JP2019049391A - プラント異常箇所推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラの煙道といった流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を迅速に推定することが可能なプラント異常箇所推定システムを提供する。【解決手段】プラント異常箇所推定システムは、流路形成部材内に設置される複数のセンサによる複数の異常時センサ値を取得する異常時センサ値取得部と、複数の機器の各々に設置された機器別センサ群の異常時センサ値に基づいて、複数の機器の各々の機器別異常度を算出する機器別異常度算出部と、流路形成部材内において流路方向に沿って広がると共に幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域を仮定し、複数のライン領域の各々に属する複数のライン領域別センサ群の異常時センサ値に基づいて、複数のライン領域の各々のライン別異常度を算出するライン領域別異常度算出部と、複数の機器別異常度および複数のライン別異常度に基づいて異常箇所を推定する異常箇所推定部と、を備える。【選択図】 図3

Description

本開示は、プラントを構成する複数の機器における異常箇所を推定する技術に関する。
プラントでは、故障の発生を未然に防止するための異常監視が行われており、例えば、プラントを構成する各種機器に対して設置された複数のセンサの測定値(センサ値)を監視し、センサ値がある閾値を超えると運転者、管理者に対してアラームを発報するといった監視手法が知られている(例えば、特許文献1〜3)。例えばボイラの燃焼室から排出される排ガスを導く煙道には排ガスが流れる上流側から下流側に向けて複数の熱交換器が順次設置される。熱交換器が有する伝熱管が高温腐食や摩耗などにより損傷し、損傷箇所から給水のリーク(漏れ)が発生すると、時間の経過に伴ってリークした給水(蒸気)により周囲の伝熱管も損傷するなど損傷範囲が拡大するなど(特許文献3参照)異常の早期検知の重要性は大きい。
例えば、特許文献3には、ボイラチューブリーク(伝熱管の損傷箇所からの蒸気の漏れ)の早期検知とリーク位置(異常箇所)の早期特定を実現するチューブリークを検出するチューブリーク検出装置が開示されている。この検出装置は、ボイラプラントの状態量を計測した計測信号がデータ項目別に保存される計測信号データベースと、ボイラプラントの運転状態の変化を検知する状態変化検知部と、状態変化検知部で検知した変化をリークか否か評価する検知内容評価部を備えている。上記の状態変化検知部は、計測信号データベースから第一の計測信号データが入力され、データ項目の一部を監視グループとしてグループ化する監視データ抽出部と、ボイラプラントの運転パターンを識別する運転パターン評価部と、識別された運転パターン毎にかつ監視グループ毎に、グループ化されたデータ項目に属する第一の計測信号データを分類して診断モデルを構築する分類部と、診断モデルと第二の計測信号を比較することで運転状態が変化したことを検知する検知部を備える。
国際公開第2017/051576号 特開平6−331507号公報 特開2015−7509号公報
例えば、熱交換器の損傷による給水リークは、波状の伝熱管に互いに離間されて配置される複数の温度センサにより伝熱管のメタル温度を計測することにより検知可能である。しかし、上記の給水リークによる影響はほとんど全ての温度センサが異常の影響を受けるため(後述する図6の時刻t1付近参照)、どの熱交換器のどのあたりに損傷が生じたのかの特定が困難である。このような課題に対して、本発明の発明者らは、鋭意検討により、マハラノビス距離などの異常度に対する伝熱管の損傷など異常の影響は、排ガスが流れる方向(流路方向)と各熱交換器における伝熱管の並び方向(煙道の幅方向)との関係を考慮して分析すると、異常箇所(損傷個所など)に応じて流路方向および幅方向の位置で異なることを見出すと共に、後述するライン別異常度および機器別異常度に基づくことで、損傷位置を絞ることが可能であることを見出した。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、ボイラの煙道といった流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を迅速に推定することが可能なプラント異常箇所推定システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラント異常箇所推定システムは、
プラントが有する流路形成部材内に設置された複数のセンサの検出値に基づいて、前記流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を推定するプラント異常箇所推定システムであって、
前記流路形成部材内において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される前記複数のセンサの検出値であって、前記プラントの異常が検知された際の前記検出値である複数の異常時センサ値を取得する異常時センサ値取得部と、
前記複数のセンサの一部であって前記複数の機器の各々に設置された複数のセンサでそれぞれ構成される機器別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数の機器の各々の異常度である複数の機器別異常度をそれぞれ算出する機器別異常度算出部と、
前記流路形成部材内において前記流路方向に沿って広がると共に前記幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域を仮定し、前記複数のライン領域の各々に属する、前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群であって、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数の機器の各々の部分に設置された少なくとも1つの前記センサでそれぞれ構成されるライン領域別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数のライン領域の各々の前記異常度である複数のライン別異常度をそれぞれ算出するライン領域別異常度算出部と、
前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度に基づいて前記異常箇所を推定する異常箇所推定部と、を備える。
例えば、ボイラなどの排ガスが流れる煙道には、過熱器や再熱器などといった、各々が波状に複数回折り返された伝熱管を有する複数の熱交換器が煙道に沿って設置される。そして、伝熱管における高温腐食や摩耗などによる損傷は、例えば複数の温度センサにより伝熱管のメタル温度を測定することにより検知可能である。ところが、複数のセンサは、煙道の幅方向および、煙道が排ガスを導く方向である流路方向(幅方向に直交する方向)に広がる波状の伝熱管に互いに離間されて配置されており、特に、各々の温度センサから離れた箇所において伝熱管の損傷が生じると、ほとんど全ての温度センサが異常の影響を受けるため(後述する図6の時刻t1付近参照)、従来は、どの熱交換器のどのあたりに損傷が生じたのかの特定が困難であった。
上記(1)の構成によれば、流路方向に沿って流路形成部材内に順次配列される複数の機器別にマハラノビス距離などの異常度(機器別異常度)を算出すると共に、流路方向に沿って広がる(伸びる)ライン状の領域形状をそれぞれ有する複数のライン領域であって、幅方向に沿ってそれぞれ配列される仮想的な複数のライン領域別の異常度(ライン別異常度)を算出する。そして、複数の機器別異常度および複数のライン別異常度に基づいて、異常箇所(異常部位)を特定する。これによって、例えば、機器別異常度が最大であった機器よりも上流側で、かつ、ライン別異常度が最大であったライン領域の周辺に異常個所があるなどというように、異常検知時において流路形成部材内における異常箇所が存在する領域をより狭い領域に絞り込むことができる。つまり、異常箇所を迅速に推定することができるようになることで、修理、交換などの異常からの復旧作業を迅速に行うことができ、プラントの稼働率を向上させることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記異常箇所推定部は、
前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度を含む対象異常度群と、異常が発生した際の過去の前記異常時センサ値に基づいて算出される前記複数の機器別異常度、前記複数のライン別異常度を含む参照異常度群との合致率を算出する合致率算出部を有し、
前記合致率が合致判定閾値以上となる前記参照異常度群に対応づけられた前記過去の異常個所の情報に基づいて、前記複数の機器における前記異常箇所を推定する。
上記(2)の構成によれば、対象異常度群と、過去に異常が発生した際の機器別異常度およびライン別異常度を含む参照異常度群との合致率を算出すると共に、合致率が合致判定閾値以上となる参照異常度群に含まれる過去の異常個所に基づいて、異常箇所の推定を行う。機器別異常度およびライン別異常度の観点で対象異常度群と一致または類似する参照異常度群は、推定対象となる対象異常度群で示される異常の原因と一致または類似する可能性が高い。よって、合致率が合致判定閾値以上となる参照異常度群を得て、この参照異常度群に対応づけられている過去の異常箇所の情報が示す位置の付近に、対象異常度群に対応する異常個所が存在すると推定するなど、参照異常度群に基づいて異常箇所をさらに絞り込むことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記合致率算出部は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方における前記複数の機器別異常度の大きい上位N個の前記機器同士および前記上位M個の前記ライン領域同士を比較し、前記合致率を算出する。
上記(3)の構成によれば、対象異常度群の上位N個の機器および上位M個のライン領域と、前記参照異常群に含まれる複数の参照機器別異常度の大きい上位N個の機器および複数の参照ライン別異常度の大きい上位M個のライン領域との比較に基づいて、合致率を適切に求めることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記合致率は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方において、前記上位N個の機器における各順位に属する前記機器が一致する数、および前記上位M個のライン領域における各順位に属する前記ライン領域が一致する数の合計の、前記Nおよび前記Mの合計に対する割合である。
上記(4)の構成によれば、合致率を適切に算出することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)〜(4)の構成において、
前記複数のライン領域および前記複数の機器の前記流路形成部材内における配置に対応したマトリックスに対して、前記上位N個の機器および前記上位M個のライン領域、および、前記異常箇所推定部によって推定された前記異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報を生成する推定マップ情報生成部と、
前記推定マップ情報を出力する出力部と、をさらに備える。
上記(5)の構成によれば、推定マップ情報により、異常箇所の推定結果を運転者、管理者などに視覚的に示すことができ、運転者、管理者により異常の被疑箇所を容易に把握できるように図ることができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(5)の構成において、
前記参照異常度群または前記参照異常度群の算出に用いた過去の複数の異常時センサ値と、前記参照異常度群に対応する前記過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶部を、さらに備える。
上記(6)の構成によれば、参照異常度群および参照異常度群に対応する過去の異常個所の情報を、過去に生じた異常事象を示す情報として確実に保管することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(6)の構成において、
前記参照異常度群は、前記複数の異常時センサ値が取得されたプラントとは異なる他のプラントが有する他の流路形成部材内に設置された他の複数のセンサの検出値に基づいて算出される。
上記(7)の構成によれば、他のプラントで生じた異常に対応する参照異常度群を用いて異常箇所の推定を実行する。つまり、異常事例をプラント間で共有しており、他プラントで発生済の異常事例であって自プラントで未発生である異常についても、異常箇所の推定を行うことができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記異常度は、マハラノビス距離である。
上記(8)の構成によれば、マハラノビス距離(MD)によって、異常箇所の推定を適切に行うことができる。
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係るプラント異常箇所推定方法は、
プラントが有する流路形成部材内に設置された複数のセンサの検出値に基づいて、前記流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を推定するプラント異常箇所推定方法であって、
前記流路形成部材内において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される前記複数のセンサの検出値であって、前記プラントの異常が検知された際の前記検出値である複数の異常時センサ値を取得する異常時センサ値取得ステップと、
前記複数の機器の各々に設置された前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される機器別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数の機器の各々の異常度である複数の機器別異常度をそれぞれ算出する機器別異常度算出ステップと、
前記流路形成部材内において前記流路方向に沿って広がると共に前記幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域を仮定し、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群であって、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数の機器の各々の部分に設置された少なくとも1つの前記センサでそれぞれ構成されるライン領域別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数のライン領域の各々の前記異常度である複数のライン別異常度をそれぞれ算出するライン領域別異常度算出ステップと、
前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度に基づいて前記異常箇所を推定する異常箇所推定ステップと、を備える。
上記(9)の構成によれば、上記(1)と同様の効果を奏する。
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記異常箇所推定ステップは、
前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度を含む対象異常度群と、異常が発生した際の過去の前記異常時センサ値に基づいて算出される前記複数の機器別異常度、前記複数のライン別異常度を含む参照異常度群との合致率を算出する合致率算出ステップを有し、
前記合致率が合致判定閾値以上となる前記参照異常度群に対応づけられた前記過去の異常個所の情報に基づいて、前記複数の機器における前記異常箇所を推定する。
上記(10)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の構成において、
前記合致率算出ステップは、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方における前記複数の機器別異常度の大きい上位N個の前記機器同士および前記上位M個の前記ライン領域同士を比較し、前記合致率を算出する。
上記(11)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)の構成において、
前記合致率は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方において、前記上位N個の機器における各順位に属する前記機器が一致する数、および前記上位M個のライン領域における各順位に属する前記ライン領域が一致する数の合計の、前記Nおよび前記Mの合計に対する割合である。
上記(12)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
(13)幾つかの実施形態では、上記(11)〜(12)の構成において、
前記複数のライン領域および前記複数の機器の前記流路形成部材内における配置に対応したマトリックスに対して、前記上位N個の機器および前記上位M個のライン領域、および、前記異常箇所推定ステップによって推定された前記異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報を生成する推定マップ情報生成ステップと、
前記推定マップ情報を出力する出力ステップと、をさらに備える。
上記(13)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
(14)幾つかの実施形態では、上記(10)〜(13)の構成において、
前記参照異常度群または前記参照異常度群の算出に用いた過去の複数の異常時センサ値と、前記参照異常度群に対応する前記過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶ステップを、さらに備える。
上記(14)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
(15)幾つかの実施形態では、上記(10)〜(14)の構成において、
前記参照異常度群は、前記複数の異常時センサ値が取得されたプラントとは異なる他のプラントが有する他の流路形成部材内に設置された他の複数のセンサの検出値に基づいて算出される。
上記(15)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏する。
(16)幾つかの実施形態では、上記(9)〜(14)の構成において、
前記異常度は、マハラノビス距離である。
上記(16)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ボイラの煙道といった流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を迅速に推定することが可能なプラント異常箇所推定システムが提供される。
本発明の一実施形態に係るボイラに設置される複数の熱交換器の異常箇所を推定するプラント異常箇所推定システムを概略的に示す図である。 図1のAA線で示す断面を上下方向に見た模式図である。本発明の一実施形態に係るプラント異常箇所推定システムの機能を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るプラント異常箇所推定システムの機能を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にボイラの煙道に設定されるライン領域および機器領域を示す図であり、図2の煙道82に対して仮定された場合を示す。 本発明の一実施形態に係る(a)機器別および(b)ライン領域別のMD値の異常検知時(時刻t2)の前後における時間推移を示す図である。 本発明の一実施形態に係る機器別の温度センサの検出値の異常検知時(時刻t2)の前後における時間推移を示す図である。 本発明の一実施形態に係る異常箇所の推定ロジックを説明するための図であり、(a)は参照マップ情報、(b)は推定マップ情報、(c)は合致率の算出例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るプラント異常箇所推定方法を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るボイラ8に設置される複数の熱交換器9の異常箇所を推定するプラント異常箇所推定システム1を概略的に示す図である。また、図2は、図1のAA線で示す断面を上下方向に見た模式図である。
プラント異常箇所推定システム1は、例えば事業用ボイラを有する火力発電所や、ごみ焼却所、化学プラントなどのプラント7を構成する複数の機器(設備)における異常箇所(異常部位)を、プラント7に設置された複数のセンサの各々の検出値(以下、適宜、センサ値)に基づいて推定するシステム(装置)である。プラント7では、プラント7を構成する複数の機器の状態を複数のセンサを設置するなどして測定しており、これらの複数のセンサの各々のセンサ値やバルブを含む各種機器のオン/オフなどの状態を例えば周期的に取得(後述する運転データD)して、運転制御や異常監視が行われる。例えば、石炭炊きの火力発電プラントを構成する上記の複数の機器としては、ボイラ8や、蒸気タービン(高圧タービン、低圧タービンなど)、過熱器91、再熱器92などの熱交換器9、蒸気タービンに送る蒸気の流量および圧力を調整するバルブやダンパ、ボイラ8から排出される排ガスGを処理するため各種機器(脱硝装置や電気集塵機等)などがある。
上記のボイラ8および熱交換器9について説明すると、図1に示すように、ボイラ8は、火炉81と、火炉81の上部に連結される煙道82とを備える。また、図1〜図2に示すように、煙道82には、火炉81における石炭などの燃料の燃焼により生じた排ガスG(燃焼ガス)の熱エネルギーを回収するための1以上の熱交換器9(機器)が設置される。ボイラ8に設置される熱交換器9の種類としては、過熱器91(SH:SuperHeater)や再熱器92(RH:ReHeter)、節炭器(エコノマイザ)などがある。
また、熱交換器9は内部に給水が流される伝熱管9pを有しており(図2参照)、煙道82の内部において伝熱管9pと排ガスGとが接触し、相対的に低温の上記の給水と相対的に高温の排ガスGが伝熱管9pの壁面を介して熱交換することにより上記の給水が加熱されて、蒸気が生成される。また、伝熱管9pは、ボイラ8の上下方向(重力方向)などに沿って延在する直線状部分と、この直線状部分に接続されて、直線状部分の上端や下端で折り返す部分を構成する屈曲部分とをそれぞれ複数有することにより、波状に複数回折り返された状態で煙道82の内部に設置される。このため、伝熱管9pは、煙道82の内部に設置された状態おいて、ボイラ8の上下方向、煙道82が排ガスを導く方向(排ガスGが流れる方向)である流路方向、および流路方向に直交する方向である煙道82の幅方向(以下、単に幅方向。)にわたる一定の空間(以下、機器領域R)に広がりをもって設置された状態となる。そして、このような伝熱管9pを有する1以上の熱交換器9が、図1〜図2に示すように、煙道82内に流路方向に沿って順番に設置されるため、排ガスGは、煙道82の内部を流れる際には、煙道82内に設置された1以上の熱交換器9を順番に通過する。また、図1〜図2に示すように、煙道82内には、各熱交換器9の伝熱管9pの各部の状態を監視するために、熱交換器9毎に複数の温度センサ84が設置される。
図1〜図2に示す実施形態では、伝熱管9pは、その複数の直線状部分がボイラ8の上下方向に沿って延在すると共に、これら複数の直線状部分が流路方向および幅方向に沿って配列するように煙道82内に設置される部分を有する。よって、図1のAA断面を上下方向に見ると、図2に示すように伝熱管9pの断面が無数に存在する。また、煙道82の内部おいて流路方向に沿って上流側から順番に、2次過熱器91b(2SH)、3次過熱器91c(3SH)、4次過熱器91d(4SH)、2次再熱器92b(2RH)、1次再熱器92a(1RH)1次過熱器91a(1SH)が相互に間隔を置いて設置されている。また、図2に示すように、各熱交換器9による上記の機器領域Rは、煙道82の幅方向に沿って、煙道82の右側(図1の紙面の手前側)の壁面82wおよび左側(図1の紙面の奥側)の壁面82wと間で端付近から端付近まで広がっている。よって、排ガスGは、煙道82の内部を、上記の2SH、3SH、4SH、2RH、1RH、1SHの順に流れる。
また、図1〜図2に示すように、煙道82の内部には、これらの熱交換器9(91a〜91d、92a〜92b)のメタル温度をそれぞれ監視するための複数の温度センサ84が、熱交換器9毎に、幅方向で相互に離間した状態で伝熱管9pに設置されている。より詳細には、図2に示すように、複数の温度センサ84は、各熱交換器9の伝熱管9pにおいて、幅方向に沿って一列に並ぶように設置されており、2SHおよび3SH、4SH、2RH、1RH、1SHには、それぞれ8個の温度センサ84が設置されている。なお、幅方向に沿って一列に並ぶ複数の温度センサ84は、流路方向の位置が厳密に一致していなくても良い。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。上述した実施形態では全ての熱交換器9にそれぞれ設置されている温度センサ84の数は同数であるが、他の幾つかの実施形態では、各熱交換器9に設置されている温度センサ84の数は同数でなくても良い。
そして、図1〜図2に示す実施形態のプラント異常箇所推定システム1は、上述した煙道82に設置された複数の熱交換器9の各々の伝熱管9pのメタル温度をそれぞれ検出する複数の温度センサ84に接続されることにより、複数の温度センサ84の検出値に基づいて、上記の異常箇所の推定を行う。
次に、プラント異常箇所推定システム1について、図1〜図7を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るプラント異常箇所推定システム1の機能を示すブロック図である。図4は、本発明の一実施形態にボイラ8の煙道82に仮定されるライン領域Lおよび機器領域Rを示す図であり、図2の煙道に対して仮定された場合を示す。図5は、本発明の一実施形態に係る(a)機器別および(b)ライン領域別のMD値の異常検知時(時刻t2)の前後における時間推移を示す図である。図6は、本発明の一実施形態に係る機器別の温度センサ84の検出値の異常検知時(時刻t2)の前後における時間推移を示す図である。図7は、本発明の一実施形態に係る異常箇所の推定ロジックを説明するための図であり、(a)は参照マップ情報、(b)は推定マップ情報M、(c)は合致率Cの算出例を示す図である。
図1に示すプラント異常箇所推定システム1は、プラント7が有する流路形成部材内に設置された複数のセンサの検出値に基づいて、流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を推定するシステムである。
なお、以下では、プラント異常箇所推定システム1が、プラント7が有するボイラ8の煙道82内に設置された複数の温度センサ84の検出値に基づいて、煙道82内に設置された複数の熱交換器9における異常箇所を推定する場合を例に説明する。
図3に示すように、プラント異常箇所推定システム1は、異常時センサ値取得部13と、機器別異常度算出部2と、ライン領域別異常度算出部3と、異常箇所推定部4と、を備える。プラント異常箇所推定システム1はコンピュータで構成されており、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリや外部記憶装置を含む記憶装置15を備えている。そして、メモリ(主記憶装置)にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、プラント異常箇所推定システム1が備える上記の各機能部を実現する。
上記の各機能部について、それぞれ説明する。
異常時センサ値取得部13は、図4(図2)に示すように、煙道82(上記の流路形成部材内に対応。以下同様。)の内部において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される複数の温度センサ84(上記のセンサに対応。以下同様。)の検出値であって、プラント7の異常が検知された際の検出値である複数の異常時センサ値Sを取得する。図3に示す実施形態では、プラント異常箇所推定システム1がプラント7に通信ネットワークなどを介して接続されており、プラント7の運転状態を示す運転データDをプラント7から受信するよう構成されることにより、異常時センサ値取得部13は、複数の温度センサ84からの複数の異常時センサ値Sをプラント7から直接取得するようになっている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、異常時センサ値取得部13は、他のシステム(装置)で取得された複数の異常時センサ値Sを取得するなど、異常時センサ値Sを間接的に取得しても良い。
より詳細には、図3に示す実施形態のプラント異常箇所推定システム1は、プラント7側から送られてくる上記の運転データDを取得する運転データ収集部11と、運転データ収集部11が取得した運転データDに含まれる例えば上記の複数の温度センサ84の検出値に基づいて異常度Tを算出すると共に、算出した異常度Tと、異常を検知するため異常判定閾値との比較に基づいて異常を検知する異常監視部12と、を備えている。上記の異常度Tは、異常が発生すると正常値(正常範囲)から逸脱するように変化するが(図5参照)、異常監視部12は、異常判定閾値を用いて異常度Tが正常値から逸脱する事象を検知し、これを検知した場合に異常と判定する。また、異常監視部12は異常を検知すると、次に説明する機器別異常度算出部2に異常度Tの算出に用いたセンサ値を異常時センサ値Sとして、次に説明する機器別異常度算出部2およびライン領域別異常度算出部3にそれぞれ送信する。
上記の異常度Tは、幾つかの実施形態では、MT法(マハラノビス・タグチ法)と呼ばれるパターン認識技術で用いられるマハラノビス距離(MD)であっても良い。このMT法では、正常な多変量データ(ここでは、複数のセンサによりそれぞれ検出される複数のセンサ値)をもとに正常な集団を単位空間と定義し、対象データの単位空間からの距離(マハラノビス距離)を求めて異常を判定する。これにより、マハラノビス距離という一つの指標のみによってプラント7を総合的に診断することが可能である。また、MT法は、各種運転パラメータが管理値以内であるか否かによって診断する手法に比べて、機器の損傷が進行する前に早期に異常を検知することが可能となり、機器の損傷を未然に防ぐ、あるいは最小限に抑えることが可能な方法として知られている。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。異常度Tは、異常を検知可能であれば、例えばK近傍法など、多変量データに基づいて他の手法で算出されても良い。
機器別異常度算出部2は、上記の異常時センサ値取得部13によって取得された複数の異常時センサ値Sを取得すると、複数の温度センサ84の一部であって複数の熱交換器9(上記の機器に対応。以下同様。)の各々に設置された複数の温度センサ84でそれぞれ構成される機器別センサ群85の異常時センサ値Sに基づいて、図5(a)に示すような、複数の熱交換器9の各々の異常度(MD)である複数の機器別異常度Trをそれぞれ算出する。図5では、図5(a)が機器別異常度Trであるが、時刻t1において異常監視部12は異常度Tに基づいて異常を検知したとすると、機器別異常度算出部2は、この時刻t1における複数の異常時センサ値Sに基づいて複数の機器別異常度Trをそれぞれ算出する。
図3に示す実施形態では、機器別異常度算出部2は、熱交換器9毎に、各熱交換器9の機器別センサ群85に含まれる複数の温度センサ84のセンサ値の全てを用いて機器別異常度Trを算出している。つまり、2SHおよび3SH、4SH、2RH、1RH、1SHの各々でそれぞれ8個の異常時センサ値Sに基づいて、それぞれの機器別異常度Trを算出している。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、各熱交換器9の機器別異常度Trは、例えば、1SHで8個、4SHで7個など、各機器別センサ群85に属する全ての温度センサ84の異常時センサ値Sを用いて算出されなくても良く、部分的な異常時センサ値Sに基づいて算出されても良い。また、図5の時刻t1よりも時間が経過した時刻であって異常が発生している際の異常時センサ値Sに基づいて複数の機器別異常度Trを算出しても良い。
ライン領域別異常度算出部3は、同様に、複数の異常時センサ値Sを取得すると、図4に示すように、煙道82において流路方向に沿って広がると共に幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域Lを仮定し、複数のライン領域Lの各々に属する、上記の複数の温度センサ84の一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群86であって、複数のライン領域Lの各々に属する複数の熱交換器9の各々の部分に設置された少なくとも1つの温度センサ84でそれぞれ構成されるライン領域別センサ群86の異常時センサ値Sに基づいて、複数のライン領域Lの各々の異常度(MD)である複数のライン別異常度Tlをそれぞれ算出する。つまり、複数のライン領域Lは、それぞれ、煙道82に沿って広がる(伸びる)と共に煙道82の幅方向にそれぞれ配列されることによって、複数の機器(機器領域R)とそれぞれ交差するが、このように交差する各領域(以下、交差領域DLR。図4には代表してD81のみ例示)には少なくとも1つの温度センサ84が存在するように、煙道82の内部に複数のライン領域Lを仮定する。また、各交差領域DLRに複数の温度センサ84が存在する場合には、そのうちの少なくとも1つの温度センサ84の異常時センサ値Sをライン別異常度Tlの算出に用いる。なお、複数の熱交換器9の数をx、複数のライン領域Lの数をyとすると、交差領域DLRの数はx×yとなる。
図4に示す実施形態では、煙道82の内部には、流路方向に沿って煙道82内を広がる、互いに幅方向で並列な8個のライン領域L(L1〜L8)が、流路方向に沿って並ぶ6個の機器領域Rとそれぞれ交差するように仮定されている(x=6、y=8)。よって、交差領域DLRの数は48(D11〜Dyx)となる。そして、各交差領域DLRから1つの温度センサ84が選択されることで、全てのライン領域L(L1〜L8)は、それぞれ、6つの温度センサ84の異常時センサ値Sに基づいてライン別異常度Tlを算出するようになっている。
異常箇所推定部4は、複数(x個)の機器別異常度Trおよび複数(y個)のライン別異常度Tlに基づいて異常箇所を推定する。ここで、熱交換器9の伝熱管9pの損傷に伴う給水リークなどの異常は、上述したような異常監視部12によって、複数の熱交換器9の有するいずれかの伝熱管9pのどこかで発生したとして検知できるが、どの熱交換器9の伝熱管9pのどの辺りで生じているかまでの特定は、このままでは困難である。特に、各々の温度センサ84から離れたいずれかの箇所において伝熱管9pの損傷が生じると、図6の時刻t1に示されるように、ほとんど全ての温度センサ84の値に異常の影響が現れるため、各温度センサ84のセンサ値を見ても、異常個所の特定は困難である。
これに対して、本発明の発明者らは、鋭意検討により、マハラノビス距離(MD)などの異常度Tに対する伝熱管9pの損傷など異常の影響は、煙道82内における損傷が生じた位置よりも下流側に強く表れることを見出した。また、ライン別異常度Tlに基づくことで、幅方向における損傷位置を絞ることが可能であることを見出した。これらの知見によれば、異常が検知された際の複数の機器別異常度Trおよび複数のライン別異常度Tlを求めることにより、例えば、機器別異常度Trが最大であった機器よりも上流側で、かつ、ライン別異常度Tlが最大であったライン領域Lの周辺などというように、異常検知時において煙道82内における異常箇所が存在する領域をより狭い領域に絞り込むことが可能となる。
これについて、図7を用いてより詳細に説明する。図7に示すように、煙道82の内部に流路方向に沿って配列されるx個の機器および幅方向に沿って配列されるM個のライン領域Lを、それぞれ、煙道82での並び順で2次元の表で示すと、各セルの並びが、そのまま、x×y個の交差領域DLRの煙道82での配置に対応した表(推定マップ情報M)が得られる(図7(a)、(b))。この表に、図5に示すような機器別異常度Trおよびライン別異常度Tlの時刻t1における算出結果を反映したものが図7(a)〜図7(b)の表であり、機器別異常度Trの上位2個、およびライン別異常度Tlの上位2個をそれぞれマークしている。
図5の内容を反映したものが図7(b)であり、図7(b)で説明を続ける。図5(a)に示すように、時刻t1において、機器別異常度Trは高い順に1Rh、4SH、1SH、3SH、2RH、2SHであった。図5(b)に示すように、時刻t1において、ライン別異常度Tlは高い順に第5ライン(L5)、第4ライン(L4)、第6ライン(L6)、第3ライン(L3)、第2ライン(L2)、第8ライン(L8)、第1ライン(L1)、第7ライン(L7)であった。
そして、上述した本発明の発明者らの知見に従い、推定マップ情報M(図7(b))に基づいて、例えば、機器別異常度Trが最も高い2RHよりも上流側であって、そのうちのライン別異常度Tlが最も高い第6ライン(L6)の例えば両隣までのライン領域Lに異常個所があると推定する。つまり、合計で48個存在する交差領域DLRのうちから、第5〜第7ラインと、2SH、3SH、4SHの各々が交差する交差領域DLRである9個の交差領域DLR(D51、D52、D53、D61、D62、D63、D71、D72、D73)に異常個所があると推定する。この際、実際に伝熱管9pの損傷(異常個所)が生じていたのは、第5ライン(L5)と4SHとが交差する交差領域D53であったので、48個の交差領域DLRから12個の交差領域DLRに異常個所が発生している領域を適切に絞りこむことができた例となる。
なお、他の幾つかの実施形態では、後述するように合致率Cに基づいて選択した参照異常度群P(後述。図7(a)参照)に基づいて、異常個所を推定しても良い。
上記の構成によれば、流路方向に沿って流路形成部材内(上記の実施形態では煙道82内)に順次配列される複数の機器別(上記の実施形態では熱交換器9別)にマハラノビス距離などの異常度(機器別異常度Tr)を算出すると共に、流路方向に沿って広がる(伸びる)ライン状の領域形状をそれぞれ有する複数のライン領域Lであって、幅方向に沿ってそれぞれ配列される仮想的な複数のライン領域L別の異常度T(ライン別異常度Tl)を算出する。そして、複数の機器別異常度Trおよび複数のライン別異常度Tlに基づいて、異常箇所を特定する。これによって、例えば、機器別異常度Trが最大の機器よりも上流側で、かつ、ライン別異常度Tlが最大となるライン領域Lの周辺に異常個所があるなどというように、異常検知時において流路形成部材内における異常箇所が存在する領域をより狭い領域に絞り込むことができる。つまり、異常箇所を迅速に推定することができるようになることで、修理、交換などの異常からの復旧作業を迅速に行うことができ、プラント7の稼働率を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、異常箇所推定部4は、過去の異常事例(後述する参照異常度群P)を用いて、異常個所の推定を行っても良い。すなわち、異常箇所推定部4は、複数の機器別異常度Trおよび複数のライン別異常度Tlを含む対象異常度群E(推定対象)と、異常が発生した際の過去の異常時センサ値に基づいて算出される複数の機器別異常度Tr、複数のライン別異常度Tlを含む参照異常度群Pとの合致率Cを算出する合致率算出部41を有する。そして、異常箇所推定部4は、合致率Cが合致判定閾値Vc以上となる参照異常度群Pに対応付けられた過去の異常個所の情報に基づいて、複数の熱交換器9における異常箇所を推定する。図3に示すように、合致率算出部41は、機器別異常度算出部2およびライン領域別異常度算出部3に接続されており、機器別異常度算出部2が算出した複数の機器別異常度Tr、および、ライン領域別異常度算出部3が算出した複数のライン別異常度Tl(対象異常度群E)をそれぞれ取得するよう構成される。また、合致率算出部41は記憶装置15に接続されており、記憶装置15から参照異常度群Pを取得する。
参照異常度群Pは、マハラノビス距離などの異常度Tに基づいて過去に異常が検知された際に、この過去の異常度Tの算出に用いた複数の異常時センサ値Sに基づいて算出される複数の機器別異常度Trおよび複数のライン別異常度Tlを含むと共に、この時の異常を引き起こした伝熱管9pの損傷が、煙道82に設置されたどの熱交換器9が有する伝熱管9pのどの箇所の損傷であったのかを示す過去の異常個所の情報が対応づけられている。幾つかの実施形態では、プラント異常箇所推定システム1は、参照異常度群Pと、参照異常度群Pに対応する過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶部16を、さらに備えていても良い。他の幾つかの実施形態では、プラント異常箇所推定システム1は、参照異常度群Pの算出に用いた過去の複数の異常時センサ値Sと、参照異常度群Pに対応する過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶部16を、さらに備えていても良く、この場合には、異常箇所推定部4が、過去異常時情報記憶部16から取得した過去の複数の異常時センサ値Sに基づいて参照異常度群Pを算出する。過去異常時情報記憶部16は外部記憶装置などの記憶装置15に形成されており、過去異常時情報記憶部16によって、参照異常度群Pおよび参照異常度群Pに対応する過去の異常個所の情報を、過去に生じた異常事象を示す情報として確実に保管することができる。
また、合致率Cは、対象異常度群Eと参照異常度群Pとがどの程度合致するかを定量的に示す指標であり、例えばその値が大きいほど、対象異常度群Eと参照異常度群Pとが合致すること(共通項目が多いこと)を示す指標である。そして、本実施形態では、機器別異常度Trおよびライン別異常度Tlの観点で対象異常度群Eと合致率Cが高い参照異常度群Pは、推定対象となる対象異常度群Eに対応する原因と一致または類似する可能性が高いと推定し、その参照異常度群Pに対応付けられた過去の異常個所付近に異常個所が存在すると推定する。図7に示す実施形態では、図7(a)が参照異常度群Pをマップ情報で示したものであり、この参照異常度群Pに対応づけられている過去の異常個所は、交差領域D53であった。そして、図7(b)に示す推定マップ情報Mに対応する対象異常度群Eとの合致率Cが高いものが、図7(a)で示すマップ情報に対応する参照異常度群Pであり、参照異常度群Pに基づいて、対象異常度群Eでは交差領域D53やその周辺に異常箇所が発生していると推定する。図7(b)の例では、実際に異常が見つかったのが交差領域D53であり、参照異常度群Pに対応する過去の異常個所の情報に基づいて、対象異常度群Eにおける異常個所が発生している領域を適切に絞りこむことができた例となる。
例えば、幾つかの実施形態では、合致率算出部41は、対象異常度群Eおよび参照異常度群Pの双方における複数の機器別異常度Trの大きい上位N個(N≦x)の機器同士および上位M個(M≦y)のライン領域同士を比較し、合致率Cを算出しても良い(図7参照)。より具体的には、幾つかの実施形態では、図7(c)に示すように、合致率Cは、対象異常度群Eおよび参照異常度群Pの双方において、上位N個の機器における各順位に属する機器が一致する数、および上位M個のライン領域Lにおける各順位に属するライン領域Lが一致する数の合計の、NおよびMの合計に対する割合であっても良い。図7に示す実施形態では、N=M=2としている。また、図7(c)に示すように、異常度Tのランキングは、参照異常度群Pでは第5ライン(1位)および第4ライン(2位)、1RH(1位)、4SH(2位)の順であり、対象異常度群Eでは、第6ライン(1位)および第7ライン(2位)、1RH(1位)、2RH(2位)の順である。よって、4つの項目のうち、対象異常度群Eおよび参照異常度群Pの双方で1RH(機器1位)のみが一致しているため、合致率Cは、C=1÷4=0.25(25%)と算出する。
上記構成によれば、対象異常度群Eと、過去に異常が発生した際の機器別異常度Trおよびライン別異常度Tlを含む参照異常度群Pとの合致率Cを算出すると共に、合致率Cが合致判定閾値Vc以上となる参照異常度群Pに基づいて異常箇所の推定を行う。機器別異常度Trおよびライン別異常度Tlの観点で対象異常度群Eと一致または類似する参照異常度群Pは、推定対象となる対象異常度群Eで示される異常の原因と一致または類似する可能性が高い。よって、合致率Cが合致判定閾値以上となる参照異常度群Pを得て、この参照異常度群Pに対応づけられている過去の異常箇所の情報が示す位置の付近に、対象異常度群Eに対応する異常個所が存在すると推定するなど、参照異常度群Pに基づいて異常箇所をさらに絞り込むことができる。
また、幾つかの実施形態では、図3に示すように、プラント異常箇所推定システム1は、複数のライン領域Lおよび複数の熱交換器9の煙道22内における配置に対応したマトリックスに対して、上位N個の機器および上位M個のライン領域L、および、異常箇所推定部4によって推定された異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報M(図7(b))を生成する推定マップ情報生成部5と、推定マップ情報Mを出力する出力部6と、をさらに備える。図3に示す実施形態では、出力部6は、推定マップ情報生成部5および表示装置18(図3ではディスプレイ装置)にそれぞれ接続されており、推定マップ情報生成部5が生成した推定マップ情報Mを表示装置18に出力する。この推定マップ情報Mは、表示装置18において、図7(b)に示すように、合致率Cの算出に用いた上位N個の機器および上位M個のライン領域Lを例えば色分けなどによって視覚的に識別可能に表示すると共に、異常箇所推定部4が推定した異常個所が含まれる交差領域(本実施形態ではD53)を視覚的に識別可能に表示するようになっている。推定マップ情報Mと共に、合致率Cや、参照異常度群Pおよびこの参照異常度群Pに対応する異常個所の情報でマップ情報を生成し、出力しても良い。
上記の構成によれば、推定マップ情報Mにより、異常箇所の推定結果を運転者、管理者などに視覚的に示すことができ、運転者、管理者により異常の被疑箇所を容易に把握できるように図ることができる。
また、幾つかの実施形態では、上述した参照異常度群Pは、上記の複数の異常時センサ値Sが取得されたプラント7(例えば、図3のプラントA)とは異なる他のプラント7(例えば、図3のプラントB)とが有する他の流路形成部材内に設置された他の複数のセンサの検出値に基づいて算出される。図3に示す実施形態では、プラント異常箇所推定システム1は、プラントAおよびプラントBで過去に生じた異常に対応する参照異常度群P、または、参照異常度群Pの算出に用いた過去の複数の異常時センサ値と、この過去の異常の異常個所の情報と過去異常時情報記憶部16に登録して、プラントAおよびプラントBの異常個所の推定に用いるようにしている。つまり、複数のプラント7でトラブル事例を共有している。
上記の構成によれば、他のプラント7で生じた異常に対応する参照異常度群Pを用いて異常箇所の推定を実行する。つまり、異常事例をプラント7間で共有しており、他プラント7で発生済の異常事例であって自プラント7で未発生である異常についても、異常箇所の推定を行うことができる。
次に、上述したプラント異常箇所推定システム1の処理に対応するプラント異常箇所推定方法について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るプラント異常箇所推定方法を示す図である。プラント異常箇所推定方法は、プラント7が有する流路形成部材(煙道82)内に設置された複数のセンサ(温度センサ84)の検出値に基づいて、流路形成部材内に設置された複数の機器(熱交換器9)における異常箇所を推定する方法であり、異常時センサ値取得ステップ(S1)と、機器別異常度算出ステップ(S2)と、ライン領域別異常度算出ステップ(S3)と、異常箇所推定ステップ(S4)と、を備える。図8のフローに従って説明する。
図8では、ステップS0において、過去異常時情報記憶ステップを実行する。過去異常時情報記憶ステップは、参照異常度群Pまたは参照異常度群Pの算出に用いた過去の複数の異常時センサ値Sと、参照異常度群Pに対応する過去の異常個所の情報とのセットを対応付けて記憶するステップである。過去異常時情報記憶ステップを実行することで、1以上の上記セットが上述した過去異常時情報記憶部16などに記憶される。
ステップS1において、異常時センサ値取得ステップを実行する。異常時センサ値取得ステップは、煙道82の内部において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される複数の温度センサ84の検出値であって、プラント7の異常が検知された際の検出値である複数の異常時センサ値Sを取得するステップである。異常時センサ値取得ステップは、上記の異常時センサ値取得部13が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS2において、機器別異常度算出ステップを実行する。機器別異常度算出ステップは、複数の温度センサ84の一部であって複数の熱交換器9の各々に設置された複数の温度センサ84でそれぞれ構成される機器別センサ群85の異常時センサ値Sに基づいて、複数の熱交換器9の各々の異常度(MD)である複数の機器別異常度Trをそれぞれ算出するステップである。機器別異常度算出ステップは、上記の機器別異常度算出部2が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS3において、ライン領域別異常度算出ステップを実行する。ライン領域別異常度算出ステップは、煙道82において流路方向に沿って広がると共に幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域Lを仮定し、複数のライン領域Lの各々に属する複数の温度センサ84の一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群86であって、複数のライン領域Lの各々に属する複数の熱交換器9の各々の部分に設置された少なくとも1つの温度センサ84でそれぞれ構成されるライン領域別センサ群86の異常時センサ値Sに基づいて、複数のライン領域Lの各々の異常度(MD)である複数のライン別異常度Tlをそれぞれ算出するステップである。ライン領域別異常度算出ステップは、上記のライン領域別異常度算出部3が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS4において、異常箇所推定ステップを実行する。異常箇所推定ステップは、複数の機器別異常度Trおよび複数のライン別異常度Tlに基づいて異常箇所を推定するステップである。異常箇所推定ステップは、上記の異常箇所推定部4が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS5において、推定マップ情報生成ステップを実行する。推定マップ情報生成ステップは、複数のライン領域Lおよび複数の熱交換器9の煙道22内における配置に対応したマトリックスに対して、上位N個の機器および上位M個のライン領域L、および、異常箇所推定部4によって推定された異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報M(図7(b))を生成するステップである。推定マップ情報生成ステップは、上記の推定マップ情報生成部5が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS6において、出力ステップを実行する。出力ステップは、推定結果を出力するステップであり、本実施形態では、推定マップ情報Mを出力するステップである。出力ステップは、上記の出力部6が行う処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上、上述した実施形態では、プラント異常箇所推定システム1について、ボイラ8が有する煙道82内に設置された複数の温度センサ84の検出値に基づいて、煙道82内に設置された複数の熱交換器9における異常箇所を推定する場合を例に説明した。ただし、本実施形態に本発明は限定されない。本発明は、排ガスGのような流体が流れる流路(流路形成部材によって形成される流路)に複数の機器が設置された場合に、温度やそれ以外の物理量を検出するための複数のセンサのセンサ値に基づいて異常個所を特定する場合にも適用可能である。
また、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 プラント異常箇所推定システム
11 運転データ収集部
12 異常監視部
13 異常時センサ値取得部
15 記憶装置
16 過去異常時情報記憶部
18 表示装置
2 機器別異常度算出部
3 ライン領域別異常度算出部
4 異常箇所推定部
41 合致率算出部
5 推定マップ情報生成部
6 出力部
7 プラント
8 ボイラ
81 火炉
82 煙道
82w 煙道の壁面
84 温度センサ
85 機器別センサ群
86 ライン領域別センサ群
9 熱交換器
9p 伝熱管
91 過熱器
92 再熱器
G 排ガス
D 運転データ
S 異常時センサ値
R 機器領域
L ライン領域
T 異常度
Tl ライン別異常度
Tr 機器別異常度
LR 交差領域
E 対象異常度群
P 参照異常度群
C 合致率
Vc 合致判定閾値
M 推定マップ情報

Claims (15)

  1. プラントが有する流路形成部材内に設置された複数のセンサの検出値に基づいて、前記流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を推定するプラント異常箇所推定システムであって、
    前記流路形成部材内において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される前記複数のセンサの検出値であって、前記プラントの異常が検知された際の前記検出値である複数の異常時センサ値を取得する異常時センサ値取得部と、
    前記複数のセンサの一部であって前記複数の機器の各々に設置された複数のセンサでそれぞれ構成される機器別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数の機器の各々の異常度である複数の機器別異常度をそれぞれ算出する機器別異常度算出部と、
    前記流路形成部材内において前記流路方向に沿って広がると共に前記幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域を仮定し、前記複数のライン領域の各々に属する、前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群であって、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数の機器の各々の部分に設置された少なくとも1つの前記センサでそれぞれ構成されるライン領域別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数のライン領域の各々の前記異常度である複数のライン別異常度をそれぞれ算出するライン領域別異常度算出部と、
    前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度に基づいて前記異常箇所を推定する異常箇所推定部と、を備えることを特徴とするプラント異常箇所推定システム。
  2. 前記異常箇所推定部は、
    前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度を含む対象異常度群と、異常が発生した際の過去の前記異常時センサ値に基づいて算出される前記複数の機器別異常度、前記複数のライン別異常度を含む参照異常度群との合致率を算出する合致率算出部を有し、
    前記合致率が合致判定閾値以上となる前記参照異常度群に対応づけられた前記過去の異常個所の情報に基づいて、前記複数の機器における前記異常箇所を推定することを特徴とする請求項1に記載のプラント異常箇所推定システム。
  3. 前記合致率算出部は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方における前記複数の機器別異常度の大きい上位N個の前記機器同士および前記上位M個の前記ライン領域同士を比較し、前記合致率を算出することを特徴とする請求項2に記載のプラント異常箇所推定システム。
  4. 前記合致率は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方において、前記上位N個の機器における各順位に属する前記機器が一致する数、および前記上位M個のライン領域における各順位に属する前記ライン領域が一致する数の合計の、前記Nおよび前記Mの合計に対する割合であることを特徴とする請求項3に記載のプラント異常箇所推定システム。
  5. 前記複数のライン領域および前記複数の機器の前記流路形成部材内における配置に対応したマトリックスに対して、前記上位N個の機器および前記上位M個のライン領域、および、前記異常箇所推定部によって推定された前記異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報を生成する推定マップ情報生成部と、
    前記推定マップ情報を出力する出力部と、をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載のプラント異常箇所推定システム。
  6. 前記参照異常度群または前記参照異常度群の算出に用いた過去の複数の異常時センサ値と、前記参照異常度群に対応する前記過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶部を、さらに備えることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のプラント異常箇所推定システム。
  7. 前記参照異常度群は、前記複数の異常時センサ値が取得されたプラントとは異なる他のプラントが有する他の流路形成部材内に設置された他の複数のセンサの検出値に基づいて算出されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のプラント異常箇所推定システム。
  8. 前記異常度は、マハラノビス距離であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のプラント異常箇所推定システム。
  9. プラントが有する流路形成部材内に設置された複数のセンサの検出値に基づいて、前記流路形成部材内に設置された複数の機器における異常箇所を推定するプラント異常箇所推定方法であって、
    前記流路形成部材内において流路方向および幅方向の各々に沿って設置される前記複数のセンサの検出値であって、前記プラントの異常が検知された際の前記検出値である複数の異常時センサ値を取得する異常時センサ値取得ステップと、
    前記複数の機器の各々に設置された前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される機器別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数の機器の各々の異常度である複数の機器別異常度をそれぞれ算出する機器別異常度算出ステップと、
    前記流路形成部材内において前記流路方向に沿って広がると共に前記幅方向にそれぞれ配列される複数のライン領域を仮定し、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数のセンサの一部でそれぞれ構成される複数のライン領域別センサ群であって、前記複数のライン領域の各々に属する前記複数の機器の各々の部分に設置された少なくとも1つの前記センサでそれぞれ構成されるライン領域別センサ群の前記異常時センサ値に基づいて、前記複数のライン領域の各々の前記異常度である複数のライン別異常度をそれぞれ算出するライン領域別異常度算出ステップと、
    前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度に基づいて前記異常箇所を推定する異常箇所推定ステップと、を備えることを特徴とするプラント異常箇所推定方法。
  10. 前記異常箇所推定ステップは、
    前記複数の機器別異常度および前記複数のライン別異常度を含む対象異常度群と、異常が発生した際の過去の前記異常時センサ値に基づいて算出される前記複数の機器別異常度、前記複数のライン別異常度を含む参照異常度群との合致率を算出する合致率算出ステップを有し、
    前記合致率が合致判定閾値以上となる前記参照異常度群に対応づけられた前記過去の異常個所の情報に基づいて、前記複数の機器における前記異常箇所を推定することを特徴とする請求項9に記載のプラント異常箇所推定方法。
  11. 前記合致率算出ステップは、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方における前記複数の機器別異常度の大きい上位N個の機器同士および前記上位M個のライン領域同士を比較し、前記合致率を算出することを特徴とする請求項10に記載のプラント異常箇所推定方法。
  12. 前記合致率は、前記対象異常度群および前記参照異常度群の双方において、前記上位N個の機器における各順位に属する前記機器が一致する数、および前記上位M個のライン領域における各順位に属する前記ライン領域が一致する数の合計の、前記Nおよび前記Mの合計に対する割合であることを特徴とする請求項11に記載のプラント異常箇所推定方法。
  13. 前記複数のライン領域および前記複数の機器の前記流路形成部材内における配置に対応したマトリックスに対して、前記上位N個の機器および前記上位M個のライン領域、および、前記異常箇所推定ステップによって推定された前記異常箇所をマッピングしたマップ情報である推定マップ情報を生成する推定マップ情報生成ステップと、
    前記推定マップ情報を出力する出力ステップと、をさらに備えることを特徴とする請求項11または12に記載のプラント異常箇所推定方法。
  14. 前記参照異常度群または前記参照異常度群の算出に用いた過去の複数の異常時センサ値と、前記参照異常度群に対応する前記過去の異常個所の情報とを対応付けて記憶する過去異常時情報記憶ステップを、さらに備えることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載のプラント異常箇所推定方法。
  15. 前記異常度は、マハラノビス距離であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載のプラント異常箇所推定方法。
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