JP2019047433A - 調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】データの欠落や伝送遅延の発生を低減することができる調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラムを提供することである。【解決手段】調停装置は、複数の無線機11、13を有し、仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステム1において、無線機が無線通信を行うタイムスロットを決定する。調停装置は、送信割り当て生成部を持つ。送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムのフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、仮想無線アクセスシステムごとに、エンドデバイスとゲートウェイとなる無線機との間の転送ルートにおいて無線フレームが転送される順に無線機がタイムスロットを使用し、かつ、異なる転送ルートは異なるタイムスロットを使用するよう、定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを無線機に割り当て、定周期のタイムスロットにマッピングする。【選択図】図6
Description
本発明の実施形態は、調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラムに関する。
ものとインターネットをつなぐIoT(Internet of Things)では、さまざまなセンサデータをネットワーク経由でサーバに収集する。センサデータを送信するためのネットワークへの接続には、配線敷設コストの低減のため、無線による接続が有効である。近年は、ローパワーで比較的低速の無線アクセスデバイスが開発されている。これらは主にプライベート網として構築され、周波数帯もアンライセンスバンドが使用される。
同一の無線アクセスシステムを利用して、データ収集周期が異なる、あるいは、ゲートウェイやコーディネータなどのデータ収集箇所が異なる複数のデータ収集システムのセンサデータを収集できれば、設備コスト、設置コストの点から望ましい。しかし、定周期の複数のデータ収集システムが同一の無線アクセスシステム上で動作する場合、無線機からのデータ送信タイミングが一致し、短時間に高トラフィックな状況になることがある。このような状況では、無線送信が互いに衝突し、データの欠落や伝送遅延が発生する可能性がある。また、複数のデータ収集システムの無線信号が集中してしまうと、データ収集箇所に直接信号が届かない無線機からの送信データを中継する無線中継装置が処理能力を超えてしまい、データの欠落や伝送遅延が発生する可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、データの欠落や伝送遅延の発生を低減することができる調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラムを提供することである。
実施形態の調停装置は、複数の無線機を有し、エンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを少なくとも複数の前記無線機の一部により中継する仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステムにおいて前記無線機が無線通信を行うタイムスロットを決定する。調停装置は、送信割り当て生成部を持つ。送信割り当て生成部は、複数の前記仮想無線アクセスシステムにおけるフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、前記仮想無線アクセスシステムごとに、前記エンドデバイスと前記仮想無線アクセスシステムにおける前記データ処理装置へのゲートウェイとなる前記無線機との間の転送ルートにおいて前記無線フレームが転送される順に前記無線機がタイムスロットを使用し、かつ、前記エンドデバイスと無線フレームを送受信する前記無線機が異なる転送ルートでは異なるタイムスロットを使用するよう、前記定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを前記無線機に割り当て、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする。
以下、実施形態の調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラムを、図面を参照して説明する。
無線アクセスシステムは、例えば、センサデータを収集し、収集したセンサデータを用いて処理を行うセンサ収集システムにおいて、センサデータを送信するためのネットワークとして用いられる。このようなセンサ収集システムの例として、工場内やビル内の空調システム、照明システム等がある。これらセンサ収集システムでは、屋内施設管理の制御コントローラにセンサデータが収集される。また、他の例として、工場内やビル内の機器稼働情報、物品管理情報等の別目的のセンサデータを収集するセンサ収集システムがある。アプリケーションが異なるこれらセンサ収集システムに用いられる無線アクセスシステムでは、センサデータ等の情報の収集箇所であるゲートウェイ、又は、コーディネータの設置箇所が異なることがある。また、センサデータを定周期で収集する場合、センサ収集システム毎に収集周期が異なることもある。
本実施形態では、ゲートウェイが異なり得る、また、センサデータの収集周期が異なり得る複数の無線アクセスシステムを、一つの物理無線アクセスシステム上で動作させる。これにより、周波数資源の消費を抑えること、無線信号の衝突や干渉を低減すること、エンドデバイスとゲートウェイ間を低遅延で伝送すること、設備負担を低減することを可能とする。以下に詳細な実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の無線アクセスシステム1の構成例を示す図である。無線アクセスシステム1は、1台以上の無線機11と、複数台の無線機12と、1台の無線機13とを備える。なお、無線アクセスシステム1は、無線機13を複数台備えてもよい。無線アクセスシステム1を、アプリケーション毎の無線アクセスシステムと区別するために、以降は、「物理無線アクセスシステム1」と記載する。アプリケーション毎の無線アクセスシステムは、物理無線アクセスシステム1の上に論理的に異なるネットワークトポロジで構築される。そこで、以後は、このアプリケーション毎の無線アクセスシステムを「仮想無線アクセスシステム」と記載する。以下では、仮想無線アクセスシステムが、それぞれ異なるセンサ収集システムに用いられる場合を例に説明する。
図1は、本実施形態の無線アクセスシステム1の構成例を示す図である。無線アクセスシステム1は、1台以上の無線機11と、複数台の無線機12と、1台の無線機13とを備える。なお、無線アクセスシステム1は、無線機13を複数台備えてもよい。無線アクセスシステム1を、アプリケーション毎の無線アクセスシステムと区別するために、以降は、「物理無線アクセスシステム1」と記載する。アプリケーション毎の無線アクセスシステムは、物理無線アクセスシステム1の上に論理的に異なるネットワークトポロジで構築される。そこで、以後は、このアプリケーション毎の無線アクセスシステムを「仮想無線アクセスシステム」と記載する。以下では、仮想無線アクセスシステムが、それぞれ異なるセンサ収集システムに用いられる場合を例に説明する。
無線機11と1台以上の無線機12とは、サブ無線アクセスネットワーク2aを構成する。無線機13と1台以上の無線機12とは、サブ無線アクセスネットワーク2bを構成する。以下では、サブ無線アクセスネットワーク2a及びサブ無線アクセスネットワーク2bを総称してサブ無線アクセスネットワーク2と記載する。
無線機11及び無線機13はそれぞれ、自機と同じサブ無線アクセスネットワーク2の無線機12と無線通信を行う。無線機11は、さらに、他の無線機11及び無線機13と無線通信を行い、他の無線機11又は無線機13から受信したデータを中継する機能をもつ。また、無線機13は、さらに、無線機11と無線通信を行い、無線機11から受信したデータを中継する機能をもつ。
加えて、無線機11及び無線機13は、図示しない制御装置や他のネットワークと接続される。無線機11及び無線機13は、無線機12に接続される制御装置や他のネットワークへのデータを、無線機12に送信するか、又は、中継のため他の無線機11に送信する。無線機12は、自機に接続される制御装置や他のネットワークからのデータを、無線機11又は無線機13へ送信する。
物理無線アクセスシステム1は、無線機12に接続する図示しないセンサ機器や制御対象機器からのデータを、物理無線アクセスシステム1を介して、無線機11又は無線機13に接続する図示しない制御装置や他のネットワークへ送信する。
図2は、無線機11の構成例を示す機能ブロック図である。無線機11は、インタフェース部111と、ルーティング部112と、送信制御部113と、無線インタフェース部114とを備える。
インタフェース部111は、図示しない他のネットワークや制御装置からのメッセージを受信する。インタフェース部111は、受信したメッセージ内の送信対象のデータ及び宛先情報を元に送信フレームを生成し、ルーティング部112に転送する。また、インタフェース部111は、ルーティング部112からの受信フレームを受ける。インタフェース部111は、受信フレームのデータに送信に必要な情報を付加して、図示しない他のネットワークや制御装置へメッセージとして送信する。
ルーティング部112は、インタフェース部111からの送信フレーム、及び、無線インタフェース部114からの受信フレームを受ける。ルーティング部112は、送信フレームに付随する宛先情報に基づいて、また、受信フレームに付随する宛先情報に基づいて、他の無線機11、無線機13又はインタフェース部111への転送を決定する。
ルーティング部112は、宛先が、自身の所属するサブ無線アクセスネットワーク2内の無線機12である場合、宛先情報とデータとその他送信に必要な情報を元に再度送信フレームを生成し、送信制御部113に転送してもよい。ルーティング部112は、宛先が、自身の所属するサブ無線アクセスネットワーク2以外の無線機11又は無線機13である場合、次の転送先の無線機11又は無線機13の宛先情報と、最終宛先情報と、送信に必要な情報とを元に再度送信フレームを生成し、送信制御部113に転送する。ルーティング部112は、宛先が自機である場合、送信フレームをインタフェース部111に転送する。
送信制御部113は、ルーティング部112が出力した送信フレームに対する無線インタフェース部114への転送を制御する。送信制御部113は、転送の制御を行うための情報として、無線機13が生成した後述のタイムスロット割り当て表を、無線インタフェース部114を介して無線機13から受信し、保持する。タイムスロット割り当て表は、各タイムスロットにおいて無線信号の送受信を行う無線機を示す。送信制御部113は、保持しているタイムスロット割り当て表に基づき、転送制御を実施する。また、送信制御部113は、無線機13からのタイムスロット同期用制御信号を、無線インタフェース部114を介して受信し、タイムスロット転送制御のタイミングを無線機13と同期する機能を持つ。また、送信制御部113は、転送を停止しても送信フレームの欠落が発生しないように、送信フレームを保持するバッファ機能をもつ。
無線インタフェース部114は、送信制御部113が出力した送信フレームを無線送信できるように制御及び変換し、無線機12、他の無線機11又は無線機13へ無線フレームを送信する。具体的には無線インタフェース部114は、制御処理として、CSMA−CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)方式又はALOHA方式による送信、送信確認、宛先付加などの、ポイントツーポイント間の無線通信の制御を行う。これにより、無線インタフェース部114は、媒体での衝突や、送信失敗の1次回避を行うMAC(Medium Access Control)層の動作を行う。また、無線インタフェース部114は、変換処理として、シンボルマップや変調などの物理層の動作を行う。変調には、例えば、FSK(Frequency Shift Keying:周波数偏移変調)、PSK(Phase Shift Keying:位相偏移変調)等が用いられるが、これらに限定されない。また、無線インタフェース部114は、その逆の処理を行い、無線機12、又は、他の無線機11及び無線機13からの無線フレームの受信を行う。
図3は、無線機12の構成例を示す機能ブロック図である。同図において、図2に示す無線機11と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線機12は、インタフェース部111と、送信制御部113と、無線インタフェース部114とを備える。同図に示す無線機12が、無線機11と異なる点は、ルーティング部112を備えていない点であり、その他は無線機11と同様に動作する。
図4は、無線機13の構成例を示す機能ブロック図である。同図において、図2に示す無線機11と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。無線機13は、インタフェース部111と、ルーティング部112と、送信制御部113と、無線インタフェース部114と、送信割り当て生成部135とを備える。このように、無線機13は、無線機11に、調停装置としての機能を有する送信割り当て生成部135を追加した構成である。無線機13のその他の構成は、無線機11と同じ構成であり、無線機11と同様に動作する。送信割り当て生成部135の詳細は後述する。
図5は、基本周期とタイムスロットを説明する図である。物理無線アクセスシステム1内の無線機11、無線機12及び無線機13は、割り当てられたタイムスロットにおいて、例えば、CSMA−CA方式又はALOHA方式により、無線フレームを送信又は受信する。センサ情報等の収集は、一定周期毎に行われることが多い。そのため、センサ収集システムでは、センサ機器が接続される無線機12において、送信するメッセージが一定の周期Tで発生する。複数のセンサ収集システムではそれぞれ、この周期Tの要求が異なることが多い。物理無線アクセスシステム1は、複数の異なるセンサ収集システムそれぞれにおいて無線信号の送信が発生する周期Tの最小公倍数を基本周期Toとする。この基本周期Toをn個のタイムスロットT1、T2、…、Tnに分割し、各タイムスロットに無線機11、無線機12、無線機13の無線フレームの送信期間及び受信期間を割り当てる。
従来技術では、分割したタイムスロット内に無線機12の送受信期間を割り当てる。しかしながら、転送のあるツリー型のトポロジの無線アクセスシステムへタイムスロットを割り当てる方法については提供されていない。また、ゲートウェイ(根ノード)の設置場所がそれぞれ異なる複数のトポロジのセンサ収集システムを収容可能とするために、従来技術ではメッシュトポロジの無線アクセスシステムを用いていた。しかし、この従来技術では、周期伝送によりトラフィックが瞬時的に増加したときのトラフィックの過負荷に対する課題があった。
本実施形態の物理無線アクセスシステム1は、メッシュ型で接続されたノード(無線機11及び無線機13)を有し、ゲートウェイ(根ノード)の設置場所が異なり得るツリー型トポロジのセンサ収集システムを複数収容する。物理無線アクセスシステム1は、無線信号の欠落や遅延を低減するように、各無線機11、12、13に無線フレームの送信期間又は受信期間を割り当てる。
図6は、物理無線アクセスシステム1の接続構成例を示す図である。同図においては、9台の無線機11及び無線機13をそれぞれノードR1〜R9と記載し、複数の無線機12をそれぞれED(エンドデバイス)と記載している。また、サブ無線アクセスネットワーク2を点線で示している。ノードR1〜R9を総称する場合、又は、いずれかを特定しない場合、ノードRと記載する。ノードR間の実線は、実線で結ばれたノードR間で無線通信が可能であることを示している。例えば、ノードR1は、ノードR2及びノードR4との無線通信が可能であるが、その他のノードR3、R5〜R9とは無線通信が出来ないことを示している。また、ED(無線機12)は、自機が属するサブ無線アクセスネットワーク2内のノードR(無線機11又は無線機13)と無線通信が可能であるが、その他のノードRとは無線通信ができない。以下では、ノードR*と接続可能な無線機12を、「ノードR*に所属するED」とも記載する。
図7に、図6の物理無線アクセスシステム1の無線機11と無線機13のみ、つまり無線信号の中継が可能な中継ノードのみを記載した図を示す。仮想無線アクセスシステムは、無線機11及び無線機13のいずれかにより、無線機12からのデータを収集する。以下では、物理無線アクセスシステム1上で、仮想無線アクセスシステムA及び仮想無線アクセスシステムBが動作する場合を例に説明する。
図8は、仮想無線アクセスシステムAのネットワークトポロジを示す図である。同図に示すネットワークトポロジでは、ノードR4を根ノード(ゲートウェイ)としてセンサデータを収集する。根ノードは、無線機12からのデータを集約するノードである。根ノードは、無線転送は行わず、インタフェース部111により接続される図示しない収集装置に、無線機12から送信されたデータを転送する。また、ノードR3、R6、R9はリーフノードである。リーフノードは、無線機12から送信されたデータを中継するのみで、他のノードRからの信号を中継しない。
仮想無線アクセスシステムAは、根ノードとリーフノード間の中継回数が最小となるようにツリー型のネットワークトポロジを形成している。ネットワークトポロジは、任意の従来技術により生成してよい。例えば、ダイクストラ法等を用いることで、中継数が少ない最短経路のネットワークトポロジを生成可能である。
同図に示すノードR間の実線上の数字は、伝送路のパスコストを示す。パスコストの数字「1」は、中継を実施することを表している。例えば、ノードR2とノードR3の間では、ノードR3からノードR2への中継が行われるため、パスコストを表す数字として「1」が割り当てられている。各リーフノードから根ノードまでの経路において、このパスコストを合計することで、中継回数を求めることが出来る。
各中継ノード上の数字a:bは、中継ノードが使用するタイムスロットの数を示す。aはノードRが送信に使用するタイムスロットの数、bは送信及び受信を含めてノードRが使用するタイムスロットの総数を示す。例えば、ノードR3の上にはa:b=1:2が記載されている。数字aの「1」は、ノードR3に所属するEDが送信した信号を、仮想無線アクセスシステムAの根ノードへ近い1ホップ先のノードR2に転送するために、ノードR3が使用するタイムスロット数を示す。数字bの「2」は、ノードR3に所属するEDがノードR3に無線信号を送信する期間として使用するタイムスロット数「1」に、aの数字「1」を加えたものである。
また例えば、ノードR2の上には、a:b=2:4が記載されている。送信に使用するタイムスロット数を示す数字aの「2」は、ノードR3から転送されたデータをノードR1に転送するために使用するタイムスロット「1」と、ノードR2に所属するEDが送信したデータをノードR1に転送するために使用するタイムスロット「1」との合計値を示す。送信及び受信を含めてノードR2が使用するタイムスロットの総数を示す数字bは、送信に使用するタイムスロット数「2」に、ノードR3からの受信及びノードR2に所属するEDからの受信に使用するタイムスロットの数「2」を加えて、「4」となる。
ノードR4は根ノードのため、転送されたデータを無線で中継せずに、インタフェース部111経由で図示しない収集装置に転送する。従って、a=0である。また、数bの値は、ノードR1、R5、R7それぞれから転送されたデータを受信するために使用するタイムスロットの合計値「8」と、ノードR4に所属するEDからのデータを受信するタイムスロットの数「1」との合計値「9」となる。
つまり、リーフノードでは、a:b=1:2が割り当てられる。他のノードRから受信した無線信号の中継を行うノードRでは、リーフノードの方向に接続される全てのノードRのa:bを合計し、さらに、自身のエンドデバイスを転送するためのa:b=1:2を加算した値となる。また、根ノードは、a=0であり、bは、リーフノードの方向に接続される全てのノードRのaの合計に1を加算した値となる。
図9は、別の仮想無線アクセスシステムBのネットワークトポロジを示す図である。仮想無線アクセスシステムBは、ノードR3を根ノード(ゲートウェイ)としてセンサデータを収集する。同図は、ノードR3を根ノードとして収集する場合のネットワークトポロジを示す。同図におけるノード間の実線上に記載の数字及び中継ノード上に記載の数字は、図8の説明と同じである。
図10は、仮想無線アクセスシステムに対するタイムスロットの割り当て処理を示すフロー図である。この処理で割り当てる各タイムスロットは、図5に示す物理無線アクセスネットワーク1の各タイムスロットT1、T2、…と同じ時間幅であり、物理無線アクセスネットワーク1のタイムスロットにマッピングする前のものである。無線機13の送信割り当て生成部135は、同図に示す処理を、仮想無線アクセスシステム毎に実行する。送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスネットワーク1のネットワークトポロジと、無線機12が所属する無線機11又は無線機13の情報と、各仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジの情報とを予め記憶している。
まず、送信割り当て生成部135は、最初のタイムスロットを選択する(ステップS101)。選択されたタイムスロットを選択タイムスロットTiとすると、ここでは、送信割り当て生成部135は、i=1のT1を選択する。送信割り当て生成部135は、仮想無線アクセスシステムにおける1以上のリーフノードのうち、未選択の1つを選択する。以下では、選択されたノードを選択ノードと記載する。さらに、送信割り当て生成部135は、この選択ノードを、ノードRaとする(ステップS102)。送信割り当て生成部135は、選択ノードのタイムスロットTiに、選択ノードに所属するEDの送信タイムスロットを設定する(ステップS103)。このタイムスロットTiは、選択ノードの受信タイムスロットでもある。送信割り当て生成部135は、現在のiの値に1を加算し、選択タイムスロットTiを、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットに更新する(ステップS104)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiを、選択ノードがEDからの受信データを1つ上位のノードR、すなわち、根ノードに至るまでの転送ルートにおける1ホップ先のノードRに転送するための送信タイムスロットに設定する(ステップS105)。上位ノードに転送されるデータは、選択ノードRcが一つ前のタイムスロットT(i−1)においてEDから受信したデータである。
送信割り当て生成部135は、現在の選択ノードより1つ上位のノードRを、選択ノードとする(ステップS106)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiを、選択ノードが1つ下位のノードR、すなわち、根ノードに至るまでの転送ルートにおける1ホップ前のノードRからの転送フレームを受信するタイムスロットに設定する(ステップS107)。
送信割り当て生成部135は、現在の選択ノードは根ノードであるか否かを判定する(ステップS108)。送信割り当て生成部135は、選択ノードが根ノードではないと判定した場合(ステップS108:NO)、ステップS104〜ステップS108の処理を、選択ノードが根ノードに到達すると判定するまで繰り返す。そして、送信割り当て生成部135は、選択ノードが根ノードに到達したと判定した場合(ステップS108:YES)、ステップS109の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、現在のiの値に1を加算し、選択タイムスロットTiを、次のタイムスロットT(i+1)に更新する(ステップS109)。送信割り当て生成部135は、再度、ステップS102において選択したリーフノードであるノードRaを選択し、選択ノードとする(ステップS110)。送信割り当て生成部135は、選択ノードより1つ上位のノードRを選択し、新たな選択ノードとする(ステップS111)。
送信割り当て生成部135は、選択ノードが根ノードであるか否かを判定する(ステップS112)。送信割り当て生成部135は、根ノードではないと判定した場合、ステップS113の処理を行う。この場合、選択ノードは、中継ノードである。送信割り当て生成部135は、選択ノードに所属するEDの送信タイムスロットが設定済みであるか否かを判定する(ステップS113)。送信割り当て生成部135は、設定済みであると判定した場合(ステップS113:YES)、ステップS111に戻り、未設定であると判定した場合(ステップS113:NO)、ステップS114の処理を行う。送信割り当て生成部135は、ステップS113においてNOと判定した場合、ノードRaを選択ノードとし、ステップS103に戻る(ステップS114)。
送信割り当て生成部135は、ステップS103〜ステップS112の処理を、選択ノードが根ノードに到達するまで繰り返す。そして、送信割り当て生成部135は、選択ノードが根ノードに到達したと判定した場合(ステップS112:YES)、全てのリーフノードに対して、以上の処理を行ったか否かを判定する(ステップS115)。送信割り当て生成部135は、未処理のリーフノードがあると判定した場合(ステップS115:NO)、ステップS102〜ステップS114の処理を繰り返す。そして、送信割り当て生成部135は、全てのリーフノードに対して処理を行ったと判定した場合(ステップS115:YES)、選択タイムスロットTiに、根ノードに所属するEDの送信タイムスロットを設定し、図10の処理を終了する(ステップS116)。
図11は、仮想無線アクセスシステムに対するタイムスロットの割り当て例を示す。同図は、図8に示す仮想無線アクセスシステムAに対して、図10の処理を行った結果得られたタイムスロットの割り当ての一部を示す。図11の縦軸は、各ノードR1〜R9を示し、横軸は割り当てるタイムスロットT1、T2、…を示す。図11を用いて、図10の処理の例を説明する。
まず、送信割り当て生成部135は、最初のタイムスロットT1を選択する(ステップS101)。送信割り当て生成部135は、リーフノードであるノードR3を選択し、ノードRaとする(ステップS102)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR3の選択タイムスロットT1に、選択ノードR3に所属するEDの送信タイムスロットを設定する(ステップS103)。タイムスロットT1は、ノードR3の受信タイムスロットでもある。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットを、次のタイムスロットT2に移動する(ステップS104)。送信割り当て生成部135は、タイムスロットT1においてEDから受信したデータを上位ノードR2に転送するために、選択ノードR3の選択タイムスロットT2に、送信タイムスロットを設定する(ステップS105)。
送信割り当て生成部135は、選択ノードを現在選択されているノードR3から一つ上位のノードR2とし(ステップS106)、選択ノードR2の選択タイムスロットT2を、1つ下位のノードR3からの転送フレームを受信するタイムスロットとする(ステップS107)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR3は根ノードではないと判断し(ステップS108:NO)、ステップS104〜ステップS108を根ノードに到達するまで繰り返す。
つまり、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットを、次のタイムスロットT3に移動する(ステップS104)。送信割り当て生成部135は、タイムスロットT2において受信したデータを上位ノードR1に転送するために、選択ノードR2の選択タイムスロットT3に、送信タイムスロットを設定する(ステップS105)。送信割り当て生成部135は、選択ノードを一つ上位のノードR1とし(ステップS106)、選択ノードR1の選択タイムスロットT3を、1つ下位のノードR2からの転送フレームを受信するタイムスロットとする(ステップS107)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR1は根ノードではないと判定する(ステップS108:NO)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットを、次のタイムスロットT4に移動する(ステップS104)。送信割り当て生成部135は、タイムスロットT3において受信したデータを上位ノードR4に転送するため、選択ノードR1の選択タイムスロットT4に、送信タイムスロットを設定する(ステップS105)。送信割り当て生成部135は、選択ノードを一つ上位のノードR4とし(ステップS106)、選択ノードR4の選択タイムスロットT4を、1下位のノードR1からの転送フレームを受信するタイムスロットとする(ステップS107)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR4は根ノードであると判定する(ステップS108:YES)。このように、タイムスロットT4において根ノードR4に到達する。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットを、次のタイムスロットT5に移動し(ステップS109)、ステップS102でノードRaとしたノードR3を選択ノードとする(ステップS110)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR3から根ノードに向かう1つ上位のノードR2を新たな選択ノードとする(ステップS111)。送信割り当て生成部135は、選択ノードR2が根ノードではなく(ステップS112)、選択ノードR2に所属するEDの送信タイムスロットが設定済みではないため(ステップS113)、ノードRaを、選択ノードR2に更新する(ステップS114)。送信割り当て生成部135は、ステップS103〜ステップS112の処理を根ノードに到達する迄繰り返す。これにより、タイムスロットT7において根ノードR4に到達する。
送信割り当て生成部135は、未選択のリーフノードを選択して、ステップS102〜ステップS114を繰り返す。送信割り当て生成部135は、全てのリーフノードについてステップS102〜ステップS114の処理を行ったのち、選択タイムスロットTiに、根ノードに所属するEDの送信タイムスロットを設定し、処理を終了する。
上記では、リーフノード側から順番にタイムスロットの割りつけを実施した例を提示したが、根ノードから順番に割りつけを行う方法でも良い。送信割り当て生成部135は、上記のようなタイムスロットの割り当てを、他の仮想無線アクセスシステム、例えば仮想無線アクセスシステムBでも実施する。図10の処理により、1つの仮想無線アクセスシステムのEDから根ノードまでの一連の送信と転送を行うタイムスロットの集合を部分割り当てタイムスロットとする。
図12及び図13は、各仮想無線アクセスシステムで設定したタイムスロットを、図5の物理無線アクセスシステム1のタイムスロットに割り当てる一例を示す図である。図12及び図13では、図5のタイムスロットに加えて、物理無線アクセスシステム1の中継ノード別のタイムスロットを記載している。
図12においては、複数の仮想無線アクセスシステムの部分割り当てタイムスロットを時間的に縦続にマッピングしている。つまり、送信割り当て生成部135は、仮想無線アクセスシステムAについて生成した部分割り当てタイムスロットの次に、仮想無線アクセスシステムBについて生成した部分割り当てタイムスロットを設定している。
一方、図13では、送信割り当て生成部135は、複数の無線アクセスシステムの部分タイムスロットを、物理無線アクセスシステムの空きのタイムスロットにマッピングしている。例えば、送信割り当て生成部135は、仮想無線アクセスシステムの1つを物理無線アクセスシステム1のタイムスロットにマッピングし、物理無線アクセスシステム1の空いているタイムスロットに、他の仮想無線アクセスシステムの部分割り当てタイムスロットをマッピングする。このとき、送信割り当て生成部135は、同一のタイムスロットにおいて同一のノードが、複数の仮想無線アクセスシステムに重複して使用されないように割り当てを行う。送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスシステム1のタイムスロットに、全ての仮想無線アクセスシステムの部分割り当てタイムスロットを、空きのタイムスロットが少なくなる様にマッピングしても良い。これらのマッピングには、パタンマッチング等のアルゴリズムを用いても良い。
また、仮想無線アクセスシステムAと仮想無線アクセスシステムBのフレーム送信周期は異なっても良い。送信割り当て生成部135は、仮想無線アクセスシステムAと仮想無線アクセスシステムBの最小公倍数を物理無線アクセスの基本周期とし、タイムスロットはこの基本周期を整数分の1として作成する。仮想無線アクセスシステムのフレーム送信周期は、基本周期の整数倍となるので、仮想無線アクセスシステムのフレーム送信周期毎の送信以外のタイムスロットは、使用しなければ良い。
以上の様に、各中継ノードのタイムスロットを、送信スロットと受信スロットに分けることにより、各中継ノードの受信期間と転送期間とが区別される。よって、受信と転送の衝突を回避でき、信頼性のある無線通信を実行できる。
また、1タイムスロットに対して、1中継ノードに所属するEDだけ送信期間を配置しているため、同一中継ノードに対して複数の仮想無線アクセスシステムのEDからの受信、及び、データの転送が重複しない。よって、中継ノードに対するトラフィックの増加を防ぐことができ、中継ノードにおける無線信号の欠落や遅延を抑えることが出来る。
また、リーフノードに所属するEDからの信号を最短で根ノードに転送するため、リーフノードから根ノードまでの転送経路におけるノードRが下位から上位まで順に連続してタイムスロットを使用し、かつ、異なるノードRに属するEDからの根ノードまでの転送ルートはそれぞれ異なるタイムスロットを使用するようにタイムスロットを配置している。よって、転送による遅延時間が発生せず、また、転送途中で他の転送フレームが割り込まない。よって、中継ノードが無線フレームを保持するためのメモリ消費を少なくすることができる。
なお、物理無線アクセスシステム1に無線機13を備えず、送信割り当て生成部135を有する他の装置を調停装置としてもよい。この場合、無線機11は、外部のネットワークを介してタイムスロット割り当て表を受信し、無線機12は、無線機11から又は外部のネットワークを介してタイムスロット割り当て表を受信する。調停装置には、物理無線アクセスネットワーク1のネットワークトポロジと、無線機12が所属する無線機11の情報と、各仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジの情報とを予め記憶させておく。
生成された物理無線アクセスシステムのタイムスロット割り当て表は、無線機11、無線機12及び無線機13の送信制御部113に設定される。各無線機の送信制御部113は、物理無線アクセスシステム1のタイムスロット割り当て表を参照し、無線機11又は無線機13であれば、自中継ノードの送信タイムスロット期間にのみ、無線機12であれば、自機が所属する中継ノードへの送信タイムスロットの期間のみ、ルーティング部112、又は、インタフェース部111からの送信フレームを無線インタフェース部114に転送する。
また、無線機13の送信割り当て生成部135は、システム全体のタイムスロットを同期させるために、定期的に無線機11、無線機12、及び無線機13の送信制御部113に同期用制御信号を送信する。なお、タイムスロット割り当て表、及び、同期用制御信号の配付のための送信は、無線機13が送信する送信スロットを用いてブロードキャストで送信しても良い。
以上により、無線機11、無線機12、無線機13が指定通りのタイムスロットの期間で送信するため、複数の定周期の仮想無線アクセスシステムを1つの物理無線アクセスシステムで動作させても、無線信号の欠落や遅延を低減することができる。
(第2の実施形態)
特定の中継ノードにおいて、複数の仮想無線アクセスシステムのタイムスロット使用総数が増加すると、物理無線アクセスシステム全体におけるタイムスロットの使用数が増加し、基本周期To内のn個のタイムスロット内に収まらない場合がある。この場合、タイムスロット期間を短くして、基本周期To内のn個のタイムスロット数を多くする必要がある。しかし、タイムスロット期間が短くなると、1タイムスロットにおいて送信する無線機の台数を減らさなければならず、物理無線アクセスシステム全体におけるEDの収容台数が少なってしまうことがある。そこで、本実施形態では、各中継ノードにおけるタイムスロット使用総数が規定値以下となる様に、仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジを見直す。
特定の中継ノードにおいて、複数の仮想無線アクセスシステムのタイムスロット使用総数が増加すると、物理無線アクセスシステム全体におけるタイムスロットの使用数が増加し、基本周期To内のn個のタイムスロット内に収まらない場合がある。この場合、タイムスロット期間を短くして、基本周期To内のn個のタイムスロット数を多くする必要がある。しかし、タイムスロット期間が短くなると、1タイムスロットにおいて送信する無線機の台数を減らさなければならず、物理無線アクセスシステム全体におけるEDの収容台数が少なってしまうことがある。そこで、本実施形態では、各中継ノードにおけるタイムスロット使用総数が規定値以下となる様に、仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジを見直す。
図14は、本実施形態のネットワークトポロジ見直し処理を示すフロー図である。
送信割り当て生成部135は、複数ある仮想無線アクセスシステムの一つを選択する(ステップS201)。選択された仮想無線アクセスシステムを「選択仮想無線アクセスシステム」と記載する。送信割り当て生成部135は、選択仮想無線アクセスシステムのツリー型ネットワークトポロジにおける根ノードを、物理無線アクセスシステム1にマッピングする(ステップS202)。例えば、送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスシステム1を構成する複数のノードR1〜R9の中から、選択仮想無線アクセスシステムの根ノードとなるノードRを特定する。送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスシステム1のトポロジと、マッピングした根ノードとを元に、選択仮想無線アクセスシステムのトポロジを作成する(ステップS203)。トポロジの作成方法は任意とすることができる。
送信割り当て生成部135は、複数ある仮想無線アクセスシステムの一つを選択する(ステップS201)。選択された仮想無線アクセスシステムを「選択仮想無線アクセスシステム」と記載する。送信割り当て生成部135は、選択仮想無線アクセスシステムのツリー型ネットワークトポロジにおける根ノードを、物理無線アクセスシステム1にマッピングする(ステップS202)。例えば、送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスシステム1を構成する複数のノードR1〜R9の中から、選択仮想無線アクセスシステムの根ノードとなるノードRを特定する。送信割り当て生成部135は、物理無線アクセスシステム1のトポロジと、マッピングした根ノードとを元に、選択仮想無線アクセスシステムのトポロジを作成する(ステップS203)。トポロジの作成方法は任意とすることができる。
送信割り当て生成部135は、選択仮想無線アクセスシステムのトポロジに基づいて、例えば、図10に示すタイムスロット割当処理によりタイムスロット割り当てを行う(ステップS204)。送信割り当て生成部135は、割当結果を参照し、各中継ノードが使用するタイムスロット数を計算する。例えば、図11に示すタイムスロット割り当てが行われた場合、ノードR1が使用するタイムスロットは、T3、T4、T6、…である。
送信割り当て生成部135は、全ての仮想無線アクセスシステムでタイムスロットの計算が終了したか否かを判定する(ステップS205)。送信割り当て生成部135は、未計算の仮想無線アクセスシステムがあると判定した場合はステップS201に戻る(ステップS205:NO)。そして、送信割り当て生成部135は、全ての仮想無線アクセスシステムでタイムスロットの計算が終了したと判定した場合(ステップS205:YES)、ステップS206の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、ステップS205でYESと判定した場合、中継ノード毎に、各仮想無線アクセスシステムに使用するタイムスロット数を合計する(ステップS206)。送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードの合計タイムスロット数から最大値を選択し、規定値以下であるか否かを判定する(ステップS207)。送信割り当て生成部135は、規定値を超えると判定した場合(ステップS207:NO)、任意の1以上の仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジの見直しを行い、見直したネットワークトポロジにおいて中継ノードが使用するスロット数を再計算する(ステップS208)。送信割り当て生成部135は、ステップS206に戻る。
送信割り当て生成部135は、ステップS206〜ステップS208を、中継ノードの合計タイムスロット数の最大値が規定値以下になるまで繰り返す。送信割り当て生成部135は、中継ノードの合計タイムスロット数の最大値が規定値以下であると判定した場合(ステップS207:YES)、処理を終了する。
図15は、複数の仮想無線アクセスシステムA、Bを重畳した図である。同図では、図8と図9で示した2つの仮想無線アクセスシステムA、Bのタイムスロットの合計値を、ノードR毎に示している。図15では、ノードR6のタイムスロットの合計数が14であり、他の中継ノードのタイムスロットの使用数に比較して大きい。このタイムスロットの合計数14が、既定値を超える場合、図14のステップS208の処理が行われ、ネットワークトポロジが見直される。
図16は、ステップS208の処理により、仮想無線アクセスシステムBについて見直したトポロジを示す。これは、図9に示す仮想無線アクセスシステムBの仮想ネットワークトポロジを見直した結果、得られたものである。
図17は、仮想無線アクセスシステムBのトポロジ見直し後に、複数の仮想無線アクセスシステムA、Bを重畳した図である。同図では、図8と図16で示した2つの仮想無線アクセスシステムA、Bのタイムスロットの合計値を、ノードR毎に示している。同図では、ノードR6のタイムスロット数の合計値が10となり、見直し前よりも低下する。ノードR2のタイムスロット数の使用数は12に上昇するが、見直し前のタイムスロット数の最大値14よりも低減している。
上記処理により、タイムスロットの使用数を低減できる。よって、基本周期To内のn個のタイムスロットに複数の仮想無線アクセスシステムのタイムスロットを収めることが可能となり、また、タイムスロット期間を短縮する必要性を低減できる。従って、システムにおけるEDの収容台数を多く取る事ができる。
なお、規定値は、中継ノードにおけるタイムスロット数の使用総数のうち最大値が最小となる様に設定しても良い。
(第3の実施形態)
図13に示すように、物理無線アクセスシステムのタイムスロットへ部分割り当てタイムスロットをマッピングすると、中継ノードやEDが複数、同じタイムスロット期間に送信を行う場合がある。このような場合、例えばCSMA−CAを採用する無線機の場合は、互いに送信に制限を受けてスループットの低下を招くことがある。そこで、本実施形態では、中継ノード間、又は、中継ノードと中継ノードに所属するエンドデバイス間の無線通信の可否を元に、マッピングするタイムスロットに制限を設けることにより、スループットの低下を抑制する。
図13に示すように、物理無線アクセスシステムのタイムスロットへ部分割り当てタイムスロットをマッピングすると、中継ノードやEDが複数、同じタイムスロット期間に送信を行う場合がある。このような場合、例えばCSMA−CAを採用する無線機の場合は、互いに送信に制限を受けてスループットの低下を招くことがある。そこで、本実施形態では、中継ノード間、又は、中継ノードと中継ノードに所属するエンドデバイス間の無線通信の可否を元に、マッピングするタイムスロットに制限を設けることにより、スループットの低下を抑制する。
図18は、判定表の例を示す図である。同図に示す判定表は、相手側の送信に影響を互いに与える中継ノードの組、又は、中継ノードと中継ノードに所属するEDを示す。具体的には、相手側の送信によりCSMA−CAが動作する場合に、影響を与えるとみなす。互いに影響を与える中継ノードの組には丸印が記載されている。判定表では、ノードR1〜R9を示しているが、ノードR1〜R9に所属するEDは、そのEDが所属するノードRと同じ様にCSMA−CAに影響を与えるものとして表示している。
図19は、タイムスロット割り当て処理の一例を示すフロー図である。送信割り当て生成部135は、図18の判定表が示す制限を確認しながらタイムスロット割当処理を実施してもよいし、先に、図13に示すタイムスロット割り当て処理後に、図18の判定表が示す制限により割当てを見直しても良い。ここでは、図13に示すタイムスロット割り当て後に、図18の判定表が示す制限により割り当てを見直す一例である。
送信割り当て生成部135は、第1のタイムスロット、つまり基本周期Toの最初のタイムスロットを選択する(ステップS301)。例えば、図13の場合、第1のタイムスロットはT1である。選択されたタイムスロットを選択タイムスロットTiとすると、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiをT1に初期化する。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに、送信タイムスロットが2つ以上あるか否かを判定する(ステップS302)。送信タイムスロットとは、他の無線機に無線送信する無線機が存在するタイムスロットである。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける送信タイムスロットが1又は0であると判定した場合(ステップS302:NO)、ステップS309の処理を行う。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける送信タイムスロットが2つ以上あると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS303の処理を行う。
例えば、選択タイムスロットTiがT1の場合、図13に示すタイムスロットマッピングでは、ノードR3にEDが無線送信している送信タイムスロットT1−3と、ノードR7にEDが無線送信している送信タイムスロットT1−7がある。つまり、送信タイムスロットは2である。従って、送信割り当て生成部135は、ステップS303の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける2以上の送信タイムスロットの中から、2つの送信タイムスロットからなる未選択の組を選択する。送信割り当て生成部135は、その選択した組の送信タイムスロットそれぞれにおける中継ノードを中継ノードA、中継ノードBとする(ステップS303)。例えば、選択タイムスロットTiがT1の場合、送信タイムスロットにおける中継ノードはノードR3、ノードR7であるため、この2台を中継ノードA、Bとして選択する。
送信割り当て生成部135は、中継ノードAと中継ノードB間におけるCSMA−CAの動作の有無を、図18の判定表を元に確認する(ステップS304)。送信割り当て生成部135は、動作しないと判定した場合は(ステップS304:NO)、ステップS308の処理を行う。例えば、選択タイムスロットTi=T1の場合、ノードR3とノードR7はCSMA−CAが動作しないため、ステップS308に移動する。一方、送信割り当て生成部135は、CSMA−CAが動作すると判定した場合(ステップS304:YES)、ステップS305の処理を行う。
ステップS305〜ステップS308では、中継ノードAと中継ノードBの送信タイムスロットを別のタイムスロットとするため、送信割り当て生成部135は、全ノードRに対して、現在の選択タイムスロットの次に新たなタイムスロットを挿入し、中継ノードBの送信タイムスロットをこの新規挿入したタイムスロットに移動する。この処理を、全ての送信タイムスロットの中継ノードの組み合わせで実施するため、以前の組み合わせで新たに挿入したタイムスロットがあれば、新たにタイムスロットを挿入せずに、すでに挿入してある新規挿入タイムスロットに移動する。
そこで、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)が新規挿入タイムスロットであるか否かを判定する(ステップS305)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)が新規挿入タイムスロットではないと判定した場合(ステップS305:NO)、次のタイムスロットT(i+1)以降のスケジュールを1タイムスロット遅延させ、新たなタイムスロットT(i+1)を挿入する(ステップS306)。
送信割り当て生成部135は、ステップS306の処理の後、又は、ステップS305において次のタイムスロットT(i+1)が新規挿入タイムスロットであると判定した場合(ステップS305:YES)、次のタイムスロットT(i+1)に中継ノードBの送信タイムスロットを移動させる(ステップS307)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける送信タイムスロットの全ての組み合わせの選択が終了したか否かを判定する(ステップS308)。送信割り当て生成部135は、まだ選択していない組み合せがあると判定した場合(ステップS308:NO)、ステップS303からの処理を繰り返す。送信割り当て生成部135は、全ての組み合わせを選択したと判定した場合(ステップS308:YES)、ステップS309の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)があるか否かを判定する(ステップS309)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)があると判定した場合(ステップS309:YES)、選択タイムスロットTiを次のタイムスロットT(i+1)に更新し、ステップS302〜ステップS308の処理を繰り返す。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)がなく、新規挿入タイムスロットも含めて全てのタイムスロットを実施したと判定した場合は(ステップS309:NO)、処理を終了する。
なお、図18の送信に影響を与えるノードを示す判定表の作成は、相手側中継ノードからの受信レベルがキャリアセンス閾値を超えるか否かを基準にして作成しても良い。送信割り当て生成部135は、各中継ノードから、相手側中継ノードからの受信レベルがキャリアセンス閾値を超えるか否かの判断結果を受信して判定表を生成してもよく、予め作成された判定表を送信割り当て生成部135に登録しもよい。また、送信割り当て生成部135は、送信に影響を与えるか否かを、中継ノード間の物理的距離を元に決定してもよい。送信割り当て生成部135は、各中継ノードの位置を記憶しておくか、各中継ノードから受信し、中継ノード間の物理的距離が閾値以下である場合は、送信に影響があると判定する。
上記の処理により、中継ノード間、及び、エンドデバイスと中継ノード間の送信に影響を与えないようにすることができるため、スループットの低減を防ぐことが出来る。
(第4の実施形態)
図13にように、物理無線アクセスシステムのタイムスロットへ部分割り当てタイムスロットをマッピングすると、受信タイムスロットに干渉として影響を与える中継ノード間の通信や中継ノードとEDの通信が複数、同じタイムスロット期間に割り当てられる場合がある。このような場合、干渉により受信フレームの復号に失敗し、無線フレームの欠落が発生することがある。そこで、送信割り当て生成部135は、同一のタイムスロットに中継ノード間の通信、又は、中継ノードと中継ノードに所属するED間の通信が複数あり、それらが受信中継ノードに干渉を与える場合は、それらが異なるタイムスロットで通信を行う様に、物理無線アクセスネットワークのタイムスロット割り当てを行う。
図13にように、物理無線アクセスシステムのタイムスロットへ部分割り当てタイムスロットをマッピングすると、受信タイムスロットに干渉として影響を与える中継ノード間の通信や中継ノードとEDの通信が複数、同じタイムスロット期間に割り当てられる場合がある。このような場合、干渉により受信フレームの復号に失敗し、無線フレームの欠落が発生することがある。そこで、送信割り当て生成部135は、同一のタイムスロットに中継ノード間の通信、又は、中継ノードと中継ノードに所属するED間の通信が複数あり、それらが受信中継ノードに干渉を与える場合は、それらが異なるタイムスロットで通信を行う様に、物理無線アクセスネットワークのタイムスロット割り当てを行う。
図20は、中継ノード間、又は、中継ノードと中継ノードに所属するED間における相手からの受信レベルを示す。これらの受信レベルと閾値との比較により、受信中継ノードに干渉を与えるか否かを判定可能である。
図21は、タイムスロット割り当て処理の一例を示すフロー図である。送信割り当て生成部135は、図20に示す受信レベルに基づく制限を確認しながらタイムスロット割当処理を実施してもよく、先に、図13に示すタイムスロット割り当て処理後に、図20に示す受信レベルに基づく制限により割り当てを見直してもよい。ここでは、図13に示すタイムスロット割り当て後に、図20の受信レベルが示す制限により割り当てを見直す一例である。
送信割り当て生成部135は、第1のタイムスロット、つまり基本周期Toの最初のタイムスロットを選択する(ステップS401)。例えば、図13の場合、第1のタイムスロットはT1である。選択されたタイムスロットを選択タイムスロットTiとすると、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiをT1に初期化する。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに、受信タイムスロットがあるか否かを判定する(ステップS402)。受信タイムスロットとは、他の無線機から無線信号を受信する無線機が存在するタイムスロットである。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに受信タイムスロットがないと判定した場合は(ステップS402:NO)、ステップS412の処理を行い、受信タイムスロットがあると判定した場合は(ステップS402:YES)、ステップS403の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに、ステップS402の受信タイムスロットの転送元タイムスロット以外の送信タイムスロットがあるか否かを判定する(ステップS403)。送信割り当て生成部135は、ないと判定した場合(ステップS403:NO)、ステップS412に移動し、あると判定した場合(ステップS403:YES)、ステップS404に移動する。
例えば、選択タイムスロットTiがT1の場合、図13に示すタイムスロットマッピングでは、ノードR3がEDから無線信号を受信している受信タイムスロットT1−3があり、さらに、ノードR7に属するEDが無線信号を送信しているタイムスロットT1−7がある。よって、送信割り当て生成部135は、ステップS404に移動する。
また、例えば、選択タイムスロットTiがT2の場合、図13に示すタイムスロットマッピングでは、ノードR2がノードR3から無線信号を受信している受信タイムスロットT2−2があり、さらに、ノードR7からノードR8に無線信号を送信しているタイムスロットT2−7がある。よって、送信割り当て生成部135は、ステップS404に移動する。
送信割り当て生成部135は、受信タイムスロットの一つを選択し、選択したタイムスロットにおける受信中継ノードをノードAとする(ステップS404)。送信割り当て生成部135は、ステップS404で選択した受信タイムスロットの転送元以外の送信タイムスロットを持つ中継ノードを選択し、ノードBとする。これにより、例えば、タイムスロットT1の場合は、ノードR3がノードAとして選択され、ノードR7がノードBとして選択される。タイムスロットT1−7では、ノードR7に属するEDが送信を行っているが、ノードR7からの送信と同等とみなしている。また、タイムスロットT2の場合は、ノードR2がノードAとして選択され、ノードR7がノードBとして選択される。
送信割り当て生成部135は、ノードBがノードAに干渉するか否かを確認する(ステップS406)。送信割り当て生成部135は、ノードAの転送元からの受信レベルとノードBからの受信レベルの差を求める。送信割り当て生成部135は、この受信レベル差が規定値以下であれば、干渉すると判定し(ステップS406:YES)、ステップS407の処理を行う。送信割り当て生成部135は、干渉が無いと判定した場合は(ステップS406:NO)、ステップS410の処理を行う。
ステップS407〜ステップS410において、送信割り当て生成部135は、受信タイムスロットをもつ中継ノードAに対して、送信タイムスロットをもつノードBを別のタイムスロットにして、干渉を回避する。そのため、送信割り当て生成部135は、現在の選択タイムスロットの次に新たなタイムスロットを全ノードRに対して挿入して、中継ノードBの送信タイムスロットを新規挿入タイムスロットに移動する。この処理を、全ての送信タイムスロットの中継ノードとの組み合わせで実施するため、以前の組み合わせで新たに挿入したタイムスロットがあれば、新たにタイムスロットを挿入せずに、すでに挿入した新規挿入タイムスロットに移動する。
そこで、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)が新規挿入タイムスロットであるか否かを判定する(ステップS407)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)が挿入タイムスロットではないと判定した場合(ステップS407:YES)、選択タイムスロットTiの次に、新たなタイムスロットT(i+1)を挿入する(ステップS408)。
送信割り当て生成部135は、ステップS408の処理の後、又は、ステップS407において次のタイムスロットT(i+1)が新規挿入タイムスロットであると判定した場合(ステップS407:YES)、次のタイムスロットT(i+1)に中継ノードBの送信タイムスロットを移動させる(ステップS409)。
送信割り当て生成部135は、ステップS404で選択した受信タイムスロットの転送元以外の他の送信タイムスロットを持つ中継ノードを全て選択したか否かを判定する(ステップS410)。送信割り当て生成部135は、まだ全てを選択していないと判定した場合(ステップS410:NO)、ステップS405からの処理を行い、全てを選択したと判定した場合(ステップS410:YES)、ステップS411の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける受信タイムスロットを全て選択したか否かを判定する(ステップS411)。送信割り当て生成部135は、未選択の受信タイムスロットがあると判定した場合(ステップS411:NO)、ステップS404からの処理を繰り返し、全ての受信タイムスロットを選択したと判定した場合(ステップS411:YES)、ステップS412の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)があるか否かを判定する(ステップS412)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)があると判定した場合(ステップS412:YES)、選択タイムスロットTiを次のタイムスロットT(i+1)に更新し、ステップS402〜ステップS411の処理を繰り返す。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)がなく、新規挿入タイムスロットも含めて全てのタイムスロットを実施したと判定した場合は(ステップS412:NO)、処理を終了する。
中継ノード間の干渉の有無は、図20に示す受信電力を元に判定することができる。なお、送信割り当て生成部135は、各無線機11から、他の無線機が送信した無線信号の受信電力の情報を受信して、図20に示す判定表を生成してよい。また、送信割り当て生成部135は、無線機11間又は無線機11と無線機13間の物理的な距離を元に推定した受信電力に基づいて、図20に示す判定表を作成し、これに従って、ステップS406の判定を行っても良い。
上記によれば、干渉の影響を排除して、無線フレームの欠落を防ぐことが出来る。
上記によれば、干渉の影響を排除して、無線フレームの欠落を防ぐことが出来る。
(第5の実施形態)
第3の実施形態と第4の実施形態を組合せ、送信タイムスロット間のCSMA−CAの影響と、送信タイムスロットと受信タイムスロット間の干渉の影響とを同時に考慮して物理無線アクセスシステムへのマッピングを実施しても良い。例えば、図13のマッピングを実施後に、図19に示す処理フロー、及び、図21に示す処理フローを適用することで実現可能である。
第3の実施形態と第4の実施形態を組合せ、送信タイムスロット間のCSMA−CAの影響と、送信タイムスロットと受信タイムスロット間の干渉の影響とを同時に考慮して物理無線アクセスシステムへのマッピングを実施しても良い。例えば、図13のマッピングを実施後に、図19に示す処理フロー、及び、図21に示す処理フローを適用することで実現可能である。
(第6の実施形態)
以上は、EDが仮想無線アクセスシステム毎に個別に送信タイムスロットを使用する実施例を示したが、仮想無線アクセスシステムが異なる場合でも、1中継ノードに所属するEDについてはまとめて、同じタイムスロットを使用しても良い。1中継ノードに所属するEDをまとめて送信タイムスロットに割り当てることで、タイムスロットの使用数を削減し、EDの収容効率を上げる事ができる。
以上は、EDが仮想無線アクセスシステム毎に個別に送信タイムスロットを使用する実施例を示したが、仮想無線アクセスシステムが異なる場合でも、1中継ノードに所属するEDについてはまとめて、同じタイムスロットを使用しても良い。1中継ノードに所属するEDをまとめて送信タイムスロットに割り当てることで、タイムスロットの使用数を削減し、EDの収容効率を上げる事ができる。
図22〜図24は、本実施形態のタイムスロット割り当て処理の一例を示すフロー図である。上記実施形態においては、仮想無線アクセスシステム毎の部分割り当てタイムスロット作成後に、物理無線アクセスシステムにマッピングを行ったが、本実施形態では、複数の仮想無線アクセスシステムをまとめてタイムスロット割り当てを実施する。割り当て終了後、作成したタイムスロット割り当てを、物理無線アクセスシステムにそのままマッピングする。
図22において、送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードに対してタイムスロットを新規に生成する(ステップS501)。ステップS501を最初に実行する場合は、タイムスロットT1を生成し、複数回目の実行の場合には、既に生成されているタイムスロットの次に新規タイムスロットを生成する。送信割り当て生成部135は、生成したタイムスロットを、選択タイムスロットTiとする。送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードの中から一つを選択する(ステップS502)。選択された中継ノードを、選択中継ノードとする。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに、選択中継ノードに所属するEDの送信タイムスロットを設定する(ステップS503)。
送信割り当て生成部135は、1つの仮想無線アクセスシステムを選択する(ステップS504)。選択された仮想無線アクセスシステムを、選択仮想無線アクセスシステムと記載する。送信割り当て生成部135は、ステップS502における選択中継ノードが、ステップS504における選択仮想無線アクセスシステムの根ノードであるか否かを判定する(ステップS505)。送信割り当て生成部135は、根ノードであると判定した場合は(ステップS505:YES)、ステップS509の処理を行い、根ノードではないと判定した場合は(ステップS505:NO)、ステップS506の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットの次のタイムスロットが生成されているか否かを判定する(ステップS506)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットの次のタイムスロットが生成されていると判定した場合は(ステップS506:YES)、ステップS508の処理を行う。一方、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットの次のタイムスロットが生成されていないと判定した場合は(ステップS506:YES)、全ての中継ノードに対して選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)を生成してから(ステップS507)、ステップS508を実行する。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)を、ステップS502の選択中継ノードに所属するEDからの無線信号を転送するための送信タイムスロットに設定する。このとき、送信割り当て生成部135は、ステップS504の選択仮想無線アクセスシステムの識別子(仮想無線アクセスシステム識別子)を付与する(ステップS508)。
送信割り当て生成部135は、全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を実施したか否かを判定する(ステップS509)。送信割り当て生成部135は、まだ処理を実施していない仮想無線アクセスシステムがあると判定した場合(ステップS509:NO)、ステップS504に戻る。一方、送信割り当て生成部135は、全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を実施したと判定した場合(ステップS509:YES)、ステップS510の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)の有無を判定する(ステップS510)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットありと判定した場合(ステップS510:YES)、図23のステップS511の処理を行い、次のタイムスロットなしと判定した場合(ステップS510:NO)、図24のステップS527の処理を行う。
図23において、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)を新たな選択タイムスロットとする(ステップS511)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおいて送信タイムスロットをもつ中継ノードを1つ選択し、新たな選択中継ノードとする(ステップS512)。
送信割り当て生成部135は、ステップS512の選択中継ノードの送信タイムスロットにおいて送信を行う仮想無線アクセスシステムを1つ選択し、選択仮想無線アクセスシステムとする(ステップS513)。送信割り当て生成部135は、ステップS512の選択中継ノードが選択仮想無線アクセスシステムの根ノードであるか否かを判定する(ステップS514)。送信割り当て生成部135は、根ノードであると判定した場合は(ステップS514:YES)、ステップS516の処理を行い、根ノードではないと判定した場合は(ステップS514:NO)、ステップS515の処理を行ってから、ステップS516の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに、選択中継ノードからの無線信号の転送先となる中継ノードの受信タイムスロットを設定する。このとき、送信割り当て生成部135は、ステップS513の選択仮想無線アクセスシステムの識別子を付与する(ステップS515)。送信割り当て生成部135は、ステップS512において選択された送信タイムスロット内の全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を実施したか否かを判定する(ステップS516)。送信割り当て生成部135は、まだ処理を実施していない仮想無線アクセスシステムがあると判定した場合(ステップS516:NO)、ステップS513に戻る。一方、送信割り当て生成部135は、全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を実施したと判定した場合(ステップS516:YES)、ステップS517の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける全ての送信タイムスロットについてステップS512〜ステップS516の処理を行ったか否かを判定する(ステップS517)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおいて未処理の送信タイムスロットがあると判定した場合(ステップS517:YES)、ステップS512に戻る。一方、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける全ての送信タイムスロットについて処理を行ったと判定した場合(ステップS517:YES)、図24のステップS518の処理を行う。
図24において、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiにおける受信タイムスロットを1つ選択する(ステップS518)。送信割り当て生成部135は、ステップS518において選択した受信タイムスロットに設定されている識別子により特定される仮想無線アクセスシステムのうち一つを選択し、選択仮想無線アクセスシステムとする(ステップS519)。送信割り当て生成部135は、ステップS518で選択した受信タイムスロットの中継ノードが、ステップS519で選択した仮想無線アクセスシステムの根ノードであるか否かを判定する(ステップS520)。送信割り当て生成部135は、根ノードであると判定した場合(ステップS520:YES)、後述するステップS524の処理を行い、根ノードではないと判定した場合(ステップS520:NO)、次のステップS521の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)が生成されているか否かを判定する(ステップS521)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)が生成されていると判定した場合(ステップS521:YES)、ステップS523の処理を行う。一方、送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)が生成されていないと判定した場合(ステップS521:NO)、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)を生成してから(ステップS522)、ステップS523の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)に、ステップS518において選択した受信タイムスロットを使用する中継ノードR2の送信タイムスロットを設定する。送信割り当て生成部135は、このとき、ステップS519において選択した仮想無線アクセスシステムの識別子を付与する(ステップS523)。
送信割り当て生成部135は、ステップS518において選択した受信タイムスロットの仮想無線アクセスシステムの識別子全てについて、ステップS519〜ステップS523を実施したか否かを判定する(ステップS524)。送信割り当て生成部135は、識別子全てについて実施していないと判定した場合(ステップS524:NO)、ステップS519に戻り、実施したと判定した場合(ステップS524:YES)、ステップS525の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiに設定されている全ての受信タイムスロットに対して、ステップS518〜ステップS524の処理を実施したか否かを判定する(ステップS525)。送信割り当て生成部135は、未実施の受信タイムスロットがあると判定した場合(ステップS525:NO)、ステップS518の処理に戻り、全ての受信タイムスロットに対して処理を終了したと判定した場合(ステップS525:YES)、ステップS526の処理を行う。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットTiの次のタイムスロットT(i+1)があるか否かを判定する(ステップS526)。送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)があると判定した場合(ステップS526:YES)、図23のステップS511に戻って処理を行う。これにより、仮想無線アクセスシステムの根ノードに到達するまで、ステップS511〜ステップS526を繰り返す。ここまでで、1つの中継ノードに対するEDから、全ての仮想無線アクセスシステムの根ノードまでのタイムスロット割り当てが終了する。
送信割り当て生成部135は、次のタイムスロットT(i+1)がないと判定した場合(ステップS526:NO)、全ての中継ノードについて処理を終了したか否かを判定する(ステップS527)。送信割り当て生成部135は、処理を終了していない中継ノードがあると判定した場合(ステップS527:NO)、他の中継ノードに移動して、ステップS501からの処理を繰り返す。そして、送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードについて処理を実施したと判定した場合(ステップS527:YES)、処理を終了する。
図25は、図22〜図24のタイムスロット割り当て処理により作成されるタイムスロット割り当て結果の例を示す図である。同図を参照して、図22〜図24の処理の具体例を説明する。図25において、「from**」は、**から受信することを、「toR*」は、中継ノードR*に送信することを表す。また、[]の中の数値は、仮想無線アクセスシステムの識別子を表し、()の中に記載されたR*は、送信元のノードR*を表す。仮想無線アクセスシステムAの識別子を「A」、仮想無線アクセスシステムBの識別子を「B」とする。また、仮想無線アクセスシステムAのトポロジを図8とし、仮想無線アクセスシステムBのトポロジを図9とする。
まず、送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードR1〜R9に対して新規タイムスロットT1を生成し、選択タイムスロットする(ステップS501)。送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードの中からノードR1を選択する(ステップS502)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT1に、選択中継ノードR1に所属するEDの送信タイムスロットを設定する(ステップS503)。送信割り当て生成部135は、仮想無線アクセスシステムAを選択する(ステップS504)。ステップS502の選択中継ノードR1はステップS504の選択仮想無線アクセスシステムAの根ノードではなく(ステップS505:NO)、選択タイムスロットT1の次のタイムスロットT2は生成されていない(ステップS506:NO)。そこで、送信割り当て生成部135は、全ての中継ノードR1〜R9に対して選択タイムスロットT1の次のタイムスロットをT2生成する(ステップS507)。送信割り当て生成部135は、タイムスロットT2を、選択中継ノードR1に所属するEDからの無線信号を選択仮想無線アクセスシステムAにおける次の中継ノードR4に転送するタイムスロットに設定し、さらに、選択仮想無線アクセスシステムAの識別子Aを付与する。
送信割り当て生成部135は、次に、仮想無線アクセスシステムBを選択する(ステップS509:NO、ステップS504)。選択中継ノードR1は選択仮想無線アクセスシステムBの根ノードではなく(ステップS505:NO)、選択タイムスロットT1の次のタイムスロットT2は生成済みである(ステップS506:YES)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT1の次のタイムスロットT2を、選択中継ノードR1に所属するEDからの無線信号を選択仮想無線アクセスシステムBにおける次の中継ノードR2に転送するタイムスロットに設定し、さらに、選択仮想無線アクセスシステムBの識別子Bを付与する(ステップS508)。
全ての仮想無線アクセスシステムA、Bについて処理が実施され(ステップS509:YES)、選択タイムスロットT1の次のタイムスロットT2が生成済みである(ステップS510:YES)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT1の次のタイムスロットT2を新たな選択タイムスロットとする(ステップS511)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2において送信タイムスロットを持つ中継ノードR1を選択し、選択中継ノードとする(ステップS512)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR1の送信タイムスロットにおいて送信を行う仮想無線アクセスシステムAを選択し、選択仮想無線アクセスシステムとする(ステップS513)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR1が選択仮想無線アクセスシステムAの根ノードではないと判定する(ステップS514:NO)。仮想無線アクセスシステムAにおいてノードR1からの無線信号の転送先はノードR4である。そこで、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2に、選択中継ノードR1からの無線信号を受信するための中継ノードR4の受信タイムスロットを設定し、選択仮想無線アクセスシステムAの識別子を付与する(ステップS515)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2における選択中継ノードR1の送信タイムスロットに設定されている仮想無線アクセスシステムBを選択し、選択仮想無線アクセスシステムとする(ステップS516:NO、ステップS513)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR1が選択仮想無線アクセスシステムBの根ノードではないと判定する(ステップS514:NO)。仮想無線アクセスシステムBにおいてノードR1からの無線信号の転送先はノードR2である。そこで、送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2に、選択中継ノードR1からの無線信号を受信するための中継ノードR2の受信タイムスロットを設定し、選択仮想無線アクセスシステムBの識別子を付与する(ステップS515)。
送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR1の送信タイムスロットに付与されている全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を終了し(ステップS516:YES)、選択タイムスロットT2の全ての送信タイムスロットについて処理を終えたと判定する(ステップS517:YES)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2における受信タイムスロットの中から、中継ノードR4の受信タイムスロットを選択し、中継ノードR4を選択中継ノードとする(ステップS518)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2における選択中継ノードR4の受信タイムスロットから、識別子Aにより特定される仮想無線アクセスシステムAを選択する(ステップS519)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR4が仮想無線アクセスシステムAの根ノードであり(ステップS520:YES)、選択されている受信タイムスロットに設定されている全ての識別子について処理を終えたと判定する(ステップS524:YES)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2における受信タイムスロットの中から、中継ノードR2の受信タイムスロットを選択し、中継ノードR2を選択中継ノードとする(ステップS518)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2における選択中継ノードR2の受信タイムスロットから、識別子Bにより特定される仮想無線アクセスシステムBを選択する(ステップS519)。選択中継ノードR2は仮想無線アクセスシステムBの根ノードではなく(ステップS520:NO)、選択タイムスロットT2の次のタイムスロットT3は生成されていない(ステップS521:NO)。そこで、送信割り当て生成部135は、タイムスロットT3を生成する(ステップS522)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2の次のタイムスロットT3に、中継ノードR2の送信タイムスロットを設定し、仮想無線アクセスシステムBの識別子を付与する(ステップS523)。送信割り当て生成部135は、選択されている受信タイムスロットに設定されている全ての識別子について処理を終えたと判定する(ステップS524:YES)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2の全ての受信タイムスロットを選択したと判定する(ステップS525:YES)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT2の次のタイムスロットT3があるため(ステップS526:YES)、選択タイムスロットT2の次のタイムスロットT3を新たな選択タイムスロットとする(ステップS511)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3において送信タイムスロットを持つ中継ノードR2を選択し、選択中継ノードとする(ステップS512)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR2の送信タイムスロットにおいて送信を行う仮想無線アクセスシステムBを選択し、選択仮想無線アクセスシステムとする(ステップS513)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR2が選択仮想無線アクセスシステムBの根ノードではないと判定する(ステップS514:NO)。仮想無線アクセスシステムBにおいてノードR2からの無線信号の転送先はノードR3である。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3に、選択中継ノードR2からの無線信号を受信するための中継ノードR3の受信タイムスロットを設定し、選択仮想無線アクセスシステムBの識別子を付与する(ステップS515)。
送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR2の送信タイムスロットに付与されている全ての仮想無線アクセスシステムについて処理を終了し(ステップS516:YES)、選択タイムスロットT3の全ての送信タイムスロットについて処理を終えたと判定する(ステップS517:YES)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3における受信タイムスロットの中から、中継ノードR3の受信タイムスロットを選択し、中継ノードR3を選択中継ノードとする(ステップS518)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3における選択中継ノードR3の受信タイムスロットから、識別子Bにより特定される仮想無線アクセスシステムBを選択する(ステップS519)。送信割り当て生成部135は、選択中継ノードR3が仮想無線アクセスシステムBの根ノードであり(ステップS520:YES)、選択されている受信タイムスロットに設定されている全ての識別子について処理を終えたと判定する(ステップS524:YES)。
送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3の全ての受信タイムスロットを選択したと判定する(ステップS525:YES)。送信割り当て生成部135は、選択タイムスロットT3の次のタイムスロットはないため(ステップS526:NO)、新たに中継ノードR2を選択してステップS501からの処理を繰り返す(ステップS527:NO)。送信割り当て生成部135は、すべての中継ノードに対して上記処理を実施して終了とする。
送信割り当て生成部135は、図22〜図24の処理により割りつけたタイムスロットを、物理無線アクセスシステム1のタイムスロットにそのままマッピングすることで、割りつけが完了する。
以上の様にタイムスロットを割りつけることで、一つの物理無線アクセスシステム上に、ゲートウェイが異なる複数の無線アクセスシステムを動作させることができる。また、周波数資源を消費せず、無線信号の干渉を低減し、エンドデバイスとゲートウェイ間を低遅延で伝送し、設備負担を低減できる。
図22〜図24のフロー図で生成したタイムスロット割りつけに対して、CSMA−CAの影響や干渉の影響を排除することも可能である。例えば、図22〜図24のフロー図に示す処理によって生成したタイムスロット割り当てに対して、図19、及び、図20の処理フローを適用しても良い。
また、図22のフロー図内に、図19、及び図20のフロー図を適宜適用してもよい。
また、図22のフロー図では、中継ノード毎に、時間的に縦続にタイムスロットを生成しているが、中継ノード毎にタイムスロット割り当てを生成し、EDから根ノードまでの転送の間に、他の転送データが割り込まない様に、物理無線アクセスネットワーク1のタイムスロットにマッピングしても良い。
また、図22のフロー図内に、図19、及び図20のフロー図を適宜適用してもよい。
また、図22のフロー図では、中継ノード毎に、時間的に縦続にタイムスロットを生成しているが、中継ノード毎にタイムスロット割り当てを生成し、EDから根ノードまでの転送の間に、他の転送データが割り込まない様に、物理無線アクセスネットワーク1のタイムスロットにマッピングしても良い。
なお、上述した実施形態では、仮想無線アクセスシステムを2つで説明したが、数に関係なく適用は可能である。また、上述した実施形態では、中継ノードを9台で説明したが、数に関係なく適用可能である。また、無線機103は、仮想無線アクセスシステムのいずれかの根ノードでも良いし、根ノードでなくても良い。
以上の説明では、無線機12間の通信については述べていないが、無線機11及び無線機13が中継ノードの場合は、その送信タイムスロットで無線機12に対して無線通信を行うことで、また、ゲートウェイ機能の役割の無線機11及び無線機13では、送信タイムスロットを設けることで、無線機12間の通信も可能である。
以上の説明では、無線機12から、無線機11及び無線機13に向かう収集方向の無線通信について述べたが、無線機11及び無線機13から、無線機12への無線通信も、同様にタイムスロットを設けることで、無線通信は可能である。
上述した実施形態によれば、調停装置は、物理無線アクセスシステムにおいて無線機が無線通信を行うタイムスロットを決定し、送信タイミングを調停する。物理無線アクセスシステムは、複数の無線機を有しており、少なくとも複数の無線機の一部によりエンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを中継する。例えば、センサ収集システムであれば、データ処理装置は、エンドデバイスから送信されたセンサデータを取集する制御コントローラなどである。調停装置の送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムにおけるフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、仮想無線アクセスシステムごとに、エンドデバイスと仮想無線アクセスシステムにおけるデータ処理装置へのゲートウェイとなる無線機との間の転送ルートにおいて無線フレームが転送される順に無線機がタイムスロットを使用し、かつ、エンドデバイスと無線フレームを送受信する無線機が異なる転送ルートでは異なるタイムスロットを使用するよう、定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを無線機に割り当てる。送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムごとに割り当てたタイムスロットを定周期のタイムスロットにマッピングする。
1つのタイムスロットにおいては、受信タイムスロットと送信タイムスロットがある。受信タイムスロットでは、無線機又はエンドデバイスが転送ルートにおける次の送信先に無線フレームを送信し、送信タイムスロットでは、その転送ルートにおける次の送信先である無線機又はエンドデバイスが無線フレームを受信する。
なお、送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムごとに割り当てたタイムスロットを定周期のタイムスロットにマッピングする際に、無線機が一の仮想無線アクセスシステムの無線フレームを受信するタイムスロットと、その受信した無線フレームを次の送信先に送信するタイムスロットとの間に、他の仮想無線アクセスシステムの無線フレームの受信を行わないようマッピングを行ってもよい。
また、送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムごとに割り当てたタイムスロットを定周期のタイムスロットにマッピングする際に、無線機間の受信レベルや距離などに基づいて、一の仮想無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスが他の無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスと同じタイムスロットで又は異なるタイムスロットで送信を行うようマッピングしてもよい。
また、送信割り当て生成部は、複数の仮想無線アクセスシステムごとに割り当てたタイムスロットを定周期のタイムスロットにマッピングする際に、一の仮想無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスと、他の仮想無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスとの受信レベルや距離などに基づいて、一の仮想無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスの受信と、他の仮想無線アクセスシステムの無線機又はエンドデバイスの送信とを同一のタイムスロットで又は異なるタイムスロットで行うようマッピングしてもよい。
上述した実施形態により、一つの物理無線アクセスシステム上に、ゲートウェイの設置箇所が異なり、かつ、ネットワークトポロジが異なる仮想無線アクセスシステムを複数動作させることができる。よって、センサ収集システム毎に無線アクセスシステムを構築する必要が無く、設備負担を減らすことができる。また、無線アクセスシステムにおいて、定周期通信を信頼性高く、効率良く伝送できる。また、センサ収集システム側がセンサデータ収集タイミングによる衝突回避等を考慮する必要がなくなり、センサ収集システムは、送信したいデータを無線アクセスシステムに渡すだけで良い。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、送信割り当て生成部135を持つことにより、無線機101、103がEDとデータ処理装置との間の通信を中継するツリー型のネットワークトポロジの仮想無線アクセスシステムを複数収容し、複数の無線機のうち少なくとも一部が複数の仮想無線アクセスシステムにより共有される物理無線アクセスシステム1において、転送されるデータの欠落や伝送遅延の発生を低減することができる。
上述した実施形態における送信割り当て生成部135は、ソフトウェア機能部であってもよく、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。送信割り当て生成部135の機能をコンピュータで実現する場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…無線アクセスシステム、11…無線機、12…無線機、13…無線機、111…インタフェース部、112…ルーティング部、113…送信制御部、114…無線インタフェース部、135…送信割り当て生成部、2…サブ無線アクセスネットワーク、2a…サブ無線アクセスネットワーク、2b…サブ無線アクセスネットワーク
Claims (15)
- 複数の無線機を有し、エンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを少なくとも複数の前記無線機の一部により中継する仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステムにおいて前記無線機が無線通信を行うタイムスロットを決定する調停装置であって、
複数の前記仮想無線アクセスシステムにおけるフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、前記仮想無線アクセスシステムごとに、前記エンドデバイスと前記仮想無線アクセスシステムにおける前記データ処理装置へのゲートウェイとなる前記無線機との間の転送ルートにおいて前記無線フレームが転送される順に前記無線機がタイムスロットを使用し、かつ、前記エンドデバイスと無線フレームを送受信する前記無線機が異なる転送ルートでは異なるタイムスロットを使用するよう、前記定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを前記無線機に割り当て、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする送信割り当て生成部、
を備える調停装置。 - 1つのタイムスロットにおいて、前記無線機又は前記エンドデバイスが前記転送ルートにおける次の送信先に無線フレームを送信し、前記転送ルートにおける次の送信先である前記無線機又は前記エンドデバイスが前記無線フレームを受信する、
請求項1に記載の調停装置。 - 前記送信割り当て生成部は、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする際に、前記無線機が一の前記仮想無線アクセスシステムの無線フレームを受信するタイムスロットと、受信した前記無線フレームを次の送信先に送信するタイムスロットとの間に、他の前記仮想無線アクセスシステムの無線フレームの受信を行わないようマッピングを行う、
請求項1又は請求項2に記載の調停装置。 - 前記送信割り当て生成部は、前記無線機それぞれにおいて使用されるタイムスロットの数が小さくなるように前記仮想無線アクセスシステムのネットワークトポロジを生成する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の調停装置。 - 前記送信割り当て生成部は、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする際に、一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスと他の前記無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスとの関係に基づいて、一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスが他の前記無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスと同じタイムスロットで又は異なるタイムスロットで送信を行うようマッピングする、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の調停装置。 - 前記関係は、無線信号の受信レベルがキャリアセンス閾値を超える否かである、
請求項5に記載の調停装置。 - 前記関係は、距離である、
請求項5に記載の調停装置。 - 前記送信割り当て生成部は、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする際に、受信を行う一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスと、送信を行う他の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスとの関係に基づいて、一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスの受信と、他の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスの送信とを同一のタイムスロットで又は異なるタイムスロットで行うようマッピングする、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の調停装置。 - 受信を行う一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスと、送信を行う他の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスとの前記関係は、受信レベルである、
請求項8に記載の調停装置。 - 受信を行う一の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスと、送信を行う他の前記仮想無線アクセスシステムの前記無線機又は前記エンドデバイスとの前記関係は、距離である、
請求項8に記載の調停装置。 - 前記送信割り当て生成部は、複数の前記仮想無線アクセスシステムそれぞれの前記エンドデバイスが同一の前記無線機に同じタイムスロットにおいて送信を行うよう、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の調停装置。 - 複数の無線機を有し、エンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを少なくとも複数の前記無線機の一部により中継する仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステムであって、
前記無線機及び前記エンドデバイスはそれぞれ、
無線通信を行う無線インタフェース部と、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の調停装置によりマッピングされた前記タイムスロットに従って無線通信を行うよう前記無線インタフェース部を制御する送信制御部とを備える、
無線アクセスシステム。 - 複数の無線機を有し、エンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを少なくとも複数の前記無線機の一部により中継する仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステムであって、
いずれかの前記無線機は、
複数の前記仮想無線アクセスシステムにおけるフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、前記仮想無線アクセスシステムごとに、前記エンドデバイスと前記仮想無線アクセスシステムにおける前記データ処理装置へのゲートウェイとなる前記無線機との間の転送ルートにおいて前記無線フレームが転送される順に前記無線機がタイムスロットを使用し、かつ、前記エンドデバイスと無線フレームを送受信する前記無線機が異なる転送ルートでは異なるタイムスロットを使用するよう、前記定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを前記無線機に割り当て、複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする送信割り当て生成部、
を備え、
前記無線機及び前記エンドデバイスはそれぞれ、
無線通信を行う無線インタフェース部と、
前記送信割り当て生成部によりマッピングされた前記タイムスロットに従って無線通信を行うよう前記無線インタフェース部を制御する送信制御部とを備える、
無線アクセスシステム。 - 複数の無線機を有し、エンドデバイスとデータ処理装置との間の送受信する無線フレームを少なくとも複数の前記無線機の一部により中継する仮想無線アクセスシステムを複数動作させる無線アクセスシステムにおいて前記無線機が無線通信を行うタイムスロットを決定する調停方法であって、
複数の前記仮想無線アクセスシステムにおけるフレーム送信周期の最小公倍数を定周期とし、
前記仮想無線アクセスシステムごとに、前記エンドデバイスと前記仮想無線アクセスシステムにおける前記データ処理装置へのゲートウェイとなる前記無線機との間の転送ルートにおいて前記無線フレームが転送される順に前記無線機がタイムスロットを使用し、かつ、前記エンドデバイスと無線フレームを送受信する前記無線機が異なる転送ルートでは異なるタイムスロットを使用するよう、前記定周期を所定数に分割した長さのタイムスロットを前記無線機に割り当て、
複数の前記仮想無線アクセスシステムごとに割り当てた前記タイムスロットを前記定周期のタイムスロットにマッピングする、
調停方法。 - コンピュータを、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の調停装置として機能させるプログラム。
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---|---|---|---|
JP2017171383A JP2019047433A (ja) | 2017-09-06 | 2017-09-06 | 調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017171383A JP2019047433A (ja) | 2017-09-06 | 2017-09-06 | 調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラム |
Publications (1)
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JP2019047433A true JP2019047433A (ja) | 2019-03-22 |
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Family Applications (1)
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JP2017171383A Pending JP2019047433A (ja) | 2017-09-06 | 2017-09-06 | 調停装置、無線アクセスシステム、調停方法及びプログラム |
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2017
- 2017-09-06 JP JP2017171383A patent/JP2019047433A/ja active Pending
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