(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムは、医院(例えば、歯科医院)に設置される。図1は、本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムを設置する医院の構成を説明するための概略図である。一般的に、医院は、チェアユニットである医療用診療装置(以下、診療装置とも称する)10などが設置され、患者を診療するための診療エリアと、レセプトコンピュータ20が設置され、患者の受付けや会計などを行うための受付エリアとに分けられる。
診療エリアには、3台の診療装置10と、X線撮影装置30とが設けられている。なお、図示していないが、診療エリアには、チェアユニットの診療装置10やX線撮影装置30以外にも様々な診療装置が設置されている。一方、受付エリアには、基本的に診療装置は設置されることがなく、レセプトコンピュータ20以外にソファーやカウンタなどが設置されている。
受付エリアのレセプトコンピュータ20と、診療エリアの診療装置10とは通信可能に接続されており、医療用診療システムを構成している。レセプトコンピュータ20と接続する診療装置は、チェアユニットの診療装置10に限定されるものではなく、X線撮影装置30や、その他の診療装置が接続されていてもよい。以下に説明する医療用診療システムでは、レセプトコンピュータ20とチェアユニットの診療装置10とが通信可能に接続された医療用診療システムを例に説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムの構成を説明するための概略図である。なお、図2に示す医療用診療システムでは、レセプトコンピュータ20に対して1台の診療装置10が接続されている図が図示されているが、レセプトコンピュータ20に対して図1に示す3台の診療装置10が接続されているものとする。
まず、診療装置10について詳しく説明する。図3は、本発明の実施の形態1に係る診療装置の構成を説明するためのブロック図である。図2および図3に示すように、診療装置10は、診療椅子1と、フートコントローラ5と、トレーテーブル3と、制御装置9と、インスツルメントホルダ50と、操作パネル8と、表示モニタ6と、ベースンユニット2と、照明装置(オペライト)7とを備える。
診療椅子1は、患者の頭を支えるヘッドレスト1aと、患者の背中を支える背もたれ1bと、患者の尾尻を支える座面シート1cと、患者の足を支える足置き台1dと、シート駆動部11とを備える。シート駆動部11は、図示しない基板上に実装されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などによって構成され、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dのそれぞれの駆動を制御する。
たとえば、座面シート1cは、シート駆動部11の制御に基づき上昇または下降する。ヘッドレスト1a、背もたれ1b、および足置き台1dのそれぞれは、シート駆動部11の制御に基づき座面シート1cに対して垂直方向または水平方向に移動する。ヘッドレスト1a、背もたれ1b、および足置き台1dが座面シート1cに対して垂直方向に移動すると、診療椅子1に座った患者が座位姿勢になる。ヘッドレスト1a、背もたれ1b、および足置き台1dが座面シート1cに対して水平方向に移動すると、診療椅子1に座った患者が仰向け姿勢になる。このように、シート駆動部11は、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dを駆動させて診療椅子1の姿勢を変更する。
フートコントローラ5は、ユーザの足踏操作を受け付ける複数のスイッチ(ペダル)を有する。ユーザは、これら複数のスイッチそれぞれに対して所定の機能を割り当てることができる。
たとえば、ユーザは、診療椅子1の姿勢を変更する機能をフートコントローラ5のスイッチに対して割り当てることができる。ユーザが、診療椅子1の姿勢を変更する機能が割り当てられたスイッチを足踏操作すると、フートコントローラ5は、シート駆動部11に制御信号を出力する。シート駆動部11は、制御信号に基づき、ヘッドレスト1a、背もたれ1b、座面シート1c、および足置き台1dを駆動させる。
また、ユーザは、後述する診療器具4を駆動する機能をフートコントローラ5のスイッチに対して割り当てることができる。ユーザが、診療器具4を駆動する機能が割り当てられたスイッチを足踏操作すると、フートコントローラ5は、後述する診療器具駆動部14に制御信号を出力する。診療器具駆動部14は、制御信号に基づき診療器具4の駆動を制御する。
なお、フートコントローラ5のスイッチには、照明装置7の照明および消灯を制御する機能など、その他の機能を割り当てることもできる。
トレーテーブル3は、診療時の物置台として用いられる。トレーテーブル3は、診療椅子1または床から延びるアーム(図示は省略する)に接続されている。このため、ユーザは、トレーテーブル3を診療椅子1に対して手動で回動、水平移動、および垂直移動させることが可能である。
制御装置9は、トレーテーブル3の下部に設けられている。制御装置9には、診療椅子1と、複数の診療器具4と、インスツルメントホルダ50と、ベースンユニット2と、操作パネル8と、表示モニタ6とが接続されている。制御装置9は、後述するように、操作制御部12、診療器具駆動部14、表示モニタ制御部15、および保持解除特定部19を備える。これらの各部は、いずれも、図示しない基板上に実装されたCPU、ROM、およびRAMなどによって構成される。
診療器具4は、たとえば、エアータ−ビンハンドピース、マイクロモータハンドピース、スケーラ、スリーウェイシリンジ、およびバキュームシリンジなどの歯科診療用のインスツルメントである。なお、診療器具4は、これらに限らず、口腔内カメラ、光重合用照射器、根管長測定器、3次元スキャナおよび根管拡大器などであってもよいし、デンタルミラーや注射器、充填器具など、駆動しない器具であってもよい。
診療装置10においては、診療器具4a〜4eの5種類が用いられる。たとえば、診療器具4aおよび診療器具4bは、エアータ−ビンハンドピースである。診療器具4cは、マイクロモータハンドピースである。診療器具4dは、スケーラである。診療器具4eは、スリーウェイシリンジである。
各診療器具4は、インスツルメントホルダ50によって保持される。診療器具4がインスツルメントホルダ50から取り出されると、インスツルメントホルダ50による保持が解除され、診療器具4が選択された状態(被選択状態と称する)になる。
各診療器具4は、制御装置9が備える診療器具駆動部14に接続されている。診療器具駆動部14は、フートコントローラ5に対するユーザの足踏操作に基づき各診療器具4を駆動する。たとえば、ユーザが、フートコントローラ5におけるエアータ−ビンハンドピースを駆動するためのスイッチを足踏操作すると、診療器具駆動部14は、エアータ−ビンハンドピースのヘッド部に保持される切削工具を回転させる。このように、診療器具駆動部14は、フートコントローラ5に対するユーザの操作に基づき診療器具4を駆動する。
インスツルメントホルダ50は、各診療器具4を保持する保持部材である。インスツルメントホルダ50は、制御装置9が備える保持解除特定部19を介して操作制御部12に接続されている。保持解除特定部19は、診療器具4に対するインスツルメントホルダ50による保持が解除されたことを特定するとともに、その特定結果を示す信号を操作制御部12に出力する。操作制御部12は、保持解除特定部19からの信号に基づき被選択状態の診療器具4を特定する。
ベースンユニット2は、図2に示すように、診療椅子1の側部に備え付けられている。ベースンユニット2は、本体部2dと、排水口が形成された鉢2aと、コップが載置されるコップ台2bと、コップに給水するための給水栓2cとを備える。患者は、給水栓2cによってコップに給水された水を用いてうがいをすることができる。
図3に示すように、ベースンユニット2は、ベースン制御部16を備えている。ベースン制御部16は、診療装置10で用いられる水の流れを制御する。このように、ベースン制御部16は、診療装置10で用いられる水の流れを制御する。
さらに、ベースンユニット2は、照明制御部17を備えている。照明制御部17は、照明装置7の照明および消灯を制御する。このように、照明制御部17は、照明装置7の照明および消灯を制御する。
また、ベースンユニット2は、診療装置10内の履歴情報を収集する履歴収集部18を備えている。診療装置10内の各制御間の通信には、CAN(Controller Area Network)通信などの関連する公知の技術が適用されている。そのため、履歴収集部18は、例えばCAN通信を介して、シート駆動部11から送られてくるチェアユニット位置制御の情報、操作制御部12から送られてくる診療器具4の情報、ベースン制御部16から送られてくるコップ給水電磁弁制御の情報、照明制御部17から送られてくる照明装置7の点灯制御の情報などから履歴情報を収集する。なお、履歴収集部18が収集する履歴情報には、診療装置10で行われた操作の操作履歴、および診療装置10で検出した検出履歴を少なくとも含む。
また、図1に示すX線撮影装置30や図示していないレーザ治療装置などの診療装置から、操作履歴などの履歴情報を履歴収集部18が収集する。診療装置10が複数設けられている場合、特定の診療装置10の履歴収集部18が他の診療装置10の履歴情報を収集してもよく、また、診療装置10の外部に設けた履歴収集部に複数の診療装置10から履歴情報を収集させてもよい。さらに、X線撮影装置30や図示していないレーザ治療装置などの診療装置からの履歴情報についても、特定の診療装置10に設けた履歴収集部、または外部に設けた履歴収集部で収集して、まとめてレセプトコンピュータ20に出力してもよい。
履歴収集部18は、出力ポート18aを介して、収集した履歴情報をレセプトコンピュータ20に出力する。レセプトコンピュータ20では、受信した履歴情報を後述する診療装置データベースに記憶する。
表示モニタ6は、図1に示すように、トレーテーブル3から上方に延びるアームに設けられている。表示モニタ6は、表示領域が大きい画面を有している。つまり、表示モニタ6は、多くの情報量を表示することができる。
表示モニタ6は、制御装置9が備える表示モニタ制御部15を介して操作制御部12に接続されている。表示モニタ制御部15は、操作制御部12からの指令に基づき、画像および操作画像に関連した関連画像などを表示モニタ6に表示させる。
次に、レセプトコンピュータ20について詳しく説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係るレセプトコンピュータ20の構成を説明するためのブロック図である。レセプトコンピュータ20は、オペレーティングシステム(OS:Operating System)を含む各種プログラムを実行するCPU200と、CPU200でのプログラムの実行に必要なデータを一時的に記憶するメモリ部212と、CPU200で実行されるプログラムを不揮発的に記憶するハードディスク部(HDD:Hard Disk Drive)210とを含む。また、ハードディスク部210には、後述するような分析を実現するためのプログラムが予め記憶されており、このようなプログラムは、CD−ROMドライブ214などによって、それぞれCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)214aなどの記憶媒体から読み取られる。
CPU200は、キーボードやマウスなどからなる入力部208を介してユーザなどからの指示を受取るとともに、プログラムの実行によって分析される分析結果などを、ディスプレイ出力部204を介して表示装置204aへ出力する。各部は、バス202を介して互いに接続される。また、インターフェイス部206は、診療装置10の出力ポート18aに接続されている。なお、レセプトコンピュータ20と診療装置10との接続は、有線で接続されても無線で接続されてもよい。
本実施の形態に係る医療用診療システムでは、診療装置10とレセプトコンピュータ20とを接続して、レセプトコンピュータ20が、患者の記録情報と、当該記録情報に関連する診療装置10の履歴情報と併せて、診療に関する情報を分析することを特徴としている。ここで、「診療に関する情報」には、診療における各種の待ち時間、診療装置ごとの診療報酬、診療装置ごとの診療項目、患者ごとの診療装置の使用時間、ある患者の診療におけるインスツルメントごとの使用時間、患者ごとのX線診断画像、患者の口腔画像、患者からの主訴や要望、インスツルメントごとの総使用合計時間、診療装置のメンテナンス交換部品情報、診療装置の故障情報、診療装置の故障予測情報など、患者の記録情報および診療装置10の履歴情報から得られる様々な情報が含まれている。また、「診療に関する情報」には、診療に直接関連する情報以外に、例えば医院経営に関する情報などの間接的な情報も含まれている。以下、本実施の形態に係る医療用診療システムにおいて分析する、診療に関する情報を具体的に説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。
診療装置10は、履歴情報を収集する履歴収集部18と、収集した履歴情報をレセプトコンピュータ20に出力するための出力ポート18aとを備えている。なお、図3に示す診療装置10では、履歴収集部18を構成する基板に出力ポート18aが実装されていることを示すために、履歴収集部18の枠内に出力ポート18aを図示していたが、図5に示す診療装置10では、それぞれの処理を説明するため履歴収集部18と出力ポート18aとを分けて図示している。以下のブロック図においても同様である。一方、レセプトコンピュータ20は、統合処理部21、診療装置データベース22、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。診療装置データベース22は、インターフェイス部206を介して受信した診療装置10の履歴情報を記憶する。レセプト記録生成部25は、患者の来院予定の時間、受付けの時間、および診療報酬明細書などの会計の記録などのレセプト記録(記録情報)を患者毎に生成する。レセプト記録データベース23は、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶する。統合処理部21は、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース22に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。つまり、統合処理部21は、診療に関する情報を分析する分析部に相当する。
次に、統合処理部21で分析する診療に関する情報について、具体例を示し説明する。まず、履歴収集部18で収集する履歴情報の具体例を図に示す。図6は、本発明の実施の形態1に係る診療装置で収集される履歴情報の一例を示す図である。履歴収集部18では、CAN通信を介してシート駆動部11、操作制御部12、およびベースン制御部16などから送られてくる「イベントコード」、「イベントパラメータ」、「日付」、「時刻」および「チェアNo.」の情報を履歴情報として収集する。例えば、図6に示すように、履歴収集部18は、「イベントコード」=”020035”、「イベントパラメータ」=”1”、「日付」=2017/5/25、「時刻」=9:00および「チェアNo.」=1の情報を、ベースン制御部16から送られてくるコップ給水電磁弁制御がON状態の履歴情報として収集する。また、履歴収集部18は、「イベントコード」=”030302”、「イベントパラメータ」=”0”、「日付」=2017/5/25、「時刻」=9:09および「チェアNo.」=2の情報を、シート駆動部11から送られてくるチェアユニット位置制御が退出位置の履歴情報として収集する。なお、図6に示す履歴情報の内容は一例であって、図示していない制御も履歴情報として記憶される。例えば、インスツルメントホルダ50から診療器具4を取り出したことを示す保持解除特定部19の情報や、エアータ−ビンハンドピースを駆動した診療器具駆動部14の情報を履歴情報に記憶してもよい。
履歴収集部18は、出力ポート18aを介して、図6に示した履歴情報をレセプトコンピュータ20に出力する。レセプトコンピュータ20では、図6に示した履歴情報をそのまま診療装置データベース22に記憶するだけでなく、チェア番号(チェアNo.)ごとに時間経過をまとめた履歴情報も記憶してある。図7は、本発明の実施の形態1に係る診療装置データベース22に記憶される履歴情報の一例を示す図である。図7に示す履歴情報では、「チェアNo.」の情報ごとに、「コップ給水時刻」、「オペライト点灯時刻」、「うがい位置時刻」、「治療位置時刻」、および「退出位置時刻」の情報をまとめて診療装置データベース22に記憶してある。例えば、「チェアNo.」=1の時間経過をまとめた履歴情報として、「コップ給水時刻」=9:00、「オペライト点灯時刻」=9:10、「うがい位置時刻」=9:15、「治療位置時刻」=9:20、および「退出位置時刻」=9:22の情報が診療装置データベース22に記憶してある。また、「チェアNo.」=2の時間経過をまとめた履歴情報として、「コップ給水時刻」=9:12、「オペライト点灯時刻」=9:15、「うがい位置時刻」=9:20、「治療位置時刻」=9:22、および「退出位置時刻」=9:38の情報が診療装置データベース22に記憶してある。
ここで、「コップ給水時刻」は、履歴情報においてコップ給水電磁弁制御がON状態となった時刻である。「オペライト点灯時刻」は、履歴情報においてオペライト点灯制御がON状態となった時刻である。「うがい位置時刻」は、履歴情報においてチェアユニット位置制御がうがい位置となった時刻である。「治療位置時刻」は、履歴情報においてチェアユニット位置制御が治療位置となった時刻である。「退出位置時刻」は、履歴情報においてチェアユニット位置制御が退出位置となった時刻である。
一方、レセプト記録データベース23で記憶しているレセプト記録(記録情報)のうち、患者ごとに時間経過をまとめたレセプト記録の具体例を図に示す。図8は、本発明の実施の形態1に係るレセプトコンピュータで記憶されている記録情報の一例を示す図である。図8に示すレセプト記録では、「患者No.」の情報ごとに、「予約時刻」、「来院時刻」、「診療案内時刻」、「カルテ入力時刻」、「次回予約時刻」、「会計時刻」、および「チェアNo.」の情報をまとめてレセプト記録データベース23に記憶してある。例えば、「患者No.」=0102の時間経過をまとめたレセプト記録として、「予約時刻」=9:00、「来院時刻」=8:58、「診療案内時刻」=9:00、「カルテ入力時刻」=9:23、「次回予約時刻」=9:25、「会計時刻」=9:26、「チェアNo.」=1の情報がレセプト記録データベース23に記憶してある。また、「患者No.」=1325の時間経過をまとめたレセプト記録として、「予約時刻」=9:10、「来院時刻」=9:09、「診療案内時刻」=9:12、「カルテ入力時刻」=9:40、「次回予約時刻」=9:43、「会計時刻」=9:45、「チェアNo.」=2の情報がレセプト記録データベース23に記憶してある。
ここで、「予約時刻」は、前回の来院時に予約した時刻である。「来院時刻」は、診察券を受付けた時刻である。「診療案内時刻」は、患者を診療エリア(図1参照)に案内した時刻である。「カルテ入力時刻」は、患者の治療が終わり、カルテおよび診療報酬明細書を作成した時刻である。「診療項目」は、患者が診療を受けレセプトコンピュータ20に記録された診療の内容である。具体的に、「診療項目」には、コード番号の「003」と診療項目の「咬合調整」を合わせて1つの欄に記録されている、同様に、「診療項目」には、「008(抜歯)」、「027(スケーリング)」、「011(根管治療)」、「037(X線撮影(P))」、「059(印象採得)」、「067(義歯装着)」および「091(矯正具装着)」などの診療の内容が記録される。ここで、X線撮影(P)は、パノラマX線撮影のことである。このように具体的な診療項目がレセプト記録に記憶されるので、診療項目ごと、または当該診療項目に診療装などを組合せて分析を行うこと可能となる。
「次回予約時刻」は、次回の来院予約の日時を入力した時刻である。「会計時刻」は、患者が支払いを済ませた時刻である。なお、レセプトコンピュータ20において、患者を診療エリアに案内して「診療案内時刻」の入力する際に、「チェアNo.」も入力する。または、レセプトコンピュータ20において、患者を診療エリアに案内して「チェアNo.」を入力すると、その時刻が「診療案内時刻」であるとして入力されてもよい。レセプトコンピュータ20において、診療装置10の選択は、患者を案内したチェア番号をキーボードで入力して行っても、表示装置204aに表示させたレイアウトをマウスで選択して行ってもよい。「患者No.」は、医院内での患者の識別番号であり、患者の連絡先や保険証番号などの情報と関連付けられている。
次に、統合処理部21は、診療装置データベース22に記憶する履歴情報と、レセプト記録データベース23に記憶するレセプト記録とを統合して診療に関する情報を分析する。分析する診療に関する情報の具体例を図に示す。図9は、本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムで分析した診療に関する情報の一例を示す図である。図9に示す診療に関する情報は、診療における各種の待ち時間である。具体的に、統合処理部21は、「来院時刻」から「診療案内時刻」までの時間から、「受付エリアでの待ち時間」を算出する。例えば、患者番号”0102”の場合、統合処理部21は、「来院時刻」=8:58から「診療案内時刻」=9:00までの時間を「受付エリアでの待ち時間」=2分として算出する。なお、患者がチェアユニットに着席するとコップ台2bにコップがセットされ、コップに給水が開始されるので、統合処理部21は、「来院時刻」から「コップ給水時刻」までの時間を「受付エリアでの待ち時間」としてもよい。
診療エリアに案内された患者は、チェアユニットに着席するが、直ぐに治療が始まるのではない。統合処理部21は、チェアユニットに着席してから治療開始までの待ち時間を、「チェアユニットでの待ち時間」として分析することができる。統合処理部21は、「コップ給水時刻」から「オペライト点灯時刻」までの時間を「チェアユニットでの待ち時間」として算出する。なお、「オペライト点灯時刻」がON状態となった時刻を治療開始時刻としたが、チェアユニット位置制御が治療位置となった最初の時刻を治療開始時刻としてもよい。
治療開始から治療終了まで間で中断した時間も、「チェアユニットでの待ち時間」として算出する。統合処理部21は、「うがい位置時刻」から「治療位置時刻」までの時間も「チェアユニットでの待ち時間」として算出して、治療開始前の「チェアユニットでの待ち時間」と合算する。例えば、患者番号”0102”の場合、統合処理部21は、「コップ給水時刻」=9:00から「オペライト点灯時刻」=9:10までの時間と、「うがい位置時刻」=9:15から「治療位置時刻」=9:20までの時間との合算を「チェアユニットでの待ち時間」=15分として算出する。もちろん、統合処理部21は、治療を中断した時間を、「チェアユニットでの待ち時間」と区別して、「中断での待ち時間」として算出してもよい。なお、治療の中断と再開をチェアユニット位置制御の情報で判断したが、オペライト点灯制御の情報で判断してもよい。
統合処理部21は、治療開始から治療終了まで時間から治療を中断した時間を差し引いた時間を「治療時間」と算出する。具体的に、統合処理部21は、「オペライト点灯時刻」から「退出位置時刻」までの時間から、「うがい位置時刻」から「治療位置時刻」までの時間を差し引いて、「治療時間」を算出する。例えば、患者番号”0102”の場合、統合処理部21は、「オペライト点灯時刻」=9:00から「退出位置時刻」=9:22までの時間から、「うがい位置時刻」=9:15から「治療位置時刻」=9:20までの時間を差し引いて、「治療時間」=7分として算出する。
統合処理部21は、治療終了から会計までの「支払い待ち時間」を算出する。具体的に、統合処理部21は、「退出位置時刻」から「会計時刻」までの時間を「支払い待ち時間」として算出する。例えば、患者番号”0102”の場合、統合処理部21は、「退出位置時刻」=9:22から「会計時刻」=9:26までの時間を「支払い待ち時間」=4分として算出する。
なお、統合処理部21は、「支払い待ち時間」をさらに細分化して分析することもできる。例えば、カルテを入力するまでの時間は、「退出位置時刻」から「カルテ入力時刻」までの時間で算出し、次回の予約を受け付けるまで時間は、「退出位置時刻」から「次回予約時刻」までの時間で算出することができる。なお、患者データとの関連の分析については、図8に示すように患者No.やチェアNo.と合わせて患者データと合わせて表示、記録、分析することで照合が容易となるが、図6や図7に示すように患者一人ひとりの患者データと照合する必要が無い場合には、チェアNo.のみの表示、記録と分析を行うことで、十分となる。
以上のように、本実施の形態1に係る医療用診療システムは、患者の診療に用いる診療装置10と、患者の情報を管理するレセプトコンピュータ20とが通信可能に接続されている。医療用診療システムは、診療装置10の履歴情報を収集する履歴収集部18と、患者の情報(例えば、来院受付けおよび会計の記録など)を含む記録情報を、患者ごとに生成するレセプト記録生成部25と、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録と、当該レセプト記録に関連する診療装置10の履歴情報と併せて、診療に関する情報を分析する統合処理部21とを備えている。そのため、本実施の形態1に係る医療用診療システムは、履歴情報以外にレセプト記録も合わせて総合的に診療に関する情報を分析することができる。特に、診療装置10の履歴情報だけでは、本実施の形態1に係る医療用診療システムのように、診療における各種の待ち時間を総合的に判断することができなかった。また、本実施の形態1に係る医療用診療システムでは、診療報酬の情報と関連させて診療装置の履歴情報を分析することも可能となる。
ここで、診療装置10の履歴情報には、診療装置10で行われた操作の操作履歴(例えば、チェアユニット位置制御の情報)および診療装置10で検出した検出履歴(例えば、コップ給水電磁弁制御の情報)を少なくとも含む。なお、本実施の形態1に係る医療用診療システムは、診療装置10に、診療装置10の履歴情報を収集する履歴収集部18と、履歴収集部18で収集した履歴情報を、レセプトコンピュータ20に出力するための出力ポート18aとを設け、レセプトコンピュータ20に、患者の情報を含むレセプト記録を、患者ごとに生成するレセプト記録生成部25と、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録と、当該レセプト記録に関連する診療装置10の履歴情報と併せて、診療に関する情報を分析する統合処理部21とを設けている。
レセプトコンピュータ20は、診療装置10の出力ポート18aから出力された履歴情報を記憶する診療装置データベース22と、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶するレセプト記録データベース23とを備えてもよい。これにより、レセプトコンピュータ20は、履歴情報およびレセプト記録を管理することができる。なお、診療装置データベース22およびレセプト記録データベース23は、レセプトコンピュータ20に設けられている場合に限定されず、医療用診療システム内のいずれの構成に設けても、医療用診療システム外の構成に設けてもよい。
履歴収集部18が収集する履歴情報およびレセプト記録生成部25が生成するレセプト記録情報には、時刻情報が含まれてもよい。これにより、医療用診療システムは、診療において時刻に関する情報を分析することができる。
レセプトコンピュータ20は、医院内に設置された複数台の診療装置と通信可能に接続されてもよい。これにより、医療用診療システムは、複数の診療装置の履歴情報も合わせて総合的に診療に関する情報を分析することができる。
医院内に設置されている複数の診療装置には、機能の異なる診療装置が含まれてもよい。例えば、医院内に設置されている複数の診療装置には、チェアユニットやレントゲン装置などが含まれてもよい。これにより、医療用診療システムは、機能の異なる診療装置(例えば、レントゲン装置)の履歴情報も合わせて総合的に診療に関する情報を分析することができる。
レセプトコンピュータ20は、表示装置204aをさらに備えて、当該表示装置204aに、統合処理部21で分析した診療に関する情報を表示してもよい。図10は、本発明の実施の形態1に係る医療用診療システムで分析した診療に関する情報の表示例を示す図である。図10(a)には、ある患者の1日の診療における各種の待ち時間を円グラフで表示している。当該円グラフでは、来院してから会計まで計1時間7分のうち、「受付エリアでの待ち時間」が10分、「チェアユニットでの待ち時間」が2分、「治療時間」が40分、「支払い待ち時間」が15分であったことが表示されている。そのため、ユーザは、当該円グラフを見ることで、「治療時間」に対してどの待ち時間が長かったのかを容易に把握することができる。
さらに、図10(b)には、ある患者の診療における各種の待ち時間の個別平均を円グラフで表示している。当該円グラフでは、比較が容易なように内側に全国平均、中側に医院平均、外側に個別平均を表示している。ユーザは、例えば、ある患者の「受付エリアでの待ち時間」の平均が10分、医院平均が8分、全国平均が11分であることが、当該円グラフから読取ることができる。そのため、ユーザは、当該円グラフを見ることで、ある患者の「受付エリアでの待ち時間」が全国平均以下ではあるが、医院平均まで改善する余地があることを容易に把握することができる。なお、医療用診療システムは、全国平均のデータについて、外部のデータベースから取得するものとする。
(実施の形態2)
本実施の形態1に係る医療用診療システムでは、レセプトコンピュータ20が、診療装置10の出力ポート18aから出力された履歴情報を記憶する診療装置データベース22と、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶するレセプト記録データベース23とを備えていた。しかし、本発明の実施の形態2に係る医療用診療システムでは、履歴情報を記憶する診療装置データベースがレセプトコンピュータではなく、診療装置に設けられている。図11は、本発明の実施の形態2に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本実施の形態2に係る医療用診療システムの構成は、診療装置データベース22の構成以外、基本的には実施の形態1に係る医療用診療システムの構成と同じであるため詳細な説明は省略し、異なる構成についてのみ説明する。また、実施の形態1に係る医療用診療システムの構成に用いた付与番号は、本実施の形態2に係る医療用診療システムの構成にも同様に適用する。
診療装置10aは、図11に示すように、履歴情報を収集する履歴収集部18と、履歴情報をレセプトコンピュータ20aに出力するための出力ポート18aと、履歴情報を記憶する診療装置データベース18bとを備えている。診療装置データベース18bは、履歴収集部18が収集した履歴情報を記憶し、記憶した履歴情報を出力ポート18aからレセプトコンピュータ20aに出力している。一方、レセプトコンピュータ20aには、統合処理部21、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。レセプト記録生成部25は、患者の来院予定の時間、受付けの時間、および診療報酬明細書などの会計の記録などのレセプト記録(記録情報)を患者毎に生成する。レセプト記録データベース23は、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶する。統合処理部21は、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース18bに記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。つまり、統合処理部21は、診療に関する情報を分析する分析部に相当する。
以上のように、本実施の形態2に係る医療用診療システムは、診療装置10aが履歴収集部18で収集した履歴情報を記憶する診療装置データベース18bと、レセプトコンピュータ20aが、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶するレセプト記録データベース23とを備えている。これにより、レセプトコンピュータ20aは、レセプト記録のみを管理するため処理が軽減されるとともに、診療装置10a自体で履歴情報を管理することが可能となる。
(変形例1)
図5および図11に示した医療用診療システムは一例であって、当該医療用診療システムの構成に限定されない。例えば、レセプトコンピュータ側に、診療装置の履歴情報を取集して記録する構成でもよい。図12は、本発明の実施の形態2の変形例1に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例1に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10bは、図12に示すように、各制御部(図3に示すシート駆動部11など)からの情報をレセプトコンピュータ20bに出力するための出力ポート18aを備えている。一方、レセプトコンピュータ20bには、統合処理部21、診療装置データベース22、履歴収集部22a、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。履歴収集部22aは、インターフェイス部206を介して診療装置10bから送られてくる各制御部からの情報を履歴情報として収集する。診療装置データベース22は、履歴収集部22aが収集した履歴情報を記憶する。レセプト記録生成部25は、レセプト記録(記録情報)を患者毎に生成する。レセプト記録データベース23は、レセプト記録生成部25で生成したレセプト記録を記憶する。統合処理部21は、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース22aに記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。
(変形例2)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、複数の診療装置のそれぞれで収集した履歴情報を統合してレセプトコンピュータに出力する構成でもよい。図13は、本発明の実施の形態2の変形例2に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例2に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
院内に、3台の診療装置10A〜診療装置10Cが設置され、それぞれの診療装置10A〜診療装置10Cの履歴収集部18は、各制御部からの情報を履歴情報として収集している。それぞれの診療装置10A〜診療装置10Cで収集した履歴情報は、それぞれレセプトコンピュータ20に送信されるのではなく、データベースコンピュータ40に一旦統合される。データベースコンピュータ40は、診療装置10A〜診療装置10Cで収集した履歴情報を統合して収集する履歴収集部48と、診療装置10A〜診療装置10Cの出力ポート18aに接続されるインターフェイス部48aとを備えている。
履歴収集部48で統合された履歴情報は、インターフェイス部48aを介してレセプトコンピュータ20に送信される。本変形例2に係る医療用診療システムは、データベースコンピュータ40を設けることで、診療装置10A〜診療装置10Cが個別にレセプトコンピュータ20にアクセスする機会を減らして、レセプトコンピュータ20の処理負担を軽減することができる。
(変形例3)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、診療装置で履歴情報を収集する代わりに、外部の装置で履歴情報を収集する構成でもよい。図14は、本発明の実施の形態2の変形例3に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例3に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10は、履歴収集部が設けられておらず、各制御部からの情報を出力する出力ポート18aが設けられている。診療装置10から出力された情報は、レセプトコンピュータ20に送信されるのではなく、データベースコンピュータ40に送信される。データベースコンピュータ40は、診療装置10からの情報を履歴情報として収集する履歴収集部48と、診療装置10の出力ポート18aに接続されるインターフェイス部48aとを備えている。
履歴収集部48で収集した履歴情報は、インターフェイス部48aを介してレセプトコンピュータ20に送信される。本変形例3に係る医療用診療システムは、データベースコンピュータ40を設けることで、履歴収集部を有していない診療装置10に対しても履歴情報を収集することが可能となる。なお、データベースコンピュータ40は、図13に示した履歴収集部18を有する診療装置10Aなどと、履歴収集部を有していない診療装置10とを両方接続して、履歴収集部48で履歴情報を統合して収集してもよい。
(変形例4)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、複数の診療装置がそれぞれ異なる種類の装置であって、それぞれで収集した履歴情報をレセプトコンピュータに出力する構成でもよい。図15は、本発明の実施の形態2の変形例4に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例4に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
院内に、チェアユニットの診療装置10以外に、X線撮影装置10D、レーザ装置10E、滅菌装置10F、CAD/CAM装置10G、および3次元口腔内スキャナ10Hが設置されている。そして、それぞれの診療装置(X線撮影装置10D〜3次元口腔内スキャナ10H)にも履歴収集部18が設けられており、それぞれの履歴収集部18が、各制御部からの情報を履歴情報として収集している。それぞれの診療装置10、X線撮影装置10D〜3次元口腔内スキャナ10Hで収集した履歴情報は、それぞれレセプトコンピュータ20に送信される。診療装置データベース22は、インターフェイス部206を介して受信した診療装置10、X線撮影装置10D〜3次元口腔内スキャナ10Hの履歴情報を記憶する。
本変形例4に係る医療用診療システムは、種類の異なる複数の診療装置をレセプトコンピュータ20に接続することで、種類の異なる複数の診療装置から履歴情報を収集して、診療に関する情報の分析を行うことができる。なお、本変形例4に係る医療用診療システムにおいて、図13および図14で説明したデータベースコンピュータ40の構成を組み合わせてもよい。
(変形例5)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、複数の診療装置のそれぞれで収集した履歴情報をレセプトコンピュータにそれぞれ出力する構成でもよい。図16は、本発明の実施の形態2の変形例5に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例5に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
院内に、3台の診療装置10A〜診療装置10Cが設置され、それぞれの診療装置10A〜診療装置10Cの履歴収集部18は、各制御部からの情報を履歴情報として収集している。それぞれの診療装置10A〜診療装置10Cで収集した履歴情報は、それぞれレセプトコンピュータ20に送信される。診療装置データベース22は、インターフェイス部206を介して受信した診療装置10A〜診療装置10Cの履歴情報を記憶する。
本変形例5に係る医療用診療システムは、複数の診療装置をレセプトコンピュータ20に接続することで、複数の診療装置から履歴情報を収集して、診療に関する情報の分析を行うことができる。なお、本変形例5に係る医療用診療システムにおいて、図13および図14で説明したデータベースコンピュータ40の構成を組み合わせてもよい。
(変形例6)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、レセプトコンピュータに診療に関する情報の分析する統合処理部を設けずに、外部の装置で診療に関する情報の分析を行う構成でもよい。図17は、本発明の実施の形態2の変形例6に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例6に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
レセプトコンピュータ20a1は、診療装置データベース22、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。レセプトコンピュータ20a1は、インターフェイス部206を介して、診療装置10の出力ポート18aに接続されるとともに、統合処理コンピュータ60に接続されている。統合処理コンピュータ60は、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース22に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析している。つまり、統合処理コンピュータ60は、図5や図11で示した統合処理部21での分析をレセプトコンピュータの外部で行うための装置である。なお、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶は、インターフェイス部206を介して統合処理コンピュータ60に出力される。また、診療装置データベース22に記憶した履歴情報は、出力ポート18aを介してレセプトコンピュータ20a1に一旦出力され、さらにインターフェイス部206を介して統合処理コンピュータ60に出力される。
本変形例6に係る医療用診療システムは、統合処理コンピュータ60を設けることで、統合処理部を有していないレセプトコンピュータであっても、診療に関する情報の分析を行うことが可能となる。また、本変形例6に係る医療用診療システムは、統合処理コンピュータ60を設けることで、レセプトコンピュータの処理負担を軽減できる。
(変形例7)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、レセプトコンピュータに診療に関する情報の分析する統合処理部を設けずに、診療装置で診療に関する情報の分析を行う構成でもよい。図18は、本発明の実施の形態2の変形例7に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例7に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
レセプトコンピュータ20a1は、診療装置データベース22、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。一方、診療装置10a1は、履歴情報を収集する履歴収集部18と、履歴情報を記憶する診療装置データベース18bと、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶を入力するための入力ポート18cと、統合処理部18dとを備えている。統合処理部18dは、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース22に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析している。つまり、統合処理部18dは、診療装置10a1に設けられた診療に関する情報の分析を行う分析部に相当する。なお、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶は、インターフェイス部206を介して診療装置10a1の入力ポート18cに入力される。
本変形例7に係る医療用診療システムは、診療装置10a1に統合処理部18dを設けることで、統合処理部を有していないレセプトコンピュータであっても、診療に関する情報の分析を行うことが可能となる。また、本変形例7に係る医療用診療システムは、診療装置10a1に統合処理部18dを設けることで、レセプトコンピュータの処理負担を軽減できる。
(変形例8)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、クラウド上に設けたサーバで、診療に関する情報の分析を行う構成でもよい。図19は、本発明の実施の形態2の変形例8に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例8に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10cは、図19に示すように、履歴情報を収集する履歴収集部18と、履歴情報をレセプトコンピュータ20cおよびクラウド200に出力するための出力ポート18aと、履歴情報を記憶する診療装置データベース18bとを備えている。一方、レセプトコンピュータ20cには、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。なお。インターフェイス部206は、診療装置10cの出力ポート18aおよびクラウド200に接続されている。クラウド200上に設けたサーバ201cは、統合処理部21cを備えている。統合処理部21cは、クラウド200に送られてきた、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース18bに記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。つまり、統合処理部21cは、クラウド200に設けられた診療に関する情報の分析を行う分析部に相当する。統合処理部21cは、クラウド200を介して診療装置10cまたはレセプトコンピュータ20cに分析した結果を提供することができる。
(変形例9)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、クラウド上に設けたサーバに、履歴情報を取集し、記憶する構成を設けてもよい。図20は、本発明の実施の形態2の変形例9に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例9に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10dは、図20に示すように、各制御部(図3に示すシート駆動部11など)からの情報をレセプトコンピュータ20dおよびクラウド200に出力するための出力ポート18aを備えている。一方、レセプトコンピュータ20dには、統合処理部21、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。なお。インターフェイス部206は、診療装置10dの出力ポート18aおよびクラウド200に接続されている。クラウド200上に設けたサーバ201dは、履歴情報を収集する履歴収集部18d1と、履歴情報を記憶する診療装置データベース18d2とを備えている。履歴収集部18d1は、クラウド200を介して診療装置10dから送られてくる各制御部からの情報から履歴情報を収集する。診療装置データベース18d2は、履歴収集部18d1が収集した履歴情報を記憶する。統合処理部21は、クラウド200から診療装置データベース18d2に記憶した履歴情報を読み出し、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、診療装置データベース18d2に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。
(変形例10)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、クラウド上に設けたサーバに、履歴情報を取集し、記憶する構成を設け、診療に関する情報の分析を行う構成でもよい。図21は、本発明の実施の形態2の変形例10に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例10に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10eは、図21に示すように、各制御部(図3に示すシート駆動部11など)からの情報をレセプトコンピュータ20eおよびクラウド200に出力するための出力ポート18aを備えている。一方、レセプトコンピュータ20eには、レセプト記録データベース23、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。なお。インターフェイス部206は、診療装置10eの出力ポート18aおよびクラウド200に接続されている。クラウド200上に設けたサーバ201eは、履歴情報を収集する履歴収集部18eと、履歴情報を記憶する診療装置データベース18e2と、統合処理部21eとを備えている。
履歴収集部18eは、クラウド200を介して診療装置10eから送られてくる各制御部からの情報から履歴情報を収集する。診療装置データベース18e2は、履歴収集部18eが収集した履歴情報を記憶する。統合処理部21eは、クラウド200に送られてきた、レセプト記録データベース23に記憶したレセプト記憶と、サーバ201e内の診療装置データベース18e2に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。つまり、統合処理部21eは、クラウド200に設けられた診療に関する情報の分析を行う分析部に相当する。統合処理部21eは、クラウド200を介して診療装置10eまたはレセプトコンピュータ20eに分析した結果を提供することができる。
(変形例11)
次に、本実施の形態に係る医療用診療システムは、クラウド上に設けたサーバに、履歴情報を取集し、記憶する構成を設け、診療に関する情報の分析を行う構成でもよい。図22は、本発明の実施の形態2の変形例11に係る医療用診療システムを説明するためのブロック図である。なお、本変形例11に係る医療用診療システムの構成おいて、実施の形態1,2に係る医療用診療システムの構成と同じ構成については同じ付与番号を付して詳細な説明は省略する。
診療装置10fは、図22に示すように、各制御部(図3に示すシート駆動部11など)からの情報をレセプトコンピュータ20fおよびクラウド200に出力するための出力ポート18aを備えている。一方、レセプトコンピュータ20fには、レセプト記録生成部25、インターフェイス部206を備えている。なお。インターフェイス部206は、診療装置10fの出力ポート18aおよびクラウド200に接続されている。クラウド200上に設けたサーバ201fは、履歴情報を収集する履歴収集部18fと、履歴情報を記憶する診療装置データベース18f2と、統合処理部21fと、レセプト記録データベース23fとを備えている。レセプト記録生成部25は、生成したレセプト記録を、インターフェイス部206を介してクラウド200に送る。レセプト記録データベース23fは、クラウド200を介して送られてくるレセプト記録を記憶する。
履歴収集部18fは、クラウド200を介して診療装置10fから送られてくる各制御部からの情報から履歴情報を収集する。診療装置データベース18f2は、履歴収集部18fが収集した履歴情報を記憶する。統合処理部21fは、サーバ201f内のレセプト記録データベース23fに記憶したレセプト記憶と、サーバ201f内の診療装置データベース18f2に記憶した履歴情報とを統合して診療に関する情報を分析する。つまり、統合処理部21fは、クラウド200に設けられた診療に関する情報の分析を行う分析部に相当する。統合処理部21fは、クラウド200を介して診療装置10fまたはレセプトコンピュータ20fに分析した結果を提供することができる。
なお、前述の変形例では、診療装置およびレセプトコンピュータのそれぞれが、クラウド200上に設けたサーバに接続可能であったが、これに限定されない。例えば、図12に示す医療用診療システムのように、レセプトコンピュータ20bに診療装置データベース22およびレセプト記録データベース23が設けられている場合、クラウド200上に設けたサーバで診療に関する情報の分析を行うのであれば、レセプトコンピュータ20bのみクラウド200上に設けたサーバに接続されていればよい。また、前述の変形例では、診療装置の出力ポート18aからレセプトコンピュータおよびクラウド200に各制御部からの情報を出力すると説明したが、これに限定されず、クラウド200のみに各制御部からの情報を出力してもよい。
前述の変形例で説明したように、医療用診療システムは、診療装置およびレセプトコンピュータのうち少なくとも一方が通信可能に接続される外部サーバであるクラウド200上に設けたサーバをさらに備えてもよい。外部サーバであるクラウド200上に設けたサーバは、履歴収集部および統合処理部のうちの少なくとも一方を設けてもよい(図19〜図22参照)。なお、外部サーバは、クラウド200上に設けたサーバでなくとも、複数の医療用診療システムが接続されたサーバであってもよい。
(その他の変形例)
(1)前述の実施の形態に係る医療用診療システムでは、医院に設置され、当該医院に来院した患者を対象に診療に関する情報を分析した結果が得られるだけであった。しかし、医療用診療システムが複数の医院に設置されている場合、それぞれの医院に設置された医療用診療システムにおいて分析された診療に関する情報を共用できるように構成してもよい。例えば、複数の医院に設置され医療用診療システムを、メーカが運営するクラウド上のサーバにそれぞれ接続して、診療に関する情報を共用できるようにしてもよい。具体的に、図23は、複数の医療用診療システムを接続したシステムを説明するための概略図である。図23に示すシステムでは、A歯科医院に設置された医療用診療システムのレセプトコンピュータ20Aとクラウド200上に設けたサーバ201とを、ネットワーク回線を介して接続する。当該システムでは、同じように、他にX歯科医院に設置された医療用診療システムのレセプトコンピュータ20Xとクラウド200上に設けたサーバ201とを、ネットワーク回線を介して接続する。つまり、当該システムでは、A歯科医院からX歯科医院まで設置された複数の医療用診療システムの診療に関する情報を、クラウド200上に設けたサーバ201を介して共有することができる。
クラウド200上に設けたサーバ201では、複数の医院から集まった診療に関する情報を集計して全体の平均値を算出したり、特定地域の医院から集まった診療に関する情報を集計し特定地域の平均値を算出したりすることができる。また、クラウド200上に設けたサーバ201では、算出した平均値を各医院の医療用診療システムに提供したり、他の医院で分析した情報と比較した情報を医療用診療システムに提供したり、比較した情報に基づいて改善提案の情報を医療用診療システムに提供したりすることができる。
なお、レセプトコンピュータ20は、インターフェイス部206を介して、統合処理部21が分析した診療に関する情報を外部サーバであるクラウド200上に設けたサーバ201に出力する。当該外部通信部は、外部サーバであるクラウド200上に設けたサーバ201から他のレセプトコンピュータの分析した情報と比較した情報などの情報を受信することが可能である。
(2)前述の実施の形態に係る医療用診療システムでは、レセプトコンピュータ20が、来院受付けをした患者に用いる診療装置10を選択し、選択した情報である「チェアNo.」の情報をレセプト記録に入力する選択部(図示せず)を備えている。なお、当該選択部は、表示装置204aに表示させたレイアウトをマウスで選択して「チェアNo.」の情報をレセプト記録に入力してもよい。当該選択部を備えることで、レセプト記録生成部25が生成するレセプト記録には、必ず「チェアNo.」の情報が含まれ(図8参照)、統合処理部21は、この「チェアNo.」の情報に基づき、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録と、診療装置10の履歴情報とを関連付けて分析を行うことができる。
しかし、レセプト記録生成部25で生成するレセプト記録に「チェアNo.」の情報が含まれていなくても、統合処理部21は、時刻情報に基づき、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録と、診療装置10の履歴情報とを関連付けて分析を行ってもよい。具体的に、統合処理部21は、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録に含まれる「診療案内時刻」に対して「コップ給水時刻」が最も近い履歴情報が関連した情報である判断する。例えば、統合処理部21は、患者番号”0102”の場合、図8に示すレセプト記録に「チェアNo.」の情報が含まれていなくても、「診療案内時刻」=9:00に対して「コップ給水時刻」が9:00と最も近い「チェアNo.」=1の履歴情報が関連した情報であると判断する。これにより、レセプト記録に「チェアNo.」の情報を含まなくてもよくなり、情報量を低減することができる。なお、レセプト記録生成部25で生成するレセプト記録に「チェアNo.」の情報が含まれていても、時刻情報に基づき、レセプト記録生成部25で生成されたレセプト記録と、診療装置10の履歴情報とを関連付けて分析を行ってもよい。
(3)前述の実施の形態に係る医療用診療システムでは、統合処理部21が分析した診療に関する情報に、少なくとも患者の待ち時間の情報を含んでいる。しかし、分析した診療に関する情報は、患者の待ち時間の情報以外であってもよい。具体的に、分析した診療に関する情報は、来院患者の症例とチェアユニットである診療装置10の使い分けを分析した情報であってもよい。例えば、来院患者の症例に応じて、機能の異なる複数の診療装置10を使い分けて使用する場合、統合処理部21は、どのような症例(インプラント治療、根管治療、歯周治療、スケーリング、保存治療、補綴治療、レーザ治療等の症例)に応じて、どの診療装置10を使用したか、どの程度の時間がかかったか、どのインスツルメントを使用することが多かったかを、分析した診療に関する情報とする。また、分析した診療に関する情報には、その治療によって、どの程度の収益に繋がったのかが経営分析の情報を含めてもよい。
さらに、分析した診療に関する情報は、来院患者の性別、年齢層とチェアユニットである診療装置10の使い分けを分析した情報であってもよい。例えば、統合処理部21は、来院患者の性別毎、年齢層毎に、診療装置10の種別やインスツルメント毎の使用時間を分析した診療に関する情報とする。
また、レセプトコンピュータ20は、医院経営のアドバイス情報を出力してもよい。例えば、レセプトコンピュータ20は、分析した診療に関する情報と全国平均のデータとの比較結果、医院経営の確立のために拡大すべき治療時間の項目や、異なる機能の複数の診療装置10に対しての効率的に患者を振り分ける方法等のアドバイス情報を出力する。
なお、レセプトコンピュータ20は、診療装置10の使用時間や各種のインスツルメントの使用時間を分析することができるので、これらの使用時間から故障予測や、消耗部品の交換時期の報知も可能である。
(4)前述の実施の形態に係る医療用診療システムでは、1つの例示的形態として、歯科診療に用いることが可能な医療用診療装置を備える医療用診療システムについて説明した。しかし、当該医療用診療システムは、歯科に限らず、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、および獣医科など、あらゆる医科の診療にも適用することが可能である。また、診療には、診断および治療が含まれる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。