JP2019046747A - 導電材料前駆体 - Google Patents

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孝章 香西
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Abstract

【課題】高い導電性を有する導電材料を製造することが可能な導電材料前駆体を提供する。【解決手段】支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって、該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が、有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、タッチパネル、電磁波シールド材、アンテナ回路、電子回路等の用途に用いることができる導電材料を製造するための導電材料前駆体に関する。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルセンサーが広く用いられている。
タッチパネルセンサーには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等があり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルセンサーは、透明支持体上に光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、これら導電材料をドットスペーサーを介して対向配置した構造を有しており、タッチパネルセンサーの1点に力を加えることにより光透過性導電層同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電層を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルセンサーは、2層の光透過性導電層を有する導電材料を1枚、または1層の光透過性導電層を有する導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電層間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPC等で、とりわけ広く利用されている。
上記光透過性導電層を有する導電材料には、光透過性支持体上に酸化スズ(SnO)、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化亜鉛(ZnO)等からなる導電膜を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライプロセスによって設けたものがよく知られている。
また、上記ドライプロセス以外にも、導電性高分子、カーボンナノチューブ、例えば金属ナノワイヤ等の金属微粒子のネットワーク構造を使用したウェットプロセスにより形成された光透過性導電層を有する導電材料も提案されている。
現在、光透過性導電層として主流なのはITO導電膜である。しかしながらITO導電膜は屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、全光線透過率が低下する問題や、可撓性が低いため、ITO導電膜が屈曲した際に亀裂が生じて電気抵抗値が高くなる問題があった。また、使用するインジウムの枯渇の懸念、生産コスト高も問題点として挙げられ、上述のウェットプロセスにより形成された光透過性導電層を有する導電材料が代替材料として検討されている。
また、近年では銀塩感光材料を導電材料前駆体として用い、金属銀細線からなる網目状金属銀細線パターンを形成し光透過性導電層とする方法も提案されている。例えば直接現像方式を用いて支持体上に網目状金属銀細線パターンを形成する方法が国際公開第2001/51276号パンフレット(特許文献1)、特開2004−221564号公報(特許文献2)に開示され、例えば硬化現像方式を用いて支持体上に網目状金属銀細線パターンを形成する方法が特開2007−59270号公報(特許文献3)に開示される。また特開2003−77350号公報(特許文献4)や特開2005−250169号公報(特許文献5)等では、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電材料前駆体に、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させ、支持体上に網目状金属銀細線パターンを形成する銀塩拡散転写法が開示されている。特に銀塩拡散転写法によれば金属の中で最も導電性の高い銀からなる細線を、再現性良く容易に形成できるため、高透過率、高導電性を両立した導電材料を形成可能である。さらに、この方法で得られた光透過性導電層はITO導電膜よりも可撓性が高く折り曲げに強いという利点があり、可撓性を有する支持体上へ形成するのに適している。
しかしながら、上記した方法で得られた光透過性導電層は、金属銀細線部分が光を透過しないため、網目状金属銀細線パターンが視認されやすいという問題が存在する。これを改善するには金属銀細線の一層の細線化が必要であるが、単純に細線化した場合には金属銀細線の抵抗値が上昇するため、タッチパネルセンサーの感度が低下する。つまり、より高い導電性を有する導電材料が製造可能な、導電材料前駆体が求められていた。
一方、特開2010−108877号公報(特許文献6)には、支持体上に銀塩含有層を有する感光材料を露光し、現像することによって得られる透明導電膜の製造方法において、現像液が含有する有機・無機のキレート剤の一例として、有機ホスホン酸やアミノホスホン酸が記載されている。
国際公開第2001/51276号パンフレット 特開2004−221564号公報 特開2007−59270号公報 特開2003−77350号公報 特開2005−250169号公報 特開2010−108877号公報
本発明の課題は、高い導電性を有する導電材料を製造することが可能な導電材料前駆体を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成される。
(1)支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって、該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が、有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有することを特徴とする導電材料前駆体。
本発明により、高い導電性を有する導電材料を製造することが可能な導電材料前駆体を提供することができる。
以下、本発明について説明する。本発明の導電材料前駆体は、支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって、該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が、有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有する。
<有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤>
本発明に用いる有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤について説明する。ホスホン酸キレート剤とは、金属イオンと結合してキレート化合物を形成可能な配位子を2個以上有する化合物のうち、リン含有配位子を少なくとも1個有する化合物を意味する。そして有機ホスホン酸キレート剤とは分子構造中に炭素−リン結合を有するホスホン酸キレート剤を意味し、無機ホスホン酸キレート剤とは分子構造中に炭素−リン結合を有さないホスホン酸キレート剤を意味する。有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤の具体例としては、下記化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。有機ホスホン酸キレート剤としては、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ニトリロトリスメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、フィチン酸等を用いることができる。無機ホスホン酸キレート剤としては、ピロリン酸(二リン酸)、トリポリリン酸(三リン酸)、テトラポリリン酸(四リン酸)、ペンタポリリン酸(五リン酸)、ヘキサメタリン酸((HPO、n=10以上)等を用いることができる。これらの有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤は、アルカリ金属塩やアンモニウム塩の形で使用しても良い。
本発明では有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その際、異なる有機ホスホン酸キレート剤を2種以上、あるいは異なる無機ホスホン酸キレート剤を2種以上組み合わせても良いし、有機ホスホン酸キレート剤と無機ホスホン酸キレート剤を組み合わせて用いることも可能である。
上記したような有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤としては市販品を用いることができる。例えば有機ホスホン酸キレート剤としては、イタルマッチジャパン(株)より市販されるデイクエスト(登録商標)2000、デイクエスト2006、デイクエスト2010、デイクエスト2016、デイクエスト2046、デイクエスト2060S、デイクエスト7000等、キレスト(株)より市販されるキレスト(登録商標)PH−210、キレストPH−214、キレストPH−320、キレストPH−430、キレストPH−540等を挙げることができ、これらを入手し利用することができる。
本発明の導電材料前駆体において、有機ホスホン酸キレート剤および無機ホスホン酸キレート剤は、後述する導電材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層、中間層や保護層等や、その他の構成層のいずれかの層が含有していればよく、2つ以上の層が含有していてもよい。中でもハロゲン化銀乳剤層、保護層が有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有することが高い導電性を有する導電材料が得られるため特に好ましい。有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤の含有量は特に限定されないが、1mg/m〜500g/mであることが好ましく、より好ましくは5mg/m〜200g/mである。
導電材料前駆体に有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有させる方法は特に限定されず、導電材料前駆体の製造時に各構成層の形成に用いる塗布液に含有させてもよく、製造後の導電材料前駆体を、水や公知の有機溶剤に有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を溶解させた溶液に接触させて含有させてもよい。
<導電材料前駆体>
本発明の導電材料前駆体について説明する。本発明の導電材料前駆体は、支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する。
<支持体>
導電材料前駆体が有する支持体は特に限定されないが、本発明の導電材料をタッチパネルセンサー等の光透過性が必要な用途に利用する場合、支持体は光透過性を有することが特に好ましい。光透過性を有する支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、フッ素樹脂、フェノキシ樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、セロファン、ナイロン、ポリスチレン系樹脂、ABS樹脂等の各種樹脂フィルム、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス等が例示できる。導電材料の透明性の観点から、支持体の全光線透過率は60%以上が好ましく、特に好ましくは70%以上であり、同様の観点から支持体のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。支持体の厚さは10〜300μmであることが取り扱い性や透明性の観点から好ましい。支持体はその表面の少なくとも一方の面に、易接着層、ハードコート層、反射防止層、防眩層等の公知の層を有していてもよい。
<ハロゲン化銀乳剤層>
導電材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層は、詳細にはハロゲン化銀粒子が均一に分散された(乳化された)ハロゲン化銀乳剤を含有する層であり、したがってハロゲン化銀乳剤層はハロゲン化銀粒子を含有する。該ハロゲン化銀粒子の製造には、ハロゲン化銀乳剤に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術はそのまま用いることができる。
ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀およびフッ化銀のいずれであってもよく、これらの組み合わせでもよい。ハロゲン化銀粒子の形成には、順混合、逆混合、同時混合等の当業界では周知の方法が用いられる。中でも同時混合法の1種で、粒子形成される液相中のpAgを一定に保ついわゆるコントロールドダブルジェット法を用いることが、粒径の揃ったハロゲン化銀粒子が得られる点において好ましい。本発明において、導電材料の金属銀細線の導電性の観点やハロゲン化銀粒子の分散安定性の観点から、好ましいハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.25μm以下、特に好ましくは0.05〜0.2μmである。ハロゲン化銀乳剤層が含有するハロゲン化銀粒子は、80mol%以上が塩化銀であることが導電材料の金属銀細線の導電性の観点から好ましく、特に好ましくは90mol%以上である。
ハロゲン化銀粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、立方体状、平板状(六角平板状、三角形平板状、四角形平板状など)、八面体状、十四面体状など様々な形状であることができる。
ハロゲン化銀粒子は、その形成あるいは物理熟成の過程において必要に応じて亜硫酸塩、鉛塩、タリウム塩、あるいはロジウム塩もしくはその錯塩、イリジウム塩もしくはその錯塩などVIII族金属元素の塩もしくはその錯塩を共存させてもよい。また、種々の化学増感剤によって増感することができ、イオウ増感法、セレン増感法、貴金属増感法など当業界で一般的な方法を、単独、あるいは組み合わせて用いることができる。
ハロゲン化銀粒子は、必要に応じて分光増感することもできる。また、ハロゲン化銀粒子は必ずしもネガ感光性でなくてもよく、必要に応じてポジ感光性を持つハロゲン化銀粒子としてもよい。ポジ感光性を持つハロゲン化銀粒子に関しては、特開平8−171210号公報、同平8−202041号公報に記載されている方法によって作製することができる。
ハロゲン化銀乳剤層はハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしてバインダーを含有することが好ましい。バインダーとしては水溶性高分子化合物、非水溶性高分子化合物が例示できる。
水溶性高分子化合物は限定されず、公知のものを使用できる。具体的にはゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質、澱粉、デキストリン等の多糖類、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、アルギン酸、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、フコイダン、キトサン、ヒアルロン酸、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリリジン、ポリアクリル酸やこれらのグラフト重合ポリマー等が例示できる。またコハク化ゼラチンなど公知の方法で修飾した化合物を用いることもできる。
非水溶性高分子化合物としては公知の単独重合体や共重合体が例示できる。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレンなどがあり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン、スチレン・ブタジエン、スチレン・p−メトオキシスチレン、スチレン・酢酸ビニル、酢酸ビニル・塩化ビニル、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル、メチルメタクリレート・アクリロニトリル、メチルメタクリレート・ブタジエン、メチルメタクリレート・スチレン、メチルメタクリレート・酢酸ビニル、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン、メチルアクリレート・アクリロニトリル、メチルアクリレート・ブタジエン、メチルアクリレート・スチレン、メチルアクリレート・酢酸ビニル、アクリル酸・ブチルアクリレート、メチルアクリレート・塩化ビニル、ブチルアクリレート・スチレン等が例示できる。上記非水溶性高分子化合物としては、水に分散させたエマルションを使用することが好ましい。非水溶性高分子化合物のエマルションの平均粒径は0.01〜1.0μmであることが好ましく、特に好ましくは0.05〜0.8μmである。
上記した中でも、分散安定性が優れたハロゲン化銀粒子が得られることから、ハロゲン化銀乳剤層は水溶性高分子化合物を含有することが好ましく、ゼラチンを含有することが特に好ましい。
導電材料前駆体が有するハロゲン化銀乳剤層の銀/バインダー質量比は1.3以上であることが得られる導電材料の導電性の観点から好ましく、同じ観点からハロゲン化銀粒子の含有量は銀換算で2g/m以上であることが好ましい。さらに好ましくは銀/バインダー質量比が1.7〜3.5、ハロゲン化銀粒子の含有量は銀換算で2.5〜4.0g/mである。銀/バインダー質量比は高すぎるとハロゲン化銀粒子の保護コロイドとしての作用が不足し、ハロゲン化銀粒子の分散安定性が低下する場合がある。またハロゲン化銀粒子の含有量を増やしすぎることは、長い現像時間が必要となったり、支持体に近い側のハロゲン化銀粒子の感光性が低下したりする場合がある。
ハロゲン化銀乳剤層は、現像主薬を含有してもよい。現像主薬としては、写真現像の分野で公知の現像主薬を用いることができ、後述する現像液が含有していてもよい現像主薬が例示できる。現像主薬は2種以上含有していてもよい。
ハロゲン化銀乳剤層は、バインダーを架橋する目的で後述する物理現像核層が含有していてもよい架橋剤を含有できるが、銀塩拡散転写法により金属銀細線を形成する場合、現像後に不要になったハロゲン化銀乳剤層を水洗除去するため、架橋剤はこれを妨げない範囲で用いることが好ましい。また、ハロゲン化銀乳剤層は公知の写真用添加剤を含有してもよい。具体的にはResearch Disclosure Item 17643(1978年12月)および18716(1979年11月)、308119(1989年12月)に記載、あるいは引用された文献に記載されている添加剤を例示できる。その他、有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤等の各種の公知の添加剤を含有してもよい。
<物理現像核層>
本発明の導電材料前駆体は支持体上に物理現像核を少なくとも含有する物理現像核層を有することが特に好ましい。物理現像核層は、支持体上に直接有していてもよく、易接着層等の支持体が有する他の層上に有していてもよい。物理現像核としては、重金属あるいはその硫化物からなる微粒子(粒子サイズは1〜数十nm程度)が用いられる。例えば、金、銀等の金属コロイド、パラジウム、亜鉛等の水溶性塩と硫化物を混合した金属硫化物等が挙げられる。本発明の導電材料前駆体によって得られる導電材料の、金属銀細線と物理現像核層との接着性の観点から、物理現像核層における物理現像核の含有量は、固形分で0.01〜10mg/mが好ましい。
物理現像核層は上記した物理現像核以外にハロゲン化銀乳剤層が含有するバインダーとして例示した水溶性高分子化合物や、非水溶性高分子化合物を含有することが好ましく、水溶性高分子化合物を含有することがより好ましく、中でもポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のアミノ基を有する水溶性高分子化合物を含有することが特に好ましい。物理現像核層が含有する水溶性高分子化合物や非水溶性高分子化合物の含有量は、物理現像核に対して10〜10000質量%が好ましい。
物理現像核層が水溶性高分子化合物を含有する場合、該水溶性高分子化合物を架橋するために架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤は特に限定されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的にはテトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、ノルマルブチルジルコネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等の有機金属化合物、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサン等のアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩等の活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基を2つ以上有する化合物、ソルビトールポリグリシジルエーテルやポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ基を分子中に2個以上有する化合物、硫酸カリウムアルミニウム(ミョウバン)、その他「高分子の化学反応」(大河原 信 著、1972、化学同人社)の2.6.7章、5.2章、9.3章等に記載の架橋剤等が例示できる。中でもグリオキサール、グルタルアルデヒド、3−メチルグルタルアルデヒド、サクシンアルデヒド、アジポアルデヒド等のジアルデヒド類やエポキシ基を分子中に2個以上有する化合物が好ましい。架橋剤は、物理現像核層に含まれる水溶性高分子化合物に対して0.1〜80質量%を物理現像核層に含有させることが好ましい。
物理現像核層は、上記した物質以外にも有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、増粘剤等の各種の公知の添加剤を含有してもよい。
<その他の構成層>
本発明の導電材料前駆体は、上記したハロゲン化銀乳剤層および物理現像核層以外にも必要に応じて、裏塗り層、中間層、保護層等の非感光性層を有することができる。特に銀塩拡散転写法により金属銀細線を形成する場合、導電材料前駆体は中間層、保護層を有することが好ましい。中間層は現像後に不要になったハロゲン化銀乳剤層の水洗除去を促進する目的で、物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層の間に有することが好ましい。保護層はハロゲン化銀乳剤層を傷付きから保護し、現像処理中にハロゲン化銀乳剤層の銀が系外に拡散するのを抑制し、物理現像核上への銀の析出効率を高める目的から、ハロゲン化銀乳剤層の上に有することが好ましい。これらの非感光性層は、主に水溶性高分子化合物からなる層であり、ハロゲン化銀乳剤層が含有するバインダーとして例示した水溶性高分子化合物を用いることができる。非感光性層の水溶性高分子化合物量としては、各々の用途によって異なるが、0.001〜10g/mの範囲が好ましい。これら非感光性層は、水溶性高分子化合物を架橋する目的で、物理現像核層が含有していてもよい架橋剤を含有できるが、銀塩拡散転写法により金属銀細線を形成する場合、現像後に不要になった各構成層を水洗除去するため、これを妨げない範囲で用いることが好ましい。
上記した各構成層中には、ハロゲン化銀乳剤の感光波長域に吸収極大を有する非増感性染料または顔料を、画質向上のためのハレーション、あるいはイラジエーション防止剤として用いることが好ましい。ハレーション防止剤は、上記裏塗り層あるいは、物理現像核層、中間層等のハロゲン化銀乳剤層と支持体の間に設けられる層に用いることが好ましく、これら2つ以上の層に分けて用いてもよい。イラジエーション防止剤としては、ハロゲン化銀乳剤層に用いることが好ましい。これら非増感性染料または顔料の添加量は、目的の効果が得られるのであれば特に限定されないが、0.01〜1g/mの範囲が好ましい。また上記した各構成層は、必要に応じて公知の写真用添加剤、界面活性剤、マット剤、滑剤、後述する現像液が含有していてもよい現像主薬等を含有できる。
<導電材料前駆体の製造方法>
上記したハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層、中間層や保護層等の、各構成層を支持体上に設ける方法は特に限定されないが、均一な厚みの各構成層を生産性よく設ける観点から、塗布により設けることが特に好ましい。塗布方法としてはディップコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、エアーナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング等が例示できるがこれらに限定されず、公知の塗布方法を用いることができる。
<導電材料の製造>
上述した導電材料前駆体を用いて導電材料を製造する方法としては、上記した導電材料前駆体を任意のパターンにて露光した後、現像処理する方法が挙げられる。
<露光工程>
支持体上に所望する幾何学形状の金属銀細線を有する金属銀細線パターンを形成する場合、導電材料前駆体を現像する前に、該導電材料のハロゲン化銀乳剤層は像様に所望する幾何学形状に露光される。像様に露光する方法としては、所望する金属銀細線パターンに応じた幾何学形状を有する透過原稿を用意し、導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面に密着させて露光する方法、あるいは各種レーザー光(例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザーから発振されるレーザー光)を導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面に照射し、所望する金属銀細線パターンに応じた幾何学形状に走査露光する方法等が例示できる。
<現像工程>
導電材料前駆体を像様に露光した後に、該導電材料前駆体は現像される。銀拡散転写法における現像は、画像を形成する部分のハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀粒子が溶解・拡散し、物理現像核上で還元され金属銀細線パターンが形成される。この場合、導電材料前駆体にネガ型のハロゲン化銀粒子を用いた場合、露光により光を照射されなかったハロゲン化銀乳剤層に対応する部分が金属銀細線となり、ポジ型のハロゲン化銀粒子を用いた場合、露光により光を照射されたハロゲン化銀乳剤層に対応する部分が金属銀細線となる。
<現像液>
前述の導電材料前駆体が有する各構成層が現像主薬を含有する場合、上記した現像液は必ずしも現像主薬を含有する必要はなく、現像可能となる潜像核を有するハロゲン化銀粒子の還元を可能とするためのアルカリ性剤を含有する。アルカリ性剤として、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、第3リン酸ナトリウム、あるいは各種アミン化合物が挙げられる。現像液のpHは10以上が好ましくさらに11〜14の範囲が好ましい。
前述の導電材料前駆体が有する各構成層が、現像可能となる潜像核を有するハロゲン化銀粒子の還元を可能とする量の現像主薬を含有しない場合、上記した現像液は現像主薬を含有する。現像液が含有する現像主薬としては、例えば、ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、メチルハイドロキノン、クロロハイドロキノン等のポリヒドロキシベンゼン類、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−p−クロロフェニル−3−ピラゾリドン等の3−ピラゾリドン類、パラメチルアミノフェノール、パラアミノフェノール、パラヒドロキシフェニルグリシン、パラフェニレンジアミン、アスコルビン酸等が挙げられ、これらを2種類以上併用してもよい。導電材料の金属銀細線の導電性の観点から、現像液中の現像主薬の含有量は1〜100g/Lであることが好ましい。
現像液はその他に、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸カリウム等の保恒剤や、pHを好ましい範囲に保つために炭酸塩やリン酸塩等のpH緩衝剤を含有することが好ましい。さらに臭化物イオン、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール等、現像核を持たないハロゲン化銀粒子が還元されないように加えられるカブリ防止剤を含有していてもよい。
銀塩拡散転写法により金属銀細線を形成する場合、現像液は拡散転写現像を行うために可溶性銀錯塩形成剤を含有することが特に好ましい。可溶性銀錯塩形成剤としては、具体的にはチオ硫酸アンモニウムやチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウムやチオシアン酸アンモニウムのようなチオシアン酸塩、亜硫酸ナトリウムや亜硫酸水素カリウムのような亜硫酸塩、1,10−ジチア−18−クラウン−6、2,2′−チオジエタノールなどのチオエーテル類、オキサゾリドン類、2−メルカプト安息香酸およびその誘導体、ウラシルのような環状イミド類、アルカノールアミン、ジアミン、特開平9−171257号公報に記載のメソイオン性化合物、5,5−ジアルキルヒダントイン類、アルキルスルホン類、他に「The Theory of the photographic Process(4th edition,p474〜475)」、T.H.James著に記載されている化合物が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤の中で特にアルカノールアミンが好ましい。アルカノールアミンとしては、例えばN−(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミン、4−アミノブタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、3−アミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらの可溶性銀錯塩形成剤は単独で、または複数組み合わせて使用することができる。導電材料の金属銀細線の導電性の観点から、現像液中の可溶性銀錯塩形成剤量の含有量としては0.1〜40g/Lが好ましく、より好ましくは1〜20g/Lである。
<現像条件>
導電材料前駆体に接触させる現像液の温度は特に限定されないが、現像速度の観点、およびハロゲン化銀乳剤層が現像液中に溶出するのを防止する観点から15℃〜30℃が好ましく、18℃〜27℃が特に好ましい。現像時間は生産効率を考慮して120秒以下が好ましい。
像様に露光した後の導電材料前駆体の現像は、上記した現像液を導電材料前駆体のハロゲン化銀乳剤層を有する側の面に接触させれば良く、接触させる具体的な方式としては、浸漬方式や塗布方式を例示できる。浸漬方式は、例えば、タンクに大量に貯流された現像液中に、露光済みの導電材料前駆体を浸漬しながら搬送するものであり、塗布方式は、例えば導電材料前駆体上に現像液を1mあたり40〜120mL程度塗布するものである。
<水洗工程>
上記方法に従い導電材料前駆体を現像した後、水洗することが好ましい。特に銀塩拡散転写法により金属銀細線を形成する場合、現像後の導電材料前駆体を水洗することで、現像後に不要となったハロゲン化銀乳剤層等の各構成層を除去し、金属銀細線を支持体上に露出させることができる。水洗は水単体で行ってもよく、炭酸塩やリン酸塩等のpH緩衝剤を含有する水で行ってもよく、腐敗を防止する目的で防腐剤を含有する水で行ってもよい。
水洗方法としては、スクラビングローラ等を用いて温水シャワーを噴射しながら除去する方法や温水をノズル等でジェット噴射しながら水の勢いで除去する方法がある。また、シャワーやスリットを複数個設けて、除去の効率を高めることもできる。また、ハロゲン化銀乳剤層を除去する際には、水洗除去の代わりに、剥離紙等に転写剥離する方法を用いてもよい。剥離紙等で転写剥離する方法としては、ハロゲン化銀乳剤層上の余分な現像液を予めローラ等で絞り取っておき、ハロゲン化銀乳剤層等と剥離紙を密着させてハロゲン化銀乳剤層等を支持体から剥離紙に転写させて剥離する方法である。剥離紙としては吸水性のある紙や不織布、あるいは紙の上にシリカのような微粒子顔料とポリビニルアルコールのようなバインダーとで吸水性の空隙層を設けたものが用いられる。
<現像後の後処理>
導電材料前駆体を現像し得られた金属銀細線の表面に対し、公知の金属表面処理を施してもよい。例えば特開2008−34366号公報に記載されているような還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物を作用させてもよく、特開2013−196779号公報に記載されているような分子内に2つ以上のメルカプト基を有するトリアジンもしくはその誘導体を作用させてもよく、特開2011−209626号公報に記載されているように硫化反応による黒化処理を施してもよい。あるいは特開2007−12404号公報に記載されているようにタンパク質分解酵素等の酵素を含有する処理液で処理し、残存するゼラチン等の除去を促進してもよい。
<導電材料>
本発明の導電材料前駆体により得られた導電材料の支持体上の金属銀細線の線幅は特に限定されないが、1〜500μmであることが導電材料の信頼性の観点から好ましい。
本発明の導電材料前駆体により得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、導電材料は金属銀細線からなる網目状金属銀細線パターンを有することが好ましい。網目状金属銀細線パターンは複数の単位格子を網目状に配置した幾何学形状を有することがセンサーの感度、視認性(センサーの形状が見えにくい)等の観点から好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形等の四角形、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形、星形等を組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形が好ましい。またボロノイ図形やドロネー図形、ペンローズタイル図形等に代表される不規則幾何学形状も好ましい網目状金属銀細線パターンの形状の一つである。
本発明の導電材料前駆体により得られた導電材料をタッチパネルセンサーに利用する場合、本発明の導電材料前駆体により得られた導電材料の金属銀細線を有する側の面、あるいはもう一方の側の面には、前述の導電材料や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種樹脂からなるフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層、ITO等からなる導電膜等の公知の機能層を有する材料を、接着層を介して有することができる。接着層は特に限定されず、特開平9−251159号公報や特開2011−74308号公報等に例示されているような透明性の高いアクリル系粘着剤を使用した光学用粘着テープや、特開2009−48214号公報、特開2010−257208号公報等に例示されているような透明性の高い硬化型樹脂等、公知のものを使用できる。光学用粘着テープ、透明性の高い硬化型樹脂はともに市販されており、前者では住友スリーエム(株)製高透明性接着剤転写テープ(8171CL/8172CL/8146−1/8146−2/8146−3/8146−4等)、日東電工(株)製光学用透明粘着シート(LUCIACS(登録商標) CS9622T/CS9862UA等)、積水化学工業(株)製高透明両面テープ5400Xシリーズ(5405X−75/5407X−75等)等が例示でき、後者ではデクセリアルズ(株)製光学弾性樹脂SVR(登録商標)シリーズ(SVR1150、SVR1320等)、協立化学産業(株)製WORLD ROCK(登録商標)シリーズ(HRJ(登録商標)−46、HRJ−203等)、ヘンケルジャパン(株)製紫外線硬化型光学透明接着剤Loctite(登録商標) LOCAシリーズ(Loctite3192、3193、3195、5192等)を例示でき、いずれも好ましく用いることができる。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<導電材料前駆体1の作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なお、支持体の全光線透過率は92%、ヘイズは0.8%であった。
次に下記組成の物理現像核層塗液を支持体上に塗布、乾燥して物理現像核層を設けた。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40mL
蒸留水 1000mL
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000mL
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
<物理現像核層塗液/1mあたり>
前記硫化パラジウムゾル(固形分として) 0.5mg
2質量%グリオキサール水溶液 0.2mL
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコール(登録商標)EX−830 25mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%エポミン(登録商標)SP−200水溶液 0.1g
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン;平均分子量10000)
Figure 2019046747
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層1、ハロゲン化銀乳剤層1、および保護層1を上記物理現像核層の上に塗布、乾燥して、導電材料前駆体1を得た。ハロゲン化銀乳剤層1が含有するハロゲン化銀乳剤は、コントロールドダブルジェット法で製造した。このハロゲン化銀乳剤が含有するハロゲン化銀粒子は、塩化銀95mol%と臭化銀5mol%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀粒子を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は、銀1gあたり0.5gのゼラチンを保護コロイド(バインダー)として含有する。
<中間層1組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
Figure 2019046747
<ハロゲン化銀乳剤層1組成/1mあたり>
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層1組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
<導電材料前駆体2の作製>
保護層1にエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを100mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体2を得た。
<導電材料前駆体3の作製>
保護層1にエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸五ナトリウムを100mg/mさせた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体3を得た。
<導電材料前駆体4の作製>
保護層1に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウムを100mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体4を得た。
<導電材料前駆体5の作製>
保護層1に2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸を50mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体5を得た。
<導電材料前駆体6の作製>
保護層1にフィチン酸ナトリウムを40mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体6を得た。
<導電材料前駆体7の作製>
保護層1にテトラポリリン酸ナトリウムを40mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体7を得た。
<導電材料前駆体8の作製>
保護層1にヘキサメタリン酸ナトリウムを20mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体8を得た。
<導電材料前駆体9の作製>
ハロゲン化銀乳剤層1に1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウムを100mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体9を得た。
<導電材料前駆体10の作製>
ハロゲン化銀乳剤層1にヘキサメタリン酸ナトリウムを20mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体10を得た。
<導電材料前駆体11の作製>
保護層1およびハロゲン化銀乳剤層1の両方にヘキサメタリン酸ナトリウムをそれぞれ10mg/m含有させた以外は導電材料前駆体1と同様にして、導電材料前駆体11を得た。
<現像液の作製>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL、pH=12.2に調整した。
<導電材料1〜11の作製>
上記した導電材料前駆体1〜11それぞれについて、線幅5.0μm、一辺の長さが300μmの正方形を単位格子とする網目状パターンからなるポジ型透過原稿を密着し、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介して露光した。その後、露光済みの導電材料前駆体1〜11をそれぞれ上記した現像液で現像し(20℃の現像液中に90秒間浸漬し)、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、および保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理することで、網目状金属銀細線パターンを有する導電材料1〜11を得た。導電材料1〜11の網目状金属銀細線パターンを構成する金属銀細線の線幅を顕微鏡で観察したところ、いずれも5.0μmであった。
<導電性評価>
導電材料1〜11の網目状金属銀細線パターンの表面抵抗率を、(株)三菱ケミカルアナリテック製、ロレスタ(登録商標)−GP/ESPプローブを用いて、JIS K 7194に従い測定した。導電材料1が有する網目状金属銀細線パターンの表面抵抗率を基準とし、導電材料2〜14が有する網目状金属銀細線パターンの表面抵抗率が、導電材料1の表面抵抗率の95〜105%の場合は「×」、85%以上95%未満の場合は「△」、75%以上85%未満の場合は「〇」、75%未満の場合は「◎」として導電性の評価を実施した。この結果を表1に示す。
Figure 2019046747
表1の結果から本発明の有効性が判る。

Claims (1)

  1. 支持体上にハロゲン化銀粒子を含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも有する導電材料前駆体であって、該導電材料前駆体が有する構成層の少なくとも一層が、有機ホスホン酸キレート剤および/または無機ホスホン酸キレート剤を含有することを特徴とする導電材料前駆体。
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