JP5377720B2 - オープンショーケース - Google Patents
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Description
このようなオープンショーケースは、例えば、一面が開放されたショーケース本体の収容空間の内壁に互いに向かい合うように配置された吹出口と吸込口を備えていて、吹出口から吹き出された冷却空気を吸込口に吸い込んで、開放面にエアカーテンを形成している。そして、このエアカーテンにより、オープンショーケースの外部の空気が開放面を通じて収容空間内に流入するのを抑制し、ショーケース本体内の冷却効果の向上を図っている。
しかし、エアカーテンの風速が過大であると、エアカーテン自らが開放面の外側の気流を巻き込んでしまい、結果的に外側の空気を収容空間内に流入させてしまうこととなる。そうなると、オープンショーケースの冷却能力に対して冷却負荷(すなわち、外側の空気の侵入量)が増大し、収容空間内の冷却の省エネ性が損なわれてしまう。従来は、このようなエアカーテン自身によるオープンショーケース外側の空気の巻き込みについては考慮されていなかった。
実施の形態1に係るオープンショーケース100は、スーパーやコンビニエンスストア等に設置されて飲料や食品等を貯蔵陳列する開放型のオープンショーケースである。このオープンショーケース100は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う冷凍装置を実現している。
図1は、実施の形態1に係るオープンショーケース100の主要部を示す概略図である。図1に示すように、オープンショーケース100は、ショーケース本体1と、室外ユニット2とを備えており、ショーケース本体1と室外ユニット2とが連絡配管3により接続されている。ショーケース本体1内には冷却回路22が収容されるとともに室外ユニット2には室外回路30が収容されていて、室外回路30に冷却回路22が接続されることで、冷媒回路が構成されている。この冷媒回路の内部に充填された冷媒が循環することで、蒸気圧縮式の冷凍サイクルが実現される。
吹出口16は、収容空間13に臨むようにして、下側に向かって開口している。吸込口17は、収容空間13に臨むようにして、上側に向かって開口している。つまり、吹出口16と吸込口17は、開放面14の内側において、互いに向かい合うように形成されている。
吹出温度センサ18は、吹出口16から吹き出される吹出空気の温度(吹出温度To)を検知可能である。
吸込温度センサ19は、吸込口17から吸い込まれる吸込空気の温度(吸込温度Ti)を検知可能である。
このように構成されたオープンショーケース100の冷却運転動作について説明する。オープンショーケース100は、収容空間13内に収容された被冷却物の冷蔵運転や冷凍運転を行う。冷蔵運転と冷凍運転を合わせて冷却運転と称する。
冷却運転時には、制御手段21により、圧縮機31、室外ファン34、及び庫内ファン20が運転状態となるとともに、膨張弁24の開度が適宜調整される。制御手段21は、収容空間13内の空気温度(以下、収容空間内温度)が、図示しない温度設定手段により設定された目標温度となるよう、各部の制御を行う。
例えば、吹出温度センサ18が検出した吹出温度Toと、吸込温度センサ19が検出した吸込温度Tiの平均値を、収容空間内温度とすることができる。このようにすることで、吹出口16近傍と吸込口17近傍の空気の温度差がある場合でも、精度良く収容空間内温度を検出することができる。この場合、吹出温度センサ18及び吸込温度センサ19が、本発明の収容空間温度検知手段に相当する。
また、例えば、吸込温度センサ19が検出した温度を、収容空間13の空気温度としてもよい。この場合、吸込温度センサ19が、本発明の収容空間温度検知手段に相当する。このようにすると、吹出温度センサ18を設ける必要がなく、より簡易な構成とすることができる。
冷却回路22に流入した冷媒は、膨張弁24を通過する際に減圧され、その後、冷却熱交換器23へ流入する。
このため、冷却熱交換器23では、冷媒が、循環通路15を流れる空気から吸熱して蒸発する。その結果、循環通路15を流れる空気が冷却される。
吸込口17に吸い込まれた空気は、庫内ファン20の駆動により循環通路15を流れ、再び冷却熱交換器23で冷却される。
また、制御手段21は、膨張弁24の開度を調節する。
このように圧縮機31及び膨張弁24を制御することで、オープンショーケース100の冷媒回路を流れる冷媒循環量を調整し、冷却熱交換器23の冷却能力を制御する。
上述した冷却運転においては、ショーケース本体1の開放面14を覆うエアカーテン5を形成して収容空間13内の冷却を行うわけだが、外部気流の影響によりエアカーテン5の形成が阻害されてしまう場合がある。ここで、外部気流とは、ショーケース本体1の外側から開放面14に向かう気流をいう。具体的には、例えばオープンショーケース100の設置場所(スーパーやコンビニエンスストア等)の空調を行う空調機から、ショーケース本体1の開放面14に向かって吹き出される空気流が挙げられる。このようなショーケース本体1の開放面14に向かう気流(外部気流)が生じると、この外部気流によってエアカーテン5が崩れてしまうことがある。
また、外部気流が生じていない場合であっても、エアカーテン5の風速が過大であると、エアカーテン5を形成する空気が開放面14の外部の空気を過剰に巻き込んでしまうことがある。
そこで、本実施形態に係るオープンショーケース100では、上述したような外部気流の影響や外部空気の巻き込みによる冷却負荷の変化を考慮して、庫内ファン20の送風量の制御を行う。
次に、検出した収容空間内温度が、予め定められた目標温度に対して誤差の範囲内にあるかどうか判断する(S2)。なお、この目標温度は、予め設定された温度であってもよいし、ユーザが任意に設定した温度であってもよい。
図4に示すように、図4のグラフ上段に示す冷却負荷Pと冷却能力Qが同等の場合に、グラフ下段に示す収容空間内温度Rを所定の目標温度に維持することができる。このため、収容空間内温度が目標温度にほぼ等しい場合には、冷却負荷と冷却能力がほぼ同等であると判断できるので、庫内ファン20の現在の送風量を維持するようにしている。
そこで、このような場合には、制御手段21が庫内ファン20のモータの回転速度を所定量だけ減少変化させることにより、送風量を減少させる(S4)。このようにすることで、エアカーテン5を維持したまま、同時に冷却能力を低減させ、適正な収容空間内温度に保つことができる。このように庫内ファン20のモータの回転速度を所定量だけ減少変化させると、庫内ファン20のモータと圧縮機31の動力を軽減できるので、オープンショーケース100の運転能力を低減することができる。
上述したように、目標温度に対して収容空間内温度が高い場合には、収容空間内温度を低下させるべく庫内ファン20の送風量を増大させてエアカーテン5の風速を増大させるのだが(図3のステップS7参照)、冷却負荷に対してエアカーテン5の風速が過大になると、外部空気の巻き込みが増加してしまう。エアカーテン5の風速が過大の状態で更に庫内ファン20のモータの回転速度を増大させると、更に外部空気を巻き込むこととなり、収容空間内温度はより上昇してしまう。最終的には、庫内ファン20のモータは最大速度となり、収容空間内温度は目標温度よりも高い温度で安定することとなる。
オープンショーケース100の冷却負荷は、外部気流の流入量によって変動し、また、冷却能力は、循環通路15内や冷却熱交換器23への着霜量によって変動する。図5は、外気流入量と冷却負荷の関係及び、着霜量と冷却能力の関係を説明する図である。図5に示すように、外部気流の流入量が多くなるほど冷却負荷が大きくなり、着霜量が多くなるほど通風抵抗が増大して冷却能力が低下する。すなわち、外部気流の流入量と着霜量は、収容空間13の冷却阻害要因であるといえる。
そこで、本実施の形態1では、外部気流の流入量と着霜量ともに最大となる状態を想定し、この状態において必要となる庫内ファン20のモータ回転速度を庫内ファン20のモータ回転速度の上限値として設定することにより、最大送風量を設定する。このようにすることで、収容空間内温度を目標温度に近づけるために庫内ファン20のモータ回転速度を増大方向に制御した場合でも、エアカーテン5の風速過大による外部空気の巻き込みを低減できる。
しかし、上述のように庫内ファン20の送風量を再制御し、または庫内ファン20の送風量に上限値を設けることで、エアカーテン5の風速を適正に保ちやすい。したがって、収容空間の冷却と高い省エネ性を実現しつつ、庫内ファン20を標準化した様々な容量のオープンショーケースをシリーズ展開することができる。
そうすると、オープンショーケース100の圧縮機が、冷却熱交換器の蒸発温度に基づいて制御されるタイプのもの(すなわち、収容空間内温度に基づいて運転制御されないタイプのもの)である場合、冷却熱交換器の蒸発温度が一定となっていても、上述したような環境変化の影響を受けて収容空間内温度が変動しうる。
しかし、本実施の形態1によれば、収容空間内温度が目標温度となるよう庫内ファン20が制御されるので、上述したような環境変化が生じた場合でも、適切な収容空間内温度を維持することができる。
本実施の形態2は、上記実施の形態1と庫内ファン20の制御動作が異なるものである。本実施の形態2では実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一または対応する構成には同一の符号を付す。
ここで、吸込温度センサ19が検知する吸込温度Tiが、外部気流(冷却負荷)変動の指標であるとする理由を説明する。まず、吹出口16から吹き出された空気は、吸込口17に至るまでの間にその冷気を収容空間13内に伝えるから、吸込温度Tiは吹出温度Toよりも高い。そして、外部気流の侵入割合が小さくなって冷却負荷が小さくなると、吸込温度Tiは吹出温度Toにより近い温度となる。言い換えると、冷却負荷(外部気流)が小さくなると、吸込温度Tiも小さくなる。一方、収容空間内温度も冷却負荷の減少に伴って低下し、さらに、収容空間内温度の低下に伴って吸込温度Tiと吹出温度Toがともに低下する。したがって、吸込温度Tiは、冷却負荷変動の指標であるといえる。
まず、吸込温度センサ19により、所定タイミングで吸込温度Tiを検出する(S11)。そして、吸込温度Tiの値が安定した状態となったか否か判断する(S12)。ここで、吸込温度Tiの値が安定した状態とは、所定時間続けて吸込温度Tiが同じ値をとる状態をいうが、ここでいう「同じ値」とは、計測誤差や商品の取り出しによって生じうる±1℃程度の温度変動などの所定温度差の範囲内の値を含む概念である。そして、吸込温度Tiの値が安定していなければ(S12:No)、リターンし、吸込温度Tiの値が安定すると(S12:Yes)、ステップS13へ進む。
続けて吸込温度Tiを検出し、ステップS13で庫内ファン20の送風量を増大させる前よりも吸込温度Tiが低下したか否か判断する(S14)。
さらに、本実施の形態2では吹出温度センサを設けないこととして説明したが、吹出温度センサを設け、吹出温度Toと吸込温度Tiの平均値を収容空間内温度としてもよい。このようにすると、収容空間内温度に応じて運転容量を制御する可変容量式の圧縮機の場合、収容空間内温度を一定にすべく運転容量が制御されるから、冷却負荷の変動に伴う吸込温度Tiの変動がより顕著に現れることとなる。したがって、庫内ファン20の送風量の制御を、より高精度に行うことができる。
本実施の形態3は、上記実施の形態2と庫内ファン20の制御動作が異なる。実施の形態2では吸込温度Tiを冷却負荷の指標とし、吸込温度Tiがより小さくなるように庫内ファン20の送風量を制御したのに対し、本実施の形態3では、吹出温度Toを冷却負荷の指標とし、吹出温度Toがより大きくなるように庫内ファン20の送風量を制御する。
以下、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
なお、収容空間内温度の検出は、実施の形態1と同様に吹出温度センサ18が行ってもよいが、収容空間温度検知手段として吸込温度センサを備えてもよい。また、収容空間内温度を検出する専用の温度センサを設けてもよい。このように本実施の形態3では、収容空間内温度の検知手段及び方法を限定するものではない。
まず、吹出温度センサ18により、所定タイミングで吹出温度Toを検出する(S21)。そして、吹出温度Toの値が安定した状態となったか否か判断する(S22)。吹出温度Toの値が安定した状態とは、所定時間続けて吹出温度Toが同じ値(所定誤差範囲内の値)をとる状態をいう。吹出温度Toの値が安定していなければ(S22:No)、リターンし、吹出温度Toの値が安定すると(S22:Yes)、ステップS23へ進む。
続けて吹出温度Toを検出し、庫内ファン20の送風量を増大させる前よりも吹出温度Toが低下したか否か判断する(S24)。
庫内ファン20の送風量を増大させたときに吹出温度Toが低下すれば(S24:Yes)、エアカーテン5の風速が過大であって外部空気を過剰に巻き込む状態であると判断できる。したがって、このときには制御手段21が庫内ファン20の送風量を減少変化させる(S25)。その結果、エアカーテン5が巻き込む外部空気の量を低減することができ、吹出温度Toがより高くなる。
Claims (6)
- 一面を開放面とした収容空間と、空気の吸込口及び吹出口と、前記吸込口から吹出口に至る循環通路とを備えたショーケース本体と、
前記循環通路内の空気を送風する送風手段と、
前記循環通路内の空気を冷却する冷却手段と、
前記収容空間内の温度を検出する収容空間温度検知手段と、
前記吸込口の温度である吸込温度を検出する吸込温度検知手段と、
前記送風手段の送風量を制御する制御手段と、を備え、
前記吹出口から吹き出した空気を前記吸込口から吸い込んで前記収容空間の開放面にエアカーテンを形成するオープンショーケースであって、
前記制御手段は、前記収容空間内の温度が所定値で安定した状態で前記送風手段の送風量を一時的に増大させ、このとき、前記吸込温度が上昇した場合には前記送風手段の送風量を減少させ、前記吸込温度が低下した場合には前記送風手段の送風量を増大させることにより、前記冷却手段の冷却負荷がより小さくなるように前記送風手段の送風量を制御する
ことを特徴とするオープンショーケース。 - 一面を開放面とした収容空間と、空気の吸込口及び吹出口と、前記吸込口から吹出口に至る循環通路とを備えたショーケース本体と、
前記循環通路内の空気を送風する送風手段と、
前記循環通路内の空気を冷却する冷却手段と、
前記収容空間内の温度を検出する収容空間温度検知手段と、
前記吹出口の温度である吹出温度を検出する吹出温度検知手段と、
前記吸込口の温度である吸込温度を検出する吸込温度検知手段と、
前記送風手段の送風量を制御する制御手段と、を備え、
前記吹出口から吹き出した空気を前記吸込口から吸い込んで前記収容空間の開放面にエアカーテンを形成するオープンショーケースであって、
前記制御手段は、前記収容空間内の温度が所定値で安定した状態で、前記送風手段の送風量を一時的に増大させ、このとき、前記吹出温度と前記吸込温度の差が増大した場合には前記送風手段の送風量を減少させ、前記吹出温度と前記吸込温度の差が減少した場合には前記送風手段の送風量を増大させることにより、前記冷却手段の冷却負荷がより小さくなるように前記送風手段の送風量を制御する
ことを特徴とするオープンショーケース。 - 前記冷却手段は、圧縮機、放熱器、絞り装置、及び蒸発器を配管で接続した冷媒回路を備え、
前記圧縮機は、前記収容空間内の温度に基づいて運転制御される
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のオープンショーケース。 - 一面を開放面とした収容空間と、空気の吸込口及び吹出口と、前記吸込口から吹出口に至る循環通路とを備えたショーケース本体と、
前記循環通路内の空気を送風する送風手段と、
前記循環通路内の空気を冷却する冷却手段と、
前記収容空間内の温度を検出する収容空間温度検知手段と、
前記吹出口の温度である吹出温度を検出する吹出温度検知手段と、
前記送風手段の送風量を制御する制御手段と、を備え、
前記吹出口から吹き出した空気を前記吸込口から吸い込んで前記収容空間の開放面にエアカーテンを形成するオープンショーケースであって、
前記冷却手段は、圧縮機、放熱器、絞り装置、及び蒸発器を配管で接続した冷媒回路を備え、前記圧縮機は、前記収容空間内の温度に基づいて運転制御されるものであり、
前記制御手段は、前記収容空間内の温度が所定値で安定した状態で、前記送風手段の送風量を一時的に増大させ、このとき、前記吹出温度が上昇した場合には前記送風手段の送風量を増大させ、前記吹出温度が低下した場合には前記送風手段の送風量を減少させることにより、前記冷却手段の冷却負荷がより小さくなるように前記送風手段の送風量を制御する
ことを特徴とするオープンショーケース。 - 前記ショーケース本体の外部から前記収容空間内へ流入する外部空気量の予測最大値と、前記循環通路または前記冷却手段への着霜量の予測最大値とに基づいて、前記送風手段の最大送風量を設定しておき、
前記制御手段は、前記最大送風量以下の範囲で前記送風手段の送風量を制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか記載のオープンショーケース。 - 前記収容空間温度検知手段は、前記吹出口の温度である吹出温度と前記吸込口の温度である吸込温度の平均値を、前記収容空間内の温度として検出する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか記載のオープンショーケース。
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