JP2019046662A - ピンコンタクト、ソケットコンタクトおよびコンタクト接触構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたピンコンタクトを提供する。【解決手段】ピンコンタクト100は、挿入穴内に挿入され得る挿入部102と、ソケットコンタクトへの挿入方向Xでみて挿入部102とは反対側に設けられた接続部104と、挿入部102と接続部104との間に設けられ、挿入部102よりも径の大きい拡径部106と、拡径部106から挿入方向Xかつ径方向内側へ向けて延出し、ピンコンタクト100の挿入部102がソケットコンタクトの挿入穴に挿入された際に、該挿入穴入口の傾斜面と対向する位置に形成された少なくとも1つの第1の片持ち弾性片118と、挿入部102から挿入方向の反対方向かつ径方向外側へ向けて延出し、ピンコンタクト100の挿入部102がソケットコンタクトの挿入穴に挿入された際に、ソケットコンタクトの段部に挿入方向の反対方向で係止され得る少なくとも1つの第2の片持ち弾性片122と、を備える。【選択図】図4

Description

この発明は、サーボモータや工作機械、計測器等の産業用機器および、電気機器や電子機器に使用される電気コネクタ用のピンコンタクト、ソケットコンタクトおよびコンタクト接触構造に関し、特に、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたピンコンタクト、ソケットコンタクト、およびそれらコンタクトの接触構造を提供しようとするものに関する。
一般的に、コンタクトは、相手コンタクトの接触部と接触する接触部と、基板やケーブル等の接続対象物に接続される接続部とを備えている。特許文献1は、安定した接触が得られ、かつ、振動・衝撃条件が厳しい環境で使用しても接触性および耐久性に優れたコンタクトを提案しており、具体的には、接触部を相手コンタクトの接触部の形状に沿った形状とし、かつ、安定した接触が得られるように2箇所以上で接触させる複数箇所接触方式を採用したものである。
特開2012−43763号公報
しかしながら、特許文献1で提案されるコンタクトは相手コンタクトとのロック機能を有しておらず、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたコンタクトが要望されている。
この発明は、上記要望に応え、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたピンコンタクトおよびソケットコンタクト、並びにそれらの接触構造を提供することを目的とする。
この発明は、挿入穴を有する筒状部の先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に挿入穴の内径を縮小させる段部が形成されたソケットコンタクトの該挿入穴に挿入された際に、該ソケットコンタクトと接触するピンコンタクトであって、上記目的を達成するため、前記挿入穴内に挿入され得る挿入部と、前記ソケットコンタクトへの挿入方向でみて前記挿入部とは反対側に設けられた接続部と、前記挿入部と前記接続部との間に設けられ、前記挿入部よりも径の大きい拡径部と、前記拡径部から前記挿入方向かつ径方向内側へ向けて延出し、前記ピンコンタクトの前記挿入部が前記ソケットコンタクトの前記挿入穴に挿入された際に、前記傾斜面と対向する位置に形成された少なくとも1つの第1の片持ち弾性片と、前記挿入部から前記挿入方向の反対方向かつ径方向外側へ向けて延出し、前記ピンコンタクトの前記挿入部が前記ソケットコンタクトの前記挿入穴に挿入された際に、前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の前記反対方向で係止され得る少なくとも1つの第2の片持ち弾性片と、を備えている。
なお、この発明のピンコンタクトにあっては、複数の前記第2の片持ち弾性片を備え、該複数の第2の片持ち弾性片は周方向に略等間隔に配置されていることが好ましい。
また、この発明のピンコンタクトにあっては、複数の前記第1の片持ち弾性片を備え、該複数の第1の片持ち弾性片は周方向に略等間隔に配置されていることが好ましい。
さらに、この発明のピンコンタクトにあっては、複数の前記第1の片持ち弾性片と、複数の前記第2の片持ち弾性片とを備え、各第1の片持ち弾性片と各第2の片持ち弾性片とは前記挿入方向でみて対をなすよう対向して配置されていることが好ましい。
さらに、この発明のピンコンタクトにあっては、前記第2の片持ち弾性片の長さは、前記コンタクトの前記挿入部を前記ソケットコンタクトの前記挿入穴内に挿入し該第2の片持ち弾性片を前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止させた際に、前記第1の片持ち弾性片を弾性変形させつつ前記傾斜面に押圧状態で接触させる寸法に設定されていることが好ましい。
さらに、この発明のピンコンタクトにあっては、前記第2の片持ち弾性片の自由端側の端部は、屈曲部を介して、前記ピンコンタクトの中心軸線に沿う方向または径方向内側へ傾くよう延在していることが好ましい。
この発明は、上記いずれかに記載のピンコンタクトが挿入された際に該ピンコンタクトと接触するソケットコンタクトであって、前記ピンコンタクトの前記挿入部が挿入される挿入穴を有する筒状部を備え、前記筒状部は先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に前記挿入穴の内径を縮小させる段部が形成され、前記挿入穴に、前記ピンコンタクトの前記挿入部が挿入された際に、前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止し、かつ、前記傾斜面に前記ピンコンタクトの前記第1の片持ち弾性片が接触するとともに、前記ソケットコンタクトの前記筒状部の内周面に前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が接触するよう構成されるものである。
また、この発明のコンタクト接触構造は、上記目的を達成するため、上記いずれかに記載のピンコンタクトと、挿入穴を有する筒状部の先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に挿入穴の内径を縮小させる段部が形成されたソケットコンタクトとを備え、前記ピンコンタクトの挿入部を前記ソケットコンタクトの挿入穴に挿入することで、前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止し、かつ、前記傾斜面に前記ピンコンタクトの前記第1の片持ち弾性片が接触するとともに、前記ソケットコンタクトの前記筒状部の内周面に前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が接触するよう構成されるものである。
この発明のピンコンタクトにおいては、ピンコンタクトの挿入部が相手側のソケットコンタクトの挿入穴内に最終挿入位置まで挿入された状態では、ピンコンタクトの第2の片持ち弾性片がソケットコンタクトの挿入穴の内面に接触するとともに、ピンコンタクトの第1の片持ち弾性片がソケットコンタクトの挿入穴入口の傾斜面に接触するので、複数箇所接触による安定した接触が得られる。また、ピンコンタクトの最終挿入位置では第2の片持ち弾性片の自由端側端部がソケットコンタクトの挿入穴内面に形成された段部に、挿入方向の反対方向で係止されているので、ロック機能を得ることができる。さらに、第1の片持ち弾性片および第2の片持ち弾性片が弾性変形下にあるので、ピンコンタクトおよび/またはソケットコンタクトに振動が加わり、ピンコンタクトとソケットコンタクトの中心軸線が互いにずれた場合でも、第1の片持ち弾性片および第2の片持ち弾性片の弾性復元力がそれを戻そうとするので、振動下においても安定した接触が維持される。
したがって、この発明によれば、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたピンコンタクト、ソケットコンタクトおよびそれらの接触構造を提供することができる。
この発明の一実施形態のピンコネクタを、この発明の一実施形態のソケットコンタクトに接触した状態にある、この発明の一実施形態のコンタクト接触構造を示す斜視図である。 図1のコンタクト接触構造の中心軸線を通る鉛直面に沿った断面図である。 図1におけるソケットコンタクトを単体で示す斜視図である。 図1におけるピンコンタクトを単体で示し、そのうち(a)はピンコンタクトの上面側を示した斜視図であり、(b)はピンコンタクトの下面側を示した斜視図である。 図1におけるピンコンタクトを単体で示し、そのうち(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図である。 この発明の他の実施形態のピンコンタクトを単体で示し、そのうち(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図である。 この発明のさらに他の実施形態のピンコンタクトを単体で示し、そのうち(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態のピンコネクタを、この発明の一実施形態のソケットコンタクト(相手コンタクト)に接触させた状態にある、この発明の一実施形態のコンタクト接触構造を示す斜視図であり、図2は、図1のコンタクト接触構造の中心軸線を通る鉛直面に沿った断面図であり、図3は、図1におけるソケットコンタクトを単体で示す斜視図であり、図4は、図1におけるピンコンタクトを単体で示し、そのうち(a)はピンコンタクトの上面側を示した斜視図であり、(b)はピンコンタクトの下面側を示した斜視図である。
図1に示すように、実施形態のコンタクト接触構造10は、ピンコンタクト100と相手コンタクトであるソケットコンタクト200とを備え、ピンコンタクト100をソケットコンタクト200へ挿入することで両コンタクト100,200が電気導通可能に接触する。図中、矢印Xで示す方向がピンコンタクト100のソケットコンタクト200への挿入方向である。
図2および図3に示すように、ソケットコンタクト200は、内側に挿入穴202を区画する筒状部204と、該筒状部204の基端(ピンコンタクト100の挿入方向Xでみて奥側)から径方向外側へ延出し例えば基板やケーブル等の接続対象物と接続される接続部として機能し得る環状鍔部206とを一体に備え、筒状部204の先端内周(入口)には傾斜面(テーパ面)208が全周に亘って形成されている。図3において符号x2は、ソケットコンタクト200の中心軸線である。
また、筒状部204の傾斜面208よりも基端側の内周面には、挿入穴202の内径を縮小する段部210が全周に亘って形成されている。段部210は傾斜面208につながっている。図示例のソケットコンタクト200では、挿入穴202が貫通穴として形成されているが、基端側が閉塞した止まり穴であってもよい。
このようなソケットコンタクト200は、公知技術のプレス加工等によって製作することができ、また、ソケットコンタクト200の材質は、導電性であればよく、例えば黄銅やベリリウム銅、リン青銅等の導電性金属を用いることができる。
図2および図4に示すように、ピンコンタクト100は、中心軸線x1に沿って延び、ソケットコンタクト200の挿入穴202に挿入され得る挿入部102と、ソケットコンタクト200への挿入方向Xでみて挿入部102とは反対側に設けられた接続部104と、挿入部102と接続部104との間に設けられ、挿入部102よりも径の大きい拡径部106とを一体に備えている。
接続部104は、基板やケーブル等の接続対象物に接続される部分であって、図示例では、中心軸線x1を挟んだ左右側方位置で起立する一対の側壁110,112間にケーブルの末端を配置し、これらの側壁110,112をケーブルとともにかしめることで接続対象物との接続を行う圧着タイプのものを示しているが、接続対象物に接続できれば、半田付けタイプであっても、圧接タイプであってもよい。
拡径部106は、両端が開口した筒状に形成され、傾斜した移行部114,116を介して接続部104と挿入部102とにそれぞれ連設されている。拡径部106の外径は、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202に挿入した際に拡径部106が挿入穴202内に入らないよう挿入穴202の径よりも大きく設定されている。挿入部102と拡径部106との間の移行部114の、中心軸線x1に対する傾斜角度は、ソケットコンタクト200の挿入穴202入口の傾斜面208の、中心軸線x2に対する傾斜角度と等しくすることが好ましい。
また、ピンコンタクト100には、拡径部106から挿入方向Xかつ径方向内側へ向けて延出し、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202に挿入した状態にて(図2)、該挿入穴202入口の傾斜面208と対向する位置に、少なくとも1つ(図示例では3つ)の第1の片持ち弾性片118が形成されている。
第1の片持ち弾性片118は、拡径部106に支持された基端部分を除く周囲三辺がスリットに囲まれて周囲から切り離されることにより、弾性変形可能に構成されている。第1の片持ち弾性片118は、挿入部102と移行部114との境界またはその近傍で終端しており、かつ、ソケットコンタクト200に挿入されてない自由状態において、移行部114の傾斜角度よりも浅い角度で中心軸線x1側へ屈曲されている。つまり、周方向でみて第1の片持ち弾性片118の先端部分は、挿入部102と拡径部106との間の傾斜した移行部114よりも径方向外側へ僅かに突出している。第1の片持ち弾性片118は、その傾斜部分118aがソケットコンタクト200の挿入穴202入口の傾斜面208の曲率と略等しい曲率を有する曲面であることが好ましい。
また、図示例のように複数の第1の片持ち弾性片118を設ける場合には、該複数の第1の片持ち弾性片118は周方向に略等間隔に配置することが好ましい。図示例では、3つの第1の片持ち弾性片118は、周方向に120度ずつ位相をずらして配置されている。
挿入部102は、筒状に形成されその先端(ピンコンタクト100の挿入方向Xでみて先端)に径を狭めるテーパ面120が形成されてソケットコンタクト200の挿入穴202へ挿入し易くなっている。
また、挿入部102のテーパ面120の僅かに後方からは、挿入方向Xの反対方向かつ径方向外側へ向けて延出する少なくとも1つ(図示例では3つ)の第2の片持ち弾性片122が形成されている。なお、ピンコンタクト100がソケットコンタクト200に挿入されていない自由状態において、第2の片持ち弾性片122の径方向外側への突出量は、中心軸線x1から第2の片持ち弾性片122の最外面までの径方向に沿った距離が、ソケットコンタクト200の中心軸線x2から筒状部204の内周面のうち段部210でない部分までの径方向に沿った距離よりも大きくなるよう設定されている。これにより、ソケットコンタクト200に対するピンコンタクト100の最終挿入位置にて、第2の片持ち弾性片122をソケットコンタクト200の筒状部204の内周面のうち段部210でない部分に押圧状態で接触させることができる。
第2の片持ち弾性片122は、挿入部102の先端部に支持された基端部分を除く周囲三辺がスリットに囲まれて周囲から切り離されることにより、弾性変形可能に構成されている。第2の片持ち弾性片122は、挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202へ挿入した際に挿入穴202の内周面に形成された段部210の放射面210aに挿入方向Xの反対方向で係止するものであり、好適には、第2の片持ち弾性片122の長さは、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202に挿入し該第2の片持ち弾性片122をソケットコンタクト200の段部210の放射面210aに係止させた際に、第1の片持ち弾性片118を弾性変形させつつ挿入穴202入口の傾斜面208に押圧状態で接触させる寸法に設定されている。
また、第2の片持ち弾性片122の自由端側端部122aは、屈曲部122bを介して、ピンコンタクト100の中心軸線x1に略沿う方向または径方向内側へ傾くよう延在している。さらにこの自由端側端部122aの外面は、ソケットコンタクト200の筒状部204の内周面のうち段部210よりも径の大きい部分(段部210でない部分)の曲率に略等しい曲率を有する曲面として形成してもよい。
また、図示例のように複数の第2の片持ち弾性片122を設ける場合には、該複数の第2の片持ち弾性片122は周方向に略等間隔に配置することが好ましい。図示例では、3つの第2の片持ち弾性片122は、周方向に120度ずつ位相をずらして配置されている。さらに、複数の第1の片持ち弾性片118と複数の第2の片持ち弾性片122とを設ける場合、特に第1の片持ち弾性片118と第2の片持ち弾性片122を互いに同数設ける場合には、各第1の片持ち弾性片118と各第2の片持ち弾性片122とを、挿入方向Xでみて対をなすよう対向して配置することが好ましい。
このようなピンコンタクト100は、公知技術のプレス加工等によって製作することができ、例えば平坦なブランクからピンコンタクト100の展開形状に相当する形状に外形加工した後、曲げ加工により挿入部102および拡径部106等に相当する部分を円筒形に曲げてその側縁同士を突き合わせることで形成することができる。また、ピンコンタクト100の材質は、導電性であればよく、例えば黄銅やベリリウム銅、リン青銅等の導電性金属を用いることができる。なお、挿入部102および拡径部106における中心軸線x1に沿った突き合わせ部分はレーザ等を用いて接合してもよい。
このように構成されたピンコンタクト100を、相手コンタクトであるソケットコンタクト200に電気導通可能に接触させるには、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202内に挿入する。このとき、ソケットコンタクト200の挿入穴202の入口に形成された傾斜面208とピンコンタクト100の挿入部102の先端に形成されたテーパ面120とが互いに誘導し合うので、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202へ容易に挿入することができる。また、ピンコンタクト100の挿入部102は、そこに形成された第2の片持ち弾性片122がソケットコンタクト200の挿入穴202の段部210を弾性変形しながら通過し、挿入穴202内の最終挿入位置へと挿入されていく。ピンコンタクト100の挿入部102が図2に示すような最終挿入位置へ到達すると、第2の片持ち弾性片122が段部210を完全に乗り越え径方向外側へ弾性復帰することで、その自由端側端部122aが挿入方向Xの反対方向で段部210の放射面210aに係止する。これにより、ピンコンタクト100の挿入状態はロックされる(引き抜けが防止される)。また、第2の片持ち弾性片122を段部210を乗り越える位置まで挿入するためには、第1の片持ち弾性片118を内側に弾性変形させる必要があり、第2の片持ち弾性片122が段部210を乗り越えた最終挿入位置では、第1の片持ち弾性片118は挿入穴202入口の傾斜面208に押圧状態で接触することになる。つまり、第1の片持ち弾性片118と第2の片持ち弾性片122との間に、ソケットコンタクト200の段部210が押圧挟持された状態となる。
こうして、ピンコンタクト100の挿入部102がソケットコンタクト200の挿入穴202内に最終挿入位置まで挿入された状態では、ピンコンタクト100の3つの第2の片持ち弾性片122がソケットコンタクト200の挿入穴202の、第1の接触部としての内面に押圧状態で接触するとともに、ピンコンタクト100の3つの第1の片持ち弾性片118がソケットコンタクト200の挿入穴202入口の、第2の接触部としての傾斜面208に押圧状態で接触するので、複数箇所(この例では6箇所)接触による安定した接触が得られる。また、ピンコンタクト100の最終挿入位置では第2の片持ち弾性片122の自由端側端部122aがソケットコンタクト200の挿入穴202内面に形成された段部210に、挿入方向Xの反対方向で係止されているので、ロック機能を得ることができる。さらに、ピンコンタクト100の最終挿入位置においても第1の片持ち弾性片118および第2の片持ち弾性片122が弾性変形下にあるので、ピンコンタクト100および/またはソケットコンタクト200に振動が加わり、ピンコンタクト100とソケットコンタクト200の中心軸線x1,x2が互いにずれた場合でも、第1の片持ち弾性片118および第2の片持ち弾性片122の弾性復元力がそれを戻そうとするので、振動下においても安定した接触が維持される。
また、この実施形態では、複数の第1の片持ち弾性片118を設け、該複数の第1の片持ち弾性片118を周方向に略等間隔に配置しているので、ピンコンタクト100とソケットコンタクト200の接触状態において、複数の第1の片持ち弾性片118の弾性付勢力をより均等に作用させ、より安定した接触性を得ることができる。
さらに、この実施形態では、複数の第2の片持ち弾性片122を設け、該複数の第2の片持ち弾性片122を周方向に略等間隔に配置しているので、複数の第2の片持ち弾性片の弾性付勢力をより均等に作用させ、より安定した接触性を得ることができる。
さらに、この実施形態では、第2の片持ち弾性片122の長さを、ピンコンタクト100の挿入部102をソケットコンタクト200の挿入穴202内に挿入し該第2の片持ち弾性片122をソケットコンタクト200の段部210に挿入方向Xの反対方向で係止させた際に、第1の片持ち弾性片118を弾性変形させつつ傾斜面208に押圧状態で接触させる寸法に設定したので、振動等が加わりピンコンタクト100の中心軸線x1とソケットコンタクト200の中心軸線x2とにずれが生じた場合でも、第1の片持ち弾性片118とソケットコンタクト200の傾斜面208との接触を維持することができ、より安定した接触が得られる。
さらに、この実施形態では、第1の片持ち弾性片118の傾斜部分118aを、ソケットコンタクト200の挿入穴202入口の傾斜面208の曲率と略等しい曲率を有する曲面で構成したので、第1の片持ち弾性片118の当該傾斜部分118aと傾斜面208とを面接触させ得て、より良好な接触性を得ることができる。
さらに、この実施形態では、第2の片持ち弾性片122の自由端側端部122aを、屈曲部122bを介して、ピンコンタクト100の中心軸線x1に沿う方向または径方向内側へ傾くよう延在させたので、該自由端側端部122aをソケットコンタクト200の段部210の放射面210aに係止させた際の係止強度を高めることができ、より良好なロック機能を得ることができる。
なお、第2の片持ち弾性片122の自由端側端部122aの外面をソケットコンタクト200の内周面のうち段部210よりも径の大きい部分の曲率に略等しい曲率を有する曲面として形成し、かつ、ピンコンタクト100の最終挿入位置にて第2の片持ち弾性片122の自由端側端部122aがソケットコンタクト200の筒状部204の内周面に沿うよう設計した場合には、第2の片持ち弾性片122の自由側端部の外面とソケットコンタクト200の筒状部204の内周面とを面接触させることも可能である。
次いで、ピンコンタクト100の変形例を説明する。図6は、この発明の他の実施形態のピンコンタクト100を示し、そのうち(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図である。
この実施形態のピンコンタクト100は、2つの第1の片持ち弾性片118と、2つの第2の片持ち弾性片122とを有する点で、先の実施形態のピンコンタクト100と異なり、その他の構成は同じである。
第1の片持ち弾性片118は、周方向で180度の位相ずれをもって配置されている。つまり、一方の第1の片持ち弾性片118と他方の第1の片持ち弾性片118とは、中心軸線x1を挟んで互いに対向する。
第2の片持ち弾性片122は、周方向で180度の位相ずれをもって配置されている。つまり、一方の第2の片持ち弾性片122と他方の第2の片持ち弾性片122とは、中心軸線x1を挟んで互いに対向する。
このような構成のピンコンタクト100においても、先の実施形態のピンコンタクト100と同様、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつロック機能と耐振動性能とを兼ね備えることができる。
図7は、この発明のさらに他の実施形態のピンコンタクト100を示し、そのうち(a)は正面図であり、(b)は右側面図であり、(c)は左側面図である。
この実施形態のピンコンタクト100は、1つの第1の片持ち弾性片118と、1つの第2の片持ち弾性片とを有する点で、先の2つの実施形態のピンコンタクト100と異なり、その他の構成は同じである。
このように、第1の片持ち弾性片118と第2の片持ち弾性片122とをそれぞれ1つ設ける場合には、両片持ち弾性片118,122がピンコンタクト100の挿入方向Xで互いに対向しない位置に配置するのが好ましく、周方向で180度位相がずれた位置に配置することがより好ましい。このように、第1の片持ち弾性片118と第2の片持ち弾性片122とを周方向で位相をずらして配置することにより、第1の片持ち弾性片118で生じる弾性力でもって第2の片持ち弾性片をソケットコンタクト200の筒状部204の内周面(第1の接触部)に押し付けることができるとともに、第2の片持ち弾性片122で生じる弾性力でもって第1の片持ち弾性片118をソケットコンタクト200の挿入穴202入口の傾斜面(第2の接触部)208に押し付けることができ、複数箇所接触による良好な接触性が得られるからである。
以上、図示例に基づきこの発明を説明したが、この発明は実施形態に限定されず、特許請求の範囲の記載内で適宜、変更、修正等可能である。例えば、第1および第2の片持ち弾性片はそれぞれ4つ以上設けることもできる。また、第1の片持ち弾性片の数と第2の片持ち弾性片の数は、互いに異なっていてもよい。さらに、上記実施形態のソケットコンタクトとして、その接続部を環状鍔部で構成して基板への実装に適したものを例示したが、接続部はケーブルを圧着固定できるよう構成したものもよい。
この発明によれば、複数箇所接触による安定した接触が得られ、かつ、ロック機能と耐振動性能とを兼ね備えたピンコンタクト、ソケットコンタクトおよびそれらを備えたコンタクト接触構造を提供することができる。
10 コンタクト接触構造
100 ピンコンタクト
102 挿入部
104 接続部
106 拡径部
110,112 側壁
114,116 移行部
118 第1の片持ち弾性片
118a 傾斜部分
120 テーパ面
122 第2の片持ち弾性片
122a 自由端側端部
122b 屈曲部
200 ソケットコンタクト
202 挿入穴
204 筒状部
206 環状鍔部
208 傾斜面
210 段部
210a 放射面

Claims (8)

  1. 挿入穴を有する筒状部の先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に挿入穴の内径を縮小させる段部が形成されたソケットコンタクトの該挿入穴に挿入された際に、該ソケットコンタクトと接触するピンコンタクトであって、
    前記挿入穴内に挿入され得る挿入部と、
    前記ソケットコンタクトへの挿入方向でみて前記挿入部とは反対側に設けられた接続部と、
    前記挿入部と前記接続部との間に設けられ、前記挿入部よりも径の大きい拡径部と、
    前記拡径部から前記挿入方向かつ径方向内側へ向けて延出し、前記ピンコンタクトの前記挿入部が前記ソケットコンタクトの前記挿入穴に挿入された際に、前記ソケットコンタクトの前記傾斜面と対向する位置に形成された少なくとも1つの第1の片持ち弾性片と、
    前記挿入部から前記挿入方向の反対方向かつ径方向外側へ向けて延出し、前記ピンコンタクトの前記挿入部が前記ソケットコンタクトの前記挿入穴に挿入された際に、前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の前記反対方向で係止され得る少なくとも1つの第2の片持ち弾性片と、を備えることを特徴とするピンコンタクト。
  2. 複数の前記第2の片持ち弾性片を備え、該複数の第2の片持ち弾性片は周方向に略等間隔に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のピンコンタクト。
  3. 複数の前記第1の片持ち弾性片を備え、該複数の第1の片持ち弾性片は周方向に略等間隔に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のピンコンタクト。
  4. 複数の前記第1の片持ち弾性片と、複数の前記第2の片持ち弾性片とを備え、各第1の片持ち弾性片と各第2の片持ち弾性片とは前記挿入方向でみて対をなすよう対向して配置されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載のピンコンタクト。
  5. 前記第2の片持ち弾性片の長さは、前記ピンコンタクトの前記挿入部を前記ソケットコンタクトの前記挿入穴内に挿入し該第2の片持ち弾性片を前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止させた際に、前記第1の片持ち弾性片を弾性変形させつつ前記ソケットコンタクトの前記傾斜面に押圧状態で接触させる寸法に設定されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載のピンコンタクト。
  6. 前記第2の片持ち弾性片の自由端側の端部は、屈曲部を介して、前記ピンコンタクトの中心軸線に沿う方向または径方向内側へ傾くよう延在していることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のピンコンタクト。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載のピンコンタクトが挿入された際に該ピンコンタクトと接触するソケットコンタクトであって、
    前記ピンコンタクトの前記挿入部が挿入される挿入穴を有する筒状部を備え、
    前記筒状部は先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に前記挿入穴の内径を縮小させる段部が形成され、
    前記挿入穴に、前記ピンコンタクトの前記挿入部が挿入された際に、前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止し、かつ、前記傾斜面に前記ピンコンタクトの前記第1の片持ち弾性片が接触するとともに、前記ソケットコンタクトの前記筒状部の内周面に前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が接触するよう構成されることを特徴とするソケットコンタクト。
  8. 請求項1から6までのいずれか一項に記載のピンコンタクトと、挿入穴を有する筒状部の先端内周に傾斜面が形成されるとともに、該傾斜面よりも基端側の内周面に挿入穴の内径を縮小させる段部が形成されたソケットコンタクトとを備え、前記ピンコンタクトの挿入部を前記ソケットコンタクトの挿入穴に挿入することで、前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が前記ソケットコンタクトの前記段部に前記挿入方向の反対方向で係止し、かつ、前記傾斜面に前記ピンコンタクトの前記第1の片持ち弾性片が接触するとともに、前記ソケットコンタクトの前記筒状部の内周面に前記ピンコンタクトの前記第2の片持ち弾性片が接触するよう構成されることを特徴とするコンタクト接触構造。
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