以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
[オープンショーケースの構成]
図1は、実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の一種であるオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。図1に示されるように、オープンショーケース100は、本体10と、室外ユニット30と、外気温度検出部11を備える。
本体10は、収容空間13に飲料または食品等を貯蔵陳列する複数個の陳列棚19を備える。本体10は、冷却熱交換器21と、庫内送風部22と、庫内温度検出部12とを備える。
冷却熱交換器21と室外ユニット30とが、ガス配管41(a)と液配管41(b)とで接続されることによって、冷媒回路が構成される。冷媒回路の内部に充填された冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが実現される。
図1のオープンショーケース100は、ショーケース本体10と室外ユニット30とが一体となったいわゆる内蔵型のものであるが、分離された別置型のものとしてもよい。図2は、別置型のオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。図2では、室外ユニット30がショーケース本体10内と分離されているが、他の構成要素は図1と同様である。別置形のオープンショーケース100では、1つの室外ユニット30に対して、複数個のショーケース本体10が接続されることもある。
図1および図2で示したオープンショーケース100は、複数個の陳列棚19を備える多段型のものであるが、一段のみである平型のものとしてもよい。図3は、内蔵型の平型のオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。図3では、陳列棚19が一段のみであり、吹出口14と吸込口15の開口部が左右で向き合っているが、他の構成要素は図1と同様である。
なお、実施の形態1及び他のすべての実施の形態では、オープンショーケース100が内蔵型の多段であるものとして説明する。
室外ユニット30は、圧縮機31と、室外熱交換器32と、膨張弁34と、室外送風部33とを備える。
圧縮機31と、室外熱交換器32と、膨張弁34とが順に接続されている。つまり、圧縮機31、室外熱交換器32、膨張弁34、及び冷却熱交換器21が配管で接続されることによって冷媒回路が構成される。冷媒回路は、冷却部に相当する。
室外送風部33は、室外熱交換器32に室外空気を送る。室外送風部33、および膨張弁34は電力を供給する電源装置(図示省略)によって駆動される。
圧縮機31は、可変容量式、または固定容量式の圧縮機である。可変容量式である場合、インバータの出力周波数に応じて圧縮機31の電動機の回転速度を切り換えて、その運転容量を変更することができる。固定容量式である場合、圧縮機31の電動機の回転速度は一定であるが、圧縮機31の始動と停止とを制御することによって、冷媒回路の冷却量を変更することができる。圧縮機31の吐出側は、室外熱交換器32に接続されている。
室外熱交換器32は、熱源側の熱交換器であり、放熱器に相当する。室外熱交換器32では、室外送風部33が送風する室外空気と、室外熱交換器32内を流れる冷媒とが熱交換する。
膨張弁34は、室外熱交換器32から流出した冷媒を減圧膨張するためのものであり、絞り装置に相当する。
ショーケース本体10に収容された冷却熱交換器21では、冷媒流入側は、液配管41(b)を介して膨張弁34と接続されており、冷媒流出側は、ガス配管41(a)を介して圧縮機31と接続されている。
冷却熱交換器21は、利用側の熱交換器であり、蒸発器に相当する。冷却熱交換器21では、庫内送風部22が送風するショーケース本体10内の空気(庫内空気)と、冷却熱交換器21内を流れる冷媒とが熱交換する。
庫内送風部22は、庫内ファンによって構成される。庫内送風部22は、循環通路16内の空気を送風する。庫内送風部22は、ファン(羽根)を回転させるモータの回転速度を調節可能ないわゆるインバータ式のものである。庫内送風部22のモータの回転速度を制御することにより、循環通路16内の送風量を制御することができる。庫内送風部22は、電力を供給する電源装置(図示省略)によって駆動される。
ショーケース本体10は、全体として箱状に構成されており、その一面には開放面18が形成されている。本実施の形態では、開放面18は、ショーケース本体10の前面側に設けられている。ショーケース本体10の内部には冷却対象となる食品等を収納可能な収容空間13が形成されている。収容空間13には、食品等を陳列するための複数の陳列棚19が、上下方向に配列されて取り付けられている。また、ショーケース本体10の開放面18の上側周縁に沿って開口する吹出口14が形成され、開放面18の下側周縁に沿って開口する吸込口15が形成されている。
吹出口14は、収容空間13に臨むようにして、下側に向かって開口している。吸込口15は、収容空間13に臨むようにして、上側に向かって開口している。つまり、吹出口14と吸込口15は、開放面18の内側において、互いに向かい合うように形成されている。
ショーケース本体10には、吹出口14から吸込口15に至る循環通路16が設けられている。循環通路16は、収容空間13とは区画された通路である。実施の形態1では、循環通路16は、収容空間13を囲む下側壁面、後側壁面、及び上側壁面に沿うようにして設けられていて、その縦断面が「コ」字状となっている。循環通路16には、冷却熱交換器21と庫内送風部22が設けられている。
収容空間13において、庫内温度検出部12が設けられ、ショーケース本体10の近傍において、外気温度検出部11が設けられている。
外気温度検出部11は、ショーケース本体10の外部の周囲の外気温度Toを検出する。
庫内温度検出部12は、ショーケース本体10の内部の庫内温度Ttを検出する。実施の形態1では、庫内温度検出部12は、収容空間13の空気温度を庫内温度Ttとして検出する。
外気温度検出部11および庫内温度検出部12は、例えばサーミスタである。
制御部50は、外気温度検出部11、庫内温度検出部12からの出力に基づいて、圧縮機31の運転状態、膨張弁34の開度、室外送風部33の送風量、及び庫内送風部22の送風量を制御する。制御部50による具体的な制御については後述する。制御部50は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンまたはCPU(Central Processing Unit)のような演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとにより構成することもできる。制御部50は、オープンショーケース100に保持してもよいし、クラウド上などで保持してもよい。
[動作概要]
このように構成されたオープンショーケース100の冷却運転動作について説明する。オープンショーケース100は、収容空間13内に収容された被冷却物の冷蔵運転または冷凍運転を行う。冷蔵運転と冷凍運転とを合わせて冷却運転と称する。
冷却運転時には、制御部50により、圧縮機31、室外送風部33、及び庫内送風部22が運転状態となるとともに、膨張弁34の開度が適宜調整される。制御部50は、庫内温度検出部12で検出された庫内温度Ttが、図示しない温度設定部により設定された目標温度となるように、各部を制御する。目標温度は、通常は、使用者が決める。
ここで、庫内温度検出部12を複数個設置し、それぞれの値の平均値を庫内温度Ttとしてもよいし、複数の庫内温度検出部12の最大値もしくは最小値をそれぞれ庫内温度Ttとしてもよい。
また、庫内温度検出部12の設置位置は、エアカーテン17より収容空間13側であればどこでもよい。
冷却運転時において、圧縮機31から吐出された冷媒は、室外熱交換器32を流れる。室外熱交換器32において、室外送風部33により送風される外気によって冷媒が冷却され、凝縮する。室外熱交換器32で凝縮した冷媒は、膨張弁34を通過する際に減圧膨張され、その後、冷却熱交換器21へ流入する。冷却熱交換器21が設置された循環通路16では、庫内送風部22が運転状態であり、空気が送風されている。このため、冷却熱交換器21では、冷媒が、循環通路16を流れる空気から吸熱して蒸発する。その結果、循環通路16を流れる空気が冷却される。
循環通路16で冷却された空気は、吹出口14から収容空間13内へ吹き出される。吹出口14から吹き出された空気は、庫内送風部22の駆動により生じる吸引力により、吸込口15へ吸引される。つまり、吹出口14から吹き出されて吸込口15に吸引され、開放面18を覆う気流であるエアカーテン17が形成される。エアカーテン17が形成されると、吹出空気の冷気が、収容空間13内の空気へ付与され、収容空間13内に陳列された生鮮食品等が冷やされる。オープンショーケース100の開放面18を覆う気流であるエアカーテン17が、ショーケース本体10の外側の空気が開放面18を通じて収容空間13内へ流入するのを抑制する。
吸込口15に吸い込まれた空気は、庫内送風部22の駆動により循環通路16を流れ、再び冷却熱交換器21で冷却される。
圧縮機31が固定容量式の圧縮機である場合、制御部50は、圧縮機31の始動と停止を切換制御する。圧縮機31が可変容量式の圧縮機である場合、制御部50は、出力周波数を制御して圧縮機31の電動機の回転速度を切り換える。制御部50は、膨張弁34の開度を調節する。このように圧縮機31および膨張弁34を制御することで、オープンショーケース100の冷媒回路を流れる冷媒循環量を調整し、冷却熱交換器21の冷却能力を制御する。
上述した冷却運転においては、エアカーテン17を形成して収容空間13内の冷却を行うわけだが、外部気流の影響によりエアカーテン17の形成が阻害されてしまう場合がある。外部気流とは、ショーケース本体10の外側から開放面18に向かう気流をいう。外部気流の一例として、例えばオープンショーケース100の設置場所であるスーパーストアまたはコンビニエンスストア等の空調を行う空調機から、ショーケース本体10の開放面18に向かって吹き出される空気流が挙げられる。外部気流が生じると、外部気流によってエアカーテン17が崩れてしまうことがある。
外部気流が生じていない場合であっても、エアカーテン17の風速が過大であると、エアカーテン17を形成する空気が開放面18の外部の空気を過剰に巻き込んでしまうことがある。
外部気流または外部空気の巻き込みが発生すると、開放面18を通じてショーケース本体10の外部の空気が収容空間13内へ侵入してしまう。そうすると、オープンショーケース100の冷却負荷が増大し、省エネ性が損なわれてしまう。
そこで、本実施の形態に係るオープンショーケース100は、上述したような外部気流の影響または外部空気の巻き込みによる冷却負荷の変化を考慮して、庫内送風部22の送風量を制御する。
[庫内送風部の制御]
制御部50は、検出された庫内温度Ttと、庫内温度の目標温度Tsとの差に応じて庫内送風部22の送風量を制御する。
制御部50は、庫内温度Ttが予め定められた目標温度Tsよりも高く、かつ庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超える場合に、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2(<F1)まで低下させる。制御部50は、庫内送風部22の送風量を第2の送風量まで低下させてから一定時間(Tα+Tβ)経過後に、庫内温度Ttが目標温度Tsよりも高くかつ庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1以下の場合に、庫内送風部22の送風量を増加させる。制御部50は、庫内送風部22の送風量を第2の送風量まで低下させてから一定時間(Tα+Tβ)経過後に、庫内温度Ttが目標温度Tsよりも低い場合に、庫内送風部22の送風量を減少させる。
制御部50は、外気温度Toが上昇し、かつ庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超える場合に、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2まで低下させる。制御部50は、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2まで低下させてから一定時間(Tα+Tβ)経過後に、外気温度Toが上昇し、かつ庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1以下の場合に、庫内送風部22の送風量を増加させる。制御部50は、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2まで低下させてから一定時間(Tα+Tβ)経過後に、外気温度Toが低下した場合に、庫内送風部22の送風量を減少させる。
第2の送風量F2は、エアカーテン17による外部空気の巻き込みが発生している場合には、これを解消可能な程度の送風量であり、予め定めておくことができる。もしくは、第2の送風量F2は、庫内送風部22のモータの最小回転数に対応する送風量としてもよい。
制御部50は、第1の送風量F1を外気温度Toごとに設定することとしてもよい。さらに、一般に外気温度Toが高くなるごとに、外気を巻き込む影響が増えるため、第1の送風量F1を外気温度Toが高くなるごとに小さな値に設定することとしてもよい。
図4は、実施の形態1に係る庫内送風部22の制御動作の手順を表わすフローチャートである。図5は、外気温度Toが一定時における、庫内送風部22の送風量に対する冷却負荷P、冷却能力Q、及び庫内温度Ttの関係を示す概略図である。図6は、外気温度Toの変化時における、庫内送風部22の送風量に対する冷却負荷P、冷却能力Q、及び庫内温度Ttの関係、および庫内送風部22の送風量の最適点の変化を示す概略図である。外気温度Toが一定のときには、冷房負荷が一定となり、外気温度Toが変化するときには、冷房負荷が変化する。
図4のフローチャートの処理は、一定時間Tαごとに行われる。以下、図5、図6を参照しつつ、図4に沿って庫内送風部22の送風量の制御について説明する。
ステップS101において、外気温度検出部11が、オープンショーケース100の外気温度Toを検出する。
ステップS102において、制御部50は、検出した外気温度Toと、以前検出された外気温度To_old(以下、前回外気温度To_old)との温度差ΔTo(=To−To_old)を算出する。制御部50は、検出した外気温度Toで前回外気温度To_oldを更新する。
ステップS103において、温度差ΔToの絶対値が規定値β以下の場合に(S103:YES)、処理がステップS109に進む。規定値βは、許容誤差量であって、外気温度Toが変化していないとみなすことができる値が設定されている。
ステップS109において、庫内温度検出部12が、収容空間13の庫内温度Ttを検出する。
ステップS110において、制御部50は、検出された庫内温度Ttと予め定められた目標温度Tsとの温度差ΔTt(=Tt−Ts)を算出する。
ステップS111において、温度差ΔTtの絶対値が規定値α以下の場合に(S111:YES)、庫内送風部22の送風量を変化させることなく、処理がリターンする。規定値αは、許容誤差量であって、TtとTsがほぼ等しいとみなすことができる値が設定されるので、TtとTsがほぼ等しい場合には、庫内送風部22の送風量を変化させることなく、処理がリターンする。
TtとTsがほぼ等しい場合には、庫内送風部22の送風量を変化させない理由について説明する。図5のグラフ上段において、冷却負荷Pと冷却能力Qとが同等の場合に、図5のグラフ下段において、庫内温度Ttを目標温度Tsに維持することができる。庫内温度Ttが目標温度Tsにほぼ等しい場合には、冷却負荷Pと冷却能力Pがほぼ同等であると判断できるので、庫内送風部22の現在の送風量を維持する。
ステップS111において、温度差ΔTtの絶対値が規定値αを超える場合に(S111:NO)、処理がステップS112に進む。
ステップS112において、温度差ΔTtが(−α)よりも小さい場合に(S112:YES)、処理がステップS113に進む。すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsよりも許容誤差αを超えて低い場合には、開放面18にエアカーテン17が十分に形成されている。この場合、図5のグラフ上段において、冷却負荷Pよりも冷却能力Qの方が高い状態であるといえる(図5のTt2、P2、Q2)。
ステップS113において、制御部50が、庫内送風部22のモータの回転数を一定量だけ減少させることによって、送風量をΔFだけ減少させる。その後、処理がリターンする。図5のグラフ下段において、庫内送風部22の送風量が減少する。このようにすることで、エアカーテン17を維持したまま、同時に冷却能力を低減させる。エアカーテン17を維持するので、適正な庫内温度に保つことができる。庫内送風部22のモータの回転速度を減少させると、庫内送風部22のモータと圧縮機31の動力を軽減できるので、オープンショーケース100の省エネ化が図れる。
ステップS112において、温度差ΔTtがαを超える場合に(S112:NO)、処理がステップS114に進む。すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsよりも許容誤差αを超えて高い場合には、処理がステップS114に進む。
目標温度Tsに対して庫内温度Ttの方が高い状態にあるときというのは、エアカーテン17が崩れているために冷却負荷Pが冷却能力Qより大きくなっている場合(図5のTt1、P1、Q1)、外部空気の巻き込み量が多いために冷却負荷Pが冷却能力Qより大きくなって庫内温度が発散している場合とがある(図5の網掛け部分、Tt3、P3、Q3)。
ステップS114において、庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超えていない場合(S114:No)、つまり、図5のグラフ上段において、庫内送風量が小さく、かつ冷却能力Qよりも冷却負荷Pの方が高い状態の場合に(図5のTt1、P1、Q1)、処理がステップ116に進む。
ステップS116において、制御部50が、庫内送風部22のモータの回転数を一定量だけ増大させることにより、送風量をΔFだけ増加させる。その後、処理がリターンする。図5のグラフ下段において、庫内送風部22の送風量が増加する。このようにすると、吸込口15の吸込空気の風速及び吹出口14の吹出空気の風速が大きくなるので、開放面18においてより強固なエアカーテン17が形成され、これにより外部気流の影響を低減でき、冷却負荷を減少させることができる。また、庫内送風部22のモータの回転数を増大させることにより冷却熱交換器21における風速が増大するため、冷却熱交換器21における冷却能力を向上させることができる。すなわち、庫内送風部22の送風量を増大させることで、エアカーテン17の強化による冷却負荷の低減と、冷却熱交換器21における風速増大による冷却能力の増大を同時に実現できる。
ステップS114において、庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超えている場合(S114:YES)、処理がステップ115に進む。つまり、図5のグラフ上段において、庫内送風量が大きく、冷却能力Qよりも冷却負荷Pの方が高い状態の場合に(図5のTt3、P3、Q3)、冷却負荷Pに対してエアカーテン17の風速が過大の状態で、外部空気の巻き込みが増加する。エアカーテン17の風速が過大の状態で更に庫内送風部22のモータの回転数を増大させると、更に外部空気を巻き込むこととなり、庫内温度Ttはより上昇してしまう。最終的には、庫内送風部22のモータは最大回転数となり、庫内温度Ttは目標温度Tsよりも高い温度で安定することとなる。
この状態を回避するために、ステップS115において、制御部50は、庫内送風部22のモータの回転数を規定値に減少させることにより、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2(<F1)に低下させる。制御部50は、一定時間Tβだけ庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2に維持する。図5のグラフ下段において、庫内送風量が減少する。エアカーテン17の風速が過大であるために外部空気を巻き込んでいる状態を解消することができ、エアカーテン17の風速を適切な状態に制御することができる。
図4のフローチャートがリターンした後、一定時間Tα経過後、再度ステップS101から処理が繰り返される(再制御)。
ステップS103において、温度差ΔToの絶対値が規定値βを超える場合に(S103:NO)、処理がステップS104に進む。
ステップS104において、温度差ΔTtが(−β)よりも小さい場合に(S104:YES)、処理がステップS105に進む。
この場合は、今回取得した外気温度Toが前回外気温度To_oldよりも許容誤差βを超えて低い場合である。このときには、開放面18にエアカーテン17が十分に形成されていて、図6に示すように冷却負荷Pよりも冷却能力Qの方が高い状態である(図6のA点)。
ステップS105において、制御部50が、庫内送風部22のモータの回転数を一定量だけ減少させることにより、送風量ΔFだけ減少させる。このようにすることによって、エアカーテン17を維持したまま、同時に冷却能力を低減させ、適正な庫内温度に保つことができる(図6のC点)。庫内送風部22の送風量をΔFだけ減少させると、庫内送風部22のモータと圧縮機31の動力を軽減できるので、オープンショーケース100の省エネ化が図れる。この後、処理がリターンする。
一方、ステップS104において、温度差ΔTtがβよりも大きい場合に(S104:NO)、処理がステップS106に進む。
ステップS106において、庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超えていない場合(S106:NO)、処理がステップ108に進む。この場合は、図6に示すように冷却能力Qよりも冷却負荷Pの方が高い状態(図6のB点)である。
ステップS108において、制御部50が、庫内送風部22のモータの回転数を一定量だけ増大させることにより、送風量をΔFだけ増大させる。その後、処理がリターンする。このようにすると、吸込口15の吸込空気の風速及び吹出口14の吹出空気の風速が大きくなるので、開放面18においてより強固なエアカーテン17が形成され、これにより外部気流の影響を低減でき、冷却負荷を減少させることができる。また、庫内送風部22のモータの回転数を増大させることにより冷却熱交換器21における風速が増大するため、冷却熱交換器21における冷却能力を向上させることができる。すなわち、庫内送風部22の送風量を増大させることで、エアカーテン17の強化による冷却負荷の低減と、冷却熱交換器21における風速増大による冷却能力の増大を同時に実現している(図6のD点)。
ステップS106において、庫内送風部22の送風量が第1の送風量F1を超えている場合(S106:YES)、処理がステップ107に進む。この場合は、図6に示すように冷却能力Qよりも冷却負荷Pの方が高い状態(図6のB′点)である、このときには、エアカーテン17の風速が過大であるために外部空気を巻き込み量が多いために庫内温度が発散している場合と判断できる。
ステップS107において、制御部50は、庫内送風部22のモータの回転数を規定値に減少させることにより、庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2(<F1)に低下させる(図6のD点)。制御部50は、一定時間Tβだけ庫内送風部22の送風量を第2の送風量F2に維持する。この後、処理がリターンする。これによって、エアカーテン17の風速が過大であるために外部空気を巻き込んでいる状態を解消することができ、エアカーテン17の風速を適切な状態に制御することができる。
図4のフローチャートがリターンした後、一定時間Tα経過後、再度ステップS101から処理が繰り返される(再制御)。
なお、庫内送風部22の制御は、庫内温度Ttの出力信号に対応するように庫内送風部22のモータの回転速度を変更するものであってもよい。たとえば庫内温度Ttと庫内送風部22の送風量との関係が定めたデータベースを用いて、庫内温度Ttに対応させて庫内送風部22の回転速度を段階的に変更するものであってもよい。
第1の送風量F1は、冷却能力によっても変化する。冷却能力は、冷却熱交換器21へ付着する霜の量が増えてきた場合に減少する。例えば、冷凍用途のオープンショーケースでは、庫内温度をマイナス20℃くらいにするために、冷却熱交換器21内を流れる冷媒をマイナス20℃以下の温度にしなければならない。そのため、空気が冷却されたときに霜が冷却熱交換器21に付着していくことになる。
図11は、冷却能力が低下した場合での、庫内送風部22の送風量の最適動作点の変化を示す概略図である。
図11のE点に示すように、冷却能力Qが低下することによって、通風抵抗が増加して冷却能力が下がる。そこで、制御部50は、循環通路16または冷却熱交換器21の着霜量の予測値が最大(予測最大値)のときに庫内送風部22が出力可能な送風量の上限値を第1の送風量F1として設定してもよい。
庫内空気温度の相対湿度100%の時に着霜速度が最大になるので、その時の霜の密度の成長モデルから着霜量の予測最大値を計算することができる。着霜量の予測最大値から通風抵抗増加分を求めて、PQカーブ、つまり通風抵抗Pに対する送風量Qの曲線から庫内送風部22が出力可能な送風量の上限値を求めることができる。設置される環境条件内で最も着霜が多くなる条件(乾球温度、相対湿度が高い)において実験をし、そのときの着霜量を予測最大値としてもよい。
以上のように、図4のフローチャートを用いて、冷却負荷一定の場合と、冷却負荷が変化した場合での庫内送風部22の制御を説明した。実施の形態1によれば、庫内送風部22を共通化した様々な容量のオープンショーケースをシリーズ展開することが可能となる。庫内送風部22を共通化して容量の異なるオープンショーケースを構成すると、小容量のオープンショーケースでは収容空間13に対して庫内送風部22の送風量が大きすぎるためにエアカーテン17の風速が過大となることも考えられる。しかし、上述のように庫内送風部22の送風量を再制御し、または庫内送風部22の送風量に上限値を設けることでエアカーテン17の風速を適正に保ちやすい。従って、収容空間13の冷却と省エネ性を実現しつつ、庫内送風部22を標準化した様々な容量のオープンショーケースをシリーズ展開することができる。
なお、圧縮機31の制御方式を固定するものではないが、実施の形態1に係る庫内送風部22の制御動作は、冷却熱交換器21における蒸発温度に基づいて起動、停止が制御される固定容量式の圧縮機、または、冷却熱交換器21における蒸発温度に基づいて容量制御される可変容量式の圧縮機を用いる場合に効果的である。
図4のフローチャートの処理は、庫内送風部22の送風量を一定値として、圧縮機31の回転数を制御することによって、庫内温度Ttが目標温度Tsと一致した後に、実行されるものとしてもよい。
実施の形態2.
実施の形態2のオープンショーケース100の構成は、実施の形態1のオープンショーケース100の構成と同じである。実施の形態2の庫内送風部22の制御動作が、実施の形態1の庫内送風部22の制御動作と相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態1では、冷凍サイクル装置の冷却能力が変化しない場合の送風量の制御を説明したが、本実施の形態では、着霜などによって冷却能力が減少する場合を考慮した送風量の制御を説明する。
制御部50は、検出された庫内温度Ttと、庫内温度の目標温度Tsとの差に応じて庫内送風部22の送風量を制御する。
制御部50は、庫内温度Ttが目標温度Tsに一致したときの外気温度Toと庫内送風部22の送風量との関係をデータテーブルに登録する。制御部50は、外気温度Toと庫内送風部22の送風量の関係を定めたデータテーブルを参照して、検出された外気温度Toに対応する庫内送風部22の送風量を設定する。制御部50は、データテーブルを参照して庫内送風部22の送風量を設定した後に検出された庫内温度Ttが目標温度Tsよりも高い場合には、庫内温度Ttが目標温度Tsに到達するまで、庫内送風部22の送風量を増加させる。制御部50は、庫内送風部22の送風量を増加させた後、庫内温度Ttが目標温度Tsに一致したときの外気温度と庫内送風部22の送風量との関係をデータテーブルに再設定する。制御部50は、庫内送風部22の送風量を上限値まで増加させても、庫内温度Ttが目標温度Tsに到達しない場合に、デフロスト運転する。制御部50は、図示しない冷却熱交換器21の近辺に設けられたデフロストヒータを通電することによって発熱させ、冷却熱交換器21に付着する霜を融解除去することによって、デフロスト運転を実行する。制御部50は、デフロスト運転しても、庫内温度Ttが目標温度Tsに到達しない場合に、アラームを出力する。
図7および図8は、実施の形態2に係る庫内送風部22の制御動作の手順を表わすフローチャートである。図7および図8を参照して、庫内送風部22の送風量の制御について説明する。
ステップS20において、制御部50は、Countを0に設定する。CountはステップS39での判定条件に用いられる。
ステップS21において、外気温度検出部11は、オープンショーケース100の周囲温度である外気温度Toを検出する。
ステップS22において、制御部50は、検出した外気温度Toと以前検出された外気温度To_old(以下、前回外気温度To_old)との温度差ΔTo(=To−To_old)を算出する。制御部50は、前回外気温度To_oldを今回のステップS21で検出した外気温度Toで置き換える。
ステップS23において、温度差ΔToが有意に変化する範囲内β(例えば5℃)にあるかどうか判断する。前回外気温度To_oldの値がない場合(つまり、最初の場合)は、処理がステップS24に進む。
外気温度Toが前回外気温度To_oldに対して同等、すなわち、外気温度Toが前回外気温度To_oldにほぼ等しい場合には(S23:Yes)、庫内送風部22の送風量を変化させることなく、処理がリターンする。
一方、外気温度Toが前回外気温度To_oldに対して同等ではなく有意に変化している場合(S23:No)、処理がステップS24へ進む。
ステップS24において、制御部50は、データテーブルに検出した外気温度Toに対応する庫内送風部22の送風量のデータが登録されているか否かを判断する。データテーブルは、制御部50に保持されている。もしくは、制御部50は、ネットワークにつながれた他のサーバなどに保持されているデータテーブルを取得し、更新するものとしてもよい。データテーブルに登録される外気温度Toは、庫内温度Ttが有意に変化する範囲毎(β、例えば5℃)とすることとしてもよい。
データテーブルに検出された外気温度Toに対応する庫内送風部22の送風量のデータが登録されていない場合(S24:No)、処理がステップS25に進む。
ステップS25において、制御部50は、庫内送風部22の送風量を最小にする。
ステップS26において、庫内温度検出部12が、収容空間13の庫内温度Ttを検出する。
ステップS27において、制御部50は、検出した庫内温度Ttと予め定められた目標温度Tsとの温度差ΔTt(=Tt−Ts)を算出する。
ステップS28において、制御部50は、温度差ΔTtが誤差αの範囲内にあるかどうか判断する。目標温度Tsは、予め設定された温度であってもよいし、使用者が任意に設定した温度であってもよい。
温度差ΔTtが誤差αの範囲内にある場合、すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsにほぼ等しい場合には(S28:Yes)、処理がステップS29に進む。
ステップS29において、制御部50は、データテーブルに、外気温度Toと庫内送風部22の現在の送風量のペアを書き込む。その後、処理がリターンする。
一方、温度差ΔTtが誤差αの範囲外にある場合、すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsから離れている場合には(S28:No)、処理がステップS30へ進む。
ステップS30において、制御部50は、庫内送風部22の送風量を一定量ΔFだけ増加させる。その後、処理がステップS26に戻る。
ステップS26〜ステップS30において、ステップS21で検出した外気温度Toに対して庫内送風部22の送風量を定めたデータテーブルが初期作成される。
図9は、実施の形態2のデータテーブルの例を表わす図である。
例えば、ステップS21で検出した外気温度Toが2γであり、ステップ28のYES時の送風量(初期送風量)がf2の場合に、データテーブルには、外気温度2γに対応して送風量f2が書き込まれる。
ステップS24において、データテーブルに検出した外気温度Toに対応する庫内送風部22の送風量のデータが登録されている場合(S24:Yes)、処理がステップS31に進む。
ステップS31において、制御部50は、データテーブルを参照して、検出した外気温度Toに対応する送風量F(To)を特定し、送風量F(T0)となるように庫内送風部22を制御する。
ステップS32において、庫内温度検出部12は、収容空間13の庫内温度Ttを検出する。
ステップS33において、制御部50は、検出した庫内温度Ttと予め定められた目標温度Tsとの温度差ΔTt(=Tt−Ts)を算出する。
ステップS34において、ステップS28と同様に、制御部50は、温度差ΔTtが誤差αの範囲内にあるかどうか判断する。
温度差ΔTtが誤差αの範囲内にある場合、すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsにほぼ等しい場合には(S34:Yes)、処理がステップS35に進む。
ステップS35において、制御部50は、庫内送風部22の現在の送風量が、ステップS31で設定した送風量F(T0)と異なるかどうかを判断する。
庫内送風部22の現在の送風量が、送風量F(T0)と同一の場合には(S35:NO)、処理がリターンする。庫内送風部22の現在の送風量が、送風量F(T0)と異なる場合には(S35:YES)、処理がステップS36に進む。
ステップS36において、制御部50は、データテーブルを更新する。すなわち、制御部50は、データテーブルの外気温度Toに対する送風量をF(T0)から庫内送風部22の現在の送風量に変更する。その後、処理がリターンする。
図10は、実施の形態1における送風量が更新されたデータテーブルの例を表わす図である。
例えば、ステップS21で検出された外気温度Toが2γであり、更新後の送風量がf2′の場合に、データテーブルの外気温度2γに対応する送風量がf2からf2′に変更される。
ここで、ステップS36で送風量の値を更新する理由を説明する。
図11は、冷却能力が減少したときの制御および設定点を表わす図である。
オープンショーケース100は長時間運転していると冷却能力が低下し、庫内温度Ttが目標温度Tsから離れてしまうことが起こる。例えば、冷却熱交換器21へ霜が付着していき、通風抵抗が増加して冷却能力が下がり、庫内温度Ttが目標温度Tsから離れてしまう(図11のF点)。従って、庫内温度Ttが目標温度Tsになるように庫内送風部22の送風量を増加させる(後述のステップS38)。そのため、庫内送風部22の送風量がステップS31で設定した送風量F(T0)と異なる送風量になることがあるので、ステップS36においてデータテーブルの送風量が更新される。
一方、温度差ΔTtが誤差αの範囲外にある場合、すなわち、庫内温度Ttが目標温度Tsから離れている場合には(S34:No)、処理がステップS37へ進む。
ステップS37において、制御部50は、庫内送風部22の送風量が第3の送風量F3以上であるか否かを確認する。第3の送風量F3は、たとえば、庫内送風部22の最大送風量または最大送風量に近い値とすることができる。
ステップS37において、庫内送風部22の送風量が第3の送風量F3未満の場合には(S37:No)、処理がステップS38に進む。
ステップS38において、制御部50は、庫内送風部22の送風量を一定量ΔFだけ増加させる。その後、処理がステップS32に戻る。
ステップS37において、庫内送風部22の送風量が第3の送風量F3以上の場合には(S37:YES)、処理がステップS39に進む。
ステップS39において、制御部50は、Countが1より小さいかどうかを判断する。
ステップS39において、Countが1より小さい場合(S39:Yes)、処理がステップS40に進む。
ステップS40において、制御部50は、デフロスト運転する。庫内送風部22の送風量をステップS21で検出した外気温度Toに対応する初期送風量F(T0)に戻す。その後、処理がステップS42に進む。
ステップS42において、制御部50は、Countをインクリンメトする。その後、処理がステップS32に戻る。
ここで、デフロスト運転をする理由を説明する。
図12は、冷却能力の低下が大きすぎる場合の、庫内温度Ttと目標温度Tsとの関係を表わす図である。
庫内送風部22の送風量が上限値で、かつ庫内温度Ttが目標温度Tsから離れていると判断される場合は、図12のように冷却能力が低下しすぎて目標温度Tsになる送風量がない場合である。このような場合は、冷却熱交換器21への霜の付着量が多くなりすぎて冷却能力の低下が大きくなりすぎてしまった場合と考えられる。従って、デフロスト運転を行うことで冷却能力を着霜前の状態に戻す。
ステップS39において、Countが1以上の場合(S39:No)、処理がステップS41に進む。Countが1以上になる場合は、ステップS40でデフロスト運転を行ったにもかかわらず、庫内温度Ttが目標温度Tsから離れている場合である。
ステップS41において、制御部50は、冷却能力の低下が冷却熱交換器21への着霜によるものでなく、劣化によるものと判断し、アラームを出力する。
ここで、劣化は、例えば室外熱交換器32のフィルター(図示省略)の目詰まりが考えられる。室外熱交換器32に周囲空間のゴミが付着すると室外熱交換器32の通風抵抗の増加、伝熱性能の減少を引き起こし、結果としてオープンショーケース100の冷却能力の減少を引き起こす。従って、冷却能力の減少を防ぐために、室外送風部33で送風する室外空気が通る場所に一般的にフィルターが設けられている。フィルターがゴミを付着することで、室外熱交換器32の性能を保っている。しかし、フィルターにゴミが付着していくことで、フィルターの通風抵抗が徐々に増加し、結果として室外熱交換器32の能力が低下することを引き起こしてしまう。そのような場合のためにステップS41でアラームを出し、フィルターの清掃を促す。
図7および図8のフローチャートの処理は、一定時間Tαごとに行われる。処理がリターンしても、データテーブルに登録されたデータは消去されない。さらに、データテーブルは不揮発性のメモリに記憶されることによって、オープンショーケース100の電源がオフしても、データテーブルに登録されたデータは、消去されないようにすることもできる。
以上のように、図7および図8のフローチャートを用いて、冷却負荷に応じた庫内送風部22の制御を説明した。また、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に庫内送風部22を共通化した様々な容量のオープンショーケースをシリーズ展開することが可能となる。また、冷却熱交換器21への着霜、または室外熱交換器のフィルターのゴミ付着による通風抵抗の増加等で、オープンショーケース100の冷却能力が低下した場合にデフロスト運転またはメンテナンスアラームによって、適切な冷却能力を保つオープンショーケース100を提供できる。
なお、本実施の形態では、データテーブルは、外気温度と庫内送風部22の送風量との関係を定めるものとしたが、これに限定されるものではない。
図13は、実施の形態2の変形例のデータテーブルの例を表わす図である。
図13に示すように、データテーブルは、外気温度および目標温度と、庫内送風部22の送風量との関係を定めるものとしてもよい。この場合、図7のステップS24、ステップS29、図8のステップS31、ステップS36などにおいて、制御部50は、外気温度に加えて目標温度に応じた処理を実行する。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3に係るオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。実施の形態3のオープンショーケース100が、実施の形態1および2のオープンショーケース100と相違する点は、庫内温度検出部12の位置である。図14に示すように、実施の形態3では、庫内温度検出部12が吹出口14の位置に設置される。以下では、実施の形態1および2との相違点を中心に説明する。
実施の形態1および2では、庫内温度検出部12で取得した収容空間13の温度である庫内温度Ttを目標温度Tsに近づけるように庫内送風部22を制御した。
実施の形態3では、庫内温度検出部12の位置が吹出口14の位置にある。したがって、庫内温度検出部12は、吹出口14の温度を庫内温度Ttとして検出する。収容空間13の温度よりも、吹出口14で検出される温度の方が低い。これは、収容空間13は、周囲空間にさらされており、エアカーテン17で完全には外気を妨げることはできないため、外気の流入によって、収容空間13は、吹出口14より温度が高くなるからである。
制御部50は、予め定められた収容空間13の温度と吹出口14との差ΔT1(>0)に基づいて、目標温度Tsを補正した上で、実施の形態1および2の制御フローチャートに基づいて、庫内送風部22を制御する。例えば、制御部50は、目標温度TsをTs−ΔT1と補正することができる。温度差ΔT1は、予め実験等で収容空間13の温度と吹出口14の温度とを検出することによって求めることができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係るオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。実施の形態4のオープンショーケース100が、実施の形態1および2のオープンショーケース100と相違する点は、庫内温度検出部12の位置である。図15に示すように、実施の形態4では、庫内温度検出部12が吸込口15の位置に設置される。以下では、実施の形態1および2との相違点を中心に説明する。
実施の形態1および2では、庫内温度検出部12で取得した収容空間13の温度である庫内温度Ttを目標温度Tsに近づけるように庫内送風部22を制御した。
一方、実施の形態4では、庫内温度検出部12の位置が吸込口15の位置にある。したがって、庫内温度検出部12は、吸込口15の温度を庫内温度Ttとして検出する。収容空間13で検出される温度よりも、吸込口15で検出される温度の方が高い。これは、吹出口14から出た冷風が収容空間13を経由して吸込口15に到達するため、吸込口15の温度は周囲空間の影響を受けて収容空間13よりも高くなるからである。
制御部50は、予め定められた吸込口15の温度と収容空間13の温度との差ΔT2(>0)に基づいて、目標温度Tsを補正した上で、実施の形態1および2の制御フローチャートに基づいて、庫内送風部22を制御する。例えば、制御部50は、目標温度TsをTs+ΔT2と補正することができる。温度差ΔT2は、予め実験等で収容空間13の温度と吸込口15の温度とを検出することによって求めることができる。
以上のような目標温度Tsの補正によって、実施の形態1および2と同様の効果が得られるオープンショーケース100を提供することができる。
実施の形態5.
図16は、実施の形態5に係るオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。実施の形態5のオープンショーケース100が、実施の形態1および2のオープンショーケース100と相違する点は、庫内温度検出部12の位置である。図16に示すように、実施の形態5では、庫内温度検出部12が循環通路16内に設置される。以下では、実施の形態1および2との相違点を中心に説明する。
実施の形態1および2では、庫内温度検出部12で取得した庫内温度Ttを目標温度Tsに近づけるように庫内送風部22を制御した。
一方、実施の形態5では、庫内温度検出部12を循環通路16内に設置すると、庫内温度検出部12が冷却熱交換器21よりも風上側に設置するか風下側に設置するかによって、庫内温度検出部12で検出される温度が、収容空間13の平均的な温度よりも、高いか低いかが異なる。庫内温度検出部12の位置を冷却熱交換器21より風下側に設置すると、冷却熱交換器21で冷却された直後の風が循環通路16を通過するため、庫内温度検出部12で検出される温度は、収容空間13の温度よりも低くなる。一方、庫内温度検出部12の位置を冷却熱交換器21より風上側に設置すると、冷却熱交換器21で冷却される直前の風が循環通路16を通過するため、庫内温度検出部12で検出される温度は、収容空間13の温度よりも高くなる。
庫内温度検出部12は、循環通路16の温度を庫内温度Ttとして検出する。
制御部50は、予め定められた収容空間13の温度と循環通路16の温度との差ΔT3(>0)に基づいて、目標温度Tsを補正した上で、実施の形態1および2の制御フローチャートに基づいて、庫内送風部22を制御する。例えば、冷却熱交換器21より風下側に庫内温度検出部12を設置した場合、制御部50は、目標温度TsをTs−ΔT3に補正する。一方、冷却熱交換器21より風上側に庫内温度検出部12を設置した場合、制御部50は、目標温度TsをTs+ΔT3に補正する。温度差ΔT3は、予め実験等で収容空間13の温度と循環通路16の温度とを検出することによって求めることができる。
以上、ショーケースについて図面を用いて詳細に説明した。なお、上記で用いた図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、明細書全文に表されている構成要素の形態はあくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。