JP2019044614A - バルブタイミング調整装置、および、回転調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置、および、回転調整装置 Download PDF

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Abstract

【課題】作動精度の高い小型のバルブタイミング調整装置を提供する。【解決手段】ハウジング20は、筒状に形成され、クランク軸2とともに回転可能である。カムプレート30は、カム軸3に接続され、ハウジング20に対し相対回転可能である。入力部材60は、筒状に形成され、外部から回転が入力される。偏心部材40およびオルダム継手50は、入力部材60に入力された回転をカムプレート30に伝達し、ハウジング20とカムプレート30とを相対回転させることが可能である。ベアリング11は、入力部材60の径方向外側に設けられ、ハウジング20およびカムプレート30からのラジアル方向の荷重を軸受け可能である。軸受部64の軸受部本体640は、入力部材60の外周壁から径方向外側へ延びるよう入力部材60と一体に形成され、ハウジング20からのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、バルブタイミング調整装置、および、回転調整装置に関する。
従来、内燃機関の駆動軸とともに回転するハウジングと、従動軸に接続されるカムプレートと、を相対回転させる部材として外径の異なる2つのギアを用いたバルブタイミング調整装置が知られている。例えば特許文献1のバルブタイミング調整装置では、外径の異なる2つのギアを軸方向に並べるとともに一体に形成している。当該2つのギアの内側には、筒状の入力部材が設けられている。当該2つのギアは、それぞれハウジングに形成された内歯およびカムプレートに形成された内歯に噛み合うようにして、入力部材に対し偏心して設けられている。入力部材に回転が入力されると、2つのギアが一体に自転しつつハウジングに対し公転し、ハウジングとカムプレートとが相対回転する。
特開2007−255412号公報
特許文献1のバルブタイミング調整装置では、2つのギアの間に環状の段差面が形成されている。そして、カムプレートは、従動軸とは反対側の面が当該段差面に当接するよう設けられている。そのため、入力部材に回転を入力するとき、入力部材の軸が傾いても、2つのギアがカムプレートに対し傾くのを抑制することができる。これにより、2つのギアとハウジングおよびカムプレートの内歯との噛合い状態が正常に保たれ、バルブタイミング調整装置の作動精度が向上する。
しかしながら、特許文献1のバルブタイミング調整装置では、上記段差面を形成するため、外径の異なる2つのギアを軸方向に並べる必要がある。そのため、バルブタイミング調整装置が軸方向に大型化するおそれがある。
本発明の目的は、作動精度の高い小型のバルブタイミング調整装置および回転調整装置を提供することにある。
本発明は、内燃機関の駆動軸からのトルク伝達により回転する従動軸により開閉するバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、ハウジングとカムプレートと入力部材と伝達部と第1軸受部と第2軸受部とを備えている。
ハウジングは、筒状に形成され、駆動軸または従動軸の一方とともに回転可能である。
カムプレートは、少なくとも一部がハウジングの内側に設けられ、駆動軸または従動軸の他方に接続され、ハウジングに対し相対回転可能である。
入力部材は、筒状に形成され、少なくとも一部がハウジングおよびカムプレートの内側に設けられ、外部から回転が入力される。
伝達部は、少なくとも一部がハウジングと入力部材との間に設けられ、入力部材に入力された回転をカムプレートに伝達し、ハウジングとカムプレートとを相対回転させることが可能である。
第1軸受部は、入力部材の径方向外側に設けられ、ハウジングおよびカムプレートからのラジアル方向の荷重を軸受け可能である。そのため、ハウジングとカムプレートとの傾きを抑制し、バルブタイミング調整装置の作動精度を向上させることができる。
第2軸受部は、入力部材の外周壁から径方向外側へ延びるよう入力部材と一体に形成され、ハウジングからのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。そのため、入力部材に回転を入力するとき、ハウジングおよび伝達部に対する入力部材の傾きを抑制することができる。これにより、伝達部における回転の伝達状態を正常に保つことができ、バルブタイミング調整装置の作動精度がさらに向上する。
また、従来技術のように外径の異なる2つのギアを軸方向に並べて段差面を形成する必要がないため、バルブタイミング調整装置を軸方向に小型化できる。
本発明の別の態様は、外部との間で入出力される回転を調整可能な回転調整装置であって、ハウジングと回転体と入出力部材と伝達部と第1軸受部と第2軸受部とを備えている。
ハウジングは、筒状に形成されている。
回転体は、少なくとも一部がハウジングの内側に設けられ、ハウジングに対し相対回転可能である。
入出力部材は、筒状に形成され、少なくとも一部がハウジングおよび回転体の内側に設けられ、外部から回転が入力され、または、外部へ回転を出力する。
伝達部は、少なくとも一部がハウジングと入出力部材との間に設けられ、入出力部材に入力された回転を回転体に伝達し、または、回転体に入力された回転を入出力部材に伝達し、ハウジングと回転体とを相対回転させることが可能である。
第1軸受部は、入出力部材の径方向外側に設けられ、ハウジングおよび回転体からのラジアル方向の荷重を軸受け可能である。そのため、ハウジングと回転体との傾きを抑制し、回転調整装置の作動精度を向上させることができる。
第2軸受部は、入出力部材の外周壁から径方向外側へ延びるよう入出力部材と一体に形成され、ハウジングからのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。そのため、入出力部材に回転を入力するとき、または、入出力部材から回転を出力するとき、ハウジングおよび伝達部に対する入出力部材の傾きを抑制することができる。これにより、伝達部における回転の伝達状態を正常に保つことができ、回転調整装置の作動精度がさらに向上する。
また、従来技術のように外径の異なる2つのギアを軸方向に並べて段差面を形成する必要がないため、回転調整装置を軸方向に小型化できる。
第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図。 図1のII−II線断面図。 図1のIII−III線断面図。 第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す平面図。 第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の一部を示す断面図。 第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の一部を示す断面図。 第4実施形態によるバルブタイミング調整装置の一部を示す断面図。 第5実施形態によるバルブタイミング調整装置の一部を示す断面図。
以下、本発明の複数の実施形態によるバルブタイミング調整装置および回転調節装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
第1実施形態による回転調整装置としてのバルブタイミング調整装置およびその一部を図1〜4に示す。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関としてのエンジン1のクランク軸2に対するカム軸3の回転位相を変化させることによって、カム軸3が開閉駆動する吸気弁4または排気弁5のうち吸気弁4のバルブタイミングを調整するものである。バルブタイミング調整装置10は、クランク軸2からカム軸3までの動力伝達経路に設けられる。クランク軸2は、「駆動軸」に対応する。カム軸3は、「従動軸」に対応する。吸気弁4、排気弁5は、「バルブ」に対応する。つまり、バルブタイミング調整装置10は、エンジン1のクランク軸2からのトルク伝達により回転するカム軸3により開閉する吸気弁4のバルブタイミングを調整する。
バルブタイミング調整装置10は、ハウジング20、カムプレート30、偏心部材40、オルダム継手50、入力部材60、軸受部64等を備えている。
ハウジング20は、例えば金属により形成され、ハウジング筒部21、ハウジング底部22、スプロケット23等を有している。
ハウジング筒部21は、略円筒状に形成されている。ハウジング底部22は、ハウジング筒部21の一方の端部の開口部を塞ぐよう、ハウジング筒部21と一体に形成されている。このように、ハウジング20は、有底筒状に形成されている。
スプロケット23は、ハウジング筒部21のハウジング底部22側の端部の外周壁から径方向外側へ環状に延びるようにしてハウジング筒部21と一体に形成されている。スプロケット23の外周部には、外歯231が形成されている。
ハウジング底部22の中央には、ハウジング穴部24が形成されている。ハウジング穴部24には、カム軸3の端部が挿通される。カム軸3は、ハウジング20を回転可能に支持可能である。
クランク軸2とスプロケット23の外歯231とには、チェーン6が巻き掛けられる。これにより、ハウジング20は、クランク軸2と連動して回転する。
ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端部には、開口部としての端部開口部25が形成されている。
ハウジング20は、リングギア27を有している。リングギア27は、略円環状に形成され、内周部に内歯271が形成されている。リングギア27は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端部の内側において、ハウジング筒部21と一体に形成されている。すなわち、ハウジング筒部21の内周部には、内歯271が形成されている。
ハウジング20は、ストッパ26を有している。ストッパ26は、ハウジング筒部21のハウジング底部22側の端部の内周部においてハウジング筒部21およびハウジング底部22と一体に形成されている。
カムプレート30は、例えば金属により形成され、カムプレート筒部31、カムプレート底部32、カムプレート板部33等を有している。
カムプレート筒部31は、略円筒状に形成されている。カムプレート底部32は、カムプレート筒部31の一方の端部の開口部を塞ぐよう、カムプレート筒部31と一体に形成されている。このように、カムプレート30は、有底筒状に形成されている。
カムプレート板部33は、カムプレート筒部31のカムプレート底部32とは反対側の端部の外周壁から径方向外側へ環状の板状に延びるよう、カムプレート筒部31と一体に形成されている。
カムプレート30は、カムプレート筒部31がストッパ26に対し径方向内側に位置し、カムプレート板部33がストッパ26に対しハウジング底部22とは反対側に位置するよう、ハウジング20の内側に設けられている。
カムプレート30は、ハウジング20に対し相対回転可能である。ここで、カムプレート30は、「回転体」に対応している。
カムプレート底部32の中央には、カムプレート穴部34が形成されている。カムプレート穴部34には、締結部材14が挿通される。締結部材14は、軸部141、頭部142を有している。軸部141の一端の外周壁には、ねじ山が形成されている。頭部142は、軸部141の他端に形成されている。
バルブタイミング調整装置10は、カムプレート30がカム軸3の端部に接続するようにしてカム軸3に取り付けられる。締結部材14の軸部141をカムプレート穴部34に挿通し、カム軸3の端部の軸穴部100に形成されたねじ溝にねじ込むことにより、カムプレート底部32は、カム軸3の端部と締結部材14の頭部142とにより挟まれた状態となる。これにより、カムプレート30は、カム軸3に接続および固定される。
カム軸3の端部には、外周壁から径方向外側に環状に延びる規制部101が形成されている。バルブタイミング調整装置10がカム軸3に取り付けられたとき、ハウジング底部22のハウジング穴部24の周囲は、カムプレート底部32と規制部101との間に位置する。規制部101は、ハウジング20がカムプレート30から離間する方向へ移動するのを規制可能である。
本実施形態では、ハウジング穴部24とカム軸3の端部の外周壁との間には、クリアランスが設定されている。ハウジング20は、ハウジング筒部21の内周壁がカムプレート板部33の外縁部により軸受けされている。よって、カムプレート板部33の外縁部には、ハウジング筒部21の内周壁からラジアル方向の荷重が作用する。
カムプレート底部32には、延伸穴部35、油路溝36が形成されている。延伸穴部35は、カムプレート穴部34から径方向外側へ延びるよう形成されている。油路溝36は、カムプレート底部32のカム軸3側の端面からカムプレート筒部31側へ凹むよう環状に形成されている。カム軸3の端部には、外周壁と端面とを接続する油路102が形成されている。油路102の一端には、オイルポンプ8が接続される。油路102の他端は、油路溝36に対応する位置に形成されている。オイルパン7に貯留された潤滑オイルは、オイルポンプ8により汲み上げられ、油路102に供給される。ここで、潤滑オイルは、「流体」に対応している。油路102に供給された潤滑オイルは、油路溝36、延伸穴部35を経由してカムプレート底部32に対しカムプレート筒部31側へ流れることができる。
偏心部材40は、例えば金属により略円環状に形成されている。偏心部材40は、外歯41を有している。外歯41は、偏心部材40の外周部に形成されている。偏心部材40は、カムプレート30に対しカム軸3とは反対側、かつ、リングギア27の内歯271の径方向内側に位置するよう、ハウジング20の内側に設けられている。
偏心部材40の外径、すなわち、外歯41の歯先径は、リングギア27の内径、すなわち、内歯271の歯先径より小さく設定されている。また、偏心部材40の外歯41の歯数は、リングギア27の内歯271の歯数よりも少なく設定されている。偏心部材40は、外歯41がリングギア27の内歯271に噛み合うよう、ハウジング20およびカムプレート30に対し偏心して設けられている。偏心部材40は、外歯41がリングギア27の内歯271に噛み合いながら、リングギア27の内側を回転可能である。このとき、偏心部材40は、自転しつつハウジング20に対し公転する。
オルダム継手50は、例えば金属により略円環状に形成されている。オルダム継手50は、ハウジング20の内側において、カムプレート30と偏心部材40との間に設けられている(図1〜3参照)。
オルダム継手50は、カムプレート30および偏心部材40に対し径方向に相対移動可能かつ摺動可能に設けられている。オルダム継手50は、偏心部材40がリングギア27の内側で自転しつつ公転するとき、偏心部材40の自転成分をカムプレート30に伝達する。これにより、オルダム継手50は、ハウジング20とカムプレート30とを相対回転させることが可能である。
入力部材60は、例えば金属により形成されている。入力部材60は、入力筒部61を有している。
入力筒部61は、同心筒部611、偏心筒部612を有している。同心筒部611は、略円筒状に形成されている。偏心筒部612は、一端が同心筒部611の端部に接続するよう同心筒部611と一体に形成されている。ここで、偏心筒部612の外周壁は、同心筒部611の外周壁に対し偏心するよう形成されている。また、偏心筒部612の外径は、同心筒部611の外径より大きい。一方、同心筒部611の内周壁と偏心筒部612の内周壁とは、同心かつ同径に設定されている。
入力筒部61には、入力溝部62が形成されている。入力溝部62は、偏心筒部612の内周壁から径方向外側へ凹みつつ、偏心筒部612の同心筒部611とは反対側の端部から同心筒部611まで軸方向に延びるよう形成されている。本実施形態では、入力溝部62は、偏心筒部612の周方向に等間隔で2つ、すなわち、互いに対向するよう形成されている。
軸受部64は、軸受部本体640を有している。軸受部本体640は、入力部材60の偏心筒部612の同心筒部611とは反対側の端部の外周壁から径方向外側へ板状に延びるよう、入力筒部61と一体に形成されている。
入力部材60は、同心筒部611がカムプレート筒部31の内側に位置し、偏心筒部612が偏心部材40の内側に位置するよう、ハウジング20の内側に設けられている。
本実施形態では、軸受部本体640は略円板状に形成されている。軸受部本体640の外径は、ハウジング筒部21の外径と略同じに設定されている。そのため、軸受部本体640は、偏心筒部612の径方向外側においてハウジング20の端部開口部25を塞いでいる。これにより、偏心部材40のカムプレート30とは反対側の端面は、軸受部本体640により覆われており、ハウジング20の外部に露出していない。
なお、本実施形態では、軸受部本体640には、一方の端面と他方の端面とを接続するような穴は形成されていない(図1、4参照)。
カムプレート筒部31の内周壁と同心筒部611の外周壁との間には、ベアリング11が設けられている。また、偏心部材40の内周壁と偏心筒部612の外周壁との間には、ベアリング12が設けられている。ベアリング11、12は、例えばボールベアリングである。
ベアリング11は、外輪がカムプレート筒部31の内周壁に嵌合し、内輪が同心筒部611の外周壁に嵌合している。ベアリング12は、外輪が偏心部材40の内周壁に嵌合し、内輪が偏心筒部612の外周壁に嵌合している。
ここで、同心筒部611および偏心筒部612の内周壁ならびに同心筒部611の外周壁は、ハウジング筒部21およびカムプレート筒部31に対し同心であり、偏心筒部612の外周壁は、ハウジング筒部21およびカムプレート筒部31に対し偏心している。
このように、カムプレート30は、ベアリング11を介して入力部材60を軸受けしている。
また、ベアリング11は、入力部材60の径方向外側に設けられ、ハウジング20およびカムプレート30からのラジアル方向の荷重を軸受け可能である。ここで、ベアリング11は、「第1軸受部」に対応している。
入力部材60は、ハウジング20に対し相対回転可能である。
軸受部64の軸受部本体640は、ハウジング20側の端面の外縁部が、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端面と当接可能である。また、入力部材60とハウジング20とが相対回転するとき、軸受部本体640は、ハウジング20側の端面の外縁部が、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端面と摺動する。そして、軸受部本体640は、ハウジング20側の端面の外縁部において、ハウジング筒部21からのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。ここで、軸受部64は、「第2軸受部」に対応している。
なお、本実施形態では、軸受部本体640のハウジング20側の端面の外縁部と、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端面との間の隙間により、入力部材60の回転軸の傾きが決まる。前記隙間を、入力部材60の回転軸から径方向外側に離れた位置に設定することにより、当該隙間の管理が容易になる。
偏心筒部612の偏心方向の部位には、スプリング13が設けられている。スプリング13は、ベアリング12を偏心方向に付勢している。これにより、偏心部材40の外歯41がリングギア27の内歯271に押し付けられ、外歯41と内歯271との噛み合い状態が良好に維持される。
本実施形態では、バルブタイミング調整装置10の内蔵部品を駆動するアクチュエータとしてモータ80が設けられている。
モータ80は、ケース81、モータ軸85、ジョイント851等を有している。
ケース81は、例えば金属により形成され、内側に空間を形成している。ケース81は、例えば図示しないステー等を介してエンジン1に固定される。
ケース81の内側には、図示しないステータ、コイル、ロータ等が収容されている。ステータは、環状に形成され、ケース81の内側に固定されている。コイルは、ステータに形成された複数のティース部に巻き回されている。ロータは、ステータの内側において回転可能に設けられている。
モータ軸85は、ロータの中心を貫くようロータと一体に設けられている。モータ軸85およびロータは、ケース81により回転可能に支持されている。コイルに通電されると、ステータに回転磁界が生じ、ロータおよびモータ軸85が回転する。
ジョイント851は、モータ軸85の先端部に取り付けられている。モータ80は、ジョイント851が入力部材60の入力溝部62に嵌合するようエンジン1に取り付けられる。そのため、モータ80の回転は、入力部材60に入力される。
モータ80のコイルに通電すると、モータ軸85が回転する。入力部材60は、モータ80から回転が入力されると、ハウジング20に対し相対回転する。入力部材60がハウジング20に対し相対回転すると、偏心筒部612の外周壁が同心筒部611の外周壁に対し偏心した状態で回転する。これにより、偏心部材40は、外歯41がリングギア27の内歯271に噛み合いながら、リングギア27の内側を回転する。このとき、偏心部材40は、自転しつつハウジング20に対し公転する。また、このとき、偏心部材40は、オルダム継手50と摺動しつつ、オルダム継手50に対しxy方向に相対的に往復移動する(図3参照)。また、このとき、オルダム継手50は、カムプレート30と摺動しつつ、カムプレート30に対しab方向に相対的に往復移動する(図2参照)。ここで、ab方向およびxy方向は、ハウジング20の軸に直交する仮想平面上の方向であり、xy方向とab方向とは、直交している。なお、ab方向は、同心筒部611に対する偏心筒部612の偏心方向、つまり、ハウジング20およびカムプレート30に対する偏心部材40の偏心方向に対し平行である。
入力部材60に回転が入力され、偏心部材40およびオルダム継手50が上述のように作動することにより、偏心部材40の自転成分がカムプレート30に伝達される。これにより、ハウジング20とカムプレート30とが相対回転する。ここで、ストッパ26は、カムプレート30の所定の部位に当接することで、ハウジング20に対するカムプレート30の相対回転可能範囲を所定の範囲に規制可能である。
偏心部材40およびオルダム継手50は、少なくとも一部がハウジング20と入力部材60との間に設けられ、モータ80から入力部材60に入力された回転をカムプレート30に伝達し、ハウジング20とカムプレート30とを相対回転させることが可能である。ここで、偏心部材40およびオルダム継手50は、「伝達部」に対応している。また、入力部材60は、「入出力部材」に対応している。
このように、モータ80は、入力部材60を回転させることにより、ハウジング20とカムプレート30との相対位相を変化させる。これにより、クランク軸2とカム軸3との相対位相が変化し、吸気弁4のバルブタイミングが変化する。
モータ80のコイルへの通電は、図示しない制御部により制御される。制御部は、モータ80のコイルへの通電を制御し、モータ80の回転を制御することにより、カムプレート30をハウジング20に対し進角方向または遅角方向に相対回転させることができる。これにより、制御部は、エンジン1の運転状態に応じて、吸気弁4のバルブタイミングを調整することができる。
クランク軸2からハウジング20のスプロケット23に入力された回転は、カムプレート30を経由してカム軸3に出力される。また、モータ80から入力部材60に回転が入力されると、ハウジング20とカムプレート30とが相対回転し、カムプレート30を経由したカム軸3への回転の出力が調整される。そのため、バルブタイミング調整装置10は、外部との間で入出力される回転を調整する回転調整装置であると考えることもできる。
次に、カムプレート30、偏心部材40、オルダム継手50の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、カムプレート30は、カムプレート側溝部37を有している。カムプレート側溝部37は、カムプレート板部33の偏心部材40側の端面からカム軸3側へ凹むようにして形成されている。カムプレート側溝部37は、筒状壁面370、延伸溝部371、372、カムプレート側突出部373、折れ曲がり部374等を有している。
筒状壁面370は、カムプレート30の軸を中心とする円筒面状に形成されている。
延伸溝部371は、筒状壁面370から径方向外側へ延びてカムプレート板部33の外周壁に接続するよう形成されている。延伸溝部371は、カムプレート板部33の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つの延伸溝部371は、カムプレート30の軸に直交しab方向に延びる直線上において、カムプレート30の軸を挟んで対向するよう形成されている(図2参照)。各延伸溝部371には、平面状の2つの摺動面375が形成されている。2つの摺動面375は、ab方向に対し平行であり、互いに対向するよう形成されている。
延伸溝部372は、筒状壁面370から径方向外側へ延びるようにして形成されている。なお、延伸溝部372は、カムプレート板部33の外周壁に接続していない。延伸溝部372は、カムプレート板部33の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つの延伸溝部372は、カムプレート30の軸に直交しxy方向に延びる直線上において、カムプレート30の軸を挟んで対向するよう形成されている(図2参照)。
カムプレート側突出部373は、筒状壁面370の延伸溝部371、372の周方向の両側の部位から径方向内側へ突出するよう形成されている。そのため、カムプレート側突出部373は、カムプレート30に計8つ形成されている。
折れ曲がり部374は、カムプレート側突出部373と筒状壁面370との接続部に形成されている。折れ曲がり部374は、カムプレート30の軸方向から見て、略直角に折れ曲がるようにして形成されている。ここで、折れ曲がり部374は、「阻害部」に対応している。
図3に示すように、偏心部材40は、偏心部材側溝部42を有している。偏心部材側溝部42は、偏心部材40のカムプレート30側の端面からカム軸3とは反対側へ凹むようにして形成されている。偏心部材側溝部42は、筒状壁面420、延伸溝部421、422、偏心部材側突出部423、折れ曲がり部424等を有している。
筒状壁面420は、偏心部材40の軸を中心とする円筒面状に形成されている。
延伸溝部421は、筒状壁面420から径方向外側へ延びるようにして形成されている。延伸溝部421は、偏心部材40の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つの延伸溝部421は、偏心部材40の軸に直交しab方向に延びる直線上において、偏心部材40の軸を挟んで対向するよう形成されている(図3参照)。各延伸溝部421には、平面状の1つの摺動面425が形成されている。各延伸溝部421に形成された計2つの摺動面425は、xy方向に対し平行であり、互いに対向するよう形成されている。
各延伸溝部421の位置は、カムプレート30の各延伸溝部371の位置に対応している(図2、3参照)。
延伸溝部422は、筒状壁面420から径方向外側へ延びるようにして形成されている。延伸溝部422は、偏心部材40の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つの延伸溝部422は、偏心部材40の軸に直交しxy方向に延びる直線上において、偏心部材40の軸を挟んで対向するよう形成されている(図3参照)。各延伸溝部422には、平面状の2つの摺動面426が形成されている。2つの摺動面426は、xy方向に対し平行であり、互いに対向するよう形成されている。
各延伸溝部422の位置は、カムプレート30の各延伸溝部372の位置に対応している(図2、3参照)。
偏心部材側突出部423は、筒状壁面420の延伸溝部421、422の周方向の両側の部位から径方向内側へ突出するよう形成されている。そのため、偏心部材側突出部423は、偏心部材40に計8つ形成されている。
各偏心部材側突出部423の位置は、カムプレート30の各カムプレート側突出部373の位置に対応している(図2、3参照)。
折れ曲がり部424は、偏心部材側突出部423と筒状壁面420との接続部に形成されている。折れ曲がり部424は、偏心部材40の軸方向から見て、略直角に折れ曲がるようにして形成されている。ここで、折れ曲がり部424は、「阻害部」に対応している。
図2、3に示すように、オルダム継手50は、オルダム本体51、オルダム突出部521、522、オルダム凹部53等を有している。
オルダム本体51は、略円筒状に形成されている。
オルダム突出部521は、オルダム本体51の外周壁から径方向外側へ矩形柱状に突出するよう形成されている。オルダム突出部521は、オルダム本体51の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つのオルダム突出部521は、オルダム本体51の軸に直交しab方向に延びる直線上において、オルダム本体51の軸を挟んで対向するよう形成されている(図2、3参照)。
オルダム突出部522は、オルダム本体51の外周壁から径方向外側へ矩形柱状に突出するよう形成されている。オルダム突出部522は、オルダム本体51の周方向に等間隔で2つ形成されている。2つのオルダム突出部522は、オルダム本体51の軸に直交しxy方向に延びる直線上において、オルダム本体51の軸を挟んで対向するよう形成されている(図2、3参照)。
オルダム突出部521、522は、それぞれ、オルダム本体51の軸方向の両端面を含む2つの仮想平面の間に形成されている。また、オルダム突出部521、522は、それぞれ、5つの平面状の外壁を有している。オルダム突出部521、522の5つの平面状の外壁のうち2つは、オルダム本体51の周方向の端面であり、互いに平行である。この端面を周方向端面523とする。
オルダム突出部521、522の5つの平面状の外壁のうち1つは、オルダム突出部521の先端に形成された端面であり、周方向端面523に対し直交している。この端面を先端面524とする。
オルダム凹部53は、オルダム本体51の外周壁のオルダム突出部521、522の周方向の両側の部位から径方向内側へ凹むよう形成されている。そのため、オルダム凹部53は、オルダム継手50に計8つ形成されている。
オルダム継手50は、各オルダム突出部521のカムプレート30側の部位の一部が各延伸溝部371内に位置し、各オルダム突出部521の偏心部材40側の部位の一部が各延伸溝部421内に位置し、各オルダム突出部522のカムプレート30側の部位の一部が各延伸溝部372内に位置し、各オルダム突出部522の偏心部材40側の部位の一部が各延伸溝部422内に位置するようカムプレート30と偏心部材40との間に設けられている。
オルダム継手50の軸方向の一方の端面は、カムプレート側溝部37の底面と当接および摺動可能である。オルダム継手50の軸方向の他方の端面は、偏心部材側溝部42の底面と当接および摺動可能である。
ここで、カムプレート板部33のカムプレート側溝部37が形成された面と、偏心部材40の偏心部材側溝部42が形成された面とは、互いに対向しているものの、当接はしていない。
オルダム本体51の周方向におけるオルダム突出部521、522の幅、すなわち、各オルダム突出部521、522の2つの周方向端面523間の距離は、いずれも同じに設定されている。
カムプレート30の延伸溝部371において周方向で対向する2つの摺動面375間の距離は、オルダム突出部521の2つの周方向端面523間の距離より僅かに大きく設定されている。また、カムプレート30の延伸溝部372において周方向で対向する2つの壁面間の距離は、オルダム突出部522の2つの周方向端面523間の距離より大きく設定されている。そのため、オルダム継手50は、各オルダム突出部521の2つの周方向端面523が摺動面375と摺動し、カムプレート30側の端面がカムプレート側溝部37の底面と摺動しつつ、カムプレート30に対しab方向に相対的に往復移動可能である。また、オルダム継手50がカムプレート30に対し相対的に往復移動するとき、カムプレート側突出部373は、オルダム凹部53に入り込み可能である。
偏心部材40の延伸溝部422において周方向で対向する2つの摺動面426間の距離は、オルダム突出部522の2つの周方向端面523間の距離より僅かに大きく設定されている。また、偏心部材40の延伸溝部421において周方向で対向する2つの壁面間の距離は、オルダム突出部521の2つの周方向端面523間の距離より大きく設定されている。さらに、偏心部材40の延伸溝部421においてab方向で対向する2つの摺動面425間の距離は、オルダム突出部521の2つの先端面524間の距離より僅かに大きく設定されている。そのため、オルダム継手50は、各オルダム突出部522の2つの周方向端面523が摺動面426と摺動し、各オルダム突出部521の先端面524が摺動面425と摺動し、偏心部材40側の端面が偏心部材側溝部42の底面と摺動しつつ、偏心部材40に対しxy方向に相対的に往復移動可能である。また、オルダム継手50が偏心部材40に対し相対的に往復移動するとき、偏心部材側突出部423は、オルダム凹部53に入り込み可能である。
このように、入力部材60に回転が入力され、偏心部材40が自転しつつハウジング20に対し公転するとき、オルダム継手50は、各部位がカムプレート30、偏心部材40の各部位と摺動しながら、カムプレート30および偏心部材40に対しab方向またはxy方向に相対移動する。
図1に示すように、本実施形態では、油路102、油路溝36、延伸穴部35を経由してカムプレート筒部31の内側に供給された潤滑オイルは、ベアリング11、カムプレート板部33と偏心部材40との間を経由してオルダム継手50の周囲に流れる。そのため、オルダム継手50と他部材との摺動箇所である周方向端面523と摺動面375、周方向端面523と摺動面426、先端面524と摺動面425、オルダム継手50の軸方向の端面とカムプレート側溝部37の底面または偏心部材側溝部42の底面が潤滑オイルにより潤滑される。これにより、各摺動箇所の摩耗を抑制することができる。
オルダム継手50の折れ曲がり部54、カムプレート30の折れ曲がり部374、偏心部材40の折れ曲がり部424は、オルダム継手50とカムプレート30または偏心部材40との間の潤滑オイルの流れを阻害可能である。そのため、オルダム継手50がカムプレート30および偏心部材40に対し相対的に往復移動するとき、オルダム凹部53とカムプレート側突出部373および偏心部材側突出部423との間に潤滑オイルによるダンパ効果が生じる。これにより、オルダム継手50とカムプレート30および偏心部材40とのクリアランス間の衝突エネルギーが騒音および振動へ変換されるのを抑制することができる。
本実施形態では、オルダム継手50の周囲の潤滑オイルは、カムプレート板部33と偏心部材40との間の隙間、および、延伸溝部371を経由してカムプレート板部33の外縁部および偏心部材40の外縁部とハウジング筒部21の内周壁との間に流れることができる。そのため、カムプレート板部33の外縁部を軸受けするハウジング筒部21の内周壁、ならびに、偏心部材40の外歯41およびリングギア27の内歯271が潤滑オイルにより潤滑される。これにより、カムプレート30の軸受け箇所、および、偏心部材40とリングギア27との噛み合い箇所の摩耗を抑制することができる。
本実施形態では、軸受部64の軸受部本体640は、偏心筒部612の径方向外側においてハウジング20の端部開口部25を塞いでいる。そのため、カムプレート板部33の外縁部および偏心部材40の外縁部とハウジング筒部21の内周壁との間に流れた潤滑オイルは、ハウジング20の端部開口部25を経由してハウジング20の外部に流出することが抑制される。これにより、潤滑オイルをカムプレート板部33の外縁部および偏心部材40の外縁部とハウジング筒部21の内周壁との間に留めておくことができる。
一方、油路102、油路溝36、延伸穴部35を経由してカムプレート筒部31の内側に供給された潤滑オイルは、入力部材60の入力筒部61の内側を経由してハウジング20の外部に流出し、オイルパン7に戻される。
なお、ハウジング筒部21には、内周壁と外周壁とを接続するような穴は形成されていない。そのため、潤滑オイルを、ハウジング筒部21の内側に長く留めておくことができる。
以上説明したように、(1)、(5)本実施形態は、エンジン1のクランク軸2からのトルク伝達により回転するカム軸3により開閉する吸気弁4または排気弁5のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置10、または、外部との間で入出力される回転を調整可能な回転調整装置であって、ハウジング20とカムプレート30と入力部材60と、伝達部としての偏心部材40およびオルダム継手50と、第1軸受部としてのベアリング11と、第2軸受部としての軸受部64とを備えている。
ハウジング20は、筒状に形成され、クランク軸2とともに回転可能である。
カムプレート30は、少なくとも一部がハウジング20の内側に設けられ、カム軸3に接続され、ハウジング20に対し相対回転可能である。
入力部材60は、筒状に形成され、少なくとも一部がハウジング20およびカムプレート30の内側に設けられ、外部から回転が入力される。
偏心部材40およびオルダム継手50は、少なくとも一部がハウジング20と入力部材60との間に設けられ、入力部材60に入力された回転をカムプレート30に伝達し、ハウジング20とカムプレート30とを相対回転させることが可能である。
ベアリング11は、入力部材60の径方向外側に設けられ、ハウジング20およびカムプレート30からのラジアル方向の荷重を軸受け可能である。そのため、ハウジング20とカムプレート30との傾きを抑制し、バルブタイミング調整装置10の作動精度を向上させることができる。
軸受部64の軸受部本体640は、入力部材60の外周壁から径方向外側へ延びるよう入力部材60と一体に形成され、ハウジング20からのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。そのため、入力部材60に回転を入力するとき、ハウジング20および偏心部材40、オルダム継手50に対する入力部材60の傾きを抑制することができる。これにより、偏心部材40およびオルダム継手50における回転の伝達状態を正常に保つことができ、バルブタイミング調整装置10の作動精度がさらに向上する。
また、従来技術のように外径の異なる2つのギアを軸方向に並べて段差面を形成する必要がないため、バルブタイミング調整装置10を軸方向に小型化できる。
(第2実施形態)
第2実施形態によるバルブタイミング調整装置または回転調整装置の一部を図5に示す。第2実施形態は、軸受部64の構成が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、軸受部64は、軸受部本体640、軸受延伸部641、軸受側囲繞部642を有している。
軸受延伸部641は、軸受部本体640の外周壁から径方向外側へ板状に延びるよう軸受部本体640と一体に形成されている。軸受延伸部641は、軸受部本体640の径方向外側において略円環状に形成されている。軸受延伸部641は、内径がハウジング筒部21の外径と略同じであり、外径がハウジング筒部21の外径より大きく設定されている。
軸受側囲繞部642は、軸受延伸部641の軸方向の端面からカム軸3側へ略円筒状に延びるよう軸受延伸部641と一体に形成されている。軸受側囲繞部642は、内径がハウジング筒部21の外径よりやや大きく設定され、外径が軸受延伸部641の外径と同じに設定されている。軸受側囲繞部642は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端部の外縁部を取り囲んでいる。
入力部材60とハウジング20とが相対回転するとき、軸受側囲繞部642の内周壁は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端部の外周壁と摺動可能である。そのため、ハウジング20は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の部位のラジアル方向の荷重を軸受側囲繞部642により軸受けされる。なお、ハウジング20は、ハウジング筒部21のハウジング底部22側の部位のラジアル方向の荷重をベアリング11により軸受けされる。
また、本実施形態では、軸受側囲繞部642が、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端部の外縁部を取り囲んでいるため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのを抑制することができる。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、(2)、(6)本実施形態では、ハウジング20は、一端側のラジアル方向の荷重をベアリング11により軸受けされ、他端側のラジアル方向の荷重を軸受部64の軸受側囲繞部642により軸受けされる。そのため、ハウジング20は、軸方向の両端がラジアル方向で軸受けされ、回転がより安定する。これにより、バルブタイミング調整装置10の作動精度をより向上させることができる。
また、(3)、(7)本実施形態では、軸受部64は、ハウジング20のハウジング筒部21の端部の外縁部を取り囲むよう形成された軸受側囲繞部642を有している。そのため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのを抑制することができる。これにより、潤滑オイルをカムプレート板部33の外縁部および偏心部材40の外縁部とハウジング筒部21の内周壁との間に効果的に留めておくことができる。その結果、カムプレート30の軸受け箇所、および、偏心部材40とリングギア27との噛み合い箇所の摩耗を効果的に抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態によるバルブタイミング調整装置または回転調整装置の一部を図6に示す。第3実施形態は、軸受部64およびハウジング20の構成が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、軸受部64の軸受部本体640は、外径がハウジング筒部21の内径より大きくハウジング筒部21の外径より小さく設定されている。
ハウジング20は、ハウジング側囲繞部211を有している。ハウジング側囲繞部211は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の端面からハウジング底部22とは反対側へ略円筒状に延びるよう形成されている。ハウジング側囲繞部211は、内径がハウジング筒部21の内径より大きく、外径がハウジング筒部21の外径と同じに設定されている。ハウジング側囲繞部211は、軸受部本体640の外縁部を取り囲んでいる。なお、ハウジング側囲繞部211のハウジング筒部21とは反対側の端面は、軸受部本体640のハウジング20とは反対側の端面と略同一の面上に位置している。
入力部材60とハウジング20とが相対回転するとき、ハウジング側囲繞部211の内周壁は、軸受部本体640の外周壁と摺動可能である。そのため、ハウジング20は、ハウジング筒部21のハウジング底部22とは反対側の部位であるハウジング側囲繞部211のラジアル方向の荷重を軸受部本体640の外縁部により軸受けされる。なお、ハウジング20は、ハウジング筒部21のハウジング底部22側の部位のラジアル方向の荷重をベアリング11により軸受けされる。
また、本実施形態では、ハウジング側囲繞部211が、軸受部本体640の外縁部を取り囲んでいるため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのを抑制することができる。
第3実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、(2)、(6)本実施形態では、ハウジング20は、一端側のラジアル方向の荷重をベアリング11により軸受けされ、他端側のラジアル方向の荷重を軸受部64の軸受部本体640により軸受けされる。そのため、ハウジング20は、軸方向の両端がラジアル方向で軸受けされ、回転がより安定する。これにより、バルブタイミング調整装置10の作動精度をより向上させることができる。
また、(4)、(8)本実施形態では、ハウジング20は、軸受部64の軸受部本体640の外縁部を取り囲むよう形成されたハウジング側囲繞部211を有している。そのため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのを抑制することができる。これにより、潤滑オイルをカムプレート板部33の外縁部および偏心部材40の外縁部とハウジング筒部21の内周壁との間に効果的に留めておくことができる。その結果、カムプレート30の軸受け箇所、および、偏心部材40とリングギア27との噛み合い箇所の摩耗を効果的に抑制することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態によるバルブタイミング調整装置または回転調整装置の一部を図7に示す。第4実施形態は、ハウジング20および軸受部64の構成が第3実施形態と異なる。
第4実施形態では、ハウジング側囲繞部211のハウジング筒部21とは反対側の端面は、軸受部本体640のハウジング20とは反対側の端面よりもカム軸3側に位置している。
軸受部64は、軸受延伸部641をさらに有している。軸受延伸部641は、軸受部本体640の外周壁から径方向外側へ板状に延びるよう軸受部本体640と一体に形成されている。軸受延伸部641は、軸受部本体640の径方向外側において略円環状に形成されている。軸受延伸部641は、外径がハウジング筒部21の外径と略同じに設定されている。
軸受延伸部641のハウジング20側の端面は、ハウジング側囲繞部211のハウジング筒部21とは反対側の端面に当接可能である。また、入力部材60とハウジング20とが相対回転するとき、軸受延伸部641のハウジング20側の端面は、ハウジング側囲繞部211のハウジング筒部21とは反対側の端面と摺動可能である。そのため、軸受延伸部641は、ハウジング20のハウジング側囲繞部211からのスラスト方向の荷重を軸受け可能である。
また、本実施形態では、軸受延伸部641のハウジング20側の端面が、ハウジング側囲繞部211のハウジング筒部21とは反対側の端面に当接可能に形成されているため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのを抑制することができる。
第4実施形態は、上述した点以外の構成は、第3実施形態と同様であり、第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態によるバルブタイミング調整装置または回転調整装置の一部を図8に示す。第5実施形態は、軸受部64の構成が第4実施形態と異なる。
第5実施形態では、軸受部64の軸受延伸部641は、外径がハウジング筒部21の外径より大きく設定されている。また、軸受部64は、軸受側囲繞部642をさらに有している。
軸受側囲繞部642は、軸受延伸部641の軸方向の端面からカム軸3側へ略円筒状に延びるよう軸受延伸部641と一体に形成されている。軸受側囲繞部642は、内径がハウジング側囲繞部211の外径よりやや大きく設定され、外径が軸受延伸部641の外径と同じに設定されている。軸受側囲繞部642は、ハウジング側囲繞部211の外周壁を取り囲んでいる。
入力部材60とハウジング20とが相対回転するとき、軸受側囲繞部642の内周壁は、ハウジング側囲繞部211の外周壁と摺動可能である。
また、本実施形態では、ハウジング側囲繞部211が軸受部本体640の外縁部を取り囲み、軸受側囲繞部642がハウジング側囲繞部211の外周壁を取り囲んでいる。そのため、ハウジング筒部21の内側の潤滑オイルが軸受部64とハウジング筒部21の端部との間を経由してハウジング20の外部に流出するのをより一層効果的に抑制することができる。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、例えば、ハウジング20を回転不能に固定し、入力部材60に入力した回転をカムプレート30から減速して出力する回転調整装置として用いてもよい。この場合、ハウジング20のスプロケット23を省略してもよい。また、カムプレート30に入力した回転を増速して入力部材60から出力する回転調整装置として用いてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、軸受部64の軸受部本体640は、一方の端面と他方の端面とを接続する穴を有していてもよい。これにより、材料費を低減するとともに、バルブタイミング調整装置または回転調整装置を軽量化することができる。
また、本発明の他の実施形態では、入力部材60に入力された回転をカムプレート30に伝達し、ハウジング20とカムプレート30とを相対回転させることが可能であれば、例えば遊星歯車等により伝達部を構成してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、チェーン6に代えて、例えばベルト等の伝達部材によりハウジング20とクランク軸2とが連結されていてもよい。
また、上述の実施形態では、カムプレート30がカム軸3の端部に固定され、ハウジング20がクランク軸2に連動して回転する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、カムプレート30がクランク軸2の端部に固定され、ハウジング20がカム軸3に連動して回転することとしてもよい。
本発明のバルブタイミング調整装置10は、エンジン1の排気弁5のバルブタイミングを調整することとしてもよい。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 エンジン(内燃機関)、2 クランク軸(駆動軸)、3 カム軸(従動軸)、4 吸気弁(バルブ)、5 排気弁(バルブ)、10 バルブタイミング調整装置(回転調整装置)、20 ハウジング、30 カムプレート(回転体)、40 偏心部材(伝達部)、50 オルダム継手(伝達部)、60 入力部材(入出力部材)、11 ベアリング(第1軸受部)、64 軸受部(第2軸受部)

Claims (8)

  1. 内燃機関(1)の駆動軸(2)からのトルク伝達により回転する従動軸(3)により開閉するバルブ(4、5)のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(10)であって、
    前記駆動軸または前記従動軸の一方とともに回転可能な筒状のハウジング(20)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングの内側に設けられ、前記駆動軸または前記従動軸の他方に接続され、前記ハウジングに対し相対回転可能なカムプレート(30)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングおよび前記カムプレートの内側に設けられ、外部から回転が入力される筒状の入力部材(60)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングと前記入力部材との間に設けられ、前記入力部材に入力された回転を前記カムプレートに伝達し、前記ハウジングと前記カムプレートとを相対回転させることが可能な伝達部(40、50)と、
    前記入力部材の径方向外側に設けられ、前記ハウジングおよび前記カムプレートからのラジアル方向の荷重を軸受け可能な第1軸受部(11)と、
    前記入力部材の外周壁から径方向外側へ延びるよう前記入力部材と一体に形成され、前記ハウジングからのスラスト方向の荷重を軸受け可能な第2軸受部(64)と、
    を備えているバルブタイミング調整装置。
  2. 前記ハウジングは、一端側のラジアル方向の荷重を前記第1軸受部により軸受けされ、他端側のラジアル方向の荷重を前記第2軸受部により軸受けされる請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第2軸受部は、前記ハウジングの端部の外縁部を取り囲むよう形成された軸受側囲繞部(642)を有している請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記ハウジングは、前記第2軸受部の外縁部を取り囲むよう形成されたハウジング側囲繞部(211)を有している請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 外部との間で入出力される回転を調整可能な回転調整装置(10)であって、
    筒状のハウジング(20)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングの内側に設けられ、前記ハウジングに対し相対回転可能な回転体(20)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングおよび前記回転体の内側に設けられ、外部から回転が入力され、または、外部へ回転を出力する筒状の入出力部材(60)と、
    少なくとも一部が前記ハウジングと前記入出力部材との間に設けられ、前記入出力部材に入力された回転を前記回転体に伝達し、または、前記回転体に入力された回転を前記入出力部材に伝達し、前記ハウジングと前記回転体とを相対回転させることが可能な伝達部(40、50)と、
    前記入出力部材の径方向外側に設けられ、前記ハウジングおよび前記回転体からのラジアル方向の荷重を軸受け可能な第1軸受部(11)と、
    前記入出力部材の外周壁から径方向外側へ延びるよう前記入出力部材と一体に形成され、前記ハウジングからのスラスト方向の荷重を軸受け可能な第2軸受部(64)と、
    を備えている回転調整装置。
  6. 前記ハウジングは、一端側のラジアル方向の荷重を前記第1軸受部により軸受けされ、他端側のラジアル方向の荷重を前記第2軸受部により軸受けされる請求項5に記載の回転調整装置。
  7. 前記第2軸受部は、前記ハウジングの端部の外縁部を取り囲むよう形成された軸受側囲繞部(642)を有している請求項5または6に記載の回転調整装置。
  8. 前記ハウジングは、前記第2軸受部の外縁部を取り囲むよう形成されたハウジング側囲繞部(211)を有している請求項5〜7のいずれか一項に記載の回転調整装置。
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