JP2019048268A - 車両用排ガス浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、加熱効率と排ガス浄化率の両方を向上させた車両用排ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明は、基材と基材にコートされているマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層とを有する排ガス浄化触媒と、排ガスの流れ方向に対して排ガス浄化触媒の前方に位置するマイクロ波吸収材を加熱するためのマイクロ波発生装置と、を備える車両用排ガス浄化装置であって、排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さM(単位:m)とマイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が、0.40〜0.80である、前記車両用排ガス浄化装置に関する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用排ガス浄化装置、特にマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含む排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置に関するものである。
自動車などの内燃機関から排出される排ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)などの有害成分が含まれており、これらの有害成分は排ガス浄化触媒によって浄化されてから大気中に放出されている。
有害成分を浄化するために必要な排ガス浄化触媒の温度は、一般に200℃以上である。そのため、排ガス浄化触媒の加熱には、排ガスの熱が利用される。
しかしながら、エンジンのコールドスタート直後など、排ガス浄化触媒の温度が浄化に必要な温度に達していない場合には、排ガス浄化触媒の活性が不十分であり、未浄化の有害成分(冷間エミッションともいう)が環境中に排出されてしまう恐れがある。また、近年の環境性能を考慮した自動車では、排ガス温度を低下させる傾向にあり、このため、排ガスの熱を利用しても、排ガス浄化触媒の温度を浄化に必要な温度まで加熱できない場合がある。
このような問題を解決するため、例えば、特許文献1には、燃焼排気ガス流入口と排出口とを有する触媒チャンバー及び該チャンバー中に保持された燃焼排気ガス浄化触媒成形体を含む装置であって、前記チャンバー中に、金属酸化物を含む加熱材が前記燃焼排気ガス浄化触媒成形体と接触するように保持され、かつ前記チャンバーに、電磁波が前記加熱材に照射されるように電磁波発生部を設けたことを特徴とする燃焼排気ガス浄化装置が開示されており、燃焼排気ガス浄化触媒としては、白金・ロジウム・パラジウム系の三元触媒が例示されており、金属酸化物を含む加熱材としては、ペロブスカイト型複合酸化物が例示されている。
特許文献2には、マイクロ波が照射され、且つ、内部に形成された複数の孔を介して排気ガスを流通させる基材の当該孔の内面に設けられる排気ガス浄化用の触媒材料であって、マイクロ波を吸収して発熱することが可能な磁性酸化物粒子と、前記磁性酸化物粒子の表面を被覆する触媒担持コート材と、を有し、前記触媒担持コート材は、触媒担持酸化物と、前記触媒担持酸化物に担持されたPt、Pd、Rhのうち少なくとも一種と、を有することを特徴とするマイクロ波加熱用触媒材料が開示されており、マイクロ波加熱用触媒材料としては三元触媒が例示されており、さらに、磁性酸化物粒子において、自律的にマイクロ波による加熱が停止するキュリー温度を規定することにより、貴金属粒子のシンタリングによる触媒性能の劣化を抑制することが記載されている。
特開平5−171926号公報 特開2016−187766号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2などの従来技術では、マイクロ波を利用する排ガス浄化装置の詳細な構成・形状が記載されていない。
また、従来技術では、マイクロ波を10秒照射することによって、排ガス浄化触媒を200℃昇温するマイクロ波加熱を想定している。標準的なマイクロ波の出力である1kWでは、前記条件において、(1kW×10秒=)10kJのエネルギーが熱に変わる。すなわち、10kJのエネルギーによって200℃昇温するため、触媒熱容量は(10000J÷200K=)50J/Kとなる。したがって、触媒の比熱及び密度を考慮すると、触媒容量は、約120cc以下になる。このような非常に小さい容量の触媒では、排ガスは、十分に浄化されないまま、触媒中を吹き抜けてしまう。
一方で、浄化性能を向上するために、単に触媒容量を大きくしても、触媒の暖機性能、すなわち、マイクロ波の照射エネルギーに対する加熱効率を上げることはできない。例えば、排ガス浄化触媒の排ガスの流れ方向の長さを長くすることで触媒容量を大きくした排ガス浄化触媒では、マイクロ波発生装置から遠く離れた箇所にはマイクロ波が到達せず、したがって、該箇所は、マイクロ波吸収材がコートされていても、マイクロ波の吸収が起こらず、加熱されない。排ガス浄化触媒の排ガスの流れ方向の長さを短くすると、マイクロ波の吸収効率が良くなるが、触媒容量が小さくなってしまい、前記と同様、排ガスが吹き抜けて浄化性能が不足してしまう。
したがって、本発明は、加熱効率と排ガス浄化率の両方を向上させた車両用排ガス浄化装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、マイクロ波により加熱を行う排ガス浄化触媒を備える車両用排ガス浄化装置において、マイクロ波の吸収効率に適するように、排ガス浄化触媒の排ガスの流れ方向の長さをマイクロ波の波長に基づいて決定することによって、排ガス浄化装置の加熱効率と排ガス浄化率の両方を向上させることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)基材と基材にコートされているマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層とを有する排ガス浄化触媒と、
排ガスの流れ方向に対して排ガス浄化触媒の前方に位置するマイクロ波吸収材を加熱するためのマイクロ波発生装置と、
を備える車両用排ガス浄化装置であって、
排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さM(単位:m)とマイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が、0.40〜0.80である、
前記車両用排ガス浄化装置。
本発明により、加熱効率と排ガス浄化率の両方を向上させた車両用排ガス浄化装置を提供することが可能となる。
本発明の排ガス浄化触媒の排ガスの流れ方向の長さの一実施形態を示す図である。 本発明の車両用排ガス浄化装置の一実施形態を示す図である。 本発明の車両用排ガス浄化装置の一実施形態を示す図である。 実施例1及び2並びに比較例1〜3において調製した車両用排ガス浄化装置について、(排ガス浄化触媒の触媒長M/マイクロ波の波長λ)に対するマイクロ波による昇温の結果を示す図である。 実施例1及び2並びに比較例1〜3において調製した排ガス浄化触媒ついて、(排ガス浄化触媒の触媒長M/マイクロ波の波長λ)に対するHC−NOxクロス浄化率の結果を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の車両用排ガス浄化装置は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、基材と基材にコートされているマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層とを有する排ガス浄化触媒と、排ガスの流れ方向に対して排ガス浄化触媒の前方に位置するマイクロ波吸収材を加熱するためのマイクロ波発生装置と、を備える車両用排ガス浄化装置であって、排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さM(本明細書等では、単に「排ガス浄化触媒の触媒長M」ともいう)(単位:m)とマイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の波長λ(本明細書等では、単に「マイクロ波の波長λ」ともいう)(単位:m)の比(M/λ)が特定の値に調整されている車両用排ガス浄化装置に関する。
本発明において、排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)は、マイクロ波の波長λ(単位:m)により決定される。
ここで、排ガス浄化触媒の触媒長Mの一例として、図1に、ハニカム形状のモノリス基材を含む排ガス浄化触媒における、マイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さM(排ガス浄化触媒の触媒長M)(1)を示す。
マイクロ波の波長λ(単位:m)は、マイクロ波の周波数及び光の速度から、以下の式により求めることができる。
マイクロ波の波長λ(単位:m)=光の速度(≒3.0×10)(m/s)÷マイクロ波の周波数(Hz=s−1
例えば、マイクロ波の周波数が2.45GHzの場合、マイクロ波の波長λは、前記式に各値を代入して、0.122(m)と求めることができる。
マイクロ波の波長λ=(3.0×10)÷(2.45×10)=0.122(m)
マイクロ波発生装置から発生するマイクロ波の周波数は、適宜変更することができ、限定されないが、通常1.5GHz〜3GHz、好ましくは2GHz〜2.5GHzである。本発明では、マイクロ波の周波数として、工業用マイクロ波電源の周波数である2.45GHzを使用することがより好ましい。
本発明において、排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)は、0.40〜0.80、好ましくは0.45〜0.75、より好ましくは0.49〜0.70に調整される。
M/λが0.80以下、すなわち、排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さが、照射されるマイクロ波の波長の0.80倍以下であれば、マイクロ波は排ガス浄化触媒のマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされているいずれの箇所にも到達することができるため、マイクロ波の加熱効率を向上することができる。したがって、排ガス浄化触媒が低温下であっても、該触媒をマイクロ波によって好適に暖機することができ、排ガス浄化性能を向上することができる。
M/λが0.40以上、すなわち、排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さが、照射されるマイクロ波の波長の0.40倍以上であれば、排ガスは排ガス浄化触媒中において加熱されたマイクロ波吸収材からの熱により活性化された貴金属担持触媒により十分に浄化されるため、排ガスの浄化性能を向上することができる。
本発明における他の条件について以下に詳細を説明する。
本発明において、基材とは、コート層が塗布される材料であり、例えば、以下に限定されないが、公知のハニカム形状を有する基材、例えば、ハニカム形状のモノリス基材でセル形状は六角や四角などである。このような基材の材質は、マイクロ波を反射してしまう金属以外で、セラミックス、例えば、コージェライト、シリカ、アルミナ及びムライト、、炭化ケイ素などがある。また、ハニカム形状のモノリス基材のセル数は、限定されないが、通常1平方インチ当たり300個〜900個、好ましくは1平方インチ当たり400個〜750個である。本発明では、基材として、1平方インチ当たり400個〜750個のセルを有するコージェライトからなるハニカム形状のモノリス基材を使用することが好ましい。
基材の排ガスの流れ方向の長さは、実質的に排ガス浄化触媒の排ガスの流れ方向の長さに一致し、前記で説明する通りマイクロ波の波長により決定されるが、通常40mm〜120mm、好ましくは50mm〜90mmである。
基材の排ガス流入口の直径(基材の排ガス流入口の形状が円でない場合には、円相当直径)は、所望の触媒容量に応じて適宜変更することができ、限定されないが、通常40mm〜120mm、好ましくは50mm〜110mmである。
基材の容量は、前記で説明する排ガス浄化触媒の触媒長Mとマイクロ波の波長λの関係を満たす限り、限定されないが、通常0.3L〜1.2L、好ましくは0.4L〜0.8Lである。
基材として前記で説明する材料を使用することにより、排ガスを浄化するために十分な排ガスの流通経路を確保し、基材に塗布した触媒成分との反応を確保する。また、マイクロ波を吸収する成分を触媒成分と同様に保持し、昇温を確保する。
本発明において、基材にコートされているコート層は、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含む。
マイクロ波吸収材とは、マイクロ波を吸収し、熱に変換して発熱する材料であり、例えば、以下に限定されないが、ペロブスカイト型複合酸化物、例えば、ランタン(La)・コバルト(Co)系複合酸化物、ストロンチウム(Sr)・コバルト系複合酸化物及びランタン・ストロンチウム・コバルト系複合酸化物、フェライト(酸化鉄を含む)、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ニッケル、硼化ジルコニウム、炭化ケイ素(SiC)、例えば、β−SiCなどがある。本発明では、マイクロ波吸収材として、炭化ケイ素、特にβ−SiCを使用することが好ましい。
マイクロ波吸収材のXRDによる粒径は、限定されないが、通常0.1μm〜10μm、好ましくは0.5μm〜5μmである。
マイクロ波吸収材のBETによる比表面積は、限定されないが、通常2m/g〜100m/g、好ましくは5m/g〜30m/gである。
マイクロ波吸収材の量は、限定されないが、排ガス浄化触媒の総重量に基づいて、通常10重量%〜35重量%、好ましくは15重量%〜25重量%である。
マイクロ波吸収材として前記で説明する材料を使用することにより、マイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波を効率よく吸収し、熱に変換することができる。
貴金属担持触媒とは、貴金属が担体に担持されている触媒である。
ここで、担体とは、主触媒として機能する貴金属を担持する材料であり、例えば、以下に限定されないが、金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム(Al、アルミナ)、酸化セリウム(CeO、セリア)、酸化ジルコニウム(ZrO、ジルコニア)、酸化珪素(SiO、シリカ)、酸化イットリウム(Y、イットリア)、酸化ネオジム(Nd)、及びこれらからなる複合酸化物などがある。本発明では、担体として、CeOとZrOの複合酸化物及びAlを使用することが好ましい。
貴金属とは、排ガス中の有害成分を浄化することができる主触媒として機能する材料であり、例えば、以下に限定されないが、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、金(Au)、銀(Ag)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、及びこれらの混合物がある。本発明では、貴金属として、Pt、Pd及びRhからなる群から選択される少なくとも1つを使用することが好ましい。
担体に担持される貴金属の量は、限定されないが、貴金属換算で、担体総重量に基づいて、通常0.2重量%〜2.0重量%、好ましくは0.4重量%〜1.0重量%である。
貴金属担持触媒の量は、限定されないが、排ガス浄化触媒の総重量に基づいて、通常35重量%〜60重量%、好ましくは45重量%〜56重量%である。
貴金属担持触媒は、従来の製造方法により製造することができる。例えば、貴金属担持触媒は、5℃〜30℃において、水中に、担体と、貴金属の塩酸塩や硝酸塩などの貴金属前駆体とを添加し、撹拌機により撹拌しながら、均一に分散させ、その後、蒸発乾固などの乾燥、場合により粉砕、さらに大気中において、例えば450℃〜550℃で、0.5時間〜1.5時間焼成を行うことにより製造される。粉砕には従来の粉砕技術、例えば乳鉢、ハンマーミル、ボールミル、ビーズミル、ジェットミル、ローラーミルなど、乾式、湿式を問わず用いることができる。
貴金属担持触媒として前記で説明する材料を使用することにより、排ガス中の有害成分を効率よく浄化することができる。
コート層は、少なくとも1層、例えば、1層、2層及び3層以上である。例えば、コート層は、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含む1層からなる。あるいは、コート層は、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒をそれぞれ別々の層に含む2層からなる。本発明では、コート層として、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含む1層からなるコート層を使用することが好ましい。
基材にコートされているコート層全てを合わせた厚さは、限定されないが、通常50μm〜150μm、好ましくは80μm〜120μmである。
コート層の厚さとして前記で説明する厚さを使用することにより、コート層に含まれるマイクロ波吸収材はマイクロ波と効率よく接触することができ、その結果、マイクロ波の効率的な吸収、熱への変換につながり、コート層に含まれる貴金属担持触媒は排ガスと効率よく接触することができ、その結果、排ガスの効率的な浄化につながる。
マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒のコート層中における相対関係は、前記で説明する排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さMとマイクロ波の波長λの関係を満たす限り、限定されない。例えば、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒は、コート層中で、別々に存在することができ、例えば1層からなるコート層中で、マイクロ波吸収材を含むコート層と貴金属担持触媒を含むコート層は、水平に並んで存在することができる。
本発明では、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒は、マイクロ波により加熱されたマイクロ波吸収材が貴金属担持触媒を効率的に加熱することができるようにするため、1層からなるコート層中において均一に混合されている状態が好ましい。
本発明において、排ガス浄化触媒は、前記で説明する材料を使用して、基材上にマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層を形成することにより製造することができ、コート層の形成は、従来のコーティング技術により実施することができる。例えば、排ガス浄化触媒は、コートする部分以外をマスキングした基材上に、マイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層スラリーをウォッシュコートして被覆し、余分なスラリーを吹き払った後、例えば、大気中、120℃〜150℃で、0.5時間〜1.5時間乾燥して溶剤分を除去し、大気中、450℃〜550℃で1時間〜2時間焼成を行い、コート層を形成させ、製造することができる。排ガス浄化触媒において、基材上に2層以上のコート層を形成する場合は、前記コート層の形成を繰り返せばよい。例えば、マイクロ波吸収材を下層に含み、貴金属担持触媒を上層に含む2層からなるコート層を形成する場合は、まず、マイクロ波吸収材を含むコート層スラリーを使用して、前記コート層の形成を行い、その後、貴金属担持触媒を含むコート層スラリーを使用して、再度、前記コート層の形成を行えばよい。
本発明において、マイクロ波発生装置とは、マイクロ波吸収材が吸収し得るマイクロ波を発生する装置を示し、排ガスの流れ方向に対して排ガス浄化触媒の前方に位置する。
ここで、マイクロ波発生装置は、排ガスの流れ方向に対する排ガス浄化触媒の前方において、マイクロ波吸収材がコートされている基材を有する排ガス浄化触媒に向かってマイクロ波を照射できる位置、すなわち、排ガスの流れ方向に対して水平(排ガス流入口と排ガス浄化触媒の中心とを結んだ線と、マイクロ波発生装置のマイクロ波照射口と排ガス浄化触媒の中心とを結んだ線により形成される角度(本明細書等では、マイクロ波照射角度ともいう)=0°)から排ガスの流れ方向に対して垂直(マイクロ波照射角度=90°)の間に位置すれば限定されない。マイクロ波照射角度は、通常30°〜90°、好ましくは45°〜90°である。
マイクロ波発生装置の位置を前記で説明する位置にすることにより、マイクロ波を効率よく排ガス浄化触媒に照射することができる。
マイクロ波発生装置の出力は、使用する車両用排ガス浄化装置の規模や、所望する暖機性能などにより適宜変更することができ、限定されないが、通常200W〜10kW、好ましくは500W〜2kWである。また、マイクロ波発生装置は、シングルモード、マルチモードともに使用可能である。本発明は、シングルモードで実施することが好ましい。
図2には、本発明の車両用排ガス浄化装置(8)の一実施形態を示す。図2では、排ガス浄化触媒(3)と、排ガスの流れ方向(5)に対して排ガス浄化触媒(3)の前方に位置するマイクロ波吸収材を加熱するためのマイクロ波発生装置(2)と、を備える車両用排ガス浄化装置(8)が示されており、排ガス浄化触媒の触媒長M(1)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)は、前記で説明した特定の値に調整されている。排ガスは、排ガス流入管(6)から車両用排ガス浄化装置(8)に入り、排ガス浄化触媒(3)を通って、排ガス流出管(7)から排出される。図2では、マイクロ波照射角度(4)は、約45°である。
図3には、本発明の車両用排ガス浄化装置の一実施形態を示す。図3では、図2で示した車両用排ガス浄化装置の排ガスの流れ方向に対して後方に、別の触媒が設置されている。別の触媒を設置することにより、浄化性能をさらに向上することができる。
本発明の排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置は、当該技術分野において従来知られている車両用排ガス浄化装置に使用することができ、限定されないが、ガソリン車のエンジン、ハイブリッド車のエンジン及びプラグインハイブリッド車のエンジンでは、三元触媒として、ディーゼル車のエンジンでは、酸化触媒として利用することができる。
本発明の排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置を利用することにより、加熱効率が向上し、消費電力が低減できるため、燃費向上につながる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.試料調製
実施例1.排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が0.69である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置の調製
(1)排ガス浄化触媒の調製
貴金属担持触媒としてのPdをCeO−ZrO複合酸化物粉末及びAlに担持させたPd担持触媒及びRhをCeO−ZrO複合酸化物粉末及びAlに担持させたRh担持触媒、並びにマイクロ波吸収材としてのβ−SiCを、水中に添加し、均一に混合することによりスラリーを得た。前記スラリーを、投入し吸引する方法により、基材としての、直径103mm、長さ84mm、600セル/inのコーディライト製ハニカム状モノリス基材にコートした。その後、乾燥、500℃、20分間の焼成を経て、コート層を形成させ、排ガス浄化触媒を調製した。
排ガス浄化触媒の特性
排ガス浄化触媒:357g
コート層:168g
(内、Pd:2.87g、Rh:0.17g、β−SiC量:71g)
コート層厚さ:120μm
(2)車両用排ガス浄化装置の調製
(1)において調製した排ガス浄化触媒と、マイクロ波発生装置とを組み合わせて、車両用排ガス浄化装置を調製した。マイクロ波照射角度は45°に設定した。
実施例2.排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が0.49である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置の調製
実施例1の(1)において、基材として、直径103mm、長さ60mm、600セル/inのコーディライト製ハニカム状モノリス基材を使用し、コートするスラリー量を変更した以外は、実施例1と同様にして、車両用排ガス浄化装置を調製した。
排ガス浄化触媒の特性
排ガス浄化触媒:255g
コート層:120g
(内、Pd:2.53g、Rh:0.12g、β−SiC量:54g)
コート層厚さ:120μm
比較例1.排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が1.07である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置の調製
実施例1の(1)において、基材として、直径103mm、長さ130mm、600セル/inのコーディライト製ハニカム状モノリス基材を使用し、コートするスラリーの量を変更した以外は、実施例1と同様にして、車両用排ガス浄化装置を調製した。
排ガス浄化触媒の特性
排ガス浄化触媒:557g
コート層:260g
(内、Pd:3.39g、Rh:0.26g、β−SiC量:107g)
コート層厚さ:120μm
比較例2.排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が0.86である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置の調製
実施例1の(1)において、基材として、直径103mm、長さ105mm、600セル/inのコーディライト製ハニカム状モノリス基材を使用し、コートするスラリーの量を変更した以外は、実施例1と同様にして、車両用排ガス浄化装置を調製した。
排ガス浄化触媒の特性
排ガス浄化触媒:450g
コート層:210g
(内、Pd:3.06g、Rh:0.21g、β−SiC量:86g)
コート層厚さ:120μm
比較例3.排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が0.25である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置の調製
実施例1の(1)において、基材として、直径103mm、長さ30mm、600セル/inのコーディライト製ハニカム状モノリス基材を使用し、コートするスラリーの量を変更した以外は、実施例1と同様にして、車両用排ガス浄化装置を調製した。
排ガス浄化触媒の特性
排ガス浄化触媒:139g
コート層:60g
(内、Pd:2.41g、Rh:0.03g、β−SiC量:32g)
コート層厚さ:120μm
2.試料測定
2−1.マイクロ波による昇温試験
1.試料調製における実施例1及び2並びに比較例1〜3において調製した車両用排ガス浄化装置それぞれについて、以下のマイクロ波条件を用いて、マイクロ波照射直後の排ガス浄化触媒の温度を測定し、マイクロ波による昇温効率を評価した。測温は、排ガス浄化触媒の上流端面を、光ファイバーを用いた赤外温度計で測温することにより行った。光ファイバーは、排ガス浄化触媒容器の上流に設けた測温用孔部から設置した。
マイクロ波条件
出力:500W
周波数:2.45GHz(波長0.122m)
照射時間:30秒
結果を図4に示す。なお、図4には、β−SiC量25gにマイクロ波(出力:500W、周波数:2.45GHz、照射時間:10秒、エネルギー:5kJ)を照射して80℃昇温した結果に基づいて、各β−SiCの量を変更した装置の発熱からの触媒全体の昇温を推定した期待値も同時に示す。
図4より、実施例1及び2並びに比較例3の車両用排ガス浄化装置では、マイクロ波による昇温が35℃以上と良好であり、期待値と同等の昇温結果が得られた。すなわち、これらの車両用排ガス浄化装置では、照射したマイクロ波のエネルギーが効率よく熱に変換されたことを示す。しかしながら、比較例1及び2の車両用排ガス浄化装置では、期待値から大幅に低減した昇温結果が得られた。すなわち、これらの車両用排ガス浄化装置では、照射したマイクロ波のエネルギーを効率よく熱に変換できなかったことを示す。これは、排ガス浄化触媒の触媒長が長い車両用排ガス浄化装置では、排ガス浄化触媒におけるマイクロ波発生装置から遠く離れた箇所を効率よく加熱できなかったためであると考えられる。
2−2.浄化性能測定
1.試料調製における実施例1及び2並びに比較例1〜3の(1)において調製した排ガス浄化触媒を、それぞれ、アルミナマットで巻いて、ステンレス容器に圧入し、触媒コンバーターを作製した。各触媒コンバーターを、熱交換機を有するガソリンエンジンベンチの排気管に取り付けた。
続いて、各触媒コンバーターについて、25g/秒の吸入空気量Ga、400℃で、空燃比(A/F)を13.5から15.5にスイープさせた際の、排ガスのHC浄化率とNOx浄化率が交差する浄化率(HC−NOxクロス浄化率、%)を測定した。
図5に排ガス浄化触媒の触媒長M/マイクロ波の波長λに対するHC−NOxクロス浄化率の結果を示す。
図5より、実施例1及び2並びに比較例1及び2の触媒コンバーターでは、90%以上、特に95%以上のHC−NOxクロス浄化率を得ることができた。しかしながら、比較例3の触媒コンバーターでは、86%以下のHC−NOxクロス浄化率しか得ることができなかった。
以上の結果をまとめると、排ガス浄化触媒の触媒長M(単位:m)とマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が0.40〜0.80、特に0.49〜0.70である、排ガス浄化触媒とマイクロ波発生装置とを備える車両用排ガス浄化装置では、加熱効率と排ガス浄化率の両方が向上されていることが分かった。
1.触媒長M、2.マイクロ波発生装置、3.排ガス浄化触媒、4.マイクロ波照射角度、5.排ガスの流れ方向、6.排ガス流入管、7.排ガス流出管、8車両用排ガス浄化装置

Claims (1)

  1. 基材と基材にコートされているマイクロ波吸収材及び貴金属担持触媒を含むコート層とを有する排ガス浄化触媒と、
    排ガスの流れ方向に対して排ガス浄化触媒の前方に位置するマイクロ波吸収材を加熱するためのマイクロ波発生装置と、
    を備える車両用排ガス浄化装置であって、
    排ガス浄化触媒におけるマイクロ波吸収材を含むコート層がコートされている基材の排ガスの流れ方向の長さM(単位:m)とマイクロ波発生装置から照射されるマイクロ波の波長λ(単位:m)の比(M/λ)が、0.40〜0.80である、
    前記車両用排ガス浄化装置。
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