JP2019045661A - 光学素子保持装置、及び光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鏡筒に光学素子を保持させる保持装置において、鏡筒サイズの拡大を抑えながら、温度変化による光学素子と鏡筒との間の熱膨張の差によって生じる光学素子のズレや変形などを抑制することができる保持装置、光学装置を提供する。【解決手段】外周を有する光学素子3を鏡筒2に保持する保持装置は、光学素子3を支持する支持部材5と、支持部材5に、光学素子3の外周に接する状態を維持させるための矯正部材4を有する。支持部材5は、光学素子3の外周に接する接触点53と、鏡筒2に接続する接続点52と、矯正部材4に接続する接続点54を有する。光学素子3と鏡筒2と矯正部材4の材料は異なる熱膨張係数を示して大小関係を有し、中間の熱膨張係数は、矯正部材4もしくは光学素子3が有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、光学素子を保持する保持装置、当該保持装置を含む望遠鏡などの光学装置に関する。
温度が変化する環境下にて使用される光学装置では、光学素子とそれを支持する鏡筒との間の熱膨張の差によって光学素子のズレ、変形などが生じるため、光学性能の劣化や部品の破損が課題となっている。特許文献1に記載の技術では、その対策として、鏡筒の外側に追加した熱膨張率の異なる追加部材により光学素子を保持することで光学素子と鏡筒との熱膨張量を相殺して、その差による不都合を抑制している。
特許第5317624号
しかし、上記特許文献1の技術では、光学素子と鏡筒との間の熱膨張量差に相当する熱膨張量を得るために、追加部材に一定の長さを持たせることを必要とする。このため、鏡筒の外形寸法に制約がある光学装置では、採用することが容易ではない。
上記課題に鑑み、本発明の、外周を有する光学素子を鏡筒に保持する保持装置は、前記光学素子を支持する支持部材と、前記支持部材に、前記光学素子の外周に接する状態を維持させるための矯正部材と、を有する。前記支持部材と前記矯正部材は前記鏡筒に対して前記鏡筒の軸方向にずれて配置され、前記支持部材は、前記光学素子の外周に接する光学素子接触点と、前記鏡筒に接続する鏡筒接続点と、前記矯正部材に接続する矯正部材接続点と、を有する。前記光学素子と前記鏡筒と前記矯正部材の材料の熱膨張係数は大小関係を有し、前記支持部材において、最大の熱膨張係数と最小の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点は、最大の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点と最小の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点との間に位置する。
本発明の一側面によれば、鏡筒に光学素子を保持させる保持装置において、鏡筒サイズの拡大を抑えながら、温度変化による光学素子と鏡筒との間の熱膨張の差によって生じる光学素子のズレや変形などを抑制することができる。
実施形態1の一構造の説明図。 温度が変化した場合の効果の説明図。 実施形態1の他の構造の説明図。 実施形態2の一構造の説明図。 実施形態2の他の構造の説明図。 保持装置を搭載した光学装置の例の説明図。
本発明の一側面による保持装置では、鏡筒に対して光学素子を支持する支持部材と、支持部材に、光学素子の外周に適切に接する状態を維持させるための矯正部材と、を有し、これら支持部材と矯正部材は鏡筒に対してその軸の方向にずれて配置される。これにより、鏡筒の軸方向と直交する径方向の外形寸法の増大を抑制することができる。光学素子と鏡筒と矯正部材との材料の熱膨張係数は大小関係を有する。支持部材は、光学素子の外周に接する光学素子接触点と、鏡筒に接続する鏡筒接続点と、矯正部材に接続する矯正部材接続点と、を有する。そして、支持部材において、最大の熱膨張係数と最小の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する部材の接続点ないし接触点は、最大の熱膨張係数を有する部材の接続点ないし接触点と最小の熱膨張係数を有する部材の接続点ないし接触点との間に位置する。こうして、光学素子と鏡筒との熱膨張係数の差を、矯正部材を用いて補償する。つまり、前記差があっても、支持部材に光学素子の外周に適切に接する状態を維持させる。典型的には、支持部材と矯正部材は、軸方向に重なって配置され、軸方向の過度なサイズ拡大を防止することができる。また、典型的には、複数の支持部材が用いられる。鏡筒が回転対称な形状であれば、鏡筒の軸は回転対称形状の中心軸となる。光学素子が回転対称な形状であれば、その中心軸が光軸となる。前記接続点ないし接触点の鏡筒の軸方向ないし該軸方向の周りの周方向の配置関係は、支持部材による光学素子の確実且つ適切な保持を確保するという観点から、光学素子と鏡筒と矯正部材との熱膨張係数の値に基づいて設計される。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付する。
(実施例1)
本実施例では、光学素子を鏡筒に保持する保持装置の例を示す。本実施例では光学素子としてレンズを用いた例を示すが、保持対象は、ミラー、平行平板ガラス、プリズム、フレネルゾーンプレート、キノフォーム、バイナリオプティックス、ホログラムなどのいずれの光学素子であってもよい。
図1は、実施例1における保持装置1の概念ないし一構造を説明するための光軸6に平行な面における断面図である。円筒形の鏡筒2は、支持部材である、光軸の上側と下側の2つのレバー部5により、半径Rのレンズ3をその中心が光軸6上に位置するよう保持している。上下それぞれのレバー部5の中ほど(光軸方向における中ほど)にて、リング状の矯正部材4が接続されている。レバー部5は、レンズ3の側面ないし外周に適合する形状の先端部を有し、例えば、円弧状の内面を持つ形状、ロッド状などの部材である。本実施例では、レバー部5は、鏡筒接続点52において、光軸6と交差する面内の鏡筒2の端面に、光軸6に垂直な径の方向に搖動可能ないし屈曲可能に設けられている。矯正部材4は円筒状の形状を有し、その内面に接続点54が形成されている。レバー部5は接続点52にて鏡筒2と接続され、矯正部材4は接続点54にてレバー部5に接続されている。接続点52、54では、部材間は物理的ないし材料的に連結されている。レバー部5がレンズ3を保持ないし支持している箇所(本実施例では前記先端部)をレンズ接触点(光学素子接触点)53とする。レンズ接触点53では、レバー部5とレンズ3の外周とは相対移動可能である。本実施例では、鏡筒2とレンズ3と矯正部材4は光軸に関して回転対称な形状を有しているが、これらは、光軸ないし軸に関して回転対称な形状に限定されるものではない。
レバー部5は2つである必要はなく、円筒型の鏡筒2に対してレンズ3の外周に沿って均等に3か所あれば、より安定的にレンズ3を保持することができる。レバー部5を多数配置することで、更に安定的にレンズ3を保持することが可能である。鏡筒2とレンズ3が、軸ないし光軸の周りに回転対称な形状である場合には、複数のレバー部5は軸の周りに等角度間隔で配置されるのが好ましい。ただし、十分に安定的にレンズ3を保持することが可能であるならば、複数のレバー部5を不等角度間隔で配置することもできる。
鏡筒接続点52と矯正部材接続点54のそれぞれは、弾性ヒンジであることが望ましい。弾性ヒンジは、部材の厚みが他の部位よりも薄い部位があることによって容易に弾性変形し、ヒンジのように機能するもので「フレクシャ」とも呼ばれる。弾性ヒンジは摺動部がないため、ガタや摩擦によるヒステリシスがなく、可動部品の高精度化に有効である。図1では、概念的なヒンジを丸い形として示す。本実施例では、鏡筒接続点52とレバー部5は鏡筒2と一体的に同材料で形成され、矯正部材接続点54は矯正部材4と一体的に同材料で形成されている。
本実施例では、それぞれの部品の熱膨張係数は以下の関係とする。
レンズ3<矯正部材4<鏡筒2
レンズ3よりも鏡筒2の方が膨張しやすいもので形成され、矯正部材4はそれらの間の熱膨張係数を有する。
各接続位置とレンズ3の光軸方向における位置関係は次の通りである。鏡筒接続点52から距離aの位置に矯正部材接続点54が配置され、鏡筒接続点52から距離bの位置にレンズ接触点53が配置される。
本実施例では、設計の一例としてレンズ半径R=50mm、距離b=30mmとする。各部の材料と、熱膨張係数と、温度がΔT=10℃上昇したときの熱膨張量[mm]と、を表1に示す。各部の熱膨張量はそれぞれの接続点の熱膨張を示し、鏡筒2は鏡筒接続点52の熱膨張量とし、矯正部材4は矯正部材接続点54の熱膨張量とする。接触点の半径方向の位置はレンズ3と同じR=50mmとした。レバー部5は鏡筒2と同じ材料とする。
(表1)
各部材料と熱膨張係数、熱膨張量
Figure 2019045661
ここから温度変化が生じた際の各部の挙動を、図2を参照し説明する。図2は、温度がΔT=10℃上昇したときの各部の膨張と変形の概念図である。レバー部5は、鏡筒2の膨張と矯正部材4の膨張を受けて斜めに傾きながら変位する。それぞれの接続点52、54の弾性ヒンジは十分に柔らかく屈曲できるとする。鏡筒2における鏡筒接続点52の半径方向の膨張量は0.01190[mm]、矯正部材4における矯正部材接続点54の半径方向の膨張量は0.00865[mm]である。このとき、距離aを11.4706[mm]とすると、レバー部5の先端のレンズ接触点53の半径方向の変位は以下の通りとなる。
0.01190+{(0.00865-0.01190)/11.4706}*30.0000=0.00340[mm]
上記の距離aの場合、レバー部5におけるレンズ接触点53の変位は、レンズ3の外径の熱膨張と一致する。つまり、温度変化によっても、レンズ3の熱膨張量(半径方向)とレバー部5の先端の熱膨張量(半径方向)が一致するため、レンズ3がズレることなく、レンズ3の中心を光軸6上に維持することができる。この関係は温度が低下したときでも同様である。
これに対して、レバー部や矯正部材を備えない従来の鏡筒の場合、鏡筒が0.01190[mm]膨張するのに対し、レンズが0.00340[mm]しか膨張しないので、0.00750[mm]の隙間が生じるため、レンズがズレる可能性がある。
上記の熱膨張の関係においては、それぞれの接続点52、54の半径が同じR=50mmであることを前提としている。しかしながら、実際の設計においてはそれぞれの接続点の半径を同一にできない場合がある。例えば、レバー部5の厚みによって鏡筒接続点52と矯正部材接続点54の半径が50mmよりも大きくなる場合がある。この場合は、上記膨張量の関係においてレバー部5の厚み分の熱膨張量も考慮して設計する必要がある。
レンズ接触点53においては、レンズ3とレバー部5との間の隙間は、レンズ3のズレなどの観点から、無いか少ないほど好ましい。一方で、レンズ3の外径の加工公差やレバー部5の加工公差などから、設計上ある程度の隙間を設ける必要がある。隙間は加工精度とレンズのズレ許容量から設計されるが、本実施例であれば、温度変化が生じても設定された隙間を維持することが可能である。
図2の構成は、概念説明のための基本的な構成のため、レバー部5を光軸に平行に配置していて光軸方向の寸法が比較的長い。光軸方向に長いと実際の光学設計・機械設計における設計自由度が低くなってしまいがちである。そこで図3に示すように、レバー部5をレンズ5の外周の円周方向に沿って配置することで、光軸方向の寸法を短く抑えることができる。図3の保持装置1の構成も、図2と同様に、レンズ3、矯正部材4、レバー部5、鏡筒接続点52、レンズ接触点53、矯正部材接続点54、図3では不図示の鏡筒2を含む。鏡筒2はレバー部5の裏側に配置され、レバー部5と鏡筒2とは鏡筒接続点52にて接続される。より具体的には、例えば、鏡筒2の端面から光軸方向に突出した短い突起部の側面に、弾性ヒンジである接続点52を介して円弧状のレバー部5が設けられる。リング状の矯正部材4は、弾性ヒンジである接続点54を介して各レバー部5に接続される。レバー部5と矯正部材4とは、光軸方向において、ほぼ同位置にほぼ同幅で設けられる。
この場合、図3の距離a’と距離b’は、図2における距離aと距離bとの比率と同じ比率で設定すれば良い。図2の概念図では、光軸方向のレバー部5の膨張は無視でき考慮する必要がなかったが、図3の構成では、レバー部5の円周方向の膨張が鏡筒接続点52の半径方向の膨張量に影響する。よって、図3の構成の設計においては、レバー部5の円周方向の膨張を考慮して距離a’と距離b’の比を設定する必要がある。また、矯正部材4の矯正部材接続点54の半径も鏡筒接続点52の半径とは異なるため、それぞれ部材の接続位置の半径も考慮する必要がある。
図3のレバー部5は円周方向に3か所配置されているが、例えば4か所、9か所といったように多数配置することで、鏡筒2によって、より安定的にレンズ3を保持することができる。しかしながら、レバー部5の個数を増やすと、レバー部5の円周方向の長さである距離b’と、それに対応した鏡筒接続点52と矯正部材接続点54との間の円周方向の長さである距離a’も短くなる。距離が短くなるとそれぞれの距離の設定敏感度が高くなる。したがって、必要とされるレンズ3の保持安定性と距離の設定敏感度からレバー部5の配置点数を最適化することが望ましい。
また、図1の構成では、本実施例の熱膨張係数の大小関係[レンズ3<矯正部材4<鏡筒2]の符号が逆転しても成り立つ。つまり[レンズ3>矯正部材4>鏡筒2]の場合である。この場合の表2に、材料と、各部の熱膨張係数と、温度がΔT=10℃上昇したときの熱膨張量と、を示す。レバー部5は鏡筒2と同じ材料とする。
(表2)
各部材料と熱膨張係数、熱膨張量
Figure 2019045661
この場合、鏡筒接続点52から、矯正部材4が接続される矯正部材接続点54までの距離aを10.2395[mm]とすると、レバー部5の先端のレンズ接触点53の半径方向の変位は以下の通りとなる。
0.00495+{(0.01350-0.00495)/10.2395}*30.0000=0.03000[mm]
レバー部5におけるレンズ接触点53の変位は、レンズ3の外径の熱膨張量と一致する。つまり、温度変化によっても、半径方向においてレンズ3の熱膨張量とレバー部5の熱膨張量が一致するため、レンズ3がズレることなく、レンズ3の中心を光軸6上に維持することができる。これにより、温度が変化する環境下で運用される光学装置において、温度変化によって光学素子と鏡筒との間の熱膨張の差によって光学素子のズレや変形などが生じることによる光学性能の劣化や部品の破損を防止できる。こうして、光学素子と鏡筒とは異なる熱膨張係数の矯正部材と、レバー部(支持部材)とによって、温度変化が生じても光学素子を鏡筒に対して適切な位置に維持することができる。
(実施例2)
図4及び図5を参照して実施例2を説明する。実施例2では、実施例1と異なり、各部材の熱膨張係数は以下の関係とする。
矯正部材4<レンズ3<鏡筒2
レンズ3よりも鏡筒2の方が膨張しやすいが、実施例1と異なり矯正部材4の熱膨張がレンズ3及び鏡筒2よりも小さい構成である。
実施例2は実施例1と、構成する部品は同様であるが、各接続点の位置が異なる。各接続位置とレンズ3との光軸方向の位置関係は、鏡筒接続点52から距離aの位置に矯正部材接続点54が配置され、鏡筒接続点52から距離bの位置にレンズ接触点53が配置される。距離a>距離bである。
本実施例では、設計の一例としてレンズ半径R=50mm、鏡筒接続点52からレンズ接触点53までの距離b=10mmとする。各部の材料と、熱膨張係数と、温度が10[℃]上昇したときの熱膨張量[mm]と、を表3に示す。各接続点の熱膨張量は、鏡筒接続点52の熱膨張量と矯正部材接続点54の熱膨張量とする。レンズ接触点53の半径方向の位置を実施例1と同じR=50mmとした。レバー部5は鏡筒2と同じ材料とする。
(表3)
各部材料と熱膨張係数、熱膨張量
Figure 2019045661
ここから温度変化が生じた際の各部の挙動を説明する。鏡筒2における鏡筒接続点52の半径方向の膨張量は0.04000[mm]、矯正部材4における矯正部材接続点54の半径方向の膨張量は0.00495[mm]である。このとき、光軸方向の、鏡筒接続点52から矯正部材接続点54までの距離aを35.0500[mm]とすると、レバー部5のレンズ接触点53の半径方向の変位は以下の通りとなる。
0.04000+{(0.00495-0.04000)/35.0500}*10.0000=0.03000[mm]
上記の距離aの場合、レバー部5におけるレンズ接触点53の変位は、レンズ3の外径の熱膨張と一致する。つまり、温度変化によっても、半径方向において、レンズ3の熱膨張量とレバー部5の熱膨張量とが一致するため、レンズ3がズレることなく、レンズの中心を光軸6上に維持することができる。
実施例1の図3と同様に、図4の構成は光軸方向の寸法が長いため実際の光学設計・機械設計における設計自由度は低い。図5に示す構成とすることで光軸方向の寸法を短く抑えることができる。図4と同様に、構成は、鏡筒2、レンズ3、矯正部材4、レバー部5、鏡筒接続点52、レンズ接触点53、矯正部材接続点54を含む。
図5の距離a’と距離b’は、図4における距離aと距離bとの比率と同じ比率で設定すれば良い。図3と同様に、図5の構成ではレバー部5の円周方向の膨張が鏡筒接続点52の半径方向の膨張量に影響する。よって、設計においてはレバー部5の円周方向の膨張を考慮して距離a’と距離b’の比を設定する必要がある。
また、実施例1と同様に、本実施例の熱膨張係数の大小関係[矯正部材4<レンズ3<鏡筒2]の符号を逆転しても本構成は成り立つ。つまり[矯正部材4>レンズ3>鏡筒2]の場合である。表4に、材料と、各部の熱膨張係数と、温度がΔT=10℃上昇したときの熱膨張量と、を示す。レバー部5は鏡筒2と同じ材料とする。
(表4)
各部材料と熱膨張係数、熱膨張量
Figure 2019045661
この場合、鏡筒接続点52から矯正部材接続点54までの距離a’を13.9920[mm]とすると、レバー部5のレンズ接触点53の半径方向の変位は以下の通りとなる。
0.00495+{(0.04000-0.00495)/13.99200}*10.0000=0.03000[mm]
レバー部5におけるレンズ接触点53の変位は、レンズ3の外径の熱膨張量と一致する。つまり、温度変化によっても、レンズ3の熱膨張量とレバー部5の熱膨張量とが一致するため、レンズ3がズレることなく、レンズの中心を光軸6上に維持することができる。
更に、熱膨張係数の大小関係として鏡筒2が中間の熱膨張係数をもつ場合、つまり[矯正部材4<鏡筒2<レンズ3]の場合と[矯正部材4>鏡筒2>レンズ3]の場合とに本発明を適用することもできる。この場合、図3と図5のレバー部5において、鏡筒接続点52をレンズ接触点53と矯正部材接続点54の間に配置し、上記の如き計算に基づいて距離a’と距離b’を適宜に設定する。これらの構成例では、鏡筒接続点52は、その周りでレバー部5が、鏡筒2の端面で規定される平面内で搖動できるように構成される。例えば、鏡筒2の端面から光軸方向に伸びた適宜断面の短軸により鏡筒接続点52を構成することができる。
(実施例3)
上記実施例の保持装置を含む光学装置100に係る実施例3を説明する。本実施例では、光軸6の方向に配置された2つのレンズが上記実施例の保持装置1により鏡筒に対して保持されている。一方のレンズ101は比較的熱の影響を受けやすい径の大きいレンズであり、他方のレンズ102は比較的熱の影響を受けやすい薄いレンズである。こうした構成では、温度変化に対してレンズの偏芯を発生させず、高画質(高い光学的性能)を維持できる効果がある。保持装置1により保持される光学素子の形状は、光軸6に関して回転対称の形状に限定されるものではない
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は、これらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 保持装置
2 鏡筒
3 レンズ(光学素子)
4 矯正部材
5 レバー部(支持部材)
6 光軸(軸)
52 鏡筒接続点
53 レンズ接触点(光学素子接触点)
54 矯正部材接続点

Claims (16)

  1. 外周を有する光学素子を鏡筒に保持する保持装置であって、
    前記光学素子を支持する支持部材と、前記支持部材に、前記光学素子の外周に接する状態を維持させるための矯正部材と、を有し、
    前記支持部材と前記矯正部材は前記鏡筒に対して前記鏡筒の軸方向にずれて配置され、
    前記支持部材は、前記光学素子の外周に接する光学素子接触点と、前記鏡筒に接続する鏡筒接続点と、前記矯正部材に接続する矯正部材接続点と、を有し、
    前記鏡筒と前記矯正部材と前記光学素子の材料の熱膨張係数は大小関係を有し、
    前記支持部材において、最大の熱膨張係数と最小の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点は、最大の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点と最小の熱膨張係数を有する部材の前記接続点ないし接触点との間に位置することを特徴とする保持装置。
  2. 複数の前記支持部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
  3. それぞれ部材の材料の熱膨張係数は、
    光学素子<矯正部材<鏡筒、もしくは、光学素子>矯正部材>鏡筒
    の大小関係を有し、
    前記支持部材のそれぞれにおいて、前記矯正部材接続点は前記光学素子接触点と前記鏡筒接続点との間に位置することを特徴とする請求項2に記載の保持装置。
  4. それぞれ部材の材料の熱膨張係数は、
    矯正部材<光学素子<鏡筒、もしくは、矯正部材>光学素子>鏡筒
    の大小関係を有し、
    前記支持部材のそれぞれにおいて、前記光学素子接触点は前記矯正部材接続点と前記鏡筒接続点との間に位置することを特徴とする請求項2に記載の保持装置。
  5. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向と交差する面に平行な前記鏡筒の端面に、前記鏡筒の軸方向と直交する径方向に搖動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の保持装置。
  6. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向と平行に伸びていることを特徴とする請求項5に記載の保持装置。
  7. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向と交差する面に平行な前記鏡筒の端面と平行に伸びていることを特徴とする請求項5に記載の保持装置。
  8. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向と交差する面に平行な前記鏡筒の端面から前記鏡筒の軸方向と平行な方向に突出した突起部の側面に、前記鏡筒の軸方向と直交する径方向に搖動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の保持装置。
  9. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向に前記矯正部材と重なって設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の保持装置。
  10. 前記支持部材は、前記矯正部材と前記鏡筒の軸方向に同幅であることを特徴とする請求項9に記載の保持装置。
  11. 前記支持部材の光学素子接触点は、前記光学素子の外周と相対移動可能に接触していることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の保持装置。
  12. 前記支持部材は前記鏡筒と一体であり、前記支持部材の鏡筒接続点は、前記支持部材における他の部位よりも厚みが薄い弾性ヒンジであることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の保持装置。
  13. 前記支持部材は、前記鏡筒の軸方向の周りに等角度間隔で配置されていることを特徴とする請求項2に記載の保持装置。
  14. 前記光学素子は、前記鏡筒の軸方向の周りに回転対称な形状を有することを特徴とする請求項1から13の何れか一項に記載の保持装置。
  15. 前記接続点ないし接触点の前記鏡筒の軸方向ないし前記鏡筒の軸方向と直交する周方向の配置関係が、前記光学素子と前記鏡筒と前記矯正部材のそれぞれの材料の熱膨張係数の値に基づいて設計されていることを特徴とする請求項1から14の何れか一項に記載の保持装置。
  16. 請求項1から15の何れか一項に記載の保持装置と、前記保持装置により保持された光学素子と、を有することを特徴とする光学装置。
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