JP2019043900A - ラクツロースを有効成分とする便秘症治療剤 - Google Patents

ラクツロースを有効成分とする便秘症治療剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ラクツロースを有効成分として含有し、日本人に最適化した便秘症治療剤として、ラクツロースの用法及び用量が最適化された医薬を提供することである。【解決手段】ラクツロースを含有する便秘症治療剤であって、日本人の便秘症患者に1日あたりラクツロースとして22.5〜29.5gを2回に分けて経口投与されるように用いられることを特徴とする医薬。【選択図】 なし

Description

本発明は医薬に関するもので、具体的には、ラクツロースを有効成分とする便秘症治療剤の用法用量に関するものである。
健常人は、毎日1日1回の排便があるとされているが、食生活の多様化もあり個人差が非常に大きい。たとえ毎日排便があっても排便困難又は残便感等を伴う場合、及び排便間隔が3日以上の場合、一般的に便秘と定義される。その症状は、排便が困難となるだけではなく、腹痛、腹部膨満感、食欲不振、肌荒れ、肩こり等の全身症状を伴うことが多い。
便秘は、大腸の形態的変化を伴う器質性便秘と大腸の形態的変化を伴わない機能性便秘とに大別される。前者は、腸の疾患(腸閉塞、大腸がん、腹膜炎等)により起こるもので、後者は、環境の変化により起こる急性便秘、腸の働きが弱まることで起こる弛緩性便秘、直腸に便が達しても排便運動が活発化しない直腸性便秘を含む慢性便秘に分類される。便秘は、年齢性別に関係なく誰にでも起こる可能性があるが、弛緩性便秘は高齢者や女性に多く、直腸性便秘は高齢者や長期臥床者のほか、職業柄排便を我慢する人に多い。
便秘の予防又は治療には、適度な運動をしたり、食生活を見直したりするほか、下剤を服用する方法が用いられている。下剤には、塩類下剤、膨張性下剤、湿潤性下剤、刺激性下剤、糖類下剤が知られている。塩類下剤は高塩血症(例えば、高Mg血症)となる恐れがあったり、刺激性下剤は長期に亘る服用により効果が弱くなったりするため、長期間の服用には適していない。
糖類下剤に分類されるラクツロースは、ガラクトースとフルクトースから成る二糖類である。服用すると、ヒトの体内にはラクツロースを分解する酵素が存在しないため、ほとんど消化吸収されることなく大腸に到達する。大腸は水分を吸収する器官であるが、ラクツロースが存在すると、周辺組織から水分を取り込み、便を柔らかくすると共に蠕動運動を活発化させる。
欧米では、ラクツロースを便秘症治療剤として実際に使用されている(非特許文献1〜2)。本邦においても、ラクツロースを有効成分として含有する医薬は使用されている(非特許文献3)が、成人に対する便秘症を効能又は効果として承認を受けていない。一方で、ラクツロースの便秘症に対する効果についての報告もあるが、対象とした人種が特定されておらず、用法用量を最適化すべく検討されたものはない(非特許文献4〜7)。
ラクツロースの下剤としての効果は、服用量に依存すると考えられる。しかしながら、少なすぎると効果がなく、多すぎると消化器症状(下痢等)の副作用が頻発するようになる。種々の医薬の用法及び用量を欧米と日本とで比較すると、同一の有効成分であるにもかかわらず日本の至適用量の方が低いことが多い。このように医薬の至適用量は、人種間による差が大きく、実際に臨床試験を実施しない限り欧米人の至適用量を日本人の至適用量に直ちに読み替えることはできない。
以上のように、ラクツロースを下剤として日本人に使用するための、最適化された用法用量及び長期間に亘り副作用のない安全領域については知られていない。医療現場からは、副作用が少なく、長期間の服用にも適した便秘症治療剤として、ラクツロースを開発することが求められている。
KRISTALOSE(登録商標)添付文書 Duphalac(登録商標)添付文書 ラグノス(登録商標)ゼリー添付文書 木村好秀, 産科と婦人科, 42(6), 885-890 (1975). 岩田裕吉他, 薬物療法, 8(8), 2697-2700 (1975). 今泉健二郎, 薬物療法, 8(8), 2701-2703 (1975). 坂上進, 診断と治療, 63(5), 877-880 (1975).
ラクツロースは下剤として知られているが、その用法及び用量は欧米人のものである。本発明は、ラクツロースを有効成分として含有し、欧米人とは体格、食生活が大きく異なる日本人に最適化した便秘症治療剤として、ラクツロースの用法及び用量が最適化された医薬の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、服用性、有効性及び安全性(副作用軽減)の観点から、日本人の便秘症患者が1日あたり22.5〜29.5gのラクツロースを2回に分けて服用することが好ましいことを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明の主な構成は次のとおりである。
[1]ラクツロースを含有する便秘症治療剤であって、ヒトに1日あたりラクツロースとして22.5〜29.5gを2回に分けて経口投与されるように用いられることを特徴とする医薬。
[2]前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量22.5〜29.5gが維持用量である、[1]に記載の医薬。
[3]前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量が24〜28gである、[1]又は[2]に記載の医薬。
[4]前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量が25〜27gである、[1]又は[2]に記載の医薬。
[5]前記2回に分けての経口投与が朝及び夜である、[1]〜[4]に記載の医薬。
[6]前記便秘症が機能性便秘である、[1]〜[5]に記載の医薬。
[7]前記医薬の投与対象が日本人である、[1]〜[6]のいずれかに記載の医薬。
[8]前記医薬がゼリー剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の医薬。
[9]前記医薬がシロップ剤である、[1]〜[7]のいずれかに記載の医薬。
本発明に拠れば、ラクツロースを有効成分として含有する便秘症治療剤であって、有効性と安全性(副作用軽減)を併せ持ち、日本人の便秘症患者に対して服薬コンプライアンス/アドヒアランスに優れた医薬を提供することができる。
以下に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の医薬の有効成分は、ラクツロースである。前記ラクツロースは、日局ラクツロースのほかに、ガラクトース及びラクトースをほとんど含まない結晶ラクツロースを使用することができる。ガラクトース及びラクトースをほとんど含まない結晶ラクツロースを用いた場合には、糖尿病患者にも広く使用することができると考えられるため、より好ましい。
消化を受けずに大腸に到達したラクツロースは、周辺組織から水分を取り込んで便を軟化させる。軟化の程度は、ラクツロースの服用量に依存する。服用量が少ない場合は、便の軟化が足りず排便には至らない。一方、服用量が多い場合には、便の軟化が亢進しすぎて消化器症状の副作用(下痢等)として表れる。便秘症治療剤として薬効を発現しつつ、副作用を回避するためには、日本人の便秘症患者がラクツロースを1日あたり22.5〜29.5g服用することが好ましく、24〜28gが更に好ましく、25〜27gが最も好ましい。34gを超える量を服用する場合には、副作用の発現頻度が高くなり好ましくない。
本発明において、副作用とは、下痢、腹痛、腹部膨満等の胃腸障害を示す。また、前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量は、投与初期のみに適用される初期用量だけではなく、継続的に使用される維持用量でもある。
日本人の便秘症患者が1日あたり22.5〜29.5gのラクツロースを服用するに際しては、ラクツロースが食事の影響を受けないことから、起床後或いは就寝前、食事とともに、食前或いは食後のいずれを選択することも可能である。
1日1回の服用では1回の服用量が多くなるため、甘味と高容量による服用コンプライアンス/アドヒアランスの低下につながるため好ましくない。また、1日3回以上の服用では、1回の服用量が少なくなるため、排便までの時間が長くなり、予期せぬ状況若しくは睡眠中に便意を感じること、携帯の煩わしさ、服薬を忘れること等から、服用コンプライアンス/アドヒアランスの低下につながるため好ましくない。
1回の服用量と服薬から排便にまで要する時間とを考慮すると、1日2回に分けて服用することが好ましい。1日2回服用する時間帯は特に限定されるものではないが、この服用量の場合、朝の服用分が夕方に効果を示し、夜の服用分が明朝効果を示すという好適なタイミングとなるため、朝と夜の2回の服用が特に好ましい。夜とは、夕食後から就寝前が好ましい。
本発明の医薬は、小児(15歳以下)を除いた日本人の機能性便秘症患者に最適化されており、その範囲において、年齢及び性別は問わない。本発明の医薬が対象とする機能性便秘とは、一過性便秘と習慣性便秘を指す。
一過性便秘とは、大腸の蠕動運動が鈍り一時的に起こる便秘のことである。その原因としては、食物繊維の少ない食事の摂取、生活環境の変化によるストレス、食事量の減少等が挙げられる。
習慣性便秘とは、弛緩性便秘、痙攣性便秘及び直腸性便秘を含む。弛緩性便秘とは、大腸の蠕動運動が弱くなることが原因となり、日本人の便秘症患者の占める割合が高く、高齢者や女性に多い。痙攣性便秘とは、大腸の運動が過剰になりすぎて、腸管内が狭くなり便の通りが悪くなることが原因となる。また、直腸性便秘とは、便が直腸に到達しているにもかかわらず便意をもよおさない状態を言い、高齢者や長期臥床者のほか、職業柄排便を我慢する人に多い。
本発明のラクツロースを有効成分とする医薬の剤型は、特に限定されないが、経口液剤、シロップ剤、ゼリー剤、ドライシロップ剤、又は散剤が好ましい。
経口液剤、シロップ剤に使用可能な添加剤は、白糖、精製白糖、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、無水クエン酸、クエン酸水和物、DL−リンゴ酸、D−酒石酸、グルコノ−δ−ラクトン、リン酸、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三水素ナトリウム、乳酸カルシウム水和物、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出生成物、ソーマチン、香料、カラメル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、精製水等が挙げられる。
経口液剤、シロップ剤は、一般的な製法により製造されるが、例えば、水(精製水)等の溶剤に前記有効成分及び添加剤を溶解又は懸濁させ、必要に応じて殺菌した後、指定の容器に充填することにより製造することができる。
ゼリー剤に使用可能な添加剤は、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、カロブビーンガム、カンテン、カンテン末、キサンタンガム、ジェランガム、コハク化ゼラチン、精製ゼラチン、ゼラチン、ペクチン、白糖、精製白糖、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、無水クエン酸、クエン酸水和物、DL−リンゴ酸、D−酒石酸、グルコノ−δ−ラクトン、リン酸、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、L−酒石酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三水素ナトリウム、乳酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出生成物、ソーマチン、香料、カラメル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、精製水等が挙げられる。
ゼリー剤は、一般的な製法により製造されるが、例えば、水(精製水)等の溶剤に前記添加剤のうちゲル化能を有する添加剤を溶解し、前記有効成分及び添加剤を溶解又は懸濁させ、必要に応じて殺菌した後、指定の容器に充填することにより製造することができる。
経口液剤、シロップ剤、ゼリー剤の各組成物中におけるラクツロースの含有量に特に規定はないが、服用しやすい含有量は、製剤全体に対して30〜65質量%であり、35〜65質量%が好ましく、40〜60質量%がより好ましい。30質量%未満の場合は、服用量が多くなり規定量の服用が困難となる。一方、65質量%を超える場合は、飽和溶解度以上となり、製剤化が困難となる。
ドライシロップ剤に使用可能な添加剤は、白糖、精製白糖、乳糖水和物、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトール、マルチトール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポビドン、カルメロースナトリウム、キサンタンガム、軽質無水ケイ酸、無水クエン酸、クエン酸水和物、DL−リンゴ酸、D−酒石酸、グルコノ−δ−ラクトン、リン酸、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三水素ナトリウム、乳酸カルシウム水和物、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出生成物、ソーマチン、香料、カラメル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム等が挙げられる。
ドライシロップ剤は、一般的な製法により製造されるが、例えば、前記有効成分及び添加剤を湿式法或いは乾式法により造粒、整粒し、必要に応じて前記添加剤と混合後、指定の容器に充填することにより製造することができる。ドライシロップ剤組成物中におけるラクツロースの含有量に特に規定はないが、服用しやすい含有量は、製剤全体に対して90〜99質量%であることが好ましく、より好ましくは92〜98質量%である。90質量%未満の場合は、用時溶解するための量が多くなり好ましくない。
散剤に使用可能な添加剤は、白糖、精製白糖、乳糖水和物、エリスリトール、キシリトール、D−ソルビトール、D−マンニトール、マルチトール、軽質無水ケイ酸、無水クエン酸、クエン酸水和物、DL−リンゴ酸、D−酒石酸、グルコノ−δ−ラクトン、リン酸、クエン酸ナトリウム水和物、クエン酸二水素ナトリウム、L−酒石酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三水素ナトリウム、乳酸カルシウム水和物、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウム水和物、スクラロース、ステビアエキス、ステビア抽出生成物、ソーマチン、香料、カラメル等が挙げられる。
散剤は、一般的な製法により製造されるが、例えば、前記有効成分に添加剤を加えて混合後、指定の容器に充填することにより製造することができる。散剤組成物中におけるラクツロースの含有量に特に規定はないが、服用しやすい含有量は、製剤全体に対して90〜100質量%であることが好ましい。90質量%未満の場合は、製剤総量が多くなるため服用する際に必要となる水の量が多くなる。
本発明は、以下の実施例によって、更に詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
[試験例1]
ラクツロース6.5g含有製剤
結晶ラクツロース50gと混合したペクチン8.4gを熱精製水約450mLへ徐々に投入し、撹拌溶解した。次に結晶ラクツロース600gとソルビン酸カリウム0.6gを投入し、薬液の温度が60℃以下の状態でクエン酸水和物6g、クエン酸ナトリウム水和物2gを投入した。精製水でメスアップ後全量を1200gとし、アルミスティックに12g充填して常温まで冷却し製剤とした。
プラセボ製剤
パラオキシ安息香酸プロピル0.168g、パラオキシ安息香酸メチル0.6g、安息香酸ナトリウム1.2g、カロブビーンガム0.6gの混合品を熱精製水約1000mLへ徐々に投入し、撹拌溶解した。次に、予め精製水約130mLにカンテン末7.2gを加えたスラリーを投入し、撹拌溶解した。母液を約60℃まで冷却後、キサンタンガム3.6g、クエン酸水和物0.6g、クエン酸ナトリウム水和物1.8g、安息香酸ナトリウム1.2g、アスパルテーム1.8gの混合品を投入し、撹拌溶解した。次いで、クエン酸水和物4.2gを投入し、精製水でメスアップ後全量を1200gとし、アルミスティックに12g充填して常温まで冷却し製剤とした。
投与群
日本人の20歳〜73歳の機能性便秘症患者(250人;男40人、女210人)を対象にして、ラクツロース低用量群:ラクツロースとして13g/日(63人)、中間用量群:ラクツロースとして26g/日(63人)、高用量群:ラクツロースとして39g/日(62人)、及びプラセボ群(62人)の4群に分け、1日2回に分けて2週間、前記製剤を投与した。このときの有効性及び安全性(表1及び表2)について、プラセボ群を対照として評価した。
試験結果:排便回数
最大の解析対象集団(FAS)を解析対象とした投与第1週目における観察期からの自発排便回数の変化量(Mean±SD)(表1)は、プラセボ群、低用量群、中間用量群、高用量群の順にそれぞれ2.05±2.19回/週、2.17±2.08回/週、3.77±3.08回/週、5.05±5.06回/週であった。観察期の値を共変量とした共分散分析(高用量群→中間用量群→低用量の順に閉手順で実施)において、高用量群及び中間用量群でプラセボ群に対し有意な差が認められた(それぞれp<0.001、p=0.003)。
投与第2週目における自発排便回数の変化量についてもFASを解析対象とした。プラセボ群、低用量群、中間用量群、高用量群でそれぞれ1.99±2.11回/週、2.29±1.63回/週、3.22±2.34回/週、3.97±3.77回/週であり、観察期の値を共変量とした共分散分析(高用量群→中間用量群→低用量の順に閉手順で実施)において、高用量群及び中間用量群で有意な差が認められた(それぞれp<0.001及びp=0.007)。
試験結果:副作用
その際の下痢等の副作用の発現率(表2)は、プラセボ群、低用量群、中間用量群及び高用量群の順に9.7%、3.2%、6.3%及び21.0%であった。副作用の発現率は、プラセボ群に比べ高用量群で発現頻度が高くなる傾向が認められたが、低用量群並びに中間用量群ではプラセボ群との発現頻度に差はなかった。
試験結果:初回自発排便までに要した時間
初回自発排便までに要した時間(表3)の中央値は、プラセボ群、低用量群、中間用量群、高用量群において、それぞれ27.98時間、24.50時間、10.00時間、10.33時間であった。一般化Wilcoxon検定によるプラセボ群と各用量群との比較では、高用量群及び中間用量群に有意な差が認められた(それぞれp<0.001及びp=0.003)。
考察
本試験においては、1日2回の投与しか実施していないが、これだけの試験から非常に多くの情報を得ることができた。すなわち、排便回数のデータから、1回の投与量は、低用量では十分ではなく、中間用量以上が必要であることが分かる。また、副作用の結果から、中間用量が最適であることが分かる。更に、初回自発排便までに要した時間が10時間程度であることから、朝の服用分が夕方に効果を示し、夜の服用分が明朝効果を示すという好適なタイミングとなるため、1日2回の投与が好適であることが分かる。以上の結果より、有効性と安全性(副作用軽減)の観点から、日本人の便秘症患者が1日あたり22.5g〜29.5g、特に26 g/日のラクツロースを1日2回に分けて服用することが好ましいことを見出し、至適用法及び用量を設定することができた。

Claims (9)

  1. ラクツロースを含有する便秘症治療剤であって、ヒトに1日あたりラクツロースとして22.5〜29.5gを2回に分けて経口投与されるように用いられることを特徴とする医薬。
  2. 前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量22.5〜29.5gが維持用量である、請求項1に記載の医薬。
  3. 前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量が24〜28gである、請求項1又は2に記載の医薬。
  4. 前記1日あたりのラクツロースとしての投薬量が25〜27gである、請求項1又は2に記載の医薬。
  5. 前記2回に分けての経口投与が朝及び夜である、請求項1〜4に記載の医薬。
  6. 前記便秘症が機能性便秘である、請求項1〜5に記載の医薬。
  7. 前記ヒトが日本人である、請求項1〜6のいずれかに記載の医薬。
  8. 前記医薬がゼリー剤である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬。
  9. 前記医薬がシロップ剤である、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬。
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