JP2019040925A - プリント回路板、プリント配線板及び電子機器 - Google Patents

プリント回路板、プリント配線板及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】プリント配線板における配線構造で、コモンモード成分を低減しつつ、ディファレンシャルモード成分の劣化を抑制する。
【解決手段】メイン基板200は、プリント配線板201と、プリント配線板201に実装された画像処理IC202と、を備える。プリント配線板201は、一対の信号ライン220S1,220S2と、信号ライン220S1から分岐するコイル導体2501と、信号ライン220S2から分岐するコイル導体2502とを有する。コイル導体2502は、コイル導体2501とは逆巻きに配線されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、差動信号の伝送に用いられるプリント回路板に関する。
近年、デジタル複合機やデジタルカメラ等の電子機器においては、画像の高精彩化により、大容量のデジタル信号を高速に伝送する必要がある。このような信号の伝送を可能とする方式として、差動信号伝送方式が用いられる。
差動信号は、一対の信号ラインのそれぞれにほぼ同じ振幅で逆位相のディファレンシャルモードにより伝送される。信号成分であるディファレンシャルモード成分が一対の信号ラインを流れると、その電流によって発生する磁束が互いに打ち消し合い、一対の信号ラインから放射される電磁波ノイズが低減される。
一方、差動信号伝送方式では、ディファレンシャルモード成分の他に、一対の信号ラインに互いに同位相のコモンモード成分も伝送される。コモンモード成分は、差動信号を送信する回路や信号ラインの形状のアンバランスにより、ディファレンシャルモード成分が変換されることによって発生する。コモンモード成分が一対の信号ラインを流れると、その電流によって発生する磁束が互いに強め合うため、一対の信号ラインから放射される電磁波ノイズが大きくなる。これに対して、一般に、コモンモードチョークコイルが用いられている。コモンモードチョークコイルは、フェライトなどのリング状のコアに、互いに巻線方向の異なる2つの導線を巻き付けた構成となっており、プリント配線板に実装される。このコモンモードチョークコイルを用いることで、コモンモード成分の透過量を低減させ、電磁波ノイズを低減させることができる。
しかし、近年の電子機器においては、小型化や薄型化が要求されているため、コモンモードチョークコイルを実装するスペースを確保することが難しくなってきている。そこで、特許文献1では、一対の信号ラインと直列に接続される互いに巻線方向の異なるコイル導体を、プリント配線板の導体パターンで形成することで、コモンモード成分を低減するものが提案されている。
特開2005−340577号公報
しかし、特許文献1のように信号ラインに直列にコイル導体を接続すると、信号ラインにコイル導体のインダクタンスが加わることになる。ディファレンシャルモードにおいて、コイル導体のインダクタンスは、自己インダクタンスから相互インダクタンスを差し引いた値となる。したがって、プリント配線板で実現したコイル導体の相互インダクタンスが小さいと、ディファレンシャルモードにおけるコイル導体のインダクタンスが大きくなる。このため、一対の信号ラインを流れる信号成分であるディファレンシャルモード成分が、信号ラインに直列に配置されたコイル導体のインダクタンスによって歪むなど劣化する虞があった。
そこで、本発明は、プリント配線板における配線構造で、コモンモード成分を低減しつつ、ディファレンシャルモード成分の劣化を抑制することを目的とする。
本発明のプリント回路板は、プリント配線板と、前記プリント配線板の実装面に実装され、互いに逆位相の信号を送信する第1端子及び第2端子を有する部品と、を備え、前記プリント配線板は、前記第1端子及び前記第2端子にそれぞれ電気的に接続され、前記信号の伝送路となる第1の信号ライン及び第2の信号ラインと、前記第1の信号ラインから分岐する第1のコイル導体と、前記第2の信号ラインから分岐し、前記第1のコイル導体とは逆巻きの第2のコイル導体と、を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、プリント配線板における配線構造で、コモンモード成分を低減しつつ、ディファレンシャルモード成分の劣化を抑制することができる。
(a)は、実施形態に係る電子機器の一例としての撮像装置を示す説明図である。(b)は、筐体の内部に配置された回路ユニットの説明図である。 実施形態に係る撮像装置のメイン基板の一部を模式的に示す斜視図である。 (a)は、図2のIIIA−IIIA線に沿うプリント配線板の断面図である。(b)は、図2のIIIB−IIIB線に沿うプリント配線板の断面図である。 (a)は、第1導体層における信号ラインの導体パターンとコイル導体との配置関係を示す説明図である。(b)は、第3導体層における信号ラインの導体パターンとコイル導体との配置関係を示す説明図である。 メイン基板の要部とメモリカード基板の要部の等価回路である。 比較例のメイン基板の一部を模式的に示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、実施形態に係る電子機器の一例としての撮像装置100を示す説明図である。撮像装置100は、デジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ等のデジタルカメラであり、筐体101と、筐体101に支持されたレンズ102と、を有する。撮像装置100は、筐体101の内部に配置された回路ユニットを有しており、回路ユニットの撮像素子302が、レンズ102に対向して配置されている。
図1(b)は、筐体101の内部に配置された回路ユニット150の説明図である。回路ユニット150は、プリント回路板で構成された、メイン基板200、センサ基板300、無線通信装置の一例である無線モジュール基板400、及びメモリカード基板500を有する。センサ基板300、無線モジュール基板400及びメモリカード基板500は、メイン基板200の周囲に配置されている。
メイン基板200とセンサ基板300とは、フレキシブルフラットケーブル等のケーブル600で電気的に接続されている。メイン基板200と無線モジュール基板400とは、フレキシブルフラットケーブル等のケーブル700で電気的に接続されている。メイン基板200とメモリカード基板500とは、フレキシブルフラットケーブル等のケーブル800で電気的に接続されている。
メイン基板200は、プリント配線板201と、プリント配線板201に実装された部品の一例である半導体装置で構成された画像処理IC202と、プリント配線板201に実装されたコネクタ203,204,205と、を有する。センサ基板300は、プリント配線板301と、プリント配線板301に実装された部品の一例である半導体装置で構成された撮像素子302と、プリント配線板301に実装されたコネクタ303と、を有する。無線モジュール基板400は、プリント配線板401と、プリント配線板401に実装された部品の一例である半導体装置で構成された無線IC402と、プリント配線板401に実装され、無線IC402に接続されたアンテナ素子403と、を有する。更に、無線モジュール基板400は、プリント配線板401に実装されたコネクタ404を有する。メモリカード基板500は、プリント配線板501と、プリント配線板501に実装された部品の一例であるカードリーダライタ502と、プリント配線板501に実装されたコネクタ503と、を有する。カードリーダライタ502は、半導体装置を含んでいる。
ケーブル600の一端がコネクタ203に装着され、ケーブル600の他端がコネクタ303に装着されており、画像処理IC202と撮像素子302との間でケーブル600を介してデジタル信号の送受信が可能となっている。また、ケーブル700の一端がコネクタ204に装着され、ケーブル700の他端がコネクタ404に装着されており、画像処理IC202と無線IC402との間でケーブル700を介してデジタル信号の送受信が可能となっている。また、ケーブル800の一端がコネクタ205に装着され、ケーブル800の他端がコネクタ503に装着されており、画像処理IC202とカードリーダライタ502との間でケーブル800を介してデジタル信号の送受信が可能となっている。
撮像素子302は、固体撮像素子、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。撮像素子302は、受光面を有し、受光面で受けた光を電気信号に変換して画像信号を生成する。撮像素子302にて生成された画像信号は、デジタル信号としてケーブル600を介してメイン基板200の画像処理IC202に送信される。画像処理IC202は、画像信号の一部を、カードリーダライタ502との通信方式に適合したデジタル信号に変換し、ケーブル800を介してメモリカード基板500のカードリーダライタ502に送信する。カードリーダライタ502は、メモリカード504が着脱可能なスロットを有しており、スロットに装着されたメモリカード504に画像データの書き込みや画像データの読み出しを行う。また、画像処理IC202は、画像信号の一部を、無線IC402との通信方式に適合したデジタル信号に変換し、ケーブル700を介して無線モジュール基板400の無線IC402に送信する。無線IC402は、取得した画像信号を無線LANやBluetooth(登録商標)等に適合した信号に変換し、アンテナ素子403を通じて不図示の他のカメラやPC等の電子機器に無線で伝送する。この無線通信には、例えば、2.4[GHz]帯や5[GHz]帯の無線周波数が用いられる。
ここで、画像処理IC202とカードリーダライタ502に装着されたメモリカード504とは、高速に大容量のデータを伝送することが可能なシリアル伝送方式にてデジタル信号の通信を行う。シリアル伝送方式とは、データ信号やアドレス信号、制御信号といったパラレル信号をシリアル化して伝送路に差動信号として出力し、送られてきたシリアル信号を受信側でデシリアライズしてパラレル信号に変換するものである。
また、画像処理IC202とカードリーダライタ502に装着されたメモリカード504との間の通信は、シリアル化したデータ列にクロック信号を埋め込んで伝送するクロック埋め込み方式としている。受信側ではクロック信号とデータ信号が再生される。クロック埋め込み型のシリアル伝送では、データ信号とクロック信号とが一緒にシリアル化され、ハイレベルとローレベルの論理遷移率が50%になるように符号化されたデジタル信号が伝送される。差動信号は、互いに逆位相の一対のデジタル信号である。以下、画像処理IC202が差動信号の送信側(送信部)であり、カードリーダライタ502、即ちメモリカード504が差動信号の受信側(受信部)である場合について説明する。
図2は、実施形態に係る撮像装置100のメイン基板200の一部を模式的に示す斜視図である。図3(a)は、図2のIIIA−IIIA線に沿うプリント配線板201の断面図である。図3(b)は、図2のIIIB−IIIB線に沿うプリント配線板201の断面図である。画像処理IC202は、半導体パッケージで構成され、複数の端子を有する。なお、図2においては、複数の端子のうちの一部のみを図示している。コネクタ205についても、複数の端子を有しているが、図2においては、複数の端子のうちの一部のみを図示している。
図2に示すように、画像処理IC202は、ほぼ同じ振幅で互いに逆位相の一対の信号(差動信号)のうち、一方の信号を送信する第1端子である端子202S1と、他方の信号を送信する第2端子である端子202S2と、を有する。また、画像処理IC202は、グラウンド電位が印加されるグラウンド端子202Gと、電源電位が印加される不図示の電源端子と、を有している。画像処理IC202は、電源端子とグラウンド端子202Gの間に直流電圧が印加されることにより動作して一対の端子202S1,202S2から所定の伝送レート[bps]のデジタル信号である差動信号を送信する。コネクタ205は、装着されたケーブル800に含まれる2つの導体線に電気的に接続される2つの端子205S1,205S2を有する。
プリント配線板201は、図3(a)及び図3(b)に示すように、4層以上の導体層211,212,213,214を有するプリント配線板である。導体層211,212,213,214は、主に平板状の導体パターンが配置される層であるが、導体以外の部分には、絶縁体(誘電体)が配置されている。導体層211,212,213,214の間には、絶縁体層215,216,217が配置されている。絶縁体層215,216,217は、主に絶縁体が配置される層であるが、絶縁体以外の部分には、ヴィア導体等が配置される。ヴィア導体は、ヴィア(スルーホールも含む)に配置された導体であり、例えば円柱形状又は円筒形状となっている。なお、ヴィア導体の形状は、この形状に限定するものではなく、ヴィアの形に合わせた形状となっていればよい。
本実施形態では、プリント配線板201は、表層であり実装面でもある導体層211、内層である導体層212、内層である導体層213、表層である導体層214の順に絶縁体層215〜217を介して積層されて構成されている。図2に示す画像処理IC202及びコネクタ205は、プリント配線板201の導体層211に実装されている。
プリント配線板201は、一対の信号(差動信号)のうち一方の信号の伝送路となる第1の信号ラインである信号ライン220S1と、信号ライン220S1に並設され、他方の信号の伝送路となる第2の信号ラインである信号ライン220S2と、を有する。また、プリント配線板201は、グラウンドライン220Gを有する。
信号ライン220S1の一端には、画像処理IC202の端子202S1がはんだ等で接合され、信号ライン220S1の他端には、コネクタ205の端子205S1がはんだ等で接合されている。信号ライン220S2の一端には、画像処理IC202の端子202S2がはんだ等で接合され、信号ライン220S2の他端には、コネクタ205の端子205S2がはんだ等で接合されている。これにより、コネクタ205に装着されたケーブル800は、信号ライン220S1,220S2、即ち画像処理IC202の端子202S1,202S2に電気的に接続される。よって、画像処理IC202からは、信号ライン220S1,220S2、コネクタ205及びケーブル800を通じて、カードリーダライタ502へ差動信号を送信可能となっている。グラウンドライン220Gは、画像処理IC202の端子202Gに電気的に接続されている。
信号ライン220S1は、ヴィア導体221S1、導体パターン222S1及びヴィア導体223S1を有している。信号ライン220S2は、ヴィア導体221S2、導体パターン222S2及びヴィア導体223S2を有している。図3(a)及び図3(b)に示すように、導体パターン222S1,222S2は、導体層212に配置されている。
図2に示すように、グラウンドライン220Gは、ヴィア導体222G及び導体パターン223Gを有している。導体パターン223Gは、ベタのグラウンドパターンであり、導体層214のほぼ全面に配置されている。
ここで、プリント配線板201の実装面である導体層211と直交する方向をZ方向、Z方向と直交し、導体層211と平行な方向をX,Y方向とする。X方向は、信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2の延びる方向と平行な方向であり、Y方向は、X方向に直交する方向である。
伝送路には、信号成分として、互いに逆位相の信号であるディファレンシャル成分である差動信号が伝送されるが、ノイズ成分として、互いに同位相のコモンモード成分も生じる。コモンモード成分が伝送路を伝搬すると、伝送路から電磁波ノイズが輻射される。差動信号、即ちディファレンシャルモード成分の周波数が高くなると、コモンモード成分、即ち電磁波ノイズの周波数も高くなる。そのため、コモンモード成分により輻射された電磁波ノイズが、例えば無線モジュール基板400における無線通信に干渉する周波数であると、無線モジュール基板400において誤動作が発生することがある。例えば、2.4[GHz]や5[GHz]のコモンモード成分が発生すると、無線LANやBluetooth(登録商標)などの無線通信に干渉し、通信不良が発生することがある。そこで、本実施形態では、プリント配線板201によりノイズフィルタを構成している。
本実施形態のノイズフィルタの構成を説明する前に、比較例のノイズフィルタの構成について説明する。図6は、比較例のメイン基板200Xの一部を模式的に示す斜視図である。なお、比較例のメイン基板200Xにおいて、本実施形態のメイン基板200と同じ構成については、同一符号を付して、説明を省略する。メイン基板200Xは、プリント配線板201Xと、プリント配線板に実装された画像処理IC202及びコネクタ205を有する。比較例のプリント配線板201Xでは、ノイズフィルタの構成として、信号ラインの導体パターン221X,222Xと導体パターン222S1,222S2との間に直列にコイル導体251X,252Xを配置する配線構造としている。コイル導体251X,252Xの各々は、1つの導体層に配置された渦巻き状の導体パターンで構成されている。そして、コイル導体251X,252X同士が同一の導体層において隣接して配置され、それらの渦巻きの中央に磁性体271X,272Xが配置されている。
図6において、信号ラインの導体パターン221X,222Xにコモンモードの電流が流れるとき、コイル導体251X,252XからY方向に同一方向の磁界が発生し、磁界が互いに強め合うことで、両者の誘導結合が強まる。即ち、コイル導体251X,252Xのインダクタンスが相互インダクタンスの分大きくなり、信号ラインの導体パターン221X,222Xを流れるコモンモード電流を小さくすることができる。
一方、図6において、信号ラインの導体パターン221X,222Xに、ディファレンシャルモードの電流が流れるとき、コイル導体251X,252XからY方向に逆方向の磁界が発生し、互いに弱め合うことで、両者の誘導結合が弱まる。即ち、コイル導体251X,252Xのインダクタンスが相互インダクタンスの分小さくなる。
しかし、図6の構成では一対のコイル導体251X,252Xの間で打ち消されずに残る残留磁界(漏れ磁束)が発生する。よって、一対のコイル導体251X,252Xの相互インダクタンスを十分に大きくすることは困難であり、ディファレンシャルモードにおいて、コイル導体251X,252Xのインダクタンスを十分に小さくすることは困難である。即ち、比較例の構成では、信号ラインの導体パターン221X,222Xに直列にコイル導体251X,252Xを配置しているので、コイル導体251X,252Xのインダクタンスが、信号成分に対して抵抗(インピーダンス)となる。そのため、コイル導体251X,252Xのインダクタンスにより、信号成分であるディファレンシャルモード成分が劣化することがある。
特に、コイル導体251X,252Xにおいて、信号ラインの導体パターン221X,222Xに平行な部分を含む。即ち、コイル導体251X,252Xから発生する磁界の方向と信号ラインの導体パターン221X,222Xから発生する磁界の方向とが平行となる成分を含む。そのため、コイル導体251X,252Xの磁界の変化がディファレンシャルモード成分に影響し、ディファレンシャルモード成分が劣化することがある。
これに対し、本実施形態では、図2に示すように、プリント配線板201は、信号ライン220S1から分岐する第1のコイル導体であるコイル導体2501と、信号ライン220S2から分岐する第2のコイル導体であるコイル導体2502とを有する。コイル導体2502は、コイル導体2501とは逆巻きに配線されている。つまり、コイル導体2501とコイル導体2502とは巻線方向が互いに逆となっている。
コイル導体2501,2502は、プリント配線板201の導体で構成されている。コイル導体2501は、ヴィア導体及び導体パターンで構成され、導体層211に垂直な面内、即ち図2中、IIIA−IIIA線に沿う仮想的なYZ平面内においてコイル状に配置されている。コイル導体2502は、ヴィア導体及び導体パターンで構成され、導体層211に垂直な面内、即ち図2中、IIIB−IIIB線に沿う仮想的なYZ平面内においてコイル状に配置されている。
また、プリント配線板201は、コイル導体2501に電気的に接続された第1の導体パターンである導体パターン2601と、コイル導体2502に電気的に接続された第2の導体パターンである導体パターン2602とを有する。導体パターン2601は、Z方向から見て、グラウンドライン220Gの導体パターン223Gと一部又は全部、本実施形態では全部が重なる位置に配置されている。導体パターン2602は、Z方向から見て、グラウンドライン220Gの導体パターン223Gと一部又は全部、本実施形態では全部が重なる位置に配置されている。
以下、コイル導体2501及びコイル導体2502の一例について具体的に説明する。コイル導体2501は、ヴィア導体2511、導体パターン2521、ヴィア導体2531、導体パターン2541及びヴィア導体2551を有している。図3(a)に示すように、ヴィア導体2511は、導体パターン222S1から分岐するよう導体層212から導体層213に−Z方向に延びて配置されている。導体パターン2521は、ヴィア導体2511に接続され、ヴィア導体2511から+Y方向に延びるよう導体層213に配置されている。ヴィア導体2531は、導体パターン2521に接続され、導体層213から導体層211へ+Z方向に延びて配置されている。導体パターン2541は、ヴィア導体2531に接続され、ヴィア導体2531から−Y方向に延びるよう導体層211に配置されている。ヴィア導体2551は、導体パターン2541に接続され、導体層211から導体層213へ−Z方向に延びて配置されている。このように、ヴィア導体2511、導体パターン2521、ヴィア導体2531、導体パターン2541及びヴィア導体2551が順に連結されてYZ平面内で渦巻き形状に構成されている。
コイル導体2502は、ヴィア導体2512、導体パターン2522、ヴィア導体2532、導体パターン2542及びヴィア導体2552を有している。図3(b)に示すように、ヴィア導体2512は、導体パターン222S2から分岐するよう導体層212から導体層213に−Z方向に延びて配置されている。導体パターン2522は、ヴィア導体2512に接続され、ヴィア導体2512から−Y方向に延びるよう導体層213に配置されている。ヴィア導体2532は、導体パターン2522に接続され、導体層213から導体層211へ+Z方向に延びて配置されている。導体パターン2542は、ヴィア導体2532に接続され、ヴィア導体2532から+Y方向に延びるよう導体層211に配置されている。ヴィア導体2552は、導体パターン2542に接続され、導体層211から導体層213へ−Z方向に延びて配置されている。このように、ヴィア導体2512、導体パターン2522、ヴィア導体2532、導体パターン2542及びヴィア導体2552が順に連結されて、YZ平面内でコイル導体2501とは逆巻きの渦巻き形状に構成されている。
導体パターン2601は、導体層213に配置され、コイル導体2501のヴィア導体2551に導体パターン2561で接続されている。導体パターン2602は、導体層213に配置され、コイル導体2502のヴィア導体2552に導体パターン2562で接続されている。グラウンドライン220Gの導体パターン223Gは、導体層214に配置されている。したがって、導体パターン2561,2562は、Z方向に絶縁体層217を介して導体パターン223Gと対向して配置されている。導体パターン2601,2602は、Z方向から見て、信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2を挟んでY方向で対向するように配置されている。このように、導体パターン2601,2602は、Z方向から見て、信号ライン220S1,220S2の両側に配置されている。したがって、コイル導体2501とコイル導体2502とを、Z方向から見て対称配置することができる。
図4(a)は、導体層211における信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2と、コイル導体2501,2502との配置関係を示す説明図である。図4(b)は、導体層213における信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2と、コイル導体2501,2502との配置関係を示す説明図である。図4(a)には、Z方向から見たときの導体層211が図示され、図4(b)には、Z方向から見たときの導体層213が図示されている。図4(a)及び図4(b)において、導体層212に配置された導体パターン222S1,222S2を破線で図示している。図4(a)及び図4(b)に示すように、信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2はX方向に延び、コイル導体2501,2502はYZ方向に延びている。したがって、導体パターン222S1,222S2とコイル導体2501,2502とは、互いに直交している。更に、コイル導体2501及び導体パターン2601(図2等)と、コイル導体2502及び導体パターン2602(図2等)とは、導体パターン222S1と導体パターン222S2との間のY方向の中心を通るXZ平面で面対称となっている。
図5は、メイン基板200の要部とメモリカード基板500の要部の等価回路である。コイル導体2501,2502は、信号ライン220S1,220S2から分岐するインダクタンスLa’,Lb’として作用する。また、導体パターン2601とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの対向構造は、インダクタンスLa’に直列接続されたキャパシタンスC1として作用する。また、導体パターン2602とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの対向構造は、インダクタンスLb’に直列接続されたキャパシタンスC2として作用する。
図2において、ディファレンシャルモードでは、信号ライン220S1の導体パターン222S1を+X方向(又は−X方向)に電流が流れ、信号ライン220S2の導体パターン222S2を−X方向(又は+X方向)に電流が流れる。つまり、ディファレンシャルモードの交流電流については、信号ライン220S1を流れる方向と信号ライン220S2を流れる方向とが逆となる。信号ライン220S1,220S2をディファレンシャルモードの電流が流れるとき、コイル導体2501を流れる電流の方向と、コイル導体2502を流れる電流の方向が同一となる。このため、図3(a)及び図3(b)に示すコイル導体2501,2502の内側の領域A,Bで、±X方向に同一方向の磁界が発生し、互いに磁界を強め合うことで、両者の誘導結合が強まる。コイル導体2501,2502のインダクタンスLa’,Lb’は、以下の式(1),(2)で表される。なお、コイル導体2501の自己インダクタンスをLa、コイル導体2502の自己インダクタンスをLb、コイル導体2501,2502間の相互インダクタンスをMとする。
La’=La+M 式(1)
Lb’=Lb+M 式(2)
よって、ディファレンシャルモードでは、相互インダクタンスMが加わる分、コイル導体2501,2502のインダクタンスLa’,Lb’が大きくなり、コイル導体2501,2502に流れ込む電流量が小さくなる。更に、本実施形態では、コイル導体2501,2502を信号ライン220S1,220S2から分岐させている。したがって、比較例のように信号ラインにコイル導体を直列に配置した場合に比べ、信号ライン220S1,220S2におけるインダクタンスを十分に小さくすることができる。よって、信号ライン220S1,220S2を流れる差動信号の劣化を抑えることができる。
コモンモードでは、信号ライン220S1の導体パターン222S1及び導体パターン222S2を+X方向(又は−X方向)に同一方向に電流が流れる。信号ライン220S1,220S2をコモンモードの電流が流れるとき、コイル導体2501を流れる電流の方向と、コイル導体2502を流れる電流の方向とが逆となる。このため、コイル導体2501,2502の内側の領域A,Bで、±X方向に逆方向の磁界が発生し、互いに磁界を弱め合うことで、両者の誘導結合が弱まる。コイル導体2501,2502のインダクタンスLa’,Lb’は、以下の式(3),(4)で表される。
La’=La−M 式(3)
Lb’=Lb−M 式(4)
よって、コモンモードでは、相互インダクタンスMが差し引かれる分、コイル導体2501,2502のインダクタンスLa’,Lb’が小さくなり、コイル導体2501,2502に流れ込む電流量が大きくなる。これにより、信号ライン220S1,220S2を通じて受信側に流れるコモンモード成分が低減され、コモンモード成分に起因する電磁波ノイズの放射量を低減することができる。
即ち、信号ライン220S1には、図5に示すように、一端と他端の間から分岐する直列共振回路(LC共振型フィルタ)Qaが接続されたことになる。また、信号ライン220S2には、一端と他端の間から分岐する直列共振回路(LC共振型フィルタ)Qbが接続されたことになる。そして、直列共振回路Qa,Qbのコイル導体2501,2502により、式(3),(4)に示すインダクタンスLa’,Lb’からなるディファレンシャルモードチョークコイルを構成することになる。よって、コイル導体2501,2502により、ディファレンシャルモード成分がグラウンドライン220Gに流れるのが遮断され、コモンモード成分をグラウンドライン220Gに透過される。これにより、プリント配線板301における配線構造で、受信側に流れるコモンモード成分を低減しつつ、受信側に流れるディファレンシャルモード成分、つまり信号成分の劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、導体パターン2601,2602とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとを対向させている。この対向構造により、インダクタンスLa’に直列接続されたキャパシタンスC1、及びインダクタンスLb’に直列接続されたキャパシタンスC2が構成される。これらキャパシタンスC1,C2により、周波数の高いコモンモード成分をグラウンドライン220Gにより透過しやすくなっている。よって、受信側に流れるコモンモード成分を低減することができるので、コモンモード成分に起因する電磁波ノイズの放射量をより効果的に低減することができる。
また、本実施形態では、コイル導体2501,2502が、ヴィア導体及び導体パターンで構成され、導体層211に垂直なYZ平面内においてコイル状に配置されている。したがって、コイル導体2501,2502によって発生される磁界の向き(X方向)と、信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2によって発生される磁界の向き(YZ方向)とを直交させることができる。即ち、信号ライン220S1,220S2とコイル導体2501,2502との間で、互いに発生する磁界の影響を受けにくくなる。したがって、信号ライン220S1,220S2を流れる信号成分であるディファレンシャルモード成分の劣化を、より効果的に抑制することができる。
コイル導体2501,2502は、X方向から見て、コイル導体2501の内側の領域A及びコイル導体2502の内側の領域Bの一部又は全部が互いに重なるように配置されているのが好適であり、本実施形態では全部が互いに重なるように配置されている。これにより、一対のコイル導体2501,2502のうち、一方のコイル導体にて発生させた磁束を、より多く他方のコイル導体の内側の領域に鎖交させることができ、相互インダクタンスMを大きくすることができる。よって、受信側に流れるコモンモード成分をより効果的に低減することができ、ディファレンシャルモード成分の劣化をより効果的に抑制することができる。
コイル導体2501は、X方向から見て、図3(a)に示すように、信号ライン220S1の導体パターン222S1及び信号ライン220S2の導体パターン222S2の両方を囲むように配置されているのが好適である。また、コイル導体2502は、X方向から見て、図3(b)に示すように、信号ライン220S1の導体パターン222S1及び信号ライン220S2の導体パターン222S2の両方を囲むように配置されているのが好適である。即ち、導体パターン222S1,222S2が領域A,Bを交差するように、コイル導体2501,2502及び導体パターン222S1,222S2が配線されているのが好ましい。これにより、コイル導体2501,2502にて発生させた磁束の大部分を信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2にて発生する磁界と直交させることができる。そのため、ディファレンシャルモード成分の劣化をより効果的に抑制することができる。
[実施例]
実施例として、図2に示すメイン基板200について、三次元電磁界シミュレーションを実施した結果について説明する。計算は、CST社の三次元電磁界シミュレータMW−STUDIOを用いた。シミュレーションモデルとして、プリント配線板201は、幅30[mm]、長さ30[mm]、厚さ0.4[mm]の外形形状とした。導体層212には、信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2として、幅70[μm]、長さ30[mm]、厚さ35[μm]の導体を設け、導体パターン222S1,222S2間の間隔を0.15[mm]とした。また、導体層212から−Z方向に0.235[mm]の位置に、幅30[mm]、長さ30[mm]、厚さ35[μm]の面状のグラウンドライン220Gの導体パターン223Gを設け、マイクロストリップ構造とした。誘電体はFR4(比誘電率4.3)とし、導体は銅(導電率5.8×10[S/m])とした。
信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2をSパラメータの計算範囲とした。つまり、信号ライン220S1の導体パターン222S1の一端をSパラメータのポート11に設定し、信号ライン220S1の導体パターン222S1の他端をSパラメータのポート21に設定した。また、信号ライン220S2の導体パターン222S2の一端をSパラメータのポート12に設定し、信号ライン220S2の導体パターン222S2の他端をSパラメータのポート22に設定した。そして、画像処理IC202をSパラメータのポート11,ポート12に接続し、カードリーダライタ502をSパラメータのポート21,ポート22に接続した。
また、導体パターン222S1において、画像処理IC202からカードリーダライタ502に向かって14.9[mm]の点に、図2の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.1[mm]のヴィア導体2511を設けた。そして、ヴィア導体2511の先端部から図2の+Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.51[mm]の導体パターン2521を設けた。導体パターン2521とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの間の層間距離は0.1[mm]とした。
また、導体パターン2521において、ヴィア導体2511との接続部と反対側の端部に図2の+Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.235[mm]のヴィア導体2531を設けた。そして、ヴィア導体2531の先端部から図2の−Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.73[mm]の導体パターン2541を設けた。導体パターン2541と導体パターン222S1との間の層間距離は0.1[mm]とした。
また、導体パターン2541において、ヴィア導体2531との接続部と反対側の端部に図2の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.235[mm]のヴィア導体2551を設けた。そして、ヴィア導体2551の先端部から図2の−Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.22[mm]の導体パターン2561を設けた。導体パターン2561の先端には、厚さ35[μm]、一辺の長さが1.8[mm]の正方形の導体パターン2601を設けた。導体パターン2601とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの間の層間間隔は0.1[mm]とした。
また、信号ライン220S2の導体パターン222S2において、画像処理IC202からカードリーダライタ502に向かって15.1[mm]の点に、図2の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.1[mm]のヴィア導体2512を設けた。そして、ヴィア導体2512の先端部から図2の−Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.51[mm]の導体パターン2522を設けた。導体パターン2522とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの間の層間間隔は0.1[mm]とした。
また、導体パターン2522において、ヴィア導体2512との接続部と反対側の端部に図2の+Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.235[mm]のヴィア導体2532を設けた。そして、ヴィア導体2532の先端部から図2の+Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.73[mm]の導体パターン2542を設けた。導体パターン2542と信号ライン220S2の導体パターン222S2との間の層間間隔は0.1[mm]とした。
また、導体パターン2542において、ヴィア導体2532との接続部と反対側の端部に図2の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.235[mm]のヴィア導体2552を設けた。そして、ヴィア導体2552の先端部から図2の+Y方向に延びる厚さ35[μm]、幅70[μm]、長さ0.22[mm]の導体パターン2562を設けた。導体パターン2562の先端には、厚さ35[μm]、一辺の長さが1.8[mm]の正方形の導体パターン2602を設けた。導体パターン2602とグラウンドライン220Gの導体パターン223Gとの間の層間間隔は0.1[mm]とした。
図6に示す比較例のメイン基板200Xについても同様にモデル化した。本実施例のシミュレーションモデルと異なる点のみ説明する。
プリント配線板の表層には、信号ラインの導体パターン221X、222Xとして、幅70[μm]、長さ12.5[mm]、厚さ35[μm]の導体を設けた。また、表層から−Z方向に0.235[mm]の位置に幅30[mm]、長さ30[mm]、厚さ35[μm]の面状のグラウンドライン220Gの導体パターン223Gを設け、マイクロストリップ構造とした。
導体パターン221Xの先端には、一辺の長さが5.0[mm]の正方形の領域内に、幅70[μm]、巻き数4のコイル導体251Xを設けた。コイル導体251Xの中央には、径4.1[mm]、長さ0.17[mm]、比透磁率4の磁性体271Xを設けた。また、コイル導体251Xの先端には、図6の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.1[mm]のヴィア導体273Xを設けた。そして、ヴィア導体273Xには、図6の+Y方向に延びる幅70[μm]、長さ2.5[mm]、厚さ35[μm]の導体パターン275Xを介して、信号ラインの導体パターン222S1を接続した。
導体パターン222Xの先端には、一辺の長さが5.0[mm]の正方形の領域内に、幅70[μm]、巻き数4のコイル導体252Xを設けた。コイル導体252Xは、コイル導体251Xと反対方向の渦巻き形状とした。コイル導体252Xの中央には、径4.1[mm]、長さ0.17[mm]、比透磁率4の磁性体272Xを設けた。また、コイル導体252Xの先端には、図6の−Z方向に延びる径70[μm]、長さ0.1[mm]のヴィア導体274Xを設けた。そして、ヴィア導体274Xには、図6の−Y方向に延びる幅70[μm]、長さ2.5[mm]、厚さ35[μm]の導体パターン276Xを介して、信号ラインの導体パターン222S2を接続した。
実施例及び比較例のそれぞれのモデルについて、ディファレンシャルモード成分の伝搬率(ミックストモードSパラメータのSdd21)およびコモンモード成分の伝搬率(ミックストモードSパラメータのScc21)をシミュレーションにより求めた。
表1に、比較例と実施例のメイン基板200X,200のディファレンシャルモード成分の伝搬率Sdd21[%]、コモンモード成分の伝搬率Scc21[%]、両者の比Sdd21/Scc21を示す。なお、各値は一例として無線LANの周波数である2.4[GHz]における値を示している。
Figure 2019040925
表1より、実施例のメイン基板200では、比較例のメイン基板200Xと比較して、Sdd21/Scc21が5倍程度大きくなった。特に、ディファレンシャルモード成分の伝搬率Sdd21[%]が、比較例では12.1[%]であったのに対し、実施例では52.1[%]と、大幅に改善した。以上、実施例では、比較例に対し、ディファレンシャルモード成分、つまり信号成分の劣化を抑制しつつ、コモンモード成分の伝搬を低減することができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
上述の実施形態では、電子機器が撮像装置である場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば電子機器がプリンタや複写機等の画像形成装置であっても、本発明は適用可能である。
また、上述の実施形態では、プリント配線板201にノイズフィルタを適用した場合について説明したが、これに限定するものではない。差動信号を送信する送信側の部品が実装されるプリント配線板に本発明は適用可能である。例えば、プリント配線板301,401,501に上述の実施形態のノイズフィルタを適用してもよい。
また、上述の実施形態では、送信部として機能する部品である半導体装置が実装されるプリント配線板について説明したが、これに限定するものではなく、半導体装置が実装されていない基板、例えば中継基板等においても本発明は適用可能である。この場合、例えば送信側の基板にケーブルで接続されるコネクタが、送信部として機能する部品である。
また、上述の実施形態では、プリント配線板201が4層の導体層を有する場合について説明したが、導体層の数はこれに限定するものでない。コイル導体2501,2502をヴィア導体及び導体パターンで構成する場合には、少なくとも3層あればよい。3層のプリント配線板の場合、導体パターン2601,2602に対向させるグラウンドライン220Gの導体パターン223Gは、内層に配置すればよい。
また、コイル導体2501,2502の内側の領域A,Bを信号ライン220S1,220S2の導体パターン222S1,222S2が交差するように配置するのが好適であるが、本発明は交差するものに限定するものではない。また、X方向から見て、領域Aと領域Bとが重なるのが好適であるが、本発明は重なるものに限定するものではない。
100…撮像装置(電子機器)、200…メイン基板(プリント回路板)、201…プリント配線板、202…画像処理IC(部品,半導体装置)、202S1…端子(第1の端子)、202S2…端子(第2の端子)、220S1…信号ライン(第1の信号ライン)、220S2…信号ライン(第2の信号ライン)、2501…コイル導体(第1のコイル導体)、2502…コイル導体(第2のコイル導体)、2601…導体パターン(第1の導体パターン)、2602…導体パターン(第2の導体パターン)、800…ケーブル

Claims (13)

  1. プリント配線板と、
    前記プリント配線板の実装面に実装され、互いに逆位相の信号を送信する第1端子及び第2端子を有する部品と、を備え、
    前記プリント配線板は、
    前記第1端子及び前記第2端子にそれぞれ電気的に接続され、前記信号の伝送路となる第1の信号ライン及び第2の信号ラインと、
    前記第1の信号ラインから分岐する第1のコイル導体と、
    前記第2の信号ラインから分岐し、前記第1のコイル導体とは逆巻きの第2のコイル導体と、を有する、
    ことを特徴とするプリント回路板。
  2. 前記プリント配線板は、
    グラウンドラインと、
    前記第1のコイル導体に電気的に接続され、前記実装面と直交する方向から見て、一部又は全部が前記グラウンドラインと重なる位置に配置された第1の導体パターンと、
    前記第2のコイル導体に電気的に接続され、前記実装面と直交する方向から見て、一部又は全部が前記グラウンドラインと重なる位置に配置された第2の導体パターンと、を更に有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板。
  3. 前記第1の導体パターン及び前記第2の導体パターンは、前記実装面と直交する方向から見て、前記第1の信号ライン及び前記第2の信号ラインを挟んで対向するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載のプリント回路板。
  4. 前記第1のコイル導体及び前記第2のコイル導体の各々は、前記実装面と垂直な面内にコイル状に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  5. 前記第1のコイル導体及び前記第2のコイル導体の各々は、ヴィア導体及び導体パターンで構成されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載のプリント回路板。
  6. 前記第1のコイル導体及び前記第2のコイル導体は、前記実装面と平行な方向から見て、前記第1のコイル導体の内側の領域及び前記第2のコイル導体の内側の領域の一部又は全部が互いに重なるように配置されている、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載のプリント回路板。
  7. 前記第1のコイル導体及び前記第2のコイル導体の各々は、前記実装面に平行な方向から見て、前記第1の信号ライン及び前記第2の信号ラインの両方を囲むように配置されている、
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  8. 前記実装面に実装され、前記第1の信号ライン及び第2の信号ラインに電気的に接続され、ケーブルが装着されたコネクタを更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  9. 前記部品は、半導体装置である、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  10. 第1の信号ラインと、
    前記第1の信号ラインに並設された第2の信号ラインと、
    前記第1の信号ラインから分岐する第1のコイル導体と、
    前記第2の信号ラインから分岐し、前記第1のコイル導体とは逆巻きの第2のコイル導体と、を有する、
    ことを特徴とするプリント配線板。
  11. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のプリント回路板と、
    前記プリント回路板の周囲に配置され、前記プリント回路板に電気的に接続された無線通信装置と、を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
  12. 請求項8に記載のプリント回路板と、
    前記コネクタに装着された前記ケーブルと、
    前記ケーブルを介して前記部品から信号を受信する受信部と、を備える、
    ことを特徴とする電子機器。
  13. 前記プリント回路板の周囲に配置され、前記プリント回路板に電気的に接続された無線通信装置を備える、
    ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
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