JP2019046663A - 導電部材の接合体、接合方法および中間部材の最適化方法 - Google Patents

導電部材の接合体、接合方法および中間部材の最適化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】省スペースを図ることができ、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、接合材同士の外周径や形態が異なる場合にも対応でき、中間部材の無駄を排除し、良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体、接合方法および中間部材の最適化方法を提供する。
【解決手段】第1金属M1で構成される第1の導電部材W1と、第2金属M2で構成される第2の導電部材W1と、第1の導電部材と第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属M3で構成される中間部材とを含み、中間部材は、第1の導電部材および第2の導電部材の公称断面積と実際の断面積との差を見込んだ内径を有する窪み状の係合部101、102を備えたキャップ部材C1で構成され、中間部材と第1の導電部材との接合界面または接合界面の近傍領域は、第1金属と第3金属との固溶体で構成され、中間部材と第2の導電部材との接合界面または接合界面の近傍領域は、第2金属と第3金属との固溶体で構成される。
【選択図】図4

Description

本発明は、導電部材の接合体および接合方法に関する。
従来から、アルミニウム等で構成された導電部材同士の間に中間部材を設け、この中間部材を介して両者を接合する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4等)。
特開2003−229183号公報 特開2004−324677号公報 特開2017−034776号公報 特開2017−100139号公報
ところが、従来技術によって、中間部材を介して加締めや溶融によって導電線同士を接合する場合には、中間部材の特性等により、接合体の仕上がり等に種々の影響が及ぶことが分かっている。
例えば特許文献1に係る従来技術は、アルミニウム電線と銅電線との接合において、中間部材を間に設け、突き当て状態のまま機械的に加締めて接続しているが、次のような問題がある。
即ち、緻密で硬いアルミニウム酸化膜を破壊して導通を確保する上で、機械的な加締めでは十分な導通が得られ難く、高抵抗となるという不都合がある。また、より強い加締めで酸化膜の破壊を行う場合には、電線などの部材が減面し、部材本来の導電性や強度を損ねてしまうという問題もある。さらに、銅などと比べ弾性力の小さいアルミニウム部材を加締めた場合には、減面したままの部材が加締め部から抜け落ちてしまう虞がある。
また、特許文献2に係る従来技術は、熱によって収縮する鉄系形状記憶合金継手と、この中へ突き当て状態に入れた2本の金属パイプとの隙間に熱拡散用Al合金を介在させて外熱を与えることで熱拡散接合しているが、次のような問題がある。
即ち、金属パイプ同士を直接接合する技術ではなく、また形状記憶合金分のスペースを必要とするという難点がある。
また、特許文献3に係る従来技術は、両側に挿入穴を有する金属スリーブへ電力ケーブル用銅導体あるいはアルミ導体を挿入し、凹凸状に変形させることでクサビ形状となった導体が金属スリーブから外れることを防いでいるが、次のような問題がある。
即ち、金属導体同士を直接接合する技術ではなく、また金属スリーブ分のスペースを必要とするという難点がある。また、金属スリーブの硬さについての言及は有るが、形状が最適化されるには至っていない。
また、特許文献4に係る従来技術は、金属同士(M1とM2)を突合せて接合する際に、第三金属(M3)の存在によりM1とM3の固溶体と、M2とM3の固溶体で接合界面が構成される接合技術であるが、次のような問題がある。
即ち、突き合わせる金属M1とM2の外周径や形態が異なる場合に、うまく接合できない虞がある。また、撚り電線を接合する場合には、束ねた撚り線の素線間に空間が存在するため、公称の断面積(外周径または直径)は、実際の断面積(外周径または直径)よりも大きくなると想定され、固溶体の接合界面による接合に支障を生じる場合がある。
また、特にアルミニウム(Al)撚り線とAl単線との突き合わせ接合では、両部材の突き当て界面以外の中間部材としての亜鉛(Zn)を完全には排除できないため、界面周囲に低融点金属が融け残ってしまい、中間部材の無駄を生じたり、接合体の仕上がりにおいてバリや残滓等を生じ外観を損なうという問題もあった。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、省スペースを図ることができ、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、接合材同士の外周径や形態が異なる場合にも対応でき、中間部材の無駄を排除し、良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体、接合方法および中間部材の最適化方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に係る導電部材の接合体は、第1金属で構成される第1の導電部材と、第2金属で構成される第2の導電部材と、前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される中間部材と、を含み、前記中間部材は、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の公称断面積と実際の断面積との差を見込んだ内径を有する窪み状の係合部を備えたキャップ部材で構成され、前記中間部材と前記第1の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第1金属と前記第3金属との固溶体で構成され、前記中間部材と前記第2の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第2金属と前記第3金属との固溶体で構成されることを特徴とする。
請求項1に記載した導電部材の接合体によれば、中間部材(キャップ部材)は、第1の導電部材および第2の導電部材の公称断面積と実際の断面積との差を見込んだ内径を有する窪み状の係合部を備えるので、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、第1の導電部材と第2の導電部材の外周径が異なる場合であっても中間部材の係合部に確実に係合させることができ、固溶体を介した接合をより確実に行うことができる。
請求項2に係る導電部材の接合体は、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の少なくとも一方は、複数の芯線を束ねた撚り電線であることを特徴とする。
これにより、外周径の異なる撚り電線同士あるいは外周径の異なる撚り電線と他種の電線との接合を確実に行うことができる。また、撚り電線は、束ねた撚り線の素線間に空間が存在するため、公称断面積は、実際の断面積よりも大きくなると想定されるが、そのような場合であっても、中間部材の係合部に確実に係合させることができ、固溶体を介した接合をより確実に行うことができる。
請求項3に係る導電部材の接合体は、前記窪み状の係合部は、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の軸心を合わせる位置決め部を兼ねることを特徴とする。
これにより、窪み状の係合部に係合対象としての第1の導電部材または第2の導電部材を係合することで、軸心を合わせることができ、接合をより良好に行うことができる。
請求項4に係る導電部材の接合体は、前記窪み状の係合部は、前記固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に仮固定し得る深さに設定されることを特徴とする。
これにより、窪み状の係合部は、固溶体による接合を行う前に第1の導電部材または第2の導電部材の端部を仮固定できるので、安定した状態で接合作業を行うことができる。
請求項5に係る導電部材の接合体は、前記固溶体による接合を行う際に、係合対象としての前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との間の隔壁部を構成する前記第3金属は、全量が溶融して消費され得る厚さに設定されることを特徴とする
これにより、中間部材の無駄を排除してコストの低廉化を図ることができ、また良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体を得ることができる。
請求項6に係る導電部材の接合体は、前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする。
これにより、第1金属および第2金属の融点未満、第3金属の融点以上の温度環境により、比較的容易に固溶体を形成することができる。
請求項7に係る導電部材の接合体は、前記第1金属および前記第2金属は、Alで構成され、前記第3金属は、Znで構成され、前記固溶体は、AlとZnとの固溶体であることを特徴とする。
これにより、比較的容易に導電部材の接合体を得ることができる。
請求項8に係る導電部材の接合方法は、第1金属で構成される第1の導電部材および第2金属で構成される第2の導電部材を準備する工程と、前記第1の導電部材の端部に、第3金属で構成される中間部材が備える外周径に合わせた窪み状の一方の係合部を係合させる工程と、前記第2の導電部材の端部に、第3金属で構成される中間部材が備える外周径に合わせた窪み状の他方の係合部を係合させる工程と、前記中間部材を介して前記第1の導電部材と前記第2の導電部材とを仮固定した状態で所定温度まで加熱する工程とを有することを特徴とする。
これにより、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、第1の導電部材と第2の導電部材の外周径が異なる場合であっても中間部材の係合部に確実に係合させることができ、固溶体を介した接合をより確実に行うことができる。
請求項9に係る導電部材の接合方法は、前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の一方が複数の芯線を束ねた撚り電線である場合には、撚り電線側の端部に前記中間部材を係合させる工程を、他方の導電部材に前記中間部材を係合させる工程より先に行うことを特徴とする。
請求項10に係る導電部材の接合方法は、前記加熱する工程において、前記中間部材に圧力を付与することを特徴とする。
これにより、前記第1の導電部材、前記第2の導電部材および前記中間部材の接触面に形成されている酸化膜を物理的に破壊することができる。また、酸化膜の破片は、加熱する工程で生成される溶融金属と共に接合体の外部に排出されるので、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材を接合する固溶体中の不純物を低減して、接合強度を高めることができる。
請求項11に係る導電部材の接合方法は、前記加熱する工程は、前記第1の導電部材、前記中間部材および前記第2の導電部材に通電して抵抗発熱により加熱することを特徴とする。
これにより、比較的容易に加熱することができ、接合体の生産効率を向上することができる。
これにより、撚り電線がばらける事態を回避して、確実に接合することができる。
請求項12に係る中間部材の最適化方法は、第1金属で構成される第1の導電部材と、第2金属で構成される第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される中間部材の設計を最適化する中間部材の最適化方法であって、前記第3金属で構成される所定板厚の板材を前記第1金属および前記第2金属で構成された所定径の棒状体で挟持して所定温度まで加熱する突き合わせ接合を行う接合工程と、前記接合工程において、前記板材の板厚を変更する板厚変更工程と、前記接合工程で接合された接合体について、各板厚における強度を逐次測定する強度測定工程と、前記強度測定工程で測定された強度が所望強度以上となる最適条件を選定する最適条件選定工程と、を有することを特徴とする。
これにより、所望強度以上の強度を有する導電部材の接合体を得ることができるように中間部材の設計を最適化することができる。
請求項13に係る中間部材の最適化方法は、前記最適条件選定工程で選定された最適条件に基いて、前記中間部材を構成するキャップ部材の隔壁部の厚さを設計する厚さ設計工程を有することを特徴とする。
これにより、所望強度以上の強度を有する導電部材の接合体を得ることができるようにキャップ部材の隔壁部の厚さを設計することができる。また、所望強度以上の強度を呈するように、キャップ部材の隔壁部の厚さを最小限にすることができるので、コストの低廉化を図ることができ、また良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体を得ることができる。
請求項14に係る中間部材の最適化方法は、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の少なくとも一方を構成する撚り電線について、実測した実直径と、撚り電線を構成する素線間の空間を考慮して計算した計算断面との相関に基いて、前記中間部材を構成するキャップ部材が備える窪み状の係合部の内径寸法を設計する内径設計工程を有することを特徴とする。
これにより、必要十分な内径寸法とした中間部材を作成することができる。
請求項15に係る中間部材の最適化方法は、前記内径設計工程は、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に前記キャップ部材を仮固定し得るように前記窪み状の係合部の内径寸法を設計することを特徴とする。
これにより、第1の導電部材または第2の導電部材の端部に確実に仮固定し得る中間部材を作成することができる。
請求項16に係る中間部材の最適化方法は、前記中間部材を構成するキャップ部材が備える所定深さを有する窪み状の係合部に対して、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部への挿入を試行する挿入試行工程と、前記挿入試行工程において、前記所定深さを変更する深さ変更工程と、前記各深さについて、前記挿入試行工程により前記端部に挿入された前記キャップ部材の脱落程度を測定する脱落測定工程と、前記脱落測定工程による測定結果に基いて、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に前記キャップ部材を仮固定し得るように前記窪み状の係合部の深さを設計することを特徴とする。
これにより、第1の導電部材または第2の導電部材の端部に確実に仮固定し得る中間部材を作成することができる。
請求項17に係る中間部材の最適化方法は、前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする。
これにより、第1金属および第2金属の融点未満、第3金属の融点以上の温度環境により、比較的容易に固溶体を形成することができる中間部材を作成することができる。
請求項18に係る中間部材の最適化方法は、前記第1金属および前記第2金属はAlで構成され、前記第3金属はZnで構成されることを特徴とする。
これにより、比較的容易に導電部材の接合体を得ることができる中間部材を作成することができる。
本発明によれば、省スペースを図ることができ、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、接合材同士の外周径や形態が異なる場合にも対応でき、中間部材の無駄を排除し、良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体、接合方法および中間部材の最適化方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る導電部材の接合体に用いる中間部材を示す側面図(a)、正面図(b)および背面図(c)である。 実施の形態に係る導電部材の接合体の接合工程を示す工程図である。 図2に示す工程の続きを示す工程図である。 図3に示す工程の続きを示す工程図である。 実施の形態に係る導電部材の接合体における共晶接合メカニズムを示す模式的説明図(a)〜(d)である。 異径サイズの導電部材を接合した状態を示す撮像図である。 接合した異径サイズの導電部材の接合強度試験後の状態を示す撮像図である。 接合体界面を拡大した撮像図である。 接合体界面の領域A1を拡大した撮像図である。 接合体界面の領域A2を拡大した撮像図である。 Znを挟んだAl丸棒の突き合わせ接合の試験状態を示す模式的説明図である。 Zn板厚と接合強度との関係を示すグラフである。 Al単芯線とAl撚り線を突き合わせ接合した状態を示す撮像図である。 Al単芯線とAl撚り線を突き合わせ接合した接合体の接合強度試験後の状態を示す撮像図である。 撚り電線に最適化したキャップ部材の例を示す概略構成図(a)および単芯線に最適化したキャップ部材の例を示す概略構成図(b)である。 第1の比較例に係る中間部材を示す側面図(a)、正面図(b)および背面図(c)である。 第1の比較例に係る中間部材を用いた接合体を示す撮像図である。 第2の比較例に係る中間部材を示す側面図(a)、正面図(b)および背面図(c)である。 第2の比較例に係る中間部材を用いた接合体を示す撮像図である。 最適化した中間部材を示す側面図(a)、正面図(b)および背面図(c)である。 最適化した中間部材を用いた接合体を示す撮像図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態に係る導電部材の接合方法、接合体1Aおよびこの接合体1Aに用いる中間部材(キャップ部材)について図1〜図10を参照して説明する。
ここで、図1(a)は、本発明の実施の形態に係る導電部材の接合体1Aに用いる中間部材(キャップ部材C1)を示す側面図、図1(b)はその正面図、図1(c)はその背面図、図2〜図4は、導電部材の接合体1Aの接合工程を示す工程図、図5(a)〜(d)は、導電部材の接合体1Aにおける共晶接合メカニズムを示す模式的説明図である。
(中間部材について)
まず、図1を参照して、実施の形態に係る導電部材の接合体1Aに用いる中間部材について説明する。
中間部材は、後述する第1金属M1で構成される第1の導電部材W1と第2金属M2で構成される第2の導電部材W2との端面同士を接合する部材であり、第3金属M3で構成されている。
この中間部材は、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2の外周径に合わせた窪み状の係合部を有するキャップ部材C1で構成されている。
即ち、中間部材を構成するキャップ部材C1は、図1に示すようにキャップ部材C1の両面に、径の異なる窪み状の係合部101、102を有している。
ここで、係合部101、102は、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2の公称断面積と実際の断面積との差を見込んだ内径D1、D2を有している。
なお、図1に示す例では、D1>D2となっている。また、係合部101、102は所定深さを有し、係合部101、102の間には、所定厚さの隔壁部105が形成されている。
これにより、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2について、公称断面積と実際の断面積が異なる場合や、第1の導電部材W1と第2の導電部材W2の外周径が異なる場合であってもキャップ部材C1の係合部101,102に確実に係合させることができ、固溶体を介した接合をより確実に行うことができる。
また、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2の少なくとも一方は、複数の芯線を束ねた撚り電線とすることができる。
これにより、外周径の異なる撚り電線同士あるいは外周径の異なる撚り電線と他種の電線との接合を確実に行うことができる。また、撚り電線は、束ねた撚り線の素線間に空間が存在するため、公称断面積は、実際の断面積よりも大きくなると想定されるが、そのような場合であっても、キャップ部材C1の係合部101,102に確実に係合させることができ、固溶体を介した接合をより確実に行うことができる。
また、キャップ部材C1が備える窪み状の係合部101、102は、係合対象としての第1の導電部材W1または第2の導電部材W2の軸心を合わせる位置決め部を兼ねている。
これにより、キャップ部材C1の係合部101、102に係合対象としての第1の導電部材W1または第2の導電部材W2を係合することで、両者の軸心を合わせることができ、接合をより良好に行うことができる。
また、窪み状の係合部101、102は、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての第1の導電部材W1または第2の導電部材W2の端部に仮固定し得る深さに設定される。
具体的には、例えば、キャップ部材C1の外径が6.7mm程度、係合部101の内径が5.7mm程度、係合部102の内径が4.5mm程度の場合に、係合部101、102の各深さは1.5mm程度に設定される。
これにより、窪み状の係合部101、102は、固溶体による接合を行う前に第1の導電部材W1または第2の導電部材W2の端部を仮固定できるので、安定した状態で接合作業を行うことができる。
また、キャップ部材C1の窪み状の係合部101、102は、固溶体による接合を行う際に、係合対象としての第1の導電部材W1または第2の導電部材W2の長手方向の厚み(隔壁部105の厚み)を構成する第3金属(本実施の形態では、Zn(亜鉛))M3の全量が溶融して消費され得る厚さに設定されることが望ましい。
これにより、中間部材(キャップ部材C1)の無駄を排除してコストの低廉化を図ることができる。また、接合後のバリ等の発生を低減して、接合体の良好な外観を維持することができる。
また、第3金属M3は、第1金属M1および第2金属M2より融点が低い低融点金属で構成される。
より具体的には、第1金属M1および第2金属はM2は、Al(アルミニウム)で構成され、第3金属M3は、Zn(亜鉛)で構成することができる。
これにより、比較的容易に導電部材の接合体を得ることができる。
(接合工程等について)
次に、図2〜図4を参照して、導電部材の接合体1Aの接合工程等について説明する。
接合工程では、まず、第1金属M1で構成される第1の導電部材W1および第2金属M2で構成される第2の導電部材W2を準備する。
図2に示す例では、第1の導電部材W1は、複数のアルミニウムの芯線を束ねた撚り電線(径はD1程度)としている。
また、第2の導電部材W2は、アルミニウムの単芯線(径はD2程度)としている。
そして、第1の導電部材W1の端部をB1方向に押圧して、第3金属M3で構成される中間部材(キャップ部材C1)が備える一方の窪み状の係合部101に係合させる。
このように、撚り電線で構成される第1の導電部材W1側の端部にキャップ部材C1を係合させる工程を、他方の第2の導電部材W2にキャップ部材C1を係合させる工程より先に行うことにより、撚り電線がばらける事態を回避することができ、確実に接合することが可能となる。
次いで、第2の導電部材W2の端部をB2方向に押圧して、キャップ部材C1の他方の係合部102に係合させる。
これにより、図3に示すように、キャップ部材C1を介して第1の導電部材W1と第2の導電部材W2とが仮固定された状態となる。
そして、この状態で仮固定部を含む領域を所定温度まで加熱する。
加熱方法は、特には限定されないが、例えば、図4に示すように第1の導電部材W1と第2の導電部材W2との間に所定の電力(EP1)を供給して抵抗発熱により加熱したり、或いは高周波誘導加熱装置等により加熱するようにできる。
なお、加熱時に、押圧力F1、F2を付与するようにしてもよい。
これにより、図4の画像図に示すように、第1の導電部材W1と第2の導電部材W2とが固溶体により接合される。
特に、加熱する工程において、キャップ部材C1に圧力(F1、F2)を付与する場合には、第1の導電部材W1、第2の導電部材W2およびキャップ部材C1の接触面に形成されている酸化膜(Al酸化膜およびZn酸化膜)を物理的に破壊することができる。
また、酸化膜の破片は、加熱する工程で生成される溶融金属と共に接合体の外部に排出されるので、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2を接合する固溶体中の不純物を低減して、接合強度を高めることができる。
なお、上述の接合過程の詳細は、後述の共晶接合メカニズムの説明の中で述べる。
また、第1の導電部材W1、キャップ部材C1および第2の導電部材W2に通電して抵抗発熱により加熱する場合には、比較的容易に加熱することができ、接合体の生産効率を向上することができる。
(共晶接合メカニズム)
ここで、図5(a)〜(d)を参照して、実施の形態に係る導電部材の接合体1Aにおける共晶接合メカニズムについて説明する。
まず、図5(a)に示すように、第1金属M1および第2金属としてのAlで構成される被接合体600,601の間に、第3金属M3としてのZnで構成される板材200を挟持した状態とする。
なお、図上、符号150は、被接合体600,601の表面に形成されているAl酸化膜を示す。また、符号250は、板材200の表面に形成されているZn酸化膜を示す。
次いで、図5(b)に示すように、被接合体101側から押圧力F10を付与する。
そして、板材200の表面に形成されていたZn酸化膜250および被接合体600,601の表面に形成されていたAl酸化膜150の一部が、圧力によって物理的に破壊される。
これにより、被接合体600,601を構成するAlと、板材200を構成するZnの新生面同士が接触した状態となる。
次に、加熱装置(例えば、高周波誘導加熱装置等)500によって、新生面同士の接触部等を加熱する。
そして、加熱温度が共晶温度(382℃)に達すると、図5(c)に示すように、共晶反応により、AlとZnが溶融し始める。なお、押圧力F10の付与は継続する。
これにより、図5(d)に示すように、AlおよびZnの溶融金属300が、Al酸化膜150およびZn酸化膜250の細分化された破片を浮き上がらせる。
そして、押圧力F10の付与により、端部から押し出される一部の溶融金属400と共に、Al酸化膜150およびZn酸化膜250の破片の大部分が界面外に排出される。
なお、溶融金属300は、冷却により、Al−Zn固溶体となって、被接合体600,601を接合する。
ここで、図6は、異径サイズの導電部材を接合した状態を示す撮像図、図7は、接合した異径サイズの導電部材の接合強度試験後の状態を示す撮像図、図8は、接合体界面を拡大した撮像図、図9は、接合体界面の領域A1を拡大した撮像図、図10は、接合体界面の領域A2を拡大した撮像図である。
図7に示すように、接合界面からずれた単芯線側で母材が破断されている。このように、Al−Zn固溶体はZn元素によるAlの固溶強化が図られているといえる。
また、図8および図9に示すように、撚り線と単芯線の界面において、酸化膜が破壊、細分化されていることが分かる。なお、図9において、破線で囲っている部分が、細分化された酸化膜である。
また、図8および図10に示すように、破壊された酸化膜は、溶融金属と共に界面外に排出されていることが分かる。
以上述べたように、圧力の付与によって破壊されたAl酸化膜150およびZn酸化膜250の細分化された破片は、溶融金属400と共に界面外に排出されるので、Al−Zn固溶体中の不純物を低減して、接合強度を高めることができる。
(中間部材の最適化方法について)
次に、図11〜図21を参照して、中間部材(キャップ部材C1)の最適化方法について説明する。
ここにいう中間部材の最適化方法は、第1金属M1(ここに示す例では、Al)で構成される第1の導電部材W1と、第2金属M2(ここに示す例では、Al)で構成される第2の導電部材W2との端面同士を接合する第3金属M3(ここに示す例では、Zn)で構成される中間部材(キャップ部材C1)の設計を最適化する中間部材の最適化方法である。
図11に示すように、中間部材の最適化方法では、第3金属M3で構成される所定板厚の板材700を第1金属M1および第2金属M2で構成された所定径の棒状体600、601で挟持して所定温度(例えば、AlとZnの共晶温度である382℃)まで、加熱装置500により加熱する突き合わせ接合を行う(接合工程)。
そして、接合工程において、板材700の板厚を変更する(板厚変更工程)。具体的には、板厚を例えば0.1mm〜2.0mmの範囲で変えた板材700を複数種用意し、順次交換して上記の接合工程を行う。
これにより、Znで構成される板材700が溶融し、Al−Zn固溶体により、Alで構成される棒状体600、601が接合される。
次いで、接合工程で接合された複数種の接合体について、各板厚における強度を逐次測定する(強度測定工程)。
板厚(Znシート厚さ)と強度(母材強度[89MPa/%])との関係は、図12のグラフにプロットしたようになる。
なお、図12に示すZn厚さ別の接合強度は、温度:450℃、時間:15分、圧力:12MPa、雰囲気:空気とした条件で接合した接合体を用いて測定した。
図12を見ると分かるように、板材700としてのZnシートの厚さが増加するに連れて接合強度が増大傾向を示す。特に、Znシートの厚さが0.4mm付近で強度が急激に増加し、0.8mm程度で最大強度を示すことが分かる。
そして、強度測定工程で測定された強度が所望強度(例えば、母材強度(89MPa)の約70%)以上となる最適条件を選定する(最適条件選定工程)。
図12に示すグラフによれば、上記所望強度は、Znシートの厚さが0.4mm以上で得られることから、第3金属M3で形成される中間部材の厚さの最適条件は、0.4mm以上と選定することができる。
このように、最適条件選定工程で選定された最適条件に基いて、中間部材を構成するキャップ部材C1の隔壁部105の厚さを例えば「0.4mm以上」と設計することができる(厚さ設計工程)。
ここで、図13は、Al単芯線とAl撚り線を突き合わせ接合した状態を示す撮像図、図14は、Al単芯線とAl撚り線を突き合わせ接合した接合体の接合強度試験後の状態を示す撮像図である。
図13に示す接合体は、中間部材を構成するキャップ部材C1の隔壁部105の厚さを0.4mmとして接合したものである。
そして、図14に示すように、接合界面からずれた単芯線側で母材が破断されている。したがって、キャップ部材C1の隔壁部105の厚さを0.4mmとすることで、使用上十分な強度が得られていることが分かる。
(内径の最適化)
次に、図15を参照して、中間部材を構成するキャップ部材C1の窪み状の係合部101、102の内径の最適化方法について説明する。
内径の最適化方法では、第1の導電部材W1および第2の導電部材W2の少なくとも一方を構成する撚り電線について、実測した実直径と、撚り電線を構成する素線間の空間を考慮して計算した計算断面との相関に基いて、中間部材を構成するキャップ部材C1が備える窪み状の係合部101、102の内径寸法を設計する(内径設計工程)。
そして、内径設計工程は、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての第1の導電部材W1または第2の導電部材W2の端部にキャップ部材C1を仮固定し得るように窪み状の係合部の内径寸法を設計する。
具体的には、例えば、上述の相関から導出された内径に、0.1mmを追加した内径寸法に基いてキャップ部材C1を設計する。
例えば、公称断面積が15mmのAl撚り線に場合、計算断面14.9mmに基いて、直径5.6mmとすることができ、0.1mmを加算して、5.7mmをキャップ部材C1の内径の最適値とすることができる。
これにより、所望強度以上の強度を有する導電部材の接合体を得ることができるようにキャップ部材C1の隔壁部105の厚さを設計することができる。
また、所望強度以上の強度を呈するように、キャップ部材C1の隔壁部105の厚さを最小限にすることができるので、コストの低廉化を図ることができ、また良好な外観を維持することのできる導電部材の接合体を得ることができる。
(深さの最適化)
次に、図15を参照して、中間部材を構成するキャップ部材C1の窪み状の係合部101、102の深さの最適化方法について説明する。
ここで、図15(a)は、撚り電線に最適化したキャップ部材C10の例を示す概略構成図、図15(b)は、単芯線に最適化したキャップ部材c10の例を示す概略構成図である。
深さの最適化方法は、まず、中間部材を構成するキャップ部材C10が備える所定深さを有する窪み状の係合部101、102に対して、係合対象としての第1の導電部材W10または第2の導電部材W11の端部への挿入を試行する(挿入試行工程)。
そして、挿入試行工程において、所定深さを変更する(深さ変更工程)。具体的には、深さを例えば1mm〜2mm程度の範囲で変えたキャップ部材C10を複数種用意し、順次交換して上記の挿入試行工程を行う。
次いで、各深さについて、挿入試行工程により端部に挿入されたキャップ部材C10の脱落程度を測定する(脱落測定工程)。
そして、脱落測定工程による測定結果に基いて、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての第1の導電部材W10または第2の導電部材W11の端部にキャップ部材C10を仮固定し得るように窪み状の係合部の深さを設計する。
例えば、脱落測定工程により、第1の導電部材W10または第2の導電部材W11が脱落しない深さが1.3mm〜1.4mmとされた場合に、導電部材の切断形状のバラツキ等を考慮して、得られた深さ1.3mm〜1.4mmに0.1mmを追加した深さd1,d2をキャップ部材C10の係合部101、102の深さとする。
これにより、第1の導電部材W10または第2の導電部材W11の端部に確実に仮固定し得る中間部材としてのキャップ部材C10を作成することができる。
(最適化の実施例)
図16〜図21を参照して、最適化の実施例について説明する。
ここで、図16(a)は、第1の比較例に係る中間部材C100を示す側面図、図16(b)はその正面図、図16(c)は、その背面図、図17は、第1の比較例に係る中間部材C100を用いた接合体を示す撮像図である。
図18(a)は、第2の比較例に係る中間部材C101を示す側面図、図18(b)はその正面図、図18(c)は、その背面図、図19は、第2の比較例に係る中間部材C101を用いた接合体を示す撮像図である。
また、図20(a)は、最適化した中間部材C102を示す側面図、図20(b)はその正面図、図20(c)は、その背面図、図21は、最適化した中間部材C102を用いた接合体を示す撮像図である。
図16および図17に示す第1の比較例に係る中間部材(キャップ部材C100)は、係合部101の内径D10は例えば6.5mm、係合部102の内径D11は例えば5mm、隔壁部105の厚さは0.4±0.05mm、深さは5mmとされ、全体の専有体積は、473mmであった。
このようなキャップ部材C100を用いて接合した図17に示すような接合体の接合強度は、994Nであった。
また、図18および図19に示す第2の比較例に係る中間部材(キャップ部材C101)は、係合部101の内径D21は例えば5.5mm、係合部102の内径D22は例えば5mm、隔壁部105の厚さは0.4mm、深さは1.0mm程度とされ、全体の専有体積は、76mmであった。
このようなキャップ部材C101を用いて接合した図19に示すような接合体の接合強度は、1050Nであった。
一方、図20および図21に示すように、上述のような最適化方法を適用して最適化した中間部材(キャップ部材C102)は、係合部101の内径D31は例えば5.7±0.1mm、係合部102の内径D32は例えば4.5±0.1mm、隔壁部105の厚さは0.4±0.05mm、深さは1.5±0.1mm程度とされ、全体の専有体積は、58mmであった。
このような最適化したキャップ部材C102を用いて接合した図21に示すような接合体の接合強度は、1020Nであった。
このように、最適化したキャップ部材C102は、第1の比較例に係るキャップ部材C100との比較において84%の専有体積の削減に成功している。
また、最適化したキャップ部材C102は、第2の比較例に係るキャップ部材C101との比較において34%の専有体積の削減に成功している。
また、接合強度については、最適化したキャップ部材C102は、第2の比較例に係るキャップ部材C101との比較において、同程度の強度の確保に成功している。
さらに、図17、図19および図21の撮像図を比較すると分かるように、接合後に溶け残っているキャップ部材を構成するZnの量は、最適化したキャップ部材C102は、第1の比較例に係るキャップ部材C100および第2の比較例に係るキャップ部材C101との比較において、顕著に減少している。
これにより、最適化したキャップ部材C102では、構成材としてのZnの使用量を低減して、コストの低廉化を図ることができ、また接合体からはみ出るバリや残滓を低減して、良好な外観を保つことができる。
(その他)
上述した実施の形態では、第1の導電部材M1を構成する第1金属および第2の導電部材M2を構成する第2金属として、Al(アルミニウム)を用いる場合を示したが、これに限らず、第1金属および第2金属の少なくとも一方をCu(銅)等とすることができる。
1A…導電部材の接合体
30…コネクタ端子
101、102…係合部
105…隔壁部
200…板材
150…Al酸化膜
250…Zn酸化膜
300、400…溶融金属
500…加熱装置
600,601…被接合体
C1、C10,C102…中間部材(キャップ部材)
M1…第1金属
M2…第2金属
M3…第3金属
W1…第1の導電部材(撚り電線)
W2…第2の導電部材
W1a…芯線

Claims (18)

  1. 第1金属で構成される第1の導電部材と、
    第2金属で構成される第2の導電部材と、
    前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される中間部材と、
    を含み、
    前記中間部材は、前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の公称断面積と実際の断面積との差を見込んだ内径を有する窪み状の係合部を備えたキャップ部材で構成され、
    前記中間部材と前記第1の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第1金属と前記第3金属との固溶体で構成され、
    前記中間部材と前記第2の導電部材との接合界面または当該接合界面の近傍領域は、前記第2金属と前記第3金属との固溶体で構成されることを特徴とする導電部材の接合体。
  2. 前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の少なくとも一方は、複数の芯線を束ねた撚り電線であることを特徴とする請求項1に記載の導電部材の接合体。
  3. 前記窪み状の係合部は、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の軸心を合わせる位置決め部を兼ねることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電部材の接合体。
  4. 前記窪み状の係合部は、前記固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に仮固定し得る深さに設定されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の導電部材の接合体。
  5. 前記固溶体による接合を行う際に、係合対象としての前記第1の導電部材と前記第2の導電部材との間の隔壁部を構成する前記第3金属は、全量が溶融して消費され得る厚さに設定されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の導電部材の接合体。
  6. 前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の導電部材の接合体。
  7. 前記第1金属および前記第2金属は、Alで構成され、
    前記第3金属は、Znで構成され、
    前記固溶体は、AlとZnとの固溶体であることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の導電部材の接合体。
  8. 第1金属で構成される第1の導電部材および第2金属で構成される第2の導電部材を準備する工程と、
    前記第1の導電部材の端部に、第3金属で構成される中間部材が備える一方の窪み状の係合部を係合させる工程と、
    前記第2の導電部材の端部に、前記中間部材が備える他方の係合部を係合させる工程と、
    前記中間部材を介して前記第1の導電部材と前記第2の導電部材とを仮固定した状態で所定温度まで加熱する工程と、
    を有することを特徴とする導電部材の接合方法。
  9. 前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の一方が複数の芯線を束ねた撚り電線である場合には、撚り電線側の端部に前記中間部材を係合させる工程を、他方の導電部材に前記中間部材を係合させる工程より先に行うことを特徴とする請求項8に記載の導電部材の接合方法。
  10. 前記加熱する工程において、前記中間部材に圧力を付与することを特徴とする請求項7または請求項9に記載の導電部材の接合方法。
  11. 前記加熱する工程は、前記第1の導電部材、前記中間部材および前記第2の導電部材に通電して抵抗発熱により加熱することを特徴とする請求項10に記載の導電部材の接合方法。
  12. 第1金属で構成される第1の導電部材と、第2金属で構成される第2の導電部材との端面同士を接合する第3金属で構成される中間部材の設計を最適化する中間部材の最適化方法であって、
    前記第3金属で構成される所定板厚の板材を前記第1金属および前記第2金属で構成された所定径の棒状体で挟持して所定温度まで加熱する突き合わせ接合を行う接合工程と、
    前記接合工程において、前記板材の板厚を変更する板厚変更工程と、
    前記接合工程で接合された接合体について、各板厚における強度を逐次測定する強度測定工程と、
    前記強度測定工程で測定された強度が所望強度以上となる最適条件を選定する最適条件選定工程と、
    を有することを特徴とする中間部材の最適化方法。
  13. 前記最適条件選定工程で選定された最適条件に基いて、前記中間部材を構成するキャップ部材の隔壁部の厚さを設計する厚さ設計工程を有することを特徴とする請求項11に記載の中間部材の最適化方法。
  14. 前記第1の導電部材および前記第2の導電部材の少なくとも一方を構成する撚り電線について、
    実測した実直径と、撚り電線を構成する素線間の空間を考慮して計算した計算断面との相関に基いて、前記中間部材を構成するキャップ部材が備える窪み状の係合部の内径寸法を設計する内径設計工程を有することを特徴とする請求項12または請求項13に記載の中間部材の最適化方法。
  15. 前記内径設計工程は、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に前記キャップ部材を仮固定し得るように前記窪み状の係合部の内径寸法を設計することを特徴とする請求項12に記載の中間部材の最適化方法。
  16. 前記中間部材を構成するキャップ部材が備える所定深さを有する窪み状の係合部に対して、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部への挿入を試行する挿入試行工程と、
    前記挿入試行工程において、前記所定深さを変更する深さ変更工程と、
    前記各深さについて、前記挿入試行工程により前記端部に挿入された前記キャップ部材の脱落程度を測定する脱落測定工程と、
    前記脱落測定工程による測定結果に基いて、固溶体による接合を行う前に、係合対象としての前記第1の導電部材または前記第2の導電部材の端部に前記キャップ部材を仮固定し得るように前記窪み状の係合部の深さを設計することを特徴とする請求項12から請求項15の何れか1項に記載の中間部材の最適化方法。
  17. 前記第3金属は、前記第1金属および前記第2金属より融点が低い低融点金属で構成されていることを特徴とする請求項12から請求項16の何れか1項に記載の中間部材の最適化方法。
  18. 前記第1金属および前記第2金属はAlで構成され、前記第3金属はZnで構成されることを特徴とする請求項17に記載の中間部材の最適化方法。
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