JP2019039737A - 軸振れ測定方法および軸振れ測定システム - Google Patents

軸振れ測定方法および軸振れ測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】水車発電機などの立型回転電機の新設、オーバーホールなどの据え付けを行う際に、軸振れ測定を簡単に、且つ、精度良く行うとともに、測定結果をわかりやすく表示すること。【解決手段】軸振れ測定システム100は、水車発電機の水車2およびロータ3と一体に回転する回転子1の軸振れを測定するため、回転子1に複数の接触式変位測定器110A〜110Fを設置し、これらを計測装置130に接続する。計測装置130は、回転位置検出部150の検出信号をトリガーとして、全ての測定点P1〜P6の変位を同時測定する。また、コンピュータ140は、計測装置130に蓄積された計測データを読み出し、読み出した計測データに基づき各測定点の変位量を求めるとともに、求めた変位量に基づいて各測定点での軸振れ状態を所定の形式で描画する。【選択図】図2

Description

本発明は、水車発電機などの回転子ならびに水車一体型の回転子の軸振れ調整を行うための軸振れ測定方法および軸振れ測定システムに関する。
水車発電機は、主に水車と一体に回転する回転子巻線(以下、ロータという)を備えており、水車とロータが回転軸を介して一体に回転するように連結されている。回転軸を垂直に設置した立型の水車発電機の一般的な構造として、ロータと一体に回転する上部軸と、水車と一体に回転する下部軸とがカップリングを介して連結され、上部軸と下部軸が軸受部材であるガイドメタルによって複数個所で回転可能に支持されるとともに、スラストメタルによって軸方向(重力方向)に支持される構造が採用されている。本明細書において、回転子とは、一般的な立軸同期発電機(発電電動機)の下記設備(上部軸、下部軸、カップリングフランジ、カップリングボルト、カップリングカバー、スラストカラー、スラストランナ、案内軸受カラー、スポーク、リム、ブレーキリング、磁極、制動巻線、回転子巻線(ロータ)、回転子コイル(コイル単体の場合)、回転子リード)を含む。以下、これらの設備を略称して回転子という。
立型の水車発電機の新設工事やオーバーホールの据え付けの際には、上部軸と下部軸の垂直度および真直度(上部軸と下部軸との連結ずれ)を設計値以内に納めることが要求される。垂直度や真直度が設計値から外れると、運転時の振動や軸振れによって、軸受の過度な温度上昇や焼損などの不具合が生じてしまう。そこで、カップリングを介して連結された上部軸および下部軸を、ガイドメタルおよびスラストメタルによって支持された状態で一体に回転させて軸振れを測定する振れ見測定を行い、振れ見測定の結果に基づいて垂直度や真直度を設計値以内に納めるための調整作業を行う。例えば、カップリングによる連結ずれの調整を行う。
水車発電機の回転軸の軸振れを測定する振れ見測定は、一般に、ロータ側カップリングと水車側カップリング、および、複数のガイドメタルのそれぞれに対して外周側から接触する位置にダイヤルゲージをセットして、回転軸を回転させて変位量を測定することにより行われる。従来、作業員が目視でダイヤルを読み取って変位量を記録していたため、作業員が少ない場合には移動しながら作業を行う必要があり、作業負担が大きい。また、移動しながらの測定では同時に測定できないため、同時測定を行う場合と比較して測定精度が低下するおそれがあった。また、作業員が目視で読み取った変位量を集計して測定結果を求める作業が別途必要であった。従って、測定後に直ちに調整を行うことができない上、読取りミスや集計ミスなどのおそれもあった。更に、測定は、同一箇所で2回以上の同一の値または近似値が得られるまで、カップリングによる連結ずれの調整、振れ見測定を数多く繰り返して行っており、そのために多くの時間も要していた。
特許文献1には、水車発電機の振れ見測定を行う際の作業効率および測定精度を向上させるための回転振れ測定装置が開示されている。特許文献1の回転振れ測定装置は、各測定点にダイヤルゲージの代わりにギャップセンサーを配置し、回転軸が1回転する間の全てのギャップセンサーの出力を同時に計測し、印字装置で打ち出すことができる。また、ギャップセンサーの値を表示装置にリアルタイムで表示することができる。
特開昭61−234310号公報
特許文献1の回転振れ測定装置を用いた軸振れ測定方法は、各測定点に配置するセンサーとしてギャップセンサーを用いていた。しかしながら、ギャップセンサーは、材質によって出力が異なる。従って、材質の設定を正しく行わないと精度良く測定できず、測定精度が低下するおそれがあった。例えば、カップリングとガイドメタルが異なる材質である場合には、測定点によって設定を変えなければ精度良く測定を行うことができない。また、カップリングとガイドメタルが異なる材質である場合には、測定箇所の環境による膨張率の差を考慮しなければならない。特に冬季の建屋1階、地下1階、地下2階との温度差や隣接号機の運転による室温上昇などによって膨張率に差が生じるため、ギャップセンサーの設定前日と測定日当日の差、上部測定箇所と下部測定箇所の差を考慮した設定調整が必要である。
また、特許文献では、各測定点の出力を印字装置で印刷するか、もしくはギャップセンサーの値を表示装置にリアルタイムで表示するものの、これらの印刷結果や表示結果は、軸振れを解消するための調整作業をどのように行うべきかについて、容易に理解できるような態様で示されてはいなかった。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、水車発電機などの立型回転子の軸振れ測定を簡単に、且つ、精度良く行うとともに、測定結果をわかりやすく示すことが可能な軸振れ測定方法および軸振れ測定装置を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、回転子の軸振れを測定する軸振れ測定方法であって、前記回転子の回転軸線方向と直交する方向の変位を検出する接触式変位測定器を前記回転子における複数の測定点に設置し、前記接触式変位測定器に接続された計測装置が、前記複数の測定点に設置された全ての前記接触式変位測定器の計測データを同時に取得する計測処理を、前記回転子が1回転する間に複数の回転位置において行い、前記計測装置と通信を行うコンピュータが、前記計測データを前記計測装置から取得して、前記複数の回転位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする。
本発明は、このように、回転子の軸振れを計測するために、複数の測定点に設置した変位測定器を計測装置と接続し、計測装置からの制御信号により、全ての変位測定器による計測を同時に行うことができる。従って、従来のように作業員が目視で測定値を読み取る必要がない。また、多数の作業員を複数の測定点に配置する必要がなく、作業員が複数の測定点の間を移動する必要もない。更に、作業員の移動によって測定タイミングがずれることもない。従って、少ない労力で、簡単に、且つ、精度良く計測を行うことができる。また、本形態では、接触式の変位測定器を用いているので、ギャップ式のように測定点の材質、環境を考慮して設定を行う必要がないので、設定ミスにより計測精度が低下するおそれが少ない。従って、軸振れ測定を簡単に、且つ、精度良く行うことができる。よって、軸振れ測定を少ない労力で、且つ、精度良く行うことができる。
また、本発明は、コンピュータが計測装置から計測データを取り込み、コンピュータが計測データに基づいて変位量を求め、求めた変位量に基づいて、測定点毎に、回転子を示す図形上に軸振れ状態を描画する。従って、作業員が計測データを解析する作業を行う必要がなく、コンピュータに計測データを手動で入力する必要もなく、軸振れ測定を行った場合には、その場でコンピュータが自動で測定結果を解析し、測定結果を表示することが
できる。よって、作業員がデータの解析を終えるまで待つ必要がなく、測定結果をすぐに知ることができる。また、コンピュータが作成する描画を見れば、軸振れ状態を容易に把握することができ、軸振れ状態を解消するための調整をどのように行うべきかを容易に把握することができる。従って、軸振れ調整を簡単に、且つ、精度良く行うことができる。
本発明において、前記回転子は、水車発電機のロータと一体に回転する発電機側回転軸(以下、発電機軸という)および、前記水車発電機の水車と一体に回転する水車側回転軸(以下、水車軸という)を備え、前記発電機軸と前記水車軸は、カップリングを介して連結され、前記複数の測定点は、前記カップリングの変位を検出する測定点を含み、前記複数の回転位置は、前記カップリングを連結する連結部材の配置に対応する位置であることが好ましい。例えば、カップリングを連結するカップリングボルトの角度位置を軸振れ測定の角度位置と一致させることが好ましい。このようにすると、カップリングボルトが配置された角度位置における軸振れ量を示すデータを得ることができる。従って、軸振れを解消するための調整作業として、カップリングボルトの締め付け調整を行う場合には、描画内容に基づき、どのカップリングボルトをどの程度締め付ければよいかを容易に把握することができる。従って、軸振れ調整を容易に行うことができる。
本発明において、前記コンピュータは、前記描画処理において、前記複数の回転位置における変位量ベクトルを用いた演算結果を前記図形上に描画することが好ましい。このように、ベクトル表示を行うことにより、回転軸の軸振れ状態を直観的に把握することができる。
この場合に、前記複数の回転位置は、180度回転した2箇所の回転位置の組を複数備え、前記コンピュータは、前記2箇所の回転位置の組ごとに、前記2箇所の回転位置における変位量ベクトルの合成ベクトルを求め、前記合成ベクトルを前記図形上に矢印で描画することができる。このようにすると、ベクトルの合成によって軸振れ方向および軸振れ量を求めることができる。また、軸振れ方向および軸振れ量をわかりやすい形態で表示することができる。これにより、回転子の軸振れ状態を直感的に理解することができる。
また、この場合に、前記コンピュータは、前記複数の回転位置における変位量を前記図形上に数字で表示するとともに、前記合成ベクトルの大きさを前記矢印と共に数字で表示することが好ましい。このようにすると、軸振れ量を正確に把握することができるため、軸振れ調整を正確に行うことができる。
本発明において、前記回転子が1回転する間に前記複数の角度位置において順次前記計測処理を行う1回転分の計測を、前記複数の角度位置の全てにおいて予め設定した条件を満たす計測データが得られるまで繰り返し行い、前記コンピュータは、前記予め設定した条件を満たす計測データに基づき、前記変位量を求めることが好ましい。例えば、コンピュータは、同一の回転位置で、同一の値または近似値の計測データが複数回(例えば、2回以上)得られた場合に、条件を満たしたと判断して、この計測データを変位量データとして採用することが望ましい。このようにすると、計測精度を高めることができる。従って、精度良く軸振れ測定を行うことができる。
本発明において、前記回転子が前記複数の回転位置のそれぞれの位置に到達したことを検出する検出部を設置しておき、前記計測装置は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行うことが望ましい。例えば、回転子に複数の回転位置に対応する突起を設けておき、リミットスイッチ等の検出部によって測定対象の回転位置であることを検出することができる。このようにすると、計測装置が検出部の出力に基づいて自動で計測を行うことができる。従って、軸振れ測定を容易に、且つ、精度良く行うことができる。
あるいは、本発明において、前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続されたスイッチを用意し、前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記測定ステップを行うように構成してもよい。このような構成では、目視で回転子の回転位置を確認して手動でスイッチを操作し、計測を行うことができる。従って、回転子に検出用の形状を設ける必要がなく、リミットスイッチなどの検出部を設ける必要もないので、簡単な構成で軸振れ測定を行うことができる。
次に、本発明は、回転子の軸振れを測定する軸振れ測定システムであって、前記回転子の軸線方向と直交する方向の変位を検出する複数の接触式変位測定器と、前記複数の接触式変位測定器が接続される計測装置と、前記計測装置と通信を行うコンピュータと、を有し、前記複数の接触式変位測定器は、前記回転子における複数の測定点に設置され、前記計測装置は、前記回転子が1回転する間の複数の角度位置において、前記複数の接触式変位測定器で同時に計測を行って計測データを前記コンピュータに送信する計測処理を行い、前記コンピュータは、前記計測データから、前記複数の角度位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする。
本発明の軸振れ測定システムにおいて、前記回転子が前記複数の角度位置のいずれかの位置に到達したことを検出する検出部を備え、前記検出部は前記計測装置に接続され、前記計測装置は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行う構成を採用することができる。あるいは、前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続されたスイッチを備え、前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記計測処理を行うことができる。
水車発電機の回転子の概略構成図である。 本発明を適用した軸振れ測定システムの概略構成図である。 計測データの説明図である。 軸振れ状態を示す描画の例およびカップリングのボルト位置を示す図である。 図1、図2の回転子に対する軸振れ測定の結果の印刷例である。 他の回転子に対する複数測定点の軸振れ測定の結果の印刷例である。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した軸振れ測定方法および軸振れ測定システムを説明する。
(水車発電機)
図1は水車発電機の回転子の概略構成図であり、図2は本発明を適用した軸振れ測定システムの概略構成図である。本形態の軸振れ測定方法および軸振れ測定システムは、水車発電機の新設、オーバーホールなどの据え付けを行う際に、水車発電機などの回転子ならびに水車一体型の回転子の軸振れを測定するものである。まず、図1を参照して、測定対象である回転子1およびその支持構造を説明する。立型の水車発電機は、下端に水車2が固定された水車軸10と、ロータ3が固定された発電機軸20とを備える。ロータ3の磁極は、ロータ3の外周側に配置された円環状のステータ4と一定のギャップで径方向に対向する。ロータ3とステータ4は、ロータ3の回転に基づいて発電する発電部を構成している。
水車軸10と発電機軸20は、カップリング30を介して連結されており、全体として一体に回転する回転子1を構成している。立型の水車発電機では、回転子1の軸線方向L
は上下方向を向いており、軸線方向Lの一方側は下側L1であり、軸線方向Lの他方側は上側L2である。カップリング30は、水車軸10の上側L2の端部に形成された円環状の水車側カップリング31と、発電機軸20の下側L1の端部に形成された円環状の発電機側カップリング32とが軸線方向Lに当接しており、水車側カップリング31と発電機側カップリング32は、複数の角度位置で連結部材によって連結されている。本形態では、連結部材として、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)が用いられている(図4参照)。
回転子1は、上部ガイドメタル41、下部ガイドメタル42、水車ガイドメタル43によって軸線方向Lに離れた3箇所で軸線周りに回転可能に支持されている。発電機軸20には、ロータ3の上側L2にスラストカラー21が固定され、ロータ3の下側L1に下側カラー22が固定されている。スラストカラー21には、スラストメタル44が下側L1から当接しており、回転子1は、スラストメタル44によって下側L1から支持されている。
上部ガイドメタル41、下部ガイドメタル42、水車ガイドメタル43は軸受部材である。上部ガイドメタル41は、ロータ3の上側L2に配置され、スラストカラー21を回転可能に支持している。下部ガイドメタル42は、ロータ3の下側L1に配置され、下側カラー22を回転可能に支持している。また、水車軸10には水車側カラー11が固定され、水車ガイドメタル43は、水車側カラー11を回転可能に支持している。
(軸振れ測定システム)
図2は軸振れ測定システム100の概略構成図である。図2に示すように、軸振れ測定システム100は、複数の接触式変位測定器110A〜110Fと、通信ユニット120と、計測装置130と、コンピュータ140と、回転子1の回転位置を検出する回転位置検出部150を備える。軸振れ測定システム100は、回転子1の軸振れを複数の測定点で計測する。本形態では、軸振れ計測用の測定点は、回転子1の外周面の5点と、回転子1をスラスト方向に支持するスラストメタル44の外周面の合計6点となっている。回転子1の外周面の測定点は、スラストカラー21、下側カラー22、発電機側カップリング32、水車側カップリング31、水車側カラー11の外周面の5箇所である。なお、図2では、軸受部材である上部ガイドメタル41、下部ガイドメタル42、水車ガイドメタル43の図示を省略している。
本明細書では、これら6点の測定点を、上側L2から下側L1に向かう順で測定点P1〜測定点P6とする。また、測定点P1〜測定点P6に設置される接触式変位測定器をそれぞれ、接触式変位測定器110A〜接触式変位測定器110Fとする。すなわち、測定点P1はスラストカラー21の外周面であり、測定点P2はスラストメタル44の外周面であり、測定点P3は下側カラー22の外周面であり、測定点P4は発電機側カップリング32の外周面であり、測定点P5は水車側カップリング31の外周面であり、測定点P6は水車側カラー11の外周面である。接触式変位測定器110A〜110Fは、測定点P1〜P6の軸線方向Lと直交する方向の変位を計測するように設置されている。
接触式変位測定器110A〜110Fはデジタル式変位計であり、通信ユニット120および通信回線を介して計測装置130と接続されている。接触式変位測定器110A〜110Fは、それぞれ、通信ユニット120に接続されるアンプユニット111および各測定点に設置されるセンサヘッド112を備える。センサヘッド112としては、例えば、接触子の変位を光学式のセンサーやコイルのインピーダンスに基づき検出するものを用いることができる。接触式変位測定器110A〜110Fの出力データは、通信ユニット120を介して計測装置130に集約される。本形態では、計測装置130はPLC(プログラマブルコントローラ)であり、コンピュータ140と通信可能である。
本形態では、1回転を8等分した8箇所の回転位置R1〜R8で回転子1の変位を検出する。図2に示すように、回転位置検出部150は、回転子1の回転位置R1〜R8に対応する角度位置に設けられた突起151と、回転子1が1回転する際、これらの突起151が順次接触する位置に配置されるリミットスイッチなどの接触式スイッチ152を備える。突起151は、1回転を8等分した8箇所の角度位置に設けられている。図2では、8箇所の回転位置R1〜R8に対応する突起151の角度位置をそれぞれ、数字1〜8で図示している。回転位置検出部150は、例えば、発電機軸20の上端に設けることができる。なお、他の位置に設けてもよい。
回転位置検出部150の接触式スイッチ152は、突起151との接触により出力が切り換わる。従って、回転位置検出部150は、接触式スイッチ152の出力が切り換わったことに基づき、回転子1が予め設定した8箇所の回転位置R1〜R8のそれぞれの位置に到達したことを検出する。回転子1が図2の矢印A方向に回転すると、回転子1が45度回転する毎に、突起151が順次接触式スイッチ152と接触して、回転子1が回転位置R1〜R8に到達したことが順次検出される。
計測装置130には、回転位置検出部150から検出信号が入力される。計測装置130は、回転位置検出部150から入力される検出信号をトリガーとして、接触式変位測定器110A〜110Fによって、全ての測定点P1〜P6の変位を同時測定する。これが、1回の計測処理である。計測装置130は、1回の計測処理で取得した計測データを、測定点ごとに、その計測処理を行った回転位置と対応づけて記憶部に記憶させる処理を行う。回転子1を中心軸線周りに1回転させると、全測定点P1〜P6の変位を同時測定する計測処理が8箇所の回転位置R1〜R8でそれぞれ1回ずつ行われる。従って、8箇所の回転位置R1〜R8について、それぞれ、測定点6箇所分の計測データが得られる。これが、1回転分の計測処理である。
軸振れ測定システム100は、手動で回転装置を駆動させ、計測処理を行う構成である。なお、図示しないアクチュエータによって回転子1を軸線周りに回転させるように構成してもよい。
コンピュータ140は、計測装置130に蓄積された計測データを取り込むためのプログラムを備える。また、コンピュータ140は、取り込んだ計測データに基づき各測定点の変位量を求めるとともに、求めた変位量に基づいて各測定点での軸振れ状態を所定の形式で描画するプログラムを備える。コンピュータ140は、各測定点の変位量を求める処理として、以下の処理を行う。まず、計測装置130から取り込んだ計測データの中で、同じ測定点で、且つ、同じ回転位置(角度位置)のデータを比較する。そして、同じ測定点で、且つ、同じ回転位置において同じ値が2回得られた場合に、その値を変位量データとして採用する。この処理を、全ての回転位置で、測定点ごとに行うことにより、全ての回転位置について、全ての測定点の変位量を求める。
コンピュータ140は、計測装置130から取り込んだ計測データ、および、計測データから上記の処理によって求めた変位量データを記憶部に蓄積する。計測データおよび変位量データは、自動で、あるいは、コンピュータ140に対して所定の操作が行われた場合に、コンピュータ140の表示画面141に表示される。例えば、計測装置130から計測データを取り込んだ場合は表示画面141に表示し、新たな計測データを取り込む毎に、表示画面141に表示したデータを更新する。また、取り込んだ計測データから変位量を求めた場合には、変位量データを表示画面141に表示する。さらに、求めた変位量データに基づいて、軸振れ状態を描画した描画データを表示画面141に表示する。コンピュータ140は、計測データ、変位量データ、および軸振れ状態の描画データを、軸振
れ測定の結果データとして記憶部に蓄積する。そして、コンピュータ140に対して所定の操作を行うことにより、あるいは、自動で、表示画面141へ表示する。また、コンピュータ140と通信可能なプリンター(図示省略)から結果データの一部あるいは全部を印刷することもできる。
図3は計測データの説明図であり、図3(a)、図3(b)は、6箇所の測定点のうちの1箇所分の計測データの例である。また、図3(c)は、計測データから求めた変位量データの例である。軸振れ測定システム100は、少なくとも2周は回転子1を回転させて、少なくとも2回転分は計測処理を行う。図3(a)に示したデータは、4周分のデータである。図3(b)において、丸を付けた数字は、同じ値が2回以上得られた計測データである。図3(b)に示すように、コンピュータ140は、回転位置ごとに、同じ値が2回以上得られた計測データを抽出する。図3(c)は、同じ値が2回以上得られた計測データのみを抽出したデータであり、これが変位量データである。
軸振れ測定システム100では、図3(c)の変位量データを求めるにあたって、まず、少なくとも2回転分は計測処理を行う。そして、計測データが条件を満たさない場合(すなわち、同じ値が2回以上得られていない測定点、回転位置がある場合)、追加で1回転分の計測処理を行い、追加の計測データを加えて、条件を満たすか否か(すなわち、全ての測定点および回転位置で、同じ値が2回以上得られたか)を判定する。そして、条件を満たさない測定点、回転位置がなくなるまで、追加の計測処理を行う。全ての測定点、回転位置で同じ値が2回以上得られた場合は、計測処理はそれ以上行わない。
図4(a)は軸振れ状態を示す描画の例であり、図4(b)はカップリング30のボルト位置を示す図である。図4(a)に示す描画は、図3(c)に示した測定点P4の変位量データを用いた描画の例である。測定点P4は、発電機側カップリング32の変位を計測する測定点である。従って、図4(a)に示す描画は、発電機側カップリング32の軸振れ状態を描画したものである。軸振れ状態を示す描画は、回転子1を示す図形50上に、回転位置R1〜R8での変位量51(R1)〜51(R8)、および、軸振れ状態を示すベクトル52(以下、軸振れ状態ベクトル52という)を描画したものである。回転子1を示す図形50は円形である。また、変位量51(R1)〜51(R8)は、回転位置R1〜R8に対応する角度位置に表示されている。また、軸振れ状態ベクトル52は、ベクトルの向きを示す矢印52Aと、ベクトルの大きさを示す数値52Bによって表示されている。
コンピュータ140は、軸振れ状態ベクトル52を以下の処理によって求める。本形態では、8箇所の回転位置R1〜R8について変位を測定しているので、これら8箇所の回転位置のうち、180度回転した2箇所の回転位置の組について、回転子1の回転中心を基準とする変位量ベクトルの合成ベクトルを求める。これが、軸振れ状態ベクトル52である。図4(a)の例では、回転位置R1、R5の組、回転位置R2、R6の組、回転位置R3、R7の組、回転位置R4、R8の組の4組について、それぞれ、合成ベクトルを求める。従って、軸振れ状態ベクトル52は、R1−R5方向、R2−R6方向、R3−R7方向、R4−R8方向の4方向について求められる。
図4(a)の例では、R1−R5方向の軸振れ状態ベクトル52(R1−R5)は、回転位置R1の方向を向くベクトルであり、その大きさは3.45−3.35=0.1である。同様に、R2−R6方向の軸振れ状態ベクトル52(R2−R6)は、回転位置R6の方向を向くベクトルであり、その大きさは0.02である。また、R3−R7方向の軸振れ状態ベクトル52(R3−R7)は、回転位置R3の方向を向くベクトルであり、その大きさは0.11である。そして、R4−R8方向の軸振れ状態ベクトル52(R4−R8)は、回転位置R4の方向を向くベクトルであり、その大きさは0.04である。
回転位置R1〜R8は、発電機側カップリング32と水車側カップリング31とを連結するカップリングボルト33(R1)〜33(R8)の配置と対応するように設定されている。例えば、本形態では、図4(b)に示すように、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)は、回転子1の中心を基準として等角度間隔の8箇所で発電機側カップリング32と水車側カップリング31とを連結している。そして、回転位置検出部150の突起151は、8箇所のカップリングボルト33(R1)〜33(R8)と同じ角度位置に配置されている。このような配置により、8箇所のカップリングボルト33(R1)〜33(R8)に対応する8箇所の回転位置で、回転子1の変位量を計測する。
このように、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)に対応する回転位置R1〜R8で回転子1の変位量を計測して、各回転位置の軸振れ状態ベクトル52を表示すると、回転子1の軸振れと、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)の締め付け量との対応関係を直観的に把握することができる。例えば、軸振れを解消するためには、軸振れ状態ベクトル52がゼロとなるようにカップリングボルト33(R1)〜33(R8)の締め付け状態を調整すれよい。従って、図4(a)の描画に基づき、軸振れを解消するために、8箇所のカップリングボルト33(R1)〜33(R8)のうちで、締め付け量を調整するべきボルト位置および調整量を容易に把握することができる。
図5は、図1、図2の回転子に対する軸振れ測定の結果の印刷例である。図5(a)は測定点P1〜P6の位置を示す図であり、測定点P1〜P6の番号を示す数字が丸で囲んで表示されている。また、図5(b)は回転位置R1〜R8を示す図であり、回転位置R1〜R8の番号を示す数字1〜8が表示され、回転方向が矢印によって表示されている。また、図5(c)は、測定点P1〜P6の軸振れ状態を示す描画である。図5(c)には、6つの描画の中央にそれぞれ、測定点P1〜P6の番号を示す数字が丸で囲んで表示されている。図5(c)の描画において、測定点P4の描画は、図3(c)のデータに基づき、図4(a)の説明において述べた方法で描画したものである。また、測定点P1〜P3、および、測定点P5〜6については数値の図示を省略しているが、同様に描画することができる。軸振れ状態の描画を表示あるいは印刷する際には、図5に示すように、測定点P1〜P6の位置を示す図、および、回転位置R1〜R8を示す図と共に表示あるいは印刷することが望ましい。これにより、どの測定点のデータであるか、および、どの回転位置のデータであるかを容易に理解することができる。
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の軸振れ測定システム100は、水車発電機の新設、オーバーホールの据え付けなどを行う際に、水車発電機の水車2およびロータ3と一体に回転する回転子1の軸振れを測定するために用いられる。軸振れ測定システム100は、回転子1に複数の接触式変位測定器110A〜110Fを設置し、これらを計測装置130に接続し、回転位置検出部150から入力される検出信号をトリガーとして、接触式変位測定器110A〜110Fによって、全ての測定点P1〜P6の変位を同時測定する。また、コンピュータ140は、計測装置130に蓄積された計測データを取り込むためのプログラム、および、取り込んだ計測データに基づき各測定点の変位量を求めるとともに、求めた変位量に基づいて各測定点での軸振れ状態を所定の形式で描画するプログラムを備える。従って、従来のように作業員が目視で測定値を読み取る必要がない。また、多数の作業員を複数の測定点に配置する必要がなく、作業員が複数の測定点の間を移動する必要もない。更に、作業員の移動によって測定タイミングがずれることもない。従って、少ない労力で、簡単に、且つ、精度良く軸振れの計測を行うことができる。更に、本形態では、接触式変位測定器110A〜110Fを用いているので、ギャップ式のように測定点の材質、環境を考慮して設定を行う必要がない。従って、材質の設定ミスにより計測精度が低下するおそれが少ないので、軸振れ測定を少ない労力で、且つ、精度良く行うことができる。
また、本形態では、コンピュータ140が計測装置130から計測データを取り込み、コンピュータ140が計測データに基づいて変位量を求め、この変位量に基づいて、測定点毎に、回転子1を示す図形50上に軸振れ状態を描画する。従って、作業員が計測データを解析する作業を行う必要がなく、コンピュータ140に計測データを手動で入力する必要もなく、軸振れ測定を行った場合には、その場でコンピュータ140が自動で測定結果を解析し、表示画面141に測定結果を表示することができる。よって、作業員がデータの解析を終えるまで待つ必要がなく、測定結果をすぐに知ることができる。また、コンピュータ140は、軸振れ状態を描画で示すことができるため、軸振れ状態を容易に把握することができる。また、軸振れ状態を解消するための調整をどのように行うべきかを容易に把握することができる。従って、軸振れ調整を簡単に、且つ、精度良く行うことができる。
本形態では、軸振れ状態を描画する際、測定点毎に、回転位置R1〜R8における変位量ベクトルを用いた演算結果を表示する。例えば、180度回転した2箇所の回転位置における変位量ベクトルの合成ベクトルを求めて、回転子1を示す図形50上に矢印で描画する。さらに、合成ベクトル(軸振れ状態ベクトル)の大きさを数字で表示する。これにより、軸振れ方向および軸振れ量をわかりやすい形態で表示することができ、回転子1の軸振れ状態を直感的に理解することができる。
本形態の回転子1は、発電機軸20と水車軸10がカップリング30を介して一体に回転するように連結されている。そして、軸振れ測定システム100は、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)に対応する回転位置R1〜R8で回転子1の変位量を計測する。従って、軸振れを解消するための調整作業として、カップリングボルト33(R1)〜33(R8)の締め付け調整を行うにあたって、描画内容に基づき、締め付け量を調整するべき位置および調整量を直感的に把握することができる。従って、軸振れ調整を容易に行うことができる。
本形態の軸振れ測定システム100では、コンピュータ140は、同じ測定点、且つ、同じ回転位置で、同じ値が2回以上得られた計測データを求め、この計測データを変位量とする。そのため、少なくとも2回転分は計測処理を行い、同じ値が2回以上得られていない測定点、回転位置がある場合、追加で計測を行い、全ての測定点、回転位置で同じ値が2回以上得られるまで計測処理を繰り返す。このように、条件を設定して条件を満たすデータが得られるまで計測を繰り返すことにより、不適切なデータを除外することができ、計測精度を高めることができる。従って、精度良く軸振れ測定を行うことができる。なお、条件を満たすか否かの判定においては、完全に同一の値だけでなく、近似する値(所定の誤差範囲内の値)が得られた場合にも条件を満たすと判定する。例えば、計測データを所定の桁で四捨五入するなどの端数処理を行い、端数処理後の値が一致するデータが2回以上得られた場合に、条件を満たすと判定すればよい。
なお、本形態の軸振れ測定システム100では、計測装置130に回転位置検出部150から検出信号が入力され、計測装置130は、回転位置検出部150から入力される検出信号をトリガーとして計測を行うが、回転位置検出部150を設けず、代わりに、回転子1の回転位置R1〜R8を目視で判定するための目印、および、計測装置130に接続されたスイッチを用意しておき、目視で回転子1の回転位置R1〜R8を確認して手動でスイッチを操作し、計測を行うように構成することもできる。このようにすると、回転子1に検出用の突起151を設ける必要がなく、接触式スイッチ152などの検出部を設ける必要もないので、簡単な構成で軸振れ測定を行うことができる。
(他の回転子の軸振れ測定)
図6は、他の回転子に対する複数測定点の軸振れ測定の結果の印刷例である。本形態の軸振れ測定システム100は、回転子の構成に応じて、適宜、測定点の数および接触式変位測定器の数を変更することができる。図6に示す回転子1Aは、回転軸の本数およびカップリングの数が図1、図2に示す回転子1よりも多い。また、軸受部材であるガイドメタルの数も図1、図2に示す回転子よりも多い。そのため、図6に示す回転子1Aの軸振れ測定においては、16箇所の測定点を設定し、接触式変位測定器を16箇所に設置している。
図6(a)は16箇所の測定点の位置を示す図であり、各測定点の番号を示す数字が丸で囲んで表示されている。また、図6(b)は回転位置R1〜R8を示す図であり、回転位置R1〜R8の番号を示す数字1〜8および回転方向を示す矢印Aが表示されている。また、図6(c)は、16箇所の軸振れ状態を示す描画である。このように、本形態の軸振れ測定システム100は、回転子の構成の変更に適宜対応可能であり、測定点の位置および数を適宜変更することができる。従って、様々な構成の回転子の軸振れ測定を行うことができ、少ない労力で、且つ、精度良く軸振れ測定を行うことができる。また、回転子1の軸振れ状態を直観的にわかりやすい態様で表示することができ、その結果、軸振れ調整を容易に行うことができる。
1、1A…回転子、2…水車、3…ロータ、4…ステータ、10…水車軸、11…水車側カラー、20…発電機軸、21…スラストカラー、22…下側カラー、30…カップリング、31…水車側カップリング、32…発電機側カップリング、33(R1)〜33(R8)…カップリングボルト、41…上部ガイドメタル、42…下部ガイドメタル、43…水車ガイドメタル、44…スラストメタル、50…回転子を示す図形、51…変位量、52…軸振れ状態ベクトル、52A…矢印、52B…数値、100…軸振れ測定システム、110A〜100F…接触式変位測定器、111…アンプユニット、112…センサヘッド、120…通信ユニット、130…計測装置、140…コンピュータ、141…表示画面、150…回転位置検出部、151…突起、152…接触式スイッチ、A…矢印、L…軸線方向、L1…下側、L2…上側、P1〜P6…測定点、R1〜R8…回転位置

Claims (12)

  1. 回転子の軸振れを測定する軸振れ測定方法であって、
    前記回転子の回転軸線方向と直交する方向の変位を検出する接触式変位測定器を前記回転子における複数の測定点に設置し、
    前記接触式変位測定器に接続された計測装置が、前記複数の測定点に設置された全ての前記接触式変位測定器の計測データを同時に取得する計測処理を、前記回転子が1回転する間に複数の回転位置において行い、
    前記計測装置と通信を行うコンピュータが、
    前記計測データを前記計測装置から取得して、前記複数の回転位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、
    前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする軸振れ測定方法。
  2. 前記回転子は、水車発電機のロータと一体に回転する発電機軸、および、前記水車発電機の水車と一体に回転する水車軸を備え、前記発電機軸と前記水車軸は、カップリングを介して連結され、
    前記複数の測定点は、前記カップリングの変位を検出する測定点を含み、
    前記複数の回転位置は、前記カップリングを連結する連結部材の配置に対応する位置であることを特徴とする請求項1に記載の軸振れ測定方法。
  3. 前記コンピュータは、前記描画処理において、前記複数の回転位置における変位量ベクトルを用いた演算結果を前記図形上に描画することを特徴とする請求項1または2に記載の軸振れ測定方法。
  4. 前記複数の回転位置は、180度回転した2箇所の回転位置の組を複数備え、
    前記コンピュータは、前記2箇所の回転位置の組ごとに、前記2箇所の回転位置における変位量ベクトルの合成ベクトルを求め、前記合成ベクトルを前記図形上に矢印で描画することを特徴とする請求項3に記載の軸振れ測定方法。
  5. 前記コンピュータは、前記複数の回転位置における変位量を前記図形上に数字で表示するとともに、前記合成ベクトルの大きさを前記矢印と共に数字で表示することを特徴とする請求項4に記載の軸振れ測定方法。
  6. 前記回転子が1回転する間に前記複数の回転位置において順次前記計測処理を行う1回転分の計測を、前記複数の回転位置の全てにおいて予め設定した条件を満たす計測データが得られるまで繰り返し行い、
    前記コンピュータは、前記予め設定した条件を満たす計測データに基づき、前記変位量を求めることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。
  7. 前記予め設定した条件は、同一の値の計測データが複数回得られたことであることを特徴とする請求項6に記載の軸振れ測定方法。
  8. 前記回転子が前記複数の回転位置のそれぞれの位置に到達したことを検出する回転位置検出部を設けておき、
    前記計測装置は、前記回転位置検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。
  9. 前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続され
    たスイッチを設置し、
    前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の軸振れ測定方法。
  10. 回転子の軸振れを測定する軸振れ測定システムであって、
    前記回転子の軸線方向と直交する方向の変位を検出する複数の接触式変位測定器と、
    前記複数の接触式変位測定器と接続される計測装置と、
    前記計測装置を介して前記複数の接触式変位測定器の計測データを取得するコンピュータと、を有し、
    前記複数の接触式変位測定器は、前記回転子における複数の測定点に設置され、
    前記計測装置は、前記回転子が1回転する間の複数の回転位置において、前記複数の測定点に設置された全ての前記接触式変位測定器の計測データを同時に取得する計測処理を行い、
    前記コンピュータは、
    前記計測装置を介して取得した前記計測データから、前記複数の回転位置における前記複数の測定点の変位量を求める処理と、
    前記変位量に基づき、前記複数の測定点の一部または全部について、前記測定点毎に、前記回転子を示す図形上に前記回転子の軸振れ状態を描画する描画処理と、を行うことを特徴とする軸振れ測定システム。
  11. 前記回転子が前記複数の回転位置のいずれかの位置に到達したことを検出する回転位置検出部を備え、前記回転位置検出部は前記計測装置に接続され、
    前記計測装置は、前記回転位置検出部からの検出信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の軸振れ測定システム。
  12. 前記回転子の回転位置を目視で判定するための目印、および、前記計測装置に接続されたスイッチを備え、
    前記計測装置は、前記スイッチからの信号に基づいて前記計測処理を行うことを特徴とする請求項10に記載の軸振れ測定システム。
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