JP2019041502A - 回転電機のコイル成形方法および回転電機のコイル成形装置 - Google Patents

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穣 廣田
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Abstract

【課題】余分な手間および時間を要すことなく、効率良く回転電機のコイルを成形することができるコイル成形方法、およびこれに用いるコイル成形装置を提供する。
【解決手段】撚り線装置2を用いて複数本の単素線swを撚って撚り線twとする第1のステップと、第1のステップで得られた撚り線twをストレーナ装置3により線軸方向に沿って真直ぐに矯正する第2のステップと、第2のステップで直線化された撚り線twを線送出装置4で軸線方向に所定長さ分だけ順次送り出す第3のステップと、第3のステップで送り出される撚り線twを曲げ装置5により所望のコイル形状に応じて曲げる第4のステップと、を含む。
【選択図】図1

Description

この発明は、回転電機の固定子コアの磁極ティース毎に分布巻きされるコイルを成形するための回転電機のコイル成形方法、およびこれに用いるコイル成形装置に関するものである。
例えば、インナーローター型の回転電機の固定子コアの磁極ティース毎に分布巻きされるコイルは、複数本の単線を束ねて撚り合わせた後、この撚り線を用いて所要の形状に曲げ成形したものである。この場合、撚り線は剛性が高く、容易に任意形状に曲げることは困難である。そのため、このような撚り線を使用してコイルを製作する場合に、コイルエンド部となる部分を急峻に曲げると、その箇所で曲げ不足による膨れが生じ、その分、コイルエンドが長くなり、その結果、銅損が増えて回転電機の効率が悪化する。
そこで、従来は、複数本の単線を束ねて撚り合わせた後の撚り線に張力を掛けた状態で巻線金型を回転させて、撚り線を巻線金型に巻き付けながら、巻線金型に対してその回転方向と直交する横方向から加圧ローラを押し付けることで、撚り線が巻線金型から外部に膨らむのを防止し、これによって所要の形状をもつコイルを成形するようにしている(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2003−168618号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、各種のコイルの形状に適合するように、その都度、コイルの形状に適合した巻線金型を使用する必要があった。このため、何種類もの巻線金型を予め準備しておかねばならず、治具の種類が増え、余分なコストと労力を要するといった問題がある。
また、巻線金型に撚り線を巻き付けることでコイルが完成するが、このように完成したコイルは、その都度、巻線金型を分解して取り出す必要がある。すなわち、巻線金型に撚り線を巻き付ける際、撚り線が巻線金型の軸方向に沿って外部にはみ出さないよう、巻線金型の巻線巻き付けドラムの巻き付け面の上下に撚り線はみ出し防止用のフランジ部材が取り付けられているが、撚り線の巻き付けが完了した後は、コイルを巻線金型から取り外すために、その都度、この撚り線はみ出し防止用のフランジ部材を取り外す必要があった。このため、コイル製作時の作業が面倒で、余分な手間と労力を要し、コイル製作の効率が悪くて生産性が低かった。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、余分な手間または時間を要すことなく、効率良く回転電機のコイルを成形することができるコイル成形方法、およびこれに用いるコイル成形装置を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機のコイル成形方法は、複数本の単素線を撚って撚り線とする第1のステップと、上記第1のステップで得られた上記撚り線を線軸方向に沿って真直ぐに矯正する第2のステップと、上記第2のステップで直線化された撚り線を軸線方向に所定長さ分だけ順次送り出す第3のステップと、上記第3のステップで送り出される撚り線を所望のコイル形状に応じて曲げる第4のステップと、を含むものである。
また、この発明に係る回転電機のコイル成形装置は、複数本の単素線を撚って撚り線とする撚り線装置と、上記撚り線装置で撚られた撚り線を線軸方向に沿って真直ぐに矯正するストレーナ装置と、上記ストレーナ装置で直線化された撚り線を順次送り出す線送出装置と、上記線送出装置で送り出される撚り線を所望のコイル形状に応じて曲げる曲げ装置と、を備える。
この発明に係る回転電機のコイル成形方法によれば、撚り線など剛性の高い線材を従来のように巻線金型にローラで押し付けることなく、任意形状の曲げが可能となる。したがって巻線作業が終了して成形されたコイルを装置から取り出す際には、治具などを分解せずに取り出せるので、作業工数および作業時間を大幅に削減することができ、コイル製作の生産性が高まる。
また、この発明に係る回転電機のコイル成形装置によれば、従来のように、各種のコイルの形状に適合するようにコイルの形状に適合した巻線金型をその都度使用する必要がなく、かつ、コイルを装置から取り出す際には、治具などを分解する必要がないため、コイル製作時の作業が容易で、余分な手間と労力を削減できる。
この発明の実施の形態による回転電機のコイル成形装置の全体を示す構成図である。 図1のコイル成形装置によるコイル曲げ動作工程図であり、曲げ装置に撚り線をセットした状態を示す。 図1のコイル成形装置によるコイル曲げ動作工程図であり、曲げ装置で撚り線を指定角度分だけ曲げた状態を示す。 図1のコイル成形装置によるコイル曲げ動作工程図であり、曲げ装置で撚り線を曲げ加工した後に曲げ装置を元の角度位置に戻した状態を示す。 図1のコイル成形装置によるコイル曲げ動作工程図であり、線送出装置で撚り線を指定長さ分だけ送り出した状態を示す。 図1のコイル成形装置によるコイル曲げ動作工程図であり、曲げ装置で撚り線を2回目に指定角度分だけ曲げた状態を示す。 図1のコイル成形装置により図2から図6の手順を複数回繰り返して連続巻線作業を行って得られるコイル形状を示す平面図である。 図1のコイル成形装置を用いて連続巻線作業を行って得られたコイルの、特にコイルエンド部の状態を示す平面図である。 図1のコイル成形装置を用いて連続巻線作業を行って得られたコイルを回転電機のステータコアに挿入した状態を示す図であり、図9(a)はステータコアを径方向から見た側面図、図9(b)は図9(a)のA−A線に沿った断面図である。 図1のコイル成形装置を用いて、撚りピッチを変えた状態で連続巻線作業を行ったコイルを、ステータコアに挿入した状態を示す側面図である。 従来のコイル成形装置の構成を示す斜視図である。
実施の形態1.
この実施の形態1では、インナーローター型の回転電機の固定子コアの磁極ティース毎に分布巻きされるコイルを成形する場合を例にとって説明するが、この発明はこのようなインナーローター型の回転電機に限定されるものではない。
図1はこの発明の実施の形態1によるコイル成形装置1の全体を示す構成図である。
この実施の形態1のコイル成形装置1は、複数本の単素線swを撚って1本の撚り線twとする撚り線装置2と、この撚り線装置2で撚られた撚り線twを線軸方向に沿って真直ぐに矯正するストレーナ装置3と、このストレーナ装置3で直線化された撚り線twを順次送り出す線送出装置4と、この線送出装置4で送り出される撚り線twを所望のコイル7形状に応じて曲げる曲げ装置5とが順次配置されて構成されている。
ここに、撚り線装置2は、それ自体は周知構造のものであって、例えば単素線swが巻回された線材ドラム21の複数個が図示しない回転ホイールの周方向に沿って順次に取り付けられ、回転ホイールを回転しつつ各々の線材ドラム21から単素線swを引き出すことで単素線swが撚られ、集線ガイド22と絞りダイス23を通過して得られた撚り線twが外部に引き出される構造となっている。
ストレーナ装置3は、紙面に垂直な方向において一定間隔で配置された複数(ここでは3対)の前段ローラ31と、この前段ローラ31の後段で紙面に平行な方向において一定間隔で配置された複数(ここでは3対)の後段ローラ32とを備えている。そして、撚り線装置2で撚られた直後の撚り線twに付いている反りや曲がりに対して、前段ローラ31および後段ローラ32により2方向から逆方向のひずみ量を与えることで、反りや曲がりなどの巻き癖のない真直ぐな撚り線twとなるように矯正される。
すなわち、撚り線装置2において、線材ドラム21から送り出される単素線swは、巻きほどきながら撚り合わせて行くため、線材ドラム21から送り出された時点で既に線材ドラム21の巻き癖が付いており、このような単素線swを撚り合わせた場合には、撚り線twにも撚った時点で反りや曲がりなどの巻き癖が付いている。
このような巻き癖のある状態の撚り線twを用いてコイル7形状に撚り線twを曲げると、コイル7の直線部にも曲がりが生じて、所望のコイル7形状とはならず、いびつなコイル7形状となってしまう。その結果、ステータコアのスロット部へコイル7を挿入する際には、コイル7がスロット内部に収まらない場合や、挿入し難いという問題が発生する。
したがって、撚り線装置2から供給される撚り線twは、線軸方向に沿って反りおよび曲がりのない真直ぐな形状とした上で巻線作業を行うことが製造における必須条件となる。そこで、反りおよび曲がりのない真直ぐな撚り線twに矯正する目的で、撚り線装置2の直後にストレーナ装置3を配置している。
線送出装置4は、例えば撚り線twを図示する上下方向からある一定の荷重で撚り線twを挟み込む上下一対の送出ローラ41、42が撚り線twの軸線方向に沿って前後に2つ配置されており、各送出ローラ41、42の回転軸には図示しないサーボモータが連結されている。そして、撚り線twの種類や外径寸法に応じて、送出ローラ41、42から撚り線twに対して加える荷重を調整することにより撚り線twに摩擦力を与え、この摩擦力によって送出ローラ41、42の回転に伴って撚り線twを曲げ装置5に向けて送り出す機構となっている。
すなわち、サーボモータの制御により、前後2つの送出ローラ41、42が同期を取り、指定角度回転することで撚り線twを曲げ装置5に向けて指定された長さ分だけ送り出す。この場合、サーボモータによる送出ローラの駆動制御により、撚り線twの送り出し速度と送り出し長さを任意に設定することが可能である。
曲げ装置5は、円板状の回転板51を有するとともに、この回転板51の中心に固定された曲げ中心軸52と、この曲げ中心軸52から撚り線twの外径分だけ偏心した位置にあって回転板51に取り付けられ曲げローラ53と、回転板51および曲げローラ53と共に曲げ中心軸52を中心として回転させるサーボモータ54とを備えている(図1、図2〜図7参照)。
そして、曲げ中心軸52と曲げローラ53とには撚り線twの外径分の隙間が存在するので、その隙間を通って撚り線twが挿通される。そして、撚り線twの挿通状態で回転板51がサーボモータ54によって回転することで、曲げ中心軸52と曲げローラ53とによって撚り線twが所要の角度分だけ曲げられる構成となっている(後述の図2〜図4参照)。この場合、回転板51はサーボモータ54によって駆動制御されるため、任意の回転角度と任意の回転スピードにパラメータ設定が可能である。
ここで、曲げ装置5によって撚り線twを曲げる際には、線送出装置4から曲げ装置5に向けて撚り線twが引っ張られる力が作用し、これによって曲げの起点が移動して曲げの曲率が大きくなってしまい、予め設定している形状から外れる結果となる恐れがある。
そこで、この実施の形態1では、撚り線twの曲げ動作中、曲げ装置5による撚り線twの曲げ起点の変動を抑制するために、線送出装置4と曲げ装置5との間に、撚り線twの移動を拘束するクランプ装置6が設置されている。これにより、撚り線twを曲げる際の曲げの曲率を所望の設定値に維持することができ、曲げ形状の安定化を図ることができる。
また、この実施の形態1のコイル成形装置1は、図7に示したようなコイル7の形状になるように曲げ加工を行っていくと、曲げられた撚り線twが次第に螺旋状に積み重なってくるため、曲げられた撚り線twを支えるために、紙面上下方向に動く受け皿のような支持機構と、コイル7形状に成形後の撚り線twをコイル成形装置1から切り離すためのニッパなどの切断機構(いずれも図示省略)を備えている。
次に、上記構成を備えたコイル成形装置1を用いて回転電機のコイル7を成形する手順について説明する。
撚り線装置2に配置された各々の線材ドラム21から供給される複数本の単素線swは、撚り線装置2で撚られて撚り線twとして形成される。次いで、この撚り線装置2で撚られた撚り線twは、ストレーナ装置3によって線軸方向に沿って真直ぐに矯正される。
ストレーナ装置3により反りおよび曲がりのない真直ぐに矯正された撚り線twは、線送出装置4に供給される。線送出装置4は、真直ぐに矯正された撚り線twを、前後の送出ローラ41、42でそれぞれ上下から挟み込んで、送出ローラ41、42の回転角度に応じた所定の長さ分だけ曲げ装置5に向けて送り出す。
こうして、線送出装置4からクランプ装置6を経由して送り出された撚り線twは、図2に示すように、回転板51の中心に取り付けられている曲げ中心軸52と曲げローラ53との隙間を通過して、紙面右側の曲げの起点位置まで突き出された後、クランプ装置6で撚り線twが把持される。この状態が曲げ初期の待機状態となる。
なお、線送出装置4で撚り線twが所定長さ分だけ曲げ装置5に送り出されてクランプ装置6で把持された直後は、クランプ装置6よりも上流の各装置(撚り線装置2、ストレーナ装置3、線送出装置4)の動作は一時的に停止されるが、撚り線装置2とストレーナ装置3との間にバッファ装置を設けて、撚り線装置2で形成される余分な撚り線twを一時的に巻き取れる構成としておけば、曲げ装置5で撚り線twを曲げるためにストレーナ装置3、線送出装置4を停止させても、撚り線装置2の動作を停止させる必要性がなくなり便利である。
次に、撚り線twが所定長さ分だけ曲げ装置5に送り出されたてクランプ装置6で把持された後は、回転板51がサーボモータ54によって例えば図3に示すように反時計回りに指定角度および指定速度でもって回転されることで、撚り線twは曲げ中心軸52と曲げローラ53とによって挟持された状態で曲げられる。
このように撚り線twが所定角度分だけ曲げられた後、クランプ装置6が撚り線twを把持した状態で、図4に示すように、回転板51が時計回りに元の角度まで回転復帰される。続いて、クランプ装置6による撚り線twの把持が解放される。これにより、撚り線twに対して次の曲げ作業ができる状態となる。
続いて、図2の場合と同様、線送出装置4からクランプ装置6を経由して所定長さ分だけ送り出された撚り線twは、図5に示すように、回転板51の中心に取り付けられている曲げ中心軸52と曲げローラ53との隙間を通過して、紙面右側の曲げの起点位置まで突き出された後、クランプ装置6で把持される。この状態が2回目の曲げの待機状態となる。
引き続いて、図3の場合と同様に、回転板51がサーボモータ54によって例えば図6に示すように反時計回りに指定角度および指定速度でもって回転されることで、撚り線twは曲げ中心軸52と曲げローラ53とによって挟持された状態で曲げられる。その後、クランプ装置6が撚り線twを把持した状態で、回転板51が時計回りに元の角度まで回転復帰され、次いで、クランプ装置6による撚り線twの把持が解放されることで、撚り線twに対して次の曲げ作業ができる状態となる。
このように、線送出装置4による撚り線twの送り量と、曲げ装置5による回転板51の回転角度とをパラメータとして設定し、上記で述べた図2から図6までの動作を、所望のコイル7形状に合致するように指定回数繰り返すことにより、例えば図7に示されるようなコイル7形状が完成する。
このようにして、図7で示すようなコイル7形状に撚り線twを曲げ終えると、図示しないニッパなどの切断機構により、撚り線twをコイル成形装置1から切り離す。これにより、図8に示すような回転電機用のコイル7が完成する。
なお、上記の説明では、回転板51を反時計回りに回転させることで撚り線twを曲げた後、回転板51を時計回りに元の角度まで回転復帰する場合について説明したが、コイル7の形状によっては、これとは逆に、回転板51を時計回りに回転させることで撚り線twを曲げた後、回転板51を反時計回りに元の角度まで回転復帰させることも可能である。
以上の説明から分かるように、実施の形態1のコイル成形装置1では、任意形状のコイル7を製作できることから、例えば、図9に示すように、複数回巻き重ねた亀甲形状のコイル7(ここでは3周分)を各1周分ずつ全く同じ形状で巻線するのではなく、ステータコア8のスロット81に入る直線状のコアスロット部71の長さのみをそれぞれ周回毎に変化させることで、ステータコア8の径方向においてコイルエンド部72同士が互いに重なり合わないようにバラケさせるように製作するようにしてもよい。その結果、コイルエンド部72同士の重なりによるステータコア8の径方向への膨らみを減らすことができる。このように、コイルエンド部72同士の重なりが減ることで、ステータの外径寸法を押えることが可能となり、モータの小型化を図ることができる。
この実施の形態1に係るコイル成形装置1の優れている点を明確にするため、先行技術として説明したコイル成形を行う従来装置の構成について、図11を参照して説明する。
従来のコイル成形装置では、複数本の単線を束ねて撚り合わせた後の撚り線twに張力を掛けた状態で回転機構101に取り付けられた巻線金型102を回転させて、撚り線twを巻線金型102に巻き付けつつ、巻線金型102に対してその回転方向と直交する横方向から加圧ローラ103を押し付けることで、撚り線twが巻線金型102から外部に膨らむのを防止する構成となっている。この場合、巻線金型102に撚り線twを巻き付ける際、撚り線twが巻線金型102の回転軸方向に沿って外部にはみ出さないよう、巻線金型102の撚り線twの巻き付け面の上下に撚り線はみ出し防止用のフランジ部材104が取り付けられている。
このように、従来のコイル成形装置を用いて撚り線twを巻線金型102に巻き付ける場合、巻線作業後のコイル形状は、巻線金型102に沿った形状となる。すなわち、巻線金型102を平面視で図8に示したような亀甲形状のものとした場合、この巻線金型102に撚り線twを複数回重ね巻きすると、周回毎に全て同じ亀甲形状になる。このため、こうして形成して得られたコイル7を図9に示したようなステータコア8のスロット81に挿入した場合、コイルエンド部72同士が互いに重なり合ってコイルエンド部72の厚みが大きくなる不具合を生じる。
従来装置では、このようなコイルエンド部72同士の互いの重なり合いを低減させるために、それぞれの周回毎に違った形状の巻線金型102を使用する必要がある。このため、何種類もの巻線金型102を予め準備しておかねばならず、治具の種類が増え、余分なコストと労力を要する。
しかも、撚り線twの巻き付け作業が完了した後は、コイル7を巻線金型102から取り外すために、その都度、撚り線はみ出し防止用のフランジ部材104を取り外す必要があり、コイル製作時の作業が面倒で、余分な手間と労力を要し、コイル製作の効率が悪くて生産性が低い。
さらに、撚り線twを巻線金型102に巻き付けると、巻き締まりによって容易に巻線後のコイル7を巻線金型102から取り外せなくなるので、これを防ぐためには、巻線金型102には例えば金型が収縮することで周長を変えることができるような機構を設けることで必要となり、巻線金型102の構造が複雑化するという問題がある。
実施の形態1のコイル成形装置1を用いてコイル7形成を行う場合には、従来のコイル成形装置の使用に伴う不具合は解消されており、撚り線twの送り量と曲げ角度をパラメータとして任意に設定するだけで、所望の形状のコイルを容易に製造することができる。しかも、完成した成形後のコイルは、装置を分解することなくそのままの状態で取り出せるため、大幅な作業工数の削減が可能となる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2におけるコイル成形装置1の構成自体は、図1に示した実施の形態1の場合と同じであるので詳しい説明は省略する。
この実施の形態2の特徴は、撚り線装置2による撚り速度と、線送出装置4による撚り線twの送り出し速度との少なくとも一方を制御することで、撚り線twの線軸方向の任意の位置に、撚りピッチの異なる部分を形成するようにしたことである。
すなわち、例えば、撚り線装置2において複数個の線材ドラム21が保持されている図示しない回転ホイールの回転速度を一定に保った状態で、線送出装置4による撚り線twの送り出し速度を速くすれば、撚り線twの撚りピッチは疎になり、逆に撚り線twの送り出し速度を遅くすれば、撚り線twの撚りピッチは密になる。あるいは、線送出装置4による撚り線twの送り出し速度を一定に保った状態で、撚り線装置2における図示しない回転ホイールの回転速度を速くすれば、撚り線twの撚りピッチは密になり、回転ホイールの回転速度を遅くすれば、撚り線twの撚りピッチは疎になる。
図10は撚り線twの線軸方向において、撚りピッチを部分的に変えて製作したコイル7をステータコア8のスロット81に挿入した状態を示している。
ここでは、撚り線装置2の回転ホイールの回転速度を一定に保った状態で、線同士の重なりによって撚り線twがバラケ易いコイルエンド部72では、線送出装置4による撚り線twの送り出し速度を遅くすることで、撚り線twの撚りピッチを密にする。その一方、スロット81に挿入されるコアスロット部71では、コイル7同士の重なりを減らしてスロット81内の導体占積率を上げる目的で線送出装置4による撚り線twの送り出し速度を速くすることで、撚り線twの撚りピッチを疎にしている。
このように、線送出装置4による撚り線twの送り出し速度と、撚り線装置2の回転ドラムの回転速度との少なくとも一方を制御することで、任意の位置に撚りピッチの異なるコイル7を製作することが可能となる。
なお、この発明は、上記の実施の形態1、2の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、各実施の形態1、2の構成の一部を変更したり、その構成を省略することができ、また、各実施の形態1、2の構成を適宜組み合わせることが可能である。
sw 単素線、tw 撚り線、1 コイル成形装置、2 撚り線装置、
3 ストレーナ装置、4 線送出装置、5 曲げ装置、6 クランプ装置、7 コイル、51 回転板、52 曲げ中心軸、53 曲げローラ、54 サーボモータ。

Claims (5)

  1. 回転電機のコイル成形方法であって、
    複数本の単素線を撚って撚り線とする第1のステップと、
    上記第1のステップで得られた上記撚り線を線軸方向に沿って真直ぐに矯正する第2のステップと、
    上記第2のステップで直線化された撚り線を軸線方向に所定長さ分だけ順次送り出す第3のステップと、
    上記第3のステップで送り出される撚り線を所望のコイル形状に応じて曲げる第4のステップと、を含む回転電機のコイル成形方法。
  2. 上記第1のステップによる単素線を撚る撚り速度と、上記第3のステップによる撚り線の送り出し速度の少なくとも一方を制御することにより、コイル形状に応じて撚りピッチを調整する請求項1に記載の回転電機のコイル成形方法。
  3. 回転電機のコイル成形装置であって、
    複数本の単素線を撚って撚り線とする撚り線装置と、
    上記撚り線装置で撚られた撚り線を線軸方向に沿って真直ぐに矯正するストレーナ装置と、
    上記ストレーナ装置で直線化された撚り線を順次送り出す線送出装置と、
    上記線送出装置で送り出される撚り線を所望のコイル形状に応じて曲げる曲げ装置と、を備える回転電機のコイル成形装置。
  4. 上記曲げ装置は、回転板の中心に固定された曲げ中心軸と、上記曲げ中心軸から上記撚り線の外径分だけ偏心した位置にあって上記回転板に取り付けられた曲げローラと、上記回転板および上記曲げローラと共に上記曲げ中心軸を中心として回転させるサーボモータと、を備える請求項3に記載の回転電機のコイル成形装置。
  5. 上記ストレーナ装置と上記曲げ装置との間には、上記曲げ装置による撚り線の曲げ起点の変動を抑制するクランプ装置が設けられている請求項3または請求項4に記載の回転電機のコイル成形装置。
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