JP2019044233A - めっき処理装置、めっき処理方法、及びめっき対象物の保持具 - Google Patents

めっき処理装置、めっき処理方法、及びめっき対象物の保持具 Download PDF

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耕二郎 穂積
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Abstract

【課題】本発明は、必要な厚みのめっき層を得ることができ、該めっき層の外表面に微小な窪みが形成されることを抑制することのできるめっき処理装置を提供する。【解決手段】本発明は、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を保持可能に構成されるとともに、めっき対象物をめっき溶液に浸積させた状態で維持可能に構成される導電性の保持具であって、直流電源の負極端子に電気的に接続される保持具と、直流電源の正極端子に電気的に接続され、めっき溶液に浸積されるアノード電極と、気体供給源に接続された状態でめっき溶液中においてめっき対象物よりも下方側に位置するノズルとを備え、保持具は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物を保持する。【選択図】図2

Description

本発明は、めっき対象物の外面に、めっき層を形成するためのめっき処理装置、めっき処理方法、及びめっき対象物の保持具に関する。
従来から、物品や機器の部品等の表面を保護したり所望の表面性状にしたりするために、物品や部品等の表面に電解めっき処理が施されることがある。
電解めっき処理は、少なくとも一部の外表面に導電性を有する物品や部品等(以下、めっき対象物という)をめっき槽に貯留されためっき溶液に浸積させることと、めっき槽に浸積されたアノード電極であって、めっき対象物の導電性を有する外表面と電気的に繋がるアノード電極に電流を流すこととを含む(例えば、特許文献1参照)。
かかる電解めっき処理によれば、めっき対象物の導電性を有する外表面がアノード電極と電気的に繋がるため、該外表面がカソード電極となり、アノード電極に電流を流すとカソード反応が進む。これに伴い、カソード電極であるめっき対象物の外表面に、めっき溶液中に含まれる金属イオンが析出し、該めっき対象物の外表面上に、めっき皮膜(金属皮膜)が形成される。
ところで、従来の電解めっき処理において、カソード反応に伴ってカソード電極で気泡が発生し、該気泡がカソード電極(めっき対象物)の外表面に付着する。そのため、従来の電解めっき処理において、カソード電極に付着する気泡がめっき層の成長を阻害する。これに伴い、めっき層の厚みを厚くするのに限界がある。また、カソード電極(めっき対象物)の外表面に気泡が付着すると、気泡の存在しない部分においてめっき皮膜が成長する結果、処理後のめっき層の表面上に微小な窪みができてしまう。すなわち、従来の電解めっき処理では、めっき層の外表面の平滑度を得るのに限界があった。
特開2015−212406号公報
そこで、本発明は、必要な厚みのめっき層を得ることができ、該めっき層の外表面に微小な窪みが形成されることを抑制することのできるめっき処理装置、めっき処理方法及びめっき対象物の保持具を提供する。
本発明に係るめっき処理装置は、正極端子及び負極端子を有する直流電源と、めっき溶液を貯留可能なめっき槽と、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を保持可能に構成されるとともに、めっき対象物をめっき溶液に浸積させた状態で維持可能に構成される導電性の保持具であって、直流電源の負極端子に電気的に接続される保持具と、直流電源の正極端子に電気的に接続されるアノード電極であって、めっき対象物の被めっき領域と向き合うように、めっき槽内のめっき溶液に浸積されるアノード電極と、気体供給源に接続された状態でめっき槽内に配置されたノズルであって、めっき槽内に配置されためっき対象物よりも下方側に位置するノズルとを備え、保持具は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物を保持することを特徴とする。
上記構成によれば、保持具が直流電源の負極端子に電気的に接続されるため、保持具及びめっき対象物がカソード電極となる。そして、めっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させることで、ノズルを中心としてめっき槽内のめっき溶液に流れができ、めっき溶液がめっき槽内で撹拌される。これに伴い、めっき槽内においてめっき溶液の濃度の均一化が図られる。そして、アノード電極に電流を流すことで、カソード電極となっためっき対象物の被めっき領域でカソード反応が進行し、めっき層が形成される。これに伴い、被めっき領域上で気泡が発生するが、めっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させるため、ノズルから放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域で発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズルからの気泡の移動によって被めっき領域上にある気泡が誘導され、被めっき領域から離れる。また、アノード電極側を向く被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域上において、めっき層の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域から離れることで、めっき層の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層の表面が平滑面となる。
本発明のめっき処理装置の一態様として、保持具は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物を保持することが好ましい。このようにすれば、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域上の気泡の移動が円滑となる。
本発明のめっき処理装置の他態様として、気体供給源としてのコンプレッサを備え、ノズルから圧縮空気を放出させることが好ましい。このようにすれば、ノズルから放出された気体(気泡)が被めっき領域に到達し易く、めっき処理に伴って発生した気泡を被めっき領域からより確実に離すことができる。
本発明に係るめっき処理方法は、直流電源の負極端子に対して電気的に接続される導電性の保持具に対し、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を保持させることと、めっき槽に貯留されためっき溶液であって、直流電源の正極端子に対して電気的に接続されたアノード電極を浸積させためっき溶液に対し、被めっき領域をアノード電極側に向けるように、保持具に保持させためっき対象物を浸積させることと、めっき溶液に、めっき対象物を浸積させた状態で、直流電源からアノード電極に電流を流すことと、アノード電極に電流を流した状態で、めっき溶液に浸積されためっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させることとを含み、めっき溶液に対し、めっき対象物を浸積させることには、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向傾斜させた状態で、めっき対象物をめっき溶液に浸積させることを含むことを特徴とする。
上記方法によれば、保持具が直流電源の負極端子に電気的に接続されるため、保持具と該保持具に保持させためっき対象物がカソード電極となる。そして、めっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させることで、ノズルを中心としてめっき槽内のめっき溶液に流れができ、めっき溶液がめっき槽内で撹拌される。これに伴い、めっき槽内においてめっき溶液の濃度の均一化が図られる。そして、アノード電極に電流を流すことで、カソード電極となっためっき対象物の被めっき領域でカソード反応が進行し、めっき層が形成される。これに伴い、被めっき領域上で気泡が発生するが、めっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させるため、ノズルから放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域で発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズルからの気泡の移動によって被めっき領域上にある気泡が誘導され、被めっき領域から離れる。また、アノード電極側を向く被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域上において、めっき層の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域から離れることで、めっき層の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層の表面が平滑面となる。
本発明に係るめっき処理方法の一態様として、めっき溶液に対してめっき対象物を浸積させることには、被めっき領域を横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物をめっき溶液に浸積させることを含むことが好ましい。このようにすれば、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域上の気泡の移動が円滑となる。
本発明に係るめっき処理方法の他態様として、ノズルから気体を放出させることには、ノズルから圧縮空気を放出させることを含むことが好ましい。このようにすれば、気体が勢いよくノズルから放出される。これにより、ノズルから放出された気体(気泡)が被めっき領域に到達し易く、めっき処理に伴って発生した気泡を被めっき領域からより確実に離すことができる。
本発明に係るめっき対象物の保持具は、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を取り付け可能な導電性の取付部と、取付部と電気的に接続されるとともに直流電源の負極端子に電気的に接続される接続部とを備え、めっき槽に貯留されためっき溶液中でめっき対象物をめっき槽内のめっき溶液中に配置されたノズルよりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜した状態で、めっき槽内のめっき溶液に浸積され且つ直流電源の正極端子に電気的に接続されたアノード電極に向くように、めっき対象物を保持可能に構成されることを特徴とする。
上記構成によれば、接続部が直流電源の負極端子に電気的に接続されるため、保持具及びめっき対象物がカソード電極となる。従って、アノード電極に電流を流すことで、カソード電極となっためっき対象物の被めっき領域でカソード反応が進行し、めっき層が形成される。これに伴い、被めっき領域上で気泡が発生するが、めっき槽に貯留されためっき溶液中でめっき対象物をめっき槽内のめっき溶液中に配置されたノズルよりも上方に位置させるため、めっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させることで、ノズルから放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域で発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズルからの気泡の移動によって被めっき領域上にある気泡が誘導され、被めっき領域から離れる。また、アノード電極側を向く被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域上において、めっき層の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域から離れることで、めっき層の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層の表面が平滑面となる。
本発明に係るめっき対象物の保持具の一態様として、めっき槽に貯留されためっき溶液中でめっき対象物をめっき槽内のめっき溶液中に配置されたノズルよりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、上下方向の成分が横方向の成分よりも大きな合成方向に傾斜した状態で、めっき槽内のめっき溶液に浸積され且つ直流電源の正極端子に電気的に接続されたアノード電極に向くように、めっき対象物を保持可能に構成されることが好ましい。このようにすれば、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域上の気泡の移動が円滑となる。
本発明は、必要な厚みのめっき層を得ることができ、該めっき層の外表面に微小な窪みが形成されることを抑制することができるといった優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態に係るめっき処理装置のめっき処理によって得られる製品(部品)であるドクターブレードの断面を含む概略斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るめっき処理装置の概略全体図である。 図3は、同実施形態に係るめっき処理装置における保持具の概略図である。 図4は、同実施形態に係るめっき処理装置でめっき対象物をめっき処理している状態の状態図である。 図5は、本発明の他実施形態に係るめっき処理装置の概略全体図である。 図6は、本発明の別の実施形態に係るめっき処理装置の保持具の概略全体図である。 図7は、本発明の別の実施形態に係るめっき処理装置の概略全体図である。 図8は、本発明の別の実施形態に係るめっき処理装置の概略全体図である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態において、グラビア印刷機が具備するドクターブレードを作製する(母材に、めっき層を形成する)場合を一例に説明する。
まず、めっき処理装置の説明に先立ち、ドクターブレードについて概略説明する。
図1に示す如く、ドクターブレード8は、プレート状の部品であり、グラビア印刷機の有する構造体(図示しない)に固定される固定部80と、固定部80から延出し、版胴Rの外周面(版面RS)に沿って配置される掻き取り部81とを備える。
具体的には、ドクターブレード8は、第一方向に第一面と該第一面の反対側の第二面とを有する導電性のブレード本体部(母材)82であって、第一方向と直交する方向に基端部E1と該基端部E1の反対側の先端部E2とを有するブレード本体部82と、版胴Rの版面RS側を向くブレード本体部82の第一面を覆うめっき層83とを備える。
これにより、この種のドクターブレード8では、ブレード本体部82の基端部E1がグラビア印刷機の構造体に固定される固定部80となり、ブレード本体部82の先端部E2のめっき層83に覆われた部分が掻き取り部81となる。
従って、本実施形態では、ブレード本体部82がめっき対象物とされ、該ブレード本体部82における先端部E2の第一面がめっき処理の対象となる被めっき領域Aとされる。これに伴い、めっき処理する前に、ブレード本体部82の第一面のうちの先端部E2以外の領域がマスキング処理された上で、被めっき領域Aとしての先端部E2の第一面に対してめっき処理が施されることで、ブレード本体部82の先端部E2の第一面上に、めっき層83が形成される。
図2に示す如く、めっき処理装置1は、正極端子20及び負極端子21を有する直流電源2と、めっき溶液Lを貯留可能なめっき槽3と、少なくとも外表面の一部を被めっき領域Aとされるブレード本体部82を保持可能に構成されるとともに、ブレード本体部82をめっき溶液Lに浸積させた状態で維持可能に構成される導電性の保持具4であって、直流電源2の負極端子21に電気的に接続される保持具4と、直流電源2の正極端子20に電気的に接続されるアノード電極5であって、ブレード本体部82の被めっき領域Aと向き合うように、めっき槽3内のめっき溶液Lに浸積されるアノード電極5と、気体供給源に接続された状態でめっき槽3内に配置されたノズル6であって、めっき槽3内に配置されたブレード本体部82よりも下方側に位置するノズル6とを備える。本実施形態において、めっき処理装置1は、気体供給源としてのコンプレッサ7を備える。
本実施形態に係るめっき処理装置1において、直流電源2は、所定の電流密度で電流を流せるように構成される。
本実施形態に係るめっき処理装置1は、バッチによってめっき処理を行う。めっき槽3は、めっき溶液Lを貯留可能に構成される。また、めっき槽3は、めっき溶液Lを出し入れ可能に構成される。本実施形態において、めっき槽3は、上方に向けて開放した開放部30であって、ブレード本体部82(ドクターブレード8)及び保持具4を出し入れ可能な開放部30を有する。
本実施形態において、被めっき領域Aを被覆するめっき層83は、三価クロムである。これに伴い、めっき溶液Lは、例えば、クロム源として塩化クロムあるいは硫酸クロム塩を80〜110g/L、錯化剤としてギ酸塩やリンゴ酸塩を10〜80g/L、pH緩衝剤としてホウ酸を40〜60g/L、導電剤として塩化アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アトリウム等を50〜150g/Lの範囲で調整し、界面活性剤を微量添加されたものを採用し得る。
保持具4は、被めっき領域Aを上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、ブレード本体部82を保持可能に構成される。
より具体的には、図2及び図3に示す如く、保持具4は、ブレード本体部82を取り付け可能な導電性の取付部40と、取付部40と電気的に接続されるとともに直流電源2の負極端子21に電気的に接続される導電性の接続部41とを備える。本実施形態において、保持具4は、取付部40と接続部41とを繋ぐ導電性の連結部42を備える。
本実施形態において、取付部40は、ブレード本体部82をネジ止めによって取り付け可能に構成される。より具体的には、取付部40は、本体部の基端部E1を重ね合わせ可能にプレート状に形成される。
本実施形態において、取付部40は、ネジ締結によってブレード本体部82の基端部E1を固定するようになっている。図3に示す如く、取付部40における少なくともブレード本体部82の基端部E1を重ね合わせる面(以下、取付面という)400は、上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜している。すなわち、取付面400は、上下方向に広がる仮想面に対して傾斜している。
本実施形態において、取付面400は、上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜している。これにより、取付部40に取り付けられたブレード本体部82の被めっき領域Aも、取付面400の傾斜に対応した姿勢になるようになっている。すなわち、本実施形態の保持具4は、被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜した姿勢となるように、ブレード本体部82を保持する。本実施形態において、保持具4は、被めっき領域Aが斜め上方に向くようにブレード本体部82を保持する。
接続部41には、直流電源2の負極端子21に接続された被覆電線Cが接続される。連結部42は、上下方向に延びる連結部本体420と、連結部本体420から横方向に延出し、めっき槽3の上部に掛止可能な被掛止部421とを備える。連結部本体420は、上下方向に延びる少なくとも一つの棒部材(採番しない)を含む。本実施形態において、連結部本体420は、上下方向に延びる複数の棒部材であって、横方向(被掛止部421の延びる方向)に間隔をあけて配置された複数の棒部材を含む。被掛止部421は、連結部本体420の両端から延出している。すなわち、連結部42は、横方向における連結部本体420の両端から延出した一対の被掛止部421を備える。
これにより、保持具4は、図2に示す如く、一対の被掛止部421をめっき槽3の上部に掛止させた状態で、連結部本体420に繋がる取付部40をめっき溶液Lの液面から所定距離はなれた位置で維持させるようになっている。また、保持具4は、ブレード本体部82(被めっき領域A)をめっき槽3の中央に対して該めっき槽3の対向する一対の壁面31のうちの一方の壁面31側にずれた位置で維持させる。
さらに、本実施形態において、連結部本体420が上下方向に延びる棒部材を含むことで、保持具4は、棒部材の両側においてめっき溶液Lの流通を許容している。
アノード電極5には、直流電源2の正極端子20に接続された被覆電線Cが接続される。すなわち、アノード電極5は、直流電源2を介してカソード電極(保持具4及びブレード本体部82)に対して電気的に繋がる。アノード電極5は、めっき槽3に、めっき溶液Lが貯留された状態において、めっき溶液Lの液面よりも下方に位置するように、めっき槽3内に配置される。アノード電極5は、保持具4に保持されたブレード本体部82の被めっき領域Aと向き合うにように配置される。本実施形態において、アノード電極5は、めっき槽3の一方の壁面31に沿って配置される。
ノズル6は、めっき槽3の底の略中央部に配置される。ノズル6には、コンプレッサ7に繋がる配管60が接続される。ノズル6は、気体(本実施形態においては、圧縮空気)を放出させる放出口(図示しない)を有する。本実施形態において、ノズル6の放出口は、供給される気体の流量を調整することで、気体を泡状(気泡)にして放出させる。
コンプレッサ7は、モータ70と、該モータ70によって駆動される圧縮ポンプ71と、該圧縮ポンプ71によって送られる気体を貯留するタンク72とを備え、該タンク72に対してノズル6に接続された配管60が接続される。本実施形態において、配管60には、気体の流量を調整するためのバルブ600が介設されている。
本実施形態に係るめっき処理装置1は、以上の通りである。めっき処理装置1を用いて、ブレード本体部82の被めっき領域Aに対してめっき処理が行われる。
具体的には、めっき処理の対象とされるブレード本体部82は、予め前処理される。すなわち、ブレード本体部82は、めっき処理される前に、必要な表面加工が行われ、その後、アルカリ脱脂、水洗、酸洗い、水洗される。本実施形態においては、ブレード本体部82の先端部E2の第一面を被めっき領域Aとするため、ブレード本体部82の第一面における被めっき領域A以外の領域がマスキング材Mによってマスキングされる。
そして、直流電源2の負極端子21に対して電気的に接続される導電性の保持具4に対し、少なくとも外表面の一部を被めっき領域Aとされるブレード本体部82(前処理されたブレード本体部82)を保持させる。
この状態において、保持具4が直流電源2の負極端子21に対して電気的に接続されているため、保持具4及びブレード本体部82は、カソード電極となる。
そして、めっき槽3に貯留されためっき溶液Lであって、直流電源2の正極端子20に対して電気的に接続されたアノード電極5を浸積させためっき溶液Lに対し、被めっき領域Aをアノード電極5側に向けるように、保持具4に保持させたブレード本体部82を浸積させる。
この状態において、被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に沿って傾斜する。本実施形態において、被めっき領域Aは、上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、上下方向の成分が横方向の成分よりも大きな合成方向に沿って傾斜する。
そして、めっき溶液Lにブレード本体部82を浸積させた状態で、直流電源2からアノード電極5に電流を流す。本実施形態において、上記のめっき溶液Lを用いるため、直流電源2は、電流密度3〜10A/dmで電流を流す。これに併せ、図4に示す如く、コンプレッサ7から圧縮空気を供給し、めっき溶液Lに浸積されたブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から空気を放出させる。本実施形態において、ノズル6から大量の気泡が放出される。
そうすると、大量の気泡は浮力によってめっき溶液Lの液面側に浮き上がるのに併せ、継続的にノズル6から気泡が放出される。これにより、ノズル6を中心としてめっき槽3内のめっき溶液Lに流れができ、この流れに従うように気泡が流動する。これによって、めっき溶液Lがめっき槽3内で撹拌される。これに伴い、めっき槽3内においてめっき溶液Lの濃度の均一化が図られる。
そして、上述の如くアノード電極5に電流を流すことで、カソード電極となったブレード本体部82のうち、マスキング材Mのない被めっき領域Aでカソード反応が進行する。これに伴い、被めっき領域Aにクロムイオンが析出し、めっき層83が形成される。このとき、被めっき領域A上で気泡(例えば、水素)が発生し、該被めっき領域Aに気泡が付着する。
この状態で放置すれば、被めっき領域A上にある気泡がめっき層83の成長を妨げることになるが、本実施形態において、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から空気を放出させるため、ノズル6から放出させた空気が気泡になって移動するため、その気泡が被めっき領域Aで発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズル6からの気泡の移動によって被めっき領域A上にある気泡が被めっき領域Aの外側に向けて誘導され、被めっき領域Aから離れる。本実施形態において、上述の如く、ノズル6を中心としてめっき槽3内のめっき溶液Lに流れができ、この流れに従うように気泡が流動するため、被めっき領域A上の気泡と結合或いは接触する機会が増える。これによって、被めっき領域Aから発生した気泡が該被めっき領域Aから効率的に離れる。
本実施形態において、アノード電極5側を向く被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域A上の気泡の移動が阻害されない。特に、本実施形態において、アノード電極5側を向く被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、上下方向の成分が横方向の成分よりも大きな合成方向で傾斜しているため、被めっき領域A上の気泡の移動が円滑となる。
これにより、被めっき領域A上において、めっき層83の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層83が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域Aから離れることで、めっき層83の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層83の表面が平滑面となる。
これにより、ブレード本体部82の先端部E2の第一面(被めっき領域A)に、めっき層83が形成され、版胴Rと対向する面が微小な窪みのない平滑面になった掻き取り部81を有するドクターブレード8が完成する。すなわち、上記めっき処理装置1、めっき処理方法、及び保持具4により、版胴Rの版面RSに付着したインクを掻き取る際に、版面RSを汚す原因となるインクの入り込む窪みのない掻き取り部81を有するドクターブレード8が完成する。また、めっき層83が三価クロムとされることで、めっき層83にマイクロクラックが生じることもなく、また、掻き取り部81(めっき層83)が、版胴Rの版面RSとの接触に伴う曲げ作用に対しても耐え得る剛性を有するものとなる。
なお、本実施形態において、上述の如く、三価クロムのめっき層83を形成するため、上記めっき処理(めっき層83を成長させる過程)において、白金、黒鉛、および酸化物電極等の不溶性アノードを使用する必要がある。この場合、めっきの進行に伴い、めっき溶液Lのクロムイオン(Cr3+イオン)が消費されて減少するため、クロムイオンの補給が必要になる。これに伴い、本実施形態において、めっき溶液Lを貯留しためっき槽3(三価クロムめっき浴)に電解析出により消費されたクロムイオンを補給するにあたり、例えば粒状である金属クロムの表面を酸(具体的には塩酸あるいは硫酸)で一部溶解させることで表面の酸化膜を溶解させる。
その後、酸(具体的には硫酸)で洗浄することで前記溶解させた酸化膜を金属クロムから除去する処理を行う。その上で前記処理後の清浄な金属クロムをめっき溶液Lに投入することで、めっき溶液Lにクロムイオンを補給する。
このクロムイオンの補給は、例えば、80℃に加熱した20%塩酸あるいは20%硫酸に金属クロムを投入し、気泡が発生した時点で金属クロムを取り出し、2%硫酸で洗浄した後、めっき溶液Lを貯留しためっき槽3(三価クロムめっき浴)に投入する。これにより、酸化膜の除去された金属クロムがめっき溶液Lを貯留しためっき槽3内(三価クロムめっき浴中)で溶解されるので、不純物を混入させることなく、かつ、速やかにクロムイオンを補給できる。
以上のように、本実施形態に係るめっき処理装置1は、正極端子20及び負極端子21を有する直流電源2と、めっき溶液Lを貯留可能なめっき槽3と、少なくとも外表面の一部を被めっき領域Aとされるブレード本体部82を保持可能に構成されるとともに、ブレード本体部82をめっき溶液Lに浸積させた状態で維持可能に構成される導電性の保持具4であって、直流電源2の負極端子21に電気的に接続される保持具4と、直流電源2の正極端子20に電気的に接続されるアノード電極5であって、ブレード本体部82の被めっき領域Aと向き合うように、めっき槽3内のめっき溶液Lに浸積されるアノード電極5と、気体供給源に接続された状態でめっき槽3内に配置されたノズル6であって、めっき槽3内に配置されたブレード本体部82よりも下方側に位置するノズル6とを備え、保持具4は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、ブレード本体部82を保持する。
上記構成によれば、保持具4が直流電源2の負極端子21に電気的に接続されるため、保持具4及びブレード本体部82がカソード電極となる。そして、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させることで、ノズル6を中心としてめっき槽3内のめっき溶液Lに流れができ、めっき溶液Lがめっき槽3内で撹拌される。これに伴い、めっき槽3内においてめっき溶液Lの濃度の均一化が図られる。そして、上述の如くアノード電極5に電流を流すことで、カソード電極となったブレード本体部82の被めっき領域Aでカソード反応が進行し、めっき層83が形成される。これに伴い、被めっき領域A上で気泡が発生するが、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させるため、ノズル6から放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域Aで発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズル6からの気泡の移動によって被めっき領域A上にある気泡が誘導され、被めっき領域Aから離れる。また、アノード電極5側を向く被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域A上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域A上において、めっき層83の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層83が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域Aから離れることで、めっき層83の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層83の表面が平滑面となる。
特に、本実施形態において、保持具4は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、ブレード本体部82を保持するようにしているため、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域A上の気泡の移動が円滑となる。
また、本実施形態において、めっき処理装置1は、気体供給源としてのコンプレッサ7を備え、ノズル6から圧縮空気を放出させるため、気体が勢いよくノズル6から放出されるため、ノズル6から放出された気体(気泡)が被めっき領域Aに到達し易く、めっき処理に伴って発生した気泡を被めっき領域Aからより確実に離すことができる。
本実施形態に係るめっき処理方法は、直流電源2の負極端子21に対して電気的に接続される導電性の保持具4に対し、少なくとも外表面の一部を被めっき領域Aとされるブレード本体部82を保持させることと、めっき槽3に貯留されためっき溶液Lであって、直流電源2の正極端子20に対して電気的に接続されたアノード電極5を浸積させためっき溶液Lに対し、被めっき領域Aをアノード電極5側に向けるように、保持具4に保持させたブレード本体部82を浸積させることと、めっき溶液Lにブレード本体部82を浸積させた状態で、直流電源2からアノード電極5に電流を流すことと、アノード電極5に電流を流した状態で、めっき溶液Lに浸積されたブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させることとを含み、めっき溶液Lに対し、ブレード本体部82を浸積させることには、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向傾斜させた状態で、ブレード本体部82をめっき溶液Lに浸積させることを含む。
上記方法によれば、保持具4が直流電源2の負極端子21に電気的に接続されるため、保持具4と該保持具4に保持させたブレード本体部82がカソード電極となる。そして、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させることで、ノズル6を中心としてめっき槽3内のめっき溶液Lに流れができ、めっき溶液Lがめっき槽3内で撹拌される。これに伴い、めっき槽3内においてめっき溶液Lの濃度の均一化が図られる。そして、上述の如くアノード電極5に電流を流すことで、カソード電極となったブレード本体部82の被めっき領域Aでカソード反応が進行し、めっき層83が形成される。これに伴い、被めっき領域A上で気泡が発生するが、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させるため、ノズル6から放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域Aで発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズル6からの気泡の移動によって被めっき領域A上にある気泡が誘導され、被めっき領域Aから離れる。また、アノード電極5側を向く被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域A上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域A上において、めっき層83の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層83が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域Aから離れることで、めっき層83の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層83の表面が平滑面となる。
本実施形態において、めっき溶液Lに対してブレード本体部82を浸積させることには、被めっき領域Aを横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、ブレード本体部82をめっき溶液Lに浸積させることを含むため、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域A上の気泡の移動が円滑となる。
特に、本実施形態において、ノズル6から気体を放出させることには、ノズル6から圧縮空気を放出させることを含むため、気体が勢いよくノズル6から放出される。これにより、ノズル6から放出された気体(気泡)が被めっき領域Aに到達し易く、めっき処理に伴って発生した気泡を被めっき領域Aからより確実に離すことができる。
本実施形態において、ブレード本体部82の保持具4は、少なくとも外表面の一部を被めっき領域Aとされるブレード本体部82を取り付け可能な導電性の取付部40と、取付部40と電気的に接続されるとともに直流電源2の負極端子21に電気的に接続される接続部41とを備え、めっき槽3に貯留されためっき溶液L中でブレード本体部82をめっき槽3内のめっき溶液L中に配置されたノズル6よりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜した状態で、めっき槽3内のめっき溶液Lに浸積され且つ直流電源2の正極端子20に電気的に接続されたアノード電極5に向くように、ブレード本体部82を保持可能に構成される。
上記構成によれば、接続部41が直流電源2の負極端子21に電気的に接続されるため、保持具4及びブレード本体部82がカソード電極となる。従って、アノード電極5に電流を流すことで、カソード電極となったブレード本体部82の被めっき領域Aでカソード反応が進行し、めっき層83が形成される。これに伴い、被めっき領域A上で気泡が発生するが、めっき槽3に貯留されためっき溶液L中でブレード本体部82をめっき槽3内のめっき溶液L中に配置されたノズル6よりも上方に位置させるため、ブレード本体部82よりも下方に配置されたノズル6から気体を放出させることで、ノズル6から放出させた気体(気泡)が移動し、被めっき領域Aで発生した気泡と結合或いは接触する。これに伴い、ノズル6からの気泡の移動によって被めっき領域A上にある気泡が誘導され、被めっき領域Aから離れる。また、アノード電極5側を向く被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向で傾斜しているため、被めっき領域A上の気泡の移動が阻害される(例えば、気泡が集まって溜まる)ことがない。
これにより、被めっき領域A上において、めっき層83の形成が阻害されることがなく、厚肉のめっき層83が形成される。また、発生する気泡が被めっき領域Aから離れることで、めっき層83の表面に気泡の存在によって形成される窪みが出来にくく、或いは出来なくなるため、めっき層83の表面が平滑面となる。
本実施形態において、ブレード本体部82の保持具4は、めっき槽3に貯留されためっき溶液L中でブレード本体部82をめっき槽3内のめっき溶液L中に配置されたノズル6よりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域Aが上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、上下方向の成分が横方向の成分よりも大きな合成方向に傾斜した状態で、めっき槽3内のめっき溶液Lに浸積され且つ直流電源2の正極端子20に電気的に接続されたアノード電極5に向くように、ブレード本体部82を保持可能に構成されるため、気泡が自身の浮力で浮き上がり易くなり、被めっき領域A上の気泡の移動が円滑となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、ノズル6が配管60を介してコンプレッサ7に接続され、ノズル6から圧縮空気を放出させるようにしたが、これに限定されない。例えば、ノズル6が配管60を介して圧縮空気を貯留した圧力容器に接続され、該圧力容器から供給される圧縮空気をノズル6から放出させてもよい。また、ノズル6から放出させる気体は、空気(圧縮空気)に限定されるものではなく、被めっき領域Aに対するめっき層83の形成を妨げない気体(例えば、不活性ガスである窒素)であってもよい。
上記実施形態において、被めっき領域Aに三価クロムのめっき層83を形成する場合を一例に説明したが、これに限定されるものではなく、電解めっきを対象とすれば、他の金属によってめっき層83を形成しても勿論よい。
上記実施形態において、ドクターブレード8の作製(めっき対象物としてのブレード本体部82の被めっき領域Aをめっき層83で被覆すること)を対象に説明したが、これに限定されるものではなく、その他の機器の部品や物品であってもよい。また、めっき対象物82は、プレート状のものに限定されるものではなく、例えば、ブロック状のものや棒状のものであっても勿論よい。
上記実施形態において、被めっき領域Aを斜め上方に向けたがこれに限定されない。例えば、図5に示す如く、被めっき領域Aは、アノード電極5側に向くことを前提に、斜め下方に向けられてもよい。このようにしても、上記実施形態と同様に、被めっき領域Aに付着した気泡を取り除くことができる。
上実施形態において、ノズル6がめっき槽3の底の略中央部に配置されるのに対し、保持具4(めっき対象物82)がめっき槽3の中央からずれた位置に配置されたが、これに限定されない。例えば、ノズル6と保持具4(めっき対象物82)との配置が上下方向から見て一致又は略一致していてもよい。
上記実施形態において、保持具4の取付部40が連結部42に対して一定の姿勢で維持するように構成されたが、これに限定されない。例えば、図6に示す如く、取付部40は、連結部42に対して回転可能に連結され、傾斜角度を変更可能に構成されてもよい。このようにすれば、めっき対象物82の被めっき領域Aの傾斜角度を必要に応じて変更することができる。
上記実施形態において、めっき処理をバッチで行うことを前提としたが、例えば、めっき対象物82を連続的に、めっき処理するようにしてもよい。この場合、図7及び図8に示す如く、めっき処理装置1は、複数の保持具4と、各保持具4に対応したアノード電極5を備え、各保持具4に、めっき対象物82を保持させた状態で、保持具4とアノード電極5とを対にして、めっき槽3内のめっき溶液L中で移動させるように構成される。
この場合においても、保持具4は、被めっき領域Aをアノード電極5に向け且つ該被めっき領域Aを上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物82を保持することは勿論である。
なお、この場合、めっき対象物82が移動するため、各めっき対象物82(被めっき領域A)の気泡にノズル6からの気体を接触又は結合させるべく、めっき対象物82の移動範囲で気泡を供給できるように、複数のノズル6を備えることが好ましい。また、対となる保持具4とアノード電極5のうちの何れか一方を先頭にして移動させればよい。
このように、保持具4(めっき対象物82)をめっき溶液L中で移動させることにより、上記実施形態と同様に、ノズル6からの気体が被めっき領域A上にある気泡と接触する機会が増えるだけでなく、めっき対象物82の移動に伴うめっき溶液Lに流れ等によっても、めっき処理に伴って発生する気泡を被めっき領域A上から離すことができる。
すなわち、図7に示す如く、被めっき領域A側(アノード電極5側)を先頭に移動させると、被めっき領域Aがめっき溶液Lを押し退けるように移動することになり、このめっき溶液Lの押し退けに伴って発生する流れによって、被めっき領域A上にある気泡が該被めっき領域Aから離れる。これに対し、図8に示す如く、被めっき領域A側(アノード電極5側)とは反対側を先頭に移動させると、移動するめっき対象物82によって押し退けられためっき溶液Lが被めっき領域A側に巻き込まれるように流れるため、この流れによって、被めっき領域A上にある気泡が該被めっき領域Aから離れる。
従って、これらの態様においては、保持具4によって被めっき領域Aを傾斜させることと、保持具4(めっき対象物82)8の移動との相乗効果により、外表面が平滑で且つ厚肉のめっき層83をより確実に形成することができる。
なお、図7及び図8において、めっき対象物82とアノード電極5との対毎に直流電源2が設置されているが、これに限定されない。単一の直流電源2から複数の対(めっき対象物82、アノード電極5)に電力供給するようにしてもよい。
1…めっき処理装置、2…直流電源、3…めっき槽、4…保持具、5…アノード電極、6…ノズル、7…コンプレッサ、8…ドクターブレード、20…正極端子、21…負極端子、30…開放部、31…壁面、40…取付部、41…接続部、42…連結部、60…配管、70…モータ、71…圧縮ポンプ、72…タンク、80…固定部、81…掻き取り部、82…ブレード本体部(めっき対象物)、83…めっき層、400…取付面、420…連結部本体、421…被掛止部、600…バルブ、A…被めっき領域、C…被覆電線、E1…基端部、E2…先端部、L…溶液、M…マスキング材

Claims (8)

  1. 正極端子及び負極端子を有する直流電源と、めっき溶液を貯留可能なめっき槽と、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を保持可能に構成されるとともに、めっき対象物をめっき溶液に浸積させた状態で維持可能に構成される導電性の保持具であって、直流電源の負極端子に電気的に接続される保持具と、直流電源の正極端子に電気的に接続されるアノード電極であって、めっき対象物の被めっき領域と向き合うように、めっき槽内のめっき溶液に浸積されるアノード電極と、気体供給源に接続された状態でめっき槽内に配置されたノズルであって、めっき槽内に配置されためっき対象物よりも下方側に位置するノズルとを備え、保持具は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物を保持することを特徴とするめっき処理装置。
  2. 保持具は、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物を保持する請求項1に記載のめっき処理装置。
  3. 気体供給源としてのコンプレッサを備え、ノズルから圧縮空気を放出させる請求項1又は2に記載のめっき処理装置。
  4. 直流電源の負極端子に対して電気的に接続される導電性の保持具に対し、少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を保持させることと、めっき槽に貯留されためっき溶液であって、直流電源の正極端子に対して電気的に接続されたアノード電極を浸積させためっき溶液に対し、被めっき領域をアノード電極側に向けるように、保持具に保持させためっき対象物を浸積させることと、めっき溶液に、めっき対象物を浸積させた状態で、直流電源からアノード電極に電流を流すことと、アノード電極に電流を流した状態で、めっき溶液に浸積されためっき対象物よりも下方に配置されたノズルから気体を放出させることとを含み、めっき溶液に対し、めっき対象物を浸積させることには、被めっき領域を上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向傾斜させた状態で、めっき対象物をめっき溶液に浸積させることを含むことを特徴とするめっき処理方法。
  5. めっき溶液に対してめっき対象物を浸積させることには、被めっき領域を横方向の成分よりも上下方向の成分の方が大きい合成方向に傾斜させた状態で、めっき対象物をめっき溶液に浸積させることを含む請求項4に記載のめっき処理方法。
  6. ノズルから気体を放出させることには、ノズルから圧縮空気を放出させることを含む請求項4又は5に記載のめっき処理方法。
  7. 少なくとも外表面の一部を被めっき領域とされるめっき対象物を取り付け可能な導電性の取付部と、取付部と電気的に接続されるとともに直流電源の負極端子に電気的に接続される接続部とを備え、めっき槽に貯留されためっき溶液中でめっき対象物をめっき槽内のめっき溶液中に配置されたノズルよりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向に傾斜した状態で、めっき槽内のめっき溶液に浸積され且つ直流電源の正極端子に電気的に接続されたアノード電極に向くように、めっき対象物を保持可能に構成されることを特徴とするめっき対象物の保持具。
  8. めっき槽に貯留されためっき溶液中でめっき対象物をめっき槽内のめっき溶液中に配置されたノズルよりも上方に位置させ、且つ、被めっき領域が上下方向の成分及び横方向の成分を含む合成方向であって、上下方向の成分が横方向の成分よりも大きな合成方向に傾斜した状態で、めっき槽内のめっき溶液に浸積され且つ直流電源の正極端子に電気的に接続されたアノード電極に向くように、めっき対象物を保持可能に構成される請求項7に記載のめっき対象物の保持具。
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