JP2019043109A - インク制限量算出方法およびインク制限量算出プログラム - Google Patents

インク制限量算出方法およびインク制限量算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、インクジェット印刷装置での印刷に関し、ユーザーにインク制限量を考慮させることなく高品質の印刷物の印刷を可能にすることを目的とする。
【解決手段】まず、設定済み印刷条件および調整データに基づいてインク色毎にベタ塗りに相当する1画素当たりのインク量を算出し、その算出したインク量をインク色毎に保持するインク実量テーブルを作成する(ステップS200)。次に、適正インク実量を印刷条件毎に保持した適正インク実量データーベースから設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する(ステップS210)。最後に、インク実量テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計がステップS210で取得された適正インク実量と等しくなるようにインク制限量を算出する(ステップS220)。
【選択図】図11

Description

本発明は、インクジェット印刷装置で印刷が行われる際に使用されるインクの制限量を算出する方法に関し、より詳しくは、印刷データ生成用のICCプロファイルの作成に使用されるカラーチャートを印刷する際のインクの制限量を算出する方法に関する。
従来より、熱や圧力によってインクを基材(印刷用紙など)に吐出することにより印刷を行うインクジェット印刷装置が知られている。このようなインクジェット印刷装置で印刷が行われる際に、例えば印刷品質を高めるために各種の色調整が行われることがある。図16は、インクジェット印刷装置の色調整の手順の一例を示すフローチャートである。この例では、まず、濃度ムラの発生を抑制するために、各ノズルから吐出されるインクの量を調整する処理(シェーディング)が行われる(ステップS900)。次に、中間調を線形化する処理(中間調リニアライズ)が行われる(ステップS910)。次に、ベタ濃度を調整する処理(濃度設定)が行われる(ステップS920)。なお、ステップS910およびステップS920によって、1次色についての濃度が決定される。
次に、ICCプロファイルの作成(ステップS940)の際に指定するインク制限量を確認(決定)する処理が行われる(ステップS930)。なお、本明細書における「インク制限量」とは、印刷の際に使用が許容される1画素当たり(単位面積当たり)の最大のインク量(総インク量)のことを意味する。このインク制限量を表す値として、一般的にはTAC値が用いられている。ところで、カラー印刷を行うインクジェット印刷装置では、典型的には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),およびK(ブラック)の4色のインクを用いて印刷が行われる(以下、上記4色の各々のことをそれら4色の組み合わせで表現される色と区別するために「インク色」という。)。このような典型的なインクジェット印刷装置が採用されている場合、TAC値は、各インク色の最大値を100%として、例えば“220%”というように設定される。このようにTAC値が220%に設定された場合、各画素において4つのインク色の網%の合計値が220%を超えないように印刷が行われる。
上記のようなTAC値がインク制限量を表す値として用いられている場合、ステップS930では、複数のパッチからなる例えば図17に示すような確認チャートが印刷される。図17に示す確認チャートは、5%きざみのTAC値に対応する複数のパッチで構成されている。ステップS930では、このような確認チャート内の各パッチの乾燥性と発色性とに基づいて、インク制限量が決定される。これに関し、通常、水性インクについては乾燥性と発色性とは相反関係にある。従って、充分な乾燥性を満たしつつ最良の発色性を得ることを目標にインク制限量が決定される。以上のようにして、ステップS930によって、2次色以上の色についての濃度が決定される。なお、図17では、便宜上、TAC値の違いをパッチの模様の違いで表しており、実際に印刷される確認チャート内の各パッチに図17に示すような模様が付されているわけではない(図8も同様)。
インク制限量の確認(決定)後、ICCプロファイルの作成が行われる(ステップS940)。ステップS940では、ステップS930で決定されたインク制限量を考慮して複数のカラーパッチからなるカラーチャート(ICCチャート)が印刷され、当該カラーチャート内の各カラーパッチを測色することによって得られる測色データに基づいてICCプロファイルが作成される。以上のようにして、インクジェット印刷装置の色調整が行われる。
ところで、入力階調値とインクの実際の消費量(インク消費量)との関係は、非線形な関係であり、通常、(横軸を入力階調値、縦軸をインク消費量とすると)図18に示すように下に凸のカーブで表される。また、入力階調値とインクの実際の消費量との関係は、インク色毎に異なっている。以上のことから、上述したインク制限量を表す値としてインクの実際の消費量に基づく値を用いることにより色調整が精度良く行われると考えられる。この点に関連して、特開2016−028853号公報には、インクの実際の消費量に基づいてインク量の制限を行う技術が開示されている。
特開2016−028853号公報
ところで、ICCプロファイルの作成後にシェーディングや濃度調整(中間調リニアライズ、濃度設定)が行われた場合、ICCプロファイルの再作成が必要となる。何故ならば、シェーディングや濃度調整は、印刷時のインク使用量に影響を及ぼすからである。例えば、濃度調整の前後において同じインク制限量に基づいてICCプロファイルが作成されたとしても、印刷によって実際に使用されるインク量は濃度調整の前後で異なる。このようなことから、シェーディングや濃度調整が行われた場合には、最適なインク制限量(充分な乾燥性を満たしつつ最良の発色性が得られるインク制限量)も変化するので、ICCプロファイルを再作成するためにインク制限量の確認が必要となる。
しかしながら、インク制限量の確認には、時間を要する上、印刷用紙やインクなどのコストを要する。また、乾燥性や発色性を判断する能力が必要とされるが、当該能力の習得には相当の経験を要する。以上のようなことから、シェーディングや濃度調整が行われる度にインク制限量を確認しているユーザーはごくわずかであり、多くのユーザーはインク制限量に一定の推奨値を使用している。そのため、印刷物に関し、設定されている印刷条件下における最良の印刷品質(充分な乾燥性を満たした上での最良の発色性)が得られていない。
そこで本発明は、インクジェット印刷装置での印刷に関し、ユーザーにインク制限量を考慮させることなく高品質の印刷物の印刷を可能にすることを目的とする。
第1の発明は、ICCプロファイル作成用のカラーチャートをインクジェット印刷装置で印刷する際のインク制限量を算出する方法であって、
設定済み印刷条件およびインクの吐出量に関する調整データに基づいてインク色毎に単位面積当たりのベタ塗りに相当するインク量を算出し、その算出したインク量をインク色毎に保持したインク量保持テーブルを作成するインク量保持テーブル作成工程と、
前記インクジェット印刷装置で好適な印刷を行うための単位面積当たりのインク量の最大値である適正インク実量を印刷条件毎に保持した適正インク実量保持部から前記設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する適正インク実量取得工程と、
前記インク量保持テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計が前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量と等しくなるように前記インク制限量を算出するインク制限量算出工程と
を含むことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記インク制限量算出工程は、
初期値を0とする変数であるJと初期値を前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量とする変数であるZとを用いて、Jに1を加算する処理,Zと前記インク量保持テーブルにおいてJ番目に大きいインク量との差分を算出する処理,およびZに前記差分を代入する処理を、Zが前記インク量保持テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク量以下となるまで繰り返す、第1工程と、
前記インク量保持テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量に対するZの割合Pを算出する第2工程と、
100をJ倍することによって得られる値にPを加算する演算またはそれに相当する演算によって前記インク制限量を算出する第3工程と
を含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記インク制限量算出工程は、
前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量と前記インク量保持テーブルにおいて最も大きいインク量との差分を算出する第1工程と、
前記インク量保持テーブルにおいて2番目に大きいインク量に対する前記第1工程で算出された差分の割合を算出する第2工程と、
前記第2工程で算出された割合に100を加算する演算またはそれに相当する演算によって前記インク制限量を算出する第3工程と
を含むことを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記インク制限量算出工程では、前記インクジェット印刷装置で印刷が行われた際に実際に使用されるインク量を相対的に表す値が前記インク制限量として算出されることを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明において、
前記インク量保持テーブル作成工程では、1つのインク色についてのインク量が、前記インクジェット印刷装置のノズルからインクが吐出される際の複数の液滴サイズのそれぞれの出現率を階調値毎に定めた網テーブルを用いて、ベタ塗りに相当する階調値に前記調整データを用いた変換を施すことによって得られる階調値に応じた各液滴サイズの出現率とそれに対応する液滴量との積の総和を求めることによって算出されることを特徴とする。
第6の発明は、ICCプロファイル作成用のカラーチャートをインクジェット印刷装置で印刷する際のインク制限量を算出するプログラムであって、
設定済み印刷条件およびインクの吐出量に関する調整データに基づいてインク色毎に単位面積当たりのベタ塗りに相当するインク量を算出し、その算出したインク量をインク色毎に保持したインク量保持テーブルを作成するインク量保持テーブル作成ステップと、
前記インクジェット印刷装置で好適な印刷を行うための単位面積当たりのインク量の最大値である適正インク実量を印刷条件毎に保持した適正インク実量保持部から前記設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する適正インク実量取得ステップと、
前記インク量保持テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計が前記適正インク実量取得ステップで取得された適正インク実量と等しくなるように前記インク制限量を算出するインク制限量算出ステップと
をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行することを特徴とする。
上記第1の発明によれば、インク制限量を算出する際、インク色毎にベタ塗りに相当する単位面積当たり(例えば1画素当たり)のインク量を保持したインク量保持テーブルが設定済み印刷条件および調整データに基づいて作成され、また、設定済み印刷条件に応じた適正インク実量(好適な印刷を行うための単位面積当たりのインク量の最大値)が取得される。そして、インク量保持テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計が適正インク実量と等しくなるようにインク制限量が算出される。ここで、「インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分」で印刷が行われた場合のインク量の合計が適正インク実量と等しくされるので、充分な乾燥性が確保される。また、上記合計が「適正インク実量と等しくなるように」インク制限量が算出されるので、最良の発色性を得ることができる。このように、各印刷条件下での最良の品質の印刷物が得られる。また、ICCプロファイル作成用のカラーチャートを作成する際にこのようにしてインク制限量を算出することにより、ICCプロファイルの作成の際にユーザーによるインク制限量の指定が不要となる。すなわち、シェーディングや濃度調整などの色調整が行われた場合に、ユーザーによるインク制限量の確認作業を要することなく、各印刷条件下での最良の品質の印刷物が得られるようなICCプロファイルの作成が可能となる。以上より、インクジェット印刷装置での印刷に関し、ユーザーにインク制限量を考慮させることなく高品質の印刷物の印刷が可能となる。
上記第2の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
上記第3の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
上記第4の発明によれば、インクの実際の使用量に基づいてインク量の制限が行われることになるので、乾燥不良の発生が効果的に抑制される。
上記第5の発明によれば、インク量保持テーブルに保持されるインク量(単位面積当たりのベタ塗りに相当するインク量)が精度良く算出される。
上記第6の発明によれば、上記第1の発明と同様の効果が得られる。
本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。 上記実施形態におけるインクジェット印刷装置の一構成例を示す模式図である。 上記実施形態における印刷制御装置のハードウェア構成図である。 上記実施形態において、印刷用データの生成に用いられるICCプロファイルの作成手順について説明するためのブロック図である。 上記実施形態において、適正インク実量データベースの構成を模式的に示した図である。 上記実施形態において、適正インク実量データベースの作成手順を示すフローチャートである。 従来の乾燥評価の際に使用されるストライプデータの模式図である。 上記実施形態で使用されるインク制限量確認チャートの模式図である。 上記実施形態において、インク実量テーブルの一例を示す図である。 上記実施形態において、網テーブルについて説明するための図である。 上記実施形態におけるインク制限量算出処理の概略手順を示すフローチャートである。 上記実施形態におけるインク制限量算出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。 上記実施形態において、インク制限量算出処理の具体例について説明するためのフローチャートである。 上記実施形態において、インク実量テーブルの一例を示す図である。 上記実施形態の変形例において、インク制限量の算出について説明するための図である。 インクジェット印刷装置の色調整の手順の一例を示すフローチャートである。 従来例で使用される確認チャートの模式図である。 入力階調値とインクの実際の消費量(インク消費量)との関係を示す図である。
<0.はじめに>
以下に記す実施形態では、TAC値に基づいてインク量の制御が行われるのではなく、インクの実際の使用量(消費量)を相対的に表す値に基づいてインク量の制御が行われる。そこで、本明細書では、“TAC値”に代わる用語として、“AIA値”という用語を用いる。AIA値は、1つの画素を1つの色(インク色)のインクでベタ塗りした場合に実際に使用されるインク量を“100”としたときの相対的なインク量を表す。本明細書では、“AIA100”,“AIA140”などの表記を用いる場合もある。“AIA100”はAIA値が“100”であることを表し、“AIA140”はAIA値が“140”であることを表す。“AIA140”に相当する実際のインク量は、“AIA100”に相当する実際のインク量の1.4倍である。以下に記す実施形態では、インク制限量を表す値として、このようなAIA値が用いられる。但し、TAC値に基づいてインク量の制御が行われる場合にも、本発明を適用することができる。
また、以下に記す実施形態に係るインクジェット印刷装置では、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),およびK(ブラック)の4つのインク色が用いられる。AIA値は、1つのインク色に割り当てることのできる最大値を100として複数のインク色に配分することができる。例えば、AIA値が“170”であるときに、「インク色Cに“100”を割り当て、インク色Mに“70”を割り当てる」ということが可能である。これに関し、“AIA70”に相当するインク量をインク色Mに割り当てることを表すために“M70”という表記を用いる。また、AIA値が“170”であるときに、例えば「インク色Cに“90”を割り当て、インク色Mに“50”を割り当て、インク色Yに“20”を割り当て、インク色Kに“10”を割り当てる」ということも可能である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書では、印刷が行われた場合に実際に使用される1画素当たりのインク量のことを「インク実量」という。
<1.印刷システムの全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。この印刷システムは、印刷物を構成する文字や、ロゴ,絵柄,イラスト等の複数種類の部品を用いた編集処理を行うためのクライアントコンピュータ100と、入稿データ(印刷元データ)に対してRIP処理(ラスタライズ処理)などのデータ処理を施すことによって印刷用データを生成する印刷用データ生成装置200と、カラー印刷を実行するインクジェット印刷装置300とによって構成されている。インクジェット印刷装置300は、印刷機本体320とその制御装置である印刷制御装置310とによって構成されている。クライアントコンピュータ100と印刷用データ生成装置200とインクジェット印刷装置300とは、通信回線400によって互いに通信可能に接続されている。
この印刷システムによる印刷は、概略的には次のようにして行われる。まず、クライアントコンピュータ100において、各種部品の編集やレイアウトなどが行われることにより、例えば印刷対象をページ記述言語で記述したページデータが生成される。クライアントコンピュータ100で生成されたページデータは、印刷用データ生成装置200に入稿データとして与えられる。印刷用データ生成装置200では、入稿データに対してRIP処理などのデータ処理が施される。これにより、ビットマップ形式の印刷用データが生成される。印刷用データ生成装置200で生成された印刷用データはインクジェット印刷装置300に送られる。そして、インクジェット印刷装置300は、その印刷用データに基づいて印刷を実行する。
<2.インクジェット印刷装置の構成>
図2は、本実施形態におけるインクジェット印刷装置300の一構成例を示す模式図である。上述したように、このインクジェット印刷装置300は、印刷機本体320とその制御装置である印刷制御装置310とによって構成されている。
印刷機本体320は、印刷用紙等の基材32を供給する巻き出し部31と、基材32を印刷機構内部へと搬送するための第1の駆動ローラ33と、印刷機構内部で基材32を搬送するための複数個の支持ローラ34と、基材32にインクを吐出して印刷を行う印字部35と、印刷後の基材32を乾燥させる乾燥部36と、基材32への印刷の状態を検査する検査部37と、基材32を印刷機構内部から出力するための第2の駆動ローラ38と、印刷後の基材32を巻き取る巻き取り部39とを備えている。
印字部35には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),およびK(ブラック)のインクをそれぞれ吐出するC用インクジェットヘッド35c,M用インクジェットヘッド35m,Y用インクジェットヘッド35y,およびK用インクジェットヘッド35kが含まれている。各インクジェットヘッド35c,35m,35y,および35kは、ピエゾ素子(圧電素子)の駆動によってインクを吐出する多数のノズルを有している。各ノズルからは、目標とするインクの液滴量に応じた波形の電圧がピエゾ素子に与えられることによってインクが吐出される。なお、印刷機構内部には、各インクジェットヘッド35c,35m,35y,および35kに供給するためのインクを溜めておくインクタンク(不図示)も設けられている。
印刷制御装置310は、以上のような構成の印刷機本体320の動作を制御する。印刷制御装置310に印刷出力の指示コマンドが与えられると、印刷制御装置310は、基材32が巻き出し部31から巻き取り部39へと搬送されるよう、印刷機本体320の動作を制御する。そして、基材32の搬送過程において、まず印字部35内の各インクジェットヘッド35c,35m,35y,および35kからのインクの吐出による印字が行われ、次に乾燥部36によって基材32の乾燥が行われ、最後に検査部37によって印刷状態の検査が行われる。
また、本実施形態においては、ユーザーによってシェーディングや濃度調整が行われると、ICCプロファイル作成用のカラーチャートの印刷が行われる際に、インク制限量を算出する処理(インク制限量算出処理)が自動的にこの印刷制御装置310で行われる。なお、インク制限量算出処理についての詳しい説明は後述する。
図3は、本実施形態における印刷制御装置310のハードウェア構成図である。この印刷制御装置310は、CPU311と、ROM312と、RAM313と、補助記憶装置314と、キーボード等の入力操作部315と、表示部316と、ネットワークインタフェース部317とを有している。印刷用データ生成装置200から通信回線400経由で送られてくる印刷用データは、ネットワークインタフェース部317を介して印刷制御装置310の内部へと入力される。インク制限量算出処理を実行するインク制限量算出プログラムPは補助記憶装置314に格納されている。インク制限量算出処理実行の指示コマンドが与えられると、インク制限量算出プログラムPが補助記憶装置314からRAM313へと読み出され、そのRAM313に読み出されたインク制限量算出プログラムPをCPU311が実行する。
<3.ICCプロファイルの作成手順の概略>
図4は、印刷用データの生成に用いられるICCプロファイル62の作成手順について説明するためのブロック図である。なお、図4には、ICCプロファイル62の作成に関連する構成要素のみを示している。印刷制御装置310は、ICCプロファイル62の作成に関連する機能的な構成要素として、インク制限量算出処理部51と適正インク実量データベース52とカラーチャート印刷部53とを有している。インク制限量算出処理部51には、適正インク実量取得部511とインク実量テーブル作成部512とが含まれている。印刷用データ生成装置200は、ICCプロファイル62の作成に関連する機能的な構成要素として、プロファイル作成処理部20を有している。
インク制限量算出処理部51は、ICCプロファイル作成用のカラーチャート(ICCチャート)61をこのインクジェット印刷装置300で印刷する際のインク制限量を算出する。適正インク実量取得部511は、適正インク実量データベース52から設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する。なお、適正インク実量についての説明は後述する。インク実量テーブル作成部512は、設定済み印刷条件に基づいて、後述するインク実量テーブルを作成する。適正インク実量データベース52には、印刷条件毎の適正インク実量が保持されている。カラーチャート印刷部53は、インク制限量算出処理部51によって算出されたインク制限量の下でカラーチャート61が印刷されるよう、印刷機本体320に対して印刷指示のコマンドを出力する。これにより、印刷機本体320によってICCプロファイル作成用のカラーチャート61が印刷される。印刷用データ生成装置200内のプロファイル作成処理部20は、カラーチャート61内の各カラーパッチを測色することによって得られる測色データに基づいてICCプロファイル62を作成する。
<4.適正インク実量データベース>
<4.1 構成>
図5は、適正インク実量データベース52の構成を模式的に示した図である。本実施形態においては、この適正インク実量データベース52によって適正インク実量保持部が実現されている。図5に示すように、適正インク実量データベース52には、基材種類と印刷モードとの組合せ毎に適正インク実量の情報が保持されている。なお、本実施形態においては、基材種類と印刷モードとの1つの組合せによって1つの印刷条件が構成されるものと仮定する。従って、適正インク実量データベース52には、印刷条件毎に適正インク実量の情報が保持されている。
ところで、適正インク実量とは、インクジェット印刷装置300で好適な印刷を行うための1画素当たりのインク量の最大値(4つのインク色のインク量の合計の最大値)のことである。より詳しくは、適正インク実量とは、インクジェット印刷装置300で印刷が行われた場合に充分な乾燥性を満たしつつ最良の発色性が得られる「1画素当たりの実際のインクの使用量(4つのインク色のインク量の合計)」のことである。図5に示す例では、例えば、基材種類が“上質紙”のうちの“EFG”であって、かつ、印刷モードが“標準”である場合には、適正インク実量は245(pl/pixel)である。
<4.2 適正インク実量データベースの作成方法>
本実施形態は、印刷制御装置310内に適正インク実量データベース52が予め保持されていることを前提としている。その適正インク実量データベース52は、典型的には、インクジェット印刷装置300を製造する工場において予め作成される。そこで、以下、適正インク実量データベース52の作成方法について説明する。
図6は、適正インク実量データベース52の作成手順を示すフローチャートである。なお、ここでは、1つの印刷条件(基材種類と印刷モードとの組合せ)に対応する適正インク実量の求め方を説明する。
まず、該当の印刷条件下での乾燥可能なインク制限量が求められる(ステップS100)。乾燥可能なインク制限量は、所定のインク制限量確認チャートを用いた乾燥評価を行うことによって求められる。
ところで、従来の乾燥評価は、TAC値を用いてインク量の制御が行われることが前提となっていた。例えば、140%,160%,180%,200%などの複数の網%のデータで構成されるストライプデータが印刷され、印刷物中の各網%の部分の乾燥状態の確認が行われる。なお、ストライプデータとは、模式的には図7に示すようなデータである。但し、図7では、網%の違いを模様の違いで表している。図7に示す例では、網%が140%,160%,180%,200%であるデータにそれぞれ符号90,91,92,93を付している。このようなストライプデータの印刷物を用いて、例えば「180%までは乾燥良好である」というような判断が行われる。しかしながら、従来の乾燥評価はシェーディングや濃度調整などの色調整の状態が考慮されていないため、「180%までは乾燥良好である」という評価結果に基づきTAC値を「180%」に設定してICCプロファイルの作成が行われても、実際に印刷が実行される際の色調整の状態によっては乾燥不良が生じることや充分な発色性が得られないことがある。
そこで、本実施形態においては、インク実量(印刷が行われた場合に実際に使用される1画素当たりのインク量)を表す値に基づいてインク量の制御が行われること即ちAIA値を用いてインク量の制御が行われることを前提に乾燥評価が行われる。ところで、印刷が行われる際の推奨濃度や好適な乾燥温度は、インクの種類,網・波形,基材種類,印刷モードなどによって変化する。従って、実際には何回ものテストが繰り返された上で、各印刷条件に応じた好適な濃度・乾燥温度が決定される。そして、好適な条件で図8に示すような確認チャート(以下、「インク制限量確認チャート」という。)が印刷されたときの当該インク制限量確認チャート内の各列の乾燥状態に基づいて、乾燥可能なインク制限量の判断が行われる。なお、図8において符号64を付した部分には、各列のAIA値を記している。例えば、“AIA値=160”の列の乾燥状態は不充分であるが“AIA値=140”の列の乾燥状態が良好であれば、乾燥可能なインク制限量はAIA140となる。
乾燥可能なインク制限量が求められた後、図9に示すようなインク実量テーブルが作成される(ステップS110)。インク実量テーブルは、インク色毎に1画素当たりのベタ塗り(網%=100%)に相当するインク量の情報を保持したテーブルである。本実施形態においては、このインク実量テーブルによってインク量保持テーブルが実現されている。なお、インク実量テーブルに保持されるインク実量の値は、印刷条件や色調整の状態に依存する。
ここで、1つのインク色についてのインク実量の求め方を説明する。このインクジェット印刷装置300ではシェーディングや濃度調整などの色調整が行われるが、インクの吐出量を調整するために印刷の際に使用されるデータである調整データが色調整の状態に応じて変化する。なお、調整データは、例えば、インク色毎に入力階調値と出力階調値とが対応付けられたテーブルによって具現される。インク実量を求める際には、まず、そのような調整データを用いて、ベタ塗りに相当するデータに対して階調値の変換が施される。なお、ここでは(適正インク実量データベース52の作成の際には)推奨濃度に対応する調整データが用いられるが、後述するインク制限量算出処理の際には該当のインクジェット印刷装置300での色調整の状態に応じた調整データが用いられる。
また、本実施形態におけるインクジェット印刷装置300では、インク吐出時のドットサイズ(液滴サイズ)として3段階のサイズ(Lサイズ,Mサイズ,Sサイズ)が設けられており、それらLサイズ,Mサイズ,およびSサイズのそれぞれの出現率を階調値毎に定めた網テーブルが用意されている。網テーブルは、模式的には、図10に示すように、横軸,縦軸をそれぞれ階調値,出現率とするグラフによって表される。なお、図10において、太実線はLサイズの特性を表し、太点線はMサイズの特性を表し、細実線はSサイズの特性を表している。各サイズに対応する液滴量は、ピエゾ素子に与えられる電圧の波形によって定まる。そこで、インクジェット印刷装置300には、インクの吐出の際にピエゾ素子(圧電素子)に与えられる電圧の波形情報が保持されている。
本実施形態においては、網テーブルおよび波形情報がそれぞれ予め複数用意されており、使用する網テーブル・波形情報は印刷条件に基づいて決定される。そして、ベタ塗りに相当するデータに対して階調値の変換が施された後のデータに関して、網テーブルに基づいて、ドットサイズ毎の出現率(Sサイズの出現率rS,Mサイズの出現率rM,およびLサイズの出現率rS)が求められる。また、波形情報に基づいて、各ドットサイズに対応する液滴量(Sサイズに対応する液滴量aS,Mサイズに対応する液滴量aM,およびLサイズに対応する液滴量aL)が求められる。その後、次式(1)によって、インク実量yが算出される。
y=aS×rS+aM×rM+aL×rL ・・・(1)
インク実量テーブルの作成後、乾燥可能なインク制限量(ステップS100で得られたインク制限量)の下で、インク実量の合計が最小となるインク色の配分(組合せ)が求められる(ステップS120)。例えば、ステップS100で乾燥可能なインク制限量として“AIA値=140”が得られていて、かつ、ステップS110で図9に示したようなインク実量テーブルが得られている場合、インク実量が最も小さいインク色はYであり、インク実量がYに次いで小さいインク色はKであるので、インク実量の合計が最小となるインク色の配分は“Y100+K40”となる。なお、ステップS120でインク実量の合計が最小となるインク色の配分(組合せ)を求める理由は、乾燥性を厳しく考慮した適正インク実量を得ることによって乾燥不良の発生を効果的に抑制するためである。
次に、インク実量テーブル(図9参照)に基づいて、ステップS120で得られた色配分に対応する各インク色のインク実量が求められる(ステップS130)。上記の例では、Y100に対応するインク実量A(Y100)は次式(2)で算出され、K40に対応するインク実量A(K40)は次式(3)で算出される。
A(Y100)=154×1.00=154 ・・・(2)
A(K40)=158×0.40=63 ・・・(3)
最後に、ステップS130で得られたインク実量の合計値が算出される(ステップS140)。このステップS140で得られた合計値が、該当の印刷条件に対応する適正インク実量となる。上記の例では、適正インク実量は217となる。
以上のようにして、各印刷条件(基材種類と印刷モードとの組合せ)に対応する適正インク実量が求められ、その求められた適正インク実量の値が適正インク実量データベース52の該当テーブルの該当フィールドに書き込まれる。このようにして適正インク実量データベース52が作成される。
<5.インク制限量算出方法>
次に、ICCプロファイル作成用のカラーチャート61をインクジェット印刷装置300で印刷する際のインク制限量を算出する処理(インク制限量算出処理)について説明する。ここでは、まず概略手順について説明し、次に詳細な手順について説明し、最後に具体例について説明する。なお、このインク制限量算出処理は、ICCプロファイル62の作成が行われる際に、ユーザーが意図することなく印刷制御装置310で内部的に実行される。すなわち、ユーザーにとっては、インク制限量算出処理は自動的に行われる。
<5.1 インク制限量算出処理の概略手順>
図11は、本実施形態におけるインク制限量算出処理の概略手順を示すフローチャートである。インク制限量算出処理の開始後、まず、設定済みの印刷条件(基材種類と印刷モードとの組合せ)および上述した調整データに基づいて、インク実量テーブルが作成される(ステップS200)。このステップS200で作成されるインク実量テーブルは、適正インク実量データベース52の作成する際に作成されるインク実量テーブルと同様のフォーマットを有している(図6のステップS110および図9を参照)。但し、インク実量テーブルに保持されるインク実量の具体的な値は、インクジェット印刷装置300での設定済みの印刷条件や調整データ(すなわち、色調整の状態)に応じた値となる。
次に、適正インク実量データベース52(図5参照)から設定済みの印刷条件に応じた適正インク実量が取得される(ステップS210)。その後、インク実量テーブルに基づいて、インク制限量が算出される(ステップS220)。より詳しくは、ステップS220では、ステップS200で作成されたインク実量テーブルに保持されているインク色毎のインク実量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計がステップS210で取得された適正インク実量と等しくなるように、インク制限量が算出される。ここで、「インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分」で印刷が行われた場合のインク量の合計を適正インク実量と等しくする理由は、充分な乾燥性を確保するためである。また、上記合計が「適正インク実量と等しくなるように」インク制限量を算出する理由は、最良の発色性を得るためである。ステップS220でインク制限量が算出されることにより、このインク制限量算出処理は終了する。
なお、ステップS200によってインク量保持テーブル作成工程が実現され、ステップS210によって適正インク実量取得工程が実現され、ステップS220によってインク制限量算出工程が実現されている。
<5.2 インク制限量算出処理の詳細な手順>
図12は、本実施形態におけるインク制限量算出処理の詳細な手順を示すフローチャートである。インク制限量算出処理の開始後、まず、設定済みの印刷条件および調整データに基づいて、インク実量テーブルが作成される(ステップS300)。次に、適正インク実量データベース52から設定済みの印刷条件に応じた適正インク実量が取得される(ステップS310)。
次に、このインク制限量算出処理で使用される変数のうちの変数Jおよび変数Zに対する値の設定が行われる(ステップS320)。具体的には、ステップS320では、変数Jに“0”がセットされ、変数ZにステップS310で取得された適正インク実量がセットされる。次に、変数Jの値に“1”が加算される(ステップS330)。
その後、変数Zの値とステップS300で作成されたインク実量テーブルにおいてJ番目に大きいインク実量との差分が算出される(ステップS340)。そして、ステップS340で得られた差分が変数Zに代入される(ステップS350)。
その後、変数Zの値がインク実量テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量よりも大きいか否かの判定が行われる(ステップS360)。その結果、変数Zの値が該当のインク実量よりも大きければ、処理はステップS330に戻る。一方、変数Zの値が該当のインク実量以下であれば、処理はステップS370に進む。
ステップS370では、インク実量テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量に対する変数Zの値の割合Pが算出される。その後、次式(4)により、インク制限量Rが算出される(ステップS380)。なお、このステップS380で得られるインク制限量RはAIA値である。
R=100×J+P ・・・(4)
ところで、本実施形態においてはAIA値の基準値を“100”としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、AIA値の基準値を“1”とした場合、ステップS380では、次式(5)により、インク制限量Rが算出される。
R=1×J+(P/100) ・・・(5)
このように、ステップS380では、100をJ倍することによって得られる値にPを加算する演算またはそれに相当する演算によってインク制限量Rの算出が行われる。
仮に、ステップS300で図9に示したようなインク実量テーブルが作成され、かつ、ステップS310で取得された適正インク実量の値が350(pl/pixel)であれば、ステップS330〜S360の処理は2回繰り返される。そして、処理がステップS360からステップS370に遷移する際には、変数Jの値は“2”となっていて、変数Zの値は“23”(=350−165−162)となっている。このとき、インク実量テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量は“158”であるので、ステップS370で得られる割合Pは、“158”に対する“23”の割合である“15”となる。また、ステップS380で得られるインク制限量は“215”(=100×2+15)となる。
なお、図12のステップS300は図11のステップS200に相当し、図12のステップS310は図11のステップS210に相当する。
また、図12のステップS320〜S380は図11のステップS220に相当する。すなわち、図12のステップS320〜S380によってインク制限量算出工程が実現されている。これに関し、上述のように、インク制限量算出工程は、「初期値を0とする変数であるJと初期値を適正インク実量取得工程(ステップS310)で取得された適正インク実量とする変数であるZとを用いて、Jに1を加算する処理(ステップS330),Zとインク実量テーブルにおいてJ番目に大きいインク実量との差分を算出する処理(ステップS340),およびZにステップS340で得られた差分を代入する処理(ステップS350)を、Zがインク実量テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク量以下となるまで繰り返す、第1工程」と「インク実量テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量に対するZの割合Pを算出する第2工程(ステップS370)」と「100をJ倍することによって得られる値にPを加算する演算またはそれに相当する演算によってインク制限量を算出する第3工程(ステップS380)」とを含んでいる。
<5.3 具体例>
次に、図13に示すフローチャートを参照しつつ、インク制限量算出処理の具体例について説明する。なお、上記においては変数を用いて詳細な手順を説明したが(図12参照)、ここでは説明を簡潔かつ明瞭なものとするため、図12に示すステップのうち実質的な処理が行われるステップについてのみ説明する。
インク制限量算出処理の開始後、まず、設定済みの印刷条件および調整データに基づいて、インク実量テーブルが作成される(ステップS400)。ここでは、図14に示すようなインク実量テーブルが作成されたものと仮定する。次に、適正インク実量データベース52から設定済みの印刷条件に応じた適正インク実量が取得される(ステップS410)。ここでは、ステップS410で取得された適正インク実量の値が217(pl/pixel)であると仮定する。
次に、ステップS410で取得された適正インク実量とインク実量テーブルにおける最大のインク実量との差分が算出される(ステップS420)。この例では、図14より、インク色Mについてのインク実量である“166”がインク実量テーブルにおける最大のインク実量である。従って、ステップS420で得られる差分Dは、次式(6)に示すとおり、“51”となる。
D=217−166=51 ・・・(6)
このようにして得られた差分Dは、適正インク実量“217”のうちの“166”を最もインクを消費するインク色Mに割り当てた場合の「他のインク色(M以外のインク色)に割り当て可能なインク実量」(以下、「許容インク実量」という。)を表している。
次に、インク実量テーブルにおいて2番目に大きいインク実量に対する許容インク実量の割合Pが算出される(ステップS430)。この例では、図14より、インク色Yについてのインク実量である“159”がインク実量テーブルにおいて2番目に大きいインク実量である。従って、ステップS430で得られる割合Pは、次式(7)に示すとおり、“32”となる。
P=(51/159)×100=32 ・・・(7)
最後に、ステップS430で得られた割合Pに100を加算することによってインク制限量が算出される(ステップS440)。この例では、次式(8)に示すとおり、インク制限量Rは“132”となる。
R=32+100=132 ・・・(8)
これにより、ICCプロファイル作成用のカラーチャート61をインクジェット印刷装置300で印刷する際のインク制限量は、“AIA132”となる。
ところで、上述したように、AIA値の基準値は“100”には限定されない。例えば、AIA値の基準値を“1”とした場合、ステップS440では、次式(9)により、インク制限量Rが算出される。
R=(32/100)+1=1.32 ・・・(9)
このように、ステップS440では、ステップS430で得られた割合Pに100を加算する演算またはそれに相当する演算によってインク制限量Rの算出が行われる。
なお、図13のステップS400は図11のステップS200に相当し、図13のステップS410は図11のステップS210に相当する。
また、図13のステップS420〜S440は図11のステップS220に相当する。すなわち、図13のステップS420〜S440によってインク制限量算出工程が実現されている。これに関し、上述したように、インク制限量算出工程は、「適正インク実量取得工程(ステップS410)で取得された適正インク実量とインク実量テーブルにおいて最も大きいインク実量との差分を算出する第1工程(ステップS420)」と「インク実量テーブルにおいて2番目に大きいインク量に対する第1工程(ステップS420)で算出された差分の割合を算出する第2工程(ステップS430)」と「第2工程(ステップS430)で算出された割合に100を加算する演算またはそれに相当する演算によってインク制限量を算出する第3工程(ステップS440)」とを含んでいる。
<6.効果>
本実施形態によれば、好適な印刷を行うための1画素当たりのインク量(インクの実際の使用量)の最大値を適正インク実量として印刷条件毎に保持した適正インク実量データベース52が印刷制御装置310内に予め用意される。ICCプロファイル62の作成の際には、インク色毎にベタ塗りに相当する1画素当たりのインク量(インクの実際の使用量)の情報を保持したインク実量テーブルが設定済み印刷条件および調整データに基づいて作成され、また、適正インク実量データベース52から設定済み印刷条件に応じた適正インク実量が取得される。そして、インク実量テーブルに保持されたインク色毎のインク実量に基づいて、インク実量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク実量の合計が適正インク実量と等しくなるようにインク制限量が算出される。ここで、「インク実量の合計が最も大きくなるインク色の配分」で印刷が行われた場合のインク実量の合計が適正インク実量と等しくされるので、充分な乾燥性が確保される。また、上記合計が「適正インク実量と等しくなるように」インク制限量が算出されるので、最良の発色性を得ることができる。このように、充分な乾燥性を満たしつつ最良の発色性が得られるようにインク制限量が算出される。従って、各印刷条件下での最良の品質の印刷物が得られる。また、インク制限量の算出はユーザーが意図することなく印刷制御装置310で自動的に行われるので、ICCプロファイル62の作成の際にユーザーによるインク制限量の指定が不要となる。すなわち、シェーディングや濃度調整などの色調整が行われた場合に、ユーザーによるインク制限量の確認作業を要することなく、各印刷条件下での最良の品質の印刷物が得られるようなICCプロファイル62の作成が可能となる。以上より、インクジェット印刷装置300での印刷に関し、ユーザーにインク制限量を考慮させることなく高品質の印刷物の印刷が可能となる。
<7.変形例>
上記実施形態においてはAIA値に基づいてインク量の制御が行われているが、本発明はこれに限定されない。TAC値に基づいてインク量の制御が行われる場合にも、本発明を適用することができる。これについて、以下に説明する。
本変形例においては、適正インク実量データベース52に保持される適正インク実量およびインク実量テーブルに保持されるインク実量は、AIA値に基づいてインク量の制御が行われる場合と同じになる。そして、図12のステップS300〜S360については、上記実施形態と同様の動作が行われる。
ステップS370では、インク実量テーブルにおいてインク実量の大きさが(J+1)番目以下の各インク色について、変数Zの値(具体例の説明における許容インク実量)をAIA値で表すための変換が行われる。例えば、ステップS300で図14に示したようなインク実量テーブルが作成されていて、かつ、ステップS310で取得された適正インク実量の値が245(pl/pixel)であると仮定する。この場合、インク実量テーブルにおける最大のインク実量はM色の166であるので、ステップS370の処理が行われる時点には変数Zの値は79(=245−166)となっている。そして、M色以外のインク色(すなわち、C色,Y色,K色)について、インク実量テーブルのインク実量に基づき、次式(10)〜(12)に示すようにAIA値が求められる。
C色:(79/155)×100=51 ・・・(10)
Y色:(79/159)×100=50 ・・・(11)
K色:(79/152)×100=52 ・・・(12)
すなわち、79plは、C色についてはAIA51と表現され、Y色についてはAIA50と表現され、K色についてはAIA52と表現される。
次に、各インク色についての図18に示したような「入力階調値とインク消費量(網点%)との関係」に基づいて、上述のように求められた各AIA値から階調値(網点%)への変換が行われる。そして、得られた階調値のうちの最小値が、このステップS370で求めるPの値とされる。このように得られた階調値のうちの最小値をPの値とする理由は、仮にインク実量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われても、各画素において適正インク実量を超える量のインクが使用されるのを防ぐためである。なお、本変形例における手順は、入力階調値とインク消費量(網点%)との関係が(横軸を入力階調値、縦軸をインク消費量とした場合に)図18に示すように下に凸のカーブで表されることが前提となっている。上記の例において、各インク色についての「入力階調値とインク消費量(網点%)との関係」が図15に示すようなものであれば、C色についての階調値(網点%)である70がPの値とされる。なお、図15において符号71を付した点線は「インク実量=79pl」に相当する。
以上のようにしてPの値が算出された後、ステップS380では、その変換後のPの値を用いて、インク制限量Rが算出される。上記の例では、インク制限量Rは170(=100×1+70)となる。
51…インク制限量算出処理部
52…適正インク実量データベース
53…カラーチャート印刷部
61…カラーチャート
62…ICCプロファイル
200…印刷用データ生成装置
300…インクジェット印刷装置
310…印刷制御装置
320…印刷機本体
511…適正インク実量取得部
512…インク実量テーブル作成部
P…インク制限量算出プログラム

Claims (6)

  1. ICCプロファイル作成用のカラーチャートをインクジェット印刷装置で印刷する際のインク制限量を算出する方法であって、
    設定済み印刷条件およびインクの吐出量に関する調整データに基づいてインク色毎に単位面積当たりのベタ塗りに相当するインク量を算出し、その算出したインク量をインク色毎に保持したインク量保持テーブルを作成するインク量保持テーブル作成工程と、
    前記インクジェット印刷装置で好適な印刷を行うための単位面積当たりのインク量の最大値である適正インク実量を印刷条件毎に保持した適正インク実量保持部から前記設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する適正インク実量取得工程と、
    前記インク量保持テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計が前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量と等しくなるように前記インク制限量を算出するインク制限量算出工程と
    を含むことを特徴とする、インク制限量算出方法。
  2. 前記インク制限量算出工程は、
    初期値を0とする変数であるJと初期値を前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量とする変数であるZとを用いて、Jに1を加算する処理,Zと前記インク量保持テーブルにおいてJ番目に大きいインク量との差分を算出する処理,およびZに前記差分を代入する処理を、Zが前記インク量保持テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク量以下となるまで繰り返す、第1工程と、
    前記インク量保持テーブルにおいて(J+1)番目に大きいインク実量に対するZの割合Pを算出する第2工程と、
    100をJ倍することによって得られる値にPを加算する演算またはそれに相当する演算によって前記インク制限量を算出する第3工程と
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインク制限量算出方法。
  3. 前記インク制限量算出工程は、
    前記適正インク実量取得工程で取得された適正インク実量と前記インク量保持テーブルにおいて最も大きいインク量との差分を算出する第1工程と、
    前記インク量保持テーブルにおいて2番目に大きいインク量に対する前記第1工程で算出された差分の割合を算出する第2工程と、
    前記第2工程で算出された割合に100を加算する演算またはそれに相当する演算によって前記インク制限量を算出する第3工程と
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインク制限量算出方法。
  4. 前記インク制限量算出工程では、前記インクジェット印刷装置で印刷が行われた際に実際に使用されるインク量を相対的に表す値が前記インク制限量として算出されることを特徴とする、請求項1に記載のインク制限量算出方法。
  5. 前記インク量保持テーブル作成工程では、1つのインク色についてのインク量が、前記インクジェット印刷装置のノズルからインクが吐出される際の複数の液滴サイズのそれぞれの出現率を階調値毎に定めた網テーブルを用いて、ベタ塗りに相当する階調値に前記調整データを用いた変換を施すことによって得られる階調値に応じた各液滴サイズの出現率とそれに対応する液滴量との積の総和を求めることによって算出されることを特徴とする、請求項1に記載のインク制限量算出方法。
  6. ICCプロファイル作成用のカラーチャートをインクジェット印刷装置で印刷する際のインク制限量を算出するプログラムであって、
    設定済み印刷条件およびインクの吐出量に関する調整データに基づいてインク色毎に単位面積当たりのベタ塗りに相当するインク量を算出し、その算出したインク量をインク色毎に保持したインク量保持テーブルを作成するインク量保持テーブル作成ステップと、
    前記インクジェット印刷装置で好適な印刷を行うための単位面積当たりのインク量の最大値である適正インク実量を印刷条件毎に保持した適正インク実量保持部から前記設定済み印刷条件に応じた適正インク実量を取得する適正インク実量取得ステップと、
    前記インク量保持テーブルに保持されたインク色毎のインク量に基づいて、インク量の合計が最も大きくなるインク色の配分で印刷が行われた場合のインク量の合計が前記適正インク実量取得ステップで取得された適正インク実量と等しくなるように前記インク制限量を算出するインク制限量算出ステップと
    をコンピュータのCPUがメモリを利用して実行することを特徴とする、インク制限量算出プログラム。
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