JP6428990B1 - アンテナ装置および電子機器 - Google Patents

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q19/00Combinations of primary active antenna elements and units with secondary devices, e.g. with quasi-optical devices, for giving the antenna a desired directional characteristic
    • H01Q19/02Details
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q7/00Loop antennas with a substantially uniform current distribution around the loop and having a directional radiation pattern in a plane perpendicular to the plane of the loop
    • H04B5/48

Abstract

アンテナ装置(301)は、面状導体と、通信回路に接続され、面状導体に近接し、かつ面状導体に接続されるアンテナコイル(3)と、面状導体に接続される第1キャパシタ(C10)と、アンテナコイル(3)に接続される第2キャパシタ(C20)と、を備える。第1キャパシタ(C10)と面状導体の第1インダクタンス形成部(L10)とによって第1共振回路(RC1)が構成され、第2キャパシタ(C20)と、アンテナコイル(3)および面状導体の第2インダクタンス形成部(L20)とを含んで第2共振回路(RC2)が構成される。第1インダクタンス形成部(L10)と第2インダクタンス形成部(L20)とは少なくとも一部を共有する。

Description

本発明は、コイル素子を有するアンテナ装置に関し、特に基材に形成された導電性部材と共に用いられるアンテナ装置およびそれを備える電子機器に関する。
回路基板等に形成された面状導体の導体開口部に、給電素子を介して給電回路を接続することで、面状導体を放射素子の一部として利用するアンテナ装置が特許文献1に示されている。
上記給電素子は、互いに磁界結合する1次コイルと2次コイルとを備えた絶縁型トランスであり、RFIC等の給電回路と面状導体の開口部とをインピーダンス整合させる。
国際公開第2014/003164号
特許文献1に示されているような、互いに結合する第1コイルおよび第2コイルと、面状導体とを備えるアンテナ装置においては、面状導体やその開口の大きさなどによって、通信可能距離を拡大することができる。
しかし、通信相手アンテナとの結合をより高めるためには、更なる工夫が必要であった。
本発明の目的は、通信相手アンテナとの結合をより高められるようにしたアンテナ装置およびそれを備える電子機器を提供することにある。
(1)本発明のアンテナ装置は、
面状導体と、通信回路に接続され、前記面状導体に近接し、かつ前記面状導体に接続されるアンテナコイルと、面状導体に接続される第1キャパシタと、アンテナコイルに接続される第2キャパシタと、を備える。
また、少なくとも第1キャパシタおよび面状導体の第1インダクタンス形成部を含んで第1共振回路が構成され、少なくとも第2キャパシタ、アンテナコイルおよび面状導体の第2インダクタンス形成部を含んで第2共振回路が構成される。
第1インダクタンス形成部と第2インダクタンス形成部とは少なくとも一部を共有する。
そして、第1共振回路と第2共振回路とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数の少なくとも一方は通信周波数帯にある。
上記構成により、面状導体の第1インダクタンス形成部と第2インダクタンス形成部とが共有されて、第1共振回路と第2共振回路とが構成されるので、アンテナコイルと面状導体との結合が高まる。また、面状導体の第2インダクタンス部は第2共振回路の電流経路であるので、面状導体の第2インダクタンス部はアンテナコイルの一部としても作用し、アンテナコイルと通信相手アンテナとの結合が高まる。
アンテナコイルには、アンテナの給電回路としての通信回路が接続されるので、このアンテナ装置を用いることによって、通信可能距離の更なる拡大、またはより安定した通信が可能となる。
(2)前記アンテナコイルは面状導体と磁界結合する構造であることが好ましい。これにより、面状導体とアンテナコイルとの結合を容易に高めることができ、面状導体に誘導される電流またはアンテナコイルに誘導される電流をより増強できる。
(3)前記面状導体は、導体開口と、当該導体開口から面状導体の外縁にまで連接するスリットとを有し、アンテナコイルのコイル開口の少なくとも一部は、面状導体の平面視で、面状導体の導体開口に重なり、第1キャパシタはスリットを跨ぐように接続されることが好ましい。この構造により、アンテナコイルと面状導体とは強く磁界結合する。
(4)前記面状導体の平面視で面状導体の導体開口の縁に沿って流れる電流と、アンテナコイルに流れる電流とは面状導体の平面視で、周回方向が同じであることが好ましい。これにより、アンテナコイルと通信相手アンテナとの結合と、面状導体と通信相手アンテナとの結合とが加算される。すなわち、アンテナコイルと通信相手アンテナとの結合も有効となる。
(5)前記アンテナコイルは、第1端子および第2端子に接続されるコイル導体と、第3端子および第4端子に接続され、コイル導体と磁界結合する補助導体とを有し、第1端子および第4端子が通信回路に接続され、第2端子および第3端子が第2インダクタンス形成部に接続されることが好ましい。これにより、コイル導体と補助導体との相互インダクタンスも有効に利用され、所定インダクタンスのアンテナコイルを小型に構成できる。
(6)前記アンテナコイルは、実装面に第1端子、第2端子、第3端子および第4端子を備えるチップ部品であり、アンテナコイルは回路基板に実装されることが好ましい。これにより、アンテナコイルと面状導体との接続構造が簡素化され、アンテナコイルの占有面積が縮小化される。
(7)前記面状導体は回路基板に形成された導体パターンであることが好ましい。これにより、面状導体とアンテナコイルとの相対的な位置ずれ要因が少なくなって、面状導体とアンテナコイルとの位置関係が高精度になり、安定したアンテナ特性が得られる。
(8)前記コイル導体および補助導体は複数の基材層の積層体に形成され、コイル導体と補助導体とが積層配置されていることが好ましい。これにより、アンテナコイルを大型化することなく、コイル導体と補助導体との結合度を高められる。
(9)前記複数の基材層は、コイル導体および補助導体を含む磁気回路の磁路を構成する磁性体層を含むことが好ましい。この構造により、小サイズでありながら所定インダクタンスのアンテナコイルが構成できる。また、磁性体層の集磁効果により、アンテナコイルと面状導体との磁界結合、およびアンテナコイルと通信相手アンテナとの磁界結合が高まる。
(10)本発明の電子機器は、アンテナ装置、および当該アンテナ装置に接続される通信回路を備える電子機器であって、
前記アンテナ装置は、面状導体と、通信回路に接続され、面状導体に近接するアンテナコイルと、アンテナコイルおよび面状導体に接続される第1キャパシタと、面状導体に接続される第2キャパシタと、を備える。
また、前記アンテナ装置は、少なくとも第1キャパシタおよび面状導体の第1インダクタンス形成部を含んで第1共振回路が構成され、少なくとも第2キャパシタ、アンテナコイルおよび面状導体の第2インダクタンス形成部を含んで第2共振回路が構成される。
また、前記第1インダクタンス形成部と前記第2インダクタンス形成部とは少なくとも一部を共有している。
そして、第1共振回路と第2共振回路とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数の少なくとも一方は通信周波数帯にある。
上記構成により、アンテナコイルと面状導体との結合が高く、また、アンテナコイルと通信相手アンテナとの結合が高い、アンテナ装置を備えるので、通信可能距離の更なる拡大、またはより安定した通信が可能な電子機器が構成される。
本発明によれば、通信相手アンテナとの結合をより高められるようにしたアンテナ装置およびそれを備える電子機器が得られる。
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置301の斜視図である。図1(B)はアンテナ装置301からアンテナコイル3を除いた状態での斜視図である。 図2は第1の実施形態に係るアンテナ装置301およびアンテナ装置301を備える電子機器の回路図である。 図3はアンテナ装置301と通信相手アンテナ500との位置関係を示す斜視図である。 図4はアンテナ装置301と通信相手アンテナ500との結合の仕方について示す図である。 図5(A)はアンテナコイル3の外観斜視図である。図5(B)はアンテナコイル3の内部に形成されるコイル導体および補助導体の概略形状を示す斜視図である。 図6は、アンテナコイル3を構成する複数の基材層の平面図、およびアンテナコイル3が実装される位置の回路基板上の導体パターンを示す部分平面図である。 図7は第2の実施形態に係るアンテナコイルを構成する複数の基材層の平面図、およびアンテナコイルが実装される位置の回路基板上の導体パターンを示す部分平面図である。 図8(A)(B)(C)は、RFICの入出力がシングルエンド型である場合の、第2共振回路RC2の幾つかの構成例を示す図である。 図9(A)(B)(C)は、RFICの入出力がバランス型である場合の、第2共振回路RC2の幾つかの構成例を示す図である。 図10は第4の実施形態のアンテナ装置304およびそれに接続される回路の回路図である。 図11(A)は第5の実施形態に係るアンテナ装置305の斜視図である。図11(B)はアンテナ装置305からアンテナコイル3を除いた状態での斜視図である。 図12(A)は回路基板110の、アンテナコイル3の実装位置の平面図であり、図12(B)はその位置の下面図である。 図13は回路基板110に形成されている層間接続導体とそれら付近の構造を示す図である。 図14(A)、図14(B)は、アンテナ装置305と通信相手アンテナ500との位置関係を示す斜視図である。 図15(A)は、アンテナ装置305のアンテナコイル3を透過する磁束の密度分布を示す磁束密度ベクトル線図である。図15(B)は第1の実施形態で示したアンテナ装置301のアンテナコイル3を透過する磁束の密度分布を示す磁束密度ベクトル線図である。 図16(A)は第6の実施形態に係る回路基板110の、アンテナコイル3の実装位置の平面図であり、図16(B)はその位置の下面図である。 図17は第6の実施形態に係るアンテナ装置306およびアンテナ装置306を備える電子機器の回路図である。 図18は第7の実施形態に係るアンテナ装置307の断面図である。 図19(A)は第8の実施形態に係るアンテナ装置308の平面図であり、図19(B)はアンテナ装置308の断面図である。 図20は比較例のアンテナ装置の回路図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
各実施形態に示す「アンテナ装置」は、信号(または電力)の送信(送電)側、受信(受電)側のいずれにも適用できる。この「アンテナ装置」を、磁束を放射するアンテナとして説明する場合でも、そのアンテナ装置が磁束の発生源であることに限るものではない。伝送相手側アンテナ装置が発生した磁束を受ける(鎖交する)場合にも、すなわち送受の関係が逆であっても、同様の作用効果を奏する。
各実施形態に示す「アンテナ装置」は、通信相手側アンテナ装置と磁界結合を用いた近傍界通信のために用いられるアンテナ装置、または電力伝送相手側アンテナ装置と磁界結合を用いた近傍界での電力伝送のために用いられるアンテナ装置である。通信の場合には、例えばNFC(Near field communication)等の通信システムに適用される。電力伝送の場合には、例えば電磁誘導方式や磁界共鳴方式等の磁界結合を利用した電力伝送システムに適用される。つまり、各実施形態に示す「アンテナ装置」は、少なくとも磁界結合を利用した通信や電力伝送等の無線伝送システムで用いられる。なお、各実施形態に示す「アンテナ装置」は、実質的に伝送相手側アンテナ装置と電磁界結合(磁界結合および電界結合)により無線伝送しているものも含む。
各実施形態に示す「アンテナ装置」は、例えばHF帯、特に13.56MHz、6.78MHzまたはそれらの近傍の周波数帯が利用される。アンテナ装置の大きさは使用する周波数における波長λに比べて十分に小さく、使用周波数帯においては電磁波の放射効率は低い。アンテナ装置の大きさはλ/10以下である。より具体的には、アンテナ装置の電流経路の長さがλ/10以下である。なお、ここでいう波長とは、導体が形成される基材の誘電性や透磁性による波長短縮効果を考慮した実効的な波長である。
各実施形態において、「電子機器」とは、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話端末、スマートウォッチやスマートグラス等のウェアラブル端末、ノートPCやタブレットPC等の携帯PC、カメラ、ゲーム機、玩具等の情報機器、ICタグ、SDカード、SIMカード、ICカード等の情報媒体等、様々な電子機器を指す。
《第1の実施形態》
図1(A)は第1の実施形態に係るアンテナ装置301の斜視図である。また、図1(B)はアンテナ装置301からアンテナコイル3を除いた状態での斜視図である。このアンテナ装置301は例えばNFCで通信を行うRFIDシステムにおけるリーダーライターまたはタグに用いられる。また、このアンテナ装置301はNFC通信機能を有する電子機器に備えられる。
アンテナ装置301は、回路基板110に形成された面状導体111と、回路基板110に実装されたアンテナコイル3を備える。面状導体111には導体開口OP、およびこの導体開口OPから面状導体111の外縁にまで連接するスリットSLを有する。
アンテナコイル3は、導体開口OPに重なるように実装され、面状導体111に近接する。後に示すように、アンテナコイル3のコイル開口は導体開口OPに重なる。アンテナコイル3の2つの端子は、回路基板110に設けられたキャパシタ(後に示す第2キャパシタC20)およびRFIC(いずれも図1(A)(B)には表れていない。)にパッドP1,P4を介して接続され、アンテナコイル3の他の2つの端子はパッドP2,P3を介して面状導体111に接続される。
回路基板110には、スリットSLを跨ぐように第1キャパシタC10が実装され、スリットSL間に第1キャパシタC10が接続されている。
図2は第1の実施形態に係るアンテナ装置301およびアンテナ装置301を備える電子機器の回路図である。図2においてインダクタL111は、面状導体111に生じるインダクタンスを等価的にインダクタ素子として表したものである。インダクタL10は、図1(A)(B)に示した第1キャパシタC10が接続される2点から視た面状導体111のインダクタンス形成部のインダクタである。このインダクタンス形成部は本発明に係る「第1インダクタンス形成部」に相当する。また、インダクタL20は、図1(A)に示したパッドP2−P3から視た面状導体111のインダクタンス形成部のインダクタである。このインダクタンス形成部は本発明に係る「第2インダクタンス形成部」に相当する。
アンテナコイル3には、端子T1−T2間に接続されたコイル導体L1と、端子T3−T4間に接続された補助導体L2とを備える。コイル導体L1と補助導体L2とは磁界結合する。これにより、コイル導体L1と補助導体L2との相互インダクタンスも有効に利用され、所定インダクタンスのアンテナコイルを小型に構成できる。
アンテナコイル3の第1端子T1と第4端子T4はRFIC9に接続され、このアンテナコイル3の第1端子T1と第4端子T4に対して並列に第2キャパシタC20が接続されている。
少なくとも第1キャパシタC10および面状導体の第1インダクタンス形成部(インダクタL10)を含んで第1共振回路RC1が構成されている。また、少なくとも第2キャパシタC20、アンテナコイル3および面状導体の第2インダクタンス形成部(インダクタL20)を含んで第2共振回路RC2が構成されている。図2において電流i1は第1共振回路RC1に流れる共振電流の経路を表している。また、電流i2は第2共振回路RC2に流れる共振電流の経路を表している。
図2に示す例では、第1キャパシタC10と第1インダクタンス形成部(インダクタL10)とで第1共振回路RC1が構成されているが、第1共振回路RC1には、第1キャパシタC10および第1インダクタンス形成部(インダクタL10)以外の回路構成要素を含んでもよい。
また、図2に示す例では、第2キャパシタC20、アンテナコイル3および面状導体の第2インダクタンス形成部(インダクタL20)を含んで第2共振回路RC2が構成されているが、第2共振回路RC2には、第2キャパシタC20、アンテナコイル3および面状導体の第2インダクタンス形成部(インダクタL20)以外の回路構成要素を含んでもよい。
図1(A)に示した第1キャパシタC10の両端から面状導体111に、上記第1共振回路RC1の共振電流が流れ、パッドP2−P3から面状導体111に、第2共振回路RC2の共振電流が流れる。したがって、第1インダクタンス形成部(インダクタL10)と第2インダクタンス形成部(インダクタL20)とは少なくとも一部(本実施形態では大部分)を共有する。したがって、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とは、面状導体111の一部を共有する。このことは第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが、面状導体111の一部を介して磁界結合している、ということもできる。
本発明において、「第1インダクタンス形成部と第2インダクタンス形成部とは少なくとも一部を共有」する、とは、第1インダクタンス形成部(インダクタL10)の一部または全部が、第2インダクタンス形成部(インダクタL20)の一部または全部でもあることを意味する。この構成により、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2は、電流経路の一部を共有できる。
このように第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが面状導体111の一部を共有していることにより、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2との結合がより強固なものとなる。このことにより、アンテナコイル3と面状導体111との結合係数k12が向上する。また、k12の向上に伴い面状導体111に流れる電流が増えるため、面状導体111の一部を共有する第1共振回路RC1に流れる電流も増加する。その結果、アンテナコイル3と通信相手アンテナ500との結合係数k13が向上する。
また、第1共振回路RC1および第2共振回路RC2それぞれ単体での共振周波数は略等しいので、第1共振回路RC1のインダクタンス成分をL10で表し、第2共振回路RC2のインダクタンス成分をL1220で表し、第1キャパシタC10のキャパシタンスをC10、第2キャパシタC20のキャパシタンスをC20でそれぞれ表すと、L10<L1220,C10>C20の関係にある。第1共振回路RC1の並列抵抗成分をRで表すと、第1共振回路RC1のQ値は、Q=R√(C10/L10)の関係にあるので、上記のとおり、C10が大きく、L10が小さいことによって、第1共振回路RC1のQ値は高く、そのことにより面状導体111の第1インダクタンス形成部(インダクタL10)に流れる電流は大きい。このことにより、面状導体111と通信相手アンテナとの結合係数k23が向上する。
RFIC9は本発明に係る「通信回路」の一例であり、例えば13.56MHz帯を利用するNFC用の無線通信回路を備える集積回路である。
第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数の少なくとも一方(例えば低い方の共振周波数)は通信周波数帯または当該通信周波数帯の近傍にある。
上記アンテナ装置301およびこのアンテナ装置301に接続されるRFIC9を備えることで電子機器が構成される。
図3は、本実施形態のアンテナ装置301と通信相手アンテナ500との位置関係を示す斜視図である。また、図4は、図3に示したアンテナ装置301と通信相手アンテナ500との結合の仕方について示す図である。図4において、アンテナコイル3と面状導体111とは結合係数k12で結合し、面状導体111と通信相手アンテナ500とは結合係数k23で結合する。さらに、アンテナコイル3と通信相手アンテナ500とは結合係数k13で結合する。
図5(A)はアンテナコイル3の外観斜視図である。図5(B)はアンテナコイル3の内部に形成されるコイル導体および補助導体の概略形状を示す斜視図である。アンテナコイル3は回路基板110に表面実装されるチップ部品である。アンテナコイル3のコイル巻回軸はZ軸方向であり、アンテナコイル3の導体および補助導体のコイル開口APは図4に示した面状導体111の導体開口OPに重なる。この構造により、アンテナコイル3のコイル導体および補助導体は面状導体111と強く磁界結合する。
図6は、アンテナコイル3を構成する複数の基材層の平面図、およびアンテナコイル3が実装される位置の回路基板上の導体パターンを示す部分平面図である。
アンテナコイル3は複数の基材層S1〜S9を備える。基材層S1の下面には端子T1〜T6が形成されている。基材層S2の下面には1ターン未満の補助導体L2が形成されている。基材層S9〜S3には、図2に示したコイル導体L1を構成する導体パターンL1a〜L1gがそれぞれ形成されている。また、基材層S1〜S8の所定位置に層間接続導体が形成されている。図中の二点鎖線は層間接続導体による主要な接続関係を示している。また矢印は電流の経路およびその方向を示している。導体パターンL1a〜L1gと複数の層間接続導体によって約7ターンのコイル導体L1が構成されている。
導体パターンL1a〜L1gによるコイル導体L1および補助導体L2は複数の基材層の積層体に形成され、コイル導体L1と補助導体L2とが積層配置されていることにより、アンテナコイル3は大型化することなく、コイル導体L1と補助導体L2との結合度を高められる。
上記基材層S1〜S9の全部または一部は磁性体層であってもよい。そのことにより、コイル導体L1および補助導体L2を含む磁気回路の磁路に磁性体を含むことになり、小サイズでありながら所定インダクタンスのアンテナコイルが構成できる。また、磁性体層の集磁効果により、アンテナコイル3と面状導体111との磁界結合、およびアンテナコイル3と通信相手アンテナとの磁界結合が高まる。さらに、上記磁性体層により、磁路の透磁率などを調整することによって、コイル導体L1と補助導体L2との結合係数を定めることができる。そのことにより、第2共振回路RC2の共振周波数を調整でき、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数を定めることができる。
また、コイル導体L1および補助導体L2に対する実装面側の基材層、例えば基材層S1、が磁性体層であれば、面状導体111が近接することによる、コイル導体L1および補助導体L2のインダクタンス等の変動を抑制できる。
また、コイル導体L1および補助導体L2に対する実装面とは反対側の基材層、例えば基材層S9、が磁性体層であれば、コイル導体L1の開口より大きな面積の磁性体層で磁束を受けることになり、磁性体層の集磁効果により、アンテナコイル3と面状導体111との磁界結合、およびアンテナコイル3と通信相手アンテナとの磁界結合が高まる。
このようにして、第1端子T1および第2端子T2に接続されるコイル導体L1と、第3端子T3および第4端子T4に接続され、コイル導体L1と磁界結合する補助導体L2と、を有するアンテナコイル3が構成される。端子T5,T6はコイル導体L1および補助導体L2とは接続されない実装用の端子である。
図6において、矢印で示す方向に、導体パターンL1a〜L1g(コイル導体L1)および補助導体L2に電流が流れると、面状導体111には図6中に示す方向の電流が流れる。このように、面状導体111の平面視で面状導体111の導体開口OPの縁に沿って流れる電流と、アンテナコイル3に流れる電流とは同相である。
なお、面状導体111は回路基板110に形成された導体パターンであり、アンテナコイル3は回路基板110に実装されるので、面状導体111とアンテナコイル3との相対的な位置ずれ要因が少なくなって、面状導体111とアンテナコイル3との位置関係が高精度になり、安定したアンテナ特性が得られる。
ここで、第1インダクタンス形成部(L10)と第2インダクタンス形成部(L20)とが一部を共有することによる結合係数の向上効果について示す。
図20は比較例のアンテナ装置の回路図である。図2に示した本実施形態のアンテナ装置301と異なり、比較例のアンテナ装置は、第1キャパシタC10と面状導体の第1インダクタンス形成部(インダクタL10)とによって第1共振回路RC1が構成されていて、第2キャパシタC20とアンテナコイルL12とによって第2共振回路RC2が構成されている。この比較例のアンテナ装置は、第1インダクタンス形成部(インダクタL10)とアンテナコイルL12とが単純に磁界結合している。
上記比較例のアンテナ装置と本実施形態のアンテナ装置301の各結合係数は次のとおりである。
―――――――――――――――――――――――――――
k12 k23 k13
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比較例 0.489 0.040 0.021
実施形態 0.557 0.041 0.024
向上率 13.9% 2.5% 14.3%
―――――――――――――――――――――――――――
このように、第1共振回路RC1と第2共振回路RC2とが面状導体111の一部を共有していることにより、アンテナコイル3と面状導体111との結合係数k12が向上し、アンテナコイル3と通信相手アンテナ500との結合係数k13も向上する。
また、本実施形態によれば、図4、図5(A)(B)に示したように、アンテナコイル3のコイル巻回軸は面状導体111の面に対して垂直方向であり、アンテナコイル3のコイル開口APは図4に示した面状導体111の導体開口OPに重なるので、アンテナコイル3のコイル巻回軸が例えばY軸方向であるものに比べて、アンテナコイル3と面状導体111との結合係数k12の高いアンテナ装置が得られる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、第1の実施形態とは別のアンテナコイルの構造例を示す。第2の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、第1の実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図7は第2の実施形態に係るアンテナコイルを構成する複数の基材層の平面図、およびアンテナコイルが実装される位置の回路基板上の導体パターンを示す部分平面図である。
本実施形態のアンテナコイルは基材層S1〜S10を備える。基材層S1の下面には端子T1〜T6が形成されている。基材層S3の下面には約1/2ターンの補助導体L2が形成されている。基材層S4〜S10には、図2に示したコイル導体L1を構成する導体パターンL1a〜L1gがそれぞれ形成されている。また、基材層S1〜S9の所定位置に層間接続導体が形成されている。図中の二点鎖線は層間接続導体による主要な接続関係を示している。また矢印は電流の経路およびその方向を示している。導体パターンL1a〜L1gと複数の層間接続導体によって約6.5ターンのコイル導体L1が構成されている。
このようにして、第1端子T1および第2端子T2に接続されるコイル導体L1と、第3端子T3および第4端子T4に接続され、コイル導体L1と磁界結合する補助導体L2と、を有するアンテナコイル3が構成される。端子T5,T6はコイル導体L1および補助導体L2とは接続されない実装用の端子である。図6に示したアンテナコイルとは端子T1〜T4の配置が異なる。
図7において、矢印で示す方向に、導体パターンL1a〜L1g(コイル導体L1)および補助導体L2に電流が流れると、面状導体111には図7中に示す方向の電流が流れる。このように、面状導体111の平面視で面状導体111の導体開口OPの縁に沿って流れる電流と、アンテナコイルに流れる電流とは同相である。
《第3の実施形態》
第3の実施形態では、アンテナ装置が備える第2共振回路RC2の幾つかの構成例を示す。第3の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図8(A)(B)(C)は、RFICの入出力がシングルエンド型である場合の例であり、図8(A)は図2に示したアンテナ装置301と同じである。但し、面状導体111によるインダクタL111の同じ2点に第1共振回路RC1と第2共振回路RC2を接続している。図1(A)(B)、図4に示した第1キャパシタC10の接続位置がアンテナコイル3のT2,T3の接続位置に極近い場合には、面状導体111によるインダクタL111は「第1インダクタンス形成部」のインダクタでもあり、「第2インダクタンス形成部」のインダクタでもある。
図8(B)に示す例では、図8(A)と同様、面状導体111によるインダクタL111の同じ2点に第1共振回路RC1と第2共振回路RC2を接続しており、さらに、RFIC9に対して直列に第2キャパシタC21が接続されている。
図8(C)に示す例では、図8(A)と同様、面状導体111によるインダクタL111の同じ2点に第1共振回路RC1と第2共振回路RC2を接続しており、さらに、RFIC9に対して第2キャパシタC20が並列接続されるとともに、RFIC9に対して第2キャパシタC21が直列に接続されている。
このように、第2共振回路RC2は、直列接続された第2キャパシタC21を備えていてもよい。
図9(A)(B)(C)はRFICの入出力がバランス型である場合の例である。図9(A)(B)(C)においても、図8(A)(B)(C)同様、面状導体111によるインダクタL111の同じ2点に第1共振回路RC1と第2共振回路RC2を接続している。図9(A)に示す例では、直列接続された第2キャパシタC20a,C20bがRFIC9の入出力ラインに対して並列接続され、第2キャパシタC20a,C20bの接続点がグランドに接続されている。
図9(B)に示す例では、第2キャパシタC21a,C21bがRFIC9に対して直列に接続されている。
図9(C)に示す例では、直列接続された第2キャパシタC20a,C20bがアンテナコイル3に対して並列接続され、RFIC9に対して第2キャパシタC21a,C21bが直列接続されている。
このように、入出力がバランス型の通信回路にも同様に適用できる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態では、通信回路との接続部に整合回路およびフィルタ回路を備えるアンテナ装置の例を示す。第4の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図10は第4の実施形態のアンテナ装置304およびそれに接続される回路の回路図である。アンテナ装置304のうち、第1共振回路RC1および第2共振回路RC2の構成は図9(A)に示した回路と同じである。
RFIC9とアンテナコイル3との間には整合回路MCが接続されている。この例では、インダクタL21a,L21bおよびキャパシタC20a,C20b,C21a,C21b,C22a,C22bによって整合回路MCが構成されている。特にインダクタL21a,L21bはEMC(Electro-Magnetic Compatibility:電磁両立性)対応用のフィルタとしても作用する。
図10において、通信相手アンテナ500をインダクタL500で表している。このインダクタL500とキャパシタとで通信相手側の共振回路が構成されている。このインダクタL500と面状導体111によるインダクタL111とが磁界結合する。上記通信相手側の共振回路の共振周波数は、通信周波数帯または当該通信周波数帯の近傍にある。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、回路基板に対するキャパシタの実装位置が第1の実施形態で示した例とは異なるアンテナ装置について示す。第5の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図11(A)は第5の実施形態に係るアンテナ装置305の斜視図である。また、図11(B)はアンテナ装置305からアンテナコイル3を除いた状態での斜視図である。図1(A)、図1(B)に示した例とは異なり、第1キャパシタC10は回路基板110の下面に実装されている。
図12(A)は回路基板110の、アンテナコイル3の実装位置の平面図であり、図12(B)はその位置の下面図である。また、図13は回路基板110に形成されている層間接続導体とそれら付近の構造を示す図である。
図11(B)、図12(A)、図13に表れているように、回路基板110の上面に、アンテナコイル3の端子が接続されるパッドP1,P2,P3,P4を含む複数のパッドが形成されている。また、図12(B)、図13に表れているように、回路基板110の下面には、パッドP5,P6が形成されていて、パッドP2とパッドP5との間が層間接続導体(ビア)V1を介して接続されている。同様に、パッドP3とパッドP6との間が層間接続導体(ビア)V2を介して接続されている。
回路基板110の下面のパッドP5,P6に第1キャパシタC10が接続される。この構造により、第1キャパシタC10に流れる電流は層間接続導体V1,V2を流れる。つまり、回路基板110の主面に対する垂直方向(厚み方向)に電流が流れる。
図13において、直線の矢印は、或る位相での、層間接続導体V1,V2を流れる電流および第1キャパシタC10を流れる変位電流を示している。また、破線の矢印はこの電流によって生じる磁界の向きを表すための磁束を示している。
なお、図13では、アンテナコイル3および第1キャパシタC10に流れる電流に起因して磁界が生じる様子を示したが、この逆も成り立つ。つまり、層間接続導体V1,V2と第1キャパシタC10とで三辺を構成するループに、外部から磁束が透過するとき、層間接続導体V1,V2に電流が流れ、第1キャパシタC10に変位電流が流れる。
図14(A)、図14(B)は、本実施形態のアンテナ装置305と通信相手アンテナ500との位置関係を示す斜視図である。また、図15(A)は、本実施形態のアンテナ装置305のアンテナコイル3を透過する磁束の密度分布を示す磁束密度ベクトル線図である。図15(B)は第1の実施形態で示したアンテナ装置301のアンテナコイル3を透過する磁束の密度分布を示す磁束密度ベクトル線図である。
本実施形態のアンテナ装置305は、アンテナコイル3のコイル巻回軸はZ軸方向であるので、アンテナコイル3のコイル導体および補助導体は面状導体111と強く磁界結合する。また、アンテナコイル3のコイル開口APは図11に示した面状導体111の導体開口OPに重なる。これらの構造により、第1の実施形態で示したアンテナ装置301と同様に、回路基板110の主面に対して平行な関係に通信相手アンテナ500がある状態で、この通信相手アンテナ500と結合する。
さらに、本実施形態のアンテナ装置305では、図13、図15(A)に示したように回路基板110の主面に沿った方向を向く磁界成分が多い。そのため、図14(B)に示すように、回路基板110に対して直交する関係に通信相手アンテナ500がある状態でも、この通信相手アンテナ500と結合する。つまり、回路基板110の主面に沿った方向にも指向性を有するアンテナ装置が得られる。
また、本実施形態によれば、第1キャパシタC10が接続されるパッドP5,P6および第1キャパシタC10に対してアンテナコイル3が平面視で重なるように配置されるので、第1キャパシタC10が接続されるパッドP5,P6および第1キャパシタC10がアンテナコイルに与える影響が小さい、という作用効果も奏する。
《第6の実施形態》
第6の実施形態では、第5の実施形態で示したものとは異なる構造でアンテナコイルにキャパシタを接続したアンテナ装置の例を示す。第6の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図16(A)は回路基板110の、アンテナコイル3の実装位置の平面図であり、図16(B)はその位置の下面図である。
回路基板110の上面に面状導体111Uが形成されていて、回路基板110の下面には面状導体111Lが形成されている。これら面状導体111U,111Lはグランド導体である。
回路基板110の下面には、パッドP5,P6が形成されていて、パッドP2とパッドP5との間は層間接続導体(ビア)V1を介して接続されている。同様に、パッドP3とパッドP6との間は層間接続導体(ビア)V2を介して接続されている。
図17は本実施形態に係るアンテナ装置306およびアンテナ装置306を備える電子機器の回路図である。図17において、インダクタL111Uは面状導体111Uに生じるインダクタンスを等価的にインダクタ素子として表したものであり、インダクタL111Lは、面状導体111Lに生じるインダクタンスを等価的にインダクタ素子として表したものである。このようにして、インダクタL111U,L111Lと第1キャパシタC10とによって共振回路が構成される。
本実施形態によれば、回路基板110の両方の面状導体111U,111Lを利用して共振回路が構成されるので、より高い通信特性が得られる。
《第7の実施形態》
第7の実施形態では、アンテナコイル近傍の構造が第1の実施形態とは異なるアンテナ装置について示す。第7の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図18は第7の実施形態に係るアンテナ装置307の断面図である。このアンテナ装置307は、回路基板110にアンテナコイル3が搭載されている。回路基板110の内層には面状導体111が形成されている。アンテナコイル3の搭載位置の面状導体111のパターンは、例えば図1(B)に示した例と同様である。本実施形態のアンテナ装置307においては、アンテナコイル3の搭載位置の対向面に磁性体シート4が配置されている。この磁性体シート4は例えばフェライトシートであり、平面形状はアンテナコイル3の平面形状と同じ、または相似形である。
図18に示す例では、金属板等の導電体5とアンテナコイル3との間に磁性体シート4が介在するように磁性体シート4が配置されている。
本実施形態によれば、磁性体シート4がアンテナコイル3に対して磁気シールドするので、回路基板110の裏面側にある導電体5の影響が軽減される。また、磁性体シート4はアンテナコイル3に対向する位置に配置されているので、磁性体シート4が面状導体111による、磁界放射増強効果および集磁効果を損なうことがない。
なお、磁性体シート4は回路基板110の端部位置に達するように配置されていてもよい。
《第8の実施形態》
第8の実施形態では、複数のアンテナコイルを備えるアンテナ装置の例を示す。第8の実施形態で示すアンテナ装置の構成や作用効果は、これまでの各実施形態で示したアンテナ装置の構成や作用効果と基本的に共通しており、ここでは共通する部分の説明は割愛し、異なる部分を中心に説明する。
図19(A)は第8の実施形態に係るアンテナ装置308の平面図であり、図19(B)はアンテナ装置308の断面図である。このアンテナ装置308は、回路基板110の上面にアンテナコイル3が搭載されていて、回路基板110の下面にアンテナコイル6が搭載されている。
アンテナコイル3の搭載位置の面状導体のパターンは、例えば図1(B)に示した面状導体111と同様である。
アンテナコイル3は、実装面に対して垂直方向(Z軸に沿った方向)をコイル巻回軸とするアンテナコイル(いわゆる縦巻コイル)である。これに対し、アンテナコイル6は、実装面に沿った方向(Y軸に沿った方向)をコイル巻回軸とするアンテナコイル(いわゆる横巻コイル)である。
図19(B)において、矢印はアンテナコイル6とアンテナコイル3の両方を透過する磁束を表している。このように、回路基板110の主面に沿った方向に出入りし、かつ回路基板110の主面に対して垂直方向に出入りする磁束が生じる。つまり、アンテナコイル6とアンテナコイル3のそれぞれのコイル開口を磁束が通る。また、アンテナコイル6を通らずにアンテナコイル3を通る磁束や、アンテナコイル3を通らずにアンテナコイル6を通る磁束が生じる。
したがって、回路基板110の主面に対して垂直方向だけでなく、沿った方向にも指向性を有するアンテナ装置が得られる。
また、本実施形態によれば、回路基板110を挟んで、二つのアンテナコイルを対向配置できるので、回路基板110の一方主面にアンテナコイル2個分の設置スペースがなくても、2個以上のアンテナコイルを配置できる。
また、二つのアンテナコイルの位置関係によって、その二つのアンテナコイル同士の結合度が変えられるので、そのことによって、アンテナ装置のアンテナ特性を制御できる。
回路基板110を挟む関係の二つのアンテナコイルは、互いの結合度を高めるためには、平面視で少なくとも一端が重なるように配置されていることが好ましい。
なお、横巻きコイルであるアンテナコイル6と、スリットSLとの位置関係は図19(A)に示した例に限らない。平面視で、アンテナコイル6はスリットSLと重ならない位置に配置されていてもよい。
図19(A)、図19(B)の例では、二つのアンテナコイルを備えるアンテナ装置を示したが、アンテナコイルは三つ以上あってもよい。
《他の実施形態》
図1(A)(B)、図4等では、第1キャパシタC10を回路基板110に実装した例を示したが、第1キャパシタC10は、面状導体111が形成された回路基板110以外の基板に設け、ピン端子等の接続手段で回路基板110に接続されるように構成してもよい。
図1(A)(B)、図4等では、導体開口OPのX軸方向の幅よりスリットSLの幅が細い例を示したが、この関係に限らず、例えばスリットSLの幅は導体開口OPのX軸方向の幅と等しくてもよい。
図1(A)(B)、図4等では、導体開口OPと面状導体111の外縁との間隔が最短となる部分にスリットSLを設けた例を示したが、この構造に限らず、例えばスリットSLは途中に屈折部や屈曲部があってもよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
AP…コイル開口
C10…第1キャパシタ
C20,C21…第2キャパシタ
C20a,C20b,C21a,C21b…第2キャパシタ
C22a,C22b…キャパシタ
L1…コイル導体
L10…第1インダクタンス形成部のインダクタ
L111,L111U,L111L…インダクタ
L12…アンテナコイル
L1a〜L1g…導体パターン
L2…補助導体
L20…第2インダクタンス形成部のインダクタ
L21a,L21b…インダクタ
L500…インダクタ
MC…整合回路
OP…導体開口
P1〜P6…パッド
RC1…第1共振回路
RC2…第2共振回路
S1〜S10…基材層
SL…スリット
T1…第1端子
T2…第2端子
T3…第3端子
T4…第4端子
T5,T6…端子
V1,V2…層間接続導体
3…アンテナコイル
4…磁性体シート
5…導電体
6…アンテナコイル
9…RFIC(通信回路)
110…回路基板
111,111U,111L…面状導体
301,304〜308…アンテナ装置
500…通信相手アンテナ

Claims (10)

  1. 面状導体と、
    通信回路に接続され、かつ前記面状導体に接続されるアンテナコイルと、
    前記面状導体に接続される第1キャパシタと、
    前記アンテナコイルに接続される第2キャパシタと、
    を備え、
    少なくとも前記第1キャパシタおよび前記面状導体の第1インダクタンス形成部を含んで第1共振回路が構成され、
    少なくとも前記第2キャパシタ、前記アンテナコイルおよび前記面状導体の第2インダクタンス形成部を含んで第2共振回路が構成され、
    前記第1インダクタンス形成部と前記第2インダクタンス形成部とは少なくとも一部を共有し、
    前記第1共振回路と前記第2共振回路とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数の少なくとも一方は通信周波数帯にある、
    ことを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記アンテナコイルは前記面状導体と磁界結合する、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記面状導体は、導体開口と、当該導体開口から前記面状導体の外縁にまで連接するスリットとを有し、
    前記アンテナコイルのコイル開口の少なくとも一部は、前記面状導体の平面視で、前記面状導体の前記導体開口に重なり、
    前記第1キャパシタは前記スリットを跨ぐように接続される、
    請求項1または2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記面状導体の前記導体開口の縁に沿って流れる電流と、前記アンテナコイルに流れる電流とは、前記面状導体の平面視で、周回方向が同じである、請求項3に記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナコイルは、第1端子および第2端子に接続されるコイル導体と、第3端子および第4端子に接続され、前記コイル導体と磁界結合する補助導体とを有し、
    前記第1端子および前記第4端子は前記通信回路に接続される電極であり、
    前記第2端子および前記第3端子が前記第2インダクタンス形成部に接続された、
    請求項1から4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記アンテナコイルは、実装面に前記第1端子、前記第2端子、前記第3端子および前記第4端子を備えるチップ部品であり、
    前記アンテナコイルは回路基板に実装されている、
    請求項5に記載のアンテナ装置。
  7. 前記面状導体は前記回路基板に形成された導体パターンである、
    請求項6に記載のアンテナ装置。
  8. 前記コイル導体および前記補助導体は複数の基材層の積層体に形成され、前記コイル導体と前記補助導体とが積層配置されている、
    請求項5から7のいずれかに記載のアンテナ装置。
  9. 前記複数の基材層は、前記コイル導体および前記補助導体を含む磁気回路の磁路を構成する磁性体層を含む、
    請求項8に記載のアンテナ装置。
  10. アンテナ装置、および当該アンテナ装置に接続される通信回路を備える電子機器であって、
    前記アンテナ装置は、
    面状導体と、
    通信回路に接続され、かつ前記面状導体に接続されるアンテナコイルと、
    前記面状導体に接続される第1キャパシタと、
    前記アンテナコイルに接続される第2キャパシタと、を備え、
    少なくとも前記第1キャパシタおよび前記面状導体の第1インダクタンス形成部を含んで第1共振回路が構成され、
    少なくとも前記第2キャパシタ、前記アンテナコイルおよび前記面状導体の第2インダクタンス形成部を含んで第2共振回路が構成され、
    前記第1インダクタンス形成部と前記第2インダクタンス形成部とは少なくとも一部を共有し、
    前記第1共振回路と前記第2共振回路とが結合して構成される結合共振回路により生じる2つの共振周波数の少なくとも一方は通信周波数帯にある、
    ことを特徴とする電子機器。
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