JP2019040046A - フォトニック結晶光回路および発光装置 - Google Patents

フォトニック結晶光回路および発光装置 Download PDF

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【課題】異なる波長を有する複数の共振器を同時に励起させる。【解決手段】光源モジュール(4)は、シリコン基板(4a)に多数の空孔(4b)が形成されたフォトニック結晶構造体を備えている。フォトニック結晶構造体には、複数の微小共振器(41〜43)が設けられている。各微小共振器(41〜43)は、単一の励起光源から発されて基板(4a)に入射する入射光により同時に励起され、かつ異なる励起波長で共振する励起共振モードをそれぞれ有する。入射光は、前記複数の共振器に対する複数の異なる前記励起波長を連続的に含むスペクトルを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、フォトニック結晶を用いた光導波路または光共振器に適用可能なフォトニック結晶光回路に係り、特に、波長分波器あるいはラマン散乱光増強デバイスとして利用可能なフォトニック結晶光回路に関する。
非特許文献1には、シリコンからなるスラブに多数の空孔が2次元的な周期構造を有するように形成されるスラブ型の2次元フォトニック結晶において、入射された特定の波長の光を、その波長に対応する特定の出力ポートから取り出す光回路が開示されている。この光回路は、フォトニック結晶に形成された点状欠陥あるいは点状欠陥が並んだ線状欠陥からなる光共振器を備えている。この光共振器は、入射光の波長と同じ特定の波長にて共振する共振モードを有することにより、特定の波長を有する光を外部に取り出すことが出来る。
また、特許文献1および2には、シリコンからなるスラブに多数の空孔が2次元的な周期構造を有するように形成されるスラブ型の2次元フォトニック結晶において、誘導ラマン散乱を起こすことが可能に形成されたラマン散乱光増強デバイスが開示されている。これらのラマン散乱光増強デバイスは、構造パラメータの異なる2次元フォトニック結晶を併設することで形成される面内へテロ構造を有しており、構造パラメータが異なることにより、モードギャップ差を利用した光閉じ込めを実現する。
特許文献1に開示されたラマン散乱光増強デバイスは、フォトニック結晶に形成された点状欠陥が並んだ線状の欠陥からなる光共振器を備えている。また、当該ラマン散乱光増強デバイスには、入射光の波長と対象媒質のラマン散乱光の波長とのそれぞれに対する各共鳴モードを実現するように2つの反射部が設けられている。
特許文献2に開示されたラマン散乱光増強デバイスは、フォトニック結晶に形成された点状欠陥が並んだ線状の欠陥からなる光共振器と、入射光に対して少なくとも二つの周波数で共鳴モードを有する導波路とを備える。また、当該ラマン散乱光増強デバイスは、一の共鳴モードと他の共鳴モードとの周波数差が前記半導体基板のラマンシフト周波数に等しくなっている。さらに、当該ラマン散乱光増強デバイスは、前記二つの共鳴モードの電磁界分布と前記半導体基板のラマンテンソルとによって表されるラマン遷移確率が最大となるように、前記半導体基板の結晶方位面における前記導波路の形成方向が設定されている。
これらのデバイスは、電子回路と発光デバイスとをシリコン基板上に一体で形成することが出来る。このことから、これらのデバイスの応用の一例としては、電子回路内あるいは電子回路間の光配線用の光源などとしての応用開発が提案されている。
特開2008−241796号公報(2008年10月9日公開) 国際公開番号WO 2014/030370(2014年2月27日公開)
Yasushi Takahashi, Takashi Asano, Daiki Yamashita, and Susumu Noda, "Ultra-compact 32-channel drop filter with 100 GHz spacing", Optics Express Vol. 22, Issue 4, pp. 4692-4698 (2014)
非特許文献1に開示された光回路と、特許文献1および2に開示されたラマン散乱光増強デバイスとしてのラマンレーザ光源とは、光励起型のデバイスである。このため、これらのデバイスは、それぞれの微小共振器を励起するには、特定の波長の励起光源を必要とする。前出の特許文献1および2には、励起光源としてレーザ光源あるいは発光ダイオードが用いられた例が示されている。この例では、励起光源の1波長に対して一つの微小共振器を励起する。
ここで、特許文献1および2には、一つの波長の励起光にて一つの波長のラマン散乱光を発生させる例が示されている。しかしながら、特許文献1および2には、複数の異なる波長を有する多数の共振器を同時に励起させる場合に好適な構成については開示も示唆もされていない。
非特許文献1には、複数の共振器から異なる波長を取り出す例が開示されている。この例は、入射する励起光の波長を一定の波長範囲でスキャンし、励起光の波長が共振器の共振波長と一致した際に当該共振波長に応じた出力光が共振器から取り出されるものであり、複数の共振器を一度に励起するものではない。通常、一つの共振器を励起する為には、波長可変レーザ等を用い、その共振器の共振波長に一致するように励起光の波長を高い精度で合わせ込む必要がある 。
本発明の一態様は、異なる波長を有する複数の共振器を同時に励起させることを目的とする。特に、複数の共振器の共振波長のそれぞれに厳密に合わせ込む必要なく複数の共振器を同時に励起することが出来るものを提供する。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るフォトニック結晶光回路は、基板に多数の空孔が形成されたフォトニック結晶構造体を備え、前記フォトニック結晶構造体には複数の共振器が設けられており、前記複数の共振器が、単一の励起光源から発されて前記基板に入射する入射光により同時に励起され、かつ異なる励起波長で共振する励起共振モードをそれぞれ有し、前記入射光が、前記複数の共振器に対する複数の異なる前記励起波長を連続的に含むスペクトルを有する。
本発明の一態様によれば、異なる波長を有する複数の共振器を同時に励起させることが出来るという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る発光装置の構成を示すブロック図である。 上記発光装置における光源モジュールの構成を示す平面図である。 上記発光装置における励起光源を構成するスーパールミネッセントダイオードの波長に対する光強度の特性を示す図である。 本発明の実施形態2に係る発光装置の構成を示すブロック図である。 図4に示す発光装置の励起光源として好適に用いられる半導体発光素子の構成を示す上面図である。 図4に示す発光装置における光源モジュールの構成を示す平面図である。 (a)は図5に示す光源モジュールを構成するフォトニック結晶の構造を微小共振器を中心に拡大して示す平面図であり、(b)はフォトニック結晶における空孔の間隔が異なる領域に対応するエネルギー準位を示す図である。 上記半導体発光素子の波長に対する光強度の特性を示す図である。
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1について図1〜図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〈発光装置11の構成〉
図1は、本実施形態に係る発光装置11の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、発光装置11は、励起光源1と、光ファイバ2と、入光器3と、光源モジュール4とを備えている。
励起光源1は、光源モジュール4に含まれる微小共振器41〜43(共振器)を励起する光源である。励起光源1としては、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode)が用いられる。スーパールミネッセントダイオード(以降、「SLD」と称する)は、LEDのようにブロードなスペクトルを有し、かつ半導体レーザのように高輝度の光を発光する発光素子である。
光ファイバ2は、励起光源1から出射された光を入光器3に導く導光路である。
入光器3は、光ファイバ2によって励起光源1から導かれた光を光源モジュール4に入射させる光学部材である。入光器3としては、集光用レンズ等が用いられる。
光源モジュール4は、入光器3を経て入射した光から、複数の異なる波長の光を波長毎に分離して出力する一種のフィルタとして動作する。本実施形態において、光源モジュール4は、単一の入射光を3つの波長の光に分離する例を示すが、入射光の分離数は3に限定されるものではなく、例えば入射光を数十あるいは数百に分離して取り出すことも可能である。
〈光源モジュール4の構成〉
光源モジュール4について、詳細に説明する。図2は、発光装置11における光源モジュール4の構成を示す平面図である。
図2に示すように、光源モジュール4は、2次元フォトニック結晶構造体(フォトニック結晶構造体)を備えるフォトニック結晶光回路である。2次元フォトニック結晶構造体は、例えば厚さ約200nmのシリコン基板4a(基板)に多数の空孔4bが周期的に配列されることで2次元フォトニック結晶が形成された構造体である。2次元フォトニック結晶構造体には、入射部4cからx方向(光源モジュール4の長手方向)に伸びるように続く空孔4bが塞がれた部分(「線欠陥」と称する)が形成されており、この部分が微小導波路44として機能する。
この2次元フォトニック結晶構造体には、3つの領域PC(41),PC(42),PC(43)にてフォトニックバンドの構造が異なる。各領域PC(41),PC(42),PC(43)のフォトニックバンドの構造は、空孔4bの直径、間隔(フォトニック結晶の格子定数)、形状等により制御される。本実施形態では、空孔4bの間隔を領域PC(41),PC(42),PC(43)にて3段階に異ならせることにより3段階の異なるフォトニックバンド構造を得ている。
具体的には、空孔4bのy方向(光源モジュール4の幅方向)の間隔は一律710nmであり、空孔4bのx方向の間隔は、領域PC(41),PC(42),PC(43)において、それぞれ400nm,405nm,410nmと異なっている。また、空孔4bの直径は220nmである。なお、微小導波路44は、空孔4bのy方向の間隔738nmの幅を有し、波長λ(1),λ(2),λ(3)の何れの入射光も透過する導波路として形成されている。
シリコン基板4aの面内における領域PC(41),PC(42),PC(43)には、それぞれ、微小導波路44からy方向に数個の空孔4bを隔てた位置に、x方向に隣接する数個の空孔4bを埋めた点欠陥領域が設けられている。その点欠陥領域は、微小共振器41〜43として機能する。微小共振器41〜43は、それぞれ特定の異なる波長λ(1),λ(2),λ(3)で共振する。
微小共振器41〜43は、入射光のそれぞれ異なる波長λ(1),λ(2),λ(3)に対する共振モード(励起共振モード)を有している。これにより、微小共振器41〜43は、それぞれ異なる波長λ(1),λ(2),λ(3)によって励起されて、波長λ(1),λ(2),λ(3)の光を発する。このように、微小共振器41〜43を備える光源モジュール4は、波長分波回路として機能する。
なお、微小共振器41〜43は、点欠陥が連なることにより、短い線状となっている。ここでは、微小導波路44を形成する上述の「線欠陥」と明確に区別するため、微小共振器41〜43を構成する点欠陥が連なった短い線状の欠陥部分をあえて「点欠陥」と表現する。
また、微小共振器41〜43は、フォトニック結晶における空孔の周期性が、前記フォトニック結晶における前記共振器が形成されていない部分の空孔の周期性と異なっておればよく、上記のような点欠陥が連なった短い線状の形状に限定されない。微小共振器41〜43は、例えば、空孔4bを大きく形成したり、空孔4b同士の間隔を狭くしたりして形成されたものであってもよい。これは、後述する実施形態2における微小共振器61,62(図6参照)も同様である。
〈光源モジュール4による光の取り出し〉
ここで、光源モジュール4による光の取り出しについて説明する。図3は、励起光源1を構成するSLDの波長に対する光強度の特性を示す図である。
図1および図2に示すように、光源モジュール4には、励起光源1(SLD)から出射された光が、入射部4cから微小導波路44へと入射する。SLDの出射光は、異なる波長λ(1),λ(2),λ(3)を含むブロードなスペクトルを有する励起光である。換言すれば、この出射光は、微小共振器41〜43に対する複数の異なる励起波長を連続的に含むスペクトルを有する。
この励起光が微小導波路44へ入射すると、微小導波路44から、領域PC(41)〜PC(43)におけるそれぞれの微小共振器41〜43に達する。微小共振器41により、微小共振器41の共振波長(励起波長)に対応する波長λ(1)のみの光がz方向に取り出される。また、微小共振器42により、微小共振器42の共振波長(励起波長)に対応する波長λ(2)のみの光がz方向に取り出される。また、微小共振器43により、微小共振器43の共振波長(励起波長)に対応する波長λ(3)のみの光がz方向に取り出される。このように、微小共振器41〜43により、入射光から3つの異なる波長の光を分離することが出来る。具体的に取り出された光の波長は、それぞれ、波長λ(1)は1544nmであり、波長λ(2)は1554nmであり、波長λ(3)は1564nmであった。なお、光取り出し用の導波路を微小共振器41〜43の近傍に形成しておけば、光をシリコン基板4aの面内方向に取り出すことも出来る。
微小導波路44と微小共振器41〜43との間には、フォトニック結晶の結晶格子の数格子分の間隔が空いている。微小導波路44と微小共振器41〜43との間の距離を適切に設定することにより、微小導波路44と微小共振器41〜43との間で最も効率的にエバネッセント光結合が生じるように、フォトニック結晶の構造が最適化されている。
〈本実施形態の効果〉
本実施形態の発光装置11は、光源モジュール4において、このように3つの異なる励起波長にて共振する微小共振器41〜43を備えている。また、発光装置11は、その3つの微小共振器41〜43のそれぞれの共振モード(励起モード)に対応する波長を含むブロードなスペクトルを有する励起光源1としてSLDを用いている。
図3に示すように、3つの微小共振器41〜43の共振波長の分布は、SLDのブロードなスペクトルと重なっている。これにより、SLDからの励起光を光源モジュール4に入射させることで、3つの微小共振器41〜43を一度に励起することが出来る。
また、SLDの出力光は一方向に偏波面が揃った直線偏光を有している。これに応じて、前述の2次元フォトニック結晶を、その面内方向と平行な方向に直線偏波光(TE偏光)が入射されるように配置することが出来る。
通常、このように複数の異なる波長で共振する共振器を励起する際には、波長可変レーザ等を用い、その共振器の共振波長に一致するように励起光の波長を高い精度で合わせ込んでいた。また、共振器の共振波長は、環境温度の変化等による材料の屈折率の変化の影響を受けて変動するが、従来の方法では共振波長の変動が起こらないようにデバイスの温度を厳密に調整すること、共振器の共振波長の変動に追従して励起波長を適宜調整することなどの仕組みが必要であった。本発明は、複数の共振器に対する複数の異なる励起波長を連続的に含むスペクトルを有する励起光を用いる。これにより、上記のような従来要求された仕組みは必要はなく、共振器の温度管理の必要が無く、また環境温度の変化等により共振器の共振波長が変動しても励起光の調整の必要が無い。したがって、安価に安定したシステムを構築することが出来るようになる。
本実施形態では、複数の微小共振器41〜43のそれぞれの共振モードに対応する発光波長を含むブロードなスペクトルを有する励起光源1の一例として、SLDを用いた場合を示した。ただし、励起光源1は、SLDに限定される必要は無く、発光ダイオード(LED)であってもよい。
しかしながら、発光ダイオードでは、次の2つの条件を満たすことが難しい。第1の条件は、2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路に効率的に閉じ込められる直線偏光された光を出射することである。第2の条件は、複数の微小共振器41〜43のそれぞれの共振モード(励起共振モード)に対応した励起波長を含むブロードなスペクトルを有しつつ、スペクトル半値幅が比較的狭いために微小共振器41〜43を効率的に励起することが出来ることである。この2つの条件を満たす観点から、励起光源1としてSLDを用いることが好ましいと言える。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図4〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
〈発光装置12の構成〉
図4は、本実施形態に係る発光装置12の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、発光装置12は、入光器3と、励起光源5と、光源モジュール6とを備えている。
なお、発光装置12は、励起光源5と入光器3との間に、実施形態1の発光装置11が備える光ファイバ2(図1参照)を備えていてもよい。
励起光源5は、光源モジュール6に含まれる微小共振器61,62(共振器)を励起する光源である。励起光源5としては、内部に導波路構造を有する半導体発光素子が用いられる。
光源モジュール6は、入光器3を経て入射した光の波長を変換してラマン散乱光を出力する波長変換器として動作する。本実施形態において、光源モジュール6からの出力数は2に限定されるものではなく、例えば数十あるいは数百の出力を取り出すことも可能である。
〈励起光源5の構成〉
図5は、発光装置12の励起光源5として好適に用いられる半導体発光素子7の構成を示す上面図である。
図5に示すように、半導体発光素子7は、導波路構造71を含む発光領域を有している。また、半導体発光素子7は、低反射率コーティング72と、高反射率コーティング73とを有している。
導波路構造71は、半導体レーザと同様の、x軸方向(半導体発光素子7の光出射方向)に伸びる導波路型の内部構造である。
低反射率コーティング72は、導波路構造71の出射端を含む半導体発光素子7の光出射面(前端面)に施された低反射率のコーティングの部分である。低反射率コーティング72に代えて、低反射率となるように、傾斜した端面を設けてもよい。
高反射率コーティング73は、半導体発光素子7の光出射面と反対側の面(後端面)に施された高反射率のコーティングの部分である。
〈光源モジュール6の構成〉
光源モジュール6について、詳細に説明する。図6は、発光装置12における光源モジュール6の構成を示す平面図である。
図6に示すように、光源モジュール6は、2次元フォトニック結晶構造体(フォトニック結晶構造体)を備えるフォトニック結晶光回路である。2次元フォトニック結晶構造体は、例えば厚さ約200nmの長方形を成すシリコン基板6a(基板)に多数の空孔6bが周期的に配列されることで2次元フォトニック結晶が形成された構造体である。2次元フォトニック結晶構造体には、入射部6cからx方向(光源モジュール6の長手方向)に伸びるように続く空孔6bが塞がれた部分(「線欠陥」と称する)が形成されており、この部分が微小導波路63として機能する。
この2次元フォトニック結晶構造体には、2つの領域PC(61),PC(62)にてフォトニックバンドの構造が異なる。各領域PC(61),PC(62)のフォトニックバンドの構造は、空孔6bの直径、間隔(フォトニック結晶の格子定数)、形状等により制御される。本実施形態では、空孔6bの間隔を領域PC(61),PC(62)にて2段階に異ならせることにより2段階の異なるフォトニックバンド構造を得ている。
具体的には、空孔6bのy方向の間隔は一律710nmであり、空孔6bのx方向の間隔は、各領域PC(61),PC(62)において、それぞれ410nm,420と異なっている。また、空孔6bの直径は260nmである。なお、微小導波路63は、空孔6bのy方向の間隔781nmの幅を有し、波長λ(1),λ(2)の何れの入射光も透過する導波路として形成されている。
シリコン基板6aの面内における領域PC(61),PC(62)には、それぞれ、微小導波路63からy方向(光源モジュール6の幅方向)に数個の空孔6bを隔てた位置に、x方向に隣接する数個の空孔6bを埋めた点欠陥領域が設けられている。その点欠陥領域は、微小共振器61,62として機能する。微小共振器61,62は、それぞれ特定の異なる波長λ(1),λ(2)で共振する。
微小共振器61,62は、入射光のそれぞれ異なる波長λ(1),λ(2)に対する共振モード(励起共振モード)と、微小共振器61,62のそれぞれが発するラマン散乱光に対する共振モード(ラマン共振モード)とを有している。これにより、微小共振器61,62は、それぞれ異なる波長λ(1),λ(2)によって励起されて、それぞれ異なる波長λ(R1),λ(R2)のラマン散乱光を発する。
なお、本実施形態では、実施形態1の微小共振器41〜43と同じく、微小共振器61,62は、点欠陥が連なることにより、短い線状となっている。ここでも、微小導波路63を形成する上述の「線欠陥」と明確に区別するため、微小共振器61,62を構成する点欠陥が連なった短い線状の欠陥部分をあえて「点欠陥」と表現する。
〈光源モジュール6における空孔間隔〉
ここで、光源モジュール6における空孔の間隔を部分的に異ならせることの効果について説明する。図7の(a)は、光源モジュール6を構成するフォトニック結晶の構造を微小共振器61,62(点欠陥領域)を中心に拡大して示す平面図である。図7の(b)は、フォトニック結晶における空孔6bの間隔が異なる領域に対応するエネルギー準位を示す図である。
図7の(a)に示すように、フォトニック結晶において、上述の点欠陥による微小共振器61,62が形成される範囲を、中央の中央範囲A0と、中央範囲A0の図中左側の第1範囲A1と、中央範囲A0の図中右側の第2範囲A2とに区分されているものとする。
ここで、点欠陥領域の中央範囲A0では、モードギャップ差を利用した光閉じ込めが実現される。これは、点欠陥領域内の中央範囲A0において、伝搬波長の帯域をずらすように周囲の構造を変化させることで生じるフォトニックバンドギャップによって、一対の光反射面を形成することにより実現される。具体的には、光反射面の領域のフォトニック結晶の空孔6bの大きさを変化させたり、空孔6bの位置や間隔を僅かに変化させたりする(例えば、導波路に近づけたり、遠ざけたりする)ことにより、周囲のフォトニック結晶の構造を変化させることが出来る。
本実施形態では、次のようにフォトニックバンドを設計した。図7の(a)に示すように、第1範囲A1および第2範囲A2における隣り合う2つの空孔6bの間は、間隔dで隔てられている。これに対し、中央範囲A0における隣り合う2つの空孔6bの間は、間隔dよりΔd広い間隔d+Δdで隔てられている。このように、点欠陥領域では、空孔6bの間隔(格子間隔)が、中央範囲A0と第1範囲A1および第2範囲A2とで異なっている。中央範囲A0における空孔6bの間隔のみがΔdだけ広いことにより、ヘテロ構造が形成される。
図7の(b)に示すように、上記のヘテロ構造が形成された領域内には、より高いエネルギー準位に第2ナノ共振モードが存在し、その準位から15.6THz(シリコンのラマンシフト周波数)だけ低くなったエネルギー準位に第1ナノ共振モードが存在するように設計されている。それぞれのエネルギー準位において、井戸型ポテンシャルが形成されている。
この井戸型ポテンシャルによって光の閉じ込めが生じ、格子間隔がΔdだけ広げられた中央範囲A0における点欠陥領域が、2つの上記共振モードによって光を同時に閉じ込める共振器として作用する。ここで、第2ナノ共振モードに対応する励起光が点欠陥領域に入射すると、励起光に対するラマン散乱光が第1ナノ共振モードにて閉じ込められ、ラマン散乱光がレーザ発振に至るようになる。
このような構成では、励起光とラマン散乱光との空間的重なりが大きく、励起光とラマン散乱光のナノ共振モードのQ値をそれぞれ10万以上、100万以上という非常に高い値にすることが可能となる。さらに、このような構造は、15.6THzの周波数差を、上記利点を損なわずに、光通信波長帯(1.3〜1.6μm)の全てにおいて容易に実現出来るという利点、すなわち波長設計自由度の高さを備えている。
このようにして形成される微小共振器61,62は、ラマン散乱光増強装置およびラマンレーザ光源として機能する。実施形態1における光源モジュール4が非レーザ光を出射するのに対し、本実施形態における光源モジュール6はレーザ光を出射し得る。本実施形態の発光装置12は、この点で実施形態1の発光装置11と異なる。
〈光源モジュール6による光の取り出し〉
ここで、光源モジュール6による光の取り出しについて説明する。図8は、半導体発光素子7の波長に対する光強度の特性を示す図である。
図4〜図6に示すように、光源モジュール6には、励起光源5(半導体発光素子7)から出射された光が、入射部6cから微小導波路63へと入射する。半導体発光素子7の出射光は、第2ナノ共振モードに対応した、異なる波長λ(1),λ(2)を含むブロードなスペクトルを有する励起光である。換言すれば、この出射光は、微小共振器61,62に対する複数の異なる励起波長を連続的に含むスペクトルを有する。
この励起光が微小導波路63から微小共振器61,62に達すると、図6に示すように、微小共振器61,62において、エバネッセント光結合により、それぞれ異なる第2ナノ共振モード(波長λ(E1),λ(E2)に対応)が励起される。これにより、波長λ(E1)の光が微小共振器61に閉じ込められ、波長λ(E2)の光が微小共振器62に閉じ込められる。
そして、微小共振器61,62のそれぞれにおいて、ラマンシフト周波数だけ低いエネルギーを有するラマン散乱光(波長λ(R1),λ(R2))が生じて閉じ込められる。励起光の強度が一定レベルを超えると、ラマン散乱光がレーザ発振に至ることから、微小共振器61,62において、波長λ(R1),λ(R2)でのレーザ発振が生じる。ここでは、例えばΔdを5nmとしたとき、1523nmの波長λ(R1)と、1543nmの波長λ(R2)とでレーザ発振が生じる。
なお、励起光の強度が一定レベルに至らず、レーザ発振に至らない場合においても、本実施形態の発光装置12はラマン散乱光増強装置として波長変換された強いラマン散乱光を得ることが出来る。
〈フィードバックによる光増幅効果〉
続いて、半導体発光素子7のフィードバックによる光増幅の効果について説明する。図8は、上記半導体発光素子の波長に対する光強度の特性を示す図である。
半導体発光素子7に電流を注入し始めると、低電流注入時には、図8に実線にて示すようにブロードなスペクトルでのEL発光が生じる。このブロードなスペクトルは、複数の微小共振器61,62のそれぞれ共振波長(励起波長)を含んでいる。
半導体発光素子7から照射された光が微小共振器61,62に入射すると、入射光のうち、微小共振器61,62のそれぞれの共振波長に対応する波長のみの光が、上述のようにして選択的に微小共振器61,62に閉じ込められる。他の波長の光は、微小共振器61,62に入射することが出来ず、吸収あるいは散乱により消失していく。
また、微小共振器61,62に入射した、上記の共振波長に対応する波長のみの光の一部は、微小共振器61,62に閉じ込められずに反射して、半導体発光素子7に戻ってくる。戻ってきた反射光により半導体発光素子7の内部で誘導放出が発生するように半導体発光素子7に電流を注入しておけば、半導体発光素子7は、当該反射光に対して選択的に利得を与えて、当該反射光を増幅する。この状態で、半導体発光素子7に電流を注入していくと、高電流が注入されており、図8に破線にて示すように、特定の波長(上記の共振波長)の強度が強い(極大となる)発光スペクトルにて発光するように遷移していく。
このような状態になると、半導体発光素子7は、ますます微小共振器61,62を効率的に励起するのに相応しい特性(スペクトル)を示し、微小共振器61,62を同時に励起することが出来る。
このような過程を経て、複数の微小共振器において複数の波長のラマンレーザを効率的に発振させることが出来るようになる。
〈本実施形態の効果〉
本実施形態の発光装置12は、ブロードな波長を発する励起光源5として半導体発光素子7を用い、特定の波長のみにより励起される複数の微小共振器61,62を備えている。半導体発光素子7は、導波路構造71を有することにより、半導体レーザと同様の導波路型の発光素子である。また、半導体発光素子7は、前端面に低反射率コーティング72を有するとともに、後端面に高反射率コーティング73を有している。
このような構成により、半導体発光素子7の後面と微小共振器61,62との間で、特定の波長の光についてフィードバックが起こり、その波長にて選択的に利得が得られるようになる。これにより、微小共振器61,62から戻って来る特定の波長の光のみが半導体発光素子7によって増幅される。また、半導体発光素子7の前面の反射率を低くすることによって、半導体発光素子7は、単体ではレーザ発振せず、ブロードな発光を生じる。したがって、ブロードなスペクトルを有する励起光を発する半導体発光素子7を励起光源5として用いながら、効率的にラマンレーザを励起して発振させることが出来る。
また、半導体発光素子7は、2次元フォトニック結晶の面内方向と平行な方向に直線偏光した光を効率的に増幅するように配置される。これにより、更に効率的に微小共振器61,62を励起することが出来る。
また、半導体発光素子7は、偏波方向が一方向(例えば図5におけるy方向)に揃った直線偏光を発し、この直線偏光を2次元フォトニック結晶における線欠陥の微小導波路63に対して面内方向に偏光するように入射する。これにより、2次元フォトニック結晶の線欠陥領域においても、y方向に直線偏光した光を効率的に閉じ込めて導波させることが出来る。したがって、半導体発光素子7(高反射率コーティング73)と微小共振器61,62との間に形成されるフィードバック経路において、y方向に直線偏光した光が選択的に増幅される。よって、2次元フォトニック結晶内の微小共振器61,62を効率的に励起することが出来る。
また、本実施形態の発光装置12は、複数の微小共振器61,62が、複数の励起波長を含むブロードなスペクトルを有する単一の励起光源5にて同時に励起されることにより、それぞれ異なる波長を有するラマン散乱光を発する、ラマン散乱光増強装置およびラマンレーザ光源として機能する。それゆえ、波長が多重化された光配線用の光源などに適用可能な多波長ラマンレーザを励起するために好適の構成を提供することが出来る。しかも、従来のように、共振器ごとにそれぞれ適合した励起光源を準備する必要はなく、各共振器と励起光源との波長合わせも不要となる。
また、本実施形態においては、複数の微小共振器61,62に対する励起モードをカバーしつつ、出来るだけスペクトル半値幅が狭いスペクトルを有する励起光源5を用いている。それゆえ、励起光源5からの励起光を効率的に利用することが出来る。
通常、このように複数の異なる波長で共振する共振器を励起する際には、波長可変レーザ等を用い、その共振器の共振波長に一致するように励起光の波長を高い精度で合わせ込んでいた。また、共振器の共振波長は、環境温度の変化等による材料の屈折率の変化の影響を受けて変動するが、従来の方法では共振波長の変動が起こらないようにデバイスの温度を厳密に調整すること、共振器の共振波長の変動に追従して励起波長を適宜調整することなどの仕組みが必要であった。本発明は、複数の共振器に対する複数の異なる励起波長を連続的に含むスペクトルを有する励起光を用いている。これにより、上記のような従来要求された仕組みは必要はなく、共振器の温度管理の必要が無く、また環境温度の変化等により共振器の共振波長が変動しても励起光の調整の必要が無い。したがって、安価に安定したシステムを構築することが出来るようになる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るフォトニック結晶光回路は、基板(シリコン基板4a,6a)に多数の空孔4b,6bが形成されたフォトニック結晶構造体を備え、前記フォトニック結晶構造体には複数の共振器(微小共振器41〜43,61,62)が設けられており、前記複数の共振器が、単一の励起光源1,5から発されて前記基板に入射する入射光により同時に励起され、かつ異なる励起波長で共振する励起共振モードをそれぞれ有し、前記入射光が、前記複数の共振器に対する複数の異なる前記励起波長を連続的に含むスペクトルを有する。
上記の構成によれば、励起光源からの入射光を各共振器に入射させることで、複数の共振器を一度に励起することが出来る。それゆえ、従来のように、共振器ごとにそれぞれ適合した励起光源を準備する必要はなく、各共振器と励起光源との波長合わせも不要となる。
本発明の態様2に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1において、前記共振器が、前記入射光により生じたラマン散乱光に対するラマン共振モードを有していてもよい。
上記の構成によれば、単一の励起光源からの入射光によってラマン散乱光を得ることが出来る。
本発明の態様3に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1において、前記共振器がレーザ発振してもよい。
上記の構成によれば、非レーザ光である入射光によってレーザ光を得ることが出来る。
本発明の態様4に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記共振器の前記フォトニック結晶における空孔4b,6bの周期性が、前記フォトニック結晶における前記共振器が形成されていない部分の空孔4b,6bの周期性と異なっていてもよい。
上記の構成によれば、効率的に光を閉じ込めることが出来る。
本発明の態様5に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記共振器が、フォトニックバンドギャップによって形成される一対の光反射面を有していてもよい。
上記の構成によれば、モードギャップ差を利用した光の閉じ込めを実現することが出来る。
本発明の態様6に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記の入射光が、発光ダイオードまたはスーパールミネッセントダイオードから出射された光であってもよい。
上記の構成によれば、ブロードなスペクトルを有する励起光を得ることが出来る。特に、スーパールミネッセントダイオードは、次の2つの点で励起光源として好ましい。第1の点は、2次元フォトニック結晶による線欠陥導波路に効率的に閉じ込められる直線偏光された光を出射することが出来ることである。第2の点は、複数の共振器のそれぞれの励起共振モードに対応した励起波長を含むブロードなスペクトルを有しつつ、スペクトル半値幅が比較的狭いために共振器を効率的に励起することが出来ることである。
本発明の態様7に係るフォトニック結晶光回路は、上記態様1、3、4および5のいずれかにおいて、前記入射光が、複数の前記共振器にそれぞれ対応する前記励起波長で強度が極大となるスペクトルを有していてもよい。
上記の構成によれば、より効率的に各共振器を励起することが出来る。
本発明の態様8に係る発光装置は、上記態様7のフォトニック結晶光回路と、前記励起光源5とを備え、前記励起光源5が、複数の前記共振器によって、それぞれの前記励起共振モードで生じた光の一部がフィードバックされ、フィードバックされた光を増幅する。
上記の構成によれば、励起共振モードで生じた光の一部が増幅されることで、より効率的に各共振器を励起することが出来る。
本発明の態様9に係る発光装置は、上記態様8において、前記励起光源5が、導波路構造71を含む発光領域を有し、前記導波路構造71が、光を出射する低反射率の前端面(低反射率コーティング72)と、高反射率の後端面(高反射率コーティング73)とを有し、当該後端面と前記共振器との間に、前記励起光源5に光をフィードバックさせるフィードバック経路が形成されていてもよい。
上記の構成によれば、励起光源は、半導体レーザと同様な導波路構造を有する非レーザ光源として構成されることで、単体ではレーザ発振せず、ブロードな光を出射することが出来る。それゆえ、励起光源の後端面と共振器との間でフィードバック経路が形成され、励起光源への光のフィードバックを生じさせることが出来る。
本発明の態様10に係る発光装置は、上記態様8または9において、前記励起光源5は前記励起波長の光を増幅してもよい。
上記の構成によれば、増幅された励起波長の光が、より効率的に発振器を励起させることが出来る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することが出来る。
1,5 励起光源
4,6 光源モジュール(フォトニック結晶光回路)
4a,6a シリコン基板(基板)
4b,6b 空孔
7 半導体発光素子
11,12 発光装置
41〜43 微小共振器(共振器)
61,62 微小共振器(共振器)
71 導波路構造
72 低反射率コーティング(前端面)
73 高反射率コーティング(後端面)

Claims (10)

  1. 基板に多数の空孔が形成されたフォトニック結晶構造体を備え、
    前記フォトニック結晶構造体には複数の共振器が設けられており、
    前記複数の共振器は、単一の励起光源から発されて前記基板に入射する入射光により同時に励起され、かつ異なる励起波長で共振する励起共振モードをそれぞれ有し、
    前記入射光は、前記複数の共振器に対する複数の異なる前記励起波長を連続的に含むスペクトルを有することを特徴とするフォトニック結晶光回路。
  2. 前記共振器は、前記入射光により生じたラマン散乱光に対するラマン共振モードを有することを特徴とする請求項1に記載のフォトニック結晶光回路。
  3. 前記共振器はレーザ発振することを特徴とする請求項1に記載のフォトニック結晶光回路。
  4. 前記共振器は、前記フォトニック結晶における空孔の周期性が、前記フォトニック結晶における前記共振器が形成されていない部分の空孔の周期性と異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光回路。
  5. 前記共振器は、フォトニックバンドギャップによって形成される一対の光反射面を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光回路。
  6. 前記入射光は、発光ダイオードまたはスーパールミネッセントダイオードから出射された光であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光回路。
  7. 前記入射光は、複数の前記共振器にそれぞれ対応する前記励起波長で強度が極大となるスペクトルを有することを特徴とする請求項1、3、4および5のいずれか1項に記載のフォトニック結晶光回路。
  8. 請求項7に記載のフォトニック結晶光回路と、
    前記励起光源とを備え、
    前記励起光源は、複数の前記共振器によって、それぞれの前記励起共振モードで生じた光の一部がフィードバックされ、フィードバックされた光を増幅することを特徴とする発光装置。
  9. 前記励起光源は、導波路構造を含む発光領域を有し、
    前記導波路構造は、光を出射する低反射率の前端面と、高反射率の後端面とを有し、
    当該後端面と前記共振器との間には、前記励起光源に光をフィードバックさせるフィードバック経路が形成されていることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
  10. 前記励起光源は前記励起波長の光を増幅することを特徴とする請求項8または9に記載の発光装置。
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