面に重畳させて免税対象額不足通知画面GM1を表示してもよいし、小計操作に重畳させて免税対象額不足通知画面GM1を表示してもよい。つまり、免税対象額不足通知画面GM1を表示するときには、小計金額に関係なく小計操作が行われたことに基づいて商品登録画面から小計画面に切り替えて当該小計画面に重畳させて免税対象額不足通知画面GM1を表示してもよいし、小計操作時の小計金額が下限免税対象額未満であるため商品登録画面から小計画面に画面を切り替えることなく小計操作の直前の商品登録画面に重畳させて免税対象額不足通知画面GM1を表示してもよい。
小計金額が下限免税対象額未満であった場合の会計方法としては、3つの選択肢がある。1つ目の選択肢は、買上商品を追加するなどして小計金額を下限免税対象額以上とし、免税による取引を成立させる会計方法(商品追加の会計方法とも称する)である。店員は、免税対象額不足通知画面GM1の商品追加ボタンBT1を操作することにより、当該1つ目の選択肢(商品追加の会計方法)を選択する。
POSレジスタ3は、商品追加ボタンBT1が操作されたことに基づいて、免税対象額不足通知画面GM1を消去し、商品の追加を許容する状態に移行する(税に関するモードは免税処理モードのままである)。つまり、POSレジスタ3は、小計操作があった場合には商品の追加を許容しない状態に移行するが、小計操作後に商品追加ボタンBT1が操作された場合には、小計操作を取り消し、小計操作前の状態(商品の追加を許容する状態)に移行する。これにより、客は、小計金額を下限免税対象額以上とすべく買上商品を追加することができる。なお、POSレジスタ3が小計操作前と同様に小計操作後においても商品の追加を許容する構成である場合には、商品追加ボタンBT1が操作されたことに基づいて、単に免税対象額不足通知画面GM1を消去すればよい。
2つ目の選択肢は、免税による取引を断念する会計方法(免税無効の会計方法とも称する)である。店員は、免税対象額不足通知画面GM1の免税無効ボタンBT2を操作することにより、当該2つ目の選択肢(免税無効の会計方法)を選択する。
POSレジスタ3は、免税無効ボタンBT2が操作されたことに基づいて、免税対象額不足通知画面GM1を消去し、通常モードから免税処理モードに移行し、会計処理を実行する。つまり、POSレジスタ3は、小計操作後に免税無効ボタンBT2が操作された場合には、免税対象としての指定を解除し(免税指定キーの操作を無効化し)、免税指定キー操作前の状態(通常モード)に移行し、会計処理を実行する。これにより、免税を適用することなく直ちに取引を進行させることができる。
3つ目の選択肢は、今回の取引の小計金額を下限免税対象額以上とすることなく、前回の取引の存在に基づいて、今回の取引について免税による取引を成立させる会計方法(免税有効の会計方法とも称する)である。店員は、免税対象額不足通知画面GM1の免税有効ボタンBT3を操作することにより、当該3つ目の選択肢(免税有効の会計方法)を選択する。
つまり、例えば、今回の取引を行った客が、当日(同一日)において、当該店舗(輸出物品販売場等)において、既に下限免税対象額以上の取引を行って免税を受けている場合がある。当該場合、当該客の今回の取引における小計金額が下限免税対象額未満であっても、当日における買上金額としては、既に下限免税対象額以上となっている。従って、例えば客が、当日において既に下限免税対象額以上の取引を行ったことを証明するレシート(お客様控)や領収書などを店員に提示すれば、今回の取引について、小計金額が下限免税対象額未満であっても免税対象となる。
POSレジスタ3は、免税有効ボタンBT3が操作されたことに基づいて、免税対象額不足通知画面GM1を消去し、免税処理モードのまま、会計処理を実行する。免税を適用して直ちに取引を進行させることができる。
上記のように、免税処理モードにおける一の取引の小計金額が下限免税対象額未満であった場合には、免税対象額不足通知画面が表示される。また、免税対象額不足通知画面のボタンを操作して、適宜、会計方法を選択でき、何れかのボタンを操作しなければ、免税対象額不足通知画面が消去されないため(処理が進行しないため)、店員は、小計金額が下限免税対象額未満であることを確実に認識し、簡便に、好適な会計処理を行うことができる。例えば、適用すべきでないのに免税を適用した不適切な会計処理が行われてしまうのを防止したり、前回の取引の存在を考慮して今回の取引について適切に免税を適用した会計処理を行ったりすることができる。
なお、免税対象額不足通知画面GM1に不足金額を表示してもよい。また、免税対象額不足通知画面GM1に、追加した購入した場合に小計金額が下限免税対象額以上となる、免税対象のお奨め商品の商品名を表示してもよい。例えば、追加した購入した場合に小計金額が下限免税対象額以上となる免税対象の商品の商品名を本体価格の低い順に数点表示してもよい。また、免税対象額不足通知画面GM1にお奨め商品ボタンを配置し、お奨め商品ボタンが操作された場合に免税対象額不足通知画面GM1とは別の画面にお奨め商品の商品名を表示してもよい。また、免税対象額不足通知画面GM1や別の画面にお奨め商品の商品名を表示することに代えて又は加えて、商品追加ボタンBT1の操作があったときにはお奨め商品の商品名を媒体に印刷して発行してもよい。なお、お奨め商品は、販売実績(人気等)や当該客の購入商品(関連、類似等)を考慮するとよい。
図15は、POSレジスタ3の動作の一例を示すフローチャートである。図15のフローチャートの各処理は、CPU101によって制御される。なお、本実施形態においては、免税指定キーの操作(免税宣言操作)は、1商品目の商品登録操作前〜小計キーの操作の間において操作可能であるものとする。従って、図15のフローチャートは、1商品目の商品登録操作、又は、免税指定キーの操作により開始する。また、図15の説明において、買上商品は、計量部109で計量して販売する酒類(例えば、図4(A)に示したAA正宗や、BB芋焼酎等)であるものとする。
ステップS101:商品(酒類)を計量したか否かを判定する。店員が、秤台109aに商品を置くと該商品の重量(風袋の重量を減算)の計量値を示したデータがCPU101に出力されるため、CPU101は、計量値を示したデータを取得したか否かを判定すればよい。商品を計量していない場合にはステップS101の処理を繰り返し、商品を計量した場合にはステップS102に進む。
ステップS102:商品の選択を受けたか否かを判定する。例えば、店員が、店員用表示部105に表示された商品毎のプリセットボタン等を操作すると操作したプリセットボタンに対応する商品の商品コードがCPU101に出力されるため、CPU101は、商品コードを取得したか否かを判定すればよい。商品の選択を受け付けていない場合にはステップS102の処理を繰り返し、商品の選択を受け付けた場合にはステップS103に進む。
なお、商品(酒類)の種類毎に風袋(瓶等の容器)が用意されているなど商品毎に風袋が異なるような場合には、各商品を容れる風袋に各商品の商品コードをコード化したコード情報(バーコード、二次元コード等)を印刷したラベルを付しておき、店員が、スキャナ部104を用いて、風袋に付されたラベル上のコード情報を読み取ることにより、商品コードがCPU101に出力されるようにしてもよい。
ステップS103:商品登録処理を行う。つまり、CPU101は、ステップS101の処理において確認された該商品の計量値と、ステップS101の処理において確認された該商品の商品コードと、商品テーブルとに基づいて商品を登録する。
より詳細には、ステップS103の処理として、CPU101は、上記商品コードの商品の比重と上記計量値とから上記商品コードの商品の体積を算出し、算出した上記商品コードの商品の体積と上記商品コードの商品の単価とから上記商品コードの商品の本体価格を算出し、更に必要な税金額等を算出し、上記商品コードの商品を登録する(商品登録データを生成し、記憶する)。
具体例を挙げて説明する。例えば、商品コードが「1234(商品はAA正宗)」であり、計量値が「722.16(グラム)」であった場合、CPU101は、商品コード「1234」の商品「AA正宗」の比重「1.003(グラム/ミリリットル)と、計量値「722.16(グラム)」とから、商品「AA正宗」の体積「720(ミリリットル)」を算出する。続いて、CPU101は、商品「AA正宗」の単価「3472(円/リットル)」と、上記の如く算出した商品「AA正宗」の体積「720(ミリリットル)」とから、商品「AA正宗」の本体価格「2500(円)」を算出する。続いて、CPU101は、商品「AA正宗」の酒税率「120(円/リットル)」と、上記の如く算出した商品「AA正宗」の体積(販売数量)「720(ミリリットル)」とから、商品「AA正宗」の酒税額「86(円)」を算出する。続いて、CPU101は、上記の如く算出した商品「AA正宗」の本体価格「2500(円)」と酒税額「86(円)」と消費税率「8(%)」とから、消費税額「207(円)」と合計税額「293(円)」と税込価格「2793(円)」とを算出し、図4(B)の「a」に示すような商品登録データを生成し、RAM103に記憶する。ステップS103に続いてステップS104に進む。
また、ステップS103の処理では、CPU101は、該商品について、通常モードに対応する商品登録データと、免税処理モードに対応する商品登録データとを生成し、夫々をRAM102に記憶(保持)する。
なお、ステップS103の処理に関し、免税処理モードにおいて商品登録処理が行われた場合には、商品登録画面には、免税を適用した情報(本体価格等)が示される。一方、通常モードにおいて商品登録処理が行われた場合には、商品登録画面には規定の税率が適用された情報(税込価格等)が示される。
ステップS104:免税宣言操作があったか否かを判定する。免税宣言操作があった場合にはステップS105に進む。免税宣言操作がなかった場合にはステップS106に進む。
ステップS105:免税処理モードに設定する。既に免税処理モードに設定されている場合には当該ステップS105の処理を省略してもよい。ステップS105に続いてステップS106に進む。
ステップS106:小計操作があったか否かについて判定する。小計操作があった場合にはステップS107に進む。小計操作がなかった場合にはステップS101に戻る。
ステップS107:免税処理モードに設定されているか否かを判定する。免税処理モードに設定されている場合にはステップS111に進む。免税処理モードに設定されていない場合にはステップS119に進む。
ステップS111:免税処理モードに対応する小計金額を算出する。つまり、CPU101は、ステップS103の処理においてRAM102に記憶された、通常モードに対応する商品登録データと免税処理モードに対応する商品登録データとのうち、免税処理モードに対応する商品登録データを用いて小計金額を算出する。免税処理モードに対応する商品登録データを用いて算出される小計金額は、規定の税率が適用されていない小計金額(免税が適用された小計金額)である。ステップS111に続いてステップS112に進む。
ステップS112:ステップS111の処理により算出された小計金額が下限免税対象額以上であるか否かについて判定する。下限免税対象額未満である場合にはステップS113に進む。下限免税対象額以上である場合にはステップS122に進む。
ステップS113:免税対象額不足通知画面を表示する。例えば、図14に示したような免税対象額不足通知画面GM1を表示する。上述したように、小計金額が下限免税対象額未満であった場合の会計方法としては、3つの選択肢(商品追加の会計方法、免税無効の会計方法、免税有効の会計方法)があるため、店員は、客に確認するなどして一の会計方法を選択する。例えば、店員は、免税対象額不足通知画面GM1に配置された商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2及び免税有効ボタンBT3のうちから、何れかのボタンを選択する。ステップS113に続いてステップS114に進む。
ステップS114:選択された会計方法を判定する。つまり、CPU101は、ステップS113において選択された会計方法が、3つ(商品追加の会計方法、免税無効の会計方法、免税有効の会計方法)のうちの何れであるかを判定する。選択された会計方法が商品追加の会計方法であった場合(商品追加ボタンBT1が操作された場合)にはステップS101に戻る。選択された会計方法が免税無効の会計方法であった場合(免税無効ボタンBT2が操作された場合)にはステップS115に進む。選択された免税有効の会計方法の会計方法であった場合(免税有効ボタンBT3が操作された場合)にはステップS122に進む。
ステップS115:ステップS105の処理において設定した免税処理モードを解除する。つまり、CPU101は、通常モードに設定する。ステップS115に続いてステップS119に進む。
ステップS119:通常モードに対応する小計金額を算出する。つまり、CPU101は、ステップS103の処理においてRAM102に記憶された、通常モードに対応する商品登録データと免税処理モードに対応する商品登録データとのうち、通常モードに対応する商品登録データを用いて小計金額を算出する。通常モードに対応する商品登録データを用いて算出される小計金額は、規定の税率が適用された小計金額である。ステップS119に続いてステップS120に進む。
ステップS120:通常モードに対応する小計画面を表示する。つまり、CPU101は、ステップS119において算出した通常モードに対応する小計金額を示した小計画面を表示する。
ステップS121:通常モードに対応した会計処理を実行する。つまり、CPU101は、通常モードに対応する小計金額や客からの預り金額に基づいて釣り銭を算出するなどの処理を実行する。また、ステップS121の処理では、CPU101は、規定の税率が適用された小計金額に対応する会計結果が示されたレシート(お客様控え用明細書)を発行する。そして、本フローチャートは終了する。なお、ステップS121の処理では、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書及び梱包リスト用明細書などの免税に関する媒体は発行しない。
ステップS122:免税処理モードに対応する小計画面を表示する。つまり、CPU101は、ステップS111において算出した通常モードに対応する小計金額を示した小計画面を表示する。
ステップS123:免税処理モードに対応した会計処理を実行する。つまり、CPU101は、免税処理モードに対応する小計金額や客からの預り金額に基づいて釣り銭を算出するなどの処理を実行する。また、ステップS123の処理では、CPU101は、免税が適用された小計金額に対応する会計結果が示されたレシート(お客様控え用明細書)、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書及び梱包リスト用明細書などを発行する。そして、本フローチャートは終了する。
以上、図15を用いてPOSレジスタ3の動作の一例を説明したが、POSレジスタ3の動作は、図15に示すフローチャートの動作に限定されない。例えば、図15のフローチャートでは、ステップS101にて商品を計量し、ステップS102にて商品を特定しているが、商品を特定した後に商品を計量してもよい。つまり、計量して販売する商品(酒類の他、酒類以外の飲料、惣菜、産物、調味料等)の場合、商品毎の単価が予め設定されているため、商品を特定することと商品を計量することとで商品の価格が決定するが、商品の特定と商品を計量の順番はどちらが先であってもよい。
また、計量不要の場合、つまり計量して販売する商品ではない場合には、ステップS101の処理は省略する。
また、図15のフローチャートでは省略したが、商品登録が開始されてから小計キーが操作されるまでの間において、免税処理モードを解除する操作(例えば、非図示の免税指定解除キーの操作等)に応じて、免税処理モードを解除するようにしてもよい。つまり、POSレジスタ3は、通常モードから免税処理モードにモードを変更する免税指定キーと、免税処理モードから通常モードにモードを変更する免税指定解除キーとを有し(店員用表示部105に表示されるものであってもよいし、キー操作部108として配置されるものであってもよい)、商品登録が開始されてから小計キーが操作されるまでの間において、免税指定キーや免税指定解除キーの操作に基づいて、モードを変更してもよい。あるいは、他のモードに切り替えるモード切替キー(非図示)を用意し、モード切替キーが操作される度に、通常モードから免税処理モード(又は免税処理モードから通常モード)にモードを変更してもよい。
また、小計キーの機能を有する免税指定キーと、小計キーの機能を有する免税非指定キーを用意し、従来の小計キーの操作のタイミングにて、何れかを操作するようにしてもよい。つまり、1以上の商品登録後に小計キーの機能を有する免税指定キーが操作された場合には免税処理モードによる小計金額が表示され、1以上の商品登録後に小計キーの機能を有する免税非指定キーが操作された場合には通常モードにより小計金額が表示されるようにしてもよい。
図16は、POSシステム1が印刷する酒税の申告用の明細書の一例である。例えば、一のPOSレジスタ3において、集計レポートキーの操作があった場合に、ストアコントローラ4に蓄積されている、商品ファイル(図4(A))や商品登録ファイル(図4(B))を参照し、図16に示すような、酒税の申告用の明細書を生成し、印字部110から発行する。なお、ストアコントローラ4において操作を行って、何れかのPOSレジスタ3から上記明細書を発行してもよいし、ストアコントローラ4の周辺に配置したプリンタ(非図示)から上記明細書を発行してもよい。なお、図16に示した明細書も、図6〜図13に示したものと同様、酒税に関する免税書類の1つであるということもできる。
以上、本実施形態のPOSシステム1について説明したが、データの構成、処理の流れ、表示及び出力の態様などは、適宜、変更及び修正が可能である。
例えば、上記説明では、一取引における商品登録データとして、通常モードに対応する商品登録データと免税処理モードに対応する商品登録データとがあると説明したが、通常モードに対応する商品登録データと免税処理モードに対応する商品登録データとはデータ構成が同一であってもよい。例えば、2つの商品登録ファイルを用意し、一方の商品登録ファイルには通常モードに対応する商品登録データを格納し、他方の商品登録ファイルには免税処理モードに対応する商品登録データを格納することにより、データ構成が同一であっても、格納している商品登録ファイルによって両者を区別できるようにしてもよい。例えば、図15のステップS103では、通常モードに対応する商品登録データと免税処理モードに対応する商品登録データとを生成、記憶しているため、通常モードにより会計処理が行われた場合には(ステップS121)、免税処理モードに対応する商品登録データを消去し、免税処理モードにより会計処理が行われた場合には(ステップS123)、通常モードに対応する商品登録データを消去するようにしてもよい。
また、2つの商品登録ファイルを用意するのではなく、商品登録データとして、モード区分(通常モードであるか免税処理モードであるかを示した情報)を格納するようにし、モード区分によって通常モードであるか免税処理モードであるかを区別できるようにしてもよい。例えば、図15のステップS103では、通常モード及び免税処理モードの両モード兼用の商品登録データを1つ生成(ステップS103の時点ではモード区分は不定)、記憶する。そして、通常モードにより会計処理が行われた場合には(ステップS121)、モード区分の情報として通常モードにより会計処理が行われた旨を示す値(例えば、「0」)を記憶し、免税処理モードにより会計処理が行われた場合には(ステップS123)、モード区分の情報として免税処理モードにより会計処理が行われた旨を示す値(例えば、「1」)を記憶するようにしてもよい。
なお、客が所定の条件(非居住者)である場合、酒税額を免除する例を説明したが、免除ではなく軽減(減免)してもよい。具体的には、例えば、酒税率を下げてもよいし、規定により算出した酒税額から所定金額を減額してもよいし、酒税額の基礎となる数量の一部を控除してもよい(実際の購入数量より少ない量を酒税の課税対象としてもよい)。
また、POSレジスタ3は計量部109を備えるが、計量部109に相当する機器を別体として備えてもよい。また、酒税額を算出する部分迄が別体であってもよい。つまり、別体である計量装置が酒税額を算出してもよい。
また、上記説明では、酒類の重量(重さ)を計測(測定)しているが、これに限定されない。つまり、売買される酒類の量を計測(測定)する方法は、秤によるものに限定されない。例えば、酒類の流量を計測(測定)してもよい。つまり、POSレジスタ3は、計量部109に代えて、各種の流量部(例えば、容積流量計、渦流量計、コリオリ流量計、電磁流量計、差圧流量計、タービン流量計、熱式質量流量計、超音波流量計等)を備えていてもよい。また、流量部(流量計)は別体であってもよい。
また、印字部110は、ラベルを発行可能であってもよい。印字部110とは別に、ラベルを発行可能な印字装置(ラベルプリンタ)をPOSレジスタ3に接続してもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態のPOSレジスタ3は、商品登録処理と会計処理(精算処理)とを実行するが、商品登録処理を実行する装置と会計処理を実行する装置とが別体であってもよい。以下、第2の実施形態として、商品登録処理(以下、単に登録処理とも称する場合がある)を実行する登録装置20(非図示)と精算処理を実行する精算装置30とを含むPOSシステム2について説明する。
登録装置20の登録処理後は、精算装置30において精算処理を行う必要がある。しかしながら、POSシステム2が複数の精算装置30を備える場合、実際に精算処理を実行する一の精算装置30が特定(指定)される必要がある。精算装置30が指定される方法としては幾つかの方法があるが、例えば、店員が登録装置20にて指定するか、客に手渡しされるお会計券を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を客が1つの精算装置30に読み取らせることにより、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定すればよい。
登録装置20において酒税額の免税を宣言した場合(免税指定キーの操作が行われた場合)、当該宣言をした旨の情報は、精算装置30の側において認識されるようにする。例えば、店員が登録装置20にて精算装置30を指定する場合には、商品(酒類)の登録情報等とともに上記宣言をした旨の情報も精算装置30に向けて送信(精算装置30に直接送信、ストアコントコーラを介して精算装置30に送信)してもよい。また、お会計券を用いる場合には、上記宣言をした旨の情報を含む情報をコード化して印刷したお会計券を客に手渡してもよい。
精算装置30は、登録装置20の側にて酒税額の免税を宣言した旨を認識した場合(酒税額の免税を宣言した旨の情報を取得した場合)には、精算装置30が備える表示部において、通常態様とは異なる表示態様で酒税額について表示してもよい。具体的には、酒税額を免税する場合には、酒税額とともに当該酒税額が免税された旨を表示してもよいし、「酒税額0円」と表示してもよい。なお、登録装置20において選択した言語によって、精算装置30の表示部への表示が行われるようにしてもよい。例えば、登録装置20における言語選択キーによる選択結果についても、免税を宣言した旨の情報と同様、精算装置30の側において認識されるようにすることにより、精算装置30の表示部への表示が、言語選択キーによって選択された言語(外国語)で行われるようにしてもよい。
<変形例>
以下、第2の実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
なお、上記実施形態において、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様(第1の指定態様)と、客に手渡しされるお会計券を登録装置20から発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、客が1つの精算装置30に読み取らせる態様(第2の指定態様)とを挙げている。しかながら、精算装置30を指定する態様としては、上記の態様に限定されない。例えば、以下の第3の指定態様から第7の指定態様のように精算装置30が指定されてもよい。
第3の指定態様として、商品登録の完了に応じて店員用表示部205に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置20が、例えば精算装置30に状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置30を認識し、使用中でない精算装置30のうちから所定の規則に従って、1つの精算装置30を決定する。そして、登録装置20は、決定した精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
第4の指定態様として、予め精算装置30について精算処理の優先順位を設定しておくようにする。そのうえで、商品登録の完了に応じて、店員用表示部205(非図示)に精算装置30への精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置20は、設定された優先順位に従った順で精算装置30の精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置30について確認するようにする。そのうえで、登録装置20は、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置30に精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
なお、上記の第3の指定態様における所定規則に従った精算装置30、あるいは第4の指定態様における精算装置30の優先順位としては、例えば、精算装置30に割り当てられた番号に基づいて決定されてよい。あるいは、登録装置20から精算装置30までの距離に基づいて決定されてよい。あるいは、合計金額に基づいて予測される釣銭の金種の内訳と精算装置30の釣銭機に収納されている貨幣の金種ごとの枚数との関係に基づいて決定されてよい。
第5の指定態様として、登録装置20は、全ての精算装置30に精算情報を送信する。精算情報を受信した精算装置30は、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置20に送信する。
登録装置20は、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先の精算装置30を示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行する精算装置30がいずれであるのかを客に伝えればよい。
この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信した精算装置30のサインポール311を所定のパターンで点灯させたり、精算装置30から所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
上記の第3〜第5の指定態様による精算装置30の指定によれば、精算処理を実行させるべき精算装置30をいずれとするのかを判断しなくともよい。
第6の指定態様として、登録装置20にて商品登録を終えた商品が容れられた買い物カゴを、店員が、精算装置30ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。
カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサ(重量センサ、あるいは光センサ等)が備えられる。センサによりカゴ置き場買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応の精算装置30が要求を行って、登録装置20から対応の精算情報を取得し、精算処理を実行するようにされる。
この場合にも、精算処理を実行することとなった精算装置30が、サインポール311(非図示)の点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
なお、載置された買い物カゴを検出するセンサに代えて、例えば店員に対応して人感センサや撮像装置を設けてよい。そして、登録装置20は、人感センサの検出出力や撮像装置により撮像して得られた画像等に基づいて、店員の動きを判断し、判断された結果に基づいて、店員が精算装置30ごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれに買い物カゴを設置したのかを判定する。そして、判定されたカゴ置き場に対応する精算装置30を精算処理を実行すべき精算装置30として決定するようにしてよい。
第7の指定態様として、登録装置20は、精算情報と、複数の精算装置30間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、或る1つの精算装置30に送信する。
転送順情報は、精算装置30間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行可能であれば、精算指示情報の送信元の登録装置20に対して、精算処理実行通知を送信し、受信された精算指示情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行する。
一方、精算指示情報を受信した精算装置30は、自己が精算処理を実行不可である場合、受信された精算指示情報に含まれる転送順情報に従って、転送順が次の精算装置30に対して、受信された精算指示情報を転送する。このようにして、精算装置30間で精算指示情報が順次転送されるようにすることによっても、精算処理を実行させるべき精算装置30の指定に相当する手順が実現される。
上記の各指定態様において、精算処理を実行させる精算装置30の決定に関する処理は、例えば管理装置10などのように、登録装置20及び精算装置30以外の所定の装置が、登録装置20による商品登録処理の終了に応じて実行するようにされてよい。登録装置20及び精算装置30以外の所定の装置としては、例えば精算装置30の状態をモニタリングするために設けられた装置等であってもよい。
なお、以上に説明したPOSシステム1、POSレジスタ3、ストアコントローラ4、POSシステム2、登録装置20、精算装置30を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。