JP2019048313A - スポット溶接用電極、溶接装置および溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】主に、被溶接材を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行う場合に、電極寿命を延ばし得るようにする。
【解決手段】スポット溶接用電極は、被溶接材2,3を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行う電極本体が、クロム銅で構成されると共に、CR型の先端部5を有している。先端部5のR部分7の曲率半径Rが、27mm≦R<75mmとなっている。
先端部5のR部分7の厚みtは、0.3mm<t≦0.9mmとしても良い。
先端部5のR部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sは、19.0mm≦S<34.8mmとしても良い。
先端部5のC部分6の傾斜角度αは、25°としても良い。
【選択図】図4

Description

この発明は、スポット溶接用電極、溶接装置および溶接方法に関するものである。
工業の各分野において、スポット溶接(または、重ね抵抗溶接、点溶接など)が行われている。このスポット溶接は、重ね合わせた金属部材(被溶接材)を、一対の電極の先端部で挟んで、加熱・溶接するものである。
スポット溶接で使われる電極(スポット溶接用電極)には様々なタイプの市販品が用意されており、これらの中から、被溶接材の材質や溶接の状況などに応じて最適なものを選択して使用することができる。また、例えば、特許文献1〜特許文献5のように、電極に対して様々な工夫を行ったものも知られている。
特開平4−118177号公報 特開平10−225776号公報 特開2001−179464号公報 特開2000−71078号公報 特開2006−55898号公報
例えば、被溶接材が、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板である場合、スポット溶接を行った時に、被溶接材からメッキ成分が溶け出して電極と合金化反応を起こすので、メッキが施されていない裸鋼板と比べて電極の先端部の損耗や変形が顕著に生じ、その分、電極の寿命が短くなるという問題があった。
また、上記特許文献1では、複合被覆板に適した電極を提案しているが、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板をスポット溶接する場合に電極の寿命を延ばすようなものではなかった。特許文献2では、電極の先端部に切欠きを設けるようにしているが、切欠きは加工に手間がかり、切削(ドレッシング)による再利用も困難であるため、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板をスポット溶接する場合などに採用するのは困難である。特許文献3では、スポット溶接におけるナゲット(溶融凝固部)の形成遅れを改善するために電極の先端部をD型にしているが、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板をスポット溶接する場合に電極の寿命を延ばすようなものではなかった。特許文献4および特許文献5では、圧痕や溶接チリの発生を防止するために上下の電極の先端部の曲率半径を異ならせるようにしているが、このようにした場合、異なる曲率半径の電極を各種用意しなければならず、その分、コストや手間がかかってしまう。
そこで、本発明は、主に、上記した問題点を解決することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、被溶接材を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行う電極本体が、クロム銅で構成されると共に、CR型の先端部を有し、該先端部のR部分の曲率半径Rが、27mm≦R<75mmであるスポット溶接用電極を特徴とする。
本発明によれば、上記構成によって、被溶接材を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行う場合に、電極寿命を延ばすことなどができる。
本実施の形態にかかる溶接装置を示す図である。 (a)はC型、(b)はR型、(c)は現行のCR型のスポット溶接用電極を示すものである。 図2(c)のCR型のスポット溶接用電極を用いた場合の、溶接回数による接合剪断強度(せん断強度)と接触面積との推移の状態を示すグラフである。 (a)はこの実施例にかかるCR型のスポット溶接用電極、(b)はこの実施例にかかる別のCR型のスポット溶接用電極、(a)は現行のCR型のスポット溶接用電極を示すものである。 図4(a)〜(c)の各CR型のスポット溶接用電極を用いた、溶接回数による接合剪断強度の推移の状態を示すグラフである。 図4(a)〜(c)の各CR型のスポット溶接用電極における、接合剪断強度と接触面積との関係を示すグラフである。
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図6は、この実施の形態を説明するためのものである。
<構成>以下、構成について説明する。
図1は、スポット溶接(重ね抵抗溶接、点溶接など)を行う溶接装置1を示すものである。スポット溶接は、重ね合わせた金属部材(被溶接材2,3)を、一対の電極4の先端部5で挟んだ状態にして、一対の電極4間に通電を行う(電流を印加する)ことで、被溶接材2,3を加熱・溶接するものである。
スポット溶接のための電極4(スポット溶接用電極)には、例えば、図2(a)に示すようなC型(円錐台型)のものや、図2(b)に示すようなR型(ラジアス型)のものや、図2(c)に示すようなC部分6(円錐台部)とR部分7(ラジアス部)とを有するCR型(円錐台ラジアス型)のものなど、様々なタイプのものが市販されている。そして、市販されている電極4の中から、被溶接材2,3の材質や溶接の状況などに応じて最適なものを選択して使用するのが一般的である。
そこで、被溶接材2,3を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板として、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板に対し、例えば、図2(a)のC型の電極4と、図2(c)のCR型の電極4とを用いて、実際にスポット溶接を行って比べてみたところ、例えば、CR型の電極4は接合剪断強度が66kNとなったのに対し、C型の電極4は接合剪断強度が22kNとなった。よって、C型の電極4よりも、CR型の電極4の方が、溶接接合部により大きな接合剪断強度(または、せん断強度)が得られることが確認され、少なくとも、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板をスポット溶接する場合には、CR型の電極4を用いるのが良いということが分かった。
しかし、一般的に入手できるCR型の電極4を用いて、例えば、総厚の大きい(6.3mm〜10mm)亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板に対してスポット溶接を行ったところ、電極寿命が十分ではなかったので、電極寿命を延ばすことが求められている。
そこで、上記したCR型の電極4について調べたところ、図3に示すように、スポット溶接用電極は、溶接を繰り返すことによって、その先端部5が(溶解や、変形や、劣化などで)消耗して被溶接材2,3との接触面積が大きくなって行き、これに伴って、溶接接合部の接合剪断強度が低下して行くことが確認された。
よって、被溶接材2,3に対する接触面積の増大と、溶接接合部の接合剪断強度の低下との間には、明らかに相関関係が存在している。また、接触面積や、溶接接合部の接合剪断強度は、上記したC型の電極4とCR型の電極4との比較から、R部分7の有無やR部分7の曲率半径Rの大きさが影響していると推測される。そして、現状のCR型の電極4は、R部分7の曲率半径Rが75mm(R75)となっている。
なお、電極4の先端部5の径(先端径)は、通電径として規定され、ナゲット径とほぼ一致する。一般的な電極4の先端径は、6Φ〜10Φなどとなっているが、総厚の大きい(総厚:6.3mm〜10mm)亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板に対してスポット溶接を行う場合には、必要なナゲット径は一般的なものよりも大きくなるため、電極4の先端径についても14Φなどに大径化することが望まれている。
そこで、この実施例では、スポット溶接用電極を以下のような構成にする。
(1)被溶接材2,3を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行うためのスポット溶接用電極(電極4)の電極本体を、クロム銅で構成する。そして、図4に示すように、電極本体は、CR型の先端部5を有するものとする。更に、先端部5のR部分7の曲率半径Rを、27mm≦R<75mmとする。
ここで、図4(a)は、この実施例にかかるスポット溶接用電極であり、R部分7の曲率半径Rを27mmとしたもの(R27)である。図4(b)は、この実施例にかかる別のスポット溶接用電極であり、R部分7の曲率半径Rを40mmとしたもの(R40)である。図4(c)は、比較例となる現行のCR型の電極4であり、R部分7の曲率半径Rは75mm(R75)となっている。
そして、これらの各スポット溶接用電極を用いて、被溶接材2,3としての亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板に対し、実際にスポット溶接を行って比べてみたところ、溶接を繰り返すことによる溶接接合部の接合剪断強度の推移は、図5に示すようになった。
この時の溶接の条件は、以下の通りである。
対象鋼板:亜鉛メッキ鋼板(ZAMメッキt3.2‐4.0t継手) 対象板厚(重ね継手の総厚):6.3〜10mm 溶接回数:200回 電流値:18.5kA 加圧:9kN スクイス゛時間:35cylce スローフ゜時間:3cycle 通電時間:115cycle ホールト゛時間:50cycle
図5によれば、曲率半径Rが小さいスポット溶接用電極ほど、接合剪断強度の推移を示す線の位置が高くなり、また、線の勾配も緩やかになることが確認された。即ち、R27、R40、R75の順に接合剪断強度が高くなり、また、R27、R40、R75の順に一回の溶接ごとの接合剪断強度の低下も少なくなっていることが確認された(R27(−2kN)<R40(−4kN)<R75(−5kN)。
そして、電極寿命となる接合剪断強度の値を基準強度(図5の破線)とした場合に、R75の電極4に対して、R40の電極4は50回以上、また、R27の電極4は100回以上、電極寿命が長くなることが確認された。
また、各スポット溶接用電極にほぼ共通する事項として、第50回目の溶接の周辺(溶接初期の頃)において、第1回目の溶接と第200回目の溶接とを直線で結んだ接合剪断強度の平均推移線(図5の細線)よりも実際の接合剪断強度の方が高くなる傾向があることが確認された。これは、溶接初期には被溶接材2,3に対する接触面積がまだ小さいため、電流密度が高まって、ナゲット9(溶融凝固部:図1参照)の形成速度が早まることから、ナゲット9が効率良く形成されるためではないかと推測される。
なお、電極4の先端部5のR部分7の曲率半径Rを27mmまでとしたのは、図6に示すように、曲率半径Rが小さくなるに従ってチリや溶着などの発生が多くなって行くため、曲率半径Rを27mmよりも小さくすることは現実的には難しいと判断したことによる。
(2)CR型の電極4の先端部5のR部分7の厚みtは、0.3mm<t≦0.9mmとしても良い。
ここで、図4(a)に示すように、R部分7の曲率半径Rを27mmとしたスポット溶接用電極(R27)の場合、R部分7の厚みtは、0.9mmとなる。また、図4(b)に示すように、R部分7の曲率半径Rを40mmとした別のスポット溶接用電極(R40)の場合、R部分7の厚みtは、0.6mmとなる。これに対し、図4(c)に示すように、R部分7の曲率半径Rが75mmのCR型の電極4(R75)の場合、R部分7の厚みtは、0.3mmとなっている。
このように、R部分7の厚みtを現行のCR型の電極4のものよりも厚くする(増厚する)ことで、R部分7の増厚分だけ、電極4が寿命に達するまでに消耗できる部分の量(消耗可能代)を増やすことができる。
(3)CR型の電極4の先端部5のR部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sは、19.0mm≦S<34.8mmとしても良い。
ここで、図4(a)に示すように、R部分7の曲率半径Rを27mmとしたスポット溶接用電極(R27)の場合、R部分7の被溶接材2,3に対する初期の接触面積Sは、19.0mmとなる。また、図4(b)に示すように、R部分7の曲率半径Rを40mmとした別のスポット溶接用電極(R40)の場合、R部分7の被溶接材2,3に対する初期の接触面積Sは、23.5mmとなる。これに対し、図4(c)に示すように、R部分7の曲率半径Rが75mmのCR型の電極4(R75)の場合、R部分7の被溶接材2,3に対する初期の接触面積Sは、34.8mmとなっている。
このように、R部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sを現行のCR型の電極4のものよりも小さくすることで、電流密度を高くすることが可能になる。
なお、上記した第50回目の溶接の時点での被溶接材2,3に対する各スポット溶接用電極の接触面積を計測したところ、R27は74mm、R40は81mm、R75は86mmとなって、初期接触面積が小さくなっていた。このように、初期接触面積が小さくなることによって、電流密度が高まり、ナゲット9の形成速度が早まるので、より効率的にナゲット9が形成することが可能となる。
(4)CR型の電極4の先端部5のC部分6の傾斜角度αは、25°としても良い。
ここで、先端部5のC部分6の傾斜角度αは、円錐台状のC部分6の外周面(錐面)の、C部分6の底面に対する角度のことである。これにより、C部分6の先端部5の径を、一般的な先端径(6Φ〜10Φ)よりも大きくしたり(14Φ)、先端部5のR部分7の曲率半径Rや厚みtや接触面積Sを上記したように設定したりするのに有利となる。
なお、C部分6の先端部5の径を14Φなどに設定したのは、一般的なものよりも総厚が大きい(6.3mm〜10mm)、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板からなる被溶接材2,3に対して十分な大きさのナゲット9を形成できるようにするためである。
(5)そして、溶接装置1は、上記したスポット溶接用電極(電極4)を備えるようにしても良い。
ここで、溶接装置1は、図1に示すように、重ね合わせた被溶接材2,3の両面に対向配置可能なスポット溶接用電極(電極4)を設けると共に、一対のスポット溶接用電極間に、溶接電源11を接続したものなどとなる。一対のスポット溶接用電極には、同じ形状および大きさのものが使われる。
溶接装置1は、例えば、ユニット工法で使われる鉄骨系の建物ユニットを組立てる際などに用いられる。建物ユニットの骨組みとなるユニットフレームには、亜鉛メッキ鋼板や亜鉛メッキ系鋼板などでできた柱や梁(天井梁、床梁)などが使用される。ユニットフレームを構成する柱や梁は、厚肉であるため、一般的にスポット溶接が行われる被溶接材2,3よりも総厚が大きなものとなる(6.3mm〜10mm)。但し、溶接装置1の使用対象は、ユニットフレームに限るものではない。
(6)上記したスポット溶接用電極(電極4)を備えた溶接装置1を用いて溶接を行う。
ここで、溶接方法は、例えば、亜鉛メッキ鋼板や亜鉛メッキ系鋼板などでできた建物ユニットの柱に取付けたジョイントピース(接続部材)と梁とをスポット溶接してユニットフレームを構築するものなどとなる。但し、溶接方法の適用対象は、ユニットフレームに限るものではない。
<作用効果>この実施例によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(作用効果1)被溶接材2,3に対してスポット溶接を行うスポット溶接用電極(電極4)の電極本体を、クロム銅で構成した。これにより、被溶接材2,3が亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板である場合でも、スポット溶接によって被溶接材2,3から溶け出したメッキ成分が電極4(の電極本体)と合金化反応を起こし難くなるため、電極本体の先端部5の損耗や変形を抑制することができる。よって、亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板に対してスポット溶接を行うのに適したスポット溶接用電極を得ることができる。
また、スポット溶接用電極(電極4)の電極本体が、CR型の先端部5を有するようにした。これにより、C型の電極4のメリット(例えば、先端形状の維持性の良さなど)とR型の電極4のメリット(例えば、先端形状を切削処理するためのドレッシング作業性の良さや、一対の電極4どうしの加圧軸の芯ズレに対する補償特性の良さや、電極4と被溶接材2,3との接触角のズレに対する補償特性の良さなど)とを合わせ持つことができる。
更に、CR型の電極4の先端部5のR部分7の曲率半径Rを、27mm≦R<75mmとした。これにより、現行のCR型の電極4(例えば、R75)よりもR部分7の曲率半径Rが小さい最適な形状の電極4を得ることができる。
そして、スポット溶接用電極では、適正なナゲット9が得られなくなって、溶接接合部の接合剪断強度が基準値を下回るようになった時点が寿命となる。
この際、スポット溶接用電極は、溶接を繰り返すことによって先端部5が消耗(溶解や、変形や、劣化など)してR部分7の曲率半径Rが徐々に大きくなって行き、これに伴って溶接接合部の接合剪断強度が徐々に低下して行く。よって、R部分7の曲率半径Rの増大と、溶接接合部の接合剪断強度の低下との間には、相関関係が存在すると考えられる。
そこで、R部分7の曲率半径Rを27mm≦R<75mmにすることで、上記したように、現行のCR型の電極4(例えば、R75)よりもR部分7の曲率半径Rが小さくなるので、その分、電極4が寿命に達するまでに曲率半径Rが変化し得る範囲(拡径可能代)を大きく確保することができる。これにより、スポット溶接用電極は、長期間の使用に対して溶接接合部に安定した接合剪断強度が得られるものとなり、その分、電極寿命を延ばす(延命する)ことができる。
また、R部分7の曲率半径Rが、27mm≦R<75mmのものを使用するだけで電極寿命を延ばすことができるので、特殊な形状の電極4を用いたり、電極4の先端部5を加工したりすることなくそのまま使用することができ、特別な手間やコストがかからない。また、上下とも同じ電極4を使用することができるので、余計な手間やコストがかかることもない。
このように、電極寿命が延びることで、スポット溶接用電極の交換回数を減らして、溶接効率を上げ、溶接コストを下げることができる。
(作用効果2)CR型の電極4の先端部5のR部分7の厚みtは、0.3mm<t≦0.9mmとしても良い。このように、R部分7の厚みtを、0.3mm<t≦0.9mmにすることで、現行のCR型の電極4(例えば、R75)よりもR部分7の厚みtが厚くなる(増厚する)。そのため、R部分7の増厚分だけ、電極4が寿命に達するまでに消耗し得る部分の量(消耗可能代)を増やすことができる。よって、電極寿命を延ばすことが可能になる。また、R部分7の厚みtが大きいこと、または、消耗可能代が大きいこと自体が電極消耗の抑制に寄与することも期待できる。
そして、電極4の消耗可能代が大きいことから、電極寿命となる(接合剪断強度の)基準強度に対して余裕または余力があるので、例えば、意図的に印加電流を増加させてナゲット9の形成促進を図るといったような、これまでになかった通電の仕方の工夫が可能になる。これにより、溶接時間を短縮して、電極寿命の延長を図れるような新たな通電の仕方を開発することなども可能になる。
(作用効果3)CR型の電極4の先端部5のR部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sは、19.0mm≦S<34.8mmとしても良い。このように、R部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sを、19.0mm≦S<34.8mmにすることで、現行のCR型の電極4(例えば、R75)よりもR部分7の被溶接材2,3に対する接触面積Sを小さくすることができる。そのため、電流密度が上昇して、ナゲット9の形成速度が早まるので、効率良く大きなナゲット9を形成することができるようになる、または、印加電流を低くしても適正な大きさのナゲット9を形成することができるようになる。これらによって、電極寿命を延ばすことができる。
(作用効果4)CR型の電極4の先端部5のC部分6の傾斜角度αは、25°としても良い。このように、先端部5のC部分6の傾斜角度αを、25°にすることで、先端部5のR部を上記した形状にし易くすることなどができる。
(作用効果5)溶接装置1は、上記したスポット溶接用電極(電極4)を備えることで、上記したスポット溶接用電極と同様の作用効果(例えば、電極4の延命効果など)を得ることができる。
(作用効果6)溶接方法は、上記したスポット溶接用電極を用いることで、上記したスポット溶接用電極と同様の作用効果(例えば、電極4の延命効果など)を得ることができる。
以上、この発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、実施の形態はこの発明の例示にしか過ぎないものである。よって、この発明は実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施の形態に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、実施の形態に複数の実施例や変形例がこの発明のものとして開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
1 溶接装置
2 被溶接材
3 被溶接材
4 電極
5 先端部
6 C部分
7 R部分
R 曲率半径
S 接触面積
t 厚み
α 傾斜角度

Claims (6)

  1. 被溶接材を亜鉛メッキ鋼板または亜鉛メッキ系鋼板としてスポット溶接を行う電極本体が、クロム銅で構成されると共に、CR型の先端部を有し、該先端部のR部分の曲率半径Rが、27mm≦R<75mmであることを特徴とするスポット溶接用電極。
  2. 請求項1に記載のスポット溶接用電極において、
    前記R部分の厚みtが、0.3mm<t≦0.9mmとなっていることを特徴とするスポット溶接用電極。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスポット溶接用電極において、
    前記R部分の被溶接材に対する接触面積Sが、19.0mm≦S<34.8mmとなっていることを特徴とするスポット溶接用電極。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスポット溶接用電極において、
    前記先端部のC部分の傾斜角度αが、25°となっていることを特徴とするスポット溶接用電極。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のスポット溶接用電極を備えたことを特徴とする溶接装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のスポット溶接用電極を用いたことを特徴とする溶接方法。
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