JP2019039737A - 軸振れ測定方法および軸振れ測定システム - Google Patents
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Abstract
Description
できる。よって、作業員がデータの解析を終えるまで待つ必要がなく、測定結果をすぐに知ることができる。また、コンピュータが作成する描画を見れば、軸振れ状態を容易に把握することができ、軸振れ状態を解消するための調整をどのように行うべきかを容易に把握することができる。従って、軸振れ調整を簡単に、且つ、精度良く行うことができる。
図1は水車発電機の回転子の概略構成図であり、図2は本発明を適用した軸振れ測定システムの概略構成図である。本形態の軸振れ測定方法および軸振れ測定システムは、水車発電機の新設、オーバーホールなどの据え付けを行う際に、水車発電機などの回転子ならびに水車一体型の回転子の軸振れを測定するものである。まず、図1を参照して、測定対象である回転子1およびその支持構造を説明する。立型の水車発電機は、下端に水車2が固定された水車軸10と、ロータ3が固定された発電機軸20とを備える。ロータ3の磁極は、ロータ3の外周側に配置された円環状のステータ4と一定のギャップで径方向に対向する。ロータ3とステータ4は、ロータ3の回転に基づいて発電する発電部を構成している。
は上下方向を向いており、軸線方向Lの一方側は下側L1であり、軸線方向Lの他方側は上側L2である。カップリング30は、水車軸10の上側L2の端部に形成された円環状の水車側カップリング31と、発電機軸20の下側L1の端部に形成された円環状の発電機側カップリング32とが軸線方向Lに当接しており、水車側カップリング31と発電機側カップリング32は、複数の角度位置で連結部材によって連結されている。本形態では、連結部材として、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)が用いられている(図4参照)。
図2は軸振れ測定システム100の概略構成図である。図2に示すように、軸振れ測定システム100は、複数の接触式変位測定器110A〜110Fと、通信ユニット120と、計測装置130と、コンピュータ140と、回転子1の回転位置を検出する回転位置検出部150を備える。軸振れ測定システム100は、回転子1の軸振れを複数の測定点で計測する。本形態では、軸振れ計測用の測定点は、回転子1の外周面の5点と、回転子1をスラスト方向に支持するスラストメタル44の外周面の合計6点となっている。回転子1の外周面の測定点は、スラストカラー21、下側カラー22、発電機側カップリング32、水車側カップリング31、水車側カラー11の外周面の5箇所である。なお、図2では、軸受部材である上部ガイドメタル41、下部ガイドメタル42、水車ガイドメタル43の図示を省略している。
れ測定の結果データとして記憶部に蓄積する。そして、コンピュータ140に対して所定の操作を行うことにより、あるいは、自動で、表示画面141へ表示する。また、コンピュータ140と通信可能なプリンター(図示省略)から結果データの一部あるいは全部を印刷することもできる。
以上のように、本形態の軸振れ測定システム100は、水車発電機の新設、オーバーホールの据え付けなどを行う際に、水車発電機の水車2およびロータ3と一体に回転する回転子1の軸振れを測定するために用いられる。軸振れ測定システム100は、回転子1に複数の接触式変位測定器110A〜110Fを設置し、これらを計測装置130に接続し、回転位置検出部150から入力される検出信号をトリガーとして、接触式変位測定器110A〜110Fによって、全ての測定点P1〜P6の変位を同時測定する。また、コンピュータ140は、計測装置130に蓄積された計測データを取り込むためのプログラム、および、取り込んだ計測データに基づき各測定点の変位量を求めるとともに、求めた変位量に基づいて各測定点での軸振れ状態を所定の形式で描画するプログラムを備える。従って、従来のように作業員が目視で測定値を読み取る必要がない。また、多数の作業員を複数の測定点に配置する必要がなく、作業員が複数の測定点の間を移動する必要もない。更に、作業員の移動によって測定タイミングがずれることもない。従って、少ない労力で、簡単に、且つ、精度良く軸振れの計測を行うことができる。更に、本形態では、接触式変位測定器110A〜110Fを用いているので、ギャップ式のように測定点の材質、環境を考慮して設定を行う必要がない。従って、材質の設定ミスにより計測精度が低下するおそれが少ないので、軸振れ測定を少ない労力で、且つ、精度良く行うことができる。
図6は、他の回転子に対する複数測定点の軸振れ測定の結果の印刷例である。本形態の軸振れ測定システム100は、回転子の構成に応じて、適宜、測定点の数および接触式変位測定器の数を変更することができる。図6に示す回転子1Aは、回転軸の本数およびカップリングの数が図1、図2に示す回転子1よりも多い。また、軸受部材であるガイドメタルの数も図1、図2に示す回転子よりも多い。そのため、図6に示す回転子1Aの軸振れ測定においては、16箇所の測定点を設定し、接触式変位測定器を16箇所に設置している。
Claims (12)
- 回転子の軸振れを測定する軸振れ測定方法であって、
前記回転子の回転軸線方向と直交する方向の変位を検出する接触式変位測定器を前記回転子における複数の測定点に設置し、
前記接触式変位測定器に接続された計測装置が、前記複数の測定点に設置された全ての前記接触式変位測定器の計測データを同時に取得する計測処理を、前記回転子が1回転する間に複数の回転位置において行い、
前記計測装置と通信を行うコンピュータが、
前記計測データを前記計測装置から取得して、前記複数の回転位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、
前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする軸振れ測定方法。 - 前記回転子は、水車発電機のロータと一体に回転する発電機軸、および、前記水車発電機の水車と一体に回転する水車軸を備え、前記発電機軸と前記水車軸は、カップリングを介して連結され、
前記複数の測定点は、前記カップリングの変位を検出する測定点を含み、
前記複数の回転位置は、前記カップリングを連結する連結部材の配置に対応する位置であることを特徴とする請求項1に記載の軸振れ測定方法。 - 前記コンピュータは、前記描画処理において、前記複数の回転位置における変位量ベクトルを用いた演算結果を前記図形上に描画することを特徴とする請求項1または2に記載の軸振れ測定方法。
- 前記複数の回転位置は、180度回転した2箇所の回転位置の組を複数備え、
前記コンピュータは、前記2箇所の回転位置の組ごとに、前記2箇所の回転位置における変位量ベクトルの合成ベクトルを求め、前記合成ベクトルを前記図形上に矢印で描画することを特徴とする請求項3に記載の軸振れ測定方法。 - 前記コンピュータは、前記複数の回転位置における変位量を前記図形上に数字で表示するとともに、前記合成ベクトルの大きさを前記矢印と共に数字で表示することを特徴とする請求項4に記載の軸振れ測定方法。
- 前記回転子が1回転する間に前記複数の回転位置において順次前記計測処理を行う1回転分の計測を、前記複数の回転位置の全てにおいて予め設定した条件を満たす計測データが得られるまで繰り返し行い、
前記コンピュータは、前記予め設定した条件を満たす計測データに基づき、前記変位量を求めることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。 - 前記予め設定した条件は、同一の値の計測データが複数回得られたことであることを特徴とする請求項6に記載の軸振れ測定方法。
- 前記回転子が前記複数の回転位置のそれぞれの位置に到達したことを検出する回転位置検出部を設けておき、
前記計測装置は、前記回転位置検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。 - 前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続され
たスイッチを設置し、
前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。 - 回転子の軸振れを測定する軸振れ測定システムであって、
前記回転子の軸線方向と直交する方向の変位を検出する複数の接触式変位測定器と、
前記複数の接触式変位測定器と接続される計測装置と、
前記計測装置を介して前記複数の接触式変位測定器の計測データを取得するコンピュータと、を有し、
前記複数の接触式変位測定器は、前記回転子における複数の測定点に設置され、
前記計測装置は、前記回転子が1回転する間の複数の回転位置において、前記複数の測定点に設置された全ての前記接触式変位測定器の計測データを同時に取得する計測処理を行い、
前記コンピュータは、
前記計測装置を介して取得した前記計測データから、前記複数の回転位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、
前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする軸振れ測定システム。 - 前記回転子が前記複数の回転位置のいずれかの位置に到達したことを検出する回転位置検出部を備え、前記回転位置検出部は前記計測装置に接続され、
前記計測装置は、前記回転位置検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の軸振れ測定システム。 - 前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続されたスイッチを備え、
前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の軸振れ測定システム。
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